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Patent Searching and Data


Title:
ASYMMETRIC CATALYST HAVING ARTIFICIAL DOUBLE-STRAND
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129785
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a catalyst comprising a metal complex, which exploits the asymmetricity due to a double-stranded structure and is stable against thermal or other environmental changes. Specifically disclosed are: a catalyst comprising a compound having an artificially synthesized double-stranded structure, particularly an organic metal compound having a synthetic double-stranded structure containing a platinum-group metal atom wherein the a platinum-group metal atom is contained in the main chain structure which constitutes the double-stranded structure, more particularly an organic metal compound represented by the general formula (II) [wherein M represents a platinunm-group metal atom; Q3, Q4, Q5 and Q6 independently represent a ligand for the platinunm-group metal atom, provided that Q3 and Q4, Q5 and Q6, Q3 and Q5, or Q4 and Q6 may together form a bidentate ligand; R1 and R3 independently represent a hydrogen atom or a trialkylsilyl group having a C1-5 alkyl group; and R2's independently represent an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms]; a method for producing an optically active cyclopropane compound by using the catalyst; an organic metal compound represented by the general formula (I), which has a cross-link through a bidentate ligand; and a method for producing the organic metal compound.

Inventors:
HASEGAWA, Takashi (101 Creation Core Nagoya, 2266-22 Aza-AnagahoraShimoshidami, Moriyama-ku, Nagoya-sh, Aichi 03, 4630003, JP)
長谷川剛史 (〒03 愛知県名古屋市守山区下志段味字穴ヶ洞2266-22クリエイション・コア名古屋101 Aichi, 4630003, JP)
FURUSHO, Yoshio (101 Creation Core Nagoya, 2266-22 Aza-AnagahoraShimoshidami, Moriyama-ku, Nagoya-sh, Aichi 03, 4630003, JP)
Application Number:
JP2008/000574
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
March 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN SCIENCE AND TECHNOLOGY AGENCY (1-8 Honcho 4-chome, Kawaguchi-shi Saitama, 12, 3320012, JP)
独立行政法人科学技術振興機構 (〒12 埼玉県川口市本町4丁目1番8号 Saitama, 3320012, JP)
HASEGAWA, Takashi (101 Creation Core Nagoya, 2266-22 Aza-AnagahoraShimoshidami, Moriyama-ku, Nagoya-sh, Aichi 03, 4630003, JP)
長谷川剛史 (〒03 愛知県名古屋市守山区下志段味字穴ヶ洞2266-22クリエイション・コア名古屋101 Aichi, 4630003, JP)
International Classes:
B01J31/24; C07C67/347; C07C69/753; C07F7/10; C07F9/50; C07F15/00; C07F19/00; C07B53/00; C07B61/00
Other References:
ROELFES G. ET AL.: 'DNA-Based Asymmetric Catalysis' ANGEW. CHEM. INT. ED. 2005, pages 3230 - 3232, XP007905603
TANAKA Y. ET AL.: 'A Modular Strategy to Artificial Double Helices' ANGEW. CHEM. INT. ED. 18 May 2005, pages 3867 - 3870, XP003023274
FURUSHO Y. ET AL.: 'Double Helix-to-Double Helix Transformation, Using Platinum (II) Acetylide Complexes as Surrogate Linkers' ORGANIC LETTERS vol. 8, no. 12, 08 June 2006, pages 2583 - 2586, XP003023273
HASEGAWA T. ET AL.: 'Enantioselective Synthesis of Complementary Double-Helical Molecules that Catalyze Asymmetric Reactions' ANGEW. CHEM. INT. ED. vol. 46, 25 June 2007, pages 5885 - 5888
Attorney, Agent or Firm:
SAEKI, Norio (4th Floor, Aminosan Kaikan Building 15-8, Nihonbashi 3-chome, Chuo-k, Tokyo 27, 1030027, JP)
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Claims:
 人工的に合成された二重鎖らせん構造を有する化合物であって、当該二重らせん構造を形成する主鎖構造中に白金族金属原子を含有してなる白金族金属原子含有合成二重らせん構造を形成してなる有機金属化合物を含有してなる触媒。
 当該二重らせん構造を形成する主鎖構造が、メタ-ターフェニル誘導体を含有するものである請求項1に記載の触媒。
 当該二重らせん構造を形成する主鎖構造の一方がアミジン基を有し、他方がカルボキシル基を有する化合物であり、これらの2本鎖が塩橋により2本鎖を形成してなる請求項1又は2に記載の触媒。
 白金族金属原子含有合成二重らせん構造を形成してなる有機金属化合物が、次の一般式(II)、
(式中、Mは白金族金属原子を示し、Q 3 、Q 4 、Q 5 、及びQ 6 はそれぞれ独立して白金族金属原子の配位子を示し、Q 3 及びQ 4 、Q 5 及びQ 6 、並びにQ 3 及びQ 5 、Q 4 及びQ 6 とはそれぞれ一緒になって2座配位の配位子を示してもよく、R 1 及びR 3 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~5のアルキル基からなるトリアルキルシリル基を示し、R 2 はそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基を示す。)
で表される化合物である請求項1~3のいずれかに記載の触媒。
 白金族金属原子の2座配位の配位子が、次の一般式(III)
    (Ar 1 ) 2 P-R 4 -P(Ar 1 ) 2      (III)
(式中、Ar 1 はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基を示し、R 4 は炭素数1~10のアルキレン基又は炭素数2~10のアルケニレン基を示す。)
で表されるジホスフィノアルカン誘導体である請求項4に記載の触媒。
 白金族金属の2座配位の配位子が、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタンである請求項4又は5に記載の触媒。
 白金族金属原子が、白金である請求項1~6のいずれかに記載の触媒。
 触媒が、不斉触媒である請求項1~7のいずれかに記載の触媒。
 触媒が、担体に担持したものである請求項1~8のいずれかに記載の触媒。
 触媒が、不斉シクロプロパン化反応における触媒である請求項1~9のいずれかに記載の触媒。
 請求項1~10のいずれかに記載の触媒の存在下に、炭素-炭素二重結合を有する化合物と有機ジアゾ化合物とを反応させて光学活性シクロプロパン化合物を製造する方法。
 炭素-炭素二重結合を有する化合物がスチレンであり、有機ジアゾ化合物がジアゾ酢酸エステルである請求項11に記載の方法。
 次の一般式(I)、
(式中、Mは白金族金属原子を示し、Q 1 及びQ 2 はそれぞれ独立して白金族金属原子の2座配位の配位子を示し、R 1 及びR 3 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~5のアルキル基からなるトリアルキルシリル基を示し、R 2 はそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基を示す。)
で表される有機金属化合物。
 白金族金属原子の2座配位の配位子が、次の一般式(IV)
    (Ar 1 ) 2 P-R 5 -P(Ar 1 ) 2      (IV)
(式中、Ar 1 はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭素数6~20のアリール基を示し、R 5 は炭素数1~10のアルキレン基を示す。)
で表されるジホスフィノアルカン誘導体である請求項13に記載の有機金属化合物。
 白金族金属原子が、白金である請求項13又は14に記載の有機金属化合物。
 主鎖構造中に白金族金属錯体を含有してなる相補的な2種類の化合物からなる一方向巻きの二重鎖らせん構造の有機金属化合物を、2座配位の配位子の存在下に、当該白金族金属錯体の配位子交換反応により2座配位の配位子に交換して架橋することからなる、請求項13~15のいずれかに記載の有機金属化合物を製造する方法。
 白金族金属錯体が、光学活性な配位子を有するものである請求項16に記載の方法。
 光学活性な配位子が、2-ジフェニルホスフィノ-2‘-メトキシ-1,1’-ビナフチルであり、2座配位子がビス(ジフェニルホスフィノ)メタンである請求項17に記載の方法。
Description:
人工二重らせん型不斉触媒

 本発明は、人工的に合成された二重鎖らせ 構造を有する化合物であって、当該二重ら ん構造を形成する主鎖構造中に白金族金属 子を含有してなる白金族金属原子含有合成 重らせん構造を形成してなる有機金属化合 を含有してなる触媒、及び当該触媒を使用 てなる光学活性シクロプロパン化合物の製 方法、並びに2座配位の配位子で架橋されて なる一般式(I)で表される有機金属化合物、及 びその製造方法に関する。
 本発明は、人工二重鎖らせん分子を反応場 する選択的不斉化学反応に使用される工業 有用な触媒を提供するものである。

 不斉化学反応は、生物に特有な極めて選 性の高い化学反応として自然界では普通に こる現象であり、生成する化学物質の特殊 、固有性こそが抗原抗体反応を始めとする くの複雑な生命活動を滞りなく進める源で ると言える。不斉化学反応を人工的に制御 ることは人類の夢であり、L-DOPA(L-ドパ,パー キンソン病治療薬)、カルパペネム系抗生物 (パニペネム・ベタミプロン,メロペネム,イ ペネム・シラスタチン)等の医薬、医薬品原 、香料等々、多くの研究が行なわれ多数の 果を生み出してきた。

 一方、DNAやRNAそのものが触媒能を示すDNAzyme (非特許文献1)やRNAzyme(非特許文献2)が知られ おり研究されてきた。更に最近では、DNAに 属錯体を担持させた不斉触媒も提案されて る(非特許文献3)。
 また、天然のDNAを用いてナノスケールの金 微粒子や金属ワイヤーを製造する方法も多 開発されてきており(特許文献1等参照)、こ らのナノスケールの金属ワイヤーなどを用 て電子回路を製造することも検討されてい (特許文献2参照)。
 しかし、これらは何れも、天然のDNAそのも か、その修飾体であって、熱等の環境変化 対する安定性の点で劣り、さらに分子設計 困難さの点でも欠点を有しており、実用上 難点が多い。

 天然のDNAのような二重らせん構造を人工的 構築するための試みも行われてきており、 えば、多中ら(非特許文献4)は、キラルなア ジンとカルボニル基を持つm-ターフェニル 導体が有機溶媒中でアミジニウム-カルボキ レート塩橋を介して一方向巻きの二重鎖会 体を形成することを明らかにしている。さ に、池田ら(非特許文献5)は、同様の化合物 金属の配位結合を利用して長く繋げること 成功している。
 また、アシル化アニリン誘導体と芳香族ア ンとからなるラセン状繊維を鋳型にして金 酸化物ナノチューブを製造する方法(特許文 献3参照)や、第四級ビスフェノレートからな 二重らせん構造体に金属を配位させる方法( 特許文献4参照)などが提案されている。しか 、これらのものは、会合した低分子化合物 金属原子を配位させたものであり、熱その の環境の変化に対し不安定であり、工業的 用は難しいと言わざるを得ない。さらに、 媒や磁性材料として有用な二重らせん型複 錯体についても報告されているが(特許文献 5参照)、これは数個の配位子を共有結合で環 に結合させて大環状配位子にすることによ 、配位子としてのらせん構造を安定化した のである。
 これらのものは、らせん構造に金属原子が 位しているものであり、らせん構造の維持 安定性に問題があるものである。

特開2006-169544号公報

特開2003-26643号公報

特開2004-26509合公報

特開平10-139753号公報

特開2003-176278号公報 S. K. Silverman Org. Biomol. Chem. 2, 2701-2706  (2004). G. F. Joyce Annu. Rev. Biochem. 73, 791-836 (2 004) G. Roelfes & B. L. Feringa Angew. Chem. In t. Edn. 44, 3230-3232 (2005). Y. Tanaka et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2005,  44, 3867-3870. M. Ikeda et al. J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 6806.

 天然のDNAなどのように不斉化学の反応場と て、生体模倣場としての二重らせん化合物 、効率よく利用する事ができれば、効率的 かつ安定性な不斉合成が可能となり、医薬 の合成等、工業的な応用範囲は大いに広が ことになる。
 本発明は、二重らせん構造による不斉を利 し、熱などの環境変化にも安定な金属錯体 らなる触媒、及び配位子で架橋された新規 有機金属化合物を提供することを目的とし いる。

 本発明者らは、合成高分子化合物を用い DNAのような二重らせん構造を形成し得る合 高分子を初めて見出し、これについての特 出願をしてきた。このような合成高分子化 物は剛直なものであり、熱安定性もよく、 かもらせんの方向によるキラリティーもあ 、天然のDNAに匹敵する機能を有し、かつ工 的な利用に対しても十分な安定性を保持し いるものである。本発明者らは、さらに、 れらの応用として金属原子を含有し、当該 属原子に基づく触媒活性を検討してきたと ろ、らせん構造が比較的短くても十分なキ リティーを保持することができ、しかも十 な触媒活性が得られることを見出した。

 即ち、本発明は、人工的に合成された二 鎖らせん構造を有する化合物であって、当 二重らせん構造を形成する主鎖構造中に白 族金属原子を含有してなる白金族金属原子 有合成二重らせん構造を形成してなる有機 属化合物を含有してなる触媒に関する。本 明を一般式を用いてより具体的に説明すれ 、本発明は、次の一般式(II)、

(式中、Mは白金族金属原子を示し、Q 3 、Q 4 、Q 5 、及びQ 6 はそれぞれ独立して白金族金属原子の配位子 を示し、Q 3 及びQ 4 、Q 5 及びQ 6 、並びにQ 3 とQ 5 、Q 4 とQ 6 とはそれぞれ一緒になって2座配位の配位子 示してもよく、R 1 及びR 3 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~5の アルキル基からなるトリアルキルシリル基を 示し、R 2 はそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基 示す。)
で表される有機金属化合物、より詳細には次 の一般式(I)、

(式中、Mは白金族金属原子を示し、Q 1 及びQ 2 はそれぞれ独立して白金族金属原子の2座配 の配位子を示し、R 1 及びR 3 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~5の アルキル基からなるトリアルキルシリル基を 示し、R 2 はそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基 示す。)
で表される有機金属化合物を含有してなる触 媒に関する。
 また、本発明は、前記した本発明の有機金 化合物を含有してなる触媒を用いて、不斉 成法による光学活性化合物、より詳細には 学活性シクロプロパン化合物を製造する方 に関する。
 さらに、本発明は、次の一般式(I)、

(式中、Mは白金族金属原子を示し、Q 1 及びQ 2 はそれぞれ独立して白金族金属原子の2座配 の配位子を示し、R 1 及びR 3 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~5の アルキル基からなるトリアルキルシリル基を 示し、R 2 はそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基 示す。)
で表される2座配位の配位子で架橋された有 金属化合物に関する。
 また、本発明は、主鎖構造中に白金族金属 体を含有してなる相補的な2種類の化合物か らなる一方向巻きの二重鎖らせん構造の有機 金属化合物を、2座配位の配位子の存在下に 当該白金族金属錯体の配位子交換反応によ 2座配位の配位子に交換して架橋することか なる、白金族金属が、2座配位の配位子によ り架橋された前記した本発明の有機金属化合 物を製造する方法に関する。

 本発明をさらに詳細に説明すれば以下のと りとなる。
(1)人工的に合成された二重鎖らせん構造を有 する化合物であって、当該二重らせん構造を 形成する主鎖構造中に白金族金属原子を含有 してなる白金族金属原子含有合成二重らせん 構造を形成してなる有機金属化合物を含有し てなる触媒。
(2)当該二重らせん構造を形成する主鎖構造が 、メタ-ターフェニル誘導体を含有するもの ある前記(1)に記載の有機金属化合物を含有 てなる触媒。
(3)当該二重らせん構造を形成する主鎖構造の 一方がアミジン基を有し、他方がカルボキシ ル基を有する化合物であり、これらの2本鎖 塩橋により2本鎖を形成してなる前記(1)又は( 2)に記載の有機金属化合物を含有してなる触 。
(4)白金族金属原子含有合成二重らせん構造を 形成してなる有機金属化合物が、前記一般式 (II)で表される化合物である前記(1)~(3)のいず かに記載の有機金属化合物を含有してなる 媒。
(5)白金族金属が、2座配位の配位子により架 されたものである前記(1)~(4)のいずれかに記 の有機金属化合物を含有してなる触媒。
(6)白金族金属原子含有合成二重らせん構造を 形成してなる有機金属化合物が、前記一般式 (I)で表される化合物である前記(1)~(5)のいず かに記載の有機金属化合物を含有してなる 媒。
(7)白金族金属原子の2座配位の配位子が、次 一般式(III)
    (Ar 1 ) 2 P-R 4 -P(Ar 1 ) 2      (III)
(式中、Ar 1 はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭 素数6~20のアリール基を示し、R 4 は炭素数1~10のアルキレン基又は炭素数2~10の ルケニレン基を示す。)
で表されるジホスフィノアルカン誘導体であ る前記(4)~(7)のいずれかに記載の有機金属化 物を含有してなる触媒。
(8)白金族金属の2価の配位子が、1,2-ビス(ジフ ェニルホスフィノ)エチレンである前記(7)に 載の有機金属化合物を含有してなる触媒。
(9)白金族金属原子が、白金である前記(1)~(8) いずれかに記載の有機金属化合物を含有し なる触媒。
(10)触媒が、不斉触媒である前記(1)~(9)のいず かに記載の触媒。
(11)触媒が、担体に担持されたものである前 (1)~(10)のいずれかに記載の触媒。
(12)触媒が、不斉シクロプロパン化反応にお る触媒である前記(1)~(11)のいずれかに記載の 触媒。

(13)前記(1)~(12)のいずれかに記載の触媒を用い て不斉合成反応により光学活性化合物を製造 する方法。
(14)前記(1)~(12)のいずれかに記載の触媒の存在 下に、炭素-炭素二重結合を有する化合物と 機ジアゾ化合物とを反応させて光学活性シ ロプロパン化合物を製造する方法。
(15)炭素-炭素二重結合を有する化合物がスチ ンであり、有機ジアゾ化合物がジアゾ酢酸 ステルである前記(14)に記載の方法。
(16)前記した一般式(I)で表される有機金属化 物。
(17)白金族金属原子の2座配位の配位子が、次 一般式(IV)
    (Ar 1 ) 2 P-R 5 -P(Ar 1 ) 2      (IV)
(式中、Ar 1 はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭 素数6~20のアリール基を示し、R 5 は炭素数1~10のアルキレン基を示す。)
で表されるジホスフィノアルカン誘導体であ る前記(16)に記載の有機金属化合物。
(18)白金族金属原子が、白金である前記(16)又 (17)に記載の有機金属化合物。
(19)白金族金属の2座配位の配位子が、ビス(ジ フェニルホスフィノ)メタンである前記(18)に 載の有機金属化合物。
(20)主鎖構造中に白金族金属錯体を含有して る相補的な2種類の化合物からなる一方向巻 の二重鎖らせん構造の有機金属化合物を、2 座配位の配位子の存在下に、当該白金族金属 錯体の配位子交換反応により2座配位の配位 に交換して架橋することからなる、前記(16)~ (19)のいずれかに記載の有機金属化合物を製 する方法。
(21)白金族金属錯体が、光学活性な配位子を するものである前記(20)に記載の方法。
(22)光学活性な配位子が、2-ジフェニルホスフ ィノ-2‘-メトキシ-1,1’-ビナフチルであり、2 座配位子がビス(ジフェニルホスフィノ)メタ である前記(21)に記載の方法。

 本発明の主鎖構造中に白金族金属原子を 有してなる白金族金属原子含有合成二重ら ん構造を形成してなる有機金属化合物を含 してなる触媒は、合成により人為的に製造 れた人工二重鎖らせん分子を骨格構造とす ものであり、分子不斉を有し、かつ白金族 属原子による触媒活性を有し、特に不斉合 触媒として優れた触媒活性をゆうするだけ なく、構造的に強く安定した触媒活性を有 る。さらに、本発明の触媒は、従来の不斉 学反応に採用されて来た種々の触媒では不 能であった不斉分子構造を、その大きなら ん分子構造により反応場に存在させること でき、効率良く廉価に、しかも触媒の安定 の優れた不斉合成ができるようになる。そ 結果、光学活性の医薬品の合成等の各種の 学活性化合物の製造が容易となり、かつ効 が飛躍的に増大することになる。

図1は、本発明の二重らせん構造を有す る有機金属化合物((+)-3)のMALDI-TOF-MSのチャー である。 図2は、本発明の二重らせん構造を有す る有機金属化合物((+)-3)のIR(赤外吸収スペク ル)のチャートである。 図3は、本発明の二重らせん構造を有する有 金属化合物((+)-3)の 1 H-NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)のチャ トである。 図4は、本発明の二重らせん構造を有する有 金属化合物((+)-3)の 31 P-NMR( 31 P核磁気共鳴スペクトル)のチャートである。

 本発明の触媒成分として使用される主鎖構 中に白金族金属原子を含有してなる白金族 属原子含有合成二重らせん構造を形成して る有機金属化合物は、合成の二重らせん構 を有していることを第一の特徴とするもの あり、さらに、当該らせん構造の主鎖構造 に金属原子を有していることを第二の特徴 し、当該白金族金属原子が2座配位の配位子 を介して架橋されていることを第三の特徴と するものである。
 本発明の当該有機金属化合物の合成のらせ 構造の長さは特に制限はなく、長くてもよ が、触媒活性に着目すれば、らせん構造に るキラリティーが安定し、かつ構造的に熱 どの環境変化を受けにくいものであれば短 方が好ましい、らせん構造の主鎖構造とし ターフェニル構造を採用する場合には繰り し単位が2個以上あれば十分であるが、是に 限定されるものではない。
 第二の特徴である金属原子は、らせん構造 主鎖構造中に少なくとも1個存在すれば十分 であるが、2個以上含有するように繰り返し 位を増加させてもよい。
 第三の特徴である架橋については、必ずし 必須ではないが、らせん構造を短くし、か 構造的な安定性を保持させるためには、ら ん構造の主鎖構造同士を2座配位の配位子を 介して架橋させることが好ましい。
 本発明の触媒成分として使用される有機金 化合物における、好ましい主鎖構造中に白 族金属原子を含有してなる白金族金属原子 有合成二重らせん構造を形成してなる有機 属化合物としては、次の一般式(II)

(式中、Mは白金族金属原子を示し、Q 3 、Q 4 、Q 5 、及びQ 6 はそれぞれ独立して白金族金属原子の配位子 を示し、Q 3 及びQ 4 、Q 5 及びQ 6 、並びにQ 3 及びQ 5 、Q 4 及びQ 6 とはそれぞれ一緒になって2座配位の配位子 示してもよく、R 1 及びR 3 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~5の アルキル基からなるトリアルキルシリル基を 示し、R 2 はそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基 示す。)
で表される有機金属化合物が挙げられる。
 また、架橋された構造の好ましい例として 、次の一般式(I)、

(式中、Mは白金族金属原子を示し、Q 1 及びQ 2 はそれぞれ独立して白金族金属原子の2座配 の配位子を示し、R 1 及びR 3 はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~5の アルキル基からなるトリアルキルシリル基を 示し、R 2 はそれぞれ独立して炭素数1~10のアルキル基 示す。)
で表される有機金属化合物が挙げられる。
 これらの一般式(I)及び(II)における白金族金 属原子としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、 テニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir) どが挙げられるが、好ましい白金族金属原 としては白金(Pt)又はパラジウム(Pd)が挙げ れ、更に好ましくは白金(Pt)が挙げられる。
 一般式(II)における白金族金属原子の配位子 としては、トリフェニルホスフィン、トリス (トリル)ホスフィンなどのトリアリールホス ィン;2-ジフェニルホスフィノ-2’-メトキシ- 1,1’-ビナフチルなどのビナフチルホスフィ ;有機アミン類などの孤立電子対を有する化 物が挙げられる。これらの配位子は光学活 なものでもよいし、光学不活性なものであ てもよいが、Q 3 、Q 4 、Q 5 、及びQ 6 の少なくとも1つが光学活性のものであるこ が好ましい。光学活性な配位子としては、 ましくは、光学活性な1座の燐系配位子であ 、更に好ましくは光学活性2-ジフェニルホ フィノ-2’-メトキシ-1,1’-ビナフチル(以下 MOPと略すことがある。)である。
 また、これらの一般式(I)及び(II)における2 配位の配位子としては、白金族金属原子に 位できる部分を2カ所有しており、これらが 橋に適した距離を保てるものであれば特に 限は無いが、好ましい2座配位の配位子とし ては次の一般式(III)、
    (Ar 1 ) 2 P-R 4 -P(Ar 1 ) 2      (III)
(式中、Ar 1 はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭 素数6~20のアリール基を示し、R 4 は炭素数1~10のアルキレン基又は炭素数2~10の ルケニレン基を示す。)
で表されるジホスフィノアルカン誘導体が挙 げられる。
 炭素数6~20のアリール基としては、フェニル 基、ナフチル基、ビフェニル基などの炭素数 6~20、好ましくは炭素数6~18、炭素数6~12の単環 式、多環式、又は縮合環式の炭素環式アリー ル基が挙げられる。これらのアリール基は、 炭素数1~20、好ましくは1~10の直鎖状又は分枝 のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1~20、 好ましくは1~10の直鎖状又は分枝状のアルコ シ基などの置換基で置換されていてもよい
 また、炭素数1~10のアルキレン基としては、 メチレン基、エチレン基、ジメチルメチレン 基などの炭素数1~10、好ましくは1~8、1~5の直 状又は分枝状のアルキレン基が挙げられる
 炭素数2~10のアルケニレン基としては、エチ レン基、1,2-ジメチルエチレン基などの炭素 2~10、好ましくは2~8、2~5の直鎖状又は分枝状 アルケニレン基が挙げられる。
 一般式(III)で表されるジホスフィノアルカ 誘導体の好ましい例としては、ビス(ジフェ ルホスフィノ)メタン(以下、dppmと略すこと ある。)、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エ チレンなどが挙げられる。

 これらの一般式(I)及び(II)における炭素数1~5 のアルキル基からなるトリアルキルシリル基 におけるアルキル基としては、それぞれ同じ であっても異なっていてもよいが、メチル基 、エチル基などの炭素数1~5の直鎖状又は分枝 状のアルキル基が挙げられる。好ましいトリ アルキルシリル基としては、トリメチルシリ ル基、トリエチルシリル基などが挙げられる 。
 これらの一般式(I)及び(II)におけるアミジノ 基の置換基であるR 2 は、水素原子であってもよいが、それぞれ炭 素数1~40、好ましくは6~40の炭化水素基であっ もよい。炭化水素基としては、炭素数1~40、 好ましくは炭素数6~40、炭素数6~20の直鎖状又 分枝状のアルキル基;炭素数2~40、好ましく 炭素数6~40、炭素数6~20の直鎖状又は分枝状の アルケニル基;炭素数2~40、好ましくは炭素数6 ~40、炭素数6~20の直鎖状又は分枝状のアルキ ル基;炭素数3~40、好ましくは炭素数6~40、炭 数6~20の飽和又は不飽和の単環式、多環式又 縮合環式の脂環式炭化水素基;炭素数6~40、 ましくは炭素数6~18、炭素数6~12の単環式、多 環式、又は縮合環式の炭素環式芳香族基;炭 数6~36、好ましくは炭素数6~18、炭素数6~12の 環式、多環式、又は縮合環式の炭素環式芳 族基(アリール基)に、前記した炭素数1~40の ルキル基が結合した、炭素数7~40、好ましく 炭素数7~20、炭素数7~15のアラルキル基(炭素 式芳香脂肪族基)などが挙げられる。好まし いアミジノ基の窒素原子における置換基とし ては、例えばベンジル基、フェニルエチル基 などの炭素数7~40、好ましくは炭素数7~20、炭 数7~15のアラルキル基が挙げられる。
 好ましいR 2 基としては、メチル基、エチル基、イソプロ ピル基( i Pr-)などの炭素数1~10、より好ましくは1~5の直 状又は分枝状のアルキル基が挙げられる。

 二重らせん構造を形成する主鎖構造が、 タ-ターフェニル誘導体を含有するものであ る場合には、当該二重らせん構造を形成する 主鎖構造の一方がアミジン基を有し、他方が カルボキシル基を有する化合物であり、これ らの2本鎖が塩橋により2本鎖を形成してなる 造が好ましい。前記した一般式(I)や一般式( II)で示されるように、カルボキシル基の酸性 の水素原子と相補鎖中に存在するアミジノ基 によりアミジニウム基となり、またカルボキ シル基が酸性の水素原子を失うことによりカ ーボキシレートとなり、陽イオンと陰イオン による塩橋となる。このような塩橋により2 鎖の剛直ならせん構造が形成されることに る。これはDNAにおける2本の鎖を結合させる 素結合のような役割を果たしていることに る。

 本発明の主鎖構造を形成するメタ-ターフェ ニル誘導体は、両末端にエチニル基を持ち、 中央部のフェニル基のオルト位にアミジノ基 やカルボキシル基などの極性の官能基が結合 した「く」の字型をしており、二重らせんを 組みやすい構造をしている。メタ-ターフェ ル誘導体の両末端のエチニル基の片方をト アルキルシリル基などの保護基で保護し、 金族の金属化合物と反応させることにより それぞれの主鎖構造部分を製造することが きる。これらの化合物の製造方法は、八島 の方法(Y.Furusyo, Y.Tanaka, and E.Yashima, Org. Let t., Vol.8, No.12, 2583-2586 (2006)、及びそのサポ ティング情報参照)によって製造することが できる。
 このようにして製造された、アミジノ基を する主鎖構造と、カルボキシル基を有する 鎖構造とを、水系溶媒または有機溶媒中で 合すると所望の二重らせん高分子を得るこ ができるが、この2種類の高分子に付属する アミジン基とカルボキシル基の量比が1対1に いほど効率的である。通常、1対2から2対1で あれば、所望の二重らせん高分子を効率良く 得ることができる。更に好ましい量比は、2 3から3対2の範囲である。
 2種類の相補的高分子の溶媒中に於ける濃度 は、溶解度が許す範囲であれば、高濃度でも 良いが、濃度が高すぎると凝集が起こり易く 、所望の2重らせん高分子の均一性が失われ ため好ましくない。一方、希薄に過ぎると 所望の2重らせん高分子が僅かしかできず、 率的でない。好ましい範囲は、2種類の合計 が1mg/ml以下であり、更に好ましくは0.001~0.3mg/ ml、更に好ましくは0.01~0.2mg/mlである。溶媒は 水系でも有機溶媒系でも可能であるが、溶解 性の自由度が高い点で有機溶媒が好ましい。
 以上のようにして、本発明の架橋されてい い有機金属化合物を製造することができる

 次に、架橋された有機金属化合物の製造方 について説明する。
 上記のようにして製造された白金族錯体を するアミジン2量体、好ましくはキラルな配 位子を持つ白金族錯体を有するアミジン2量 と、これに相補的なカルボン酸2量体、好ま くはアキラルなカルボン酸2量体とからなる 一方向巻きの二重鎖らせん化合物に2座配位 配位子を作用させ、配位子交換を起こさせ ことにより、本発明の架橋された有機金属 合物を製造することができる。
 配位子交換後は2つの白金族原子によって架 橋され、強固な構造を有するに至った二重鎖 らせん分子を生成させる事ができる。この二 重鎖らせん化合物は、容易に担体に担持でき 、担持された二重鎖らせん化合物は、不斉触 媒として働き、従来、不可能であった大きな 分子の不斉化反応を可能にする。
 相補的なアミジンとカルボン酸は溶媒中で 方向巻きの二重鎖らせん化合物を形成する 、溶媒は有機溶媒でも水系溶媒でもかまわ い。好ましくは、溶解度の関係で有機溶媒 選択され、更に好ましくは、極性の小さな 機溶媒、最も好ましくはクロロホルム又は ルエンなどが挙げられる。
 カルボキシル基を有する白金族金属錯体と ミジン基を有する白金族金属錯体からなる 本鎖型の会合体の濃度としては、10mmol/L以 であることが好ましい。更に好ましくは、2m mol/L以下、最も好ましくは0.1-0.8mmol/Lである。 カルボキシル基を有する白金族金属錯体とア ミジン基を有する白金族金属錯体からなる二 重鎖型の会合体と2座配位の配位子、例えばdp pmとの割合は1:1から1:10が好ましい。更に好ま しくは1:2から1:4が挙げられ、最も好ましくは 1:3程度が挙げられる。
 二重鎖らせん化合物を形成する時の温度は 50℃以下である事が必要であり、好ましく 0℃以下、より好ましくは-70℃~-50℃である。
 最終的に生成した本発明の有機金属化合物 取り出す方法には制限は無く、一般に知ら る方法が選択できるが、簡単には、再沈殿 やクロマト法が利用できる。
 完成した二重らせん構造の本発明の有機金 化合物の構造を確認するには、質量スペク ル/可視吸収スペクトル/円二色性スペクト /核磁気共鳴スペクトル等の一般的な方法が われる。

 本発明の製造方法をさらに具体的に例を上 て説明する。
 キラルな配位子である(R)-2-ジフェニルホス ィノ-2‘-メトキシ-1,1’-ビナフチル((R)-MOPと 略記)を持つ白金錯体を有するアミジン2量体 、これに相補的なアキラルなカルボン酸2量 体とからなる一方向巻きの二重らせん構造を 有する有機金属化合物、即ち、トランス-ビ ((R)-2-ジフェニルホスフィノ-2’-メトキシ-1,1 ’-ビナフチル)-ビス(4-(2’-(N,N’-ジイソプロ ルアミジノ)-4”-トリメチルシリルエチニル -1,1’:3’,1”-タ-フェニル)エチニル)白金(II) 体(trans-bis ((R)-2-diphenylphosphino-2'-methoxy-1,1'- b inaphthyl)-bis(4-(2'-(N,N'-diisopropylamidino)-4"-trimethyls ilylethynyl- 1,1':3',1"- terphenyl)ethynyl)platinum(II))( 下、分子鎖(R)-1と略称する)、及びトランス- ビス(トリフェニルホスフィン)-ビス(4-(2’-カ ルボキシ-4”-トリメチルシリルエチニル-1,1 :3’,1”-タ-フェニル)エチニル)白金(II)錯体(t rans-bis(triphenylphosphine)- bis(4-(2'-carboxy-4"- trimet hylsilylethynyl- 1,1':3',1"-terphenyl)ethynyl)platinum(II)) (以下、分子鎖-2と略称する)からなるらせん 造体(以下、二重らせん(R)-1・2と略称する)に 、例えば、2座配位の配位子であるビス(ジフ ニルホスフィノ)メタン(以下、dppmと略称す )を作用させ、配位子交換を起こさせる。配 位子交換後は2つの白金原子によって架橋さ た二重らせん分子(以下、(+)-3と略称する。) 生成させる事ができる。

 本発明の二重らせん構造を形成する主鎖構 中に白金族金属原子を含有してなる白金族 属原子含有合成二重らせん構造を形成して る有機金属化合物、より詳細には前記一般 (I)又は一般式(II)で表される有機金属化合物 は、触媒活性を有する金属原子を含有してお り当該金属原子が有している触媒活性に起因 する触媒として使用することができる。また 、らせん構造などによる分子不斉を有してお り不斉触媒として使用することができる。本 発明の触媒は、容易に各種の触媒担持体に担 持でき、担持された二重鎖らせん化合物は、 不斉触媒として働き、従来、不可能であった 大きな分子の不斉化反応を可能にする。
 本発明の触媒は、金属原子に起因する水素 反応、環化反応、置換反応、付加反応など おける触媒として、特に不斉触媒として使 することができる。
 例えば、本発明の触媒は後記する具体例に されるように、例えばスチレンなどのよう 炭素-炭素二重結合を有する化合物と、例え ばジアゾ酢酸エステルなどのような有機ジア ゾ化合物とを反応させて光学活性シクロプロ パン化合物を製造する方法に使用することが できる。

 本発明の一般式(I)で表される有機金属化合 、即ち、2本鎖のらせん構造における各々の 鎖中に存在する金属原子が相互に、2座配位 配位子により架橋された有機金属化合物は 規化合物である。したがって、本発明は、 媒、特に不斉合成触媒として有用な新規な 般式(I)で表される有機金属化合物を提供す ものである。
 本発明の一般式(I)で表される有機金属化合 における好ましい2座配位の配位子としては 、次の一般式(IV)、
    (Ar 1 ) 2 P-R 5 -P(Ar 1 ) 2      (IV)
(式中、Ar 1 はそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭 素数6~20のアリール基を示し、R 5 は炭素数1~10のアルキレン基を示す。)
で表されるジホスフィノアルカン誘導体が挙 げられる。一般式(IV)におけるアリール基や ルキレン基は、前記した一般式(III)の場合と 同様であり、より好ましい2座配位の配位子 しては、具体的には、例えば、ビス(ジフェ ルホスフィノ)メタンが挙げられる。

 以下、実施例により本発明をより具体的 説明するが、本発明はこれら実施例により ら限定されるものではない。

 二重らせんの架橋
 八島らの方法(Y.Furusho, Y.Tanaka, E.Yashima, Org. Lett., 8(12), 2583-2586)により製造された(R)-1・2 用いて、次に示す化学反応スキームにした って架橋を行った。

 25℃で、(R)-1・2(1.72mg,0.48μmol)のクロロホ ム溶液(0.08mL)にdppm(0.55mg,1.44μmol)のクロロホ ム溶液(0.08mL)を加えた。5分間撹拌した後,反 溶液をそのままサイズ排除クロマトグラフ ーにかけ、架橋された二重らせん型錯体(+)- 3を得た。収率は70%であった。

 得られた化合物の同定は以下の方法に依っ 。
 MALDI-TOF-MS(positive mode, matrix: dithranol):
   [(+)-3a+H] +  2897.9。
 図1にチャートを示す。図1に示されるチャ トより、目的とする架橋された二重らせん 由来する分子イオンピークを検出すること できた。
   IR(KBr)ν:
     3401(ν N-H )、2155(ν C≡C )、2098(ν C≡C )、
     1636(ν C=N )cm -1
 結果のチャートを図2に示す。図2のチャー より、アミジン、カルボキシル基、アセチ ンに由来する吸収帯の存在を確認できた。
  1 H-NMR(500MHz,CDCl 3 ,(+)-(2.2mM),25℃)δ:
   12.56 (d, J = 9.0 Hz, 4H, NH), 7.94-7.84 (m, 16H, ArH),
   7.64-7.40 (m, 28H, ArH), 7.30-7.21 (m, 6H, ArH) ,
   7.18-7.04 (m, 28H, ArH), 6.55 (m, 8H, ArH),
   4.66 (m, 4H, PCH 2 P), 2.94 (m, 4H, CHN),
   0.58 (d, J = 6.9 Hz, 24H, CH 3 ), 0.30 (s, 18H, TMS),
   0.27 (s, 18H, TMS);
 図3に結果のチャートを示す。
  31 P-NMR(200MHz,CDCl 3 ,(+)-3(0.6mM),25℃)δ:
   2.72 (J 1  =2,778 Hz, J 3  =34 Hz), 1.53 (J 1  =2,768 Hz, J 3  =31 Hz).
 図4に結果のチャートを示す。
 これらのNMRの結果から、架橋された二重ら ん構造から期待されるシグナルの全てを検 することができた。
 元素分析  C 166 H 156 N 4 O 4 P 4 Pt 2 Si 4  として、
   計算値 : C,68.81; H,5.43; N,1.93.
   実測値 : C,68.54; H,5.21; N,1.85。
 架橋された二重らせん分子から期待される 素比が一致した。

(不斉シクロプロパン化反応)
 次に示す化学反応スキームにしたがって反 を行った。

 実施例1で製造した二重鎖らせん構造を有 する化合物(+)-3(81%e.e.(エナンチオマー過剰率) 、8.6mg,3.0μmol))のジクロロエタン溶液(0.1 mL) 、25℃でテトラキス銅(I)ヘキサフルオロホス フェート(1.2mg,3.0μmol)を加えた。この溶液に チレン(6.2mg,60mol)とジアゾ酢酸エチル(3.4mg,30 mol)を加え、25℃で48時間撹拌した後、溶媒を 減圧留去し、残査をカラムクロマトグラフィ ーにて精製し(シリカゲル,溶離液:ヘキサン/ 酸エチル=95/5)、目的とする2-フェニル-4-シク ロプロパンカルボン酸エチルを得た。収率は 39%であった(トランス/シス=63:37,80%e.e.(トラン 体),8%e.e.(シス体))。

 本発明は、触媒、特に不斉触媒として有 な二重らせん構造を有する新規な有機金属 合物を提供するものであり、医薬品などの 学活性化合物を製造する際の触媒として産 上有用なものであり産業上の利用可能性を する。