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Title:
AUDIO PROCESSING DEVICE AND AUDIO PROCESSING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/133948
Kind Code:
A1
Abstract:
Proposed is an audio processing device and an audio processing method that enable reproduction of discrete data with good sound quality according to user preferences. An audio processing part (2) makes it possible to calculate an interpolated value that reflects the value of a variable parameter α multiplied by the value of a control sampling function c0(t) so that the value of the variable parameter α can be varied. The analog signal obtained from an interpolation process executed by using a sampling function SN(t) can thereby be adjusted to correspond to the variable parameter α. In this way, it is possible to play back music of high audio quality as desired by the user, where the frequency characteristics of said analog signal can be varied by the user by appropriately changing the variable parameter α in response to various factors, such as the music playback environment, sound source, and melody.

Inventors:
TORAICHI KAZUO (JP)
HIGUCHI MASAKAZU (JP)
MOROOKA YASUO (JP)
NAKAMURA MITSUAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058567
Publication Date:
November 05, 2009
Filing Date:
May 01, 2009
Export Citation:
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Assignee:
JAPAN SCIENCE & TECH AGENCY (JP)
TORAICHI KAZUO (JP)
HIGUCHI MASAKAZU (JP)
MOROOKA YASUO (JP)
NAKAMURA MITSUAKI (JP)
International Classes:
G06F17/17; G10L19/00; G10L19/04; G10L21/04; H03H17/00; H03H17/02; H04R3/04
Domestic Patent References:
WO1999038090A11999-07-29
Foreign References:
JP2006050429A2006-02-16
JPH104358A1998-01-06
JP2006050428A2006-02-16
Other References:
See also references of EP 2299368A4
Attorney, Agent or Firm:
USHIKI, Mamoru (JP)
牛木 護 (JP)
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Claims:
 それぞれが有限台の区分的多項式で表される基本標本化関数及び制御標本化関数の線形結合で構成された標本化関数を用いて、時間方向に並ぶ複数の離散データに対する畳み込み演算を行うことにより、前記離散データ間の補間値を算出する関数処理部を備える
 ことを特徴とする音響処理装置。
 前記関数処理手段は、
 前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを用いて、前記離散データに対する前記畳み込み演算をそれぞれ実行した後、前記標本化関数を用いた前記畳み込み演算によって得られた演算結果を前記線形加算することにより前記補間値を算出する
 ことを特徴とする請求項1記載の音響処理装置。
 前記離散データを複数の周波数帯域に分離して複数の帯域別信号を生成する帯域分離手段を備え、
 前記関数処理部は、
 各前記帯域別信号毎に補間処理を個別に実行し、各前記周波数帯域毎に生成された補間処理信号を合成することにより合成信号を生成する
 ことを特徴とする請求項1又は2記載の音響処理装置。
 前記補間値が算出される着目点を挟んで存在する所定数の前記離散データを抽出する離散データ抽出手段を備え、
 前記関数処理手段は、
 前記離散データ抽出手段によって抽出された各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記基本標本化関数の値を計算し、前記離散データのそれぞれに対応させた前記基本標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での基本補間値を計算する基本項演算手段と、
 前記離散データ抽出手段によって抽出された各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記制御標本化関数の値を計算し、前記離散データのそれぞれに対応させた前記制御標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での制御補間値を計算する制御項演算手段と、
 前記基本項演算手段により算出した前記基本補間値と、前記制御項演算手段により算出した前記制御補間値との線形加算により前記補間値を算出する線形加算手段とを備える
 ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項記載の音響処理装置。
 前記関数処理手段は、ユーザによって任意の数値に設定可能な可変パラメータを前記制御標本化関数に乗算する係数乗算手段を有する
 ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1項記載の音響処理装置。
 前記補間値が算出される着目点を挟んで存在する所定数の前記離散データを抽出する離散データ抽出手段を備え、
 前記関数処理手段は、
 前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを予め前記線形加算した前記標本化関数が記憶されており、各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記標本化関数の値を計算する関数演算手段と、
 前記離散データのそれぞれに対応させた前記標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での補間値を計算する畳み込み演算手段とを備える
 ことを特徴とする請求項1~3及び5のうちいずれか1項記載の音響処理装置。
 前記基本標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-1,1]において1回だけ微分可能な区分多項式で他の区間は恒等的に0で表される関数であり、
 前記制御標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-2、2]において1回だけ微分可能な区分多項式関数で他の区間では恒等的に0となる関数である
 ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1項記載の音響処理装置。
 前記離散データの標本位置をtとしたとき、
 前記基本標本化関数をf(t)とし、前記基本標本化関数は次式

で表され、
 前記制御標本化関数をC 0 (t)=C r (t)+C r (-t)とし、前記Cr(t)は次式

で表される
 ことを特徴とする請求項1~7のうちいずれか1項記載の音響処理装置。
 前記数値が異なる複数の前記可変パラメータが予め記憶されており、前記複数の可変パラメータの中から前記制御標本化関数に乗算するいずれか1つの前記可変パラメータを選択させるためのセレクタを備える
 ことを特徴とする請求項1~8のうちいずれか1項記載の音響処理装置。
 前記関数処理手段は、
 ユーザの指定したプログラムデータに基づいてユーザ所望の制御形態でなる演算構成を形成するプログラマブル信号処理デバイスにプログラミングされる
 ことを特徴とする請求項1~9のうちいずれか1項記載の音響処理装置。
 前記基本標本化関数及び前記制御標本化関数は、着目する前記離散データ間の所定の区分数に応じて予め計算された演算値をテーブル化しておき、このテーブル化したテーブル値と前記離散データとの畳み込み演算と、前記可変パラメータの乗算と、前記線形加算とを前記離散データの入力毎に演算して、前記補間値を出力する
 ことを特徴とする請求項1~10のうちいずれか1項記載の音響処理装置。
 前記離散データ間の前記区分数が複数の場合、それら区分数の最小公倍数の区分数で前記テーブル値を予め演算しておき、前記離散データの入力開始時に設定される前記区分数に応じて、前記テーブル値を選択して、該テーブル値と前記離散データとの畳み込み演算を実行する
 ことを特徴とする請求項11記載の音響処理装置。
 前記帯域別信号及び前記補間処理信号のいずれか一方に音圧パラメータを乗算して、各前記周波数帯域毎に音圧レベルを調整した帯域別調整信号を生成する音圧調整手段を備え、
 前記補間処理手段は、前記帯域別信号に前記音圧パラメータを乗算するときには前記帯域別調整信号毎に前記補間処理を個別に実行する
 ことを特徴とする請求項3記載の音響処理装置。
 前記帯域信号毎に異なる前記音圧パラメータを設定可能な構成を有する
 ことを特徴とする請求項13記載の音響処理装置。
 それぞれが有限台の区分的多項式で表される基本標本化関数および制御標本化関数の線形結合で構成された標本化関数を用いて、時間方向に並ぶ複数の離散データに対する畳み込み演算を行うことにより、前記離散データ間の補間値を関数処理部によって算出する関数処理ステップを有する
 ことを特徴とする音響処理方法。
 前記関数処理ステップは、
 前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを用いて、前記離散データに対する前記畳み込み演算をそれぞれ実行する畳み込み演算ステップと、
 前記標本化関数を用いた前記畳み込み演算によって得られた演算結果を前記線形加算することにより前記補間値を算出する線形加算ステップと
 を備えることを特徴とする請求項13記載の音響処理方法。
 前記離散データを複数の周波数帯域に分離して複数の帯域別信号を生成する帯域分離ステップを備え、
 前記関数処理ステップは、
 各前記帯域別信号毎に補間処理を個別に実行し、各前記周波数帯域毎に補間処理信号を生成する補間処理ステップと、
 各前記周波数帯域毎に生成された複数の前記補間処理信号を合成することにより合成信号を生成する帯域合成ステップと
 を備えることを特徴とする請求項15又は16記載の音響処理方法。
 前記補間値が算出される着目点を挟んで存在する所定数の前記離散データを抽出する離散データ抽出ステップを備え、
 前記関数処理ステップは、
 前記離散データ抽出手段によって抽出された各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記基本標本化関数の値を計算し、前記離散データのそれぞれに対応させた前記基本標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での基本補間値を計算する基本項演算ステップと、
 前記離散データ抽出手段によって抽出された各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記制御標本化関数の値を計算し、前記離散データのそれぞれに対応させた前記制御標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での制御補間値を計算する制御項演算ステップと、
 前記基本項演算手段により算出した前記基本補間値と、前記制御項演算手段により算出した前記制御補間値とを線形加算して前記補間値を算出する線形加算ステップとを備える
 ことを特徴とする請求項15~17のうちいずれか1項記載の音響処理方法。
 前記関数処理ステップは、ユーザによって任意の数値に設定可能な可変パラメータを前記制御標本化関数に乗算する係数乗算ステップを有する
 ことを特徴とする請求項15~18のうちいずれか1項記載の音響処理方法。
 
 前記補間値が算出される着目点を挟んで存在する所定数の前記離散データを抽出する離散データ抽出ステップを備え、
 前記関数処理ステップは、
 前記基本標本化関数と前記制御標本化関数とを予め前記線形加算した前記標本化関数を記憶しておき、各前記離散データ毎に求めた前記着目点までの距離を用いて前記標本化関数の値を計算する関数演算ステップと、
 前記離散データのそれぞれに対応させた前記標本化関数の値を畳み込み演算することより、前記着目点での補間値を計算する畳み込み演算ステップとを備える
 ことを特徴とする請求項15~17及び19のうちいずれか1項記載の音響処理方法。
 前記基本標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-1,1]において1回だけ微分可能な区分多項式で他の区間は恒等的に0で表される関数であり、
 前記制御標本化関数は、前記離散データの標本位置の区間[-2、2]において1回だけ微分可能な区分多項式関数で他の区間では恒等的に0となる関数である
 ことを特徴とする請求項15~20のうちいずれか1項記載の音響処理方法。
 前記離散データの標本位置をtとしたとき、
 前記基本標本化関数をf(t)とし、前記基本標本化関数は次式

で表され、
 前記制御標本化関数をC 0 (t)=Cr(t)+Cr(-t)とし、前記Cr(t)は次式

で表される
 ことを特徴とする請求項15~21のうちいずれか1項記載の音響処理方法。
 前記パラメータ設定ステップでは、予め記憶された前記数値が異なる複数の前記可変パラメータの中から、前記制御標本化関数に乗算するいずれか1つの前記可変パラメータを選択させる
 ことを特徴とする請求項15~22のうちいずれか1項記載の音響処理方法。
 前記関数処理ステップは、
 ユーザの指定したプログラムデータに基づいてプログラマブルな信号処理デバイスにプログラミングされたユーザ所望の制御形態でなる演算回路構成で実行する
 ことを特徴とする請求項15~23のうちいずれか1項記載の音響処理方法。
 前記関数処理ステップは、
 着目する前記離散データ間の所定の区分数に応じて予め計算された前記基本標本化関数及び前記制御標本化関数の演算値をテーブル化しておき、該テーブル値と前記離散データとの畳み込み演算と、前記可変パラメータの乗算と、前記線形加算とを前記離散データの入力毎に演算して、前記補間値を出力する
 ことを特徴とする請求項15~24のうちいずれか1項記載の音響処理方法。
 前記関数処理ステップは、
 前記離散データ間の前記区分数が複数の場合、それら区分数の最小公倍数の区分数で前記テーブル値を予め演算しておき、前記離散データの入力開始時に設定される前記区分数に応じて、前記テーブル値を選択して、該テーブル値と前記離散データとの畳み込み演算を実行する
 ことを特徴とする請求項25記載の音響処理方法。
 前記帯域分離ステップ及び前記補間処理ステップのうちいずれか一方の後に音圧調整ステップを備え、
 前記音圧調整ステップは、
 前記帯域分離ステップの後においては前記帯域別信号に音圧パラメータを乗算し、
 前記補間処理ステップの後においては前記補間処理信号に音圧パラメータを乗算して、
 前記音圧パラメータによって各前記周波数帯域毎に音圧レベルが調整された帯域別調整信号を生成し、
 前記補間処理手段は、
 前記帯域別信号に前記音圧パラメータを乗算するときには前記帯域別調整信号毎に前記補間処理を個別に実行する
 ことを特徴とする請求項17記載の音響処理方法。
 設定部によって前記帯域信号毎に異なる前記音圧パラメータを設定可能な音圧パラメータ設定ステップを有する
 ことを特徴とする請求項27記載の音響処理方法。
Description:
音響処理装置及び音響処理方法

 本発明は、音響処理装置及び音響処理方 に関し、例えば所定のサンプリング周波数 サンプリングされた時間方向に並ぶ離散デ タ間を補間して、入力時のサンプリング周 数よりも高周波で離散データを生成あるい アナログ信号を生成する際に適用して好適 ものである。なお、本明細書においては、 周波の離散間隔で信号生成することとアナ グ信号を生成することを同一の処理として アナログ信号の生成」と称して説明を行う のとする。また、関数の値が局所的な領域 0以外の有限の値を有し、それ以外の領域で 0となる場合を「有限台」と称して説明を行 ものとする。

 従来、デジタルデータのような離散デー からアナログ信号を生成する際には、シャ ンの標本化定理に基づき導出されたシャノ の標本化関数が広く用いられてきた。ここ シャノンの標本化関数は、図22に示すよう 、t=0の標本位置のみで1になるとともに、他 全ての標本位置で0となり、理論的に-∞か +∞までその振動が無限に続く波形を示す。 のため、実際に各種のプロセッサ等によっ 、シャノンの標本化関数を用い離散データ の補間処理を実行する際には、強制的に有 区間で処理が打ち切られており、その結果 打ち切りによる誤差が発生するという問題 あった。

 また、このようなシャノンの標本化関数 用いた場合には、再生されるアナログ信号 帯域制限されてしまうことから、例えばCD(C ompact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)に記録され た離散データをアナログ信号に変換して再生 すると、22.05kHz以上の超音波を再生し得ず、 該超音波の差音により生じる自然な音が再 できないという問題があった。

 そこで、このような問題点を解決するため 、打ち切り誤差がなく、さらに高次の帯域 分までも再生可能な、有限の範囲で収束す 標本化関数が考え出されている(例えば、特 許文献1参照)。この標本化関数では、原点か 前後2個先の標本位置で0に収束するため、 ない計算量で信号再生を行うことができ、 に高周波まで帯域を有することが確かめら ている。

国際公開第99/38090号

 しかしながら、このような標本化関数を いたオーディオ装置では、難聴者や高齢者 の各種ユーザや、音楽再生環境、音源、曲 等の各種条件に応じて高周波の帯域成分を 変することができず、状況に応じて周波数 性を自由に調整することができない。そし 、その一方で、近年、各ユーザの好みや音 の種類等に応じてユーザ自身が高周波の帯 成分も含め音質を自由に調整し得るテーラ メイドのオーディオ装置の提供が望まれて る。

 本発明は以上の点を考慮してなされたも で、ユーザの好みに応じた良好な音質で離 データを再生することができる音響処理装 及び音響処理方法を提案することを目的と る。

 かかる課題を解決するため本発明の請求 1の音響処理装置は、それぞれが有限台の区 分的多項式で表される基本標本化関数及び制 御標本化関数の線形結合で構成された標本化 関数を用いて、時間方向に並ぶ複数の離散デ ータに対する畳み込み演算を行うことにより 、前記離散データ間の補間値を算出する関数 処理部を備えることを特徴とする。

 また、本発明の請求項2の音響処理装置は 、前記関数処理手段は、前記基本標本化関数 と前記制御標本化関数とを用いて、前記離散 データに対する前記畳み込み演算をそれぞれ 実行した後、前記標本化関数を用いた前記畳 み込み演算によって得られた演算結果を前記 線形加算することにより前記補間値を算出す ることを特徴とする。

 また、本発明の請求項3の音響処理装置は 、前記離散データを複数の周波数帯域に分離 して複数の帯域別信号を生成する帯域分離手 段を備え、前記関数処理部は、各前記帯域別 信号毎に補間処理を個別に実行し、各前記周 波数帯域毎に生成された補間処理信号を合成 することにより合成信号を生成することを特 徴とする。

 また、本発明の請求項4の音響処理装置は 、前記補間値が算出される着目点を挟んで存 在する所定数の前記離散データを抽出する離 散データ抽出手段を備え、前記関数処理手段 は、前記離散データ抽出手段によって抽出さ れた各前記離散データ毎に求めた前記着目点 までの距離を用いて前記基本標本化関数の値 を計算し、前記離散データのそれぞれに対応 させた前記基本標本化関数の値を畳み込み演 算することより、前記着目点での基本補間値 を計算する基本項演算手段と、前記離散デー タ抽出手段によって抽出された各前記離散デ ータ毎に求めた前記着目点までの距離を用い て前記制御標本化関数の値を計算し、前記離 散データのそれぞれに対応させた前記制御標 本化関数の値を畳み込み演算することより、 前記着目点での制御補間値を計算する制御項 演算手段と、前記基本項演算手段により算出 した前記基本補間値と、前記制御項演算手段 により算出した前記制御補間値との線形加算 により前記補間値を算出する線形加算手段と を備えることを特徴とする。

 また、本発明の請求項5の音響処理装置は 、前記関数処理手段は、ユーザによって任意 の数値に設定可能な可変パラメータを前記制 御標本化関数に乗算する係数乗算手段を有す ることを特徴とする。

 また、本発明の請求項6の音響処理装置は 、前記補間値が算出される着目点を挟んで存 在する所定数の前記離散データを抽出する離 散データ抽出手段を備え、前記関数処理手段 は、前記基本標本化関数と前記制御標本化関 数とを予め前記線形加算した前記標本化関数 が記憶されており、各前記離散データ毎に求 めた前記着目点までの距離を用いて前記標本 化関数の値を計算する関数演算手段と、前記 離散データのそれぞれに対応させた前記標本 化関数の値を畳み込み演算することより、前 記着目点での補間値を計算する畳み込み演算 手段とを備えることを特徴とする。

 また、本発明の請求項7の音響処理装置は 、前記基本標本化関数は、前記離散データの 標本位置の区間[-1,1]において1回だけ微分可 な区分多項式で他の区間は恒等的に0で表さ る関数であり、前記制御標本化関数は、前 離散データの標本位置の区間[-2、2]におい 1回だけ微分可能な区分多項式関数で他の区 では恒等的に0となる関数であることを特徴 とする。

 また、本発明の請求項8の音響処理装置は 、前記離散データの標本位置をtとしたとき 前記基本標本化関数をf(t)とし、前記基本標 化関数は次式


 

で表され、前記制御標本化関数をC 0 (t)=C r (t)+C r (-t)とし、前記Cr(t)は次式


 

で表されることを特徴とする。

 また、本発明の請求項9の音響処理装置は 、前記数値が異なる複数の前記可変パラメー タが予め記憶されており、前記複数の可変パ ラメータの中から前記制御標本化関数に乗算 するいずれか1つの前記可変パラメータを選 させるためのセレクタを備えることを特徴 する。

 また、本発明の請求項10の音響処理装置 、前記関数処理手段は、ユーザの指定した ログラムデータに基づいてユーザ所望の制 形態でなる演算構成を形成するプログラマ ル信号処理デバイスにプログラミングされ ことを特徴とする。

 また、本発明の請求項11の音響処理装置 、前記基本標本化関数及び前記制御標本化 数は、着目する前記離散データ間の所定の 分数に応じて予め計算された演算値をテー ル化しておき、このテーブル化したテーブ 値と前記離散データとの畳み込み演算と、 記可変パラメータの乗算と、前記線形加算 を前記離散データの入力毎に演算して、前 補間値を出力することを特徴とする。

 また、本発明の請求項12の音響処理装置 、前記離散データ間の前記区分数が複数の 合、それら区分数の最小公倍数の区分数で 記テーブル値を予め演算しておき、前記離 データの入力開始時に設定される前記区分 に応じて、前記テーブル値を選択して、該 ーブル値と前記離散データとの畳み込み演 を実行することを特徴とする。

 また、本発明の請求項13の音響処理装置 、前記帯域別信号及び前記補間処理信号の ずれか一方に音圧パラメータを乗算して、 前記周波数帯域毎に音圧レベルを調整した 域別調整信号を生成する音圧調整手段を備 、前記補間処理手段は、前記帯域別信号に 記音圧パラメータを乗算するときには前記 域別調整信号毎に前記補間処理を個別に実 することを特徴とする。

 また、本発明の請求項14の音響処理装置 、前記帯域信号毎に異なる前記音圧パラメ タを設定可能な構成を有することを特徴と る。

 また、本発明の請求項15の音響処理方法 、それぞれが有限台の区分的多項式で表さ る基本標本化関数および制御標本化関数の 形結合で構成された標本化関数を用いて、 間方向に並ぶ複数の離散データに対する畳 込み演算を行うことにより、前記離散デー 間の補間値を関数処理部によって算出する 数処理ステップを有することを特徴とする

 また、本発明の請求項16の音響処理方法 、前記関数処理ステップは、前記基本標本 関数と前記制御標本化関数とを用いて、前 離散データに対する前記畳み込み演算をそ ぞれ実行する畳み込み演算ステップと、前 標本化関数を用いた前記畳み込み演算によ て得られた演算結果を前記線形加算するこ により前記補間値を算出する線形加算ステ プとを備えることを特徴とする。

 また、本発明の請求項17の音響処理方法 、前記離散データを複数の周波数帯域に分 して複数の帯域別信号を生成する帯域分離 テップを備え、前記関数処理ステップは、 前記帯域別信号毎に補間処理を個別に実行 、各前記周波数帯域毎に補間処理信号を生 する補間処理ステップと、各前記周波数帯 毎に生成された複数の前記補間処理信号を 成することにより合成信号を生成する帯域 成ステップとを備えることを特徴とする。

 また、本発明の請求項18の音響処理方法 、前記補間値が算出される着目点を挟んで 在する所定数の前記離散データを抽出する 散データ抽出ステップを備え、前記関数処 ステップは、前記離散データ抽出手段によ て抽出された各前記離散データ毎に求めた 記着目点までの距離を用いて前記基本標本 関数の値を計算し、前記離散データのそれ れに対応させた前記基本標本化関数の値を み込み演算することより、前記着目点での 本補間値を計算する基本項演算ステップと 前記離散データ抽出手段によって抽出され 各前記離散データ毎に求めた前記着目点ま の距離を用いて前記制御標本化関数の値を 算し、前記離散データのそれぞれに対応さ た前記制御標本化関数の値を畳み込み演算 ることより、前記着目点での制御補間値を 算する制御項演算ステップと、前記基本項 算手段により算出した前記基本補間値と、 記制御項演算手段により算出した前記制御 間値とを線形加算して前記補間値を算出す 線形加算ステップとを備えることを特徴と る。

 また、本発明の請求項19の音響処理方法 、前記関数処理ステップは、ユーザによっ 任意の数値に設定可能な可変パラメータを 記制御標本化関数に乗算する係数乗算ステ プを有することを特徴とする。

 また、本発明の請求項20の音響処理方法 、前記補間値が算出される着目点を挟んで 在する所定数の前記離散データを抽出する 散データ抽出ステップを備え、前記関数処 ステップは、前記基本標本化関数と前記制 標本化関数とを予め前記線形加算した前記 本化関数を記憶しておき、各前記離散デー 毎に求めた前記着目点までの距離を用いて 記標本化関数の値を計算する関数演算ステ プと、前記離散データのそれぞれに対応さ た前記標本化関数の値を畳み込み演算する とより、前記着目点での補間値を計算する み込み演算ステップとを備えることを特徴 する。

 また、本発明の請求項21の音響処理方法 、前記基本標本化関数は、前記離散データ 標本位置の区間[-1,1]において1回だけ微分可 な区分多項式で他の区間は恒等的に0で表さ れる関数であり、前記制御標本化関数は、前 記離散データの標本位置の区間[-2、2]におい 1回だけ微分可能な区分多項式関数で他の区 間では恒等的に0となる関数であることを特 とする。

 また、本発明の請求項22の音響処理方法 、前記離散データの標本位置をtとしたとき 前記基本標本化関数をf(t)とし、前記基本標 本化関数は次式

で表され、前記制御標本化関数をC 0 (t)=Cr(t)+Cr(-t)とし、前記Cr(t)は次式

で表されることを特徴とする。

 また、本発明の請求項23の音響処理方法 、前記パラメータ設定ステップでは、予め 憶された前記数値が異なる複数の前記可変 ラメータの中から、前記制御標本化関数に 算するいずれか1つの前記可変パラメータを 択させることを特徴とする。

 また、本発明の請求項24の音響処理方法 、前記関数処理ステップは、ユーザの指定 たプログラムデータに基づいてプログラマ ルな信号処理デバイスにプログラミングさ たユーザ所望の制御形態でなる演算回路構 で実行することを特徴とする。

 また、本発明の請求項25の音響処理方法 、前記関数処理ステップは、着目する前記 散データ間の所定の区分数に応じて予め計 された前記基本標本化関数及び前記制御標 化関数の演算値をテーブル化しておき、該 ーブル値と前記離散データとの畳み込み演 と、前記可変パラメータの乗算と、前記線 加算とを前記離散データの入力毎に演算し 、前記補間値を出力することを特徴とする

 また、本発明の請求項26の音響処理方法 、前記関数処理ステップは、前記離散デー 間の前記区分数が複数の場合、それら区分 の最小公倍数の区分数で前記テーブル値を め演算しておき、前記離散データの入力開 時に設定される前記区分数に応じて、前記 ーブル値を選択して、該テーブル値と前記 散データとの畳み込み演算を実行すること 特徴とする。

 また、本発明の請求項27の音響処理方法 、前記帯域分離ステップ及び前記補間処理 テップのうちいずれか一方の後に音圧調整 テップを備え、前記音圧調整ステップは、 記帯域分離ステップの後においては前記帯 別信号に音圧パラメータを乗算し、前記補 処理ステップの後においては前記補間処理 号に音圧パラメータを乗算して、前記音圧 ラメータによって各前記周波数帯域毎に音 レベルが調整された帯域別調整信号を生成 、前記補間処理手段は、前記帯域別信号に 記音圧パラメータを乗算するときには前記 域別調整信号毎に前記補間処理を個別に実 することを特徴とする。

 また、本発明の請求項28の音響処理方法 、設定部によって前記帯域信号毎に異なる 記音圧パラメータを設定可能な音圧パラメ タ設定ステップを有することを特徴とする

 本発明の請求項1の音響処理装置及び請求 項15の音響処理方法によれば、制御標本化関 に乗算される可変パラメータの数値が反映 た補間値を算出できるようにしたことによ 、可変パラメータの数値を変更することで 標本化関数で補間処理して得られる補間値 可変パラメータに応じて調整でき、かくし 、音楽再生環境、音源、曲調等の各種条件 応じてユーザが可変パラメータを適宜変更 ることで、当該補間値に基づいて生成した 号の周波数特性が変化してユーザ所望の音 からなる高音質な音楽を再生させることが きる。

本発明による基本標本化関数の波形と 制御標本化関数の波形との関係を示す概略 である。 第1の実施の形態によるオーディオ装置 の回路構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態による音響処理部の回 路構成を示すブロック図である。 4つの離散データと着目点との位置関係 を示す概略図である。 音響処理部の詳細構成を示すブロック である。 本発明による音響処理部2による基本標 本化関数を用いた補間処理を示す概略図であ る。 本発明による音響処理部2による制御標 本化関数を用いた補間処理を示す概略図であ る。 可変パラメータを変化させたときの標 化関数の波形を示す概略図である。 可変パラメータを変化させたときの周 数特性を示す概略図である。 再生周波数を固定して可変パラメータ の数値を変更したときの信号レベルを示す概 略図である。 他の実施の形態による音響処理部の回 路構成を示すブロック図である。 4つの離散データと着目点との位置関 と、補間位置を示す概略図である。 他の実施の形態による音響処理部の詳 細構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態によるオーディオ装 の回路構成を示すブロック図である。 第2の実施の形態による音響処理部の 路構成を示すブロック図である。 本発明の帯域別補間部で用いる基本標 本化関数の波形と、制御標本化関数の波形と の関係を示す概略図である。 帯域別補間部の回路構成を示すブロッ ク図である。 4つの帯域別データと着目点との位置 係を示す概略図である。 帯域別補間部の詳細構成を示すブロッ ク図である。 本発明による帯域別補間部による基本 標本化関数を用いた補間処理を示す概略図で ある。 本発明による帯域別補間部による制御 標本化関数を用いた補間処理を示す概略図で ある。 従来におけるシャノンの標本化関数の 波形を示す概略図である。

 以下図面に基づいて本発明の実施の形態 詳述する。

 第1の実施の形態
 (1)本発明の基本概念
 図1は、本発明の補間処理に用いられる標本 化関数を構成する基本標本化関数f(t)及び制 標本化関数c 0 (t)が示す波形形状をそれぞれ示している。な お、図1において、横軸は離散データの標本 置tを示し、縦軸は各標本化関数値を示す。 こで、離散データの標本位置をtとし、当該 離散データの標本位置[-2,2]間での基本標本化 関数f(t)及び制御標本化関数c 0 (t)からなる標本化関数s 2 (t)は、次式、

によって表され、一般的な制御標本化関数を c k (t)とし、c k (t)=c r (t-k)+c r (-t-k)と置いたときは、当該離散データの標本 位置[-N,N]間で標本化関数s N (t)は次式

によって表される。なお、α k は後述する可変パラメータを示し、ユーザに よって設定可能な任意の数値を示すもので、 α 1 2 3 …のようにkによって可変しないものでも良 。

 ここで基本標本化関数f(t)は、微分可能性 に着目した有限台の区分多項式で表された関 数であり、例えば全域において1回だけ微分 能であって、横軸に沿った標本位置tが-1か +1(すなわち、区間[-1,1])にあるときに0以外の 有限な値を有し、他の区間は恒等的に0で表 れる関数である。具体的に基本標本化関数f( t)は、区間[-1,1]内を2以上に区分した各小区間 においてn次多項式関数であって、各小区間 境界で連続(値と傾きのそれぞれが連続)な関 数である。この基本標本化関数f(t)は、全範 でn-1回(nは2以上の整数)だけ微分可能な凸形 の波形形状を示し、t=0の標本位置でのみ1に なり、t=±1に向けて0に収束してt=±2の標本位 までそのまま0の値を維持するという特徴を 有する。

 また、この基本標本化関数f(t)は、有限台 のインパルス応答波形の関数でよく、標本位 置区間の任意の位置で少なくとも1回微分可 で連続なn次の区分多項式関数で良い。

 具体的には、このような基本標本化関数f (t)は、次式、

によって表される。そして、この基本標本 化関数f(t)を用いて各離散データに基づく重 合わせを行うことにより、離散データ間の を1回だけ微分可能な関数を用いて仮補間す ことができる。

 一方、制御標本化関数c 0 (t)は、微分可能性に着目した有限台の区分多 項式で表された関数であり、基本標本化関数 と同じくn次多項式関数で表される。制御標 化関数c 0 (t)は、例えば全域において1回だけ微分可能 あって、横軸に沿った標本位置tが-2から+2( なわち、区間[-2,2])にあるときに0以外の有限 な値を有し、他の区間では恒等的に0で表さ る関数である。また、制御標本化関数c 0 (t)は、全範囲で1回だけ微分可能な波形を示 、t=0,±1,±2の各標本位置で0になるという特 を有する。また、この制御標本化関数c 0 (t)は、有限台のインパルス応答波形の関数で よく、標本位置区間の任意の位置で少なくと も1回微分可能で連続なn次の区分多項式関数 良い。

 ここで、制御標本化関数c 0 (t)は、上述したように制御標本化関数c 0 (t)=c r (t)+c r (-t)で表され、このc r (t)は具体的に次式、

によって表される。そして、この制御標本化 関数c 0 (t)を用いて各離散データに基づく重ね合わせ を行うことにより、離散データ間の値を1回 け微分可能な関数を用いて仮補間すること できる。

 標本化関数s N (t)は、このようにして基本標本化関数f(t)に づいて算出した仮の補間値(以下、これを基 補間値と呼ぶ)と、制御標本化関数c 0 (t)に基づいて算出した仮の補間値(以下、こ を制御補間値と呼ぶ)とを線形加算すること より、1回だけ微分可能な関数を用いて離散 データ間の任意の点における値を補間するこ とができる。

 因みに、この基本標本化関数f(t)と制御標本 化関数c 0 (t)との線形結合では、下記の6つの条件が成 する関数であることを特徴としている。第1 しては、S 2 (0)=1,S 2 (±1)=S 2 (±2)=0となること。第2としては、偶関数、す わちy軸に関して対称となること。第3とし は、標本位置区間[-∞,-2]、[2,∞]で恒等的に0 であること。第4としては、各区間[n/2,(n+1)/2]( -4≦n≦3)においては高々二次の多項式である と。第5としては、全区間ではC1級、すなわ 連続的一回微分可能であること。第6として は、標本位置区間[-1/2,1/2]において、次式

となること。なお、N=2のときの標本化関数s 2 (t)については、説明の便宜上、単に標本化関 数s N (t)として以下説明する。

 また、これに加えて、このとき制御標本化 数c 0 (t)には、ユーザによって任意の数値が設定さ れた可変パラメータαが乗算され得るように されている。これにより制御標本化関数c 0 (t)は、t=0,±1,±2の標本位置で0としたまま、標 本位置-2から+2までの間で当該可変パラメー αの数値に応じてその波形の振幅が変形され 得る。その結果、制御標本化関数c 0 (t)は、基本標本化関数f(t)との畳み込み演算 よる算出結果を変更させ得る。このように 可変パラメータαは、数値が変更されること で、標本化関数s N (t)によって算出して得たアナログ信号の周波 数特性を変化させ、高域成分の信号レベルを 調整し得るようになされている。

 従って、本発明では、基本標本化関数f(t)の 算出結果と、制御標本化関数c 0 (t)の算出結果とを畳み込み演算して補間値を 求める際に、当該制御標本化関数c 0 (t)に乗算される可変パラメータαによって補 値を調整できる。これにより本発明では、 れら離散データ間を補間値で補間したアナ グ信号の周波数特性を、可変パラメータα よって自由に調整することが可能になる。

 (2)オーディオ装置の全体構成
 次に、上述した標本化関数s N (t)用いて補間処理を実行するオーディオ装置 について以下説明する。図2において、1はオ ディオ装置を示し、音響処理部2がフイール ドプログラマブルゲートアレイ(以下、これ FPGAと呼ぶ)3にプログラミングされて設けら ている。因みに、プログラマブル信号処理 バイスとしてのFPGA3は複数個の回路ブロック と配線ブロックとがチップ上に規則的に並べ られ、当該回路ブロック及び配線ブロックの 内部には回路の電気的な接続または非接続を プログラムできるデバイスが多数配置され、 ユーザがこれらのデバイスをプログラム(定 )することによりブロック内部とブロック間 続をフイールド(利用現場)にて設計できる うになされている。

 因みに、このオーディオ装置1は、外部イ ンターフェイス4を介してパーソナルコンピ ータ5からシャノンの標本化関数や、本発明 よる上述した数9の標本化関数、これらとは 全く異なる標本化関数等、他の種々の標本化 関数がFPGA3にプログラミングされることによ 、当該FPGA3の回路ブロック及び配線ブロッ 間の接続状態を変更して各種標本化関数に る補間処理を実行し得るハードウエアに回 構成を変更するようになされている。かく て、このオーディオ装置1では、FPGA3を単に ログラミングするだけでユーザ所望の回路 成に変更できるので、最適な標本化関数を 索する際に、各種標本化関数に応じてその 度、回路基板を実際に作製する必要がなく その分だけコスト低減を図ることができる

 なお、上述した実施の形態において、図2 においてはFPGA3を適用して、FPGA3での実現方 を示しているが、本発明はこれに限らず、DS P(デジタルシグナルプロセッサ)の様なプログ ラマブルな信号処理デバイスで実現すること も可能であり、例えばCPU(Central Processing Unit) 及びメモリ等から構成された制御部を適用す るようにしてもよい。

 ここで、本発明のオーディオ装置1では、外 部インターフェイス4を介してパーソナルコ ピュータ5から上述した数9の標本化関数s N (t)の条件を満たす、数7の基本標本化関数f(t) 、c r (t)が数8で表される制御標本化関数c 0 (t)とがFPGA3にプログラミングされ得る。

 これにより、オーディオ装置1は、FPGA3が 定のプログラムに従って全体を統括制御す ことにより、入力部6によって例えばCDやDVD の種々の記録媒体を再生し、その結果得ら る時間方向に並ぶ複数の離散データを音響 理部2へ順次送出する。因みに、離散データ とは、例えば滑らかに変化する連続的な信号 を一定の時間間隔で標本化し、その結果得ら れたサンプリングデータを量子化することに より得られた離散的なデータである。

 ここで、FPGA3には、ユーザが自由に可変パ メータαの数値を設定できるパラメータ設定 部7が接続されており、ユーザがパラメータ 定部7により可変パラメータαを任意の数値 設定すると、設定された数値を示す情報が ラメータ設定部7から音響処理部2に送出され 得る。音響処理装置としての音響処理部2は 標本化関数s N (t)を用いて離散データ間を補間して擬似的に サンプリング周波数を上げるいわゆるオーバ ーサンプリング処理を実行する際に、可変パ ラメータαの数値が反映された補間値を算出 、これを出力部8へ送出する。

 出力部8は、音響処理部2から所定の周期 補間値が入力されると、これに対応するア ログ信号に変換し、当該アナログ信号に基 く音楽を放音し得る。このようにオーディ 装置1は、可変パラメータαの数値が変更さ ることより、当該可変パラメータαの数値が 反映されたユーザ所望の高音質なアナログ信 号を生成し得るようになされている。

 また、FPGA3には、複数のセレクタボタン9a,9b ,9cを備えたセレクタ10が接続されている。こ セレクタ10には、異なる数値の可変パラメ タαが各セレクタボタン9a,9b,9c毎に予め対応 けられており、セレクタボタン9a,9b,9cのい れか1つが選択されることにより対応した可 パラメータαの数値が制御標本化関数c 0 (t)に乗算され、標本化関数s N (t)による補間処理が実行され得るようになさ れている。

 具体的には、この実施の形態の場合、例え セレクタボタン9aが選択されると、可変パ メータαを-1.5とした標本化関数s N (t)によって補間処理が実行され、他のセレク タボタン9bが選択されると、可変パラメータ を-0.25とした標本化関数s N (t)によって補間処理が実行され、さらに他の セレクタボタン9cが選択されると、可変パラ ータαを1.5とした標本化関数s N (t)によって補間処理が実行され得るようにな されている。

 これにより、このオーディオ装置1では、 ユーザがパラメータ設定部7で可変パラメー αの数値を任意の数値に設定できるとともに 、他方でセレクタボタン9a,9b,9cのいずれか1つ を単に選択するだけで、パラメータ設定部7 よる可変パラメータαの細かな設定をその都 度行うことなく、所望の可変パラメータαを いた補間処理を容易に実行し得るようにな れている。

 (3)音響処理部の回路構成
 (3-1)音響処理部における補間処理の概略説
 実際上、FPGA3には、図3に示すような回路構 を有する音響処理部2がプログラミングされ て設けられ得る。この音響処理部2は、所定 (この場合4つ)の離散データを順次抽出して 持する離散データ抽出部15と、離散データ抽 出部15で抽出保持された所定数の離散データ 一度に受け取り、これら離散データを用い 補間処理を実行する関数処理部14とから構 されており、入力部6から順次入力される離 データ間を所定の時間間隔でデータ補間し るようになされている。

 関数処理部14は、離散データを基に標本化 数s N (t)のうち基本標本化関数f(t)の項を演算処理 る基本項演算部16と、当該離散データを基に 標本化関数s N (t)のうち制御標本化関数c 0 (t)の項を演算処理する制御項演算部17と、制 項演算部17の算出結果に可変パラメータαを 乗算する係数乗算部18と、基本項演算部16の 出結果と係数乗算部18の算出結果とを線形加 算する線形加算部19とから構成されている。

 この実施の形態の場合、離散データ抽出 15は、順次入力される離散データの中から 前の4つの離散データを抽出し、次に新たな 散データが入力されるまでこの4つの離散デ ータを保持して、これら4つの離散データを 本項演算部16及び制御項演算部17へそれぞれ 出する。

 基本項演算部16は、所定の記憶手段(図示 ず)に基本標本化関数f(t)を記憶しており、 散データ間の補間位置が指定されると、こ 補間位置と離散データとの間の距離に基づ て基本標本化関数f(t)の値を計算する。この 本項演算部16は、離散データ抽出部15から送 出される4つの離散データ毎にそれぞれ基本 本化関数f(t)の値が計算され得る。また、基 項演算部16は、離散データ毎に得られた4つ 基本標本化関数f(t)の値毎にそれぞれ対応す る離散データの値を乗算した後、これら4つ 離散データに対応する畳み込み演算を行い この畳み込み演算の算出結果を線形加算部19 へ送出する。

 これと同時に制御項演算部17は、所定の記 手段(図示せず)に制御標本化関数c 0 (t)を記憶しており、補間位置が指定されると 、この補間位置と離散データとの間の距離に 基づいて制御標本化関数c 0 (t)の値を計算する。この制御項演算部17は、 散データ抽出部15から送出される4つの離散 ータ毎にそれぞれ制御標本化関数c 0 (t)の値が計算され得る。また、制御項演算部 17は、離散データ毎に得られた4つの制御標本 化関数c 0 (t)の値毎にそれぞれ対応する離散データの値 を乗算した後、これらを加算することにより 4つの離散データに対応する畳み込み演算を い、この畳み込み演算の算出結果を係数乗 部18へ送出する。

 係数乗算部18は、制御項演算部17から受け取 った制御標本関数c 0 (t)の畳み込み演算の算出結果に可変パラメー タαを乗算し、その結果得られた可変パラメ タ乗算結果を線形加算部19へ送出する。線 加算部19は、基本項演算部16から受け取った 本標本化関数f(t)の畳み込み演算の算出結果 と、係数乗算部18から受け取った可変パラメ タ乗算結果とを線形加算することにより、4 つの離散データに対応する線形加算結果を得 る。この線形加算によって得られる値は、所 定の2つの離散データ間の補間位置における 間値となる。因みに、この補間位置は、予 設定された所定の時間間隔、具体的には離 データの入力間隔に対応する周期Tの1/Nの周 (=T/N)毎にその値が更新される。

 (3-2)4つの離散データに基づいて補間値を求 る具体例
 次に、時間的に連続して並ぶ4つの離散デー タに基づいて所定の2つの離散データ間の補 値を算出する補間処理について、連続する4 の離散データと、補間位置である着目点と 位置関係を示す図4を用い、以下説明する。 この図4では、標本位置t1、t2、t3、t4のそれぞ れに対応して順次入力される離散データd1、d 2、d3、d4の各値をY(t1)、Y(t2)、Y(t3)、Y(t4)とし 標本位置t2及びt3間の所定位置t0(t2から距離b) を補間位置とし、この補間位置に対応した補 間値yを求める場合を考える。

 本実施の形態で用いる標本化関数s N (t)は、t=±2の標本位置で0に収束するため、t= 2までの離散データd1、d2、d3、d4を考慮に入 ればよい。従って、図4に示す補間値yを求め る場合には、t=t1、t2、t3、t4に対応した4つの 散データd1、d2、d3、d4のみを考慮すればよ ことになり、演算量を大幅に削減すること できる。しかも、t=±3以上の各離散データ( 示せず)については、本来考慮すべきである 演算量や精度等を考慮して無視していると うわけではなく、理論的に考慮する必要が いため、打ち切り誤差は発生しない。

 図5に示すように、離散データ抽出部15は 3つのシフト回路20a,20b,20cを備えており、連 する離散データが入力されると、各シフト 路20a,20b,20c毎に当該離散データを例えばCDの サンプリング周期(44.1kHz)でシフトし、各シフ ト回路20a,20b,20cで直前の離散データd1、d2、d3 d4をそれぞれ1つ抽出して保持し得る。すな ち、離散データ抽出部15は、連続する4つの 散データd1、d2、d3、d4が入力されると、最 の離散データd4をそのまま基本項演算部16の 本項計算回路21a及び制御項演算部17の制御 計算回路22aへそれぞれ送出する。

 また、離散データ抽出部15は、連続する4 の離散データd1、d2、d3、d4からなる離散デ タ列をシフト回路20aに送出し、当該シフト 路20bによって離散データ列をシフトして最 の離散データd4から1つ前の離散データd3を抽 出し、これを基本項演算部16の基本項計算回 21b及び制御項演算部17の制御項計算回路22b それぞれ送出する。

 さらに、離散データ抽出部15は、残りの フト回路20b、20cにも離散データ列を順次送 してゆき、シフト回路20bで離散データ列を らにシフトさせて最新の離散データd4から2 前の離散データd2を基本項計算回路21c及び制 御項計算回路22cへそれぞれ送出するとともに 、シフト回路20cで離散データ列をさらにシフ トさせて最新の離散データd4から3つ前の離散 データd1を基本項計算回路21d及び制御項計算 路22dへそれぞれ送出する。

 ここで図6及び図7は、本実施の形態の基 項演算部16及び制御項演算部17における所定 補間位置t0に対する補間処理の概略を示す である。補間処理の内容としては、上述し ように先ず始めに、基本項演算部16における 基本補間値を算出する演算処理(以下、これ 単に基本補間値算出処理と呼ぶ)と、制御項 算部17及び係数乗算部18における制御補間値 を算出する演算処理(以下、これを単に制御 間値算出処理と呼ぶ)とが実行される。以下 これら図6及び図7を用い、基本補間値算出 理と制御補間値算出処理とについて説明す 。

 (3-2-1)基本補間値算出処理
 基本補間値算出処理の内容としては、図6(A) ~(D)に示すように、各標本位置t1、t2、t3、t4毎 に、基本標本化関数f(t)のt=0(中心位置)におけ るピーク高さを一致させ、このときの補間位 置t0におけるそれぞれの基本標本化関数f(t)の 値を求めることになる。

 図6(A)に示す標本位置t1における離散デー d1に着目すると、補間位置t0と標本位置t1と 距離は1+bとなる。従って、標本位置t1に基 標本化関数f(t)の中心位置を合わせたときの 間位置t0における基本標本化関数の値はf(1+b )となる。実際には、離散データd1の値Y(t1)に 致するように基本標本化関数f(t)の中心位置 のピーク高さを合わせるため、上述したf(1+b) をY(t1)倍した値f(1+b)・Y(t1)が求めたい値とな 。f(1+b)の計算は基本項演算部16の基本項計算 回路21aで行われ、f(1+b)にY(t1)を乗算する計算 基本項演算部16の基本項乗算回路23aで行わ る(図5)。

 同様に、図6(B)に示す標本位置t2における 散データd2の値Y(t2)に着目すると、補間位置 t0と標本位置t2との距離はbとなる。従って、 本位置t2に基本標本化関数f(t)の中心位置を わせたときの補間位置t0における基本標本 関数の値はf(b)となる。実際には、離散デー d2の値Y(t2)に一致するように基本標本化関数 f(t)の中心位置のピーク高さを合わせるため 上述したf(b)をY(t2)倍した値f(b)・Y(t2)が求め い値となる。f(b)の計算は基本項演算部16の 本項計算回路21bで行われ、f(b)にY(t2)を乗算 る計算は基本項演算部16の基本項乗算回路23b で行われる(図5)。

 図6(C)に示す標本位置t3における離散デー d3の値Y(t3)に着目すると、補間位置t0と標本 置t3との距離は1-bとなる。従って、標本位 t3に基本標本化関数f(t)の中心位置を合わせ ときの補間位置t0における基本標本化関数の 値はf(1-b)となる。実際には、離散データの値 Y(t3)に一致するように基本標本化関数f(t)の中 心位置のピーク高さを合わせるため、上述し たf(1-b)をY(t3)倍した値f(1-b)・Y(t3)が求めたい となる。f(1-b)の計算は基本項演算部16の基本 項計算回路21cで行われ、f(1-b)にY(t3)を乗算す 計算は基本項演算部16の基本項乗算回路23c 行われる(図5)。

 図6(D)に示す標本位置t4における離散データd 4の値Y(t4)に着目すると、補間位置t0と標本位 t4との距離は2-bとなる。従って、標本位置t4 に基本標本化関数f(t)の中心位置を合わせた きの補間位置t0における基本標本化関数の値 はf(2-b)となる。実際には、離散データd4の値Y (t4)に一致するように基本標本化関数f(2-b)の 心位置のピーク高さを合わせるため、上述 たf(2-b)をY(t4)倍した値f(2-b)・Y(t4)が求めたい となる。f(2-b)の計算は基本項演算部16の基 項計算回路21dで行われ、f(2-b)にY(t4)を乗算す る計算は基本項演算部16の基本項乗算回路23d 行われる。(図5)
 そして、基本項演算部16は、補間位置t0の着 目点に対応して得られた4つの値f(1+b)・Y(t1)、 f(b)・Y(t2)、f(1-b)・Y(t3)、f(2-b)・Y(t4)を、基本 畳み込み回路24において畳み込み演算し、着 目点に対応する基本補間値yaが計算される。 お、基本項演算部16全体によって行われる 算が畳み込み演算であり、基本項畳み込み 路24では、各基本項乗算回路23a~23dの乗算結 を単純に加算している。因みに、この実施 形態の場合、補間位置t0の着目点に対応して 得られた値f(1+b)・Y(t1)及びf(2-b)・Y(t4)は、図6( A)及び(D)に示すように0となるため、基本補間 値yaは、{f(b)・Y(t2)}+{f(1-b)・Y(t3)}となる。

 (3-2-2)制御補間値算出処理
 一方、制御補間値算出処理の内容としては 図7(A)~(D)に示すように、各標本位置t1、t2、t 3、t4毎に、制御標本化関数c 0 (t)のt=0(中心位置)を一致させて、各制御標本 関数c 0 (t)に対応した離散データd1、d2、d3、d4の値Y(t1 )、Y(t2)、Y(t3)、Y(t4)を乗算し、このときの補 位置t0におけるそれぞれの制御標本化関数c 0 (t)の値を求めることになる。

 図7(A)に示す標本位置t1における離散データd 1の値Y(t1)に着目すると、補間位置t0と標本位 t1との距離は1+bとなる。従って、標本位置t1 に制御標本化関数c 0 (t)の中心位置を合わせたときの補間位置t0に ける制御標本化関数の値はc 0 (1+b)となる。実際には、離散データd1の値Y(t1) に対応させて制御標本化関数c 0 (t)の波形高さを合わせるため、上述したc 0 (1+b)をY(t1)倍した値c 0 (1+b)・Y(t1)が求めたい値となる。c 0 (1+b)の計算は制御項演算部17の制御項計算回 22aで行われ、c 0 (1+b)にY(t1)を乗算する計算は制御項演算部17の 制御項乗算回路25aで行われる(図5)。

 同様に、図7(B)に示す標本位置t2における離 データd2の値Y(t2)に着目すると、補間位置t0 標本位置t2との距離はbとなる。従って、標 位置t2に制御標本化関数c 0 (t)の中心位置を合わせたときの補間位置t0に ける制御標本化関数の値はc 0 (b)となる。実際には、離散データd2の値Y(t2) 対応させて制御標本化関数c 0 (t)の波形高さを合わせるため、上述したc 0 (b)をY(t2)倍した値c 0 (b)・Y(t2)が求めたい値となる。c 0 (b)の計算は制御項演算部17の制御項計算回路2 2bで行われ、c 0 (b)にY(t2)を乗算する計算は制御項演算部17の 御項乗算回路25bで行われる(図5)。

 図7(C)に示す標本位置t3における離散データd 3の値Y(t3)に着目すると、補間位置t0と標本位 t3との距離は1-bとなる。従って、標本位置t3 に制御標本化関数c 0 (t)の中心位置を合わせたときの補間位置t0に ける制御標本化関数の値はc 0 (1-b)となる。実際には、離散データd3の値Y(t3) に対応させて制御標本化関数c 0 (t)の波形高さを合わせるため、上述したc 0 (1-b)をY(t3)倍した値c 0 (1-b)・Y(t3)が求めたい値となる。c 0 (1-b)の計算は制御項演算部17の制御項計算回 22cで行われ、c 0 (1-b)にY(t3)を乗算する計算は制御項演算部17の 制御項乗算回路25cで行われる(図5)。

 図7(D)に示す標本位置t4における離散データd 4の値Y(t4)に着目すると、補間位置t0と標本位 t4との距離は2-bとなる。したがって、標本 置t4に制御標本化関数c 0 (t)の中心位置を合わせたときの補間位置t0に ける制御標本化関数の値はc 0 (2-b)となる。実際には、離散データd4の値Y(t4) に対応させて制御標本化関数c 0 (2-b)の波形高さを合わせるため、上述したc 0 (2-b)をY(t4)倍した値c 0 (2-b)・Y(t4)が求めたい値となる。c 0 (2-b)の計算は制御項演算部17の制御項計算回 22dで行われ、c 0 (2-b)にY(t4)を乗算する計算は制御項演算部17の 制御項乗算回路25dで行われる(図5)。

 次に、制御項演算部17は、補間位置t0の着目 点に対応して得られた4つの値c 0 (1+b)・Y(t1)、c 0 (b)・Y(t2)、c 0 (1-b)・Y(t3)、c 0 (2-b)・Y(t4)を、制御項畳み込み回路26によって 畳み込み演算した後、係数乗算部18によって 変パラメータαを乗算し、これにより着目 に対応する制御補間値ybが計算される。なお 、制御項演算部17全体によって行われる演算 畳み込み演算であり、制御項畳み込み回路2 6では、各制御項乗算回路25a~25dの乗算結果を 純に加算している。

 (3-2-3)補間値演算処理
 線形加算部19は、基本項演算部16により算出 された着目点に対応する基本補間値yaと、制 項演算部17及び係数乗算部18により算出され た着目点に対応する制御補間値ybとを線形加 することにより、補間位置t0における補間 yを出力し得るようになされている。

 (3-3)可変パラメータの数値を変更したとき 補間処理結果
 かかる構成に加えて、音響処理部2は、パラ メータ設定部7によって係数乗算部18の可変パ ラメータαの数値が変更されることにより標 化関数s N (t)の値が変更され、その結果、補間値yが変 してアナログ信号の周波数特性を変化させ るようになされている。ここでは、可変パ メータαを変更した際に、標本化関数s N (t)がどのように変化するかについて、図1に した基本標本化関数f(t)が示す波形と、制御 本化関数c 0 (t)が示す波形とを合成した波形に着目して以 下説明する。

 基本標本化関数f(t)が示す波形と、制御標本 化関数c 0 (t)が示す波形とを合成した標本化関数s N (t)の波形は、図8に示すように、可変パラメ タαの数値によって大きく異なるものとなる 。この実施の形態の場合、可変パラメータα -1.5、-0.25、1.5に順次変化させてゆくと、-2 t≦-1の領域と、1≦t≦2の領域とでは、標本 関数s N (t)の波長の振幅が次第に高くなり波形の極性 が反転することを確認した。一方、-1≦t≦0 領域と、0≦t≦1の領域とでは、標本化関数s N (t)の波長の振幅が次第に低くなり波形の極性 が反転することを確認した。

 次に、テスト曲としてCDに記録されたヴァ オリン曲「Zigeunerweisen(ツィゴイナーヴァイ ン)」を、オーディオ装置1において約23秒間 生した。このとき、音響処理部2では、可変 パラメータαを-0.25、-1.5及び1.5にそれぞれ設 し、約23秒の間に入力された離散データを 間処理した。そして、このときの各標本化 数s N (t)で補間処理したアナログ信号の周波数特性 について比較したところ、図9に示すような 果が得られた。

 図9に示したように、これら可変パラメータ αの数値を変えた各標本化関数s N (t)による補間処理では、可変パラメータαの 値を変化させても、いずれも20kHz以上の高 域で信号レベルが上昇し、従来のシャノン 標本化関数を用いた場合に比べて高域成分 再生できることが確認できた。また、可変 ラメータαを1.5に設定したときには、約26kHz 満で信号レベルが低下したものの、約26kHz 上の高音域で、44.1kHz付近を除き信号レベル 上昇し、可変パラメータαを-0.25及び-1.5に 定した場合に比べて高域成分が再生できる とが確認できた。

 一方、可変パラメータαを-1.5に設定した きには、約26kHz付近で信号レベルが急激に 下したものの、約26kHz未満で信号レベルが全 体的に上昇するとともに、44.1kHz付近を除き 26kHzよりも高い領域でも信号レベルが上昇し 、可変パラメータαを-0.25及び-1.5に設定した 合に比べて異なる信号レベルで高域成分を 生できることが確認できた。

 さらに、可変パラメータαを-0.25に設定し たときには、44.1kHz付近を除いて全体的に信 レベルが上昇し、可変パラメータαを1.5及び -1.5に設定した場合に比べて異なる信号レベ で高域成分を再生できることが確認できた

 次に、テスト曲として再生周波数を10kHz及 20kHzに固定した音を、オーディオ装置1で再 した。このとき、音響処理部2は、可変パラ ータαの数値を-5~5まで順次切り換えてゆき 入力部6から順次入力された離散データを補 間処理した。そして、このときの可変パラメ ータαが異なる各標本化関数s N (t)で補間処理して得たアナログ信号の信号レ ベルについて比較したところ、図10に示すよ な結果が得られた。

 図10に示したように、10kHzの再生周波数で は、可変パラメータαを大きくしてゆくと、 号レベルが次第に下降してゆき、可変パラ ータαが2及び3間のときに信号レベルが急速 に下降し、その後、再び信号レベルが急激に 上昇することが確認できた。一方、20kHzの再 周波数では、可変パラメータαを大きくし ゆくと、信号レベルが次第に下降してゆき 可変パラメータαが4付近のときに信号レベ が急速に下降し、その後、再び信号レベル 急激に上昇することが確認できた。このよ に、音響処理部2では、可変パラメータαを 動させることにより、同じ再生周波数でも なる信号レベルで再生できることが確認で た。

 (4)動作及び効果
 以上の構成において、音響処理部2では、基 本項演算部16に基本標本化関数f(t)を記憶して おき、離散データ抽出部15によって抽出され 各離散データd1、d2、d3、d4毎に補間位置t0ま での距離をtとして基本標本化関数f(t)の値を 算し、離散データd1、d2、d3、d4のそれぞれ 対応させた基本標本化関数f(t)の値を畳み込 演算することより、補間位置t0での基本補 値yaを計算するようにした。

 また、これとは別に音響処理部2では、制御 項演算部17に制御標本化関数c 0 (t)を記憶しておき、離散データ抽出部15によ て抽出された各離散データd1、d2、d3、d4毎 補間位置t0での距離をtとして制御標本化関 c 0 (t)の値を計算し、離散データd1、d2、d3、d4の れぞれに対応させた制御標本化関数c 0 (t)の値を畳み込み演算した後、ユーザによっ て任意の数値に設定された可変パラメータα 、制御標本化関数c 0 (t)の畳み込み演算結果に乗算することにより 、補間位置t0での制御補間値ybを計算するよ にした。

 そして、この音響処理部2では、このように して算出した基本補間値yaと制御補間値ybと 線形加算することにより離散データ間の補 値yを計算するようにしたことにより、制御 本化関数c 0 (t)の値に乗算される可変パラメータαの数値 反映した補間値yを算出できる。

 従って、音響処理部2では、可変パラメータ αの数値が変更されることにより、標本化関 s N (t)で補間処理して得られる補間値yが可変パ メータαに応じて調整でき、かくして、音楽 再生環境、音源、曲調等の各種条件に応じて ユーザが可変パラメータαを適宜変更するこ で、アナログ信号の周波数特性が調整され ユーザ所望の音質からなる高音質な音楽を 生させることができる。

 また、音響処理部2では、標本化関数s N (t)として全域で1回だけ微分可能な有限台の 本標本化関数f(t)及び制御標本化関数c 0 (t)を用い、当該制御標本化関数c 0 (t)に可変パラメータαを乗算しているため、 来のシャノンの標本化関数を用いた場合に べて離散データ間の補間処理に必要な演算 を大幅に減らすことができ、またシャノン 標本化関数を用いた場合に生じる打ち切り 差が発生せず、折り返し歪みの発生を防止 ることができる。

 この実施の形態の場合では、特に補間位置t 0を挟んで前後2つずつの標本位置と同じかそ よりも狭い範囲において標本化関数s N (t)の波形の値を0に収束させることが可能に るため、この標本化関数s N (t)を用いてデータ補間等を行う際に、着目位 置の前後2つずつ合計4つの離散データを用い だけでよくなり、シャノンの標本化関数を いた場合に比べて処理負担の格段的な軽減 可能になる。

 また、この実施の形態の場合、標本化関数s N (t)を、基本標本化関数f(t)と制御標本化関数c 0 (t)とに分離して別々に記憶し、それぞれ個別 に離散データに対して畳み込み演算を行い、 制御標本化関数c 0 (t)と離散データとの畳み込み演算結果に対し て可変パラメータαを乗算して、これに基本 本化関数s N (t)と離散データとの畳み込み演算結果を加算 して出力信号を得るようにしているため、制 御標本化関数c 0 (t)は一つ持てば良く、数式を極力単純化させ ることができ、制御標本化関数c 0 (t)の可変制御を容易に行うことができる。

 (5)他の実施の形態
 なお、上述した実施の形態においては、基 項演算部16及び制御項演算部17によって、離 散データ間にある複数の補間値を1つずつ順 算出してゆくようにした場合について述べ が、本発明はこれに限らず、離散データ間 ある複数の補間値を一括に算出するように てもよい。

 この場合、図5との同一部分に同一符号を付 して示す図11のように、音響処理部30は、離 データ抽出部15と変換関数行列演算部31とか 構成され、当該変換関数行列演算部31にお て、離散データd1、d2、d3、d4の値Y(t1)、Y(t2) Y(t3)、Y(t4)と、変換行列A(後述する)とを乗算 ることにより、離散データ間の複数の補間 y k-2 (1),y k-2 (2),…,y k-2 (n)を順次又は一括して算出し得るようになさ れている。

 因みに、この実施の形態では、図4との対応 部分に同一符号を付して示す図12のように、 続する4つの離散データd1、d2、d3、d4のうち 去2番目の離散データd2と過去3番目の離散デ ータd3との間を1~nまで区分けして所定の区分 (この場合、n+1)で区切り、各位置での補間 y k-2 (1),y k-2 (2),…,y k-2 (n)を算出する場合について以下説明する。

 ここで、変換行列Aは次式、

により表される。この変換行列Aは、4つの離 データd1、d2、d3、d4を用いて標本化関数s N (t)を算出し、離散データd2及びd3間のn個の補 値y k-2 (1),y k-2 (2),…,y k-2 (n)を算出することから、標本化関数s N (t)を要素としてn行4列からなる。そして、変 行列Aは、離散データd1、d2、d3、d4の値Y(t1) Y(t2)、Y(t3)、Y(t4)を要素とした1列の行列Xが乗 算されることにより補正値y k-2 (1),y k-2 (2),…,y k-2 (n)を求めることができる。すなわち、補正値 y k-2 (1),y k-2 (2),…,y k-2 (n)は、次式、

により求めることができる。

 ここで、変換行列Aは、次式の基本項行列 Bと、可変パラメータαを乗算した次式の制御 項行列Cとの和であり、A=B+αCで表される。

 基本項行列Bは基本標本化関数f(t)を要素と 、制御項行列Cは制御標本化関数c(t)を要素と している(tは補間点と標本位置との距離を示 )。従って、補間値y k-2 (1),y k-2 (2),…,y k-2 (n)は、次式、

により表される。

 実際上、変換関数行列演算部31は、図13に 示すように、基本項行列B及び行列Xの演算を 行する基本項演算手段としての基本項行列 算回路32と、制御項行列C及び行列Xの演算を 実行する制御項演算手段としての制御項行列 演算回路33と、制御項行列演算回路33の算出 果に可変パラメータαを乗算する複数の係数 乗算部18a1、18a2、…、18anと、基本項行列演算 回路32からの算出結果と係数乗算部18a1、18a2 …、18anからの算出結果とを線形加算する複 の線形加算部19a1、19a2、…、19anとから構成 れている。

 基本項行列演算回路32は、離散データ間の 分数に応じて基本標本化関数としての基本 行列Bを予め計算しておき、これにより得ら た演算値をテーブル化した基本項行列Bを所 定の記憶手段に記憶している。そして、基本 項行列演算回路32は、離散データ抽出部15か 離散データd1、d2、d3、d4を受け取ると、所定 の記憶手段に予め記憶されたテーブル値とし ての基本項行列Bに、離散データd1、d2、d3、d4 の値Y(t1)、Y(t2)、Y(t3)、Y(t4)を一列の行列Xとし て乗算する。そして、基本項行列演算回路32 、その結果得られた行列の各行の値を、そ ぞれ対応する線形加算部19a1、19a2、…、19an 送出する。すなわち、基本項行列演算回路3 2は、算出結果として得られた行列の1行目の{ f 1 (n+1)・Y(t1)}+{f 2 (1)・Y(t2)}+{f 3 (n-1)・Y(t3)}+{f 4 (2n-1)・Y(t4)}を線形加算部19a1に送出し、次の2 目の{f 1 (n+2)・Y(t1)}+{f 2 (2)・Y(t2)}+{f 3 (n-2)・Y(t3)}+{f 4 (2n-2)・Y(t4)}を次の線形加算部19a2に送出し、 後3行目~n行目までの各値をそれぞれ異なる 形加算部19a3、…、19anへ送出する。

 一方、制御項行列演算回路33は、離散デー 間の区分数に応じて制御標本化関数として 制御項行列Cを予め計算しておき、これによ 得られた演算値をテーブル化した制御項行 Cを所定の記憶手段に記憶している。そして 、制御項行列演算回路33は、離散データ抽出 15から離散データd1、d2、d3、d4を受け取ると 、所定の記憶手段に予め記憶されたテーブル 値としての制御項行列Cに、離散データd1、d2 d3、d4の値Y(t1)、Y(t2)、Y(t3)、Y(t4)を一列の行 Xとして乗算する。そして、制御項行列演算 回路33は、その結果得られた行列の各行の値 、それぞれ対応する係数乗算部18a1、18a2、 、18anへ送出する。すなわち、制御項行列演 回路33は、演算結果として得られた行列の1 目の{c 1 (n+1)・Y(t1)}+{c 2 (1)・Y(t2)}+{c 3 (n-1)・Y(t3)}+{c 4 (2n-1)・Y(t4)}を係数乗算部18a1に送出し、次の2 目の{c 1 (n+2)・Y(t1)}+{c 2 (2)・Y(t2)}+{c 3 (n-2)・Y(t3)}+{c 4 (2n-2)・Y(t4)}を次の係数乗算部18a2に送出し、 後3行目~n行目までの各値をそれぞれ異なる 数乗算部18a3、…、18anへ送出する。

 各係数乗算部18a1、18a2、…、18anは、パラメ タ設定部7でユーザにより設定された可変パ ラメータαを、制御項行列演算回路33で算出 れた行列の各行の値に乗算し、これを対応 る線形加算部19a1、19a2、…、19anへ送出する 各線形加算部19a1、19a2、…、19anは、基本項 列演算回路32から受け取った算出結果と、係 数乗算部18a1、18a2、…、18anから受け取った算 出結果とを同じ行毎に線形加算し、これによ り補間値y k-2 (1),y k-2 (2),…,y k-2 (n)を生成し得る。

 以上の構成において、音響処理部30では、 述した実施の形態と同様の効果に加えて、
基本項行列演算回路32に基本項行列Bを記憶し ておくとともに、制御項行列演算回路33に制 項行列Cを記憶しておき、離散データd1、d2 d3、d4の値Y(t1)、Y(t2)、Y(t3)、Y(t4)を一列の行 Xとして乗算するようにしたことにより、連 する4つの離散データd1、d2、d3、d4のうち所 の離散データd2及びd3間の補間位置1~nまでの 補間値y k-2 (1),y k-2 (2),…,y k-2 (n)を一括して容易に算出できる。

 なお、上述した実施の形態においては、 目する離散データ間の区分数がn+1で一定数 ある離散データ列にのみ適用し得る基本項 列B及び制御項行列Cを用いるようにした場 について述べたが、本発明はこれに限らず 着目する離散データ間の区分数が異なる複 の離散データ列に適用し得る基本項行列及 制御項行列を用いるようにしてもよい。す わち、この場合、変換関数行列演算部では 区分数が異なる複数の離散データ列に適用 るため、これら複数の区分数の最小公倍数 区分数で基本項行列B及び制御項行列Cを予め 演算してテーブル化しておき、離散データの 入力開始時に設定される区分数に応じて、基 本項行列B及び制御項行列Cのうちから当該区 数に対応した演算値をテーブル値として選 して、選択したテーブル値と離散データと 畳み込み演算を実行する。これにより、変 関数行列演算部では、1つの基本項行列B及 制御項行列Cのみを予め記憶しているだけで 区分数が異なる複数の離散データ列に対応 ることができることから、記憶手段での記 容量を減らし、装置全体としての処理負担 低減できる。

 また、本発明は、本実施形態に限定される のではなく、本発明の要旨の範囲内で種々 変形実施が可能である。例えば、標本化関 s N (t)を全域で1回だけ微分可能な有限台の区分 項式関数としたが、微分可能回数を2回以上 設定してもよい。

 また、上述した実施の形態においては、標 化関数s N (t)を用いて補間処理を行うことによりアナロ グ信号を生成するようにした場合についての べたが、本発明はこれに限らず、標本化関数 s N (t)を用いて補間処理を行うことにより単にオ ーバーサンプリングし、その後にアナログデ ジタル変換器でアナログ信号を生成するよう にしてもよい。

 さらに、上述した実施の形態においては、 本化関数s N (t)はt=±2で0に収束するようにした場合につい て述べたが、本発明はこれに限らず、t=±3以 で0に収束するようにしてもよい。例えば、 t=±3で0に収束するようにした場合には、離散 データ抽出部15によって直前の6つの離散デー タを抽出し、関数処理部14によってこれら6つ の離散データに対して標本化関数s N (t)の値が計算され得る。

 さらに、上述した実施の形態においては、 本項演算部16に基本標本化関数f(t)を記憶し これとは別に制御項演算部17に制御標本化 数c 0 (t)を記憶しておき、それぞれ基本標本化関数 f(t)及び制御標本化関数c 0 (t)毎に離散データd1、d2、d3、d4に対する畳み み演算を行って基本補間値yaと制御補間値yb とを算出した後、基本補間値yaと制御補間値y bとの線形和加算で補間値yを算出するように た場合について述べたが、本発明はこれに らず、基本標本化関数f(t)及び制御標本化関 数c 0 (t)を一つの標本化関数s N (t)として記憶しておき、可変パラメータαを 更した標本化関数s N (t)を用い、離散データd1、d2、d3、d4に対する み込み演算を行って補間値yを直接算出する ようにしてもよい。

 この場合、具体的な構成として、関数処理 段は、基本標本化関数f(t)と制御標本化関数 c 0 (t)とを予め線形加算した標本化関数s N (t)を記憶し、各離散データ毎に求めた着目点 までの距離を用いて標本化関数s N (t)の値を計算する演算手段と、離散データの それぞれに対応させた標本化関数s N (t)の値を畳み込み演算することより、着目点 での補間値を計算する畳み込み演算手段とを 備えるようにすればよい。これにより関数処 理手段では、予め標本化関数s N (t)が演算されているため、基本標本化関数f(t )及び制御標本化関数c 0 (t)を別々に演算する場合に比べて乗算回数が 少なくなり、演算時間の低減や、乗算器の低 減が図れ、処理速度の遅い演算デバイスを用 いる場合に適している。

 第2の実施の形態
 次に上述した第1の実施の形態とは異なる第 2の実施の形態について以下説明する。ここ は、上述した図1~図7、図10~図13を用いずに、 新たな図面を用いて説明する。以下の図面中 において、図1~図7、図10~図13中の符号と同一 号を付している箇所があるが、同一符号を していても、以下の第2の実施の形態による オーディオ装置として、その構成について改 めて説明する。

 (1)オーディオ装置の全体構成
 図14において、1は全体として本発明による 響処理部3を備えたオーディオ装置を示し、 このオーディオ装置1は、入力部2によって例 ばCDやDVD等の種々の記録媒体を再生し、そ 結果得られる時間方向に並ぶ複数の離散デ タを音響処理部3へ順次送出する。因みに、 散データとは、例えば滑らかに変化する連 的な信号を一定の時間間隔で標本化し、そ 結果得られたサンプリングデータを量子化 ることにより得られた離散的なデータであ 。

 音響処理装置としての音響処理部3は、例 えば低音域、中音域及び高音域の3つの周波 帯域に離散データを分離する帯域分離部4と これら低音域、中音域及び高音域の3つの周 波数帯域毎に音圧レベルを調整する音圧調整 部5と、各周波数帯域毎に設定された所定の 本化関数(後述する)を用いて各周波数帯域毎 に補間処理を個別に実行する補間処理部6と ユーザ自身が音圧レベルと標本化関数とを 周波数帯域毎に任意に設定し得る設定部7と 各周波数帯域毎に生成した補間処理信号を 成することにより、合成信号としてのアナ グ信号を生成する帯域合成部8とから構成さ れている。

 実際上、図15に示すように、音響処理部3 、帯域分離部4がデジタルローパスフィルタ 4aとデジタルバンドパスフィルタ4bとデジタ ハイパスフィルタ4cとから構成されており、 離散データを低音域、中音域及び高音域の周 波数帯域にそれぞれ分離し得るようになされ ている。因みに、この実施の形態の場合、こ れらデジタルローパスフィルタ4a、デジタル ンドパスフィルタ4b及びデジタルハイパス ィルタ4cは、FIR(Finite duration Impulse Response) ィルタで構成されている場合について述べ が、本発明はこれに限らず、IIR(Infinite Impuls e Response)フィルタ等の他の種々のデジタルフ ィルタにより構成するようにしてもよい。

 帯域分離部4は、デジタルローパスフィル タ4aによって所定数の離散データを取り込ん その平均化を行うことにより、高音域成分 除去した低音域の周波数帯域からなる帯域 信号を生成し、これを音圧調整部5及びデジ タルバンドパスフィルタ4bに送出する。

 デジタルハイパスフィルタ4cは、離散デ タ及び新たに入力される離散データを、設 された重み付けの割合で加減算することで 離散データから、設定された低音域成分を 去した高音域の周波数帯域からなる帯域別 号を生成し、これを音圧調整部5及びデジタ バンドパスフィルタ4bに送出する。

 デジタルバンドパスフィルタ4bは、離散 ータの値から、対応する低音域及び高音域 帯域別信号の値を減算することにより、低 域成分及び高音域成分を除去した残りの中 域の周波数帯域からなる帯域別信号を生成 、これを音圧調整部5へ送出する。

 音圧調整部5には、低音域、中音域及び高 音域の各周波数帯域に対応して3つの増幅器5a ,5b,5cが設けられており、設定部7からの音圧 ベル調整命令によって、帯域別信号の音圧 ベルを増幅させる増幅値が各増幅器5a,5b,5c毎 に設定され得る。

 これにより、音圧調整部5は、増幅器5aに いて低音域の周波数帯域からなる帯域別信 にのみ所定の増幅値を乗算して増幅し、他 増幅器5bにおいて中音域の周波数帯域から る帯域別信号にのみ所定の増幅値を乗算し 増幅し、さらに他の増幅器5cにおいて高音域 の周波数帯域からなる帯域別信号にのみ所定 の増幅値を乗算して増幅し得る。これにより 、音圧調整部5は、例えば低音域の周波数帯 が比較的聴取し難いユーザにより、設定部7 介して低音域の帯域別信号の音圧レベルだ を増幅させるように増幅値が設定されると 当該増幅値に応じて音圧レベルが増幅され 帯域別調整信号を生成する。

 このように各増幅器5a,5b,5cは、予め個別 設定された所定の音圧パラメータとしての 幅値に基づいて各帯域別信号を所定の音圧 ベルにまで増幅させ、これにより生成され 各帯域別調整信号を補間処理部6へそれぞれ 出するようになされている。ここで、補間 理部6には、低音域、中音域及び高音域の各 周波数帯域に対応して3つの帯域別補間部6a,6b ,6cが設けられており、設定部7からの補間処 選択命令によって、各帯域別調整信号を補 処理する所定の標本化関数が各帯域別補間 6a,6b,6c毎に設定され得る。

 これにより、帯域別補間部6aは、設定部7 より予め設定された標本化関数に従って、 音域の帯域別調整信号にのみ補間処理を実 し、帯域別調整信号を構成する帯域別デー 間を補間してサンプリング周波数を擬似的 上げ、その結果得られた補間処理信号を帯 合成部8へ送出する。また、このとき、帯域 別補間部6bは、設定部7により他の帯域別補間 部6a,6cとは別途設定された標本化関数に従っ 、中音域の帯域別調整信号にのみ補間処理 実行し、帯域別調整信号を構成する帯域別 ータ間を補間してサンプリング周波数を擬 的に上げ、その結果得られた補間処理信号 帯域合成部8へ送出する。さらに、このとき 、帯域別補間部6cは、同じく設定部7により他 の帯域別補間部6a,6bとは別途設定された標本 関数に従って、高音域の帯域別調整信号に み補間処理を実行し、帯域別調整信号を構 する帯域別データ間を補間してサンプリン 周波数を擬似的に上げ、その結果得られた 間処理信号を帯域合成部8へ送出する。

 帯域合成部8は、各帯域別補間部6a,6b,6cに いて生成された複数の補間処理信号を合成 ることにより全周波数帯域からなる1つのア ナログ信号を生成し、これを出力部9へ送出 る。このように音響処理部3は、補間処理部6 において、各周波数帯域毎に個別に補間処理 を実行する構成としたことによって、各周波 数帯域毎に異なる標本化関数を自由に設定す ることができるようになる。これにより音響 処理部3は、標本化関数を適宜変更すること 、帯域別調整信号毎に帯域別データ間を補 する補間値を調整し、その結果、各周波数 域毎に調整された補間処理信号を生成でき かくしてアナログ信号の周波数特性が細か 調整されたユーザ所望の音質からなる音楽 出力部9から再生し得るようになされている

 (2)帯域別補間部における補間処理
 次に各帯域別補間部6a,6b,6cで実行される補 処理の概略について以下説明する。帯域別 間部6a,6b,6cにおいて用いられる標本化関数s N (t)は基本標本化関数f(t)及び制御標本化関数c 0 (t)から構成されている。ここで、離散データ の標本位置をtとし、例えば当該離散データ 標本位置[-2,2]間での基本標本化関数f(t)及び 御標本化関数c 0 (t)からなる標本化関数s 2 (t)は、次式、

によって表され、一般的な制御標本化関数を c k (t)とし、c k (t)=c r (t-k)+c r (-t-k)と置いたときは、当該離散データの標本 位置[-N,N]間で標本化関数s N (t)は次式

によって表される。なお、α k は後述する可変パラメータを示し、ユーザに よって設定可能な任意の数値を示すもので、 α 1 2 3 …のようにkによって可変しない同一の値で よい。因みに、N=2のときの標本化関数s 2 (t)については、説明の便宜上、単に標本化関 数s N (t)として以下説明する。この標本化関数s N (t)は、可変パラメータαの数値が反映した補 値を算出できることから、可変パラメータ の数値を変更することにより、各周波数帯 毎に補間処理信号を調整し得るようになさ ている。基本標本化関数f(t)及び制御標本化 数c 0 (t)は、図16に示すような波形を示し、可変パ メータαの数値に応じて制御標本化関数c 0 (t)が示す波形の振幅が増減して可変し得る。

 基本標本化関数f(t)は、微分可能性に着目 した有限台の区分多項式で表された関数であ り、例えば全域において1回だけ微分可能で って、横軸に沿った標本位置tが-1から+1(す わち、区間[-1,1])にあるときに0以外の有限な 値を有し、他の区間は恒等的に0で表される 数である。具体的には基本標本化関数f(t)は 代表的関数形式が2次式であり、全範囲で1 だけ微分可能な凸形状の波形を示し、t=0の 本位置でのみ1になり、t=±1に向けて0に収束 てt=±2の標本位置までそのまま0になるとい 特徴を有する。

 また、この基本標本化関数f(t)は、有限台 のn次インパルス応答関数でよく、標本点間 区分した点で連続なn次の区分多項式関数で れば良い。具体的には、このような基本標 化関数f(t)は、2次の区分多項式関数の場合 次式、

によって表される。そして、この基本標本 化関数f(t)を用いて帯域別調整信号を構成す 各帯域別データに基づく重ね合わせを行う とにより、帯域別調整信号の帯域別データ の値を1回だけ微分可能な関数を用いて仮補 することができる。

 一方、制御標本化関数c 0 (t)は、微分可能性に着目した有限台の区分多 項式で表された関数であり、例えば全域にお いて1回だけ微分可能であって、横軸に沿っ 標本位置tが-2から+2(すなわち、区間[-2,2])に るときに0以外の有限な値を有し、他の区間 では恒等的に0で表される関数である。また 制御標本化関数c 0 (t)は、全範囲で1回だけ微分可能な波形を示 、t=0,±1,±2の各標本位置で0になるという特 を有する。

 また、この制御標本化関数c 0 (t)は、有限台のn次インパルス応答関数でよ 、標本点間を区分した点で連続なn次の区分 項式関数であれば良い。ここで、制御標本 関数c 0 (t)は、上述したように制御標本化関数c 0 (t)=c r (t)+c r (-t)で表され、このc r (t)は具体的に次式、

によって表される。そして、この制御標本化 関数c 0 (t)を用いて帯域別調整信号の各帯域別データ に基づく重ね合わせを行うことにより、帯域 別調整信号の帯域別データ間の値を1回だけ 分可能な関数を用いて仮補間することがで る。

 標本化関数s N (t)は、基本標本化関数f(t)と制御標本化関数c 0 (t)との線形結合で表され、実際の補間演算は 基本標本化関数f(t)と離散データ(標本値)との 畳み込み演算で算出した仮の補間値(以下、 れを基本補間値と呼ぶ)と、制御標本化関数c 0 (t)と離散データ(標本値)との畳み込み演算で 出した仮の補間値(以下、これを制御補間値 と呼ぶ)とを線形加算することにより、帯域 調整信号の帯域別データ間の値を1回だけ微 可能な関数を用いて補間することができる

 因みに、この基本標本化関数f(t)と制御標本 化関数c 0 (t)との線形結合では、下記の6つの条件が成 する関数であることを特徴としている。第1 しては、S 2 (0)=1,S 2 (±1)=S 2 (±2)=0となること。第2としては、偶関数、す わちy軸に関して対称となること。第3とし は、標本位置区間[-∞,-2]、[2,∞]で恒等的に0 であること。第4としては、各区間[n/2,(n+1)/2]( -4≦n≦3)においては高々二次の多項式である と。第5としては、全区間ではC1級、すなわ 連続的一回微分可能であること。第6として は、標本位置区間[-1/2,1/2]において、次式

となること。

 これに加えて、このとき制御標本化関数c 0 (t)には、ユーザによって任意の数値が設定さ れた可変パラメータαが乗算され得るように されている。これにより制御標本化関数c 0 (t)は、t=0,±1,±2の標本位置で0としたまま、標 本位置-2から+2までの間で当該可変パラメー αの数値に応じてその波形の振幅が変形され 得る。その結果、制御標本化関数c 0 (t)は、離散データ(標本値)との畳み込み演算 よる算出結果を変更させ得る。このように 可変パラメータαは、数値が変更されるこ で、標本化関数s N (t)によって算出した補間処理信号の周波数特 性を変化させることができ、各周波数帯域毎 に高域成分の信号レベルを調整し得るように なされている。

 従って、本発明では、各周波数帯域毎に、 御標本化関数c 0 (t)に乗算される可変パラメータαを変化させ ことによって補間処理信号を調整し、これ 各周波数帯域毎に生成された複数の補間処 信号を合成してアナログ信号を生成するこ により、高音域が各周波数帯域毎に細かく 整されたユーザ所望の音質からなるアナロ 信号を生成し得るようになされている。

 (3)帯域別補間部の回路構成
 (3-1)帯域別補間部における補間処理の概略 明
 3つの帯域別補間部6a,6b,6cは、補間処理に用 る標本化関数s N (t)の可変パラメータαが個別に設定されてい 点と、当該補間処理する帯域別調整信号が なる点とで相違するものの、その他の点に いては同一構成を有することから、以下、 音域の帯域別調整信号に対して補間処理す 帯域別補間部6aに着目して説明する。

 図17に示すように、帯域別補間部6aは、帯 域別調整信号を構成する所定数(この場合4つ) の帯域別データを順次抽出して保持するデー タ抽出部15と、データ抽出部15で抽出保持さ た所定数の帯域別データを一度に受け取り これら帯域別データを用いて補間処理を実 する関数処理部14とから構成され、増幅器5a ら順次入力される帯域別データ間を所定の 間間隔でデータ補間し得るようになされて る。

 関数処理部14は、帯域別データを基に標本 関数s N (t)のうち基本標本化関数f(t)の項との畳み込 演算を処理する基本項演算部16と、当該帯域 別データを基に標本化関数s N (t)のうち制御標本化関数c 0 (t)の項との畳み込み演算を処理する制御項演 算部17と、制御項演算部17の算出結果に可変 ラメータαを乗算する係数乗算部18と、基本 演算部16の算出結果と係数乗算部18の算出結 果とを線形加算する加算演算部19とから構成 れている。

 この実施の形態の場合、データ抽出部15 、順次入力される帯域別データの中から直 の4つの帯域別データを抽出し、次に新たな 域別データが入力されるまでこの4つの帯域 別データを保持して、これら4つの帯域別デ タを基本項演算部16及び制御項演算部17へそ ぞれ送出する。

 基本項演算部16は、所定の記憶手段(図示 ず)に基本標本化関数f(t)を記憶しており、 域別データ間の補間位置が指定されると、 の補間位置と帯域別データとの間の距離に づいて基本標本化関数f(t)の値を計算する。 の基本項演算部16は、データ抽出部15から送 出される4つの帯域別データ毎にそれぞれ基 標本化関数f(t)の値が計算され得る。また、 本項演算部16は、帯域別データ毎に得られ 4つの基本標本化関数f(t)の値毎にそれぞれ対 応する帯域別データの値を乗算した後、これ ら4つの帯域別データに対応する畳み込み演 を行い、この畳み込み演算の算出結果を加 演算部19へ送出する。

 これと同時に制御項演算部17は、所定の記 手段(図示せず)に制御標本化関数c 0 (t)を記憶しており、補間位置が指定されると 、この補間位置と帯域別データとの間の距離 に基づいて制御標本化関数c 0 (t)の値を計算する。この制御項演算部17は、 ータ抽出部15から送出される4つの帯域別デ タ毎にそれぞれ制御標本化関数c 0 (t)の値が計算され得る。また、制御項演算部 17は、帯域別データ毎に得られた4つの制御標 本化関数c 0 (t)の値毎にそれぞれ対応する帯域別データの 値を乗算した後、これらを加算することによ り4つの帯域別データに対応する畳み込み演 を行い、この畳み込み演算の算出結果を係 乗算部18へ送出する。

 係数乗算部18は、制御項演算部17から受け取 った制御標本化関数c 0 (t)の畳み込み演算の算出結果に可変パラメー タαを乗算し、その結果得られた可変パラメ タ乗算結果を加算演算部19へ送出する。加 演算部19は、基本項演算部16から受け取った 本標本化関数f(t)の畳み込み演算の算出結果 と、係数乗算部18から受け取った可変パラメ タ乗算結果とを線形加算することにより、4 つの帯域別データに対応する演算結果を得る 。この線形加算によって得られる値は、所定 の2つの帯域別データ間の補間位置における 間値となる。因みに、この補間位置は、予 設定された所定の時間間隔、具体的には帯 別データの入力間隔に対応する周期Tの1/Nの 期(=T/N)毎にその値が更新される。

 (3-2)4つの帯域別データに基づいて補間値を める具体例
 次に、時間的に連続して並ぶ4つの帯域別デ ータに基づいて所定の2つの帯域別データ間 補間値を算出する補間処理について、連続 る4つの帯域別データと、補間位置である着 点との位置関係を示す図18を用い、以下説 する。この図18では、標本位置t1、t2、t3、t4 それぞれに対応して順次入力される帯域別 ータd1、d2、d3、d4の各値をY(t1)、Y(t2)、Y(t3) Y(t4)とし、標本位置t2及びt3間の所定位置(す わち補間位置(t2から距離b))t0に対応した補 値yを求める場合を考える。

 本実施の形態で用いる標本化関数s N (t)は、t=±2の標本位置で0に収束するため、t= 2までの帯域別データd1、d2、d3、d4を考慮に れればよい。従って、図18に示す補間値yを める場合には、t=t1、t2、t3、t4に対応した4つ の帯域別データd1、d2、d3、d4のみを考慮すれ よいことになり、演算量を大幅に削減する とができる。しかも、t=±3以上の各帯域別 ータ(図示せず)については、本来考慮すべき であるが演算量や精度等を考慮して無視して いるというわけではなく、理論的に考慮する 必要がないため、打ち切り誤差は発生しない 。

 図19に示すように、データ抽出部15は、3 のシフト回路20a,20b,20cを備えており、連続す る帯域別データが入力されると、各シフト回 路20a,20b,20c毎に当該帯域別データを例えばCD サンプリング周期(44.1kHz)でシフトし、各シ ト回路20a,20b,20cで直前の帯域別データd1、d2 d3、d4をそれぞれ1つ抽出保持し得る。すなわ ち、データ抽出部15は、連続する4つの帯域別 データd1、d2、d3、d4が入力されると、最新の 域別データd4をそのまま基本項演算部16の基 本項計算回路21a及び制御項演算部17の制御項 算回路22aへそれぞれ送出する。

 また、データ抽出部15は、連続する4つの 域別データd1、d2、d3、d4からなる帯域別デ タ列をシフト回路20aに送出し、当該シフト 路20bによって帯域別データ列をシフトして 新の帯域別データd4から1つ前の帯域別デー d3を抽出し、これを基本項演算部16の基本項 算回路21b及び制御項演算部17の制御項計算 路22bへそれぞれ送出する。

 さらに、データ抽出部15は、残りのシフ 回路20b、20cにも帯域別データ列を順次送出 てゆき、シフト回路20bで帯域別データ列を らにシフトさせて最新の帯域別データd4から 2つ前の帯域別データd2を基本項計算回路21c及 び制御項計算回路22cへそれぞれ送出するとと もに、シフト回路20cで帯域別データ列をさら にシフトさせて最新の帯域別データd4から3つ 前の帯域別データd1を基本項計算回路21d及び 御項計算回路22dへそれぞれ送出する。

 ここで図7及び図8は、本実施の形態の基 項演算部16及び制御項演算部17における所定 補間位置t0に対する補間処理の概略を示す である。補間処理の内容としては、上述し ように先ず始めに、基本項演算部16における 基本補間値を算出する演算処理(以下、これ 単に基本補間値算出処理と呼ぶ)と、制御項 算部17及び係数乗算部18における制御補間値 を算出する演算処理(以下、これを単に制御 間値算出処理と呼ぶ)とが実行される。以下 これら図20及び図21を用い、基本補間値算出 処理と制御補間値算出処理とについて説明す る。

 (3-2-1)基本補間値算出処理
 基本補間値算出処理の内容としては、図20(A )~(D)に示すように、各標本位置t1、t2、t3、t4 に、基本標本化関数f(t)のt=0(中心位置)にお るピーク高さを一致させ、このときの補間 置t0におけるそれぞれの基本標本化関数f(t) 値を求めることになる。

 図20(A)に示す標本位置t1における帯域別デ ータd1に着目すると、補間位置t0と標本位置t1 との距離は1+bとなる。従って、標本位置t1に 本標本化関数f(t)の中心位置を合わせたとき の補間位置t0における基本標本化関数の値はf (1+b)となる。実際には、帯域別データd1の値Y( t1)に一致するように基本標本化関数f(t)の中 位置のピーク高さを合わせるため、上述し f(1+b)をY(t1)倍した値f(1+b)・Y(t1)が求めたい値 なる。f(1+b)の計算は基本項演算部16の基本 計算回路21aで行われ、f(1+b)にY(t1)を乗算する 計算は基本項演算部16の基本項乗算回路23aで われる(図19)。

 同様に、図20(B)に示す標本位置t2における 帯域別データd2の値Y(t2)に着目すると、補間 置t0と標本位置t2との距離はbとなる。従って 、標本位置t2に基本標本化関数f(t)の中心位置 を合わせたときの補間位置t0における基本標 化関数の値はf(b)となる。実際には、帯域別 データd2の値Y(t2)に一致するように基本標本 関数f(t)の中心位置のピーク高さを合わせる め、上述したf(b)をY(t2)倍した値f(b)・Y(t2)が めたい値となる。f(b)の計算は基本項演算部 16の基本項計算回路21bで行われ、f(b)にY(t2)を 算する計算は基本項演算部16の基本項乗算 路23bで行われる(図19)。

 図20(C)に示す標本位置t3における帯域別デ ータd3の値Y(t3)に着目すると、補間位置t0と標 本位置t3との距離は1-bとなる。従って、標本 置t3に基本標本化関数f(t)の中心位置を合わ たときの補間位置t0における基本標本化関 の値はf(1-b)となる。実際には、帯域別デー の値Y(t3)に一致するように基本標本化関数f(t )の中心位置のピーク高さを合わせるため、 述したf(1-b)をY(t3)倍した値f(1-b)・Y(t3)が求め い値となる。f(1-b)の計算は基本項演算部16 基本項計算回路21cで行われ、f(1-b)にY(t3)を乗 算する計算は基本項演算部16の基本項乗算回 23cで行われる(図19)。

 図20(D)に示す標本位置t4における帯域別デ ータd4の値Y(t4)に着目すると、補間位置t0と標 本位置t4との距離は2-bとなる。従って、標本 置t4に基本標本化関数f(t)の中心位置を合わ たときの補間位置t0における基本標本化関 の値はf(2-b)となる。実際には、帯域別デー d4の値Y(t4)に一致するように基本標本化関数f (2-b)の中心位置のピーク高さを合わせるため 上述したf(2-b)をY(t4)倍した値f(2-b)・Y(t4)が求 めたい値となる。f(2-b)の計算は基本項演算部 16の基本項計算回路21dで行われ、f(2-b)にY(t4) 乗算する計算は基本項演算部16の基本項乗算 回路23dで行われる(図19)。

 そして、基本項演算部16は、補間位置t0の 着目点に対応して得られた4つの値f(1+b)・Y(t1) 、f(b)・Y(t2)、f(1-b)・Y(t3)、f(2-b)・Y(t4)を、基 項畳み込み回路24において畳み込み演算し、 低音域の周波数帯域において基本補間値yaが 算される。因みに、この実施の形態の場合 補間位置t0の着目点に対応して得られた値f( 1+b)・Y(t1)及びf(2-b)・Y(t4)は、図20(A)及び(D)に すように0となるため、基本補間値yaは、{f(b) ・Y(t2)}+{f(1-b)・Y(t3)}となる。

 (3-2-2)制御補間値算出処理
 一方、制御補間値算出処理の内容としては 図21(A)~(D)に示すように、各標本位置t1、t2、 t3、t4毎に、制御標本化関数c 0 (t)のt=0(中心位置)を一致させて、各制御標本 関数c 0 (t)に対応した帯域別データd1、d2、d3、d4の値Y (t1)、Y(t2)、Y(t3)、Y(t4)を乗算し、このときの 間位置t0におけるそれぞれの制御標本化関数 c 0 (t)の値を求めることになる。

 図21(A)に示す標本位置t1における帯域別デー タd1の値Y(t1)に着目すると、補間位置t0と標本 位置t1との距離は1+bとなる。従って、標本位 t1に制御標本化関数c 0 (t)の中心位置を合わせたときの補間位置t0に ける制御標本化関数の値はc 0 (1+b)となる。実際には、帯域別データd1の値Y( t1)に対応させて制御標本化関数c 0 (t)の波形高さを合わせるため、上述したc 0 (1+b)をY(t1)倍した値c 0 (1+b)・Y(t1)が求めたい値となる。c 0 (1+b)の計算は制御項演算部17の制御項計算回 22aで行われ、c 0 (1+b)にY(t1)を乗算する計算は制御項演算部17の 制御項乗算回路25aで行われる(図19)。

 同様に、図21(B)に示す標本位置t2における帯 域別データd2の値Y(t2)に着目すると、補間位 t0と標本位置t2との距離はbとなる。従って、 標本位置t2に制御標本化関数c 0 (t)の中心位置を合わせたときの補間位置t0に ける制御標本化関数の値はc 0 (b)となる。実際には、帯域別データd2の値Y(t2 )に対応させて制御標本化関数c 0 (t)の波形高さを合わせるため、上述したc 0 (b)をY(t2)倍した値c 0 (b)・Y(t2)が求めたい値となる。c 0 (b)の計算は制御項演算部17の制御項計算回路2 2bで行われ、c 0 (b)にY(t2)を乗算する計算は制御項演算部17の 御項乗算回路25bで行われる(図19)。

 図21(C)に示す標本位置t3における帯域別デー タd3の値Y(t3)に着目すると、補間位置t0と標本 位置t3との距離は1-bとなる。従って、標本位 t3に制御標本化関数c 0 (t)の中心位置を合わせたときの補間位置t0に ける制御標本化関数の値はc 0 (1-b)となる。実際には、帯域別データd3の値Y( t3)に対応させて制御標本化関数c 0 (t)の波形高さを合わせるため、上述したc 0 (1-b)をY(t3)倍した値c 0 (1-b)・Y(t3)が求めたい値となる。c 0 (1-b)の計算は制御項演算部17の制御項計算回 22cで行われ、c 0 (1-b)にY(t3)を乗算する計算は制御項演算部17の 制御項乗算回路25cで行われる(図19)。

 図21(D)に示す標本位置t4における帯域別デー タd4の値Y(t4)に着目すると、補間位置t0と標本 位置t4との距離は2-bとなる。従って、標本位 t4に制御標本化関数c 0 (t)の中心位置を合わせたときの補間位置t0に ける制御標本化関数の値はc 0 (2-b)となる。実際には、帯域別データd4の値Y( t4)に対応させて制御標本化関数c 0 (2-b)の波形高さを合わせるため、上述したc 0 (2-b)をY(t4)倍した値c 0 (2-b)・Y(t4)が求めたい値となる。c 0 (2-b)の計算は制御項演算部17の制御項計算回 22dで行われ、c 0 (2-b)にY(t4)を乗算する計算は制御項演算部17の 制御項乗算回路25dで行われる(図19)。

 そして、補間位置t0の着目点に対応して得 れた4つの値c 0 (1+b)・Y(t1)、c 0 (b)・Y(t2)、c 0 (1-b)・Y(t3)、c 0 (2-b)・Y(t4)は、制御項演算部17の制御項畳み込 み回路26によって畳み込み演算された後、係 乗算部18において可変パラメータαが乗算さ れ、これにより低音域の周波数帯域における 制御補間値ybが計算される。

 (3-2-3)補間値演算処理
 加算演算部19は、基本項演算部16により算出 された着目点に対応する基本補間値yaと、制 項演算部17及び係数乗算部18により算出され た着目点に対応する制御補間値ybとを線形加 することにより、低音域の周波数帯域にお る補間位置t0の補間値yを出力し得るように されている。このようにして、帯域別デー d2及びd3間の他の全ての補間位置も同様に補 間値が算出されるとともに、帯域別補間部6b, 6cにおいても中音域及び高音域の各周波数帯 毎に設定された標本化関数を用いて同様の 間処理手法が実行され得る。

 (3-3)可変パラメータの数値を変更したとき 補間処理結果
 かかる構成に加えて、音響処理部3は、設定 部7によって係数乗算部18の可変パラメータα 数値が各帯域別補間部6a,6b,6c毎に適宜変更 れることにより、各帯域別補間部6a,6b,6c毎に 標本化関数s N (t)の値が変更され、各周波数帯域毎に補間値 yを調整し得る。その結果、帯域合成部8にお て生成されるアナログ信号は、各周波数帯 毎に可変パラメータαの数値が変更される とにより周波数特性が調整され得るように されている。ここでは、可変パラメータαを 変更した際に、標本化関数s N (t)がどのように変化するかについて、図16に した基本標本化関数f(t)が示す波形と、制御 標本化関数c 0 (t)が示す波形とを合成した波形に着目して以 下説明する。

 基本標本化関数f(t)が示す波形と、制御標本 化関数c 0 (t)が示す波形とを合成した標本化関数s N (t)の波形は、上述した第1の実施の形態で示 た図8のように、可変パラメータαの数値に って大きく異なるものとなる。ここで上述 た第1の実施の形態において説明した図9に示 したような特性を有する波形は、低音域、中 音域及び高音域の周波数帯域に離散データを 分離して生成した帯域別データを補間処理し たときであっても同様に形成されることから 、従来のシャノンの標本化関数を用いた場合 に比べて、低音域、中音域及び高音域の各周 波数帯域の範囲毎にその範囲内での高音域成 分を再生させ得る。

 また、図9に示したように、可変パラメー タαを1.5、-1.5又は-0.25に設定したときには、 信号レベルの波形が互いに異なるものとな たが、このような特性を有する波形は、低 域、中音域及び高音域の周波数帯域に離散 ータを分離して生成した帯域別データを補 処理したときであっても同様に形成される 従って、第2の実施の形態では、可変パラメ ータαの数値を低音域、中音域及び高音域の 周波数帯域毎に適宜変更することにより、 音域、中音域及び高音域の各周波数帯域の 囲内でそれぞれ個別に信号レベルを調整す ことができる。

 このように、音響処理部3は、各周波数帯域 毎に標本化関数s N (t)の可変パラメータαが変更されることで、 周波数帯域毎に微細な信号レベルの調整が きることにより、周波数特性の一段と細か 調整をユーザに対して容易に行わせること できる。かくして、本発明では、可変パラ ータαを各周波数帯域毎にそれぞれ変化さ ることによって各補間処理信号を個別に調 し、この調整された複数の補間処理信号を 成してアナログ信号を生成することにより 高音域が各周波数帯域毎に細かく調整され アナログ信号を生成できる。

 (4)動作及び効果
 以上の構成において、音響処理部3では、低 音域、中音域及び高音域の各周波数帯域毎に 離散データを分離し、各周波数帯域毎に生成 した複数の帯域別調整信号毎に帯域別補間部 6a,6b,6cを設け、各帯域別補間部6a,6b,6cにより 域別調整信号を個別に補間処理するように た。これにより、音響処理部3では、各周波 帯域毎に補間処理に用いる標本化関数を変 できるようになり、当該標本化関数を各周 数帯域毎に変えることによって、補間処理 て得られる補間処理信号を各周波数帯域毎 細かく調整することができ、かくして当該 間処理により得た複数の補間処理信号を合 することで、アナログ信号の周波数特性を 要に応じて細かく変化させ、ユーザ所望の 質からなる高音質な音楽を再生させること できる。

 このように、音響処理部3では、各周波数 帯域毎に補間値が細かく調整された補間処理 信号を生成し、これら複数の補間処理信号を 合成することによりアナログ信号を生成する ようにしたことにより、音楽再生環境、音源 、曲調等の各種条件に応じてユーザが周波数 帯域毎に標本化関数を適宜変更することで、 アナログ信号の周波数特性が調整されたユー ザ所望の音質からなる高音質な音楽を再生さ せることができる。

 特に、本発明においては、各周波数帯域毎 標本化関数s N (t)の可変パラメータαを個別に変更して補間 理できるようにしたことにより、各周波数 域毎に補間値の微細な調整ができるように り、その分だけアナログ信号の周波数特性 一段と細かく調整できる。すなわち、低音 、中音域及び高音域の各周波数帯域に分離 ずに全周波数帯域からなる離散データを、 にそのまま標本化関数s N (t)の可変パラメータαを変更して補間処理し 周波数特性を調整する場合に比して、本発 では、各周波数帯域毎に補間値の微細な調 ができる分、アナログ信号の周波数特性を 段と細かく調整でき、かくしてユーザ所望 音質からなる高音質な音楽を再生させるこ ができる。

 また、この実施の形態の場合では、基本 演算部16に基本標本化関数f(t)を記憶してお 、データ抽出部15によって抽出された各帯 別データd1、d2、d3、d4毎に補間位置t0までの 離をtとして基本標本化関数f(t)の値を計算 、帯域別データd1、d2、d3、d4のそれぞれに対 応させた基本標本化関数f(t)の値を畳み込み 算することより、補間位置t0での基本補間値 yaを計算するようにした。

 また、これとは別に音響処理部3では、制御 項演算部17に制御標本化関数c 0 (t)を記憶しておき、データ抽出部15によって 出された各帯域別データd1、d2、d3、d4毎に 間位置t0での距離をtとして制御標本化関数c 0 (t)の値を計算し、帯域別データd1、d2、d3、d4 それぞれに対応させた制御標本化関数c 0 (t)の値を畳み込み演算した後、ユーザによっ て任意の数値に設定された可変パラメータα 、制御標本化関数c 0 (t)の畳み込み演算結果に乗算することにより 、補間位置t0での制御補間値ybを計算するよ にした。

 そして、この音響処理部3では、このように して算出した基本補間値yaと制御補間値ybと 線形加算することにより離散データ間の補 値yを計算するようにしたことにより、制御 本化関数c 0 (t)の値に乗算される可変パラメータαの数値 反映した補間値yを算出できる。

 従って、音響処理部3では、単に可変パラメ ータαの数値を変更するだけで、標本化関数s N (t)により補間処理されて得られる補間値yを 易に調整できるので、異なる標本化関数s N (t)毎にそれぞれ対応した回路基板を複数設け る必要もなく、その分構成が簡素化し、コス ト低減を図ることができる。

 また、音響処理部3では、標本化関数s N (t)として全域で1回だけ微分可能な有限台の 本標本化関数f(t)及び制御標本化関数c 0 (t)を用い、当該制御標本化関数c 0 (t)に可変パラメータαを乗算しているため、 来のシャノンの標本化関数を用いた場合に べて離散データ間の補間処理に必要な演算 を大幅に減らすことができ、またシャノン 標本化関数を用いた場合に生じる打ち切り 差が発生せず、折り返し歪みの発生を防止 ることができる。

 この実施の形態の場合では、特に補間位置t 0を挟んで前後2つずつの標本位置と同じかそ よりも狭い範囲において標本化関数s N (t)の波形の値を0に収束させることが可能に るため、この標本化関数s N (t)を用いてデータ補間等を行う際に、着目位 置の前後2つずつ合計4つの離散データを用い だけでよくなり、シャノンの標本化関数を いた場合に比べて処理負担の格段的な軽減 可能になる。

 また、この実施の形態の場合、標本化関数s N (t)では、基本標本化関数f(t)と、可変パラメ タαの数値によって可変する制御標本化関数 c 0 (t)とを別々に記憶し、それぞれ個別に離散デ ータに対して畳み込み演算を行い、制御標本 化関数c 0 (t)と離散データとの畳み込み演算結果に対し て可変パラメータαを乗算して、これに基本 本化関数s N (t)と離散データとの畳み込み演算結果を線形 加算して出力信号を得るようにしているため 、制御標本化関数c 0 (t)は一つ持てば良く、数式を極力単純化させ ることができ、制御標本化関数c 0 (t)の可変制御を容易に行うことができる。

 さらに、音響処理部3では、各周波数帯域 毎に増幅器5a,5b,5cを設け、各増幅器5a,5b,5cに り個別に音圧レベルを増幅させるようにし ことにより、必要に応じてユーザが聴取し い周波数帯域の音圧レベルのみを増幅させ ことができ、かくしてユーザ所望の音質か なる高音質な音楽を再生させることができ 。

 (5)他の実施の形態
 なお、本発明は、本実施形態に限定される のではなく、本発明の要旨の範囲内で種々 変形実施が可能である。例えば、標本化関 s N (t)を全域で1回だけ微分可能な有限台の区分 項式関数としたが、微分可能回数を2回以上 設定してもよい。さらに、上述した実施の 態においては、標本化関数s N (t)を用いて補間処理を行うことにより合成信 号としてアナログ信号を生成するようにした 場合についてのべたが、本発明はこれに限ら ず、標本化関数s N (t)を用いて補間処理を行うことにより単にオ ーバーサンプリングした合成信号を生成し、 その後にアナログデジタル変換器でアナログ 信号を生成するようにしてもよい。

 さらに、上述した実施の形態においては、 本化関数s N (t)はt=±2で0に収束するようにした場合につい て述べたが、本発明はこれに限らず、t=±3以 で0に収束するようにしてもよい。例えば、 t=±3で0に収束するようにした場合には、デー タ抽出部15によって直前の6つの離散データを 抽出し、関数処理部14によってこれら6つの離 散データに対して標本化関数s N (t)の値が計算され得る。

 さらに、上述した実施の形態においては、 本項演算部16に基本標本化関数f(t)を記憶し これとは別に制御項演算部17に制御標本化 数c 0 (t)を記憶しておき、それぞれ基本標本化関数 f(t)及び制御標本化関数c 0 (t)毎に帯域別データd1、d2、d3、d4に対する畳 込み演算を行って基本補間値yaと制御補間 ybとを算出した後、基本補間値yaと制御補間 ybとを線形加算して補間値yを算出するよう した場合について述べたが、本発明はこれ 限らず、基本標本化関数f(t)及び制御標本化 関数c 0 (t)を予め線形加算して一つの標本化関数s N (t)として記憶しておき、可変パラメータαを 更した標本化関数s N (t)を用い、帯域別データd1、d2、d3、d4に対す 畳み込み演算を行って補間値yを直接算出す るようにしてもよい。

 さらに、上述した実施の形態においては 音圧レベルを増幅させた帯域別調整信号毎 補間処理を実行するようにした場合につい 述べたが、本発明はこれに限らず、各周波 帯域毎に音圧レベルを増幅させることなく 帯域分離部で所定の周波数帯域に分離され 帯域別信号を補間処理部が直接受け取って 各帯域別信号毎に所定の補間処理を実行す ようにしてもよい。

 さらに、上述した実施の形態においては 音圧レベルを増幅させた後に補間処理を実 するようにした場合について述べたが、本 明はこれに限らず、補間処理を実行した後 音圧レベルを増幅させるにようにしてもよ 、この場合、帯域別調整信号毎に補間処理 個別に実行するとともに、その結果得られ 補間処理信号に音圧パラメータを個別に乗 するようにすればよい。

 さらに、上述した実施の形態においては 音圧パラメータとしての増幅値を乗算して ーザが聴取し難い周波数帯域の音圧レベル 増幅させるようにした場合について述べた 、本発明はこれに限らず、音圧パラメータ しての減衰値を乗算してユーザが聴取し易 周波数帯域の音圧レベルを減衰させるよう してもよく、この場合であっても、音圧レ ルを減衰していない他の周波数帯域を強調 せることができるので、ユーザが本来聴取 難い周波数帯域を聴取させ易くでき、かく ユーザにとって高音質な音楽を再生させる とができる。

 さらに、上述した実施の形態においては 低音域、中音域及び高音域の3つの周波数帯 域に離散データを分離するようにした場合に ついて述べたが、本発明はこれに限らず、低 音域及び高音域の2つに離散データを分離し り、或いは、さらに細かく低音域及び中音 間の低中音域等の4つ、5つの複数の周波数帯 域に離散データを分離するようにしてもよく 、この場合、分離する周波数帯域の数に応じ て増幅器や帯域別補間部を設ければよい。




 
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