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Patent Searching and Data


Title:
AUTOMOTIVE DISCHARGE LAMP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/101743
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an automotive discharge lamp comprising an inner tube (1) including a light emitting unit (11) having a first space (15) therein and a seal portion formed in the light emitting unit (11), a discharge medium containing a first gas filled in the first space (15), a metal foil (31) sealed to a seal portion (12), electrodes (32) connected at one end with the metal foil (31) and derived at the other to the first space (15), and an outer tube (5) connected to the inner tube (1) so as to form a second space (51) between the outer tube (5) and the inner tube (1). A second gas is confined in the second space (51), and contains oxygen inaconcentration of 1.0 volume % or less.

Inventors:
ITOU RYO (JP)
DEGUCHI MAKOTO (JP)
ABE SYUHEI (JP)
YOSHIDA HISASHI (JP)
DOI MASAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072370
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
December 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HARISON TOSHIBA LIGHTING CORP (JP)
ITOU RYO (JP)
DEGUCHI MAKOTO (JP)
ABE SYUHEI (JP)
YOSHIDA HISASHI (JP)
DOI MASAHIRO (JP)
International Classes:
H01J61/12; F21S8/10; H01J61/34; F21Y101/00; H05B41/24
Domestic Patent References:
WO2006126144A22006-11-30
Foreign References:
JPS5665453A1981-06-03
JP2004134219A2004-04-30
JP2008084550A2008-04-10
JPH0785839A1995-03-31
JP3596812B22004-12-02
JP2007179998A2007-07-12
Other References:
See also references of EP 2249374A4
Attorney, Agent or Firm:
SUYAMA, Saichi (1 Kandata-cho 2-chom, Chiyoda-ku Tokyo 46, JP)
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Claims:
 内部に第1の空間を有する発光部、前記発光部に形成されたシール部を有する内管と、前記第1の空間に封入された第1のガスを含む放電媒体と、前記シール部に封着された金属箔と、一端は前記金属箔に接続され、他端は前記第1の空間に導出された電極と、前記内管との間に第2の空間を形成するように、前記内管に接続された外管とを具備し、
 前記第2の空間には第2のガスが封入されており、前記第2のガスが含有する酸素の濃度は1.0%以下であることを特徴とする自動車用放電ランプ。
 前記発光部の最大外径部分と当該部分に近接する前記外管の内側部分との間隔のうち、少なくとも一箇所が0.55mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用放電ランプ。
 前記内管は前記外管に対して下側にオフセットしており、前記発光部の上側の最大外径部分と当該部分に近接する前記外管の内側部分との間隔をD(mm)としたとき、D≧0.55を満たすことを特徴とする請求項2に記載の自動車用放電ランプ。
 一端は前記金属箔と接続され、他端は前記外管の外方に突出したリード線と、前記外管の外側でその管軸に平行に配置されるとともに、前記リード線の前記他端と接続されたサポートワイヤとを具備し、
 前記サポートワイヤと前記外管の外表面までの距離Lが3.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用放電ランプ。
 前記放電媒体は水銀を実質的に含まないとともに、前記第1のガスの圧力は11atm以上であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用放電ランプ。
 前記第2のガスの圧力は0.3atm以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用放電ランプ。
 前記第2のガスは、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、窒素から選択された一種のガスまたは混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用放電ランプ。
 請求項1に記載の自動車用放電ランプと、
 前記自動車用放電ランプに電気的に接続された、始動時に投入される高圧パルスのライズタイムが200ns以下である始動器とを具備することを特徴とする放電ランプ装置。
Description:
自動車用放電ランプ

 本発明は、自動車の前照灯に使用される 電ランプに関するものである。

 自動車の前照灯に使用される放電ランプ 、特許第3596812号公報(以下、特許文献1)や特 開2007-179998号公報(以下、特許文献2)で知られ いるように、発光部内部には希ガスや金属 ロゲン化物が封入され、発光管の両端に形 されたシール部には金属箔および電極が封 されてなる内管を覆うように、外管が装着 れた二重管構造となっている。

 この種の放電ランプでは、ランプを始動 せるためには、数kV~数十kVの電圧が必要で り、始動が困難であることが知られている そこで、特許文献1に記載のように、内管と 管とで構成された空間に誘電体バリア放電 能なガスを封入し、始動時に誘電体バリア 電を発生させることで、始動電圧を低減し 始動しやすくする発明が提案されている。

特許第3596812号明細書

特開2007-179998公報

 しかしながら、特に水銀を含まない放電 ンプや希ガスが高圧封入された放電ランプ どでは、さらに始動性が悪くなる。そのた 、特許文献1に記載のような手段を講じても 始動しにくいという問題が発生している。

 本発明の目的は、始動性に優れた自動車 放電ランプを提供することにある。

 上記目的を達成するために、本発明の自 車用放電ランプは、内部に第1の空間を有す る発光部、前記発光部に形成されたシール部 を有する内管と、前記第1の空間に封入され 第1のガスを含む放電媒体と、前記シール部 封着された金属箔と、一端は前記金属箔に 続され、他端は前記第1の空間に導出された 電極と、前記内管との間に第2の空間を形成 るように、前記内管に接続された外管とを 備し、前記第2のガスが含有する酸素の濃度 1.0%以下であることを特徴とする。

 本発明によれば、始動性に優れた自動車 放電ランプを提供することができる。

本発明の自動車用放電ランプの第1の実 施の形態について説明するための側面図。 本発明の第2のガスの封入方法の一例 ついて説明するための図。 本発明の第2のガスの封入方法の一例 ついて説明するための図。 本発明の第2のガスの封入方法の一例 ついて説明するための図。 図1の自動車用放電ランプの一実施例に ついて説明するための図。 点灯回路の出力電圧波形とこれによる 施例。 第2のガスの酸素濃度とガス圧を変化さ せたときの一発始動性について説明するため の図。 図4をグラフ化した図。 第1のガスの圧力と一発始動性の関係に ついて説明するための図。 本発明の放電ランプの第2の実施の形態 について説明するための側面図。 本発明の放電ランプの第2の実施の形態 について説明するための断面図。 図1の発光部の最大外径部分を通るA-A の断面を矢印方向から見た図。 間隔Dと間隔D’およびライズタイムを 化させたときの始動NG発生率について説明 るための図。 図11の結果をグラフ化した図。 実施例のランプの始動時の誘電体バリ ア放電について説明するための図。 さらに好適な実施形態について説明す るための図。 本発明の放電ランプ装置の第3の実施 形態について説明するための側面図。

 (第1の実施の形態)
 以下に、本発明の自動車用放電ランプの第1 の実施形態について、図面を参照して説明す る。図1は、本発明の自動車用放電ランプの 1の実施の形態について説明するための側面 である。

 図1に示す自動車用放電ランプは、いわゆ るD4タイプの放電ランプであり、主要部とし 内管1を有する。内管1はランプの管軸方向 細長い形状となっており、その略中央には 楕円形の発光部11が形成されている。発光部 11の両端には、板状のシール部12、その両端 は境界部13を介して円筒部14が連続形成され いる。なお、内管1としては、例えば石英ガ ラスなどの耐熱性と透光性を具備した材料で 構成されるのが望ましい。

 この発光部11の内部には、中央が略円柱状 その両端がテーパ状の第1の空間15が形成さ ている。この第1の空間15の容積は、自動車 照灯用の場合には、10mm 3 ~40mm 3 、さらには20mm 3 ~30mm 3 であるのが望ましい。

 第1の空間15には、放電媒体が封入されて る。放電媒体は、金属ハロゲン化物2と第1 ガスとで構成されている。

 金属ハロゲン化物2は、ヨウ化ナトリウム(Na I)、ヨウ化スカンジウム(ScI 3 )、ヨウ化亜鉛(ZnI 2 )、臭化インジウム(InBr)で構成されている。 だし、金属ハロゲン化物2はこの組み合わせ 限らず、スズやカリウムなどのハロゲン化 を追加してもよい。また、金属に結合され ハロゲンの組み合わせを変更してもよい。

 第1のガスは、キセノンが使用されている 。第1のガスは、その圧力を高くするほど、 光束等の発光特性が高くなる。そこで例え 、封入圧力を常温(25℃)において11atm以上、 ましくは13atm以上にすることができる。ただ し、第1のガスの圧力の上限は、製造上、現 は20atm程度である。なお、第1のガスの圧力 、水中で発光部11とシール部12の境界を破壊 て第1の空間15内部のガスを収集、測量し、 の後に第1の空間15の容積を測定することに り、算出することができる。また、第1のガ スとしては、キセノンの他に、ネオン、アル ゴン、クリプトンなどを使用したり、それら を組み合わせて使用したりすることもできる 。

 ここで、放電媒体は、水銀を実質的に含 ない。この「水銀を実質的に含まない」と 、水銀の封入量が0mgであるのが最適である 、従来の水銀入りの放電ランプと比較して ほとんど封入されていないに等しい程度の 、例えば1mlあたり2mg未満、好ましくは1mg以 の水銀量を封入していても許容するという 味である。

 シール部12には、電極マウント3が封着さ ている。電極マウント3は、金属箔31、電極3 2、コイル33およびリード線34により構成され いる。

 金属箔31は、例えば、モリブデンからな 薄い金属板である。

 電極32は、例えば、タングステンに酸化 リウムをドープした、いわゆるトリエーテ ドタングステンからなる放電電極である。 の一端は金属箔31の発光部11側端部に接続さ 、他端は第1の空間15内で所定の電極間距離 保って、互いの先端同士が対向するように 置される。その電極間距離としては、自動 前照灯用の場合には、見た目上、すなわち 際の距離ではなく、ランプの外観上におけ 距離で4.0mm~4.4mmであるのが望ましい。なお 形状は、直棒状に限らず、先端の直径が大 い非直棒状の形状や直流点灯タイプのよう 一対の電極の大きさが異なる形状であって よい。また、材料は、ドープタングステン レニウムタングステンなどであってもよい

 コイル33は、例えば、ドープタングステ からなる金属線であって、シール部12に封着 された電極32の軸部の軸周りに螺旋状に巻装 れる。このコイル設計としては、コイルピ チは300%以下、巻装長は電極封着長に対して 、60%以上とし、かつ金属箔31と接続される電 32の軸部分には巻装しないのが望ましい。

 リード線34は、例えば、モリブデンから る金属線である。その一端は、発光部11に対 して反対側の金属箔31に接続され、他端は管 に沿って内管1の外部に延出される。そのう ち、ランプの前端側に延出したリード線34に 、例えば、ニッケルからなるL字状のサポー トワイヤ35の一端が接続される。このサポー ワイヤ35には、管軸と平行する部分に、例 ば、セラミックからなるスリーブ4が装着さ る。なお、このスリーブ4の一端は、後述す るソケット6に形成された穴に挿入されるが そのときに圧入または接着などの方法によ 、ソケット6に固定してもよい。これにより 振動や搬送などによりスリーブ4が管軸方向 にスライドし、サポートワイヤ35のL字部分に 衝突することを防止できるため、リード線34 サポートワイヤ35の接続が外れるのを防止 ることができる。

 上記で構成された内管1の外側には、筒状 の外管5が管軸に沿って内管1と同心状に設け れている。それらの接続は、内管1の円筒部 13付近に外管5の両端を溶着することにより行 なわれ、これにより、内管1と外管5との間に 気密な第2の空間51が形成される。第2の空間 51には、含有する酸素の濃度が1体積%以下で る第2のガスが封入される。この第2のガスと しては、ネオン、アルゴン、キセノン、窒素 から選択された一種のガスまたは混合ガスを 使用することができる。また、第2のガスは ガス圧が0.3atm以下であるのが望ましい。な 、外管5としては、例えば、石英ガラスにチ ン、セリウム、アルミニウム等の酸化物を 加した、紫外線遮断性を有する材料で構成 るのが望ましい。また、所望により、外管5 の外面に配光制御のための遮光膜を形成して もよい。

 なお、第2のガスの酸素濃度を低くするた めには、あらかじめ酸素含有量を少なくした ガスを用いたり、内管1と外管5を気密封着す までに、ガラスなどから生じる不純ガスを 2の空間51に可能な限り入らないようにすれ よい。また、第2のガスの圧力も、ガラスな どから生じる不純ガスを第2の空間51に可能な 限り入らないようにすれば、低くすることが できる。例えば、内管1と外管5とを封着した と、図2Aのように、脱ガス・ガス導入装置GS により、外管5に形成した排気管52を介して第 2の空間51の脱ガスと第2のガスの導入を行い 次に、図2Bのように、外管5から1.0mm程度離れ た排気管52部分をレーザーLSにより加熱溶融 シュリンクシールして、図2Cのようにチッピ ングした後、バーナー(図示なし)などで外管5 の表面温度が700~800℃になるまで加熱して、 2の空間51に存在する酸素とガラスなどに含 れる有機不純物とを反応させることで、酸 濃度やガス圧を低く設定しやすい。なお、 ッピング後の排気管52は、0.5mm程度の突起で り、配光などに影響を与えることはない。

 そして、外管5が接続された内管1の一端 は、ソケット6が接続される。これらの接続 、外管5の外周面に金属バンド71を装着し、 の金属バンド71をソケット6に形成した金属 の舌片72によって挟持することで行なって る。また、ソケット6の底部には底部端子8a 側部には側部端子8bが形成されており、それ ぞれリード線34、サポートワイヤ35が接続さ ている。

 これらで構成された自動車用放電ランプ 、底部端子8a、側部端子8bに点灯回路を接続 することにより点灯される。この自動車前照 灯用の場合、管軸が略水平の状態で配置され 、安定時は約35W、始動時は安定時電力に対し て2倍以上である約75Wで点灯される。

 ここで、本発明の自動車用放電ランプの一 様を図3を参照して説明する。図3は、図
1の自動車用放電ランプの一実施例について 明するための図である。

(実施例1)
 内管1:石英ガラス製、第1の空間15の内容積=2 7mm 3 、内径A=2.5mm、外径B=6.2mm、長手方向の球体長C =7.8mm、
 金属ハロゲン化物2:ScI 3 、NaI、ZnI 2 、InBr(=1:1.5:0.4
:0.01)、合計=0.4mg、
 第1のガス:キセノン、ガス圧=13.5atm、
 水銀:0mg、
 金属箔31;モリブデン製、
 電極32:トリエーテッドタングステン製、直 R=0.38mm、電極間距離D=3
.74mm(実際の電極間距離=4.32mm)、
 コイル33:ドープタングステン製、ピッチ=200 %、
 リード線34:モリブデン製、直径=0.6mm、
 外管5:内径E=7.0mm、肉厚F=1.0mm、
 第2のガス:窒素、酸素濃度=0.1%、ガス圧=0.1at m。

 この実施例のランプに、図4に示したよう な、始動パルス電圧は23.4kV、ライズタイム( 動パルス電圧の10%~90%になる間での時間)は250 nsecである電圧波形を連続出力する点灯回路 使用し、始動するかどうかの試験を行った その結果、無水銀で、かつ第1のガスの圧力 高い本実施例のランプであっても、15kV前後 で絶縁破壊し、点灯することが確認された。 また、ランプが絶縁破壊したのは、一発目の パルスを投入したときであった。自動車前照 灯の用途では、ランプに図4のような電圧波 のパルスを所定回数投入し、それでも点灯 なければ、安全性の面からランプの始動が 止されるのが一般的であるため、本実施例 ように一発目のパルスで点灯するのは、と も有義な結果である。

 次に、第2のガス(窒素)の酸素濃度とガス を変化させて、30本中、何本が一発始動す かを検証する試験を行った。その結果を図5 図6に示す。なお、第2のガスの酸素濃度は 電子科学株式会社製のWA1000S/W、昇温脱離分 装置による昇温脱離分析によって測定して る。また、第2のガスの圧力は、第1のガスの 場合と同じ方法で測定した。

 結果からわかるように、第2のガスの酸素 濃度およびガス圧が低いほど、一発始動しや すい。特に、図6から明らかなように、酸素 度の方が始動性に効いており、酸素濃度が1. 0体積%と2.0体積%とでは一発始動性に大きな差 が生じている。具体的には、酸素濃度が1.0体 積%以下のランプの方が、2.0体積%のランプよ も始動性が優れていることは明らかである この原因は定かでないが、酸素濃度が高い 、誘電体バリア放電が妨げられるためと推 される。したがって、第2のガスが含有する 酸素の濃度は1.0体積%以下であるのが望まし 。また、第2のガスの圧力も低いほど一発始 性がよいため、ガス圧は0.3atm以下であるの 望ましい。一方、図5の傾向からすると、第 2のガスが含有する酸素濃度もガス圧も、0に づくほどさらに効果が高まると予想される め、下限は設定されないが、その時々の製 限界が下限値である。また、第2のガスがネ オン、アルゴン、クリプトン、キセノンや、 これらの混合ガスであっても、ほぼ同様の結 果が得られた。

 なお、本発明は、第1のガスの圧力が高い 無水銀の自動車用放電ランプにおいて、特に 有利な発明である。これは、水銀フリー、第 1のガスの圧力が高い放電ランプほど、始動 が悪くなる傾向があるためである。具体的 は図7(試験条件は、第1のガスとしてキセノ 、第2のガスとして窒素を酸素濃度10体積%、0 .7atmで封入したランプを図4のパルスを投入し て点灯)に示したように、第1のガスの圧力が1 1atm以上、さらには13atm以上になると一発始動 が困難になる傾向がある。つまり、点灯回路 からランプに入力される電圧よりも、始動に 必要な電圧の方が高いランプになる可能性が 高くなるが、本発明であればこのようなラン プであっても、良好な始動性を実現できる。

 したがって、本実施の形態では、第2の空 間に、第2のガスとして含有酸素濃度が1.0体 %以下である窒素を封入することにより、放 媒体として水銀を含まず、かつ、第1のガス として高圧キセノンが第1の空間15に封入され ていても、始動性に優れた自動車用放電ラン プを実現することができる。その際、第2の スの圧力が0.3atm以下であると、さらに良好 始動性を実現できる。

(第2の実施の形態)
 次に、本発明の放電ランプの第2の実施形態 について説明する。図8は、本発明の放電ラ プの第2の実施の形態について説明するため 側面図、図9は、本発明の放電ランプの第2 実施の形態について説明するための断面図 図10は、図8の発光部の最大外径部分を通るA- A’の断面を矢印方向から見た図である。

 図8~10から明らかなように、本実施形態は 、基本的には、上記第1の実施形態の同様の 成を採るが、図9及び10からわかるように、 管1は外管5に対して下側にオフセットしてお り、発光部11の最大外径部分と当該部分に近 する外管5の内側との間隔Dは上側が最も広 、反対に下側が最も狭くなっている。また その間隔D(mm)は、D≧0.55を満している点で相 する。なお、その他の構成要素については 記第1の実施形態と同様であるので、同一の 符号で示し、説明を省略する。

 但し、上記第2のガスは、上記第1の実施 態におけるように、含有する酸素濃度が必 しも1.0%以下である必要はなく、それを超え 濃度であってもよい。しかしながら、かか 要件を満足することによって、放電ランプ 始動性を向上させることができる。

 下記に本発明の放電ランプの実施例の一仕 を示す。
(実施例2)
 発光部11:石英ガラス製、第1の空間15の内容 =26mm 3 、最大内径=2.5mm、最大外径=6.2mm、長手方向の 球体長=7.8mm、
 シール部12:幅=4.1mm、厚み=2.8mm、
 金属ハロゲン化物2:ScI 3 、NaI、ZnI 2 、InBr(=1:1.5:0.4:0.01)、合計=0.4mg、
 第1のガス:キセノン、ガス圧=13atm、
 水銀:0mg、
 金属箔31;モリブデン製、
 電極32:トリエーテッドタングステン製、直 =0.38mm、電極長=7.5mm、外観上の電極間距離=3. 74mm(実際の電極間距離=4.32mm)、
 コイル33:ドープタングステン製、ピッチ=200 %、
 リード線34:モリブデン製、直径=0.6mm、
 外管5:内径=7.0mm、肉厚=1.0mm、
 第2のガス:窒素、ガス圧=0.1atm、
 発光部11の最大外径部における外管5との最 間隔D=0.60mm、最小間隔D’
=0.20mm。

 この実施例のランプに、第1の実施形態と 同様に、図4に示したような、始動パルス電 は23.4kV、ライズタイム(始動パルス電圧の10%~ 90%になる間での時間)は250nsecである一般的な 圧波形を連続出力する点灯回路を使用し、 動するかどうかの試験を行った。その結果 通常であれば18kV前後の始動電圧が必要なラ ンプであっても、15kV前後で絶縁破壊し、始 することが確認された。また、ランプが絶 破壊したのは、一発目のパルスを投入した きであった。自動車前照灯の用途では、ラ プに図4のような電圧波形のパルスを所定回 投入し、それでも点灯しなければ、安全性 面からランプの始動が中止されるのが一般 であるため、本実施例のように一発目のパ スで点灯するのは、とても有義な結果であ 。

 次に、間隔Dと間隔D’およびライズタイ を変化させたときの始動NG発生率について試 験を行った。その結果を図11、結果を図示し ものを図12に示す。試験本数は各50本である 。なお、始動NG発生率とは、高圧パルスの印 しても点灯しなかった、または20kV前後の高 い始動電圧で点灯した場合を示す。

 結果からわかるように、間隔Dが大きくな るほど、始動NG発生率が低くなる傾向がある 特に図12から明らかなように間隔Dが0.55mm以 になると、始動NG発生率がかなり低下し、 らに間隔Dが0.60mm以上になると、ライズタイ を短くしても、NGが発生することなく始動 能であることがわかる。また、ライズタイ が短いほど、始動NG発生率が高くなる傾向が ある。

 このように間隔Dによって始動NG発生率が 化した原因は、始動直後の誘電体バリア放 の発生の有無が関係している。実施例のラ プでは、CCDカメラで撮影した図13からわか ように、始動直後に隙間の広い上側で誘電 バリア放電がほぼ確実に発生していたが、 隔D=間隔D’=0.40mmの従来例のランプでは誘電 バリア放電が発生しない場合が確認された めである。この傾向は、第2のガスの種類を 変えても同様である。つまり、この図のよう に、誘電体バリア放電は高圧側のシール部12 近から、発光部11を経由して低圧側のシー 部12に発生するため、発光部11の最大外径部 と外管5との間隔Dがある程度広くないと、 該部分を経由しにくくなると考えられる。 上から、間隔Dは0.55mm以上、好適には0.60mm以 であるのが望ましい。ただし、間隔Dが大き くなると発光部11の温度が低くなり、発光効 が低下するため、1.5mm以下の範囲内で設計 行うのが望まれる。

 なお、間隔Dは、発光部11の上側に限られ い。例えば下側や側部であってもよい。始 直後の誘電体バリア放電の発生箇所は発光 の上側に限られないためである。したがっ 、要は発光部11の最大外径部分と当該部分 近接する外管5の内側部分との間隔D(mm)のう 、少なくとも一箇所がD≧0.55を満たしていれ ばよい。ただ、実施例のように外管5に対し 内管1をオフセットさせて隙間Dの調整をする 場合は、寿命中の発光部上部の膨らみ、アー クの浮きによる光学特性の影響の問題を同時 に解決するために、内管1を下側にオフセッ させて、発光部11の上側が間隔D≧0.55mmを満 すように構成するのが望ましい。また、第2 ガスの圧力が低いほど誘電体バリア放電の 生確率が向上するため、ガス圧は0.7atm以下 さらには0.3atm以下であるのが望ましい。

 なお、始動性をさらに高めるために、次 ような構成を組み合わせるのが望ましい。

 高圧側のシール部12部分に位置する外管5 内周面、外周面または内蔵するように補助 極を設けるのが望ましい。局所的に電界集 させて、高圧側と低圧側に誘電体バリア放 を発生させやすくするためである。特に、 14に示したように、高圧側の金属箔31とリー ド線34の接続部分Pから±2.0mm以内に位置する 管5の外周面にニッケルからなる金属線10を きつけ、さらに金属線10の端部10Aをソケット 6内部の円筒壁と外管5の間の空間にまで引き ばすことにより、従来よりも2kV以上の始動 圧の低減効果を得ることができる。なお、 属線10としては、ニッケルのほかに、アル ニウム、銅、鉄、銀、金などの金属を使用 てもよい。また、金属材料の貼り付け、蒸 などによって補助電極を形成してもよい。 た、外管5の外側に遮光膜を形成した放電ラ プの場合において、その遮光膜の材料に導 性を有する材料を混ぜても同様の効果を得 ことができる。

 また、サポートワイヤ35と外管5の外表面 での距離Lを短くするのが望ましい。シール 部12のガラス表面と、外管5のガラス表面の電 位差を大きくし、始動時の誘電体バリア放電 を発生させやすくするためである。発明者の 試験によれば、距離Lが4.2mmでは50%程度の確率 でしか一発始動しないが、距離Lが3.5mmではほ ぼ確実に一発始動可能であることが確認され た。したがって、距離Lは3.5mm以下とするのが 特に望ましい。

 したがって、本実施の形態では、第2の空 間51に窒素を封入するとともに、内管1を外管 5に対して下側にオフセットさせ、発光部11と 外管5との間隔を上側が最も広くし、かつそ 間隔D(mm)が、D≧0.55を満たすように構成した とにより、放電媒体として水銀を含まず、 1のガスとして13atm以上のキセノンを封入し ような、始動性が悪い自動車用放電ランプ あっても、始動直後の誘電体バリア放電の 生確率が高まり、始動性を改善することが きる。また、内管1を外管5に対して下側に フセットさせたことにより、寿命中に発光 11の上部が膨らんで外管5と接触する不具合 および水銀フリーランプにおいて特に顕著 なるアークの浮きによる光学特性の悪化の 題を同時に防止することができる。

(第3の実施の形態)
 図15は、本発明の第3の実施の形態の放電ラ プ装置について説明するための断面図であ 。図15から明らかなように、本実施形態は 基本的には、上記第1の実施形態の同様の構 を採るので、この第3の実施の形態の各構成 要素について、上記第1の実施の形態の放電 ンプと同様の構成要素については同一符号 示し、その説明を省略する。

 本実施の形態は、放電ランプDLと始動器IG とが一体で使用される、いわゆるD3タイプの 電ランプ装置である。放電ランプDLは、第1 実施の形態の放電ランプと主要部はほぼ同 構造である。始動器IGは、始動時に高圧パ スをランプに供給するための装置であり、 ランス、抵抗、ギャップ、コンデンサなど 構成されている。

 ここで、始動器IGでは、始動時に20kV前後 数十~数百nsecのライズタイムの高圧パルス 発生させる。このライズタイムが短い(特に2 00ns以下、さらには100ns以下)と、図12の結果か らわかるように、誘電体バリア放電が発生し にくくなり、始動NG発生率が高くなる傾向が った。そのため、ライズタイムが長くなる 路設計を行っていた。しかし、本発明を採 することにより、ライズタイムが200ns以下 あるような始動器IGと組み合わせても、問題 なく始動させることが可能となる。

 以上、本発明を上記実施形態に基づいて 細に説明したが、本発明は上記実施形態に 定されるものではなく、本発明の範疇を逸 しない限りにおいてあらゆる変形や変更が 能である。




 
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