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Title:
AUTONOMOUS MOBILE ROBOT, SELF-POSITION ESTIMATION METHOD, ENVIRONMENT MAP GENERATION METHOD, ENVIRONMENT MAP GENERATING DEVICE, AND ENVIRONMENT MAP DATA STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107430
Kind Code:
A1
Abstract:
The precision of self-position estimation by a mobile robot will be improved. The robot (1) measures the distance to objects in the movement environment using a distance sensor (11). An environment map that includes a plurality of map data corresponding to each direction when points in the movement environment are viewed from a plurality of directions is stored in an environment map storage part (13). From the plurality of map data, a self-position estimation part (14) selects the map data corresponding to the measurement direction when an object's distance is measured by the distance sensor (11). The self-position estimation part (14) then estimates the position of the robot (1) based on the selected map data and the distance data obtained by the distance sensor (11).

Inventors:
ASAHARA YOSHIAKI (JP)
MIMA KAZUHIRO (JP)
YABUSHITA HIDENORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051200
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
January 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
ASAHARA YOSHIAKI (JP)
MIMA KAZUHIRO (JP)
YABUSHITA HIDENORI (JP)
International Classes:
G05D1/02; B25J5/00; B25J13/08
Foreign References:
JP2001125640A2001-05-11
JP2007078476A2007-03-29
JP2006252346A2006-09-21
JPS6258311A1987-03-14
JP2005310043A2005-11-04
JP2005310043A2005-11-04
JPS6258311A1987-03-14
JP2006252346A2006-09-21
JP2001242934A2001-09-07
Other References:
See also references of EP 2256574A4
Attorney, Agent or Firm:
IEIRI, Takeshi (JP)
House ON 健 (JP)
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Claims:
 移動環境内の対象物までの距離を計測する距離センサと、
 前記移動環境内の地点を複数の計測向きから見た場合の各計測向きに対応する複数の地図データが含まれる環境地図を記憶する環境地図記憶部と、
 前記距離センサによって前記対象物の計測を行った際の計測向きに対応する地図データを前記複数の地図データから選択するとともに、選択された地図データ及び前記距離センサにより得られる前記対象物の距離情報に基づいて当該移動ロボットの自己位置を推定する自己位置推定部と、
を備える移動ロボット。
 前記地図データを分類する前記複数の計測向きの分割単位は、前記距離センサの計測角度の分解能に比べて荒く設定されている、請求項1に記載の移動ロボット。
 前記距離センサは、レーザ光を走査して複数の計測点の距離情報を取得するレーザレンジファインダであって、
 前記自己位置推定部は、前記レーザ光の照射方向と、オドメトリを用いて算出した自己位置候補とに基づいて、前記複数の計測点を前記複数の計測向きのいずれかに分類し、前記複数の計測点の各々の前記距離情報を分類された計測向きの前記地図データと照合することで前記自己位置を推定する、請求項1又は2に記載の移動ロボット。
 前記地図データは、前記地点を前記移動ロボットが移動可能であるか否かを示す情報、前記地点から最寄りの障害物までの距離を示す情報、及び前記地点の高さを示す情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の環境地図の移動ロボット。
 移動環境内を移動する移動ロボットの自己位置推定方法であって、
 前記移動環境内の対象物までの距離を計測し、
 前記移動環境内の地点を複数の計測向きから見た場合の各計測向きに対応する複数の地図データが含まれる環境地図を参照し、
 前記対象物の距離計測を行った際の計測向きに対応する地図データを前記複数の地図データから選択し、
 選択された地図データ及び前記対象物の距離情報に基づいて当該移動ロボットの自己位置を推定する、
自己位置推定方法。
 前記地図データを分類する前記複数の計測向きの分割単位は、前記距離センサの計測角度の分解能に比べて荒く設定されている、請求項5に記載の自己位置推定方法。
 移動ロボットの移動環境に関する環境地図の生成方法であって、
 前記移動環境内の地点を複数の計測向きから計測し、
 前記複数の計測向き毎の計測結果に基づいて、前記地点に関する前記複数の計測向き毎の複数の地図データを生成し、
 前記地点の位置を特定するための座標情報と前記複数の地図データとを関連付けて記憶する、
環境地図の生成方法。
 移動ロボットの移動環境に関する環境地図の生成装置であって、
 前記移動環境内の地点を複数の計測向きから計測した計測結果を入力する手段と、
 前記複数の計測向き毎の計測結果に基づいて、前記地点に関する前記複数の計測向き毎の複数の地図データを生成する手段と、
 前記地点の位置を特定するための座標情報と前記複数の地図データとを関連付けて記憶する手段と、
を備える環境地図の生成装置。
 移動ロボットの移動環境内における位置を特定するための座標情報と、
 前記座標情報により特定される地点を第1の計測向きから見た場合の地図データ及び前記地点を前記第1の計測向きとは異なる第2の計測向きから見た場合の地図データと、
を備える環境地図のデータ構造。
 前記地図データは、前記地点が移動可能であるか否かを示す情報、前記地点から最寄りの障害物までの距離を示す情報、及び前記地点の高さを示す情報のうち少なくとも1つを含む、請求項9に記載の環境地図のデータ構造。
Description:
自律移動ロボット、自己位置推 方法、環境地図の生成方法、環境地図の生 装置、及び環境地図のデータ構造

 本発明は、自律移動ロボットに関し、特 自律移動ロボットの自己位置推定技術及び 境地図の生成技術に関する。

 自律移動ロボット(以下、単に移動ロボッ トと呼ぶ)の自律移動のために、移動ロボッ の移動環境を記述した環境地図が使用され 場合がある(特許文献1~3を参照)。環境地図は 、移動環境内における移動ロボットの自己位 置推定、移動経路の計画などに利用される。 環境地図は、例えば、移動ロボットが移動を 行う2次元の移動環境を格子状に分割し、格 に囲まれた各々のグリッドセルが移動可能 あるか否かを表したグリッド地図として作 される。

 環境地図の作成は、例えば、レーザレン ファインダ、ステレオカメラ等の外界の距 情報を取得可能な距離センサを用いて移動 境を計測することにより行なわれる(特許文 献1、3及び4を参照)。環境地図は、予め作成 れたものを移動ロボットに供給する場合の か、距離センサを搭載した移動ロボット自 が移動空間を移動しながら作成する場合も る。後者の移動ロボットの自己位置推定と 境地図の構築を同時に行なう技術は、SLAM(Sim ultaneous Localization and Mapping)と呼ばれる。

 例えば、特許文献1に開示された移動ロボ ットは、センシング原理の異なる複数の距離 センサ、例えば超音波センサと赤外線センサ を搭載しており、これら複数の距離センサを 用いて、移動ロボットが位置する床面からの 高さが異なる複数の空間を計測する。そして 、特許文献1に開示された移動ロボットは、 数の距離センサによって取得した距離デー を元に複数の2次元環境地図を作成し、これ 複数の2次元環境地図を重ね合わせて統合し た1つの2次元環境地図を生成する。特許文献1 に開示された移動ロボットは、統合された2 元環境地図を参照して、障害物を回避する 適な移動経路を探索し、障害物を回避しな ら移動を行う。

 また、特許文献2には、2次元の移動空間 単位領域に分割するとともに、環境地図をxy 面としたときに、各単位領域から見てx方向 障害物までの距離及びy方向の障害物までの 離が各単位領域の情報として記録された移 ロボット用の環境地図が開示されている。 許文献2に開示された移動ロボットは、レン ジファインダによって計測した障害物距離を 、当該環境地図に記録された障害物距離と照 合することによって、移動環境内での自己位 置を推定する。

 また、特許文献3及び4には、障害物の位置 特定された移動ロボット用の環境地図を2次 グリッド地図として作成する技術が開示さ ている。具体的に述べると、特許文献3及び 4に開示された移動ロボットは、移動ロボッ に搭載された距離センサによって移動環境 計測し、計測された距離情報を用いて算出 れる障害物位置を2次元グリッド地図に投影 る。障害物が投影された回数が所定値以上 なったセルを障害物が存在する「障害物セ 」と判定することによって、障害物位置が 定された環境地図を作成する。

特開2005-310043号公報

特開昭62-58311号公報

特開2006-252346号公報

特開2001-242934号公報

 上述した特許文献1、3及び4に開示された 境地図は、移動ロボットに搭載されたレー レンジファインダ、超音波センサ、赤外線 ンサ等の距離センサによる計測結果を用い 作成される。しかしながら、これら特許文 1、3及び4並びに特許文献2に開示された環境 地図は、どのような方向からレーザ、光線、 音波等を照射して計測を行なったかという計 測方向に関する情報を有していない。このた め、移動ロボットの自己位置推定を正確に行 うことができないという問題がある。

 一例として、図13Aに示すように、レーザ ンジファインダを搭載した移動ロボット80 、レーザを照射することによって計測点群81 を取得し、これらの計測点群81と環境地図と マッチングによって自己位置推定を行う場 を考える。図13Bは、移動ロボット80が保持 る環境地図800の一例である。環境地図800は 2次元グリッド地図として作成されている。 境地図800を構成する各グリッドセルは、少 くとも移動ロボット80が移動可能であるか かを示す情報を保持する。以下では、移動 ボット80が移動可能なセルを「移動可能セル 」と呼び、移動不可能なセルを「壁セル」と 呼ぶ。図13Bの白抜きのセルが「移動可能セル 」を示し、斜線でハッチングされたセルが「 壁セル」を示している。

 移動ロボット80が、図13Aの計測点群81と図 13Bの環境地図800とをマッチングした場合、計 測点群81は、環境地図800中の壁801及び壁802の ずれとも対応しうる。このため、図13B中のA 点及びB点の2つが、移動ロボット80の自己位 の候補となり得るため、移動ロボット80は自 己位置推定を正確に行えないおそれがある。

 なお、特許文献3及び4は、移動環境内の じ場所を異なるロボット位置から計測した 数の結果を統合して環境地図を作成するも である。しかしながら、特許文献3及び4は、 複数回の計測によって障害物と判断された回 数をカウントするのみである。つまり、その 場所を計測したときに、どの向きからレーザ 、光線、音波等を照射して計測を行なったか という「計測向き」に関する情報を環境地図 に反映するものではない。

 また、特許文献1は、複数の距離センサに よって高さの異なる領域に関する複数の環境 地図を作成しているが、その後これらを統合 して1つの2次元環境地図を作成するものであ 。したがって、移動ロボットの自己位置推 に利用される環境地図は、複数のセンサの ずれの計測結果を用いて作成されたかを示 情報を有していないし、どの向きからレー 、光線、音波等を照射して計測を行なった という「計測向き」に関する情報も有して ない。

 本発明の第1の態様は、移動環境内を移動 する移動ロボットである。当該移動ロボット は、距離センサ、環境地図記憶部及び自己位 置推定部を備える。前記距離センサは、前記 移動環境内の対象物までの距離を計測する。 前記環境地図記憶部は、前記移動環境内の地 点を複数の計測向きから見た場合の各計測向 きに対応する複数の地図データが含まれる環 境地図を記憶する。前記自己位置推定部は、 前記距離センサによって前記対象物の計測を 行った際の計測向きに対応する地図データを 前記複数の地図データから選択するとともに 、選択された地図データ及び前記距離センサ により得られる前記対象物の距離情報に基づ いて当該移動ロボットの自己位置を推定する 。

 本発明の第2の態様は、移動環境内を移動す る移動ロボットの自己位置推定方法であり、 以下のステップ(a)~(d)を含む。
 前記移動環境内の対象物までの距離を計測 るステップ(a)、
 前記移動環境内の地点を複数の計測向きか 見た場合の各計測向きに対応する複数の地 データが含まれる環境地図を参照するステ プ(b)、
 前記対象物の距離計測を行った際の計測向 に対応する地図データを前記複数の地図デ タから選択するステップ(c)、及び
 選択された地図データ及び前記対象物の距 情報に基づいて当該移動ロボットの自己位 を推定するステップ(d)。

 本発明の第3の態様は、移動ロボットの移動 環境に関する環境地図の生成方法である。当 該方法は、以下のステップ(e)~(g)を含む。
 前記移動環境内の地点を複数の計測向きか 計測するステップ(e)、
 前記複数の計測向き毎の計測結果に基づい 、前記地点に関する前記複数の計測向き毎 複数の地図データを生成するステップ(f)、
 前記地点の位置を特定するための座標情報 前記複数の地図データとを関連付けて記憶 るステップ(g)。

 本発明の第4の態様は、移動ロボットの移 動環境に関する環境地図の生成装置である。 当該生成装置は、(1)前記移動環境内の地点を 複数の計測向きから計測した計測結果を入力 する手段と、(2)前記複数の計測向き毎の計測 結果に基づいて、前記地点に関する前記複数 の計測向き毎の複数の地図データを生成する 手段と、(3)前記地点の位置を特定するための 座標情報と前記複数の地図データとを関連付 けて記憶する手段とを備える。

 本発明の第5の態様は、環境地図のデータ 構造である。当該データ構造は、移動ロボッ トの移動環境内における位置を特定するため の座標情報と、前記座標情報により特定され る地点を第1の計測向きから見た場合の地図 ータ及び前記地点を前記第1の計測向きとは なる第2の計測向きから見た場合の地図デー タとを備える。

 上述した本発明の第1~第5の態様は、移動 境内の地点を複数の計測向きから見た場合 各計測向きに対応する複数の地図データが まれる環境地図を含む。移動ロボットが自 位置推定を行う際には、距離センサによる 測を行ったときの計測向きに応じて、地図 ータを使い分けるとよい。これにより、移 ロボットの位置する場所からの周囲の見え に対応した適切な地図データを用いて自己 置推定を行うことができる。このため、距 センサによる計測結果を移動ロボットの位 からは見えない壁とマッチングしてしまう とに起因する自己位置推定の誤りを防止し 自己位置推定の精度を向上させることがで る。

本発明の実施の形態1にかかる移動ロボ ットの制御系を示すブロック図である。 自律移動部のブロック図である。 環境地図の生成手順の一例を示すフロ チャートである。 占有率地図の一例を示す図である。 占有率地図の生成方法を説明するため 概念図である。 計測向き毎の地図データを保持する壁 図の一例を示す図である。 移動環境の一例を示す図である。 計測向き毎の地図データを保持する壁 地図の一例を示す図である。 計測向き毎の地図データを保持する壁 地図の一例を示す図である。 計測向き毎の地図データを保持する壁 地図の一例を示す図である。 計測向き毎の地図データを保持する壁 地図の一例を示す図である。 距離地図の一例を示す図である。 距離地図の一例を示す図である。 距離地図の生成手順を説明するための 概念図である。 自己位置推定手順の一例を示すフロー チャートである。 自己位置推定手順を説明するための 念図である。 自己位置推定手順を説明するための 念図である。 従来の環境地図が有する課題を説明 るための図である。 従来の環境地図が有する課題を説明 るための図である。

符号の説明

1 移動ロボット
11 距離センサ
12 地図生成部
13 環境地図記憶部
14 自己位置推定部
15 自律移動部

 以下では、本発明を適用した具体的な実 の形態について、図面を参照しながら詳細 説明する。各図面において、同一要素には 一の符号が付されており、説明の明確化の め、必要に応じて重複説明は省略される。

<発明の実施の形態1>
 本実施の形態にかかる移動ロボット1(以下 単にロボット1と呼ぶ)の自律移動に関する制 御系の構成を図1に示す。図1において、距離 ンサ11は、ロボット1の移動環境内に存在す 対象物までの距離を計測する。具体的には レーザレンジファインダ、超音波センサ等 アクティブ距離センサによって距離データ 取得すればよい。また、距離センサ11は、 テレオカメラにより視差画像を取得して距 計測を行うセンサでもよい。なお、以下の 実施の形態の説明では、距離センサ11がレー ザレンジファインダであるとして説明を行う 。

 地図生成部12は、距離センサ11により取得 された距離データを用いて、ロボット1が移 を行なう移動空間に関する環境地図を生成 る。地図生成部12により生成された環境地図 は、環境地図記憶部13に格納される。本実施 形態では、環境地図は、移動空間を2次元格 子状に分割したグリッド地図として作成され る。環境地図を構成する各グリッドセルは、 少なくともロボット1が移動可能であるか否 を示す情報を保持する。以下では、ロボッ 1が移動可能なセルを「移動可能セル」と呼 、移動不可能なセルを「壁セル」と呼ぶ。 お、移動不可能なセルをさらに分類しても く、例えば、ロボット1が位置する場所から 見て障害物を介して向こう側に位置し、未観 測であるために移動不可能であるセルを「未 観測セル」として、観測済みの「壁セル」と 分類してもよい。

 また、本実施の形態の環境地図は、ロボ ト1が位置している場所によって移動環境内 に存在する対象物の見え方が異なることに鑑 みて、グリッド地図上の1つのグリッドセル 関して、複数の計測向きに対応した複数の 図データを保持している。環境地図及びそ 生成手順の具体例については後述する。

 自己位置推定部14は、距離センサ11により 取得された距離データ、並びにオドメトリ情 報及び環境地図を利用して、移動環境内にお けるロボット1の絶対位置を推定する。自己 置推定部14による自己位置推定手順の具体例 は後述する。

 自律移動部15は、環境地図記憶部13に格納 された環境地図を参照し、自律移動制御を実 行する。図2は、ロボット1を車輪走行型とし 場合の自律移動部15の一例を示すブロック である。なお、ロボット1が脚歩行型などの 輪走行型以外の移動ロボットであってもよ ことは勿論である。

 図2において、動作計画部150は、環境地図 、自己位置推定部14により決定されたロボッ 1の自己位置情報などに基づいて、ロボット 1の動作内容を決定する。より具体的に述べ と、動作計画部150は、ロボット1の移動経路 目標移動速度、目標加速度、及びロボット1 が備える関節(不図示)の目標角度軌道等を生 する。

 動作制御部151は、動作計画部150により決 された目標移動速度又は目標加速度などの 御目標値と、エンコーダ154によって計測さ る車輪153の回転量を入力してフィードバッ 制御を実行し、車輪153を回転駆動するため トルク制御値を算出する。動作制御部151に って算出されたトルク制御値に従って駆動 152が車輪153を駆動することにより、ロボッ 1の移動が行なわれる。

 続いて以下では、環境地図の生成手順及 環境地図の具体例について、図3~10を参照し て詳しく説明する。図3は、地図生成部12によ る環境地図の生成手順を示すフローチャート である。ステップS11では、地図生成部12が、 離センサ11により取得された距離データを 力する。ステップS12では、地図生成部12が、 エンコーダ154により取得されるオドメトリ情 報を入力する。

 ステップS13では、地図生成部12が、オド トリに基づいてロボット位置及び姿勢を算 する。なお、このとき、オドメトリの誤差 補正するために、距離データのスキャンマ チング及び確率推定手法等の公知の手法を いて、ロボット位置及び姿勢を補正しても い。

 ステップS14では、地図生成部12が、距離 ータ中の複数の計測点を、距離センサ11のレ ーザ照射向き毎に分類する。つまり、距離セ ンサ11のレーザ照射向きは、距離センサ11に って移動環境内の対象物を計測する際の計 向きに相当する。そして、分類されたレー 照射向き毎の計測結果を集計して、占有率 図を作成する。ここで、占有率地図は、環 地図の生成過程で作られるグリッド地図で る。占有率地図の各グリッドセルは、距離 ンサ11から照射されるレーザ光が通過した回 数(以下では、レーザ通過回数と呼ぶ)、及び 離センサ11によって対象物が検出された回 (以下では、壁検出回数と呼ぶ)を、レーザ照 射方向毎に分類して保持する。

 図4に占有率地図の一例を示す。図4の占 率地図100では、レーザ光の照射向き、つま 距離センサ11による計測向きが90度毎に4等分 されている。具体的には、地図の上から下向 き(以下、-y向きと呼ぶ)、地図の下から上向 (以下、+y向きと呼ぶ)、地図の右から左向き( 以下、-x向きと呼ぶ)、及び地図の左から右向 き(以下、+x向きと呼ぶ)の4つの向きに分割さ ている。

 図5は、占有率地図100の作成手順を説明す るための概念図である。図5に描画されたロ ット1は、オドメトリに基づいて特定された ボット1の位置及び姿勢を表している。また 、図5に描画された計測点101は、オドメトリ 基づいて特定された距離センサ11による計測 点の1つを表している。この場合、計測点101 含まれるグリッドセル102では、+y向きレーザ 通過回数が1つカウントアップされ、+y向き壁 検出回数も1つカウントアップされる。一方 グリッドセル103を含むレーザ通過経路上の リッドセルでは、+y向きレーザ通過回数のみ が1つカウントアップされる。

 図3に戻り説明を続ける。ステップS15では 、取得された距離データの全てについて処理 が終了したかを判定し、終了していなければ 、ステップS11~S14を繰り返し実行する。

 ステップS16では、占有率地図を元に、レ ザ照射向き毎の壁地図を生成する。ここで 壁地図とは、各グリッドセルが「移動可能 ル」、「壁セル」又は「未観測セル」のい れであるかを示す情報が、各グリッドセル 値として保持されたグリッド地図である。 グリッドセルが、「移動可能セル」、「壁 ル」又は「未観測セル」のいずれであるか 、例えば、2ビットの値により識別すればよ い。

 図6に壁地図の一例を示す。図6の壁地図200 、+y向き、-y向き、-x向き、及び+x向きの4つ 計測向きごとに、「移動可能セル」、「壁 ル」又は「未観測セル」のいずれであるか 示す判定値が保持されている。各計測向き 判定値は、占有率地図100における対応する 測向きの集計結果に基づいて決定する。具 的には、占有率地図100の各計測向きの集計 果を用いて、以下に示す評価値Pを算出すれ よい。
  P=壁検出回数/(壁検出回数+レーザ通過回数 )
 そして、評価値Pの大きさが所定の閾値を超 えたグリッドセルを「壁セル」、所定の閾値 以下のセルを「移動可能セル」、レーザ通過 回数がゼロのセルを「未観測セル」とすれば よい。

 ここで、移動環境とこれに対応する壁地 の具体例を説明する。図7は、移動環境の具 体例を示している。図7に示す移動環境300の 央部分には、ロボット1が移動不可能である 301が配置されている。ロボット1が、図7の 動環境300のスタート地点からゴール地点ま 移動しながら、ロボット1の前方側180度の範 に距離センサ11によるレーザ光を照射して 離計測を行うことによって、壁地図を作成 る場合を考える。

 この場合、柱301の地図上での上側の面301U は、主として-y向きに照射されたレーザ光に って観測される。また、ロボット1がスター ト地点から地図上の右方向に向けて移動する ために、上側の面301Uは、+x向きに照射された レーザ光によっても観測される。また、柱301 の地図上での右側の面301Rは、主として-x向き に照射されたレーザ光によって観測され、-y きのレーザ光によっても観測される。また 柱301の地図上での下側の面301Dは、主として +y向きに照射されたレーザ光によって観測さ 、-x向きのレーザ光によっても観測される また、柱301の地図上での左側の面301Lは、主 して+x向きに照射されたレーザ光によって 測され、+y向きのレーザ光によっても観測さ れる。

 このような観測によって生成される壁地 の具体例を図8A~Dに示す。図8A~Dの4枚の壁地 は、-y向き、-x向き、+y向き、及び+x向きの 地図200U、200R、200D、及び200Lをそれぞれ示し いる。図8A~Dにおいて、白抜きのグリッドセ ル201は、「移動可能セル」を示している。ま た、右肩下がりの斜線でハッチングされたグ リッドセル202は、「壁セル」を示している。 また、右肩上がりの斜線でハッチングされた グリッドセル203は、「未観測セル」を示して いる。

 なお、複数の計測向きに対応した地図デ タを有する環境地図の具体的なデータ構造 特に限定されない。例えば、1つのグリッド セルに関連付けて、4つの計測向きに対応し 4つの地図データを保持する場合には、図8A~D に示したように、グリッドセルの位置を特定 するための座標情報と1つの地図データとが 連付けられた壁地図4枚の組み合わせとして 境地図を生成してもよい。また、環境地図 、図6に示したように、1のグリッドセルの 置を特定するための座標情報に対して4つの 測向きに対応した4つの地図データを関連付 けて記憶したデータ構造としてもよい。

 図3に戻り説明を続ける。図3の最後のス ップS17では、ステップS16で生成された壁地 を元に、レーザ照射向き毎の距離地図を生 する。ここで、距離地図とは、各グリッド ルの値として最寄りの壁セルからの距離情 が保持されたグリッド地図である。

 ここで、距離地図の具体例について図9A びBを用いて説明する。図9Aは、壁地図とし 作成された環境地図を示している。図9Aにお いて、セル410を含む白抜きのセルは、「移動 可能セル」を示し、セル411を含む斜線でハッ チングされたセルは、「壁セル」を示してい る。

 一方、図9Bは、図9Aの壁地図41を距離地図 変換した例を示している。図9Bの距離地図42 は、各グリッドセルの値として最寄りの壁セ ルからの距離を保持している。例えば、図9B 斜線でハッチングされたグリッドセルは、 ル411を含む壁セルに対応しているため、最 りの壁セルからの距離はゼロである。した って、壁セルの保持値はゼロである。また これら壁セルの上下左右のいずれかに隣接 るグリッドセルの保持値は1である。その他 のセルも同様に、セルピッチ(セルの一辺の さ)を単位距離として、各グリッドセルの中 から最寄りの壁セルの中心までの距離を表 た数値を保持している。

 図9Bに示したような距離地図を予め作成 ておくことによって、後述する自己位置推 を行う際に、最寄りの壁セルまでの距離を り返し求める演算を効率よく実行できる。 境地図の保持値を読み出すことによって所 の距離値が得られるため、距離の解析的な 算を都度行う必要が無く計算量を削減する とができるためである。

 距離地図の作成は、例えば、以下に示す 順で行なうことができる。ここでは、最寄 の壁セルまでの距離及び最寄りの壁セル座 が各グリッドセルに保持される距離地図の 成方法について説明する。まず、始めに、 離地図の初期値を設定する。具体的には、 地図として作成された環境地図の壁セルに いて、自身の座標を最寄りの壁セル座標と てセットし、壁距離をゼロにセットする。 セル以外のセル、例えば、「移動可能セル 及び「未観測セル」等については、十分遠 の座標を壁セル座標の初期値にセットし、 距離の値も予め定められた最大値にセット る。

 次に、図10に示すように、壁地図として作 された環境地図の最外周のグリッドセルを くグリッドセル501から右方向に1セルずつ走 する。順次走査される各グリッドセルでは 隣接する8個のグリッドセルに保持されてい る最寄りの壁セル座標(x w 、y w )を用いて走査対象セルの座標から最寄りの セルまでの距離を計算する。例えば、グリ ドセル501の場合、四角形503で囲まれたグリ ドセルC1~C8が対象となる。8つの隣接セルの 持値を用いて最寄りの壁セルまでの距離を 算した結果、最小となった距離及び最小値 与える壁セル座標を、走査対象セルに関連 けて保存する。このようなグリッドセルの 査を、左上から右下まで順次行い、次に、 下のグリッドセル502から左上のグリッドセ 501まで逆順序で走査する。このような手順 より、壁地図として作成された環境地図を とに、距離地図を生成することができる。

 続いて以下では、計測向き毎の地図デー を有する環境地図を利用した自己位置推定 具体的手順について詳しく説明する。図11 、自己位置推定部14による自己位置推定手順 を示すフローチャートである。

 ステップS21では、距離センサ11により取得 れた距離データを入力する。ステップS22で 、エンコーダ154により取得されるオドメト 情報を入力する。ステップS23では、オドメ リ情報を用いてロボット1の移動量を算出す 。ステップS24では、ステップS23で得た移動 を前回求めた自己位置に加えた地点及びそ 近傍に複数のロボット候補位置及び候補姿 (X C 、Y C C )を設定する。

 ステップS25及びS26では、複数のロボット 補位置及び候補姿勢の各々について順に環 地図とのマッチングを行い、信頼度パラメ タを算出する。具体的には、ステップS25に いて、距離データ中の計測点毎に、レーザ 射方向に応じた地図データを選択してマッ ングを行う。

 ステップS25における地図データ選択の具 例について図12A及びBを参照して説明する。 ロボット1が、図12Aに示すように移動環境600 に位置している場合、ロボット1から左向き 照射されたレーザ光により得られる計測点 601は、-x向きの地図データとマッチングさ る。また、ロボット1の前方に照射されたレ ザ光により得られる計測点群602は、+y向き 地図データとマッチングされる。また、ロ ット1から右向きに照射されたレーザ光によ 得られる計測点群603は、+x向きの地図デー とマッチングされる。

 一方、ロボット1が、図12Bに示すように、 図12Aと比べて右に約90度回転した姿勢で移動 境600内に位置する場合、計測点と照合され 地図データが変化する。すなわち、ロボッ 1から左向きに照射されたレーザ光により得 られる計測点群601は、+y向きの地図データと ッチングされる。また、ロボット1の前方に 照射されたレーザ光により得られる計測点群 602は、+x向きの地図データとマッチングされ 。また、ロボット1から右向きに照射された レーザ光により得られる計測点群603は、-y向 の地図データとマッチングされる。

 図11のステップS26で算出される信頼度パ メータは、距離センサ11による計測点の位置 に対応する距離地図内のグリッドセルに保持 された"最寄りの壁セルからの距離"を複数の 測点に亘って集計した合計値とすればよい この場合、最寄りの壁セルからの距離の合 値が小さいほど、距離データと環境地図の 致度が高く、信頼度が高いことを意味する

 ステップS27では、複数の候補位置及び候 姿勢の全てについて信頼度パラメータの算 が終了したかを判定し、終了していなけれ 、上述したステップS25及びS26を繰り返す。

 ステップS28では、複数の候補位置及び候補 勢の中で最も信頼度が高い、言い換えると 信頼度パラメータとしての"最寄りの壁セル からの距離の合計値"が最も小さい候補位置 び姿勢を、ロボット1の自己位置及び姿勢(X S 、Y S S )に決定する。

 上述したように、本実施の形態にかかる ボット1は、自己位置推定を行う際に、移動 環境内の各地点に関連付けて計測向き毎の複 数の地図データが保持された環境地図を用い る。そして、ロボット1は、距離センサ11によ る計測を行ったときの計測向きに応じて、距 離センサ11により取得された距離データとの ッチングに使用する地図データを使い分け 。これにより、ロボット1の位置する場所か らの周囲の見え方に対応した適切な地図デー タを用いて自己位置推定を行うことができる 。

 上述した地図生成部12による環境地図の 成処理は、ASIC、DSP等の半導体処理装置を用 て実現してもよい。地図生成処理は、図3に 示した処理手順が記述された地図生成プログ ラムをマイクロプロセッサ等のコンピュータ に実行させることによって実現してもよい。 同様に、自己位置推定部14による自己位置推 についても、ASIC、DSP等の半導体処理装置を 用いて実現してもよい。自己位置推定は、図 11に示した処理手順が記述された自己位置推 プログラムをマイクロプロセッサ等のコン ュータに実行させることによって実現して よい。

 地図生成プログラム及び自己位置推定プ グラムは、様々な種類の記憶媒体に格納す ことが可能であり、また、通信媒体を介し 伝達されることが可能である。ここで、記 媒体には、例えば、フレキシブルディスク ハードディスク、磁気ディスク、光磁気デ スク、CD-ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテ バックアップ付きRAMメモリカートリッジ、 ラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAM ートリッジ等が含まれる。また、通信媒体 は、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ 回線等の無線通信媒体等が含まれ、インタ ネットも含まれる。

<その他の実施の形態>
 発明の実施の形態1では、ロボット1自身が 境地図の生成を行うものとして説明した。 かしながら、ロボット1は、外部から供給さ る環境地図を環境地図記憶部13に格納して き、これを用いて自己位置推定を行っても い。

 また、発明の実施の形態1では、距離セン サ11による計測向きを90度毎に4等分し、4つの 計測向きに対応した4つの地図データを有す 環境地図を生成する具体例を示した。しか ながら、環境地図に保持される地図データ 計測向きの分割単位が90度に限られないこと は勿論である。具体的には、地図データの計 測向きの分割単位は、距離センサ11が水平走 を行なう際の計測角度の分解能に比べて粗 設定しておけばよい。これにより、環境地 のデータサイズが過度に大きくなることを けることができる。また、上述したように 距離センサ11による距離計測結果を集計し 環境地図を作成する場合には、各計測向き 角度範囲内に多くの計測点が含まれること なるため、計測向き毎の地図データを精度 く生成するこができる。

 また、発明の実施の形態1では、環境地図 として距離地図を使用する例を示した。しか しながら、ロボット1は、距離地図を使用せ に、移動環境内の地点から最寄りの障害物 での距離情報を含む壁地図を用いて自己位 推定を行ってもよい。また、ロボット1が使 する環境地図は、上述した壁地図及び距離 図のほか、移動環境内の各地点の床面から 高さが記憶された地図等の他の地図でもよ 。また、発明の実施の形態1では、環境地図 が2次元のグリッド地図であるとして説明を なった。しかしながら、環境地図は、例え 、3次元のグリッド地図でもよい。

 さらに、本発明は上述した実施の形態の に限定されるものではなく、既に述べた本 明の要旨を逸脱しない範囲において種々の 更が可能であることは勿論である。

 本発明は、自律移動ロボット、特に自律 動ロボットの自己位置推定技術及び環境地 の生成技術に適用することができる。