京セラ株式会社 (〒01 京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 Kyoto, 61285, JP)
| 卑金属を主成分とし、 平均粒径が5~30nmであり、 X線回折パターンにおいて、前記卑金属の六方最密構造(hcp)の主ピークおよび前記卑金属の酸化物の主ピークのうちの強い方の回折強度が、前記卑金属の立方最密構造(ccp)の主ピークの回折強度の10%以下であることを特徴とする卑金属粉末。 |
| 前記平均粒径が7~10nmであることを特徴とする請求項1に記載の卑金属粉末。 |
| 前記卑金属がニッケルまたは銅であることを特徴とする請求項1または2に記載の卑金属粉末。 |
| (a)卑金属の硝酸塩と、オレイン酸ナトリウムまたはマレイン酸ナトリウムとを、水と、該水よりも極性の低い2種の溶媒との混合溶媒中に溶解して卑金属含有溶液を調製する工程と、 (b)該卑金属含有溶液から、前記卑金属を含むオレイン酸の前駆体またはマレイン酸の前駆体を得る工程と、 (c)前記卑金属を含むオレイン酸の前駆体またはマレイン酸の前駆体を、還元雰囲気中にて、250~400℃の温度で加熱する工程と、 を具備することを特徴とする卑金属粉末の製法。 |
| 前記水よりも極性の低い2種の溶媒として、ヘキサンおよびエチルアルコールを用いることを特徴とする請求項4に記載の卑金属粉末の製法。 |
| 前記卑金属の硝酸塩として、硝酸ニッケルまたは硝酸銅を用いることを特徴とする請求項4または5に記載の卑金属粉末の製法。 |
| 請求項1~3のうちいずれかに記載の卑金属粉末と、有機ビヒクルとを含むことを特徴とする導体ペースト。 |
| 絶縁体と、該絶縁体の表面に設けられた導体膜とを具備し、前記導体膜が、前記絶縁体の表面に設けられた請求項7に記載の導体ペーストを焼成して形成されていることを特徴とする電子部品。 |
本発明は、微粒の卑金属粉末およびその 法、この卑金属粉末を用いた導体ペースト ならびにその導体ペーストを用いて形成さ る導体膜を備えた電子部品に関する。
近年、電子機器の小型化および薄型化に い、積層セラミックコンデンサ、インダク およびICパッケージなどの電子部品におい 、これらを構成する誘電体層などの絶縁体 薄層化および多層化が図られている。この 縁体の薄層化に伴って、該絶縁体と、その 面に形成される導体膜との厚み差が小さく ってきている。その結果、前記導体膜の厚 による段差に起因して、絶縁体と導体膜と 間でデラミネーション等の不良が発生しや くなってきている。そのため前記導体膜に いても薄層化の要求が高まっており、以下 示すように、大量生産に適した液相法を用 た微粒の卑金属粉末の製法が種々提案され いる。
特許文献1には、出発原料として水酸化ニ ッケルを用い、これにアルカリ土類金属の酸 化物を混合し、水素還元雰囲気中にて、800℃ 以上の温度に加熱することにより、1粒子の 大投影直径が500~3000nmで、厚みが50~900nmの扁 な形状のニッケル粉末を得る製法が記載さ ている。
また、特許文献2には、出発原料として塩 化ニッケルを用い、これにチタンイソプロポ キシド、水酸化バリウムおよび水酸化ナトリ ウムを加え、これらをイオン交換水に溶解さ せて、60℃にて、1時間放置することにより、 粒子径100nmのニッケルを主成分とする卑金属 末を得る製法が記載されている。
さらに、特許文献3には、出発原料として 、水酸化ニッケルにパラジウムなどの貴金属 を添加し、これをエチレングリコール溶液中 に投入して加熱還元することにより、平均粒 径が20~100nmで、かつ粒径ばらつきの小さいニ ケル粉末を得る製法が記載されている。
しかしながら、これまで平均粒径が30nm以 下で、かつ高純度の卑金属粉末、および、こ のような超微粒で高純度の卑金属粉末を製造 する方法については何ら知られていない。
本発明の課題は、超微粒の卑金属粉末と このような超微粒の卑金属粉末を大量に生 するための製法を提供することである。ま 、こうして得られた超微粒の卑金属粉末を 体ペーストに用いて、絶縁体の表面に薄層 導体膜を有し、デラミネーション等の発生 抑制できる電子部品を提供することである
本発明の卑金属粉末は、卑金属を主成分 し、平均粒径が5~30nmである。そして、X線回 折パターンにおいて、前記卑金属の六方最密 構造(hcp)の主ピークおよび前記卑金属の酸化 の主ピークのうちの強い方の回折強度が、 記卑金属の立方最密構造(ccp)の主ピークの 折強度の10%以下である。
本発明の卑金属粉末の製法は、以下の(a)~(c)
の工程を具備する。
(a)卑金属の硝酸塩と、オレイン酸ナトリウム
またはマレイン酸ナトリウムとを、水と、該
水よりも極性の低い2種の溶媒との混合溶媒
に溶解して卑金属含有溶液を調製する工程
(b)該卑金属含有溶液から、前記卑金属を含む
オレイン酸の前駆体またはマレイン酸の前駆
体を得る工程。
(c)前記卑金属を含むオレイン酸の前駆体また
はマレイン酸の前駆体を、還元雰囲気中にて
、250~400℃の温度で加熱する工程。
本発明の導体ペーストは、前記卑金属粉末
、有機ビヒクルとを含む。
本発明の電子部品は、絶縁体と、該絶縁体
表面に設けられた導体膜とを具備する。そ
て、前記導体膜が、前記絶縁体の表面に設
られた前記導体ペーストを焼成して形成さ
ている。
本発明の卑金属粉末および導体ペーストに
れば、極めて薄い導体膜を形成できる。こ
ため、絶縁体と導体膜とが多層に積層され
電子部品において、デラミネーション等の
生を抑制できる。
また、本発明の卑金属粉末の製法によれば
極めて薄い導体膜を形成可能な超微粒で高
度の卑金属粉末を容易に大量生産できる。
本発明の電子部品によれば、さらなる小型
および薄型化を図ることが可能になる。
本実施形態の卑金属粉末は、ニッケル,銅 およびコバルト等の卑金属を主成分とするも のである。卑金属の成分としてはニッケルま たは銅であることが望ましい。ニッケルまた は銅は、金、銀、パラジウムおよび白金など の貴金属に比較して安価であることから、積 層型の電子部品を構成する導体膜に適用した 場合に製造コストを低減できるという利点が ある。
本実施形態の卑金属粉末は、平均粒径が5 ~30nmである(図1参照)。卑金属粉末の平均粒径 5nm以上であると、結晶性が高く、かつ高純 の卑金属粉末となり、不均一な反応が抑え れ、加熱時の凝集を抑制できる。また、前 平均粒径が30nm以下であると、誘電体層等の 絶縁体の表面に、きわめて薄い導体膜を形成 できることから、導体膜による段差を低減で きる。それゆえ、絶縁体と導体膜とが多層に 積層された電子部品において、デラミネーシ ョン等の発生を抑制できる。
特に、卑金属粉末の平均粒径としては7~10 nmが好ましい。平均粒径がこの範囲であると 卑金属粉末の反応性をより安定化できるこ から凝集が抑制され、薄層化が可能になる
これに対して、卑金属粉末の平均粒径が5 nmよりも小さいと、結晶性が低くなり、立方 密構造(ccp)の割合が低下する。さらには、 金属粉末の形状が不揃いになりやすいこと ら、不均一な反応が起こりやすくなる。こ ため凝集しやくなり、その結果、導体膜を 層化することが困難となる。
また、卑金属粉末の平均粒径が30nmよりも 大きいと、誘電体層等の絶縁体の表面に薄層 の導体膜を形成することが困難となる。この ため、絶縁体と導体膜とが多層に積層された 電子部品において、導体膜の厚みによる段差 が大きくなり、デラミネーション等の不良が 発生しやすくなる。
前記平均粒径は、後述するように、走査 電子顕微鏡を用いて測定される値である。 た、前記平均粒径は、後述する本実施形態 製法において、例えば(c)工程における還元 囲気中の加熱温度を調節することによって 所望の値に制御することができる。
本実施形態の卑金属粉末は、X線回折パタ ーンにおいて、前記卑金属の六方最密構造(hc p)の主ピークおよび前記卑金属の酸化物の主 ークのうちの強い方の回折強度が、前記卑 属の立方最密構造(ccp)の主ピークの回折強 の10%以下である。
具体例を挙げると、図2は、本実施形態の 卑金属粉末の一例であるニッケル粉末のX線 折パターンである。図2に示すX線回折パター ンのうち(a)は、後述する実施例における試料 No.3の加熱温度が250℃の場合、(b)は、実施例 おける試料No.6の加熱温度が400℃の場合であ 。
同図に示すように、本実施形態の卑金属 末は、X線回折パターンにおいて、卑金属( ッケル:Ni)の六方最密構造(hcp)の主ピーク(111) および卑金属の酸化物(酸化ニッケル:NiO)の主 ピーク(200)のうちの強い方の回折強度が、卑 属の立方最密構造(ccp)の主ピーク(111)の回折 強度の10%以下である。
本実施形態の卑金属粉末は、上述のよう 平均粒径を有していても、金属として高い 密充填構造を有する立方最密構造の割合が いために、金属のすべり面が現れやすいこ から展性や延性に富み、かつ導電性の高い のを得ることができる。
特に、卑金属の六方最密構造(hcp)の主ピ クおよび卑金属の酸化物の主ピークのうち 強い方の回折強度が、卑金属の立方最密構 (ccp)の主ピークの回折強度の5%以下であるこ がより望ましく、その卑金属粉末における 金属の含有量は99%以上であることが好まし 。これにより、卑金属粉末の焼結体中にお る異相の生成を抑制でき、展性や延性およ 導電性を高めることが可能になる。
これに対して、卑金属の六方最密構造(hcp )の主ピークおよび卑金属の酸化物の主ピー のうちの強い方の回折強度が、卑金属の立 最密構造(ccp)の主ピークの回折強度に対して 10%よりも高いと、展性や延性および高い導電 率を得ることが困難となる。
前記X線回折パターンにおける回折強度は 、後述するように、X線回折装置を用いて測 される値である。また、卑金属の六方最密 造(hcp)の主ピークおよび卑金属の酸化物の主 ピークのうちの強い方の回折強度を、卑金属 の立方最密構造(ccp)の主ピークの回折強度の1 0%以下とするには、本実施形態の製法におい 、例えば(c)工程における還元雰囲気中の加 温度を調節することによって、所望の値に 御することができる。
次に、本実施形態の卑金属粉末の製法につ
て説明する。本実施形態の卑金属粉末の製
は、以下の(a)~(c)の工程を具備する。
(a)工程では、図3に示すガラス製容器10に、
金属の硝酸塩と、オレイン酸ナトリウムま
はマレイン酸ナトリウムとを入れる。さら
水と、該水よりも極性の低い2種の溶媒とを
加えて、これら3種の混合溶媒中に卑金属の
分が溶解した卑金属含有溶液を調製する。
前記卑金属の硝酸塩としては、硝酸ニッ ル、硝酸銅または硝酸コバルトを用いるの 好ましく、硝酸ニッケルまたは硝酸銅を用 るのがより好ましい。これらの硝酸塩は水 物であっても良いが、高純度の卑金属粉末 得られるという理由から、用いる硝酸塩の 度は99%以上であることが好ましい。
また、添加剤として、オレイン酸ナトリ ムまたはマレイン酸ナトリウムを、硝酸塩1 00質量部に対して5~20質量部添加するのが好ま しい。これにより、反応終了後に生成する卑 金属を含む前駆体の凝集を抑制できるととも に、前駆体を構成する有機物の分解反応を促 進でき、微粒の卑金属粉末が得られるという 利点がある。
また、本実施形態の卑金属粉末の製法で 、上記卑金属を含む硝酸塩を溶解させ、か 反応終了後に卑金属を含む前駆体を形成す ための溶媒として、上述の通り、水と、該 よりも極性の低い2種の溶媒とを用いる。以 下、水を第1の溶媒、該水よりも極性の低い2 の溶媒を第2,第3の溶媒として説明する。
第1の溶媒である水(極性:21)は、イオン交 水を用いるのが良い。水よりも極性の低い 媒である第2の溶媒としては、ブチルアルコ ール(極性:10.7)、ヘキサン(極性:7.3)およびオ タン(極性:7.0)から選ばれる1種の溶媒を用い ことが好ましい。なお、溶媒の極性とは、 分原子の電気陰性度の違いのために電子雲 分布が偏り、正負の電荷の重心が一致せず 双極子が形成された状態を表す量であり、 媒のモル蒸発エネルギーを1モル当たりの体 積で除した値の平方根で表される値である。
また、水よりも極性の低い第3の溶媒とし ては、水と第2の溶媒との中間の極性を持つ 媒を選択するのがよく、例えば、メチルア コール、エチルアルコールおよびプロピル ルコールから選ばれる1種の溶媒を用いるこ が好ましい。
本実施形態の製法において、極性の異な 3種の溶媒を用いるのは以下の理由からであ る。すなわち、第1の溶媒として、極性の高 水を用いるのは、卑金属を含む硝酸塩を溶 し易く、また、後述のオレイン酸ナトリウ またはマレイン酸ナトリウムに含まれるナ リウム成分を水に溶解させておくことがで るからである。
第2の溶媒として水よりも極性の低いブチ ルアルコール、ヘキサンおよびオクタンから 選ばれる1種の溶媒を用いるのは、上述のオ イン酸ナトリウムまたはマレイン酸ナトリ ムが溶解しやすく、またオレイン酸ナトリ ムまたはマレイン酸ナトリウムを核として 成される卑金属を含むオレイン酸の前駆体 たはマレイン酸の前駆体が形成されやすい らである。
さらに、水と第2の溶媒との中間の極性を 有する第3の溶媒を用いるのは、第1の溶媒で る水と第2の溶媒であるメチルアルコール( 性:12.9)、エチルアルコール(極性:11.2)および ロピルアルコール(極性:11.5)から選ばれる1 の溶媒とを分離することなく均一に混合す ためである。これにより、水に溶解しやす 卑金属の硝酸塩と第2の溶媒に溶解しやすい レイン酸ナトリウムまたはマレイン酸ナト ウムとを均一に混合することが可能になる
(b)工程では、卑金属含有溶液を静かに放 して、図3に示すように、卑金属を含むオレ イン酸の前駆体20またはマレイン酸の前駆体2 0を得る。卑金属含有溶液を静かに放置する とにより、卑金属含有溶液は、水21と、ブチ ルアルコール、ヘキサンおよびオクタンから 選ばれる1種の溶媒との間で分離していき、 成するオレイン酸の前駆体20またはマレイン 酸の前駆体20が第2の溶媒中に生成する。この ときオレイン酸の前駆体20およびマレイン酸 前駆体20は重合体となっている。
卑金属含有溶液を静かに放置するときの 件は、卑金属を含むオレイン酸の前駆体20 たはマレイン酸の前駆体20の収率を高めると ともに、これらの前駆体20の加熱による分解 を高めるという理由から、温度10~50℃にて1~ 48時間が好ましい。
次に、ガラス製容器10の排出口11を開けて 分離した下層側の溶液を排出し、卑金属を含 むオレイン酸の前駆体20またはマレイン酸の 駆体20を含む第2の溶媒のみを抽出する。こ 後、卑金属を含むオレイン酸の前駆体20ま はマレイン酸の前駆体20を含む溶液から溶媒 を乾燥させて卑金属を含むオレイン酸の前駆 体20またはマレイン酸の前駆体20を得る。
次に、(c)工程では、得られた卑金属を含む レイン酸の前駆体20またはマレイン酸の前 体20を、還元雰囲気(N 2 /5%H 2 )中にて250~400℃の温度で加熱する。これによ 、超微粒で高純度の本実施形態の卑金属粉 が得られる。また、このような(a)~(c)の工程 を具備する本実施形態の卑金属粉末の製法は 、大量生産に適している。
特に、得られる卑金属粉末において、立 最密構造(ccp)の割合が高く、平均粒径を7~10n mにできるという点で、加熱する温度は270~370 が好ましく、300~350℃がより好ましい。
これに対して、加熱する温度が250℃より 低くなると、オレイン酸の前駆体20または レイン酸の前駆体20の分解反応が促進されず 前駆体20が残留しやすくなる。また、加熱す 温度が400℃よりも高いと、オレイン酸の前 体20またはマレイン酸の前駆体20の分解反応 が進み、残留する前駆体20の量は少なくなる のの、得られる卑金属粉末が粒成長するた 、超微粒の卑金属粉末を得ることが困難と る。
次に、本実施形態の卑金属粉末を用いて られる導体ペーストについて説明する。本 施形態の導体ペーストは、上記卑金属粉末 有機ビヒクルとを含むものである。前記有 ビヒクルとしては、例えばエチルセルロー 等のセルロース系高分子、エチレングリコ ルおよびジエチレングリコール誘導体、ト エン、キシレン、ミネラルスピリット、ブ ルカルビトール、α-テルピネオール(ターピ ネオール)等の有機溶媒が挙げられ、これら 1種または2種以上を混合して用いてもよい。
また、前記導体ペーストには、必要に応 て、導体ペースト本来の導電性(低抵抗率) 半田耐熱性、接着強度等を著しく損なわな 限りにおいて、種々の無機添加剤を副成分 して含ませることができる。前記無機添加 としては、例えばガラス粉末、無機酸化物 その他種々のフィラー等が挙げられる。こ 場合、無機添加剤は、平均粒径が卑金属粉 と同等か、もしくはそれ以下の平均粒径を するものが好ましい。
導体ペーストの調製は、例えば3本ロール ミルやその他の混練機を用いて、卑金属粉末 および各種添加剤を有機ビヒクルとともに所 定の配合比で直接混合し、相互に練り合わせ ればよい。
導体ペースト中の卑金属粉末の含有量は 特に限定されるものではないが、主成分た 卑金属粉末の含有率が、ペースト全体の60~9 5質量%となるように各材料を混練するのがよ 。
導体ペーストの調製に用いられる有機ビ クルの添加量は、ペースト全体のほぼ1~40質 量%となる量が適当であり、1~20質量%となる量 が特に好ましい。また、無機添加剤としてガ ラス粉末やセラミック粉末を加える場合には 、卑金属粉末100質量部に対して5質量部以下 割合で添加するのが好ましい。
次に、本実施形態の電子部品について、 4に示す積層セラミックコンデンサを例に挙 げて説明する。本実施形態の導体ペーストを 用いて、以下のような積層セラミックコンデ ンサを形成できる。
本実施形態における積層セラミックコン ンサは、図4に示すように、コンデンサ本体 1の両端部に外部電極2が設けられている。コ デンサ本体1は、絶縁体である誘電体層3と 体膜である内部電極層4とが交互に積層され 成されている。
内部電極層4は、上述した本実施形態の導 体ペーストによって形成されたものであり、 その厚みは誘電体層3の厚みが1μm以下である 合に、100nm以下、特に、50nm以下であること 望ましい。これにより、本実施形態の卑金 粉末を用いて得られる電子部品を薄型にで 、導体膜による段差を低減でき、デラミネ ション等の発生を抑制することが可能にな 。
次に、前記積層セラミックコンデンサの製
について説明する。
まず、上述の導体ペーストを、焼成後に絶
体となるセラミックグリーンシート上に印
し、焼成後に導体膜となる導体パターンを
成する。このとき導体パターンの乾燥後の
みは100nm以下、特に、50nm以下が好ましい。
いで、上述の導体パターンが形成されたセ
ミックグリーンシートを複数層積層し、加
加熱して一体化させて母体積層体を形成す
。
次に、得られた母体積層体を所定の寸法 切断し、焼成後にコンデンサ本体1となる未 焼成の積層体を得る。次に、この未焼成の積 層体を、大気中もしくは窒素雰囲気中にて脱 脂した後、水素-窒素の混合ガスの還元雰囲 中にて1000~1300℃の範囲で1~5時間の条件で焼 する。なお、必要に応じて、焼成温度より 低い温度(900~1100℃)にて再加熱して酸化処理 行ってもよい。
こうして絶縁体である誘電体層3と導体膜 である内部電極層4とが交互に積層され一体 されたコンデンサ本体1が得られる。次に、 のコンデンサ本体1の対向する端部に、外部 電極ペーストを塗布して焼付けを行い外部電 極2が形成される。また、この外部電極2の表 に実装性を高めるためのメッキ膜を形成し 積層セラミックコンデンサを得る。
以下、実施例を挙げて本発明についてさ に詳細に説明するが、本発明は以下の実施 に限定されるものではない。
<卑金属粉末の調製>
まず、金属源として、硝酸ニッケル(Ni(NO 3
) 2
)、硝酸銅(Cu(NO 3
) 2
)、および硝酸コバルト(Co(NO 3
) 2
)を準備した。次に、この金属源と、表1に示
各種溶媒および添加剤とをガラス製容器に
入し、室温(25℃)にて混合して卑金属含有溶
液を調製した。これらの混合割合は、金属源
としての硝酸塩100質量部に対して、添加剤を
10質量部とし、これに第1の溶媒としてイオン
交換水を200質量部とし、表1に示した第2の溶
および第3の溶媒の添加量はそれぞれ300質量
部とした。その後、35℃で、5時間放置して、
卑金属含有溶液を上下2層に分離させて、上
側の溶液中にオレイン酸の前駆体またはマ
イン酸の前駆体を形成した。
次に、ガラス製容器の下部側の排出口を けて容器の下層側の溶媒を排出した。次い 、オレイン酸の前駆体またはマレイン酸の 駆体を含む溶液からデカンテーションによ 溶媒を排出して、オレイン酸の前駆体また マレイン酸の前駆体を得た。
次に、得られたオレイン酸の前駆体または レイン酸の前駆体を石英製容器に入れ、こ を加熱炉内に置き、N 2 -5%H 2 の混合ガスを供給して、表1に示す温度に加 して、前駆体を分解させて卑金属粉末を得 (表1中の試料No.1~20)。そして、得られた卑金 粉末の平均粒径を求め、またX線回折パター ンにより結晶構造および異相の割合を求めた 。表1に結果を示すとともに、各評価方法を 下に示す。
<評価>
(平均粒径)
得られた卑金属粉末の平均粒径は、まず、
査型電子顕微鏡を用いて内部組織の写真を
り(倍率:200,000倍)、その写真上で結晶粒子が
30個入る円を描いた。次に、該円内および円
にかかった結晶粒子を選択し、各結晶粒子
輪郭を画像処理し、各粒子を円と見立てて
相当径を算出し、その平均値より前記平均
径を求めた。
(X線回折パターン)
卑金属粉末についての、立方最密構造(ccp)
主ピーク(111)のX線回折強度に対する六方最
構造(hcp)の主ピーク(111)および卑金属の酸化
の主ピーク(ニッケル:(200),銅:(111))のうちの
い方の回折強度は、X線回折装置(Cukα)を用
て、2θ=30~80°の範囲にて回折し、X線回折装
に付設のコンピュータに出力される回折強
値から求めた。
<積層セラミックコンデンサの作製・評価&g
t;
次に、上記した卑金属粉末を用いて導体ペ
ストを調製し、この導体ペーストを内部電
用のペーストに用いて積層セラミックコン
ンサを作製した。まず、上記した卑金属粉
を40質量%とし、有機ビヒクル(エチルセルロ
ース:5.5質量%,α-テルピネオール94.5重量%)を55
量%とする配合割合とし、これに適量の溶媒
(α-テルピネオール)を加えて、3本ロールミル
で混練して導体ペーストを作製した。
次に、ニッケル粉末,銅粉末およびコバルト 粉末にそれぞれ適用させる絶縁体を用意した 。導体膜にニッケル粉末またはコバルト粉末 を用いる場合は、絶縁体を、主成分(BaTiO 3 :97.5モル%,CaZrO 3 :2.0モル%,MnO:0.5モル%)100モル部に対して、Y 2 O 3 を0.5モル部添加した組成とした。銅粉末を用 いる場合は、上記組成100質量部に対してホウ 珪酸ガラス粉末(SiO 2 :50モル%,Al 2 O 3 :5モル%,MgO:30モル%,B 2 O 3 :10モル%,CaO:5モル%)を60質量部の割合で加えて それぞれセラミックスラリを調製した。
次いで、これらのセラミックスラリをポ エステルの合成樹脂より成る帯状のキャリ フィルム上にダイコータ法で成膜し、乾燥 せることにより、厚みが0.6μmのセラミック リーンシートを得た。
次に、このセラミックグリーンシートを ャリアフィルムから剥離し、縦200mm、横200mm のサイズに打ち抜いた後、得られたセラミッ クグリーンシートの一方主面に、グラビア印 刷装置を用いて、上記した導体ペーストを印 刷して、印刷厚みで20~150nmになるように導体 ターンを形成した。印刷後の導体パターン 厚みは、用いた卑金属粉末の平均粒径の10 以下の厚みを設定した。
次に、導体パターンが形成されたセラミッ グリーンシートを360枚積層し、その上下面 導体パターンを印刷していないセラミック リーンシートをそれぞれ20枚積層し、プレ 機を用いて温度60℃、圧力10 7 Pa、時間10分の条件で一括積層し、所定の寸 に切断し、未焼成の積層体を得た。
次に、この未焼成の積層体を、大気中に 400℃までの温度範囲で脱脂を行い、還元雰 気中にて焼成した。導体膜を、ニッケル粉 を含む導体ペーストで形成する場合には1250 ℃で、コバルト粉末を含む導体ペーストで形 成する場合には約1200℃で、銅粉末を含む導 ペーストで形成する場合には920℃でそれぞ 2時間焼成してコンデンサ本体を得た。
このようにして得られたコンデンサ本体の 形寸法は、長さ3.2mm、幅1.6mm、厚さ1.0mmであ 、内部電極層間に介在する誘電体層の厚み 0.4μmであった。また、誘電体層の一層当た の対向内部電極層の有効面積は2.1mm 2 であった。
上述のようにして得られたコンデンサ本 を、各試料100個ずつ樹脂で固めて研磨し、 率400倍の金属顕微鏡観察を行って、デラミ ーションの有無を検査した。表1に結果を示 す。
表1の結果から明らかなように、本発明の 製法により得られた卑金属粉末(試料No.3~6,8~12 ,15~18および20)は、平均粒径が5~30nmであり、立 方最密構造(ccp)の主ピーク(111)の回折強度に する六方最密構造(hcp)の主ピーク(111)および 金属の酸化物の主ピーク(200)のうちの強い の回折強度が10%以下であった。
また、図2から明らかなように、本発明の 卑金属粉末である試料No.3,6は、高純度である ことがわかる。これと同様に、本発明にかか る他の卑金属粉末についても、X線回折パタ ンの結果から、高純度であることを確認で た。
また、このような超微粒の本発明にかか 卑金属粉末を用いて作製した積層セラミッ コンデンサでは、内部電極層の周囲に段差 消用のセラミックパターンを形成しなくて 、360層の積層体においてデラミネーション 発生数が100個中1個以下であった。
特に、本発明の製法により得られたオレ ン酸の前駆体およびマレイン酸前駆体を300~ 350℃で加熱した試料No.4,5,8~12,16,17および20は 卑金属粉末の平均粒径が10nm以下であり、立 最密構造(ccp)の主ピーク(111)の回折強度に対 する六方最密構造(hcp)の主ピーク(111)および 金属の酸化物の主ピーク(200)のうちの強い方 の回折強度が7%以下であり、また、360層の積 体においてもデラミネーションの発生数が かった。
これに対して、オレイン酸の前駆体を200 で加熱した試料No.1,13は、前駆体の残留があ った。また、前記前駆体を230℃で加熱した試 料No.2,14においても、六方最密構造(hcp)の(111) ピークもしくは卑金属の酸化物の(200)ピー のうち強い方のピーク強度が17%以上であっ 。また、加熱の温度を400℃よりも高くした 料No.7,19では、卑金属粉末の平均粒径が30nmを 遙かに越えるものとなり、評価したコンデン サ本体においてデラミネーションの発生割合 が100個中10個もあった。
