Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
BEARING DEVICE ADAPTED FOR USE IN WHEEL AND HAVING ROTATIONAL SPEED DETECTION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119036
Kind Code:
A1
Abstract:
A bearing device adapted for use in a wheel and having a rotational speed detection device, in which a magnetic encoder is shielded and protected by a protective cover from the outside of a bearing and in which the protective cover is fixed so as not to move, thereby the bearing device has enhanced reliability of detection of rotational speed. A protective cover (19) is mounted to an outer member (2) and is constructed from a non-magnetic austenitic stainless steel plate by press working in a substantially L-shaped cross-section. The protective cover (19) has a hollow circular cylindrical fitting section (19a) having axially extending slits (24) formed therein and also has a circular plate-like shielding section (19b) extending radially inward from the fitting section (19a), and closes an opening present between the outer member (2) and an inner ring (5). An annular groove (20) having a V-shaped cross-section is formed in the outer periphery of an end of the outer member (2). An engaging section (21) having a V-shaped cross-section and projecting to the inner diameter side is formed on the fitting section (19a) and is engaged with the annular groove (20). The protective cover (19) is positioned and fixed to the outer member (2) with the shielding section (19b) making close contact with an end surface (2c) of the outer member (2).

Inventors:
NORIMATSU TAKAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001165
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 17, 2009
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
NORIMATSU TAKAYUKI (JP)
International Classes:
F16C41/00; B60B35/02; B60B35/18; F16C19/18; F16C33/78; F16C33/80; G01P3/487
Foreign References:
JP2002267680A2002-09-18
JP2006177897A2006-07-06
JP2006308396A2006-11-09
Attorney, Agent or Firm:
KOSHIKAWA, TAKAO (JP)
Takao Koshikawa (JP)
Download PDF:
Claims:
 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
 この内方部材と前記外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
 前記外方部材と内方部材とで形成される環状空間の開口部に装着されたシールと、
 前記内輪に配設された磁気エンコーダとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
 前記外方部材のインナー側の端部に保護カバーが装着され、この保護カバーが非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によって形成され、前記外方部材に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延びる円板状の遮蔽部とを有し、前記磁気エンコーダを遮蔽するように前記外方部材と内輪との開口部を閉塞すると共に、前記外方部材の端部外周に環状溝が形成され、前記保護カバーの嵌合部にその内径側に突出する係止部が形成されて前記環状溝に係合し、前記遮蔽部が前記外方部材のインナー側の端面に密着した状態で、当該保護カバー部材が前記外方部材に対して軸方向に位置決め固定されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記保護カバーの嵌合部に軸方向に延びる複数のスリットが形成されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記環状溝が断面略V字形に形成されると共に、この環状溝に対応するように前記係止部が断面略V字形に形成されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記係止部が切り起し加工によって形成され、前記嵌合部の周方向に複数形成されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記環状溝のインナー側の壁面が垂直または傾斜角が前記係止部の先端面と略同一角度に設定されている請求項4に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記保護カバーの嵌合部が前記外方部材のインナー側の端部外周に圧入された後、当該嵌合部の端部を外径側から前記環状溝に向って塑性変形させて加締部が形成されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記環状溝が断面略台形に形成されると共に、前記嵌合部の端縁を外径側から前記環状溝に向って塑性変形させて加締部が形成されている請求項6に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記加締部が前記嵌合部の周方向等配に複数形成されている請求項6または7に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記加締部がローリング加締によって前記嵌合部の全周に形成されている請求項6または7に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記遮蔽部の内径が前記磁気エンコーダの内径よりも小径に設定され、前記遮蔽部の内径端部が前記内輪の大端面に僅かな軸方向すきまを介して対峙されてラビリンスシールが形成されている請求項1乃至9いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記遮蔽部の内径端部にシールリップが加硫接着によって一体に接合され、その先端が前記内輪の大端面に所定のシメシロを介して軸方向に摺接されている請求項1乃至9いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記遮蔽部から前記内方部材のインナー側の端部を閉塞する底部が形成されている請求項1乃至9いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
 前記保護カバーを介して前記外方部材が前記ナックルに嵌合されている請求項1乃至12いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
Description:
回転速度検出装置付き車輪用軸 装置

 本発明は、自動車等の車輪を回転自在に 承すると共に、この車輪の回転速度を検出 る回転速度検出装置が内蔵された回転速度 出装置付き車輪用軸受装置に関するもので る。

 自動車の車輪を懸架装置に対して回転自 に支承すると共に、車輪の回転速度を検出 、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制 する回転速度検出装置が軸受内部に内蔵さ た回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が 般的に知られている。従来、このような車 用軸受装置は、転動体を介して転接する内 部材および外方部材の間にシール装置が設 られ、円周方向に磁極を交互に並べてなる 気エンコーダを前記シール装置に一体化さ ている。この磁気エンコーダに対面配置さ 、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極 化を検出する回転速度センサは、懸架装置 構成するナックルに車輪用軸受装置が装着 れた後、当該ナックルに装着されている。

 このような回転速度検出装置付き車輪用 受装置の一例として図13に示すような構造 知られている。この回転速度検出装置付き 輪用軸受装置は、外方部材50と内方部材51と これら外方部材50と内方部材51との間に収容 される複数のボール52と、外方部材50と内方 材51を構成する内輪53との間に形成される環 空間の開口部を密封するシール装置54とを えている。内方部材51は、ハブ輪55と、この ブ輪55に圧入された内輪53とからなり、この 内輪53は加締部56によって軸方向に固定され いる。

 シール装置54は、外方部材50と内輪53にそ ぞれ装着された環状のシール板57とスリン 58とからなる。シール板57は、外方部材50に 嵌される断面L字状の芯金59と、この芯金59に 加硫接着により一体に接合されたシール部材 60とからなる。一方、スリンガ58は、内輪53に 外嵌される円筒部58aと、この円筒部58aから径 方向外方に延びる立板部58bとからなり、断面 L字状に形成されてシール板57に対向配置され ている。

 シール部材60は、スリンガ58の立板部58bに 摺接するサイドリップ60aと、円筒部58aに摺接 する一対のラジアルリップ60b、60cとを有して いる。そして、立板部58bの外方側の側面に、 磁性体粉が混入された弾性部材61が加硫接着 れている。この弾性部材61は、周方向に交 に磁極N、Sが等間隔ピッチに着磁されて磁気 エンコーダを構成している。

 弾性部材61に対して所定のエアギャップG もって対峙する非磁性体製の保護カバー62 配置されている。この保護カバー62は、外方 部材50の端部外径に圧入される円筒状の嵌合 62aと、この嵌合部62aから径方向内方に延び 側板部62bとからなる断面L字状に形成されて いる。側板部62bは内輪53の端面に対面する位 まで延ばされ、内輪53との間にラビリンス きま63が形成されている。車輪の回転速度は 弾性部材61から保護カバー62を介して磁気セ サ64で検出される。

 保護カバー62は非磁性体製であるため、磁 の流れ経路に影響せず、磁気センサ64による 回転速度検出の精度低下の問題がない。した がって、弾性部材61と磁気センサ64とのすき に異物が噛み込むのを防止して弾性部材61が 損傷するのを確実に防止することができる。

特開2002-267680号公報

 然しながら、こうした従来の回転速度検 装置付き車輪用軸受装置のように、保護カ ー62が外方部材50の外径に圧入固定されてい るだけの場合、車両走行時の振動だけでなく 、外方部材50に負荷されるモーメント荷重に り繰り返し変形が生じ、保護カバー62の嵌 部62aが微動して軸方向に移動する恐れがあ 。こうした保護カバー62の移動によって内輪 53の端面と保護カバー62の側板部62bとの間に 定されたラビリンスすきま63が大きくなって 弾性部材61と保護カバー62との間に異物が噛 込み、弾性部材61が損傷するだけでなく、保 護カバー62が磁気センサ64に干渉して磁気セ サ64が損傷する恐れがある。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、保護カバーによって磁気エンコ ダを軸受外方から遮蔽して保護すると共に 保護カバーを固定して移動を防止し、回転 度検出の信頼性を向上させた回転速度検出 置付き車輪用軸受装置を提供することを目 としている。

 係る目的を達成すべく、本発明は、外周 ナックルに取り付けられるための車体取付 ランジを一体に有し、内周に複列の外側転 面が一体に形成された外方部材と、一端部 車輪を取り付けるための車輪取付フランジ 一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段 が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の 径段部に圧入された少なくとも一つの内輪 らなり、外周に前記複列の外側転走面に対 する複列の内側転走面が形成された内方部 と、この内方部材と前記外方部材のそれぞ の転走面間に転動自在に収容された複列の 動体と、前記外方部材と内方部材とで形成 れる環状空間の開口部に装着されたシール 、前記内輪に配設された磁気エンコーダと 備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装 において、前記外方部材のインナー側の端 に保護カバーが装着され、この保護カバー 非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼 からプレス加工によって形成され、前記外 部材に外嵌される円筒状の嵌合部と、この 合部から径方向内方に延びる円板状の遮蔽 とを有し、前記磁気エンコーダを遮蔽する うに前記外方部材と内輪との開口部を閉塞 ると共に、前記外方部材の端部外周に環状 が形成され、前記保護カバーの嵌合部にそ 内径側に突出する係止部が形成されて前記 状溝に係合し、前記遮蔽部が前記外方部材 インナー側の端面に密着した状態で、当該 護カバー部材が前記外方部材に対して軸方 に位置決め固定されている。・・・請求項1

 このように、内輪回転タイプの回転速度 出装置付き車輪用軸受装置において、外方 材のインナー側の端部に保護カバーが装着 れ、この保護カバーが非磁性体のオーステ イト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によ て形成され、外方部材に外嵌される円筒状 嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に延 る円板状の遮蔽部とを有し、磁気エンコー を遮蔽するように外方部材と内輪との開口 を閉塞すると共に、外方部材の端部外周に 状溝が形成され、保護カバーの嵌合部にそ 内径側に突出する係止部が形成されて環状 に係合し、遮蔽部が外方部材のインナー側 端面に密着した状態で、当該保護カバー部 が外方部材に対して軸方向に位置決め固定 れているので、磁束の流れ経路に影響せず 磁気センサによる回転速度検出の精度低下 問題がなく、磁気エンコーダと磁気センサ のすきまに異物が噛み込むのを防止して磁 エンコーダが異物の噛み込みによって損傷 るのを確実に防止することができると共に 車両走行時の振動や外方部材に負荷される ーメント荷重により繰り返し変形が生じて 合部が微動しても保護カバーが軸方向に移 するのを防止して回転速度検出の信頼性を 上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受 置を提供することができる。

 好ましくは、本発明のように、前記保護 バーの嵌合部に軸方向に延びる複数のスリ トが形成されていれば、嵌合部に係止部が 成されていても外方部材に保護カバーを容 に圧入することができ装着性が格段に向上 る。・・・請求項2

 また、本発明のように、前記環状溝が断 略V字形に形成されると共に、この環状溝に 対応するように前記係止部が断面略V字形に 成されていても良い。・・・請求項3

 また、本発明のように、前記係止部が切 起し加工によって形成され、前記嵌合部の 方向に複数形成されていれば、係止部を弾 変形させながら保護カバーを外方部材に容 に圧入することができ、保護カバーの装着 が向上すると共に、係止部が確実に環状溝 係合することができ、保護カバーの抜け耐 が格段に高くなる。・・・請求項4

 好ましくは、本発明のように、前記環状 のインナー側の壁面が垂直または傾斜角が 記係止部の先端面と略同一角度に設定され いれば、係止部の先端が確実に環状溝に引 掛かると共に、保護カバーに大きな抜け力 作用しても、係止部には径方向内方に作用 る分力が発生し、保護カバーの抜け耐力を 層高くすることができる。・・・請求項5

 また、本発明のように、前記保護カバー 嵌合部が前記外方部材のインナー側の端部 周に圧入された後、当該嵌合部の端部を外 側から前記環状溝に向って塑性変形させて 締部が形成されていれば、車両走行時の振 や外方部材に負荷されるモーメント荷重に り繰り返し変形が生じて嵌合部が微動して 保護カバーが軸方向に移動するのを防止す ことができる。・・・請求項6

 また、本発明のように、前記環状溝が断 略台形に形成されると共に、前記嵌合部の 縁を外径側から前記環状溝に向って塑性変 させて加締部が形成されていても良い。・ ・請求項7

 また、本発明のように、前記加締部が前 嵌合部の周方向等配に複数形成されていて 良い。・・・請求項8

 また、本発明のように、前記加締部がロ リング加締によって前記嵌合部の全周に形 されていても良い。これにより、保護カバ の抜け耐力を一層増大させることができる ・・・請求項9

 また、本発明のように、前記遮蔽部の内 が前記磁気エンコーダの内径よりも小径に 定され、前記遮蔽部の内径端部が前記内輪 大端面に僅かな軸方向すきまを介して対峙 れてラビリンスシールが形成されていれば 砂や金属片等の異物が遮蔽部の内径端部を 過して検出部に侵入するのを防止し、検出 で異物が磁気エンコーダに噛み込んで損傷 せるのを確実に防止することができる。・ ・請求項10

 また、本発明のように、前記遮蔽部の内 端部にシールリップが加硫接着によって一 に接合され、その先端が前記内輪の大端面 所定のシメシロを介して軸方向に摺接され いれば、砂や金属片等の異物が遮蔽部と内 との間から検出部に侵入するのを確実に防 することができる。・・・請求項11

 また、本発明のように、前記遮蔽部から 記内方部材のインナー側の端部を閉塞する 部が形成されていれば、砂や金属片等の異 が検出部に侵入するのを確実に防止するこ ができると共に、インナー側のシールを廃 してもグリースの漏洩を防止することがで 、低コスト化を図ることができる。・・・ 求項12

 また、本発明のように、前記保護カバー 介して前記外方部材が前記ナックルに嵌合 れていれば、アルミ合金等の軽合金製から るナックルとの組合せの場合、外方部材に 殊な表面処理等を施さなくても、異種金属 組み合せによるガルバニック腐食によって ックルが早期に電食を起こすのを防止する とができる。・・・請求項13

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、外周にナックルに取り付けら るための車体取付フランジを一体に有し、 周に複列の外側転走面が一体に形成された 方部材と、一端部に車輪を取り付けるため 車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸 向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、 よびこのハブ輪の小径段部に圧入された少 くとも一つの内輪からなり、外周に前記複 の外側転走面に対向する複列の内側転走面 形成された内方部材と、この内方部材と前 外方部材のそれぞれの転走面間に転動自在 収容された複列の転動体と、前記外方部材 内方部材とで形成される環状空間の開口部 装着されたシールと、前記内輪に配設され 磁気エンコーダとを備えた回転速度検出装 付き車輪用軸受装置において、前記外方部 のインナー側の端部に保護カバーが装着さ 、この保護カバーが非磁性体のオーステナ ト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によっ 形成され、前記外方部材に外嵌される円筒 の嵌合部と、この嵌合部から径方向内方に びる円板状の遮蔽部とを有し、前記磁気エ コーダを遮蔽するように前記外方部材と内 との開口部を閉塞すると共に、前記外方部 の端部外周に環状溝が形成され、前記保護 バーの嵌合部にその内径側に突出する係止 が形成されて前記環状溝に係合し、前記遮 部が前記外方部材のインナー側の端面に密 した状態で、当該保護カバー部材が前記外 部材に対して軸方向に位置決め固定されて るので、磁束の流れ経路に影響せず、磁気 ンサによる回転速度検出の精度低下の問題 なく、磁気エンコーダと磁気センサとのす まに異物が噛み込むのを防止して磁気エン ーダが異物の噛み込みによって損傷するの 確実に防止することができると共に、車両 行時の振動や外方部材に負荷されるモーメ ト荷重により繰り返し変形が生じて嵌合部 微動しても保護カバーが軸方向に移動する を防止して回転速度検出の信頼性を向上さ た回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を 供することができる。

 外周にナックルに取り付けられるための 体取付フランジを一体に有し、内周に複列 外側転走面が一体に形成された外方部材と 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付 ランジを一体に有し、外周に前記複列の外 転走面に対向する一方の内側転走面と、こ 内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小 段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ の小径段部に圧入され、前記複列の外側転 面に対向する他方の内側転走面が形成され 内輪からなる内方部材と、この前記内方部 と外方部材のそれぞれの転走面間に転動自 に収容された複列の転動体と、前記外方部 と内方部材とで形成される環状空間の開口 に装着されたシールと、前記内輪に配設さ た磁気エンコーダとを備えた回転速度検出 置付き車輪用軸受装置において、前記外方 材のインナー側の端部に保護カバーが装着 れ、この保護カバーが非磁性体のオーステ イト系ステンレス鋼鈑からプレス加工によ て断面が略L字状に形成され、軸方向に延び る複数のスリットが形成されて前記外方部材 に外嵌される円筒状の嵌合部と、この嵌合部 から径方向内方に延びる円板状の遮蔽部とを 有し、前記磁気エンコーダを遮蔽するように 前記外方部材と内輪との開口部を閉塞すると 共に、前記外方部材の端部外周に断面がV字 の環状溝が形成され、前記保護カバーの嵌 部にその内径側に突出する断面がV字形の係 部が形成されて前記環状溝に係合し、前記 蔽部が前記外方部材のインナー側の端面に 着した状態で、当該保護カバーが前記外方 材に対して軸方向に位置決め固定されてい 。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づい 詳細に説明する。
 図1は、本発明に係る回転速度検出装置付き 車輪用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断 図、図2(a)は、図1のA部を示す要部拡大図、(b )は、(a)の保護カバーを示す平面図、図3は、 2(a)の変形例を示す要部拡大図、図4(a)は、 の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の保 カバーを示す縦断面図、図5(a)は、図4(a)の保 護カバーの嵌合部を示す拡大図、(b)は、(a)の 変形例を示す拡大図、(c)は、(a)の他の変形例 を示す拡大図である。なお、以下の説明では 、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りと なる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側 をインナー側(図1の右側)という。

 この回転速度検出装置付き車輪用軸受装 は第3世代と称される駆動輪用であって、内 方部材1と外方部材2、および両部材1、2間に 動自在に収容された複列の転動体(ボール)3 3とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と このハブ輪4に所定のシメシロを介して圧入 れた内輪5とからなる。

 外方部材2はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む 高炭素鋼からなり、外周にナックル(図示せ )に取り付けるための車体取付フランジ2bを 体に有し、内周に複列の外側転走面2a、2aが 一体に形成されている。これら複列の外側転 走面2a、2aは、高周波焼入れによって表面硬 を54~64HRCの範囲に硬化層が形成されている。

 ハブ輪4は、アウター側の端部に車輪(図 せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6 を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円 等配位置にハブボルト6aが植設されている。 また、外周に前記複列の外側転走面2a、2aの 方(アウター側)に対向する内側転走面4aと、 の内側転走面4aから軸方向に延びる円筒状 小径段部4bが形成されると共に、内周にトル ク伝達用のセレーション4cが形成されている 一方、内輪5は外周に前記複列の外側転走面 2a、2aの他方(インナー側)に対向する内側転走 面5aが形成され、ハブ輪4の小径段部4bに所定 シメシロを介して圧入されている。そして ハブ輪4の小径段部4bの端部を径方向外方に 性変形させて形成した加締部7によって所定 の軸受予圧が付与された状態で内輪5が軸方 に固定されている。

 外方部材2の複列の外側転走面2a、2aと、 れらに対向する複列の内側転走面4a、5a間に 複列の転動体3、3がそれぞれ収容され、保 器8、8によって転動自在に保持されている。 また、外方部材2と内方部材1との間に形成さ る環状空間の開口部にはシール9、10が装着 れ、軸受内部に封入された潤滑グリースの 洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等 侵入するのを防止している。なお、ここで 、転動体3にボールを使用した複列アンギュ ラ玉軸受を例示したが、これに限らず、転動 体3に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受 あっても良い。また、ここでは、ハブ輪4の 周に直接内側転走面4aが形成された第3世代 造を例示したが、図示はしないが、ハブ輪 小径段部に一対の内輪が圧入固定された第2 世代構造であっても良い。

 ハブ輪4はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中 炭素鋼からなり、内側転走面4aをはじめ車輪 取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径 段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬 を54~64HRCの範囲に硬化処理が施されている なお、加締部7は鍛造加工後の表面硬さのま とされている。これにより、加締加工が容 となり、加工時の微小クラックの発生を防 すると共に、シール9が摺接するシールラン ド部となる基部6bの耐摩耗性が向上するばか でなく、車輪取付フランジ6に負荷される回 転曲げ荷重に対して充分な機械的強度を有し 、ハブ輪4の耐久性が向上する。なお、内輪5 よび転動体3はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼 らなり、ズブ焼入れにより芯部まで58~64HRCの 範囲で硬化処理されている。

 シール9、10のうちアウター側のシール9は 、外方部材2のアウター側端部の内周に所定 シメシロを介して圧入された芯金11と、この 芯金11に接合されたシール部材12とからなる 体型のシールで構成されている。芯金11は、 冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工 にて形成されている。

 一方、シール部材12はニトリルゴム等の 成ゴムからなり、加硫接着によって芯金11に 一体に接合されている。このシール部材12は 径方向外方に傾斜して形成され、車輪取付 ランジ6のインナー側の側面に所定のシメシ ロをもって摺接するサイドリップ12aと、断面 が円弧状に形成された基部6bに所定のシメシ をもって摺接するラジアルリップ12bと、軸 内方側に傾斜して形成されたグリースリッ 12cとを有している。

 また、インナー側のシール10は、図2(a)に 大して示すように、互いに対向配置された 状のシール板13とスリンガ14とからなる、所 謂パックシールで構成されている。シール板 13は外方部材2に装着された芯金15と、この芯 15に加硫接着により一体に接合されたシー 部材16とからなる。芯金15は、オーステナイ 系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)や防 処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等) の防錆能を有する鋼板からプレス加工にて 面略L字状に形成されている。

 シール部材16は、NBR(アクリロニトリル-ブ タジエンゴム)等の合成ゴムからなり、径方 外方に傾斜して延びるサイドリップ16aと、 股状に形成されたグリースリップ16bと中間 ップ16cとを一体に有している。

 一方、スリンガ14は断面略L字状に形成さ 、内輪5の外径に圧入される円筒部14aと、こ の円筒部14aから径方向外方に延びる立板部14b とを備えている。そして、シール部材16のサ ドリップ16aが立板部14bに所定のシメシロを って摺接されると共に、また、グリースリ プ16bと中間リップ16cが所定のシメシロをも て円筒部14aに摺接されている。さらに、ス ンガ14における立板部14bは、シール板13と僅 かな径方向すきまを介して対峙され、ラビリ ンスシール17が構成されている。

 また、立板部14bのインナー側の側面には 合成ゴムにフェライト等の磁性体粉が混入 れた磁気エンコーダ18が加硫接着等によっ 一体に接合されている。この磁気エンコー 18は、周方向に交互に等ピッチで磁極N、Sが 磁され、車輪の回転速度検出用のロータリ ンコーダを構成している。

 スリンガ14は、強磁性体の鋼板、例えば フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS4 30系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規 のSPCC系等)からプレス加工にて形成されてい る。これにより、スリンガ14が発錆するのを 止すると共に、磁気エンコーダ18の磁気出 が強くなり安定した検出精度を確保するこ ができる。

 外方部材2のインナー側の端部に保護カバ ー19が装着されている。この保護カバー19は 非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼 (JIS規格のSUS304系)からプレス加工によって断 面略L字状に形成され、外方部材2の端部外周 圧入される円筒状の嵌合部19aと、この嵌合 19aから径方向内方に延びる円板状の遮蔽部1 9bとを有している。また、遮蔽部19bの内径φd1 が磁気エンコーダ18の内径φd2よりも小径に設 定され、遮蔽部19bの内径端部が内輪5の大端 5bに僅かな軸方向すきまを介して対峙され、 ラビリンスシール23が形成されている。これ より、砂や金属片等の異物が遮蔽部19bの内 端部を通過して検出部に侵入するのを防止 、検出部で異物が磁気エンコーダ18に噛み んで損傷させるのを確実に防止することが きる。

 ここで、外方部材2の端部外周に断面が略 V字形の環状溝20が形成されている。また、保 護カバー19の嵌合部19aにはその内径側に突出 る断面が略V字形の係止部21が形成されてい 。そして、保護カバー部材19の遮蔽部19bが 方部材2のインナー側の端面2cに密着した状 で係止部21が環状溝20に係合し、保護カバー1 9が外方部材2に対して軸方向に位置決め固定 れている。

 さらに、図2(b)に示すように、本実施形態 では、保護カバー19の嵌合部19aに周方向等配 軸方向に延びる複数のスリット24が形成さ ている。このスリット24により、嵌合部19aに 係止部21が形成されていても外方部材2に保護 カバー19を容易に圧入することができ装着性 格段に向上する。

 このように、本実施形態では、磁気エン ーダ18を遮蔽するように外方部材2と内輪5と の開口部を閉塞すると共に、この遮蔽部19bの インナー側に磁気センサ22が配設され、当該 護カバー19を介して磁気エンコーダ18が所定 の軸方向すきま(エアギャップ)を介して対峙 れているので、磁束の流れ経路に影響せず 磁気センサ22による回転速度検出の精度低 の問題がない。したがって、遮蔽部19bと内 5との間のラビリンスシール23と相俟って、 気エンコーダ18と磁気センサ22とのすきまに 物が噛み込むのを防止して磁気エンコーダ1 8が異物の噛み込みによって損傷するのを確 に防止することができると共に、車両走行 の振動や外方部材2に負荷されるモーメント 重により繰り返し変形が生じて嵌合部19aが 動しても保護カバー19が軸方向に移動する とはない。

 なお、磁気センサ22は、ホール素子、磁 抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じ 特性を変化させる磁気検出素子と、この磁 検出素子の出力波形を整える波形成形回路 組み込まれたICとからなる。また、ここで 磁気エンコーダ18をゴム製としたものを例示 したが、これに限らず、例えば、ゴムに変え て合成樹脂製やフェライト等からなる強磁性 体粉を金属バインダーで固めた燒結金属製で あっても良い。

 さらに、本実施形態では、前述した特徴 他に以下の特徴を備えている。すなわち、 護カバー19が非磁性体のオーステナイト系 テンレス鋼鈑で形成され、この保護カバー19 を介して外方部材2がナックルに嵌合される で、保護カバー19の発錆を防止すると共に、 アルミ合金等の軽合金製からなるナックルと の組合せの場合、外方部材2に特殊な表面処 等を施さなくても、異種金属の組み合せに る腐食、すなわち、鋼製の外方部材2と軽合 製のナックルが、お互い接触させた状態で2 種の金属が腐食環境に曝されたた場合、電位 差の低い方の金属(この場合、軽合金製のナ クル)はアノード(陽極)となって早期に腐食 起こす、所謂、ガルバニック腐食によって ナックルが早期に電食を起こすのを防止す ことができる。

 次に、図2(a)の変形例を図3に示す。この 形例は保護カバーの構成が一部異なるだけ 、その他前述した実施形態と同一部品同一 位あるいは同一機能を有する部位には同じ 号を付してその詳細な説明を省略する。

 この保護カバー25は、非磁性体のオース ナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)か らプレス加工によって断面略L字状に形成さ 、外方部材2の端部外周に圧入される円筒状 嵌合部19aと、この嵌合部19aから径方向内方 延びる円板状の遮蔽部25aとを有している。 して、この遮蔽部25aの内径端部にシールリ プ26が加硫接着によって一体に接合されて る。

 このシールリップ26はNBR等の合成ゴムか なり、その先端は内輪5の大端面5bに所定の メシロを介して軸方向に摺接されている。 れにより、砂や金属片等の異物が遮蔽部25a 内輪5との間から検出部に侵入するのを確実 防止することができる。

 図2(a)の他の変形例を図4(a)に示す。この 形例は保護カバーの構成が一部異なるだけ 、その他前述した実施形態と同一部品同一 位あるいは同一機能を有する部位には同じ 号を付してその詳細な説明を省略する。

 この保護カバー27は、非磁性体のオース ナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)か らプレス加工によって断面略L字状に形成さ 、外方部材2の端部外周に圧入される円筒状 嵌合部27aと、この嵌合部27aから径方向内方 延びる円板状の遮蔽部19bとを有している。

 ここで、外方部材2の端部外周に環状溝28 形成されている。また、保護カバー27の嵌 部27aにはその内径側に突出する係止部29が形 成されている。そして、保護カバー部材27の 蔽部19bが外方部材2のインナー側の端面2cに 着した状態で係止部29が環状溝28に係合し、 保護カバー27が外方部材2に対して軸方向に位 置決め固定されている。

 図4(b)に示すように、保護カバー27の係止 29は切り起し加工によって形成され、嵌合 27aの周方向等配に複数形成されている。こ により、係止部29を弾性変形させながら保護 カバー27を外方部材2に容易に圧入することが でき、保護カバー27の装着性が向上する。さ に、図5(a)に示すように、環状溝28は、その 面が略台形に形成されているので、保護カ ー27の圧入過程で係止部29が環状溝28に一致 た時、環状溝28内で係止部29が容易に弾性復 元することができると共に、この係止部29が 実に環状溝28に係合することができ、保護 バー27の抜け耐力が格段に高くなる。

 なお、外方部材2に形成される環状溝の形 状はこれに限らず、(b)および(c)に示すような 形状であっても良い。すなわち、(b)に示す環 状溝30は、(a)に示す略台形のインナー側の壁 が垂直に形成されている。また、(c)に示す 状溝31は、(a)に示す略台形のアウター側の 面が垂直に形成されると共に、インナー側 壁面の傾斜角αが係止部29の先端面と略同一 度に設定されている。こうした形状に環状 30、31を形成することにより、係止部29の先 が確実に環状溝30、31に引っ掛かると共に、 保護カバー27に大きな抜け力が作用しても、 止部29には径方向内方に作用する分力が発 し、保護カバー27の抜け耐力を一層高くする ことができる。

 図6は、本発明に係る回転速度検出装置付 き車輪用軸受装置の第2の実施形態を示す縦 面図、図7は、図6のB部を示す要部拡大図で る。なお、この実施形態は、前述した実施 態を従動輪側に適用したもので、その他前 した実施形態と同一部品同一部位あるいは 一機能を有する部位には同じ符号を付して の詳細な説明を省略する。

 この回転速度検出装置付き車輪用軸受装 は、外方部材2と、ハブ輪32、およびこのハ 輪32に所定のシメシロを介して圧入された 輪5からなる内方部材33と、両部材2、33間に 動自在に収容された複列の転動体3、3とを備 えている。

 ハブ輪32は、アウター側の端部に車輪取 フランジ6を一体に有し、外周に一方(アウタ ー側)の内側転走面4aと、この内側転走面4aか 軸方向に延びる円筒状の小径段部4bが形成 れている。内輪5はこの小径段部4bに所定の メシロを介して圧入され、加締部7によって 定の軸受予圧が付与された状態で軸方向に 定されている。

 ハブ輪32はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中 炭素鋼からなり、内側転走面4aをはじめ車 取付フランジ6のインナー側の基部6bから小 段部4bに亙って高周波焼入れによって表面硬 さを54~64HRCの範囲に硬化処理が施されている

 外方部材2のインナー側の端部には保護カ バー34が装着されている。この保護カバー34 、非磁性体のオーステナイト系ステンレス 鈑(JIS規格のSUS304系)からプレス加工によって カップ状に形成され、図7に拡大して示すよ に、外方部材2の端部外周に圧入される円筒 の嵌合部19aと、この嵌合部19aから径方向内 に延びる円板状の遮蔽部19bと、この遮蔽部1 9bから内方部材33のインナー側の端部を閉塞 る底部34aとを有している。これにより、砂 金属片等の異物が検出部に侵入するのを確 に防止することができると共に、インナー のシール10を構成するシール板13を廃止して グリースの漏洩を防止することができ、低 スト化を図ることができる。

 ここで、前述した第1の実施形態と同様、 外方部材2の端部外周に断面が略V字形の環状 20が形成され、保護カバー34の嵌合部19aに形 成された係止部21が係合されている。これに り、保護カバー34が外方部材2に対して軸方 に位置決め固定され、車両走行時の振動や 方部材2に負荷されるモーメント荷重により 繰り返し変形が生じて嵌合部19aが微動しても 保護カバー34が軸方向に移動することはない

 図8は、本発明に係る回転速度検出装置付 き車輪用軸受装置の第3の実施形態を示す縦 面図、図9(a)は、図8のC部を示す要部拡大図 (b)は、(a)の加締部の変形例を示す要部拡大 、図10は、図9(a)の他の変形例を示す要部拡 図である。なお、この実施形態は、前述し 第1の実施形態(図1)と保護カバーの構成が一 異なるだけで、その他第1の実施形態と同一 部品同一部位あるいは同様の機能を有する部 品や部位には同じ符号を付して詳細な説明を 省略する。

 この回転速度検出装置付き車輪用軸受装 は第3世代と称される駆動輪用であって、内 方部材1と外方部材2、および両部材1、2間に 動自在に収容された複列の転動体(ボール)3 3とを備えている。内方部材1は、ハブ輪4と このハブ輪4に所定のシメシロを介して圧入 れた内輪5とからなる。

 外方部材2のインナー側の端部に保護カバ ー35が装着されている。この保護カバー35は 非磁性体のオーステナイト系ステンレス鋼 (JIS規格のSUS304系)からプレス加工によって断 面略L字状に形成され、図9に拡大して示すよ に、外方部材2の端部外周に圧入される円筒 状の嵌合部35aと、この嵌合部35aから径方向内 方に延びる円板状の遮蔽部19bとを有している 。

 ここで、保護カバー35の嵌合部35aが外方 材2のインナー側の端部外周に圧入された後 嵌合部35aの端部を外径側から加締治具(図示 せず)によって環状溝20に向って塑性変形させ 、周方向等配に複数の加締部(係止部)36が形 されている。そして、保護カバー35の遮蔽部 19bが外方部材2のインナー側の端面2cに密着し た状態で加締部36が環状溝20に係合し、保護 バー35が外方部材2に対して軸方向に位置決 固定されている。

 このように、本実施形態では、磁気エン ーダ18を遮蔽するように外方部材2と内輪5と の開口部を閉塞すると共に、この遮蔽部19bの インナー側に磁気センサ22が配設され、当該 護カバー35を介して磁気エンコーダ18が所定 の軸方向すきま(エアギャップ)を介して対峙 れているので、磁束の流れ経路に影響せず 磁気センサ22による回転速度検出の精度低 の問題がない。したがって、遮蔽部19bと内 5との間のラビリンスシール23と相俟って、 気エンコーダ18と磁気センサ22とのすきまに 物が噛み込むのを防止して磁気エンコーダ1 8が異物の噛み込みによって損傷するのを確 に防止することができると共に、車両走行 の振動や外方部材2に負荷されるモーメント 重により繰り返し変形が生じて嵌合部35aが 動しても保護カバー35が軸方向に移動する とはない。

 さらに、本実施形態では、前述した特徴 他に以下の特徴を備えている。すなわち、 護カバー35が非磁性体のオーステナイト系 テンレス鋼鈑で形成され、この保護カバー35 を介して外方部材2がナックルに嵌合される で、保護カバー35の発錆を防止すると共に、 アルミ合金等の軽合金製からなるナックルと の組合せの場合、外方部材2に特殊な表面処 等を施さなくても、異種金属の組み合せに る腐食、すなわち、鋼製の外方部材2と軽合 製のナックルが、お互い接触させた状態で2 種の金属が腐食環境に曝されたた場合、電位 差の低い方の金属(この場合、軽合金製のナ クル)はアノード(陽極)となって早期に腐食 起こす、所謂、ガルバニック腐食によって ナックルが早期に電食を起こすのを防止す ことができる。

 図9(b)に示すように、加締部37の形状を変 しても良い。すなわち、外方部材2の端部外 周に断面が略台形の環状溝38が形成されると に、保護カバー39の嵌合部39aが外方部材2の ンナー側の端部外周に圧入された後、嵌合 39aの端縁を外径側から加締治具(図示せず) よって環状溝38に向って塑性変形させ、周方 向等配に複数の加締部37が形成されていても い。

 なお、ここでは、加締部36、37は、周方向 等配に複数形成されたものを例示したが、こ れに限らず、ローリング加締によって嵌合部 35a、39aの全周に形成しても良い。これにより 、保護カバー35、39の抜け耐力を一層増大さ ることができる。

 次に、図9(a)の変形例を図10に示す。この 形例は保護カバーの構成が一部異なるだけ 、その他前述した実施形態と同一部品同一 位あるいは同一機能を有する部位には同じ 号を付してその詳細な説明を省略する。

 この保護カバー40は、非磁性体のオース ナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系)か らプレス加工によって断面略L字状に形成さ 、外方部材2の端部外周に圧入される円筒状 嵌合部35aと、この嵌合部35aから径方向内方 延びる円板状の遮蔽部25aとを有している。 して、この遮蔽部25aの内径端部にシールリ プ26が加硫接着によって一体に接合されて る。

 このシールリップ26はNBR等の合成ゴムか なり、その先端は内輪5の大端面5bに所定の メシロを介して軸方向に摺接されている。 れにより、砂や金属片等の異物が遮蔽部25a 内輪5との間から検出部に侵入するのを確実 防止することができる。

 図11は、本発明に係る回転速度検出装置 き車輪用軸受装置の第4の実施形態を示す縦 面図、図12は、図11のD部を示す要部拡大図 ある。なお、この実施形態は、前述した第3 実施形態(図8)を従動輪側に適用したもので 第2の実施形態(図7)と保護カバーの構成が一 部異なるだけで、その他前述した実施形態と 同一部品同一部位あるいは同一機能を有する 部位には同じ符号を付してその詳細な説明を 省略する。

 この回転速度検出装置付き車輪用軸受装 は、外方部材2と、ハブ輪32、およびこのハ 輪32に所定のシメシロを介して圧入された 輪5からなる内方部材33と、両部材2、33間に 動自在に収容された複列の転動体3、3とを備 えている。

 外方部材2のインナー側の端部には保護カ バー41が装着されている。この保護カバー41 、非磁性体のオーステナイト系ステンレス 鈑(JIS規格のSUS304系)からプレス加工によって カップ状に形成され、図12に拡大して示すよ に、外方部材2の端部外周に圧入される円筒 状の嵌合部35aと、この嵌合部35aから径方向内 方に延びる円板状の遮蔽部19bと、この遮蔽部 19bから内方部材33のインナー側の端部を閉塞 る底部34aとを有している。これにより、砂 金属片等の異物が検出部に侵入するのを確 に防止することができると共に、インナー のシール10を構成するシール板13を廃止して もグリースの漏洩を防止することができ、低 コスト化を図ることができる。

 ここで、前述した実施形態と同様、外方 材2の端部外周に断面が略V字形の環状溝20が 形成され、保護カバー41の嵌合部35aに形成さ た加締部36が係合されている。これにより 保護カバー41が外方部材2に対して軸方向に 置決め固定され、車両走行時の振動や外方 材2に負荷されるモーメント荷重により繰り し変形が生じて嵌合部35aが微動しても保護 バー41が軸方向に移動することはない。

 以上、本発明の実施の形態について説明 行ったが、本発明はこうした実施の形態に 等限定されるものではなく、あくまで例示 あって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内 おいて、さらに種々なる形態で実施し得る とは勿論のことであり、本発明の範囲は、 許請求の範囲の記載によって示され、さら 特許請求の範囲に記載の均等の意味、およ 範囲内のすべての変更を含む。

 本発明に係る回転速度検出装置付き車輪 軸受装置は、内輪回転構造の第2または3世 構造の車輪用軸受装置に適用することがで る。

本発明に係る回転速度検出装置付き車 用軸受装置の第1の実施形態を示す縦断面図 である。 (a)は、図1のA部を示す要部拡大図であ 。 (b)は、(a)の保護カバーを示す平面図であ る。 図2(a)の変形例を示す要部拡大図である 。 (a)は、図2(a)の他の変形例を示す要部拡 大図である。 (b)は、(a)の保護カバーを示す 断面図である。 (a)は、図4(a)の保護カバーの嵌合部を示 す拡大図である。 (b)は、(a)の変形例を示す 大図である。 (c)は、(a)の他の変形例を示 拡大図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車 用軸受装置の第2の実施形態を示す縦断面図 である。 図6のB部を示す要部拡大図である。 本発明に係る回転速度検出装置付き車 用軸受装置の第3の実施形態を示す縦断面図 である。 (a)は、図8のC部を示す要部拡大図であ 。 (b)は、(a)の加締部の変形例を示す要部拡 大図である。 図9(a)の他の変形例を示す要部拡大図 ある。 本発明に係る回転速度検出装置付き車 輪用軸受装置の第4の実施形態を示す縦断面 である。 図11のD部を示す要部拡大図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸 受装置を示す要部拡大図である。

符号の説明

1、33・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・内方部材
2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・外方部材
2a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・外側転走面
2b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・車体取付フランジ
2c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・インナー側の端面
3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・転動体
4、32・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ハブ輪
4a、5a・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・内側転走面
4b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・小径段部
4c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・セレーション
5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・内輪
5b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・大端面
6・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・車輪取付フランジ
6a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ハブボルト
6b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・インナー側の基部
7・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・加締部
8・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・保持器
9・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・アウター側のシール
10・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・インナー側のシール
11、15・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・芯金
12、16・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・シール部材
12a、16a・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・サイドリップ
12b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ラジアルリップ
12c、16b・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・グリースリップ
13・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・シール板
14・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・スリンガ
14a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・円筒部
14b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・立板部
16c・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・中間リップ
17、23・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・ラビリンスシール
18・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・磁気エンコーダ
19、25、27、34、35、39、40、41・・保護カバー
19a、27a、35a、39a・・・・・・・・・・嵌合部
19b、25a・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・遮蔽部
20、28、30、31、38・・・・・・・・・・・環 溝
21、29・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・係止部
22・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・磁気センサ
24・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・スリット
26・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・シールリップ
34a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・底部
36、37・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・加締部
50・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・外方部材
51・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・内方部材
52・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ボール
53・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・内輪
54・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・シール装置
55・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ハブ輪
56・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・加締部
57・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・シール板
58・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・スリンガ
58a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・円筒部
58b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・立板部
59・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・芯金
60・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・シール部材
60a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・サイドリップ
60b、60c・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・ラジアルリップ
61・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・弾性部材
62・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・保護カバー
62a・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・嵌合部
62b・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・側板部
63・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・ラビリンスすきま
64・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・磁気センサ
d1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・遮蔽部の内径
d2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・磁気エンコーダの内径
G・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・エアギャップ
α・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・環状溝の壁面の傾斜角