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Patent Searching and Data


Title:
BEARING DEVICE FOR TURBOCHARGER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136481
Kind Code:
A1
Abstract:
In each of angular ball bearing, the distance between outer rings and the distance between inner rings are so set that the gap in the bearing when a turbocharger is operated is made to be a positive gap.

Inventors:
BANDO SHIGENORI (JP)
FUJII YOSHIKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058256
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
JTEKT CORP (JP)
BANDO SHIGENORI (JP)
FUJII YOSHIKI (JP)
International Classes:
F16C19/16; F01D25/16; F02B39/00; F16C25/08; F16C33/32; F16C33/66
Foreign References:
JP2005171796A2005-06-30
JP2007071356A2007-03-22
JPH061737U1994-01-14
JPH03108933U1991-11-08
JPS586008U1983-01-14
JPH06330761A1994-11-29
JP2000248954A2000-09-12
JPH08261230A1996-10-08
Other References:
See also references of EP 2141373A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGAHARA, Ichiro (Petit Chateau Gouda 205 2-8-25, Tamagawa-gakuen, Machida-sh, Tokyo 41, JP)
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Claims:
 排気ガスによって回転させられるタービンが回転軸の一端に設けられているターボチャージャで使用される軸受装置であって、回転軸を支持する複数の玉軸受を備えており、各玉軸受は、ターボチャージャの作動時の軸受内部すきまが正すきまとなるように、その外輪間距離および内輪間距離が設定されていることを特徴とするターボチャージャ用軸受装置。
 各玉軸受に予圧が付与されないようになされている請求項1のターボチャージャ用軸受装置。
 少なくとも玉がセラミックスとされている請求項1または2のターボチャージャ用軸受装置。
 前記軸受内部すきまは、20μmより大きく、且つ60μmより小さく設定される請求項1乃至3のいずれか一つのターボチャージャ用軸受装置。
 前記軸受内部すきまは、40μmより大きく設定される請求項4のターボチャージャ用軸受装置。
Description:
ターボチャージャ用軸受装置

 この発明は、高温の排気ガスによって回 させられるタービンを有しているターボチ ージャの回転軸を転がり軸受で回転自在に 持するターボチャージャ用軸受装置に関す 。

 従来、図5に示すように、排気ガスによっ て回転させられるタービン34が回転軸33の一 に設けられているターボチャージャで使用 れる軸受装置31として、潤滑油入口、潤滑油 出口、冷却水ジャケットなどが設けられてい るハウジング32に保持されて回転軸33を支持 る複列のアンギュラ玉軸受35、36を有してお 、各アンギュラ玉軸受35、36は、回転軸33の 速回転に対応するため、コイルばね37で予 された一対のスリーブ38、39を介して、ハウ ング32の内面に取り付けられているものが 示されている(例えば、特開2000-248954号公報)

 また、図示省略するが、特開平8-261230号 報には、ターボチャージャ用の軸受装置に いて、予圧の付与形態として、予圧用のコ ルばねを使用せずに、定位置予圧とするこ が提案されている。

 ターボチャージャでは、潤滑油中の異物 より、アンギュラ玉軸受の玉が損傷し、異 音が発生するという問題がある。アンギュ 玉軸受に予圧を付与すると、異物がアンギ ラ玉軸受の転走部に噛み込み易くなり、ま 、玉の自転軸が固定に近いものとなって、 の転走部位が変化せずに固定されるため、 物を噛み込んだ場合に玉の特定の部位にバ ド帯状の摩耗が発生しやすく、玉の損傷に して不利なものとなっている。

 この発明の目的は、玉の損傷を抑えて、 温から高温まで安定した回転を得ることが きるターボチャージャ用軸受装置を提供す ことにある。

 この発明によるターボチャージャ用軸受 置は、排気ガスによって回転させられるタ ビンが回転軸の一端に設けられているター チャージャで使用される軸受装置であって 回転軸を支持する複数の玉軸受を備えてお 、各玉軸受は、ターボチャージャの作動時 軸受内部すきまが正すきまとなるように、 の外輪間距離および内輪間距離が設定され いることを特徴とするものである。

 玉軸受は、通常、アンギュラ玉軸受とさ るが、これに限定されるものではない。

 玉軸受の外輪は、しまりばめ、中間ばめ 圧入またはすきまばめのルーズフィットな によりハウジングに取り付けられ、内輪は しまりばめ、中間ばめの圧入またはすきま めのルーズフィットなどにより回転軸に取 付けられる。軸受の材質としては、セラミ クまたは金属軸受鋼などのいずれでもよく 特に限定されるものではない。

 各玉軸受は、外輪および内輪が、ハウジ グおよび回転軸に対して、それぞれ位置決 固定された状態、つまり、軸受として定位 状態で組み込まれる。この組込み状態での 受の内部すきまは、正すきまでも負すきま も零すきまでも良い。

 一方、ターボチャージャ作動時には、玉 受の温度が例えば200~300℃程度に上昇し、回 転軸、ハウジング、内輪、外輪、玉等が熱膨 張する結果、軸受内部すきまは、組込み時か ら変化する。このターボチャージャ作動時に 軸受内部すきまが正すきまとなるように、軸 受組込み時において、各軸受の外輪間距離Wo よび内輪間距離Wiが設定される。

 上述したように、予圧を付与することは の損傷という点で不利なものであり、ター チャージャ作動時高温状態において、軸受 部すきまの絶対値が所定範囲内の正すきま 保持されることにより、玉の転走部位が変 することで低温から高温までの広い範囲に たって玉の摩耗が抑えられる。この結果、 の損傷に伴う異常音の発生が防止され、安 した回転を得ることができる。

 外輪間距離は、例えば、1対の外輪位置決 め部を間隔がWoとなるようにハウジングに形 し、各外輪の軸方向内側の端面をこの位置 め部に当接させることで所定値Woとするこ ができる。内輪間距離は、例えば、内輪間 長さがWiである間座を介在させ、各内輪の軸 方向内側の端面をこの間座端面に当接させる ことで所定値Wiとすることができる。外輪間 離および内輪間距離を所定値とするには、 輪間に間座を介在させるとともに、回転軸 内輪の位置決め部を形成するなどしてもよ 、種々の方法が可能である。また、複数の 軸受の外輪または内輪を一体型とするよう してもよい。

 ターボチャージャは、通常、回転軸の一 にタービンタービン羽根車が設けられ、他 にコンプレッサコンプレッサ羽根車が設け れたもので、タービンに高温の排気ガス例 ば900℃程度が供給される。この軸受装置は 一般的なターボチャージャのほか、可変ノ ルタイプや2ステージタイプなどの改良型タ ーボチャージャに対しても適用できる。また 、ターボチャージャは、ディーゼルエンジン 用であってもよく、ガソリンエンジン用であ ってもよい。

 外輪、内輪および玉のうち、少なくとも は、セラミックスであることが好ましい。 のようにすると、運転時の温度変化による 受内部のすきまの変化が抑えられ、低温か 高温まで安定した回転が得られるとともに 玉損傷がより一層軽減され、低騒音かつ長 命化が図られる。

 また、軸受内部すきまは、20μmより大き 、且つ60μmより小さく設定されることが好ま しく、さらに、40μmより大きく、且つ60μmよ 小さく設定されることがより好ましい。こ ようにすると、温度低下時の軸受内部すき を適切にできるとともに、回転軸の振動を 減させ、回転軸に取り付けられる羽根車と ースの干渉を防止することができる。

 この発明のターボチャージャ用軸受装置 よると、軸受内部すきまが正すきまとなる うに外輪間距離および内輪間距離を設定し この際、ターボチャージャ作動時において 正すきまが維持されるようにすることで、 滑油中に混入した異物が玉軸受の転走部に み込むことによって生じる玉の損傷を大幅 減少することができる。

図1は、この発明によるターボチャージ ャ用軸受装置の第1実施形態を示す縦断面図 ある。 図2は、この発明によるターボチャージ ャ用軸受装置の第2実施形態を示す縦断面図 ある。 図3は、この発明によるターボチャージ ャ用軸受装置の第3実施形態を示す縦断面図 ある。 図4は、この発明によるターボチャージ ャ用軸受装置の第4実施形態を示す縦断面図 ある。 図5は、この発明によるターボチャージ ャ用軸受装置が使用される1例としての従来 ターボチャージャを示す縦断面図である。

 この発明の実施の形態を、以下図面を参 して説明する。以下の説明において、各図 左右を左右というものとする。

 図1は、この発明によるターボチャージャ 用軸受装置の第1実施形態を示すもので、タ ボチャージャ用軸受装置1は、背面合せとな ように配置された左右1対のアンギュラ玉軸 受10、20を備えており、各アンギュラ玉軸受10 、20は、ハウジング2に取り付けられた外輪11 21、回転軸3に取り付けられた内輪12、22、両 輪11、12、21、22間に配された複数の玉13、23、 および複数の玉13、23を保持する保持器14、24 有している。

 ターボチャージャは、例えば図5に示した 構成とされ、エンジンの排気エネルギを利用 してタービンを駆動し、回転軸3を介してタ ビンと同軸に連結されたインペラで空気を 縮し、エンジンに供給するもので、回転軸3 毎分数万~数10万回転の高速で回転し、ター ンが高温の排気ガスにさらされることから ターボチャージャ用軸受装置1は、高温環境 で高速回転を受けるという厳しい条件下で使 用される。

 ハウジング2には、潤滑油入口2aおよび潤 油出口2bが設けられており、各アンギュラ 軸受10、20は、ハウジング2の潤滑油入口2aか 導入された潤滑油によって潤滑されている この潤滑油には、摩耗粉等の異物が混入し おり、この異物の転走部への噛み込みがア ギュラ玉軸受10、20の損傷原因の1つとなっ いる。

 外輪11、21および内輪12、22は、高炭素クロ 軸受鋼JIS規格SUJ2などや耐熱・耐食合金AISI規 格M-50、JIS規格高速度工具鋼SKHなどで形成さ 、適宜焼入れ、焼戻し処理が施されている また、玉13、23は、セラミックス材料で形成 れている。セラミックス材料としては、焼 助剤として、イットリアY 2 O 3 およびアルミナAl 2 O 3 、その他、適宜、窒化アルミAlN、酸化チタン TiO 2 を用いた窒化けい素Si 3 N 4 を主体とするものの他、アルミナAl 2 O 3 や炭化けい素SiC、ジルコニアZrO 2 、窒化アルミAlNなどがある。

 ハウジング2の左右端部内径には、外輪11 21の外径に等しい外径の環状の切欠き部が けられていることで、位置決め部段差部、4 5が形成されている。左右外輪11、21は、そ 軸方向内側の端面がこの位置決め部4、5に当 接するように、圧入されており、これにより 、左右外輪11、21間の距離Woが所定の値とされ ている。

 左右内輪12、22間には、間座6が設けられ おり、各内輪12、22の軸方向内側の端面をこ 間座6の左右端面に当接させることにより、 左右内輪12、22間の距離Wiが所定の値とされて いる。内輪12、22間距離Wiは、外輪11、21間距 Woよりも小さく設定されており、外輪11、21 ハウジング2に取り付けられた後に、内輪12 22を回転軸3に圧入することで、内輪12、22間 離Wiが確保されている。

 各アンギュラ玉軸受10、20の軸受内部すき まδは、従来と同じばね等による予圧付与状 ではなく、正すきま(δ>0)とされている。 の軸受内部すきまは、組込み状態において すきまであることはもちろんのこと、ター チャージャ作動時においても、正すきまと れており、外輪11、21間距離Woおよび内輪12 22間距離Wiは、ターボチャージャ作動時の状 を考慮して、その値が設定されている。尚 軸受内部すきまδは、ターボチャージャ作 時の高温状態(例えば、軸受温度で200-300℃) 基準として設定される。

 上述したように、本発明によれば、ターボ ャージャ作動時の軸受内部すきまは正すき (δ>0)であればよいが、20μm<δ<60μmと ることが好ましく、さらに40μm<δ<60μmと することがより好ましい。
 次の理由により、好ましい軸受内部すきま の下限値を20μm、40μmとした。ターボチャー ャの運転条件によってはターボチャージャ 稼働時間が短くなり、軸受の温度が低下す ことが考えられる。この際には、金属製の 道輪は、高温状態(例えば、軸受温度で200-30 0℃)に比べて、寸法収縮するが、セラミック の玉は殆ど寸法収縮しないため、軸受内部 きまが小さくなる(詰まる)傾向にある。よ て、温度低下時の軸受内部すきまの詰まり 考慮して、軸受内部すきまδの下限値を20μm 40μmとすることが好ましい。
 次の理由により、好ましい軸受内部すきま の上限値を60μmとした。軸受内部すきまδが きくなると、回転軸3の軸振れとそれに伴う 振動が大きくなる。また、軸振れが回転軸3 端部に設けられたタービン羽根車とターボ ャージャのケースとの間のすきま(クリアラ ス)より大きくなると、羽根車とケースとが 干渉する問題がある。よって、振動低減およ び、羽根車とケースの干渉防止のため、軸受 内部すきまδの上限値を60μmとすることが好 しい。

 なお、軸受内部すきまとして、ラジアル きまおよびアキシアルすきまが考えられる 、両者とも正すきま、もしくは片方のみ正 きまとなるように設定することができ、使 条件に応じて適切に設定すればよい。

 従来のようにコイルばねなどによってア ギュラ玉軸受10、20に予圧を付与すると、潤 滑油中に混入した異物がアンギュラ玉軸受10 20の転走部に噛み込むことにより、玉13、23 摩耗が発生し、接触面圧が大きいことから 玉13、23の損傷が大きいものとなる。

 これに対し、上記ターボチャージャ用軸 装置1によると、ターボチャージャ作動時高 温状態においても、正すきまが維持され、ま た、外輪11、21間距離Woおよび内輪12、22間距 Wiが設定されていることで、すきまの絶対値 が所定範囲内に保持されるので、低温から高 温までの広い範囲にわたって玉13、23の損傷 抑えられ、安定した回転を得ることができ 。

 外輪11、21間距離Woおよび内輪12、22間距離 Wiを設定するには、上記の実施形態に限られ ものではなく、以下に示すように、種々の 態が可能である。以下の説明において、第1 実施形態と同じ構成には同じ符号を付し、そ の説明を省略する。

 図2は、この発明によるターボチャージャ 用軸受装置の第2実施形態を示すもので、ハ ジング2に設けられている外輪11、21の位置決 め部段差部、4、5は、第1実施形態のものと同 じであり、第1実施形態で使用されていた左 内輪12、22間の間座6が省略されるとともに、 回転軸3が段付き状とされることにより、各 輪12、22を位置決めするための位置決め部段 部、7、8が回転軸3に設けられている。回転 3は、中央部分3aよりも径が大きくかつ中央 分3aの右側に連なる大径部3bと、中央部分3a りも径が小さくかつ中央部分3aの左側に連 る小径部3cとを有している。そして、右側の 内輪22は、中央部分3aに左方から圧入される ともに、大径部3bの左面に位置する段差部7 その右面が当接させられており、左側の内 12は、小径部3cに左方から圧入されるととも 、中央部分3aの左面に位置する段差部8にそ 右面が当接させられている。こうして、こ 実施形態では、回転軸3の中央部分3aの軸方 長さから右側の内輪22の軸方向長さを引い ものが内輪12、22間距離Wiとされている。

 図3は、この発明によるターボチャージャ 用軸受装置の第3実施形態を示すもので、左 内輪12、22間に介在させられる間座6は、第1 施形態と同じものとされ、第1実施形態では ウジング2に設けられていた外輪11、21の位 決め部段差部、4、5に代えて間座9が使用さ ている。

 すなわち、左右外輪11、21間にも、間座9 設けられており、各外輪11、21の軸方向内側 端面をこの間座9の左右端面に当接させるこ とにより、左右外輪11、21間の距離Woが所定の 値とされている。

 左右外輪11、21間に介在させられている間 座9には、ハウジング2の潤滑油入口2aおよび 滑油出口2bにそれぞれ通じている潤滑油流入 通路9aおよび潤滑油排出通路9bが設けられて る。

 図4は、この発明によるターボチャージャ 用軸受装置の第4実施形態を示すもので、左 内輪12、22間には間座6がなく、外輪11、21間 は間座9が介在させられている。すなわち、 輪12、22の位置決めは、図2に示した第2実施 態と同じにされ、外輪11、21の位置決めは、 図3に示した第3実施形態と同じにされている