| WO/2008/102529 | BEARING FOR WHEEL AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME |
| JP2004068891 | BEARING DEVICE FOR DRIVING WHEEL |
| JP3684364 | REAR HUB FOR BICYCLE |
大槻寿志 (〒37 静岡県磐田市東貝塚1578番地 NTN株式会社内 Shizuoka, 4380037, JP)
NTN株式会社 (〒03 大阪府大阪市西区京町堀1丁目3番17号 Osaka, 5500003, JP)
OHTSUKI, Hisashi (1578 Higashikaizuka, Iwata-sh, Shizuoka 37, 4380037, JP)
| 内周に複列の外側転走面を有する外方部材と、前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面を有する内方部材と、前記外方部材および内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容した複列の転動体とを備え、前記外方部材または内方部材のいずれか一方に車輪取付フランジを一体に形成した車輪用軸受装置であって、 少なくとも前記車輪取付フランジを有する外方部材または内方部材が鍛造後空冷または調質処理されており、それぞれの転走面が所定の表面硬さに焼入れ硬化され、前記内方部材はハブ輪を備え、このハブ輪は内径部にトルク伝達用のセレーションであって歯溝の溝底の断面形状が円弧状のセレーションが形成され、このセレーションの前記溝底の断面形状を成す溝底円弧の曲率半径を0.2mm以上0.8mm以下に規制した車輪用軸受装置。 |
| 前記内方部材が、車輪取付フランジを有する前記ハブ輪と、このハブ輪に圧入された内輪とを備え、前記外方部材の複列の外側転走面のうち一方の外側転走面に対向する内側転走面が前記ハブ輪の外周面に直接形成され、他方の外側転走面に対向する内側転走面が前記内輪の外周面に形成されている請求項1に記載の車輪用軸受装置。 |
| 前記車輪取付フランジのアウトボード側付け根部の表面硬さを20HRC以上35HRC以下に設定した請求項1に記載の車輪用軸受装置。 |
| 前記ハブ輪のインボード側端部を径方向外方に塑性変形させて加締部を形成し、この加締部で前記内輪を前記ハブ輪に対して軸方向に固定した請求項2に記載の車輪用軸受装置。 |
| 前記加締部を焼戻しによりその表面硬さを20HRC以上25HRC以下に設定した請求項4に記載の車輪用軸受装置。 |
| 前記外方部材の両端部にシールを装着し、そのアウトボード側のシールのシールリップが摺接するシールランド部を、前記車輪取付フランジのインボード側付け根部に形成すると共に、前記シールランド部の表面硬さを54HRC以上64HRC以下とした請求項2に記載の車輪用軸受装置。 |
| 前記内方部材または外方部材は、炭素0.40wt%以上0.80wt%以下を含む中炭素鋼からなる請求項1に記載の車輪用軸受装置。 |
| 請求項1に記載の車輪用軸受装置を製造する方法であって、 少なくとも前記車輪取付フランジを有する外方部材または内方部材が鍛造後空冷または調質処理し、それぞれの転走面を所定の表面硬さに焼入れ硬化し、前記のハブ輪の内径部にトルク伝達用のセレーションであって歯溝の溝底の断面形状が円弧状のセレーションを形成し、このセレーションの前記溝底の断面形状を成す溝底円弧の曲率半径を0.2mm以上0.8mm以下に規制する車輪用軸受装置の製造方法。 |
本出願は、2007年2月23日出願の特願2007-0435 98の優先権を主張するものであり、その全体 参照により本願の一部をなすものとして引 する。
この発明は、自動車等の車両の車輪を車 に対して回転自在に支承した車輪用軸受装 およびその製造方法に関し、特に回転曲げ 件下でのハブ輪の強度、耐久性を向上させ 車輪用軸受装置およびその製造方法に関す ものである。
自動車の車輪用軸受装置には、従動輪用 駆動輪用とがあり、それぞれの用途に応じ 種々の形式のものがあるが、例えば、図5に 示す従来の駆動輪用の車輪用軸受装置では、 ハブ輪51と内輪52とを備えた内方部材50と、複 列の転動体53、54と、外方部材55と、エンジン 動力をハブ輪51に伝達する等速自在継手56と 主要な構成要素としている。こうした駆動 輪用軸受装置において、車輪(図示せず)およ びブレーキロータ57を支持するハブ輪51には 鍛造の容易性、切削性、熱処理性、または 済性の面からS53C等の機械構造用の中炭素鋼 採用されている。このハブ輪51をはじめこ 種の車輪用軸受装置の小型・軽量化を図る とは、自動車の燃費向上と走行安定性の向 に大きく寄与するため、ハブ輪51の車輪取付 フランジ58のリブ化や薄肉化が進んでいる。 方、高性能化が進み軸受装置にかかる負荷 増大している。しかし、このハブ輪51自体 機械的強度が、素材である中炭素鋼の疲労 に近付きつつあり、これ以上の小型・軽量 及び耐久性の向上を図ることは難しくなっ きている。
特に、ハブ輪51においては、軽量化のた に車輪取付フランジ58を薄肉化する場合、そ のアウトボード側の付け根部、すなわち、ブ レーキロータ取付面59から円筒状のパイロッ 部60に延びる隅部61に回転曲げの応力が集中 し、対策が必要である。したがって、この隅 部61の寸法、つまり曲率半径を大きくするこ によって発生応力を緩和することも考えら るが、今度は車輪取付フランジ58に取り付 られるブレーキロータ57の干渉が問題となる ために限界がある。また、駆動輪用ハブ輪は 内周面に形成されたセレーション部64を設け 貫通穴で構成され、等速自在継手56のステ に設けたセレーションと嵌合しており、内 6が突き合される小径段部と内周面に形成さ たセレーション部64の間にも回転曲げの応 が集中し、高周波硬化処理を行っていない レーション部64に耐久性を高める対策が必要 な場合がある。
このような背景において、本出願人は、 輪取付フランジ58の形状・寸法を変更する となく、軽量化を図り、かつハブ輪51の強度 アップを図ることができる車輪用軸受装置を 既に提案している。この車輪用軸受装置は、 図4に示すように、ハブ輪51の車輪取付フラン ジ58の隅部61に表面硬化層62を高周波焼入れ等 によって形成している。これにより、回転曲 げ疲労の最弱部となる車輪取付フランジ58の 部61を高強度化することができ、ハブ輪51の 耐久性向上を図ることができる。
また、これ以外の部位、すなわち、図示し
い外方部材55のアウトボード側端部に装着
れたシールのシールリップが摺接するシー
ランド部をはじめ、軌道面から小径段部の
部位a~dに亙って、高周波焼入れ等によって
面硬化層63を形成している。さらには、ハブ
輪51の内周面に形成されたセレーション部64
も表面硬化層65を形成している。こうした表
面硬化層63、65により、各部位a~dにおいて要
される回転曲げ疲労強度、耐摩耗性、転が
疲労寿命等を向上させることができる(例え
、特許文献1)。
しかしながら、こうした従来の車輪用軸 装置において、ハブ輪51の車輪取付フラン 58の隅部61に表面硬化層62を形成することに り、車輪取付フランジ58の形状・寸法を変更 することなく、軽量化を図りつつハブ輪51の 度アップを図ることができるが、高周波焼 れ工程で車輪取付フランジ58に熱処理変形 生じ、ブレーキロータ取付面59の面振れが大 きくなるという新たな問題が発生した。この 傾向は車輪取付フランジ58の薄肉化にも起因 ている。この面振れは、ブレーキロータ57 振れに影響してブレーキジャダーを招来す ことになり、自動車の操縦安定性やドライ フィーリングが低下する。ここで、ハブ輪51 の熱処理後にこのブレーキロータ取付面59を らに旋削加工し、変形分を修正して面振れ 改善する方法も考えられるが、隅部61と未 入れ部であるブレーキロータ取付面59とに硬 度差があるため、隅部61の表面硬化層62との 界部に僅かな段差が発生するという相反す 問題が内在していた。また、ハブ輪51の内周 面に形成されたセレーション部64にも表面硬 層65を形成することは、セレーション部64が 熱処理変形をおこして、等速自在継手のステ ムのセレーションと適切なクリアランス(締 り嵌め乃至すきま嵌め)を確保出来ない問題 あった。
このような問題を解決するため、本件出 人は、外方部材または内方部材のいずれか 方に車輪取付フランジを一体に形成した車 用軸受装置において、少なくとも前記車輪 付フランジを有する外方部材または内方部 を調質処理した技術を提案している(特許文 献2)が、回転曲げ条件下でのハブ輪の強度、 久性をより確実に向上させたものが求めら ている。
本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、車輪取付フランジの形状・寸法 変更することなく、また、その面振れを劣 させることなく、軽量化を図りつつ、回転 げ条件下でのハブ輪の強度、耐久性をより 上させた車輪用軸受装置およびその製造方 を提供することを目的としている。
この発明の車輪用軸受装置は、内周に複 の外側転走面を有する外方部材と、前記複 の外側転走面に対向する複列の内側転走面 有する内方部材と、前記外方部材および内 部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収 した複列の転動体とを備え、前記外方部材 たは内方部材のいずれか一方に車輪取付フ ンジを一体に形成した車輪用軸受装置であ て、少なくとも前記車輪取付フランジを有 る外方部材または内方部材が鍛造後空冷ま は調質処理されており、それぞれの転走面 所定の表面硬さに焼入れ硬化され、前記内 部材はハブ輪を備え、このハブ輪は内径部 トルク伝達用のセレーションであって歯溝 溝底の断面形状が円弧状のセレーションが 成され、このセレーションの前記溝底の断 形状を成す溝底円弧の曲率半径を0.2mm以上0. 8mm以下に規制している。
この構成によると、少なくとも前記車輪取
フランジを有する外方部材または内方部材
、鍛造後空冷または調質処理し、外方部材
よび内方部材のそれぞれの転走面を所定の
面硬さに焼入れ硬化し、特に、セレーショ
の前記溝底の断面形状を成す溝底円弧の曲
半径、つまり隅Rを0.2mm以上0.8mm以下に規制
た。車輪から車輪軸受装置の車輪取付フラ
ジにモーメント荷重が負荷される。このた
車輪取付フランジのブレーキロータ取付面
隅部および内径部にセレーションを形成す
軸部は繰返し弾性変形する。特に内径部に
レーションを形成する軸部は軸方向に円弧
に弾性変形するとともに、回転方向には楕
状に弾性変形する。このためハブ輪軸部の
径面に断面が略台形をした凸状のセレーシ
ン歯が軸方向に25歯から35歯形成され、円周
向に連なっており、それぞれの歯の繋ぎ部
まり溝底は内径面が楕円状に弾性変形する
とにより、円周方向に引張、圧縮の応力が
用する。
この繋ぎ部つまり溝底の隅Rの半径寸法が0.2
mmより小さいと、内径部の弾性変形により、
の隅Rに応力が集中し、不具合を生じるおそ
れがある。逆に、隅Rの半径寸法が0.8mmより大
きいと、係合させる等速自在継手のステム部
に設けたセレーション部の外径が隅Rつまり
底に不所望に干渉してしまい、ハブ輪のセ
ーションと前記セレーション部とを好適に
接触させることができない。これにより、
ブ輪のセレーションに前記セレーション部
円滑に挿入することができないだけでなく
痕が発生する。また前記セレーション部を
入できたとしても駆動中にセレーション部
外径が隅Rに干渉して圧痕が発生する。この
痕に応力が集中し、不具合を生じるおそれ
ある。
換言すれば、ハブ輪のセレーションのう 隅Rの半径寸法を0.2mm以上0.8mm以下に規制し ので、内径部の弾性変形によって、セレー ョンのそれぞれの歯の繋ぎ部つまり溝底に 中する応力を緩和することができる。この うに隅Rに応力が集中することを緩和するこ ができると共に、係合させる等速自在継手 セレーション部の外径が隅Rに不所望に干渉 することを確実に防止し、ハブ輪のセレーシ ョンと前記セレーション部とを好適に面接触 させることが可能となる。したがって、ハブ 輪のセレーションに前記セレーション部を円 滑に挿入することが可能となり、挿入時およ び駆動時の圧痕発生を防止することができる 。それ故、このような圧痕に起因する応力集 中を未然に防止することができる。したがっ て、所望の軸受寿命を確保すると共に、車輪 取付フランジの形状・寸法や軸部の肉厚を変 更することなく、現行の加工方法や既存設備 のままで、回転曲げ疲労に対する強度、耐久 性を高めることができる。
この発明において、前記内方部材が、車 取付フランジを有する前記ハブ輪と、この ブ輪に圧入された内輪とを備え、前記外方 材の複列の外側転走面のうち一方の外側転 面に対向する内側転走面が前記ハブ輪の外 面に直接形成され、他方の外側転走面に対 する内側転走面が前記内輪の外周面に形成 れていても良い。この場合、車輪用軸受装 の小型・軽量化を図ることができると共に ハブ輪の強度、耐久性を従来のものより高 ることができる。
この発明において、前記車輪取付フラン のアウトボード側付け根部の表面硬さおよ セレーションを含む内径部を20HRC以上35HRC以 下に設定することが好ましい。この場合、切 削等の加工性が向上すると共に、熱処理変形 を抑制することができ、熱処理変形による車 輪取付フランジのブレーキロータ取付面の面 振れ精度の劣化を防止することができる。ま た、ハブボルトが圧入されるボルト孔の表面 硬さがそのハブボルトの表面硬さに近付き、 ハブボルトのセレーションが潰れて固着力が 低下するのを防止することができる。
この発明において、前記ハブ輪のインボ ド側端部を径方向外方に塑性変形させて加 部を形成し、この加締部で前記内輪を前記 ブ輪に対して軸方向に固定した、所謂セル リテイン構造としても良い。この場合、従 のようにナット等で強固に緊締して予圧量 管理する必要がないため、車両への組込性 簡便にすることができると共に、かつ長期 その予圧量を維持することができる。
この発明において、前記加締部を焼戻し よりその表面硬さを20HRC以上25HRC以下に設定 することが好ましい。この場合、従来のよう な鍛造後のままの未熱処理部に比べ、加締部 の硬さバラツキを抑制することができ、加工 性を低下させず、また塑性加工によって表面 に微小クラックが発生する恐れがなくなり、 一層品質面でその信頼性が向上する。
この発明において、前記外方部材の両端 にシールを装着し、そのアウトボード側の ールのシールリップが摺接するシールラン 部を、前記車輪取付フランジのインボード 付け根部に形成すると共に、前記シールラ ド部の表面硬さを54HRC以上64HRC以下とするこ とが好ましい。この場合、耐摩耗性が向上す るばかりでなく、車輪取付フランジに負荷さ れる回転曲げ荷重に対して充分な機械的強度 を増し、さらにハブ輪の強度、耐久性が向上 する。
この発明において、前記内方部材または 方部材は、炭素0.40wt%以上0.80wt%以下を含む 炭素鋼からなるものとすることが好ましい この場合、鍛造の容易性、切削性、熱処理 、または経済性の面から有利であると共に 特に、高周波焼入れ等に好適である。
また、この発明の車輪用軸受装置の製造 法は、この発明の車輪用軸受装置を製造す 方法であって、少なくとも前記車輪取付フ ンジを有する外方部材または内方部材が鍛 後空冷または調質処理し、それぞれの転走 を所定の表面硬さに焼入れ硬化し、前記ハ 輪の内径部にトルク伝達用のセレーション あって歯溝の溝底の断面形状が円弧状のセ ーションを形成し、このセレーションの前 溝底の断面形状を成す溝底円弧の曲率半径 0.2mm以上0.8mm以下に規制する。
この発明は、添付の図面を参考にした以下
好適な実施形態の説明からより明瞭に理解
れるであろう。しかしながら、実施形態お
び図面は単なる図示および説明のためのも
であり、この発明の範囲を定めるために利
されるべきでない。この発明の範囲は添付
クレームによって定まる。添付図面におい
、複数の図面における同一の部品番号は、
一部分を示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づ て詳細に説明する。図1は、本発明の第1の 施形態に係る車輪用軸受装置の断面図であ 。図2は、同車輪用軸受装置の要部の拡大断 図であり、図2(a)は、内輪の面取りと隅R部 の関係を表す拡大断面図、図2(b)は、ハブ輪 セレーションの一部を表す拡大断面図であ 。なお、以下の説明では、車両に組み付け 状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボ ド側(図面左側)、中央寄り側をインボード (図面右側)という。以下の説明は、車輪用軸 受装置の製造方法についての説明をも含む。
この車輪用軸受装置は、駆動輪用であっ 、ハブ輪1と複列の転がり軸受2とをユニッ 化し、ハブ輪1の内周に等速自在継手4の外側 継手部材40を、セレーションを介してトルク 達可能に嵌合した構造を備えている。
複列の転がり軸受2は、内周に複列の外側 転走面5a、5aが形成され、外周には車体(図示 ず)に固定される車体取付フランジ5bを一体 有する外方部材5と、この外側転走面5a、5a 対向する複列の内側転走面のうち、一方の 側転走面1aが外周に直接形成されたハブ輪1 、ハブ輪1の小径段部1bに圧入され、他方の 側転走面6aが外周に形成された内輪6と、前 外側転走面5a、5aと内側転走面1a、6a間に収容 された複列の転動体7、7を有している。複列 転動体7、7は、図示しない保持器によって 動自在に保持されている。ハブ輪1および内 6が内方部材3を形成している。また、複列 転がり軸受2の端部にはシール8、8が装着さ 、軸受内部に封入した潤滑グリースの漏洩 、外部からの雨水やダスト等の侵入を防止 ている。
ハブ輪1は、中心部に挿入孔42を有し、内 にトルク伝達用のセレーション(またはスプ ライン)9が形成されると共に、アウトボード の端部外周には、ブレーキロータ24と共に 輪WHを取付けるための車輪取付フランジ10を 体に有している。前記ハブ輪1のセレーショ ン9は、図2(b)に示すように、歯溝の溝底HSの 面形状が円弧状つまり隅Rに形成されている このセレーション9の前記溝底HSの断面形状 成す溝底円弧つまり隅Rの曲率半径Hmrを0.2mm 上0.8mm以下に規制している。また、前記車 取付フランジ10の円周方向等配には車輪を締 結するためのハブボルト11が植設されている
この車輪用軸受装置では、別体の内輪6を ハブ輪1の小径段部1bに圧入させた後、その小 径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させ ことにより加締部12が形成され、この加締 12でハブ輪1に対して内輪6を軸方向に固定し 複列の転がり軸受2とハブ輪1とをユニット している。このようなユニット化により、 定ナット等の締結手段を使用せずとも複列 転がり軸受2の予圧管理を行なうことができ 、所謂セルフリテイン構造の第3世代の車輪 用軸受装置を提供することができる。ここで は転動体7、7をボールとした複列アンギュラ 軸受を例示したが、これに限らず転動体に すいころを使用した複列円すいころ軸受で っても良い。
等速自在継手4は、外側継手部材40と、図 しない内側継手部材と、この内側継手部材 外側継手部材40間に収容されたトルク伝達 ールと、このトルク伝達ボールを円周方向 配に保持するケージとを備えている。外側 手部材40は、カップ状のマウス部13と、この ウス部13の底部をなす肩部14と、この肩部14 ら軸方向に延びるステム部15を一体に有し いる。このステム部15の外周面にはセレーシ ョン部16が形成され、端部には雄ねじ17が形 されている。
外側継手部材40のステム部15をハブ輪1の 入孔42に内嵌し、ハブ輪1に形成されたセレ ション9とステム部15のセレーション部16を係 合させることにより、トルク伝達可能として いる。そして、肩部14の端面をハブ輪1の加締 部12に衝合させた状態で、ステム部15の端部 固定ナット18により締結することにより、等 速自在継手4は複列の転がり軸受2に対して分 可能に固定されている。
この車輪用軸受装置において、ハブ輪1は 、日本工業規格、略称JIS:Japanese Industrial Stan dardsで規定される、例えばS53C等の炭素0.40wt% 上0.80wt%以下を含む中炭素鋼を熱間鍛造後、 述する結晶粒度を8番以上にする調質処理ま たは空冷が施され、その後旋削加工によって 所望の形状・寸法に形成されている。車輪取 付フランジ10におけるアウトボード側の付け 部、すなわち、ブレーキロータ取付面19か ブレーキロータ24の支持面となる円筒状のパ イロット部20に延びる隅部21は、ブレーキロ タ24が干渉しない程度の曲率半径を有する円 弧面またはヌスミに形成されている。また、 図2(a)に示すように、内輪6が突き合される軸 の小径段部1bには、シールランド部22、内側 転走面1a、小径段部1bの外径と同時研削され 内輪6の面取り6bと干渉しない隅R部1baが形成 れている。
本実施形態において、ハブ輪1は、例えば、
1050℃以上1300℃以下の温度範囲で熱間鍛造さ
た後に、一旦常温まで放冷された後、400℃
上の高温焼戻し(好ましくは800℃以上900℃以
下の温度範囲で1時間以上3時間以下の保持時
で焼入れ→冷却→400℃以上700以下で1時間以
上3時間以下の保持時間で焼戻しを行う。)を
て、トルースタイト組織またはソルバイト
織にする、所謂調質処理が施されている。
の調質処理により、組織は結晶粒度8番以上
に粒状化し、引張、曲げ、衝撃値等の機械的
性質が上昇して延性や靭性が高まる。前記結
晶粒度とは、顕微鏡観察断面で表された結晶
粒の大きさと同義であり、これを比較法また
は切断法によって求めた結晶粒度番号Nで表
ている。この検証粒度番号Nは、JISのG0551ま
はISO6431に規定されている。ここで結晶粒度
号Nとは、対象物を倍率100倍で観察したとき
に断面積1mm 2
あたりの結晶粒の数mを用いて、m=8×2 N
から定義される。
前述の表面硬さを上げることにより機械的
度は向上するが、ここでは調質処理後の表
硬さを20HRC以上35HRC以下に設定している。何
故なら、表面硬さを35HRCを超えて設定すると
硬さアップによって切削性が低下してバイ
やブローチの寿命が短くなると共に切削加
において車輪取付フランジ10のブレーキロ
タ取付面19の面振れ精度およびセレーション
の精度が劣化するからである。また、ハブボ
ルト11が圧入されるボルト孔11aの表面硬さが
のハブボルト11の表面硬さに近付き、ハブ
ルト11のセレーション11bが潰れて固着力が著
しく低下する恐れがあるからである。
さらに、前述した加締部12を形成する際 ハブ輪1のインボード側端部の表面硬さが35HR Cを超えると、加工性が低下するばかりでな 、塑性加工によって表面に微小クラックが 生する恐れがあり、品質面でその信頼性が 下する。塑性加工の面からは表面硬さが低 方が好ましいが、20HRC未満では十分な機械的 強度が得られない。この加締部12において、 の表面硬さを20HRC以上35HRC以下、好ましくは 20HRC以上25HRC以下に設定することにより信頼 が向上する。
このように、ハブ輪1を鍛造後に結晶粒度 を8番以上にする例えば、調質処理を施し、 望の表面硬さに設定することと、図2(b)に示 ように、特に、ハブ輪1のセレーション9の 底HSの断面形状を成す溝底円弧の歯元半径寸 法(JIS B 1603「インボリュートスプライン 歯 面合わせ、一般事項、諸元及び検査」等参照 )、つまり曲率半径Hmrを0.2mm以上0.8mm以下に規 することにより、以下のような作用、効果 奏する。
この隅Rの曲率半径Hmrが0.2mmより小さいと ハブ輪内径部の弾性変形によって、それぞ の歯の繋ぎ部つまり溝底に集中するし、不 合を生じるおそれがある。逆に、隅Rの半径 寸法が0.8mmより大きいと、係合させる等速自 継手13のセレーション部16の外径が隅Rつま 溝底HSに不所望に干渉してしまい、ハブ輪1 セレーション9と前記セレーション部16とを 適に面接触させることができない。これに り、ハブ輪1のセレーション9に前記セレーシ ョン部16を円滑に挿入することができないだ でなく圧痕が付く。この圧痕に応力が集中 、不具合を生じるおそれがある。
本実施形態では、ハブ輪1のうちセレーシ ョン9の隅Rの曲率半径Hmrを0.2mm以上に規制し ので、ハブ輪内径部の弾性変形によって、 レーション9のそれぞれの歯の繋ぎ部つまり 底に集中する応力を緩和することができる これと共に、セレーション9の隅Rの半径寸 を0.8mm以下に規制したので、係合させる等速 自在継手13のセレーション部16の外径が隅Rつ り溝底HSに不所望に干渉することを確実に 止し、ハブ輪1のセレーション9と前記セレー ション部16とを好適に面接触させることが可 となる。これにより、ハブ輪1のセレーショ ン9に前記セレーション部16を円滑に挿入する ことが可能となり、挿入時および駆動時の圧 痕発生を防止することができる。それ故、こ のような圧痕に起因する応力集中を未然に防 止することができる。
したがって、車輪取付フランジ10の形状 寸法や軸部の肉厚を変更することなく、現 の加工方法や既存設備のままで、回転曲げ 労の最弱部となる隅部21の強度や軸部の強度 を高めることができる。また、鍛造、調質後 に旋削加工を行なうことにより、車輪取付フ ランジ10のブレーキロータ取付面19の面振れ 度を、従来のものに比べ一層向上させるこ ができる。さらに、加締部12においては、塑 性加工時の加工性を低下させることなく、ク ラック発生を抑制することができ、品質面の 信頼性を維持することができる。
前記ハブ輪1の鍛造後の調質処理は、調質 炉に入れて行なう全面調質について説明した が、これに限らず、切削加工後に例えば、車 輪取付フランジ10の隅部21、内径セレーショ 部および加締部12に相当するハブ輪1のイン ード側端部のみを高周波によって加熱し、 望の表面硬さが得られる部分調質処理を施 ても良い。この場合、切削等の加工性を考 する必要はなく、例えば、車輪取付フラン 10の隅部21とセレーション9を含む内径部の表 面硬さを20HRC以上40HRC以下、加締部12の表面硬 さを20HRC以上25HRC以下というように、所定の 位を適宜所望の表面硬さに設定することが きる。
また、ハブ輪1は、アウトボード側の内側 転走面1aをはじめ、シール8が摺接するシール ランド部22、および小径段部1bに、高周波焼 れによって表面硬さを54HRC以上64HRC以下の範 に硬化層23(図中クロスハッチングで示す)が 形成されている。これにより、シールランド 部22は、耐摩耗性が向上するばかりでなく、 輪取付フランジ10に負荷される回転曲げ荷 に対して、充分な機械的強度を有し、ハブ 1の耐久性が向上する。小径段部1bに圧入さ る内輪6は、JISで規定されるSUJ2等の高炭素ク ロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部 まで58HRC以上64HRC以下の範囲で硬化処理され いる。
一方、外方部材5は、ハブ輪1と同様にS53C の炭素0.40wt%以上0.80wt%以下を含む中炭素鋼 形成され、複列の外側転走面5a、5aをはじめ シール8、8が嵌合する端部内径面は、高周 焼入れによって表面硬さを54HRC以上64HRC以下 範囲に硬化処理されている。
以上、ここでは、ハブ輪1の製造工程を、熱
間鍛造→調質→1次旋削(仕上がり形状に近い
郭形状に旋削する工程)・ボルト穴加工→高
周波焼入れ→2次旋削(車輪取付フランジ10の
レーキロータ取付面19と内径部等を仕上げ旋
削する工程)→ブローチ加工を有する工程と
て説明したが、これに限らず、熱間鍛造→
質→旋削・ボルト穴加工→高周波焼入れ→
ローチ加工または熱間鍛造→旋削・ボルト
加工→ブローチ加工→高周波焼入れを有す
工程としても良く、製造ラインの構成に適
合わせて作業の効率化を図ることができる
例えば、ハブ輪1を鍛造後に調質処理を施し
所望の表面硬さに設定するのに代えて、ハ
輪1を鍛造後空冷し、所望の表面硬さに設定
し、さらに、ハブ輪1のセレーション9におけ
溝底HSの断面形状を成す溝底円弧の曲率半
Hmrを0.2mm以上0.8mm以下に規制するようにして
良い。この場合にも、本実施形態と同様の
用、効果を奏する。
さらに耐久性を高めるため前述の加工後に
レーキロータ取付面59の隅部61とセレーショ
ン9を含む内径部にショットピーニング処理SP
を行うこととしてもよい。
ショットピーニング処理SPとはショットと
ばれる粒径数10μmから1.3mm程度の硬質な小球
、投射装置により加速噴射させ、被加工部
または部位に高速で衝突させる冷間加工方
であり、被加工部品または部位の表層部は
工硬化され、残留圧縮応力が生成される。
近ではWPC(Wide Peening Cleaning)処理、微粒子ピ
ーニング(Fine Paticle Peening:FPP)があり、ショ
トピーニング処理とは区別されているが、
義な意味ではショットピーニング処理に相
するものであり、ショットピーニング処理
この様な加工方法を用いるものとする。
例えば、ハブ輪1のインボード側内径面にシ
ョットノズルを配置して、ハブ輪1を回転さ
ながら、30μm以上80μm以下の鋼球を圧力0.3MPa
上0.5MPa以下の範囲で加速噴射させ、照射時
10秒以上30秒以下の範囲で衝突させる、いわ
ゆるノズル式ショットピーニング処理を行う
ことにより、表層部の硬さが24HRC以上40HRC以
に硬化され、表層部残留圧縮応力は400MPa以
600MPa以下が生成されるため、さらにハブ輪1
耐久性が向上する。
図3は、本発明の第2の実施形態にかかる 輪用軸受装置の断面図である。この実施形 はいわゆる第1世代の車輪用軸受装置である 以下の説明においては、各形態で先行する 態で説明している事項に対応している部分 は同一の参照符を付し、重複する説明を略 る場合がある。構成の一部のみを説明して る場合、構成の他の部分は、先行して説明 ている形態と同様とする。実施の各形態で 体的に説明している部分の組合せばかりで なく、特に組合せに支障が生じなければ、 施の形態同士を部分的に組合せることも可 である。
この車輪用軸受装置は、ブレーキロータ2 4と共に図示外の車輪を固定するハブ輪25と、 このハブ輪25を回転自在に支持し、外輪26、 対の内輪27、27、および内外輪27、26間に転動 自在に収容された複列の転動体7を有する車 用軸受28とを有している。この軸受28は車体 ナックル29に取り付けられ、図示外のドラ ブシャフトの動力をハブ輪25に伝達する等速 自在継手4が連結されている。ここでは転動 7、7をボールとした複列アンギュラ玉軸受を 例示したが、これに限らず転動体に円すいこ ろを使用した複列円すいころ軸受であっても 良い。
車輪用軸受28の外輪26は、ナックル29に内 され、止め輪30によって軸方向に位置決め 定されている。一方、一対の内輪27、27は、 ブ輪25に形成された円筒状の小径段部31に圧 入され、インボード側の内輪27の大径側端面 外側継手部材40の肩部14に衝合させた状態で 、ステム部15の端部を固定ナット18で締結す ことにより、等速自在継手4は分離可能に固 されている。
この車輪用軸受装置において、ハブ輪25 、S53C等の炭素0.40wt%以上0.80wt%以下を含む中 素鋼を熱間鍛造後に結晶粒度8番以上に全面 質処理が施され、表面硬さを20HRC以上35HRC以 下に設定している。このように、ハブ輪25を 造後に結晶粒度8番以上に調質処理を施し、 所望の表面硬さに設定すると共に、図2(b)に すように、ハブ輪25の内径部のセレーション の溝底HSの断面形状を成す溝底円弧の曲率半 Hmrを0.2mm以上0.8mm以下に規制することにより 、車輪取付フランジ10の形状・寸法を変更す ことなく、回転曲げ疲労の最弱部となる隅 21および軸部の強度を高めることができる
さらに、ハブ輪25の車輪取付フランジ10の インボード側付け根部32は、第1実施形態のイ ンボード側付け根部22と同様に、その曲率半 を可能な限り大きく設定し、この付け根部3 2から小径段部31にわたって高周波焼入れによ って表面硬さを54HRC以上64HRC以下の範囲に硬 層23(図中クロスハッチングで示す)が形成さ ている。この構成も加わって、車輪取付フ ンジ10に負荷される回転曲げ荷重に対して 分な機械的強度を発揮し、ハブ輪25の耐久性 が向上する。
小径段部31に圧入される一対の内輪27、27 、SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズ ブ焼入れにより芯部まで58HRC以上64HRC以下の 囲で硬化処理されている。この小径段部31に 所定の硬化層23が形成されていることにより 内輪27、27との間の嵌合面に発生するフレッ ティング摩耗を最小限に抑えることができる 。そのため、このフレッティング摩耗の発生 により、内輪27、27の嵌合面に、錆、摩耗、 たはかじり等が生じて内輪27、27を損傷する いうことがなくなり、耐久性を向上させる とができる。
なお、ハブ輪25の内周面に形成されたセ ーション9の表面には図2(b)に示したものと同 様に車輪取付フランジ10の形状・寸法や軸部 肉厚を変更することなく、回転曲げ疲労の 弱となる隅部21の強度や軸部の強度を高め ことができ、セレーション9の隅Rの曲率半径 Hmrを0.2mm以上に規制したので、ハブ輪内径部 弾性変形によって、セレーション9のそれぞ れの歯の繋ぎ部つまり溝底に集中する応力を 緩和することができる。これと共に、セレー ション9の隅Rの半径寸法を0.8mm以下に規制し ので、係合させる等速自在継手4のセレーシ ン部16の外径が隅Rつまり溝底HSに不所望に 渉することを確実に防止し、ハブ輪1のセレ ション9と前記セレーション部16とを好適に 接触させることが可能となる。これにより ハブ輪25のセレーション9に前記セレーショ 部16を円滑に挿入することが可能となり、 入時および駆動時の圧痕発生を防止するこ ができる。それ故、このような圧痕に起因 る応力集中を未然に防止することができ、 輪取付フランジ10の形状・寸法や軸部の肉厚 を変更することなく、回転曲げ疲労の最弱と なる隅部21の強度や軸部の強度を高めること でき、ハブ輪25の小型・軽量化に寄与する とができる。一方、外輪26は、内輪27と同様 SUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ 焼入れにより芯部まで54HRC以上64HRC以下の範 で硬化処理されている。以上説明した図3の 輪用軸受装置によれば、図1の車輪用軸受装 置と同様の効果を奏する。
以上、本発明の実施の形態について説明 行ったが、本発明はこうした実施の形態に 等限定されるものではなく、あくまで例示 あって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内 おいて、さらに種々なる形態で実施し得る とは勿論のことであり、本発明の範囲は、 許請求の範囲の記載によって示され、さら 特許請求の範囲に記載の均等の意味、およ 範囲内のすべての変更を含む。
