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Patent Searching and Data


Title:
BEARING DEVICE FOR WHEEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/084761
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] A bearing device for a wheel, in which contradictory problems of reduction in weight and size and an increase in rigidity of the device are simultaneously solved and which has increased strength and durability. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A bearing device for a wheel, having double-row rolling bodies and in which an inner ring (6) is axially fixed by a staked section (13c) formed by plastically and radially outwardly deforming an end of a small-diameter step section (13b) of a hub ring (13). Of the double rows of rolling bodies, the outer rolling body row is composed of tapered rollers (9) and the inner rolling body row is composed of balls (10). Further, the pitch circle diameter PCDo of the tapered rollers (9) in the outer row is set greater than the pitch circle diameter PCDi of the balls (10) in the inner row. Also, the number of the tapered rollers (9) and the number of the balls (10) are set to be the same. The construction reduces the weight and size of the bearing, increases the wall thickness of the hub ring (13) to improve strength, and increase the distance between working points to enhance the rigidity and service life of the entire bearing.

Inventors:
SHIGEOKA KAZUHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000008
Publication Date:
July 17, 2008
Filing Date:
January 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
SHIGEOKA KAZUHISA (JP)
International Classes:
F16C19/49; B60B35/02; B60B35/18; F16C33/46; F16C33/58; F16C33/60; F16C35/063
Foreign References:
JP2003232343A2003-08-22
JP2002195254A2002-07-10
JP2005265194A2005-09-29
JP2005297944A2005-10-27
JP2004169890A2004-06-17
Attorney, Agent or Firm:
KOSHIKAWA, Takao (111-2 Itayamachi, Naka-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 91, JP)
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Claims:
 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された少なくとも一つの内輪からなる内方部材と、
 この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体列とを備えた車輪用軸受装置において、
 前記複列の転動体列のうちアウター側の転動体列が円錐ころで構成され、インナー側の転動体列がボールで構成されると共に、前記アウターの円錐ころ列のピッチ円直径がインナー側のボール列のピッチ円直径よりも大径に設定され、これら円錐ころとボールの個数が同一に設定されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
 外周にナックルに取り付けられるための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が形成された外方部材と、
 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する内側転走面が形成された少なくとも一つの内輪からなる内方部材と、
 この内方部材と前記外方部材の両転走面間に保持器を介して転動自在に収容された複列の転動体列とを備えた車輪用軸受装置において、
 前記複列の転動体列のうちアウター側の転動体列が円錐ころで構成され、インナー側の転動体列がボールで構成されると共に、前記アウターの円錐ころ列のピッチ円直径がインナー側のボール列のピッチ円直径よりも小径に設定され、前記円錐ころとボールの個数が同一に設定されていることを特徴とする車輪用軸受装置。
 前記ハブ輪の外周にテーパ状の内側転走面が直接形成されると共に、この内側転走面から軸方向に延びる前記小径段部が形成され、この小径段部に所定のシメシロを介して前記内輪が圧入されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置。
 前記内側転走面の大径側に前記円錐ころを案内する大鍔が形成されると共に、前記円錐ころを保持する保持器が、当該円錐ころの径方向への脱落を防止するように形成されている請求項3に記載の車輪用軸受装置。
 前記小径段部の端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置。
Description:
車輪用軸受装置

 本発明は、自動車等の車輪を回転自在に 承する車輪用軸受装置、特に、軽量化と高 性化を図った車輪用軸受装置に関するもの ある。

 従来から自動車等の車輪を支持する車輪 軸受装置は、車輪を取り付けるためのハブ を転がり軸受を介して回転自在に支承する ので、駆動輪用と従動輪用とがある。構造 の理由から、駆動輪用では内輪回転方式が 従動輪用では内輪回転と外輪回転の両方式 一般的に採用されている。この車輪用軸受 置には、所望の軸受剛性を有し、ミスアラ メントに対しても耐久性を発揮すると共に 燃費向上の観点から回転トルクが小さい複 アンギュラ玉軸受が多用されている。一方 オフロードカーやトラック等、車体重量が む車両には複列円錐ころ軸受が使用されて る。

 また、車輪用軸受装置には、懸架装置を 成するナックルとハブ輪との間に複列アン ュラ玉軸受等からなる車輪用軸受を嵌合さ た第1世代と称される構造から、外方部材の 外周に直接車体取付フランジまたは車輪取付 フランジが形成された第2世代構造、また、 ブ輪の外周に一方の内側転走面が直接形成 れた第3世代構造、あるいは、ハブ輪と等速 在継手の外側継手部材の外周にそれぞれ内 転走面が直接形成された第4世代構造とに大 別されている。

 このうち図5に示す車輪用軸受装置は駆動 輪側の第3世代構造と称され、ハブ輪50と、こ のハブ輪50に固定された内輪51とからなる内 部材52と、この内方部材52に外挿された外方 材53とを備えている。なお、以下の説明で 、車両に組み付けた状態で車両の外側寄り なる側をアウター側(図面左側)、中央寄り側 をインナー側(図面右側)という。

 この車輪用軸受装置は、外周にナックル( 図示せず)に取り付けられるための車体取付 ランジ53cを一体に有し、内周に複列の外側 走面53a、53bが形成された外方部材53と、一端 部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪 付フランジ54を一体に有し、外周に複列の 側転走面53a、53bのうちアウター側の外側転 面53aに対向する内側転走面50aと、この内側 走面50aから軸方向に延びる小径段部50bが形 されたハブ輪50、およびこのハブ輪50の小径 部50bに外嵌され、複列の外側転走面53a、53b うちインナー側の外側転走面53bに対向する 側転走面51aが形成された内輪51からなる内 部材52と、これら両転走面間に収容された円 錐ころ55およびボール56と、これら円錐ころ55 およびボール56を転動自在に保持する保持器5 7、58とを備えた複列の転がり軸受で構成され ている。

 そして、外方部材53と内方部材52との間に 形成される環状空間の開口部にシール59、60 装着され、軸受内部に封入された潤滑グリ スの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダ ト等が侵入するのを防止している。

 このように、この従来の車輪用軸受装置は アウター側の転動体に円錐ころ55が使用さ ていることにより、車両の静止時だけでな 旋回時においても剛性が向上し、車輪用軸 装置の長寿命化を図ることができる(例えば 特許文献1参照。)。

特開2003-232343号公報

 こうした従来の車輪用軸受装置では、ア ター側の転動体に円錐ころ55が使用されて ることにより、装置の大型化を避けつつア ター側の軸受列の剛性が向上し、車輪用軸 装置の長寿命化を図ることができる。然し がら、アウター側の転動体に円錐ころ55を使 用したことにより、軸受トルクが増大するこ とは否めない。したがって、こうした従来の 車輪用軸受において、重量アップと剛性の低 下を抑えつつ、軸受トルクを低減させると共 に、さらにインナー側の剛性を高めるかが課 題となっていた。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、装置の軽量・コンパクト化と高 性化という相反する課題を同時に解決する 共に、強度・耐久性を向上させた車輪用軸 装置を提供することを目的としている。

 係る目的を達成すべく、本発明は、外周 ナックルに取り付けられるための車体取付 ランジを一体に有し、内周に複列の外側転 面が形成された外方部材と、一端部に車輪 取り付けるための車輪取付フランジを一体 有し、外周に小径段部が形成されたハブ輪 およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、 周に前記複列の外側転走面に対向する内側 走面が形成された少なくとも一つの内輪か なる内方部材と、この内方部材と前記外方 材の両転走面間に保持器を介して転動自在 収容された複列の転動体列とを備えた車輪 軸受装置において、前記複列の転動体列の ちアウター側の転動体列が円錐ころで構成 れ、インナー側の転動体列がボールで構成 れると共に、前記アウターの円錐ころ列の ッチ円直径がインナー側のボール列のピッ 円直径よりも大径に設定され、これら円錐 ろとボールの個数が同一に設定されている ・・・請求項1

 このように、複列の転動体列を備えた第2 または第3世代構造の車輪用軸受装置におい 、複列の転動体列のうちアウター側の転動 列が円錐ころで構成され、インナー側の転 体列がボールで構成されると共に、アウタ の円錐ころ列のピッチ円直径がインナー側 ボール列のピッチ円直径よりも大径に設定 れ、これら円錐ころとボールの個数が同一 設定されているので、インナー側に比べア ター側の軸受列の基本定格荷重が増大して 性および寿命を向上させることができる。 た、アウター側の円錐ころ列のピッチ円直 をインナー側のボール列のピッチ円直径よ も大径に設定することにより、ハブ輪の肉 が厚くなり、強度アップを図ることができ と共に、ピッチ円直径が拡径した分複列の 受の作用点距離が拡大し、全体の軸受剛性 寿命を向上させた車輪用軸受装置を提供す ことができる。

 また、本発明は、外周にナックルに取り けられるための車体取付フランジを一体に し、内周に複列の外側転走面が形成された 方部材と、一端部に車輪を取り付けるため 車輪取付フランジを一体に有し、外周に小 段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ の小径段部に圧入され、外周に前記複列の 側転走面に対向する内側転走面が形成され 少なくとも一つの内輪からなる内方部材と この内方部材と前記外方部材の両転走面間 保持器を介して転動自在に収容された複列 転動体列とを備えた車輪用軸受装置におい 、前記複列の転動体列のうちアウター側の 動体列が円錐ころで構成され、インナー側 転動体列がボールで構成されると共に、前 アウターの円錐ころ列のピッチ円直径がイ ナー側のボール列のピッチ円直径よりも小 に設定され、前記円錐ころとボールの個数 同一に設定されている。・・・請求項2

 このように、複列の転動体列を備えた第2 または第3世代構造の車輪用軸受装置におい 、複列の転動体列のうちアウター側の転動 列が円錐ころで構成され、インナー側の転 体列がボールで構成されると共に、アウタ の円錐ころ列のピッチ円直径がインナー側 ボール列のピッチ円直径よりも小径に設定 れ、円錐ころとボールの個数が同一に設定 れているので、軽量・コンパクト化を図り つ、インナー側に比べアウター側の軸受列 剛性低下を抑えることができると共に、ピ チ円直径の縮径により、円錐ころの接触面 、取り分け、大鍔と円錐ころの大端面との 触面積が減少して軸受トルクを低減させる とができる。

 好ましくは、本発明のように、前記ハブ の外周にテーパ状の内側転走面が直接形成 れると共に、この内側転走面から軸方向に びる前記小径段部が形成され、この小径段 に所定のシメシロを介して前記内輪が圧入 れていれば、一層装置の軽量・コンパクト ができる。・・・請求項3

 また、本発明のように、前記内側転走面 大径側に前記円錐ころを案内する大鍔が形 されると共に、前記円錐ころを保持する保 器が、当該円錐ころの径方向への脱落を防 するように形成されていれば、内側転走面 小径側に円錐ころの脱落を防止するための 鍔を廃止することができ、ハブ輪の加工性 向上すると共に、組立作業の簡素化や組立 自動化ができ低コスト化を図ることができ 。・・・請求項4

 また、本発明のように、前記小径段部の 部を径方向外方に塑性変形させて形成した 締部により前記内輪が軸方向に固定されて れば、一層軽量・コンパクト化を図ること できる。・・・請求項5

 本発明に係る車輪用軸受装置は、外周に ックルに取り付けられるための車体取付フ ンジを一体に有し、内周に複列の外側転走 が形成された外方部材と、一端部に車輪を り付けるための車輪取付フランジを一体に し、外周に小径段部が形成されたハブ輪、 よびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外 に前記複列の外側転走面に対向する内側転 面が形成された少なくとも一つの内輪から る内方部材と、この内方部材と前記外方部 の両転走面間に保持器を介して転動自在に 容された複列の転動体列とを備えた車輪用 受装置において、前記複列の転動体列のう アウター側の転動体列が円錐ころで構成さ 、インナー側の転動体列がボールで構成さ ると共に、前記アウターの円錐ころ列のピ チ円直径がインナー側のボール列のピッチ 直径よりも大径に設定され、これら円錐こ とボールの個数が同一に設定されているの 、インナー側に比べアウター側の軸受列の 本定格荷重が増大して剛性および寿命を向 させることができる。また、アウター側の 錐ころ列のピッチ円直径をインナー側のボ ル列のピッチ円直径よりも大径に設定する とにより、ハブ輪の肉厚が厚くなり、強度 ップを図ることができると共に、複列の軸 の作用点距離が拡大し、全体の軸受剛性と 命を向上させた車輪用軸受装置を提供する とができる。

 また、本発明に係る車輪用軸受装置は、 周にナックルに取り付けられるための車体 付フランジを一体に有し、内周に複列の外 転走面が形成された外方部材と、一端部に 輪を取り付けるための車輪取付フランジを 体に有し、外周に小径段部が形成されたハ 輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入さ 、外周に前記複列の外側転走面に対向する 側転走面が形成された少なくとも一つの内 からなる内方部材と、この内方部材と前記 方部材の両転走面間に保持器を介して転動 在に収容された複列の転動体列とを備えた 輪用軸受装置において、前記複列の転動体 のうちアウター側の転動体列が円錐ころで 成され、インナー側の転動体列がボールで 成されると共に、前記アウターの円錐ころ のピッチ円直径がインナー側のボール列の ッチ円直径よりも小径に設定され、前記円 ころとボールの個数が同一に設定されてい ので、軽量・コンパクト化を図りつつ、イ ナー側に比べアウター側の軸受列の剛性低 を抑えることができると共に、ピッチ円直 の縮径により、円錐ころの接触面積、取り け、大鍔と円錐ころの大端面との接触面積 減少して軸受トルクを低減させることがで る。

 外周にナックルに取り付けられるための 体取付フランジを一体に有し、内周に複列 外側転走面が形成された外方部材と、一端 に車輪を取り付けるための車輪取付フラン を一体に有し、外周に前記複列の外側転走 の一方に対向する内側転走面と、この内側 走面から軸方向に延びる小径段部が形成さ たハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に 入され、外周に前記複列の外側転走面の他 に対向する内側転走面が形成された内輪か なる内方部材と、この内方部材と前記外方 材の両転走面間に保持器を介して転動自在 収容された複列の転動体列とを備え、前記 径段部の端部を径方向外方に塑性変形させ 形成した加締部により前記内輪が前記ハブ に対して軸方向に固定された車輪用軸受装 において、前記複列の転動体列のうちアウ ー側の転動体列が円錐ころで構成され、イ ナー側の転動体列がボールで構成されると に、前記アウターの円錐ころ列のピッチ円 径がインナー側のボール列のピッチ円直径 りも大径に設定され、これら円錐ころとボ ルの個数が同一に設定されている。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づい 詳細に説明する。
 図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の第1 実施形態を示す縦断面図である。
 この車輪用軸受装置は第2世代と呼称される 駆動輪用であって、ハブ輪1と、このハブ輪1 固定された車輪用軸受2とを備えている。

 ハブ輪1は、アウター側の一端部に車輪( 示せず)を取り付けるための車輪取付フラン 3を一体に有し、外周にこの車輪取付フラン ジ3から肩部1aを介して軸方向に延びる小径段 部1bが形成され、内周にトルク伝達用のセレ ション(またはスプライン)1cが形成されてい る。車輪取付フランジ3にはハブボルト3aが周 方向等配に植設されている。

 車輪用軸受2は、ハブ輪1の肩部1aに衝合し た状態で小径段部1bに所定のシメシロを介し 圧入されている。このハブ輪1はS53C等の炭 0.40~0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、肩 1aから小径段部1bに亙って高周波焼入れによ て表面硬さを58~64HRCの範囲に硬化処理され いる。これにより、車輪取付フランジ3に負 される回転曲げ荷重に対して充分な機械的 度を有し、車輪用軸受2の嵌合部となる小径 段部1bの耐フレッティング性を向上させるこ ができる。

 車輪用軸受2は、外周に懸架装置を構成す るナックル(図示せず)に取り付けられるため 車体取付フランジ4cを一体に有し、内周に 列の外側転走面4a、4bが形成された外方部材4 と、外周にこれら複列の外側転走面4a、4bに 向する内側転走面5a、6aがそれぞれ形成され 2つの内輪5、6と、両転走面4a、5aおよび4b、6 a間に保持器7、8を介して転動自在に収容され た複数の円錐ころ9およびボール10を備えてい る。外方部材4と2つの内輪5、6との間に形成 れた環状空間の開口部にはシール11、12が装 され、軸受内部に封入されたグリースの外 への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸 内部に侵入するのを防止している。

 アウター側の各転走面4a、5aは円錐ころ9 ラインコンタクトするテーパ状に形成され と共に、インナー側の各転走面4b、6aはボー 10にアンギュラコンタクトする円弧状に形 されている。そして、アウター側の内輪5に ける内側転走面5aの大径側に円錐ころ9を案 するための大鍔5bと、小径側に円錐ころ9の 落を防止するための小鍔5cがそれぞれ形成 れている。

 外方部材4はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む 高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面4a、 4bが高周波焼入れによって表面硬さを58~64HRC 範囲に硬化処理されている。また、内輪5、6 および円錐ころ9、ボール10はSUJ2等の高炭素 ロム鋼で形成され、ズブ焼入れによって芯 まで58~64HRCの範囲に硬化処理されている。

 ここで、アウター側の円錐ころ9列のピッ チ円直径PCDoがインナー側のボール10列のピッ チ円直径PCDiよりも大径(PCDo>PCDi)に設定され ている。なお、本実施形態では、アウター側 の転動体に円錐ころ9、インナー側の転動体 ボール10が使用されているので、ピッチ円直 径PCDo、PCDiに径差があってもアウター側の円 ころ9列のころ個数Zoとインナー側のボール1 0列のボール個数Ziとが同一(Zo=Zi)に設定され いる。したがって、アウター側の円錐ころ9 のピッチ円直径PCDoをインナー側のボール10 のピッチ円直径PCDiよりも大径に設定するこ とにより、インナー側に比べアウター側の軸 受列の基本定格荷重が増大して剛性および寿 命を向上させることができる。また、ピッチ 円直径PCDoの拡径化によりハブ輪1の肉厚が厚 なり、強度アップを図ることができると共 、複列の軸受の作用点距離が拡大し、全体 軸受剛性と寿命を向上させた車輪用軸受装 を提供することができる。

 図2は、本発明に係る車輪用軸受装置の第 2の実施形態を示す縦断面図である。なお、 の実施形態は、前述した第1の実施形態(図1) 基本的にはハブ輪の構成が異なるだけで、 の他同一部品同一部位あるいは同一機能を する部位には同じ符号を付して詳細な説明 省略する。

 この車輪用軸受装置は第3世代と呼称され る従動輪用であって、外方部材4と、ハブ輪13 、およびこのハブ輪13の小径段部13bに圧入さ た内輪6からなる内方部材14とを備えている ハブ輪13は、外周にアウター側の外側転走 4aに対向するアウター側の内側転走面13aと、 この内側転走面13aから軸方向に延びる小径段 部13bが形成されている。内輪6はこの小径段 13bに所定のシメシロを介して圧入され、小 段部13bの端部を径方向外方に塑性変形させ 形成した加締部13cによって軸方向に固定さ ている。

 外方部材4とハブ輪13および内輪6との間に 形成された環状空間の開口部にはシール15、1 2が装着され、軸受内部に封入されたグリー の外部への漏洩と、外部から雨水やダスト が軸受内部に侵入するのを防止している。

 また、ハブ輪13の内側転走面13aは、円錐 ろ9とラインコンタクトするテーパ状に形成 れると共に、この内側転走面13aの大径側に 錐ころ9を案内する大鍔13dが一体に形成され ている。なお、ここでは、保持器7’が円錐 ろ9の径方向内方への脱落を防止するように 成されている。これにより、内側転走面13a 小径側に円錐ころ9の脱落を防止する小鍔を 廃止することができ、ハブ輪13の加工性が向 すると共に、組立作業の簡素化や組立の自 化ができ低コスト化を図ることができる。

 このハブ輪13はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含 中高炭素鋼で形成され、シール15が摺接す シールランド部3bから内側転走面13aおよび小 径段部13bに亙って高周波焼入れによって表面 硬さを58~64HRCの範囲に硬化処理されている。 お、加締部13cは鍛造加工後の表面硬さのま とされている。

 ここで、本実施形態は、前述した実施形 と同様、アウター側の円錐ころ9列のピッチ 円直径PCDoがインナー側のボール10列のピッチ 円直径PCDiよりも大径(PCDo>PCDi)に設定される と共に、アウター側の円錐ころ9列のころ個 Zoが、インナー側のボール10列におけるボー 個数Ziと同一(Zo=Zi)に設定されている。した って、インナー側に比べアウター側の軸受 の基本定格荷重が増大して剛性および寿命 向上させることができる。また、アウター の円錐ころ9列のピッチ円直径PCDoをインナ 側のボール10列のピッチ円直径PCDiよりも大 に設定することにより、ハブ輪1の肉厚が厚 なり、強度アップを図ることができると共 、複列の軸受の作用点距離が拡大し、全体 軸受剛性と寿命を向上させることができる

 図3は、本発明に係る車輪用軸受装置の第 3の実施形態を示す縦断面図である。なお、 述した実施形態と同一部品同一部位あるい 同一機能を有する部位には同じ符号を付し 詳細な説明を省略する。

 この車輪用軸受装置は第2世代と呼称され る駆動輪用であって、ハブ輪16と、このハブ 16に固定された車輪用軸受17とを備えている 。ハブ輪16は、アウター側の一端部に車輪取 フランジ3を一体に有し、外周にこの車輪取 付フランジ3から肩部1aを介して軸方向に延び る小径段部16bが形成され、内周にトルク伝達 用のセレーション(またはスプライン)1cが形 されている。

 車輪用軸受17は、ハブ輪16の肩部1aに衝合 た状態で小径段部16bに所定のシメシロを介 て圧入されている。このハブ輪16はS53C等の 素0.40~0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、 部1aから小径段部16bに亙って高周波焼入れ よって表面硬さを58~64HRCの範囲に硬化処理さ れている。これにより、車輪取付フランジ3 負荷される回転曲げ荷重に対して充分な機 的強度を有し、車輪用軸受17の嵌合部となる 小径段部16bの耐フレッティング性を向上させ ることができる。

 車輪用軸受17は、外周に車体取付フラン 4cを一体に有し、内周に複列の外側転走面4a 18aが形成された外方部材18と、外周にこれ 複列の外側転走面4a、18aに対向する内側転走 面5a、19aがそれぞれ形成された2つの内輪5、19 と、両転走面4a、5aおよび18a、19a間に保持器7 20を介して転動自在に収容された複数の円 ころ9およびボール10を備えている。外方部 18と2つの内輪5、19との間に形成された環状 間の開口部にはシール11、21が装着され、軸 内部に封入されたグリースの外部への漏洩 、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵 するのを防止している。

 アウター側の各転走面4a、5aは円錐ころ9 ラインコンタクトするテーパ状に形成され と共に、インナー側の各転走面18a、19aはボ ル10にアンギュラコンタクトする円弧状に形 成されている。そして、アウター側の内輪5 おける内側転走面5aの大径側に円錐ころ9を 内するための大鍔5bと、小径側に円錐ころ9 脱落を防止するための小鍔5cがそれぞれ形成 されている。

 外方部材18はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む 高炭素鋼で形成され、複列の外側転走面4a 18aが高周波焼入れによって表面硬さを58~64HRC の範囲に硬化処理されている。また、内輪19 SUJ2等の高炭素クロム鋼で形成され、ズブ焼 入れによって芯部まで58~64HRCの範囲に硬化処 されている。

 ここで、本実施形態では、アウター側の 錐ころ9列のピッチ円直径PCDoがインナー側 ボール10列のピッチ円直径PCDiよりも小径(PCDo <PCDi)に設定されると共に、アウター側の円 錐ころ9列のころ個数Zoとインナー側のボール 10列のボール個数Ziとが同一(Zo=Zi)に設定され いる。これにより、軽量・コンパクト化を りつつ、インナー側に比べアウター側の軸 列の剛性低下を抑えることができると共に ピッチ円直径PCDoの縮径により、円錐ころ9 接触面積、取り分け、大鍔5bと円錐ころ9の 端面との接触面積が減少して軸受トルクを 減させることができる。

 図4は、本発明に係る車輪用軸受装置の第 4の実施形態を示す縦断面図である。なお、 の実施形態は、前述した第3の実施形態と基 的にはハブ輪の構成が異なるだけで、その 同一部品同一部位あるいは同一機能を有す 部位には同じ符号を付して詳細な説明を省 する。

 この車輪用軸受装置は第3世代と呼称され る従動輪用であって、外方部材18と、ハブ輪2 2、およびこのハブ輪22の小径段部22bに圧入さ れた内輪19からなる内方部材23とを備えてい 。ハブ輪22は、外周にアウター側の外側転走 面4aに対向するアウター側の内側転走面22aと この内側転走面22aから軸方向に延びる小径 部22bが形成されている。内輪19はこの小径 部22bに所定のシメシロを介して圧入され、 径段部22bの端部を径方向外方に塑性変形さ て形成した加締部22cによって軸方向に固定 れている。

 外方部材18とハブ輪22および内輪19との間 形成された環状空間の開口部にはシール11 21が装着され、軸受内部に封入されたグリー スの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト 等が軸受内部に侵入するのを防止している。

 また、ハブ輪22の内側転走面22aは、円錐 ろ9とラインコンタクトするテーパ状に形成 れると共に、この内側転走面22aの大径側に 錐ころ9を案内する大鍔22dが一体に形成され ている。なお、ここでは、保持器7’が円錐 ろ9の径方向内方への脱落を防止するように 成されている。これにより、内側転走面22a 小径側に円錐ころ9の脱落を防止する小鍔を 廃止することができ、ハブ輪22の加工性が向 すると共に、組立作業の簡素化や組立の自 化ができ低コスト化を図ることができる。

 このハブ輪22はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含 中高炭素鋼で形成され、内側転走面22aをは め、肩部3bから小径段部22bに亙って高周波 入れによって表面硬さを58~64HRCの範囲に硬化 処理されている。なお、加締部22cは鍛造加工 後の表面硬さのままとされている。

 ここで、本実施形態は、前述した実施形 と同様、アウター側の円錐ころ9列のピッチ 円直径PCDoがインナー側のボール10列のピッチ 円直径PCDiよりも小径(PCDo<PCDi)に設定される と共に、アウター側の円錐ころ9列のころ個 Zoが、インナー側のボール10列におけるボー 個数Ziと同一(Zo=Zi)に設定されている。した って、軽量・コンパクト化を図りつつ、イ ナー側に比べアウター側の軸受列の剛性低 を抑えることができると共に、ピッチ円直 PCDoの縮径により、円錐ころ9の接触面積が 少して軸受トルクを低減させることができ 。

 以上、本発明の実施の形態について説明 行ったが、本発明はこうした実施の形態に 等限定されるものではなく、あくまで例示 あって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内 おいて、さらに種々なる形態で実施し得る とは勿論のことであり、本発明の範囲は、 許請求の範囲の記載によって示され、さら 特許請求の範囲に記載の均等の意味、およ 範囲内のすべての変更を含む。

 本発明に係る車輪用軸受装置は、駆動輪 、従動輪用に拘わらず、第2または第3世代 造の車輪用軸受装置に適用することができ 。

本発明に係る車輪用軸受装置の第1の実 施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第2の実 施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第3の実 施形態を示す縦断面図である。 本発明に係る車輪用軸受装置の第4の実 施形態を示す縦断面図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図 ある。

符号の説明

1、13、16、22・・・・・ハブ輪
1a・・・・・・・・・・・・・肩部
1b、13b、16b、22b・小径段部
1c・・・・・・・・・・・・・セレーション
2、17・・・・・・・・・・・車輪用軸受
3・・・・・・・・・・・・・・車輪取付フ ンジ
3a・・・・・・・・・・・・・ハブボルト
3b・・・・・・・・・・・・・肩部
4、18・・・・・・・・・・・外方部材
4a、4b、18a・・・・・・外側転走面
4c・・・・・・・・・・・・・車体取付フラ ジ
5、6、19・・・・・・・・・内輪
5a、6a、13a、19a・・内側転走面
5b、13d、22d・・・・・大鍔
5c・・・・・・・・・・・・・小鍔
7、7’、8、20・・・・・・保持器
9・・・・・・・・・・・・・・円錐ころ
10・・・・・・・・・・・・・ボール
11、12、15、21・・・・シール
13c、22c・・・・・・・・加締部
14、23・・・・・・・・・・内方部材
50・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
50a、51a・・・・・・・・内側転走面
50b・・・・・・・・・・・・小径段部
51・・・・・・・・・・・・・内輪
52・・・・・・・・・・・・・内方部材
53・・・・・・・・・・・・・外方部材
53a、53b・・・・・・・・外側転走面
53c・・・・・・・・・・・・車体取付フラン ジ
54・・・・・・・・・・・・・車輪取付フラ ジ
55・・・・・・・・・・・・・円錐ころ
56・・・・・・・・・・・・・ボール
57、58・・・・・・・・・・保持器
59、60・・・・・・・・・・シール
PCDi・・・・・・・・・・・インナー側のボ ル列のピッチ円直径
PCDo・・・・・・・・・・・アウター側の円 ころ列のピッチ円直径
Zi・・・・・・・・・・・・・インナー側の ール列のボール個数
Zo・・・・・・・・・・・・・アウター側の 錐ころ列のころ個数