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Title:
BEARING-LESS MOTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093428
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a bearing-less motor, which is enabled to perform stable magnetic floating rotations even in a wide gap length by eliminating a thrust disc. A stator (41) and an iron core (61) constitute a unit (101) of a first bearing-less motor, and a stator (43) and an iron core (63) constitute a unit (103) of a second bearing-less motor. Between these unit (101) and unit (103), moreover, there is newly arranged a thrust magnetic bearing unit (102) which is composed of an iron core (62) and a stator (42) and given a thrust magnetic bearing function. A stator-side annular thrust permanent magnet (73) and a rotor-side annular thrust permanent magnet (81) are mounted between the unit (101) and the unit (103), and a stator-side annular thrust permanent magnet (75) and a rotor-side annular thrust permanent magnet (83) are mounted between the unit (102) and the unit (103).

Inventors:
CHIBA AKIRA (JP)
TAKEMOTO MASATSUGU (JP)
FUKAO TADASHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/000162
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOKYO SCI EDUC FOUND (JP)
CHIBA AKIRA (JP)
TAKEMOTO MASATSUGU (JP)
FUKAO TADASHI (JP)
International Classes:
H02K1/06; F16C32/04; H02K7/09
Foreign References:
JPH05272537A1993-10-19
JP2001190045A2001-07-10
JP2003102145A2003-04-04
JP2003199288A2003-07-11
JPH0332338A1991-02-12
JPH05272537A1993-10-19
Other References:
T. SUZUKI; A. CHIBA; M. A: RAHMAN; T. FUKAO: "An air-gap-magnetic flux-oriented vector controller for stable operation of bearingless induction motors", IEEE TRANS. ON INDUSTRY APPLICATIONS, vol. 36, no. 4, 2000, pages 1069 - 1076
OSHIMA; MIYAZAWA; CHIBA; NAKAMURA; FUKAO: "Identification Methods of Radial Force Parameters for Salient-pole Permanent Magnet Synchronous Bearingless Motors", THE TRANSACTIONS OF THE INSTITUTE OF ELECTRICAL ENGINEERS OF JAPAN, vol. 124-D, no. 8, 2004, pages 784 - 791
M. TAKEMOTO; M. UYAMA; A. CHIBA; H. AKAGI; T. FUKAO: "A Deeply-Buried Permanent Magnet Bearingless Motor with 2-pole Motor Windings and 4-pole Suspension Windings", CONF. REC. OF THE 2003 IEEE-IAS ANNUAL MEETING, 2003, pages 1413 - 1420
T. SATOH; S. MORI; M. OHSAWA: "Study of induction type bearingless canned motor pump", PROC. IPEC-TOKYO 2000, 2000, pages 389 - 394
C. REDEMANN; P. MEUTER; A. RAMELLA; T. GEMPP: "Development and prototype of a 30 kW bearingless canned motor pump", PROC. IPEC-TOKYO, 2000, pages 377 - 382
Attorney, Agent or Firm:
SHIINA, Masatoshi (10-9 Hatchobori 4-chome, Chuo-k, Tokyo 32, JP)
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Claims:
回転子と、
該回転子を回転させる回転起磁力を発生する第1の電動機起磁力発生手段と、
前記回転子を径方向に支持する支持起磁力を発生する第1の支持起磁力発生手段を有する第1のベアリングレスモータユニットと、
前記回転子を回転させる回転起磁力を発生する第2の電動機起磁力発生手段と、
前記回転子を径方向に支持する支持起磁力を発生する第2の支持起磁力発生手段を有する第2のベアリングレスモータユニットと、
前記第1のベアリングレスモータユニットと第2のベアリングレスモータユニット間で磁束を発生する磁束発生手段と、
該磁束発生手段により生じた磁束を前記第1のベアリングレスモータユニット及び第2のベアリングレスモータユニットの磁束に対し重畳若しくは相殺することでスラスト方向の起磁力を発生させるスラスト力発生手段とを備えたことを特徴とするベアリングレスモータ。
前記回転子には永久磁石を備え、
前記スラスト方向の起磁力と前記各支持起磁力とを非干渉化させたことを特徴とする請求項1記載のベアリングレスモータ。
第1の電動機巻線と第1の支持巻線とを同一の鉄心に捲回した第1の固定子、及び、該第1の固定子の内側若しくは外側に配設され、該第1の固定子に対し所定のギャップを隔てて対峙し半径方向に着磁する第1のラジアル永久磁石が周状に配設された第1の回転子を有する第1のベアリングレスモータユニットと、
第2の電動機巻線と第2の支持巻線とを同一の鉄心に捲回した第2の固定子、及び、該第2の固定子の内側若しくは外側に配設され、該第2の固定子に対し所定のギャップを隔てて対峙し半径方向に着磁する第2のラジアル永久磁石が周状に配設された第2の回転子を有する第2のベアリングレスモータユニットと、
前記第1の固定子と前記第2の固定子の間に配設され、回転軸回りにスラスト軸支持巻線が捲回された第3の固定子、及び、該第3の固定子の内側若しくは外側に配設され、該第3の固定子に対し所定のギャップを隔てて対峙した第3の回転子を有するスラスト磁気軸受ユニットと、
前記第1の固定子と前記第3の固定子の間に配設され軸方向に着磁された第1のスラスト永久磁石と、前記第2の固定子と前記第3の固定子の間に配設され軸方向に着磁された第2のスラスト永久磁石とを備え、
前記第1の回転子及び前記第2の回転子は前記各ラジアル永久磁石の配設された第1の回転子部とラジアル永久磁石の配設されない鉄心のみの第2の回転子部とが軸方向に連接又は一体に形成され、かつ該第2の回転子部と前記第3の回転子とが連接又は一体に形成されたことを特徴とするベアリングレスモータ。
第1の電動機巻線と第1の支持巻線とを同一の鉄心に捲回した第1の固定子、及び、該第1の固定子の内側若しくは外側に配設され、該第1の固定子に対し所定のギャップを隔てて対峙し半径方向に着磁する第1のラジアル永久磁石が周状に配設された第1の回転子を有する第1のベアリングレスモータユニットと、
第2の電動機巻線と第2の支持巻線とを同一の鉄心に捲回した第2の固定子、及び、該第2の固定子の内側若しくは外側に配設され、該第2の固定子に対し所定のギャップを隔てて対峙し半径方向に着磁する第2のラジアル永久磁石が周状に配設された第2の回転子を有する第2のベアリングレスモータユニットと、
前記第1の固定子と前記第2の固定子の間に配設され、回転軸回りにスラスト軸支持巻線が捲回された第3の固定子、及び、該第3の固定子の内側若しくは外側に配設され、該第3の固定子に対し所定のギャップを隔てて対峙した第3の回転子を有するスラスト磁気軸受ユニットと、
前記第1の固定子と前記第3の固定子の間に配設され軸方向に着磁された第1のスラスト永久磁石と、前記第2の固定子と前記第3の固定子の間に配設され軸方向に着磁された第2のスラスト永久磁石と、
前記第1の回転子と前記第3の回転子の間に配設され軸方向に着磁された第3のスラスト永久磁石と、前記第2の回転子と前記第3の回転子の間に配設され軸方向に着磁された第4のスラスト永久磁石とを備え、
前記第1の回転子及び前記第2の回転子は前記各ラジアル永久磁石の配設された第1の回転子部とラジアル永久磁石の配設されない鉄心のみの第2の回転子部とが軸方向に連接又は一体に形成されたことを特徴とするベアリングレスモータ。
Description:
ベアリングレスモータ

 本発明はベアリングレスモータに係わり 特にスラストディスクを無くしワイドギャ プ長でも安定な磁気浮上回転が可能なベア ングレスモータに関する。

 電動機の高速・高出力化、メンテナンス リー化を実現するために、ベアリングレス ータが提案され、国内外で盛んに研究・開 されている(非特許文献1~5参照)。ベアリン レスモータは1つの固定子に電動機巻線と軸 持巻線の2種類の巻線を施すことで、モータ と磁気軸受を一体化し、モータ自体に磁気軸 受機能を持たせた回転電気機械である。回転 子は非接触で磁気支持できるため、無摩擦・ 無発塵・無潤滑であり、定期的な保守を必要 としない。

 この様なベアリングレスモータをキャン モータポンプに適用すると、ロータと一体 したインペラを完全非接触で浮上回転させ ことができるため、シール(軸封)・軸受・ 滑油などが不要となり、メンテナンスフリ で発塵の無いクリーンな液送が可能なポン を実現できる(非特許文献4、5参照)。

 しかし、この様な用途では、液体が固定 と回転子の間に流れ込むため、固定子・回 子表面を隔壁で覆う必要がある。加えて、 い化学耐性を持たせるには、テフロン(登録 商標)樹脂などを用いた厚い隔壁にする必要 あるため、固定子鉄心と回転子鉄心の間の 気的なギャップ長は、通常の10倍近い4~5mm以 のワイドギャップ長となる。ワイドギャッ 長になると磁気抵抗が増すため、回転子を 持する軸支持力が発生しづらくなり、安定 磁気浮上回転を実現することは難しい。

 そこで、発明者らは、ワイドギャップ長 おいても十分な軸支持力を発生でき、完全 接触で磁気浮上回転が可能な5軸能動制御型 の構造を提案している。

 図18にこのキャンドモータポンプ用途向け 従来の5軸能動制御型ベアリングレスモータ 全体構造図を示す。
 図18において、回転軸7の主軸方向ほぼ中央 周囲には環状の回転子9が固定されている。 回転子9の中央外周部分には外方に向けて凹 11が環状に形成されている。そして、この凹 部11の左側には左側環状凸部21が、また、右 には右側環状凸部23がそれぞれ突設されてい る。

 左側センサターゲット25、右側センサタ ゲット27、ロータの一部である左側環状凸部 21、右側環状凸部23は、円筒状に径方向の寸 を合わせるように配置されている。回転軸7 右端には、この円筒径よりも相当程度大き 磁性体からなる円板状のスラストディスク2 9が取付られている。

 ケース37の内側には、左側環状凸部21及び 右側環状凸部23に対しそれぞれ所定のギャッ 長を隔てて対峙するように固定子41、43が配 置されている。この固定子41、43には、電動 巻線47、51、ラジアル軸支持巻線49、53が捲回 されている。回転子9、固定子41、及び電動機 巻線47とラジアル軸支持巻線49とでベアリン レスモータ(ユニット1という)を構成し、回 子9、固定子43、及び電動機巻線51とラジアル 軸支持巻線53とでベアリングレスモータ3(ユ ット2という)が構成されている。

 スラストディスク29の左面にはスラスト 定子鉄心30が配設されている。そして、この スラスト固定子鉄心30にはスラストディスク2 9に対し左方に電磁吸引力を発生する軸方向 磁石巻線58が備えられ、一方スラストディス ク29を挟んだ反対側には右方に電磁吸引力を 生する軸方向電磁石巻線59とその周りに固 子鉄心が備えられている。このスラストデ スク29及び軸方向電磁石巻線58と軸方向電磁 巻線59とそれらの周りに構成された鉄心で ラスト磁気軸受5が構成されている。

 図19にスラスト磁気軸受の機能概念図を す。図19に示すように、軸方向電磁石58及び 方向電磁石59にはそれぞれ独立した単相イ バータ40A、40Bが接続されている。スラスト ャップセンサ60で検出された回転軸7の軸方 位置信号は図示しない補償器でPID補償等さ るようになっている。

 そして、この補償された信号を基に単相 ンバータ40A、40Bから軸方向電磁石58と軸方 電磁石59に対しそれぞれ電流が供給されるよ うになっている。その結果、スラストディス ク29は軸方向電磁石58又は軸方向電磁石59によ り吸引され、回転軸7の軸方向位置が調整さ る。

 即ち、この5軸能動制御型ベアリングレス モータ10はユニット1、2に配置されたベアリ グレスモータ1、3と1台のスラスト磁気軸受5 備えている。

 この結果、インペラ31と一体化した回転 7の5軸軸支持能動制御を行うことにより、完 全非接触な磁気浮上回転が可能であり、軸封 (シール)・軸受・潤滑油などの消耗品が不要 なるため、(1)発塵の無いクリーンな送液、( 2)長寿命・高信頼性・メンテナンスフリー、( 3)優れた化学耐性、(4)高速回転が可能(高揚程 )などの優れた特長を有するポンプが実現で る。

 但し、この様な用途では、ポンプに流れ 液体が固定子と回転子の間に流れ込むため 固定子・回転子表面を隔壁で覆う必要があ 。加えて、高い化学耐性を持たせるにはテ ロン樹脂などで厚い隔壁を製作する必要が るため、固定子鉄心と回転子鉄心の間の磁 的なギャップ長は、通常の10倍近い4~5mm以上 のワイドギャップ長となる。

 次に、固定子・回転子構造とラジアル軸支 力発生原理について説明する。
 図20及び図21に、ユニット1のベアリングレ モータの固定子と回転子の断面図を示す。 転子9の各ユニットには4個の扇形ラジアル永 久磁石52を配置している。4個全ての着磁方向 を半径方向へ同一にし、ラジアル永久磁石間 鉄心部はラジアル永久磁石52が発生する界磁 束ψ8mにより結果的に極を形成する、コンシ クエントポール型の構造であり、8極の電動 として機能する。

 図20に示すように、8極電動機巻線Nm8α,Nm8 と2極ラジアル軸支持巻線Ns2α1,Ns2β1は、実際 に巻かれている三相集中巻の8極電動機巻線 2極ラジアル軸支持巻線に、それぞれ三相/二 相変換を施した固定子座標上の等価二相巻線 である。ラジアル軸支持巻線は各ユニットで 個別に巻くため、ユニット毎にラジアル軸支 持制御が可能である。

 また、図21はユニット1でのラジアル軸支 力発生原理を示している。ワイドギャップ によりギャップ部分の磁気抵抗が大きいた 、通常のコンシクエントポール型の構造だ では、十分なラジアル軸支持力を発生する とは難しい。そこで、図18に示すように、2 のユニット間の固定子に環状スラスト永久 石45を配置し、回転子を軸方向に貫くよう バイアス磁束ψsを発生させる。

 各ユニットのラジアル永久磁石間鉄心部5 4には、ラジアル永久磁石52から発生する界磁 磁束ψ8mに加えて、環状スラスト永久磁石45か ら発生するバイアス磁束ψsが同じ向きに流れ るため、ラジアル永久磁石間鉄心部54のギャ プ磁束密度が高まる。ここで、ラジアル軸 持巻線Ns2β1に直流電流is2β1を流すことでラ アル軸支持磁束ψs2β1が発生し、回転子上側 のギャップでは磁束が互いに強め合い、下側 では弱め合う。

 その結果、回転子には磁束の疎から密の 向であるβ軸正方向にラジアル軸支持力Fβ 発生する。バイアス磁束ψsにより、ラジア 軸支持力発生のバイアスとなるラジアル永 磁石間鉄心部54のギャップ磁束密度を高める ことで、ワイドギャップ長においても大きな ラジアル軸支持力を発生できる。また、通常 のコンシクエントポール型と同様に、回転角 度に関係なく直流電流でラジアル軸支持が可 能である。

 なお、従来、4軸能動制御型ベアリングレ スモータで、かつスラスト磁気軸受部分を受 動的に構成したベアリングレスモータの例が 開示されている(特許文献1)。

 この例は、図22の概略断面構成図に示す うに、モータ兼ラジアル磁気軸受で構成さ る駆動部201と、同様に構成された駆動部203 間に受動形スラスト磁気軸受205が配置され いる。そして、回転軸には2つの閉ループ磁 が出来るように、駆動部201、203と受動形ス スト磁気軸受205の間に永久磁石207、209が設 られている。

 図23に、この受動形スラスト磁気軸受によ 回転軸方向磁気せん断力の発生機構を示す 受動形スラスト磁気軸受205はテーパ状の磁 を有し、この磁極の先端で磁束の回り込み( れ)が生ずることで回転軸を引き戻すせん断 力が発生するようになっている。
T. Suzuki, A. Chiba, M. A. Rahman, and T. Fuk ao, “An air-gap-flux-oriented vector controller for  stable operation of bearingless induction motors,” I EEE Trans. on Industry Applications, Vol. 36, No. 4,  pp. 1069-1076, July/Aug. 2000. 大島、宮澤、千葉、中村、深尾 「突極 永久磁石ベアリングレスモータの半径方向 パラメータの同定法」 電学論D、Vol. 124-D No. 8、pp. 784-791、2004 M. Takemoto, M. Uyama, A. Chiba, H. Akagi, and  T. Fukao, “A Deeply-Buried Permanent Magnet Bearin gless Motor with 2-pole Motor Windings and 4-pole Su spension Windings,” in Conf. Rec. of the 2003 IEEE -IAS Annual Meeting, Salt Lake City, USA, Oct. 2003,  pp. 1413-1420 T. Satoh, S. Mori, and M. Ohsawa, “Study of induction type bearingless canned motor pump”, in  Proc. IPEC-Tokyo 2000, Tokyo, Japan, 2000, pp.389-394. C. Redemann, P. Meuter, A. Ramella, and T. Gem pp, “Development and prototype of a 30kW bearingles s canned motor pump”, in Proc. IPEC-Tokyo 2000, To kyo, Japan, 2000, pp.377-382.

特開平5-272537号

 ところで、従来のスラストディスクを用 た5軸能動制御型ベアリングレスモータ10で 、γ軸方向の回転子位置を制御するため、 ラスト磁気軸受5を別途設けている。回転子 分であるスラストディスク29を挟み込む形 でその両側にスラスト固定子30と巻線を配置 し、直流電流を流すことにより、スラストデ ィスク29の左右のギャップで磁束密度の不平 を起こし、γ軸方向にスラスト軸支持力を 生させる。

 スラスト軸支持巻線に流す電流量を制御 ることにより、能動的にスラスト軸支持力 操作できる。しかし、スラストディスク29 外径は他の回転子部に比べて大きく、スラ トディスク29外周部の周速は他の回転子部に 比べて速くなる。

 キャンドモータポンプ用途では、ギャッ 部分に液体が流入するため、この様な径の きなスラストディスク29を用いた凹凸のあ ロータ形状の場合、スラストディスク29部分 でキャビテーションが発生し、スラスト磁気 軸受5が破損してしまう危険性があり、回転 度が制限されてしまうという問題がある。 って、キャビテーションの発生を抑制する め、スラストディスク29を無くし、凹凸の無 い円筒形状のロータ構造にする必要がある。

 また、従来のスラストディスクを用いた5 軸能動制御型ベアリングレスモータ10では、 ジアル軸支持力の脈動と偏角について次の うな問題がある。

 図24にラジアル軸支持力の発生方向の定義 示し、図25にラジアル軸支持力特性の解析結 果を示す。なお、解析は以下に示す電流条件 で行った。
 ・ユニット1,2共にβ軸正方向にラジアル軸 持力発生の指令
 ・ラジアル軸支持電流is2β1,is2β2=5.54A(定格 一定、直流)
 ・ラジアル軸支持電流is2α1,is2α2=0A
 ・電動機トルク分電流im8q=13.9A(定格値一定 交流)
 ・回転子の回転角度θ=0~90deg(7.5deg刻み)

 β軸正方向にラジアル軸支持力が発生す ようにラジアル軸支持電流を流して解析を ったが、実際は、磁束の流れがβ軸に対して 対称にならない回転角度に回転子がある場合 や電動機電流により発生する電動機磁束とラ ジアル軸支持磁束との干渉により、α軸方向 も力が生じてしまう。

 ここで、図24に示すように、本来発生さ たいβ軸正方向からの角度のずれを偏角φと る。図25より、β軸方向のラジアル軸支持力 Fβの平均値は3.23p.u.である。

 しかし、回転角度が変化するとラジアル 支持力の大きさが脈動しており、その脈動 は22.7%と大きい。また、偏角φは最大で10.1de gとなっている。回転角度によってラジアル 支持力に脈動や偏角が発生すると、ラジア 軸支持制御系の安定度を損なうため、ラジ ル軸支持力の脈動や偏角を抑制する工夫を ータに施す必要がある。

 また、特許文献1に記載されたベアリング レスモータでは、軸方向の位置調整力を永久 磁石207、209の漏れ磁束を利用することで受動 的に得ている。このように、受動的構成だと 外乱への収束も固定であり、収束時間も相当 程度時間を要するものになる恐れがある。従 って、簡易的な設備に適用は可能であっても 、大きな力で軸方向を制御したり、精度の高 い制御を行わせる場合に適用は困難であると 推測される。

 更に、特許文献1ではスラスト力を発生さ せるのに永久磁石207、209の磁束の内の一部漏 れ磁束(図23において○印210を付した部分)を 用しているが、インペラのように大きな力 外乱として作用したような場合を考えると 特許文献1では、受動的な力の発生で、かつ 久磁石による磁束の漏れのみを利用し調整 としているため、軸方向の外乱等に伴う変 を収束させるには相当程度大きな永久磁石 適用する必要がある。

 しかも、特許文献1では永久磁石207、209に より生じた磁束のすべてをスラスト力発生の ために利用しているものではなく、一部の漏 れ磁束をスラスト力発生のために利用してい るに過ぎないので発生力としては小さいもの になると推定される。

 本発明はこの様な従来の課題に鑑みてな れたもので、スラストディスクを無くしワ ドギャップ長でも安定な磁気浮上回転が可 なベアリングレスモータを提供することを 的とする。

 このため本発明(請求項1)は、回転子と、 回転子を回転させる回転起磁力を発生する 1の電動機起磁力発生手段と、前記回転子を 径方向に支持する支持起磁力を発生する第1 支持起磁力発生手段を有する第1のベアリン レスモータユニットと、前記回転子を回転 せる回転起磁力を発生する第2の電動機起磁 力発生手段と、前記回転子を径方向に支持す る支持起磁力を発生する第2の支持起磁力発 手段を有する第2のベアリングレスモータユ ットと、前記第1のベアリングレスモータユ ニットと第2のベアリングレスモータユニッ 間で磁束を発生する磁束発生手段と、該磁 発生手段により生じた磁束を前記第1のベア ングレスモータユニット及び第2のベアリン グレスモータユニットの磁束に対し重畳若し くは相殺することでスラスト方向の起磁力を 発生させるスラスト力発生手段とを備えて構 成した。

 また、本発明(請求項2)は、前記回転子に 永久磁石を備え、前記スラスト方向の起磁 と前記各支持起磁力とを非干渉化させたこ を特徴とする。

 更に、本発明(請求項3)は、第1の電動機巻 線と第1の支持巻線とを同一の鉄心に捲回し 第1の固定子、及び、該第1の固定子の内側若 しくは外側に配設され、該第1の固定子に対 所定のギャップを隔てて対峙し半径方向に 磁する第1のラジアル永久磁石が周状に配設 れた第1の回転子を有する第1のベアリング スモータユニットと、第2の電動機巻線と第2 の支持巻線とを同一の鉄心に捲回した第2の 定子、及び、該第2の固定子の内側若しくは 側に配設され、該第2の固定子に対し所定の ギャップを隔てて対峙し半径方向に着磁する 第2のラジアル永久磁石が周状に配設された 2の回転子を有する第2のベアリングレスモー タユニットと、前記第1の固定子と前記第2の 定子の間に配設され、回転軸回りにスラス 軸支持巻線が捲回された第3の固定子、及び 、該第3の固定子の内側若しくは外側に配設 れ、該第3の固定子に対し所定のギャップを てて対峙した第3の回転子を有するスラスト 磁気軸受ユニットと、前記第1の固定子と前 第3の固定子の間に配設され軸方向に着磁さ た第1のスラスト永久磁石と、前記第2の固 子と前記第3の固定子の間に配設され軸方向 着磁された第2のスラスト永久磁石とを備え 、前記第1の回転子及び前記第2の回転子は前 各ラジアル永久磁石の配設された第1の回転 子部とラジアル永久磁石の配設されない鉄心 のみの第2の回転子部とが軸方向に連接又は 体に形成され、かつ該第2の回転子部と前記 3の回転子とが連接又は一体に形成されたこ とを特徴とする。

 回転軸回りにスラスト軸支持巻線を捲回 た。このスラスト軸支持巻線に直流電流を すと、その流す方向により第1のベアリング レスモータユニットのギャップを通るバイア ス磁束を強める一方で、第2のベアリングレ モータユニットのギャップを通るバイアス 束を弱めたり、これとは逆に第2のベアリン レスモータユニットのギャップを通るバイ ス磁束を強める一方で、第1のベアリングレ スモータユニットのギャップを通るバイアス 磁束を弱めたりできる。このことにより、回 転子を軸方向に制御できるようになる。この ため、スラストディスクを無くし、回転子を 円筒型とすることができる。

 スラストディスクを軸方向に制御する場 、従来は、主軸の正方向と負方向の両方向 制御を行うため、正方向用と負方向用の2つ の軸方向電磁石を必要とし、かつ制御回路も この各軸方向電磁石のそれぞれに対するもの が必要であった。しかしながら、本発明では 回転軸回りにスラスト軸支持巻線を1つだけ 回し、制御回路はこの巻線に対し流す電流 方向を変化させることで主軸の正方向と負 向の両方向の制御が可能である。

 また、ベアリングレスモータユニットが 生する固定バイアス磁束に対し、スラスト 支持巻線で発生した磁束が重畳する形にな ので、スラスト巻線の電流により磁束量を 整してスラスト力を発生することができる 更に、スラスト磁気軸受で必要なバイアス 流を省略することができ、スラスト軸支持 線に流す電流は小さくてもスラスト軸支持 は十分な大きさにできる。

 なお、本発明はインナーロータ型、アウ ーロータ型のいずれにも適用可能である。 た、第1の回転子部及び第2の回転子部のラ アル永久磁石の配設された端部は、コンシ エント型とされてもよいし、あるいは、表 張り付け型とし回転子の全周に渡りラジア 永久磁石が配設されるようにしてもよい。

 更に、本発明(請求項4)は、第1の電動機巻 線と第1の支持巻線とを同一の鉄心に捲回し 第1の固定子、及び、該第1の固定子の内側若 しくは外側に配設され、該第1の固定子に対 所定のギャップを隔てて対峙し半径方向に 磁する第1のラジアル永久磁石が周状に配設 れた第1の回転子を有する第1のベアリング スモータユニットと、第2の電動機巻線と第2 の支持巻線とを同一の鉄心に捲回した第2の 定子、及び、該第2の固定子の内側若しくは 側に配設され、該第2の固定子に対し所定の ギャップを隔てて対峙し半径方向に着磁する 第2のラジアル永久磁石が周状に配設された 2の回転子を有する第2のベアリングレスモー タユニットと、前記第1の固定子と前記第2の 定子の間に配設され、回転軸回りにスラス 軸支持巻線が捲回された第3の固定子、及び 、該第3の固定子の内側若しくは外側に配設 れ、該第3の固定子に対し所定のギャップを てて対峙した第3の回転子を有するスラスト 磁気軸受ユニットと、前記第1の固定子と前 第3の固定子の間に配設され軸方向に着磁さ た第1のスラスト永久磁石と、前記第2の固 子と前記第3の固定子の間に配設され軸方向 着磁された第2のスラスト永久磁石と、前記 第1の回転子と前記第3の回転子の間に配設さ 軸方向に着磁された第3のスラスト永久磁石 と、前記第2の回転子と前記第3の回転子の間 配設され軸方向に着磁された第4のスラスト 永久磁石とを備え、前記第1の回転子及び前 第2の回転子は前記各ラジアル永久磁石の配 された第1の回転子部とラジアル永久磁石の 配設されない鉄心のみの第2の回転子部とが 方向に連接又は一体に形成されたことを特 とする。

 磁束を共有すると、スラスト巻線による 束がベアリングレスモータユニットのラジ ル方向電磁力を発生する回転子部分に流れ スラスト力とラジアル力の干渉が起きる恐 がある。そこで、主軸部分にスラスト方向 着磁した第3のスラスト永久磁石及び第4の ラスト永久磁石を配置する。この結果、磁 抵抗が高くなり、スラスト磁束が漏れない うになる。

 従って、スラスト電磁力とラジアル電磁 を非干渉化することができ、スラスト磁気 受ユニットにおけるギャップを通る磁束を 立に効率よく強めたり弱めたりできる。こ ことにより、軸方向位置制御を精度よく行 ことができる。ここで、非干渉化とは、干 度合いを極力小さくして実用的に問題が無 程度に低減することである。

 更に、本発明は、第1の電動機巻線と第1 支持巻線とを同一の鉄心に捲回した第1の固 子、及び、該第1の固定子の内側若しくは外 側に配設され、該第1の固定子に対し所定の ャップを隔てて対峙し半径方向に着磁する 1のラジアル永久磁石が周状に配設された第1 の回転子を有する第1のベアリングレスモー ユニットと、第2の電動機巻線と第2の支持巻 線とを同一の鉄心に捲回した第2の固定子、 び、該第2の固定子の内側若しくは外側に配 され、該第2の固定子に対し所定のギャップ を隔てて対峙し半径方向に着磁する第2のラ アル永久磁石が周状に配設された第2の回転 を有する第2のベアリングレスモータユニッ トとを備え、前記第1の回転子及び前記第2の 転子はラジアル永久磁石の配設された第1の 回転子部とラジアル永久磁石の配設されない 鉄心のみの第2の回転子部とが軸方向に連接 は一体に形成され、前記第1のラジアル永久 石及び第2のラジアル永久磁石は、磁極の数 が2+4n極となるように前記第1の回転子及び前 第2の回転子に対し全周に渡り配設され、か つ前記第1の電動機巻線及び第2の電動機巻線 該極数にて捲回されるようにしてもよい。

 磁極の数を2+4n極とすることで、ラジアル 永久磁石の配設された第1の回転子部におけ 周方向に180度隔てた箇所でのラジアル永久 石により発生した磁束の方向が一致する。

 このため、ラジアル永久磁石の配設され 第1の回転子部を通るバイアス磁束との間で も磁束の方向が一致し、周方向に180度隔てた ギャップにおけるラジアル永久磁石による磁 束とバイアス磁束との合成磁束は互いに同じ 大きさとなる。従って、回転子の回転に伴っ て生じる恐れがあったラジアル軸支持力の脈 動は小さくなり、原理的には生じない。

 一方、第1の回転子及び第2の回転子のラ アル永久磁石の配設されていない鉄心のみ 第2の回転子部に対してはバイアス磁束が放 状に通っている。従って、周方向に180度隔 たギャップにおけるラジアル永久磁石によ 磁束とバイアス磁束との合成磁束は互いに じ大きさとはならず増加若しくは減少する このため、ラジアル軸支持力を効率よく発 できるとともに良好に制御できる。なお、 発明は、スラスト磁気軸受機能の有無に関 らず適用可能である。

 更に、本発明は、第1の電動機巻線と第1 支持巻線とを同一の鉄心に捲回した第1の固 子、及び、該第1の固定子の内側若しくは外 側に配設され、該第1の固定子に対し所定の ャップを隔てて対峙し半径方向に着磁する 1のラジアル永久磁石が周状に配設された第1 の回転子を有する第1のベアリングレスモー ユニットと、第2の電動機巻線と第2の支持巻 線とを同一の鉄心に捲回した第2の固定子、 び、該第2の固定子の内側若しくは外側に配 され、該第2の固定子に対し所定のギャップ を隔てて対峙し半径方向に着磁する第2のラ アル永久磁石が周状に配設された第2の回転 を有する第2のベアリングレスモータユニッ トとを備え、前記第1の回転子及び前記第2の 転子はラジアル永久磁石の配設された第1の 回転子部とラジアル永久磁石の配設されない 鉄心のみの第2の回転子部とが軸方向に連接 は一体に形成され、前記第1のラジアル永久 石及び第2のラジアル永久磁石は、磁極の数 が2n極となるように前記第1の回転子及び前記 第2の回転子に対しコンシクエントポール型 配設され、かつ前記第1の電動機巻線及び第2 の電動機巻線が該極数にて捲回されてもよい 。

 コンシクエントポール型に構成されても 記と同様の効果を得ることができる。従っ 、ラジアル軸支持力の脈動は生じない。

 以上説明したように本発明によれば、第1 のベアリングレスモータユニットと第2のベ リングレスモータユニットとの間に回転軸 りにスラスト軸支持巻線が捲回された固定 とこの固定子に対し所定のギャップを隔て 対峙した回転子部を有するスラスト磁気軸 ユニットを備えたので、ベアリングレスモ タユニットのギャップを通るバイアス磁束 強めたり、弱めたりでき、回転子を軸方向 制御できるようになる。このため、スラス ディスクを無くし、回転子を円筒型とする とができる。

本発明の第1実施形態である5軸能動制 型ベアリングレスモータの構成図 本発明の第1実施形態の回転子・固定子 部分の拡大斜視構造図 γ軸方向のスラスト軸支持力特性 β軸方向のラジアル軸支持力特性 β軸方向のラジアル軸支持力の脈動発 原理(回転角度θ=0deg) β軸方向のラジアル軸支持力の脈動発 原理(回転角度θ=45deg) 本発明の第2実施形態である5軸能動制 型ベアリングレスモータの回転子正面図 同上回転子全体斜視図 モータユニット部全体の拡大斜視構造 本発明の第2実施形態である5軸能動制 型ベアリングレスモータのラジアル軸支持 発生原理(ラジアル永久磁石部分) 本発明の第2実施形態である5軸能動制 型ベアリングレスモータのラジアル軸支持 発生原理(円筒部分) ラジアル軸支持力脈動を抑制する構造 の軸支持力特性 ラジアル軸支持力脈動を抑制する構造 のγ軸方向支持力特性 トルク特性 電動機トルク分電流im6qとβ軸方向のラ ジアル軸支持力の平均値FβAVGの関係 5軸能動制御型ベアリングレスモータ ついてのスラスト軸支持の始動特性 5軸能動制御型ベアリングレスモータ スラスト軸支持の始動特性(能動型と受動型 比較実験) 従来の5軸能動制御型ベアリングレス ータの全体構造図 従来の能動制御型スラスト磁気軸受 ベアリングレスモータの固定子と回転 子の断面図 ラジアル軸支持力発生原理 従来の5軸能動制御型ベアリングレス ータの全体構造図(特許文献1記載) 回転軸方向磁気せん断力の発生機構を 示す図(特許文献1記載) ラジアル軸支持力の発生方向 ラジアル軸支持力特性の解析結果

符号の説明

  7 回転軸
 25 左側センサターゲット
 27 右側センサターゲット
 31 インペラ
 33 ポンプ吸入口
 35 ポンプ吐出口
 37 ケース
 41、42、43 固定子
 47 電動機巻線
 49、53 ラジアル軸支持巻線
 51 電動機巻線
 52、91、191 ラジアル永久磁石
 54 ラジアル永久磁石間鉄心部
 55 ラジアルギャップセンサ
 57 ラジアルギャップセンサ
 60 スラストギャップセンサ
 61、62、63 鉄心
 61a 軸方向左半部
 61b 軸方向右半部
 63a 軸方向右半部
 63b 軸方向左半部
 71 スラスト軸支持巻線
 73、75 固定子側環状スラスト永久磁石
 81、83 ロータ側環状スラスト永久磁石
100 5軸能動制御型ベアリングレスモータ
101、103 ベアリングレスモータユニット
102 スラスト磁気軸受ユニット

 以下、本発明の実施形態について説明する まず、本発明の第1実施形態は、従来構造の 問題点の1つであるスラストディスクを無く て、ロータ全体を円筒形状にし、かつ5軸能 制御が可能な新たな構造を提案する。
 本発明の第1実施形態の構成図を図1に示す なお、図18と同一要素のものについては同一 符号を付して説明は省略する。

 図1のスラストディスクを省略した5軸能 制御型ベアリングレスモータ100において、 転子鉄心は3つのブロックに分けられている 即ち、固定子41に対峙して鉄心61が配設され 、この固定子41と鉄心61とで第1のベアリング スモータのユニット101が構成され、一方、 定子43と鉄心63とで第2のベアリングレスモ タのユニット103が構成されている。

 そして、このユニット101とユニット103の に鉄心62と固定子42からなるスラスト磁気軸 受機能を持たせたスラスト磁気軸受ユニット 102を新たに配置した構造である。ここに、鉄 心62は鉄心61と鉄心63の間に配設され、固定子 42は固定子41と固定子43の間に配設されている 。

 固定子42の内側にはスラスト軸支持巻線71 が回転軸7回りに捲回されている。固定子41と 固定子42の間で、かつケース37の内周面には 方向に着磁され回転軸7回りに形成された固 子側環状スラスト永久磁石73が装着されて る。

 同様に、固定子42と固定子43の間で、かつ ケース37の内周面には軸方向に着磁され回転 7回りに形成された固定子側環状スラスト永 久磁石75が装着されている。固定子側環状ス スト永久磁石73と固定子側環状スラスト永 磁石75の向かい合った面は共にN極であって 方向に着磁されている。

 一方、鉄心61と鉄心62の間で、かつ回転軸 7の周囲には軸方向に着磁されたロータ側環 スラスト永久磁石81が装着され、同様に、鉄 心62と鉄心63の間で、かつ回転軸7の周囲には 方向に着磁されたロータ側環状スラスト永 磁石83が装着されている。ロータ側環状ス スト永久磁石81とロータ側環状スラスト永久 磁石83の向かい合った面は共にS極であって軸 方向に着磁されている。

 かかる構成において、ユニット101、102、1 03間の固定子・回転子部にそれぞれ配置した 定子側環状スラスト永久磁石73、75及びロー タ側環状スラスト永久磁石81、83により、図1 示すようにバイアス磁束ψsを発生させる。

 ここで、スラスト軸支持巻線71に直流電 を流すことで、スラスト軸支持磁束ψthを発 させ、バイアス磁束ψsとスラスト軸支持磁 ψthの重ね合せにより、スラスト磁気軸受ユ ニット102の左側のギャップでは磁束が互いに 強め合い、右側では弱め合う。その結果、磁 束密度の疎から密の方向であるγ軸正方向に ラスト軸支持力Fγが発生する。

 ここに、スラスト軸支持磁束ψthは、その すべての磁束がバイアス磁束ψsとの間で重ね 合せされたり、相殺されたりされるというよ うに有効利用される。これに対し、特許文献 1の場合には、磁極を流れる主磁束部分はス スト軸支持力には殆ど有効に寄与せず、回 込んだ漏れ磁束部分のみが回転軸の引き戻 のために作用する。従って、本実施形態で 、バイアス磁束のすべてを有効に利用でき 分効率のよい制御が行え、小型にもできる

 なお、本実施形態では、スラストディス を用いずにワイドギャップ長で大きなスラ ト軸支持力を発生させるには、スラスト磁 軸受ユニット102部分のギャップ磁束密度を める必要があるため、回転子にもロータ側 状スラスト永久磁石81、83を配置している。 また、本実施形態は、磁気抵抗の大きいロー タ側環状スラスト永久磁石81、83をユニット に配置したことで、スラスト軸支持磁束ψth ベアリングレスモータユニット部101、103に れづらくなるため、ラジアル軸支持磁束と 渉しにくい構造である。

 そして、本実施形態は、従来の構造で用 ていた径の大きなスラストディスク29を無 して、ロータ全体を円筒状にした構造であ 、キャンドモータポンプとして動作した際 問題となるスラストディスク29によるキャビ テーションの発生を抑制できるため、回転速 度がスラストディスク29によって制限されて まう問題を解決できる。

 なお、図19で説明したように、電流ドラ バーは従来単相インバータが2台必要であっ が、本実施形態ではスラスト軸支持巻線71 に1台で済む。従って、低コスト化を実現で る。

 図2に本発明の第1実施形態である5軸能動 御型ベアリングレスモータ100の回転子・固 子部分の拡大斜視構造図を示す。

 図2において、回転子・固定子コアの形状 ・寸法は従来の5軸能動制御型ベアリングレ モータ10の構造と同様である。図2中、鉄心61 の軸方向左半部61aは4個のラジアル永久磁石91 が埋設され、8極のコンシクエントポール型 構造になっている。一方、鉄心61の軸方向右 半部61bは円筒状に形成されているが、永久磁 石は配置されていない。

 同様に、鉄心63の軸方向右半部63aは4個のラ アル永久磁石91が埋設され、8極のコンシク ントポール型の構造になっている。一方、 心63の軸方向左半部63bは円筒状に形成され いるが、永久磁石は配置されていない。固 子には8極電動機巻線と2極ラジアル軸支持巻 線を配置している。
 次に、本発明の第1実施形態である5軸能動 御型ベアリングレスモータのスラスト・ラ アル軸支持力特性の解析結果について説明 る。

 5軸能動制御型ベアリングレスモータ100の構 造が軸方向・半径方向共に十分な軸支持力を 発生できるか検証するため3D-FEM解析を行った 。以下に電流条件を示す。
 ・ユニット1,2共にβ軸正方向にラジアル軸 持力発生の指令
 ・ラジアル軸支持電流is2β1,is2β2=5.54A(定格 一定、直流)
 ・ラジアル軸支持電流is2α1,is2α2=0A
 ・スラスト電流ith=3.39A(定格値一定、直流)
 ・電動機トルク分電流im8q=13.9A(定格値一定 交流)
 ・回転子の回転角度θ=0~90deg(7.5deg刻み)

 解析は、ラジアル軸支持巻線49、53、スラ スト軸支持巻線71、電動機巻線47、51の3つに 時に定格電流を流して行った。ロータ全自 を磁気支持するのに必要な力を基準値1.0p.u. して、図3にγ軸方向のスラスト軸支持力特 、図4にβ軸方向のラジアル軸支持力特性を す。

 図3より、γ軸方向のスラスト軸支持力Fγ 、目標値である従来のスラストディスク29 用いた場合である3.27p.u.の2倍以上という十 大きな力が得られている。また、ラジアル 支持巻線49、53、電動機巻線47、51に同時に定 格電流を流した状態で回転子を回転させても 、Fγの脈動比は0.4%と非常に小さいため、安 したスラスト軸支持制御を行える。

 また、図4より、β軸方向のラジアル軸支 力Fβは平均4.48p.u.であり、軸支持を行うた に必要な力の4倍以上の十分大きな力が得ら ている。ベアリングレスモータユニット101 103間にもスラスト永久磁石73、75、81、83を 置したことにより、ラジアル永久磁石91間鉄 心部に多くのバイアス磁束ψsが流れるため、 従来型よりラジアル軸支持力の値は大きくな っている。

 しかし、回転子の各ユニット101、103は従 型と同様の構造であるため、ラジアル軸支 力の脈動比は17.0%、偏角φは7.0degとなり、回 転角度によりラジアル軸支持力に脈動や偏角 が生じてしまう。図5及び図6にβ軸方向のラ アル軸支持力の脈動発生原理を示す。ラジ ル軸支持磁束ψs2β1は主に磁気抵抗の小さい ジアル永久磁石91間鉄心部に流れるため、 5に示すように、回転角度0degの場合はβ軸上 のギャップで磁束の強弱が発生し、β軸正 向にラジアル軸支持力Fβが発生する。

 一方、回転子が45deg回転すると、ラジア 軸支持磁束ψs2β1は図6に示すように流れるた め、β軸から45degずれた2方向にそれぞれ力F’ が発生し、β軸方向のラジアル軸支持力Fβは2 つのF’の合力となる。よって、θ=0degの場合 り大きなラジアル軸支持力が発生し、脈動 生じる。

 そして、磁束の流れがβ軸に対して対称 ならない回転角度に回転子がある場合や、 動機電流により発生する磁束とラジアル軸 持磁束との干渉により、α軸方向にも力が生 じ、ラジアル軸支持力に脈動が生じてしまう 。よって、この構造ではラジアル軸支持力の 脈動や偏角を抑制することは難しいため、新 たな構造を検討する必要がある。

 次に、本発明の第2実施形態について説明 する。本発明の第2実施形態は、安定した磁 浮上回転を実現するため、従来構造におけ 二つ目の問題点であるラジアル軸支持力の 動や偏角を抑制できる5軸能動制御型ベアリ グレスモータの構造を提案するものである 本発明の第2実施形態である5軸能動制御型 アリングレスモータの回転子正面図を図7に 回転子全体斜視図を図8に示す。なお、図1 び図2と同一要素のものについては同一符号 付して説明は省略する。

 図7及び図8において、回転子にはユニッ 101の軸方向左半部61a、及びユニット103の軸 向右半部63aに半径方向に着磁した6個のラジ ル永久磁石191を配置し、6極電動機構造とす る。

 そして、図8に示すように、回転子ユニッ ト部分を軸方向に分割し、ユニット101の軸方 向右半部61b及びユニット103の軸方向左半部63b の部分をラジアル永久磁石の無い円筒形状に する。図9にモータユニット部全体を示す。 1実施形態と同様にユニット101、103間の固定 ・回転子に配置したスラスト永久磁石73、75 、81、83によりバイアス磁束ψsを発生させる 固定子には6極電動機巻線と2極のラジアル軸 支持巻線を施す。

 図10及び図11に本発明の第2実施形態であ 5軸能動制御型ベアリングレスモータのラジ ル軸支持力発生原理を示す。図10に示すよ に、ラジアル永久磁石部分(ユニット101の軸 向左半部61a、及びユニット103の軸方向右半 63aの部分)のギャップでは、磁束の向きが上 下の位置で常に同じ向きになっており、ラジ アル軸支持磁束ψs2βを発生させても上下のギ ャップで磁束密度の強弱は生じないため、ラ ジアル軸支持力は発生しない。

 一方、図11に示すように、回転子の円筒 分(ユニット101の軸方向右半部61b及びユニッ 103の軸方向左半部63bの部分)においては、バ イアス磁束が回転子中心から放射状に流れて いるため、ラジアル軸支持磁束を発生させる ことで、上下のギャップで磁束密度の強弱を 生じ、ラジアル軸支持力Fβを発生させる。つ まり、ラジアル永久磁石191はラジアル軸支持 力の発生に寄与せず、軸方向右半部61b及び軸 方向左半部63bの円筒部分のギャップでのみラ ジアル軸支持力を発生させるため、回転角度 が変化してもラジアル軸支持力が脈動しない 構造である。

 次に、本発明の第2実施形態である5軸能動 御型ベアリングレスモータのラジアル・ス スト軸支持力とトルク特性の解析結果につ て説明する。
 第2実施形態である5軸能動制御型ベアリン レスモータの構造がラジアル軸支持力の脈 と偏角を抑制できるか検証するため、3D-FEM 析を行った。

 スラスト軸支持力は第1実施形態における スラスト・ラジアル軸支持力特性の解析で示 したように、目標値を大きく超える十分な大 きさであるため、第2実施形態ではスラスト 気軸受ユニット102部分を第1実施形態のモデ から小さくし、その分ベアリングレスモー ユニット101、103部分の軸長を長くした。

 解析は第1実施形態で示した条件と同様の 電流条件で、回転子の回転角度θ=0~120deg(10deg み)まで行った。図12にラジアル軸支持力特 を示す。β軸方向ラジアル軸支持力Fβは平 3.74p.u.、脈動比は3.1%であり、従来構造の脈 比22.7%から大幅に脈動を抑制できた。

 また、偏角φも2.3degに抑えられており、 2実施形態の構造がラジアル軸支持力の脈動 偏角の抑制に有効であることが確認できた また、図13にスラスト軸支持力特性を示す スラスト軸支持力Fγは平均3.86p.u.であり、目 標値を超える十分な力が得られている。脈動 比は0.8%であり、回転子を回転させても力の 動は非常に少ない。また、図14にトルク特性 を示す。トルク平均値TAVGは2.32Nmである。

 次に、電動機トルク分電流とラジアル軸支 力の関係について説明する。
 電動機トルク分電流im6qを変化させた際の、 電動機トルク分電流im6qとβ軸方向のラジアル 軸支持力の平均値FβAVGの関係を図15に示す。

 FβAVGはim8qを0A~13.9A(定格値)まで増加させ も約1.9%の減少に留まっている。そして、そ 変化の度合いは非常に緩やかであり、電動 トルク分電流im6q変化時のラジアル軸支持力 の変動は非常に小さく、ラジアル軸支持制御 の安定性が良い構造であるといえる。

 次に、第1実施形態及び第2実施形態は共 スラスト軸支持を能動的に制御しているが 受動的に制御した場合との相違について実 データを基に比較説明する。

 図16に第2実施形態で述べた5軸能動制御型 ベアリングレスモータについてのスラスト軸 支持の始動特性を示す。図16において、制御 、t=0のとき、ロータは4軸の径方向および傾 斜方向に能動的に支持されている。t=t1のと 、外力が与えられると、回転軸はスラスト 向には受動的に支持されているので、ロー ーにスラスト振動が生じる。

 t=t2のとき、スラスト能動制御のスイッチが 入れられる。そして、振動は、電流によって 生じる能動スラスト磁力によって抑制される 。u-位相およびw-位相のバイアス電流の違い 、支持力定数の違いに因る。
t=t3のとき、外力を再び与える。このとき、 ータは、スラスト磁気支持電流によって、 ぼ一定の位置に保持される。

 図16のスラスト変位を比較すると0<t<t 1におけるスラスト軸の受動支持領域に比べ t>t2におけるスラスト軸の能動支持領域の が定常偏差の少ないことが分かる。また、t 1とt3で加振したときのスラスト変位を比較す るとt1<t<t2におけるスラスト軸の受動支 領域に比べ、t=t3以降におけるスラスト軸の 動支持領域の方がダンピングがよく、かつ 答が速いことが分かる。

 上記相違を明確化するため、第2実施形態で 述べた別の5軸能動制御型ベアリングレスモ タを用いて上記と同様の比較実験を行った 図17に、制御を行った場合(能動型に相当)と 御を行わなかった場合(受動型に相当)とに いて比較実験した結果を示す。
図17を見て分かるように、上述した図16の結 と同様に定常偏差、ダンピング、応答速度 に能動型の方が優れていることが分かる。