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Title:
BEARING METAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142830
Kind Code:
A1
Abstract:
A bearing metal (11) for supporting a rotating shaft while being split vertically into an upper split metal and a lower split metal and having a lubrication groove formed in the inner circumferential surface. When the direction of maximum displacement of the rotating shaft body in a plane intersecting its axis of rotation perpendicularly is above the mating plane (S) of the upper and lower split metals (12, 13) during rotation of the rotating shaft, an upper lubrication groove (14) is not arranged at least in a region from the mating plane in the direction of maximum displacement to a portion (N) upper than the vicinity (M) of the mating plane, with respect to the lubrication groove formed in the circumferential direction on the upper split metal (12) side, and a lower lubrication groove (15) is arranged in the vicinity (M) of the mating plane on the side opposite to the direction of maximum displacement with respect to a lubrication groove formed in the circumferential direction on the lower split metal (13) side.

Inventors:
SUGIMOTO IWAO
Application Number:
PCT/JP2008/001131
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI SHIPBUILDING ENG CO (JP)
SUGIMOTO IWAO
International Classes:
F16C17/02; F16C9/02; F16C33/10
Foreign References:
JPH1030419A1998-02-03
JPH07139539A1995-05-30
JPS5962721A1984-04-10
JP2008095858A2008-04-24
Other References:
See also references of EP 2159434A4
Attorney, Agent or Firm:
HARADA, Yohei (10-10 Nishi-Hommachi 1-chome, Nishi-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 上分割メタルと下分割メタルとからなる上下二分割構造にされて回転軸体を支持するとともに内周面に潤滑溝が形成された軸受メタルであって、
 上記上分割メタル側に円周方向で形成される潤滑溝については、回転軸体の回転時に、その回転軸心と直交する平面内での当該回転軸体の最大変位方向が上下の両分割メタルの合わせ面近傍である場合に、少なくとも、当該合わせ面近傍にて潤滑溝が配置されないようにするとともに、
 上記下分割メタル側に円周方向で形成される潤滑溝については、上記最大変位方向とは反対側の合わせ面近傍に配置したことを特徴とする軸受メタル。
 上分割メタルと下分割メタルとからなる上下二分割構造にされて回転軸体を支持するとともに内周面に潤滑溝が形成された軸受メタルであって、
 上記上分割メタル側に円周方向で形成される潤滑溝については、回転軸体の回転時に、その回転軸心と直交する平面内での当該回転軸体の最大変位方向が上下の両分割メタルの合わせ面より上方である場合に、少なくとも、当該最大変位方向における合わせ面からその合わせ面近傍を超えた上方部分まで、潤滑溝を配置しないようにしたことを特徴とする軸受メタル。
 上分割メタルと下分割メタルとからなる上下二分割構造にされて回転軸体を支持するとともに内周面に潤滑溝が形成された軸受メタルであって、
 上記上分割メタル側に円周方向で形成される潤滑溝については、回転軸体の回転時に、その回転軸心と直交する平面内での当該回転軸体の最大変位方向が上下の両分割メタルの合わせ面より上方である場合に、少なくとも、当該最大変位方向における合わせ面からその合わせ面近傍を超えた上方部分まで、潤滑溝を配置しないようにするとともに、
 上記下分割メタル側に円周方向で形成される潤滑溝については、上記最大変位方向とは反対側の合わせ面近傍に、潤滑溝を配置したことを特徴とする軸受メタル。
 最大変位方向が、軸受メタルに対する回転軸体の偏心率が0.9以上の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の軸受メタル。
 合わせ面近傍が、合わせ面に対して略±10°の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の軸受メタル。
 上方部分が合わせ面近傍からさらに略10°の範囲であることを特徴とする請求項2または3に記載の軸受メタル。
Description:
軸受メタル

 本発明は、例えば船舶の主機関における ランク軸の軸受に設けられる軸受メタルに するものである。

 通常、船舶の主機関である大型ディーゼ エンジンのクランク軸のジャーナル(以下、 軸体という)を支持する軸受としては、すべ 軸受が用いられるとともに、このすべり軸 の内側には、上分割メタルと下分割メタル からなる上下二分割構造の軸受メタルが設 られており、当然に、この軸受メタルには 潤滑溝が形成されている。

 従来、この種の潤滑溝の形成範囲は、以下 通りであった。すなわち、図10に示すよう 、上分割メタル51の全部(半円周の全長であ )には上側潤滑溝53が形成されるとともに、 分割メタル52の両端部には、所定角度範囲[ わせ面Sから10~15°(軸体中心O M に対する円弧角度)程度の範囲]でもって下側 滑溝54がそれぞれ形成されていた。

 しかし、上述のディーゼルエンジンにお るすべり軸受の軸受メタルの内周面に形成 れる潤滑溝53,54は、上分割メタル51の全部と 、下分割メタル52の両端部近傍とに形成され いたが、上下の分割メタル51,52同士の合わ 面Sの近傍で剥離が発生するという問題があ た。

 そこで、本発明は、剥離の発生を防止し る軸受メタルを提供することを目的とする

 上記課題を解決するため、本発明の請求項1 に係る軸受メタルは、上分割メタルと下分割 メタルとからなる上下二分割構造にされて回 転軸体を支持するとともに内周面に潤滑溝が 形成された軸受メタルであって、
 上記上分割メタル側に円周方向で形成され 潤滑溝については、回転軸体の回転時に、 の回転軸心と直交する平面内での当該回転 体の最大変位方向が上下の両分割メタルの わせ面近傍である場合に、少なくとも、当 合わせ面近傍にて潤滑溝が配置されないよ にするとともに、
 上記下分割メタル側に円周方向で形成され 潤滑溝については、上記最大変位方向とは 対側の合わせ面近傍に配置したものである

 また、請求項2に係る軸受メタルは、上分割 メタルと下分割メタルとからなる上下二分割 構造にされて回転軸体を支持するとともに内 周面に潤滑溝が形成された軸受メタルであっ て、
 上記上分割メタル側に円周方向で形成され 潤滑溝については、回転軸体の回転時に、 の回転軸心と直交する平面内での当該回転 体の最大変位方向が上下の両分割メタルの わせ面より上方である場合に、少なくとも 当該最大変位方向における合わせ面からそ 合わせ面近傍を超えた上方部分まで、潤滑 を配置しないようにしたものである。

 また、請求項3に係る軸受メタルは、上分割 メタルと下分割メタルとからなる上下二分割 構造にされて回転軸体を支持するとともに内 周面に潤滑溝が形成された軸受メタルであっ て、
 上記上分割メタル側に円周方向で形成され 潤滑溝については、回転軸体の回転時に、 の回転軸心と直交する平面内での当該回転 体の最大変位方向が上下の両分割メタルの わせ面より上方である場合に、少なくとも 当該最大変位方向における合わせ面からそ 合わせ面近傍を超えた上方部分まで、潤滑 を配置しないようにするとともに、
 上記下分割メタル側に円周方向で形成され 潤滑溝については、上記最大変位方向とは 対側の合わせ面近傍に、潤滑溝を配置した のである。

 また、請求項4に係る軸受メタルは、請求 項1乃至3のいずれかに記載の軸受メタルにお て、最大変位方向が、軸受メタルに対する 転軸体の偏心率が0.9以上の範囲としたもの ある。

 また、請求項5に係る軸受メタルは、請求 項1乃至3のいずれかに記載の軸受メタルにお て、合わせ面近傍が、合わせ面に対して略 10°の範囲としたものである。

 さらに、請求項6に係る軸受メタルは、請 求項2または3に記載の軸受メタルにおいて、 方部分が合わせ面近傍からさらに略10°の範 囲としたものである。

 上記請求項1に係る軸受メタルの構成によ ると、上分割メタル側に円周方向で形成され る潤滑溝については、回転軸体の回転時に当 該回転軸体がその回転軸心と直交する平面内 で変位した際に、その最大変位方向が上下の 両分割メタルの合わせ面近傍である場合、少 なくとも、当該合わせ面近傍に潤滑溝を配置 しないようにしたので、最大変位方向側で摩 擦熱が発生した場合でも潤滑油が直接に供給 されることがないため、熱歪が小さくなり、 したがって軸受メタルに剥離などの損傷が発 生するのを防止することができる。

 また、請求項2および請求項3に係る軸受 タルの構成によると、上分割メタル側に円 方向で形成される潤滑溝については、回転 体の回転時に当該回転軸体がその回転軸心 直交する平面内で変位した際に、少なくと 、その最大変位方向が分割メタル同士の合 せ面近傍より上方である場合、当該上方部 に潤滑溝を配置しないようにしたので、最 変位方向で摩擦熱が発生した場合でも潤滑 が直接に供給されることがないため、当該 方部分での熱歪が小さくなり、したがって 受メタルに剥離などの損傷の発生を防止す のを防止することができる。

本発明の実施の形態に係る軸受メタル 有する軸受が設けられたエンジンの模式図 ある。 同軸受メタルの斜視図である。 同軸受メタルの分解斜視図である。 同軸受メタルにおける潤滑溝の配置範 を説明する側面図である。 同軸受メタルに対する回転軸体の変位 状態の実測値を示す図である。 同軸受メタルに対する回転軸体の変位 状態の理論解析値を示す図である。 同軸受メタルに対する回転軸体の偏心 を説明する断面図である。 同軸受メタルの潤滑溝の配置状態を示 模式側面図である。 本発明の他の実施の形態における軸受 タルの潤滑溝の配置状態を示す模式側面図 ある。 本発明の他の実施の形態における軸受 タルの潤滑溝の配置状態を示す模式側面図 ある。 従来例の軸受メタルの断面図である。

 以下、本発明の好適な実施の形態に係る 受メタルを、図1~図7に基づき説明する。

 本実施の形態に係る軸受メタルは、例え 船舶に搭載される大型の舶用ディーゼルエ ジン(所謂、主機関である)のクランク軸を 持する軸受(主軸受ともいう)の内面に配置さ れるものとして説明する。

 まず、このエンジンの構成を概略的に説 すると、図1に示すように、例えば7個のピ トン1を有しており、そのクランク軸2は、8 (#1~#8)の軸受3により支持されるとともに、船 尾側の後端部はさらに隔壁に設けられた#9の 受3により支持されている。なお、#1は船首 (Fore)のものを示し、#8は船尾側(Aft)のものを 示す。勿論、クランク軸2の各ピストン1に対 する位置には、クランクアーム4を介してク ランクピン5が設けられるとともに、このク ンクピン5とピストン1とがそれぞれコネクテ ィングロッド6を介して連結されている。

 次に、軸受メタルが設けられる軸受3につ いて説明する。

 すなわち、図2および図3に示すように、 の軸受3内には、上記クランク軸2のジャーナ ル(回転軸体の一例で、以下、軸体と称する ともにクランク軸と同一の部材番号2を付し 説明する)を回転可能に支持する軸受メタル 11が設けられている。

 この軸受メタル11は上下二分割構造にさ 、上半円周部の上分割メタル12および下半円 周部の下分割メタル13により構成されている

 そして、これら各分割メタル12,13の内周 には、円周方向に沿って所定幅の上側およ 下側潤滑溝14,15が形成されている。

 まず、軸受メタルの潤滑溝を形成(配置) る際の基本的な考え方について説明してお 。

 軸受メタル11の剥離状態を調べた結果、 離箇所(剥離部位)と軸体2に作用する力(荷重) の方向とは必ずしも一致していないという知 見、および軸体2と軸受メタル11との摩擦によ る加熱(所謂、摩擦熱)と潤滑油の供給による 却とが繰り返し行われることにより発生す 熱歪に起因しているという知見を得たこと 基づく。

 ところで、摩擦熱は、油膜切れが生じ易 箇所、例えば軸受中心付近の水平面および の上側領域などの潤滑油を巻き込みにくい 所に軸体2が軸受メタル11内で比較的大きく 位(移動)したことにより、発生するものと えられる。なお、軸体2が大きく変位する箇 は、上述したように、必ずしも、最大荷重 作用する位置ではなく、軸体が回転してい 場合、潤滑油を巻き込みその回転方向の上 側に少しずれた位置となる。これらを考慮 ると、摩擦熱が発生する箇所は、所謂、軸 3の合わせ面近傍およびその上方部分となる 。

 したがって、剥離に対処する方法として 、図4に示すように、油膜切れが生じ易い箇 所、すなわち水平付近である合わせ面近傍M よびその上方部分Nに、潤滑油を直接供給し いようにすればよい。

 このために、軸体2の回転時に、当該軸体 2の変位を計測することにより、または軸体2 挙動の理論解析により、軸体2が合わせ面近 傍Mおよびその上方部分Nにおいて、大きく変 している箇所(以下、最大変位方向という) 見つければよく、その方法としては、実際 計測(以下、実測という)による方法と理論解 析による方法とがある。

 例えば、#1,#2,#4および#8の各軸受3におけ 軸体2の変位を実測した結果を図5Aに示し、 た理論解析による軸体2の変位を求めた結果 図5Bに示す。これら図5Aおよび図5Bに示す変 は偏心率を示している。

 この偏心率は、図6に示すように、軸体2と 受メタル11に対する軸体2の半径隙間(軸体2の 中心Oと軸受メタル11の中心O M とが一致した状態での半径隙間である)cに対 る軸体2の中心Oの変位量δの割合(δ/c)および 変位方向を、その軸体2の回転角度θをパラメ ータとして示したものである。図5Aおよび図5 Bにおいて、0°を「Top」、90°を「Port」、180° 「Bottom」および270°を「Starboard」で表して る。

 また、以下の説明において、両分割メタル1 2,13同士の合わせ面(通常の設置状態に則して うと、水平面に相当する)Sは左側部(90°)お び右側部(270°)を含む平面(軸受が正しく設置 されている場合は水平面である)を表し、ま 合わせ面近傍Mについては、左側部(90°)また 右側部(270°)に対して、つまり水平面に対し て、略±10°の範囲(つまり、20°の範囲であり 所定範囲と呼ぶこともできる)を表し、また 合わせ面近傍Mを超える上方部分Nについても 略10°の範囲(所定範囲と呼ぶこともできる) 表すものとする(図4参照)。なお、「略」の 囲としては±2割程度であるが、好ましくは ±1割程度である。また、上記角度について 、軸受メタル11の中心O M を中心とする円弧角度を示している(以下、 じ)。

 図5Aおよび図5Bから、実測結果および解析 結果とも、最大変位部分(具体的には、偏心 が0.9以上の部分)は、上分割メタル14と下分 メタル15との合わせ面近傍Mで発生している とが分かり、また#8軸受3では、合わせ面近 Mを含めてその上方部分Nで発生していること が分かる。これらの結果から、従来の軸受メ タルでの剥離箇所に対応していることが分か る。

 すなわち、最大変位部分(大きい変位箇所 )が合わせ面近傍Mまたはその上方部分Nにくる と、軸受メタル11との接触による摩擦熱が生 るとともに、この部分に潤滑溝がかかって ると、潤滑油の冷却機能により熱歪が起こ 剥離現象が発生する。したがって、この最 変位部分に潤滑油が直接供給されないよう 潤滑溝を配置すればよく、剥離現象をなく ことができる。

 纏めると、上分割メタル12側に円周方向 形成される上側潤滑溝14については、図7に すように、軸体2の回転時に当該軸体2が回転 軸心と直交する平面内で変位した際に、その 最大変位方向が上下の両分割メタル12,13の合 せ面近傍Mである場合、少なくとも、当該合 わせ面近傍(10°付近まで)Mには潤滑溝を形成 ないようにするとともに、下分割メタル13側 の下側潤滑溝15については、上記最大変位方 とは反対側の合わせ面近傍(-10°付近まで)M 潤滑溝15を形成したものである。なお、反対 側の合わせ面近傍Mまで潤滑溝15を設けたのは 、特に、熱歪を考慮する必要がないからであ る。

 さらに、上分割メタル12側に円周方向で 成される上側潤滑溝14については、軸体2の 転時に当該軸体2が回転軸心と直交する平面 で変位した際に、その最大変位方向が上下 両分割メタル12,13の合わせ面Sより上方であ 場合に、少なくとも、当該最大変位方向に ける合わせ面近傍Mを超えた上方部分Nまで つまり0~20°付近までについては、潤滑溝を 成しないようにされている。また、下分割 タル13側に円周方向で形成される下側潤滑溝 15については、上記最大変位方向とは反対側 合わせ面近傍Mに潤滑溝を形成したものであ る。

 ここで、より具体的に、潤滑溝の配置範 を図5Aおよび図5Bに基づき説明しておく。

 #1軸受3においては、変位軌跡は略80°~略26 5°の範囲であり、この場合は、上分割メタル 12側にだけ上側潤滑溝14を形成すればよい。 なわち、従来の下分割メタル13に設けられて いた潤滑溝については、設ける必要はない。

 #2軸受3においては、変位軌跡は略100°~略2 30°の範囲であり、この場合は、従来の潤滑 のままでよい。

 #4軸受3においては、変位軌跡は略80°~略26 0°の範囲であり、この場合は、例えば上分割 メタル12側および下分割メタル13の右側にだ 潤滑溝14,15を形成すればよい。

 #8軸受3においては、変位軌跡は略全周に っているが、その偏心率が大きい軌跡に着 すると、40°~略180°の範囲であり、この場合 は、例えば上分割メタル12の左側部(90°)に近 部分(つまり、合わせ面近傍)については、 側潤滑溝14を形成しないとともに、下分割メ タル13の右側部については下側潤滑溝15を形 すればよい。

 したがって、上分割メタル12の左側部(90° )に近い部分は設けずに、下分割メタル13の右 側部(270°)に潤滑溝を形成すればよい。

 すなわち、潤滑溝の配置範囲(形成範囲) 説明すると、合わせ面近傍Mおよびその上方 分Nの範囲で、軸体2の偏心率が0.9以上であ 範囲については、潤滑溝を設けないように たものである。

 ところで、潤滑溝の配置範囲すなわち軸 の挙動範囲については、実測する方法と計 により解析する方法(理論解析)とがある。 測については説明する必要はないが、その 析方法を概略的に説明すると、クランク軸 を、ジャーナル、クランクアームおよびク ンクピンの構成を保持しつつ少数の梁要素 置換し、軸受の潤滑解析には短軸受解のモ リティ法を用い、そして軸系の挙動と潤滑 析の連成解析に伝達マトリックス法を適用 るものである。以下、その手順を簡単に説 する。

 (1)まず、伝達マトリックス法によりクラ ク角度0゜の軸受に作用する軸受荷重および ジャーナルの傾きを求める。

 (2)次に、軸受の変位量から軸受荷重を計 し、モビリティ法でジャーナルの偏心率を める。

 (3)次に、求められた偏心率を伝達マトリ クス計算に反映させて、次のクランク角度 テップにおける軸受荷重とジャーナルの傾 を求める。

 (4)最後に、1サイクルにわたり上記(1)~(3) での手順を繰り返し、クランク角度0゜にお る偏心量とクランク角度360゜における偏心 の差がある設定値以下になるまで繰り返せ よい。通常は3回から4回の繰返しで十分に 束する。

 以上の手順により、1サイクル中の全ての 軸受内の軸体(ジャーナル)の偏心量や軸の傾 が求められる。

 このように、軸受メタル11の上分割メタ 12側に円周方向で形成される上側潤滑溝14に いては、軸体2の回転時に当該軸体2がその 転軸心と直交する平面内で変位した際に、 の変位が大きい方向つまり最大変位方向が 下の両分割メタル12,13の合わせ面近傍Mであ 場合に、当該合わせ面近傍Mに上側潤滑溝14 配置しないようにしたので、最大変位方向 摩擦熱が発生した場合でも潤滑油が直接に 給されることがないため、熱歪が小さくな 、したがって軸受メタルに剥離などの損傷 発生するのを防止することができる。この 合、下分割メタル13に設けられる下側潤滑溝 15については、上記最大変位方向とは反対側 合わせ面近傍Mに例えば略10°程度の範囲で って下側潤滑溝15が形成され、摩擦熱が発生 しない部分には潤滑油が供給されて潤滑機能 が維持されている。

 ところで、上記実施の形態においては、 転軸体の最大変位方向が合わせ面近傍Mまた はそれより上方部分Nである場合に、少なく も、その最大変位方向での上分割メタル12の 合わせ面近傍Mおよび上方部分Nに上側潤滑溝1 4を配置しないようにしたが、図9に示すよう 、反対側の同じ範囲にて、上側潤滑溝を配 しないようにしてもよい。したがって、こ 場合は、下分割メタル13については、潤滑 が形成されないことになる。