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Patent Searching and Data


Title:
BEARING OR SEAL USING CARBON-BASED SLIDING MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133197
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a bearing or a seal using pure water as a lubricant and having an excellent durability. The pure water lubricant-using bearing or seal includes a movable member and a fixed member having electric resistance in a range from 1 to 18.25 MΩcm. The bearing or the seal is characterized in that a diamond-like carbon film is formed on the sliding surface of the movable member or the fixed member.

Inventors:
SUGIYAMA KENICHI (JP)
NAGASAKA HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057582
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
EBARA CORP (JP)
SUGIYAMA KENICHI (JP)
NAGASAKA HIROSHI (JP)
International Classes:
F16C33/12; C23C26/00; F16C17/04; F16C17/14; F16C33/16; F16C33/24; F16J15/34
Foreign References:
JP2006275286A2006-10-12
JP2003239973A2003-08-27
JP2003194060A2003-07-09
JPH11199325A1999-07-27
Attorney, Agent or Firm:
SHAMOTO, Ichio et al. (Section 206 New Ohtemachi Bldg., 2-1, Ohtemachi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 可動部材と静止部材とを有し、電気抵抗が1~18.25Mωcmの純水を潤滑液とする軸受け又はシールにおいて、前記可動部材及び前記静止部材の少なくとも一方の部材の滑り面にダイヤモンドライクカーボン膜を形成したことを特徴とする軸受け又はシール。
 請求項1に記載の軸受け又はシールにおいて、前記ダイヤモンドライクカーボン膜はビッカース硬さHvが1000~8000、膜の厚さが1μm以上で5μm以下であることを特徴とする軸受け又はシール。
 請求項1又は2に記載の軸受け又はシールにおいて、前記ダイヤモンドライクカーボン膜を、窒化ケイ素又は炭化ケイ素の部材に被覆したことを特徴とする軸受け又はシール。
 請求項1又は2に記載の軸受け又はシールにおいて、前記ダイヤモンドライクカーボン膜を、ステンレス鋼の部材に被覆したことを特徴とする軸受け又はシール。
 請求項1ないし4のいずれかに記載の軸受け又はシールにおいて、前記ダイヤモンドライクカーボン膜が前記可動部材及び静止部材の一方の部材に形成され、他方の部材は炭素質成形体であることを特徴とする軸受け又はシール。
 可動部材と静止部材とを有し、電気抵抗が1~18.25Mωcmの純水を潤滑液とする軸受け又はシールにおいて、前記可動部材及び前記静止部材の少なくとも一方の部材の滑り面に多結晶ダイヤモンド膜を形成したことを特徴とする軸受け又はシール。
 請求項6に記載の軸受け又はシールにおいて、前記多結晶ダイヤモンド膜の厚さが1μm以上で20μm以下であることを特徴とする軸受け又はシール。
 請求項6又は7に記載の軸受け又はシールにおいて、前記多結晶ダイヤモンド膜を、窒化ケイ素又は炭化ケイ素の部材に被覆したことを特徴とする軸受け又はシール。
 請求項6ないし8のいずれかに記載の軸受け又はシールにおいて、前記多結晶ダイヤモンド膜が前記可動部材及び静止部材の一方の部材に形成され、他方の部材は炭素質成形体であることを特徴とする軸受け又はシール。
 請求項1ないし9の何れかに記載の軸受け及びシールの少なくとも一方を備えた回転機械。
Description:
炭素系摺動部材を用いた軸受け はシール

  本発明は、ポンプ、タービン、コンプ ッサー、ブロアー等の回転機械に使用する に適した、炭素系摺動部材を用いた軸受け はシール並びにそれらの軸受け又はシール 備えた回転機械に関し、特に取り扱う液が 水である炭素系摺動部材を用いた純水取り い用の軸受け又はシール若しくはそれらを いた回転機械に関する。

 水を潤滑液として扱う、ポンプ等の回転機 の軸受け及び軸シールにはシリコン系セラ ックスである炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(S i 3 N 4 )などが広く使用されている。これらセラミ クスは水中潤滑下での摺動中に、摺動面に ル状の水酸化物や水和物の膜が容易に形成 れ易く、この効果により、低摩擦、耐摩耗 に優れている。
 キャンドモータポンプのジャーナル軸受け スラスト軸受けには回転側、固定側ともにS iCで構成することが広く行われている。また ポンプのシール部材においては、回転側をS iC、固定側を炭素質成形体で構成したり、両 を共にSiCで構成することが広く知られてい 。

特開2006-275286号公報

 一般的に、水道水は電気抵抗が0.001~0.1Mωcm あり、このような環境でシリコン系セラミ クスを使用する場合には優れた摩擦摩耗特 を示す。
 しかしながら、電気抵抗が1Mωcm以上の純水 取り扱い液とする場合は、水中に含まれるS i濃度が小さいために、Si系水酸化物、または Si系水和物が水中への溶解速度が大きくなり シリコン系セラミックスが腐食されていく したがって、軸受け、シール部の表面が荒 て水膜切れを越すことにより、すべり面の 接接触を発生して摩耗し、水道水の場合と 較して極端に短い時間で回転トルクが上昇 使用不能となる。
 なお、理論純水の場合の電気抵抗は18.25Mωcm となり、これ以上の値は存在しない。

 本発明の目的は、耐久性に優れた純水を潤 液とする軸受け又はシールを提供すること ある。
 本発明の他の目的は、軸受け或いはシール 構成する部材にセラミックスを使用すると にその部材の滑り面にダイヤモンドライク ーボン又は多結晶ダイヤモンドの膜を形成 ることにより耐磨耗性を向上した軸受け又 シールを提供することである。
 本発明の別の目的は、このような軸受け又 シールを用いた回転機械を提供することで る。

 本願の第1の発明によれば、可動部材と静止 部材とを有し、電気抵抗が1~18.25Mωcmの純水を 潤滑液とする軸受け又はシールにおいて、前 記可動部材及び前記静止部材の少なくとも一 方の部材の滑り面にダイヤモンドライクカー ボン膜を形成したことを特徴とする軸受け又 はシールが提供される。
 上記第1の発明による軸受け又はシールにお いて、前記ダイヤモンドライクカーボン膜は ビッカース硬さHvが1000~8000で、膜の厚さが1μm 以上で5μm以下でるのが好ましい。膜の厚さ 1μm以上としたのは、それより薄いと膜中に 在するピンホールが母材まで貫通する可能 が高くなり、ピンホール中を純水が侵入し 材を浸食する可能性があるからであり、5μm 以下としたのは、それより厚くなると膜中の 残留応力が高くなって膜が剥離し易くなるた めである。前記ダイヤモンドライクカーボン 膜の厚さは、より好ましくは、1μm以上で3μm 下である。
 上記第1の発明による軸受け又はシールにお いて、ダイヤモンドライクカーボン膜を、窒 化ケイ素又は炭化ケイ素の部材に被覆するの が好ましい。その理由は、窒化ケイ素は硬質 であり、炭化ケイ素は硬質で熱伝導性が良い からである。また、ダイヤモンドライクカー ボン膜を、ステンレス鋼の部材に被覆しても 良い。ステンレス鋼は耐食性に優れているた めである。
 また、上記第1の発明による軸受け又はシー ルにおいて、前記ダイヤモンドライクカーボ ン膜が可動部材及び静止部材の一方の部材に 形成され、他方の部材を炭素質成形体とする のが好ましい。その理由は、炭素質形成体は 自己潤滑性を有するからである。

 上記発明において、ダイヤモンドライクカ ボン(DLC)の合成法として、熱フィラメントCV D(chemical vapor deposition,化学蒸着)法、マイク 波プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、直 放電プラズマ法、アーク方式イオンプレー ィング法、スパッタリング蒸着法、イオン 着法等があげられる。特に施工コストの観 から、マイクロ波プラズマCVD法、高周波プ ズマCVD法、アーク方式イオンプレーティン 法、スパッタリング蒸着法が望ましい。化 蒸着法における原料としては、炭素化合物 用いる。その原料の例としては、メタン、 タン、プロパン、ブタン等の飽和炭化水素 エチレン、プロピレン、アセチレン、ブタ エン等の不飽和炭化水素、ベンゼン、トル ン等の芳香族炭化水素があげられる。アー 方式イオンプレーティング法、スパッタリ グ蒸着法などの物理蒸着法では、炭素のタ ゲット基盤を使用する。
 ダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜)は、 イヤモンドと同様の結晶(sp3)を含む非晶質カ ーボン膜であり、一般に硬く、摺動性に優れ ているとされ、軸受け、シール等の高負荷の 摺動部材の他、磁気記憶媒体の保護膜のよう な軽負荷の摺動部材等、様々な製品への適用 が期待されている。上記の技術事項は公知で あるので、詳細な説明は省略する。
 また、炭素質成形体は、一般的には次のよ な方法によって製造される。まず、コーク などを原料とする炭素粉末をバインダーと ばれる結合剤を加熱しながら混ぜ合わせ、 却後粉砕して篩い分けし、粉末をつくる。 に粉末を所定の形状にするために型の中に れ、均等に圧力を加えて成形する。次に成 体に熱を加えることによりバインダーに含 れている有機成分を除去した後、この成形 を熱処理して黒鉛化するか、或いは成形体 樹脂又は金属を含浸させる処理を施して成 体の強度を向上させる。

 本願の第2の発明によれば、可動部材と静止 部材とを有し、電気抵抗が1~18.25Mωcmの純水を 潤滑液とする軸受け又はシールにおいて、前 記可動部材及び前記静止部材の少なくとも一 方の部材の滑り面に多結晶ダイヤモンド膜を 形成したことを特徴とする軸受け又はシール が提供される。
 上記第2の発明による軸受け又はシールにお いて、前記多結晶ダイヤモンド膜の厚さが1μ m以上で20μm以下であることが好ましい。その 理由は、多結晶ダイヤモンド膜の厚さが20μm り大きくなると皮膜中の残留応力が高くな 、膜が剥離し易くなるためであり、かつ,20 mより大きくなるとダイヤモンド結晶の異常 長が発生し易くなり,正常なすべり面を形成 することが困難になるからである。一方,1μm り小さくなるとダイヤモンド膜中のピンホ ル内に純水が侵入して母材を浸食するおそ があるからである。前記多結晶ダイヤモン 膜の厚さは、更に好ましくは10μm以上で20μm 以下である。
 ダイヤモンド結晶の大きさは、表面から観 して0.001μm~15μmである。
 上記第2の発明による軸受け又はシールにお いて、前記多結晶ダイヤモンド膜を、窒化ケ イ素又は炭化ケイ素の部材に被覆するのが好 ましい。その理由は、窒化ケイ素は硬質であ り、炭化ケイ素は硬質で熱伝導性が良いから である。
 また、上記第2の発明による軸受け又はシー ルにおいて、前記多結晶ダイヤモンド膜が可 動部材及び静止部材の一方の部材に形成され 、他方の部材を炭素質成形体とするのが好ま しい。その理由は、炭素質形成体は自己潤滑 性を有するからである。

 多結晶ダイヤモンドの合成法として、熱フ ラメントCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、 周波プラズマCVD法、直流放電プラズマ法、 ーク放電プラズマジェット法、燃焼炎法な が挙げられる。特に施工コストの観点から 熱フィラメントCVD法及びマイクロ波プラズ CVD法が望まし。このような気相合成方法に ける原料は、水素ガスにメタン、アルコー 、アセチレン等の炭化水素を数%混合した混 合ガスを使用する。プロセスによっては、水 素ガスに一酸化炭素及び二酸化炭素等を混合 したり、その他のガスを微量添加したりする こともある。これらの混合ガスに共通してい ることは、原料ガスの大部分が水素であり、 この原料ガスをプラズマ化又は熱的に励起し て活性化して使用することである。活性化さ れた水素は、非ダイヤモンド炭素に対して強 いエッチング作用があり、一方、ダイヤモン ドに対してはほとんどエッチング作用がない 。前述の気相合成法は、この選択的エッチン グ作用をうまく利用して、基材上における非 ダイヤモンド成分の成長を抑え、ダイヤモン ドのみを析出させることにより、ダイヤモン ド膜を形成している。
 熱フィラメントCVD法では、成膜プロセス中 基盤温度が800~1000℃となるため、基材とし は、シリコン、窒化ケイ素、アルミナ及び 化ケイ素等の無機材料並びにモリブデン及 白金等の高融合点金属が使用される。

 従来は、水道水による潤滑下において優 た摩擦磨耗特性を発揮するシリコン系セラ ックスは、水潤滑軸受け或いはシールとし 広く使用されてきたが、不純物の非常に少 い純水中での摺動環境すなわち軸受け或い シールを構成する部材が互いに滑り接触す 環境では、シリコン系セラミックスは腐食 より磨耗してしまう。これに対して、本発 の軸受け又はシールでは滑り接触する一対 部材の少なくとも一方の部材の滑り面に多 晶ダイヤモンド膜或いはDLC膜を形成してい ので、摩擦磨耗特性に優れ長い寿命を有す 純水用の軸受け又はシールが提供される。

水道水を用いたSiCのエロージョン・コ ージョン試験結果(試験1)を示す図である。 1(a)は試験前であり、図1(b)は試験後である 純水を用いたSiCのエロージョン・コロ ジョン試験結果(試験2)を示す図である。図2 (a)は試験前であり、図2(b)は試験後である。 純水を用いた多結晶ダイヤモンド膜の ロージョン・コロージョン試験結果(試験3) 示す図である。図3(a)は試験前であり、図3(b )は試験後である。 本発明による滑軸受けの一実施例の断 図である。 図4の軸受けの線A-Aに沿って見た円板の 平面図である。 図4の実施例の軸受けの変形例を示す断 面図である。 図6の軸受けの線B-Bに沿って見た円板の 平面図である。 本発明によるシールの一実施例の断面 である。 図6のシールの部分Cの拡大図である。 本発明による軸受けを用いたポンプの 一例を示す断面図である。

符号の説明

1 回転軸
10、10a 軸受け          11、11a 上支持
12、12a 下支持体         15、15a、16、16a 円板
17、17a 螺旋溝          18、18a 凹部

 具体的実施形態の説明に入る前に焼結体SiC 多結晶ダイヤモンド膜について、水道水又 純水を用いて行ったエロージョン・コロー ョン試験について説明する。
 内径1mmのノズルから流速28m/sで水を放出し 水の放出方向と垂直になるように試験材料 表面を配置した。ノズル出口から試験材料 面までの距離を25mmとし、100時間試験材料表 に水を衝突させ続け、試験材料の体積減少 を比較した。水道水の電気抵抗は0.007Mωcmで 、純水の電気抵抗は18Mωcmであった。
 表1に各材料の体積減少量を示す。この表か らSiCは水道水では全く壊食しないが、純水で は大きく壊食することが分かる。一方多結晶 ダイヤモンド膜は純水でも全く壊食しないこ とが分かる。したがって、超純水中環境にお いて、多結晶ダイヤモンド膜は良好な耐食性 を示し、SiCを被膜して滑り部材の超寿命化が 図れる。
 また、DLC膜についても、多結晶ダイヤモン 膜と同じく炭素材料なので、良好な耐食性 得られるものと考えられる。
 図1ないし図3は試験1ないし3の試験前と試験 後の表面の壊食状態を示す図である。

 図4及び図5において本発明による軸受け 一実施例が全体を10で示されている。この実 施形態の軸受け10は、スラスト軸受けであり 回転軸1の先端(図4で下端)に取り付けられた 、円板状の上支持体11と、上支持体の下側に 置された円板状の下支持体12とを備え、そ らは潤滑液である純水wが満たされている軸 け室C内に配置されている。上支持体11は公 の方法、例えばキー及びキー溝により、回 軸1と共に回転するように回転軸1に連結さ ている。下支持体12の中央下面(上支持体側 反対の面)には所定の半径の部分球面を有す 凸部13が形成され、その突起は、軸受け室C 画定するハウジング2の下部中心に固定され た固定軸14の部分球面状の凹部内に受けられ いる。凸部13は固定軸の凹部内にぴったり 嵌るようになっている。

 上支持体11及び下支持体12の対向する面、す なわち、図4において、上支持体の下面及び 支持体の上面には、セラミックス製の円板15 及び16がそれぞれ公知の方法(例えば、ねじ止 め等)により固定されている。セラミックス の円板16の、セラミックス製の円板15と対向 る面には、図5に示されるように、複数の螺 旋溝17(図5で黒塗りの部分)が形成されている 円板16の螺旋溝が形成された面の中心部に その螺旋溝と半径方向内側で通じる凹部18( 5で中央の黒塗り部分)が円形状に形成されて いる。なお、19は下支持体12の回転を阻止す ストッパーである。セラミックス製の円板15 及び16は好ましくは窒化ケイ素又は炭化ケイ が好ましい。その理由は、表面に多結晶ダ ヤモンド膜が形成される基材となる円板の 質の硬さが多結晶ダイヤモンドの硬さに比 して遙かに小さくなると、応力による円板 変形に多結晶ダイヤモンド膜の変形が追従 きず、その膜が基材である円板から剥離し しまうおそれがあるが、窒化ケイ素及び炭 ケイ素は硬度が極めて高く、このようなお れがないからである。
螺旋溝の向きは、その螺旋溝17に接して回転 る摺動面を有する摺動部材としてのセラミ クス製の円板15により、水が円板16の周辺部 から中心部の凹部18(図5で黒塗りの部分)内に かって誘導されて二つのセラミックス製の 板15及び16の間で動圧を発生させるようにな っている。

 セラミックス製の円板15及び16の摺動面すな わち互いに対向する面(滑り面)には多結晶ダ ヤモンド膜が形成されている。多結晶ダイ モンド膜は前記段落番号[0008]内で述べた方 で形成される。多結晶ダイヤモンド膜は皮 厚さが1μm以上で20μm以下であるのが好まし 。その理由は、多結晶ダイヤモンド膜の厚 が20μmより大きくなると皮膜中の残留応力 高くなり、膜が剥離し易くなるためであり かつ,20μmより大きくなるとダイヤモンド結 の異常成長が発生し易くなり,正常なすべり を形成することが困難になるからである。1 μmより小さくなるとダイヤモンド膜中のピン ホール内に純水が侵入して母材を浸食するお それがあるからである。更に好ましくは10μm 上で20μm以下である。多結晶ダイヤモンド が形成される円板を上記窒化ケイ素或いは 化ケイ素のセラミックスでつくる代わりに 食性に優れたステンレス鋼でつくってもよ 。
 更に、セラミックス製又はステンレス鋼製 円板15及び16の摺動面には、多結晶ダイヤモ ンド膜の代わりに、前記段落番号[0006]で述べ た方法でダイヤモンドライクカーボン膜を形 成してもよい。ダイヤモンドライクカーボン 膜はビッカース硬さHvが1000~8000で、厚さが1μm 以上で5μm以下であるのが好ましい。膜の厚 を1μm以上としたのは、それより薄いと膜中 存在するピンホールが母材まで貫通する可 性が高くなり、ピンホール中を純水が侵入 母材を浸食する可能性があるからであり、5 μm以下としたのは、それより厚くなると膜中 の残留応力が高くなって膜が剥離し易くなる ためである。前記ダイヤモンドライクカーボ ン膜の厚さは、より好ましくは、1μm以上で3 m以下である。
 多結晶ダイヤモンド膜或いはダイヤモンド イクカーボン膜をセラミック製或いはステ レス鋼の円板15及び16の対向する面の両方に 形成する代わりに、何れか一方の面(例えば 板16の円板15に対向する面)にのみ形成しても 良い。更に、一方の面にのみ多結晶ダイヤモ ンド膜又はダイヤモンドライクカーボンを形 成する場合に、多結晶ダイヤモンド膜或いは ダイヤモンドライクカーボン膜が形成されて いない円板(例えば円板15)を炭素質成形体で くってもよい。

 図6及び図7において、図4及び図5に示された 軸受けの変形例が10aで示されている。この変 形例の軸受け10aでは、軸1aは、それぞれ軸受 室C内に配置された円板状の上支持体11a及び 下支持体12aの中心に形成された貫通穴を貫通 して伸びている。上支持体11a及び下支持体12a の対向する面、この実施例では上支持体の下 面及び下支持体12aの上面には中心に回転軸1a 貫通できる穴が形成された円板15a及び16aが 置されている。下支持体12aの円板16aが配置 れていない面すなわち下面には大きな半径 部分球面を有する形成された凸部13aが形成 れている。この凸部13aは軸受け室Cを画定す るハウジング2aの対応する部分球面を有する 部内に受けられている。19aは下支持体の回 を阻止するストッパーである。
 円板15a及び16aの材質、円板の摺動面である 向面の一方の面に形成される螺旋溝17aの形 、円板の摺動面に形成される多結晶ダイヤ ンド膜或いはダイヤモンドライクカーボン 等については上記実施例と同じであるから それらについての詳細な説明は省略する。

 図8及び図9において、本発明によるメカニ ルシール式のシールの一実施例が全体を30で 示されている。この実施例によるシール30は 回転軸5の外周に装着されたスリーブ6の外 に配置された可動部材としての環状の可動 ール部材31と、静止部材としての環状の静止 シール部材32と、可動シール部材を保持する ルダ33と、静止シール部材を保持するホル 34とを有している。この実施例において、可 動シール部材は、硬質の窒化ケイ素又は炭化 ケイ素のようなセラミックスで作られている 。可動シール部材31の、静止シール部材に対 する平坦な面(シール面)35には、多結晶ダイ ヤモンド膜37が前記段落番号[0008]で述べた方 で形成される。多結晶ダイヤモンド膜37の さは、この実施例では10μmであるが、1μm以 で20μm以下であれば良い。その理由は、多結 晶ダイヤモンド膜の厚さが20μmより大きくな と皮膜中の残留応力が高くなり、膜が剥離 易くなるためであり、かつ,20μmより大きく るとダイヤモンド結晶の異常成長が発生し くなり,正常なすべり面を形成することが困 難になるからである。1μmより小さくなると イヤモンド膜中のピンホール内に純水が侵 して母材を浸食するおそれがあるからであ 。多結晶ダイヤモンド膜が形成されること より、そのダイヤモンド膜の表面が可動シ ル部材のシール面となる。このシール面と 触するシール面36を有する静止シール部材32 炭素質成形体のような軟質材でつくられて る。このように一対のシール部材の一方の に多結晶ダイヤモンド膜を形成し、他方の ール部材を軟質材でつくることにより、摺 面すなわちシール面のなじみが迅速に行わ 、優れたシール性能及び摩擦摩耗特性を発 することが可能となる。
 なお、上記と反対に、静止シール部材を窒 ケイ素又は炭化ケイ素でつくってそのシー 面に多結晶ダイヤモンド膜を形成し、可動 ール部材を炭素質成形体のような軟質材で くってもよい。
 更に、上記多結晶ダイヤモンド膜の代わり 、ダイヤモンドライクカーボン膜を前記段 番号[0006]で述べた方法で形成しても良い。

 図10において、本発明による軸受けを適 した回転機械としてのキャンドモータポン が100で示されている。このキャンドモータ ンプ100は、吸入口102、チャンバ103及び吐出 104を画定する外側ケーシング101と、外側ケ シングのチャンバ内に配置されていて、筒 のモータフレーム106及びそのモータフレー の両端部に取り付けられた端板107及び108を するモータハウジング105とを備えている。 ータハウジング105内には回転軸111が配置さ 、その回転軸は、各端板107及び108に設けら ていて、本発明を適用した軸受け40、40a及び 50により回転自在に支持されている。回転軸 吸入口側端部は端板107を貫通して吸入口側 突出し、その突出した部分に羽根車112が固 されている。筒状のモータフレームの外周 はリブ109が周方向に隔てて形成されていて 外側ケーシング101とモータフレーム106との で隣接するリブ間に形成された隙間が、羽 車から送り出された流体が吐出口104に流れ 通路121になっている。

 軸受け40及び40aはラジアル軸受けであり それぞれ端板に固定された軸受けハウジン 115及び116に固定された中空円筒状の外側す わち固定軸受け部材41と、その固定軸受け部 材に対応する位置で回転軸111に固定された内 側すなわち可動軸受け部材42とを有している 両軸受け部材は、図4ないし図7に示される 受けの円板と同様に、窒化ケイ素、炭化ケ 素のようなセラミックス又はステンレス鋼 ような金属でつくられる。軸受け部材41及び 42の対向する面、すなわち外側の固定軸受け 材41の内周面(摺動面又は滑り面)と、内側の 可動軸受け部材42の外周面(摺動面又は滑り面 )には、前記段落番号[0008]で説明した方法で 結晶ダイヤモンド膜がそれぞれ形成される 多結晶ダイヤモンド膜の厚さは、この実施 では10μmであるが、1μm以上で20μm以下であれ ば良い。その理由は、多結晶ダイヤモンド膜 の厚さが20μmより大きくなると皮膜中の残留 力が高くなり、膜が剥離し易くなるためで り、かつ,20μmより大きくなるとダイヤモン 結晶の異常成長が発生し易くなり,正常なす べり面を形成することが困難になるからであ る。1μmより小さくなるとダイヤモンド膜中 ピンホール内に純水が侵入して母材を浸食 るおそれがあるからである。なお、多結晶 イヤモンド膜の代わりにダイヤモンドライ カーボン膜を形成してもよい。

 軸受け50はスラスト軸受けであり、軸受 ハウジング116の端部(図7において右端)に取 付けられた環状の静止軸受け部材51と、その 軸受け部材に隣接して配置され、回転軸111に 固定された軸受け支持部材53に取り付けられ 回転軸受け部材52とを備えている。両軸受 部材は、図4ないし図7に示される軸受けの円 板と同様に、窒化ケイ素、炭化ケイ素のよう なセラミックス又はステンレス鋼のような金 属でつくられる。軸受け部材51及び52の対向 る面、すなわち固定軸受け部材51の面(摺動 )と、可動軸受け部材52の面(摺動面)には、前 記段落番号[0008]で説明した方法で多結晶ダイ ヤモンド膜がそれぞれ形成される。多結晶ダ イヤモンド膜の厚さは、この実施例では10μm あるが、1μm以上で15μm以下であれば良い。 の理由は、多結晶ダイヤモンド膜の厚さが1 5μmより大きくなると皮膜中の残留応力が高 なり、膜が剥離し易くなるためであり、1μm り小さくなるとダイヤモンド膜中のピンホ ル内に純水が侵入して母材を浸食するおそ があるからである。なお、多結晶ダイヤモ ド膜の代わりにダイヤモンドライクカーボ 膜を形成してもよい。