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Title:
BENDING METHOD AND BENDING APPARATUS FOR MEDICAL SUTURING NEEDLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028651
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided are a bending method and a bending apparatus for bending a medical suturing needle into different curved shapes by using one bending top. The bending apparatus comprises a reciprocally rotatable bending top, and a belt having such a flexibility as can be wound on the outer circumference of the bending top. The bending method curves a medical suturing needle by sandwiching and constricting a material for the medical suturing needle between the bending top and the belt and by rotating the bending top reciprocally in the winding direction and in the rewinding direction. In the bending method, the curved shape of the material is changed by changing the winding angle of the belt to be wound on the outer circumference of the bending top thereby to change the area for constricting the material. The bending apparatus (B) comprises a reciprocally rotatable bending top (11), and a belt (12) having such a flexibility as can be wound on the outer circumference of the bending top (11), and is constituted such that a winding angle (θ) for the belt (12) to be wound on the outer circumference of the bending top (11) is changed.

Inventors:
KATO KAZUAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065502
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MANI INC (JP)
KATO KAZUAKI (JP)
International Classes:
A61B17/06; B21G1/02
Foreign References:
JP3078339B22000-08-21
JPH0242286B21990-09-21
JP2001314933A2001-11-13
JPH0961322A1997-03-07
JPH01295902A1989-11-29
JPH022859A1990-01-08
JPH0378339B21991-12-13
Other References:
See also references of EP 2184017A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAGAWA INTERNATIONAL PATENT OFFICE (5-21 Toranomon 2-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
往復回動する曲げコマと、前記曲げコマの外周面に巻き付く可撓性を持ったベルトと、を有し、前記曲げコマとベルトとの間に医療用縫合針の素材を挟んで拘束して曲げコマを巻込方向及び巻戻方向に往復回動させることで、前記素材を湾曲させる医療用縫合針の曲げ加工方法であって、前記ベルトが前記曲げコマの外周面に巻き付く巻付角度を変化させて前記素材に対する拘束領域を変化させることによって、該素材の湾曲形状を変化させることを特徴とする医療用縫合針の曲げ加工方法。
往復回動する曲げコマと、前記曲げコマの外周面に圧接して巻き付く可撓性を持ったベルトと、を有し、前記ベルトの前記曲げコマの外周面に巻き付く巻付角度を変化させるように構成したことを特徴とする医療用縫合針の曲げ加工装置。
前記可撓性を持ったベルトが長尺状に構成されると共に前記曲げコマに巻き付いた巻付部位の少なくとも一方側がローラーに巻き掛けられており、前記ローラーの位置を曲げコマの外周面に沿って変化させることで、前記ベルトの前記曲げコマの外周面に巻き付く巻付角度を変化させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載した医療用縫合針の曲げ加工装置。
前記可撓性を持ったベルトが長尺状に構成され、前記ベルトを張り渡す一対の拘束部材を有し、且つ前記曲げコマを前記一対の拘束部材の間に配置すると共に該一対の拘束部材を結ぶ線に対して横断する方向に位置移動可能に構成し、前記一対の拘束部材にベルトを張り渡すと共に前記曲げコマの位置を前記一対の拘束部材を結ぶ線に対して横断させた方向に変化させることで、前記ベルトの前記曲げコマの外周面に巻き付く巻付角度を変化させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載した医療用縫合針の曲げ加工装置。
Description:
医療用縫合針の曲げ加工方法及 曲げ加工装置

 本発明は、医療用縫合針を曲げ加工する 法と装置とに関し、特に、曲げコマの外周 に対するベルトの巻付角度を変化させるこ によって、直針状の素材に対し異なる曲率 径で曲げ加工して湾曲させた医療用縫合針 製造することを実現した曲げ加工方法と曲 加工装置とに関するものである。

 生体組織を縫合する際に用いる医療用縫 針は、針先から胴部を経て元端部に至る間 湾曲して形成されているのが一般的である この湾曲形状は全長にわたって略同じ曲率 径を有しており、1/2サークル(180度)、3/8サ クル(135度)、1/4サークル(90度)等の形状或い 角度を持って形成されている。また医療用 合針としては異なる太みと異なる長さを持 た複数種のものが提供されており、これら 種類毎に異なる曲率半径を持った湾曲形状 有している。

 上記の如く湾曲した医療用縫合針を製造 る際に、軸棒状の素材を湾曲させる曲げ加 方法として例えば特許文献1に記載された技 術がある。この技術は、円柱状の曲げロール と、この曲げロールの外周に圧接して巻き付 く可撓性を持ったベルトの間に素材を挿入し 、曲げロールとベルトによって素材を巻き込 むことで該素材を曲げコマの外周面に沿って 曲げ加工し、その後、巻き戻すことで曲げ加 工された素材を排出して軸棒状の素材を湾曲 させている。

 また、例えば特許文献2に記載されるよう に、医療用縫合針の湾曲形状を規定する円筒 状の巻込ロールと、この巻込ロールに圧接す る補助ロールと、巻込ロールと補助ロールと の間に配置された金属ベルトとを有する曲げ 加工装置を用い、巻込ロールと金属ベルトと の間に直針状の素材を挿入して巻込ロールを 時計方向に所定角度回転させることで、挿入 された直針状の素材を曲げ加工することが可 能である。その後、巻込ロールを反時計方向 に回転させることで、湾曲した医療用縫合針 を取り出すことが可能である。

 更に、主として眼科手術に利用される医 用縫合針であるバイカーブニードルは、針 部分と胴部とが異なる曲率半径を持って湾 して形成されている。このような医療用縫 針を曲げ加工する方法の一つとして特許文 3に記載された技術が提案されている。

 特許文献3に記載された技術は、予め所定 の断面形状に成形された直針状の素材に対し 湾曲形状を構成する最も大きな曲率半径で一 端側から所定範囲にわたって曲げ加工を施し 、次いで前記曲げ加工を施された素材に対し 前記曲率半径よりも小さい曲率半径で該素材 の端部から所定範囲にわたって曲げ加工を施 し、以下順次曲率半径が小さくなるように素 材の端部から所定範囲にわたって曲げ加工を 施すものである。この技術では、医療用縫合 針の湾曲形状に対応させた異なる曲率半径を 持った曲げロールを複数用意しておき、これ らの曲げロールによって順次曲げ加工を施す ことで、合理的に曲げ加工を施すことができ る。

特許第1295902号公報

特許特許第2002859号公報

特許第3078339号公報

 医療用縫合針は鋭い先端或いは鈍い先端 持つ針先が形成され、この針先から胴部に けて徐々に太みが大きくなるように形成さ ている。このため、特許文献1、2に記載さ た技術では、針先を曲げロール或いは巻込 ールとベルトとの間に挿入してこれらのロ ルを回動させて巻き込み、所定角度回動さ た後、巻き戻すことで、湾曲の内径側が曲 ロール或いは巻込ロールの外周面の曲率半 に対応した曲げ加工を施すことができる。 かし、湾曲形状の異なる医療用縫合針を曲 加工する場合、目的の湾曲形状に対応させ 曲率半径を持った曲げロール或いは巻込ロ ルを利用することが必要となる。即ち、特 の曲率半径を持った曲げロール或いは巻込 ールを利用して異なる湾曲形状の医療用縫 針を曲げ加工することができない。

 特許文献3に記載された曲げ加工方法では 、長さ方向に異なる曲率半径で湾曲している バイカーブ縫合針を曲げ加工することが可能 である。即ち、目的の医療用縫合針が如何な る湾曲で設定されていようとも、合理的に曲 げ加工を施すことが可能である。しかし、1 の素材に対し複数回の曲げ加工を施すこと 必要となり、作業に手間が掛かって煩雑で るという問題がある。

 尚、特許文献1~3の曲げ加工方法では、素 の外周面が曲げロールの外周面に接触して 曲するため、素材がテーパ状に形成されて る場合、素材の中心軸が同一の曲率半径で 曲しているものではない。しかし、このよ な場合でも実用上では同じ曲率半径で湾曲 ているものと見なしており、以下説明する 発明の場合でも同じである。

 本発明の目的は、1個の曲げコマを用いて 異なる湾曲形状に曲げ加工することができる 医療用縫合針の曲げ加工方法と曲げ加工装置 とを提供することにある。

 上記課題を解決するために本発明に係る 療用縫合針の曲げ加工方法は、往復回動す 曲げコマと、前記曲げコマの外周面に巻き く可撓性を持ったベルトと、を有し、前記 げコマとベルトとの間に医療用縫合針の素 を挟んで拘束して曲げコマを巻込方向及び 戻方向に往復回動させることで、前記素材 湾曲させる医療用縫合針の曲げ加工方法で って、前記ベルトが前記曲げコマの外周面 巻き付く巻付角度を変化させて前記素材に する拘束領域を変化させることによって、 素材の湾曲形状を変化させることを特徴と るものである。

 また本発明に係る医療用縫合針の曲げ加 装置は、往復回動する曲げコマと、前記曲 コマの外周面に圧接して巻き付く可撓性を ったベルトと、を有し、前記ベルトの前記 げコマの外周面に巻き付く巻付角度を変化 せるように構成したものである。

 上記医療用縫合針の曲げ加工装置に於い 、前記可撓性を持ったベルトが長尺状に構 されると共に前記曲げコマに巻き付いた巻 部位の少なくとも一方側がローラーに巻き けられており、前記ローラーの位置を曲げ マの外周面に沿って変化させることで、前 ベルトの前記曲げコマの外周面に巻き付く 付角度を変化させるようにすることが好ま い。

 また上記医療用縫合針の曲げ加工装置に いて、前記可撓性を持ったベルトが長尺状 構成され、前記ベルトを張り渡す一対の拘 部材を有し、且つ前記曲げコマを前記一対 拘束部材の間に配置すると共に該一対の拘 部材を結ぶ線に対して横断する方向に位置 動可能に構成し、前記一対の拘束部材にベ トを張り渡すと共に前記曲げコマの位置を 記一対の拘束部材を結ぶ線に対して横断さ た方向に変化させることで、前記ベルトの 記曲げコマの外周面に巻き付く巻付角度を 化させるようにすることが好ましい。

 本発明に係る医療用縫合針(以下、「縫合 針」という)の曲げ加工方法では、往復回動 る曲げコマの外周面に可撓性を持ったベル を巻き付けておき、曲げコマとベルトとの に縫合針の素材を挟んで拘束した状態で、 げコマとベルトとを素材を巻き込む方向に 動させて曲げ加工し、巻き戻す方向に回動 せて曲げ加工が施された素材を取り出すこ ができる。そして、ベルトの曲げコマの外 面に対する巻付角度を変化させることでベ トによる拘束領域を変化させ、これにより 素材に対する曲げ加工の度合いを変化させ 素材の湾曲形状を変化させることができる

 即ち、ベルトの曲げコマに対する巻付角 が大きい場合、素材は挟み込まれた先端部 らテーパ部及び胴部、元端部までが拘束さ 、拘束された部分には曲げコマの回動に伴 て曲げ力が作用して曲げ加工が施される。 のため、素材は曲げコマの曲率半径に対応 た湾曲形状に曲げ加工される。

 またベルトの曲げコマに対する巻付角度 小さくした場合、曲げコマとベルトとの間 挟まれた素材は巻込方向への回動に伴って げ加工が施されるが、曲げコマとベルトと よって拘束される部分が局部的となり、拘 された局部にのみ曲げ力が作用して曲げ加 が行われる。例えば、素材の先端側がベル の巻付部分を離脱して拘束が解除されたと 、この離脱した部分は自由な状態となり曲 力が作用することがない。このため、素材 先端側は曲げコマの曲率半径よりも大きい 率半径を持った湾曲形状に曲げ加工が施さ ることになる。

 上記の如く、ベルトの曲げコマに対する 付角度を変化させることで、曲げコマの曲 半径と略等しい湾曲形状から曲げコマの曲 半径よりも大きい曲率半径を持った湾曲形 までの曲げ加工を施すことができる。特に 1本の素材に対する曲げ加工を行いながら、 ベルトの曲げコマに対する巻付角度を変化さ せてゆくことで、素材の先端部からテーパ部 を経て胴部までの間の湾曲形状を変化させて ゆくことができる。

 また本発明に係る縫合針の曲げ加工装置 は、ベルトの曲げコマの外周面に巻き付く 付角度を変化させるように構成したことに って、湾曲形状の異なる縫合針の曲げ加工 行うことができる。

 特に、可撓性を持ったベルトを長尺状に 成し、該ベルトの曲げコマに巻き付いた巻 部位の少なくとも一方側がローラーに巻き けられており、このローラーの位置を曲げ マの外周面に沿って変化させることで、ベ トの曲げコマに巻き付く巻付角度を変化さ るように構成した場合には、ベルトが巻き いたローラーの位置を曲げコマに対し所望 位置に配置することで、ベルトの曲げコマ 対する巻付角度を設定することができる。 のため、湾曲形状の異なる縫合針を容易に げ加工することができる。

 また、可撓性を持った長尺状のベルトを り渡す一対の拘束部材を設けると共に、曲 コマを一対の拘束部材の間に且つ該一対の 束部材結ぶ線を横断する方向に位置移動可 に構成し、一対の拘束部材にベルトを張り すと共に曲げコマの位置を一対の拘束部材 結ぶ線に対し横断させた方向に変化させる とで、ベルトの曲げコマの外周面に巻き付 巻付角度を変化させるように構成した場合 は、曲げコマをベルトの張り渡し方向に対 略直交する方向に移動させることで、ベル の曲げコマに対する巻付角度を変化させる とができる。このため、湾曲形状の異なる 合針を容易に曲げ加工することができる。

針先から胴部をへて元端部に至る間で なる曲率半径で湾曲した縫合針(バイカーブ 縫合針)の例を説明する図である。 図1に示す縫合針を曲げ加工する直前の 素材の構成を説明する図である。 本実施例の曲げ加工装置の構成を説明 る図である。 異なる湾曲形状に曲げ加工する状況を 明する図である。 第2実施例の曲げ加工装置の要部の構成 を模式的に説明する図である。

符号の説明

 A                 縫合針
 B、C               曲げ加工装置
 1                 素材
 1a                針先
 1b                切刃
 1c                切刃部
 1d                胴部
 1e                元端部
 11                曲げコマ
 12                ベルト
 13a               供給ロール
 13b               巻取ロール
 14                プレスロール
 15                付勢部材
 20、21             拘束部材
 20a、20b、21a、21b   支持部材

 次に、本発明に係る縫合針の曲げ加工方 と曲げ加工装置の最も好ましい実施形態に いて説明する。本発明の縫合針の曲げ加工 法は、鋭い又は鈍に形成された先端を有す 針先から、該針先を含むテーパ部及び略直 状の胴部をへて元端部に至る素材を長さ方 に湾曲させて曲げ加工するものであり、曲 コマに対するベルトの巻付角度を変化させ ことによって所望の湾曲形状に成形するこ を実現したものである。

 本発明に於いて、縫合針の断面形状や機 を限定するものではなく、断面が円形で切 を有することのない丸針や、断面が三角形 針先から所定長さ範囲に切刃を有する角針 、如何なる断面形状であっても適用するこ が可能である。

 そして、予め異なる湾曲形状が設定され 複数の素材に対し、1つの曲げコマによって 曲げ加工して夫々目的の湾曲形状を持った縫 合針を構成するような曲げ加工、或いは1本 素材に対し長さ方向に異なる曲率半径を持 た湾曲形状、例えば、針先部分の曲率半径 小さくし、テーパ部から胴部にかけて曲率 径が大きくなるような湾曲形状を持った縫 針を構成する際の曲げ加工に適用したとき 有利である。

 縫合針を構成する材料は特に限定するも ではなく、ピアノ線に代表される鋼、マル ンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト ステンレス鋼、等からなる線材や板材を用 ることが可能である。

 特に、縫合針は生体組織を刺し通して縫 糸を通過させるため、生体組織を容易に通 し得るような硬さを有することが必要であ 、且つ流通過程で錆が生じることは好まし はない。このような観点から、オーステナ ト系ステンレス鋼の線を所定の減面率で冷 線引き加工を施して組織をファイバー状に 張させることによって、加工硬化による高 硬度と、ファイバー状に伸張した組織によ 曲げ強度と、を発現させた材料を用いるこ が好ましい。

 曲げコマは軸棒状に形成されると共に外 面が成形面として形成されており、且つ往 回動可能に構成されている。曲げコマの直 は特に限定するものではなく、また必ずし 目的の縫合針の湾曲形状と一致している必 もない。即ち、曲げコマの直径は、縫合針 素材を構成する材料の性質(例えばスプリン グバック特性等)を含む条件を考慮して形成 れることが好ましい。

 ベルトは、曲げコマの外周面に巻き付い 該外周面との間に縫合針の素材を挟み込み バックアップ部材と曲げコマとの相対的な 接によって素材を成形するものである。こ ため、ベルトは、可撓性と簡単に破断する とのないような強度が必要である。

 従って、ベルトとしては前記条件を満足 るものであれば、材質等を限定することな 用いることが可能である。このようなベル としては、スチールベルト、ステンレスベ ト、黄銅ベルト等の金属ベルトがあり、こ らのベルトを選択的に用いることが可能で る。しかし、金属ベルトに限定することな 、合成樹脂ベルトであっても前記条件を満 するものであれば利用することが可能であ 。

 ベルトの曲げコマに対する巻付角度は特 限定するものではなく、目的の縫合針の湾 形状に対応させて適宜設定することが好ま い。例えば、目的の縫合針の湾曲形状が曲 コマの直径と対応しているような場合、ベ トの曲げコマに対する巻付角度は、ベルト 曲げコマに巻き付いている長さが素材の長 と略等しくなるような角度であることが必 である。

 また目的の縫合針の湾曲形状が曲げコマ 直径よりも大きい場合、ベルトの曲げコマ 対する巻付角度は小さくなる。このときの ルトの曲げコマに対する巻付角度は、曲げ マの直径や素材の曲げ強度等の条件に応じ 適宜設定することが好ましい。

 次に、本発明に係る曲げ加工方法を実現 る曲げ加工装置の第1実施例について図を用 いて説明する。図1は針先から胴部をへて元 部に至る間で異なる曲率半径で湾曲した縫 針(バイカーブ縫合針)の例を説明する図であ る。図2は図1に示す縫合針を曲げ加工する直 の素材の構成を説明する図である。図3は本 実施例の曲げ加工装置の構成を説明する図で ある。図4は異なる湾曲形状に曲げ加工する 況を説明する図である。

 先ず、図1、2により長さ方向に異なる曲 半径を持った湾曲形状を有する縫合針Aにつ て説明する。この縫合針Aはバイカーブニー ドルと呼ばれる眼科用縫合針であって、太み が0.1mm~0.4mm程度の素材1を針先1aから切刃1bが 成された切刃部1c、胴部1dを経て元端部1eに けて異なる曲率半径をもった湾曲形状に形 されている。

 本実施例では、針先1aから切刃部1cにかけ て曲率半径の小さい半径rで湾曲し、胴部1dは 曲率半径の大きい半径Rで湾曲して構成され いる。特に、半径rでの湾曲は針先1aを含み 刃部1cまでの極く短い範囲に形成されており 、この範囲に連続した切刃部1cから胴部1dに けて半径rから半径Rまで連続的に増大し、胴 部1dと対応する部位で半径Rで湾曲し得るよう に構成されている。

 縫合針Aに於いて、針先1aは生体組織を小 い抵抗で刺し通すことが可能なように鋭い 端として形成されている。また針先1aと連 した切刃部1cは、断面が三角形の部分1c1と断 面が台形の部分1c2とが連続して構成されてお り、これらの部分1c1、1c2にまたがって底辺の 両側に切刃1bが形成されている。胴部1dは切 部1c側の断面が台形の部分1d1と断面が鼓形の 部分1d2とが連続して構成されており、部分1d1 の底辺であっても切刃は形成されてはいない 。更に、元端部1eは断面が円形に形成されて り、元端面1fには図示しない縫合糸を取り ける止まり穴が形成されている。

 本実施例では、縫合針Aの素材1は冷間線 き加工によって太さが0.4mmに形成されたオー ステナイト系ステンレス鋼の線を用いている 。この材料は、高い硬度と曲げ強度を有して おり、曲げ加工したときのスプリングバック の量は、例えば熱処理を施す以前のマルテン サイト系ステンレス鋼に比較して大きい。

 次に、図3により曲げ加工装置Bについて 明する。図に於いて、曲げコマ11は矢印a、b 向(巻込方向及び巻戻方向)に往復回動可能 且つ回動以外には移動不能に、図示しない レームに対して取り付けられており、この げコマ11の外周面に可撓性を持ったベルト12 巻き付けられている。ベルト12は上流側に 置された供給ロール13aから引き出され、曲 コマ11とプレスロール14とに挟まれた後、巻 ロール13bに巻き付けられている。また、曲 コマ11の下側に配置されたプレスロール14は 、付勢部材15によってベルト12を挟んで曲げ マ11に圧接している。

 曲げコマ11の太さは目的の縫合針の湾曲 位に於ける最大半径に対応して設定される め、一義的に設定し得るものではない。し し、目的の縫合針Aが眼科用縫合針である場 、太さは6mm程度である。そして、この6mm程 の太さを持った曲げコマ11の外周面が素材1 接触して曲げ加工する成形面として形成さ ている。

 ベルト12は未使用状態のものが供給ロー 13aに巻き付けられており、素材1に対する曲 加工を行う毎に所定長さだけ引き出され、 工後のベルト12は巻取ロール13bに巻き取ら るように構成されている。このように、ベ ト12を素材1に対して曲げ加工を行った後、 定長さ巻き取ってしまうことによって、新 な素材1に対する曲げ加工を行う際には常に たなベルト12が供給されることとなる。こ ため、曲げ加工を行ったことによるベルト12 の変形が新たな素材1に対する曲げ加工の際 障害となることがなく、清浄なベルト12によ り好ましい成形を実現することが可能となる 。

 供給ロール13aは未使用状態のベルト12を き付けた状態で、曲げコマ11に対し外周面に 添って矢印c、d方向に位置移動可能に構成さ ている。そして、供給ロール13aが矢印c方向 に移動したときベルト12の曲げコマ11に対す 巻付角度θが大きくなるように構成され、矢 印d方向に移動したとき巻付角度θが小さくな るように構成されている。

 尚、本実施例では供給ロール13aが曲げコ 11の中心Oを中心とする円弧上に矢印c、d方 に位置移動し得るように構成されているが 必ずしもこの構成に限定するものではなく 水平方向或いは斜め方向に直線的に移動し るように構成しても良い。何れにしても供 ロール13aが位置を変化させてベルト12の曲げ コマ11に対する巻付角度θを変化させるよう 構造であれば、実質的に本発明のローラー 曲げコマの外周面に沿って変化させる範囲 含まれるものである。

 プレスロール14は付勢部材15によって常に 略一定の力が付与されて曲げコマ11に圧接し いる。付勢部材15はプレスロール14を略一定 の力で曲げコマ11に圧接させる機能を有する のであれば良く、押しバネ或いは引きバネ のバネ類、流体の供給圧力を一定に保持し るエアシリンダーや油圧シリンダー、等を ましく利用することが可能である。

 本実施例では、プレスロール14を回転可 に支持するサブフレームに取り付けたエア リンダーによって付勢部材15を構成している 。

 上記曲げ加工装置Bでは、曲げコマ11の外 面とプレスロール14は基準点となる点Pで圧 しており、曲げコマ11を矢印a、b方向に往復 回動させることによって、素材1に対する曲 加工を実施し得るように構成されている。

 尚、曲げコマ11を回動する駆動装置の構 は特に限定するものではなく、作業員によ 手動操作による駆動であって良く、また一 の角度で可逆回転可能なように構成した電 モーターによる駆動であっても良い。縫合 Aを一度に大量に製造する必要がある場合に モーターによって駆動することが好ましい

 次に、上記の如く構成された曲げ加工装 Bによって図2に示す素材1を曲げ加工する際 作業について図4を用いて説明する。先ず、 点Pの位置にあるベルト12が新しいものである こと、プレスロール14が適度な力で圧接して ること、を確認する。

 次に、目的の縫合針に予め設定された湾 形状を確認し、この縫合針の湾曲形状を実 するために、供給ロール13aを矢印a方向或い は矢印b方向に移動させてベルト12の曲げコマ 11に対する巻付角度θを設定する。

 例えば、目的の縫合針の湾曲形状が針先 ら胴部にわたって同じ曲率半径を有してお 、この曲率半径が曲げコマ11の外周面の曲 半径と同じである場合には、供給ロール13a 矢印c方向に移動させて素材の針先から胴部 至るまでの部分を曲げコマ11とベルト12とに よって拘束し得るように設定する。

 ベルト12の曲げコマ11に対する巻付角度θ 上記の如く設定した後、図4(a)に示すように 、曲げコマ11とプレスロール14とが圧接して る部位であって点P部に於ける曲げコマ11と ルト12との間に素材1の針先1aを差し込み、曲 げコマ11を矢印a方向に回動させる。この回動 に伴って、ベルト12、プレスロール14が夫々 印a方向に動き、同時に素材1を曲げコマ11と ルト12の間に巻き込んで矢印a方向に移送す 。

 この過程で素材1はプレスロール14に付勢 れて曲げコマ11の外周面に圧接し、且つベ ト12によって曲げコマ11に拘束されて曲げ加 される。曲げコマ11の矢印a方向への回動角 は素材1の針先1aから元端部1eに至る長さに 当し、この間、素材1は針先1aから元端部1eま でベルト12と曲げコマ11に挟まれた状態に拘 されて曲げ加工が施される。

 上記の如く、曲げコマ11を矢印a方向に所 角度(素材1の針先1aから胴部1dをへて元端部1 eに至る角度)回動させて素材1に対する元端部 1eまでの成形が終了した後、曲げコマ11を矢 b方向に回動させる。この回動に伴って、ベ ト12、プレスロール14が矢印b方向に移動又 回動し、素材1が曲げコマ11とベルト12の間か ら排出される。そして排出された素材1は、 先1aから元端部1eに至る間が、曲げコマ11の 率半径と略同じ曲率半径を持った湾曲形状 曲げ加工されている。

 また目的の縫合針に予め設定された湾曲 状が曲げコマ11の曲率半径よりも大きい曲 半径を有する場合、供給ロール13aを矢印d方 に移動させベルト12の曲げコマ11に対する巻 付角度θを変化させる。このとき、巻付角度 を如何なる角度とするかは素材の材質に応 た曲げ強度、太み、曲げコマ11の直径等の諸 条件を考慮して適宜設定する。

 次いで、図4(b)に示すように、曲げコマ11 プレスロール14とが圧接している部位であ て点P部に於ける曲げコマ11とベルト12との間 に素材1の針先1aを差し込み、曲げコマ11を矢 a方向に回動させる。この回動に伴って、ベ ルト12、プレスロール14が夫々矢印a方向に動 、同時に素材1を曲げコマ11とベルト12の間 巻き込んで矢印a方向に移送する。

 この過程で素材1は先ず針先1aがプレスロ ル14に付勢されて曲げコマ11の外周面に圧接 し、且つベルト12と曲げコマ11に拘束されて げ加工される。曲げコマ11の引き続く矢印a 向への回動に伴って、胴部1dがベルト12と曲 コマ11に拘束されて曲げ加工され、同時に 先1aはベルト12と曲げコマ11による拘束から 除される。ベルト12と曲げコマ11とによる拘 領域が短いため針先1aに対する曲げ加工の 合いは図4(a)の場合と比較して小さくなり、 針先1aの湾曲形状は曲げコマ11の曲率半径よ りも大きい曲率半径となる。

 曲げコマ11の矢印a方向への回動に伴って 先1aがベルト12と曲げコマ11との拘束領域か 排出されると、引き続きこの拘束領域に胴 1dが進入してくる。胴部1dに対するベルト12 曲げコマ11とによる拘束領域も短いため、 げ加工の度合いが図4(a)の場合と比較して小 くなり、該胴部1dの湾曲形状は曲げコマ11の 曲率半径よりも大きい曲率半径となる。

 更なる曲げコマ11の矢印a方向への回動に って、胴部1d及び元端部1eの一部がベルト12 曲げコマ11とによる拘束領域から排出され 素材1は針先1aから元端部1eに至る間が曲げコ マ11の曲率半径よりも大きい曲率半径を持っ 湾曲形状に曲げ加工される。

 曲げコマ11の矢印a方向への回動角度が素 1の針先1aから元端部1eに至る長さに対応し とき、素材1に対する曲げ加工が終了する。 の後、曲げコマ11は矢印b方向に回動し、曲 加工が終了した素材1を排出する。排出され た素材1は、針先1aから元端部1eに至る間が曲 コマ11の曲率半径よりも大きい曲率半径を った湾曲形状に曲げ加工される。

 特に、目的の縫合針が図1に示すように針 先1aから切刃部1cにかけて曲げコマ11の直径と 略等しい曲率半径rで、胴部1dから元端部1eに けて曲率半径rよりも大きい曲率半径Rで湾 した縫合針Aである場合、予め供給ロール13a 矢印c方向に移動させてベルト12の曲げコマ1 1に対する巻付角度を大きくした位置に設定 ておき、この状態で、素材1を点Pからベルト 12と曲げコマ11の間に挿入して曲げコマ11を矢 印a方向に回動させる。

 曲げコマ11の矢印a方向への回動を継続し 針先1aから切刃部1cに至る部位をベルト12と げコマ11によって拘束して充分な曲げ加工 行う。その後、引き続き曲げコマ11を矢印a 向に回動させて胴部1dに対する曲げ加工を継 続しつつ、供給ロール13aを矢印d方向に移動 せることで、ベルト12の曲げコマ11に対する 付角度θを小さくしてゆく。巻付角度θの変 化に伴って素材1の胴部1dに作用する曲げ力が 小さくなり、該胴部1dに於ける加工度合いが さくなるため、曲率半径は針先1aよりも大 くなる。

 上記の如くして矢印c方向に設定されてい た供給ロール13aの位置を曲げコマ11の矢印a方 向への回動に伴って矢印d方向へ移動させる とで、針先1aから切刃部1cに至る間が曲率半 rで湾曲され、胴部1dから元端部1eに至る間 曲率半径Rで湾曲され、切刃部1cから胴部1dに かけての範囲が曲率半径rから曲率半径Rまで やかに連続的に曲率半径が変化する湾曲形 に曲げ加工することが可能である。

 更に、素材1に対する曲げ加工を行う間に 、供給ロール13aを矢印c方向の位置から矢印d 向に変化させ、更に矢印c方向に移動させる ことで、針先1a、切刃部1cから胴部1d、胴部1d ら元端部1eに至る間で夫々異なる曲率半径 持った湾曲形状に曲げ加工することも可能 ある。

 また、供給ロール13aの位置を固定してお 、プレスロール14を曲げコマ11の外周に沿っ て移動させても、ベルト12の曲げコマ11に対 る巻付角度θを変化させることが可能であり 、この場合でも、曲げコマ11とプレスロール1 4との接触部位である点Pを基準として考慮す と結局、供給ロール13aが曲げコマ11の外周 沿って移動することと何ら変わることがな 。即ち、このように供給ロール13aを固定し プレスロール14を移動しても、実質的にベル トを巻き掛けたローラーを曲げコマの外周面 に沿って移動させたこととなる。

 次に第2実施例に係る曲げ加工装置につい て図を用いて説明する。図5は第2実施例の曲 加工装置の要部の構成を模式的に説明する である。尚、図に於いて前述の実施例と同 の機能を有する部位には同一の符号を付し 説明を省略する。

 図に示す曲げ加工装置Cは、前述の曲げ加 工装置Bに対し、ベルト12が一対の拘束部材20 21に張り渡されており、曲げコマ11が拘束部 材20、21を結ぶ線(ベルト12)を横断する方向で る矢印e、f方向に位置移動可能に構成され いる以外は同じである。

 図に於いて、一対の拘束部材20、21は夫々 複数の支持部材20a、20b、21a、21bからなり、夫 々がフレームに配置された回転軸、或いは低 摩擦処理された棒状の部材によって構成され ている。そしてベルト12は拘束部材20、21に張 り渡されており、曲げコマ11は拘束部材20、21 の間に配置されると共に、張り渡されたベル ト12を横断する方向である矢印e、f方向に位 移動可能に構成されている。またプレスロ ル14も曲げコマ11と同じ矢印e、f方向に位置 動可能に構成されている。

 そして曲げコマ11を矢印e、f方向に移動さ せることで、図5(a)、(b)に示すように曲げコ 11に対するベルト12の巻付角度θを変化させ ことが可能であり、ベルト12の曲げコマ11に する巻付角度θを設定した後は、前述した 4(a)、(b)の場合と同様に素材1に対する曲げ加 工を行うことが可能である。

 本実施例では拘束部材20、21として回転軸 や棒状の部材を利用したが、必ずしもこのよ うな部材を用いる必要はなく、例えば図3に すベルト12の移送経路に於ける曲げコマ11の 側に夫々ローラーを配置しておき、このロ ラーを拘束部材として利用することが可能 ある。

 本実施例に於いて、曲げコマ11の移動方 である、一対の拘束部材20、21を結ぶ線を横 する方向とは、拘束部材20、21に張り渡され たベルト12を横断し得る方向であれば良く、 ルト12に対し直交する方向であるか、斜め 交わる方向であるかを問うものではない。 た、支持部材20a,21aを、曲げコマ11の直径程 の間隔で曲げコマに接近させているため、 レスロール14がなくとも、ベルト12のみで縫 針Aを曲げコマに圧接させつつ曲げ加工を行 うことができる。

 本発明に係る曲げ加工方法では、特定の げコマで複数種の湾曲形状の曲げ加工を行 ことが可能であり、眼科用の縫合針として 用なバイカーブニードルや、鋭い針先を含 先端部分を胴部や元端部と同じ湾曲形状に 形する際に利用して有効である。

 また本発明に係る曲げ加工装置では上記 げ加工方法を円滑に実施することが可能と り有利である。