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Title:
BENDING METHOD OF MEDICAL SUTURE NEEDLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016946
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a method for rationally bending a medical suture needle which is curved with different radii of curvature in the length direction. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] In the method for bending a medical suture needle with different radii of curvature (r, R) in the length direction, shaped faces (11a-11c) formed by making the outer circumferential surface of a reciprocally rotating bender (11) correspond to the curved shape of a suture needle A that bends with different radii of curvature in the length direction, are formed. Outer circumferential surface of the bender (11) and a press roll (14) are pressed relatively while sandwiching a flexible belt (12), a rodlike material (1) is sandwiched between the outer circumferential surface of the bender (11) and the belt (12) at the pressing point P between the outer circumferential surface of the bender and the press roll (14) and the bender is rotated reciprocally in the winding direction (arrow a direction) and the rewinding direction (arrow b direction), thus bending the material (1) with different radii of curvature in the length direction.

Inventors:
MATSUTANI KANJI (JP)
OTSUKA TADASHI (JP)
KATO KAZUAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062667
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MANI INC (JP)
MATSUTANI KANJI (JP)
OTSUKA TADASHI (JP)
KATO KAZUAKI (JP)
International Classes:
B21G1/02
Foreign References:
JP3078339B22000-08-21
JPS57181422U1982-11-17
JP3078339B22000-08-21
Other References:
See also references of EP 2172288A4
Attorney, Agent or Firm:
NAKAGAWA INTERNATIONAL PATENT OFFICE (5-21 Toranomon 2-chome, Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
回転中心を中心として往復回動する曲げコマと、前記曲げコマの外周面に巻き付く可撓性を持ったベルトと、前記曲げコマの外周面との間に前記ベルトを挟んで相対的に押圧するバックアップ部材と、を有し、前記曲げコマの外周面とバックアップ部材とが前記ベルトを介して相対的に押圧する部位に於ける曲げコマの外周面とベルトとの間に棒状の医療用縫合針の素材を挟み込み、曲げコマを巻込方向及び巻戻方向に往復回動させることで、前記素材を長さ方向に湾曲させる医療用縫合針の曲げ加工方法であって、前記曲げコマの回転中心から外周面までの距離からなる曲率半径が該曲げコマの回動角度に対応して変化していることを特徴とする医療用縫合針の曲げ加工方法。
前記曲げコマの回動中心から外周面までの距離からなる曲率半径が、基準となる外周上の点から回動方向下流側に向けて、長さ方向に異なる曲率半径で湾曲する医療用縫合針の湾曲形状に対応させて形成されていることを特徴とする請求項1に記載した医療用縫合針の曲げ加工方法。
前記曲げコマが円筒状に形成されており、該曲げコマの回動中心が円筒の中心から偏心した位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記載した医療用縫合針の曲げ加工方法。
Description:
医療用縫合針の曲げ加工方法

 本発明は、湾曲した医療用縫合針の曲げ 工方法に関し、特に、針先から胴部にかけ 略同じ曲率半径で湾曲した医療用縫合針、 いは針先から胴部及び元端部にかけての長 方向に異なる曲率半径で湾曲した医療用縫 針を製造する際に有利な曲げ加工方法に関 るものである。

 生体組織を縫合する際に用いる医療用縫 針は、針先から胴部を経て元端部に至る間 湾曲して形成されているのが一般的である この湾曲形状は全長にわたって略同じ曲率 径を有しており、1/2サークル(180度)、3/8サ クル(135度)、1/4サークル(90度)等の形状或い 角度を持って形成されている。

 上記の如く湾曲した医療用縫合針を製造 る際に、軸棒状の素材を湾曲させる曲げ加 方法として特許文献1に記載された技術があ る。この技術は、円柱状の曲げロールと、こ の曲げロールの外周に圧接して巻き付く可撓 性を持ったベルトの間に素材を挿入し、曲げ ロールとベルトによって素材を巻き込むこと で該素材を曲げコマの外周面に沿って曲げ加 工し、その後、巻き戻すことで曲げ加工され た素材を排出することで、軸棒状の素材を湾 曲させている。

 また、主として眼科手術に利用される医 用縫合針であるバイカーブニードルは、針 部分と胴部とが異なる曲率半径を持って湾 して形成されている。このような医療用縫 針を曲げ加工する方法の一つとして特許文 2に記載された技術が提案されている。

 特許文献2に記載された技術は、予め所定 の断面形状に成形された直針状の素材に対し 湾曲形状を構成する最も大きな曲率半径で一 端側から所定範囲にわたって曲げ加工を施し 、次いで前記曲げ加工を施された素材に対し 前記曲率半径よりも小さい曲率半径で該素材 の端部から所定範囲にわたって曲げ加工を施 し、以下順次曲率半径が小さくなるように素 材の端部から所定範囲にわたって曲げ加工を 施すものである。この技術では、医療用縫合 針の湾曲形状に対応させた異なる曲率半径を 持った曲げロールを複数用意しておき、これ らの曲げロールによって順次曲げ加工を施す ことで、合理的に曲げ加工を施すことができ る。

特許第1295902号公報

特許第3078339号公報

 医療用縫合針は先端に鋭い針先が形成さ 、この針先から胴部にかけて徐々に太みが きくなるように形成されている。このため 特許文献1に記載された曲げ加工方法では、 針先を曲げロールとベルトとの間に挿入して 曲げロールを回動させて巻き込み、所定角度 回動させた後、巻き戻すことで曲げ加工を施 すことができる。しかし、針先を含む部分で はベルトの曲げロールに対する圧接が充分で はなく、図5に示すように、医療用縫合針51の 針先52を含む部分が充分な湾曲形状とならず 略直線状を維持してしまうという問題が生 ている。

 特許文献2に記載された曲げ加工方法では 、前述の問題や、長さ方向に異なる曲率半径 で湾曲しているバイカーブ縫合針を曲げ加工 することが可能である。即ち、目的の医療用 縫合針が如何なる湾曲で設定されていようと も、合理的に曲げ加工を施すことが可能であ る。しかし、1本の素材に対し複数回の曲げ 工を施すことが必要となり、作業に手間が かって煩雑であるという問題がある。

 尚、特許文献1、2の曲げ加工方法では、 材の外周面が曲げロールの外周面に接触し 湾曲するため、素材がテーパ状に形成され いる場合、素材の中心軸が同一の曲率半径 湾曲しているものではない。しかし、この うな場合でも実用上では同じ曲率半径で湾 しているものと見なしており、以下説明す 本発明の場合でも同じである。

 本発明の目的は、針先を含む部位であっ も確実に湾曲させることが可能で、且つ長 方向に異なる曲率半径を持って湾曲した医 用縫合針を合理的に曲げ加工する方法を提 することにある。

 上記課題を解決するために本発明に係る 療用縫合針の第1の曲げ加工方法は、回転中 心を中心として往復回動する曲げコマと、前 記曲げコマの外周面に巻き付く可撓性を持っ たベルトと、前記曲げコマの外周面との間に 前記ベルトを挟んで相対的に押圧するバック アップ部材と、を有し、前記曲げコマの外周 面とバックアップ部材とが前記ベルトを介し て相対的に押圧する部位に於ける曲げコマの 外周面とベルトとの間に棒状の医療用縫合針 の素材を挟み込み、曲げコマを巻込方向及び 巻戻方向に往復回動させることで、前記素材 を長さ方向に湾曲させる医療用縫合針の曲げ 加工方法であって、前記曲げコマの回転中心 から外周面までの距離からなる曲率半径が該 曲げコマの回動角度に対応して変化している ことを特徴とするものである。

 また医療用縫合針の第2の曲げ加工方法は 、上記第1の曲げ加工方法に於いて、曲げコ の回動中心から外周面までの距離からなる 率半径が、基準となる外周上の点から回動 向下流側に向けて、長さ方向に異なる曲率 径で湾曲する医療用縫合針の湾曲形状に対 させて形成されていることを特徴とするも である。

 また医療用縫合針の第3の曲げ加工方法は 、上記第1の曲げ加工方法に於いて、曲げコ が円筒状に形成されており、該曲げコマの 動中心が円筒の中心から偏心した位置に設 されていることを特徴とするものである。

 本発明に係る医療用縫合針(以下、「縫合 針」という)の第1の曲げ加工方法では、回転 心から外周面までの距離からなる曲率半径 該曲げコマの回動角度に対応して変化して るように構成された曲げコマと、曲げコマ 外周面に巻き付く可撓性を持ったベルトと 曲げコマの外周面との間にベルトを挟んで 対的に押圧するバックアップ部材と、を有 、曲げコマの外周面とバックアップ部材と 相対的に押圧する部位に於ける曲げコマの 周面とベルトとの間に棒状の医療用縫合針 素材を挟み込み、曲げコマを巻込方向及び 戻方向に往復回動させることで、素材を長 方向に湾曲させることができる。

 特に、曲げコマに於ける回転中心から外 面までの距離からなる曲率半径(以下、単に 「曲率半径」という)が曲げコマの回動角度 対応して変化するように構成されているこ から、曲げコマの曲率半径の小さい回動範 に対応させて針先をベルトとの間に挿入す ことによって、針先から胴部にかけてテー 状に形成された素材であっても針先を含む 少な部分を小さい曲率半径で曲げ加工する とができる。このため、針先を含む微少部 を胴部と同じような曲げ加工を施すことが きる。

 また医療用縫合針の第2の曲げ加工方法で は、曲げコマの回動中心から外周面までの距 離からなる曲率半径が、基準となる外周上の 点から回動方向下流側に向けて、長さ方向に 異なる曲率半径で湾曲する医療用縫合針の湾 曲形状に対応させて形成されているので、曲 げコマの外周に於ける基準となる点を基準と して素材を挿入することで、曲げコマの外周 面に於ける異なる曲率半径に対応させて湾曲 させることができる。

 また医療用縫合針の第3の曲げ加工方法で は、曲げコマが円筒状に形成されており、該 曲げコマの回動中心が円筒の中心から偏心し た位置に設定されているので、曲げコマの回 動中心と円筒の中心との距離を適宜設定する ことで、曲率半径の寸法を設定することがで きる。

 上記各曲げ加工方法では、素材を曲げコ とベルトとの間に挟んで一度で曲げ加工を すことで、該素材を目的の縫合針の湾曲形 に湾曲させることができ、作業の繁雑さを 除した合理的な曲げ加工方法を実現するこ ができる。

針先から胴部を経て元端部に至る間で なる曲率半径で湾曲した縫合針の例を説明 る図である。 図1に示す縫合針を曲げ加工する直前の 素材の構成を説明する図である。 第1実施例に係る曲げ加工を実施する曲 げ加工装置の例を説明する図である。 第2実施例の曲げ加工方法を実施するた めの曲げ加工装置の構成を説明する図である 。 課題の一部を説明する図である。

符号の説明

 A           縫合針
 B           曲げ加工装置
 O           曲げコマの回転中心
 P           成形面の基準位置
 1           素材
 1a          針先
 1b          切刃
 1c          切刃部
 1d          胴部
 1e          元端部
 1f          元端面
 11          曲げコマ
 11a~11c     成形面
 12          ベルト
 13a         供給ロール
 13b         巻取ロール
 14          プレスロール
 15          付勢部材
 20          曲げコマ

 以下、本発明に係る縫合針の曲げ加工方 の最も好ましい実施形態について説明する 本発明の縫合針の曲げ加工方法は、針先か 胴部を経て元端部に至る長さ方向に湾曲さ た縫合針を一度の曲げ加工によって成形す ことを実現したものである。即ち、目的の 合針が鋭い針先から胴部を経て元端部に至 湾曲形状が幾つかの異なる曲率半径を有す 場合、異なる曲率半径毎に曲げ加工を施す となく、一度の曲げ加工で容易に且つ確実 曲げ加工を実現したものである。また、目 の縫合針が鋭い針先から胴部を経て元端部 至る湾曲形状が略同じ曲率半径を有するも である場合、針先を含む部分の曲率半径を 胴部或いは元端部の湾曲形状と同じ曲率半 で湾曲させる曲げ加工を実現したものであ 。

 本発明に於いて、縫合針の断面形状や機 を限定するものではなく、断面が円形で切 を有することのない丸針や、断面が三角形 針先から所定長さ範囲に切刃を有する角針 、如何なる断面形状であっても適用するこ が可能である。特に、眼科手術の際に利用 れる縫合針の場合、縫合すべき部位を深く つ狭く縫合する必要から針先部分の曲率を きくして半径の小さい湾曲形状とすること 有利であり、このような縫合針の曲げ加工 適用したときに高い効果を発揮することが 能である。

 尚、縫合針が複数の異なる曲率半径を連 させた形状で湾曲するような場合、針先部 の曲率半径が大きい湾曲形状に限定するも ではなく、元端部側の曲率半径が大きい又 小さいもの、胴部の曲率半径が大きい又は さいもの、等の形状を形成することも可能 あり、また湾曲はバイカーブのみでなくト プルカーブ以上等の湾曲形状を形成するこ も可能である。これらは曲げコマを回転さ 、成形面の基準位置を適宜変更することで 形成することが可能である。

 縫合針を構成する材料は特に限定するも ではなく、ピアノ線に代表される鋼、マル ンサイト系ステンレス鋼、オーステナイト ステンレス鋼、等からなる線材や板材を用 ることが可能である。

 特に、縫合針は生体組織を刺し通して縫 糸を通過させるため、生体組織を容易に通 し得るような硬さを有することが必要であ 、且つ流通過程で錆が生じることは好まし はない。このような観点から、オーステナ ト系ステンレス鋼の線を所定の減面率で冷 線引き加工を施して組織をファイバー状に 張させることによって、加工硬化による高 硬度と、ファイバー状に伸張した組織によ 曲げ強度と、を発現させた材料を用いるこ が好ましい。

 上記の如く、組織をファイバー状に伸長 せたオーステナイト系ステンレス鋼からな 素材を曲げ加工したとき、この素材の持つ げに対する抵抗によって、鋭い針先を含む 端部分に対する曲げ加工が不充分になる虞 高い。このため、本発明の曲げ加工方法は のような材料を利用した縫合針の曲げ加工 行う際に有利である。

 曲げコマは軸棒状に形成されると共に外 面に成形面が形成されており、且つ往復回 可能に構成されている。この曲げコマの外 面に於ける成形面の形状は、回動中心から 距離からなる曲率半径が曲げコマの回転角 に対応して変化するように構成されている

 曲げコマの曲率半径の変化と回転角度と 関係は一義的に設定するものではなく、目 の縫合針に応じて種々設定されることが好 しい。例えば、眼科手術の際に利用される イカーブ縫合針のように、針先から胴部を て元端部に至る経路に設定された湾曲形状 大幅に変化する曲率半径を有するような場 、曲げコマの外周面は曲げ加工を施すべき 的の縫合針の湾曲形状に対応した形状を有 ている。また針先を含む先端部分を胴部及 元端部と略同じように湾曲させるような場 、曲げコマは円筒状に形成され、該円筒の 心と回動中心とが偏心して構成されている

 上記の如く、成形面の形状は、必ずしも 的の縫合針を構成する連続した異なる曲率 径を持った湾曲形状と一致した形状である 要はなく、縫合針の素材を構成する材料の 質(例えばスプリングバック特性等)を含む 件を考慮して形成されることが好ましい。

 曲げコマとバックアップ部材との間に配 されたベルトは、曲げコマの外周面に巻き いて該外周面との間に縫合針の素材を挟み み、バックアップ部材と曲げコマとの相対 な押圧によって素材を成形するものである このため、ベルトは、可撓性と簡単に破断 ることのないような強度が必要である。

 従って、ベルトとしては前記条件を満足 るものであれば、材質等を限定することな 用いることが可能である。このようなベル としては、スチールベルト、ステンレスベ ト、黄銅ベルト等の金属ベルトがあり、こ らのベルトを選択的に用いることが可能で る。しかし、金属ベルトに限定することな 、合成樹脂ベルトであっても前記条件を満 するものであれば利用することが可能であ 。

 バックアップ部材は、ベルトを挟んで曲 コマと相対的に押圧し、曲げコマとベルト 間に挿入された素材を成形するものである そして曲げコマの回動に伴って該曲げコマ 回動中心からの距離が変化したとき、曲げ マ或いはバックアップ部材が相対的に変位 て前記距離の変化に追従し得るように構成 れている。

 バックアップ部材としては、上記の如き 能を有して構成されていれば良く、構造や 状を限定するものではない。このような機 を持ったバックアップ部材としては、板状 部材、或いは曲げコマに対し、曲げ強度に じて半径の大きさを設定した円筒状の部材 があり、何れも好ましく用いることが可能 ある。

 また曲げコマとバックアップ部材とを押 させる構造は特に限定するものではなく、 えばフレームに曲げコマを回動可能に支持 る軸を固定した場合、バックアップ部材を ネ或いはエアシリンダーや油圧シリンダー よって曲げコマ方向に付勢するように構成 るか、又はバックアップ部材をフレームに 定した場合、曲げコマをバネ或いはエアシ ンダーや油圧シリンダーによってバックア プ部材方向に付勢するように構成すること 可能である。そして、何れの構造であって 、曲げコマとバックアップ部材を相対的に 圧させることが可能であり、且つ曲げコマ 回動に伴って回動中心までの距離が変化し とき、この変化に追従することが可能であ 。

 次に、本発明に係る曲げ加工方法の第1実 施例について図を用いて説明する。図1は針 から胴部を経て元端部に至る間で異なる曲 半径で湾曲した縫合針(バイカーブ縫合針)の 例を説明する図である。図2は図1に示す縫合 を曲げ加工する直前の素材の構成を説明す 図である。図3は第1実施例に係る曲げ加工 実施する曲げ加工装置の例を説明する図で る。

 先ず、図1、2により長さ方向に異なる曲 半径を持った湾曲形状を有する縫合針Aにつ て説明する。この縫合針Aはバイカーブニー ドルと呼ばれる眼科用縫合針であって、太み が0.1mm~0.4mm程度の素材1を針先1aから切刃1bが 成された切刃部1c、胴部1dを経て元端部1eに けて異なる曲率半径をもった湾曲形状に形 されている。

 本実施例では、針先1aから切刃部1cにかけ て曲率半径の小さい半径rで湾曲し、胴部1dは 曲率半径の大きい半径Rで湾曲して構成され いる。特に、半径rでの湾曲は針先1aを含み 刃部1cまでの極く短い範囲に形成されており 、この範囲に連続した切刃部1cから胴部1dに けて半径rから半径Rまで連続的に増大し、胴 部1dと対応する部位で半径Rで湾曲し得るよう に構成されている。

 縫合針Aに於いて、針先1aは生体組織を小 い抵抗で刺し通すことが可能なように鋭い 端として形成されている。また針先1aと連 した切刃部1cは、断面が三角形の部分1c1と断 面が台形の部分1c2とが連続して構成されてお り、これらの部分1c1、1c2にまたがって底辺の 両側に切刃1bが形成されている。胴部1dは切 部1c側の断面が台形の部分1d1と断面が鼓形( 行な2辺と、この2辺に挟まれ、対向する2つ 弧からなる形状)の部分1d2とが連続して構成 れており、部分1d1の底辺であっても切刃は 成されてはいない。更に、元端部1eは断面 円形に形成されており、元端面1fには図示し ない縫合糸を取り付ける止まり穴が形成され ている。

 本実施例では、縫合針Aの素材1は冷間線 き加工によって太さが0.4mmに形成されたオー ステナイト系ステンレス鋼の線を用いている 。この材料は、高い硬度と曲げ強度を有して おり、曲げ加工したときのスプリングバック の量は、例えば熱処理を施す以前のマルテン サイト系ステンレス鋼に比較して大きい。

 次に、図3により曲げ加工装置Bについて 明する。図に於いて、曲げコマ11は図示しな いフレームに往復回動可能に且つ回動以外に は移動不能に取り付けられており、この曲げ コマ11の外周面に可撓性を持ったベルト12が き付けられている。ベルト12は上流側に配置 された供給ロール13aから引き出され、曲げコ マ11とバックアップ部材となるプレスロール1 4とに挟まれた後、巻取ロール13bに巻き付け れている。また、曲げコマ11の下側にはプレ スロール14が配置されており、付勢部材15に ってベルト12を挟んで曲げコマ11に押圧して る。

 曲げコマ11の太さは目的の縫合針の湾曲 位に於ける最大半径に対応して設定される め、一義的に設定し得るものではない。し し、目的の縫合針Aが眼科用縫合針である場 、太さは6mm程度である。そして、この6mm程 の太さを持った曲げコマ11の外周面に異な 曲率半径を持った成形面が形成されている

 即ち、曲げコマ11の外周面に於ける点Pを 準点とし、この基準点Pと曲げコマ11の回転 心Oとの距離を縫合針Aの針先1aから切刃部1c かけての曲率半径rに対応させ、点Pを起点 して縫合針Aに於ける曲率半径rの湾曲部位で ある針先1aを含む極く短い範囲に対応した半 rの円弧状の成形面11aとして形成されている 。

 また曲げコマ11の外周面に於ける縫合針A 胴部1dの曲率半径Rと対応した部位は、半径R の円弧状の成形面11bとして形成されている。 そして、成形面11aと成形面11bとの間は、縫合 針Aに於ける切刃部1cから胴部1dに至る半径rか ら半径Rに緩やかに移行する成形面11cとして 成されている。

 ベルト12は未使用状態のものが供給ロー 13aに巻き付けられており、素材1に対する曲 加工を行う毎に所定長さだけ引き出され、 工後のベルトは巻取ロール13bに巻き取られ ように構成されている。このように、ベル 12を素材1に対して曲げ加工を行った後、所 長さ巻き取ってしまうことによって、新た 素材1に対する曲げ加工を行う際には常に新 たなベルト12が供給されることとなる。

 このため、曲げ加工を行ったことによる ルト12の変形が新たな素材1に対する曲げ加 の際に障害となることがなく、清浄なベル 12により好ましい成形を実現することが可 となる。

 プレスロール14は付勢部材15によって常に 略一定の力が付与されて曲げコマ11に押圧し いる。付勢部材15はプレスロール14を略一定 の力で曲げコマ11に押圧させる機能を有する のであれば良く、押しバネ或いは引きバネ のバネ類、流体の供給圧力を一定に保持し るエアシリンダーや油圧シリンダー、等を ましく利用することが可能である。

 本実施例では、プレスロール14を回転可 に支持するサブフレームに取り付けたエア リンダーによって付勢部材15を構成している 。

 上記曲げ加工装置Bでは、曲げコマ11の外 面に形成された成形面11aの基準点となる点P が常に真下にあるように配置されており、曲 げコマ11を矢印a、b方向に往復回動させるこ によって、素材1に対する曲げ加工を実施し るように構成されている。特に、曲げコマ1 1を回動する駆動装置の構成を限定するもの はなく、作業員による手動操作による駆動 あっても良く、また一定の角度で可逆回転 能なように構成した電動モーターによる駆 であっても良い。縫合針Aを一度に大量に製 する必要がある場合にはモーターによって 動することが好ましい。

 次に、上記の如く構成された曲げ加工装 Bによって図2に示す素材1を曲げ加工する際 作業手順について説明する。先ず、曲げコ 11の外周面に形成された成形面11aの点Pが真 にあること、点Pの位置にあるベルト12が新 いものであること、プレスロール14が適度 力で押圧していること、を確認する。

 曲げコマ11とプレスロール14とが押圧して いる部位であって点P部に於ける曲げコマ11と ベルト12との間に素材1の針先1aを差し込み、 げコマ11を矢印a方向に回動させる。この回 に伴って、ベルト12、プレスロール14が夫々 矢印a方向に動き、同時に素材1を曲げコマ11 ベルト12の間に巻き込んで矢印a方向に移送 る。

 この過程で素材1はプレスロール14により 勢されて、曲げコマ11の成形面11a、11c、11b 圧接し、且つベルト12によって曲げコマ11に 接して成形される。また曲げコマ11の回動 伴って、曲げコマ11の回転中心Oとプレスロ ル14との距離がrからRへと変化するが、この きの距離の変化は、プレスロール14を付勢 ている付勢部材15によって吸収され、曲げコ マ11、ベルト12、プレスロール14は矢印a方向 円滑に回動することが可能となる。

 曲げコマ11を矢印a方向に所定角度(素材1 針先1aから胴部1dを経て元端部1eに至る角度) 動させることで、素材1に対する元端部1eま の成形が終了した後、曲げコマ11を矢印b方 に回動させる。この回動に伴って、ベルト1 2、プレスロール14が矢印b方向に移動又は回 し、素材1が曲げコマ11とベルト12の間から排 出される。

 そして排出された素材1は、針先1aから切 部1cに於ける所定の角度範囲が曲率半径rで 曲され、胴部1dに於ける所定の角度範囲が 率半径Rで湾曲され、切刃部1cから胴部1dにか けての範囲が曲率半径rから曲率半径Rまで緩 かに連続的に曲率半径が変化する形状で湾 される。

 上記の如く、素材1を曲げ加工装置Bによ て一度曲げ加工を施すことで、針先1aから胴 部1dを経て元端部1eに至る間を異なる曲率半 で、且つ異なる曲率半径の接続部位であっ も円滑に連続させた曲線として湾曲させる とが可能である。

 次に第2実施例に係る曲げ加工方法につい て図を用いて説明する。図4は第2実施例の曲 加工方法を実施するための曲げ加工装置の 成を説明する図である。尚、図に於いて前 の実施例と同一の機能を有する部位には同 の符号を付して説明を省略する。

 図に示す曲げ加工装置Cは、前述の曲げ加 工装置Bに対し、曲げコマ20の構成が異なる以 外は同じである。図に於いて、曲げコマ20は 筒状の軸によって構成されており、該円筒 中心O1と曲げコマ20の回転中心O2とが距離l隔 てた状態で構成されている。

 この曲げコマ20では、O1-O2を結ぶ線の延長 線をプレスロール14の中心に一致させたとき 曲げコマ20の回動位置を基準とし、曲げコ 20の半径をRとしたとき、回動中心O2から成形 面の基準位置Pとの距離である曲率半径rは、r =R-lとなり、曲げコマ20を90度回動させたとき 曲率半径rは、r=Rとなり、更に、曲げコマ20 180度回動させたときの曲率半径rは、r=R+2lと なる。従って、曲げコマ20の回動に伴って曲 半径rは連続的に変化してゆくこととなる。

 このように構成された曲げコマ20を用い 構成した曲げ加工装置Cによって素材1に対す る曲げ加工を行う場合、曲げコマ20を曲率半 rが最も小さくなるような位置(図4に示す状 )に設定しておき、この状態で曲げコマ20と ルト12との間に素材1を挿入して曲げコマ20 プレスロール14を矢印a、b方向に往復回動さ ることによって素材1に対する曲げ加工を行 うことが可能である。

 上記の如くして曲げ加工された素材1では 、針先1aを含む先端部分が最も小さい曲率半 で湾曲されるため、曲げコマ20から離脱し 後、スプリングバックが生じたような場合 も、湾曲状態を維持することが可能である 言い換えると、曲げコマ20に於ける曲率半径 rを、目的の縫合針の針先1aを含む先端部分に 設定されている曲率半径や、材料の性質等の 条件に対応させて設定することで、針先1aを む部分を胴部、元端部の湾曲形状に対応さ た湾曲に成形することが可能である。

 本発明に係る曲げ加工方法では、眼科用 縫合針として有用なバイカーブニードルや 鋭い針先を含む先端部分を胴部や元端部と じ湾曲形状に成形する際に利用して有効で る。