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Patent Searching and Data


Title:
BINDER FOR UNSHAPED REFRACTORY, AND UNSHAPED REFRACTORY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047136
Kind Code:
A1
Abstract:
A binder for an unshaped refractory is composed of a chemical composition of SrAl2O4, contains the chemical composition of SrAl2O4 and not more than 5% by mass of a component other than SrAl2O4, or is obtained by mixing Al2O3 into the chemical composition of SrAl2O4.

Inventors:
SAITO, Yoshitoshi (6-1 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 71, 〒1008071, JP)
齋藤吉俊 (〒71 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 新日本製鐵株式会社内 Tokyo, 〒1008071, JP)
Application Number:
JP2009/005642
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
October 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON STEEL CORPORATION (6-1 Marunouchi 2-chome, Chiyoda-ku Tokyo, 71, 〒1008071, JP)
新日本製鐵株式会社 (〒71 東京都千代田区丸の内二丁目6番1号 Tokyo, 〒1008071, JP)
DENKI KAGAKU KOGYO KABUSHIKI KAISHA (1-1 Nihonbashi-Muromachi 2-chome, Chuo-ku Tokyo, 38, 〒1038338, JP)
電気化学工業株式会社 (〒38 東京都中央区日本橋室町二丁目1番1号  Tokyo, 〒1038338, JP)
International Classes:
C04B35/66; C04B7/32; F27D1/00; F27D1/16
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (1-9-2, Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, 〒1006620, JP)
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Claims:
 SrAl 2 O 4 の化学組成からなることを特徴とする不定形耐火物用結合剤。
 SrAl 2 O 4 の化学組成と、SrAl 2 O 4 以外の成分5質量%以下と、含有してなることを特徴とする不定形耐火物用結合剤。
 前記SrAl 2 O 4 にAl 2 O 3 が混合されていることを特徴とする不定形耐火物用結合剤。
 前記SrAl 2 O 4 が10質量%以上60質量%以下、かつ前記Al 2 O 3 が40質量%以上90質量%以下となるように混合されてなることを特徴とする請求項3に記載の不定形耐火物用結合剤。
 前記SrAl 2 O 4 が20質量%以上50質量%以下、かつ前記Al 2 O 3 が50質量%以上80質量%以下となるように混合されてなることを特徴とする請求項3に記載の不定形耐火物用結合剤。
 前記不定形耐火物用結合剤中に、分散剤及び硬化遅延剤の少なくとも一方が配合されてなることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の不定形耐火物用結合剤。
 前記不定形耐火物用結合剤中のSrAl 2 O 4 の結晶子径が、40nm以上80nm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の不定形耐火物用結合剤。
 前記不定形耐火物用結合剤中に不可避的不純物として混入するSr 3 Al 2 O 6 の含有量が、SrAl 2 O 4 を100質量部とした場合に、3質量部以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の不定形耐火物用結合剤。
 請求項1~5のいずれか1項に記載の不定形耐火物用結合剤と、粒径1μm以下の超微粉アルミナを含む耐火骨材とを配合してなることを特徴とする不定形耐火物。
 前記不定形耐火物用結合剤及び前記耐火骨材の合計量を100質量部とした場合に、前記不定形耐火物用結合剤の含有量が、0.2質量部以上かつ20質量部以下であることを特徴とする請求項9に記載の不定形耐火物。
 前記不定形耐火物用結合剤及び前記耐火骨材の合計量を100質量部とした場合に、前記不定形耐火物用結合剤の含有量が、0.5質量部以上かつ12質量部以下であることを特徴とする請求項9に記載の不定形耐火物。
 分散剤、硬化遅延剤、硬化促進剤のうちの少なくとも一つが添加されていることを特徴とする請求項9に記載の不定形耐火物。
 更に硬化促進剤が添加されてなることを特徴とする請求項12に記載の不定形耐火物。
 前記分散剤が、ポリカルボン酸系分散剤、リン酸系分散剤、オキシカルボン酸類、メラミン系分散剤、ナフタレン系分散剤、及びリグニンスルホン酸系分散剤からなる群より選ばれる1種又は2種以上であり;
 前記硬化促進剤が、リチウム塩類及びアルミン酸塩の少なくとも一方であり;
 前記硬化遅延剤が、ホウ酸類及びケイフッ化物の少なくと一方である;
ことを特徴とする請求項12又は13に記載の不定形耐火物。
 請求項1~5のいずれか1項に記載の不定形耐火物用結合剤と、粒径1μm以下の超微粉アルミナを含む耐火骨材とを配合して混練した後、得られた不定形耐火物を施工する工程を含むことを特徴とする不定形耐火物の施工方法。
Description:
不定形耐火物用結合剤及び不定 耐火物

 本発明は、窯炉の内張りや補修用に用いら る不定形耐火物用結合剤と、この不定形耐 物用結合剤を用いた不定形耐火物とに関す 。
 本願は、2008年10月24日に、日本に出願され 特願2008-274889号に基づき優先権を主張し、そ の内容をここに援用する。

 鉄鋼プロセスをはじめとする各種高温プ セスの窯炉の内張り耐火物の結合剤には、 ん酸ソーダ、けい酸ソーダ、フラン樹脂、 ェノール樹脂、ピッチ、乳酸アルミニウム アルミン酸ソーダ、シリカゾル、アルミナ ル、ポリビニルアルコール、メチルセルロ ス、カルボキシメチルセルロース、エチル リケート、アルミナセメント、水硬性アル ナなど、数多くの無機及び有機化合物が用 られている。

 近年の耐火物分野では、施工性の改善や 修のし易さ等から不定形化が進み、従来で 定形煉瓦が使用されていた溶鉄や高温のス グに接する部位にまで、不定形耐火物が広 使用されるようになってきた。

 不定形耐火物の製造では、定形耐火物の製 に見られるような高圧のプレスは行われな 。したがって、原料やバインダーの特性が 要である。なかでも、アルミナセメント(主 要構成化合物:CaO・Al 2 O 3 ,CaO・2Al 2 O 3 ,12CaO・7Al 2 O 3 )は、樋材、取鍋材、タンディッシュ等の耐 材のバインダーとして幅広い用途で使用さ ている。

 さらに、CaO-Al 2 O 3 以外の成分を含むアルミナ系のバインダーも 検討されている。

 例えば、下記特許文献1には、バリウムもし くはストロンチウムとアルミナとを主体とす る耐火性アルミナセメント製造用原料混合物 が開示されている。具体的には、炭酸塩及び 塩化物の混合物を適切に熱処理することで、 セメント製造用の原料混合物を得ている。
 下記特許文献2及び下記特許文献3には、ス ロンチウムアルミネートを結合剤とする、 温強度の高いキャスタブル調合物が開示さ ている。

 下記非特許文献1には、CaO-SrO-Al 2 O 3 系のセメントに、市販の高純度試薬を添加し て混合・焼成して試作したものが開示されて おり、水の添加により硬化する性質が示され ている。
 また、下記特許文献3には、CaO-SrO-Al 2 O 3 組成を有するセメント製造用原料混合物を用 いた不定形耐火物用結合剤が開示されており 、CaO-Al 2 O 3 組成の結合剤と比較して、高温での耐スラグ 性が向上することが示されている。

特開昭52-148524号公報

特開昭58-26079号公報

特開昭56-104783号公報

特開2008-290934号公報

伊藤,水野,河野,鈴木:窯業協会誌,89,10,P.57 2-577,1981年

 しかしながら、鋼品質の向上が求められる で、操業の温度等の条件が厳しくなる一方 、従来の結合剤では高温での耐食性等が不 分となりつつある。一般に使用されているC aO-Al 2 O 3 系のアルミナセメントをはじめとする結合剤 は、不定形耐火物を構成する耐火骨材成分に 比べて、溶鉄やスラグ中の酸化鉄とにより低 融物を形成しやすく、結合剤の部分から耐火 物の損耗や浸潤が進んで、耐火骨材成分が有 する本来の耐用性を十分に発揮できないとい う課題があった。

 ちなみに、特許文献1では、炭酸バリウム もしくは炭酸ストロンチウムとアルミナと前 記金属の塩化物又は塩化カリウム又は塩化ナ トリウムとを主体とする耐火性アルミナセメ ント製造用原料混合物が提供されており、こ れを利用したクリンカー水硬性材料の強度等 が調べられている。しかしながら、圧縮強度 は製造後3日及び7日では十分に発現せず、28 後でようやく最大の強度が発現している。

 通常の不定形耐火物は、1日後には乾燥・ 昇熱が行われ、使用環境に晒されることが多 い。このような観点からは、24時間以内に最 の強度が発現していなければならない。そ ため、28日後にようやく最大強度が発現す ような結合剤は、不定形耐火物用としては 用できない。

 また、特許文献1では、高温の溶鉄やスラ グに対する耐食性については不明であり、高 温での耐食性に優れた不定形耐火物に適用す るための手段が何ら示されていない。

 また、特許文献2及び特許文献3では、スト ンチウムアルミネートを結合剤とした断熱 キャスタブル調合物が提供されており、高 での強度を有する断熱材が得られている。 かしながら、窯炉の背面にライニングされ 断熱用途であるため、窯炉のウェアライニ グに必須の特性である高温の溶鉄やスラグ 対する耐食性については不明である。断熱 キャスタブルに限らず、断熱用途以外の耐 物に対しても、その混練物の流動性、養生 間や養生強度、乾燥特性や耐爆裂性等、耐 物製造に不可欠となる特性を示唆するもの 記載されていない。さらに、この特許文献2 請求項には、ストロンチウムアルミネート いう、ストロンチウム及びアルミニウムか なる複合酸化物の総称で記載されており、 体的には実施例のなかで、SrO・Al 2 O 3 、SrO・2Al 2 O 3 、SrO・6Al 2 O 3 の混合物が示されているのみである。また、 これらのストロンチウムとアルミニウムから なる複合酸化物のなかで、結合剤として適切 な化学組成や結晶子径等については記載され ていない。

 また、非特許文献1では、CaO-SrO-Al 2 O 3 系のセメントが試作され、0.3~0.4molのSr置換量 において硬化体強度が極大となることが示さ れている。しかしながら、1000℃を超えるよ な高温での特性は全く開示されておらず、 はり、高温での耐食性に優れた不定形耐火 に適用するための手段は何ら示されていな 。

 以上の制約により、実際に工業化されてい 不定形用耐火物用結合剤は、CaO・Al 2 O 3 を主体として、α-Al 2 O 3 や、CaO・2Al 2 O 3 、12CaO・7Al 2 O 3 、及び各種添加剤を含有したアルミナセメン トが用いられているのが現状である。

 ちなみに、現在、不定形耐火物用結合剤に 用されているアルミナセメントとしては、 えば、電気化学工業社製商品名の商品名「 イアルミナセメントES」、「ハイアルミナ メントVS-2」、「ハイアルミナセメントスー ー90」、「ハイアルミナセメントスーパーG 、「ハイアルミナセメントスーパー2」、「 ハイアルミナセメントスーパー」等や、ケル ネオス社製の商品名「セカール71」、「セカ ル80」等が挙げられる。これらのいずれも 、CaO・Al 2 O 3 を主体として、α-Al 2 O 3 やCaO・2Al 2 O 3 、12CaO・7Al 2 O 3 と、特性に応じて少量の添加剤とを配合した ものである。

 従って、操業の温度等の条件が厳しくな ことに対応して、高温での溶鉄やスラグに する耐食性に優れた不定形耐火物用の結合 の開発が強く望まれていた。

 尚、特許文献4には、CaO-SrO-Al 2 O 3 組成を有するセメント製造用原料混合物を用 いた結合剤を使用することにより、高温での 耐スラグ性がより高まることが示されている 。しかしながら、結合剤が与える不定形耐火 物の重要な特性である硬化強度発現性能につ いては、従来のものと同等であり、その性能 向上が望まれる。

 本発明は、上記事情に鑑みてなされたも であって、従来のアルミナセメントよりも ラグや溶鉄などに対する高温での耐食性に れ、施工性及び高温での安定性に優れ、さ には硬化強度発現性能に優れた、不定形耐 物用結合剤及び不定形耐火物の提供を目的 する。

 上記課題を解決して係る目的を達成するた に、本発明は、以下の手段を採用した。
(1)本発明の不定形耐火物用結合剤は、SrAl 2 O 4 の化学組成からなる。
(2)本発明の他の不定形耐火物用結合剤は、SrA l 2 O 4 の化学組成と、SrAl 2 O 4 以外の成分5質量%以下と、含有してなる。
(3)本発明のさらに他の不定形耐火物用結合剤 は、前記SrAl 2 O 4 にAl 2 O 3 が混合されている。
(4)上記(3)に記載の不定形耐火物用結合剤では 、前記SrAl 2 O 4 が10質量%以上60質量%以下、かつ前記Al 2 O 3 が40質量%以上90質量%以下となるように混合さ れていてもよい。
(5)上記(3)に記載の不定形耐火物用結合剤では 、前記SrAl 2 O 4 が20質量%以上50質量%以下、かつ前記Al 2 O 3 が50質量%以上80質量%以下となるように混合さ れていてもよい。
(6)上記(1)~(5)の何れか1項に記載の不定形耐火 用結合剤では、前記不定形耐火物用結合剤 に、分散剤及び硬化遅延剤の少なくとも一 が配合されていてもよい。
(7)上記(1)~(5)の何れか1項に記載の不定形耐火 用結合剤では、前記不定形耐火物用結合剤 のSrAl 2 O 4 の結晶子径が、40nm以上80nm以下であってもよ 。
(8)上記(1)~(5)の何れか1項に記載の不定形耐火 用結合剤では、前記不定形耐火物用結合剤 に不可避的不純物として混入するSr 3 Al 2 O 6 の含有量が、SrAl 2 O 4 を100質量部とした場合に、3質量部以下であ てもよい。
(9)本発明の不定形耐火物は、上記(1)~(5)のい れか1項に記載の不定形耐火物用結合剤と、 径1μm以下の超微粉アルミナを含む耐火骨材 とを配合してなる。
(10)上記(9)に記載の不定形耐火物では、前記 定形耐火物用結合剤及び前記耐火骨材の合 量を100質量部とした場合に、前記不定形耐 物用結合剤の含有量が、0.2質量部以上かつ20 質量部以下であってもよい。
(11)上記(9)に記載の不定形耐火物では、前記 定形耐火物用結合剤及び前記耐火骨材の合 量を100質量部とした場合に、前記不定形耐 物用結合剤の含有量が、0.5質量部以上かつ12 質量部以下であってもよい。
(12)上記(9)に記載の不定形耐火物に、分散剤 硬化遅延剤、硬化促進剤のうちの少なくと 一つが添加されていてもよい。
(13)上記(12)に記載の不定形耐火物は、更に硬 促進剤が添加されていてもよい。
(14)上記(12)又は(13)に記載の不定形耐火物では 、前記分散剤が、ポリカルボン酸系分散剤、 リン酸系分散剤、オキシカルボン酸類、メラ ミン系分散剤、ナフタレン系分散剤、及びリ グニンスルホン酸系分散剤からなる群より選 ばれる1種又は2種以上であり;前記硬化促進剤 が、リチウム塩類及びアルミン酸塩の少なく とも一方であり;前記硬化遅延剤が、ホウ酸 及びケイフッ化物の少なくと一方である;よ にしてもよい。
(15)本発明の不定形耐火物の施工方法は、上 (1)~(5)のいずれか1項に記載の不定形耐火物用 結合剤と、粒径1μm以下の超微粉アルミナを む耐火骨材とを配合して混練した後、得ら た不定形耐火物を施工する工程を含む。

 本発明の不定形耐火物用結合剤によれば 従来のアルミナセメントと比べて早期に、 り大きな硬化体強度が得られるので、強度 現性に優れてかつ、養生時間短縮化による 産性向上の効果が期待できる。さらに、本 明の不定形耐火物用結合剤によれば、スラ や溶鉄などに対する高温での耐食性に優れ 高温で使用される窯炉の内張りの不定形耐 物の寿命延長の効果を発揮することができ 。

CaAl 2 O 4 を用いた場合のCaイオンの溶出挙動の一例を すグラフである。 SrO・Al 2 O 3 とSrAl 4 O 7 とSrAl 12 O 19 との混合物を用いた場合のSrイオンの溶出挙 の一例を示すグラフである。 SrAl 2 O 4 を用いた場合のSrイオンの溶出挙動の一例を すグラフである。 SrAl 4 O 7 を用いた場合のSrイオンの溶出挙動の一例を すグラフである。 SrAl 12 O 19 を用いた場合のSrイオンの溶出挙動の一例を すグラフである。 SrAl 2 O 4 のX線回折測定結果の一例を示すグラフであ 。 実施例で使用した評価試料である耐火 1の形状を示す斜視図である。 実施例で使用した、試験片(耐火物1)を み合わせて製作した試験体の外観を示す斜 図である。 実施例で使用した回転侵食炉の断面図 ある。

 以下に添付図面を参照しながら、本発明の 適な実施の形態について詳細に説明する。 お、本明細書及び図面において、実質的に 一の機能構成を有する構成要素については 同一の符号を付することにより重複説明を 略する。
 本発明者等は、不定形耐火物中の特に超微 子を凝結させる作用を有する、水中への陽 オンの供出源として、SrAl 2 O 4 に着目した。そして、SrAl 2 O 4 がスラグや溶鉄に対する耐食性に優れ、しか も施工性や乾燥特性及び高温での安定性も向 上させられることを新たに見出した。
 特に、不定形耐火物の結合部(すなわち、耐 火骨材粒子同士を結びつけて所定の強度の発 現に寄与する部分)は、アルミナセメントと 耐火骨材に含まれるアルミナ、シリカ、粘 などの超微粉原料と各種分散剤とから構成 れ、超微粉の分散特性が不定形耐火物の流 性などに大きく影響する。
 不定形耐火物中に添加されたSrAl 2 O 4 から多価イオン(Sr 2+ 、Al 3+ イオン)が溶出する。硬化遅延剤や分散剤の オン封鎖能によって、いわゆる可使時間が られる。この可使時間の間は、微粉の分散 態が保たれて流動性を有するが、その限界 超えたところで凝集を開始して次第に流動 を失い、一定の形状を保持できるようにな 。このような状態を凝結と呼んでいる。凝 が終わると機械的強度を増すようになり、 れを硬化と呼んでいるが、凝結と硬化の境 は明確ではない。
 本発明者等は、SrAl 2 O 4 から溶出してくるSr 2+ あるいはAl 3+ のような多価イオンによって凝縮させること により、脱枠可能な養生強度を短時間で発現 できることを見出した。ただし、過度にSrAl 2 O 4 からの溶出速度が速すぎて、極短時間で多価 イオンの濃度が高まると凝集が急速に進み、 施工のための十分な作業時間を確保すること が困難になることには、留意が必要である。 さらに、本発明者等は、不定形耐火物の結合 剤として最適なSrAl 2 O 4 の結晶子径の範囲を新たに見出した。

 具体的には、SrAl 2 O 4 から混練水中へのSrイオンが溶出する速度・ 出量と、従来のアルミナセメントの主成分 あるCaAl 2 O 4 からCaイオンが溶出する速度・溶出量とを比 した。この比較のために、蒸留水400g中に試 料200gを投入し、マグネチィックスターラー 用いて所定時間撹拌した後の溶液を抽出し ICP(誘導結合プラズマ)で分析して溶液中の元 素量を測定した。溶液中の元素は、各種のイ オンの状態で存在すると仮定した。その結果 、図1及び図3に示す様に、SrAl 2 O 4 から混練水中にSrイオンが溶出する速度及び 出量は、従来のアルミナセメントの主成分 あるCaAl 2 O 4 からCaイオンが溶出する速度及び溶出量を遥 に上回ることを見出した。なお、参考まで 、Alイオンが溶出する速度及び溶出量も示 ている。

 さらに、本発明者は、図2に示した結果や以 下の実施例に示す結果から、このSrAl 2 O 4 から水中に溶出するSrイオンによって不定形 火物を構成する骨材同士が凝集・結合して 化・強度発現することを新たに突き止めた このメカニズムは、SrAl 2 O 4 からSr 2+ が水中に溶出することによって液性がアルカ リ性になることによる。耐火骨材中に含まれ る超微粉アルミナ(Al 2 O 3 )は、中性酸化物であるため、液性がアルカ になると水中に溶出しやすくなる。その結 、溶液中のAl 3+ 量も上昇する。溶出量が飽和域に達すると、 それ以上は溶出し難くなり、AlやSrあるいは の両方を含む水和物が析出する。これら水 物が耐火骨材中に生じることによって結合 が形成されるため、養生強度が発現すると 定できる。

 また、特許文献2や特許文献3の実施例に記 されている様な、SrAl 2 O 4 、SrAl 4 O 7 、SrAl 12 O 19 の混合物(混合比率は、質量比で1:1:1)につい 、上記と同様の方法により、Srイオンの溶出 速度及び溶出量を確認した。その結果、図2 示す様に、SrAl 2 O 4 、SrAl 4 O 7 、SrAl 12 O 19 の混合物は、SrAl 2 O 4 単独の場合に比べて、Srイオンの溶出速度及 溶出量が、顕著に低いレベルになることを 併せて見出した。

 この原因を確認するために、SrAl 4 O 7 およびSrAl 12 O 19 それぞれ単独でのSrイオンの溶出速度及び溶 量を、上記と同様の方法により確認した。 の結果、図3及び図4に示す様に、SrAl 4 O 7 ではSrイオンの溶出速度及び溶出量がSrAl 2 O 4 と比べて遥かに低いレベルにあること、また 、図5に示す様に、SrAl 12 O 19 では、さらにSrイオンの溶出速度及び溶出量 低く、硬化への寄与が低いことを見出した

 結合剤の成分としてSrAl 2 O 4 の他にSrAl 4 O 7 およびSrAl 12 O 19 を含むものは、SrAl 2 O 4 を主要成分として含むものと比べて強度発現 性が劣る為、同等の不定形耐火物の強度を得 る為には、より多くの結合剤を必要とする。 また、SrAl 2 O 4 の他にSrAl 4 O 7 およびSrAl 12 O 19 を含む結合剤は、SrAl 2 O 4 を主要成分として含むものと比べて不定形耐 火物の流動性が低下してしまう為、同等の流 動性を得る為には添加水量を多く必要とする 。この影響は、強度発現性を増す為に結合剤 量を増やした場合に、より顕著となる。
 これらの影響により、SrAl 2 O 4 の他にSrAl 4 O 7 およびSrAl 12 O 19 を含む結合剤は、SrAl 2 O 4 を主要に含むものと同等の強度発現性を有す る場合、不定形耐火物中の耐火骨材よりも融 点の低い結合剤の割合が増す他、添加水量が 増加して気孔率の高い硬化体組織となる。そ の為、高温での耐スラグ性が低下して不定形 耐火物の寿命が低下してしまう問題がある。 また、多くの結合剤を必要とする為、原料で あるストロンチウム化合物及びアルミナの使 用量が増してしまう他、ストロンチウムアル ミネート成分を合成する為のエネルギーの増 加も生じ、製造コストの増加を招いてしまう 。

 したがって、スラグや溶鉄に対する耐食性 優れてかつ、高温で使用される窯炉の内張 の不定形耐火物用の結合剤としての機能を 分に発現するには、SrAl 2 O 4 を必須成分とするとともに、SrAl 4 O 7 およびSrAl 12 O 19 等のSrAl 2 O 4 以外の化学組成のストロンチウムアルミネー トは、極力、含有させないことが重要である 。

 ちなみに、特許文献2には、ストロンチウム アルミネートからの水和によって生成する3Sr O・Al 2 O 3 ・6H 2 OやAl(OH) 3 が結合作用を有すると記載されている。確か に、長期養生後にこのような水和物による緻 密な組織が形成することにより強度発現への 寄与があるものの、本発明者等は、SrAl 2 O 4 から多量に水中に溶出するSrイオンの効果の が遥かに大きいことを見出した。

 上記の知見に基づき、本発明の第一の形態 不定形耐火物用結合剤は、SrAl 2 O 4 の化学組成からなるものとした。

 結合剤中に、SrAl 2 O 4 以外の残部が含まれる場合がある。例えば、 SrAl 2 O 4 の原料が均一に混合できていない状態で焼成 を行った場合には、部分的にSrOとAl 2 O 3 の成分が等モル量にならない。その際、SrAl 4 O 7 やSr 3 Al 2 O 6 等が生じる場合がある。これに対しては、原 料を十分に混合することで生成を抑制するこ とが可能である。

 また、本発明においては、SrAl 4 O 7 やSrAl 12 O 19 等のSrAl 2 O 4 以外のストロンチウムアルミネートの化学組 成のものは含有させないことを基本としてい る。しかしながら、製造時に不可避的に生成 することがある。但し、製造時に不可避的に 生成する、SrAl 4 O 7 やSrAl 12 O 19 等のSrAl 2 O 4 以外のストロンチウムアルミネートの化学組 成については、通常は、1質量%以下程度とい た少量であるので、この程度であれば、本 明の効果に影響がないため、本発明の範囲 とする。

 その他に、原料を均一に混合して製造した 合でも、SrAl 2 O 4 以外の不可避的な残部が本発明の結合剤中に 含まれる場合がある。その残部の組成として は、Al 2 O 3 が代表的であるが、その他には、SiO 2 ,TiO 2 ,Fe 2 O 3 ,MgO,SrO等が例示できる。これらが本発明の結 剤中に入る経路としては、使用原料中に予 含まれている場合や結合剤原料及び製造品 粉砕装置、輸送装置及び焼成装置等の製造 程からのコンタミネーションが考えられる

 工業的に使用される原料の適用及び製造 程の管理、適正化を行うことで、上記の不 物の含有量は、本発明の効果に影響が無い 度に低減することができる。その量は、そ ぞれの物質を酸化物換算した化学成分量の 計で、本発明の結合剤全体の質量に対して5 質量%以内であることが望ましい。5質量%より も大きいと、結合剤を使用した不定形耐火物 の強度発現性及び耐食性が低下する等の性能 低下が生じる場合がある。

 本発明の不定形耐火物用結合剤の別の形態 して、SrAl 2 O 4 が水と反応して硬化体となった際に、硬化体 の強度や耐火度をより高めることが要求され る場合には、SrAl 2 O 4 にAl 2 O 3 を混合した形態(すなわち、SrAl 2 O 4 とAl 2 O 3 の両方が配合されてなる結合剤)としても良 。それぞれの好適な結合剤中の含有量は、Sr Al 2 O 4 が10質量%以上60質量%以下、かつ配合されたAl 2 O 3 が40質量%以上90質量%以下であることが好まし い。SrAl 2 O 4 とAl 2 O 3 の両方が配合されてなる結合剤は、両者が十 分に混合されて成分濃度が均一化されている ことが望ましい。

 SrAl 2 O 4 含有量が10質量%未満では、不定形耐火物の耐 火骨材の成分や粒度分布によっては、十分な 硬化強度が発現されにくくなる場合がある。 一方、SrAl 2 O 4 含有量が60質量%超では、相対的にAl 2 O 3 の配合量が低下するため、硬化体の強度や耐 火度を十分に高めることができない場合があ る。
 一般的に、流し込み施工を行う不定形耐火 における結合剤の量は、かつては10~30質量% 度であったが、最近では10質量%以下まで低 されたものが主流である。
 結合剤中のSrAl 2 O 4 の含有量が10質量%未満であっても、結合剤そ のものの添加量を増やして不定形耐火物中の Sr量を高くすれば、確かに結合剤として機能 、不定形耐火物を得ることができる。しか ながら、耐火骨材は粒度の幅が結合剤のそ に比べるとはるかに広く、耐火骨材と結合 とを混合した際の均一度は、結合剤同士(SrA l 2 O 4 とAl 2 O 3 )を混合したときの均一度に比べて劣ること 多い。従来のCaAl 2 O 4 や今回のSrAl 2 O 4 のような水硬性成分とアルミナAl 2 O 3 を予め均一に混合させることで、耐火性骨材 等と共に混合して不定形耐火物を製造した際 に、より均一に水硬性成分を分散させること ができる。その結果、硬化時の水和生成物の 分布状態や加熱・焼成後に生成されるCA,SrA,CA 2 やSrA 2 あるいはそれらの固溶体の分布が均一となり 、不定形耐火物の品質の安定化を図ることが 可能になる。したがって、本発明においても 、事前にAl 2 O 3 と混合するほうが好ましい。

 また、配合させるAl 2 O 3 が40質量%以上であると、硬化体の強度や耐火 度を十分に高めることができるため好ましい 。但し、Al 2 O 3 を90質量%超配合させた場合では、SrAl 2 O 4 の含有量が相対的に少なくなり、均一に硬化 させにくくなる場合がある。よって、Al 2 O 3 の配合量は、90質量%以下が好ましい。尚、不 可避的な残部がある場合については、SrAl 2 O 4 の化学組成からなる場合と同様である。

 本発明の不定形耐火物用結合剤では、水 混合した際に2価の陽イオンであるSrイオン 溶出速度が過度に大きくなることで、結合 や耐火骨材粒子の凝集が起こりやすくなり 不定形耐火物の作業性を低下させる場合が る。この為、不定形耐火物の骨材の配合量 び添加水量によっては、施工に必要な作業 間が確保できない場合がある。これを改善 る為に、本発明の不定形耐火物用結合剤に 、分散剤や硬化遅延剤を添加することが好 しい。

 分散剤の添加により結合剤や耐火骨材の 子が凝集するのを防ぐ他、硬化遅延剤によ 結合剤の水への溶解を抑制したり溶出した オンの封鎖を行ったりすることで、不定形 火物の作業性の低下を改善することができ 。

 分散剤及び硬化遅延剤は、結合剤中に混 させて均一化して使用することが好ましい これは、結合剤中の成分と添加剤を予め均 に混合させることで、耐火性骨材等と共に 合して不定形耐火物を製造した際に、より 一に、結合剤成分と添加剤と骨材とを分散 せることができ、品質の安定化を図ること できる為である。また、分散剤及び硬化遅 剤を結合剤中に加えずに不定形耐火物を製 する際に、結合材及び耐火骨材等と共に添 及び混合して使用することも可能であり、 述したいずれの方法でも構わない。

 本発明で使用可能な分散剤としては、一 的に市販されているセメント用分散剤(減水 剤)が使用できる。すなわち、リン酸系分散 、オキシカルボン酸系分散剤、ポリカルボ 酸系分散剤、メラミン系分散剤、ナフタレ 系分散剤、及びリグニン系分散剤の中から ばれる1種又は2種以上を使用することができ る。

 本発明に係るオキシカルボン酸類とは、 キシカルボン酸又はその塩である。具体的 は、オキシカルボン酸類として、例えば、 エン酸、酒石酸、コハク酸、乳酸及びグル ン酸等のオキシカルボン酸、並びにその塩 挙げられるが、これらのうち、クエン酸及 /又はそのアルカリ金属塩が好ましく、中で もクエン酸ナトリウムの使用がより好ましい 。オキシカルボン酸類の粒度は、セメントと 混和した際に水に溶解しやすいように、細か いほど好ましく、100メッシュ以下、特に200メ ッシュ以下が好ましい。

 本発明に係るポリカルボン酸系分散剤と ては、ポリイタコン酸類、ポリアクリル酸 、ポリメタクリル酸類の他、アクリル酸(メ タクリル酸)系及びマレイン酸系の共重合体 それら重合体にエチレンオキサイドのグラ ト鎖を付加させたもの等が挙げられる。

 メラミン系分散剤としては、スルホン化メ ミン高縮合物や変性メチロールメラミン縮 物を主成分として含むものを使用すること できる。
 ナフタレン系分散剤としては、(ポリ)アル ルアリルスルホン酸又はその塩やアルキル フタレンスルホン酸又はその塩を主成分と て含むものを使用することができる。

 リグニン系分散剤としては、リグニンス ホン酸又はそのナトリウム塩、カリウム塩 及びカルシウム塩等が挙げられ、入手しや さからナトリウム塩の使用が好ましい。

 これらの中でも、ポリカルボン酸系分散 は、その分散性能が高く、他の種類の分散 と比較して少ない添加量で不定形耐火物の 業性を確保することが出来る為、ポリカル ン酸系分散剤の使用が特に好ましい。

 また、本発明では、不定形耐火物の可使 間延長効果を有する面から、硬化遅延剤を 用することが好ましい。本発明で使用する 化遅延剤としては、アルミナセメントに通 使用されるものであり、具体的には、ホウ 類、ケイフッ化物及び糖類からなる群より ばれた1種又は2種以上を使用することが好 しい。

 ホウ酸類は、ホウ酸及びそのアルカリ塩 して、ナトリウム塩、カリウム塩、及びカ シウム塩等があるが、それらのうち、硬化 延作用の強いホウ酸の使用が好ましい。ホ 酸類の粒度は、流し込み用不定形耐火物に 練した際、水に溶解し易いように小さい程 ましい。また、ホウ酸類の純度は特に限定 れるものではないが、現在、工業的に精製 れているものが使用可能である。ホウ酸類 粒度は、アルミナセメントと混和した際に に溶解しやすいように、細かい程好ましく 100メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以 がより好ましい。

 ケイフッ化物としては、ケイフッ化ナト ウム、ケイフッ化カリウム、及びケイフッ マグネシウム等の使用が好ましく、これら うち、ケイフッ化ナトリウムの使用が、硬 遅延作用が強いので特に好ましい。ケイフ 化物の粒度は、アルミナセメントと混和し 際に水に溶解しやすいように、細かい程好 しく、100メッシュ以下が好ましく、200メッ ュ以下がより好ましい。ケイフッ化物の純 は特に限定されるものではないが、現在、 業的に精製されているものの使用が可能で って、目的とするケイフッ化物の純度が80 量%程度以上のものを使用することが好まし 。

 糖類としては、多価アルコールのアルデ ド、ケトン、並びに、酸や多価アルコール 体及びそれらの誘導体や置換体であり、具 的にはグルコース、フルクトース、デキス リン、及びショ糖等が挙げられる。   

 本発明の分散剤及び硬化遅延剤としては 粉体及び液体のいずれもが使用可能であり 粉体の場合は結合剤と予め混合することが 能である。液体の場合は、本発明の結合剤 用いた不定形耐火物を水と混合する際に添 して使用することができる。どちらを用い 場合でも、本発明の効果を発現することが きる。

 分散剤及び/又は遅延剤の種類の組み合わせ は、結合剤の成分や数量、耐火骨材の種類や 物性及び使用時の温度等の条件によって適宜 選択できるもので、特に限定されるものでは なく、材料配合に合わせて組み合わせを変え ることが可能である。分散剤及び硬化遅延剤 の使用量は、不定形耐火物の良好な作業性が 得られる面から、結合剤100質量部に対して0.2 ~10質量部の添加が好ましい。ここで、分散剤 及び硬化調整剤が液体の場合は、溶媒等を除 いた有効成分量で添加量を定める。
 一般に、不定形耐火物の可使時間や硬化時 は、材料の保管温度、貯蔵時間、ミキサー 種類や回転速度、水温、水質、気温等の影 を受けやすく、適切な作業時間及び硬化時 を一定の範囲内に保つための添加材を配合 ている。添加剤は可使時間や硬化時間の他 、流動性や減水性の改善など、多面的な特 の改善の役割がある。多くの分散剤、硬化 延剤や硬化促進剤を各々単独で使用した場 、流動性や可使時間、硬化時間などの特性 バランスが取りにくいため、実機での施工 おいては、2種類以上の添加剤を併用して使 う場合が多い。

 本発明の不定形耐火物用結合剤を使用し 実際の不定形耐火物を製造する場合、結合 と耐火骨材の配合比率は、特に規定するも ではなく、任意の配合比率であっても、そ 効果があることを確認している。

 但し、本発明の不定形耐火物用結合剤を使 して実際の不定形耐火物を製造する場合、 合剤と耐火骨材の配合比率は、結合剤と耐 骨材の合計量を100質量部とした場合に、結 剤を0.2質量部以上かつ20質量部以下、さら 好ましくは0.5質量部以上かつ12質量部以下と することが推奨される。また、結合剤中のSrA l 2 O 4 の含有量によっても最適な結合剤添加量は変 わる。

 この理由は、0.2質量部未満では、結合が 十分で結合剤が硬化した後の強度が不十分 場合があるためである。また、20質量部を えると、結合剤の水和や脱水過程での体積 化等が不定形耐火物全体に影響することが り、亀裂等が発生する場合があるためであ 。

 不定形耐火物用の耐火骨材としては、電 アルミナ、電融ボーキサイト、焼結アルミ 、仮焼アルミナ、電融ムライト、合成ムラ ト、溶融シリカ、電融ジルコニア、電融ジ コニアムライト、ジルコン、マグネシアク ンカー、電融マグネシア、電融マグクロ、 結スピネル、電融スピネル、窒化珪素、炭 珪素、鱗状黒鉛、土状黒鉛、シリマナイト カイアナイト、アンダルサイト、ろう石、 ん土頁岩、ドロマイトクリンカー、けい石 粘度、シャモット、石灰、クロム、溶融石 、カルシウムアルミネート、カルシウムシ ケート、シリカフラワー等が使用可能であ 。これらの一種でも二種以上の組み合わせ も構わない。

 本発明の結合剤を不定形耐火物の結合剤 用いる場合、施工する際の水または水含有 媒の量は特に規定しない。但し、骨材の粒 分布や分散剤の種類・量にも依存するが、 ね、耐火骨材に対して外掛けで2~10質量%程 が好適である。

 その理由は、2質量%よりも少ないと硬化 せにくくなるためである。また、10質量%よ も多いと硬化組織形成に関わる量が相対的 高くなり、硬化反応中の体積変化等が耐火 の品質に悪影響を与え易くなるためである

 また、本発明の結合剤を不定形耐火物の 合剤に用いる場合、気温や湿度に応じて、 和・硬化反応の速度を適性に制御するため 、不定形耐火物中又はそれに水を加えて混 りする際に分散剤や硬化調整剤を加えるこ が好ましい。

 分散剤としては、炭酸ソーダ、炭酸水素ソ ダ等の炭酸塩、クエン酸やクエン酸ソーダ 酒石酸、酒石酸ソーダ等のオキシカルボン 類、ポリアクリル酸やメタクリル酸及びそ 塩類や、トリポリリン酸ソーダやヘキサメ リン酸ソーダ等のリン酸塩類及び/又はその アルカリ金属、アルカリ土類金属塩類などが 主に使用できる。
 さらに、本発明の不定形耐火物を用いて緻 な硬化体を製造するため、水との混練時に ポリカルボン酸系減水剤、リグニン系減水 などの減水剤、高性能減水剤、高性能AE減 剤等の化学混和剤が使用できる。これら化 混和剤の種類や添加量は、配合する耐火骨 の種類や量、施工温度等の条件によって適 選択することができる。

 硬化調整剤には、硬化遅延剤又は硬化促 剤を用いることができる。硬化遅延剤とし は、ホウ酸、硼砂、ケイフッ化物などを用 ることができる。一方、硬化促進剤として 、クエン酸リチウムや炭酸リチウムなどの チウム塩類や消石灰などの水酸化物及びア ミン酸ナトリウムなどのアルミン酸塩を用 ることができる。

 また、ビニロンなどの有機繊維、金属ア ミニウム粉、乳酸アルミニウム等の爆裂防 剤を添加して、材料の通気率を上げる方法 用いることができる。

 さらに、流動性の改善、充填性向上や焼 性向上のために、超微粉を添加することも きる。このような超微粉としては、例えば シリカヒューム、コロイダルシリカ、易焼 アルミナ、非晶質シリカ、ジルコン、炭化 素、窒化珪素、酸化クロム及び酸化チタン どの0.01~100μm程度の粒径の無機微粉末が採 できる。

 マグネシア等の塩基性骨材を配合する場 、マグネシアの水和膨張に伴う亀裂が発生 る可能性がある。これを抑制するために、 ュームドシリカのような表面活性の高い添 物を加えることが好ましい。

 本発明の不定形耐火物用結合剤の水硬性材 であるSrAl 2 O 4 の製造方法としては、精製アルミナ(α-Al 2 O 3 、Al(OH) 3 )やボーキサイト(Al 2 O 3 原料)、ストロンチアン鉱(SrCO 3 )や天青石(SrSO 4 )を原料とし、目的とするSrAl 2 O 4 の組成の結合剤のモル比となるように原料を 配合し、電気炉、反射炉、平炉、縦型炉また はシャフトキルンやロータリーキルンで、120 0℃以上、好ましくは1400℃以上の高温で溶融 るいは焼成する方法が挙げられる。

 これらの温度や溶融・焼成時間は炉の容積 加熱能力等の仕様によって変わるものであ 、実際には、溶融・焼成後試料の生成相をX 線回折測定で確認し、目的の結合剤の生成有 無を確認することが重要である。
 なお、図6に、SrAl 2 O 4 のX線回折測定結果の一例を示す。

 本発明の不定形耐火物用結合剤において、S rAl 2 O 4 を合成する際に、不可避的にSr 3 Al 2 O 6 が生成される場合がある。このSr 3 Al 2 O 6 の含有量がSrAl 2 O 4 に対して3質量部を越えると、硬化時間が短 なり、十分な作業時間を確保することが困 になる場合がある。そのため、3質量部以下 することが好ましい。
 Sr 3 Al 2 O 6 の生成を抑制する為には、原料中のSrO/Al 2 O 3 モル比を1.05以下(SrCO 3 /Al 2 O 3 質量比を1.55以下)となるように調整し、なお つ焼成時の反応性を増す為原料を微細に粉 し、偏りの無い様に出来るだけ均一に混合 ることが好ましい。また、本発明のSrAl 2 O 4 の化学組成を得る為には、原料中のSrO/Al 2 O 3 モル比を0.95以上にすることが好ましく、0.98 上にすることがより好ましい。SrO/Al 2 O 3 モル比が0.95よりも小さい場合、焼成後の水 性材料がSrAl 2 O 4 の他にSrAl 4 O 7 及び/又はSrAl 12 O 19 を含むものとなり、強度発現性の低下が生じ る虞がある。

 溶融あるいは焼成前に、これらの原料が粉 機で50%平均径が0.5~100μm程度になるまで粉砕 されていることが好ましい。これよりも粗大 な粒子を含むと、未反応部分及びSr 3 Al 2 O 6 の他、SrAl 4 O 7 およびSrAl 12 O 19 等、目的とするSrAl 2 O 4 以外の化学組成が多数残り、本発明の本来の 効果が発揮されにくくなる場合があるためで ある。

 本発明の不定形耐火物用結合剤には、流 性の改善、充填性向上や焼結性向上のため 、超微粉を添加することができる。このよ な超微粉は、例えば、シリカヒューム、コ イダルシリカ、易焼結アルミナ、非晶質シ カ、ジルコン、炭化珪素、窒化珪素、酸化 ロム及び酸化チタンなどの0.01~100μm程度の 径の無機微粉末である。

 さらに、本発明の結合剤を使用する場合 特に1μm以下の超微粉量を増すことで強度発 現性を向上させることが出来る。これは、結 合剤より溶出した多量のSrイオンが骨材の界 に付着して凝集し、強度を発現する為であ と考えられる。不定形耐火物を構成する材 の粒度が細かく表面積が大きい程、強度発 性が向上する。しかし、過剰な超微粉の増 は、不定形耐火物の流動性の低下が生じ、 一な施工体が得難くなる他、耐火物を乾燥 び焼結させた際の体積変化が大きくなり、 細な亀裂の発生が起こる等して耐久性の低 を引き起こす虞がある。

 本発明の結合剤を用いた不定形耐火物に ける1μm以下の超微粉の添加量は、2~70質量% 好ましく、5~50質量%がより好ましい。1μm以 の超微粉が2質量%より小さい場合、養生強 が低下する虞がある。一方、70質量%よりも きい場合、水と混練した後の流動性の低下 生じる他、不定形耐火物を乾燥・焼結させ 後の収縮量が大きくなる。その結果、内部 力が発生して微細な亀裂が生じる等して、 定形耐火物の耐久性が低下してしまう虞が る。なお、本発明における超微粉の粒径は 二次粒子の体積平均であり、粒径測定の方 や原理等は、後述の実施例で示すもの(レー ー回折法やレーザー散乱法、あるいは沈降 秤法などの粒度分析機器による測定結果で って、50%平均径を表す)に準ずる。

 原料の混合には、アイリッヒミキサー、 ータリードラム、コーンブレンダー、V型ブ レンダー、オムニミキサー、ナウターミキサ ー、パン型ミキサー等の混合機で均一化する ことができる。

 また、溶融又は焼成後、高圧の空気や水 接触させて冷却し、均一な組織の結合剤(水 硬性材料)とすることが好ましい。

 さらに、使用する原料は、原料中のAl 2 O 3 及びSrOの合計が98質量%以上である高純度のも のが好ましい。ボーキサイト、ストロンチア ン鉱や天青石に含まれているSiO 2 、TiO 2 、MgO、Fe 2 O 3 等の不純物は、高温での物性を低下させる懸 念があり、極力少量であることが好ましい。

 不定形耐火物中の結合剤の含有量は、X線回 折-リートベルト法による鉱物組成定量法に り、不定形耐火物中のSrAl 2 O 4 量及びα-アルミナ量を定量することで求める ことができる。(ただし、不定形耐火物中の 火骨材にアルミナが配合されている場合に 、結合剤に含まれるα-アルミナの定量をす ことはできない)。

 本発明の不定形耐火物の作業性を確保し、 業確保のための時間、硬化速度及び硬化体 強度を適正な範囲とするためにはSrAl 2 O 4 の結晶子径を40nm以上80nm以下とすることが好 しい。SrAl 2 O 4 の結晶子径が40nm未満の場合には、硬化時間 早くなり、特に施工量が多いときには十分 作業時間を確保することが困難になったり 混練した後に施工するまでの間に材料の一 が硬化することに伴って流動性が低下し、 工性の低下及び施工体の品質低下を招いた する可能性がある。また、80nmを超える場合 は、施工した後の養生後の施工体の強度発 が遅くなったり、また、同一の養生時間で 較した場合に養生強度が低くなったりする 能性がある。この場合、養生時間の延長に る生産性の低下や養生強度低下に伴う乾燥 の耐爆裂性の低下等の施工体の品質低下を くことになる。
 なお、結晶子とは、JIS H7008で定義されてい るように、「多結晶体中において、完全な単 結晶として存在する微小結晶の大きさ」のこ とをいう。また、本発明では、SrAl 2 O 4 の結晶子径は、粉末X線回折測定により得ら た2θ=28.4°前後の(-2 1 1)面の回折ピークによ り半価幅を求め、Scherrer法により算出した値 用いることとする。

 具体的には、各種原料を調合して焼成法に り合成を行ったSrAl 2 O 4 を、その平均的な評価サンプルが得られるよ うに、焼成体の表面や内部等の各所から採取 して集合及び縮分を行った後、粉砕機にて中 心粒子径が10μm以下となるように粉砕する。 れを、粉末X線回折装置(例えば、日本電子 製JDX-3500)を用いて測定し、粉末X線回折パタ ン解析ソフトJADE6を用いて結晶子径の算出 行うことができる。
 X線回折装置を用いた結晶子径の測定は、X 源:CuKα、管電圧40kV、管電流300mA、ステップ 度0.02°、分光器:モノクロメーターの測定条 で2θ=15~40°の範囲で行えばよい。また、結 子径の解析に用いるX線回折装置由来の半価 は、同装置同条件のもとでケイ素粉末試料 測定し、その半価幅曲線を求めて値を使用 ることができる。
 なお、後述する実施例におけるSrAl 2 O 4 の結晶子径の測定は、上述した方法で行った 。

 上記のSrAl 2 O 4 の結晶子径を40nm以上80nm以下にする場合、例 ば電気炉、シャトルキルン及びロータリー ルン等の焼成装置を用いて、原料の成型体 1200℃~1600℃の温度で焼成することが望まし 、1400℃~1500℃の温度で焼成することがより ましい。焼成温度が1200℃よりも小さい場合 、未反応の原料が残り易くなり、SrAl 2 O 4 の合成が出来ない場合がある。また、1600℃ りも大きい場合、SrAl 2 O 4 の結晶子径が大きくなり、水と混合した際の 反応性が低下して、強度発現性が低下する場 合がある。1400℃~1500℃の温度では、所定の結 晶子径を得る為の焼成時間を短くすることが 出来る他、過焼成による結晶子径の過剰な増 加が生じ難くなる為、生産性の向上が図れ、 製造時の過焼成による強度発現性低下のトラ ブルを防止することができる。焼成を行う時 間は、各々の温度で目標の結晶子径が得られ るように調整すればよく、例えば、1400℃の 合0.7~60時間、1500℃の場合0.5~48時間程度であ 。

 SrAl 2 O 4 の結晶子径を上記の範囲外とする場合、以下 の条件で製造することができる。しかし、結 晶子径は原料の粒度、原料成型体製造時の水 量及び成型体の大きさ等により変化する為、 下記の条件にて製造できない場合もある。
 40nmよりも小さい結晶子径のSrAl 2 O 4 を作製する場合は、1100~1300℃程度の温度で0.5 ~10時間程度の焼成を行うことができる。温度 が1100℃より小さかったり、焼成の時間が極 に短かったりした場合、反応が進まず、未 応の原料が残り易くなる。また、80nmよりも きい結晶子径のSrAl 2 O 4 を作製する場合は、1600℃以上の温度で12時間 以上の焼成を行うことで製造することができ る。

 結合剤(水硬性材料)の粒度は水和反応や 化速度に影響するため、溶融または焼成後 粉砕機にて1~20μm程度に整粒化されることが ましい。この粒度は、レーザー回折法やレ ザー散乱法、あるいは沈降天秤法などの粒 分析機器による測定結果であって、50%平均 を表す。

 粉砕機としては、振動ミル、チューブミ 、ボールミル、ローラーミル等の工業用粉 機を用いることができる。

 また、本発明の別の形態の結合剤は、上記 記載した方法により得られたSrAl 2 O 4 にα-アルミナ粉末を配合することで製造でき る。
 α-アルミナ粉末は、Al 2 O 3 を90質量%以上含む高純度のアルミナであり、 一般的にアルミナはバイヤー法によって製造 される。この方法では、まずボーキサイトを 水酸化ナトリウム(NaOH)の熱溶液中で、250℃に おいて洗浄する。この過程でアルミナは水酸 化アルミニウム(Al(OH 3 ))に変換され、下式(1)に示すような反応によ て溶解する。
 Al 2 O 3 +2OH - +3H 2 O → 2[Al(OH) 4 ] - ・・・(1)

 このとき、ボーキサイト中の他の成分は溶 せず、固体の不純物としてろ過により除去 きる。次に溶液を冷却すると、溶けていた 酸化アルミニウムは白色の綿毛状固体とし 沈殿する。これを、ロータリーキルン等を いて1050℃以上で焼成処理すると、下式(2)に 示すような脱水が起こってアルミナが生成さ れる。
 2Al(OH) 3 →Al 2 O 3 +3H 2 O・・・(2)

 水硬性材料に配合するα-Al 2 O 3 の比表面積によって、結合剤としての流動性 が左右されるため、α-Al 2 O 3 は、BET比表面積が0.1~30m 2 /g程度のものが好適である。

 このα-Al 2 O 3 は、水硬性材料と所定の割合で配合して粉砕 機で混合粉砕するか、あるいは、α-Al 2 O 3 を単独で結合剤相当の粒度まで粉砕後、同様 に粉砕した水硬性材料と混合して使用するこ とが可能である。α-Al 2 O 3 を単独で粉砕する場合は、中心粒子径が1~10μ m程度になるように粉砕することが好ましい 本発明では、α-Al 2 O 3 を水硬性材料と混合して粉砕した方が、結合 剤組成中に均一に混合され、不定形耐火物に 使用した際に硬化体組織が均一となり易く、 耐食性等の性能が向上する傾向がある為好ま しい。

 以下実施例により本発明をさらに詳しく 明するが、本発明は、これらの実施例のみ より限定されるものではない。

 水硬性材料の原料としては、純度98質量%のS rCO 3 (堺化学工業社製)と、純度99質量%の高純度α- ルミナ(日本軽金属社製)とを使用した。ま 、Caを含む従来のアルミナセメントを用いた 例と比較するための比較例として、純度99質 %のCaCO 3 (宇部マテリアルズ社製)も使用した。
 また、不可避的不純物の影響を把握する為 、純度99.5質量%の酸化ケイ素、酸化チタニ ム、酸化マグネシウム及び第二酸化鉄の各 試薬を使用した。

 下記の表1~表11の化学組成となるように各 原料を天秤で秤量し、乳鉢で混合粉砕した。 混合粉砕した原料に対して、外掛けで15質量% の水を加えて混合し、得られた混合物を直径 20mm程度の球状に造粒成形した後、2kg程度を ルミナ製容器に投入して、電気炉(炉容積130L )中にて大気雰囲気中で、1400℃で48時間の加 処理を行った。その後、常温まで降温して 気中で放冷後、バッチ式ボールミルにて粉 し、実施例に示す水硬性材料を得た。

 なお、SrCO 3 及びα-アルミナの2種の原料を用いて、SrOとAl 2 O 3 の成分が等モル比になるように調整して上記 方法で作製した水硬性材料は、不可避的不純 物の影響が少なく、SrAl 2 O 4 の組成が得られている為、以後、SrAl 2 O 4 と称し、また、CaCO 3 及びα-アルミナの2種の原料を用いて、CaOとAl 2 O 3 の成分が等モル比になるように調整して作製 した水硬性材料も同様にCaAl 2 O 4 と称する。

 さらに、Al 2 O 3 を配合した実施例については、得られた水硬 性材料に高純度α-アルミナ(日本軽金属製)を 定の成分になるように配合し、バッチ式ボ ルミルを用いて混合粉砕を行い、結合剤を 製した。また、水硬性材料及びα-Al 2 O 3 の他に、分散剤、硬化遅延剤、SrAl 4 O 7 化学組成、SrAl 12 O 19 化学組成及びSr 3 Al 2 O 6 化学組成を配合した結合剤を作製する場合も 、各種材料を所定の成分となるように配合し 、バッチ式ボールミルを用いて混合粉砕を行 い、結合剤を作製した。

 この結合剤8質量部と、耐火骨材92質量部( 篩い分けの粒度が1μm以下の焼結アルミナ50質 量%、粒度が75μm~5mmの電融アルミナ43質量%、 グネシア6質量%、シリカフラワー0.8質量%、 ニロン繊維0.15質量%)とをオムニミキサーで1 間混合し、さらに、20℃の恒温室にてこれ の混合物100質量部に対して水6.8質量部を加 てモルタルミキサーで混合・混練を3分間行 、不定形耐火物試料を得た。

 養生後曲げ強度は、不定形耐火物試料を4 0×40×160mmの型枠に鋳込み、20℃恒温室内にて 定時間養生した後、JIS R2553に準拠して測定 を行った。また、養生時間は、不定形耐火物 に水を加えての混合開始から6、12、24及び48 間とした。

 高温でのスラグに対する耐食性の評価は 転侵食法により実施した。回転炉には、図7 の形状に切り出した試験片(耐火物1)を作製し 、図8のように耐火物1を8枚内張りして組み込 んだ。図7に示す耐火物1のサイズは、a=67mm,b=4 1mm,c=48mm,d=114mmとした。また、耐火物1を8枚内 した内側には、円筒状の保護板2(直径約150mm φ)を組み込んだ。

 この組み込まれた耐火物1を、図9に示す に、回転炉内に設置し、耐火物1を回転させ がら、回転炉の内部からバーナー3の燃焼に より昇温させた。燃焼ガスとしては体積比で LPG1:酸素5のものを用いた。尚、符号4はスラ であり、符号5は充填材である。

 各試験片の損耗量は、20mmおきに5点の残寸 測定することで初期厚み(48mm)との差を算出 て、その平均を求めた。スラグ4の組成は、C aO=50.5質量%,SiO 2 =16.8質量%,MgO=7質量%,Al 2 O 3 =2質量%,MnO=3.5質量%,FeO=20.2質量%として、試験 度は1600℃、25分を1チャージとしてスラグ4を 500g入れ替え、合計6チャージ、2時間30分の試 を実施した。スラグ4の入れ替えは、横型ド ラムを傾転させて排出する方法で行った。

[1]SrAl 2 O 4 の化学組成からなる結合剤を用いた不定形耐 火物

 本発明例1は、結合剤の成分がSrAl 2 O 4 の化学組成からなるよう調整した水硬性材料 を用いて製造した不定形耐火物を、本発明例 2~10は、使用する原料及び製造工程からの不 避的不純物のコンタミネーション量の影響 確認する為に、各種コンタミネーション成 を調合して製造した水硬性材料を用いた不 形耐火物を、比較例1~6は、各種コンタミネ ション成分の調合量を増した場合の不定形 火物を、比較例7は、結合剤の成分にSrを含 しないものを使用して製造した不定形耐火 を用いて、養生後曲げ強度の測定、および ラグを用いた回転侵食試験を行ったもので る。各本発明例及び比較例の化学組成及び 学成分、養生後曲げ強度の測定結果、およ 回転侵食試験結果を表1に示す。

                  

 評価結果は表1に示す通りである。本発明 例1では混練中に材料の一部が硬化した為、 れ以外の部分から材料を取り出して養生を い、曲げ強度測定及び回転浸食試験用の供 体を作製した。本発明例1~10では、Srを含有 ない比較例7よりもスラグを用いた回転侵食 験における損耗量が明らかに少なく、高温 の耐スラグ性に優れることが明らかになっ 。

 さらに、本発明例1~10の6、12及び24時間養 後の曲げ強度は、比較例7と比べて大きな値 となり、養生強度発現性に優れることが明ら かになった。特に、6時間養生後曲げ強度は 較例と比較して著しく大きく、早期の強度 現性に優れていることが確認された。

 また、比較例1~6においては、複合酸化物で るSrAl2O4を構成するSrO及びAl 2 O 3 以外の成分を8.5~15.5質量%含有させることで、 養生曲げ強度の低下及びスラグを用いた回転 侵食試験における損耗量の増加が生じている が、本発明例2~10の場合は良好な強度発現性 び高温での耐スラグ性が優れており、SrO及 Al 2 O 3 以外の成分を5質量%以下とすることで良好な 性が得られることが明らかとなった。

[2]SrAl 2 O 4 にAl 2 O 3 が配合されてなる結合剤を用いた不定形耐火 物
 本発明例1は、結合剤の成分が全てSrAl 2 O 4 の化学組成からなる水硬性材料を用いて製造 した不定形耐火物を、本発明例11~19は、さら Al 2 O 3 が所定量配合されている結合剤を用いて製造 した不定形耐火物を、比較例7~10は、結合剤 成分にSrを含有しないもの及びそれにAl 2 O 3 が所定量配合されている結合剤を用いて製造 した不定形耐火物を用いて、養生後曲げ強度 の測定、およびスラグを用いた回転侵食試験 を行ったものである。各本発明例及び比較例 の化学組成、養生後曲げ強度の測定結果、お よび回転侵食試験結果を表2に示す。

                  

 評価結果は表2に示す通りである。本発明 例1及び11~15では、混練中に材料の一部が硬化 した為、それ以外の部分から材料を取り出し て養生を行い、曲げ強度測定及び回転浸食試 験用の供試体を作製した。本発明例1及び11~ 発明例19では、スラグを用いた回転侵食試験 における損耗量が比較例1~4よりも明らかに少 なく、高温での耐スラグ性に優れることが明 らかになった。

 さらに、本発明例1及び11~19の6、12及び24 間養生後の曲げ強度は、比較例1~4と比べて きな値となり、養生強度発現性に優れるこ が明らかになった。特に、6時間養生後曲げ 度は比較例と比較して著しく大きく、早期 強度発現性に優れていることが明らかとな た。

 また、本発明例11~19においては、Al 2 O 3 を配合させていることにより、本発明例1と べても、スラグを用いた回転侵食試験にお る損耗量をさらに少なくすることができ、 温での耐スラグ性がより優れることが明ら になった。

 その中でも、SrAl 2 O 4 が10質量%以上60質量%以下であり、かつAl 2 O 3 が40質量%以上90質量%以下配合されてなる結合 剤を用いた場合に良好な強度発現性を有しつ つ、高温での耐スラグ性を高めることができ る。さらに、SrAl 2 O 4 が20質量%以上50質量%以下であり、かつAl 2 O 3 が50質量%以上80質量%以下配合されてなる結合 剤を用いた場合には、より適度な強度が得ら れ、耐スラグ性を高めることができる。

[3]分散剤及び硬化遅延剤を含む結合剤を用い た不定形耐火物
 上記の試験方法の中で、SrAl 2 O 4 化学組成40質量部とAl 2 O 3 60質量部とを配合した結合剤を基として、SrAl 2 O 4 化学組成、α-Al 2 O 3 、分散剤及び/又は硬化遅延剤を所定量配合 て、混合粉砕を行いて結合剤を作製した。 える水の量を結合剤と耐火骨材との混合物10 0質量部に対して6.2質量部と減じて、不定形 火物を作製して同様の試験を行った。各本 明例及び比較例の化学組成、分散剤及び硬 遅延剤の配合割合、養生後曲げ強度の測定 果、および回転侵食試験結果を表3に示す。

 なお、表3中の分散剤としては、市販され ている粉末ポリカルボン酸系分散剤を使用し 、硬化遅延剤としては、ホウ酸(試薬1級)を200 メッシュ以下に粉砕して使用した。

                  

 評価結果は表3に示す通りである。分散剤 及び/又は硬化遅延剤を用いた場合、不定形 火物への添加水量を減じたにも関わらず、 れの実施例においても混練中及び供試体作 中の材料の硬化はみられず、供試体の製造 行うことができた。また、添加水量を減じ 不定形耐火物を作製した為、養生曲げ強度 増加及びスラグを用いた回転浸食試験での 耗量の低減が得られた。

 本発明例20~28は、同様に分散剤及び/又は 化遅延剤を添加して添加水量を減じて、結 剤の成分にSrを含有しない結合剤を用いた 較例11~13と比べて、何れの養生時間において も曲げ強度が大きく養生強度発現性に優れる ことが明らかになった。特に、6時間養生後 げ強度は比較例に比較して著しく大きく、 期の強度発現性に優れている他、スラグを いた回転侵食試験における損耗量が明らか 少なく、高温での耐スラグ性に優れること 明らかになった。

[4]SrAl 2 O 4 の結晶子径を変化させた結合剤を用いた不定 形耐火物
 上記の試験方法の中で、水硬性材料の焼成 度を1050℃~1600℃で変化させて所定時間の加 処理を行い、結晶子径を調整したSrAl 2 O 4 を作製した。また、1300℃での焼成温度を5時 保持して焼成を行った試料を作製し、前述 特許文献2の焼成条件との比較を行った。そ れらのSrAl 2 O 4 化学組成及び試料40質量部とAl 2 O 3 60質量部とを配合した結合剤を用いて製造し 不定形耐火物について、同様の試験を行っ 。配合及び焼成条件を表4に示す。

                  

 評価結果は表4に示す通りである。比較例14~ 16は硬化が早く、不定形耐火物の混練中に作 性を失ってしまった為、強度測定及び回転 食試験用供試体を作製することができなか た。
 前述の特許文献2に記載の焼成条件に合わせ て温度1300℃で5時間保持の焼成を行った比較 17においても、同様に、混練中に作業性が 下した為、供試体作製時の鋳込みの不良が じ、養生強度の低下及び回転浸食試験にお る損耗量が増加した。
 また、比較例18は,6,12及び24時間養生後の曲 強度が低く、養生強度を短時間で十分に発 することができなかった。そのため、回転 食試験による耐食性の評価に供することは きなかった。

 一方、本発明例29~35は、供試体作製の為の 業性を確保することができた上に、比較例18 と比べて、大きな曲げ強度となった。また、 同じ水硬性成分配合量でCaAl 2 O 4 を配合した比較例9と比べて、何れの場合も きな曲げ強度を得られる上に、スラグを用 た回転侵食試験における損耗量も少なくす ことができた。よって、本発明例29~35は、強 度発現性及び高温での耐スラグ性が優れるこ とが明らかである。以上の試験結果より、本 発明におけるSrAl 2 O 4 組成の結晶子径の範囲は40~80nmが好適である

[5]SrAl 4 O 7 の化学組成からなる成分を含有する不定形耐 火物
 また、上記と同様の方法により、結合剤の 分がすべてSrAl 4 O 7 の化学組成からなる水硬性材料を得るととも に、得られた水硬性材料に高純度α-アルミナ (日本軽金属製)を所定の成分になるように混 した。その結果を表5に示す。

 比較例21は、結合剤の成分が全てSrAl 4 O 7 の化学組成からなる水硬性材料を用いて製造 した不定形耐火物の、また、比較例19、比較 20、及び比較例22~比較例24は、さらにAl 2 O 3 が所定量配合されている結合剤を用いて製造 した不定形耐火物の、また、比較例25~28は、 合剤の成分にSrを含有しないものを用いて 造した場合の不定形耐火物の、養生後曲げ 度の測定、およびスラグを用いた回転侵食 験を行ったものである。

                  

 評価結果は表5に示した通りである。SrAl 4 O 7 からなる結合剤を用いた比較例19~比較例24及 CaAl 4 O 7 からなる結合剤を用いた比較例25~28の、6、12 び24時間養生後の曲げ強度は、本発明例1及 11~19に比べて低く、養生強度を短時間で十 に発現できなかった。そのため、回転侵食 験によるスラグや溶鉄への耐食性の評価に することができなかった。

[6]SrAl 2 O 4 に、SrAl 4 O 7 、及び/又はSrAl 12 O 19 が配合された混合物を結合剤として用いた不 定形耐火物
 比較例29~比較例42は、SrAl 2 O 4 の化学組成からなるものと、SrAl 4 O 7 の化学組成からなるものとの混合物を結合剤 に用いて製造した不定形耐火物を用いて、同 様の試験を行ったものである。また、比較例 43~比較例45は、SrAl 2 O 4 の化学組成からなるものと、SrAl 4 O 7 の化学組成からなるものと、SrAl 12 O 19 の化学組成からなるものとの混合物を結合剤 に用いて製造した不定形耐火物を用いて、同 様の試験を行ったものである。さらに、比較 例46~49は、Sr成分を含有しない結合剤に用い 製造した不定形耐火物を用いて、同様の試 を行ったものである。何れの場合も、それ れの組成物を所定量配合し、バッチ式ボー ミルを用いて混合粉砕を行い、結合剤を作 して試験に供した。各比較例の化学組成、 生後曲げ強度の測定結果、および回転侵食 験結果を表6に示す。

                  

 評価結果は表6に示す通りである。すなわ ち、比較例29~49の、6,12及び24時間養生後の曲 強度は、本発明例1及び11~19に比べて低く、 生強度を短時間で十分に発現することがで なかった。そのため、回転侵食試験による ラグや溶鉄への耐食性の評価に供すること できなかった。

[7]SrAl 2 O 4 に、SrAl 4 O 7 及び/又はSrAl 12 O 19 が配合された混合物を多量に含有する不定形 耐火物
 比較例50~比較例63は、SrAl 2 O 4 の化学組成からなるものと、SrAl 4 O 7 の化学組成からなるものとの混合物を結合剤 に用いて製造した不定形耐火物を用いて、結 合剤量を15質量%、耐火骨材を85質量%とし、作 業性を得る為に添加水量を7.5質量%に増量し 同様の試験を行ったものである。
 また、比較例64~比較例66は、SrAl 2 O 4 の化学組成からなるものと、SrAl 4 O 7 の化学組成からなるものと、SrAl 12 O 19 の化学組成からなるものとの混合物を結合剤 に用いて製造した不定形耐火物を用いて、結 合剤量を20質量%、耐火骨材を85質量%とし、作 業性を得る為に添加水量を7.8質量%に増量し 同様の試験を行ったものである。
 何れの場合も、それぞれの組成物を所定量 合し、バッチ式ボールミルを用いて混合粉 を行い、結合剤を作製して試験に供した。 比較例の化学組成、養生後曲げ強度の測定 果、および回転侵食試験結果を表7に示す。

 評価結果は表7に示す通りである。すなわち 、SrAl 2 O 4 及びSrAl 4 O 7 の化学組成からなるものと、SrAl 2 O 4 及びSrAl 4 O 7 及びSrAl 12 O 19 の化学組成からなるものとを含有した結合剤 においても、結合剤の添加量を増すことによ ってSrAl 2 O 4 の化学組成からなるものを含有した結合剤と 同程度の曲げ強度を得ることができた。しか し、それらの場合におけるスラグを用いた回 転侵食試験における損耗量は、SrAl 2 O 4 の化学組成からなるものを含有した結合剤を 使用した場合と比べて大きくなり、高温での 耐スラグ性が劣る結果となった。

                  

 次にSr 3 Al 2 O 6 組成の含有量による影響を検討した。

[8]Sr 3 Al 2 O 6 を含有する不定形耐火物
 上記と同様の方法により、化学成分が全てS r 3 Al 2 O 6 の化学組成からなる材料を得るとともに、得 られたSr 3 Al 2 O 6 化学組成を粉砕し、SrAl 2 O 4 の化学組成が100質量部でAl 2 O 3 の化学組成が0質量部、また、SrAl 2 O 4 の化学組成が40質量部でAl 2 O 3 の化学組成が60質量部、また、SrAl 2 O 4 の化学組成が10質量部でAl 2 O 3 の化学組成が90質量部、で配合されている結 剤のSrAl 2 O 4 部に対して所定量置換添加して結合剤を作製 した。何れの場合も、それぞれの組成物を所 定量配合し、バッチ式ボールミルを用いて混 合粉砕を行い、結合剤を作製して試験に供し た。

 それぞれの結合剤を用いた場合について 養生後曲げ強度の測定、およびスラグを用 た回転侵食試験を行った。各本発明例の化 組成、養生後曲げ強度の測定結果、および 転侵食試験結果を表8に示す。

                  

 評価結果は表8に示す通りである。
 すなわち、比較例67及び70では、不定形耐火 物試料の混練中に作業性が低下してしまい、 供試体型枠への鋳込みが不良となり、養生曲 げ強度の低下及び回転浸食試験の損耗量が悪 化した。
 また、比較例68及び69では、不定形耐火物の 混練中に材料の硬化が生じ、供試体の作製が できないため各試験を行うことができなかっ た。

 一方、本発明例36~46では、Sr 3 Al 2 O 6 を添加した結合剤において、Sr 3 Al 2 O 6 を含まない場合と同様の優れた強度発現性と 耐スラグ性を有することが明らかとなった。 以上の試験結果より、Sr 3 Al 2 O 6 の含有量をSrAl 2 O 4 の3質量部以下とすることで、何れの結合剤 配合においても優れた特性を得ることがで る。

 次に、耐火骨材と結合剤の配合比の検討 進めた。

[9]SrAl 2 O 4 の化学組成からなる結合剤の量を変えて用い た不定形耐火物
 本発明例47~本発明例54は、SrAl 2 O 4 の化学組成が40質量部と、Al 2 O 3 の化学組成が60質量部とを配合した結合剤を いて製造した不定形耐火物において、結合 及び耐火骨材の合計を100質量部とした場合 おける、結合剤の量を変化させて試験を行 たものである。

 それぞれの場合について、上述した内容 同様に養生後曲げ強度の測定、およびスラ を用いた回転侵食試験を行った。各本発明 の化学組成、養生後曲げ強度の測定結果、 よび回転侵食試験結果を表9に示す。

                  

 評価結果は表9に示す通りである。
 すなわち、本発明例47~本発明例54はいずれ 場合も、本発明の結合剤を用いることで、 生後曲げ強度および回転侵食試験のいずれ 、良好な結果を得ることができた。
 また、比較例71では大きな養生曲げ強度を ることができたが、耐スラグ性は劣る結果 なった。これらより、本発明の結合剤の使 量は耐火骨材との合計100質量部に対して0.2~2 0質量部であることが好ましいことが判明し 。

 ちなみに、結合剤の量が0.5~12質量部の場 に、養生強度および耐スラグ性のバランス 優れるものとなった。

[10]1μm以下の超微粉アルミナ量を変更した場 の不定形耐火物
 本発明例A~Fは、1μm以下の超微粉アルミナ量 を2~70質量%に変更して製造した不定形耐火物 用いて、同様の試験を行ったものである。
 また、比較例Aは、1μm以下の超微粉アルミ 量を含まないもの、比較例Bは同アルミナを8 0質量%用いて製造した不定形耐火物を用いて 同様の試験を行ったものである。
 何れの試験も、SrAl 2 O 4 の化学組成が40質量部と、α-Al 2 O 3 の化学組成が60質量部とを配合した結合剤を い、1μm以下の超微粉アルミナ量が増減した 分は粒度が75μm~5mmの電融アルミナ量を調整し 、アルミナの合計の質量が同じになるように 不定形耐火物を作製した。尚、結合剤、マグ ネシア、シリカフラワー及びビニロン繊維の 添加割合は変更させない。各実験例の不定形 耐火物における1μm以下の焼結アルミナ量、75 μm~5mmの電融アルミナ量、養生後曲げ強度の 定結果、および回転侵食試験結果を表10に示 す。

                  

 評価結果は表10に示す通りである。
 すなわち、本発明例A~Fの養生後の曲げ強度 、何れの養生期間においても比較例Aに比べ て高く、養生強度発現性が向上することが明 らかとなった。また、比較例Bに比べてスラ を用いた回転侵食試験における損耗量が明 かに少なく、高温での耐スラグ性に優れて ることも明らかになった。これらのことよ 、本発明の結合剤を用いた不定形耐火物に ける1μm以下の微粉量は、2~70質量%が好適で り、5~50質量%がより好適であることが判った 。

[11]分散剤及び/又は硬化遅延剤を添加する不 形耐火物
 本発明例55~本発明例124は、SrAl 2 O 4 の化学組成が40質量部と、α-Al 2 O 3 の化学組成が60質量部とを配合した結合剤を いて、各種分散剤、硬化遅延剤及び硬化促 剤のうちの少なくともいずれか1種を外割で 所定量配合して不定形耐火物を作製して試験 を行ったものである。
 また、比較例72~88は、結合剤にSr成分を含有 しない結合剤を用いて、分散剤、硬化遅延剤 及び硬化促進剤のうちの少なくともいずれか 1種を同様に配合して、不定形耐火物を作製 て試験を行ったものである。尚、分散剤及 /又は硬化遅延剤を配合した場合は、加える の量を、結合剤及び耐火骨材の混合物100質 部に対して6.2質量部と減じて試験を行った また、硬化促進剤のみを配合した場合は、 常通り、6.8質量部の水を加えて試験を行っ 。粉体の分散剤、硬化遅延剤及び硬化促進 は、結合剤、耐火骨材と共にオムニミキサ で混合して使用した。液体の分散剤は、含 れる固形成分の質量を添加量とし、溶媒部 質量分を加える水量から減じて所定の水量 なるよう調整を行った。また、液体分散剤 混練水と混合して使用した。

 なお、本実施例において、分散剤Aとして は、ポリカルボン酸系分散剤であるポリアク リル酸ナトリウム試薬を、分散剤Bとしては ポリエーテル系分散剤である花王社製商品 「タイトロック」を、分散剤Cとしては、リ 酸系分散剤であるトリポリリン酸ナトリウ (試薬一級)を、分散剤Dとしては、オキシカ ボン酸類であるクエン酸三ナトリウム二水 物(試薬一級)を、分散剤Eとしては、メラミ 系分散剤であるグレースケミカル社製商品 「FT-3S」(固形分33質量%)を、分散剤Fとして 、ナフタレン系分散剤である花王社製商品 「マイティ150」(固形分40質量%)を、分散剤G しては、リグニン系分散剤である日本製紙 ミカル社製商品名「バニレックスHW」を、硬 化遅延剤aとしては、ホウ酸類であるホウ酸( 薬特級)を、硬化遅延剤bとしては、ケイフ 化物であるケイフッ化ナトリウム(試薬特級) を、硬化促進剤イとしては、リチウム塩類で あるクエン酸リチウム(試薬一級)を、硬化促 剤ロとしては、アルミン酸塩類であるアル ン酸ナトリウム(試薬一級)を使用した。

 それぞれの場合について、上述した内容 同様に養生後曲げ強度の測定と、スラグを いた回転侵食試験とを行った。各試験例の 散剤、硬化遅延剤及び硬化促進剤の種類及 使用量、養生後曲げ強度の測定結果、およ 回転侵食試験結果を表11に示す。

                  

 評価結果は表11に示す通りである。
 すなわち、分散剤及び/又は硬化遅延剤を用 いた本発明例55~90及び99~106の場合、不定形耐 物への添加水量を減じたにも関わらず、何 の実施例においても、混練中及び供試体作 中の材料の硬化はみられず、供試体の製造 行うことができた。また、添加水量を減じ 不定形耐火物を作製した為、同じ結合剤を 用して分散剤及び/又は硬化遅延剤を用いな い本発明例15と比較して、養生曲げ強度の増 及びスラグを用いた回転浸食試験での損耗 の低減が得られた。

 硬化促進剤のみを用いた本発明例91~98は、 れの場合も混練中に材料の一部が硬化した 、それ以外の部分から材料を取り出して養 を行い、曲げ強度測定及び回転浸食試験用 供試体を作製した。
 本発明例91~98では、硬化促進剤を添加しな 本発明例15よりも、6時間及び12時間での養生 強度が増加しており、より早期強度発現性に 優れることが明らかとなった。また、スラグ を用いた回転侵食試験における損耗量はほぼ 同等となり、高温での耐スラグ性が優れてい ることが明らかになった。

 硬化促進剤を少なくとも用い、更に分散 及び硬化遅延剤の少なくとも一方を用いた 発明例107~124の場合、不定形耐火物への添加 水量を減じたにも関わらず、何れの実施例に おいても、混練中及び供試体作製中の材料の 硬化がみられず、供試体の製造を行うことが できた。また、硬化促進剤を用いた為、同じ 結合剤、分散剤及び/又は硬化遅延剤を使用 た本発明例55~90及び99~106と比較して、6時間 び12時間後の養生曲げ強度が増加して早期強 度発現性により優れていることも明らかにな った。

 本発明例55~本発明例124は、結合剤の成分 Srを含有しない結合剤を用い、同様に分散 、硬化遅延剤及び硬化促進剤のうちの少な ともいずれか1種を添加して不定形耐火物を 製した比較例72~88と比べて、何れの養生時 においても曲げ強度が高くて養生強度発現 に優れることが明らかになった。特に、6時 養生後の曲げ強度は比較例と比べて著しく きく、早期の強度発現性に優れている上に スラグを用いた回転侵食試験における損耗 が明らかに少なく、高温での耐スラグ性に れることが明らかになった。

 このように、いずれの本発明例も、養生 げ強度及び1600℃での耐スラグ性が比較例よ りも良好であり、養生強度発現性及び溶鉄や スラグに接触する部位での耐用性が向上する ことが明らかになった。

 以上、添付図面を参照しながら本発明の 適な実施形態について詳細に説明したが、 発明はかかる例のみに限定されない。本発 の属する技術の分野における通常の知識を する者であれば、特許請求の範囲に記載さ た技術的思想の範囲内において、各種の変 例または修正例に想到し得ることは明らか あり、これらについても、当然に本発明の 術的範囲に属するものと了解される。

 本発明の不定形耐火物用結合剤によれば 従来のアルミナセメントと比べて早期によ 大きな硬化体強度が得られるので、強度発 性に優れてかつ、養生時間短縮化による生 性向上の効果が期待できる。さらに、本発 の不定形耐火物用結合剤によれば、スラグ 溶鉄などに対する高温での耐食性に優れ、 温で使用される窯炉の内張りの不定形耐火 における寿命延長の効果を発揮することが きる。

 1  耐火物(試験片)
 2  保護板
 3  バーナー
 4  スラグ
 5  充填材