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Patent Searching and Data


Title:
BIRD SEARCH SYSTEM, BIRD SEARCH METHOD, AND COMPUTER PROGRAM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/102001
Kind Code:
A1
Abstract:
An imaging means images the periphery of a wind power generator at short time intervals. An image processing means compares brightness pattern distributions acquired at plurality of times, determines the direction and amount of movement of a predetermined picture point in the imaged subject, extracts a coming flying-object, if any, and processing the direction and amount as coming flying-object data. A bird judging means checks flying pattern data stored in a bird flying pattern database with the coming flying-object data and judges whether or not the flying object is a bird on the basis of the coming flying-object data. If the flying object is judged to be a bird, a bird flying path predicting means predicts the flying path of the bird. Since it is correctly judged whether or not the coming flying-object is a bird, control of the wind power generator required when a bird is approaching the wind power generator can be properly performed.

Inventors:
MORI MICHITSUGU (JP)
TEZUKA HIDEAKI (JP)
KIUCHI SHIN (JP)
KAMEOKA YASUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052372
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
February 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOKYO ELECTRIC POWER CO (JP)
MORI MICHITSUGU (JP)
TEZUKA HIDEAKI (JP)
KIUCHI SHIN (JP)
KAMEOKA YASUSHI (JP)
International Classes:
F03D7/04; G01P13/00
Domestic Patent References:
WO2007129378A12007-11-15
Foreign References:
JPH10221357A1998-08-21
JPH0682331A1994-03-22
JP2003256844A2003-09-12
Attorney, Agent or Firm:
MUGISHIMA, Takashi et al. (3rd floor 1-5-4, Nihonbashi Kakigara-cho, Chuo-k, Tokyo 14, JP)
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Claims:
 風力発電装置の周囲を撮影して鳥類を識別する鳥類探査システムであって、
 前記風力発電装置の周囲を微小時間間隔で撮像する撮像手段と、
 前記撮像手段で取得した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することによって被写体内における所定の画点の移動方向及び移動量を計測し、それを飛来物データとしてデータ化する画像処理手段と、
 鳥類の飛行を撮像してその飛行パターンデータを予め蓄積した鳥類飛行パターンデータベースと、
 前記鳥類飛行パターンデータベースに蓄積された飛行パターンデータと前記飛来物データとを照合して当該飛来物データから鳥類の飛行か否かを判別する鳥類判別手段と、
 前記鳥類判別手段が鳥類の飛行であると判別した場合に、鳥類と判別された前記画点の移動方向及び移動量から、当該鳥類の飛行経路を予測する鳥類飛行経路予測手段と
を備えたことを特徴とする鳥類探査システム。
 前記風力発電装置が複数設置されてなる風力発電システムに用いられ、
 前記撮像手段の設置数が、前記風力発電装置の設置数よりも少ないことを特徴とする請求項1記載の鳥類探査システム。
 前記画像処理手段が、粒子追跡法を用いて前記画点の移動方向及び移動量を計測する手段であることを特徴とする請求項1記載の鳥類探査システム。
 前記画像処理手段においては、降雨または降雪の画点を除去する降雨雪除去フィルタを備えたことを特徴とする請求項1記載の鳥類探査システム。
 前記鳥類飛行経路予測手段により予測される鳥類の飛行経路が風力発電装置に接近する飛行経路である場合、前記風力発電装置に対して制御用の信号を出力する制御信号出力手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の鳥類探査システム。
 風力発電装置の周囲を撮影して鳥類を識別する鳥類探査方法であって、
 鳥類の飛行を撮像手段により撮像してその飛行パターンデータを予め鳥類飛行パターンデータベースに蓄積しておき、
 前記風力発電装置の周囲を撮像手段により微小時間間隔で撮像し、
 撮像した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することによって被写体内における所定の画点の移動方向及び移動量を計測し、それを飛来物データとしてデータ化し、
 前記鳥類飛行パターンデータベースに蓄積された飛行パターンデータと前記飛来物データとを照合して当該飛来物データから鳥類の飛行か否かを判別し、
 鳥類の飛行であると判別した場合に、鳥類と判別された前記画点の移動方向及び移動量から、当該鳥類の飛行経路を予測することを特徴とする鳥類探査方法。
 前記風力発電装置が複数設置されてなる風力発電システムにおいて、前記撮像手段を、前記風力発電装置の設置数よりも少ない設置数で実施することを特徴とする請求項6記載の鳥類探査方法。
 予測した前記鳥類の飛行経路が前記風力発電装置に接近する飛行経路である場合、前記風力発電装置に対して制御用の信号を出力して、前記風力発電装置の運転を制御することを特徴とする請求項7記載の鳥類探査方法。
 風力発電装置の周囲を撮影して鳥類を識別する鳥類探査を実行するためのコンピュータプログラムであって、
 鳥類の飛行を撮像手段により撮像してその飛行パターンデータを予め鳥類飛行パターンデータベースに蓄積する鳥類飛行パターンデータ蓄積手順と、
 前記風力発電装置の周囲を微小時間間隔で撮像手段により撮像して取得した複数の時刻の輝度パターン分布を比較することにより、被写体内における所定の画点の移動方向及び移動量を計測して、それを飛来物データとしてデータ化する画像処理手順と、
 前記鳥類飛行パターンデータベースに蓄積された飛行パターンデータと前記飛来物データとを照合して当該飛来物データから鳥類の飛行か否かを判別する鳥類判別手順と、
 前記鳥類判別手順にて鳥類の飛行であると判別した場合に、鳥類と判別された前記画点の移動方向及び移動量から、当該鳥類の飛行経路を予測する鳥類飛行経路予測手順と
をコンピュータに実行させることとしたコンピュータプログラム。
 前記鳥類飛行経路予測手順により予測される鳥類の飛行経路が風力発電装置に接近する飛行経路である場合、前記風力発電装置に対して制御用の信号を出力する制御信号出力手順を備えたことを特徴とする請求項9記載のコンピュータプログラム。
 前記画像処理手順が、粒子追跡法を用いて前記画点の移動方向及び移動量を計測する手順であることを特徴とする請求項9記載のコンピュータプログラム。
 前記画像処理手順においては、降雨または降雪の画点を除去する降雨雪除去手順を備えたことを特徴とする請求項9記載のコンピュータプログラム。
Description:
鳥類探査システム、鳥類探査方 およびコンピュータプログラム

 本発明は、上空を飛翔する鳥類の探査の 術に関し、特に風力発電装置の周囲の鳥類 査を実行可能な技術に関する。

 近年、単機あたりの出力を向上させるた 、風力発電装置は大型化している。一般的 大型の風力発電装置は、高さ30~80メートル 度のタワーに設置され、そのような風力発 装置のブレードは20~50メートルであるので、 最高位は地上から130メートルにも達する。

 このような高さは、当該風力発電装置が 置された場所の近隣に生息する鳥類(猛禽類 など)の飛行高さ、渡り鳥の巡航飛行の高さ 相当する場合もある。そして、飛行する鳥 は高速で回転するブレードを視認しにくい めか、ブレードに衝突して絶命する事故(バ ドストライク)が発生している。

 鳥類を含む飛来物の衝突事故を防止する めの技術として、特許文献1に開示される技 術がある。

特開2006-125266号公報

 この特許文献1に開示される風力発電装置 は、当該特許文献1の図5に示すように、風上 方の飛来物を検知可能な障害物探査装置と 回転停止ポジションを含めたブレードの角 変更を制御するブレード角度制御手段とを える。飛来物が接近してきたと判断した場 に、前記ブレード角度制御手段がブレード 回転停止ポジションに変更するのである。

 一方、遠方から煙(例えば、発電施設など の煙突から排出される煙)を観測するシステ として、特許文献2、特許文献3に開示された 技術が知られている。これらは、ITVカメラや カラーカメラを複数台用い、各カメラ間の視 差や色差を利用して煙突から排出される煙の 有無を検知する。

特開昭63-88428号公報

特開平10-232198号公報

 近年では、複雑な流れ場の流動を高精度 つ精密に測定する粒子画像流速計(以下、「 PIVシステム」という)が知られている。簡単 説明すれば、被測定流体の流れ場にレーザ をシート状に投入してレーザシートを形成 て、レーザシート上における二つの時刻で 粒子画像を連続撮像し、その輝度パターン 布を比較して流体の流速や方向を測定する 術である。

 さて、前述したように、遠方からの測定 おいては、特許文献2、特許文献3に記載の 術やPIVシステムを用いることで実現するこ が可能である。しかし、風力発電装置の周 を飛行する鳥類を検知するには、以下のよ な特有の問題がある。

 鳥類の飛行速度と風力発電装置の制御時 との関係において、素早い計測およびその 測結果に伴う制御出力が必要である。具体 には、風力発電装置の運転制御には3秒程度 必要であり、鳥類の飛行速度は20メートル/秒 である。3秒で制御を完了するには、鳥類が 力発電装置から60メートルに接近した時点で 、制御変更の判断をしなければならない。し かし、60メートル以上の距離での撮影画像で 、鳥類か否かの判別が困難である。特許文 1の技術の場合、鳥類以外の飛来物の接近で もブレードの回転を停止しなければならず、 運転コストの点で無駄がある。

 本発明が解決しようとする課題は、鳥類 探査性能を向上して、鳥類の衝突(バードス トライク)を効率的に抑制し、運転コストの 昇を抑えることが可能な技術を提供するこ である。

 上記課題を解決するため、本発明の鳥類 査システムは、風力発電装置の周囲を撮影 て鳥類を識別する鳥類探査システムであっ 、前記風力発電装置の周囲を微小時間間隔 撮像する撮像手段と、前記撮像手段で取得 た複数の時刻の輝度パターン分布を比較す ことによって被写体内における所定の画点 移動方向及び移動量を計測し、それを飛来 データとしてデータ化する画像処理手段と 鳥類の飛行を撮像してその飛行パターンデ タを予め蓄積した鳥類飛行パターンデータ ースと、前記鳥類飛行パターンデータベー に蓄積された飛行パターンデータと前記飛 物データとを照合して当該飛来物データか 鳥類の飛行か否かを判別する鳥類判別手段 、前記鳥類判別手段が鳥類の飛行であると 別した場合に、鳥類と判別された前記画点 移動方向及び移動量から、当該鳥類の飛行 路を予測する鳥類飛行経路予測手段とを備 たことを特徴とする。

 本発明の鳥類探査システムを、前記風力 電装置が複数設置されてなる風力発電シス ムに用いる場合には、前記撮像手段を、前 風力発電装置の設置数よりも少ない設置数 することが好ましい。

 本発明の鳥類探査システムは、前記画像 理手段が、粒子追跡法を用いて前記画点の 動方向及び移動量を計測する手段であるこ が好ましい。また、前記画像処理手段にお ては、降雨または降雪の画点を除去する降 雪除去フィルタを備えていることが好まし 。また、本発明の鳥類探査システムは、前 鳥類飛行経路予測手段により予測される鳥 の飛行経路が風力発電装置に接近する飛行 路である場合、前記風力発電装置に対して 御用の信号を出力する制御信号出力手段を えていることが好ましい。

 本発明の鳥類探査方法は、風力発電装置 周囲を撮影して鳥類を識別する鳥類探査方 であって、鳥類の飛行を撮像手段により撮 してその飛行パターンデータを予め鳥類飛 パターンデータベースに蓄積しておき、前 風力発電装置の周囲を撮像手段により微小 間間隔で撮像し、撮像した複数の時刻の輝 パターン分布を比較することによって被写 内における所定の画点の移動方向及び移動 を計測し、それを飛来物データとしてデー 化し、前記鳥類飛行パターンデータベース 蓄積された飛行パターンデータと前記飛来 データとを照合して当該飛来物データから 類の飛行か否かを判別し、鳥類の飛行であ と判別した場合に、鳥類と判別された前記 点の移動方向及び移動量から、当該鳥類の 行経路を予測することを特徴とする。

 本発明の鳥類探査方法を、前記風力発電 置が複数設置されてなる風力発電システム 用いる場合には、前記撮像手段を、前記風 発電装置の設置数よりも少ない設置数で実 することが好ましい。

 また、本発明の鳥類探査方法は、予測し 前記鳥類の飛行経路が前記風力発電装置に 近する飛行経路である場合、前記風力発電 置に対して制御用の信号を出力して、前記 力発電装置の運転を制御することが好まし 。

 本発明のコンピュータプログラムは、風 発電装置の周囲を撮影して鳥類を識別する 類探査を実行するためのコンピュータプロ ラムであって、鳥類の飛行を撮像手段によ 撮像してその飛行パターンデータを予め鳥 飛行パターンデータベースに蓄積する鳥類 行パターンデータ蓄積手順と、前記風力発 装置の周囲を撮像手段により微小時間間隔 撮像して取得した複数の時刻の輝度パター 分布を比較することにより、被写体内にお る所定の画点の移動方向及び移動量を計測 て、それを飛来物データとしてデータ化す 画像処理手順と、前記鳥類飛行パターンデ タベースに蓄積された飛行パターンデータ 前記飛来物データとを照合して当該飛来物 ータから鳥類の飛行か否かを判別する鳥類 別手順と、前記鳥類判別手順にて鳥類の飛 であると判別した場合に、鳥類と判別され 前記画点の移動方向及び移動量から、当該 類の飛行経路を予測する鳥類飛行経路予測 順とを備えることを特徴とする。

 本発明のコンピュータプログラムは、前 鳥類飛行経路予測手順により予測される鳥 の飛行経路が風力発電装置に接近する飛行 路である場合、前記風力発電装置に対して 御用の信号を出力する制御信号出力手順を えた構成とすることが好ましい。また、本 明のコンピュータプログラムは、前記画像 理手順が、粒子追跡法を用いて前記画点の 動方向及び移動量を計測する手段であるこ が好ましい。また、前記画像処理手順にお ては、降雨または降雪の画点を除去する降 雪除去手順を備えた構成とすることが好ま い。

 本発明では、撮像手段が風力発電装置の 囲を微小時間間隔で撮像し、取得した複数 時刻の輝度パターン分布を比較することに って、画像処理手段が被写体内における所 の画点の移動方向及び移動量を計測して飛 物を抽出し、それを飛来物データとしてデ タ化する。そして、鳥類判別手段が鳥類飛 パターンデータベースに蓄積された飛行パ ーンデータと前記飛来物データとを照合し 当該飛来物データが鳥類の飛行か否かを判 する。その鳥類判別手段が鳥類の飛行であ と判別した場合には、鳥類飛行経路予測手 がその鳥類の飛行経路を予測する。

 本発明によれば、鳥類飛行パターンデー ベースに蓄積された飛行パターンデータを いることで、飛来物が鳥類であるか否かを 確に判別できる。従って、鳥類の接近時に 要な風力発電装置の制御を従来よりも正確 行うことができる。すなわち、鳥類の予測 路に該当する風力発電装置のブレードの回 停止などによってバードストライクを未然 防止できる確率を高めることができ、しか 、鳥類が接近していないのに運転を停止す といった不必要な制御を抑制できるため、 用にかかるコストを抑制できる。

 また、降雨または降雪の画点を除去する 雨雪除去フィルタを設けた構成とすること より、撮像手段が取得した画像データから 則的な動きをする降雨や降雪の画像データ 除去することができ、飛行する鳥類などの 像データが処理しやすくなる。

本発明の一の実施形態に係る鳥類探査 ステムの概念図である。 本発明の一の実施形態に係る鳥類探査 ステムによる鳥類探査方法のフローチャー を示した図である。 本発明の一の実施形態に係る鳥類探査 ステムによる鳥類探査方法を説明するため 概念図である。 風力発電装置を複数台備えた風力発電 ステムにおいて鳥類探査システムを適用す 場合の概念図である。 本発明の一の実施形態で用いたPIVの解 手法を説明するための図である。 本発明の一の実施形態で用いたPIVの解 手法を説明するための図である。 風雨の中を飛ぶ鳥類の画像に関する説 図である。

 以下、本発明の実施形態を図面に基づい 更に詳しく説明する。図1は、本発明の一の 実施形態に係る鳥類探査システムの概念図で あり、図2は、当該鳥類探査システムを用い 鳥類探査方法を説明するためのフローチャ トであり、図3は、同じく鳥類探査方法を説 するための概念図である。図4は、風力発電 装置を複数台備えた風力発電システムにおい て鳥類探査システムを適用する場合の概念図 である。図5および図6は、鳥類探査システム 実施形態に用いるPIVの概念図である。図7は 、風雨の中を飛ぶ鳥類の画像に関する説明図 である。

 本実施形態に係る鳥類探査システムは、 1に示したように、撮像手段と、画像処理手 段(画像処理手順)と、鳥類飛行パターンデー ベースと、鳥類判別手段(鳥類判別手順)と 鳥類飛行経路予測手段(鳥類飛行経路予測手 )、制御信号出力手段(制御信号出力手順)等 有して構成されている。

 撮像手段は、風力発電装置の周囲を微小 間間隔で撮像するものであり、例えば、CCD 像素子を備えたカメラ(CCDカメラ)やC-MOS撮像 素子を備えたカメラからなり、このほか、ボ アスコープ、光ファイバケーブルなどを備え て構成されている。撮像手段としてのカメラ は、例えば、風力発電装置のタワーに付設さ れる(図4参照)。なお、「風力発電装置の周囲 」とは、制御対象の風力発電装置に鳥類が接 近するか否かを判断できる範囲のことであり 、制御対象の風力発電装置自体と、当該風力 発電装置の周辺部(当該風力発電装置を中心 して半径数十メートルから数百メートルの 囲)とを含む意味である。

 画像処理手段(画像処理手順)は、撮像手 で取得した複数の時刻の輝度パターン分布 比較することによって風力発電装置の周囲 おける所定の画点の移動方向及び移動量を 測し、この計測した画点の移動方向及び移 量を飛来物データとして電子データ化する のである。本実施形態における画像処理手 (画像処理手順)は、粒子画像流速測定法(以 、「PIV」という)による解析を行うコンピュ タプログラムからなり、撮像手段からのデ タを取り込むことができるコンピュータ(図 1参照)に設定されている。

 図5および図6は、前述のPIVに関する一般 な説明のための概念図である。すなわち、PI Vは、一般的には、流体の「流れ場」の一部 対して、「シート照明」を照射し、「計測 域」の画像を上記の撮像手段にて取得する 取得した画像は時刻t0とt1の2回である。二つ の時刻の「所定のトレーサ粒子(画点)」の動 から、「速度ベクトル」を抽出し、トレー 粒子の移動量を算出する。

 PIVには、画像相関法や粒子追跡法(PTV)等 あるが、そのいずれでも適用可能である。 し、撮像手段により撮像される鳥類を含む 来物を上記の「所定のトレーサ粒子(画点)」 として利用するため、粒子追跡法(PTV)を用い ことが好ましい。粒子追跡法(PTV)は、個々 画点(鳥類(飛来物))の移動を求める解析手法 あるため、各鳥類(飛来物)を画点とみなす 実施形態では、画像相関法よりも適してい 。なお、本実施形態では、鳥類(飛来物)自体 を画点とみなすため、通常のPIVにおいて適用 される上記の「シート照明」の照射は行って いない。但し、夜間において撮像する場合に は、照明が必要となるが、バードストライク の対象となりやすい鳥類の飛行が少ないため 、照射の必要性が小さい。なお、本明細書に おいて、「飛来物」とは、鳥類などの生き物 の他、風に飛ばされてくる物体を含む意味で ある。

 鳥類飛行パターンデータベース(鳥類飛行 パターンDB)とは、各種鳥類の飛行パターンデ ータを蓄積したデータベースである。鳥類飛 行パターンデータベースは、例えば、上記の 画像処理手段(画像処理手順)が設定されたコ ピュータの記憶部に記憶されている(図1参 )。予め各種鳥類の飛行を撮像し、そのデー をコンピュータプログラムである鳥類飛行 ターンデータ蓄積手順によって読み込ませ と、その飛行パターンデータが、例えば、 類の種類と関連付けて鳥類飛行パターンデ タベースに蓄積される。

 鳥類判別手段(鳥類判別手順)は、撮像手 により撮像されて画像処理手段によってデ タ化された飛来物データを、鳥類飛行パタ ンデータベースに蓄積された飛行パターン ータと照合して、鳥類の飛行か否かを判別 るコンピュータプログラムである。画像中 形状のみによる判別よりも、一定時間(例え 1秒間)の飛行経路(トラジェクトリー)に基づ く判別のほうが鳥類か否かの特定を正確に行 うことができる。

 鳥類飛行経路予測手段(鳥類飛行経路予測 手順)は、所定の画点(飛来物)の飛来物データ が前記鳥類判別手段によって鳥類の飛行であ ると判別された場合に、鳥類と判別されたこ の画点(鳥類)の移動方向及び移動量から当該 類の飛行経路を予測するコンピュータプロ ラムである。具体的には、当該画点の2点間 の時間毎の位置情報から、速度、移動距離、 移動方向を求め、数秒後(例えば、3秒後)の位 置を予測する。これにより、風力発電装置の ブレードに到達する時刻も予測できる。

 制御信号出力手段(制御信号出力手順)は 鳥類飛行経路予測手段により予測される鳥 の飛行経路がいずれかの風力発電装置に接 する飛行経路と判断した場合に、鳥類が接 する方向に位置する風力発電装置に対して 御用の信号を出力するコンピュータプログ ムであり、例えば、上記の画像処理手段(画 処理手順)が設定されたコンピュータに設定 される。制御信号出力手段から風力発電装置 に対して出力される制御用の信号は、例えば 、風力発電装置のブレードに組み込まれた制 御装置に向けて出力される。そして、この制 御装置が信号を受信すると、例えば、ブレー ドを回転停止ポジション(フェザリング)に変 するように制御し、鳥類の到達予測時刻前 ブレードの回転を停止させる。

 なお、画像処理手順、鳥類判別手順、鳥 飛行経路予測手順、制御信号出力手順等の ンピュータプログラムは、記録媒体(たとえ ば、CD-R、DVD-Rなど)に記憶させて提供するこ もできるし、通信回線を通じて他の記録媒 に送信することにより提供することも可能 ある。

 次に、本実施形態の作用を説明する。図2 に示したように、撮像手段が撮影したら、そ の画像データを上記コンピュータが取得し、 当該コンピュータに設定された画像処理手段 (画像処理手順)によって飛来物を抽出し、そ を飛来物データとして電子データにする。 お、図3に示したように、撮像手段であるカ メラ(モノクロのC-MOSセンサ)に対応してドー ミラーを設け、そのドームミラーが反射す 映像を撮影することが好ましい。ドームミ ーは、半球状の曲面を鏡面とした鏡であり 頂点の延長上では、360度の視角を得ること できる。また、撮像手段としてモノクロのC- MOSを採用すると、CCDよりも曇天などで自然光 が不足している場合の撮影に適し、また、カ ラーのC-MOSセンサよりも約3倍の感度を引き出 せる。例えば、ローノイズでダイナミックレ ンジを採用した高感度、500fpsの高速度での静 止画撮影が可能なモノクロのC-MOSセンサであ ば、曇天時における30fps程度のシャッター 度での撮影が可能となる。

 画像処理手段(画像処理手順)によって上 の飛来物データが得られると、コンピュー に設定された鳥類判別手段(鳥類判別手順)が 、この飛来物データを、予め蓄積している鳥 類飛行パターンデータベースのデータと比較 し、動きの解析を行う。その解析結果によっ て、飛来物データが鳥か否かを判断する。

 「飛来物=鳥」と判断されたならば、鳥類 飛行経路予測手段(鳥類飛行経路予測手順)が その飛行経路を求める。そして、その移動 向が風力発電装置に接近していると判断さ た場合には、風力発電装置への到達時間を 出し、到達が予想される風力発電装置のブ ード角度をフェザリングに変更するよう、 御信号出力手段(制御信号出力手順)によっ ブレードに組み込まれた制御装置に制御信 を発信する。この際、本実施形態によれば 一定時間(例えば1秒間)の飛行経路(トラジェ トリー)に基づいて鳥類か否かを判定してい るため、60メートル以上の距離での撮影画像 あっても、鳥類か否かの判別を正確に行う とができる。従って、風力発電装置のブレ ドに組み込まれた制御装置がブレード角度 変更してブレードの回転を停止させるため 必要な時間(たとえば3秒前後)を確保するこ ができ、バードストライクの発生を従来よ も効果的に防止できる。

 ここで、図4は、4基の風力発電装置(A,B,C,D )を備えた風力発電システムを示す。各々の 力発電装置(A,B,C,D)は、地上に立設させたタ ー、そのタワーに固定されたナセル、およ そのナセルに対してハブを介して回転自在 固定された複数のブレードを備えている。 た、2基の風力発電装置(A,B)には その風力発 電装置の周囲の飛来物を検知可能な撮像手段 としてのカメラを備えている。また、各カメ ラに対応してドームミラーを設け、そのドー ムミラーが反射する映像を撮影することによ って飛来物を連続的に探査するものである。 そして、飛来物を検知した場合には、各々の 風力発電装置(A,B,C,D)のブレードについて、回 転停止ポジションを含めたブレードの角度変 更を制御できることとしている。

 風力発電装置が複数基設定される場合、 像手段であるカメラは、風力発電装置のそ ぞれに対応させて設けてもよいが、カメラ 撮影可能領域に応じて風力発電装置複数台 対して一台といった割合でカメラを設けて よい。それにより、設備コストおよびその 用にかかるコストを抑制できる。

 なお、撮像手段であるカメラは、いずれ 場合においても、二台以上使用することが ましい。例えば、相互に所定距離をおいた 台のカメラを使用することにより、鳥類を む飛来物の位置を三次元的に捉えることが き、より正確な位置情報を得ることができ 。

 また、上記した画像処理手段(画像処理手 順)においては、降雨または降雪の画点を除 するコンピュータプログラムからなる降雨 除去フィルタ(降雨雪除去手順)が設定されて いることが好ましい。

 降雨雪除去フィルタ(降雨雪除去手順)は 図7に示したように、規則的な動きや下方に かう動きをする降雨や降雪の画像データを 去するものである。これにより、降雨や降 に比べて複雑な動きをする、鳥類を含む飛 物の画像データを抽出しやすくなる。

 本発明は、風力発電装置の製造業、風力 電装置の保守メンテナンス業、風力発電装 の制御のためのソフトウェア開発業などに いて、利用可能性がある。




 
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