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Title:
BLOOD PUMP APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157408
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a blood pump apparatus (1) comprising a pump unit (12) including a housing (2) having a blood inlet port (6) and blood outlet port (7) and an impeller (8) that rotates within the housing, and an impeller rotation torque generating unit (13). The housing (2) includes a plurality of magnetic members (54) embedded between the impeller (8) and the impeller rotation torque generating unit (13) for transmitting a magnetic attraction force generated by the impeller rotation torque generating unit (13) to an impeller magnetic body (25). The pump device (1) includes a non-contact bearing mechanism for rotating the impeller in a non-contact state with the inner surface of the housing when the impeller is rotated by the impeller rotation torque generating unit (13).

Inventors:
MORI TAKEHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/061318
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 22, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TERUMO CORP (JP)
MORI TAKEHISA (JP)
International Classes:
A61M1/10; F04D13/00; F04D13/02; F04D29/048; F04D29/058; F04D29/22; F04D29/24; F04D29/42
Foreign References:
JP2004332566A2004-11-25
JPH0742869U1995-08-11
JP2008132131A2008-06-12
JP2007089972A2007-04-12
JP2003135592A2003-05-13
JPH09122228A1997-05-13
JPH11244377A1999-09-14
Other References:
See also references of EP 2292282A4
Attorney, Agent or Firm:
MUKAIYAMA Shoichi (JP)
Shoichi Mukoyama (JP)
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Claims:
血液流入ポートと血液流出ポートとを有するハウジングと、複数の磁性体を備え、前記ハウジング内で回転し血液を送液するインペラとからなるポンプ部と、前記インペラを回転させるためのインペラ回転トルク発生部とを有する血液ポンプ装置であって、
 前記ハウジングは、前記インペラ回転トルク発生部が発生する磁気吸引力を前記インペラの前記磁性体に伝達するために、前記インペラと前記インペラ回転トルク発生部間に埋設された複数の磁性部材を備え、前記血液ポンプ装置は、前記インペラ回転トルク発生部によるインペラ回転時に、前記インペラを前記ハウジングの内面に非接触状態にて回転させるための非接触軸受機構を備えることを特徴とする血液ポンプ装置。
前記インペラ回転トルク発生部は、円周上に配置された複数のステータからなるモータステータであり、前記ステータは、ステータコアと該ステータコアに巻かれたステータコイルとを備え、前記複数の磁性部材は、前記各ステータの前記ステータコア上に位置するように配置されている請求項1に記載の血液ポンプ装置。
前記ハウジングの前記磁性部材と前記ステータコアは、接触するように配置されている請求項2に記載の血液ポンプ装置。
前記インペラ回転トルク発生部は、前記ポンプ部に着脱可能である請求項1ないし3のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
前記磁性部材は、軟質磁性体である請求項1ないし4のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
前記血液ポンプ装置は、前記インペラ回転トルク発生部側と反対側の前記ハウジング内面もしくは前記インペラの前記インペラ回転トルク発生部側と反対側の面に設けられた動圧溝を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
前記インペラは、第2の磁性体を備え、前記血液ポンプ装置は、前記インペラ回転トルク発生部側と反対側の前記ハウジング内に、前記インペラの前記第2の磁性体を吸引するための永久磁石もしくは電磁石を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
前記非接触軸受機構は、前記インペラ回転トルク発生部側の前記ハウジング内面もしくは前記インペラの前記インペラ回転トルク発生部側の面に設けられた動圧溝により構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
前記非接触軸受機構は、前記インペラに設けられた第2の磁性体と、前記インペラ回転トルク発生部側と反対側のハウジング内に設けられ、前記インペラの前記第2の磁性体を吸引するための電磁石と、前記インペラの位置を検出するための位置センサとにより構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
前記ハウジングは、合成樹脂製である請求項1ないし9のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
前記ハウジングは、金属製である請求項1ないし9のいずれかに記載の血液ポンプ装置。
Description:
血液ポンプ装置

 本発明は、血液を送液するための血液ポ プ装置に関する。

 最近では、心臓の働きを補助する心臓補助 ンプや人工心肺装置における体外血液循環 遠心式血液ポンプを使用する例が増加して る。また、遠心式血液ポンプとしては、体 埋め込み型のものも提案されている。
 遠心ポンプとしては、外部とポンプ内の血 室との物理的な連通を完全に排除し、細菌 の侵入を防止できることにより、外部モー からの駆動トルクを磁気結合を用いて伝達 る方式のものがある。そして、このような 心式血液ポンプは、血液流入ポートと血液 出ポートを有するハウジングと、ハウジン 内で回転し、回転時の遠心力によって血液 送液するインペラを有している。また、イ ペラは、内部に永久磁石を備え、インペラ 磁石を吸引するための磁石を備えるロータ よびこのロータを回転させるモータを備え 回転トルク発生機構により回転する。また インペラはロータと反対側にも吸引されて り、ハウジングに対して非接触状態にて回 する。

特開2003-135592

特開平09-122228

特開平11-244377

 上記特許文献1に示す体内埋め込み型の遠心 式血液ポンプ装置では、長時間の使用を目的 とするためにハウジングの構成材料に金属材 料が使用されている。これに対し、特許文献 2に示すような血液ポンプ装置および特許文 3に示すような血液ポンプ装置では、ハウジ グの構成材料としてプラスチック材料が使 される。この場合のハウジングは、ポンプ 置本体の強度を保つためにある程度の厚さ 必要となり、インペラ回転トルク発生部に るインペラへの回転磁力が低下することが 惧される。
 そして、本発明者等が検討したところ、イ ペラ回転トルク発生部側のハウジング内に 性材料を備えることでインペラ回転トルク 生部は、ハウジングの厚さを十分確保しな ら、インペラ磁性体の磁力、或いはサイズ 大きなものとしなくてもインペラを吸引す とともに回転させることができることを知 した。

 そこで、本発明の目的は、ハウジングの 成材料による影響を受けることなく、イン ラを良好に、かつ、ハウジング内面に接触 ない状態にて回転させることができる血液 ンプ装置を提供するものである。

 上記目的を達成するものは、以下のもので る。
 血液流入ポートと血液流出ポートとを有す ハウジングと、複数の磁性体を備え、前記 ウジング内で回転し血液を送液するインペ とからなるポンプ部と、前記インペラを回 させるためのインペラ回転トルク発生部と 有する血液ポンプ装置であって、前記ハウ ングは、前記インペラ回転トルク発生部が 生する磁気吸引力を前記インペラの前記磁 体に伝達するために、前記インペラと前記 ンペラ回転トルク発生部間に埋設された複 の磁性部材を備え、前記血液ポンプ装置は 前記インペラ回転トルク発生部によるイン ラ回転時に、前記インペラを前記ハウジン の内面に非接触状態にて回転させるための 接触軸受機構を備える血液ポンプ装置。

図1は、本発明の血液ポンプ装置の実施 例の正面図である。 図2は、図1の血液ポンプ装置の平面図 ある。 図3は、図1の血液ポンプ装置の底面図 ある。 図4は、図2のA-A線断面図である。 図5は、図1の血液ポンプ装置の第1ハウ ング部材を取り外した状態を示す平面図で る。 図6は、図1の血液ポンプ装置の第2ハウ ング部材の平面図である。 図7は、図1の血液ポンプ装置の第1ハウ ング部材の底面図である。 図8は、図4のB-B線断面図である。 図9は、本発明の血液ポンプ装置の他の 実施例の正面図である。 図10は、図9の血液ポンプ装置の平面図 である。 図11は、図10のC-C線断面図である。 図12は、本発明の血液ポンプ装置の他 実施例の正面図である。 図13は、図12の血液ポンプ装置の平面 である。 図14は、図13のD-D線断面図である。 図15は、本発明の血液ポンプ装置の他 実施例の断面図である。

 本発明の血液ポンプ装置を図面に示す実施 を用いて説明する。
 図1は、本発明の血液ポンプ装置の実施例の 正面図である。図2は、図1の血液ポンプ装置 平面図である。図3は、図1の血液ポンプ装 の底面図である。図4は、図2のA-A線断面図で ある。図5は、図1の血液ポンプ装置の第1ハウ ジング部材を取り外した状態を示す平面図で ある。図6は、図1の血液ポンプ装置の第2ハウ ジング部材の平面図である。図7は、図1の血 ポンプ装置の第1ハウジング部材の底面図で ある。図8は、図4のB-B線断面図である。

 本発明の血液ポンプ装置1は、血液流入ポ ート6と血液流出ポート7とを有するハウジン 2と、複数の磁性体25を備え、ハウジング内 回転し血液を送液するインペラ8とからなる ポンプ部12と、インペラを回転させるための ンペラ回転トルク発生部13とを有する。ハ ジング2は、インペラ回転トルク発生部13が 生する磁気吸引力をインペラの磁性体25に伝 達するために、インペラ8とインペラ回転ト ク発生部13間に埋設された複数の磁性部材54 備える。血液ポンプ装置1は、インペラ回転 トルク発生部13によるインペラ回転時に、イ ペラをハウジングの内にて非接触状態にて 転させるための非接触軸受機構を備える。

 この実施例の血液ポンプ装置1は、ハウジ ング2と、ハウジング2内に収納されたインペ 8とからなるポンプ部12と、インペラを回転 せるためのインペラ回転トルク発生部13と 有する。また、この実施例の血液ポンプ装 1では、インペラ回転トルク発生部13は、ポ プ部12に着脱可能となっている。このように インペラ回転トルク発生部13をポンプ部12に して、着脱可能とすることにより、血液流 部を有するポンプ部12のみを使い捨てとし、 使用時に血液接触部を持たないインペラ回転 トルク発生部13を再使用することができる。

 ハウジング2は、血液流入ポート6とイン ラ8の上部を収納するための凹部を備える第1 ハウジング部材3と、血液流出ポート7とイン ラ8の下部を収納するための凹部を備える第 2ハウジング部材4とを備えている。そして、 1ハウジング部材3と第2ハウジング部材4を組 み合わせることにより、ハウジング2が形成 れている。そして、ハウジング2は、血液流 ポート6および血液流出ポート7と連通する 液室24を内部に備えるものとなっている。ま た、血液流入ポート6は、図1および図2に示す ように、ハウジング2(第1ハウジング部材3)の 面の中央付近よりほぼ垂直に突出するよう 設けられている。なお、血液流入ポート6は 、このようなストレート管に限定されるもの でなく、湾曲管もしくは屈曲管でもよい。血 液流出ポート7は、図1ないし図7に示すように 、ほぼ円筒状に形成されたハウジング2の側 より接線方向に突出するように設けられて る。また、この実施例におけるハウジング は、血液流出路は、2つに区分されたダブル リュート構造となっているが、シングルボ ュート構造のもの、またボリュートがない 造のものでもよい。

 そして、ハウジング2は、インペラ回転ト ルク発生部13が発生する磁気吸引力をインペ の磁性体25に伝達するために、インペラ8と ンペラ回転トルク発生部13間に埋設された 数の磁性部材54を備えている。具体的には、 第2ハウジング部材4内(具体的には、底面壁内 )に、複数の磁性部材54が埋設されている。特 に、この実施例のポンプ装置1のように、磁 部材54は、血液室24内に露出しないように埋 されていることが好ましい。そして、磁性 材54としては、強磁性体が用いられる。特 、磁性部材54としては、軟質磁性体が好まし い。軟質磁性体としては、電磁鋼板(珪素鋼 )、純鉄、炭素含有率が0.3質量%以下の炭素鋼 (例えば、JIS規格でS15Cで標記される低炭素鋼) 、フェライト系ステンレス鋼(具体的には、JI S規格のSUSXM27)などが使用できる。

 そして、ハウジング2、具体的には、第1ハ ジング部材3および第2ハウジング部材4は、 成樹脂あるいは金属により形成されている ハウジング2の形成材料としては、合成樹脂 あればポリカーボネート、アクリル樹脂[ポ リアクリレート(例えば、ポリメチルメタク レート、ポリメチルアクリレート)、ポリア リルアミド、アクリロニトリル-スチレン共 重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチ ン共重合体等]、ポリオレフィン(ポリエチ ン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン ポリマー、超高分子ポリエチレン)スチレン 系樹脂[ポリスチレン、MS樹脂 (メタクリレー ト-スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリレー ト-ブチレン-スチレン共重合体)]などの熱可 性の硬質合成樹脂が使用できる。特に、ポ カーボネート、ポリメチルアクリレート、 高分子ポリエチレンが好ましい。金属の場 は、チタン、チタン合金、ステンレスを使 することが可能である。特に、チタンまた チタン合金が好ましい。
 また、第1ハウジング部材3および第2ハウジ グ部材4は、図4に示すように、面接触する 縁部を備えており、合成樹脂製ハウジング あれば、それら周縁部にて、高周波、超音 などによる熱融着または接着剤などにより また金属製ハウジングであれば、それら周 部にて、溶接、シール材を挟んだねじ固定 どにより、液密に接合される。

 そして、ハウジング2内には、インペラ8 収納されている。具体的には、図4に示すよ に、ハウジング2内に形成された血液室24内 、中央に貫通口を有する円板状のインペラ8 が収納されている。

 インペラ8は、図4および図5に示すように 下面を形成するドーナツ板状部材(下部シュ ラウド)27と、上面を形成する中央が開口した ドーナツ板状部材(上部シュラウド)28と、両 間に形成された複数(例えば、7つ)のベーン19 を有する。そして、下部シュラウドと上部シ ュラウドの間には、隣り合うベーン19で仕切 れた複数(7つ)の血液通路が形成されている 血液通路は、図5に示すように、インペラ8 中央開口と連通し、インペラ8の中央開口を 端とし、外周縁まで徐々に幅が広がるよう 延びている。言い換えれば、隣り合う血液 路間にベーン19が形成されている。なお、 の実施例では、それぞれの血液通路および れぞれのベーン19は、等角度間隔にかつほぼ 同じ形状に設けられている。

 そして、図4に示すように、インペラ8に 、複数(例えば、6個)の磁性体25(永久磁石、 動マグネット)が埋設されている。この実施 では、磁性体25は、下部シュラウド27内に埋 設されている。埋設された磁性体25(永久磁石 )は、ハウジング2(第2ハウジング部材4)に埋設 された磁性部材を介して、インペラ回転トル ク発生部13のステータ51により、インペラ回 トルク発生部13側に吸引されるためおよびイ ンペラ回転トルク発生部13の回転トルクを受 取るために設けられている。

 また、この実施例のようにある程度の個 の磁性体25を埋設することにより、後述す 複数のステータ51との磁気的結合も十分に確 保できる。磁性体25(永久磁石)の形状として 、円形、扇型、さらにリング形状(N極とS極 交互に着磁された一体型)などが好ましい。 ンペラ部材は、耐食性の高い金属(チタン、 ステンレスSUS316Lなど)、あるいは合成樹脂に り形成されている。合成樹脂としては、ハ ジングの形成材料として説明したものが好 に使用できる。

 そして、本発明の血液ポンプ装置1は、イン ペラ回転トルク発生部13によるインペラ回転 に、インペラをハウジングの内面に非接触 態にて回転させるための非接触軸受機構を えている。
 この実施例のポンプ装置1では、上記の非接 触軸受機構は、インペラ回転トルク発生部13 のハウジング2内面[言い換えれば、第2ハウ ング部材4の凹部の表面(底面壁表面)]に設け られた動圧溝48により構成されている。そし 、インペラは、所定以上の回転数にて回転 ることにより、動圧溝48の形成面(動圧溝形 部)42とインペラ8間に発生する動圧力による 動圧軸受効果により、非接触状態にて回転す る。動圧溝形成部42は、図6に示すように、イ ンペラ8の底面(インペラ回転トルク発生部側 面)に対応する大きさに形成されている。そ して、この実施例のポンプ装置1では、各動 溝48は、第2ハウジング部材の凹部の表面の 心より若干離間した円形部分の周縁(円周)上 に一端を有し、渦状に(言い換えれば、湾曲 て)凹部表面の外縁付近まで、幅が徐々に広 るように延びている。また、動圧溝48は複 個設けられており、それぞれの動圧溝48はほ ぼ同じ形状であり、かつほぼ同じ間隔に配置 されている。動圧溝48は、凹部であり、深さ しては、0.005~0.4mm程度が好適である。動圧 48としては、6~36個程度設けることが好まし 。この実施例では、12個の動圧溝がインペラ の中心軸に対して等角度に配置されている。 この実施例のポンプ装置における動圧溝48は いわゆる内向スパイラル溝形状となってお 、インペラが時計方向に回転することによ 、この動圧溝形成部42の作用による流体の ンピングは、溝部の外径から内径に向け圧 が高められるために、インペラ8とこの動圧 形成部を形成しているハウジング2間に反対 方向の力が得られ、これが動圧力となる。

 インペラ8は、回転時にインペラ回転トルク 発生部13側に吸引されるが、このような動圧 形成部を有することにより、ハウジングの 圧溝形成部42とインペラ8の底面間(もしくは インペラの動圧溝形成部とハウジング内面間 )に形成される動圧軸受効果により、ハウジ グ内面より離れ、非接触状態にて回転し、 ンペラの下面とハウジング内面間に血液流 を確保し、両者間での血液滞留およびそれ 起因する血栓の発生を防止する。さらに、 常状態において、動圧溝形成部が、インペ の下面とハウジング内面間において撹拌作 を発揮するので、両者間における部分的な 液滞留の発生を防止する。
 さらに、動圧溝48は、その角となる部分が なくとも0.05mm以上のRを持つように丸められ いることが好ましい。このようにすること より、溶血の発生をより少ないものとする とができる。
 なお、動圧溝形成部は、ハウジング側では くインペラ8のインペラ回転トルク発生部側 の面に設けてもよい。この場合も上述した動 圧溝形成部と同様の構成とすることが好まし い。具体的には、動圧溝は、インペラ8のイ ペラ回転トルク発生部13側の面(言い換えれ 、インペラ8の底面)に設けてもよい。

 そして、この実施例のポンプ装置1のように 、インペラ回転トルク発生部側と反対側のハ ウジング内面(言い換えれば、第1ハウジング 材3の凹部の表面)にも複数の動圧溝(第2の動 圧溝)33を有する動圧溝形成部(第2の動圧溝形 部)32を設けてもよい。
 インペラ8は、所定以上の回転数により回転 することにより発生する動圧溝形成部42とイ ペラ8間に形成される動圧軸受効果により、 非接触状態にて回転する。この第2の動圧溝33 は、外的衝撃を受けた時また動圧溝形成部42 よる動圧力が過剰となった時に、インペラ 第1ハウジング部材の凹部表面への密着を防 止する。そして、動圧溝形成部42により発生 る動圧力と第2の動圧溝形成部32により発生 る動圧力は異なるものとなっていてもよい

 具体的には、図4および図7に示すように 動圧溝形成部32は、インペラ8の上面(インペ 回転トルク発生部と反対側面)に対応する大 きさに形成されている。図7に示すように、 動圧溝33は、動圧溝形成部32の中心(言い換え れば、第1ハウジング部材3の凹部内面の中心) より若干離間した円形部分の周縁(円周)上に 端を有し、渦状に(言い換えれば、湾曲もし くは屈曲して)凹部の外縁付近まで、幅が徐 に広がるように延びている。特に、この実 例では、動圧溝は、途中で屈曲したいわゆ ヘリングボーン形状となっている。また、 圧溝33は複数個設けられており、それぞれの 動圧溝33はほぼ同じ形状であり、かつほぼ同 間隔に配置されている。動圧溝33は、凹部 あり、深さとしては、0.005~0.4mm程度が好適で ある。動圧溝33としては、6~36個程度設けるこ とが好ましい。この実施例では、12個の動圧 がインペラの中心軸に対して等角度に配置 れている。

さらに、動圧溝33は、その角となる部分が少 くとも0.05mm以上のRを持つように丸められて いることが好ましい。このようにすることに より、溶血の発生及び血栓形成をより少ない ものとすることができる。
 なお、第2の動圧溝形成部は、ハウジング側 ではなくインペラ8のインペラ回転トルク発 部と反対側の面(言い換えれば、インペラ8の 上面)に設けてもよい。この場合も上述した 2の動圧溝形成部と同様の構成とすることが ましい。 そして、本発明の血液ポンプ装 1は、インペラを回転させるためのインペラ 転トルク発生部13を有している。そして、 の実施例の血液ポンプ装置1では、インペラ 転トルク発生部13は、ポンプ部12に着脱可能 となっている。

 この実施例の血液ポンプ装置1では、図3, 4および図8に示すように、インペラ回転ト ク発生部13は、円周上に配置された複数のス テータ51からなるモータステータ50により構 されている。そして、第3ハウジング部材5は 、環状凹部(ドーナツ状凹部)を備えており、 数のステータ51は、第3ハウジング部材5内に 、環状(ドーナツ状)となるように収納されて る。ステータ51は、ステータコア53とステー タコア53に巻かれたステータコイル52を備え いる。この実施例のポンプ装置1では、6個の ステータ51によりモータステータ50が形成さ ている。また、ステータコイル52としては、 多層巻きのステータコイルが用いられる。そ して、各ステータ51のステータコイル52に流 る電流の方向を切り換えることにより、回 磁界が発生し、この回転磁界により、イン ラは吸引されるとともに回転する。

 そして、第3ハウジング部材5は、側面にケ ブル用ポート66を備えている。具体的には、 図1ないし図3、図5、図6および図8に示すよう 、第3ハウジング部材5の側面に、ケーブル ポート66が形成されている。そして、各ステ ータ51のステータコイル52に接続されたコー は束ねられるととともに、外層に補強体が き付けられるなどによりケーブル65を形成し ている。そして、ケーブル65は、ケーブル用 ート66より外部に延出している。
 そして、この実施例の血液ポンプ装置1では 、図4、図8に示すように、ハウジング2(具体 には、第2ハウジング部材4)の各磁性部材54は 、上述した各ステータ51のステータコア53上 位置するように配置されている。そして、 の実施例のステータコア53は、図8に示すよ に扇状となっており、磁性部材54もその形状 に対応するように扇状となっている。また、 磁性部材54は、若干ステータコア53より大き ものとなっている。

 さらに、この実施例の血液ポンプ装置1で は、図4、図8に示すように、ハウジング2(具 的には、第2ハウジング部材4)の各磁性部材54 は、各ステータ51のステータコア53と接触す ものとなっている。具体的には、このポン 装置1では、ステータコア53の上端部は、ス ータコイル52より若干突出するとともに、突 出部が露出するものとなっている。そして、 磁性部材54は、下面が露出するように、第2ハ ウジング部材4に埋設されており、さらに、 性部材54の下面が露出する部分は、ステータ コア53の突出部を収納するための凹部となっ いる。このため、磁性部材54とステータコ 53は接触している。このようにすることによ り、ステータ51にて発生した磁力を確実に磁 部材54に伝達することができる。

 また、この実施例のポンプ装置1では、ポ ンプ部12とインペラ回転トルク発生部13は着 可能となっているとともに、両者は連結機 を備えている。この実施例のポンプ装置1で 、ポンプ部12の第2ハウジング部材の底面に 、第1の係合部(具体的には、凹部)45が形成 れており、インペラ回転トルク発生部13のハ ウジング5には、第1の係合部(凹部)45と係合す る第2の係合部(具体的には、突出部)55が形成 れている。そして、ポンプ部12の第1の係合 (凹部)45とインペラ回転トルク発生部13の第2 の係合部(突出部)55とが係合することにより 両者は連結される。また、第1の係合部(凹部 )45とインペラ回転トルク発生部13の第2の係合 部(突出部)55は、図8に示すように位置決め機 を備えることが好ましい。図8に示すもので は、第1の係合部(凹部)45とインペラ回転トル 発生部13の第2の係合部(凸部)55は、位置決め 可能に対応する形状(具体的には、断面が多 形状)となっており、両者を係合させた状態 て、ポンプ部12の各磁性部材54が、各ステー タ51のステータコア53上に位置するものとな ており、さらに、両者が接触するものとな ている。なお、第1の係合部(凹部)45とインペ ラ回転トルク発生部13の第2の係合部(凸部)55 断面形状は、多角形状に限定されるもので なく、楕円状、星形などであってもよい。 た、ポンプ部12の第1の係合部とインペラ回 トルク発生部13の第2の係合部の係合形態は 上記のものに限定されるものではなく、図15 に示す実施例のポンプのように、第1の係合 46が凸部であり、第2の係合部56が(凹部)であ てもよい。

 また、本発明の血液ポンプ装置としては、 9ないし図11に示す実施例の血液ポンプ装置1 0のようなタイプのものであってもよい。
 図9は、本発明の血液ポンプ装置の他の実施 例の正面図である。図10は、図9の血液ポンプ 装置の平面図である。図11は、図10のC-C線断 図である。
 この実施例の血液ポンプ装置10と上述した 施例の血液ポンプ装置1との相違は、インペ 8が第2の磁性体29を備え、血液ポンプ装置は 、インペラ回転トルク発生部13側と反対側の ウジング内(具体的には、第1ハウジング部 3内)に、インペラ8の第2の磁性体29を吸引す ための永久磁石61を備える点でその他は同じ であり、上述した説明を参照するものとする 。

 この実施例の血液ポンプ装置10では、イン ラ8は、図11に示すように、上面を形成する 央が開口したドーナツ板状部材(上部シュラ ド)28内に埋設された第2の磁性体29を備えて る。そして、第2の磁性体29としては、平板 ング状のものが好適である。また、第2の磁 性体29は、インペラ8の周縁部より若干内側と なる位置に配置されている。第2の磁性体29は 、永久磁石、強磁性体であることが好ましく 、特に、永久磁石であることが好ましい。
 そして、図10および図11に示すように、第1 ウジング部材3内には、インペラ8の第2の磁 体29を吸引するための永久磁石61が、インペ 8の第2の磁性体29上となるように埋設されて いる。永久磁石61としては、図10に示すよう 、第2の磁性体29の形状に対応したリング状 ものであることが好ましい。

 そして、この実施例のポンプ装置10は、 ンペラ回転トルク発生部側と反対側のハウ ング内面(言い換えれば、第1ハウジング部材 3の凹部の表面)にも複数の動圧溝(第2の動圧 )33を有する動圧溝形成部(第2の動圧溝形成部 )32を備えている。このため、インペラ8は、 定以上の回転数により回転することにより 生する動圧溝形成部32とインペラ8間に形成 れる動圧力が、インペラ8の第2の磁性体29と 久磁石61の吸引力に対向することにより、 ンペラ8の第1ハウジング部材の凹部表面への 密着を防止し、インペラのハウジング内面へ の非接触状態での回転を良好なものとする。 なお、永久磁石61および第2の磁性体29は、上 したリング状のものに限定されるものでは く、複数個の永久磁石および第2の磁性体が 、円周上にほぼ同一角度間隔にて配置された ものであってもよい。この場合、永久磁石お よび第2の磁性体の数としては、2~8個が好ま く、特に、3~6個が好ましい。また、第2の磁 体29をインペラ回転トルク発生部の吸引方 と反対側に吸引するものは、永久磁石では く、電磁石でもよい。電磁石を用いる場合 は、後述する実施例のポンプ装置20(図13参照 )のように、複数個(具体的には、3個)の電磁 を円周上にほぼ同一角度間隔にて配置する とが好ましい。

 また、この実施例のポンプ装置10では、イ ペラ回転トルク発生部13の磁力発生時におけ るインペラの吸引力(具体的には、磁性部材54 を介してインペラに付与される吸引力)と、 久磁石61によるインペラの吸引力の合力が、 ハウジング2内のインペラ8の可動範囲の中央 近にて釣り合うものとなっていることが好 しい。
 また、この実施例の血液ポンプ装置10にお ても、第3ハウジング部材5は、側面にケーブ ル用ポート66を備えている。具体的には、図9 および図10に示すように、第3ハウジング部材 5の側面に、ケーブル用ポート66が形成されて いる。そして、各ステータ51のステータコイ 52に接続されたコードは束ねられるととと に、外層に補強体が巻き付けられるなどに りケーブル65を形成している。そして、ケー ブル65は、ケーブル用ポート66より外部に延 している。

 また、本発明の血液ポンプ装置としては、 12ないし図14に示す実施例の血液ポンプ装置 20のようなタイプのものであってもよい。
 図12は、本発明の血液ポンプ装置の他の実 例の正面図である。 図13は、図12の血液ポ プ装置の平面図である。図14は、図13のD-D線 面図である。
 この実施例のポンプ装置20と上述したポン 装置10との相違は、非接触式軸受機構のみで ある。
 このポンプ装置20では、非接触式軸受機構( ンペラ位置制御部)14は、図13および図14に示 すように、インペラ8の第2の磁性体29を吸引 るための固定された複数の電磁石63と、イン ペラ8の第2の磁性体29の位置を検出するため 位置センサ65を備えている。具体的には、イ ンペラ位置制御部14は、インペラ位置制御部 ウジング22内に収納された複数の電磁石63と 、複数の位置センサ65を有する。インペラ位 制御部の複数(3つ)の電磁石63および複数(3つ )の位置センサ65は、それぞれ等角度間隔にて 設けられており、電磁石63と位置センサ65も 角度間隔にて設けられている。電磁石63は、 コアとコイルからなる。電磁石63は、この実 例では、3個設けられている。電磁石63は、3 個以上、例えば、4つでもよい。3個以上設け これらの電磁力を位置センサ65の検知結果 用いて調整することにより、インペラ8の回 軸(z軸)方向の力を釣り合わせ、かつ回転軸( z軸)に直交するx軸およびy軸まわりのモーメ トを制御することができる。これにより、 ンペラ8は、ハウジング内面に接触すること く、回転させることができる。

 位置センサ65は、電磁石63と第2の磁性体29と の隙間の間隔を検知し、この検知出力は、電 磁石63のコイルに与えられる電流もしくは電 を制御する制御機構(図示せず)の制御部に られる。
 そして、この実施例のポンプ装置20では、 ンペラ位置制御部14は、ポンプ部12に対して 着脱自在となっている。そして、ポンプ部1 2の第1ハウジング部材3内には、図13および図1 4に示すように、電磁石63が発生する磁気吸引 力をインペラの第2の磁性体29に伝達するため に、インペラ8と電磁石63間に埋設された複数 の磁性部材64、さらに複数の磁性体61を備え ことが好ましい。具体的には、第1ハウジン 部材3内に、複数の磁性部材64、及び複数の 性体61が埋設されている。特に、この実施 のポンプ装置20のように、磁性部材64と磁性 61は、血液室24内に露出しないように埋設さ れていることが好ましい。そして、磁性部材 64は、強磁性体が用いられる。特に、軟質磁 体であることが好ましい。軟質磁性体とし は、電磁鋼板(珪素鋼板)、純鉄、炭素含有 が0.3質量%以下の炭素鋼(例えば、JIS規格でS15 Cで標記される低炭素鋼)、フェライト系ステ レス鋼(具体的には、JIS規格のSUSXM27)などが 用できる。また、上述したステータと同様 、電磁石63のコアと第1ハウジング部材3内に 埋設された磁性部材64は、接触するものであ てもよい。そして、このタイプのポンプ装 では、上述した第1の動圧溝および第2の動 溝を備えないものであってもよい。

 また、この実施例の血液ポンプ装置20にお ても、第3ハウジング部材5は、側面にケーブ ル用ポート66を備えている。具体的には、図1 2および図13に示すように、第3ハウジング部 5の側面に、ケーブル用ポート66が形成され いる。そして、各ステータ51のステータコイ ル52に接続されたコード、上記の電磁石に接 されたコードおよび上記の位置センサに接 されたコードは束ねられるととともに、外 に補強体が巻き付けられるなどによりケー ル65を形成している。そして、ケーブル65は 、ケーブル用ポート66より外部に延出してい 。
 そして、上述したすべての実施例において ハウジング2(第2ハウジング部材4)に埋設さ た磁性部材54は、図15に示す実施例のポンプ 置30のように、下面が露出せず、ステータ ア53と接触しないものであってもよい。
 本発明の血液ポンプ装置は、体内埋め込み あるいは体外循環型ポンプどちらにも適用 能である。本発明の血液ポンプ装置は、体 循環用血液ポンプ装置とする場合に特に有 である。

 本発明の血液ポンプ装置は、以下のもので る。
(1)血液流入ポートと血液流出ポートとを有す るハウジングと、複数の磁性体を備え、前記 ハウジング内で回転し血液を送液するインペ ラとからなるポンプ部と、前記インペラを回 転させるためのインペラ回転トルク発生部と を有する血液ポンプ装置であって、前記ハウ ジングは、前記インペラ回転トルク発生部が 発生する磁気吸引力を前記インペラの前記磁 性体に伝達するために、前記インペラと前記 インペラ回転トルク発生部間に埋設された複 数の磁性部材を備え、前記血液ポンプ装置は 、前記インペラ回転トルク発生部によるイン ペラ回転時に、前記インペラを前記ハウジン グの内面に非接触状態にて回転させるための 非接触軸受機構を備える血液ポンプ装置。
 本発明の血液ポンプ装置では、ハウジング 、血液室とインペラトルク発生が分離され いるため、製造、組み立てが容易でありか 軽量化をはかることができる。そして、埋 された複数の磁性部材を備えることにより インペラ回転トルク発生部が発生する磁気 引力を確実にインペラの磁性体に伝達する とができる。さらに、血液ポンプ装置は、 ンペラ回転トルク発生部によるインペラ回 時に、インペラをハウジングの内面に非接 状態にて回転させるための非接触軸受機構 備えているため、インペラを非接触状態に 回転させることが可能となっている。

 そして、本発明の実施態様は、以下のもの あってもよい。
 (2) 前記インペラ回転トルク発生部は、円 上に配置された複数のステータからなるモ タステータであり、前記ステータは、ステ タコアと該ステータコアに巻かれたステー コイルとを備え、前記複数の磁性部材は、 記各ステータの前記ステータコア上に位置 るように配置されている上記(1)に記載の血 ポンプ装置。
 (3) 前記ハウジングの前記磁性部材と前記 テータコアは、接触するように配置されて る上記(2)に記載の血液ポンプ装置。
 (4) 前記インペラ回転トルク発生部は、前 ポンプ部に着脱可能である上記(1)ないし(3) いずれかに記載の血液ポンプ装置。
 (5) 前記磁性部材は、軟質磁性体である上 (1)ないし(4)のいずれかに記載の血液ポンプ 置。
 (6) 前記血液ポンプ装置は、前記インペラ 転トルク発生部側と反対側の前記ハウジン 内面もしくは前記インペラの前記インペラ 転トルク発生部側と反対側の面に設けられ 動圧溝を備えている上記(1)ないし(5)のいず かに記載の血液ポンプ装置。
 (7) 前記インペラは、第2の磁性体を備え、 記血液ポンプ装置は、前記インペラ回転ト ク発生部側と反対側の前記ハウジング内に 前記インペラの前記第2の磁性体を吸引する ための永久磁石もしくは電磁石を備えている 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の血液ポン プ装置。
 (8) 前記非接触軸受機構は、前記インペラ 転トルク発生部側の前記ハウジング内面も くは前記インペラの前記インペラ回転トル 発生部側の面に設けられた動圧溝により構 されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記 の血液ポンプ装置。
 (9) 前記非接触軸受機構は、前記インペラ 設けられた第2の磁性体と、前記インペラ回 トルク発生部側と反対側のハウジング内に けられ、前記インペラの前記第2の磁性体を 吸引するための電磁石と、前記インペラの位 置を検出するための位置センサとにより構成 されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載 の血液ポンプ装置。
 (10) 前記ハウジングは、合成樹脂製である 記(1)ないし(9)のいずれかに記載の血液ポン 装置。
 (11) 前記ハウジングは、金属製である上記( 1)ないし(9)のいずれかに記載の血液ポンプ装 。