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Patent Searching and Data


Title:
BONDED FASTENERS AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145029
Kind Code:
A1
Abstract:
Each staple (2) constituted of a metallic material and arranged side by side is bonded to the adjoining ones with a coating material (3a) and (3b) comprising a styrene/butadiene rubber as a major component, whereby bonded staples (1) are formed.  The bonding is conducted with the coating material (3a) and (3b), which contains none of vinyl chloride resins and the like (halogen compounds) as a component, and bonded fasteners (a representative example thereof is bonded staples) effective in reducing environmental burden can be provided.

Inventors:
ASANO KUNIHIKO (JP)
OONISHI KUNIHIRO (JP)
KOIKE RYO (JP)
NAKAMURA ICHINARI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058449
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
April 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KONISHI CO LTD (JP)
MAX CO LTD (JP)
ASANO KUNIHIKO (JP)
OONISHI KUNIHIRO (JP)
KOIKE RYO (JP)
NAKAMURA ICHINARI (JP)
International Classes:
F16B15/08
Foreign References:
JPH1029383A1998-02-03
JP2005097452A2005-04-14
JP2006038052A2006-02-09
JP2002028742A2002-01-29
Attorney, Agent or Firm:
NISHIYAMA, Haruyuki (JP)
Nishiyama It is this in spring. (JP)
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Claims:
 金属製ファスナー素材から成るファスナーを複数並列し、この並列されたファスナーの隣接するもの同士を、スチレンブタジエン系ゴムを主成分として含むコーティング剤で接合したことを特徴とするファスナー接合体。
 上記コーティング剤は、並列されたファスナーの帯状体の一面又は両面に塗布されていることを特徴とする請求項1記載のファスナー接合体。
 上記コーティング剤は、ハロゲンもしくはハロゲン化合物を含まないことを特徴とする請求項1又は2記載のファスナー接合体。
 複数の金属製ファスナー素材を連続的に集線し、この集線により並列された金属製ファスナー素材の帯状体の一面又は両面に、スチレンブタジエン系ゴムを主成分として含むコーティング剤を塗布し、この塗布により接合された金属製ファスナー素材を乾燥し、この乾燥された金属製ファスナー素材の帯状体を巻取りボビンに巻き取り、所定長さだけ巻き取ったところで上記金属製ファスナー素材の帯状体を切断する工程と、
 上記金属製ファスナー素材の帯状体を巻き取った巻取りボビンを、製造すべきファスナー接合体の寸法に適合した製針加工機にセットし、上記巻取りボビンから金属製ファスナー素材の帯状体を製針加工機に送り込んで、所定の長さに切断すると共に所定の形状に加工してファスナー接合体を形成する工程と、
を行うことを特徴とするファスナー接合体の製造方法。
 上記金属製ファスナー素材の帯状体へのコーティング剤の塗布量は、0.25~0.6重量%であることを特徴とする請求項4記載のファスナー接合体の製造方法。
Description:
ファスナー接合体及びその製造 法

 本発明は、複数枚の紙同士や複数個の構 材同士を互いに結合する金属製のファスナ において、複数本のファスナーを並列して ーティング剤で接合した状態で使用に供す ファスナー接合体及びその製造方法に関し 詳しくは、ハロゲンもしくはハロゲン化合 を必須成分としないコーティング剤により 合して環境負荷を少なくするファスナー接 体及びその生産効率を向上する製造方法に るものである。

 金属製のファスナー、例えばステープル 、複数枚の紙同士や複数個の構造材同士を いに結合する針として作用するものであり 一般家庭や事務所等で使用される文具用ス ープル、住宅や家具等に使用される工業用 テープル、各種のダンボール箱等に使用さ る封緘用ステープルに大別される。一定本 のステープルを並列してコーティング剤で 合されたステープル接合体からステープル 1本ずつ打ち出し、目的物を結束せしめるの に使用する器具はステープラーと呼ばれてい る。また、金属製の釘であるピンネイルやフ ィニッシュネイルは、天井仕上げ材としての 吸音ボードなどの内装化粧板を天井などに留 める釘として使用される。このピンネイルや フィニッシュネイルを使用する器具は、タッ カと呼ばれ、駆動源が手動式、電気式、エア 式のものが存在している。本願明細書では、 上記ピンネイルやフィニッシュネイルと前記 のステープルとを総称してファスナーという が、以下では便宜上ステープル及びステープ ル接合体について説明する。

 ステープラーに使用されるステープルは コーティング剤により複数本が並列して接 されたステープル接合体の状態でステープ ーに収められ、1本ずつ打ち出されて目的物 を結束せしめるものである。このステープル 接合体用のコーティング剤には、ステープル をステープラーに収納するまではある一定本 数の接合状態を保つ保持力が求められ、加え て取り扱い時に各ステープルが容易に離脱し ない柔軟性も必要となる。一方で、ステープ ラーによる綴じ動作時には、打ち出される1 のステープルのみがステープル接合体より 易に分離されることが求められる。更には ステープル接合体の製造時及び市場流通時 、コーティング剤を塗布したステープル接 体の面同士が接触し貼り付いてしまう(これ 「ブロッキング」と呼ばれる)ことのない様 に、耐ブロッキング性にも優れている必要が ある。

 上記の相反する要求を満足させるために 現在、コーティング剤として溶剤形ゴム系 着剤が主として使用されている。金属製の テープルに使用されている代表的な溶剤形 ム系接着剤としては、溶媒である有機溶剤 他に、ニトリルゴム及び塩化ビニル樹脂又 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂を配合 たものが一般的である(例えば、特許文献1 照)。

 また、上記のようなステープル接合体を 造するには、複数のステープル材料を連続 に集線して互いに密着した所定幅の平板状 材に形成し、この平板状部材を接着剤を用 て接着したのち乾燥し、この接着、乾燥し 平板状部材を一旦巻取りボビンに巻き取り その後巻取りボビンから上記平板状部材を 針加工機に送り込んで、この製針加工機に り所定の長さに切断すると共にコ字状に加 して、ステープル接合体を製造していた(例 えば、特許文献2参照)。すなわち、複数のス ープル材料の集線からコ字状のステープル 合体を得るまでを連続した1工程で行ってお り、一続きの製造ラインで製造していた。

特開2003-90313号公報

特公昭54-13222号公報

 しかし、従来のステープル接合体におい 用いられ、特許文献1に記載された溶剤形ゴ ム系接着剤から成るコーティング剤では、成 分の一つである塩化ビニル樹脂(ハロゲン含 化合物)が、低温(850℃未満)で燃焼された場 、人体もしくは環境に有害なダイオキシン 発生する可能性が報告されている。一般的 使用されている塩化ビニル樹脂と酢酸ビニ 樹脂との共重合物である塩化ビニル・酢酸 ニル共重合樹脂であっても同様の懸念は拭 きれない。したがって、従来は、ステープ で結合された目的物を廃棄する際は、850℃ 上の高温焼却によってダイオキシン等の有 物質が発生しないようにしている。このよ な高温焼却をせずに廃棄でき、且つ環境負 を少なくしようとするため、塩化ビニル樹 等(ハロゲン含有化合物)を成分として含まな いコーティング剤で接合したステープル接合 体が望まれている。

 また、ステープル接合体の製造において 特許文献1に記載された溶剤形ゴム系接着剤 から成るコーティング剤を用いて、特許文献 2に記載されたステープル接合体の製造方法 実施すると、製造工程中にて巻取りボビン 巻き取られた平板状部材を該巻取りボビン ら引き出すときに、巻取りボビンに巻かれ いる平板状部材の下面側と、その内側に巻 れている平板状部材の上面側とがコーティ グ剤同士で貼り付いてしまい、ブロッキン と呼ばれる状態が起こっていた。このブロ キングによって、上記平板状部材を巻取り ビンから引き出す際の引き出し荷重(ブロッ ング荷重)が、例えば10Nを越えると、平板状 部材を製針加工機に送り込む送り速度が安定 しなくなり、送り不良が発生することがあっ た。この送り不良によって、上記製針加工機 で切断、加工されるステープル接合体の寸法 公差を維持できないことがあった。これに対 処して、従来は、上記平板状部材へのコーテ ィング剤の塗布量が、0.3~0.4重量%になるよう 管理していた。

 さらに、特許文献2に記載されたステープ ル接合体の製造においては、複数のステープ ル材料の集線からコ字状のステープル接合体 を得るまでを連続した1工程で行っていたの 、工程速度の遅い製針加工機の動作速度に って全体の製造工程の時間が影響を受ける のであった。また、例えばコ字状ステープ のクラウン部の幅や脚部の長さが異なる各 寸法のステープル接合体を製造するには、 続きの製造ラインの運転を一旦停止して、 造すべき寸法に適合した製針加工機に付け えて運転を再開する必要があった。したが て、ステープル接合体の生産効率が低下す ものであった。或いは、種類の異なるステ プル接合体の寸法に適合した製針加工機を えた一続きの製造ラインを、各種寸法のス ープル接合体の種類分だけ設置する必要が った。したがって、広い設備面積を必要と 、設備が複雑化するものであった。

 そこで、本発明は、このような問題点に 処し、ハロゲンもしくはハロゲン化合物を 須成分としないコーティング剤により接合 て環境負荷を少なくするファスナー接合体( ステープル接合体を代表例とする)及びその 産効率を向上する製造方法を提供すること 目的とする。

 上記目的を達成するために、本発明によ ファスナー接合体は、金属製ファスナー素 から成るファスナーを複数並列し、この並 されたファスナーの隣接するもの同士を、 チレンブタジエン系ゴムを主成分として含 コーティング剤で接合したものである。

 このような構成により、スチレンブタジ ン系ゴムを主成分として含むコーティング で、金属製ファスナー素材から成るファス ーを複数並列した各ファスナーの隣接する の同士を接合して、ファスナー接合体を形 する。

 また、上記コーティング剤は、並列され ファスナーの帯状体の一面又は両面に塗布 れている。これにより、並列されたファス ーの帯状体の一面又は両面に上記コーティ グ剤を塗布して、各ファスナーの隣接する の同士を接合する。

 さらに、上記コーティング剤は、ハロゲ もしくはハロゲン化合物を含まないもので る。これにより、ハロゲンもしくはハロゲ 化合物を含まないコーティング剤で、金属 ファスナー素材から成るファスナーを複数 列した各ファスナーの隣接するもの同士を 合する。

 また、本発明によるファスナー接合体の 造方法は、複数の金属製ファスナー素材を 続的に集線し、この集線により並列された 属製ファスナー素材の帯状体の一面又は両 に、スチレンブタジエン系ゴムを主成分と て含むコーティング剤を塗布し、この塗布 より接合された金属製ファスナー素材を乾 し、この乾燥された金属製ファスナー素材 帯状体を巻取りボビンに巻き取り、所定長 だけ巻き取ったところで上記金属製ファス ー素材の帯状体を切断する工程と、上記金 製ファスナー素材の帯状体を巻き取った巻 りボビンを、製造すべきファスナー接合体 寸法に適合した製針加工機にセットし、上 巻取りボビンから金属製ファスナー素材の 状体を製針加工機に送り込んで、所定の長 に切断すると共に所定の形状に加工してフ スナー接合体を形成する工程と、を行うも である。

 このような製造方法により、複数の金属 ファスナー素材を連続的に集線し、この集 により並列された金属製ファスナー素材の 状体の一面又は両面に、スチレンブタジエ 系ゴムを主成分として含むコーティング剤 塗布し、この塗布により接合された金属製 ァスナー素材を乾燥し、この乾燥された金 製ファスナー素材の帯状体を巻取りボビン 巻き取り、所定長さだけ巻き取ったところ 上記金属製ファスナー素材の帯状体を切断 、上記金属製ファスナー素材の帯状体を巻 取った巻取りボビンを、製造すべきファス ー接合体の寸法に適合した製針加工機にセ トし、上記巻取りボビンから金属製ファス ー素材の帯状体を製針加工機に送り込んで 所定の長さに切断すると共に所定の形状に 工してファスナー接合体を形成する。

 また、上記金属製ファスナー素材の帯状 へのコーティング剤の塗布量は、0.25~0.6重 %である。これにより、上記コーティング剤 0.25~0.6重量%の塗布量で、金属製ファスナー 材の帯状体へ塗布する。

 請求項1に係る発明によれば、スチレンブ タジエン系ゴムを主成分として含むコーティ ング剤で、金属製ファスナー素材から成るフ ァスナーを複数並列した各ファスナーの隣接 するもの同士を接合して、ファスナー接合体 を形成することができる。これにより、塩化 ビニル樹脂等(ハロゲン含有化合物)を成分と て含まないコーティング剤で接合したファ ナー接合体を提供することができる。した って、高温焼却をせずに廃棄でき、且つ環 負荷を少なくすることができる。

 また、請求項2に係る発明によれば、並列 されたファスナーの帯状体の一面又は両面に 上記コーティング剤を塗布して、各ファスナ ーの隣接するもの同士を接合することができ る。したがって、ファスナー接合体の寸法に 応じて、コーティング剤をファスナーの帯状 体の一面又は両面に塗布するかを調整できる 。

 さらに、請求項3に係る発明によれば、ハ ロゲンもしくはハロゲン化合物を含まないコ ーティング剤で、金属製ファスナー素材から 成るファスナーを複数並列した各ファスナー の隣接するもの同士を接合することができる 。これにより、ハロゲンもしくはハロゲン化 合物を成分として含まないコーティング剤で 接合したファスナー接合体を提供することが できる。したがって、高温焼却をせずに廃棄 でき、且つ環境負荷を少なくすることができ る。

 また、請求項4に係る発明によれば、一面又 は両面にスチレンブタジエン系ゴムを主成分 として含むコーティング剤を塗布し、乾燥さ れた金属製ファスナー素材の帯状体を巻取り ボビンに巻き取り、所定長さだけ巻き取った ところで上記金属製ファスナー素材の帯状体 を切断する工程と、上記巻取りボビンから金 属製ファスナー素材の帯状体を製針加工機に 送り込んで、所定の長さに切断すると共に所 定の形状に加工してファスナー接合体を形成 する工程とを行うことにより、塩化ビニル樹 脂等(ハロゲン含有化合物)を成分として含ま いコーティング剤で接合したファスナー接 体を製造することができる。
 また、複数の金属製ファスナー素材を連続 に集線して並列された金属製ファスナー素 の帯状体の一面又は両面に、スチレンブタ エン系ゴムを主成分として含むコーティン 剤を塗布して金属製ファスナー素材の帯状 を形成したので、この金属製ファスナー素 の帯状体を巻取りボビンに巻いた場合のブ ッキング荷重が例えば0~10N以下となり、従 よりも低減する。これにより、金属製ファ ナー素材の帯状体を製針加工機に送り込む り速度が安定して、該製針加工機で切断、 工されるファスナー接合体の寸法を公差内 収めて、製品の歩留まりを向上することが きる。
 さらに、金属製ファスナー素材の帯状体を 取りボビンに巻き取り、該金属製ファスナ 素材の帯状体を切断する工程と、上記巻取 ボビンから金属製ファスナー素材の帯状体 製針加工機に送り込んで、所定の長さに切 ・加工してファスナー接合体を形成する工 とを分けたことにより、工程速度の遅い製 加工機の動作速度によって、前の工程の時 が影響を受けることがない。また、例えば 字状ファスナーのクラウン部の幅や脚部の さが異なる各種寸法のファスナー接合体に 応した複数種類の製針加工機を予め設置し おき、上記巻取りボビンを、製造すべきフ スナー接合体の寸法に適合した製針加工機 セットすることで、従来のように、一続き 製造ラインの運転を一旦停止して、製造す き寸法に適合した製針加工機に付け替えて 転を再開する必要がなく、ファスナー接合 の製造をスムーズに進行することができる したがって、ファスナー接合体の生産効率 向上することができる。さらに、金属製フ スナー素材の帯状体を巻取りボビンに巻き り、該金属製ファスナー素材の帯状体を切 する工程を実施する製造ラインを共通の設 とすることで、これに対して各種寸法のフ スナー接合体に対応した製針加工機を複数 類設置するだけでよく、設備を簡単化する 共に、広い設備面積を不要とすることがで る。

 さらに、請求項5に係る発明によれば、上 記コーティング剤を0.25~0.6重量%の塗布量で、 金属製ファスナー素材の帯状体へ塗布するこ とができる。従来は、金属製ファスナー素材 の帯状体に作用するブロッキング荷重を低減 させるために、上記金属製ファスナー素材の 帯状体へのコーティング剤の塗布量が0.3~0.4 量%になるように管理していたが、本発明で 、塗布量を0.25~0.6重量%の範囲で管理すれば く、コーティング剤のブロッキング対処が 易となる。

本発明によるステープル接合体の実施 態を示す斜視図である。 上記ステープル接合体を拡大して示す 面図である。 本発明によるステープル接合体の他の 施形態を示す斜視図である。 上記ステープル接合体を拡大して示す 面図である。 本発明によるステープル接合体の製造 法の実施に用いられる製造ラインを示す概 構成図であり、図5(a)は第1の製造ラインを し、図5(b)は第2の製造ラインを示している。

 以下、本発明の実施の形態を添付図面に基 いて詳細に説明する。ここでは、ファスナ 接合体のうちステープル接合体を例にして 明する。
 図1は本発明によるステープル接合体の実施 形態を示す斜視図である。このステープル接 合体1は、複数枚の紙同士や複数個の構造材 士を互いに結合する金属製のステープルに いて、複数本のステープルを並列してコー ィング剤で接合した状態で使用に供するも で、金属製ステープル素材から成るステー ル2を複数並列し、この並列されたステープ 2の隣接するもの同士を、コーティング剤3a, 3b(図2参照)で接合したものである。なお、上 金属製のステープル2には、文具用ステープ ル、工業用ステープルや封緘用ステープルが 含まれるが、好ましくは文具用ステープルで ある。

 上記ステープル2は、鉄やステンレス等の 金属製ステープル素材(線材)から成り、亜鉛 ッキ等で表面処理が施され、この表面処理 された金属製ステープル素材をダイスによ て順次引き抜き、円形断面の線材を楕円に すことで例えば厚み0.3mm、線幅0.5mmの線材と されている。このステープル2は、図2に示す うに、正面視で倒コ字状に形成され、上部 て横方向に延びるクラウン部4と、該クラウ ン部4の両端から略直角方向に延びる一対の 部5,5とを備えている。そして、このような テープル2が、図1に示すように、そのコ字状 断面を手前側から奥行き方向に重ねて、例え ば50~53本ぐらい並列して帯状体とされている なお、ステープル2の本数はこれに限定され るものではなく、100本ぐらいとしてもよい。

 上記のように並列されたステープル2,2,… は、その隣接するもの同士がコーティング剤 3a,3bで接合されている。そして、このコーテ ング剤3a,3bは、並列されたステープル2の帯 体の上面側及び下面側の両面に塗布されて る。なお、上記ステープル2のクラウン部4 び脚部5の寸法の大小によっては、ステープ 2の帯状体の上面側又は下面側のいずれか一 面にのみ塗布してもよい。

 そして、本発明においては、上記コーテ ング剤3a,3bは、スチレンブタジエン系ゴム 主成分として含むものとされている。本発 におけるスチレンブタジエン系ゴムは、ス レン誘導体とブタジエンとを共重合して得 れる共重合体、好ましくはブロック共重合 又はこれらの水素添加物をいう。スチレン 導体として、スチレン、ビニルトルエン、α -メチルスチレン、ジメチルスチレン等が挙 られる。好ましいスチレンブタジエン系ゴ は、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン ロックコポリマー或いはこれらのコポリマ の水素添加物などが挙げられる。スチレン タジエン系ゴムは、好ましくはスチレン量 重量比で20~40%、特に30%程度である。このよ なスチレンブタジエン系ゴムは、多くの販 会社から市販されており入手可能である。

 また、本発明におけるスチレンブタジエ 系ゴムは、好ましくは酸基を含有するもの されている。酸基を含有することにより、 ーティング剤と金属製のステープルとの密 性が向上するという効果がある。上記の酸 としては、無水マレイン酸等のカルボン酸 含まれる。この酸基による酸価は、例えば 1~20、好ましくは5~15である。上記の酸基を むスチレンブタジエン系ゴムは、例えば、 フテックM1911、M1913、M1943という商品名で旭 成株式会社から市販されており入手可能で り、あるいは、常法により製造することも きる。

 さらに、本発明のコーティング剤3a,3bは ハロゲンもしくはハロゲン化合物を必須の 分としてはいない。これにより、上記コー ィング剤3a,3bは、これらを含まない組成物と することができ、低温(850℃未満)で燃焼させ 場合でも、人体もしくは環境に有害なダイ キシンが発生する可能性をなくして、環境 特に好ましい。

 なお、上記ステープル2を複数並列した各 ステープル2の隣接するもの同士を、スチレ ブタジエン系ゴムを主成分として含むコー ィング剤3a,3bで接合したステープル接合体1 おいて、そのコーティング剤3a,3bの剪断力は 、例えば10~40Nとされている。これにより、ス テープル接合体1をステープラーに収納する ではある一定本数の接合状態を保つ保持力 得られ、一方で、ステープラーによる綴じ 作時には、打ち出される1本のステープル2の みがステープル接合体1より容易に分離され ようになる。

 図3は、本発明によるステープル接合体の 他の実施形態を示す斜視図であり、図4は、 のステープル接合体を拡大して示す正面図 ある。このステープル接合体11は、複数枚の 紙同士を互いに結合する金属製のステープル であって、金属製ステープル素材から成るス テープル12を複数並列し、この並列されたス ープル12の隣接するもの同士を、コーティ グ剤3a,3b(図4参照)で接合したものである。こ のステープル接合体11は、例えば複写機に装 されて内蔵されており、複写された後の複 枚の紙同士を互いに綴じるものであり、所 の幅で所定の長さを有する平板状に形成さ ている。そして、複写機で複写された後の 数枚の紙同士を互いに綴じる際に、ステー ル12が1本ずつ分離されてコ字状に形成され 紙を綴じるようになっている。それ以外は 図1及び図2に示す実施形態と同様である。

 図5は、本発明によるステープル接合体の製 造方法の実施に用いられる製造ラインを示す 概略構成図である。この製造ラインは、図1 び図2、図3及び図4に示すステープル接合体1, 11を製造するためのもので、複数の金属製ス ープル素材を連続的に集線し、この集線に り並列された金属製ステープル素材の帯状 の一面又は両面に、スチレンブタジエン系 ムを主成分として含むコーティング剤を塗 し、この塗布により接合された金属製ステ プル素材を乾燥し、この乾燥された金属製 テープル素材の帯状体を巻取りボビンに巻 取り、所定長さだけ巻き取ったところで上 金属製ステープル素材の帯状体を切断する 程を行う第1の製造ラインL 1 (図5(a))と、上記金属製ステープル素材の帯状 体を巻き取った巻取りボビンを、製造すべき ステープル接合体の寸法に適合した製針加工 機にセットし、上記巻取りボビンから金属製 ステープル素材の帯状体を製針加工機に送り 込んで、所定の長さに切断すると共に所定の 形状に加工してステープル接合体を形成する 工程を行う第2の製造ラインL 2 (図5(b))とを備えて成る。

 図5(a)に示す第1の製造ラインL 1 において、ドラム15には、鉄やステンレス等 金属製ステープル素材(線材16)に亜鉛メッキ 等で表面処理を施し、この表面処理がされた 金属製ステープル素材をダイスによって順次 引き抜き、円形断面の線材を楕円に潰すこと で例えば厚み0.3mm、線幅0.5mmとされた、JIS規 の10号ステープルの寸法の線材16が巻かれて る。ここで、上記線材16が図1に示すステー ル2になるものであり、該ステープル2を複 並列してステープル接合体1を形成するため 、上記ドラム15は、例えば50~53個ぐらい並列 して並べられている。なお、ドラム15の個数 これに限定されるものではなく、100個ぐら としてもよい。

 上記複数のドラム15から引き出された線 16は、その送り方向前方に設けられた集線案 内装置17により、複数の線材16の隣り合うも 同士が接して並列するように連続的に集線 れる。この集線案内装置17の集線により並列 された線材16の帯状体の一面又は両面には、 布装置18により、スチレンブタジエン系ゴ を主成分として含むコーティング剤3a,3b(図2 照)が塗布される。なお、図5(a)において、 号19は、上記塗布装置18にコーティング剤3a,3 bを供給するタンクを示している。このとき 上記線材16の帯状体へのコーティング剤3a,3b 塗布量は、0.25~0.6重量%の範囲で適宜調整さ る。

 上記塗布装置18によりコーティング剤が 布されて接合された複数の線材16は、その送 り方向前方に設けられた乾燥装置20により乾 される。この乾燥装置20は、例えば加熱ヒ ターを利用した熱風乾燥装置であり、50~180 の範囲で一定の温度に制御されるようにな ている。そして、この乾燥装置20により乾燥 された状態で、金属製ステープル素材である 線材16の帯状体21となる。

 その後、上記線材16の帯状体21は、巻取り ボビン22に巻き取られる。この巻取りボビン2 2は、支持部材23に支持軸で回転可能に支持さ れており、図示省略の電気モータにより巻取 り方向に回転されるようになっている。また 、上記巻取りボビン22の巻取りに加えて、給 手段を線材16の移動経路に配置して該線材16 を給送しても良い。

 上記巻取りボビン22の手前側には、例えば 下一対のカッター25a,25bが設けられている。 して、上記巻取りボビン22に対して線材16の 帯状体21を所定長さだけ巻き取ったところで 上記帯状体21をカッター25a,25bで切断する。 れにより、第1の製造ラインL 1 による製造工程が終了する。この状態で、上 記巻取りボビン22に巻き取られた所定長さの 材16の帯状体21を該巻取りボビン22ごと第1の 製造ラインL 1 から取り外して、次工程に送る。

 その後、第1の製造ラインL 1 の支持部材23には、空の巻取りボビン22をセ トして、上記カッター25a,25bで切断した後の 材16の帯状体21の端末部を巻き付けて、第1 製造ラインL 1 における次回の線材16の帯状体21の巻き取り 切断の工程を実行する。

 次に、図5(b)に示す第2の製造ラインL 2 において、前記第1の製造ラインL 1 にて線材16の帯状体21を巻き取った巻取りボ ン22を、製造すべきステープル接合体1の寸 に適合した製針加工機26にセットする。ここ で、製針加工機26は、図2に示すように、クラ ウン部4と一対の脚部5,5とを備えて正面視で コ字状に形成されるステープル2の各種の寸 に適合したものが複数種類用意されており そのうちから製造すべきステープル接合体1 の寸法に適合した製針加工機26を選択してセ トすればよい。

 そして、上記巻取りボビン22から線材16の帯 状体21を製針加工機26に送り込んで、所定の さに切断すると共に所定の形状(コ字状)に加 工してステープル接合体1を形成する。また 上記巻取りボビン22の巻取りに加えて、給送 手段を線材16の移動経路に配置して該線材16 給送しても良い。以後、上記巻取りボビン22 から、連続的に線材16の帯状体21を製針加工 26に送り込んで、例えばコ字状のステープル 接合体1を順次切断して形成する。このよう して、巻取りボビン22に巻き取られた線材16 帯状体21が全部なくなったところで、第2の 造ラインL 2 による製造工程が終了する。

 この状態で、空になった巻取りボビン22を 針加工機26から取り外す。そして、前記第1 製造ラインL 1 にて線材16の帯状体21を巻き取った次なる巻 りボビン22を上記製針加工機26にセットして 第2の製造ラインL 2 において上記の工程動作を繰り返せばよい。 なお、図5(b)において、符号28は、第2の製造 インL 2 において製造されたステープル接合体1を、 納箱に箱詰めする収納工程に搬送するため 無端状のベルトコンベヤを示している。

 この第2の製造ラインL 2 における工程動作と、図5(a)に示す第1の製造 インL 1 における工程動作とは並行して実行すること ができる。この場合、第1の製造ラインL 1 においては、同一線径の線材16を用いて1種類 の線材16の帯状体21を製造し、第2の製造ライ L 2 においては、ステープル2の各種の寸法に適 した複数種類の製針加工機26を用いて異なる 寸法のステープル接合体1を同時並行で製造 ることができる。したがって、ステープル 合体1の生産効率を向上することができる。 の場合、一つの第1の製造ラインL 1 に対して、複数個の第2の製造ラインL 2 を組み合わせて、本発明のステープル接合体 を製造する製造ラインを構成すればよい。

 なお、図5(b)においては、図1及び図2に示す 面視で倒コ字状のステープル接合体1を製造 する場合を示したが、これに限られず、図3 び図4に示す平板状のステープル接合体11を 造する場合も同様に適用できる。
 また、本願明細書においてはステープル接 体を例にして説明したが、ピンネイルやフ ニッシュネイルの接合体は、製針加工機に コ字状に成形される前のような平板状のス ープル接合体と同様に接合され、ピンネイ 又はフィニッシュネイル接合体の一側端に ち込み先端部が、他側端に打撃頭部がプレ 機能を持つ製釘用の加工機により形成され ことで得られるものである。

 1,11…ステープル接合体(ファスナー接合体)
 2,12…ステープル(ファスナー)
 3a,3b…コーティング剤
 4…クラウン部
 5…脚部
 15…ドラム
 16…線材
 17…集線案内装置
 18…塗布装置
 20…乾燥装置
 21…線材の帯状体
 22…巻取りボビン
 25a,25b…カッター
 26…製針加工機
 L 1 …第1の製造ライン
 L 2 …第2の製造ライン




 
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