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Patent Searching and Data


Title:
BONDING METHOD, AND BIOCHEMICAL CHIP AND OPTICAL COMPONENT PRODUCED BY THE METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149820
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a bonding method which enables to firmly join two members without using an adhesive and without deteriorating fine structures and optical characteristics of the bonding surfaces. Also disclosed are a biochemical chip and an optical component which are produced by such a bonding method. Specifically disclosed is a bonding method which comprises a step A wherein a coating film (13) of a first film compound having a first functional group is formed on a first bonding surface (11) of a first member (21), a step B wherein a coating film (14) of a second film compound having a second functional group is formed on a second bonding surface (12) of a second member (22), and a step C wherein the first bonding surface (11) and the second bonding surface (12) are pressure-bonded with each other in such a manner that a coupling agent having one or more coupling groups which form a bond with the first and second functional groups through a coupling reaction is in contact with the first and second functional groups, and a bond is formed thereat by a coupling reaction.

Inventors:
OGAWA KAZUFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060074
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
OGAWA KAZUFUMI (JP)
International Classes:
C09J5/02; C09J5/04; C09J201/02; C09J201/10; C12M1/00; G01N37/00
Foreign References:
JPS6460680A1989-03-07
JP2007033167A2007-02-08
JP2007220884A2007-08-30
JP2007161912A2007-06-28
JP2007077429A2007-03-29
Attorney, Agent or Firm:
INABA, Yoshiyuki et al. (Roppongi Hills Mori Tower6-10-1, Roppongi,Minato-k, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 第1の部材の第1の接合面と第2の部材の第2の接合面とを接着する方法であって、
 前記第1の接合面上に、第1の官能基及び第1の表面結合基を分子の両端にそれぞれ有する第1の膜化合物を接触させ、前記第1の表面結合基と前記第1の接合面の表面官能基との間で結合を形成させて、該第1の接合面上に前記第1の膜化合物の被膜を形成する工程Aと、
 前記第2の接合面上に、第2の官能基及び第2の表面結合基を分子の両端にそれぞれ有する第2の膜化合物を接触させ、前記第2の表面結合基と前記第2の接合面の表面官能基との間で結合を形成させて、該第2の接合面上に、前記第2の膜化合物の被膜を形成する工程Bと、
 前記第1の官能基とのカップリング反応により結合を形成する1又は2以上の第1のカップリング官能基と、前記第2の官能基とのカップリング反応により結合を形成する1又は2以上の第2のカップリング反応基とを有するカップリング剤を前記第1及び第2の官能基と接触させた状態で、前記第1の膜化合物の被膜が形成された前記第1の接合面と前記第2の膜化合物の被膜が形成された前記第2の接合面とを圧着させ、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基、及び前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させる工程Cとを有することを特徴とする接着方法。
 請求の範囲第1項記載の接着方法において、前記工程Cでは、まず、前記カップリング剤を、前記第1の接合面上に形成された前記第1の膜化合物の被膜に接触させ、前記第1の官能基と前記第1のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させて、前記第1の膜化合物の被膜の表面に前記カップリング剤の被膜を形成し、次いで、前記カップリング剤の被膜が更に形成された前記第1の接合面と前記第2の膜化合物の被膜が形成された前記第2の接合面とを圧着させ、前記第2の官能基と前記第2のカップリング反応基とのカップリング反応により結合を形成させることを特徴とする接着方法。
 請求の範囲第1項記載の接着方法において、前記第1及び第2の官能基がエポキシ基を含む官能基であり、前記カップリング剤がイミダゾール基を含む化合物であることを特徴とする接着方法。
 請求の範囲第1項記載の接着方法において、前記第1及び第2の表面結合基がアルコキシシリル基であることを特徴とする接着方法。
 請求の範囲第1項記載の接着方法において、前記工程Cでは、前記第1及び第2の部材を同じ温度に加熱することを特徴とする接着方法。
 第1の部材と第2の部材とを有し、
 前記第1の部材の第1の接合面の表面には、分子の一端に第1の官能基を有し、他端で前記第1の接合面に結合した第1の膜化合物の被膜が形成され、
 前記第2の部材の第2の接合面の表面には、分子の一端に第2の官能基を有し、他端で前記第2の接合面に結合した第2の膜化合物の被膜が形成され、
 前記第1の官能基と前記第2の官能基とは、前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第2のカップリング反応基とを有するカップリング剤と、前記第1及び第2の官能基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに結合しており、該形成された結合を介して前記第1の接合面と前記第2の接合面とが接着されていることを特徴とするバイオケミカルチップ。
 請求の範囲第6項記載のバイオケミカルチップにおいて、前記第1及び第2の官能基がエポキシ基を含む官能基であり、前記カップリング剤がイミダゾール基を含む化合物であることを特徴とするバイオケミカルチップ。
 請求の範囲第6項記載のバイオケミカルチップにおいて、前記第1及び第2の膜化合物の被膜がいずれも単分子膜であることを特徴とするバイオケミカルチップ。
 第1の部材と第2の部材とを有し、
 前記第1の部材の第1の接合面の表面には、分子の一端に第1の官能基を有し、他端で前記第1の接合面に結合した第1の膜化合物の被膜が形成され、
 前記第2の部材の第2の接合面の表面には、分子の一端に第2の官能基を有し、他端で前記第2の接合面に結合した第2の膜化合物の被膜が形成され、
 前記第1の官能基と前記第2の官能基とは、前記第1の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第1のカップリング反応基と、前記第2の官能基とカップリング反応して結合を形成する少なくとも1の第2のカップリング反応基とを有するカップリング剤と、前記第1及び第2の官能基とのカップリング反応により形成された結合を介して互いに結合しており、該形成された結合を介して前記第1の接合面と前記第2の接合面とが接着されていることを特徴とする光学部品。
 請求の範囲第9項記載の光学部品において、前記第1及び第2の官能基がエポキシ基を含む官能基であり、前記カップリング剤がイミダゾール基を含む化合物であることを特徴とする光学部品。
 請求の範囲第9項記載の光学部品において、前記第1及び第2の膜化合物の被膜がいずれも単分子膜であることを特徴とする光学部品。
Description:
接着方法並びにそれを用いて作 したバイオケミカルチップ及び光学部品

 本発明は、接着方法並びにそれを用いて 製したバイオケミカルチップ及び光学部品 関する。より詳しくは、反応性の官能基を する膜化合物の被膜を形成することにより 接合面の表面に反応性の官能基を導入し、 ップリング剤とそれらの官能基との間に形 される結合を介して両接合面間を化学的に 合させることにより、接着剤を用いること く接着を行う方法、並びにそれを用いて作 されたバイオケミカルチップ及び光学部品 関する。

 一方又は双方の接合面に接着剤を塗布し、 合面同士を圧着させ、接着剤を硬化させる とにより2つの部材を接着する技術は一般に よく知られている(例えば、特許文献1参照)。 しかしながら、バイオケミカルチップの部材 等のように、接合面の少なくとも一方に微細 構造(例えば、ミクロンレベルの穴や溝等)が 成されている場合、流動した接着剤で微細 造を埋めてしまうことなく、かつ隙間なく 着することは非常に困難である。
 また、従来の接着剤を用いた方法では、接 面の接着剤等に厚みムラが生じるため、光 特性を劣化させることなく、レンズ等の光 部材を接着することも非常に困難であった

 接着剤を用いない接着方法として、例え 、特許文献2には、有機単分子膜を介して箔 状又は膜状の物質同士を接着する方法が開示 されている。同文献に記載の方法では、例え ば、脂肪族炭化水素基を有する有機単分子膜 を表面に結合させたアルミニウム箔同士を、 分子間力及び負圧を介して接着している。

特開2005-221478号公報

特開2003-246971号公報

 しかしながら、有機単分子膜に作用する 子間力や、部材同士を圧着する際の負圧を 用して接着を行う特許文献2に記載の方法で は、接着力が小さすぎるため、バイオケミカ ルチップや光学部品等の接着に適用すること はできない。

 本発明は、かかる課題に鑑みてなされた のであり、接着剤を用いず、接合面の微細 造や光学特性を損なうことなく2つの部材を 強固に接着することが可能な接着方法、並び にそれを用いて作製されたバイオケミカルチ ップ及び光学部品を提供することを目的とす る。

 前記目的に沿う第1の発明に係る接着方法 は、第1の部材の第1の接合面と第2の部材の第 2の接合面とを接着する方法であって、前記 1の接合面上に、第1の官能基及び第1の表面 合基を分子の両端にそれぞれ有する第1の膜 合物を接触させ、前記第1の表面結合基と前 記第1の接合面の表面官能基との間で結合を 成させて、該第1の接合面上に前記第1の膜化 合物の被膜を形成する工程Aと、前記第2の接 面上に、第2の官能基及び第2の表面結合基 分子の両端にそれぞれ有する第2の膜化合物 接触させ、前記第2の表面結合基と前記第2 接合面の表面官能基との間で結合を形成さ て、該第2の接合面上に、前記第2の膜化合物 の被膜を形成する工程Bと、前記第1の官能基 のカップリング反応により結合を形成する1 又は2以上の第1のカップリング官能基と、前 第2の官能基とのカップリング反応により結 合を形成する1又は2以上の第2のカップリング 反応基とを有するカップリング剤を前記第1 び第2の官能基と接触させた状態で、前記第1 の膜化合物の被膜が形成された前記第1の接 面と前記第2の膜化合物の被膜が形成された 記第2の接合面とを圧着させ、前記第1の官 基と前記第1のカップリング反応基、及び前 第2の官能基と前記第2のカップリング反応 とのカップリング反応により結合を形成さ る工程Cとを有する。

 第1の発明に係る接着方法において、前記 工程Cでは、まず、前記カップリング剤を、 記第1の接合面上に形成された前記第1の膜化 合物の被膜に接触させ、前記第1の官能基と 記第1のカップリング反応基とのカップリン 反応により結合を形成させて、前記第1の膜 化合物の被膜の表面に前記カップリング剤の 被膜を形成し、次いで、前記カップリング剤 の被膜が更に形成された前記第1の接合面と 記第2の膜化合物の被膜が形成された前記第2 の接合面とを圧着させ、前記第2の官能基と 記第2のカップリング反応基とのカップリン 反応により結合を形成させてもよい。

 第1の発明に係る接着方法において、前記 第1及び第2の官能基がエポキシ基を含む官能 であり、前記カップリング剤がイミダゾー 基を含む化合物であってもよい。

 第1の発明に係る接着方法において、前記 第1及び第2の表面結合基がアルコキシシリル であってもよい。

 第1の発明に係る接着方法において、前記 工程Cでは、前記第1及び第2の部材を同じ温度 に加熱することが好ましい。

 第2の発明に係るバイオケミカルチップは、 第1の部材と第2の部材とを有し、前記第1の部 材の第1の接合面の表面には、分子の一端に 1の官能基を有し、他端で前記第1の接合面に 結合した第1の膜化合物の被膜が形成され、 記第2の部材の第2の接合面の表面には、分子 の一端に第2の官能基を有し、他端で前記第2 接合面に結合した第2の膜化合物の被膜が形 成され、前記第1の官能基と前記第2の官能基 は、前記第1の官能基とカップリング反応し て結合を形成する少なくとも1の第1のカップ ング反応基と、前記第2の官能基とカップリ ング反応して結合を形成する少なくとも1の 2のカップリング反応基とを有するカップリ グ剤と、前記第1及び第2の官能基とのカッ リング反応により形成された結合を介して いに結合しており、該形成された結合を介 て前記第1の接合面と前記第2の接合面とが接 着されている。
 なお、本発明において「バイオケミカルチ プ」とは、マイクロメートルオーダーの幅 有する流路中で、化合物の混合、合成、抽 、精製、分析、及び測定等の操作を行うた の化学デバイスをいい、その具体例として 、化学実験や、バイオ実験、医療診断等に いるケミカルチップ、バイオチップ、バイ ケミカル電気泳動チップ、バイオケミカル アクター、バイオケミカル流体システム、D NAチップ等が挙げられる。

 第2の発明に係るバイオケミカルチップに おいて、前記第1及び第2の官能基がエポキシ を含む官能基であり、前記カップリング剤 イミダゾール基を含む化合物であってもよ 。

 第2の発明に係るバイオケミカルチップに おいて、前記第1及び第2の膜化合物の被膜が ずれも単分子膜であることが好ましい。

 第3の発明に係る光学部品は、第1の部材と 2の部材とを有し、前記第1の部材の第1の接 面の表面には、分子の一端に第1の官能基を し、他端で前記第1の接合面に結合した第1 膜化合物の被膜が形成され、前記第2の部材 第2の接合面の表面には、分子の一端に第2 官能基を有し、他端で前記第2の接合面に結 した第2の膜化合物の被膜が形成され、前記 第1の官能基と前記第2の官能基とは、前記第1 の官能基とカップリング反応して結合を形成 する少なくとも1の第1のカップリング反応基 、前記第2の官能基とカップリング反応して 結合を形成する少なくとも1の第2のカップリ グ反応基とを有するカップリング剤と、前 第1及び第2の官能基とのカップリング反応 より形成された結合を介して互いに結合し おり、該形成された結合を介して前記第1の 合面と前記第2の接合面とが接着されている 。
 なお、本発明において、「光学部品」とは 光学機器に用いられる任意の透光性部材を い、その具体例としては、レンズやプリズ 、光ファイバー、光記録媒体等が挙げられ 。

 第3の発明に係る光学部品において、前記 第1及び第2の官能基がエポキシ基を含む官能 であり、前記カップリング剤がイミダゾー 基を含む化合物であってもよい。

 第3の発明に係る光学部品において、前記 第1及び第2の膜化合物の被膜がいずれも単分 膜であることが好ましい。

 請求の範囲第1~5項記載の接着方法において 第1及び第2の接合面上をそれぞれ被覆して る第1及び第2の膜化合物は、共有結合を介し てそれぞれ第1及び第2の接合面の表面に強固 結合され、第1の官能基と第2の官能基とは カップリング剤との間のカップリング反応 よりそれぞれ形成された共有結合を介して 固に結合される。したがって、第1及び第2の 接合面を強固に接着することができる。
また、接着剤を用いないため、接合面に形成 された微細構造や光学特性を損なうことなく 接着を行うことができるので、例えば、バイ オケミカルチップや光学部品の接着に好適に 用いることができる。

 特に、請求の範囲第2項記載の接着方法に おいては、まず、カップリング剤を、第1の 合面上に形成された第1の膜化合物の被膜に 触させ、第1の官能基と第1のカップリング 応基とのカップリング反応により結合を形 させて、第1の膜化合物の被膜の表面にカッ リング剤の被膜を形成し、次いで、カップ ング剤の被膜が更に形成された第1の接合面 と第2の膜化合物の被膜が形成された第2の接 面とを圧着させ、第2の官能基と第2のカッ リング反応基とのカップリング反応により 合を形成させるので、接着前に余分なカッ リング剤を除去することができる。そのた 、接着後に余分なカップリング剤が溶出し り、変色を起こして光学特性を劣化させた するのを抑制することができる。

 請求の範囲第3項記載の接着方法において は、第1及び第2の官能基がエポキシ基を含む 能基であり、カップリング剤がイミダゾー 基を含む化合物であるので、比較的低温で 熱することにより、強固な結合を形成でき 。

 請求の範囲第4項記載の接着方法においては 、第1及び第2の表面結合基がアルコキシシリ 基であるので、表面官能基として、例えば 水酸基等の活性水素基を有する接合面上に 共有結合(シロキサン結合)を介して強固な 合を形成できる。
 請求の範囲第5項記載の接着方法においては 、工程Cにおいて、第1及び第2の部材を同じ温 度に加熱することにより、熱ひずみの発生を 抑制し、第1及び第2の接合面の接着時の寸法 度を向上させることができる。

 請求の範囲第6~8項記載のバイオケミカルチ プにおいては、第1及び第2の接合面上をそ ぞれ被覆している第1及び第2の膜化合物が、 共有結合を介してそれぞれ第1及び第2の接合 の表面に強固に結合しており、第1の官能基 と第2の官能基とは、カップリング剤との間 カップリング反応によりそれぞれ形成され 共有結合を介して強固に結合される。
 したがって、第1及び第2の接合面を強固に 着することができる。また、接着剤を用い ことなく接着を行っているため、接合面上 形成された、ミクロンスケールの溝状又は 状の流体流路を閉塞することなく作製する とができる。

 請求の範囲第7項記載のバイオケミカルチ ップにおいては、第1及び第2の官能基がエポ シ基を含む官能基であり、カップリング剤 イミダゾール基を含む化合物であるので、 較的低温で加熱することにより、強固な結 を形成できる。

 請求の範囲第8項記載のバイオケミカルチ ップにおいては、第1及び第2の膜化合物の被 がいずれも単分子膜であるので、接着時の 法精度を向上できる。

 請求の範囲第9~11項記載の光学部品におい ては、第1及び第2の接合面上をそれぞれ被覆 ている第1及び第2の膜化合物が、共有結合 介してそれぞれ第1及び第2の接合面の表面に 強固に結合しており、第1の官能基と第2の官 基とは、カップリング剤との間のカップリ グ反応によりそれぞれ形成された共有結合 介して強固に結合される。したがって、第1 及び第2の接合面を強固に接着することがで る。また、接着剤を用いることなく接着を っているため、接合面の光学特性を損なう となく作製することができる。

 請求の範囲第10項記載の光学部品におい は、第1及び第2の官能基がエポキシ基を含む 官能基であり、カップリング剤がイミダゾー ル基を含む化合物であるので、比較的低温で 加熱することにより、強固な結合を形成でき る。

 請求の範囲第11項記載の光学部品におい は、第1及び第2の膜化合物の被膜がいずれも 単分子膜であるので、接着時の寸法精度を向 上できる。

本発明の一実施の形態に係るバイオケ カルチップの断面の部分構造を模式的に表 た説明図である。 同バイオケミカルチップの製造方法に いて、第1の接合面上に第1の膜化合物の被 を形成する工程を説明するために、それぞ 、第1の膜化合物の被膜を形成する前及び形 した後の第1の基材の表面付近を分子レベル まで拡大した概念図である。 同バイオケミカルチップの製造方法に いて、第1の膜化合物の表面にカップリング 剤の被膜を形成する工程を説明するために、 それぞれ、カップリング剤の被膜を形成する 前及び形成した後の第1の基材の表面付近を 子レベルまで拡大した概念図である。

 以下、図面を参照しながら、本発明を具 化した実施の形態について説明し、本発明 理解に供する。ここで、図1は本発明の一実 施の形態に係るバイオケミカルチップの断面 の部分構造を模式的に表した説明図であり、 図2は同バイオケミカルチップの製造方法に いて、第1の接合面上に第1の膜化合物の被膜 を形成する工程を説明するために、それぞれ 、第1の膜化合物の被膜を形成する前及び形 した後の第1の基材の表面付近を分子レベル で拡大した概念図であり、図3は同バイオケ ミカルチップの製造方法において、第1の膜 合物の表面にカップリング剤の被膜を形成 る工程を説明するために、それぞれ、カッ リング剤の被膜を形成する前及び形成した の第1の基材の表面付近を分子レベルまで拡 した概念図である。

 図1~図3に示すように、本発明の一実施の 態に係るバイオケミカルチップ10は、第1の 材(第1の部材の一例)21と第2の基材22(第2の部 材の一例)22とを有し、第1の基材21の第1の接 面11の表面には、分子の一端にエポキシ基( 1の官能基の一例)を有し、他端で第1の接合 11に結合した第1の膜化合物の被膜の一例で る単分子膜13が形成され、第2の基材22の第2 接合面12の表面には、分子の一端にエポキシ 基(第2の官能基の一例)を有し、他端で第2の 合面12に結合した第2の膜化合物の被膜の一 である単分子膜14が形成され、第1の膜化合 の単分子膜13上のエポキシ基と、第2の膜化 物の単分子膜14上のエポキシ基とは、エポキ シ基とカップリング反応して結合を形成する アミノ基及びイミノ基(第1及び第2のカップリ ング反応基の一例)を1つずつ分子内に有する2 -メチルイミダゾール(カップリング剤の一例) と、エポキシ基とのカップリング反応により 形成された結合を介して互いに結合しており 、このようにして形成された結合を介して第 1の接合面11と第2の接合面12とが接着されてい る。

 バイオケミカルチップ10は、第1の基材21 第1の接合面11上に、エポキシ基及びアルコ シシリル基(第1の表面結合基の一例)を分子 両端にそれぞれ有する第1の膜化合物を接触 せ、アルコキシシリル基と水酸基(第1の接 面11の表面官能基の一例)23との間で形成され た結合を介して第1の膜化合物の単分子膜13を 形成する工程A(図2参照)と、第2の基材22の第2 接合面12上に、工程Aと同様の方法により、 ルコキシシリル基と水酸基(第2の接合面12の 表面官能基の一例)との間で形成された結合 介して第2の膜化合物の単分子膜14を形成す 工程Bと、まず、2-メチルイミダゾールを第1 膜化合物の単分子膜13に接触させ、エポキ 基と2-メチルイミダゾールのアミノ基とのカ ップリング反応により結合を形成させて、第 1の膜化合物の単分子膜13の表面に2-メチルイ ダゾール誘導体の単分子膜(カップリング剤 の被膜の一例)15を形成し、次いで、2-メチル ミダゾール誘導体の単分子膜15が更に形成 れた第1の接合面11と第2の膜化合物の単分子 14が形成された第2の接合面12とを圧着させ エポキシ基と2-メチルイミダゾールのイミノ 基とのカップリング反応により結合を形成さ せる工程Cとを有する接着方法を用いて製造 れる。

 以下、工程A~Cについてより詳細に説明する
 工程Aでは、エポキシ基を有する第1の膜化 物を、ガラス製の第1の基材21の第1の接合面1 1と接触させ、第1の接合面11の表面にエポキ 基を有する第1の膜化合物の単分子膜13を形 する(図2参照)。なお、用いることのできる 1の基材21の大きさ及び形状に特に制限はな が、第1の接合面11は、表面粗さが1μm以下、 ましくは100nm以下の鏡面仕上げにしておく とが好ましい。

 エポキシ基を有する第1の膜化合物として は、第1の基材21の表面に吸着又は結合し、自 己組織化により単分子膜を形成することので きる任意の化合物を用いることができるが、 直鎖状アルキレン基の一方の末端にエポキシ 基(オキシラン環)を含む官能基を、他方の末 にアルコキシシリル基をそれぞれ有し、下 の一般式(化1)で表されるアルコキシシラン 合物が好ましい。

 上式において、Eはエポキシ基を有する官能 基を、mは3~20の整数を、Rは炭素数1~4のアルキ ル基をそれぞれ表す。
 用いることのできるエポキシ基を有する第1 の膜化合物の具体例としては、下記(1)~(12)に したアルコキシシラン化合物が挙げられる
 接合面の表面粗さが大きい場合には、分子 長の大きな膜化合物を用いることが好まし 。

(1) (CH 2 OCH)CH 2 O(CH 2 ) 3 Si(OCH 3 ) 3
(2) (CH 2 OCH)CH 2 O(CH 2 ) 7 Si(OCH 3 ) 3
(3) (CH 2 OCH)CH 2 O(CH 2 ) 11 Si(OCH 3 ) 3
(4) (CH 2 CHOCH(CH 2 ) 2 )CH(CH 2 ) 2 Si(OCH 3 ) 3
(5) (CH 2 CHOCH(CH 2 ) 2 )CH(CH 2 ) 4 Si(OCH 3 ) 3
(6) (CH 2 CHOCH(CH 2 ) 2 )CH(CH 2 ) 6 Si(OCH 3 ) 3
(7) (CH 2 OCH)CH 2 O(CH 2 ) 3 Si(OC 2 H 5 ) 3
(8) (CH 2 OCH)CH 2 O(CH 2 ) 7 Si(OC 2 H 5 ) 3
(9) (CH 2 OCH)CH 2 O(CH 2 ) 11 Si(OC 2 H 5 ) 3
(10) (CH 2 CHOCH(CH 2 ) 2 )CH(CH 2 ) 2 Si(OC 2 H 5 ) 3
(11) (CH 2 CHOCH(CH 2 ) 2 )CH(CH 2 ) 4 Si(OC 2 H 5 ) 3
(12) (CH 2 CHOCH(CH 2 ) 2 )CH(CH 2 ) 6 Si(OC 2 H 5 ) 3

 ここで、(CH 2 OCH)CH 2 O-基は、化2で表される官能基(グリシジルオ シ基)を表し、(CH 2 CHOCH(CH 2 ) 2 )CH-基は、化3で表される官能基(3,4-エポキシ クロヘキシル基)を表す。

 第1の膜化合物の単分子膜13の形成は、エ キシ基を含むアルコキシシラン化合物と、 ルコキシシリル基と第1の基材21の表面の水 基23との縮合反応を促進するための縮合触 と、非水系の有機溶媒とを混合した反応液 第1の基材21の表面に塗布し、室温の空気中 反応させることにより行われる。塗布は、 クターブレード法、ディップコート法、ス ンコート法、スプレー法、スクリーン印刷 、インクジェット印刷法等の任意の方法に り行うことができる。

 縮合触媒としては、カルボン酸金属塩、カ ボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩 リマー、カルボン酸金属塩キレート、チタ 酸エステル及びチタン酸エステルキレート の金属塩が利用可能である。
 縮合触媒の添加量は、好ましくはアルコキ シラン化合物の0.2~5質量%であり、より好ま くは0.5~1質量%である。

 カルボン酸金属塩の具体例としては、酢 第1スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブ チルスズジオクテート、ジブチルスズジアセ テート、ジオクチルスズジラウレート、ジオ クチルスズジオクテート、ジオクチルスズジ アセテート、ジオクタン酸第1スズ、ナフテ 酸鉛、ナフテン酸コバルト、2-エチルヘキセ ン酸鉄が挙げられる。

 カルボン酸エステル金属塩の具体例として 、ジオクチルスズビスオクチルチオグリコ ル酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン エステル塩が挙げられる。
 カルボン酸金属塩ポリマーの具体例として 、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジ チルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマ が挙げられる。
 カルボン酸金属塩キレートの具体例として 、ジブチルスズビスアセチルアセテート、 オクチルスズビスアセチルラウレートが挙 られる。

 チタン酸エステルの具体例としては、テト ブチルチタネート、テトラノニルチタネー が挙げられる。
 チタン酸エステルキレート類の具体例とし は、ビス(アセチルアセトニル)ジ-プロピル タネートが挙げられる。

 アルコキシシリル基と第1の基材21の表面 水酸基23とが縮合反応を起こし、下記の化4 示されるような構造を有するエポキシ基を する第1の膜化合物の単分子膜23を生成する なお、酸素原子から延びた3本の単結合は第 1の基材21の表面又は隣接するシラン化合物の ケイ素(Si)原子と結合しており、そのうち少 くとも1本は第1の基材21の表面のケイ素原子 結合している。

 アルコキシシリル基は、水分の存在下で分 するので、反応は相対湿度45%以下の空気中 行うことが好ましい。なお、縮合反応は、 1の基材21の表面に付着した油脂分や水分に り阻害されるので、第1の基材21をよく洗浄 て乾燥することにより、これらの不純物を め除去しておくことが好ましい。
 縮合触媒として上述の金属塩のいずれかを いた場合、縮合反応の完了までに要する時 は2時間程度である。

 上述の金属塩の代わりに、ケチミン化合 、有機酸、アルジミン化合物、エナミン化 物、オキサゾリジン化合物、アミノアルキ アルコキシシラン化合物からなる群より選 される1又は2以上の化合物を縮合触媒とし 用いた場合、反応時間を1/2~2/3程度まで短縮 きる。

 あるいは、これらの化合物を助触媒とし 、上述の金属塩と混合(質量比1:9~9:1の範囲 使用可能だが、1:1前後が好ましい)して用い と、反応時間を更に短縮できる。

 例えば、縮合触媒として、カルボン酸金 塩キレートであるジブチルスズビスアセチ アセテートの代わりにケチミン化合物であ ジャパンエポキシレジン社のH3を用い、そ 他の条件は同一にして第1の膜化合物の単分 膜13の形成を行うと、第1の基材21の品質を なうことなく反応時間を1時間程度にまで短 できる。

 更に、縮合触媒として、ジャパンエポキ レジン社のH3とジブチルスズビスアセチル セトネートとの混合物(混合比は1:1)を用い、 その他の条件は同一にして第1の膜化合物の 分子膜13の形成を行うと、反応時間を20分程 に短縮できる。

 なお、ここで用いることができるケチミ 化合物は特に限定されるものではないが、 えば、2,5,8-トリアザ-1,8-ノナジエン、3,11-ジ メチル-4,7,10-トリアザ-3,10-トリデカジエン、2 ,10-ジメチル-3,6,9-トリアザ-2,9-ウンデカジエ 、2,4,12,14-テトラメチル-5,8,11-トリアザ-4,11- ンタデカジエン、2,4,15,17-テトラメチル-5,8,11 ,14-テトラアザ-4,14-オクタデカジエン、2,4,20,2 2-テトラメチル-5,12,19-トリアザ-4,19-トリエイ サジエン等が挙げられる。

 また、用いることができる有機酸として 特に限定されるものではないが、例えば、 酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、マロン酸 が挙げられる。

 反応液の製造には、有機塩素系溶媒、炭 水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒、シリコー 系溶媒、及びこれらの混合溶媒を用いるこ ができる。アルコキシシラン化合物の加水 解を防止するために、乾燥剤又は蒸留によ 使用する溶媒から水分を除去しておくこと 好ましい。また、溶媒の沸点は50~250℃であ ことが好ましい。

 具体的に使用可能な溶媒としては、非水系 石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エー ル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノル ルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、 ナン、デカン、灯油、ジメチルシリコーン フェニルシリコーン、アルキル変性シリコ ン、ポリエーテルシリコーン、ジメチルホ ムアミド等を挙げることができる。
 更に、メタノール、エタノール、プロパノ ル等のアルコール系溶媒、あるいはそれら 混合物を用いることもできる。

 また、用いることができるフッ化炭素系 媒としては、フロン系溶媒、フロリナート( 米国3M社製)、アフルード(旭硝子株式会社製) がある。なお、これらは1種単独で用いても 良いし、良く混ざるものなら2種以上を組み わせてもよい。更に、ジクロロメタン、ク ロホルム等の有機塩素系溶媒を添加しても い。

 反応液におけるアルコキシシラン化合物 好ましい濃度は、0.5~3質量%である。

 反応後、溶媒で洗浄し、未反応物として 面に残った過剰なアルコキシシラン化合物 び縮合触媒を除去すると、第1の接合面11の 面に第1の膜化合物の単分子膜13が形成され 。このようにして表面に第1の膜化合物の単 分子膜13が形成された第1の接合面11の表面付 の模式図を図2に示す。

 洗浄溶媒としては、アルコキシシラン化 物を溶解できる任意の溶媒を用いることが きるが、安価であり、溶解性が高く、風乾 より容易に除去することのできるジクロロ タン、クロロホルム、N-メチルピロリドン が好ましい。

 反応後、溶媒で洗浄せずに空気中に放置 ると、表面に残ったアルコキシシラン化合 の一部が空気中の水分により加水分解を受 、生成したシラノール基がアルコキシシリ 基と縮合反応を起こす。その結果、第1の接 合面11の表面にポリシロキサンよりなる極薄 ポリマー膜が形成される。このポリマー膜 、第1の接合面11の表面に共有結合により必 しも完全に固定されているわけではないが エポキシ基を含んでいるため、第1の膜化合 物の単分子膜13と同様の反応性を有している そのため、洗浄を行わなくても、以降の製 工程に特に支障をきたすことはない。

 なお、本実施の形態においては、エポキ 基を有するアルコキシシラン化合物を用い が、直鎖状アルキレン基の一方の末端にア ノ基を、他方の末端にアルコキシシリル基 それぞれ有し、下記の一般式(化5)で表され アルコキシシラン化合物を用いてもよい。

 上式において、mは3~20の整数を、Rは炭素数1 ~4のアルキル基をそれぞれ表す。
用いることのできるアミノ基を有する膜化合 物の具体例としては、下記(21)~(28)に示したア ルコキシシラン化合物が挙げられる。

(21) H 2 N(CH 2 ) 3 Si(OCH 3 ) 3
(22) H 2 N(CH 2 ) 5 Si(OCH 3 ) 3
(23) H 2 N(CH 2 ) 7 Si(OCH 3 ) 3
(24) H 2 N(CH 2 ) 9 Si(OCH 3 ) 3
(25) H 2 N(CH 2 ) 5 Si(OC 2 H 5 ) 3
(26) H 2 N(CH 2 ) 5 Si(OC 2 H 5 ) 3
(27) H 2 N(CH 2 ) 7 Si(OC 2 H 5 ) 3
(28) H 2 N(CH 2 ) 9 Si(OC 2 H 5 ) 3

 反応液において用いることのできる縮合触 のうち、スズ(Sn)塩を含む化合物は、アミノ 基と反応して沈殿を生成するため、アミノ基 を有するアルコキシシラン化合物に対しては 縮合触媒として用いることができない。
 したがって、アミノ基を有するアルコキシ ラン化合物を用いる場合には、カルボン酸 ズ塩、カルボン酸エステルスズ塩、カルボ 酸スズ塩ポリマー、カルボン酸スズ塩キレ トを除き、エポキシ基を有するアルコキシ ラン化合物の場合と同様の化合物を単独で は2種類以上を混合して縮合触媒として用い ることができる。
 用いることのできる助触媒の種類及びそれ の組み合わせ、溶媒の種類、アルコキシシ ン化合物、縮合触媒、及び助触媒の濃度、 応条件並びに反応時間についてはエポキシ を有するアルコキシシラン化合物の場合と 様であるので、説明を省略する。

 なお、本実施の形態では、第1の基材の材料 としてガラスを用いたが、アルミニウム等の 金属、セラミックス、アクリル系樹脂、ポリ カーボネート等の合成樹脂を用いることもで きる。
 基材材料の表面に水酸基、アミノ基等の活 水素基を有する場合には、ガラスの場合と 様に、膜化合物としてアルコキシシラン化 物を用いることができる。この様な基材の 体例としては、アルミニウム等の金属、セ ミックス等が挙げられる。
 基材材料として合成樹脂を用いる場合には プラズマ処理等により活性水素基を有する 合物をグラフトする等の処理を行うことに り、膜化合物としてアルコキシシラン化合 を用いることができる場合がある。

 図1では、第1の基材の全面にエポキシ基を する膜化合物の単分子膜が形成されている 合の模式図を示したが、スクリーン印刷法 インクジェット印刷法等を用いて第1の接合 上にのみ選択的に反応液を塗布することも きる。この場合、溶液の流路の部分には単 子膜が形成されないので、単分子膜の有す 官能基やカップリング反応基と反応する化 物を用いる場合にも、本発明に係るバイオ ミカルチップを好適に使用することができ 。
(以上工程A)

 工程Bでは、エポキシ基を有する第2の膜化 物を、ガラス製の第2の基材22の第2の接合面1 2と接触させ、第2の接合面12の表面にエポキ 基を有する第2の膜化合物の単分子膜14を形 する(図2参照)。用いることができる膜化合 、反応条件等については工程Aと同様である で、詳しい説明を省略する。
(以上工程B)

 工程Cでは、まず、2-メチルイミダゾール 第1の膜化合物の単分子膜13に接触させ、エ キシ基と2-メチルイミダゾールのアミノ基 のカップリング反応により結合を形成させ 、第1の膜化合物の単分子膜13の表面に2-メチ ルイミダゾール誘導体の単分子膜15を形成し( 図3参照)、次いで、2-メチルイミダゾール誘 体の単分子膜15が更に形成された第1の接合 11と第2の膜化合物の単分子膜14が形成された 第2の接合面12とを圧着させ、エポキシ基と2- チルイミダゾールのイミノ基とのカップリ グ反応により結合を形成させる。

 2-メチルイミダゾールはエポキシ基と反 するアミノ基及びイミノ基をそれぞれ1-位及 び3-位に有しており、下記の化6に示すような カップリング反応により結合を形成する。

 2-メチルイミダゾール誘導体の単分子膜15の 形成は、2-メチルイミダゾールと溶媒とを混 した反応液を第1の接合面11に形成された第1 の膜化合物の単分子膜13に塗布し、加熱して 応させることにより行われる。塗布は、ド ターブレード法、ディップコート法、スピ コート法、スプレー法、スクリーン印刷法 の任意の方法により行うことができる。
 反応液の製造には、2-メチルイミダゾール 可溶な任意の溶媒を用いることができるが 価格、室温での揮発性、及び毒性等を考慮 ると、イソプロピルアルコール、エタノー 等の低級アルコール系溶媒が好ましい。
 2-メチルイミダゾールの添加量、塗布する 液の濃度、反応温度及び反応時間は、用い 基材の材質、膜化合物の種類等に応じて適 調節される。

 反応後、溶媒で洗浄し、未反応物として 面に残った余分な2-メチルイミダゾールを 去すると、第1の膜化合物の単分子膜13の表 に2-メチルイミダゾール誘導体の単分子膜15 更に形成される(図3参照)。

 このようにして得られた、2-メチルイミダ ール誘導体の単分子膜15が更に形成された第 1の接合面11と第2の膜化合物の単分子膜14が形 成された第2の接合面12とを圧着し加熱すると 、第2の接合面12上に形成された第2の膜化合 の単分子膜14上のエポキシ基と、第1の接合 11を覆う2-メチルイミダゾール誘導対中のイ ノ基とのカップリング反応により形成され 結合を介して、第1の接合面11と第2の接合面 12とが接着され、バイオケミカルチップ10が られる(図1参照)。
 加熱温度は、50~150℃が好ましい。加熱温度 50℃未満だと、カップリング反応の進行に 時間を要し、150℃を上回ると、寸法精度が 下する等の問題が発生する。
また、第1の基材21と第2基材22とを同じ温度で 加熱しながら接着を行うと、接着後の熱ひず みの発生を抑制し、寸法精度を向上すること ができる。

 なお、本実施の形態においては、カップ ング剤として2-メチルイミダゾールを用い が、下記化7で表される任意のイミダゾール 導体を用いることができる。

 化7で表されるイミダゾール誘導体の具体例 としては、下記(31)~(38)に示すものが挙げられ る。
(31) 2-メチルイミダゾール(R 2 =Me、R 4 =R 5 =H)
(32) 2-ウンデシルイミダゾール(R 2 =C 11 H 23 、R 4 =R 5 =H)
(33) 2-ペンタデシルイミダゾール(R 2 =C 15 H 31 、R 4 =R 5 =H)
(34) 2-メチル-4-エチルイミダゾール(R 2 =Me、R 4 =Et、R 5 =H)
(35) 2-フェニルイミダゾール(R 2 =Ph、R 4 =R 5 =H)
(36) 2-フェニル-4-エチルイミダゾール(R 2 =Ph、R 4 =Et、R 5 =H)
(37) 2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチル ミダゾール(R 2 =Ph、R 4 =Me、R 5 =CH 2 OH)
(38) 2-フェニル-4,5-ビス(ヒドロキシメチル)イ ミダゾール(R 2 =Ph、R 4 =R 5 =CH 2 OH)
 なお、Me、Et、及びPhは、それぞれメチル基 エチル基、及びフェニル基を表す。

 また、イミダゾール誘導体以外では、メ ミン、イソシアヌル酸、トリアジン、バル ツール酸、パラバン酸、ウラシル、チミン の2個以上の窒素を含む複素環化合物を用い ることができる。更に、イミダゾール-金属 体を用いてもよい。

 また、エポキシ樹脂の硬化剤として用い れる無水フタル酸、無水マレイン酸等の酸 水物、ジシアンジアミド、ノボラック等の ェノール誘導体等の化合物をカップリング として用いてもよい。この場合、カップリ グ反応を促進するためにイミダゾール誘導 を触媒として用いてもよい。

 なお、本実施の形態においては官能基とし エポキシ基を有する膜化合物を用いた場合 ついて説明しているが、官能基としてアミ 基又はイミノ基を有する膜化合物を用いる 合には、カップリング反応基として2もしく は3以上のエポキシ基又は2もしくは3以上のイ ソシアネート基を有するカップリング剤を用 いる。
 カップリング剤として例えば、エポキシ基 びイソシアネート基を用いた場合、それぞ 下記の化8及び化9に示すようなカップリン 反応が起こる。

 イソシアネート基を有する化合物の具体例 しては、p-フェニレンジイソシアネート、 キサメチレン-1,6-ジイソシアネート、トルエ ン-2,6-ジイソシアネート、トルエン-2,4-ジイ シアネート等が挙げられる。
 これらのジイソシアネート化合物の添加量 、2-メチルイミダゾールの場合と同様にし 適宜調節される。この場合、反応液の製造 用いることのできる溶媒としては、キシレ 等の芳香族有機溶媒が挙げられる。
 また、アミノ基を有する膜化合物を用いる 合には、カップリング剤としては、エチレ グリコールジグリシジルエーテル等の2又は 3以上のエポキシ基を有する化合物を用いる ともできる。

 なお、本実施の形態では、2-メチルイミダ ールの被膜を予め形成させてから接着を行 たが、第1及び第2の膜化合物の単分子膜の一 方又は双方に2-メチルイミダゾールの溶液を 布後、両者を圧着して接着を行うこともで る。
(以上工程C)

 なお、ここではバイオケミカルチップ及 その製造方法について説明したが、光学部 についても同様の方法を用いて製造するこ ができるので、詳細な説明は省略する。

 以下、本発明の効果を確認するために行 た実施例について説明するが、本願発明は これら実施例によって何ら制限されるもの はない。本実施例においては、代表例とし ガラス製基材を用いたバイオケミカルチッ 及びレンズの製造について説明する。

(実施例1:バイオケミカルチップの製造)
(1)バイオケミカルチップ基板の接合面上への エポキシ基を有する膜化合物の単分子膜の形 成
 1対のガラス製のバイオケミカルチップ基板 (一方の基板上には、フォトリソグラフィー びウェットエッチングにより、チャネル幅10 ~100μm、深さ50μm程度の流路が形成されている )を用意し、よく洗浄して乾燥した。
 3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシ ラン(化10、信越化学工業株式会社製)0.99重量 部、及びジブチルスズビスアセチルアセトナ ート(縮合触媒)0.01重量部を秤量し、これを100 重量部のヘキサメチルジシロキサンに溶解し 、反応液を調製した。

 このようにして得られた反応液を双方の 板の接合面に塗布し、空気中(相対湿度45%) 2時間程度反応させた。その後、クロロホル で洗浄し、過剰なアルコキシシラン化合物 びジブチルスズビスアセチルアセトナート 除去すると、接合面の全面に亘り、エポキ 基を有する膜化合物の単分子膜(厚さ約1ナ メートル)が形成された。

(2)2-メチルイミダゾール誘導体の単分子膜の 成
 (1)で単分子膜を形成したエポキシ化バイオ ミカルチップ基板の一方に、アルコールで 解した2-メチルイミダゾールを塗布し50~100 で加熱反応させた後、エタノールで洗浄す と、膜化合物の単分子膜の表面に、更に2-メ チルイミダゾール誘導体の単分子膜が形成さ れた。

(3)バイオケミカルチップ基板との接着
 (1)でエポキシ基を有する膜化合物の単分子 を形成したバイオケミカルチップ基板と、( 2)で2-メチルイミダゾール誘導体の単分子膜 形成したバイオケミカルチップ基板とを予 150℃で加熱し、両者を接合面側で合わせて 着後、150℃で加熱すると、バイオケミカル ップが得られた。

(実施例2:接合レンズの製造)
 接合レンズ用の2枚のレンズを用いて、実施 例1と同様の方法によって接合レンズの接着 行った。得られた接合レンズについて、変 、視野の歪み、収差、干渉縞等は観測され かった。

符号の説明

10:バイオケミカルチップ、11:第1の接合面 12:第2の接合面、13:第1の膜化合物の単分子膜 、14:第2の膜化合物の単分子膜、15:2-メチルイ ミダゾール誘導体の単分子膜、21:第1の基材 22:第2の基材、23:水酸基