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Patent Searching and Data


Title:
BOOT FIXING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/016813
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a boot fixing method capable of retaining a high sealing property at boot fixing portions without inviting any cost increase. The boot fixing method fits cylindrical boot fixing portions (12 and 13), which are disposed at the end portions of a boot (11) made of a resin, on the outer circumferences of a mating member (1), and applies fastening forces to boot bands (15 and 16) disposed around the outer circumferences of the boot fixing portions (12 and 13), thereby to fix the boot fixing portions (12 and 13) on the outer circumferences of the mating member (1). Induction currents are generated in the boot bands (15 and 16) by arranging coils (17) around the outer circumferences of the boot bands (15 and 16) and by feeding electric currents to the coil (17). Between the coils (17) and the boot bands (15 and 16), therefore, there are generated reactions of magnetic fields, by which the boot bands (15 and 16) are plastically deformed to radially reduced states, thereby to fix the boot fixing portions (12 and 13) on the outer circumferences of the mating member (1).

Inventors:
NAKAGAWA NAOKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001990
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
NAKAGAWA NAOKI (JP)
International Classes:
F16J3/04; F16D3/84; F16J15/52
Foreign References:
JPH02168024A1990-06-28
JPH08309925A1996-11-26
JP2004011759A2004-01-15
JPH07145863A1995-06-06
Other References:
See also references of EP 2175177A4
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMOTO, Shuji et al. (10-2 Edobori 1-chome, Nishi-ku, Osaka-sh, Osaka 02, JP)
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Claims:
 樹脂製のブーツの端部に設けられた筒状のブーツ固定部を相手部材の外周に嵌合させ、前記ブーツ固定部の外周に設けたブーツバンドに締め付け力を与えることにより、前記ブーツ固定部を相手部材の外周に固定するブーツ固定方法であって、
 前記ブーツバンドの外周に前記ブーツバンドに磁気反発力を付加する磁気発生装置を配置し、前記磁気反発力によりブーツバンドを縮径状態に塑性変形させることにより前記ブーツ固定部を前記相手部材の外周に固定するブーツ固定方法。
 請求項1において、前記磁気発生装置をコイルにより形成し、このコイルに電流を流すことで前記ブーツバンドに誘導電流を発生させ、前記コイルとブーツバンド間に磁気反発力を発生させるブーツ固定方法。
 請求項1において、前記相手部材が、等速自在継手における互いに回転伝達可能に接続された内輪および外輪のうちの前記内輪の内周に嵌合したシャフト、および前記外輪のうちのいずれか一方または両方であるブーツ固定方法。
 請求項1において、前記ブーツバンドが、外周面が全体に渡って平坦な断面形状の円環状であるブーツ固定方法。
 請求項1において、前記ブーツバンドの材質が、アルミニウムまたはステンレス鋼であるブーツ固定方法。
 請求項1において、前記ブーツバンドの肉厚を3mm以下としたブーツ固定方法。
 互いに回転伝達可能に接続された内輪および外輪を有し、前記内輪にシャフトが嵌合した等速自在継手であって、前記シャフトの前記内輪の近傍部に樹脂製のブーツが被せられ、このブーツの両側の端部に設けられた筒状のブーツ固定部が前記シャフトの外周および前記外輪の外周に嵌合し、これらブーツ固定部の外周に設けたブーツバンドにより前記各ブーツ固定部を前記シャフトの外周および前記外輪の外周に締め付け固定し、両側のブーツ固定部のうちいずれか一方または両方が、請求項1に記載の方法による磁気反発力によりブーツバンドを縮径状態に塑性変形させることで、前記シャフトの外周または前記外輪の外周に締め付け固定した等速自在継手。
Description:
ブーツ固定方法 関連出願

 本出願は、2007年7月31日出願の特願2007-1983 36、2007年8月28日出願の特願2007-221084の優先権 主張するものであり、その全体を参照によ 本願の一部をなすものとして引用する。

 この発明は、自動車の駆動軸や各種産業 械に用いられる相手部材、例えば、等速自 継手等に取り付けられる樹脂製のブーツの 定方法に関する。

 自動車の等速自在継手においては、その 手内部への塵埃などの異物の侵入防止や、 手内部に封入されたグリースの漏洩防止を 的として、筒状の樹脂製ブーツが装着され 。このブーツの等速自在継手への固定は、 ーツの両端の環状固定部を等速自在継手の 輪と内輪シャフトとに嵌合させ、これら環 固定部の外径側から金属製のブーツバンド 締め付けることにより行なわれるが、上記 たシール性を確保するためには、所定の締 代で精度良く締め付ける必要がある。等速 在継手では、その機能上から、特にアウト ード側の作動角をインボード側に比べて大 くとることが必要であるため、アウトボー 側における外輪でのブーツ固定箇所におい グリースの漏洩が起こり易い。

 そこで、等速自在継手の外輪へのブーツ固 部の固定において、そのブーツ固定部の外 と内周とに、それぞれ周方向に延びる環状 部を一体に設け、その内周の環状凸部を外 の外周に設けた周方向に延びる環状係合溝 係合させるとともに、ブーツ固定部の外周 からブーツバンドを締め付ける方法が提案 れている(例えば特許文献1)。この固定方法 よると、ブーツ固定部の外周の環状凸部が ーツバンドの締め付け力によって内周側に 迫されるので、ブーツ固定部の内周の環状 部が弾性変形を起こし、その内周側が外輪 係合溝側に変位して強く係合密着する。

特開平07-145863号公報

 しかし、上記したブーツ固定方法の場合 ブーツ固定部の形状が複雑になることから コスト増を招くという問題がある。また、 速自在継手の外輪側ではスペースに制約が ることから、ブーツ固定部の外周に環状凸 を形成するのでは設計に無理が生じやすく 車両走行中に前記環状凸部に石などの硬化 が衝突した場合、締め付け力が低下してシ ル性を損なうなどの問題もある。

 この発明の目的は、コスト増を招くこと く、ブーツ固定箇所の高いシール性を確保 きるブーツ固定方法を提供することである

 この発明のブーツ固定方法は、樹脂製のブ ツの端部に設けられた筒状のブーツ固定部 相手部材の外周に嵌合させ、前記ブーツ固 部の外周に設けたブーツバンドに締め付け を与えることにより、前記ブーツ固定部を 手部材の外周に固定するブーツ固定方法で って、前記ブーツバンドの外周に前記ブー バンドに磁気反発力を付加する磁気発生装 を配置し、前記磁気反発力によりブーツバ ドを縮径状態に塑性変形させることにより 記ブーツ固定部を前記相手部材の外周に固 する。
 この構成によると、磁気発生装置による磁 反発力を利用するので、ブーツ固定部と相 部材の外周の全体に均一に押圧力を加える とができ、ブーツ固定部の固定箇所での高 シール性を確保することができる。また、 来例の場合のように、ブーツ固定部を複雑 形状とする必要がないので、コスト増を招 こともない。

 この発明において、前記磁気発生装置を イルにより形成し、このコイルに電流を流 ことで前記ブーツバンドに誘導電流を発生 せ、前記コイルとブーツバンド間に磁気反 力を発生させるようにしてもよい。このよ にすれば、簡単な構造で固定することがで る。

 この発明において、前記相手部材が、等速 在継手における互いに回転伝達可能に接続 れた内輪および外輪のうちの前記内輪の内 に嵌合したシャフト、および前記外輪のう のいずれか一方または両方であっても良い
 等速自在継手においては、その継手内部へ 塵埃などの異物の侵入防止や、継手内部に 入されたグリースの漏洩防止を目的として 筒状の樹脂製ブーツが装着される。ブーツ 両端のブーツ固定部を等速自在継手の外輪 内輪シャフトとに固定するのに、上記ブー 固定方法を適用すると、前記シール性を確 できるので、継手内部への塵埃の侵入や継 内部からのグリースの漏洩を防止できる。

 この発明において、前記ブーツバンドは 外周面が全体に渡って平坦な断面形状の円 状であっても良い。この構成の場合、ブー バンドが簡素な形状となるので、等速自在 手の外輪へのブーツ固定部の固定において 、スペースの余裕がない外輪の周囲に広い ペースを確保できる。

 この発明において、前記ブーツバンドの 質は、アルミニウムまたはステンレス鋼と ることができる。

 この発明において、前記ブーツバンドの 厚を3mm以下としても良い。ブーツバンドの 厚を3mm以下とすると、磁場の反力により塑 変形させる作用を得やすい。

 この発明の等速自在継手は、互いに回転伝 可能に接続された内輪および外輪を有し、 記内輪にシャフトが嵌合した等速自在継手 あって、前記シャフトの前記内輪の近傍部 樹脂製のブーツが被せられ、このブーツの 側の端部に設けられた筒状のブーツ固定部 前記シャフトの外周および前記外輪の外周 嵌合し、これらブーツ固定部の外周に設け ブーツバンドにより前記各ブーツ固定部を 記シャフトの外周および前記外輪の外周に め付け固定し、両側のブーツ固定部のうち ずれか一方または両方を、ブーツバンドに 加される磁気反発力によりブーツバンドを 径状態に塑性変形させることで、前記シャ トの外周または前記外輪の外周に締め付け 定する。
 この構成によると、ブーツ固定部の固定箇 でのシール性を確保でき、継手内部への塵 の侵入や軸受内部からのグリースの漏洩を 止できる。

 この発明は、添付の図面を参考にした以下 好適な実施形態の説明からより明瞭に理解 れるであろう。しかしながら、実施形態お び図面は単なる例示および説明のためのも であり、この発明の範囲は添付の特許請求 範囲によって定まる。添付図面において、 数の図面における同一の部品番号は、同一 分を示す。
この発明のブーツ固定方法の実施形態 示し、(A)はブーツ固定前の状態を示し、(B) ブーツ固定完了の状態を示す。 同ブーツ固定方法においてコイルに電 を流したときに磁場の反力が生じる作用を 式的に示した説明図である。 本発明のブーツ固定方法の応用例を適 した等速自在継手を示す断面図である。 図3に示す応用例において、高周波誘導 による接合法を説明する断面図である。 本発明のブーツ固定方法の別の応用例 適用した等速自在継手を示す断面図である

 この発明の実施形態を図1および図2と共に 明する。等速自在継手1は固定式のものであ 、外輪2、内輪3、内輪シャフト4、トルク伝 用の転動体であるボール5、およびボール5 保持するケージ6からなる。外輪2は、図1に すカップ部とステム部(図示せず)とで構成さ れる。外輪2のカップ部内面は球形とされ、 の球形内面には複数(6または8)のトラック溝7 が軸方向に形成されている。内輪3の外面は 形とされ、その球形外面にも複数(6または8) トラック溝8が形成されている。これら各外 輪トラック溝7と内輪トラック溝8との間に複 (6または8)のボール5がそれぞれ組み込まれ 。
 内輪3は内周にセレーションまたはスプライ ン等の凹凸部を有する中央孔9を備え、この 央孔9に内輪シャフト4の一端部がトルク伝達 可能に嵌合している。このシャフト4は、そ 先端部の外周面に形成された嵌合溝27に嵌合 されるサークリップ25で抜け止めされている ケージ6は、各ボール5を同一平面内に保持 る部材であり、周方向の複数箇所に設けら たポケット6a内にボール5が保持されて、外 トラック溝7に一部が収納され、内輪トラッ 溝8内に他の一部が収納されて、外輪2に対 る内輪3の揺動を可能にしながら、外輪2と内 輪3とを、ボール5によって回転連結している なお、内輪シャフト4は内輪3と一体に形成 れたものであっても良い。

 前記等速自在継手1には、その継手内部への 塵埃などの異物の侵入防止や、継手内部に封 入されたグリースの漏洩防止を目的として、 筒状の樹脂製のブーツ11が装着される。ブー 11は樽形であり、開口したブーツ固定部12,13 の間が蛇腹部14により接続されて外輪2と、内 輪3に連結されたシャフト4とに装着されてい 。
 この実施形態のブーツ固定方法は、樹脂製 ブーツ11の両端部に設けられた筒状のブー 固定部12,13を、相手部材である前記等速自在 継手1の外周に嵌合させ、前記各ブーツ固定 12,13の外周に設けたブーツバンド15,16に締め け力を与えることにより、ブーツ固定部12,1 3を等速自在継手1の外周に固定するものであ 。

 図1(A)のように、樹脂製のブーツ11は、両 の筒状のブーツ固定部12,13を蛇腹部14で繋い だ一体品とされ、大径とされた一端のブーツ 固定部12が等速自在継手1の外輪2の外周に嵌 し、小径とされた他端のブーツ固定部13が等 速自在継手1の内輪シャフト4の外周に嵌合す 。これにより、内輪シャフト4における内輪 3の近傍部に樹脂製のブーツ11が被せられる。

 前記各ブーツ固定部12,13の外周には、そ ぞれ金属製のブーツバンド15,16が配置される 。この場合の配置は、緩やかな締め付け状態 であっても良い。ブーツバンド15,16は、外周 が全体に渡って平坦な断面形状の円環状と れる。ブーツバンド15,16の材質として、導 性材料であるアルミニウムあるいはステン ス鋼などの金属材料が用いられる。また、 径させて塑性変形が可能な材質とされる。 ーツバンド15,16の肉厚は3mm以下とされる。

 さらに、前記各ブーツバンド15,16の外周 は磁気反発力を付加する磁気発生装置とし コイル17が配置される。このコイル17に急峻 電流を流すことで各ブーツバンド15,16に急 に増大する磁界を付与して誘導電流を発生 せる。これによりコイル17とブーツバンド15, 16間に発生する磁気反発力で、図1(B)のように 、ブーツバンド15,16を縮径状態に塑性変形さ て、ブーツ固定部12,13を外輪2および内輪シ フト4の外周に締め付け固定する。

 図2は、前記コイル17に電流を流したとき 磁気反発力が生じる作用を模式的に示した 明図である。このとき、ブーツバンド15,16 に生じる渦電流に起因した磁束と、コイル 流による磁束間で、反力F1,F2が発生する。同 図において、符号Maはコイル17の回りに生じ 磁力線を、符号Mbは渦電流による磁力線をそ れぞれ示す。このときの反力F2により、ブー バンド15,16が急速に縮径状態に塑性変形す 。

 この場合、コイル17に流す電流を調整す ことにより、ブーツバンド15,16の締付け力を 調整することができ、コイル電流の通電時間 は1/1000秒以下で十分な締め付けが可能である 。また、ブーツバンド15,16は、誘導電流によ 加熱されるが、その時間は短時間であるた 、ブーツ固定部12,13に与える熱影響は小さ 問題とならない。ここでは、ブーツバンド15 ,16の締付け量を、ブーツ固定部12,13の肉厚の1 5%ないし60%になるように設定し、締付けを行 った。締付け量がブーツ固定部12,13の肉厚 15%未満であると、締付け力が弱くグリース れが発生し、また締付け量がブーツ固定部12 ,13の肉厚の60%以上だと、締付け部分のブーツ 固定部12,13が薄肉となってブーツ固定が困難 なるからである。

 この実施形態のブーツ固定方法によると 磁気反発力を利用するので、ブーツ固定部1 2,13と相手部材である等速自在継手1の外輪2お よび内輪シャフト4の外周の全体に均一に押 力を加えることができ、ブーツ固定部12,13の 固定箇所での高いシール性を確保することが できる。また、従来例の場合のように、ブー ツ固定部12,13を複雑な形状とする必要がない で、コスト増を招くこともない。

 このように、ブーツ11の両端のブーツ固 部12,13を等速自在継手1の外輪2と内輪シャフ 4とに固定するのに、上記ブーツ固定方法を 適用すると、ブーツ固定部12,13の固定箇所で シール性を確保できるので、継手内部への 埃の侵入や継手内部からのグリースの漏洩 確実に防止できる。

 なお、この実施形態では、等速自在継手1 の外輪2と内輪シャフト4とにブーツ固定部12,1 3を固定するのに上記ブーツ固定方法を適用 たが、アウトボード側に位置する外輪2へブ ツ固定部12を固定する場合にだけ上記ブー 固定方法を適用しても良い。等速自在継手1 は、特にアウトボード側の作動角をインボ ド側に比べて大きくとることが必要である め、アウトボード側における外輪2へのブー ツ固定部12の固定に上記ブーツ固定方法を適 することにより、外輪2でのブーツ固定箇所 においてグリースの漏洩を確実に防止できる 。

 また、この実施形態では、ブーツバンド1 5,16を、外周面が全体に渡って平坦な断面形 の円環状としているので、ブーツバンド15,16 が簡素な形状となる。そのため、等速自在継 手1の外輪2へのブーツ固定部12の固定におい は、スペースの余裕がない外輪2の周囲に広 スペースを確保できる。

 また、この実施形態では、ブーツバンド1 5,16の肉厚を3mm以下としているので、磁気反 力により塑性変形させる作用,効果を得やす 。

 上記実施形態では、ブーツバンドを別部 として使用しなければならないため、部品 数が多くなり、等速自在継手の組立てに必 な製造コストが嵩む。また、ブーツバンド 加締める作業も必要になるため、等速自在 手の組立てに要する時間が長くなる。そこ 、図3~図4に示す応用例では、ブーツバンド 省略して、等速自在継手をコンパクト化お び軽量化し、かつ、等速自在継手の組立て 必要なコストを削減することができるブー の取付方法を提供する。以下の説明におい 、実施形態で説明している事項に対応して る部分には同一の参照符を付し、重複する 明を略する場合がある。

 図3に本発明の応用例として、応用例のブ ーツ取付方法を適用した固定型等速自在継手 の一つであるアンダーカットフリー型の等速 自在継手(UJ)を示す。

 同図に示すように、この等速自在継手1は 、外側継手部材である外輪2、内側継手部材 ある内輪3、ボール5、ケージ6を主要部とし 外輪2の内部には、内輪3とボール5とケージ6 ら成る内部部品が収容配置されている。

 図1,2の実施形態と同様、外輪2は金属製で あり、一端に開口部を有し、内球面に複数の 曲線状のトラック溝7が形成されている。内 3は、外球面に外輪2のトラック溝7と対をな 複数の曲線状のトラック溝8が形成され、中 孔9に金属製のシャフト4がスプライン嵌合 れ、このシャフト4は、その先端部の外周面 形成された嵌合溝27に嵌合されるサークリ プ25で抜け止めされている。外輪2のトラッ 溝7と内輪3のトラック溝8との間には複数の ール4が介在されており、これらのボール5は 、外輪2と内輪3との間に配されたケージ6のポ ケット6aで保持されている。なお、曲線状の ラック溝(7、8)は、外輪開口部19側はフラッ に形成され、外輪反開口部側は曲線状に形 されているため、この等速自在継手1は、高 作動角をとっても、シャフト4と外輪2の開口 部19の内周面とが干渉しにくい。この点が ンダーカットフリー型の固定型等速自在継 の特徴となっている。

 外輪2の開口部は樹脂製のブーツ11で覆わ ており、このブーツ11により、外輪2の内部 封入された潤滑成分が継手外部へ漏出する を防止できると共に、外輪2の内部へ外部か ら異物が侵入するのを防止することができる 。

 ブーツ11は、大径端部のブーツ固定部12と 小径端部のブーツ固定部13およびブーツ固定 12とブーツ固定部13とを連結する蛇腹部14と 有する。大径端部のブーツ固定部12は相手 材である外輪2の開口端部19の外周面に取り けられ、小径端部のブーツ固定部13は相手部 材であるシャフト4の外周面に取り付けられ いる。

 ここで、前記ブーツ固定部12の外輪2への 付固定は、ブーツ固定部12の内周面である 付面12aと外輪2の外周面である被取付面20と 外輪2の被取付面20を間接的に加熱して接合 体化することにより行う。また、前記ブー 固定部13のシャフト4への取付固定は、ブー 固定部13の内周面である取付面13aとシャフト 4の外周面である被取付面21とをシャフト4の 取付面21を間接的に加熱して接合一体化する ことにより行う。

 この場合、ブーツ11の大径端部のブーツ 定部12と外輪2、およびブーツ11の小径端部の ブーツ固定部13とシャフト4は、図3に示すよ に、ブーツバンド等の固定部品を使用する となく取付固定することができるため、部 点数を削減して等速自在継手1の組立てに必 なコストを削減することができる。また、 ーツバンドなどの固定部品が省略できるこ で、等速自在継手1の全体の構造を簡素化で きるため、等速自在継手1の軽量化およびコ パクト化を実現することができる。

 ここで、ブーツ11の大径端部のブーツ固 部12の取付面12aと外輪2の被取付面20との接合 一体化、およびブーツ11の小径端部のブーツ 定部13の取付面13aとシャフト4の被取付面21 の接合一体化において、外輪2の被取付面20 よびシャフト4の被取付面21を間接的に加熱 る手段として、高周波誘導による接合法を 用する。ここで「間接的に加熱する」とは 外輪2の被取付面20およびシャフト4の被取付 21を、直接熱を加えずに加熱することを意 する。

 この高周波誘導による接合法は高周波で 電性のある材料を加熱する方法であり、ま 、図4に示すように、環状の金属コイル150の 中に、ブーツ11の大径端部のブーツ固定部12 取付面12aと金属製である外輪2の被取付面20 を重ね合わせて密着させて配置し、環状の 属コイル160の中に、ブーツ11の小径端部のブ ーツ固定部13の取付面13aと金属製であるシャ ト4の被取付面21とを重ね合わせて密着させ 配置して、金属コイル(150、160)に高周波電 を流す。

 この際、電磁誘導作用によって導電体であ 金属(外輪2の被取付面20、シャフト4の被取 面21)は、鉄損(渦電流損とヒステリシス損の )により発熱し、この熱で、金属(外輪2の被 付面20、シャフト4の被取付面21)に接してい 樹脂(ブーツ11の大径端部のブーツ固定部12 取付面12a、ブーツ11の小径端部のブーツ固定 部13の取付面13a)の境界部が分解温度以上に急 速に加熱して分解され、泡が発生する。これ により、前記した泡の周辺部分の高温の融液 と金属(外輪2の被取付面20、シャフト4の被取 面21)の表面に高温・高圧の条件が発生して 図3に示すように、ブーツ11の大径端部のブ ツ固定部12の取付面12aと外輪2の被取付面20 の間およびブーツ11の小径端部のブーツ固定 部13の取付面13aとシャフト4の被取付面21との には、目視できない接合部(23、24)が得られ 。
 この結果、大径端部のブーツ固定部12の取 面12aと外輪2の被取付面20、および小径端部 ブーツ固定部13の取付面13aとシャフト4の被 付面21をそれぞれ接合一体化して、大径端部 のブーツ固定部12を外輪2へ取付固定し、小径 端部のブーツ固定部13をシャフト4へ取付固定 することができる。

 このように、高周波誘導により大径端部 ブーツ固定部12の取付面12aと外輪2の被取付 20および小径端部のブーツ固定部13の取付面 13aとシャフト4の被取付面21をそれぞれ接合一 体化する場合、外輪2の被取付面20およびシャ フト4の被取付面21の加熱は表層部分のみとし 、具体的には表面からの加熱深度を0.1mm以下 する。

 これにより、外輪2の被取付面20およびシ フト4の被取付面21は、加熱後すぐに自己冷 (自然に冷却すること)するため、加熱され 外輪2の被取付面20およびシャフト4の被取付 21が、その熱で大径端部のブーツ固定部12の 取付面12aおよび小径端部のブーツ固定部13の 付面13aとを溶融してしまうことで、大径端 のブーツ固定部12の取付面12aと外輪2の被取 面20および小径端部のブーツ固定部13の取付 面13aとシャフト4の被取付面21の接合一体化が 行えなくなることがない。

 外輪2の被取付面20およびシャフト4の被取 付面21の加熱を表層部分のみとする手段とし は、高周波誘導を行う装置の周波数を高く る、或は、加熱時間を短くする方法がある

 この応用例では、高周波誘導装置の周波 を200kHz、高周波出力を160kW、加熱時間を0.2 とすることで、外輪2の被取付面20およびシ フト4の被取付面21の表層部分のみを600℃程 で加熱して、大径端部のブーツ固定部12の取 付面12aと外輪2の被取付面20および小径端部の ブーツ固定部13の取付面13aとシャフト4の被取 付面21を接合一体化する。

 なお、この応用例のように、高周波誘導 行う装置の周波数を200kHzとする場合、高周 出力は15kW以上250kW未満とする必要がある。

 これは、高周波出力が15kw未満であると、 外輪2の被取付面20およびシャフト4の被取付 21の加熱温度が250℃より小さくなる傾向とな り、この場合、外輪2の被取付面20およびシャ フト4の被取付面21の加熱が十分でなく、外輪 2の被取付面20と接している大径端部のブーツ 固定部12の取付面12aの境界部およびシャフト4 の被取付面21と接している小径端部のブーツ 定部13の取付面13aの境界部を分解温度以上 加熱して、大径端部のブーツ固定部12の取付 面12aと外輪2の被取付面20および小径端部のブ ーツ固定部13の取付面13aとシャフト4の被取付 面21を接合一体化することができない。

 また、高周波出力が250kw以上であると、 輪2の被取付面20およびシャフト4の被取付面2 1の加熱温度が700℃以上になる傾向となり、 の場合、加熱された外輪2の被取付面20およ 加熱されたシャフト4の被取付面21は、その で大径端部のブーツ固定部12の取付面12aおよ び小径端部のブーツ固定部13の取付面13aを溶 させてしまい、大径端部のブーツ固定部12 取付面12aと外輪2の被取付面20および小径端 のブーツ固定部13の取付面13aとシャフト4の 取付面21を接合一体化することができない。

 なお、この応用例のように、高周波誘導 行う装置の周波数を200kHzとし、高周波出力 15kW以上250kW未満とする場合、加熱時間は1秒 以下に規制する。これにより、外輪2の被取 面20およびシャフト4の被取付面21は、加熱深 度を浅くして、加熱後すぐに自然冷却させる ことができるため、加熱された外輪2の被取 面20およびシャフト4の被取付面21が、その熱 で大径端部のブーツ固定部12の取付面12aおよ 小径端部のブーツ固定部13の取付面13aを溶 させてしまうことがないため、大径端部の ーツ固定部12の取付面12aと外輪2の被取付面20 および小径端部のブーツ固定部13の取付面13a シャフト4の被取付面21を接合一体化するこ ができる。

 この応用例のブーツ11は、大径端部のブ ツ固定部12の取付面12aと小径端部のブーツ固 定部13の取付面13aを含む全体を熱可塑性ポリ ステル系エラストマーを素材として成形す 。

 熱可塑性ポリエステル系エラストマーは 械的強度や弾性に優れており、熱変形温度 耐熱温度が高く、また、成形性にも優れて るため、ブーツ11はこれらの機能を備えた のとなる。特に、ブーツ11は、等速自在継手 1が作動した際、高温の環境下に晒されるた 、この応用例のように、ブーツ11を熱可塑性 ポリエステル系エラストマーを素材として成 形し耐熱性を具備させることは、ブーツ11の 久性を向上させる上で有効な手段となる。

 また、大径端部のブーツ固定部12の取付 12aの素材と小径端部のブーツ固定部13の取付 面13aの素材を含むブーツ11の素材全体にカー ンブラックを添加する。

 カーボンブラックは、直径3500nm程度の炭 の微粒子であり、黒色顔料として使用され 樹脂やゴムの補強材として機能する。その め、本応用例のように、カーボンブラック ブーツ11に添加すると、ブーツ11を黒色に着 色することができ、かつ、ブーツ11の強度も 上させることができる。なお、大径端部の ーツ固定部12の取付面12aの素材と小径端部 ブーツ固定部13の取付面13aの素材にカーボン ブラックが添加されている場合、この応用例 のように、高周波誘導による手段で、大径端 部のブーツ固定部12の取付面12aと外輪2の被取 付面20および小径端部のブーツ固定部13の取 面13aとシャフト4の被取付面21の接合一体化 行う際、高周波はカーボンブラックによる 響を受けることがないため、接合一体化を 常に行うことができる。

 さらに、この応用例では、ブーツ11にお て、外輪2の被取付面20とシャフト4の被取付 21に被膜処理を施す。

 この被膜処理としては、スプレー塗装、 ーカー処理(リン酸亜鉛化成処理)等の手段 採用することができる。この被膜処理によ 、外輪2の被取付面20とシャフト4の被取付面2 1にリン酸塩被膜等の被膜被膜を形成して、 輪2の被取付面20とシャフト4の被取付面21に が発生するのを防止できる。この結果、外 2の被取付面20とシャフト4の被取付面21に発 した錆により、既に述べた高周波誘導等の 段で外輪2の被取付面20とシャフト4の被取付 21を間接的に加熱する際、この作業が正常 行えなくなるなどの事態を未然に回避する とができる。

 なお、この応用例では、外輪2は、被取付 面20を含む全体をS53C(JIS番号:G4051)の機械構造 炭素鋼を素材として成形するが、これに限 ず、この応用例を実施する場合、外輪2の被 取付面20の成形に、以下の材料成分の条件を 足する素材を使用することができる。なお 単位は全て重量(%)である。

 炭素(C):0.50~0.56、ケイ素(Si):0.10~0.40、マン ン(Mn):0.97~1.10、リン(P):0.03以下、硫黄(S):0.04 下、クロム(Cr):0.1~0.25、銅(Cu):0.3以下、ニッ ル(Ni):0.2以下。

 また、この応用例では、シャフト4は、被 取付面21を含む全体をS40C(JIS番号:G4051)或いはS 40Cにおいてボロンを含有させかつマンガンの 含有量を多くしたSBM40の機械構造用炭素鋼を 材として成形するが、これに限らず、この 用例を実施する場合、シャフト4の被取付面 21の成形に、以下の材料成分の条件を満足す 素材を使用することができる。なお、単位 全て重量(%)である。

 炭素(C):0.30~0.45、ケイ素(Si):0.35以下、マン ガン(Mn):0.80~1.40、リン(P):0.03以下、硫黄(S):0.01 ~0.04、クロム(Cr):0.2以下、銅(Cu):0.4以下、ボロ ン(B):0.004以下、ニッケル(Ni):0.3以下。

 例えば、この応用例では、固定型等速自在 手の一つであるアンダーカットフリー型の 速自在継手(UJ)に適用したが、図5に示すボ ルフィクス型の固定型等速自在継手(BJ)にも の応用例を適用することが可能である。ま 、固定型等速自在継手に限らず、周知の摺 型等速自在継手にも本発明を適用すること できる。
 なお、この応用例では、等速自在継手1の外 輪2と内輪シャフト4とにブーツ固定部12,13を 定するのに上記ブーツ固定方法を適用した 、アウトボード側に位置する外輪2へブーツ 定部12を固定する場合にだけ上記ブーツ固 方法を適用しても良い。

 以上の応用例は、次の応用態様を含む。
[応用態様1]
 この応用態様1は、金属製の相手部材に端部 が取付固定される樹脂製の等速自在継手用ブ ーツの固定方法であって、前記ブーツの端部 に設けられたブーツ固定部の前記相手部材へ の取付固定は、前記ブーツ固定部の取付面と 前記相手部材の被取付面とを前記相手部材の 被取付面を間接的に加熱して接合一体化する ことにより行う。

 この応用態様1によれば、金属製の相手部 材の被取付面を間接的に加熱し、その熱でも ってブーツ固定部の取付面と相手部材の被取 付面とを接合一体化することができるため、 ブーツ固定部を相手部材に取付固定すること ができる。なお、ここでいう「相手部材の被 取付面を間接的に加熱する」とは、相手部材 の被取付面を、直に熱を加えることなく加熱 することを意味する。また、ここでいう「取 付固定」とは、他の部品等に依存することな くブーツ固定部を相手部材に取付けて固定す ることができることを意味する。

 [応用態様2]
 応用態様1において、前記相手部材の被取付 面の間接的な加熱は、高周波誘導により行う のが望ましい。

 この高周波誘導は導電性の材料のみを加 することができる方法であり、コイルの中 ブーツ固定部の取付面と相手部材の被取付 とをブーツ固定部を外側にして密着させた 態でコイルに高周波電流を流すことにより う。この場合、金属製、つまり導電性のあ 相手部材の被取付面が高周波によりブーツ 定部を介して間接的に加熱され、その熱で 手部材の被取付面と接しているブーツ固定 の取付面の境界部に泡が発生して、ブーツ 定部の取付面と相手部材の被取付面とが接 一体化される。この結果、ブーツバンド等 固定部品を使用することなく、ブーツ固定 を相手部材に取付固定することができる。

 [応用態様3]
 応用態様2において、前記高周波誘導は、相 手部材の被取付面は表層部分のみを加熱する のが望ましい。

 これは、相手部材の被取付面の加熱深度( 加熱された部分の表層からの深さ)が深い場 、つまり、相手部材の被取付面の加熱部分 表層部分のみでない場合は、加熱された相 部材の被取付面は、自己冷却(自然に冷却す こと)できずに熱でブーツの樹脂成分を溶融 させてしまい、これにより、ブーツ固定部の 取付面と接合一体化することができなくなる ためである。

 [応用態様4]
 応用態様1において、前記ブーツ固定部の取 付面の素材は熱可塑性ポリエステル系エラス トマーとするのが好ましい。

 熱可塑性ポリエステル系エラストマーは 機械的強度、成形性、弾性に優れておりブ ツに必要とされる屈曲耐久性等の機能を具 させる素材として好ましい。また、熱可塑 ポリエステル系エラストマーは熱変形しに く、耐熱温度が高いため、この素材を等速 在継手の作動時など高温化に晒されるブー に適用すると、高温によりブーツの耐久性 低下するのを防止することができる。

 [応用態様5]
 応用態様1において、前記ブーツ固定部の取 付面の素材にはカーボンブラックを添加する のが望ましい。

 これは、前記ブーツ固定部の取付面の素 にカーボンブラックを添加すると、ブーツ 定部を黒色に着色できると共に、ブーツ固 部の強度を向上させることができる。なお ブーツ固定部の取付面にカーボンブラック 添加した場合、既に述べたように、ブーツ 定部の取付面と相手部材の被取付面とを高 波誘導により接合一体化する際においても カーボンブラックは高周波に影響を与える とがないため、高周波誘導による接合を阻 することがない。

 [応用態様6]
 応用態様1において、前記相手部材の被取付 面には被膜処理を施すのが望ましい。

 このように、相手部材の被取付面にスプ ー塗装、パーカー処理等で被膜処理を施す とにより、相手部材の被取付面に生じる錆 ブーツ固定部の取付面と相手部材の被取付 の接合一体化が阻害されることがない。

 以上のとおり、図面を参照しながら好適 実施形態を説明したが、当業者であれば、 件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変 および修正を容易に想定するであろう。し がって、そのような変更および修正は、添 のクレームから定まるこの発明の範囲内の のと解釈される。