福島 保 (〒31 三重県伊賀市ゆめが丘7丁目8番1号旭ダイヤモンド工業株式会社三重工場内 Mie, 5180131, JP)
旭ダイヤモンド工業株式会社 (〒94 東京都千代田区紀尾井町4番1号 Tokyo, 1020094, JP)
FUKUSHIMA, Tamotsu (ASAHI DIAMOND INDUSTRIAL CO. LTD., 7-8-1, Yumegaoka, Iga-sh, Mie 31, 5180131, JP)
| ボディの先端に多結晶ダイヤモンドチップが設けられた穿孔用回転切削工具において、 前記ボディは、ねじれ角度が5~30°のフルート部を有し、ツール軸芯に対してねじれ角度をもつ前記フルート部の外縁をなすマージン部に沿って、先行刃部と仕上げ刃部とを有する多結晶ダイヤモンドチップが配置され、その多結晶ダイヤモンドチップの心高は0±0.2mmであることを特徴とする穿孔用回転切削工具。 |
| 前記多結晶ダイヤモンドチップは、 ツールの進行方向における先端側に第一の食い付き部をもった前記先行刃部と、前記先行刃部のツール進行方向における後方に位置する略V字又は略U字状のヌスミ部と、前記ヌスミ部より後方側に位置する第二の食い付き部をもった前記仕上げ刃部とが一体であり、 前記第二の食い付き部の内端は、前記第一の食い付き部の外端よりも径方向において内側に位置し、前記第二の食い付き部の外端は、前記第一の食い付き部の前記外端より径方向外側に0.25~0.5mm位置し、 前記第一の食い付き部の前記外端から前記第二の食い付き部の前記外端までの回転軸線方向における長さは1~5mmであり、 前記仕上げ刃部は、前記第二の食い付き部の前記外端から回転軸線における後方に5~8mm延在する斜刃部分を有することを特徴とする請求項1記載の穿孔用回転切削工具。 |
本発明は、下穴加工に代表される様な粗 工が可能で、かつ、仕上げ加工にふさわし ワーク品位も得られる加工に適するリーマ ドリルなどの穿孔用回転切削工具に関する のである。
従来、このような分野の技術として、特開
8-39350号公報がある。この公報の実施例に記
載されたリーマのボディには、3段、計10枚の
多結晶ダイヤモンドチップが固定され、先端
第一段4枚の多結晶ダイヤモンドチップには
前側の第一の切刃部と、第一切刃よりも外
に位置する第二の切刃(バリ取り刃)を設けて
いる。尚、ボディの切り屑排出溝は回転軸と
平行であり、多結晶ダイヤモンドチップも回
転軸と平行な位置関係となっている。
しかしながら、前述した構造では、第二 刃でバリを除去できても、下穴加工に代表 れる粗加工を行なう能力は無い。又、多結 ダイヤモンドチップも切り屑排出溝も回転 と平行な位置関係であることから、切粉の 出抵抗が高く、4枚の仕上げ刃が断続的に作 用するので、孔の真円度を良好にし難いとい った問題点があった。
本発明は、1本のツールでありながら、下 穴加工に代表される粗加工が可能であり、か つ、ワークに形成され孔の真円度を更に良好 にさせるようにした穿孔用回転切削工具を提 供することを目的とする。
本発明に係る穿孔用回転切削工具は、ボ ィの先端に多結晶ダイヤモンドチップが設 られた穿孔用回転切削工具において、ボデ は、ねじれ角度が5~30°のフルート部を有し ツール軸芯に対してねじれ角度をもつフル ト部の外縁をなすマージン部に沿って、先 刃部と仕上げ刃部とを有する多結晶ダイヤ ンドチップが配置され、その多結晶ダイヤ ンドチップの心高は0±0.2mmであることを特 とする。
本発明において、(1)ボディは、ねじれ角 が5~30度のフルート部を有し、(2)フルート部 の外縁であるマージン部に沿うように多結晶 ダイヤモンドチップを斜刃として配置し、(3) 多結晶ダイヤモンドチップにおいてツール進 行方向の前側には先行刃部が、後側には仕上 げ刃部が一体的に形成され、(4)多結晶ダイヤ モンドチップの心高は0±0.2mmであり、以上の( 1)~(4)の条件を満足させることで、先行刃部と 仕上げ刃部とを一体化させた多結晶ダイヤモ ンドチップを有する穿孔用回転切削工具は、 粗加工も仕上げ加工も一本のツールで加工で きるようになった。(1)~(4)すべてを満たした ールは、断続加工では無く、連続加工とな ことから粗加工をする能力があり、また、 粉を分断させながら切粉の排出抵抗を下げ 、切粉の排出効率を向上させることができ ので、切削時に切粉の影響を可能な限り排 することとなり、ワークに形成される孔の 円度を更に良好にすることもできた。
また、多結晶ダイヤモンドチップは、ツ ルの進行方向における先端側に第一の食い き部をもった先行刃部と、先行刃部のツー 進行方向における後方に位置する略V字又は 略U字状のヌスミ部と、ヌスミ部より後方側 位置する第二の食い付き部をもった仕上げ 部とが一体であり、第二の食い付き部の内 は、第一の食い付き部の外端よりも径方向 おいて内側に位置し、第二の食い付き部の 端は、第一の食い付き部の外端より径方向 側に0.25~0.5mm位置し、第一の食い付き部の外 から第二の食い付き部の外端までの回転軸 方向における長さは1~5mmであり、仕上げ刃 は、第二の食い付き部の外端から回転軸線 おける後方に5~8mm延在する部分を有すると、 さらに、粗加工としての切削能力と、仕上げ 加工の品位が両方共向上するので、一層好適 である。
このような構成を採用した場合、多結晶 イヤモンドチップだから高硬度であるし構 刃先ができない、かつ、斜刃であるから断 切削にならない、かつ心高が0±0.2mmに管理 れているから切削抵抗が小さいなどの理由 より、先行刃部は切削負担が軽減されてい ので、第一の食い付き刃部は、下穴加工に 表される粗加工が可能なツールとしての性 を発揮し、さらに、高速送りであっても、 二の食い付き部の内端側の切刃部分は、略V 又は略U字状のヌスミ部である逃がし部分を 利用して作られており、この切刃部分は、先 行刃が切り残したワークを確実に除去するが 、先行刃部よりも一層、切削負担が軽い(回 径で0.5~1mmの取り代であり、かつ、マージン に沿った斜刃による連続切削である)ので、 真円度が良好で且つバリが発生し難い孔を高 精度に加工することができる。さらに、仕上 げ刃部は、第二の食い付き部の外端から回転 軸線方向において5~8mmの斜刃部分を有してい ので、仕上げ刃部の第二の食い付き部が摩 してワーク品位にかかわる切削能力が低下 た場合も、再研摩によりツール機能を復帰 せることができるだけの長さを有している とになる。
本発明によれば、1本のツールでありなが ら、下穴加工に代表される粗加工が可能であ り、かつ、ワークに形成される孔の真円度を 更に良好にさせることができる。
1,20 穿孔用回転切削工具
2 ボディ
3 マージン部
3a フルート部
4 多結晶ダイヤモンドチップ
6 先行刃部
7 仕上げ刃部
7a 斜刃部分
9 第一の食い付き刃部
10 逃がし部(ヌスミ部)
11 第二の食い付き刃部
H 心高
R 回転軸線
L1 第一の食い付き部の外端から第二の食い
き部の外端までの回転軸線方向における長
L2 第一の食い付き部の外端から第二の食い
き部の外端までの径方向における長さ
L3 回転軸線方向における斜刃部分の長さ
以下、図面を参照しつつ本発明に係る穿 用回転切削工具の好適な実施形態について 細に説明する。
図1に示すように、穿孔用回転切削工具1 、アルミニューム又はマグネシューム等か なるワークの加工に適したドリル付きリー であり、超硬合金からなるボディ2を有して る。このボディ2には、ねじれ角度が5~30度 フルート部(切り屑排出溝)3aが設けられてい 、3はフルート外周のマージン部である。そ して、ボディ2の先端側のすくい面には、対 するほぼ同一円周上の2ヶ所に、約0.8mmの厚 を有する各1枚の裏打ち超硬付き多結晶ダイ モンドチップ4が 裏面をろう付けによって り付かせるように固定されている。
図2及び図3に示すように、裏打ち超硬付 多結晶ダイヤモンドチップ4は平らな薄板形 を有し、この多結晶ダイヤモンドチップ4の ツール進行方向の前側には、先行刃部6が形 され、後側には、仕上げ刃部7が形成されて る。この多結晶ダイヤモンドチップ4は、先 行刃部6の中心寄り前方で先端角度が概略120 をなすチゼル部8に沿って延在する第一の食 付き刃部9(図2の斜線部分)を有する。先行刃 部6及び仕上げ刃部7は、ボディ2のマージン部 3に沿って斜刃として配置される(図4参照)。
先行刃部6と仕上げ刃部7との間に配置さ た逃がし部(ヌスミ部)10は、仕上げ刃部7の第 二の食い付き部11を一部に含んでいる略V字( は略U字)状に形成されている。仕上げ刃部7 前方先端には、第二の食い付き刃部11(図2の 線部分)が形成されている。そして、ボディ 2には、逃がし部10の第二の食い付き刃部11が 好に機能するように、切削工具の前逃げ面 相当する段差13が円周上に形成されている
なお、回転軸線Rに対し、第一及び第二の 食い付き刃部9,11の傾斜角度α及びβは、通常 10~60°の範囲で、取り代、加工条件、ワーク 材質、必要ワーク品位などを考慮して決めら れる。
また、回転軸線Rの方向における第一の食 い付き部9の外端(いわゆる先行刃エッジ)9aか 第二の食い付き部11の外端(いわゆる仕上げ エッジ)11aまでの回転軸線R方向における長 L1は、1mm以上必要である。これは、先行刃と して機能させる為に必要な強度をもたせる事 と、略V字(又はU字)状のヌスミ部10をその間に 構成させる為である。そして、加工する穴の 形状や多結晶ダイヤモンドチップのコストの 点から、長さL1は5mm以内である。
仕上げ刃部7は、第二の食い付き部11の外 11aから回転軸線Rにおける後方に長さL3(5~8mm) 延在する斜刃部分7aを有している。仕上げ刃 7の第二の食い付き部11が摩耗してワーク品 にかかわる切削能力が低下した場合も、再 磨によりツール機能を復帰させることがで る様に5~8mmの長さが必要である。さらに、 5に示すように、多結晶ダイヤモンドチップ4 の第一食い付き部9の心高Hは、0±0.2mmが適切 あり、多結晶ダイヤモンドチップ4のマージ 部3から±0.2mmの範囲に沿って配置される。 二の食い付き部11も同様である。
ここで、(1)ボディ2は、ねじれ角度が5~30 のフルート部3aを有し、(2)フルート部3aの外 であるマージン部3に沿うように多結晶ダイ ヤモンドチップ4を斜刃として配置し、(3)多 晶ダイヤモンドチップ4においてツール進行 向の前側には先行刃部6が、後側には仕上げ 刃部7が一体的に形成され、(4)多結晶ダイヤ ンドチップ4の心高Hは0±0.2mmであり、以上の( 1)~(4)の条件を満足させることで、先行刃部6 仕上げ刃部7とを一体化させた多結晶ダイヤ ンドチップを有する多段式穿孔用回転切削 具1に関し、粗加工も仕上げ加工も一本のツ ールで加工できるようになり、さらに、切粉 を分断させながら切粉の排出抵抗を下げて、 切粉の排出効率を向上させることができるの で、切削時に切粉の影響を可能な限り排除す ることとなり、ワークに形成される孔の真円 度を更に良好にすることもできた。
また、多結晶ダイヤモンドチップ4は、第 一の食い付き部9をもった先行刃部6と、略V字 又は略U字状のヌスミ部10と、ヌスミ部10より 方側に位置する第二の食い付き部11をもっ 仕上げ刃部7とが一体である。第二の食い付 部11の内端11bは、第一の食い付き部9の外端9 aよりも径方向において内側に位置する。第 の食い付き部11の外端11aは、第一の食い付き 部9の外端9aより径方向外側に0.25~0.5mmの長さL2 をもって位置する。第一の食い付き部9の外 9aから第二の食い付き部11の外端11aまでの回 軸線R方向における長さL1は1~5mmである。仕 げ刃部7は、第二の食い付き部の外端から回 軸線における後方に5~8mmm延在する部分を有 る。このような構成にすると、さらに、粗 工としての切削能力と、仕上げ加工の品位 両方共向上させることができる。
本発明は、前述した実施形態に限定され いことは言うまでもない。例えば、図6及び 図7に示すように、他の実施形態に係る穿孔 回転切削工具20は、ボディ21の先端に4枚の多 結晶ダイヤモンドチップ4が十文字上に配置 れたリーマである。このリーマ20は、ドリル よって開けられた孔や、鋳抜き孔のまま加工 する場合の仕上げに利用される。また、多段 型、ダイヤモンドチップ1枚型、超硬以外の ディツールなどもある。
