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Title:
BUBBLING TOWER HYDROCARBON REACTOR AND METHOD OF DETECTING SLURRY SURFACE LEVEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041579
Kind Code:
A1
Abstract:
A bubbling tower hydrocarbon reactor in which a hydrocarbon compound is synthesized by the chemical reaction of synthesis gas, which comprises hydrogen and carbon monoxide as main components, with a slurry obtained by suspending solid catalyst particles in a liquid. The bubbling tower hydrocarbon reactor comprises: a reactor main body which holds the slurry therein; a synthesis-gas supply unit which supplies the synthesis gas to the slurry; a pressure sensor which has been disposed above the surface of the slurry and measures the pressure of the synthesis gas above the liquid surface; other pressure sensors, which have been disposed below the surface of the slurry and measure the pressure of the slurry; and a level detector which detects the position of the surface of the slurry based on the results of measurements with the pressure sensors. The other pressure sensors have been disposed apart from each other in the axis direction for the reactor main body.

Inventors:
ONISHI YASUHIRO (JP)
KATO YUZURU (JP)
YAMADA EIICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067427
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON STEEL ENG CO LTD (JP)
JAPAN OIL GAS & METALS JOGMEC (JP)
INPEX CORP (JP)
NIPPON OIL CORP (JP)
JAPAN PETROLEUM EXPLORATION CO (JP)
COSMO OIL CO LTD (JP)
ONISHI YASUHIRO (JP)
KATO YUZURU (JP)
YAMADA EIICHI (JP)
International Classes:
C10G2/00; B01J8/22; G01F23/14
Foreign References:
US3250123A1966-05-10
JPS4936266B11974-09-28
JP2004061512A2004-02-26
JPS6014723A1985-01-25
JP2001517645A2001-10-09
JP2007252522A2007-10-04
US20030018089A12003-01-23
US20070014703A12007-01-18
US20040021080A12004-02-05
US4888989A1989-12-26
US20060070438A12006-04-06
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (MarunouchiChiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとの化学反応によって炭化水素化合物を合成する気泡塔型炭化水素反応器であって、
 前記スラリーを収容する反応器本体と、
 前記合成ガスを前記スラリーに供給する合成ガス供給部と、
 前記スラリーの液面よりも上方に配されて前記液面上における前記合成ガスの圧力を測定する一の圧力センサと、
 前記スラリーの液面よりも下方に配されて前記スラリーの圧力を測定する他の圧力センサと、
 前記圧力センサの測定結果に基づいて前記スラリーの液面位置を検知する液面検知手段と、を備え、
 前記他の圧力センサが、前記反応器本体の軸方向に間隔をあけて複数設けられている気泡塔型炭化水素反応器。
 前記スラリーの温度を測定する温度センサを備え、
 前記液面検知手段が、前記スラリーの組成に基づいて求められた前記スラリーの密度を前記温度センサの測定結果に基づいて補正し、さらに、補正されたスラリーの密度及び前記圧力センサの測定結果に基づいて前記スラリーの液面位置を検知する請求項1に記載の気泡塔型炭化水素反応器。
 相互に隣り合う前記他の圧力センサによって挟まれる前記反応器本体の各区間内に、前記スラリーの温度を測定する温度センサがそれぞれ設けられ、
 前記液面検知手段が、各区間内における前記スラリーの組成に基づいて求められた前記スラリーの密度をこれに対応する前記区間に配された前記温度センサの測定結果に基づいて個別に補正し、さらに、補正された前記スラリーの密度及び前記圧力センサの測定結果に基づいて前記スラリーの液面位置を検知する請求項1に記載の気泡塔型炭化水素反応器。
 前記合成ガス供給部によって前記合成ガスを前記スラリーに安定して供給している状態における前記液面の近傍に、前記反応器本体内の温度を測定する補助温度センサが前記反応器本体の軸方向に複数並べて配置され、
 前記液面検知手段は、合成ガスがスラリー中に供給されていない状態から、合成ガスの供給を開始して合成ガスがスラリー中に安定して供給されている状態となるまでの間において、複数の前記補助温度センサの測定結果に基づいて前記スラリーの液面位置を検知する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の気泡塔型炭化水素反応器。
 水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとを反応器本体内において化学反応させて炭化水素化合物を合成する際に、前記反応器本体に収容された前記スラリーの液面位置を検知するスラリー液面検知方法であって、
 前記スラリーの液面上における前記合成ガスの圧力と、前記液面から相互に異なる複数の深さ位置における前記スラリーの圧力との差圧δP n (m、nは正の整数、ただしn=1,2,・・・m-1,m、m≧3)をそれぞれ測定し、
 前記合成ガスの圧力と前記液面から最も近い第1測定位置において測定される前記スラリーの圧力との差圧をδP 1 とし、かつ、nが大きくなるほど前記液面からの深さ位置が大きくなるものとして、
 複数の前記差圧δP n 、相互に隣り合う前記スラリーの圧力測定位置間の軸方向距離L n 、及び相互に隣り合う前記スラリーの圧力測定位置間における前記スラリーの密度ρ SLn に基づいて以下の式、
 δP n -δP n-1SLn ×L n ×(1-ε n )、
 m、nは正の整数、ただしn=2,3,・・・m-1,m、
 により相互に隣り合う前記スラリーの圧力測定位置間における前記合成ガスの体積分率ε n をそれぞれ求め、
 これら前記合成ガスの体積分率ε n に基づいて前記第1測定位置と前記液面との間における前記合成ガスの体積分率ε 1 を求め、
 さらに、前記合成ガスの体積分率ε 1 、前記差圧δP 1 、及び前記第1測定位置と前記液面との間における前記スラリーの密度ρ SL1 に基づいて以下の式、
 δP 1SL1 ×h×(1-ε 1 )、
 により前記第1測定位置から前記液面までの距離hを求めるスラリー液面検知方法。
 前記スラリーの組成に基づいて前記スラリーの密度を求めると共に前記スラリーの温度を測定し、
 前記スラリーの温度に基づいて前記スラリーの密度を補正する請求項5に記載のスラリー液面検知方法。
 相互に隣り合う前記スラリーの圧力測定位置によって挟まれる前記反応器本体の区間毎に、前記スラリーの組成に基づいて前記スラリーの密度を求めると共に前記スラリーの温度を測定し、
 各区間における前記スラリーの温度に基づいてこれに対応する区間における前記スラリーの密度を個別に補正する請求項5に記載のスラリー液面検知方法。
 水素及び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるスラリーとを反応器本体内において化学反応させて炭化水素化合物を合成する際に、前記反応器本体に収容された前記スラリーの液面位置を検知するスラリー液面検知方法であって、
 前記スラリーの液面上における前記合成ガスの圧力と、前記液面から相互に異なる複数の深さ位置における前記スラリーの圧力との差圧をそれぞれ測定し、
 前記差圧と前記スラリーの圧力測定位置との関係を直線近似し、その直線近似式において前記差圧が0となる位置を前記液面位置とするスラリー液面検知方法。
Description:
気泡塔型炭化水素反応器、及び ラリー液面検知方法

 本発明は、一酸化炭素ガス及び水素ガスを 成分とする合成ガスを液体炭化水素中に固 の触媒粒子を懸濁させたスラリー中に吹き んで炭化水素化合物を合成する気泡塔型炭 水素反応器、及び気泡塔型炭化水素反応器 おけるスラリー液面検知方法に関する。
 本願は、2007年9月27日に出願された特願2007-2 52522について優先権を主張し、その内容をこ に援用する。

 水素と一酸化炭素を主成分とする合成ガ から炭化水素化合物と水とを生成するフィ シャー・トロプシュ合成反応(以下、「FT合 反応」という)の反応システムの1つとして 液体炭化水素中に固体の触媒粒子を懸濁さ たスラリー中に合成ガスを吹き込んでFT合成 反応を行わせる気泡塔型スラリー床FT合成反 システムがある(例えば、下記の特許文献1,2 参照)。なお、FT合成反応により合成された炭 化水素化合物は、ナフサ(粗ガソリン)・灯油 軽油等の液体燃料製品の原料として利用さ る。

 気泡塔型スラリー床FT合成反応システムに いては、スラリー中に吹き込まれた合成ガ が気泡となってスラリー中を上昇する。合 ガスがスラリー中に安定して供給されてい 状態(運転状態)において触媒粒子と合成ガス との反応状態を制御するためには、スラリー 中に含まれる触媒粒子の濃度を把握する必要 がある。しかしながら、スラリー中に含まれ る液体炭化水素の量はFT合成反応によって増 するため、この増加に伴って触媒粒子の濃 が変化してしまう。したがって、反応状態 制御に際しては、この液体炭化水素の量の 標となるスラリーの液面位置を検知する必 がある。
 なお、従来の液面検知方法には、例えば特 文献3のように、液面に浮かべるフロートを 利用したものや、例えば特許文献4のように 水や固体を含むスラリーをコンデンサの構 として機能させることで、水やスラリーの 面(気液の界面)を検知する所謂電気容量式の ものがある。また、従来の液面検知方法には 、例えば特許文献5のように、容器に収容さ た液体の圧力、容器内における液面上方の 体の圧力、及び液体の温度を測定し、2つの 定圧力の差(差圧)、2つの圧力測定位置間の 離、及び、測定圧力・測定温度に基づいて 出された液体の比重などを利用して液面位 を求めるものもある。

米国特許出願公開2003/0018089号明細書

米国特許出願公開2007/0014703号明細書

米国特許出願公開2004/0021080号明細書

米国特許第4888989号明細書

米国特許出願公開2006/0070438号明細書

 しかしながら、FT合成反応においては、 体炭化水素(液体)及び触媒粒子(固体)からな スラリー中に合成ガス(気体)が吹き込まれ ため、スラリーは気泡としてスラリー中に 在する合成ガスと共に気体、液体および固 の三相を含んで複雑な分散系をなす。また スラリーの液面は、スラリー中を上昇する 泡(合成ガス)によって波立つことがあり、さ らに、FT合成反応の条件によっては密度・粘 等のスラリーの物性が変動してしまうため 上記従来の液面検知方法では、スラリーの 面位置を検知することが難しい、という問 がある。

 本発明は、気体、液体および固体の三相 含んで複雑な分散系をなすスラリーを収容 る気泡塔型炭化水素反応器において、スラ ーの液面位置を容易に検知できる最適なス リー液面検知方法を提案し、触媒粒子と合 ガスとの反応状態の制御に利用することを 的としている。

 本発明の気泡塔型炭化水素反応器は、水素 び一酸化炭素を主成分とする合成ガスと、 体中に固体の触媒粒子を懸濁させてなるス リーとの化学反応によって炭化水素化合物 合成する気泡塔型炭化水素反応器であって 前記スラリーを収容する反応器本体と、前 合成ガスを前記スラリーに供給する合成ガ 供給部と、前記スラリーの液面よりも上方 配されて前記液面上における前記合成ガス 圧力を測定する一の圧力センサと、前記ス リーの液面よりも下方に配されて前記スラ ーの圧力を測定する他の圧力センサと、前 圧力センサの測定結果に基づいて前記スラ ーの液面位置を検知する液面検知手段と、 備え、前記他の圧力センサが、前記反応器 体の軸方向に間隔をあけて複数設けられて る。
 この発明に係る気泡塔型炭化水素反応器に れば、液面検知手段において後述するスラ ー液面検知方法を実施することで、気体、 体および固体の三相を含んで複雑な分散系 なすスラリーの液面位置を容易に検知する とができる。

 本発明のスラリー液面検知方法は、前記ス リーの液面上における前記合成ガスの圧力 、前記液面から相互に異なる複数の深さ位 における前記スラリーの圧力との差圧δP n (m、nは正の整数、ただしn=1,2,・・・m-1,m、m≧ 3)をそれぞれ測定し、前記合成ガスの圧力と 記液面から最も近い第1測定位置において測 定される前記スラリーの圧力との差圧をδP 1 とし、かつ、nが大きくなるほど前記液面か の深さ位置が大きくなるものとして、複数 前記差圧δP n 、相互に隣り合う前記スラリーの圧力測定位 置間の軸方向距離L n 、及び、相互に隣り合う前記スラリーの圧力 測定位置間における前記スラリーの密度ρ SLn に基づいて以下の式、
 δP n ―δP n-1 SLn ×L n ×(1-ε n )、
 n、mは正の整数、ただし、n=2,3,・・・m-1,m、
により相互に隣り合う前記スラリーの圧力測 定位置間における前記合成ガスの体積分率ε n をそれぞれ求め、これら前記合成ガスの体積 分率ε n に基づいて前記第1測定位置と前記液面との における前記合成ガスの体積分率ε 1 を求め、さらに、前記合成ガスの体積分率ε 1 、前記差圧δP 1 、及び、前記第1測定位置と前記液面との間 おける前記スラリーの密度ρ SL1 に基づいて以下の式、
         δP 1 SL1 ×h×(1-ε 1 )
により前記第1測定位置から前記液面までの 離hを求める。
 この発明に係るスラリー液面検知方法によ ば、合成ガスの体積分率を考慮すると共に 数の差圧を用いてスラリーの液面位置を検 することで、気泡としてスラリー中に存在 る合成ガスからなる気体、液体および固体 三相を含むスラリーの液面位置を容易且つ 精度に検知することが可能となる。

 また、本発明のスラリー液面検知方法は、 記スラリーの液面上における前記合成ガス 圧力と、前記液面から相互に異なる複数の さ位置における前記スラリーの圧力との差 をそれぞれ測定し、前記差圧と前記スラリ の圧力測定位置との関係を直線近似し、そ 直線近似式において前記差圧が0となる位置 を前記液面位置とする。なお、このスラリー 液面検知方法においては、例えば1つのスラ ーの圧力測定位置を基準として液面位置を 知すればよい。
 そして、このスラリー液面検知方法によれ 、スラリーの密度や合成ガスの体積分率等 影響を受けることなく、合成ガスの圧力と ラリーの圧力との差圧を測定するだけで、 体、液体および固体の三相を含むスラリー 液面位置を容易に検知することができる。 た、スラリーの密度や合成ガスの体積分率 を求める必要が無いため、速やかに液面位 を検知することが可能となる。

 そして、前記スラリー液面検知方法におい は、前記スラリーの組成に基づいて前記ス リーの密度を求めると共に前記スラリーの 度を測定し、前記スラリーの温度に基づい 前記スラリーの密度を補正してもよい。
 また、前記気泡塔型炭化水素反応器は、前 スラリーの温度を測定する温度センサを備 、前記液面検知手段が、前記スラリーの組 に基づいて求められた前記スラリーの密度 前記温度センサの測定結果に基づいて補正 、さらに、補正されたスラリーの密度及び 記圧力センサの測定結果に基づいて前記ス リーの液面位置を検知してもよい。
 これらスラリー液面検知方法及び気泡塔型 化水素反応器によれば、スラリーの温度に づいてスラリーの密度を補正することで、 ラリーの組成からスラリーの密度を求める のスラリーの温度が反応器本体内における ラリーの温度と異なっていても、スラリー 液面位置を高い精度で検知することが可能 なる。

 また、前記スラリー液面検知方法において 、相互に隣り合う前記スラリーの圧力測定 置によって挟まれる前記反応器本体の区間 に、前記スラリーの組成に基づいて前記ス リーの密度を求めると共に前記スラリーの 度を測定し、各区間における前記スラリー 温度に基づいてこれに対応する区間におけ 前記スラリーの密度を個別に補正してもよ 。
 さらに、前記気泡塔型炭化水素反応器にお ては、相互に隣り合う前記他の圧力センサ よって挟まれる前記反応器本体の各区間内 、前記スラリーの温度を測定する温度セン がそれぞれ設けられ、前記液面検知手段が 各区間内における前記スラリーの組成に基 いて求められた前記スラリーの密度をこれ 対応する前記区間に配された前記温度セン の測定結果に基づいて個別に補正し、さら 、補正された前記スラリーの密度及び前記 力センサの測定結果に基づいて前記スラリ の液面位置を検知してもよい。
 これらスラリー液面検知方法及び気泡塔型 化水素反応器によれば、各区間におけるス リーの密度を、各区間におけるスラリーの 度によりそれぞれ個別に補正することで、 ラリーの液面位置をさらに高い精度で検知 ることが可能となる。

 また、前記気泡塔型炭化水素反応器にお ては、前記合成ガス供給部によって前記合 ガスを前記スラリーに安定して供給してい 状態における前記液面の近傍に、前記反応 本体内の温度を測定する補助温度センサが 記反応器本体の軸方向に複数並べて配置さ 、前記液面検知手段は、合成ガスがスラリ 中に供給されていない状態から、合成ガス 供給を開始して合成ガスがスラリー中に安 して供給されている状態となるまでの間に いて、複数の前記補助温度センサの測定結 に基づいて前記スラリーの液面位置を検知 てもよい。

 合成ガスがスラリー中に供給されていない 態(停止状態)から、合成ガスの供給を開始( 転開始)して、合成ガスがスラリー中に安定 して供給されている状態(運転状態)となるま の間には、スラリーの液面位置が大きく変 する。また、運転状態におけるスラリーの 度と液面上における合成ガスの温度との差 、スラリー中における温度差と比較して大 い。
 そこで、気泡塔型炭化水素反応器の運転開 時に、上述した複数の補助温度センサを使 して反応器本体内の温度を測定することに り、大きな温度変化を測定する補助温度セ サの配置に基づいて、温度変化が大きい液 の位置変化を捉えることができ、運転状態 あるか否かを判断することが可能となる。 して、運転状態にあると判断された場合に 前述した液面検知を開始することができる
 すなわち、この気泡塔型炭化水素反応器に れば、液面検知を開始するタイミングを容 に図ることができる。

 本発明によれば、気体、液体および固体 三相を含んで複雑な分散系をなすスラリー 液面位置を容易に検知することができる。

図1は、本発明の実施形態に係る反応器 を備える合成反応システムを示す概略図であ る。 図2は、図1の反応器の構成を示す概略 である。 図3は、本発明の第2実施形態に係る液 検知方法において、差圧と圧力の測定位置 の関係を示すグラフである。

符号の説明

3…反応器(気泡塔型炭化水素反応器)、
10…反応器本体、
12…スラリー、
12a…液面、
20…ディストリビュータ(合成ガス供給部)、
51…圧力センサ(一の圧力センサ)、
52~55…圧力センサ(他の圧力センサ)、
61~65…温度センサ、
71…演算装置(液面検知手段)、
122…液体炭化水素(炭化水素化合物)、
124…触媒粒子

 以下、図1~3を参照して本発明の好適な実施 態について説明する。
 図1に示すように、本発明の第1実施形態に る反応器(気泡塔型炭化水素反応器)3は、FT合 成反応を生じさせるものであり、FT合成反応 生成物を取り出す分離器5と共に気泡塔型ス ラリー床FT合成反応システム(合成反応システ ム)1を構成する。

 反応器3は、反応器本体10と、ディストリビ ータ20と、冷却管40と、を主に備える。
 反応器本体10は略円筒型の金属製の容器で って、その直径は1~20メートル程度、好まし は2~10メートル程度である。反応器本体10の さは10~50メートル程度、好ましくは15~45メー トル程度である。反応器本体10の内部には、 体炭化水素(FT合成反応の生成物)122中に固体 の触媒粒子124を懸濁させたスラリー12が収容 れる。この反応器本体10には、その上部か スラリー12の一部を分離器5に流出させるス リー流出口14、及びスラリー12を分離器5から 反応器本体10の下部に流入させるスラリー流 口16が形成されている。

 ディストリビュータ20は、本実施形態に る合成ガス供給部の一例であり、反応器本 10内部の下位に配設され、水素および一酸化 炭素を主成分とする合成ガスをスラリー12中 供給する。このディストリビュータ20は、 成ガス供給管22と、合成ガス供給管22の先端 に取り付けられたノズルヘッダー24と、ノ ルヘッダー24の側部に設けられた複数の合成 ガス供給ノズル26とからなる。

 外部から合成ガス供給管22を通じて供給 れた合成ガスは、ノズルヘッダー24の内部を 通過し、合成ガス供給ノズル26の下部(反応器 本体10の底部側)に設けられた合成ガス供給口 (図示せず)から、反応器本体10内部のスラリ 12中に、例えば下方(図の細矢印で示した方 )に向かって噴射される。このようにしてデ ストリビュータ20からスラリー12中に吹き込 まれた合成ガスは、気泡28となってスラリー1 2中を反応器本体10の高さ方向(鉛直方向)に下 から上方へ向かって流れる。その過程で、 成ガスは液体炭化水素122中に溶解し、触媒 子124と接触することにより、液体炭化水素 合成反応(FT合成反応)が行われる。なお、本 実施形態では合成ガスが下方に向けて噴射さ れるが、合成ガスが反応器本体10の上方に向 て噴射されてもよい。

 また、合成ガスが反応器本体10内部の下位 配設されたディストリビュータ20からスラリ ー12中に吹き込まれ、吹き込まれた合成ガス 気泡28となって反応器本体10内を上昇するこ とにより、反応器本体10の内部においては、 応器本体10内部の中央およびその付近(反応 本体10の中心軸付近)にスラリー12の上昇流( アリフト)が生じ、反応器本体10の内壁付近( 円周部付近)にはスラリー12の下降流が生じる 。これにより、図1に太矢印で示したように 反応器本体10内部に、スラリー12の循環流が じる。
 なお、スラリー12に合成ガスを安定して供 している状態(運転状態)におけるスラリー12 液面は、スラリー12に合成ガスを供給して ない状態(停止状態)におけるスラリー12の液 よりも高くなる。

 冷却管40は、反応器本体10の内部に、反応 器本体10の高さ方向に沿って設けられ、FT合 反応により発生する熱によって温度が上昇 たスラリー12を冷却する。この冷却管40は、 えば、図2に示すように、1本の管を屈曲し 鉛直方向に沿って上下に複数回往復(例えば 図2では2往復)するように形成されていても い。ただし、冷却管の形状および本数は上 形状および本数に限られるわけではなく、 応器本体10内部に均等に配置されて、スラ ー12を均等に冷却することに寄与できるもの であればよい。例えば、バイヨネット型と呼 ばれる二重管構造の冷却管を反応器本体10の 部に複数配置してもよい。

 この冷却管40内には、冷却管入口42から導入 された冷却水(例えば、反応器本体10内の温度 との差が-50~0℃程度の水)が流通している。こ の冷却水が、冷却管40内を流通する過程で、 ラリー12と冷却管40の管壁を介して熱交換す ることにより、反応器本体10内部のスラリー1 2が冷却される。冷却水の一部は、水蒸気と って冷却管出口44から排出される。なお、ス ラリー12を冷却するための媒体としては、上 のような冷却水に限られず、例えば、C 4 ~C 10 の直鎖、分岐鎖状のパラフィン、ナフテン、 オレフィン、低分子量シラン、シリルエーテ ル、シリコンオイルなどを使用することがで きる。

 また、反応器3は、図2に示すように、反応 本体10の内壁に設けられた複数の圧力センサ 51~55及び温度センサ61~65と、これら圧力セン 51~55や温度センサ61~65において測定された圧 P 1 ~P 5 や温度T 1 ~T 5 の測定結果に基づいてスラリー12の液面位置 検知するための演算を実施する演算装置(液 面検知手段)71とを備えている。
 複数(図示例では5つ)の圧力センサ51~55は、 応器本体10の軸方向(高さ方向)に間隔をあけ 配されている。そして、合成反応システム1 が運転状態となっているときに、第1圧力セ サ(一の圧力センサ)51はスラリー12の液面12a りも上方に配されて液面12a上における合成 スの圧力P 1 を測定し、また、第2~第5圧力センサ(他の圧 センサ)52~55はスラリー12の液面12aよりも下方 に配されてスラリー12の圧力P 2 ~P 5 を測定する。なお、図示例においては、反応 器本体10の最も下方側に配される第5圧力セン サ55がディストリビュータ20よりも上方に配 れているが、例えばディストリビュータ20と 同じ高さ位置、あるいは、ディストリビュー タ20よりも下方に配されていても良い。

 複数(図示例では4つ)の温度センサ61~65も、 力センサ51~55と同様に、反応器本体10の軸方 に間隔をあけて配されている。そして、合 反応システム1が運転状態となっているとき に、第1温度センサ(一の温度センサ)61はスラ ー12の液面12aよりも上方に配されて液面12a における合成ガスの温度T 1 を測定し、また、第2~第5温度センサ(他の温 センサ)62~65はスラリー12の液面12aよりも下方 に配されてスラリー12の温度T 2 ~T 5 を測定する。
 ここで、第3~第5温度センサ63~65は、それぞ 相互に隣り合う第2~第5圧力センサ52~55によっ て挟まれる反応器本体10の軸方向の各区間(軸 方向距離)L 2 ,L 3 ,L 4 内に1つずつ配されている。すなわち、例え 第3温度センサ63では、それぞれ第2圧力セン 52と第3圧力センサ53によって挟まれる区間L 2 におけるスラリー12の温度T 2 を測定することができる。なお、第3~第5温度 センサ63~65は、それぞれ各区間L 2 ,L 3 ,L 4 の中間位置に配されていることがより好まし い。

 また、第2温度センサ62は、第1圧力センサ51 第2圧力センサ52とによって挟まれる反応器 体10の軸方向の各区間L 1 のうち、液面12aより下方のスラリー12の温度T 2 を測定する位置に配されている。すなわち、 第2温度センサ62は、第2圧力センサ52と液面12a とによって挟まれる反応器本体10の軸方向の 間内に配されている。
 図1に示すように、分離器5は、反応器本体10 からスラリー流出口14を介して流出したスラ ー12の液体炭化水素122と触媒粒子124とを分 処理する。そして、触媒粒子124を多く含む ラリー12が、この分離器5からスラリー流入 16を介して反応器本体10に流入する。なお、 の実施形態において、スラリー12を反応器 体10から分離器5に流出させる流れ、及び分 器5から反応器本体10に戻すスラリー12の流れ は、この反応器本体10内部に生じるスラリー1 2の循環流によって誘起される。なお、図示 では、スラリー12の液体炭化水素122と触媒粒 子124とを分離処理する設備が反応器本体10の 側に設置されているが、例えば反応器本体1 0の内部に設置されても良い。

 次に、以上のように構成された合成反応シ テム1の動作について説明する。
 合成反応システム1が運転している状態にお いては、収容されたスラリー12中に合成ガス 供給されて、反応器本体10内部にスラリー12 の循環流が生じている。また、この状態にお いては、合成ガスと触媒粒子124との化学反応 によって液体炭化水素122が合成されている。 さらに、この化学反応に伴って発生する熱を 冷却管40により冷却している。
 また、この運転状態においては、スラリー1 2の液面12aがスラリー流出口14よりも高くに位 置しており、反応器本体10内におけるスラリ 12の循環流によってその一部がスラリー流 口14から分離器5を介してスラリー流入口16ま で循環している。

 次に、合成反応システム1が運転している状 態におけるスラリー12の液面位置を検知する 法について説明する。
 この実施形態に係るスラリー12の液面検知 法においては、予め、運転状態における区 L 1 ,L 2 ,L 3 ,L 4 毎に、反応器本体10から抜き出したスラリー1 2の組成を分析して各区間L 1 ,L 2 ,L 3 ,L 4 におけるスラリー12の密度ρ SL1 SL2 SL3 SL4 を求めておく。また、第2~第5温度センサ62~65 より運転状態におけるスラリー12中の各区 L 1 ,L 2 ,L 3 ,L 4 におけるスラリー12の温度T 2 ,T 3 ,T 4 ,T 5 を測定しておく。これら各区間L 1 ,L 2 ,L 3 ,L 4 におけるスラリー12の密度ρ SL1 SL2 SL3 SL4 及び温度T 2 ,T 3 ,T 4 ,T 5 は演算装置71に入力される。
 そして、演算装置71は、入力された各区間L 1 ,L 2 ,L 3 ,L 4 におけるスラリー12の密度ρ SL1 SL2 SL3 SL4 をこれに対応する区間L 1 ,L 2 ,L 3 ,L 4 のスラリー12の温度T 2 ,T 3 ,T 4 ,T 5 (各温度センサの測定結果)に基づいて個別に 正する。

 このスラリー12の密度ρ SL1 SL2 SL3 SL4 の補正が終了した後には、第1~第5圧力センサ 51~55により合成ガスの圧力P 1 及びスラリー12の圧力P 2 ~P 5 を連続的に測定すると共に、第1~第5圧力セン サ51~55の測定結果及びスラリー12の密度ρ SL1 SL2 SL3 SL4 に基づいて演算装置71においてスラリー12の 面位置を連続的に検知する。
 この検知に際しては、はじめに、第1~第5圧 センサ51~55により、スラリー12の液面12a上に おける未反応の合成ガスの圧力P 1 、及び液面12aから相互に異なる複数の位置に おけるスラリー12の各圧力P 2 ~P 5 を測定し、これら第1~第5圧力センサ51~55の測 結果を演算装置71に入力する。

 そして、演算装置71は、合成ガスの圧力P 1 とスラリー12の各圧力P 2 ~P 5 との差圧δP n (n=1,2,3,4)をそれぞれ測定する。
 ここでは、合成ガスの圧力P 1 と液面12aから最も近い測定位置(第1測定位置) において第2圧力センサ52により測定されるス ラリー12の圧力P 2 との差圧をδP 1 とし、nが大きくなるほど液面12aからの深さ 大きくなるものとする。すなわち、この実 形態における各差圧δP 1 ~δP 4 は、以下の式(1)で表される。
 δP n =P n+1 -P 1  (n=1,2,3,4)   ・・・(1)

 次いで、演算装置71は、差圧δP 1 ~δP 4 、スラリー12の圧力P 2 ~P 5 の各測定位置間の軸方向距離L 2 ,L 3 ,L 4 、及び区間L 2 ,L 3 ,L 4 におけるスラリー12の密度ρ SL2 SL3 SL4 に基づいて以下の式(2)~(4)、
 δP 2 ―δP 1 SL2 ×L 2 ×(1-ε 2 )   ・・・(2)、
 δP 3 ―δP 2 SL3 ×L 3 ×(1-ε 3 )   ・・・(3)、
 δP 4 ―δP 3 SL4 ×L 4 ×(1-ε 4 )   ・・・(4)、
 により、各区間L 2 ,L 3 ,L 4 において気泡28として存在する合成ガスの体 分率ε 2 3 4 をそれぞれ求める。

 その後、演算装置71は、第1測定位置と液面1 2aとの間において気泡28として存在する合成 スの体積分率ε 1 を、上述の式(2)~(4)で求められた各体積分率ε 2 3 4 の平均値や最小二乗法等により求める。
 最後に、演算装置71が、体積分率ε 1 、差圧δP 1 、及び第1測定位置と液面12aとの間における ラリーの密度ρ SL1 に基づいて、以下の式(5)、
 δP 1 SL1 ×h×(1-ε 1 )   ・・・(5)、
 により、第1測定位置から液面12aまでの距離 hを求めることで、スラリー12の液面検知が終 了する。すなわち、この実施形態においては 、第2圧力センサ52の位置を基準としたとした スラリー12の液面位置が検知されることにな 。

 以上説明したように、本実施形態に係る反 器3及びスラリー12の液面検知方法によれば 気泡28としてスラリー12中に存在する合成ガ スからなる気体、液体および固体の三相を含 むスラリーの液面位置を容易に検知すること ができる。
 また、合成ガスの体積分率ε 1 4 を考慮すると共に複数の差圧δP 1 ~δP 4 を利用してスラリー12の液面位置を検知する とで、スラリー12の液面位置を高精度に検 することができる。さらに、各区間L 1 ~L 4 におけるスラリーの密度ρ SL1 SL4 を、各区間L 1 ~L 4 におけるスラリー12の温度T 2 ~T 5 によりそれぞれ個別に補正することで、反応 器本体10から抜き出したスラリー12の組成に づいてスラリー12の密度ρ SL1 SL4 を求める際のスラリー12の温度が反応器本体1 0内におけるスラリー12の温度T 2 ~T 5 と異なっていても、スラリー12の液面位置を い精度で検知することが可能となる。

 なお、この実施形態においては、各区間L 1 ~L 4 のスラリー12の密度ρ SL1 SL4 をこれに対応する区間のスラリー12の温度T 2 ~T 5 によりそれぞれ個別に補正するとしたが、例 えばスラリー12中における温度分布の偏りが 小である場合、すなわち、スラリー12中の 度差が微小(例えば2~3℃)である場合には、各 区間のスラリー12の密度ρ SL1 SL4 を反応器本体10内の任意位置におけるスラリ 12の測定温度により補正しても良い。この 合、反応器3にはスラリー12の温度を測定す 温度センサを1つだけ設ければよい。
 また、スラリー12中における密度分布の偏 が微小である場合は、反応器本体10内の任意 位置からスラリー12を抜き出してスラリー12 密度ρ SL を1つだけ求めても良い。この場合、上記実 形態の式(1)~式(4)における密度ρ SL1 SL4 を上述の密度ρ SL に置き換えればよい。ただし、各区間L 1 ~L 4 における個別の密度ρ SL1 SL4 を使用した方が距離hをより高精度に求める とが可能である。

 なお、この実施形態に係るスラリー12の液 検知方法において、第2圧力センサ52の位置 ら液面12aまでの距離hは、5つの圧力センサ51~ 55を用いて求められるとしたが、少なくとも 1圧力センサ51及びスラリー12の液面12aより 下方に配されてスラリー12の圧力を測定する 3つ以上の圧力センサを用いれば、上記実施 態と同様に、第1測定位置から液面12aまでの 離hを求めることができる。
 すなわち、複数の差圧δP n 、相互に隣り合うスラリー12の圧力測定位置 の軸方向距離L n 、及び各区間L n におけるスラリー12の密度ρ SLn に基づいて以下の式(6)、
 δP n ―δP n-1 SLn ×L n ×(1-ε n )   ・・・(6)
 (ただし、n=2,3,・・・,m-1,m、m≧3)
 により各区間L n における合成ガスの体積分率ε n をそれぞれ求める。次いで、上記実施形態と 同様に、第1測定位置と液面12aとの間におけ 合成ガスの体積分率ε 1 を、上述の式で求められた各体積分率ε n の平均値や最小二乗法等により求める。そし て、この体積分率ε 1 、差圧δP 1 、及び第1測定位置と液面12aとの間における ラリー12の密度ρ SL1 に基づいて、上記実施形態の式(5)により、第 1測定位置から液面12aまでの距離hを求めるこ ができる。

 また、この実施形態においては、スラリー 度・スラリー容量・スラリー床中の触媒濃 (重量濃度及び体積濃度)を測定・推算する とが可能である。
 そして、スラリー12中における密度分布の りが微小である場合は、反応器3に投入され 触媒重量W、触媒の真密度ρ S 、液体炭化水素122の密度ρ L 、及び反応器3内のスラリー容量V SL に基づいて以下の式(7)によりスラリー12の密 ρ SL を算出することが可能である。
 ρ SL =((V SL -W/ρ S )×ρ L +W)/V SL    ・・・(7)
 なお、式(7)におけるスラリー容量V SL は、各区間L n に対応する反応器内容積V n 及び合成ガスの体積分率ε n に基づいて以下の式(8)、
 V SLn =(1-ε n )×V n    ・・・(8)、
 (ただし、n=2,3,・・・,m-1,m、m≧3)
 により各区間L n におけるスラリー容量V SLn を求め、これを以下の式(9)に当てはめること により求めることができる。
 V SL =(1-ε 1 )×h×A 1 +σ(1-ε n )×V n    ・・・(9)
 (ただし、n=2,3,・・・,m-1,m、m≧3)
 なお、式(9)中のA 1 は、区間L 1 に対応する反応器断面積を示している。
 一方、スラリー床中の触媒濃度C S については、触媒重量Wと、式(7)~(9)によって められたスラリー容量V SL 、及びスラリー12の密度ρ SL とに基づいて以下の式(10)により求めること できる。
 C S =W/(V SL ×ρ SL )×100   ・・・(10)
 そして、スラリー床内の触媒の体積分率ε S 、及び液体炭化水素の体積分率ε L は、触媒重量W及び触媒の真密度ρ S と、式(9)によって求められたスラリー容量V SL とに基づいて、以下の式(11)、(12)によりそれ れ求められる。
 ε S =(W/ρ S )/V SL    ・・・(11)
 ε L =(V SL -W/ρ S )/V SL    ・・・(12)

 次に、本発明の第2実施形態に係る液面検知 方法について主に図3を参照して説明する。 お、この第2実施形態に係る液面検知方法に いては、第1実施形態と同様の反応器3を用 てスラリー12の液面位置を検知することが可 能である。
 この実施形態に係るスラリー12の液面検知 法では、第1~第5圧力センサ51~55により合成ガ スの圧力P 1 及びスラリー12の圧力P 2 ~P 5 を連続的に測定すると共に、第1~第5圧力セン サ51~55の測定結果のみに基づいて演算装置71 おいてスラリー12の液面位置を連続的に検知 する。

 この検知に際しては、第1~第5圧力センサ51~5 5により測定した合成ガスの圧力P 1 及びスラリー12の圧力P 2 ~P 5 を演算装置71に入力し、演算装置71は、合成 スの圧力P 1 とスラリー12の各圧力P 2 ~P 5 との差圧δP n (n=1,2,3,4)をそれぞれ測定する。なお、この実 形態における各差圧δP 1 ~δP 4 は、第1実施形態において示した式(1)によっ 表される。
 そして、演算装置71は、例えば図3に示すよ に、測定した差圧δP 1 ~δP 4 及びスラリー12の圧力P 2 ~P 5 の測定位置に基づいて、差圧δPと圧力P 1 ~P 5 の測定位置(軸方向位置)との関係を最小二乗 により直線近似し、求められた直線近似式( L=a×δP+h 0 )において差圧δPが0となる位置(L=h 0 )をスラリー12の液面位置として特定する。な お、図示例のグラフにおいては、スラリー12 液面位置が第5圧力センサ55の軸方向位置を 準として示されているが、これに限ること 無く、例えば第2~第4圧力センサ52~54のいず か1つの軸方向位置を基準として示しても良 。

 この実施形態に係るスラリー12の液面検知 法によれば、合成ガスの圧力P 1 とスラリー12の圧力P 2 ~P 5 との差圧δP 1 ~δP 4 を測定するだけで、スラリー12の密度や気泡2 8としてスラリー12中に存在する合成ガスの体 積分率等の影響を受けることなく、合成ガス からなる気体、液体および固体の三相を示す スラリーの液面位置を容易に検知することが できる。すなわち、この液面検知方法で使用 する反応器3には温度センサ61~65を設ける必要 が無いため、第1実施形態の場合と比較して 応器3の構成の簡素化を図ることができる。
 また、スラリー12の密度ρ SL1 SL4 SL や合成ガスの体積分率ε 1 4 等を求める必要も無いため、速やかに液面位 置を検知することが可能となる。

 なお、この実施形態に係る液面検知方法 より液面位置を検知する場合には、スラリ 12の圧力を測定する圧力センサの数が少な とも3つ以上あればよく、これら複数の圧力 ンサが反応器本体10の軸方向に間隔をあけ 配されていれば良い。

 また、全ての実施形態においては、反応器3 が合成反応システム1の運転状態における液 12aの近傍に反応器本体10内の温度を測定する 補助温度センサを複数備え、これら複数の補 助温度センサが反応器本体10の軸方向に並べ 配置されていても良い。そして、演算装置7 1は、停止状態から運転状態となるまでの間 おいて複数の補助温度センサの測定結果に づいてスラリー12の液面位置を検知する、と しても良い。
 すなわち、合成ガスがスラリー12中に供給 れていない状態(停止状態)から、合成ガスの 供給を開始(運転開始)して、合成ガスがスラ ー12中に安定して供給されている状態(運転 態)となるまでの間には、スラリー12の液面 置が大きく変化する。また、運転状態にお るスラリー12の温度と液面12a上における合 ガスの温度との差は、スラリー12中における 温度差と比較して大きい。

 そこで、前述したように、運転開始時に 数の補助温度センサを使用して反応器本体1 0内の温度を測定することにより、補助温度 ンサの配置によって温度変化が大きい液面12 aの位置変化を捉えることができ、運転状態 あるか否かを判断することが可能となる。 して、運転状態にあると判断された場合に 前述した液面検知を開始することが可能と る。すなわち、この構成の場合には、スラ ー12の液面検知を開始するタイミングを容易 に図ることができる。

 以上、本発明の好ましい実施形態を説明 たが、本発明は上記の実施形態に限定され ことはない。本発明の趣旨を逸脱しない範 で、構成の付加、省略、置換、およびその の変更が可能である。本発明は前述した説 によって限定されることはなく、添付のク ームの範囲によってのみ限定される。

 本発明は、水素及び一酸化炭素を主成分と る合成ガスと、液体中に固体の触媒粒子を 濁させてなるスラリーとの化学反応によっ 炭化水素化合物を合成する気泡塔型炭化水 反応器であって、前記スラリーを収容する 応器本体と、前記合成ガスを前記スラリー 供給する合成ガス供給部と、前記スラリー 液面よりも上方に配されて前記液面上にお る前記合成ガスの圧力を測定する一の圧力 ンサと、前記スラリーの液面よりも下方に されて前記スラリーの圧力を測定する他の 力センサと、前記圧力センサの測定結果に づいて前記スラリーの液面位置を検知する 面検知手段と、を備え、前記他の圧力セン が、前記反応器本体の軸方向に間隔をあけ 複数設けられている気泡塔型炭化水素反応 に関する。
 本発明の気泡塔型炭化水素反応器によれば 気体、液体および固体の三相を含んで複雑 分散系をなすスラリーの液面位置を容易に 知することができる。