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Title:
BUMPER STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110461
Kind Code:
A1
Abstract:
A lightweight bumper structure is achieved without a reduction in the amount of absorption of collision energy. A bumper structure (B1) is provided with a left and right pair of bumper stays (1, 1) fixed to side members (S), and also with a bumper reinforcing member (2) supported by both the bumper stays (1, 1). Each bumper stay (1) is formed in a shape the width of which gradually increases from the side member (S) toward the bumper reinforcing member (2). The bumper reinforcing member (2) is curved between both the bumper stays (1, 1). The rigidity of the bumper stays (1) and the bumper reinforcing member (2) is set so that the bumper stays (1) are crushed in the front-rear direction after the curved portion of the bumper reinforcing member (2) is rectilinearly extended.

Inventors:
SAITO SHIGENORI (JP)
SHIMANO YASUTOSHI (JP)
LI JI (JP)
NOGUCHI KAZUHIRO (JP)
NAKAJIMA KATSU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053953
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
March 03, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIKKEIKIN ALUMINIUM CORE TECH (JP)
NIPPON LIGHT METAL CO (JP)
SAITO SHIGENORI (JP)
SHIMANO YASUTOSHI (JP)
LI JI (JP)
NOGUCHI KAZUHIRO (JP)
NAKAJIMA KATSU (JP)
International Classes:
B60R19/34; B60R19/04
Foreign References:
JP2007261427A2007-10-11
JP2002012104A2002-01-15
Attorney, Agent or Firm:
ISONO, Michizo (JP)
Michizo Isono (JP)
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Claims:
 車体に固定される左右一対のバンパーステイと、
 前記両バンパーステイに支持されるバンパーリインフォースメントとを備えるバンパー構造であって、
 前記バンパーステイは、前記車体から前記バンパーリインフォースメントに向かうにしたがって幅寸法が漸増する形状を具備しており、
 前記バンパーリインフォースメントは、前記両バンパーステイの間において屈曲または湾曲しており、
 前記バンパーリインフォースメントの屈曲部分または湾曲部分が直線状に伸ばされた後に前記バンパーステイが前後方向に圧潰するように、前記バンパーリインフォースメントおよび前記バンパーステイの剛性が設定されていることを特徴とするバンパー構造。
 車体に固定される左右一対のバンパーステイと、
 前記両バンパーステイに支持されるバンパーリインフォースメントとを備えるバンパー構造であって、
 前記バンパーステイは、車幅方向に間隔をあけて対向する一対の側壁を具備しており、
 前記両側壁の離隔距離は、前記車体から前記バンパーリインフォースメントに向かうにしたがって漸増しており、
 前記バンパーリインフォースメントは、前記両バンパーステイの間において屈曲または湾曲しており、
 前記バンパーリインフォースメントの屈曲部分または湾曲部分が直線状に伸ばされた後に車幅方向内側に位置する前記側壁が座屈するように、前記バンパーリインフォースメントおよび前記バンパーステイの剛性が設定されていることを特徴とするバンパー構造。
 車幅方向内側に位置する前記側壁が、前記バンパーステイの内空側に湾曲した部位を有することを特徴とする請求の範囲第2項に記載のバンパー構造。
 前記バンパーステイは、前記バンパーリインフォースメントに当接する固定部と、車幅方向内側に位置する前記側壁から前記固定部に至る補強壁とを具備しており、
 車幅方向内側の前記側壁と前記固定部と前記補強壁とにより、平面視三角形状を呈する中空空間が形成されていることを特徴とする請求の範囲第2項に記載のバンパー構造。
 前記バンパーリインフォースメントの屈曲部分または湾曲部分が直線状に伸ばされた後に前記バンパーステイが前記バンパーリインフォースメントに減り込むように、前記バンパーリインフォースメントおよび前記バンパーステイの剛性が設定されていることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のバンパー構造。
 前記バンパーステイが前記バンパーリインフォースメントに減り込んだ後に前記バンパーステイが圧潰するように、前記バンパーリインフォースメントおよび前記バンパーステイの剛性が設定されていることを特徴とする請求の範囲第5項に記載のバンパー構造。
 前記バンパーリインフォースメントおよび前記バンパーステイの少なくとも一方が、アルミニウム合金製の押出形材からなることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のバンパー構造。
Description:
バンパー構造

 本発明は、バンパーリインフォースメン とバンパーステイとにより構成されるバン ー構造に関する。

 屈曲部分を有するバンパーリインフォー メントと、これを支持するバンパーステイ により構成されるバンパー構造であって、 ンパーリインフォースメントの屈曲部分が 線状に伸ばされた後に、バンパーリインフ ースメントの前後方向への圧潰が進行する ンパー構造が知られている(特許文献1参照 )。このバンパー構造によれば、圧潰荷重の ークを低く抑えつつ衝突エネルギーの吸収 を大きくすることができるので、軽衝突時 おけるエアーバック等の安全装置の誤作動 防ぎつつ車体に与えるダメージを緩和する とが可能となる。

 また、末広がり形状(サイドメンバからバ ンパーリインフォースメントに向かうにした がって幅寸法が漸増する形状)の中空形材か なるバンパーステイを具備したバンパー構 が知られている(特許文献2,3参照)。末広がり 形状のバンパーステイを使用すれば、バンパ ーリインフォースメントが圧潰する範囲を増 大させることができるので、衝突エネルギー の吸収量を増大さることが可能となる。

 なお、本明細書では、バンパーリインフ ースメントの屈曲部分または湾曲部分が直 状に伸びる過程を「伸長過程」と称し、バ パーリインフォースメントが前後方向へ圧 する過程を「断面圧潰過程」と称し、バン ーステイが前後方向へ圧潰する過程を「ス イ圧潰過程」と称することとする。

国際公開第2007/110938号パンフレット

特開2003-312399号公報

特開2004-182139号公報

 特許文献1のバンパーリインフォースメン トは、中空形材にて構成されているが、この ような形態のバンパーリインフォースメント の軽量化を図るためには、中空形材の肉厚を 減少させるのが効果的である。ところが、バ ンパーリインフォースメントの肉厚を減少さ せると、その断面2次モーメントが小さくな ので、バンパーリインフォースメントの屈 部分を直線状に伸ばす際の変形抵抗が小さ なってしまい、その結果、伸長過程におい 吸収される衝突エネルギーの量も小さくな てしまう。つまり、バンパーリインフォー メントの軽量化を図るべく肉厚を減少させ と、衝突エネルギーの吸収量を大きくした というニーズに応えられなくなってしまう

 左右のバンパーステイの離隔距離(すなわ ち、バンパーリインフォースメントの支点間 距離)を狭めることができれば、伸長過程に いて吸収される衝突エネルギーの量を減少 せずに、バンパーリインフォースメントの 肉化(軽量化)を図ることができるが、サイド メンバに固定されるバンパーステイの取付位 置を変更するのは、極めて困難であり、現実 的ではない。

 なお、特許文献2,3のバンパー構造は、末 がり形状を呈するバンパーステイの存在に って、バンパーリインフォースメントの支 間距離が狭まっているように見えるが、特 文献2,3のバンパーステイにおいて末広がり 状を形作っている車幅方向内側の側壁は、 突の初期において早々に座屈するものであ から、バンパーリインフォースメントの変 抵抗を高める役割を担っていると言うこと できない。つまり、特許文献2,3のバンパー 造においても、バンパーリインフォースメ トの軽量化を図るべく肉厚を減少させると 伸長過程において吸収される衝突エネルギ の量が小さくなってしまう。

 このような観点から、本発明は、衝突エ ルギーの吸収量を減少させることなく軽量 を図ることが可能なバンパー構造を提供す ことを課題とする。

 このような課題を解決する本発明は、車 に固定される左右一対のバンパーステイと 前記両バンパーステイに支持されるバンパ リインフォースメントとを備えるバンパー 造であって、前記バンパーステイは、前記 体から前記バンパーリインフォースメント 向かうにしたがって幅寸法が漸増する形状 具備しており、前記バンパーリインフォー メントは、前記両バンパーステイの間にお て屈曲または湾曲しており、前記バンパー インフォースメントの屈曲部分または湾曲 分が直線状に伸ばされた後に前記バンパー テイが前後方向に圧潰するように、前記バ パーリインフォースメントおよび前記バン ーステイの剛性が設定されていることを特 とする。

 本発明は、末広がり形状を呈するバンパ ステイによって、バンパーリインフォース ントを支持するものであるが、伸長過程(バ ンパーリインフォースメントの屈曲部分また は湾曲部分が直線状に伸ばされる過程)中に ンパーステイが圧潰するようなことがない で、バンパーリインフォースメントの支点 距離が、見た目だけでなく実質的にも狭ま ことになる。つまり、本発明によれば、バ パーステイ間におけるバンパーリインフォ スメントの変形抵抗を低下させることなく ンパーリインフォースメントの肉厚を小さ することが可能となり、したがって、伸長 程において吸収される衝突エネルギーの吸 量を減少させることなく軽量化を図ること 可能となる。

 ちなみに、本発明において、バンパーリ ンフォースメントの肉厚を、幅寸法が一定 バンパーステイで支持する場合と同等にす と、バンパーステイ間におけるバンパーリ ンフォースメントの変形抵抗が、幅寸法が 定のバンパーステイで支持する場合よりも まることになるので、伸長過程において吸 される衝突エネルギー量が増大することに る。

 なお、バンパーステイが車幅方向に間隔 あけて対向する一対の側壁を具備していて かつ、前記両側壁の離隔距離が前記車体か バンパーリインフォースメントに向かうに たがって漸増している場合には、前記バン ーリインフォースメントの屈曲部分または 曲部分が直線状に伸ばされた後に車幅方向 側に位置する前記側壁が座屈するように、 記バンパーリインフォースメントおよび前 バンパーステイの剛性を設定するとよい。 のようにすると、バンパーステイの車幅方 内側の側壁が伸長過程中に座屈するような とがないので、バンパーリインフォースメ トの支点間距離が、見た目だけでなく実質 にも狭まることになる。つまり、バンパー テイ間におけるバンパーリインフォースメ トの変形抵抗を低下させることなくバンパ リインフォースメントの肉厚を小さくする とが可能となり、したがって、伸長過程に いて吸収される衝突エネルギーの吸収量を 少させることなく軽量化を図ることが可能 なる。

 車幅方向内側に位置する前記側壁に、前 バンパーステイの内空側に湾曲した部位を 成してもよい。このようにすると、車幅方 内側の側壁の座屈モードを、バンパーステ 3の内空側に入り込むような座屈モードに誘 導することが可能となるので、バンパーステ イが圧潰する際に吸収される衝突エネルギー 量にばらつきが生じ難くなる。

 前記バンパーステイに、前記バンパーリ ンフォースメントに当接する固定部と、車 方向内側に位置する前記側壁から前記固定 に至る補強壁とを具備させ、車幅方向内側 前記側壁と前記固定部と前記補強壁とによ 、平面視三角形状を呈する中空空間を形成 るとよい。このようにすると、車幅方向内 の側壁が変形し難くなるので、伸長過程中 バンパーリインフォースメントをより安定 て支持することが可能になる。

 本発明においては、前記バンパーリイン ォースメントの屈曲部分または湾曲部分が 線状に伸ばされた後に前記バンパーステイ 前記バンパーリインフォースメントに減り むように、前記バンパーリインフォースメ トおよび前記バンパーステイの剛性を設定 てもよい。このようにすると、伸長過程中 車体に伝わる衝突荷重のピークと断面圧潰 程(バンパーリインフォースメントが前後方 向へ圧潰する過程)中に車体に伝わる衝突荷 (圧潰荷重)のピークとが時間差をもって順次 現れるようになるので、車体に伝達する衝突 荷重が増大した後に衝突荷重が大きく減少す ることを防いで荷重値を維持することが可能 となる。また、末広がり形状のバンパーステ イをバンパーリインフォースメントに減り込 ませると、バンパーリインフォースメントの 圧潰範囲が増大するので、衝突エネルギーの 吸収量が増大することになる。

 また、本発明においては、前記バンパー テイが前記バンパーリインフォースメント 減り込んだ後に前記バンパーステイが圧潰 るように、前記バンパーリインフォースメ トおよび前記バンパーステイの剛性を設定 てもよい。このようにすると、伸長過程、 面圧潰過程およびステイ圧潰過程(バンパー ステイ自体が圧潰する過程)の各過程におい 車体に伝わる衝突荷重のピークが時間差を って順次現れるようになるので、衝突荷重 増大した後に衝突荷重が大きく減少するこ を防いで荷重値を維持することが可能とな 。

 なお、前記バンパーリインフォースメン および前記バンパーステイの少なくとも一 をアルミニウム合金製の押出形材で形成す と、バンパー構造の軽量化・低コスト化を ることが可能となり、さらには、製造が容 になるとともに、品質が安定する。

 本発明によると、衝突エネルギーの吸収 を減少させることなく軽量化を図ることが 能となる。

本発明の第一の実施形態に係るバンパ 構造を示す斜視図である。 (a)は本発明の第一の実施形態に係るバ パー構造を示す拡大平面図、(b)は(a)のX-X線 面図である。 (a)は衝突荷重が作用する前のバンパー 造を示す平面図、(b)は伸長過程を示す平面 、(c)は断面圧潰過程を示す平面図、(d)はス イ圧潰過程を示す平面図である。 (a)および(b)は、バンパーステイの変形 を示す平面図である。 バンパーリインフォースメントの変形 を示す平面図である。 (a)は本発明の第二の実施形態に係るバ パー構造を示す拡大平面図、(b)は車幅方向 側の側壁の構成を説明するための拡大平面 である。 本発明の第二の実施形態に係るバンパ 構造を示す拡大斜視図である。 (a)は衝突荷重が作用する前のバンパー 造を示す平面図、(b)は伸長過程を示す平面 、(c)は断面圧潰過程を示す平面図、(d)はス イ圧潰過程を示す平面図である。 (a)は本発明の第三の実施形態に係るバ パー構造を示す平面図、(b)は同じく背面図 ある。 本発明の第三の実施形態に係るバンパ ー構造を示す拡大平面図である。

符号の説明

 B1 バンパー構造
  1  バンパーステイ
  12,13  側壁
  14  固定部
  2  バンパーリインフォースメント
 B2 バンパー構造
  3  バンパーステイ
  32,33  側壁
  34B  内側固定部(固定部)
  36  補強壁
  4  バンパーリインフォースメント
 B3 バンパー構造
  5  バンパーステイ
  52,53  側壁
  54B  内側固定部(固定部)
  56  補強壁
  6  バンパーリインフォースメント

(第一の実施形態)
 図1に示すように、第一の実施形態に係るバ ンパー構造B1は、サイドメンバ(車体)Sに固定 れる左右一対のバンパーステイ1,1と、両バ パーステイ1,1に支持されるバンパーリイン ォースメント2と、を備えている。なお、本 実施形態では、バンパー構造B1がフロントバ パーを構成する場合を例示し、「前後」、 右左」、「上下」は車体に取り付けた状態 基準にする。また、「車幅方向」とは「左 方向」と同義である。

 バンパーステイ1は、サイドメンバSから ンパーリインフォースメント2に向かうにし がって幅寸法が漸増する形状(末広がり形状 )を具備している。本実施形態のバンパース イ1は、三つの中空空間a,b,cを有するアルミ ウム合金製の中空押出形材からなり、その 出方向が上下方向となるように配置されて る。

 図2の(a)に示すように、バンパーステイ1 、ベース部11と、一対の側壁12,13と、固定部1 4と、仕切壁15と、補強壁16と、外側張出部17 、内側張出部18と、を備えて構成されている 。

 ベース部11は、サイドメンバSの前端面に 定される平板状の部位である。ベース部11 適所には、ボルト挿通孔が形成されている このボルト挿通孔には、ベース部11をサイド メンバSの前端面に締着するためのボルトが 通される。

 車幅方向外側の側壁12は、ベース部11の車 幅方向外側の端縁から固定部14の車幅方向外 の端縁に至る部位である。車幅方向内側の 壁13は、ベース部11の車幅方向内側の端縁か ら固定部14の車幅方向内側の端縁に至る平板 の部位である。両側壁12,13は、仕切壁15を挟 むように配置されており、車幅方向(左右方 )に間隔をあけて対向している。両側壁12,13 離隔距離は、サイドメンバSからバンパーリ ンフォースメント2に向かうにしたがって漸 増している。

 なお、以下の説明において、両側壁12,13 区別する場合には、車幅方向外側(バンパー インフォースメント2の長手方向の端部寄り )の側壁12を「外壁12」と称し、車幅方向内側( バンパーリインフォースメント2の長手方向 中央部寄り)の側壁13を「内壁13」と称するこ とがある。

 外壁12は、ベース部11の車幅方向外側の端 縁を通り且つベース部11と直交する平面s1よ も車幅方向外側に位置していて、本実施形 では、折れ曲がりのない平板状を呈してい 。すなわち、ベース部11と外壁12とで形成さ る内角αは鈍角になっている。なお、外壁12 の肉厚、長さ、内角αの大きさなどを調整す ことで、主として中空空間aの潰れ易さを調 整することができる。例えば、外壁12の肉厚 大きくするか、外壁12の長さを小さくする 、外壁12の座屈荷重が大きくなるので、中空 空間aが潰れ難くなり、外壁12の肉厚を小さく するか、外壁12の長さを大きくすると、外壁1 2の座屈荷重が小さくなるので、中空空間aが れ易くなる。

 内壁13は、ベース部11の車幅方向内側の端 縁を通り且つベース部11と直交する平面s2よ も車幅方向内側に位置している。すなわち ベース部11と内壁13とで形成される内角βは 角になっている。本実施形態の内壁13は、前 後方向の中央部の一箇所(折れ線q)において屈 曲している。内壁13のうち、折れ線qよりもベ ース部11側に位置する第一平板部13Aと折れ線q よりもバンパーリインフォースメント2側に 置する第二平板部13Bとで形成される内角γは 180度よりも大きくなっている。なお、内壁13 肉厚、長さ、内角β,γの大きさなどを調整 ることで、中空空間b,cの潰れ易さを調整す ことができる。例えば、内壁13の肉厚を大き くするか、内壁13の長さを小さくすると、内 13の座屈荷重が大きくなるので、中空空間b, cが潰れ難くなり、内壁13の肉厚を小さくする か、内壁13の長さを大きくすると、内壁13の 屈荷重が小さくなるので、中空空間b,cが潰 易くなる。

 固定部14は、バンパーリインフォースメ ト2の車体側の側面2aに固定される部位であ 。固定部14の当接面14aは、バンパーリインフ ォースメント2の側面2aと同じ曲率の曲面(円 面)に成形されており、バンパーリインフォ スメント2の側面2aに面接触可能である。

 仕切壁15は、ベース部11と固定部14とを繋 部位である。仕切壁15は、中空空間a,bの潰 易さを調整する役割を主に担っていて、例 ば、仕切壁15の肉厚を大きくするか、仕切壁 15の長さを小さくすると、仕切壁15の座屈荷 が大きくなるので、中空空間a,bが潰れ難く り、仕切壁15の肉厚を小さくするか、仕切壁 15の長さを大きくすると、仕切壁15の座屈荷 が小さくなるので、中空空間a,bが潰れ易く る。なお、本実施形態の仕切壁15は、ベース 部11の中央部に垂設されているが、仕切壁15 位置や傾き等を限定する趣旨ではない。

 補強壁16は、内壁13と固定部14とを繋ぐ部 である。補強壁16は、内壁13の座屈強度を高 める役割を担うとともに、中空空間b、cの潰 易さを調整する役割を担っている。例えば 補強壁16の肉厚を大きくするか、補強壁16の 長さを小さくすると、補強壁16の座屈荷重が きくなるので、内壁13が座屈し難くなると もに、中空空間b,cが潰れ難くなる。また、 強壁16の肉厚を小さくするか、補強壁16の長 を大きくすると、補強壁16の座屈荷重が小 くなるので、内壁13が座屈し易くなるととも に、中空空間b,cが潰れ易くなる。なお、本実 施形態の補強壁16は、平面s2と固定部14との交 線pと、内壁13の折れ線qとを結ぶように設け れていて、内壁13の第二平板部13Bと固定部14 ともにトラス構造を形成しているが、補強 16の位置等を限定する趣旨ではない。

 外側張出部17は、外壁12と固定部14との接 部から車幅方向外側(図2の(a)において左側) 向って張り出す部位である。外側張出部17 当接面17aは、バンパーリインフォースメン 2の側面2aと同じ曲率の曲面(円弧面)に成形さ れており、バンパーリインフォースメント2 側面2aに面接触可能である。

 内側張出部18は、内壁13と固定部14との接 部から車幅方向内側(図2の(a)において右側) 向って張り出す部位である。内側張出部18 当接面18aは、バンパーリインフォースメン 2の側面2aと同じ曲率の曲面(円弧面)に成形さ れており、バンパーリインフォースメント2 側面2aに面接触可能である。

 なお、本実施形態のバンパーステイ1にお いては、内壁13および補強壁16に座屈や塑性 げ変形が発生した後に外壁12および仕切壁15 座屈や塑性曲げ変形が発生するように各部 剛性(肉厚や断面寸法など)が設定されてい 。

 バンパーリインフォースメント2は、バン パーステイ1,1に架設されるものであり、溶接 等の手段によりバンパーステイ1の当接面14a,1 7a,18aに固着されている。図示のバンパーリイ ンフォースメント2は、その全体が円弧状に 曲しており(図3の(a)参照)、両端部が車体側( 方)に傾斜している。ちなみに、このような バンパーリインフォースメント2は、アルミ ウム合金製の中空押出形材に曲げ加工を施 ことにより得ることができる。

 バンパーリインフォースメント2は、図2 (b)に示すように、その外殻となる角筒状の 体部21と、この本体部21の内部に配置された 壁22とを備えている。中壁22は、バンパーリ インフォースメント2の断面剛性を向上させ 目的で配置されたものであり、本実施形態 は、本体部21の内部空間を上下二つに分割す るように配置されている。

 なお、バンパーリインフォースメント2は 、バンパーステイ1,1間において湾曲部分が直 線状に伸ばされる過程(伸長過程)で衝突エネ ギーを吸収するとともに、バンパーステイ1 に隣接した領域において上壁21a、下壁21bおよ び中壁22に座屈や塑性曲げ変形が発生する過 (断面圧潰過程)で衝突エネルギーを吸収す 。本実施形態では、伸長過程が進行した後 断面圧潰過程が進行するように、バンパー インフォースメント2全体の曲げ剛性が設定 れている。

 ちなみに、伸長過程の開始・終了のタイ ングに影響を及ぼすのは、主としてバンパ リインフォースメント2全体の曲げ剛性であ る。当該曲げ剛性は、断面2次モーメントを 減させることで調整される。バンパーリイ フォースメント2の断面2次モーメントの大小 に影響を及ぼすのは、主に、前壁21cおよび後 壁21dの肉厚の大きさと、前壁21cと後壁21dとの 離間距離の大きさであるから、これらを増減 させることで、伸長過程の開始・終了のタイ ミングを調整することができる。一方、断面 圧潰過程の開始・終了のタイミングに影響を 及ぼすのは、主に、上壁21a、下壁21bおよび中 壁22の肉厚と、前壁21cと後壁21dとの離間距離 大きさであるから、これらを増減させるこ で、断面圧潰過程の開始・終了の時期を調 することができる。

 また、本実施形態では、バンパーリイン ォースメント2の伸長過程および断面圧潰過 程が進行した後に、ステイ圧潰過程が進行す るようにバンパーステイ1およびバンパーリ ンフォースメント2の剛性(各部の肉厚や断面 寸法など)が設定されている。

 次に、図3を参照して、バンパー構造B1が衝 エネルギーを吸収する過程を説明する。
 車体前後方向の衝突荷重がバンパー構造B1 作用すると、図3の(b)に示すように、まず、 ンパーステイ1,1間においてバンパーリイン ォースメント2の湾曲部分が直線状に伸ばさ れることで、衝突エネルギーが吸収される( 長過程)。

 伸長過程だけで衝突エネルギーを吸収で ない場合には、図3の(c)に示すように、バン パーステイ1がバンパーリインフォースメン 2に減り込むことで、衝突エネルギーが吸収 れる(断面圧潰過程)。バンパーリインフォ スメント2の湾曲部分を直線状に伸ばした後 、バンパーステイ1をバンパーリインフォー スメント2に減り込ませれば、伸長過程中に イドメンバSに伝わる衝突荷重のピークと断 圧潰過程(バンパーリインフォースメントが 前後方向へ圧潰する過程)中にサイドメンバS 伝わる衝突荷重のピークとが時間差をもっ 現れるようになる。なお、断面圧潰過程で 、バンパーステイ1に隣接した領域において 、図2の(b)に示すバンパーリインフォースメ ト2の本体部21のうち、主として上壁21a、下 21bおよび中壁22に座屈や塑性曲げ変形が発生 し、本体部21の内部空間が潰れる。

 断面圧潰過程が進行してもなお衝突エネ ギーを吸収しきれない場合には、バンパー テイ1自体が前後方向に圧潰することで衝突 エネルギーが吸収される(ステイ圧潰過程)。 ンパーステイ1をバンパーリインフォースメ ント2に減り込ませた後に、バンパーステイ1 圧潰させると、断面圧潰過程中にサイドメ バSに伝わる衝突荷重のピークとステイ圧潰 過程中にサイドメンバSに伝わる衝突荷重の ークとが時間差をもって現れるようになる なお、ステイ圧潰過程では、バンパーステ 1の主として外壁12、内壁13、仕切壁15および 強壁16に座屈や塑性曲げ変形等が発生し、 空空間a,b,c(図2の(a)参照)が潰れる。ちなみに 、本実施形態のステイ圧潰過程においては、 まず、バンパーステイ1の内壁13および補強壁 16に座屈や塑性曲げ変形が発生して中空空間b ,cが潰れ、次いで、仕切壁15に座屈や塑性曲 変形が発生して中空空間bがより一層潰れる ともに、外壁12に座屈や塑性曲げ変形が発 して中空空間aが潰れる。

 以上説明したバンパー構造B1によれば、 ンパーステイ1,1間においてバンパーリイン ォースメント2の湾曲部分が直線状に伸ばさ る過程(伸長過程)中に、バンパーステイ1,1 前後方向に圧潰するようなことがない(すな ち、伸長過程中に内壁13が座屈するような とがない)ので、バンパーリインフォースメ ト2の支点間距離が、見た目だけでなく実質 的にも狭まることになる。

 なお、何らの対策を施すことなく、バン ーリインフォースメント2の前壁21cおよび後 壁21dの肉厚を小さくすると、バンパーリイン フォースメント2の軽量化が図られる一方で バンパーリインフォースメント2の曲げ剛性 小さくなってしまい、バンパーリインフォ スメント2の変形抵抗が低下するとともに、 伸長過程において吸収される衝突エネルギー の吸収量が減少してしまう。これに対し、本 実施形態のバンパー構造B1によれば、末広が 形状のバンパーステイ1によってバンパーリ インフォースメント2の支点間距離を狭めて るので、バンパーリインフォースメント2の 壁21cおよび後壁21dの肉厚を小さくして軽量 を図ったとしても、バンパーリインフォー メント2の変形抵抗が大きく低下するような ことはなく、したがって、伸長過程において 吸収される衝突エネルギーの吸収量が大きく 減少するようなこともない。つまり、バンパ ー構造B1によれば、バンパーステイ1,1間にお るバンパーリインフォースメント2の変形抵 抗を低下させることなくバンパーリインフォ ースメント2の肉厚(特に、前壁21c、後壁21dの 厚)を小さくすることが可能となり、したが って、伸長過程において吸収される衝突エネ ルギーの吸収量を減少させることなく軽量化 を図ることが可能となる。

 ちなみに、バンパー構造B1において、バ パーリインフォースメント2の肉厚を、幅寸 が一定のバンパーステイで支持する場合と 等にすると、バンパーステイ1,1間における ンパーリインフォースメント2の変形抵抗が 、幅寸法が一定のバンパーステイで支持する 場合よりも高まることになるので、伸長過程 において吸収される衝突エネルギー量が増大 することになる。

 また、バンパー構造B1によれば、伸長過 、断面圧潰過程およびステイ圧潰過程の各 程中にサイドメンバSに伝わる衝突荷重のピ クが時間差をもって順次現れることになる で、衝突荷重が増大した後に衝突荷重が大 く減少することを防いで荷重値を維持する とが可能となる。

 さらに、バンパー構造B1によれば、末広 り形状のバンパーステイ1を使用しているの 、末広がり形状ではないバンパーステイを 用した場合に比べて、バンパーリインフォ スメント2の圧潰範囲を増大させることが可 能となり、ひいては、衝突エネルギーの吸収 量を増大さることが可能となる。

 加えて、バンパー構造B1によれば、バン ーステイ1およびバンパーリインフォースメ ト2の両方をアルミニウム合金製の押出形材 で形成しているので、バンパー構造B1の軽量 ・低コスト化を図ることが可能となり、さ には、製造が容易になるとともに、品質が 定する。

 なお、バンパーステイ1およびバンパーリ インフォースメント2の構成は、適宜変更し も差し支えない。

 例えば、前記した実施形態においては、 ンパーステイ1の仕切壁15を一つとした場合 例示したが、図4の(a)に示すように、二つ以 上の仕切壁15を配置してもよい。

 また、前記した実施形態においては、補 壁16を配置することで、伸長過程中に内壁13 が座屈するのを防止したが、図4の(b)に示す うに、内壁13の肉厚を他の部分の肉厚よりも 増大させることで、伸長過程中の座屈を防止 してもよい。この場合、補強壁16は省略する とができる。

 また、前記した実施形態においては、全 が円弧状に湾曲したバンパーリインフォー メント2を例示したが、図5に示すように、 ンパーステイ1,1の間に二箇所の屈曲部分2a,2a を備えるバンパーリインフォースメント2で っても差し支えない。この場合には、バン ーリインフォースメント2の屈曲部分2a,2aが 線状に伸ばされることで、衝突初期におけ 衝突エネルギーが吸収されることになる。

(第二の実施形態)
 第一の実施形態では、外側張出部17と内側 出部18とを具備したバンパーステイ1を例示 たが、外側張出部17と内側張出部18とを省略 てもよい。

 図6の(a)に示すように、第二の実施形態に 係るバンパー構造B2は、張出部を具備しない ンパーステイ3と、バンパーリインフォース メント4とを備えている。なお、バンパー構 B2は、フロントバンパーを構成している。

 バンパーステイ3は、サイドメンバSから ンパーリインフォースメント4に向かうにし がって幅寸法が漸増する形状(末広がり形状 )を具備している。本実施形態のバンパース イ3は、閉断面形状の中空空間a,b,cを有する ルミニウム合金製の中空押出形材(ホロー形 )からなり、その押出方向が上下方向となる ように配置されている。三つの中空空間a,b,c うち、車幅方向外側の中空空間aおよび車幅 方向内側の中空空間cは、平面視三角形状を しており、中空空間a,cの間に位置する中空 間bは、平面視五角形状を呈している。

 バンパーステイ3の構成をより詳細に説明す る。
 バンパーステイ3は、ベース部31と、一対の 壁32,33と、外側固定部34Aと、内側固定部34B 、連結部34Cと、仕切壁35と、補強壁36とを備 て構成されている。

 ベース部31は、サイドメンバSの前端面に 定される平板状の部位であり、中央の中空 間bの外殻の一部を構成している。ベース部 31の適所には、ボルト挿通孔が形成されてい 。このボルト挿通孔には、ベース部31をサ ドメンバSの前端面に締着するためのボルト 挿通される。

 車幅方向外側の側壁32は、ベース部31の車 幅方向外側の端縁から外側固定部34Aの車幅方 向外側の端縁に至る部位であり、外側固定部 34Aを車体側から支持している。車幅方向内側 の側壁33は、ベース部31の車幅方向内側の端 から内側固定部34Bの車幅方向内側の端縁に る部位であり、内側固定部34Bを車体側から 持している。両側壁32,33は、仕切壁35を挟む うに配置されており、車幅方向に間隔をあ て対向している。両側壁32,33の離隔距離は サイドメンバSからバンパーリインフォース ント4に向かうにしたがって漸増している。

 なお、両側壁32,33を区別する場合には、 幅方向外側の側壁32を「外壁32」と称し、車 方向内側の側壁33を「内壁33」と称する。

 外壁32は、中空空間aの外殻の一部を構成 る部位であって、ベース部31に斜交してい 。ベース部31と外壁32とで形成される内角は 鈍角になっている。また、外壁32は、その 体が平面視円弧状を呈していて、バンパー テイ3の内空側(中空空間a側)に湾曲している すなわち、外壁32は、ベース部31の車幅方向 外側の端縁と外側固定部34Aの車幅方向外側の 端縁とを通る平面s3よりも中空空間a側に位置 している。なお、本実施形態では、平面視円 弧状を呈する外壁32を例示したが、外壁32の 成を限定する趣旨ではない。図示は省略す が、複数の円弧状部を連ねた形態の外壁に 更してもよいし、平板状を呈する外壁に変 してもよい。

 内壁33は、ベース部31に斜交している。ベ ース部31と内壁33とで形成される内角は、鈍 になっている。内壁33は、バンパーステイ3 内空側(中空空間b,c側)に湾曲している。すな わち、内壁33の全体が、ベース部31の車幅方 内側の端縁と内側固定部34Bの車幅方向内側 端縁とを通る平面s4よりも中空空間b,c側に位 置している。

 図6の(b)に示すように、内壁33は、複数の 弧状部33A,33B,33Cを有する。以下の説明にお ては、ベース部31に繋がる円弧状部33Aを「第 一円弧状部33A」と称し、内側固定部34Bに繋が る円弧状部33Cを「第三円弧状部33C」と称し、 第一円弧状部33Aと第三円弧状部33Cとを繋ぐ円 弧状部33Bを「第二円弧状部33B」と称する。な お、図6の(b)の図面に付したハッチングは、 一円弧状部33Aと第三円弧状部33Cの範囲を明 にするために付したものである。

 第一円弧状部33Aは、ベース部31の車幅方 内側の端縁から補強壁36との接続部に至る部 位であり、中空空間bの外殻の一部を構成し いる。第一円弧状部33Aは、平面視円弧状を していて、中空空間b側に湾曲している。

 第二円弧状部33Bは、第一円弧状部33Aの前 部から第三円弧状部33Cの後端部に至る部位 あり、中空空間cの外殻の一部を構成してい る。第二円弧状部33Bは、平面視円弧状を呈し ていて、中空空間c側に湾曲している。なお 第二円弧状部33Bと第三円弧状部33Cとは滑ら に連続しているが、第一円弧状部33Aと第二 弧状部33Bとは屈折した状態(接線が共通しな 状態)で連続している。

 第三円弧状部33Cは、第二円弧状部33Bの前 部から内側固定部34Bの車幅方向内側の端縁 至る部位であり、中空空間cの外殻の一部を 構成している。第三円弧状部33Cは、平面視円 弧状を呈していて、中空空間c側に湾曲して る。

 なお、第一円弧状部33Aの半径Ra、第二円 状部33Bの半径Rb、第三円弧状部33Cの半径Rcは Rb>Ra>Rcという大小関係になっているが 適宜変更しても差し支えない。また、本実 形態では、三つの円弧状部33A,33B,33Cを連ねた 形態の内壁33を例示したが、内壁33の構成を 定する趣旨ではない。図示は省略するが、 の円弧状部を有する内壁に変更してもよい 、平板状を呈する内壁に変更してもよい。

 図6の(a)に示すように、外側固定部34Aおよ び内側固定部34Bは、バンパーリインフォース メント4の車体側の側面4aに固定される部位で ある。外側固定部34Aおよび内側固定部34Bは、 車幅方向に間隔をあけて並設されている。外 側固定部34Aの当接面34aおよび内側固定部34Bの 当接面34bは、バンパーリインフォースメント 4の側面4aと同じ曲率の曲面(円弧面)に成形さ ており、バンパーリインフォースメント4の 側面4aに面接触可能である。

 連結部34Cは、外側固定部34Aと内側固定部3 4Bとを繋ぐ部位である。連結部34Cは、バンパ リインフォースメント4の側面4aと隙間をあ て対向している。すなわち、連結部34Cの前 は、両固定部34A,34Bの当接面34a,34bよりも一 下がったところに位置しており、バンパー インフォースメント4の側面4aに接触しない

 仕切壁35は、ベース部31と外側固定部34Aと を繋ぐ部位である。仕切壁35は、ベース部31 車幅方向外側の端部から外側固定部34Aの車 方向内側の端部に向って立ち上がり、外側 定部34Aの車幅方向内側の端部に達している また、仕切壁35は、平板状を呈していて、ベ ース部31と直交している。

 補強壁36は、内壁33と内側固定部34Bとを繋 ぐ部位である。補強壁36は、平板状を呈して て、図6の(b)に示すように、第一円弧状部33A と第二円弧状部33Bとの境界部分から内側固定 部34Bに向って立ち上がり、内側固定部34Bの車 幅方向外側の端部に達している。

 図6の(a)に示す中空空間aの潰れ易さは、 空空間aを取り囲む外壁32、外側固定部34Aお び仕切壁35の肉厚、長さなどのほか、外壁32 曲率(半径)の大小にも依存している。例え 、外壁32の曲率を小さく(半径を大きく)する 、外壁32の座屈荷重が大きくなるので、中 空間aが潰れ難くなり、外壁32の曲率を大き (半径を小さく)すると、外壁32の座屈荷重が さくなるので、中空空間aが潰れ易くなる。

 中空空間bの潰れ易さは、中空空間bを取 囲むベース部31、第一円弧状部33A(図6の(b)参 )、連結部34C、仕切壁35および補強壁36の肉 や長さなどのほか、第一円弧状部33Aの半径 大小にも依存している。例えば、第一円弧 部33Aの半径を大きくすると、第一円弧状部33 Aの座屈荷重が大きくなるので、中空空間bが れ難くなり、第一円弧状部33Aの半径を小さ すると、第一円弧状部33Aの座屈荷重が小さ なるので、中空空間bが潰れ易くなる。

 図6の(b)に示す中空空間cの潰れ易さは、 空空間cを取り囲む第二円弧状部33B、第三円 状部33C、内側固定部34Bおよび補強壁36の肉 や長さなどのほか、第二円弧状部33Bおよび 三円弧状部33Cの半径の大小にも依存してい 。例えば、第二円弧状部33Bまたは第三円弧 部33Cの半径を大きくすると、中空空間cが潰 難くなり、第二円弧状部33Bまたは第三円弧 部33Cの半径を小さくすると、中空空間cが潰 れ易くなる。

 バンパーステイ3は、図7に示すように、 側固定部34Aの上縁、下縁および車幅方向外 の側縁に沿って溶接w1を施すとともに、内側 固定部34Bの上縁、下縁および車幅方向内側の 側縁に沿って溶接w2を施すことで、バンパー インフォースメント4に固定する。すなわち 、バンパーステイ3は、中空空間aの外殻と中 空間cの外殻とにおいてバンパーリインフォ ースメント4に固着される。

 バンパーリインフォースメント4の構成は 、第一の実施形態のバンパーリインフォース メント2と同様であるので、詳細な説明は省 するが、本実施形態においても、伸長過程 進行した後に断面圧潰過程が進行するよう 、バンパーリインフォースメント4全体の曲 剛性が設定されている。また、本実施形態 おいても、バンパーリインフォースメント4 の伸長過程および断面圧潰過程が進行した後 に、ステイ圧潰過程が進行するようにバンパ ーステイ3およびバンパーリインフォースメ ト4の剛性(各部の肉厚や断面寸法など)が設 されている。

 次に、図8を参照して、正面衝突時における 衝突エネルギーの吸収過程を説明する。
 図8の(a)に示すバンパー構造B2に対して、正 側(車体前方)から車体前後方向の衝突荷重 作用すると、図8の(b)に示すように、まず、 ンパーステイ3,3間においてバンパーリイン ォースメント4の湾曲部分が直線状に伸ばさ れることで、衝突エネルギーが吸収される( 長過程)。

 バンパーリインフォースメント4の湾曲部 分が直線状に伸ばされる際には、中空空間c 外殻(図6の(b)に示す内側固定部34B、第二円弧 状部33B、第三円弧状部33Cおよび補強壁36)を車 体側に押圧するような力Fがバンパーステイ3 作用するが、中空空間cの外殻が力学的に安 定した平面視三角形状を呈しているので、バ ンパーステイ3は、伸長過程中のバンパーリ ンフォースメント4を安定して支持する。な 、伸長過程中に、内壁33や内側固定部34Bに 曲げ変形が発生するので、中空空間cの外殻 初期形状が堅固に維持される訳ではないが 伸長過程中における中空空間cの外殻は、概 ね平面視三角形の状態に維持される。すなわ ち、中空空間cの外殻は、伸長過程中のバン ーリインフォースメント4を安定して支持し つも、バンパーリインフォースメント4の曲 げ伸ばしを阻害することがないように適度に 変形する。

 伸長過程が終盤に差し掛かるか、もしく 伸長過程が終了すると、図8の(c)に示すよう に、断面圧潰過程が進行し始める。断面圧潰 過程では、バンパーステイ3がバンパーリイ フォースメント4に減り込み、バンパーステ 3に隣接した領域においてバンパーリインフ ォースメント4の断面変形が進行する(すなわ 、バンパーリインフォースメント4の内部空 間が潰れる)ことで、衝突エネルギーが吸収 れる。バンパーリインフォースメント4の湾 部分を直線状に伸ばした後に、バンパース イ3をバンパーリインフォースメント4に減 込ませれば、伸長過程中にサイドメンバSに わる衝突荷重のピークと断面圧潰過程(バン パーリインフォースメント4が前後方向へ圧 する過程)中にサイドメンバSに伝わる衝突荷 重のピークとが時間差をもって現れるように なる。

 なお、バンパーステイ3がバンパーリイン フォースメント4に減り込む際に、バンパー テイ3のエッジ部分でバンパーリインフォー メント4が引き裂かれてしまうと、断面圧潰 過程におけるエネルギー吸収量が小さくなっ てしまうが、バンパー構造B2によれば、中空 間cの外殻が適度に変形するので、バンパー リインフォースメント4が引き裂かれ難くな 。すなわち、中空空間cの外殻は、概ね平面 三角形の状態を維持しつつバンパーリイン ォースメント4に減り込むが、内壁33や内側 定部34Bには適度な曲げ変形が発生するので 内側固定部34Bの車幅方向内側の端縁での「 裂き」が発生し難くなり、バンパーリイン ォースメント4が広範囲に亘って潰れるよう になる。

 なお、内壁33と補強壁36とのなす角度θ 2 (図6の(b)参照)を小さくすると、バンパーリイ ンフォースメント4を安定的に支持できるよ になる一方で、中空空間cの外殻が堅固にな 過ぎる虞があるので、θ 2 の大きさは、内側固定部34Bの車幅方向内側の 端縁での「引裂き」が懸念されない程度に設 定することが望ましい。図6の(b)に示すよう 、本実施形態では、内側固定部34Bと補強壁36 とのなす角度θ 1 、内壁33と補強壁36とのなす角度θ 2 、内壁33と内側固定部34Bとのなす角度θ 3 が、θ 1 2 3 という関係になっているが、このような大小 関係にしておけば、引裂き現象の発生を防ぎ つつ、バンパーリインフォースメント4を安 的に支持することが可能になる。

 断面圧潰過程が終盤に差し掛かるか、も くは断面圧潰過程が終了すると、図8の(d)に 示すように、ステイ圧潰過程が進行し始める 。ステイ圧潰過程では、バンパーステイ3自 が前後方向に圧潰することで衝突エネルギ が吸収される。バンパーステイ3をバンパー インフォースメント4に減り込ませた後に、 バンパーステイ3を圧潰させると、断面圧潰 程中にサイドメンバSに伝わる衝突荷重のピ クとステイ圧潰過程中にサイドメンバSに伝 わる衝突荷重のピークとが時間差をもって現 れるようになる。なお、ステイ圧潰過程では 、バンパーステイ3のうち、図6の(a)に示す外 32、内壁33、仕切壁35、補強壁36などに座屈 塑性曲げ変形等が発生することで、中空空 a,b,cが潰れる。

 ちなみに、バンパーステイ3の外壁32およ 内壁33は、バンパーステイ3の内空側に湾曲 ているので、外壁32および内壁33の座屈モー ドは、多くの場合、バンパーステイ3の内空 に入り込むような座屈モードとなる。つま 、バンパーステイ3によれば、その圧潰過程 圧潰後の形態にばらつきが生じ難くなるの 、ステイ圧潰過程において吸収される衝突 ネルギー量にばらつきが生じ難くなる。

 以上説明したバンパー構造B2によれば、 なくとも正面衝突の場合においては、伸長 程中にバンパーステイ3,3が前後方向に圧潰 るようなことがない。つまり、バンパー構 B2では、バンパーリインフォースメント4の 点間距離が、見た目だけでなく実質的にも まることになる。

 また、バンパー構造B2によれば、バンパ ステイ3,3間におけるバンパーリインフォー メント4の変形抵抗を低下させることなくバ パーリインフォースメント4の肉厚を小さく することが可能となり、したがって、伸長過 程において吸収される衝突エネルギーの吸収 量を減少させることなく軽量化を図ることが 可能となる。

 また、バンパー構造B2によれば、少なく も正面衝突の場合においては、伸長過程、 面圧潰過程およびステイ圧潰過程が順次進 するようになるので、衝突荷重のピークも 間差をもって順次現れるようになる。した って、バンパー構造B2によれば、衝突荷重が 増大した後に衝突荷重が大きく減少すること を防いで荷重値を維持することが可能となる 。

 さらに、バンパー構造B2によれば、末広 り形状のバンパーステイ3を使用しているの 、末広がり形状ではないバンパーステイを 用した場合に比べて、バンパーリインフォ スメント4の圧潰範囲を増大させることが可 能となり、ひいては、衝突エネルギーの吸収 量を増大さることが可能となる。

 加えて、バンパー構造B2によれば、バン ーステイ3およびバンパーリインフォースメ ト4の両方をアルミニウム合金製の押出形材 で形成しているので、バンパー構造B2の軽量 ・低コスト化を図ることが可能となり、さ には、製造が容易になるとともに、品質が 定する。

(第三の実施形態)
 図9の(a)に示すように、第三の実施形態に係 るバンパー構造B3は、張出部を具備しないバ パーステイ5,5と、バンパーリインフォース ント6とを備えている。バンパー構造B3は、 アバンパーを構成している。

 バンパーステイ5は、サイドメンバSから ンパーリインフォースメント6に向かうにし がって幅寸法が漸増する形状(末広がり形状 )を具備している。バンパーステイ5は、閉断 空間である中空空間cと、開断面空間である 溝状空間d,e,fとを有するアルミニウム合金製 押出形材からなり、その押出方向が上下方 となるように配置されている。中空空間cは 、平面視三角形状を呈している。なお、バン パーステイ5の上面は、図9の(b)に示すように 斜めに切断されていて、バンパーステイ5の 高さ寸法は、サイドメンバSからバンパーリ ンフォースメント6に向うに従って漸減して る。

 バンパーステイ5の構成をより詳細に説明す る。
 図10に示すように、バンパーステイ5は、ベ ス部51と、一対の側壁52,53と、外側固定部54A と、内側固定部54Bと、中間固定部54C,54Dと、 切壁55C,55Dと、補強壁56と、を備えて構成さ ている。

 ベース部51は、サイドメンバSの後端面に 定される平板状の部位である。ベース部51 適所には、ボルト挿通孔が形成されている

 車幅方向外側の側壁52は、ベース部51の車 幅方向外側の端縁から外側固定部54Aの車幅方 向外側の端縁に至る部位であり、外側固定部 54Aを車体側から支持している。車幅方向内側 の側壁53は、ベース部51の車幅方向内側の端 から内側固定部54Bの車幅方向内側の端縁に る部位であり、内側固定部54Bを車体側から 持している。両側壁52,53は、仕切壁55C,55Dを むように配置されており、車幅方向に間隔 あけて対向している。両側壁52,53の離隔距離 は、サイドメンバSからバンパーリインフォ スメント6に向かうにしたがって漸増してい 。

 なお、両側壁52,53を区別する場合には、 幅方向外側の側壁52を「外壁52」と称し、車 方向内側の側壁53を「内壁53」と称する。

 外壁52は、ベース部51に斜交している。ベ ース部51と外壁52とで形成される内角は、鈍 になっている。

 内壁53は、ベース部51に斜交している。ベ ース部51と内壁53とで形成される内角は鈍角 なっている。内壁53は、その全体が平面視円 弧状を呈していて、バンパーステイ5の内空 (中空空間c側)に湾曲している。

 外側固定部54A、内側固定部54Bおよび中間 定部54C,54Dは、バンパーリインフォースメン ト6の車体側の側面6aに固定される部位であり 、車幅方向に間隔をあけて並設されている。 外側固定部54A、内側固定部54Bおよび中間固定 部54C,54Dは、いずれもバンパーリインフォー メント6の側面6aに面接触可能である。

 仕切壁55C,55Dは、ベース部51の車幅方向中 部から中間固定部54C,54Dに向って垂直に立ち 上がり、中間固定部54C,54Dを支持している。

 補強壁56は、内壁53と内側固定部54Bとを繋 ぐ部位である。本実施形態の補強壁56は、平 状を呈していて、ベース部51と内壁53との境 界部分から内側固定部54Bに向って立ち上がり 、内側固定部54Bの車幅方向外側の端部に達し ている。

 本実施形態においても、バンパーリイン ォースメント6の伸長過程および断面圧潰過 程が進行した後に、ステイ圧潰過程が進行す るようにバンパーステイ5およびバンパーリ ンフォースメント6の剛性(各部の肉厚や断面 寸法など)が設定されている。

 バンパー構造B3に対して、正面(車両後方) から車体前後方向の衝突荷重が作用すると、 図示は省略するが、まず、バンパーステイ5,5 間においてバンパーリインフォースメント6 湾曲部分が直線状に伸ばされることで、衝 エネルギーが吸収される(伸長過程)。

 なお、伸長過程中に、中空空間cの外殻の 平面形状が堅固に維持される訳ではないが、 伸長過程中における中空空間cの外殻は、概 平面視三角形の状態に維持される。すなわ 、中空空間cの外殻は、伸長過程中のバンパ リインフォースメント6を安定して支持しつ つも、バンパーリインフォースメント6の曲 伸ばしを阻害することがないように適度に 形する。

 そして、伸長過程だけで衝突エネルギー 吸収できない場合には、バンパーステイ5が バンパーリインフォースメント6に減り込み バンパーリインフォースメント6の断面変形 進行する(すなわち、バンパーリインフォー スメント6の内部空間が潰れる)ことで、衝突 ネルギーが吸収され(断面圧潰過程)、断面 潰過程が進行してもなお衝突エネルギーを 収しきれない場合には、バンパーステイ5自 が前後方向に圧潰することで衝突エネルギ が吸収される(ステイ圧潰過程)。

 以上説明したバンパー構造B3によれば、 なくとも後方正面からの衝突(以下、単に「 面衝突」という。)の場合においては、伸長 過程中にバンパーステイ5,5が前後方向に圧潰 するようなことがない。つまり、バンパー構 造B3では、バンパーリインフォースメント6の 支点間距離が、見た目だけでなく実質的にも 狭まることになる。

 また、バンパー構造B3によれば、バンパ ステイ5,5間におけるバンパーリインフォー メント6の変形抵抗を低下させることなくバ パーリインフォースメント6の肉厚を小さく することが可能となり、したがって、伸長過 程において吸収される衝突エネルギーの吸収 量を減少させることなく軽量化を図ることが 可能となる。

 また、バンパー構造B3によれば、少なく も正面衝突の場合において、伸長過程、断 圧潰過程およびステイ圧潰過程が順次進行 るようになるので、衝突荷重のピークも時 差をもって順次現れるようになる。したが て、バンパー構造B3によれば、衝突荷重が増 大した後に衝突荷重が大きく減少することを 防いで荷重値を維持することが可能となる。

 さらに、バンパー構造B3によれば、末広 り形状のバンパーステイ5を使用しているの 、末広がり形状ではないバンパーステイを 用した場合に比べて、バンパーリインフォ スメント6の圧潰範囲を増大させることが可 能となり、ひいては、衝突エネルギーの吸収 量を増大さることが可能となる。

 加えて、バンパー構造B3によれば、バン ーステイ5およびバンパーリインフォースメ ト6の両方をアルミニウム合金製の押出形材 で形成しているので、バンパー構造B3の軽量 ・低コスト化を図ることが可能となり、さ には、製造が容易になるとともに、品質が 定する。