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Title:
BURNER FOR HIGHLY CAKING COAL AND GASIFICATION FURNACE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069336
Kind Code:
A1
Abstract:
A burner for highly caking coal having a double pipe structure of solid fuel flow channel and gasifying agent flow channel, which burner prevents or inhibits any melting/expansion of highly caking solid fuel particles by temperature rise thereof attributed to intra-burner heat transfer to thereby realize stable operation of gasification furnace. There is disclosed a burner (12) for highly caking coal comprising, provided through a peripheral wall (11) of gasification furnace (10) for gasification of a highly caking solid fuel pulverized into particles, a solid fuel flow channel (13) for feeding the solid fuel into the gasification furnace (10) by air stream carriage and a gasifying agent flow channel (14) for feeding a gasifying agent into the gasification furnace. The burner further comprises a clogging detector (20) for detecting any clogging condition of the solid fuel flow channel (13) so that when a given clogging condition is detected by the clogging detector (20), a processing for lowering the temperature of the solid fuel is carried out.

Inventors:
KOYAMA YOSHINORI (JP)
ARUGA TAKESHI (JP)
ISHII HIROMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062629
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
July 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
KOYAMA YOSHINORI (JP)
ARUGA TAKESHI (JP)
ISHII HIROMI (JP)
International Classes:
C10J1/207; C10J3/46; F23D1/00; F23N5/24
Foreign References:
JPH0325202A1991-02-04
JP2003279006A2003-10-02
JPH03134093A1991-06-07
JPH083361B21996-01-17
JP3790489B22006-06-28
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (3-1 Minatomirai 3-chome,Nishi-ku, Yokohama-shi, Kanagawa 12, JP)
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Claims:
 粒子状に粉砕された高粘結性の固体燃料をガス化するガス化炉の炉壁を貫通して取り付けられ、前記固体燃料を気流搬送によりガス化炉内へ供給する固体燃料流路と、ガス化剤をガス化炉内へ供給するガス化剤流路とが二重管構造に配設されている高粘結性炭用バーナにおいて、
 前記固体燃料流路の閉塞状態を検知する閉塞状態検知手段を設け、該閉塞状態検知手段が所定の閉塞状態を検出した場合、前記固体燃料の温度低減処理が実施される高粘結性炭用バーナ。
 前記温度低減処理が、前記気流搬送の搬送ガス量を増加させる制御信号の出力である請求項1に記載の高粘結性炭用バーナ。
 前記温度低減処理が、前記ガス化剤の温度を低下させる制御信号の出力である請求項1に記載の高粘結性炭用バーナ。
 前記温度低減処理が、前記気流搬送の搬送ガス量を増加させる制御信号の出力と、前記ガス化剤の温度を低下させる制御信号の出力との併用である請求項1に記載の高粘結性炭用バーナ。
 前記閉塞状態検知手段は、前記固体燃料流路のバーナ入口と、該バーナ入口より下流側の適所との間の差圧を検出し、該差圧から換算される流量損失係数が所定値以上まで増加した場合に閉塞状態を検出したと判断する請求項1から4のいずれかに記載の高粘結性炭用バーナ。
 前記閉塞状態検知手段は、バーナ入口と該バーナ入口より下流側の適所との間で検出した第1の差圧と、前記固体燃料流路の上流側に接続される燃料供給配管に設定した任意の区間で計測される第2の差圧との差圧比から換算される流量損失係数が所定値以上に増加した場合に閉塞状態を検出したと判断する請求項1から4のいずれかに記載の高粘結性炭用バーナ。
 前記温度低減処理が、前記固体燃料流路の内壁面温度を検出し、該内壁面温度を前記固体燃料の粘結性に応じて定まる設定温度以上とならないように監視する上限監視手段を備えている請求項1から6のいずれかに記載の高粘結性炭用バーナ。
 粒子状にした高粘結性炭等の固体燃料を気流搬送によりガス化炉内へ供給し、ガス化剤とともに高圧環境下でガス化処理するガス化炉が、請求項1から7のいずれかに記載の高粘結性炭用バーナを備えているガス化炉。
 
Description:
高粘結性炭用バーナ及びガス化

 本発明は、石炭ガス化複合発電設備の固 燃料ガス化炉等に適用される高粘結性炭用 ーナ及びガス化炉に関する。

 従来、石炭火力プラントの発電効率向上 目的として、いわゆる石炭ガス化複合発電 ラント(IGCC;Integrated Coal Gasification Combined C ycle)が開発・実用化されている。この石炭ガ 化複合発電プラント(以下、「IGCC」と呼ぶ) 、石炭をガス化して得られる石炭ガスを燃 として運転及び発電されるガスタービン発 機と、ガスタービンより排出される高温の 焼排ガスから排熱回収ボイラで熱回収して られる蒸気により運転及び発電される蒸気 ービン発電機とを具備した構成とされる。

 このようなIGCCにおいて、石炭ガスを生成す るガス化炉への燃料供給は、窒素、二酸化炭 素、空気等の気流を搬送ガスとして粒子状に 粉砕された固体燃料がバーナまで搬送され、 バーナからガス化炉の内部へ噴射して供給さ れるようになっている。一方、ガス化炉は、 システムの構成及びガス化炉内の反応面から 、内部圧力を高く設定した高圧運転がなされ ている。
 このような高圧運転を行うため、高圧運用 れるガス化炉は圧力容器とされ、この圧力 器の壁面を貫通するバーナは、固体燃料(微 粉炭、石油コークス等)及びガス化剤(空気、 素、水蒸気等)が同一配管内に収納されてい る。

 図10A、10Bは、ガス化炉のバーナ部を拡大し 従来構造例であり、圧力容器としたガス化 10の周壁(炉壁)11を貫通して高粘結性炭用バ ナ(以下、「バーナ」と呼ぶ)12が取り付けら れている。このバーナ12は、内側の固体燃料 路13と外側のガス化剤流路14とを同心に配置 した二重管構造とされる。
 固体燃料流路13は、粒子状に粉砕された固 燃料を供給する高圧燃料供給装置15と燃料供 給配管16を介して接続されている。また、高 燃料供給装置15には、流量制御装置17により 流量制御された搬送ガスが供給される。従っ て、固体燃料流路13は、高圧燃料供給装置15 所望の供給量に調整された固体燃料を、流 制御装置17で所望の流量に調整された搬送ガ スによりガス化炉10の内部へ供給する。すな ち、粒子状の固体燃料は、搬送ガスの気流 より搬送されてガス化炉10の内部に供給さ る。

 ガス化剤流路14は、ガス化剤を供給するガ 化剤供給配管18と接続され、図示しない流量 制御装置により所望の供給量に調整されたガ ス化剤を、ガス化炉10の内部へ供給する。
 このようにして、ガス化炉10の内部に固体 料、搬送ガス及びガス化剤が供給されるこ により、ガス化炉10の内部で所定の処理を施 された固体燃料がガス化され、次工程のガス 精製設備に供給される。

 他の従来技術としては、石炭等の炭素微 原料をガス化原料とし、窒素ガス等のガス 原料の搬送ガス及び酸素や空気等の酸化剤 用い、炭素微粉原料灰の溶融点以上の温度 原料をガス化する噴流層方式の微粉原料ガ 化装置において、ガス化原料の搬送ライン ガス化装置内に供給される出口部近傍の上 側に、窒素ガス、炭酸ガス、不活性ガス等 ガスを搬送ライン出口部に向けて噴出し、 ス化原料と合流させるためのガス噴出ノズ を設けることが公知である。このガス噴出 ズルは、ガス化原料搬送ラインの出口部に 着したスラグ等を吹き飛ばすものであり、 ーナ出口部に付着物のない状態を常に保つ とができるとされる。(たとえば、特許文献 1参照)

 また、微粉炭等の固体燃料と空気等の気体 混合体を燃料として燃焼する微粉固体燃料 焼装置において、燃料2次空気の一部または 風箱外から供給される圧縮空気を気流として 吹き込む補助混合ノズルを設けることにより 、混合気ノズルの摩耗低減及び燃料の付着堆 積を防止する技術が開示されている。(たと ば、特許文献2参照)

特公平8-3361号公報(第1図参照)

特許第3790489号公報

 上述した図10A,10Bの従来技術によれば、固体 燃料をガス化するガス化炉10が高圧運用され ことにより、気流搬送される固体燃料の粒 間距離は近い状態にある。すなわち、固体 料流路13内を気流搬送される固体燃料は、 間への固体燃料充填率が非常に高い状態に る。
 一方、固体燃料流路13とガス化剤流路14とを 同心二重配管構造としたバーナ12においては 両流路13,14間の熱伝達率が高くなるため、 温側のガス化剤により低温側の固体燃料を 熱する熱量が大きくなる。

 このため、ガス化剤から加熱を受ける固 燃料の粒子温度が高くなり、温度上昇した 体燃料の粒子が溶融・膨張する。このとき 固体燃料の粘結性が高い場合には、溶融・ 張した固体燃料の隣接粒子どうしがアグロ して燃焼不良になる問題、あるいは、溶融 膨張した固体燃料が固体燃料流路13の内壁 に付着してバーナ12を閉塞させるという問題 が起こりうる。なお、このような問題の発生 は、微粉炭や石油コークス等の固体燃料だけ でなく、たとえば油残渣及びプラスチック等 のように粘結性の高い他の固体燃料を使用す るガス化炉のバーナにおいても同様である。

 このように、粘結性の高い固体燃料をガス するガス化炉に用いられる高粘結性炭用バ ナにおいては、固体燃料流路及びガス化剤 路を同心二重配管構造としたバーナ内の熱 達により、固体燃料粒子が温度上昇して溶 ・膨張することにより生じる問題の解決が まれる。
 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも であり、その目的とするところは、固体燃 流路及びガス化剤流路を二重配管構造とし 高粘結性炭用バーナにおいて、バーナ内の 伝達により高粘結性固体燃料の粒子が温度 昇して溶融・膨張することを防止または抑 し、ガス化炉の安定した運転を可能にする 粘結性炭用バーナ及びガス化炉を提供する とにある。

 本発明は、上記の課題を解決するため、下 の手段を採用した。
 本発明に係る高粘結性炭用バーナは、粒子 に粉砕された高粘結性の固体燃料をガス化 るガス化炉の炉壁を貫通して取り付けられ 前記固体燃料を気流搬送によりガス化炉内 供給する固体燃料流路と、ガス化剤をガス 炉内へ供給するガス化剤流路とが二重管構 に配設されている高粘結性炭用バーナにお て、前記固体燃料流路の閉塞状態を検知す 閉塞状態検知手段を設け、該閉塞状態検知 段が所定の閉塞状態を検出した場合、前記 体燃料の温度低減処理が実施されるもので る。

 このような高粘結性炭用バーナによれば 固体燃料流路の閉塞状態を検知する閉塞状 検知手段を設け、該閉塞状態検知手段が所 の閉塞状態を検出した場合、固体燃料の温 低減処理が実施されるので、固体燃料流路 流路閉塞進行状況に応じて流路閉塞の原因 なる固体燃料温度を低減し、高粘結性固体 料の粒子が温度上昇することによる溶融・ 張を防止または抑制することができる。

 上記の発明において、前記温度低減処理 、前記気流搬送の搬送ガス量を増加させる 御信号の出力であることが好ましく、これ より、固体燃料流路内における固体燃料及 搬送ガスの滞留時間が低減されるため、固 燃料と高温のガス化剤との交換熱量を低減 ることができる。

 上記の発明において、前記温度低減処理 、前記ガス化剤の温度を低下させる制御信 の出力であることが好ましく、これにより 加熱側となるガス化剤温度の低下により固 燃料流路内を流れる固体燃料及び搬送ガス の温度差が低減されるため、固体燃料と高 のガス化剤との交換熱量を低減することが きる。

 上記の発明において、前記温度低減処理 、前記気流搬送の搬送ガス量を増加させる 御信号の出力と、前記ガス化剤の温度を低 させる制御信号の出力との併用であること 好ましく、これにより、固体燃料流路内に ける固体燃料及び搬送ガスの滞留時間低減 そして、ガス化剤の温度と固体燃料流路内 流れる固体燃料及び搬送ガスとの温度差低 とにより、固体燃料と高温のガス化剤との 換熱量低減をより一層効率よく実施するこ ができる。

 上記の発明において、前記閉塞状態検知 段は、前記固体燃料流路のバーナ入口と、 バーナ入口より下流側の適所との間の差圧 検出し、該差圧から換算される流量損失係 が所定値以上まで増加した場合に閉塞状態 検出したと判断することが好ましく、これ より、ガス化炉の圧力、固体燃料の流量及 搬送ガスの流量によって変化する差圧を換 して得られる流量損失係数から、固体燃料 路の流路閉塞状況を確実に判断することが きる。

 上記の発明において、前記閉塞状態検知 段は、バーナ入口と該バーナ入口より下流 の適所との間で検出した第1の差圧と、前記 固体燃料流路の上流側に接続される燃料供給 配管に設定した任意の区間で計測される第2 差圧との差圧比から換算される流量損失係 が所定値以上に増加した場合に閉塞状態を 出したと判断することが好ましく、これに り、ガス化炉の圧力、固体燃料の流量及び 送ガスの流量による影響を受けない差圧比 より得られる流量損失係数から、固体燃料 路の流路閉塞状況を確実に判断することが きる。

 上記の発明において、前記温度低減処理 、前記固体燃料流路の内壁面温度を検出し 該内壁面温度を前記固体燃料の粘結性に応 て定まる設定温度以上とならないように監 する上限監視手段を備えていることが好ま く、これにより、流路閉塞の問題が生じな 最も高い温度で効率のよい運転が可能にな 。

 本発明のガス化炉は、粒子状にした高粘 性炭等の固体燃料を気流搬送によりガス化 内へ供給し、ガス化剤とともに高圧環境下 ガス化処理する圧力容器のガス化炉が、請 項1から7のいずれかに記載の高粘結性炭用 ーナを備えている。

 このようなガス化炉によれば、上述した 粘結性炭用バーナを備えているので、高粘 性炭用バーナにおける固体燃料流路の流路 塞進行状況に応じて流路閉塞の原因となる 体燃料温度を低減し、高粘結性固体燃料の 子が温度上昇することによる溶融・膨張を 止または抑制することができる。

 上述した本発明によれば、粘結性の高い 体燃料をガス化するガス化炉に用いられる 粘結性炭用バーナにおいて、固体燃料流路 びガス化剤流路を同心二重配管構造とした ーナ内の熱伝達により固体燃料粒子が温度 昇し、固体燃料粒子が溶融・膨張すること 防止または抑制できるようになる。従って 高粘結性の固体燃料が温度上昇して溶融・ 張した隣接粒子どうしがアグロメして燃焼 良の原因になること、あるいは、固体燃料 路の内壁面に付着して閉塞させることを防 できるので、高粘結性炭用バーナ及びガス 炉の安定した運転が可能になる。また、高 結性炭用バーナ及びガス化炉に使用できる 結性の高い固体燃料について、適用範囲を 大することも可能になる。

本発明に係る高粘結性炭用バーナ及び ス化炉の第1の実施形態を示す要部の構成図 である。 石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)の概 を示すブロック図である。 第1の実施形態における閉塞検知装置に ついて、制御例を示すフローチャートである 。 本発明に係る高粘結性炭用バーナ及び ス化炉の第2の実施形態を示す要部の構成図 である。 本発明に係る高粘結性炭用バーナ及び ス化炉の第3の実施形態を示す要部の構成図 である。 図5に示した第3の実施形態の変形例と て、高粘結性炭用バーナ及びガス化炉の要 を示す構成図である。 本発明に係る高粘結性炭用バーナ及び ス化炉の第4の実施形態を示す要部の構成図 である。 図7に示した第4の実施形態の変形例と て、高粘結性炭用バーナ及びガス化炉の要 を示す構成図である。 本発明に係る高粘結性炭用バーナ及び ス化炉の第5の実施形態を示す要部の構成図 である。 高粘結性炭用バーナ及びガス化炉の 来例を示す構成図である。 図10AのA-A矢視図である。

符号の説明

 10  ガス化炉
 11  周壁(炉壁)
 12  高粘結性炭用バーナ(バーナ)
 13  固体燃料流路
 14  ガス化剤流路
 20,20A~F  閉塞検知装置
 30  温度制御装置
 40  温度センサ

 以下、本発明に係る高粘結性炭用バーナ及 ガス化炉の一実施形態を図面に基づいて説 する。
 図2は、石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)の 概要を示すブロック図である。このIGCCは、 炭(固体燃料)をガス化して得られる石炭ガス を燃料として発電する複合発電設備である。 すなわち、IGCCは、石炭等の固体燃料を乾燥 せて粉砕し、粒子状の固体燃料とする固体 料乾燥粉砕装置1と、粒子状の固体燃料を搬 ガスによる気流搬送をして供給する高圧燃 供給装置2と、ガス化炉の内部に気流搬送さ れた固体燃料及びガス化剤の供給を受けるこ とにより、固体燃料をガス化して石炭ガス化 ガスを得るガス化炉設備3と、ガス化炉設備3 生成された石炭ガス中に含まれる不純物等 除去して精製するガス精製設備4と、ガスタ ービン発電機及び蒸気タービン発電機よりな る複合発電設備5とを主な構成要素としてい 。

 ガスタービン発電機は、精製された石炭ガ を燃料としてガスタービンを運転し、ガス ービンの軸出力により駆動されて発電を行 発電機である。
 蒸気タービン発電機は、ガスタービン発電 のガスタービンから排出された高温の燃焼 ガスを排熱回収ボイラに導入し、燃焼排ガ から熱回収して得られた蒸気のエネルギを いて運転される蒸気タービンの軸出力によ 駆動されて発電を行う発電機である。

<第1の実施形態>
 上述したIGCCのガス化炉設備3には、図1に示 ように、圧力容器のガス化炉10が設けられ いる。このガス化炉10には、圧力容器を構成 する炉壁である周壁11を貫通して、高粘結性 用バーナ(以下、「バーナ」と呼ぶ)12が取り 付けられている。
 バーナ12は、内側に配置した固体燃料流路13 と外側に配置したガス化剤流路14とが同心の 重管構造とされる。

 固体燃料流路13は、粒子状に粉砕された高 結性の固体燃料をガス化炉10内へ供給する燃 料供給流路である。この固体燃料流路13は、 料供給配管16を介して高圧燃料供給装置15に 接続されている。
 高圧燃料供給装置15は、粒子状に粉砕され 固体燃料の供給を受け、所望の固体燃料供 量を、搬送ガスを用いた気流搬送によって ス化炉10へ供給するための装置である。この 高圧燃料供給装置15には、流量制御装置17及 搬送ガス供給配管19を介して、搬送ガスが供 給されるようになっている。なお、この場合 の気流搬送に使用可能な搬送ガスとしては、 窒素、二酸化炭素及び空気等がある。

 ガス化剤流路14は、ガス化剤供給配管18を介 してガス化剤供給源(不図示)に接続されてい 。このガス化剤流路14は、所望の流量に調 された高温のガス化剤をガス化炉10の内部に 供給する。なお、この場合に使用可能なガス 化剤としては、空気、酸素及び蒸気等がある 。
 このように、バーナ12は、粒子状に粉砕さ た高粘結性の固体燃料をガス化するガス化 10の周壁(炉壁)11を貫通して取り付けられ、 体燃料を気流搬送によりガス化炉10内へ供給 する固体燃料流路13と、ガス化剤をガス化炉 へ供給するガス化剤流路14とが二重管構造 配設されている。

 そして、上述したバーナ12は、固体燃料 路13の閉塞状態を検知する閉塞状態検知手段 として設けられた閉塞検知装置20を備えてい 。この閉塞検知装置20は、固体燃料流路13の バーナ入口と、バーナ入口より下流側の適所 としてガス化炉10の内圧との間の差圧Paを検 し、該差圧Paから換算される流量損失係数が 所定値以上まで増加した場合に、固体燃料流 路13の閉塞状態を検出したと判断する。図示 例では、固体燃料流路13のバーナ入口側圧 P1と、ガス化炉10の内圧P2とを検出し、両圧 P1及びP2から差圧Paを算出する。なお、ここ 算出する差圧Paについては、ガス化炉10の内 P2に代えて、バーナ出口圧力P3を採用しても よい。

 閉塞検知装置20が所定の閉塞状態を検出 た場合には、固体燃料の温度低減処理が実 される。この温度低減処理は、気流搬送の 送ガス量を増加させる制御信号を出力する とにより、固体燃料流路13内における固体燃 料及び搬送ガスの滞留時間を低減するもので ある。すなわち、同心二重管構造のバーナ12 おいて、固体燃料流路13内を流れる固体燃 の流速を増すことにより、低温側の固体燃 と高温側のガス化剤と間で熱交換する時間 短縮されるため、固体燃料とガス化剤との の交換熱量は低減される。この結果、固体 料が周囲を流れる高温のガス化剤に加熱さ 、固体燃料の粒子が溶融・膨張する温度ま 上昇することを防止または抑制できる。

 以下、閉塞検知装置20内で行われる制御例 ついて、図3のフローチャートに基づいて説 する。
 最初のステップS1で制御がスタートした後 は、次のステップS2に進んで「運転継続か? について判断を行う。この結果、ガス化炉10 の運転を継続するYESの場合には、次のステッ プS3に進んで差圧Paを検出する。この場合の 圧Paは、固体燃料流路13のバーナ入口側圧力P 1及びガス化炉10の内圧P2を検出して得られる のである。なお、ステップS2において、ガ 化炉10の運転を継続しないNOの場合には、次 ステップS8に進んで制御を終了する。

 ステップS3で検出した差圧Paは、次のステ ップS4において流路損失係数λに換算される すなわち、固体燃料の粒子を気流搬送する 合、差圧Paはガス化炉10の内部圧力、固体燃 の流量及び搬送ガスの流量によって変化す ので、固体燃料流路の流路閉塞状況を確実 判断するためには、差圧Paを換算して得ら る流路損失係数λに基づいた判断が望ましい 。この流路損失係数λは、固気二相流の圧力 失を求める公知の数式に使用される値であ 。すなわち、上述した差圧Paは圧力損失に 当する値であるから、この圧力損失を求め 公知の数式及び差圧Paの検出値から、実際の バーナ12における流路損失係数λを算出する とができる。

 ステップS4で算出された流路損失係数λは 、次のステップS5において「流路損失係数は 定値以上か?」について判断される。この結 果、流路損失係数λが所定値以上に大きいYES 場合には、固体燃料流路13を流れる固体燃 及び搬送ガスの固気二相流において、所定 以上に大きな圧力損失が生じていると判断 ることができる。すなわち、固体燃料流路13 の内壁面に固体燃料が付着して流路断面積が 狭められるなど、固気二相流の圧力損失が増 す状況になっていると判断できるので、次の ステップS6に進んで搬送ガス流量の増加指令 出力する。なお、ステップS5で流路損失係 λが所定値より小さいNOの場合には、現状の 転に問題がないと判断し、上述したステッ S2に進んで同様の制御フローを繰り返す。

 ステップS6で搬送ガス流量の増加指令が出 されると、次のステップS7に進んで搬送ガス 流量が増加される。すなわち、流量制御装置 17が増加指令を受けることにより、高圧燃料 置17へ供給する搬送ガスの流量を増加する 作が行われる。
 この結果、固体燃料流路13内を気流搬送す 搬送ガス量が増加し、固体燃料及び搬送ガ が固体燃料流路13内を流れる流速を増すので 、固体燃料が流路内に滞留する時間は低減さ れる。すなわち、固体燃料流路13内を流れる 温側の固体燃料は、外周を流れる高温のガ 化剤から加熱を受ける時間が短縮されるの 、固体燃料の温度上昇を防止または抑制す ことができる。

 こうして搬送ガス量を増す制御が行われた には、再度ステップS2に戻り、同様の制御 ローを繰り返す。
 このような閉塞検知装置20の制御により、 体燃料流路13の閉塞状態を検知した場合には 、固体燃料の温度低減処理として搬送ガスの 流量が増加して流速を増すので、固体燃料流 路13の流路閉塞進行状況に応じて流路閉塞の 因となる固体燃料温度の上昇を低減するこ ができる。従って、高粘結性固体燃料の粒 は、固体燃料の種類により異なる所定温度 上の高温になることが防止または抑制され ので、溶融や膨張による壁面付着やアグロ についても防止または抑制される。

<第2の実施形態>
 本発明の第2の実施形態を図4に基づいて説 する。なお、図4において、上述した実施形 と同様の部分には同じ符号を付し、その詳 な説明は省略する。
 この実施形態においては、閉塞状態を検知 た場合、閉塞検知装置20Aにより行われる温 低減処理が異なっている。すなわち、上述 た実施形態における搬送ガス量の増量に代 て、ガス化剤の温度を低下させる制御信号 出力するという温度低減処理を行うもので る。

 以下、ガス化剤の温度を低下させる温度低 制御を具体的に説明する。この温度低減制 を可能にするため、ガス化剤供給配管18に 温度制御装置30が設けられている。
 温度制御装置30は、閉塞検知装置20Aから出 されるガス化剤温度の低下指令を受けて、 度の異なるガス化剤の混合割合を調整する どして、バーナ12のガス化剤流路14へ供給さ る最終的なガス化剤温度を制御する機能を している。

 このような閉塞検知装置20A及び温度制御 置30の制御を実施することにより、上述し 実施形態と同様にして固体燃料流路13の閉塞 状態を検知した場合には、固体燃料の温度低 減処理としてガス化剤の温度が低下する。こ のため、固体燃料流路13の流路閉塞進行状況 応じて、流路閉塞の原因となる固体燃料温 の上昇を低減することが可能になる。従っ 、高粘結性固体燃料の粒子は、固体燃料の 類により異なる所定温度以上の高温になる とが防止または抑制されるので、溶融や膨 による壁面付着やアグロメについても防止 たは抑制される。

<第3の実施形態>
 本発明の第3の実施形態を図5に基づいて説 する。なお、図5において、上述した実施形 と同様の部分には同じ符号を付し、その詳 な説明は省略する。
 この実施形態においては、閉塞状態を検知 る閉塞状態検知手段が異なっている。すな ち、流路閉塞状態の判断基準として、上述 た実施形態における差圧Paを換算した流路 失係数λに代えて、差圧比に基づいて換算さ れた流路損失係数λ″を採用する。

 具体的に説明すると、本実施形態の閉塞 態検知手段である閉塞検知装置20Bは、バー 入口の圧力P1とバーナ入口より下流側とな ガス化炉10の内圧P2との間で検出した第1の差 圧Paと、固体燃料流路13の上流側に接続され 燃料供給配管16に設定した任意の区間で計測 される第2の差圧Pbとの差圧比から換算される 流量損失係数λ″が所定値以上に増加した場 に閉塞状態を検出したと判断する。図示の では、燃料供給配管16の適所に定めた2箇所 固定測定位置で二つの圧力P4,P5を検出し、 圧力P4,P5間に生じた差圧Pbが第2の差圧となる 。すなわち、第2の差圧Pbは、燃料供給配管16 設定した所定の流路長さを流れた固気二相 に生じる圧力損失と略一致するものである

 従って、第1の差圧Paと第2の差圧Pbとの差 比は、ガス化炉10の圧力、固体燃料の流量 び搬送ガスの流量による影響を受けない値 なるので、この差圧比により得られる流量 失係数λ″を基準にすれば、固体燃料流路13 流路閉塞状況を確実に判断することができ 。すなわち、流量損失係数λ″が所定値以 か否かを判断基準とし、この流量損失係数λ ″が所定値以上に大きい場合を所定の閉塞状 態と判断するようにすれば、固体燃料流路13 流路閉塞状況をより一層確実に判断するこ ができる。

 図5に示す実施形態では、所定の閉塞状態 を検出した場合の温度低減処理として、搬送 ガスの流量を増す制御が行われるが、図6に す変形例のように、所定の閉塞状態を検出 た場合には、閉塞検知装置20Cの温度低減処 として、ガス化剤の温度を低下させてもよ 。

<第4の実施形態>
 本発明の第4の実施形態を図7に基づいて説 する。なお、図7において、上述した実施形 と同様の部分には同じ符号を付し、その詳 な説明は省略する。
 この実施形態では、固体燃料流路13の閉塞 態を検知した場合、閉塞検知装置20Dの温度 減処理が、気流搬送の搬送ガス量を増加さ る制御信号の出力と、ガス化剤の温度を低 させる制御信号の出力とを併用して実施さ る。すなわち、搬送ガスの流量を増加させ 固体燃料流路13内における固体燃料及び搬送 ガスの滞留時間を低減するとともに、ガス化 剤の温度と固体燃料流路13内を流れる固体燃 及び搬送ガスとの温度差を低減することに り、固体燃料と高温のガス化剤との交換熱 低減をより一層効率よく実施するものであ 。

 また、図8に示す変形例の閉塞検知装置20E は、固体燃料流路13の閉塞状態を検知する判 基準として、差圧Paを換算した流路損失係 λに代えて、差圧比に基づいて換算された流 路損失係数λ″を採用している。従って、搬 ガスの流量増加による固体燃料流路13内に ける固体燃料及び搬送ガスの滞留時間低減 、ガス化剤の温度と固体燃料流路13内を流れ る固体燃料及び搬送ガスとの温度差低減との 併用により、固体燃料と高温のガス化剤との 交換熱量低減をより一層効率よく実施すると ともに、流量損失係数λ″が所定値以上か否 を判断基準にして、固体燃料流路13の流路 塞状況をより一層確実に判断することがで る。

<第5の実施形態>
 本発明の第5の実施形態を図9に基づいて説 する。なお、図9において、上述した実施形 と同様の部分には同じ符号を付し、その詳 な説明は省略する。
 この実施形態の閉塞検知装置20Fは、温度低 処理を行う際、固体燃料流路13の内壁面温 Tを検出し、内壁面温度Tが固体燃料の粘結性 に応じて定まる設定温度以上とならないよう に監視する上限監視手段となる温度センサ40 備えている。この温度センサ40は、最も温 が高くなる出口付近に設置して固体燃料流 13の内壁面温度を検出することが望ましく、 このセンサ40で検出した内壁面温度Tは閉塞検 知装置20Fに入力される。

 一方、閉塞検知装置20Fには、使用する固体 料の粘結性を表す溶融温度、流動温度及び 化温度等について、予め測定した値が入力 れている。そして、閉塞検知装置20Fでは、 れらの入力値に基づいて、実際に使用する 体燃料の粘結性に応じて定まる上限の設定 度が決められる。
 従って、実際の内壁面温度Tが上限の設定温 度以上とならないように、搬送ガス量の増加 、ガス化剤の温度低下、あるいは、搬送ガス 量の増加及びガス化剤の温度低下を併用した 温度低減処理を行えば、流路閉塞の問題が生 じない最も高い温度で効率のよい運転が可能 になる。すなわち、固体燃料をガス化する際 、内壁面温度Tが上限の設定温度以上となら いように監視しながら運転することにより 固体燃料の溶融・膨張によるバーナ12の閉塞 防止と良好な運転効率とを両立させることが できる。

 また、差圧Pa,Pbの差圧比や差圧Paを用いた 温度低減処理と併用すれば、固体燃料の粘結 性にばらつきがある場合においても、設定温 度が低すぎてガス化炉10の運転効率を低下さ るといったリスクや、設定温度が高すぎて ーナ閉塞を生じるといったリスクを回避す ことができる。

 このように、本発明の高粘結性炭用バー 12及びガス化炉10によれば、粘結性の高い固 体燃料をガス化するガス化炉10に用いられる 粘結性炭用バーナ12は、固体燃料流路13及び ガス化剤流路14を同心二重配管構造としたバ ナ内の熱伝達により固体燃料粒子の温度上 し、個体燃料粒子が溶融・膨張することを 止または抑制できるようになる。従って、 粘結性の固体燃料が温度上昇し、溶融・膨 した隣接粒子どうしがアグロメして燃焼不 の原因になること、あるいは、固体燃料流 13の内壁面に付着してバーナ閉塞になるこ を防止できるので、高粘結性炭用バーナ12及 びガス化炉10の安定した運転が可能になる。 た、高粘結性炭用バーナ12及びガス化炉10に 使用できる粘結性の高い固体燃料についても 、その適用範囲を拡大することができる。

 また、上述した実施形態では、高粘結性の 体燃料を石炭として説明したが、高粘結性 固体燃料は、微粉炭や石油コークス等に限 されることはなく、たとえば油残渣及びプ スチック等のように粘結性の高い他の固体 料を使用するガス化炉のバーナについても 様に適用可能である。
 なお、本発明は上述した実施形態に限定さ るものではなく、本発明の要旨を逸脱しな 範囲内において適宜変更することができる