栗田 貴史 (〒62 東京都港区南青山4丁目18番11号 株式会社イネドビジネスファッションプランニング内 Tokyo, 1070062, JP)
株式会社イネドビジネスファッションプランニング (〒62 東京都港区南青山4丁目18番11号 Tokyo, 1070062, JP)
KURITA, Takafumi (18-11 Minami Aoyama 4-chom, Minato-ku Tokyo 62, 1070062, JP)
| ボタン本体と、 ボタン本体の底面に対して下方にリング状に突出された足部とを備え、 上記足部は、衣服に取り付ける糸を絡めるための溝が形成されてなり、 上記溝は、少なくとも先端に向かうにつれて互いの間隔が狭くなるような傾斜面が形成されていること を特徴とする衣服用ボタン。 |
| 上記傾斜面は、曲面又は平面であること を特徴とする請求項1記載の衣服用ボタン。 |
| 上記溝の先端は、先鋭化されてなり、又は丸められていること を特徴とする請求項1又は2記載の衣服用ボタン。 |
| 上記傾斜面における水平面に対する角度ψは、10~70°で構成されていること を特徴とする請求項1~3のうち何れか1項記載の衣服用ボタン。 |
| 上記溝は、断面略n角形状で形成されてなること(nは3以上の整数) を特徴とする請求項1~4のうち何れか1項記載の衣服用ボタン。 |
| 上記溝は、深さ方向に先鋭化された断面略五角形状で形成され、上記傾斜面における水平面に対する角度ψは、10~70°で構成されていること を特徴とする請求項1記載の衣服用ボタン。 |
| 上記足部は、上記溝が片側面又は両側面から形成されてなること を特徴とする請求項1~6のうち何れか1項記載の衣服用ボタン。 |
| 上記足部は、上記溝が底面から形成されてなること を特徴とする請求項1~7のうち何れか1項記載の衣服用ボタン。 |
| 上記足部は、上記溝が上面から形成されてなること を特徴とする請求項1~8のうち何れか1項記載の衣服用ボタン。 |
| 請求項1~9の何れかに記載の衣服用ボタンが取り付けられてなること を特徴とする衣服。 |
本発明は、衣服等に装着されて使用され 衣服用ボタンに関するものである。
ボタン本体の底面に対して下方にリング に突出された足部を備える衣服用ボタンが 来より使用されている。このような形状か なる衣服用ボタンは、シャンクボタン等と 称されるものであって、金属板を絞り成形 ることにより、平板状のボタン本体に対し 足部を一体的に形成させている。
この衣服用ボタン6は、例えば図12(a)に示 ように、ボタン本体61の底面から突出され 足部62において糸63を絡ませることにより衣 7に取り付けられる。一般にこの糸63を絡ま る場合には、足部62に形成されているボタ 穴64に糸63を2~3回通し、根巻き(巻きおろし) 行い、最後に根締めを行うことにより、結 を作る。
この衣服用ボタンの衣服への取り付けを 手付けで行う場合には、根締めの段階で作 員の力でしっかりと引っ張り、引き付ける とができるため、ボタンと生地とがしっか 接地して好都合となるが、生産性が低く、 り付け時間が長くなり、製造コストが上が 、ひいては歩留まりも悪化してしまう。こ ため、この手付けによるボタンの取り付け 、機械付けの場合と比較して実質的に約20% 度の歩留まりしか得ることができないとい 問題点があった。また、作業員の間でもボ ンの付け方や根締め作業に差があることか 、製品の品質そのものを一律にコントロー することが困難になるという問題点があっ 。
このため、特に近年において、このボタン
衣服への取り付けは、ミシン等の機械を使
して行うのが一般的となっている。ボタン
機械付けで行う方法では、生産性を向上さ
ることができ、作業時間を短縮化させるこ
ができ、低コストでしかも製品の品質の格
をなくして一律にすることができ、しかも
留まりを向上させることも可能となる。
しかしながら、ボタンを機械付けする際 は、根締めの段階で作業員の力でしっかり 引っ張る工程が無いことから、特に足部と の結びとを強固に固定することができない このため、図12に示す例で説明するならば 衣服用ボタン6を衣服7に取り付けても、糸63 結びが足部62上を滑ってしまうことになり 例えば図12(b)に示すように、ボタン本体61が めに傾いてしまう。結びが緩いため、仮に 械付け時において、結びが足部62の中央に 置するように取り付けても、その後のボタ の使用によりこの結びが徐々に足部62の中央 から端部へとずれてしまい、最終的にボタン 本体61が斜めに傾いてしまう。従って、例え 図13(a)に示すように衣服7の全体図における タン6の詳細は、図13(b)(c)に示すように、こ 傾いた衣服用ボタン6が目立ってしまい、見 た目が非常に悪くなるという問題点があった 。特にボタンに形状や模様などの装飾物を取 り付ける、いわゆる装飾ボタンとして構成す る場合に、ボタン本体61が重くなって直ぐに いてしまい、期待した装飾の効果を得るこ ができなくなるという問題点もあった。
また、糸63の結び目66が足部62の中央から 部へとずれることにより、糸63が足部62に対 して摩擦で消耗し、最終的に図12(c)に示すよ に糸63が切れて衣服用ボタン6が衣服7から取 れやすくなってしまうという問題点もあった 。さらに、衣服用ボタンを衣服に取り付けた 後は直立していていも、その後の多数回にわ たるボタンの使用を通じて徐々に直立性が損 なわれてしまう場合もある。このため、長期 に亘って直立性を維持できるボタンが付けら れた衣服に対する要望が特に近年において高 まっていた。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑 て案出されたものであり、多数回にわたっ 衣服用ボタンが使用された場合においても 衣服用ボタンの直立性を長期間維持するこ ができる衣服用ボタン並びに衣服を提供す ことにある。
本発明者は、上述した課題を解決するた に、足部に溝を形成させ、この溝に糸を絡 て衣服に取り付けることにより、糸の結び 分が溝から飛び出てしまうのを防止する構 とした衣服用ボタン並びに衣服を発明した
即ち、本発明を適用した衣服用ボタンは ボタン本体と、ボタン本体の底面に対して 方にリング状に突出された足部とを備え、 記足部は、衣服に取り付ける糸を絡めるた の溝が形成されてなり、上記溝は、少なく も先端に向かうにつれて互いの間隔が狭く るような傾斜面が形成されていることを特 とする。
本発明を適用した衣服用ボタンは、ボタ 本体の底面に対して下方にリング状に突出 れた足部に、衣服に取り付ける糸を絡める めの溝を形成させている。
このような構成からなる衣服用ボタンに して、溝に糸を絡めて衣服に取り付けるこ により、糸の結び部分が溝から飛び出てし うことがなくなり、さらには当該糸の結び 分が足部上を滑ってその端部にまでずれて まうのを防止することができる。その結果 衣服用ボタンにおけるボタン本体が斜めに いてしまうのを防止することが可能となり 衣服の生地に対して直立させた状態で固定 ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形 として、衣服等に装着されて使用される衣 用ボタンについて、図面を参照しながら詳 に説明する。
図1(a)は、本発明を適用した衣服用ボタン 1の背面図を、図1(b)はこの衣服用ボタン1の側 面図を、さらに図1(c)は、この衣服用ボタン1 斜視図を示している。
衣服用ボタン1は、ボタン本体11と、ボタ 本体11の底面11aに対して下方にリング状に 出された足部12とを備えている。
このボタン本体11並びに足部12は、金属板 を絞り成形することにより一体的に形成され ていてもよいし、互いに樹脂で一体成形され たものとして構成されていてもよい。また、 金属、樹脂以外に、いかなる材質で構成され ていてもよい。
足部12の形状はリング状であればいかな 形状で構成されていてもよく、いかなる数 角部からなる多角形状とされていてもよい 半楕円又は半円形状とされていてもよい。 た、U字状で構成されていてもよい。即ち、 の足部12は、糸を挿通する穴を形成するた の輪が形成されているものであれば、いか る形状で構成するようにしてもよい。
即ち、この足部12は略90°に折り曲げられ 角部が形成されていてもよいし、かかる角 を無くして曲率を持たせて徐々に折り曲げ れていてもよい。曲率を持たせて折り曲げ れる場合に、その曲率半径はいかなる大き であってもよい。
足部12の両端部は、ボタン本体11の底面11a に向けて下側から入り込む形とされている。 これに対して、足部12の中央部分21は、略水 方向に向けて延長されている。仮に足部12の 形状を半楕円又は半円形状としている場合に は、この中央部分21も同様に下側に凸となる うに折り曲げられた形状となる。また足部1 2は、平板をリング状に折り曲げた形からな が、これに限定されるものではなく、いか る断面形状で構成されていてもよい。
また、足部12の内側にはボタン穴14が存在 することになる。このボタン穴14の形状につ ても、いかなる形状で構成されていてもよ 、またいかなる数の角部からなる多角形状 されていてもよいし半楕円又は半円形状と れていてもよい。このボタン穴14のサイズ 、ミシン等の機械付けにおける規格に基づ て決定されるものであり、φ1.5mm以上とされ いることが望ましい。足部12の中央部分21は 、図1(a)(b)に示すように、底面12a、上面12b、 面12c、側面12dで囲まれている。
本発明を適用した衣服用ボタン1では、底 面12a、上面12b、側面12c、側面12dの何れか1以 の面において溝17を形成させる。
図1の例では、足部12の中央部分21におけ 両側面(側面12c、側面12d)においてそれぞれ溝 17を形成させている。図2は、この溝17の拡大 成図である。溝17は、少なくとも先端32に向 かうにつれて互いの間隔が狭くなるような傾 斜面31が形成されている。この傾斜面31は、 2(a),(b)に示すように平面で構成されていても よいが、これに限定されるものではなく、図 2(c),(d)に示すように僅かな曲率を持った曲面 構成されていてもよい。また、この溝17の 端32は、図2(a),(c)に示すように丸められてい もよいし、図2(b),(d)に示すように、先鋭化 れていてもよい。
即ち、この溝17の形状は、図2に示す実線で
される、少なくとも先端に向かうにつれて
いの間隔が狭くなるような傾斜面31を有す
ものであればいかなる形状で構成されてい
もよい。
図3は、この溝17を深さ方向に先鋭化された
面略五角形状で形成した例を示している。
の断面略五角形状の溝17においても同様に
斜面31を有するものであるため、上述した技
術的思想の範疇に含められるものとなる。
ちなみに、この溝17の形状は、少なくとも
端に向かうにつれて互いの間隔が狭くなる
うな傾斜面31を有するものであれば、断面略
n角形状で構成されていてもよい(nは3以上の
数)。
図4は、上述の如き構成からなる衣服用ボ タン1を衣服2へと取り付けた場合について示 ている。実際にこの衣服用ボタン1を衣服2 と取り付ける際には、溝17に糸23を絡ませる とにより行う。一般にこの糸23を絡ませる 合には、足部12に形成されているボタン穴14 糸23を2~3回、或いはそれ以上に亘って挿通 せる。このとき、本発明を適用した衣服用 タン1では、足部12の中央部分21においてそれ ぞれ溝17を予め形成させているため、糸23を タン穴14に挿通させることにより、糸23を溝1 7に絡ませることが可能となる。その結果、 17内に糸23が巻き回された状態とされた後で 根巻き(巻きおろし)が行われ、最後に根締 が行われることになる。
このようにして衣服2に取り付けられた衣 服用ボタン1は、糸23が溝17に巻き回された状 にある。換言すれば、この糸23の結び部分 溝17に位置している状態にある。このため、 糸23の結び部分が溝17から飛び出てしまうこ がなくなり、さらには当該糸23の結び部分が 足部62上を滑ってその端部にまでずれてしま のを防止することができる。その結果、衣 用ボタン1におけるボタン本体11が斜めに傾 てしまうのを防止することが可能となり、 服2の生地に対して直立させた状態で固定す ることが可能となる。
仮に、この衣服用ボタン1を機械付けによ り行う場合において、糸の結び強さが手付け の場合と比較して緩い場合においても、溝17 存在により、この糸23の結び部分が溝17から 飛び出してしまうことを防ぐことができる。
また、衣服用ボタン1を取り付けた後、そ の後のボタンの使用により、衣服用ボタン1 対して引張力、回転力が負荷されることに る。しかし、このような力が加わっても、 発明では、糸23を溝17に絡ませて巻き回し、 れを固定しておくことにより、溝17からの 23の結び部分の飛び出しを防止することがで きる。即ち、本発明では、一度衣服2に対し 取り付けてしまえば、その後の使用によっ も斜めに傾いてしまうことがなくなり、衣 2の生地に対して常に直立させておくことも 能となる。
衣服2に対して、全て本発明を適用した衣 服用ボタン1で構成することにより、衣服2全 で見たときにおいても、直立させた状態に る衣服用ボタン1により、見た目が悪くなる という問題点を解消することが可能となる。 特に衣服用ボタン1に対して、形状や模様等 装飾した装飾物を取り付けることにより、 わゆる装飾ボタンとして構成する場合に、 タン本体11が重くなっても斜めに傾いてしま うのを防止することができ、期待した装飾の 効果を得ることができる。
また、本発明を適用した衣服用ボタン1で は、糸23の結びが足部12の中央から端部へと れることがなくなることから、糸23が足部12 対して摩擦で消耗することがなくなる。こ ため、この糸23が切れて衣服用ボタン1が衣 2から取れてしまうのを防止することが可能 となる。このため、本発明は、長年の使用に 対しても衣服2から外れることなく、強固に り付けられた状態を維持することができる
特に本発明では、上記溝17について、少 くとも先端32に向かうにつれて互いの間隔が 狭くなるような傾斜面31が形成されているこ を要件としている。このような溝17に糸23を 絡める際には、この傾斜面31を介して当該糸2 3が溝17の先端に向けて案内されてくることに なる。その結果、糸23による溝17への締め付 力を溝17の先端を中心にして集中させること ができ、ボタンの経時的な使用に伴う糸23の みの増加、ひいては直立性の欠如を防止す ことが可能となる。また溝17に先鋭部を形 させ、傾斜面31を介して横に広がるようにし た構成とすることにより、糸23の溝17からの 脱防止性を向上させることが可能となる。
なお、溝17においては、例えば図2(b),(d)に 示すように、溝17の先端を先鋭化させておく とにより、傾斜面31を介して当該先端へと 内されてきた糸23の締め付け力を、先端部を 中心にして集中させることができ、ボタンの 直立性をより長期間に亘って安定して発揮さ せることが可能となる。
また、本発明はボタンを機械付けで衣服2 に装着する際において大きな効果を発揮する 。機械付けでボタンを取り付けることにより 、生産性を向上させることができ、作業時間 を短縮化させることができ、低コストでしか も製品の品質の格差をなくして一律にするこ とができ、しかも歩留まりを向上させること ができる。これに加えて本発明では、機械付 けする際に問題となっていたボタンの傾きを 解消し、直立させた状態で保持することがで きる。このため、歩留まりを向上させつつ、 手付けの場合と同様にしっかりと直立させる ことで見栄えも良くすることができ、相乗的 に大きな効果を奏することになる。
ちなみに、ボタンを直立させた状態に保 するために溝17に対する糸23の巻き回数は、 足部12の断面形状や幅、板厚、溝17の形状、 イズに基づいて決定していくことになる。 にこの溝17の形状やサイズが、予め決定され た糸23の巻き回数に基づいて予め調整されて てもよい。
図4(a),(b),(c)は、衣服用ボタン1の他の構成 例としての衣服用ボタン1´を示している。こ の衣服用ボタン1´において上述した図1の構 例と同一の要素、部材に関しては同一の符 を付すことにより、上記説明を引用するこ とし、以下での説明を省略する。
この衣服用ボタン1´では、足部12の中央 分21における上面12bにおいて溝17を形成させ いる。即ち、溝17は、中央部分21の両側面12c 、12dに加えて、さらに上面12bの3面において 成されている。その結果、糸23を絡ませる際 に、この3面に形成された溝17内に糸23を巻き すことができるため、衣服用ボタン1の如く 2面に形成された溝17内に糸23を巻き回す場合 比較して、糸23の結び部分はより安定した 態で固定することができ、溝17からの飛び出 しをより強固に防止することが可能となる。 その結果、衣服用ボタン1´は、衣服2に対し より安定した状態で直立させることが可能 なる。
なお、本発明においては、足部12の中央 分21に溝17を設ける場合を例にとり説明をし が、これに限定されるものではなく、溝17 代替として突起を設けるようにしてもよい 即ち、足部12の中央部分21に少なくとも2個の 突起を設けることにより、この突起の間に糸 を絡めて巻き回すことが可能となることから 、溝17を設ける場合とほぼ同様の効果が期待 きるからである。
なお、この衣服用ボタンの各形状を、図6 ~9に示されるように、A-1~A-4、B-1~B-5、C-1~C-3、D -1~D-4に分類した。
図6(a),(b)、図7(a),(b),(c)、図8(a)、図9(a)に示 される図では、A-1~D-4において規定するとこ の部位を点線で示している。また図6(c),図7(d ),図8(b)、図9(b)は、ボタンの各部位の形状を 挙したものである。
図6(a)に対応するA-1は、ボタン穴14の形状 例を列挙している。図6(b)に対応するA-2~A-4 、上面12bに形成される溝17又は突起の例を列 挙している。図7(a)に対応するB-1は、足部12の 外形の例を列挙している。また、図7(b)に対 するB-2~B-4は、底面12aに形成される溝17又は 起の例を列挙している。図7(c)に対応するB-5 、底面12a又は上面12bに形成される溝17又は 起の正面からみた形状を列挙している。図8( a)に対応するC-1~C-4は、側面12cに形成される溝 17又は突起の例を列挙している。図9(a)に対応 するD-1~D-4は、側面12dに形成される溝17又は突 起の例を列挙している。
A-1とB-1により足部12の形状を作り出して るため、このA-1とB-1から何れか1の構成を選 するのは必須となる。これに加えて、本発 では、A-2~A-4、B-2~B-4、C-1~C-4、D-1~D-4のうち何 れか1以上の構成が選定されることになる。 言すれば、A-2~A-4、B-2~B-4、C-1~C-4、D-1~D-4から つずつ構成を採用することにより、足部12 底面12a、上面12b、側面12c、12d全てにおいて ず溝17又は突起のいずれかが設けられている 構成としてもよいことになる。
ちなみにA-4、B-4、C-4、D-4は、溝17の両側 突起を設けた例である。これにより、糸23の 結び部分をこの溝17内に絡めておけば、溝17 加え、さらに突起によって糸23の結び部分の すべりを防止することができ、本発明の効果 をさらに向上させることが可能となる。
上述した効果を確認するために、以下に 明する実験的検討を行った。本発明を適用 た衣服用ボタン1を上述したプロセスに基づ いて生地に取り付けた。比較例として、衣服 用ボタン1と同一のボタン本体11からなり、か つ溝17が設けられていない従来品について、 れぞれ機械付け、手付けで生地に取り付け 。
次に、これらのボタンにつき、それぞれ 転ねじり試験と、上下垂直引張り試験を行 た。反転ねじり試験では、ボタンを付けた 地の前後に各々60gfの荷重を加えて生地を引 っ張りながら、毎分約200回の速さでボタンを 180°ねじった。この反転ねじり試験は、一つ ボタンにつき10000回行った。また、上下垂 引張り試験では、アーチ状足部に120gfの加重 を加えて下方向に引っ張りながら、かかるア ーチ状足部に上向きフックを引っ掛け、400gf 荷重が加わるまで上方向に引っ張る。この 下垂直引張り試験は、一つのボタンにつき1 00回行った。
その結果、本発明を適用した衣服用ボタ 1は、反転ねじり試験を経た後においても、 また上下垂直引張り試験を経た後においても 、試験前後においてボタンの向きは、安定し て直立した状態となっており、見栄えも美し かった。
これに対して、比較例は、機械付け、手 けともに、反転ねじり試験を経た後におい も、また上下垂直引張り試験を経た後にお ても、ともにボタンの向きが傾いていた。
さらに、上述した効果を確認するために 以下に説明する実験的検討を行った。本発 を適用した衣服用ボタン1を上述したプロセ スに基づいて生地に取り付けた。比較例とし て、衣服用ボタン1と同一のボタン本体11から なり、かつ溝17が設けられていない従来品に いて、それぞれ機械付け、手付けで生地に り付けた。
次に、これらのボタンについて上から押圧
た。その結果、図10(a)に示すように、
当初略鉛直方向に向いていたボタン本体11に
ける頂点11bがおよそ40°程度傾いた。
次に、この状態を0°として、上記押圧を 除した。その結果、ボタン本体11は元の位 へ戻されることになるが、このときの戻り θ(°)測定した。即ち、この戻り角θは、ボタ ン本体11の端部が生地に接地された状態(0°) 基準としている。また、この測定において 、図10(b)に示すようにA方向に傾くように押 した場合と、B方向に傾くように押圧した場 の2パターンに分けて測定を行っている。こ こでいうA方向とは、足部12の長手方向に対し て垂直方向を指し、B方向とは、足部12の長手 方向に対して平行方向を指している。測定は それぞれ異なるサンプルについて8回行い、 後にその平均を取ることとした。
戻り角θの測定結果を表1に示す。
また、ボタン本体11における戻り角θから 計算した戻り率を以下の表2に示す。戻り率 は、ボタン本体11の端部が生地に接地された 状態(0°)を基準として元の位置に向けて何° るかをパーセントで表示したものである。 ち、戻り率は、戻り角θ/40×100(%)として示す とができる。
この表1、2の結果から、本発明例は、比 例と比較してボタン本体11の戻り角θが大き った。同様に、本発明例は、戻り率も比較 と比較して大きかった。即ち、本発明例は 上述したメカニズムが働くことから、元の 置へ戻ろうとする力が大きく作用すること 裏付けられているものといえる。即ち、本 明では、ボタン本体11に対して押圧力が負 された場合においても、直立した状態を維 できるように作用することが可能となる。
図11は、本発明を適用した衣服用ボタン1に ける足部12の背面の構成例である。この例 は、足部12の両側面(側面12c、側面12d)におい それぞれ溝17を形成させている。この図11の 例では、溝17を断面略五角形状で形成したも である。図11の例において、溝17の幅t 1 は、0.8mm程度、深さt 2 は0.7mm程度であり、さらに深さ方向に向けて さt 3 につき0.2mm程度に亘り先鋭化された構成とさ ている。
図11の例では、糸23は、溝17における先鋭部
おいて最初に絡められ、その後、巻き数を
加させていくにつれて糸23は先鋭部の両側
広がるようにして絡められる。その結果、
23による溝17への締め付け力を先鋭部を中心
して集中させることができ、ボタンの経時
な使用に伴う糸23の緩みの増加、ひいては
立性の欠如を防止することが可能となる。
た溝17に先鋭部を形成させ、横に広がるよう
にした構成とすることにより糸23の溝17から
逸脱防止性を向上させることが可能となる
また、図11の例において図中に示す先鋭化
れた面における水平面に対する角度ψは、10~
70°で構成されていることが望ましい。その
由として、角度ψが10°以下であると、糸23に
よる溝17の締め付け力を発現させることがで
ず、また角度ψが70°を超えてしまうと、先
部がより鋭くなってしまい、絡めた糸23が
り切れてしまうためである。ちなみに、こ
角度ψは、糸23の擦り切れをより強固に防止
、さらに締め付け力の集中をより向上させ
観点から、さらに30~60°の範囲にあることが
望ましい。
1 衣服用ボタン
2 衣服
11 ボタン本体
12 足部
17 溝
21 中央部分
23 糸
