| WO/2010/004204 | FGF-R4 RECEPTOR-SPECIFIC ANTAGONISTS |
| WO/2000/028039 | IDENTIFICATION OF SENV GENOTYPES |
| WO/1992/022573 | DETECTION OF MAMMALIAN IMMUNODEFICIENCY VIRUSES |
谷山 義明 (〒12 大阪府豊中市上野坂2-20-2 Osaka, 5600012, JP)
MORISHITA, Ryuichi (1-41-4, Senriyama-nishi Suita-sh, Osaka 51, 5650851, JP)
アスビオファーマ株式会社 (〒41 東京都港区赤坂二丁目9番11号 Tokyo, 1078541, JP)
OSAKA UNIVERSITY (1-1 Yamadaoka, Suita-shi Osaka, 71, 5650871, JP)
国立大学法人 大阪大学 (〒71 大阪府吹田市山田丘1番1号 Osaka, 5650871, JP)
TANIYAMA, Yoshiaki (2-20-2, Uenosaka Toyonaka-sh, Osaka 12, 5600012, JP)
| 配列番号3、配列番号4および配列番号21からなる群から選択されるいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチドに対する抗体を含有する、癌治療用医薬組成物。 |
| 前記抗体が配列番号26のアミノ酸配列からなる部位と特異的に結合する抗体である、請求項1記載の癌治療用医薬組成物。 |
| 前記抗体が配列番号34のアミノ酸配列からなる部位を特異的に認識する抗体である、請求項1または2記載の癌治療用医薬組成物。 |
| 癌治療が癌の転移の抑制である、請求項1~3のいずれか一項記載の癌治療用医薬組成物。 |
| 癌治療が癌の原発巣の増殖の抑制である、請求項1~3のいずれか一項記載の癌治療用医薬組成物。 |
| 癌治療が癌の骨浸潤および/または癌の骨浸潤による骨破壊の抑制である、請求項1~3のいずれか一項記載の癌治療用医薬組成物。 |
| 前記癌が食道癌、肺癌、胸腺癌、膵臓癌、甲状腺癌、胃癌、小腸癌、結腸(大腸)癌、直腸癌、肝癌、膀胱癌、腎臓癌、乳癌、乳管癌、乳腺癌、子宮癌、子宮頚癌、卵巣癌、精巣癌、リンパ腫、副腎癌、前立腺癌、骨肉腫、悪性黒色腫、滑膜腫、または白血病である、前請求項1~6のいずれか一項記載の癌治療用医薬組成物。 |
| 前記癌が悪性黒色腫または乳癌である、請求項1~6のいずれか一項記載の癌治療用医薬組成物。 |
| 配列番号3、配列番号4および配列番号21からなる群から選択されるいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチドに対する抗体を用いて、生体試料中のExon-17によりコードされるペプチド領域をもつペリオスチン量を測定する工程を含む、癌の診断方法。 |
| 配列番号3,配列番号4および配列番号21からなる群から選択されるいずれか一つのアミノ酸配列からなるペプチドに対する抗体を含む、癌の診断薬。 |
| 配列番号35のヌクレオチドおよび配列番号36のヌクレオチドからなるPCRプライマーにより生体試料中のExon-17によりコードされるペプチド領域をもつペリオスチン量を測定する工程を含む、癌の診断方法。 |
| 配列番号35のヌクレオチドおよび配列番号36のヌクレオチドからなるPCRプライマーを含む癌の診断薬。 |
本発明は、ペリオスチンのExon-17によりコ ードされるペプチド領域に対する抗体を含む 、癌治療用医薬組成物に関する。更に詳しく は、癌組織をはじめとして組織再構築の間質 において特異的に発現する、抗細胞接着作用 を有するペリオスチンのスプライシングバリ アントを認識する抗ペリオスチン抗体を含む 、癌治療用医薬組成物、または前記抗ペリオ スチン抗体を用いた癌の診断方法および診断 薬に関する。
近年、癌治療法の進歩によって癌の治癒 は着実に向上している。特に、外科的手術 放射線治療あるいは化学療法による原発癌 除去に対する成功率の向上がその進歩に寄 している。しかしながら、世界的に見て癌 よる死亡数は人口の高齢化が進んだことな から増加の一途を辿っており、依然として 因のトップである。その原因として、原発 の除去が完全になされても癌の転移により 亡する場合が少なくなく、外科的手術、放 線治療あるいは化学療法では癌の転移を完 に阻止するには限界があり、依然として癌 よる死亡原因において癌の遠隔転移が直接 又は間接的に関与している。癌の転移は、 発巣から遊離した癌細胞の血管やリンパ管 への浸潤、転移臓器への癌細胞の選択的な 動、血管から転移臓器への癌細胞の浸潤、 移先の微小環境に支えられた癌細胞の増殖 血管新生を伴った直径数ミリメートル以上 なる腫瘍の増殖等の過程よりなる (非特許 献1、非特許文献2)。これらの複雑な転移成 過程の中で、癌細胞の運動能の亢進による 潤・転移は極めて重要な段階である(非特許 文献3)。これまでに、高転移性癌細胞は、そ 自身が自己分泌型運動因子を産生し、固有 動を亢進させることが報告されている(非特 許文献4)。この悪性因子に対する阻害物質が 移抑制剤として期待されているが、現在ま にその特異的阻害剤は見出されていない。
ペリオスチンは、細胞外マトリックスタ パク質の一種であり、分子量約9万のポリペ プチドからなる。各ポリペプチド鎖には、シ グナル配列、システインリッチドメイン、4 繰り返しドメイン、C末端ドメインが含まれ いる。
ペリオスチンは、当初、骨芽細胞特異的 子-2(OSF-2)と呼ばれ、マウス骨芽細胞株MC3T3-E 1細胞に特異的に発現している遺伝子として 離同定されたが(特許文献1、非特許文献5)、 に現在の名称であるペリオスチンと呼ばれ ようになり、骨芽細胞における接着促進活 が報告された(非特許文献6)。
初期の研究では、ペリオスチンは骨組織 特異的に発現する細胞外マトリックスであ と考えられていた。しかし、現在では骨組 のみならず心不全(非特許文献7、非特許文 8)、動脈瘤(非特許文献9)、高転移性癌(非特 文献10、非特許文献11、非特許文献12)、子癇 症(非特許文献13)等の発症において極めて高 く発現しており、また正常組織においてもご く僅かであるが発現していることが明らかに なっている。また、いくつかのペリオスチン スプライシングバリアントが骨芽細胞で発現 していることも明らかになっている(非特許 献5、非特許文献6、非特許文献14、特許文献2 )。
ペリオスチンの作用について、細胞接着 用に関しては、811アミノ酸から成るペリオ チンスプライシングバリアント(図1におけ PN-2に相当)(非特許文献6)および782アミノ酸か ら成るペリオスチンスプライシングバリアン ト(非特許文献15)が細胞接着作用を有すると 告されていた。これに対し、838アミノ酸か 成るペリオスチンスプライシングバリアン (図1におけるPN-1に相当)は、該ペリオスチン プライシングバリアントをコーティングし プレートには心線維芽細胞が接着しないこ 、すなわち細胞接着活性を有しないこと、 常ラットに比べ心不全モデルラットにおい 838アミノ酸から成るペリオスチンスプライ ングバリアント(図1におけるPN-1に相当)の遺 伝子発現が有意に増加していること、加えて それが心拡大を惹起させる増悪因子であるこ と、およびこのタンパク質の発現を抑制する と有意に生存率が上昇したことが報告されて いる(非特許文献7)。さらに、838アミノ酸から 成るペリオスチンスプライシングバリアント (図1におけるPN-1に相当)に対するアンチセン ヌクレオチドを用いて、該ペリオスチンス ライシングバリアントの発現を抑制するこ による心不全の予防剤または治療剤につい 報告されている(特許文献3)。加えて、本発 者らにより、811アミノ酸から成るペリオス ンスプライシングバリアント(図1におけるPN- 2に相当)が細胞接着に関っているのに対し、8 38アミノ酸から成るペリオスチンスプライシ グバリアント(図1におけるPN-1に相当)は細胞 の剥離活性を有し、そのエクソン17配列を抗 にした抗体がその剥離活性を抑制し、かつ 急性心筋梗塞モデル動物での心機能の改善 見られたことによる心不全の予防剤または 療剤について報告されている(特願2005-380009) 。
癌に関しては、高転移性癌でのペリオス ンの高発現が各種論文で報告されている(非 特許文献16(膵臓癌)、非特許文献17(口腔癌)、 特許文献18(膵臓癌)、非特許文献19(乳癌)、 特許文献20(頭頸部癌)、非特許文献21(結腸癌) 、非特許文献10(乳癌)、非特許文献12(乳癌)、 特許文献22(胸腺癌)、非特許文献23(非小細胞 性肺癌)、非特許文献11(頭頚部扁平上皮癌))。 しかしながら、これらの文献においては、ペ リオスチンのスプライシングバリアントには 着目されておらず、ペリオスチンの発現確認 をRT-PCR法によって解析した報告(非特許文献6 11、13、14、17、18、20、26、28、29)はあるもの の、何れもExon-17領域とは異なる部位でプラ マーを作製しており、Exon-17領域を持ったバ アントを特異的に解析してはいない。また 高転移性癌においては転写因子Twistが高発 していることが報告され(非特許文献24、非 許文献25)注目されているが、ペリオスチン プロモーター領域にもTwistが有ることが報告 されている(非特許文献26)。加えて、発癌性 つ非転移性であるヒト胎児腎上皮細胞株293T 胞にペリオスチン遺伝子を導入すると、浸 能が亢進することが報告されている(非特許 文献27)。また、種々の癌細胞で、ラットペリ オスチンのマウスホモログの発現が低下して いたこと、膀胱癌細胞への該ペリオスチンの 遺伝子導入により膀胱癌細胞の浸潤が抑制さ れたこと、およびマウスメラノーマB16-F10細 への該ペリオスチンの遺伝子導入により肺 の転移が抑制されたことが報告されている( 特許文献28)。
このように、ペリオスチン遺伝子の発現 心不全の病態に関連するのみならず癌の病 にも関連することが示唆されているが、各 プライシングバリアントの癌病態の進行に ける機能については明らかではない。
またペリオスチンに対する抗体としては、
リオスチンの過発現により増大する間葉細
の遊走を阻害する抗ペリオスチン抗体(非特
許文献29)が報告されているが、これはマウス
若しくはラットのペリオスチンタンパク質の
N末側123~141のアミノ酸配列(KLREEIEGKGSYTYFAPSN)を
原としたポリクローナル抗体である。また
ペリオスチンによる結腸直腸癌における増
および細胞分化を抑制する抗ペリオスチン
体(非特許文献30)が報告されているが、この
論文ではペリオスチンのバリアントに関して
全く記載がなく、抗原として用いた精製した
タンパク質がどのバリアントであるのか不明
であり、どの部位を認識する抗体かも不明で
ある。
本発明の目的は、生活の質の改善および 期生命予後の改善が可能であり、かつ既存 メカニズムとは異なる新たな癌の治療剤を 供することである。さらに、本発明の目的 、癌の診断方法および診断薬を提供するこ である。
本発明者らは、細胞接着活性を有しない リオスチンスプライシングバリアント(PN-1) 抗細胞接着活性、すなわち接着した細胞を 離する活性を有することを明らかにし、ま 、一方、細胞接着活性を有するペリオスチ (PN-2)は抗細胞接着活性を有さない、すなわ 接着した細胞を剥離しないことを確認した そして、抗細胞接着活性を有するペリオス ンスプライシングバリアント(PN-1)と、抗細 接着活性を示さないペリオスチン(PN-2)にお て、その構造と細胞接着における活性の相 に注目し、抗細胞接着活性を有するペリオ チンスプライシングバリアントに特異的に 在する領域、すなわちExon-17領域を阻害する ことにより、抗細胞接着活性を有するペリオ スチン関連疾患の予防または治療が可能であ ることを既に示した(特願2005-380009)。
ここでは、本発明者らはPN-1タンパク質が 持つ細胞の剥離作用すなわち細胞を遊離させ る作用が、先に述べた癌転移の過程における 、原発巣から癌細胞が遊離することに関係し ており、癌転移を促進させていると考え、PN- 1タンパク質と癌病態の関係について明らか することを試みた。
ペリオスチンのスプライシングバリアント
形成されるC-末端ドメインは、exon(エクソン
)15から23で構成されているが、ラットでは、
記(1)から(4)が存在する。
(1)全てを保持しているもの(PN-1と呼ぶ;配列番
号1として示す838アミノ酸からなる;cDNA配列を
配列番号6として示す)、
(2)Exon-17が欠失しているもの(PN-2と呼ぶ;配列
号5として示す811アミノ酸からなる;PN-1から
列番号3で示される27アミノ酸(Exon-17)が欠失
ているもの;cDNA配列を配列番号7として示す)
(3)Exon-21が欠失しているもの(PN-3と呼ぶ;810ア
ノ酸からなる)、
(4)Exon-17とExon-21が欠失しているもの(PN-4と呼
;783アミノ酸からなる)
また、ラット以外でも、マウス及びヒトに
いてPN-1及びPN-2が見出されている(マウスPN-1
:配列番号8(アミノ酸配列)、配列番号9(cDNA配
);マウスPN-2:配列番号10(アミノ酸配列)、配列
番号11(cDNA配列);ヒトPN-1:配列番号12(cDNA配列);
トPN-2:配列番号13(アミノ酸配列)、配列番号1
4(cDNA配列))。
そして、癌病態時に発現が亢進するペリ スチンスプライシングバリアントを調べた 果、細胞の接着を抑制し、および接着細胞 剥離させる機能を有するPN-1が、マウスメラ ノーマ(悪性黒色腫)B16-F10細胞、或いはマウス 4T1乳癌細胞肺転移モデルマウスの腫瘍組織に おいて、正常組織に比べて極めて高く発現し ていることを明らかとし、PN-1が癌病態時に めて高く発現することを見出した(後述実施 12、実施例13)。
また、ヒトの多様な癌組織(食道癌、肺癌 、胸腺癌、膵臓癌、甲状腺癌、胃癌、小腸癌 、結腸(大腸)癌、直腸癌、肝癌、膀胱癌、腎 癌、乳癌、乳管癌、乳腺癌、子宮癌、子宮 癌、卵巣癌、精巣癌、リンパ腫、副腎癌、 立腺癌、骨肉腫、悪性黒色腫、滑膜腫、白 病)においてもexon-17領域を持つバリアント 発現が確認された。(後記実施例16)。
そこで、本発明者らは、細胞の接着を抑 する機能を有するPN-1と細胞を接着させる機 能を有するPN-2において、構造上異なる部位 あり、PN-1のみに存在するExon-17部位が細胞接 着の抑制に関与している領域であると考え、 該Exon-17部位を阻害することにより、PN-1の細 接着抑制という機能を阻害することができ さらには、癌の転移を抑制することができ と考えた。PN-1が有するExon-17部位の阻害物 としては、該部位によりコードされるアミ 酸配列からなるペプチド部分を特異的に認 する抗体の作製を検討した。
抗体を作製するためには、免疫原として いる物質が親水性であることが必要であり また、タンパク質のような大きなポリペプ ドの一部分を用いて抗体を作製する際には 免疫原として使用する部分が、該タンパク の表面に出ており、エピトープ部分を構成 ていることが必要である。そこで、Exon-17ペ プチド鎖を抗原として用いることの可能性を 検討するために、最初に、バイオインフォマ ティクス分野で汎用されているaccelrys社のソ ト、Mac Vector 7.2を使用してエピトープ検索 を行なった。その結果、“親水性(Hydrophilicity )”、“表面への露出のしやすさ(Surface Probabi lity)”および“抗原性(Antigenicity)”から見て Exon-17領域のTTKIITKLVEPKIKVIQGSLQPIIKTE(配列番号3) 殆どが疎水性領域であり、タンパク質分子 表面に出ている可能性が非常に低いことが 唆され、抗原性を有しておらず、抗体が作 できないと考えられ、実際に抗体を作製す ことは困難であることが予想された。
しかしながら、Exon-17領域によりコードさ れるペプチドを構成する27アミノ酸からなる プチドを合成し、ウサギに免疫させ、得ら た血清からIgG画分を精製し、抗Exon-17ペプチ ドポリクローナル抗体を作製したところ、驚 くべきことに、疎水性であって、抗原性はな いと予測されたにも関わらず、PN-1に特異的 存在するExon-17によりコードされるペプチド 域に対する抗体(以下、抗Exon-17ポリクロー ル抗体と称する)が作製できた(後述実施例1)
次に、PN-1タンパク質をコートしたプレート
にマウスメラノーマB16-F10細胞若しくはマウ
4T1乳癌細胞を加えると、細胞の接着が認め
れなかったことから、ラットPN-1タンパク質
は細胞を接着させない作用(すなわち非細胞
接着作用)を有していることが明らかとなっ
(後述実施例2)。また、80%コンフルエントに
養したマウスメラノーマB16-F10細胞、或いは
ウス4T1乳癌細胞にPN-1タンパク質を添加する
と、ほぼ100%の細胞の脱離(すなわち、抗細胞
着活性)が観察された(後述実施例3)。この実
験系に抗Exon-17ポリクローナル抗体を投与し
結果、PN-1タンパク質による細胞の脱離を抑
したことから、該抗Exon-17ポリクローナル抗
体はPN-1タンパク質に対する中和活性を持つ
体で有ることが明らかとなった(後述実施例4
)。また、マウスメラノーマB16-F10細胞、或い
マウス4T1細胞に抗Exon-17ポリクローナル抗体
を添加した結果、細胞増殖抑制が見られたこ
とから、該抗Exon-17ポリクローナル抗体はマ
スメラノーマB16-F10細胞、或いはマウス4T1乳
細胞の増殖を抑制する効果も併せ持つこと
明らかとなった。(後述実施例5)
次に、マウスメラノーマB16-F10細胞、或いは
マウス4T1乳癌細胞を足踵に注射し肺転移を起
こすモデルマウスに抗Exon-17ポリクローナル
体を週に一度投与し続けたところ、モデル
製後3~5週間で原発巣の増殖のみならず原発
から肺への転移率・転移コロニー数を有意
抑制した(後述実施例14、実施例15)。また、
ウス4T1乳癌細胞においては原発巣からの乳
細胞の骨浸潤及び癌の骨浸潤による骨破壊
有意に抑制した(後述実施例15)。これにより
抗Exon-17ポリクローナル抗体が癌病態の進行
とともに起こる原発巣の増殖を抑制する活性
、骨浸潤を抑制する活性及び癌の骨浸潤によ
る骨破壊を抑制する活性ならびに原発巣から
肺への転移を抑制する活性を持つ抗体である
ことが明らかとなった。このことから、PN-1
対する中和抗体はPN-1が有する接着阻害作用
抑制し、悪性黒色腫或いは乳癌細胞の増殖
よび肺転移並びに乳癌細胞の骨浸潤、骨破
を抑制する新規治療薬として有用であるこ
が示された。以上の知見から、癌病態にお
て、PN-1が原発巣の増殖ならびに原発巣から
の転移をおこす機能を有していることが明ら
かとなり、PN-1に特異的に存在するExon-17によ
コードされるペプチド領域に対する抗体に
り、これらの癌病態の進行を抑制すること
できることを見出した。
さらに、本発明者らは、ヒトペリオスチ のExon-17ペプチド鎖に対するモノクローナル 抗体(以下、抗Exon-17モノクローナル抗体と称 る)を作製した(後述実施例6)。そして、マウ スメラノーマB16-F10細胞肺転移モデルマウス 用いた実験において、抗Exon-17モノクローナ 抗体の投与により、癌増殖抑制および原発 から肺への転移率・転移コロニー数の抑制 用が示された(後述実施例14)。
これらの知見により、多様な癌組織にお て発現が上昇するExon-17領域を持つペリオス チン(PN-1)が、原発巣の増殖ならびに原発巣か らの転移をおこす機能を有しており、PN-1に 異的に存在するExon-17によりコードされるペ チド領域に対する抗体(抗Exon-17ポリクロー ル抗体または抗Exon-17モノクローナル抗体)の 投与によって、原発巣の増殖ならびに原発巣 からの転移が抑制され、癌病態の進行を抑制 できることが明らかとなり、本発明を完成し た。
すなわち、本発明は、ペリオスチンに対 る抗体、特にExon-17によりコードされるペプ チド領域に対する抗体を含有する、癌治療用 医薬組成物を提供するものである。
すなわち、本発明としては、以下を挙げる
とができる。
(1)配列番号3、配列番号4および配列番号21か
なる群から選択されるいずれか一つのアミ
酸配列からなるペプチドに対する抗体を含
する、癌治療用医薬組成物。
(2)前記抗体が配列番号26のアミノ酸配列から
る部位と特異的に結合する抗体である、上
(1)記載の癌治療用医薬組成物。
(3)前記抗体が配列番号34のアミノ酸配列から
る部位を特異的に認識する抗体である、上
(1)または(2)記載の癌治療用医薬組成物。
(4)癌治療が癌の転移の抑制である、上記(1)~(3
)のいずれか一項記載の癌治療用医薬組成物
(5)癌治療が癌の原発巣の増殖の抑制である、
上記(1)~(3)のいずれか一項記載の癌治療用医
組成物。
(6)癌治療が癌の骨浸潤および癌の骨浸潤によ
る骨破壊の抑制である、上記(1)~(3)のいずれ
一項記載の癌治療用医薬組成物。
(7)前記癌が食道癌、肺癌、胸腺癌、膵臓癌、
甲状腺癌、胃癌、小腸癌、結腸(大腸)癌、直
癌、肝癌、膀胱癌、腎臓癌、乳癌、乳管癌
乳腺癌、子宮癌、子宮頚癌、卵巣癌、精巣
、リンパ腫、副腎癌、前立腺癌、骨肉腫、
性黒色腫、滑膜腫、白血病である、前記(1)~
(6)のいずれか一項記載の癌治療用医薬組成物
。
(8)前記癌が悪性黒色腫または乳癌である、上
記(1)~(6)のいずれか一項記載の癌治療用医薬
成物。
(9)配列番号3、配列番号4および配列番号21か
なる群から選択されるいずれか一つのアミ
酸配列からなるペプチドに対する抗体を用
て、生体試料中のExon-17によりコードされる
プチド領域をもつペリオスチン量を測定す
工程を含む、癌の診断方法。
(10)配列番号3,配列番号4および配列番号21から
なる群から選択されるいずれか一つのアミノ
酸配列からなるペプチドに対する抗体を含む
、癌の診断薬。
(11)配列番号35のヌクレオチドおよび配列番号
36のヌクレオチドからなるPCRプライマーによ
生体試料中のExon-17によりコードされるペプ
チド領域をもつペリオスチン量を測定する工
程を含む、癌の診断方法。
(12)配列番号35のヌクレオチドおよび配列番号
36のヌクレオチドからなるPCRプライマーを含
癌の診断薬。
1.癌治療用医薬組成物
本発明は、抗細胞接着作用を有するペリオ
チンのスプライシングバリアント(PN-1タン
ク質)を認識する抗ペリオスチン抗体を含む
癌治療用医薬組成物である。
本発明の医薬組成物は、癌を治療または 断するために使用することができる。本発 の対象の癌としては、これに限定されるも ではないが、例えば、悪性黒色腫、乳癌、 腸癌、肺癌、骨癌、膵臓癌、胃癌、皮膚癌 子宮癌、卵巣癌、直腸癌、結腸癌、卵管癌 食道癌、小腸癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、 腎癌、前立腺癌、膀胱癌、腎臓癌、胸腺癌 膵臓癌、肝癌、乳管癌、乳腺癌、子宮頚癌 卵巣癌、精巣癌、リンパ腫、骨肉腫、滑膜 、及び白血病を挙げることができ、悪性黒 腫、乳癌、大腸癌または肺癌等のような転 性が高い癌に特に適用できる。
本発明の医薬組成物は、癌の原発巣の増 を抑制する効果、癌細胞の骨浸潤、癌細胞 骨浸潤による骨破壊、および癌の転移を抑 する効果を有する。従って、癌の原発巣の 殖の抑制、癌細胞の骨浸潤、癌細胞の骨浸 による骨破壊、または癌の転移の抑制によ 癌治療を行うことができる。
本発明の医薬組成物は、通常の製剤化の に用いられる担体や賦形剤、その他の添加 を用いて調製される。
本発明の医薬組成物の有効成分である抗 は、公知の薬理学的に許容し得る担体、賦 剤、希釈剤等と混合して医薬、特に抗体医 に一般に使用されている投与方法、例えば 静脈内投与、皮下注射、皮内注射、筋肉内 射、腹腔内注射、または経口投与等によっ 投与するのが好ましい。
本発明の医薬組成物は、例えば、有効成 を生理学的に許容される担体、香味剤、賦 剤、安定剤、希釈剤、乳濁剤、溶液剤、懸 剤、シロップ剤等と、適宜混和することに り製造することができ、錠剤、散剤、顆粒 、溶液剤等として用いることができる。錠 等に混和することができる添加剤としては 例えばゼラチンのような結合剤、コーンス ーチのような潤沢剤等を用いることができ また糖衣又は医溶性若しくは腸溶性物質の ィルムにより被膜してもよい。カプセルの 型である場合には、前記の組成物に更に液 担体を含有させることができる。注射のた の無菌組成物も、通常の処方を適用して製 することができる。注射用の水性液として 、ブドウ糖などを含む等張液などが挙げら 、ポリエチレングリコールのような適当な 解補助剤などと併用してもよい。また、緩 剤、安定剤、保存剤、酸化防止剤、無痛化 などと配合してもよい。経口投与において 消化管内で有効成分が分解を受けやすい場 、消化管内で分解を受けにくい製剤、例え 活性成分をリポソーム中に包容したマイク カプセル剤として経口投与することも可能 ある。また、直腸、鼻腔内、舌下、肺など 消化管以外の粘膜から吸収せしめる投与方 も可能である。この場合は、座剤、点鼻剤 舌下剤、経肺剤といった形態で投与するこ ができる。
本発明の医薬組成物の投与量は、治療に用
られる場合、治療に有効な投与量が決めら
るが、当該投与量は投与対象者の年齢、体
、症状の程度および投与経路等によって異
り、個々の場合に応じて決められる。通常
経口投与による場合、成人一日当たりの投
量は0.1~1000mg程度であり、これを1ないし数
に分けて投与すればよい。持続静脈内投与
おいては0.01μg/kg/min~1.0μg/kg/minの範囲で投与
ることができ、0.025μg/kg/min~0.1μg/kg/minで投
するのが望ましい。
2.抗体
本発明に用いられる抗体は、PN-1タンパク質
に特異的に存在する領域に対する抗体である
。
本明細書において、PN-1タンパク質として は、配列番号1(ラットペリオスチンPN-1、838ア ミノ酸)、配列番号2(ヒトペリオスチンPN-1、83 6アミノ酸:ラットペリオスチンよりもN末端の シグナル配列が2アミノ酸少ない)、または配 番号8(マウスペリオスチンPN-1)のアミノ酸配 列からなるペリオスチンを挙げることができ る。
PN-1タンパク質に特異的に存在する領域と しては、Exon-17のスプライシング部位を挙げ ことができ、さらには、Exon-17によりコード れるペプチド領域を挙げることができる。 体的には、例えば、配列番号1で示されるア ミノ酸配列を有するペリオスチンの配列番号 3で示されるペプチド部分(配列番号1の672~698 ミノ酸)、配列番号2で示されるアミノ酸配列 を有するペリオスチンの配列番号4で示され ペプチド部分(配列番号2の670~696アミノ酸)、 たは配列番号8で示されるアミノ酸配列を有 するペリオスチンの配列番号21で示されるペ チド部分(配列番号8の672~698アミノ酸)が挙げ られる。
本発明の好ましい態様において、Exon-17に よりコードされるペプチドに対する抗体は、 Exon-17によりコードされるペプチドのアミノ 配列におけるN末端から-1番目のチロシンか 9番目のバリンまでのアミノ酸配列(配列番号 26)からなるペプチドと特異的に結合するもの を挙げることができる。また、Exon-17により ードされるペプチドのアミノ酸配列におけ N末端の1番目のトレオニンから6番目のトレ ニンまでのアミノ酸配列(配列番号34)からな ペプチドを特異的に認識することができる のが好ましい。
1つの態様において、本発明に用いる抗体は
、上記のExon-17によりコードされるペプチド
域を抗原として作製されるモノクローナル
体及びポリクローナル抗体である。ここで
「モノクローナル抗体」とは、前記の抗原
反応性を有する任意のモノクローナル抗体
あって、「モノクローナル抗体」には、前
の抗原を、マウス、ラット、ハムスター、
ルモットあるいはウサギ等の哺乳動物に免
して得られる天然型抗体、遺伝子組換技術
用いて製造され得るキメラモノクローナル
体(キメラ抗体)及びヒト化モノクローナル抗
体(ヒト化抗体;CDR-grafted抗体)、並びにヒト抗
産生トランスジェニック動物等を用いて製
され得るヒトモノクローナル抗体(ヒト抗体
)も包含される。また、本発明に用いられる
体は、IgG(IgG1,IgG2,IgG3,IgG4)、IgM、IgA、IgDある
はIgE等のいずれのアイソタイプを有するモ
クローナル抗体をも包含する。好ましくは
IgG(IgG1,IgG2,IgG3,IgG4)またはIgMである。
3.抗体の調製
本発明に用いる抗体は、癌病態時等の癌細
に特異的なスプライシングバリアントが形
されるC-末端ドメインのExon-17領域によりコ
ドされるアミノ酸配列からなるペプチドを
学合成したものを抗原として作製できるが
係るペプチドは、ペリオスチンタンパク質
酵素消化や遺伝子工学的手法などによって
得られ、その由来は問わない。
抗原に上記ペプチドを用いる場合には、 れ自身抗原として用いることも可能である 、抗原性を高めるために、上記ペプチドを リビニルピロリドン、ラテックス、ポリメ ルメタクリレートなどの巨大分子の物質に 着させて免疫する方法、KLH(Keyhole Limpet Hemo cyanin:スカシ貝ヘモシアニン)やBSA(牛血清アル ブミン)などのキャリアー蛋白に結合して用 る方法等があり、いずれの方法をも使用す ことができる。一般的にはペプチドをキャ ヤー蛋白に結合して用いる方法が好ましく 結合方法は公知の方法を用いることができ (例えば、「続医薬品の開発、14巻、廣川書 、1991」)。ペプチドはキャリアー蛋白と結合 させて方向性を持たせるために、ペプチドの C末端またはN末端にシステイン基を導入し、 ステイン基を介してキャリアー蛋白と結合 せる方法が用いられる。この目的に合った 合方法であれば当技術分野において一般に いられている架橋剤を用いることができる スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シ クロヘキサン-1-カルボキシレート(以下「SMCC と略す)や3-マレイミドベンゾイックアシッ -N-ヒドロキシサクシンイミドエステル(MBS) どが適している。モノクローナル抗体は、 ーラーとミルシュタインによる細胞融合法(G .Kohler et al Nature (1975) 256,495-7) により作製 されたハイブリドーマを培養して分泌させ、 その培養液から分離することにより調製され る。すなわち、Exon-17によりコードされるア ノ酸配列を有するペプチド等で哺乳動物を 疫した後、この動物の抗体産生細胞をミエ ーマ細胞と融合させハイブリドーマを得る Exon-17に結合する抗体を産生するハイブリド マの検索は、例えばハイブリドーマ上清に いて抗原を固定したマイクロプレートを用 る酵素免疫測定法(以下「ELISA」と略す)によ って行われる。免疫に使用する動物としては 特に制限はなく、各種の哺乳動物、例えばマ ウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヒツジ 、ヤギ、ネコ、イヌ等を使用することができ る。モノクローナル抗体の作製には、上記の 免疫動物のうち、取扱い易さ等の理由により 一般にはBalb/cマウスが用いられるが、他の系 統のマウスを使用することもできる。その際 、免疫に用いる抗原の濃度は、十分な量の抗 原刺激を受けたリンパ球が形成されるよう選 択し、好ましくは1~100μgの抗原を適当な濃度 生理食塩水などで希釈し、フロイント完全 ジュバントあるいはフロイント不完全アジ バント等の懸濁液とし、動物に腹腔内注射 たは皮下注射などによって投与する。投与 2~4週毎に1~数回行う。最終免疫は通常1~100μg の抗原を添加した生理食塩溶液を静脈注射ま たは皮下注射などにより投与して行われる。 最終免疫の数日後に細胞融合のため免疫した 動物から抗原産生細胞、例えばリンパ球、好 ましくは脾臓細胞またはリンパ節細胞を取り 出す。次に、抗体産生細胞として脾臓細胞を 用いた場合について説明するが、脾臓細胞以 外の抗体産生細胞も同様に細胞融合に供し得 る。細胞融合は、最終免疫3~4日後に無菌的に 取り出した脾臓から調製した脾臓細と適当な ミエローマ細胞を融合促進剤の存在下で細胞 融合させる。融合に用いるミエローマ細胞は 、哺乳動物からのものでよいが、一般には、 免疫に用いた動物と同じ種の動物に由来する ものが好適であり、既に公知の種々の細胞株 、例えばマウスではSP2/0-Ag14(SP2)[[Nature, 276, 2 69(1978)]、NS-1-Ag4/1(NS-1)、P3-X63Ag8U.1(P3U1)[Curr. Top . Microbiol. Immunol. 81, 1-7(1978):ATCCから入手可 ATCC No. CRL-1597]、P3-NS1-1-Ag4-1、P3-X63Ag8(P3)、FO 、X63Ag8.653(X63.653)、210.RCY3.Ag1.2.3、S194/5XXO.BU1、 SKO-007、GM15006TG-A12等が好適に使用され、ラッ ではY3.Ag1.2.3等が好適に使用される。好まし い融合促進剤として例えば、平均分子量が100 0~6000のポリエチレングリコール(PEG)のほかセ ダイウィルスも使用できる。融合時の脾臓 胞とミエローマ細胞の混合比率は、一般に1 0:1~2:1の範囲が好ましい。
融合した細胞よりハイブリドーマの分離 、未融合の脾臓細胞、未融合のミエローマ 胞及び融合した細胞の混合物を未融合のミ ローマ細胞が生存できない選択培地で、未 合の細胞が死滅するまでの適当な時間(約1 間)培養することにより行なえる。選択培地 、例えばHAT 培地(ヒポキサンチン、アミノ テリン及びチミジンを含む培地)が使用され る。この選択培地中では、未融合のミエロー マ細胞は死滅し、また未融合の脾臓細胞は、 非腫瘍性細胞であるので、一定期間後(約1週 後)死滅するので、生育できる細胞を選択す ることによりハイブリドーマを得ることがで きる。目的の抗体を産生するハイブリドーマ は、通常の限界希釈法によって、目的とする 抗体の産生株の検索及び単一クローン化が行 える。このようにして得られたモノクローナ ル抗体を産生するハイブリドーマは、生育に 適した培地中で生育でき、また超低温冷凍庫 や液体窒素中などで容易に長期に保存が可能 である。このようにして得られたハイブリド ーマは、栄養培地中あるいは哺乳動物の腹腔 内で増殖させることにより抗体を産生させる ことができ、産生した抗体は培養上清あるい はその哺乳動物の腹水または血清から精製す ることができる。ハイブリドーマとしては、 例えば、平成18年11月1日付けで独立行政法人 業技術総合研究所特許生物寄託センターにF ERM BP-10718として寄託されているハイブリド マを使用することができる。抗体の精製は 遠心分離、透析、硫酸アンモニウム等によ 塩析、DEAEカラム等によるイオン交換クロマ グラフィー、ゲルろ過、アフィニティーク マトグラフィーなどの一般的な単離、精製 法を用いて行なうことができる。かくして られたモノクローナル抗体のアイソタイプ びサブクラスの決定は以下のように行なう とができる。まず、同定法としてはオクテ ロニー(Ouchterlony)法、ELISA法、またはRIA法が げられる。オクテルロニー法は簡便ではあ が、モノクローナル抗体の濃度が低い場合 は濃縮操作が必要である。一方、ELISA法ま はRIA法を用いる場合は、培養上清をそのま 抗原吸着固相と反応させ、さらに第二次抗 として各種イムノグロブリンアイソタイプ サブクラスに対応する抗体を用いることに り、モノクローナル抗体のアイソタイプ、 ブクラスを同定することが可能である。ま 、さらに簡便な方法として、市販の同定用 キット(例えば、マウスタイパーキット;バイ オラッド社製)等を利用することもできる。 らに、タンパク質の定量は、フォーリンロ リー法、及び280nmにおける吸光度[1.4(OD280)=イ ムノグロブリン1mg/ml]より算出する方法によ 行うことができる。この様にして得られた ノクローナル抗体は、配列番号1、配列番号2 または配列番号8で示されるアミノ酸配列か なるペリオスチン(PN-1タンパク質)、配列番 3、配列番号4または配列番号21で示されるア ノ酸配列からなるExon-17によりコードされる ペプチドを特異的に認識する。好ましくは、 本発明に用いられるモノクローナル抗体は、 アミノ酸配列YTTKIITKVV(配列番号26)からなるペ チド、すなわちヒトペリオスチンExon-17ペプ チド鎖のアミノ酸配列(配列番号4)におけるN 端から-1番目のチロシンから9番目のバリン でのアミノ酸配列からなるペプチド、およ ヒトペリオスチンPN-1のアミノ酸配列(配列番 号2)におけるN末端から669番目のチロシンから 679番目のバリンまでのアミノ酸配列からなる ペプチドを特異的に認識して結合することが できる。すなわち、ヒトペリオスチンExon-17 プチド鎖のアミノ酸配列(配列番号4)のN末端 スレオニンから9番目のバリンまでのアミノ 酸配列部位(TTKIITKVV;配列番号22)或いはその一 を特異的に認識することができる。さらに ましくは、本発明に用いられるモノクロー ル抗体は、ヒトペリオスチンExon-17ペプチド 鎖(配列番号4)のN末端から-1番目のチロシンか ら9番目のバリンまでのアミノ酸配列(YTTKIITKVV ;配列番号26)からなるペプチドにおいて、N末 から1番目および8~10番目のアミノ酸をアラ ンに置換したペプチドを認識して結合する とができる。すなわち、ヒトペリオスチンEx on-17ペプチド鎖のアミノ酸配列(配列番号4)ま はラットペリオスチンExon-17ペプチド鎖のア ミノ酸配列(配列番号3)の少なくともN末端か 1番目のトレオニンから6番目のトレオニンま でのアミノ酸配列部位(配列番号34)またはそ 一部を特異的に認識することができる。さ に、本発明に用いられるモノクローナル抗 は、PN-1タンパク質の癌細胞の接着抑制作用 よび接着細胞剥離作用を抑制または阻害す 、すなわちPN-1タンパク質の癌細胞の接着抑 制作用および接着細胞剥離作用を中和する活 性を有する。さらに、癌の原発巣の増殖抑制 活性、癌細胞の骨浸潤抑制活性、癌細胞の骨 浸潤による骨破壊抑制活性、および癌細胞の 転移抑制活性を有する。
抗体としてポリクローナル抗体を使用する
合、ポリクローナル抗体は通常行われてい
方法、例えば「日本生化学会編、新生化学
験講座12、東京化学同人、1992」記載の方法
よって得ることができる。免疫動物として
、特に限定されるものではないが、馬、山
、羊、ウサギ、モルモット、マウス、ニワ
リなどが挙げられる。免疫動物としてウサ
を用いる場合には、抗原を適当な濃度に生
食塩水などで希釈し、完全フロイントアジ
バント、不完全フロイントアジュバントま
は水酸化アルミニウムアジュバントなどの
濁液とし、10~1000μg/回/匹を注射し、さらに2
~4週間後に追加免疫注射を1~3回行い、抗血清
得る。注射は多数箇所の皮下に行なうのが
ましい。抗血清からポリクローナル抗体の
製は、上記モノクローナル抗体の精製と同
の方法で行なうことができる。この様にし
得られたポリクローナル抗体は、配列番号1
、配列番号2または配列番号8で示されるアミ
酸配列からなるペリオスチン(PN-1タンパク
)、配列番号3、配列番号4または配列番号21で
示されるアミノ酸配列からなるExon-17でコー
されるペプチドを特異的に認識する。好ま
くは、本発明に用いられるポリクローナル
体は、アミノ酸配列YTTKIITKVV(配列番号26)から
なるペプチド、すなわちヒトペリオスチンExo
n-17ペプチド鎖のアミノ酸配列(配列番号4)に
けるN末端から-1番目のチロシンから9番目の
リンまでのアミノ酸配列からなるペプチド
およびヒトペリオスチンPN-1のアミノ酸配列
(配列番号2)におけるN末端から669番目のチロ
ンから679番目のバリンまでのアミノ酸配列
らなるペプチドを特異的に認識して結合す
ことができる。すなわち、ヒトペリオスチ
Exon-17ペプチド鎖のアミノ酸配列(配列番号4)
N末端のスレオニンから9番目のバリンまで
アミノ酸配列部位(TTKIITKVV;配列番号22)或いは
その一部を特異的に認識することができる。
さらに好ましくは、本発明に用いられるポリ
クローナル抗体は、ヒトペリオスチンExon-17
プチド鎖(配列番号4)のN末端から-1番目のチ
シンから9番目のバリンまでのアミノ酸配列(
YTTKIITKVV;配列番号26)からなるペプチドにおい
、N末端から1番目および8~10番目のアミノ酸
アラニンに置換したペプチドを認識して結
することができる。すなわち、ヒトペリオ
チンExon-17ペプチド鎖のアミノ酸配列(配列
号4)またはラットペリオスチンExon-17ペプチ
鎖のアミノ酸配列(配列番号3)の少なくともN
端から1番目のトレオニンから6番目のトレ
ニンまでのアミノ酸配列部位(配列番号34)ま
はその一部を特異的に認識することができ
。さらに、本発明に用いられるポリクロー
ル抗体は、PN-1タンパク質の癌細胞の接着抑
制作用および接着細胞剥離作用を抑制または
阻害する、すなわちPN-1タンパク質の癌細胞
接着抑制作用および接着細胞剥離作用を中
する活性を有する。さらに、癌の原発巣の
殖抑制活性、癌細胞の骨浸潤抑制活性、癌
胞の骨浸潤による骨破壊抑制活性、および
細胞の転移抑制活性を有する。
4.ヒト型抗体の作製
免疫グロブリンG(以下、単に「IgG」という
)は、分子量約23000の軽ポリペプチド鎖(以下
軽鎖」という)、分子量約50000の重ポリペプ
ド鎖(以下「重鎖」という)の各2本ずつから
成される。重鎖、軽鎖とも約110残基からな
、アミノ酸配列が保存されている領域の繰
返し構造を持ち、これらはIgGの3次元構造の
基本単位(以下、「ドメイン」という。)を構
する。重鎖および軽鎖は、それぞれ連続し
4個、および2個のドメインから構成されて
る。重鎖、軽鎖いずれにおいても、アミノ
端のドメインは他のドメインに比べ各抗体
子間でのアミノ酸配列の変異が大きく、こ
ドメインは可変ドメイン(variable domain:以下
「Vドメイン」という。)と呼ばれる。IgGのア
ミノ末端においては、重鎖、軽鎖のVドメイ
が相補的に会合し可変領域を形成している
これに対し、残余のドメインは、全体とし
定常領域を形成する。定常領域は、各動物
に特徴的な配列を有し、例えば、マウスIgG
定常領域はヒトIgGの定常領域とは異なって
るので、マウスIgGはヒトの免疫系によって
物として認識され、その結果、ヒト抗マウ
抗体(Human Anti Mouse Antibody:以下「HAMA」とい
。)応答が起こる(Schroff RW. et al Cancer Res.
(1985)45,879-85)。従って、マウス抗体はヒトに
返し投与することはできない。このような
体をヒトに投与するためには、抗体の特異
を保持したままHAMA応答を起こさないように
抗体分子を修飾する必要がある。X線結晶構
解析の結果によれば、一般に、このような
メインは3本から5本のβ鎖からなる逆平行β
ートが二層重なり合った長円筒状の構造を
る。可変領域では、重鎖、軽鎖のVドメイン
れぞれにつき各3個のループが集合し、抗原
結合部位を形成する。この各ループは相補性
決定領域(complementarity determining region:以下、
CDR」という。)と呼ばれ、アミノ酸配列の変
異が最も著しい。可変領域のCDR以外の部分は
、一般に、CDRの構造を保持する役割を有し、
「フレームワーク」と呼ばれる。カバトらは
、重鎖、軽鎖の可変領域の一次配列を多数収
集し、配列の保存性に基づき、それぞれの一
次配列をCDRおよびフレームワークに分類した
表を作成した(Kabatt et al. SEQUENCES OF IMMUNOLOG
ICAL INTEREST, 5th edition, NIH publication, No.91-324
2, E.A.)。また、各フレームワークは、アミノ
酸配列が共通の特徴を有する複数のサブグル
ープに分類された。さらに、ヒトとマウスの
間で対応するフレームワークが存在すること
も見いだされた。このようなIgGの構造的特徴
に関する研究から以下のヒト化抗体の作製法
が考案された。研究初期の段階では、マウス
由来抗体の可変領域をヒト由来の定常領域に
接合したキメラ抗体が提案された(Morrison SL.
et al Proc Natl Acad Sci U S A. (1984)81,6851-5)
しかし、そのようなキメラ抗体は、依然と
て、多くの非ヒトアミノ酸残基を含むので
特に長期間投与した場合にはHAMA応答を誘導
うる(Begent et al., Br. J. Cancer, (1990)62, 487)
。
ヒトに対しHAMA応答を発現する可能性のあ る、非ヒト哺乳動物由来のアミノ酸残基を更 に少なくする方法として、CDR部分のみをヒト 由来の抗体に組み込む方法が提案された(Peter T et al. Nature, (1986) 321, 522-5)が、一般に 抗原に対する免疫グロブリン活性を保持す にはCDRのみの移植では不十分であった。一 、チョッチアらは、1987年、X線結晶構造解析 データを用い、(a)CDRのアミノ酸配列中には、 抗原に直接結合する部位とCDR自体の構造を維 持する部位とが存在し、CDRの取り得る三次元 構造は、複数の典型的なパターン(カノニカ 構造)に分類されること、(b)カノニカル構造 クラスは、CDRのみならずフレームワーク部 の特定の位置のアミノ酸の種類によって決 されること、を見いだした(Chothia C. et al. J. Mol. Biol. (1987)196, 901-17)。この知見に基 き、CDR移植法を用いる場合、CDRの配列に加 一部のフレームワークのアミノ酸残基もヒ 抗体に移植する必要性が示唆された(特表平4 -502408号)。一般に、移植すべきCDRを有する非 ト哺乳動物由来の抗体は「ドナー」、CDRが 植される側のヒト抗体は「アクセプター」 定義され、CDR移植法を実施する際に考慮す き点は、可能な限りCDRの構造を保存し、免 グロブリン分子の活性を保持することにあ 。この目的を達成するためには、(a)アクセ ターは、いずれのサブグループに属するも を選択すべきか、及び、(b)ドナーのフレー ワークからいずれのアミノ酸残基を選択す きか、の2点に留意する必要がある。
クィーンらは、ドナーのフレームワークの
ミノ酸残基が、以下の基準の少なくともひ
つに該当する場合、CDR配列とともにアクセ
ターに移植するデザインの方法を提唱した(
特表平4-502408号):
(a)アクセプターのフレームワーク領域中のア
ミノ酸がその位置において稀であり、ドナー
の対応するアミノ酸がアクセプターの前記位
置において普通であること
(b)該アミノ酸がCDRのひとつのすぐ近くである
こと
(c)該アミノ酸が三次元免疫グロブリンモデル
においてCDRの約3Å以内に側鎖原子を有し、
して抗原とまたはヒト化抗体のCDRと相互作
することができると予想されること。
本発明に用いる抗Exon-17モノクローナル抗体
の重鎖または軽鎖をコードするDNAは、上記抗
Exon-17モノクローナル抗体を産生するハイブ
ドーマ細胞よりmRNAを調製し、該mRNAを逆転写
酵素でcDNAに変換してから、該抗体の重鎖ま
は軽鎖をコードするDNAをそれぞれ単離する
とにより得ることができる。
5.ヒト抗体の作製
本発明で使用される「ヒト抗体」あるいは
ヒト免疫グロブリン」とは、免疫グロブリ
を構成するH鎖の可変領域(VH)及びH鎖の定常
域(CH)並びにL鎖の可変領域(VL)及びL鎖の定常
領域(CL)を含む全ての領域がヒトイムノグロ
リンをコードする遺伝子に由来するイムノ
ロブリンである。換言すれば、H鎖がヒト免
グロブリン重鎖遺伝子に由来し、軽鎖がヒ
免疫グロブリン軽鎖遺伝子に由来するもの
ある抗体を意味する。ヒト抗体は、常法に
って、例えば、少なくともヒトイムノグロ
リン遺伝子をマウス等のヒト以外の哺乳動
の遺伝子座中に組込むことにより作製され
トランスジェニック動物を、抗原で免疫感
することにより、前述したモノクローナル
体の作製法と同様にして製造することがで
る。例えば、ヒト抗体を産生するトランス
ェニックマウスは、既報(Mendez MJ et al.Natur
e Genetics(1997)15, 146-56, Green LL et al. Nature G
enetics(1994)7, 13-21, 表平4-504365号公報;国際出
公開WO94/25585号公報;日経サイエンス、6月号
第40~第50頁、1995年;Nils Lonberg et al. Nature(199
4) 368, 856-9, 及び特表平6-500233号公報)に記載
の方法に従って作製することができる。
本発明で使用される抗体は、抗体の分子全
に限らず、抗細胞接着活性を有するペリオ
チンの該活性を阻害(抑制)するものであれ
、抗体の断片または誘導体であってもよい
6.抗体断片
抗体断片としては、例えば、Fab、F(ab’) 2
、Fv、一本鎖抗体(scFv)、ジスルフィド安定化
体(dsFv)、CDRを含有するペプチド等を挙げる
とができる。
本発明で使用される抗体断片のうちFab、F(ab ’) 2 等は、PN-1のExon-17によりコードされるペプチ に対する抗体をパパイン、ペプシン等の蛋 質分解酵素で処理して得ることができ、ま 、得られた抗体断片をコードする遺伝子を 築し、これを発現ベクターに導入した後、 当な宿主細胞で発現させて作製することが きる。
本発明で使用される抗体断片のうちscFvは 、PN-1のExon-17によりコードされるペプチドに する抗体のH鎖V領域とL鎖V領域を、適当なペ プチドリンカー等を用いて連結し、作製する ことができる。また、上記抗体のH鎖またはH V領域をコードする遺伝子、およびL鎖また L鎖V領域をコードする遺伝子の全配列又は所 望のアミノ酸配列をコードするDNA部分を構築 し、これを発現ベクターに導入した後、適当 な宿主細胞で発現させて作製することができ る。
本発明で使用される抗体断片のうちdsFvは 、PN-1のExon-17によりコードされるペプチドに する抗体のH鎖V領域とL鎖V領域のそれぞれ1 ミノ酸残基をシステイン残基に置換したポ ペプチドを該システイン残基間でジスルフ ド結合を介して結合させた抗体断片であり システイン残基に置換するアミノ酸残基は 抗体の立体構造予測により選択することが きる。該抗体断片をコードする遺伝子の全 列又は所望のアミノ酸配列をコードするDNA 分を構築し、これを発現ベクターに導入し 後、適当な宿主細胞で発現させて作製する とができる。
本発明で使用される抗体断片のうちCDRを含
するペプチドは、ペリオスチンの抗細胞接
活性を阻害する抗体のH鎖またはL鎖のCDR領
のうち、少なくとも1つのCDR領域以上を含ん
構成される。また複数のCDR領域を適当なペ
チドリンカーを介する等の方法により結合
せてもよい。該CDRを含有するペプチドは、
れをコードする遺伝子の全配列又は所望の
ミノ酸配列をコードするDNA部分を構築し、
れを発現ベクターに導入した後、適当な宿
細胞で発現させて作製することができる。
た、Fmoc法またはtBoc法等の化学合成によっ
も作製できる。
7.診断薬
本発明はまた、上記の抗体をマーカー標識
ることにより作製した癌の診断薬を提供す
。ここでマーカーとしては、酵素、放射性
位元素、蛍光色素等を用いることができる
ここで用いる酵素としては、ターンオーバ
数(turn over number)が大きく、かつ酵素と結
しても安定であること、基質と特異的に反
して発色させることができる等の条件を満
す物であれば特に制限されるものではなく
通常の酵素免疫アッセイ(EIA)に用いられる酵
素を使用することができる。好ましい酵素の
例としては、ペルオキシダーゼ、β-ガラクト
シダーゼ、アルカリフォスファターゼ、グル
コースオキシダーゼ、アセチルコリンエステ
ラーゼ、グルコース-6-リン酸脱水素酵素、リ
ンゴ酸脱水素酵素等を用いることができる。
また、酵素阻害物質や補酵素等を用いること
もできる。
これら酵素と抗体との結合は、マレイミド
合物等の架橋剤を用いる公知の方法により
うことができる。基質としては、使用する
素に応じて公知の物質を使用することがで
る。例えば酵素としてペルオキシダーゼを
用する場合には、3,3',5,5'-テトラメチルベン
ジジンを、また酵素としてアルカリフォスフ
ァターゼを用いる場合には、パラニトロフェ
ノール等を用いることができる。マーカーと
して用いる放射性同位元素としては、125Iや3H
等の通常のラジオイムノアッセイ(RIA)で用い
れているものを使用することができる。蛍
色素としては、フルオレッセンスイソチオ
アネート(FITC)やテトラメチルローダミンイ
チオシアネート(TRITC)等の通常の蛍光抗体法
に用いられるものを使用することができる。
また、本診断薬は、癌組織間質を特異的に染
色することが可能な、免疫組織学的染色とし
て使用することができる。また、放射性同位
体を標識した場合には、体内に投与すること
によって、癌病態時の病変部を画像化するた
めに使用することもできる。
8.診断方法
本発明はまた、本発明に使用される抗体を
いることによる生体試料、例えばヒト又は
物の血液から調製した血清中におけるExon-17
でコードされるペプチド領域をもつペリオス
チン量を測定することによる癌の診断方法で
ある。本方法において、いわゆるサンドイッ
チELISA法(Enzyme-linked immunosorbent assay:酵素免疫
測定法)によってExon-17でコードされるペプチ
領域をもつペリオスチンを検出することが
きる。診断キットを用いる場合には、まず
一次抗体を固相化したプレートに試料を接
させて両者を結合させ、この結合体にマー
ー標識した二次抗体を結合させ、この三者
結合体におけるマーカーのシグナル強度を
定することにより、Exon-17でコードされるペ
プチド領域をもつペリオスチンを検出または
定量することができる。特にExon-17でコード
れるペプチド領域を持つペリオスチンは、
等の病態時に高発現し、原発巣の増殖およ
癌の転移に関するスプライシングバリアン
であるので、その産生をモニターすること
より癌等における病態の診断をすることが
きる。
このように、本発明に使用される抗体を 識化して、二次抗体として使用する事が可 である。
本発明はまた、Exon-17領域に特異的なプラ イマー(sense鎖:5’-TAAAATTATAACCAAAGTTGTGGAACC-3’(配 列番号35)、およびantisense鎖:5’-AGTGTGGGTCCTTCAGTT TTGAT-3’(配列番号36))を用いて、生体試料、例 えばヒト又は動物の組織から調製したRNA中に おけるExon-17領域をもつペリオスチン量を測 することによる癌の診断方法である。本方 において、いわゆるRT-PCRやSYBR(登録商標)Green Iを用いたPCRによってExon-17領域をもつペリ スチンの有無を検出および定量することが きる。特にExon-17領域を持つペリオスチンは 癌の病態時に高発現し、原発巣の増殖およ 癌の転移に関するスプライシングバリアン であるので、その産生をモニターすること より癌における病態の診断をすることがで る。
以下、実施例を用いて本発明について詳細
つ具体的に説明する。
< 実施例
>
[製造例1]サブトラクション法によ
るペリオスチンの検索
1-1 心不全病態モデルラットの作製及び左
室サンプルの採取
雄性ダール食塩感受性ラット(Dahl-S)(清水実
材料)を6週齢より8%高食塩含有食で飼育し、
心肥大期(11週齢)および心不全期(14週齢)に各3
匹の左心室を採取した。
1-2 mRNAの調整
総RNAは上記左心室約500mgからISOGEN(ニッポン
ーン社)を用いて説明書に記載の方法にした
がって調整した。次に心肥大期、心不全期そ
れぞれ3匹分を合わせた総RNA約400μgよりFast Tr
ack 2.0 Kit(インビトロジェン社)を用いて説明
書に記載の方法にしたがってmRNAを精製し、
れぞれ約3μgのmRNAを回収した。
1-3 cDNAサブトラクション
cDNAサブトラクションは、PCR-Select cDNA サブ
トラクションキット(クローンテック社)によ
、説明書に記載の方法にしたがって行った
すなわち、上記1-2で得られたmRNAそれぞれ2μ
gよりcDNAを合成し、制限酵素Rsalで消化した。
次に、14週齢から合成されたcDNAをテスターcDN
A、11週齢から合成されたcDNAをドライバーcDNA
し、テスターcDNAにkit添付の2種類のアダプ
ーを別々に連結させた後、サブトラクトハ
ブリダイゼーションを行った。次に、アダ
ターに相補的なプライマーを用いてPCRを行
、発現量に違いのあるcDNA断片を特異的に増
させ、増幅産物1を得た。
また、同様のサブトラクションを11週齢 ら合成されたcDNAをテスターcDNA、14週齢から 成されたcDNAをドライバーcDNAとして行い、 られた増幅産物を増幅産物2とした。
1-4 ドットブロットスクリーニング
A.ドットブロットの作製
増幅産物1をPCR IIベクター(インビトロジェ
社)にTAクローニングし、挿入断片の入った
ローンを選択した。各クローンの挿入断片
増幅したPCR反応後、それぞれ1μLを熱処理後
、2枚のナイロンメンブレンフィルター(ベー
ンガー社)にドットブロットし、UVクロスリ
カー(ストラタジーン社)により固定した。
B.cDNAプローブの作製
増幅産物1を制限酵素Rsal及びEael、Smalで消化
し、アダプターを除去し、DIGハイプライムDNA
ラベリング/検出キットII(ベーリンガー社)を
いて説明書に記載の方法に従ってDIG-dUTPで
ンダムプライム標識を行い、cDNAプローブ1を
作製した。増幅産物2より同様にして、cDNAプ
ーブ2を作製した。
C.スクリーニング
上記Aで作製したドットブロットメンブラン
の1枚をcDNAプローブ1、他の1枚をcDNAプローブ2
とハイブリダイゼーションを行った。具体的
には、ベーリンガー社のDIGハイプライムDNAラ
ベリング/検出キットIIを用いて、説明書に記
載の方法にしたがい、DIGイージーハイブ液中
42℃で一晩ハイブリダイセーションを行った
2×SSC、0.1%SDSで室温にて5分間2回、0.1×SSC、0.
1%SDSで68℃にて15分間2回洗浄した後、キット
添付のブロッキングバッファー中でアルカ
ホスファターゼ標識抗DIG抗体と反応後、CSPD
ready-to useを加えて化学発光を進行させ、X線
フィルムを露光させた。cDNAプローブ1でのシ
ナルがcDNAプローブ2でのシグナルより強い
ローンをポジティブクローンとして選択し
塩基配列の決定を行った。
1-5 塩基配列の決定
塩基配列は、THERMO Sequenase TM
II dye terminator cycle sequencing kit(アマシャ
ファルマシア社)を用いて自動DNA配列読み取
装置モデル373A(PE Applied Biosystems社)で解析
ることにより決定した。得られた遺伝子配
をGenBanKのデータバンクに照会した結果、ク
ーンの1つ(SF014)がマウスペリオスチン(GenBank
アクセッションNo.D13664)と86%ホモロジーのあ
る遺伝子であることが判明した。
[製造例2]ラットペリオスチン cDNA
のクローニング
ラットペリオスチンcDNAの単離はλgtIIベクタ
ーに挿入されたrat aorta cDNAライブラリー(ク
ーンテック社)より作製した約4000クローン
ファージサブプール10個(計約4万クローン)を
SF014の塩基配列を基に設計したプライマー(1)5
’-GTTCATTGAAGGTGGCGATGGTC-3’(配列番号15)、(2)5’-G
AGATAAAATCCCTGCATGGTCCT-3’(配列番号16)を用いてPCR
クリーニングを行い、3個のポジティブなサ
ブプールを得た。そのうち1個のサブプール
上記PCRによって増幅された断片をAlkPhos Direc
t TM
(アマシャムファルマシア社)を用いてアルカ
フォスファターゼ標識したプローブを用い
ハイブリダイゼーションによるスクリーニ
グを行い、1個のポジティブクローンラット
ペリオスチン#1を得た。その挿入断片をpBluesc
ript II(ストラタジーン社)のEcoRI部位に組み込
み、製造例1-5の方法に従って全塩基配列を決
定した。
得られたクローンの長さは約3kbであり、 ウスペリオスチン(GenBankアクセッションNo.D1 3664)の292番から3’-末端までに相当するもの あり、5’-末端が欠けたクローンであること が示唆された。
そこで、SMART TM RACE cDNA Amplification Kit(クローンテック社) 用いて説明書に記載の方法にしたがって、ra t aorta cDNAを鋳型として、上記プライマー(2)5 ’-GAGATAAAATCCCTGCATGGTCCT-3’(配列番号16)とラッ ペリオスチン#1の塩基配列を基に設計したプ ライマー(3)5’-CACGGTCGATGACATGGACAACACC-3’(配列番 号17)を用いて5’-RACE反応を行った。得られた PCR産物をインビトロジェン社のPCR IIベクタ にTAクローニングし、ラットペリオスチン5 RACE #1と命名した。塩基配列を製造例1-5の方 法にしたがって決定した。
その結果、ラットペリオスチン5’RACE #1 最初に得られたラットペリオスチン#1より5 方向に約300bp長いクローンであり、5’-末端 はマウスペリオスチン(GenBankアクセッションN o.D13664)の5’-末端より15bp長いクローンであっ た。さらにラットペリオスチン5’RACE #1の塩 基配列を基に設計したプライマー(4)5’-ACGGAGC TCAGGGCTGAAGATG-3’(配列番号18)と上記プライマー (3)5’-CACGGTCGATGACATGGACAACACC-3’(配列番号17)を用 いて上記rat aorta cDNAライブラリーより作製 た約4万クローンのファージサブプール10個( 約40万クローン)をPCRスクリーニングするこ により2個のポジティブなサブプールを得た 。そのうち1個のサブプールを上記PCRによっ 増幅される断片をプローブとしてハイブリ イゼーションによるスクリーニングを行い1 のポジティブクローンを得、ラットペリオ チン#2と命名した。挿入断片をpBluescriptII(ス トラタジーン社)のEcoRI部位に組み込み、塩基 配列を製造例1-5の方法にしたがって決定した 。
得られたクローンの長さは約2.6kbであり 5’-末端は5’-RACEで得られたクローンと同一 であったが、3’-末端はマウスペリオスチン( GenBankアクセッションNo.D13664)の2410番までに相 当するクローンであった。また、先に得られ たラットペリオスチン5’RACE#1の塩基配列と ットペリオスチン#2の相当する領域の塩基配 列は全く同一であった。ラットペリオスチン #1とラットペリオスチン#2よりラットペリオ チンcDNAの完全長を完成させた。この完全長c DNAの塩基配列とこの塩基配列より翻訳される アミノ酸配列を配列番号6及び1に示す。
[製造例3]Myc-His-ラットペリオスチ
融合タンパク質発現ベクターの構築
製造例2で得られたラットペリオスチン遺伝
子のコード領域から翻訳されるタンパク質の
カルボキシル末端にMycエピトープと6個のヒ
チジンタグを有し、CMVプロモーターを有す
発現ベクターを作製した。
まず、pTracer-CMV2ベクター(インビトロジェ ン社)を制限酵素EcoRIとEcoRVで消化したベクタ 断片に、製造例2で得られたラットペリオス チン5’RACE #1を制限酵素EcoRIとHindIIIで消化し て得られた約500bpの断片と製造例2で得られた ラットペリオスチン#1を制限酵素HindIIIとHpal 消化して得られた約2780bpの断片をライゲー ョンキット(宝酒造(株))を用いて連結し、得 れたプラスミドをpTracer-CMV2/ラットペリオス チンと命名した。このようにして作製したpTr acer-CMV2/ラットペリオスチンを制限酵素EcoRIと Smalで消化し、ラットペリオスチン遺伝子の ード領域を含む約2330bpの断片を得、製造例2 得られたラットペリオスチン#1を鋳型とし その配列を基に設計したプライマー(5)5’-GAC CCGGGAAGAACGCATCATC-3’(配列番号19)とラットペリ スチンの終止コドンの直前にBstEIIサイトが 入されるように設計したプライマー(6)5’-TGG GTGACCCTGAGAACGGCCTTCTCTTGATC-3’(配列番号20)を用い PCRを行い、精製後、制限酵素SmalとBstEIIで消 化して約270bpの断片を得た。上記の2つの断片 を、発現ベクター構築用のプラスミドpcDNA4/My c-His/type C(インビトロジェン社)を制限酵素Eco RIとBstEIIで消化したベクター断片に、ライゲ ションキット(宝酒造(株))を用いて連結し、 得られたプラスミドをpcDNA4/Myc-His/ラットペリ オスチンと命名した。挿入部分の全塩基配列 は製造例に記載の方法により確認した。
[製造例4]バキュロウイルス用発現
ベクターの構築
製造例3で得られたプラスミドpcDNA4/Myc-His/ラ
ットペリオスチンを、制限酵素SacI及びPmelで
化し、ペプチド断片rat PN-1/Myc-Hisを切り出
た。これを、pFastBacHTc(インビトロジェン社)
制限酵素SacIとKpnI(blunting)で消化して得られ
ベクター断片に、ライゲーションキット(宝
酒造(株))を用いて連結し、得られた発現ベク
ターをpFastBac/ラットペリオスチン-1/Myc-Hisと
名した。挿入部分の塩基配列は製造例1-5に
載の方法により確認した。
[製造例5]組換えバキュロウイルス
の調製および培養
Escherichia coliのDH10BAC細胞を、製造例5で得ら
れたpFastBac/ラットペリオスチン-1/Myc-Hisで形
転換し、組換えバキュロウイルスを調製し
。得られたバキュロウイルスは、電気泳動
よびPCRにより、目的のものが挿入されてい
ことを確認した。
この組換えバキュロウイルスをMOI=0.1にて感 染させた昆虫Sf9細胞(2×10 6 cells/mL)を、無血清培地(Sf-900IISFM(インビトロ ジェン社製)2000mL中にゲンタマイシンを50μg/mL の濃度になるように添加)中、28℃で4~5日培養 した後、培養上清を回収した。
[製造例6]ラットペリオスチンタン
パク質の精製
製造例5で得られた培養上清2000mLを平衡化バ
ッファー(50mM酢酸ナトリウムバッファー pH6.0
0.1M塩化ナトリウム)で平衡化したSPsepharose F
ast Flow 10mL bedに供し、得られたFlow Through(
過分画)をSPセファロース通過分画とした。
平衡化バッファーで280nmの吸光度が0付近 なるまで(約100mL)洗浄し、SPセファロース洗 分画とした。
溶出バッファー(50mMリン酸2水素ナトリウ (pH8.0)、0.5M塩化ナトリウム、5mMイミダゾー )100mLで溶出し、SPセファロース溶出分画とし た。
次に、100mLのSPセファロース溶出分画を、 50mMリン酸ナトリウムバッファー pH8.0、0.5M塩 化ナトリウムおよび5mMイミダゾールで平衡化 したNi-NTAagarose 5mL bedに供し、得られた通過 画をNi-NTAアガロース通過分画とした。
洗浄バッファー(50mL リン酸2水素ナトリ ム pH8.0、0.5M塩化ナトリウム、5mMイミダゾー ル)約50mLで洗浄し、Ni-NTAアガロース洗浄分画 した。
溶出バッファーは以下の通り((1)50mMリン 2水素ナトリウム、0.5M塩化ナトリウム、20mM ミダゾール、以降イミダゾール量が(2)30mM、( 3)40mM、(4)50mM、(5)60mM)とし、それぞれ約25mLで 出し、Ni-NTAアガロース溶出分画(1)~(6)とした
ウエスタンブロット法により目的蛋白が まれることが確認された分画を、1mL以下に 縮した。
次に、脱気したPBS(-)(137 mM NaCl、8.1 mM Na2HP
O4、 2.68 mM KCl、1.47 mM KH2PO4)で平衡化した
ルろ過カラム(Sephacryl S-200HR φ11mm×95cm;容量:
90bed)に上記濃縮試料を供し、PBS(-)で溶出し、
凍結乾燥することにより、ラットペリオスチ
ン精製タンパク質を得た。
<実施例1>ラットExon-17ペプチ
鎖の合成およびポリクローナル抗体の作製
ノーマルのSDラットの心臓にPN-1遺伝子を高
現させると心拡大が惹起され、またダール
不全モデルラットの心臓にラットペリオス
ンのアンチセンスオリゴヌクレオチドを投
すると生存率が改善されたことに加え、報
されてきたPN-2とは異なり、ラットPN-1タン
ク質には細胞接着作用が無いことが明らか
なったことを受け、ラットPN-1タンパク質に
異的な構造は夫々の配列比較からExon-17配列
であると同定した(図1参照)。このExon-17によ
コードされるアミノ酸配列のN末端にCys残基
付加したペプチドを、純度80%以上にて10mg、
化学合成した。キャリアタンパク質としてKLH
6mgを結合させたものをウサギ(Kbl:JW)に免疫さ
た。免疫方法は初回免疫にはFCA(フロイント
完全アジュバント)を使用し、2次免疫以降はF
IA (フロイント不完全アジュバント)を使用し
た。また、投与部位は背部皮下20ヶ所、投与
は0、2、4、6週、投与量は初回免疫では800
gペプチド/匹、2次免疫以降では400μgペプチ
/匹にて免疫した。抗体力価はELISA法にて測
し 投与週7週目に全血清を集めた。その後
合成ペプチドを用いたアフィニティーカラ
を作製し、Exon-17ペプチドに特異的に反応す
抗体のみを回収した。以降、上記の、ラッ
ペリオスチンのExon-17によりコードされるペ
プチドに対するポリクローナル抗体を、抗ラ
ットExon-17ポリクローナル抗体と称する。
<実施例2>in vitroにおけるラッ
トPN-1タンパク質の非細胞接着活性の有無の
討
細胞培養用96穴マルチウェルプレートに10mg/
mlフィブロネクチン、100μg/ml BSA、 10mg/mlPN-1
ンパク質をそれぞれ添加し4℃にて一晩コー
ティングした。タンパク質液を除去したウェ
ルに、DMEM(10% BSA,PC/SM)に懸濁したマウスメラ
ーマB16-F10細胞(ATCC番号:CRL-6475)若しくはマウ
ス4T1乳癌細胞(ATCC番号:CRL-2539)10 4
個/ウェルを加え、37℃インキュベーターにて
3時間培養した。細胞の接着量測定は、培養
清を除去した後、2.5%グルタルアルデヒドに
30分間固定し、0.02%クリスタルバイオレッド
にて染色した後プレートリーダー(BIO-RAD、 Mo
del 680 マイクロプレートリーダー)にてOD 550
nmの吸光度を測定した。バックグラウンド
して、無処理のウェルを染色したものを用
、その吸光度値にて補正した値を比較した
データの解析はFisherのPLSD検定により行った(
図2A、B)。その結果、陽性コントロールであ
フィブロネクチンでは細胞が接着し、陰性
ントロールであるBSAでは細胞が接着しなか
た。ラットPN-1タンパク質を添加した群では
胞の接着が認められなかったことから、ラ
トPN-1タンパク質には細胞を接着させない作
用、すなわち非細胞接着作用を有しているこ
とが明らかとなった。
<実施例3>in vitroにおけるラッ
トPN-1タンパク質の抗細胞接着活性の有無の
討
細胞培養用96穴マルチウェルプレートに、DM
EM(10% BSA,PC/SM)に懸濁したマウスメラノーマB16
-F10細胞若しくはマウス4T1乳癌細胞10 4
個/ウェルを添加し、37℃インキュベーターに
て一晩培養した。培養上清を除去した後、10
g/mlフィブロネクチン(SIGMA)、100μg/ml BSA (SIGM
A)、PN-1タンパク質を添加し37℃インキュベー
ーにて1~3時間培養した。細胞の接着量測定
は、培養上清を除去した後、2.5% グルタル
ルデヒドにて30分間固定し、0.02%クリスタル
バイオレッドで染色した後、プレートリーダ
ー(BIO-RAD、 Model 680 マイクロプレートリー
ー)によりOD 550nmの吸光度を測定した。バッ
グラウンドとして、無処理のウェルを染色
たものを用い、その吸光度値にて補正した
を比較した。データの解析はFisherのPLSD検定
により行った(図3A、B)。細胞は、実体顕微鏡L
EICA MZ16付属のNikon COOLPIX4500にて撮影した。
の結果、コントロールであるフィブロネク
ンおよびBSAを投与した群ならびに無添加群
は接着していた細胞の剥離は起こらず、抗
胞接着作用が見られなかったが、ラットPN-1
ンパク質を添加した群では細胞の剥離が認
られたことから、ラットPN-1タンパク質は接
着細胞の剥離作用、すなわち抗細胞接着作用
を有していることが明らかとなった。
<実施例4>in vitroにおける抗ラ
ットExon-17ポリクローナル抗体の中和活性の
討
実施例3と同様に、細胞培養用96穴マルチウ
ルプレートに、DMEM(10% BSA,PC/SM)に懸濁した
ウスメラノーマB16-F10細胞若しくはマウス4T1
癌細胞10 4
個/ウェルを添加し、37℃インキュベーターに
て一晩培養した。培養上清を除去後、培養液
を10μg/mlのシクロヘキシミドを加えた10%FBS添
DMEM培地に変更し、37℃、1時間培養した。そ
の後、予め37℃に温めたDMEM培地(無血清)で細
を2度洗い、終濃度10μg/mlのラットペリオス
ンタンパク質と抗ラットExon-17ポリクローナ
ル抗体を終濃度100 μg/mlになるようにDMEM培地
(無血清)に添加した。陽性コントロールとし
ラットペリオスチンタンパク質のみを、陰
コントロールとしてBSAを用いた。37℃で1時
培養後の顕微鏡観察においてラットペリオ
チンタンパク質のみを添加した群はほぼ完
に細胞が剥がれたため、PBS(-)にて2度洗った
後、10%中性緩衝ホルマリン液にて30分間細胞
固定した。その後、PBS(-)にて3度洗った後、
クリスタルバイオレットを用いて30分間細胞
染色した。その後、550nmのプレートリーダ
(BIO-RAD、 Model 680 マイクロプレートリーダ
)を用いて細胞の染色度を測定した(図4A、B)
その結果、抗ラットExon-17ポリクローナル抗
体は、PN-1タンパク質による接着細胞の剥離
抑制する、つまりPN-1タンパク質の抗細胞接
作用を抑制する、すなわちラットPN-1タンパ
ク質の抗細胞接着作用を中和する活性を有し
た抗体であることが判明した。
<実施例5>in vitroにおける抗ラ
ットExon-17ポリクローナル抗体の細胞増殖に
える影響の検討
実施例3と同様に、細胞培養用96穴マルチウ
ルプレートに、DMEM(無血清,PC/SM)に懸濁した
ウスメラノーマB16-F10細胞10 4
個/ウェルを添加し、37℃インキュベーターに
て一晩培養した。培養上清を除去した後、抗
ラットExon-17ポリクローナル抗体およびウサ
IgG抗体が各々100mg/ml、10μg/ml、1μg/mlの終濃度
になるように添加したDMEM(無血清,PC/SM)培地を
加えて、再度一晩培養した。翌日、全てのウ
ェルの培地をDMEM(10% BSA,PC/SM)に交換し、Cell T
iter 96 AQueous One Solution Cell Proliferation Assay
kit(プロメガ)を用いて、Cell Titer液を100μlの
培地に対し20μlずつ加え、37℃で1時間培養し
。その後、490nmのプレートリーダー(BIO-RAD、
Model 680 マイクロプレートリーダー)を用い
て細胞の染色度を測定した(図5A)。同様に、
ウス4T1乳癌細胞においては抗ラットExon-17ポ
クローナル抗体およびウサギIgG抗体が各々2
00μg/ml、100μg/ml、50μg/mlの終濃度になるよう
添加し測定した(図5B)。その結果、抗ラットE
xon-17ポリクローナル抗体は、高濃度にて細胞
増殖を抑制する活性を有した抗体であること
が判明した。
<実施例6>ヒトペリオスチンの
Exon-17ペプチド鎖に対するモノクローナル抗
の作製
(1) 抗原の作製
ヒトペリオスチンExon-17によりコードされる
アミノ酸配列(配列番号4)のN末端にCys残基を
加したペプチド(抗原ペプチド;配列番号25)を
、Fmoc法にて化学合成し、純度90%以上の抗原
プチド10mgを得た。この抗原ペプチド5mgにキ
リアタンパク質としてKLH(CALBIOCHEM社製)5mgを
合させ、抗原溶液を得た。すなわち、KLHをP
BS(0.01M)に溶解して3.3mg/mLに調整し、0.2524mg/mL
MBS溶液(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)
滴下して室温で60分間攪拌し反応させた。
クロロメタンを用いてフリーのMBSを除き、KL
H-MBを得た。このKLH-MB5mgと、0.01Mリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH7.2)に溶解した抗原ペプチド5mg
を混合し、4℃で12時間攪拌して反応させ、
原溶液を得た。
(2) 免疫
6週齢のBALB/c雌性マウス3匹の両足に、(1)で
られたKLH結合抗原ペプチド 100μg を含む抗
溶液 50μlと、FCA(フロイント完全アジュバ
ト) 50μlとの混合乳濁液全量を皮下注射した
。その後2週間間隔で2回、用時調製した上記
原溶液とFIA (フロイント不完全アジュバン
) との混合乳濁液を両足に投与した。その
、そのマウスを頸椎脱臼により致死させ、
菌的に足部リンパ節を採取した。RPMI培地(
ージンバイオ株式会社製)を供給しながら上
リンパ節を破砕し、孔径約10μmのメッシュ
通過させて RPMI培地に懸濁状態のリンパ節
胞を得た。これを1000rpm、10分間の遠心分離
かけて、リンパ節細胞を沈殿画分として得
。この沈殿画分に、0.84 %の塩化アンモニウ
溶液に20mMのHEPES緩衝液(pH 7.4) を加えた溶
1mlを入れて溶血させ、赤血球を除いた後、1,
000rpm、5分間の遠心分離にかけた。得られた
殿画分(細胞画分)をRPMI培地で数回洗浄し、
胞融合に用いた。
(3) ミエローマ細胞の調製
8-アザグアニン耐性でかつイムノグロブリ
非分泌型のマウスミエローマ細胞株P3X63Ag8U.1
(P3U1 株)を、20%のウシ胎児血清(FCS) を含む R
PMI培地で、10%CO 2
・37℃インキュベーター内で培養し、対数増
期にある細胞を集め、1,000rpm、5分間の遠心
離にかけて沈殿画分として細胞のみを取得
、RPMI培地に懸濁させた。
(4) 細胞の融合
(2)で得た免疫化リンパ節細胞10 8
~3×10 8
個を含む RPMI培地と、(3)で得たミエローマ細
胞10 8
個を含むRPMI培地とを混合した後、1,000rpm、10
間の遠心分離にかけた。上清を静かに除い
沈殿画分として細胞を取得し、これに25%(w/v
)のポリエチレングリコール1500(PEG 1500 、ベ
リンガー社製)1mlを加えた後、更にRPMI培地
ゆっくりと加えて総量を10mlとした。これに2
0% FCSを含む RPMI培地10mlを加えて、少し静置
せた後、1,000rpm、5分間の遠心分離にかけ、
られた沈殿画分(細胞画分)に20%FCSを含む RPM
Iを加えて細胞濃度が10 6
個/mlになるように調整した細胞懸濁液を、コ
ーニング社製の96穴培養プレートに200μL/ウェ
ルずつ分注した。5%CO 2
・37℃インキュベーター中で24時間培養後、HA
T 溶液(インビトロジェン社製)を添加した後
更に2週間培養した。
(5)ELISA法によるスクリーニング
培養上清が抗原ペプチドと反応する陽性ウ
ルのスクリーニングを行った。
アッセイ用の抗原溶液には、(1)で得られ 抗原ペプチド2mgに、キャリアタンパク質と て卵白アルブミン(OVA)を結合させたコンジ ゲートを用いた。
96穴マイクロタイタープレート(ファルコン3
53912)の各ウェルを、上記コンジュゲート1μg
/mlで4℃下一夜静置してコーティングした。
のプレートを洗浄後、(4)の培養上清(モノク
ーナル抗体を含む)50μlを各ウェルに滴下し
37℃のインキュベーター内で2時間放置した
、PBS(-)(リン酸緩衝液) で洗浄した。これに
アルカリフォスターゼ結合ヒツジ抗マウスIgG
抗体(Zymed社製)を加え、37℃インキュベーター
で1時間放置し、PBS(-)で洗浄後、発色基質剤(A
LP)を加えて20分間発色させ、プレートリーダ
(BIO-RAD、Model680マイクロプレートリーダー)
各ウェルのOD490nmの吸光度(抗体価)を測定し
抗原ペプチドとの反応性を確認し、培養上
が抗原ペプチドと反応する陽性ウェルを決
した。
(6) 抗体産生細胞のクローニング
(5)のELISA法で抗原ペプチドとの反応性が確
された陽性ウェル内の細胞から、限界希釈
により、抗体産生細胞株のクローニングを
った。すなわち、陽性ウェル内の細胞を96穴
培養プレートの各ウェルに撒き込み、5%CO 2
・37℃インキュベーター内で2週間培養した。
各ウェルの培養上清について、(5)の方法と同
様に、ELISA法にて、抗原ペプチドとの反応性
確認し、陽性ウェルについて、再度、限界
釈法によるクローニングを行い、抗原ペプ
ドとの反応性が高く、細胞コロニーの発育
良好な30個の細胞を得た。これら細胞を24穴
培養プレートに移し、5%CO 2
・37℃インキュベーター内で2週間培養した。
培養上清について、再び、(5)の方法と同様に
、ELISA法にて、抗原ペプチドとの反応性(抗体
価)を確認した。OD490nmの吸光度が高かった10
ェル内の細胞、すなわち10個のハイブリドー
マ細胞株を、抗体産生細胞として有用である
と判断し、選別した。
(7)ヒトペリオスチンタンパク質(PN-1)との結合
性の確認
(6)で得られた抗体産生細胞10個が産生する
体と、ヒトペリオスチンタンパク質(PN-1)と
結合性について、ドットブロット法にて確
した。すなわち、実施例8で得られた合成タ
パク質(30μg/ml)を5μlずつHybond-ECLニトロセル
ースメンブレン(GEヘルスケアバイオサイエ
ス株式会社製)にスポットし、TBS溶液(10mM Tr
is-HCl(pH8.0)、150mM NaCl)で1回洗浄した。ブロッ
ングバッファー(ブロックエース、雪印乳業
株式会社製)を加えて、室温で1時間振盪した
メンブレンに(6)で得られたモノクローナル
体(一次抗体)の1μg/ml濃度溶液を加えて3時間
振盪した後、TBS溶液で10分間振盪洗浄を4回行
った。メンブレンにHRP標識抗マウスIgG抗体(
ロメガ社製)(二次抗体)の0.4mg/ml濃度溶液を加
えて室温にて1時間振盪した後、メンブレン
TBS溶液で10分間振盪洗浄を4回行った。検出
試薬(ECL plus western blotting detection system、GE
ヘルスケアバイオサイエンス株式会社製)を
えて1分間反応させ、化学発光法により検出
た。その結果、(6)でクローニングした抗体
生細胞10個全てが、ヒトペリオスチンPN-1と
合することが確認された。
( 8)モノクローナル抗体の大量調製
精製
BALB/cマウスの腹腔内にプリスタン[2,6,10,14-
トラメチルペンタデカン(和光純薬製)]0.5mlを
投与し、2~3週間飼育した。予め、対数増殖期
に維持しておいたモノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマ No.1およびNo.3を回収し、培養
清を除いた沈殿画分の細胞にFCS不含のRPMI培
を加え、細胞数が1×10 7
個/mlになるように細胞液を調製した。この細
胞液を、プリスタン前投与したBALB/cマウスの
腹腔中に注入し、3週間後頃から漏出した腹
を腹部より注射器で回収した。採取した腹
を、孔径0.22μmφのフィルターを用いて濾過
た後、濾液をプロテインG-セファロースカラ
ム(Millipore、11511324)によるアフィニティーク
マトグラフィーによって常法に従い精製し
抗ヒトExon-17モノクローナル抗体2種を調製し
た。
<実施例7>抗ヒトExon-17モノク
ーナル抗体のヒトペリオスチンExon-17ペプチ
鎖における認識部位解析
得られたモノクローナル抗体2種(No.1およびN
o.3)についてヒトペリオスチンExon-17ペプチド
における認識部位の解析(エピトープの同定
)を行った。すなわち、セルロースメンブレ
上に、ヒトペリオスチンExon-17ペプチド鎖(配
列番号4;1位のスレオニンから27位のグルタミ
酸まで)のN末端から-9番目のフェニルアラニ
ンから、C末端から9番目のイソロイシンまで
計45個のアミノ酸からなるアミノ酸配列に
いて、下記のアミノ酸10個からなるペプチド
36種を膜結合型ペプチドアレイを作製した(シ
グマアルドリッチジャパン株式会社カスタム
Spots サービス)。
<実施例8>抗ラットExon-17ポリ
ローナル抗体のヒトペリオスチンExon-17ペプ
ド鎖における認識部位解析
実施例1で作製したポリクローナル抗体につ
いて、実施例7と同様に、ヒトペリオスチンEx
on-17ペプチド鎖における認識部位の解析(エピ
トープの同定)を行った。その結果、実施例7
モノクローナル抗体と同様に、該ポリクロ
ナル抗体は合成ペプチドNo.9とのみ反応し、
モノクローナル抗体と同様の部位を特異的に
認識していることが明らかとなった。従って
、ラットペリオスチンExon-17ペプチドを抗原
してポリクローナル抗体を作製しても、ヒ
ペリオスチンExon-17ペプチドを抗原としてモ
クローナル抗体を作製しても、同様な特異
をもつ抗体が得られることが示唆された。
<実施例9>ラットペリオスチン
タンパク質(PN-1)との結合性の確認
得られたモノクローナル抗体2種(No.1およびN
o.3)について、ラットペリオスチンタンパク
(PN-1)との結合性について、ドットブロット
にて確認した。すなわち、製造例6で得られ
精製タンパク質(30μg/ml)を5μlずつHybond-ECLニ
ロセルロースメンブレン(GEヘルスケアバイ
サイエンス株式会社製)にスポットし、TBS溶
液(10mM Tris-HCl(pH8.0)、150mM NaCl)で1回洗浄した
ブロッキングバッファー(ブロックエース、
雪印乳業株式会社製)を加えて、室温で1時間
盪した。メンブレンにモノクローナル抗体(
一次抗体)の1μg/ml濃度溶液を加えて3時間振盪
した後、TBS溶液で10分間振盪洗浄を4回行った
。メンブレンにHRP標識抗マウスIgG抗体(プロ
ガ社製)(二次抗体)の0.4μg/ml濃度溶液を加え
室温にて1時間振盪した後、メンブレンをTBS
液で10分間振盪洗浄を4回行った。検出用試
(ECL plus western blotting detection system、GEヘ
スケアバイオサイエンス株式会社製)を加え
1分間反応させ、化学発光法により検出した
。その結果、得られたモノクローナル抗体2
はラットペリオスチンPN-1とも結合すること
確認された。
<実施例10>抗ヒトExon-17モノク
ーナル抗体のエピトープ解析
実施例7の結果から、抗ヒトExon-17モノクロ
ナル抗体のエピトープ部分はヒトペリオス
ンExon-17ペプチド鎖(配列番号4)のN末端のスレ
オニンから9番目のバリンまでのアミノ酸配
(TTKIITKVV;配列番号22)を認識していることが明
らかとなり、また実施例9の結果において、
ヒトExon-17モノクローナル抗体がラットペリ
スチンタンパク質(PN-1)とも結合することが
認された。このことから、抗ヒトExon-17モノ
クローナル抗体のエピトープ部分はヒトペリ
オスチンExon-17ペプチド鎖(配列番号4)のN末端
スレオニンから9番目のバリンまでのアミノ
酸配列(TTKIITKVV;配列番号22)のうち、ヒトとラ
トの種間においてアミノ酸に相違がない部
、すなわち、ヒトペリオスチンExon-17ペプチ
ド鎖(配列番号4)またはラットペリオスチンExo
n-17ペプチド鎖(配列番号3)のN末端のスレオニ
から7番目のリジンまでのアミノ酸配列の全
部またはその一部分を認識していることが示
唆された。そこで、さらに詳細にエピトープ
部分を解析するために、アラニンスキャンの
手法にて解析を行った。
ヒトペリオスチンExon-17ペプチド鎖(配列 号4)のN末端から-1番目のチロシンから9番目 バリンまでのアミノ酸配列(YTTKIITKVV;配列番 26)のうち、一部のアミノ酸をアラニンに変 した下記10種のペプチドを純度80%以上で合成 した。
その結果、該モノクローナル抗体は、上記
成ペプチド#7(ヒトペリオスチンExon-17ペプチ
ド鎖(配列番号4)のN末端から-1番目のチロシン
から9番目のバリンまでのアミノ酸配列(YTTKIIT
KVV;配列番号26)からなるペプチドにおいて、N
端から1番目および8~10番目のアミノ酸をア
ニンに置換したペプチド)と強く反応し、#1(
トペリオスチンExon-17ペプチド鎖の(配列番
4)のN末端から-1番目のチロシンから9番目の
リンまでのアミノ酸配列(YTTKIITKVV;配列番号26
)からなるペプチド)および#2(ヒトペリオスチ
Exon-17ペプチド鎖(配列番号4)のN末端から-1番
目のチロシンから9番目のバリンまでのアミ
酸配列(YTTKIITKVV;配列番号26)からなるペプチ
において、N末端から1番目および9~10番目の
ミノ酸をアラニンに置換したペプチド)とは
く反応し、#3(ヒトペリオスチンExon-17ペプチ
ド鎖(配列番号4)のN末端から-1番目のチロシン
から9番目のバリンまでのアミノ酸配列(YTTKIIT
KVV;配列番号26)からなるペプチドにおいて、N
端から1~2番目および9~10番目のアミノ酸をア
ラニンに置換したペプチド)および#8(ヒトペ
オスチンExon-17ペプチド鎖(配列番号4)のN末端
から-1番目のチロシンから9番目のバリンまで
のアミノ酸配列(YTTKIITKVV;配列番号26)からなる
ペプチドにおいて、N末端から1番目および7~10
番目のアミノ酸をアラニンに置換したペプチ
ド)とは更に弱く反応した。
<実施例11>抗ラットExon-17ポリ
ローナル抗体のヒトペリオスチンExon-17ペプ
チド鎖における認識部位解析
実施例1で作製したポリクローナル抗体につ
いて、実施例10と同様に、ヒトペリオスチンE
xon-17ペプチド鎖における認識部位の解析(エ
トープの同定)を行った。その結果、実施例1
0のモノクローナル抗体と同様に、該ポリク
ーナル抗体は合成ペプチドNo.#7と強く反応し
、#1および#2とは弱く反応し、#3および#8とは
に弱く反応し、モノクローナル抗体と同様
部位を特異的に認識していることが明らか
なった。従って、ラットペリオスチンExon-17
ペプチドを抗原としてポリクローナル抗体を
作製しても、ヒトペリオスチンExon-17ペプチ
を抗原としてモノクローナル抗体を作製し
も、同様な特異性をもつ抗体が得られるこ
が示唆された。
<実施例12>マウスメラノーマB1
6-F10細胞肺転移モデルマウスを用いた原発巣
のExon-17によりコードされるペプチド領域を
持つペリオスチンの発現
マウスメラノーマB16-F10細胞注射後2週目に
ウス原発巣を採取し、ホモジナイズした組
をRIPAバッファー (RIPA Lyses Buffer 10×; Upstat
e)、180mM Na3VO4、プロテアーゼ阻害剤カクテル
(ナカライテスク)、200mM NaF を添加し、氷
にて15分静置した。その後、15000rpm、4℃で20
間遠心し、その上清を採取した。抽出した
ンパク質はDCプロテインアッセイ試薬(BIO-RAD
) により濃度を測定した。その後、2×サンプ
ルバッファー (Laemmli Sample Buffer (BIO-RAD)、5%
2-メルカプトエタノール) に混合し、98℃、
5分加熱処理を加えた。調製したタンパク質
サンプルをマルチゲルIIミニ7.5 (第一化学)
を用いて 10mAで180分間泳動した後、Immobilon-P
Transfer Membranes (MILLIPORE) に30V、4℃で一晩転
写させた。その後、メンブレンは5% スキム
ルクin PBS-Tに1時間、または ブロッキング
ンP (ナカライテスク) に20分間浸し、室温
振盪させブロッキングした。その後一次抗
(抗ヒトExon-17モノクローナル抗体(No.3)、1:500
希釈、コントロールとして抗ニワトリα-tubl
inモノクローナルIgG抗体(Sigma)、1:5000に希釈)
添加し4℃にて一晩反応させた後、PBS-Tで5分
3回の洗浄を行った。その後、二次抗体(Anti
mouse IgG HRP (PROMEGA)、1:10000に希釈)を添加し1
間室温で反応させた。PBS-Tにて10分×1回、30
×2回洗浄した後、ECL-Plus (Amersiam Biosciences)
用いて化学発光法によりバンドの検出を行
った。その結果、正常下肢ではExon-17により
コードされるペプチド領域を持つペリオスチ
ンの発現は見られなかったのに対し、腫瘍組
織では発現が亢進していることが明らかとな
った(図6A)。
<実施例13>マウス4T1乳癌細胞
転移モデルマウスを用いた原発巣でのExon-17
よりコードされるペプチド領域を持つペリ
スチンの発現
マウス4T1乳癌細胞注射後2週目にマウス原発
巣を採取し、ホモジナイズした組織をRIPAバ
ファー (RIPA Lyses Buffer 10×; Upstate)、180mM N
a3VO4、プロテアーゼ阻害剤カクテル (ナカラ
テスク)、200mM NaF を添加し、氷上にて15分
置した。その後、15000rpm、4℃で20分間遠心
、その上清を採取した。抽出したタンパク
はDCプロテインアッセイ試薬(BIO-RAD) により
度を測定した。その後、2×サンプルバッフ
ー (Laemmli Sample Buffer (BIO-RAD)、5% 2-メルカ
プトエタノール) に混合し、98℃、5分加熱処
理を加えた。調製したタンパク質のサンプル
をマルチゲルIIミニ7.5 (第一化学) を用いて
10mAで180分間泳動した後、Immobilon-P Transfer Me
mbranes (MILLIPORE) に30V、4℃で一晩転写させた
その後、メンブレンは5% スキムミルク(PBS-T
中)に1時間、または ブロッキングワンP (ナ
ライテスク) に20分間浸し、室温で振盪さ
ブロッキングした。その後一次抗体(抗ヒトE
xon-17モノクローナル抗体(No.3)、1:500に希釈、
ントロールとして抗ニワトリα-tublinモノク
ーナルIgG抗体(Sigma)、1:5000に希釈)を添加し4
にて一晩反応させた後、PBS-Tで5分×3回の洗
を行った。その後、二次抗体(Anti mouse IgG
HRP (PROMEGA)、1:10000に希釈)を添加し1時間室温
反応させた。PBS-Tにて10分×1回、30分×2回洗
した後、ECL-Plus (Amersiam Biosciences)を用いて
学発光法によりバンドの検出を行なった。
の結果、正常下肢でのペリオスチンの発現
見られなかったのに対し、腫瘍組織では発
が亢進していることが明らかとなった(図6B)
。
<実施例14>マウスメラノーマB1
6-F10細胞肺転移モデルマウスを用いた抗ラッ
Exon-17ポリクローナル抗体および抗ヒトExon-1
7モノクローナル抗体の効果
マウスメラノーマB16-F10細胞を37℃インキュ
ーターにて培養し、PBSで洗浄した後、トリ
シン/EDTAにて細胞を浮遊させ回収した。そ
後1500rpm、3分間遠心を行い回収した細胞を5×
10 5
個/匹になるようにカウントし100μlのPBSに懸
した。調整した細胞は、29Gマイジェクター
射針付インスリン用シリンジ (TERMO) を用い
マウスC57BL/6Nオス8週齢の足底部に注入した。
先ず初めに実施例6で得られた2種のモノクロ
ナル抗体(No.1およびNo.3)の効果を検討するた
めに細胞の接種と同時にマウス頸静脈より29G
マイジェクター注射針付インスリン用シリン
ジにて抗体2μg/匹を投与した。コントロール
してNormal Rabbit IgG(R&D Systems)を用いた。
細胞および抗体の投与後1週間での下肢腫大
の径をノギスにて計測し、原発巣の増加率
評価した。その結果、コントロール群で74.5
6.3%(n=11)、抗体(No.1)群で17.8±4.4%(n=10)、抗体(No
.3)群で19.5±9.9% (n=10)であり、両抗体共に癌増
殖抑制活性を同程度に持つことが明らかとな
った(図7)。
次に、マウスメラノーマB16-F10細胞を接種後 、期間をおいてから抗体を投与し、より臨床 に近い形で効果が有るのかを検討した。抗ラ ットExon-17ポリクローナル抗体(0.75mg/ml)を用い た実験では細胞注射を行った1週間後に、ま 抗ヒトExon-17モノクローナル抗体(No.3)(2.14mg/ml )を用いた実験では、細胞注射を行なった3日 と7日後にマウス頸静脈より29Gマイジェクタ ー注射針付インスリン用シリンジにて抗体20 g/匹を投与した。コントロールとしてNormal R abbit IgG(R&D Systems)を用いた。細胞注射を なった後、1週間毎に下肢腫大部の径をノギ にて計測し、原発巣の増加率を評価した。 発巣の過増殖により腹膜下に癌が直接浸潤 てマウスが死亡することを防ぐ為、細胞注 後2週目で原発巣の下肢を切除した。細胞注 射後5週目に剖検を行い、原発巣から肺への 移の有無と肺への転移コロニー数のカウン を行なった。原発巣の増加率は、マウスメ ノーマB16-F10細胞注射前の足の径を100とした きの増加分を百分率で示し、Studentのt検定 よりデータ解析を行なった。また、原発巣 ら肺への転移率はχ 2 検定、肺への転移コロニー数はMann-Whitney検定 によりデータ解析を行なった。
抗ラットExon-17ポリクローナル抗体投与実 験においては、細胞注射後2週目の原発巣の 加率 (細胞を注射する前の足の径との比較 た) は、コントロール群で198.1±10.428%(n=10)、 中和抗体群で163.2±21.015%(n=11)であった(図8)。 方、原発巣から肺への転移率は、コントロ ル群が57.1%(n=7) であったのに対し、中和抗 群では0%(n=6)と有意に転移を抑制していた( 8)。コントロール群の原発巣から肺への転移 コロニー数は、1.143±0.553 個であった(図8)。
次に、抗ヒトExon-17モノクローナル抗体(No.3)
投与実験においては、細胞注射後1週目の原
巣の増加率 (細胞を注射する前の足の径と
比較した) は、コントロール群で77.6±9.484%(n
=12)であったのに対し、中和抗体群では48.9±7.
060%(n=11)で有意に増殖を抑制していた(P<0.05)
(図9)。また、原発巣から肺への転移率では、
コントロール群が75%(n=12) に対し、中和抗体
(n=10)では40%で転移率の減少傾向を示した(P
=0.0964)(図9)。原発巣から肺への転移コロニー
は、コントロール群では9.41±4.38個であった
のに対し、中和抗体群では0.7±0.335 個で有意
に転移コロニー数を抑制していた(P<0.05) (
9)。以上の結果より、抗ラットExon-17ポリク
ーナル抗体はメラノーマ細胞の肺への転移
制効果を有することが認められた。さらに
抗ヒトExon-17モノクローナル抗体(No.3)では、
原発巣の増殖抑制効果も有することが明らか
となった。
<実施例15>マウス4T1乳癌細胞
転移モデルマウスを用いた抗ラットExon-17ポ
クローナル抗体の効果
マウス4T1乳癌細胞を10%牛血清アルブミン (F
BS)(Bio west)、Penicillin-streptomycin Mixed solution (
ナカライテスク)、含有RPMI1640(Gibco) を用いて
10cm Tissue Culture Dishes (Greiner)に播種し、37℃
インキュベーターにて24時間培養した。その
、培養上清を除去し、PBSにて洗浄した後に
リプシン/EDTAにより浮遊させた。細胞を回
し1500rpm、3分間遠心した後、1.5×10 5
個の細胞を継代し37℃インキュベーターにて7
2時間培養後、対数増殖期にある細胞を1×10 6
個/匹になるようにカウントし100μlのPBSに懸
した。調整した細胞は、29Gマイジェクター
射針付インスリン用シリンジ(TERMO)を用いマ
スBALB/cメス8週齢の足底部に注入した。また
、マウス頸静脈より29Gマイジェクター注射針
付インスリン用シリンジにて抗体20μg/匹を投
与した。抗ラットExon-17ポリクローナル抗体
(1mg/ml)を用いた実験では、細胞注射と同時に
体を投与し、さらに細胞注射を行なった1週
間後と2週間後に抗体を投与した。コントロ
ルとしてNormal Rabbit IgG (R&D Systems)を用
た。細胞注射を行なった後、1週間毎に体重
定と下肢腫大部の径をノギスにて計測し、
発巣の体積を評価した。評価方法はDethlefsen
LA. et al. J. Natl. Cancer Inst., 40, 389(1968)に
記載方法に従い、(足裏の長さ)×(足裏の幅の2
乗)í2にて求めた。細胞注射後3週目に剖検を
い、体重測定、原発巣から肺への転移の有
と肺への転移コロニー数のカウントを行な
た。それぞれ、Studentのt検定によりデータ
析を行なった。結果は、体重変化において
胞注射後2週目までは両群間に有意な差は見
れなかったが3週間後において、コントロー
ル群で17.50±0.703g(n=6)、中和抗体群で21.24±0.517
g(n=6)で有意に原発巣の増殖を抑制していた (
P<0.05)(図10)。また、細胞注射後1週目の原発
巣の腫瘍体積は、コントロール群で301.3±11.49
mm 3
(n=10)、中和抗体群で235.9±7.842mm 3
(n=10)で有意に原発巣の増殖を抑制していた(P&
lt;0.05)、また、細胞注射後2週目の原発巣の腫
瘍体積は、コントロール群で842.4±34.71mm 3
(n=10)、中和抗体群で613.9±45.17mm 3
(n=10)で有意に原発巣の増殖を抑制していた (
P<0.05) (図11)、細胞注射後3週目ではコント
ール群の足が壊死による脱落が起こったが
中和抗体群では脱落は見られなかった。ま
、原発巣からの乳癌細胞の骨浸潤による骨
壊の評価は下肢距骨に対してHE染色、TRAP染
を行った後、骨面積および破骨細胞数を測
した。骨への直接浸潤による残存骨面積は
ントロール群では326656±53628.7(n=5)であった
に対し、中和抗体群では545756.8±65928.8(n=5)で
意に骨の残存が見られた(p<0.05)(図12)。さ
に、破骨細胞数も残存骨面積に逆相関し、
ントロール群では49±9.576個(n=5)であったの
対し、中和抗体群では20±5.167個(n=5)と有意に
減少していた(p<0.05)(図13)。一方、原発巣か
ら肺への転移率は、何れの群でも転移が見ら
れたが、転移コロニー数はコントロール群で
は89±28.9個であったのに対し、中和抗体群で
30.5±6.30個で有意に転移コロニー数を抑制し
ていた(P<0.05)(図14)。以上の結果より、抗ラ
ットExon-17ポリクローナル抗体は乳癌細胞の
発巣の増殖を抑制すると共に、肺への転移
制効果を有することが明らかとなった。
<実施例16>ヒト癌細胞および
常組織におけるExon-17領域を持ったペリオス
ンの発現の検討
先ず初めにExon-17領域に特異的なプライマー
(sense鎖:5’-TAAAATTATAACCAAAGTTGTGGAACC-3’(配列番号
35)、antisense鎖:5’- AGTGTGGGTCCTTCAGTTTTGAT-3’(配
番号36))を作製した。
次に、下記1)~6)のヒト癌細胞株をATCC(American T
ype Culture Collection)およびECACC(European Collection
of Cell Cultures)より購入し、当該細胞株の説
明書に記載の方法に従って培養後、ISOGEN(ニ
ポンジーン社)を用い説明書に記載の方法に
ってtotal RNAを抽出した。
1)Breast Ductal Carcinoma (乳管癌、MDA-MB-435s) Cat.
No. HTB-129、
2)Breast Adenocarcinoma (乳腺腺癌、MDA-MB-231) Cat.
No. HTB-26、
3)Breast Adenocarcinoma (乳腺腺癌、MCF-7) Cat. No.
HTB-22、
4)Lung Carcinoma (肺癌、A-549) Cat. No. CCL-185、
5)Melanoma (メラノーマ、SK-MEL-5) Cat. No. HTB-70
6)Breast carcinoma(乳癌、Hs 578T) Cat. No. EC8608210
4
また、下記1)~11)のヒト癌細胞株由来total RNA
Ambion社より購入した。
1)Leukemia (白血病、KG-1) Cat. No. AM7830、
2)Prostate Adenocarcinoma (前立腺腺癌、PC-3) Cat.
No. AM7834、
3)Osteogenic Sarcoma (骨肉腫、SaOS-2) Cat. No. AM78
40、
4)Bladder Carcinoma (膀胱癌、T-24) Cat. No. AM7844
5)Breast Adenocarcinoma (乳腺腺癌、MCF-7) Cat. No.
AM7846、
6)Liver Carcinoma (肝癌、HepG2) Cat. No. AM7848、
7)Cervical Adenocarcinoma (子宮頸部腺癌、HeLa-S3)
Cat. No. AM7852、
8)Breast Carcinoma (乳癌、T-470) Cat. No. AM7874、
9)Breast Carcinoma (乳癌、MDA-MB-453) Cat. No. AM787
6、
10)Breast Carcinoma (乳癌、DU-4475) Cat. No. AM7878
11)Breast Adenocarcinoma (乳腺腺癌、MDA-MB-361) Cat.
No. AM7872)
また、下記1)~16)のヒト癌組織由来total RNAをAm
bion社より購入した。
1)Lung: Adenocarcinoma (肺腺癌) Cat. No. AM7225、
2)Pancreas: Acinar cell carcinoma(膵臓腺房細胞癌)
Cat. No. AM7229、
3)Colon: Adenocarcinoma(結腸腺癌) Cat. No. AM7237、
4)Liver: Hepatocellular CA(肝細胞癌) Cat. No. AM724
5、
5)Bladder: transitional cell cancer(膀胱移行細胞癌
) Cat. No. AM7249、
6)Kidney: Renal cell carcinoma(腎細胞癌)Cat. No. AM
7253、
7)Stomach: Unknown(胃癌) Cat. No. AM7265、
8)Breast: Ductal carcinoma(乳管癌)Cat. No. AM7221、
9)Uterus: Surgery(子宮癌)Cat. No. AM7233、
10)Thyroid: Hurthle cell neoplasm(甲状腺ヒュルト
細胞癌) Cat. No. AM7241、
11)Ovary: Papillary cystadenocarcinoma(卵巣乳頭状嚢
腺癌) Cat. No. AM7257、
12)Testis: Germ cell tumor(精巣胚細胞腫) Cat. No.
AM7261、
13)Lymphoma: Large B-cell lymphoma(大細胞型B細胞リ
ンパ腫) Cat. No. AM7269、
14)Cervix: Cervical cancer(子宮頸癌) Cat. No. AM727
7、
15)Prostate: Acinar adenocarcinoma(前立腺腺房腺癌)C
at. No. AM7289、
16)Lymph Node: Follicular Lymphoma(濾胞性リンパ腫)
Cat. No. AM7291)
また、Biochain社より、下記1)~11)のヒト癌組織
来total RNAを購入した。
1)Adrenal: Pheochromocytoma(副腎褐色細胞腫) Cat.
No. R1235004-10、
2)Bone: Osteosarcoma(骨肉腫) Cat. No. R1235023-10、
3)Breast: Lobular carcinoma(乳小葉癌) Cat. No. R1
235086-50、
4)Esophagus: Squamous cell carcinoma(食道扁平上皮
) Cat. No. R1235106-50、
5)Lung: Adenocarcinoma(肺腺癌) Cat. No. R1235152-50
、
6)Ovary: Adenocarcinoma(卵巣腺癌) Cat. No. R123518
3-10、
7)Rectum: Adenocarcinoma(直腸腺癌) Cat. No. R12352
06-50、
8)Skin: Skin melanoma(悪性黒色腫(メラノーマ))
Cat. No. R1235218A-10、
9)Small Intestine: Malignancy mesothelioma(小腸中皮
) Cat. No. R1235226-10、
10)Soft Tissue: Synoviosarcoma(滑膜腫) Cat. No. R1
235257-10、
11)Thymus: Thymoma(胸腺腫) Cat. No. R1235264-10。
また、ヒト正常組織由来のtotal RNAはCLONTECH社
から以下のものを購入した。1)Adrenal Gland(副
、Cat.No.636528)、
2)Bladder(膀胱、Cat.No. 636542)、
3)Peripheral Leukocytes(白血球、Cat.No. 636580)、
4)Colon(結腸、Cat.No. 636553)、
5)Kidney(腎臓、Cat.No. 636529)、
6)Liver(肝臓、Cat.No. 636531)、
7)Lung(肺、Cat.No. 636524)、
8)Mammary Gland(乳腺、Cat.No. 636576)、
9)Pancreas(膵臓、Cat.No. 636577)、
10)Prostate(前立腺、Cat.No. 636550)、
11)Small Intestin(小腸、Cat.No. 636539)、
12)Testis(精巣、Cat.No. 636533)、
13)Thymus(胸腺、Cat.No. 636549)、
14)Thyroid(甲状腺、Cat.No. 636536)、
15)Uterus(子宮、Cat.No. 636551))、
また、COSMO BIO社からは以下のものを購入し
。
1)Esophagus(食道、Cat.No. CB-R1234106-50)、
2)Rectum(直腸、Cat.No. CB-R1234206-50)、
3)Skin(皮膚、Cat.No. CB-R1234218-50)、
4)Uterus Cervix(子宮頸部、Cat.No. CB-R1234275-50)、
5)Lymph Node(リンパ節、Cat.No. CB-R1234161-10)、
6)Ovary(卵巣、Cat.No. CB-R1234183-50)、
7)Stomach(胃、Cat.No. CB-R1234248-50))
これらのtotal RNAに対しSuperscript IIファース
トストランドシステム(Invitrogen(社))を用いて
42℃ 50min、70℃ 10minにてcDNAを作製した。そ
後、配列番号35,36のプライマーとKOD plus Taq
DNA polymerase(東洋紡(株))を用いたPCR法 (熱変
性94℃ 30sec、アニーリング56℃ 30秒、伸長反
応68℃ 30秒×40サイクル) を行った後、3%アガ
ロースゲルを用い電気泳動を行ない、Exon-17
域を持ったペリオスチンの発現の検討を行
た。その結果、検討した全ての癌種(食道癌
肺癌、胸腺癌、膵臓癌、甲状腺癌、胃癌、
腸癌、結腸(大腸)癌、直腸癌、肝癌、膀胱
、腎臓癌、乳癌、乳管癌、乳腺癌、子宮癌
子宮頚癌、卵巣癌、精巣癌、リンパ腫、副
癌、前立腺癌、骨肉腫、悪性黒色腫(メラノ
マ)、滑膜腫、白血病)で発現していること
確認した(図15、図16、図17、図18)。一方、そ
に対応した正常組織において発現を検討し
結果、乳腺で僅かな発現を認めたが癌組織
比べると発現が非常に弱かった。また、他
正常組織では殆ど認められなかった(図19)。
以上の結果から、Exon-17領域を持ったペリオ
チンは癌組織に特異的に発現していること
示され、その発現量を測定することによっ
癌の診断が可能であることが示された。ペ
オスチンのExon-17部位によりコードされるペ
チドに対する抗体は、メラノーマ或いは乳
のみならず上記癌をもターゲットとして良
ことが示された。
ペリオスチンのExon-17によりコードされる ペプチド領域に対する抗体を用いることによ り、癌の治療、詳しくは原発巣の増殖抑制お よび転移抑制を行うことができる。また、前 記抗体またはExon-17領域に特異的なプライマ を用いて患者サンプル中の該ペリオスチン を測定することにより、癌の有無および病 の進行程度を知ることができる。
