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Title:
CAPACITOR AND HIGH FREQUENCY COMPONENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/026708
Kind Code:
A1
Abstract:
A leak current and an electrostatic breakdown generated at a dielectric film step portion due to surface roughness of a dielectric film are suppressed, and insulation of a variable capacitance capacitor is improved. A lower electrode layer (2), a dielectric layer (3) and an upper electrode layer (4) are successively stacked on a supporting substrate (1). The variable capacitance capacitor is provided with a first region (a-b) covered with the upper electrode layer (4), and a second region (b-c) other than the first region. The thickness of the second region of the dielectric layer (3) has a step portion where the thickness of the second region of the dielectric layer (3) is smaller than the thickness of the first region, and the surface roughness of the second region is smaller than that of the first region.

Inventors:
TAKI KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/066945
Publication Date:
March 06, 2008
Filing Date:
August 30, 2007
Export Citation:
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Assignee:
KYOCERA CORP (JP)
TAKI KENJI (JP)
International Classes:
H01G7/06; H01G4/12; H01G4/33
Foreign References:
JP2006196871A2006-07-27
JP2003224033A2003-08-08
JP2000022083A2000-01-21
JP2006173367A2006-06-29
JP2007184499A2007-07-19
JPH11260667A1999-09-24
JPH08509103A1996-09-24
JPH08340090A1996-12-24
JPH06188386A1994-07-08
Other References:
See also references of EP 2063441A4
Attorney, Agent or Firm:
SAIKYO, Keiichiro et al. (2-6 Bingomachi 3-chome,Chuo-ku, Osaka-shi, Osaka 51, JP)
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Claims:
 支持基板と、
 前記支持基板上に設けられた下部電極と、
 前記下部電極上に設けられ、上面に、第1領域と、前記第1領域に比べて結晶性の低い第2領域とを有する誘電体と、
 前記誘電体の前記第1領域上に設けられた上部電極と、を備えることを特徴とするコンデンサ。
 前記誘電体は、Ba,Sr,Tiを含有するペロブスカイト型酸化物結晶であることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ。
 前記誘電体は、前記第1領域の表面粗さが、前記第2領域の表面粗さよりも大きいことを特徴とする請求項1記載のコンデンサ。
前記誘電体は、前記第2領域における厚さが、前記第1領域における厚さに比べて薄くなっている段差部を有することを特徴とする請求項1記載のコンデンサ。
 前記第2領域は、前記第1領域の周囲を囲むように設けられていることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ。
 前記誘電体は、前記第2領域が、前記第1領域に比べてArを多く含有していることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ。
 前記誘電体の前記第2領域上に、前記誘電体よりも低い誘電率を有する絶縁体がさらに備えられていることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ。
 配線導体が形成された配線基板と、
 前記配線導体に、前記上部電極及び前記下部電極が接続された請求項1記載のコンデンサと、を含むことを特徴とする高周波部品。
 支持基板と、
 前記支持基板上に設けられた下部電極と、
 前記下部電極上に設けられ、上面に、第1領域と、前記第1領域に比べて表面粗さの小さい第2領域とを有する誘電体と、
 前記誘電体の前記第1領域上に設けられた上部電極と、を備えることを特徴とするコンデンサ。
 前記誘電体は、Ba,Sr,Tiを含有するペロブスカイト型酸化物結晶であることを特徴とする請求項9記載のコンデンサ。
前記誘電体は、前記第2領域における厚さが、前記第1領域における厚さに比べて薄くなっている段差部を有することを特徴とする請求項9記載のコンデンサ。
 前記第2領域は、前記第1領域の周囲を囲むように設けられていることを特徴とする請求項9記載のコンデンサ。
 前記誘電体は、前記第2領域が、前記第1領域に比べてArを多く含有していることを特徴とする請求項9記載のコンデンサ。
 前記誘電体の前記第2領域上に、前記誘電体よりも低い誘電率を有する絶縁体がさらに備えられていることを特徴とする請求項9記載のコンデンサ。
 配線導体が形成された配線基板と、
 前記配線導体に、前記上部電極及び前記下部電極が接続された請求項9記載のコンデンサと、を含むことを特徴とする高周波部品。
Description:
コンデンサ及び高周波部品

 本発明は、誘電体層を薄膜形成方法によ 形成したコンデンサ及び高周波部品に関す 。

 可変容量コンデンサは、薄膜誘電体層の材 としてチタン酸バリウムストロンチウム((Ba x Sr 1-x ) y Ti 1-y O 3-z ,ただし0<y<1,0≦z<3)などを用いて、上部 電極層と下部電極層との間に所定のバイアス 電位を与えることにより薄膜誘電体層の誘電 率を変化させて容量を変化させるものである (例えば、特開平11-260667号公報を参照)。
 かかる可変容量コンデンサは、電気絶縁性 有した支持基板上に、薄膜の下部電極層、 膜誘電体層および薄膜の上部電極層がこの に積層された構造を有し、下部電極層およ 上部電極層がそれぞれスパッタリング法や 空蒸着法等で形成されており、薄膜誘電体 はスパッタリング法やゾルゲル法等で形成 れている。各層のパターニング方法は、通 、フォトリソグラフィの手法が用いられる まず、電気絶縁性の支持基板の上面全体に 部電極層となる導体層を形成した後、必要 のみをフォトリソグラフィによってパター ングしたフォトレジストで覆い、その後、 エットエッチングまたはドライエッチング 不要部を除去して、所定形状の下部電極層 形成する。次に、この支持基板上に薄膜誘 体層となる誘電体を全面に形成し、下部電 層と同様に、不要部を除去して所定形状の 電体層を形成する。そして、上部電極層と る導体層を全面に形成し、不要部を除去し 所定形状の上部電極層を形成する。また、 護層やハンダ端子部を形成することにより 表面実装が可能な可変容量コンデンサにな 。このような容量形成部における構造およ 形成方法は、半導体集積回路装置の一部に 成される強誘電体キャパシタにもみられる
 この可変容量コンデンサでは、薄膜誘電体 に直流バイアス電圧を印加することでその 電率が変化し、その結果として容量が変化 るが、この容量変化は高周波領域にも及び 高周波領域でも可変容量コンデンサとして 用可能となる。このような高周波領域での 変容量コンデンサの容量変化を利用して、 流バイアス電圧の印加により周波数特性を 化させることができる有用な電子部品が得 れる。例えば、上述の可変容量コンデンサ 薄膜インダクタとを組み合わせた電圧制御 薄膜共振器では、直流バイアスの印加によ 共振周波数を変化させることができる。ま 、可変容量コンデンサもしくは電圧制御型 膜共振器と、薄膜インダクタ,薄膜キャパシ タとを組み合わせた電圧制御型薄膜帯域通過 フィルタでは、直流バイアス電圧の印加によ り通過帯域を変化させることができる。また 、可変容量コンデンサはマイクロ波用の電圧 制御型電子部品にも利用可能である(例えば 特表平8-509103号公報を参照)。
 これまでの薄膜コンデンサの構造、特に誘 体層の段部の形状は、例えば特開平8-340090 公報の図面の図4に示されるように、上部電 層の側面は誘電体膜の側面より内側に位置 ていると共に誘電体層の側面は下部電極層 側面よりも内側に位置し、上部電極層の側 と誘電体層の上面との交点と誘電体層の側 と下部電極層との交点との間に存在する誘 体層の表面の長さLと、誘電体層の厚さDと 間にL≧2Dの関係が成り立つ構成がとられて た。このようにすることで、誘電体層の側 を介したリーク電流の発生を抑制し、キャ シタ全体のリーク電流を大幅に低減してキ パシタの耐圧を向上するとされている。
 また、例えば特開平6-188386号公報の図面の 14に示されるような、上部電極層の側面と誘 電体層の上面との交点と誘電体層の側面と下 部電極層との交点との間において、誘電体層 の途中に形成された段部が設けられていた。 このようにすることで上部電極と下部電極と の間で短絡を起こす危険が少なく、歩留まり が高くなるとされている。さらに、同じく特 開平6-188386号公報の図面の図17に示されるよ に、誘電体層の側面が斜めにエッチングさ て、誘電体層の側面と上部電極層とが互い 離間していない段部が形成されていた。
 本発明が解決しようとする課題は、上部電 層と下部電極層との間に形成される誘電体 におけるリーク電流および絶縁破壊の低減 ある。可変容量コンデンサでは、高誘電率 誘電材料を使用する必要があるため、高い 晶性の誘電体層を成長させなければならな 。薄膜誘電体層をスパッタリング法などで 成する場合、膜組織は数十nm~数百nm程度の イズのグレインから構成される。このよう グレインは柱状もしくは塊状に成長してお 、膜の表面は各グレインの凹凸により粗く っている。図11にグレイン成長した誘電体層 の表面の凹凸を誇張した断面図を示す。高い 結晶性の誘電体層を成長させた場合、グレイ ンが成長し、このような粗い表面を持った誘 電体層となる。ここで、1は支持基板,2は下部 電極層,3は誘電体層,4は上部電極層をそれぞ 示す。なお、以下の図面においても同様の 所は同一の符号を付している。このような 電体層3に対して、上部電極層4を形成すると 、図11に示すような上部電極層4の側面が誘電 体層3の側面より内側に位置していると共に 電体層3の側面が下部電極層2の側面よりも内 側に位置し、上部電極層4の側面と誘電体層3 上面との交点と誘電体層3の側面と下部電極 層2との交点との間に存在する誘電体層3の表 の長さLと、誘電体層3の厚さDとの間にL≧2D 関係が成り立つ断面構成とすることができ 。ここで問題となるのが、リーク電流経路 よび絶縁耐圧である。グレイン成長した膜 リーク電流経路は、主にグレインバンダリ になる。これは、グレイン内部と比べてグ インバンダリー部の結晶性は低く、また、 純物などが析出しているためリーク電流が れやすい状態になっているためである。ま 、グレインバンダリーは凹部にあたるため 界強度が局所的に強いところに相当する。 たがって、表面が粗い誘電体層3に対して、 これまでの図11に示すようなa-b-d-e-fの断面形 とすると、上部電極層4の側面が、誘電体層 3のグレインバンダリーを横切ることとなり 上部電極層4の端部に集中する電界によって 11中のb-c間のグレインバンダリーが主なリ ク電流経路となり、最終的には絶縁破壊す という問題が発生する。これは特に、直流 交流を同時に印加する高周波用途の可変容 コンデンサにおいて顕著になる。
 また、表面が粗い誘電体層3に対して、上部 電極層4を成膜し、フォトリソグラフィ工程 用いて上部電極層4をドライエッチングし、 部電極層2まで一枚のマスクで一括加工する と、図12中a-b-c-d面に示されるように、誘電体 層3の側面が斜めにエッチングされて、誘電 層3の側面と上部電極層4および下部電極層2 が互いに離間していない段部を形成するこ ができる。ここで問題となるのが、下部電 層2加工時に発生する図12中b-c側面に再付着 るリデポジションによる電気的短絡である
 可変容量コンデンサをフィルタ、共振器な の構成部品として使用するためにはリーク 流が小さいことが求められている。これは 可変容量薄膜コンデンサは定常的に外部電 を印加して使用されるので、わずかなリー 電流も素子のショートや誘電特性劣化の原 となるからである。特に、誘電体層3が非常 に薄くなった場合、リーク電流は増大する傾 向にあり、リーク電流経路の改善が求められ ていた。特に誘電体層3におけるリーク電流 よび絶縁耐圧は、上部電極層4、誘電体層3及 び下部電極層2の形状および表面粗さに依存 ていた。

 本発明は上述の諸問題に鑑みて案出された のであり、本発明の目的は、誘電体層にお るリーク電流および絶縁破壊を低減し、コ デンサの絶縁性を向上することである。
 さらに本発明の他の目的は、本発明のコン ンサを用いて、絶縁性の高い高周波用の電 制御型薄膜共振器,電圧制御型薄膜高周波フ ィルタ,電圧制御型整合回路素子,電圧制御型 膜アンテナ共用器等の電子部品を提供する とである。
 本発明は、支持基板と、前記支持基板上に けられた下部電極と、前記下部電極上に設 られ、上面に、第1領域と、前記第1領域に べて結晶性の低い第2領域とを有する誘電体 、前記誘電体の前記第1領域上に設けられた 上部電極と、を備えることを特徴とするコン デンサである。
 本発明によれば、コンデンサにおいて、誘 体の上面は、上部電極に覆われた第1領域と 、第1領域以外の第2領域とを備え、第2領域の 結晶性は、第1領域に比べて低いものである とから、容量を形成する第1領域においては 晶性を高くして高い誘電率を実現する一方 、上部電極の端部に集中した電界が第2領域 にかかっても、第2領域の結晶性が第1領域に べて低いことからグレインバンダリーが不 明になっていたり、上部電極から下部電極 でのグレインバンダリーを介した経路が長 なっていたりするので、グレインバンダリ を介したリーク電流を抑制することができ 絶縁耐圧を高めることができる。その結果 良好な絶縁性を有するコンデンサを提供す ことができる。
 また、本発明は、支持基板と、前記支持基 上に設けられた下部電極と、前記下部電極 に設けられ、上面に、第1領域と、前記第1 域に比べて表面粗さの小さい第2領域とを有 る誘電体と、前記誘電体の前記第1領域上に 設けられた上部電極と、を備えることを特徴 とするコンデンサである。
 本発明によれば、コンデンサにおいて、誘 体層の第2領域の表面粗さが、誘電体層の第 1領域の表面粗さよりも小さいことにより、 い誘電率を得るために高い結晶性の誘電体 を成長させ、誘電体層の表面が粗くなった 合でも、上部電極の側面が粗い表面を横切 ことがなくなって、さらに上部電極の端部 集中した電界が誘電体膜の凹部にかからな ため、誘電体の第2領域において発生するリ ク電流を抑制し、絶縁耐圧を高めることが き、良好な絶縁性を有するコンデンサを提 することができる。
 また、本発明において、前記誘電体は、Ba,S r,Tiを含有するペロブスカイト型酸化物結晶 あることが好ましい。
 本発明によれば、誘電体は、Ba,Sr,Tiを含有 るペロブスカイト型酸化物結晶であるとき は、誘電率の高いものとすることができる
 また、本発明において、前記誘電体は、前 第1領域の表面粗さが、前記第2領域の表面 さよりも大きいことが好ましい。
 本発明によれば、誘電体は、第1領域の表面 粗さが、第2領域の表面粗さよりも大きいと には、上部電極の端部に集中した電界が、 電体膜の凹部にかからないため、誘電体の 2領域において発生するリーク電流を抑制し 絶縁耐圧を高めることができ、良好な絶縁 を有するコンデンサを提供することができ 。
 また、本発明において、前記誘電体は、前 第2領域における厚さが、前記第1領域にお る厚さに比べて薄くなっている段差部を有 ることが好ましい。
 本発明によれば、誘電体は、第2領域におけ る厚さが、第1領域における厚さに比べて薄 なっている段差部を有するときには、上部 極の側面から誘電体の表面を通り下部電極 で到達するリーク電流の経路を長くとるこ ができるため、絶縁耐圧を高めることがで 、良好な絶縁性を有するコンデンサを提供 ることができる。
 また、本発明において、前記第2領域は、前 記第1領域の周囲を囲むように設けられてい ことが好ましい。
 本発明によれば、第2領域は、第1領域の周 を囲むように設けられているときには、電 が集中する上部電極の全端部において、リ ク電流を抑制する第2領域が形成されている とから、絶縁性に優れたコンデンサを提供 ることができる。
 また、本発明において、前記誘電体は、前 第2領域が、前記第1領域に比べてArを多く含 有していることが好ましい。
 本発明によれば、誘電体層は、第2領域が、 第1領域に比べてArを多く含有していることか ら、第2領域の誘電体層の結晶性は低下し、 長していた各グレイン間のバンダリーも不 明なものとなる。これにより、誘電体層に ったグレインバンダリーを介したリーク電 経路を遮断することとなるために、誘電体 において発生するリーク電流がさらに抑制 れ、絶縁耐圧が高められる。その結果、良 な絶縁性を有するコンデンサを提供するこ ができる。
 また、本発明において、前記誘電体の前記 2領域上に、前記誘電体よりも低い誘電率を 有する絶縁体がさらに備えられていることが 好ましい。
 本発明によれば、誘電体の第2領域上に、誘 電体よりも低い誘電率を有する絶縁体がさら に備えられているときには、寄生容量の発生 を抑制することができる。
 また、本発明は、配線導体が形成された配 基板と、前記配線導体に、前記上部電極及 前記下部電極が接続された、上記構成のい れかに記載のコンデンサと、を含むことを 徴とする高周波部品である。
 本発明によれば、高周波部品は、配線導体 形成された配線基板と、配線導体に、上部 極及び下部電極が接続された、上記構成の ずれかのコンデンサと、を含むことから、 好な絶縁性を有するコンデンサを用いるこ より、所望の容量を実現することができ、 性の安定したものとすることができる。

 本発明の目的、特色、および利点は、下記 詳細な説明と図面とからより明確になるで ろう。
 図1は、本発明の第1実施形態のコンデンサ 模式的に示す断面図である。
 図2は、本発明の第1実施形態のコンデンサ 容量形成部を模式的に示す断面図である。
 図3は、本発明の第2実施形態のコンデンサ 断面構成と第1の領域と第2の領域とを説明す る断面図である。
 図4は、本発明のコンデンサの層構成を模式 的に示す斜視図である。
 図5は、本発明のコンデンサの表面状態と段 部を模式的に示す図4のA-A’線の断面図であ 。
 図6Aおよび図6Bは、それぞれ、本発明の高周 波部品の平面図および断面図である。
 図7は、本発明のコンデンサの誘電体層内に 含まれるAr量についてXPS分析した結果である
 図8は、本発明のコンデンサの第1領域にお る誘電体層表面の粗さ像である。
 図9は、本発明のコンデンサの第2領域にお る加工途中の誘電体層表面の粗さ像である
 図10は、本発明のコンデンサの第2領域の形 後の誘電体層表面の粗さ像である。
 図11は、従来のコンデンサの表面状態と段 を模式的に示す断面図である。
 図12は、従来のコンデンサ表面状態と段部 模式的に示す他の断面図である。

 以下図面を参考にして本発明の好適な実施 態を詳細に説明する。
 以下、本発明を実施するための形態につい 各図面を参照にしつつ説明する。図1におい て、1は支持基板であり、2は下部電極として 下部電極層であり、3は誘電体としての誘電 体層であり、4は上部電極としての上部電極 であり、5は絶縁体としての絶縁層であり、6 は引出し電極層であり、7は保護層であり、8 半田拡散防止層であり、9A,9Bは半田端子で る。以下の図面において、同様の箇所には 一の符号を付し、重複する説明を省略する
 なお、容量形成領域(容量形成部)は、誘電 層3を下部電極層2と上部電極層4で挟持して る対向部分である。容量形成部においては 断面構成や表面状態を誇張して示した図2を いて説明する。図2において、1は支持基板 あり、2は下部電極層であり、3は誘電体層で あり、4は上部電極層である。第1領域とは、 部電極層4が被膜している誘電体層3のa-b領 に相当する。また、第2領域とは、上部電極 4が被膜していない誘電体層3のb-c領域に相 する。このような高誘電率薄膜を用いた容 形成領域の構造は、可変容量素子に限った のではなく、デカップリングコンデンサやDR AMなどの薄膜コンデンサにも適用されるもの ある。
 本発明の目的は、誘電体層の結晶性に起因 る表面粗さによって生じる誘電体層におけ リーク電流および絶縁破壊を抑制し、コン ンサの絶縁性を向上することにある。
 図1および図2を用いて、本発明の第1実施形 について説明する。
 図2に、本発明のコンデンサの容量形成部の 要部拡大図を示す。図2において、誘電体層3 第1領域(a-b領域)の結晶性は、第2領域(b-c領 )に比べ、高くなっている。すなわち、容量 形成する第1領域の結晶性を高めることで、 高誘電率の誘電体とすることができ、コンデ ンサとしての性能を高めることができる。一 方で、容量の形成に関与しない第2領域では 結晶性を低くすることで、グレインバンダ ーを介したリーク電流の発生を抑制するこ ができる。特にアモルファス状態としたと には、明確なグレインバンダリーが無くな 、リーク電流の起点となる凹部がなくなる め好ましい。また、第2領域の結晶性が悪い とから、誘電率が低くなり、寄生容量の発 を抑制することもできる。なお、第1領域, 2領域は、誘電体層3の上面であり、誘電体層 3の厚み方向全体において、上記の関係が成 する必要はない。
 近年、コンデンサは小型・低背化が進むと もに、低電圧駆動が要求されるため、誘電 層3の厚みも薄くなっている。このため、誘 電体層3が良好な結晶性を有する場合には、 み方向において1つの柱状の結晶粒のみで構 されることもある。このような構成の場合 は、よりグレインバンダリーを介したリー 電流の影響が大きくなる。そこで、電界が 中する上部電極層4の側面に接する誘電体層 3の上面(第2領域)における結晶性を低くし、 レインバンダリーを介したリーク電流の発 を抑制することが、コンデンサの絶縁性を めるために有効である。
 ここで、結晶性が高いとは、単位面積あた の単結晶化率が高いことを言う。理論上、 結晶では結晶格子が一定間隔で並んでいる で、本実施形態の第1領域における結晶格子 が一定間隔で並んだ領域が、第2領域のそれ りも大きい。さらに、結晶格子はある一定 結晶方位に配向していることが望ましい。 デバイスにおいては、第1領域における結晶 の大きさが、第2領域のそれよりも大きい場 合に結晶性が高い、と判断することができる 。もしくは第1領域において結晶粒が確認さ るのに対して、第2領域においてはアモルフ ス状態となり結晶粒が確認できない場合も 様に判断することができる。
 このように、第1領域に比べて第2領域の結 性を低くする方法として、例えば、誘電体 3を形成した後に、その表面を改質する方法 、誘電体層3の下地となる下部電極層2の表 状態を改質して、その上に形成される誘電 層3の結晶性を変化させる方法等がある。誘 体層3の表面を改質する場合には、プラズマ 或いはイオンを該当の部位に照射して処理を 行えばよい。すなわち、誘電体層3全面にわ り第1領域と同様の結晶性を有するように作 した後に、第1領域を除く部位(第2領域)にECR (Electron Cyclotron Resonance)装置等で上面からダ ージを与えて、アモルファス状態にしたり 結晶性に起因する表面の凹凸をなだらかに たりすることで、第2領域における結晶性を 低くすることができる。さらに、下部電極層 2側から改質する場合には、下部電極層2に同 のプラズマ或いはイオンを該当の部位に照 すればよい。下部電極層2のうち表面の平滑 な部分には結晶性の高い誘電体層3を成長さ ることができ、それ以外の部分には結晶性 低い誘電体層3を成長させることができる。
 次に各部位について詳述する。
 <支持基板>
 支持基板1は、Al 2 O 3 ,SiO 2 /Si,MgO,LaAlO 3 ,SrTiO 3 などが使用可能であり、十分な平坦度と表面 粗さを保有していることが好ましい。下部電 極層2の直下の層(基板)が絶縁性を有するもの であれば特に、材料を限定するものではない 。
 <下部電極層>
 この支持基板1上に、下部電極層2が形成さ ている。下部電極層2の導体材料としては、 Qのために、抵抗率の小さな金属を用いる場 合、銅、アルミニウム、金、銀などが挙げら れる。また、酸化物誘電体薄膜の耐還元性の 観点からは、酸化物導電体であるIrO 2 /IrやSrRuO 3 などが挙げられる。いずれの材料を用いる際 もその上に高誘電率薄膜である誘電体層3を 成する過程において、高温の熱履歴を伴う め、高誘電率薄膜である誘電体層3に拡散や 応して、リーク電流が増大するといった問 が発生しないように注意する必要がある。 のため、高融点材料である、Ptを用いるこ が好ましい。膜厚は、周波数や高抵抗な材 において電極による損失が増大しないよう 考慮して設定する必要がある。これらは、 パッタ法、真空蒸着法などの気相合成法に り作製して得られ、フォトリソ工程とドラ エッチング工程により加工される。
 <誘電体層>
 誘電体層3の材料としては、高い誘電率を持 つものが好ましく、しかも、外部の印加電圧 により、その誘電率が大きく変化し得る誘電 体材料、例えばBaTiO 3 、SrTiO 3 、(Ba,Sr)TiO 3 などのペロブスカイト型酸化物が挙げられる 。特に、Bi,Sr,Tiを含有するペロブスカイト型 晶を用いた場合には、誘電率の高いものと ることができるので好ましい。これらは、 ルゲル法等の溶液法、スパッタ法やレーザ アブレーション法などの気相合成法等薄膜 製手法により形成することができる。コン ンサでは、高誘電率の誘電材料を使用する 要があるため、高い結晶性の誘電体膜を成 させなければならない。このため高い成膜 度あるいは成膜後の高温アニールが必要と る。また、下地となる下部電極層2を平坦に することでも、高い結晶性の誘電体膜を形成 することができる。このためには、下部電極 層2を成膜後に誘電体層3を形成するための高 温度で基板を一定時間保持することが有効 ある。また、誘電体層3の第1領域と第2領域 の結晶性を変えるために、下部電極層2の第 1領域のみにプラズマまたはイオン照射をし 表面の平坦化を行なってもよい。誘電体層3 スパッタリング法などで形成する場合、膜 織は数十nm~数百nm程度のサイズのグレイン ら構成される。このようなグレインは柱状 しくは塊状に成長しており、膜の表面は各 レインの凹凸により粗くなる。図2の第1領域 にグレインが成長して表面が凹凸になった誘 電体膜の表面を誇張して示す。高い結晶性の 誘電体膜を成長させた場合、グレインが成長 し、このような粗い表面を持った誘電体膜と なる。誘電体層3は、例えば、下部電極層2の 面を覆うように形成され、その後、容量発 領域を除いたウエットエッチングまたはド イエッチングにより除去される。高誘電率 膜(誘電体層3)の膜厚は、薄ければ薄いほど 界強度が大きくなるため、高い容量変化率 得られるという利点がある。一方で、膜厚 薄い場合、リーク電流が増大したり、実効 誘電率が低下するといった問題が発生する め、適宜膜厚を設定する必要がある。
 特に、誘電体層3としてBi,Sr,Tiを含有するペ ブスカイト型結晶を用いた場合には、柱状 晶が成長することが多い。このため、良好 結晶性を有し、大きい柱状結晶が成長して る場合には、リーク電流が流れる粒界のパ (経路)が短くなる。このような構成の場合 は、本発明により特にリーク電流の発生を 制できるものとなる。なお、誘電体層3の第1 領域と第2領域とは同一材料からなるのが一 的である。
 <上部電極層>
 上部電極層4は、電極の抵抗や密着性、耐還 元性などを考慮し、Au、Cu、Ag、Ptなどの金属 IrO 2 やRuO 2 などの導電性酸化物等が用いられる。上部電 極層4を含めた下部電極層2、誘電体層3を同一 バッチで、大気に曝すことなく形成すれば、 各界面における異物や油脂などの余分な付着 を防ぐことができ、密着性が改善され、水分 の侵入などを防止することができ、耐湿性を 大幅に改善することができ、安定した特性を 生み出すことが可能となる。
 <絶縁層>
 絶縁層5は上部電極層4、誘電体層3、下部電 層2の構造を全て覆うように成膜され、上部 電極層4と下部電極層2との絶縁の確保および こに発生する寄生容量を小さくするために 要である。このため、特に、誘電体層3の第 2領域上を覆うことが必要である。絶縁層5の 料としては、BCB(ベンゾシクロブテン)やポ イミドなどの有機材料やSiO 2 ,Si 3 N 4 など無機材料で、絶縁性が高く寄生容量を小 さくするために誘電体層3の材料よりも低誘 率であることが望ましい。これらの成膜方 は、立体的な複雑形状を持つ下地に対して 比較的均一な膜厚が得られるCVD法が好まし 。上部電極層4直上に開口部を形成するため フォトレジストをマスクとしたドライエッ ングを行う。また、下部電極層2の一部をコ ンデンサ上面に露出させる開口部も同時に形 成する。
 <引出し電極層>
 次いで、引出し電極層6を形成する。引出し 電極層6は、上部電極層4と一方の端子を接続 、上部電極を端子に引き出すものである。 料としては、Au,Cuなどの低抵抗な金属を用 ることが望ましい。絶縁層5との密着性を考 して、Ti、Niなどの密着層を使用することは 、上部電極層4の抵抗を大きく増大させない 囲内で差し支えない。
 <保護層>
 次に、保護層7を形成する。保護層7は、下 電極層2に電気的に接続される端子と上部電 層4に電気的に接続される端子とを形成する ために、一部を露出するように形成される。 保護層7は、素子を外部から機械的に保護す ほか、湿度や酸素との化学反応による素子 料の劣化や、ゴミなどの異物の付着による 染、実装時の破損による劣化、薬品等によ 汚染、酸化等を防止から保護する。材料と ては、耐熱性が高く、段差に対する被覆性 優れたものが良く、振動を不要に励振する とがないように考慮する必要がある。具体 には、ポリイミドやBCB樹脂など有機系の熱 化材料もしくは光硬化材料が用いることが きる。
 <端子>
 半田拡散防止層8は、半田端子9A,9Bを形成す 際のリフローや実装の際に、半田の電極へ 拡散を防止するために形成する。材料とし は、Niが好適である。また、半田拡散防止 8の表面には、半田濡れ性を向上させるため 、半田濡れ性の高いAu,Cuなどを0.1μm程度形 する場合もある。最後に、半田端子9A,9Bを形 成する。これは、実装を容易にするために形 成する。半田ペーストを印刷後、リフローを 行い形成する。
 <各層のパターン形成>
 下部電極層2、誘電体層3および上部電極層4 パターン形成は、フォトレジストを塗布し フォトリソグラフィの手法により形成した ォトレジスト層を所定の形状にパターニン 加工した後、ECR装置等によりドライエッチ グ加工して行なう。その場合、ECRエッチン におけるエッチング条件、特にArガス流量 よびエッチングガス圧、Arイオンの加速電圧 を制御することにより、下部電極層2,誘電体 3、上部電極層4の側面の形状および各層の 面の結晶性を制御することができる。例え 、上部電極層4まで積層した後に、上に位置 る層から順にパターニングする場合には、 部電極層4のパターン形成と誘電体層3のパ ーン形成との工程との間に、上部電極層4の ターン形成を行なったときのフォトレジス 層を用いて、誘電体層3の露出部にArイオン 照射して表面状態を改質する工程を加えれ よい。
 第2領域が第1領域に比べてArイオンを多く含 むようにエッチングすることで、第2領域の 晶性が低下し、グレインバンダリーが不鮮 となる。このことにより、上部電極層4の端 からグレインバンダリーもしくは表面の凹 に生じるリーク電流を抑制し、誘電体層3に おける絶縁破壊を低減させることができる。 この効果は、特に直流と交流を同時に印加す る高周波用途の可変容量コンデンサにおいて 顕著になる。
 以上のようにして、図1に示すコンデンサが 形成できる。
 次に、本発明のコンデンサの他の実施形態 ついて説明する。
 図3は、本発明の第2実施形態のコンデンサ 容量形成部の要部拡大図である。図2に示す ンデンサは、第1領域と第2領域との結晶性 違いに着目したが、図3に示すコンデンサは 第1領域と第2領域との表面粗さ(算術平均粗 )に着目した点で、両者は異なる。以下、図 2と異なる点のみ説明する。
 図3において、誘電体層3の第1領域は、第2領 域に比べて算術平均粗さが大きくなっている 。誘電体層3の上面の算術平均粗さは、誘電 層3を構成する結晶粒のサイズ(グレインサイ ズ)と相関がある。すなわち、容量を形成す 第1領域は誘電率の高い結晶粒が成長してい とともに、グレインサイズも大きいことか 、誘電率の低い粒界が少なくなり、高誘電 の誘電体とすることができ、コンデンサと ての性能を高めることができる。一方で、 量の形成に関与しない第2領域では、算術平 均粗さを小さくすることで、リーク電流の起 点となり得る凹部が少なくなるため好ましい 。
 また、第2領域が、グレインサイズの小さい 結晶が集まった構成となっているか、アモル ファス状態の構成となっていることにより、 第2領域の算術平均粗さが小さくなっている 合には、結晶性が悪いことから、誘電率が くなり、寄生容量の発生を抑制することも きる。さらに、グレインサイズが小さいこ から、厚み方向において1つの結晶粒のみで 成される場合に比べて、グレインバンダリ を介したリーク電流の経路が長く、複雑に り、グレインバンダリーを介したリーク電 の発生を抑制することができる。
 このように、第1領域に比べて、第2領域の 術平均粗さを小さくするには、誘電体層3の 面から、第2領域にプラズマ或いはイオンを 照射すればよい。
 また、図3に示すように、誘電体層3は、第2 域における厚さが、第1領域における厚さに 比べて薄くなっている段差部を有していても 良い。図3においては、第2領域全体が段差部 なっている例について示している。このよ な段差部を設けることで、電界の集中する 部電極層4の端部から、誘電体層3の上面及 側面を介した下部電極層2までの距離を長く ることができるので、リーク電流の発生を 制することができる。
 このような段差部を形成するためには、以 のようにすればよい。ここで、説明のため 、図4および図5を参照する。図4は、本発明 コンデンサの層構成を模式的に示す斜視図 あり、図5は、容量形成部の要部を模式的に 示す、図4のA-A’線断面図である。
 下部電極層2、誘電体層3および上部電極層4 パターン形成の際に、ECRエッチングにおけ エッチング条件、特にArガス流量およびエ チングガス圧、Arイオンの加速電圧を制御す ることにより、下部電極層2,誘電体層3、上部 電極層4の側面の形状および表面粗さを制御 ることができる。
 上部電極層4のドライエッチングでは、誘電 体層3の途中まで加工することにより図3に示 ような上部電極層4の側面と誘電体層3の上 との交点と誘電体層3の側面と下部電極層2と の交点との間において、誘電体層3の途中に 成された段部が設けられた断面構成(図5中a-b -c-d)とすることができる。さらに誘電体層3を 別のマスクによってフォトリソグラフィ工程 を施すと図5中c-d-e-fの段部を形成することが きる。このときのエッチング条件によってb -c-d面の表面粗さを小さくし、上部電極層4の 部が誘電体層3の凹部を横切らないようにす る。
 以上のようにして、段差部を形成すること できる。
 このような段差部は、図2に示す第1実施形 において設けてもよい。また、図3に示す例 は、第2領域全体を段差部とした例について 説明したが、第2領域の一部のみを段差部と てもよい。さらに、上述の第1,第2実施形態 おいて、第2領域は、図4に示すように、第1 域の周囲を囲むように形成されていること 好ましい。このような構成とすることで、 界が集中する上部電極層4の端部の周囲を全 リーク電流の発生を抑制する構成とするこ ができるので、絶縁性の高いコンデンサを 供することができる。
 次に、本発明の高周波部品について説明す 。図6Aに、本発明の高周波部品の模式的な 面図を、図6Bに、図6AのB-B’線断面図を示す
 図6Aおよび図6Bにおいて、10は配線基板,11は 線基板10に形成された配線導体である。配 導体11は、信号導体11aと,信号導体11aの両側 離間して配置された接地導体11bとでコプラ ー線路を形成している。信号導体11aは途中 途切れた不連続部を有し、この不連続部を なぐように、図1に示す本発明のコンデンサ 半田端子9A,9Bが信号導体11aに接続されてい 。このように半田端子9A,9Bを信号導体11aに接 続させることにより、コンデンサの下部電極 層2及び上部電極層4が電気的に信号導体11aに 続されたものとなり、コンデンサが高周波 路を構成する電子部品として機能する。例 ば、図6Aおよび図6Bに示すように、配線導体 11により形成されるインダクタ成分と、本発 のコンデンサとにより共振回路を形成する 周波部品とすることができる。このような 周波部品は、本発明のコンデンサが絶縁性 優れていることから、信頼性が高いととも 、共振周波数の安定した、即ち特性の安定 たものとすることができる。
 ここで、配線基板10は、例えばアルミナ等 らなるセラミック多層配線基板等を用いる とができる。配線導体11は、導体であれば特 に材料に限定はない。

 次に、本発明をより具体化した例について 明する。
 まず、支持基板1としてサファイアのR基板 用い、この支持基板1上に下部電極層2の材料 として用いるPtを、基板温度を約700℃にして パッタリング法により成膜した。また、薄 の誘電体層3は、(Ba 0.5 Sr 0.5 )TiO 3 からなるターゲットを用い、基板温度は約800 ℃、膜厚200nmの膜をスパッタリング法により 膜した。この誘電体層3の上に、Auからなる 部電極層4をスパッタリング法により成膜し た。これらは、同一チャンバー内で大気開放 せずに順次成膜した。
 次に、フォトレジストを塗布し、フォトリ グラフィの手法により形成したフォトレジ ト層を所定の形状にパターニング加工した 、ECR装置により上部電極層4、誘電体層3お び下部電極層2を所定形状に順次エッチング た。ここで、ECRエッチングの条件として、A rガス流量、エッチングガス圧、Arイオンの加 速電圧をそれぞれ20sccm、1Pa、0.3kVとした。上 電極層4のドライエッチング時に、上部電極 層4のパターニング終了後さらに加工を行な 、誘電体層3の途中まで加工することにより 3に示すような上部電極層4の側面と誘電体 3の上面との交点と誘電体層3の側面と下部電 極層2との交点との間において、誘電体層3の 中に形成された段部が設けられた断面形状( 図5中a-b-c-d)とした。さらに誘電体層3を別の スクによってフォトリソグラフィ工程を施 て図5中c-d-e-fに示すような段部を形成した。 このとき第2領域のb-c-d面の表面粗さを低減し 、上部電極層4の端部が誘電体層の凹部を横 らないようにし、最終的な下部電極層2,誘電 体層3、上部電極層4の断面形状を図3のように 形成することができた。
 本実施例における第1領域と第2領域の表面 さを調べた。第1領域の表面粗さは、上部電 層4を構成するAuを剥離したときのBST膜(誘電 体層3)の表面の粗さとし、1.83nmであった。上 電極層4に被覆されていない誘電体層3(図3中 第2領域)の表面粗さRaは、0.25nmであり、第1領 よりも小さい表面粗さを得ることができた また、上部電極層4に被覆されていない誘電 体層3を第2領域へと加工する加工途中におけ 誘電体層3の表面粗さRaは0.36nmであった。こ ことから、ECRエッチング加工を進めること より、表面粗さを小さくできることを確認 た。なお、表面粗さは、AFM(Atomic Force Micros cope:デジタルインスツルメンツ社製、Dimension3 000)によりそれぞれ測定した。また、第1領域 び第2領域、加工途中の誘電体層3の上面をAF Mにより観察し、グレインバンダリーの状態 確認した。第1領域及び第2領域におけるAFM像 をそれぞれ図8、図10に示す。また、誘電体層 3の第2領域の加工途中に相当するAFM像を図9に 示す。この図から、第2領域は第1領域に比べ グレインバンダリーが不鮮明になっている とが確認できた。また、第1領域で確認でき た結晶粒の凹凸が、第2領域で確認できない とから、第2領域は第1領域に比べて結晶性が 低いことが推察された。さらに、加工を進め ることで、グレインバンダリーがより不鮮明 になっていくことを確認できた。
 次に、誘電体層3に含まれるArイオン量とし 、BST膜(誘電体層3)表面をXPS(X-ray Photo-electron  Spectroscopy:アルバックファイ社製、Quantum2000) 分析した。図7に、その結果を示す。Ar2pピー のナロースペクトルは242eVにある。第2領域 第1領域に含まれるAr量を比べると、そのピ ク強度から第2領域に含まれるAr量の方が多 なっていることを確認できた。このようにE CR装置により誘電体層3の表面を加工し、第2 域のArイオン量を第1領域にArイオン量よりも 多く含むようにエッチングすることができた 。
 次に、絶縁層5として、SiO 2 膜をTEOS(テトラエトキシシラン)ガスを原料と するCVD装置により成膜した。その膜上にフォ トレジスト層を加工した後、RIEにより所定の 形状にエッチングを行なった。
 次に、引出し電極層6として、NiおよびAuを パッタリング法にて順次積層して成膜し、 定の形状にパターニング加工を施した。
 最後に、保護層7,半田拡散防止層8,半田端子 9Aおよび9Bを順次形成した。保護層7にはポリ ミド樹脂を、半田拡散防止層8にはNiをそれ れ用いた。
 このようにして得られた本発明のコンデン において、下部電極層2および上部電極層4 側面形状を断面SEM(Scanning Electron Microscopy:走 査型電子顕微鏡)にて観察した結果、いずれ 層も上面が下面より小さく、上部電極層4に われていない第2領域のBST膜厚が、上部電極 層4に覆われている第1領域よりも薄くなって る段差部を有していることを確認した。
 このことにより、上部電極の端部からグレ ンバンダリーもしくは表面の凹部に生じる ーク電流を抑制し、誘電体段部における絶 破壊を低減させることができた。この効果 、特に直流と交流を同時に印加する高周波 途の可変容量コンデンサにおいて顕著にな と思われる。
 また、従来例の図11および図12に示すような 段差構造の場合の薄膜コンデンサについて絶 縁性の評価を行なったところ、誘電体段部に おける絶縁破壊が多くみられ、本発明の効果 を確認することができた。
 なお、上記の例では、誘電体層3の第1領域 び第2領域の結晶性,表面粗さ等を誘電体層3 上面(表面)からAFMにより測定したが、結晶性 については、薄膜X線回折により半値幅を測 して比較してもよい。
 また、上部電極層4の剥離により誘電体層3 表面状態が変化する恐れがある場合には、 ンデンサの断面観察を行ない、TEM(透過型電 顕微鏡)観察,電子線回折・反射電子回折に り測定してもよい。例えば、TEM観察により 定する場合には、結晶粒の大きさ(平均結晶 イズ)を確認するか、第2領域においてアモ ファス状態になっていることを確認すれば い。電子線回折や反射電子回折により判定 る場合には、回折パターンより単結晶,多結 ,アモルファス,その割合等を判断すればよ 。この場合は、例えば、図4のA-A’線でミク トームやFIB(集束イオンビーム)などで断面 作製すればよい。なお、第1領域と第2領域と を分けて断面を作製してもよい。さらに、測 定箇所は、第1領域,第2領域であれば特に場所 は限定されないが、平面視で上部電極層4の 部から互いに同距離離間した位置とすれば い。
 本発明は、その精神または主要な特徴から 脱することなく、他のいろいろな形態で実 できる。したがって、前述の実施形態はあ ゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範 は特許請求の範囲に示すものであって、明 書本文には何ら拘束されない。さらに、特 請求の範囲に属する変形や変更は全て本発 の範囲内のものである。