白川 彰彦 (〒56 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社 研究開発センター内 Chiba, 2670056, JP)
TOKITA, Koji (Corporate R & D Center 1-1, Ohnodai 1-chome, Midori-ku, Chiba-sh, Chiba 56, 2670056, JP)
昭和電工株式会社 (〒18 東京都港区芝大門一丁目13番9号 Tokyo, 1058518, JP)
SHIRAKAWA, Akihiko (Corporate R & D Center 1-1, Ohnodai 1-chome, Midori-ku, Chiba-sh, Chiba 56, 2670056, JP)
白川 彰彦 (〒56 千葉県千葉市緑区大野台1丁目1番1号 昭和電工株式会社 研究開発センター内 Chiba, 2670056, JP)
| 一方の電極である基体と、基体上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された他方の電極とを備えるコンデンサの製造方法であって、チタンまたはチタン合金からなる基体を、過酸化水素を含む3℃以下の温度の電解液中で陽極酸化することにより、基体上に誘電体層となる非晶質なチタン酸化物層を形成する工程と、 誘電体層上に他方の電極を形成する工程とを備えるコンデンサの製造方法。 |
| 電解液中の過酸化水素の濃度が、0.1質量%以上50質量%未満である請求項1に記載のコンデンサの製造方法。 |
| 電解液が、リン酸水溶液である請求項1または2に記載のコンデンサの製造方法。 |
| チタン合金が、チタンを70質量%以上含む合金である請求項1~3のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。 |
| 基体が、箔である請求項1~4のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。 |
| 箔の厚さが、5~300μmである請求項5に記載のコンデンサの製造方法。 |
| 他方の電極が、金属からなる請求項1~6のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。 |
| チタン酸化物層と絶縁体層とを積層する工程を含む請求項1~7のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。 |
| 請求項1~8のいずれかに記載のコンデンサの製造方法を用いて製造されるコンデンサ。 |
| 一方の電極である基体と、基体上に形成された誘電体層と、誘電体層上に形成された他方の電極とを備えるコンデンサであって、基体がチタンまたはチタン合金からなり、誘電体層が非晶質なチタン酸化物層を含むコンデンサ。 |
| 誘電体層が、非晶質なチタン酸化物層と絶縁体からなる層との積層体である請求項10に記載のコンデンサ。 |
| チタン酸化物層の屈折率が、632.8nmの波長において1.90~2.35である請求項9~11のいずれかに記載のコンデンサ。 |
| チタン酸化物層の比誘電率が、30~50である請求項9~12のいずれかに記載のコンデンサ。 |
| 測定周波数1kHzでの容量密度と絶縁破壊電圧との積が、200nF・V/cm 2 以上である請求項9~13のいずれかに記載のコンデンサ。 |
| 測定周波数1kHzでの誘電正接が、0.01以下である請求項9~14のいずれかに記載のコンデンサ。 |
| 測定周波数1MHzでの静電容量が、測定周波数100Hzでの静電容量の80%以上である請求項9~15のいずれかに記載のコンデンサ。 |
| 請求項9~15のいずれかに記載のコンデンサを含む配線板。 |
| 請求項9~15のいずれかに記載のコンデンサを含む電子機器。 |
| 請求項9~15のいずれかに記載のコンデンサを含むICカード。 |
本発明は、コンデンサの製造方法、コンデ
サ及びコンデンサを含む配線板、電子機器
びICカードに関し、特に、耐電圧が高く、
ーク電流の小さいコンデンサを製造できる
ンデンサの製造方法に関する。
本願は、2007年10月17日に日本に出願された
願2007-270433号に基づき優先権を主張し、その
内容をここに援用する。
従来から、電解コンデンサの誘電体とし 、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化 オブが用いられてきた。また、これらの酸 物よりも比誘電率の大きい二酸化チタンを 電体として用いるコンデンサ(以下、「チタ ンコンデンサ」と記すことがある)の研究が くから行われてきた。しかし、チタンコン ンサは、漏洩電流が大きいという問題があ ため、未だ実用化には至っていない。特に 今般望まれているGHz領域でのインピーダン 低減に有効な金属電極では、電解コンデン のように電解液や導電性高分子を陰極に用 たときに起こる電気漏洩部の修復(再酸化)が 期待できないため、漏洩電流が大きいことは 致命的である。
チタンコンデンサの漏洩電流を低減する試
としては以下のようなものがある。
例えば、特許文献1には、非水溶媒を電解液
として陽極酸化しているが、「非水溶液中で
化成したものを水溶液中に移すと忽ち悪化す
る」との記述がある。そのため、特許文献1
は記載されていないが、電気伝導率の低い
水溶媒を電解液として用いていることは明
かである。また、非水溶媒を電解液として
いているためか、漏洩電流は低いものの10kHz
での誘電正接は全て10%以上である。
また、特許文献2には、バナジウム、クロ ム、アルミニウムを含むチタン合金を用いる ことで、電気特性に優れた陽極酸化膜を得る 方法が示されている。しかし、誘電正接は1.5 %以上である。
また、特許文献3においては、チタンの陽 極酸化で得られたコンデンサは、タンタルや アルミに比べて2桁以上漏れ電流が大きいと べられている。さらに、特許文献3には、陽 酸化の前処理として硝酸溶液で不働態層を 成することで漏れ電流を低減する方法が示 れているが、得られた試料の誘電正接は1.5% 以上である。
また、特許文献3と同じ発明者が、特許文 献4で、チタンにタングステンまたはモリブ ンを添加することにより未添加の約1/2まで 洩電流が減少することを示している。しか 、漏れ電流が1/2に改良されても、実用的に まだ不十分である。
また、特許文献5には、亜硝酸ナトリウム の溶融塩に過酸化バリウムまたは過酸化スト ロンチウムを含有させ、280~350℃の温度で陽 酸化することにより、漏れ電流、損失を小 くできることが示されている。しかし、こ 時の誘電正接は2.8%以上である。
また、特許文献6には、チタンに20乃至30 子%のアルミニウムを含む合金を用いること 漏れ電流が減少することが示されている。 かし、特許文献6では、電気特性の測定が電 解液中で行われている。電解コンデンサは、 電解液や導電性高分子などの中で直流電圧を 印加すると、電気漏洩部が再陽極酸化されて 絶縁体化することが、一般に知られている( 復効果)。したがって、特許文献6の測定では 、修復効果により漏れ電流を小さくできたと 推測される。
また、特許文献7では、陽極酸化の条件及 びその後の熱処理を行うことで、誘電正接の 良好なコンデンサを得る方法が示されている 。特許文献7には、陽極酸化温度が低い方が ましいと記載されており、陽極酸化温度を5 とした場合の例が記載されている。しかし 特許文献7では、修復能を持つ電解液をコン デンサの陰極として用いてコンデンサの電気 特性を測定しているが、誘電正接が0.6%を超 ている。
また、非特許文献1には、チタン陽極酸化膜
の誘電率の陽極酸化温度依存性が示されてい
るが、温度と共に誘電率が小さくなり、303K(3
0℃)では比誘電率が26.2になっている。この誘
電率では大容量のコンデンサを作るのは難し
い。
本発明は、上記のチタンコンデンサに係る
題を解決して、耐電圧が高く、リーク電流
小さいコンデンサを製造できるコンデンサ
製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、耐電圧が高く、リーク電
の小さいコンデンサを提供することを目的
する。さらに、本発明のコンデンサを含む
線板及びICカードなどの電子機器を提供す
ことを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以
の発明を提供する。
(1) 一方の電極である基体と、基体上に形成
れた誘電体層と、誘電体層上に形成された
方の電極とを備えるコンデンサの製造方法
あって、チタンまたはチタン合金からなる
体を、過酸化水素を含む3℃以下の温度の電
解液中で陽極酸化することにより、基体上に
誘電体層となる非晶質なチタン酸化物層を形
成する工程と、誘電体層上に他方の電極を形
成する工程とを備えるコンデンサの製造方法
。
(2) 電解液中の過酸化水素の濃度が、0.1質量%
以上50質量%未満である(1)に記載のコンデンサ
の製造方法。
(3) 電解液が、リン酸水溶液である(1)または(
2)に記載のコンデンサの製造方法。
(4) チタン合金が、チタンを70%以上含む合金
ある(1)~(3)のいずれかに記載のコンデンサの
製造方法。
(5) 基体が、箔である(1)~(4)のいずれかに記載
のコンデンサの製造方法。
(6) 箔の厚さが、5~300μmである(5)に記載のコ
デンサの製造方法。
(7) 他方の電極が、金属からなる(1)~(6)のいず
れかに記載のコンデンサの製造方法。
(8) チタン酸化物層上に誘電体層となる絶縁
層をさらに積層する工程を含む(1)~(7)のいず
れかに記載のコンデンサの製造方法。
(9) (1)~(8)のいずれかに記載のコンデンサの製
造方法を用いて製造されるコンデンサ。
(10) 一方の電極である基体と、基体上に形成
された誘電体層と、誘電体層上に形成された
他方の電極とを備えるコンデンサであって、
基体がチタンまたはチタン合金からなり、誘
電体層が非晶質なチタン酸化物層を含むコン
デンサ。
(11) 誘電体層が、非晶質なチタン酸化物層と
絶縁体からなる層との積層体である(10)に記
のコンデンサ。
(12) チタン酸化物層の屈折率が、632.8nmの波
において1.90~2.35である(9)~(11)のいずれかに記
載のコンデンサ。
(13) チタン酸化物層の比誘電率が、30~50であ
(9)~(12)のいずれかに記載のコンデンサ。
(14) 測定周波数1kHzでの容量密度と絶縁破壊
圧との積が、200nF・V/cm 2
以上である(9)~(13)のいずれかに記載のコンデ
サ。
(15) 測定周波数1kHzでの誘電正接が、0.01以下
ある(9)~(14)のいずれかに記載のコンデンサ
(16) 測定周波数1MHzでの静電容量が、測定周
数100Hzでの静電容量の80%以上である(9)~(15)の
ずれかに記載のコンデンサ。
(17) (9)~(15)のいずれかに記載のコンデンサを
む配線板。
(18) (9)~(15)のいずれかに記載のコンデンサを
む電子機器。
(19) (9)~(15)のいずれかに記載のコンデンサを
むICカード。
本発明のコンデンサの製造方法は、チタン
たはチタン合金からなる基体を、過酸化水
を含む3℃以下の温度の電解液中で陽極酸化
することにより、基体上に誘電体層となる非
晶質なチタン酸化物層を形成する工程を備え
ているので、耐電圧が高く、リーク電流が小
さいコンデンサを容易に得ることができる。
また、本発明のコンデンサの製造方法によ
ば、基体の陽極酸化条件を調整することに
り、誘電体層となる非晶質なチタン酸化物
の厚さを容易に制御できる。
よって、本発明のコンデンサの製造方法に
れば、複雑で大掛かりな設備を用いること
く、耐電圧が高く、リーク電流が小さい、
望の厚さの誘電体層を有するコンデンサを
コストで製造できる。
また、本発明のコンデンサの製造方法によ
ば、リーク電流が小さいものが得られるの
、電極として、電解液、導電性高分子、カ
ボンペーストなどの自己修復可能なものを
いなくてもよく、自己修復可能な電極を備
るコンデンサを形成する場合と比較して、
型化できるとともに製造工程の簡略化がで
る。
1…基体、
2…誘電体層、
3…対電極(他方の電極)、
10…コンデンサ。
以下、本発明を詳細に説明する。
(コンデンサ)
図1は、本発明のコンデンサの一例を示した
概略断面図である。図1に示すコンデンサ10は
、一方の電極を兼ねる基体1と、基体1上に形
された誘電体層2と、誘電体層2上に形成さ
た対電極3(他方の電極)とを備えている。図1
示す本発明のコンデンサ10は、後述する本
明のコンデンサの製造方法を用いて製造さ
るものである。
コンデンサ10の厚さは、これを用いた電 機器の小型化や高機能化に容易に対応でき ように、できるだけ薄いことが望ましく、 体的には200μm以下とすることが望ましい。 た、コンデンサ10の厚さが100μm以下であると 、配線板内に容易に形成できるものとなるた め、さらに望ましい。
(基体)
基体1は、チタンまたはチタン合金からなる
ものである。チタン合金としては、後述する
陽極酸化により、表面に非晶質なチタン酸化
物層からなる誘電体層2を形成できるもので
ればよく、チタンを70質量%以上含有する合
が好ましく用いられ、具体的には、例えば
βチタン(チタン76質量%‐V15質量%‐Cr3質量%‐
Sn3質量%‐Al3質量%)などが挙げられる。
基体1の形状は、コンデンサ10の電極として
いることができる形状であればよく、例え
、板状や箔状のものなどを用いることがで
るが、箔であることが特に好ましい。
基体1が箔であると、コンデンサ10の小型・軽
量化が容易である。また、基体1の質量当た
の表面積が大きいほど誘電体層2の基体1に対
する割合が増加するので、基体1が箔である
高容量のコンデンサを得るために有利であ
。
基体1が箔である場合、箔の厚みは、5μm~300
mであることが好ましく、5μm~100μmであるこ
がより好ましく、5μm~30μmであることがさら
好ましい。箔の厚みが上記範囲を超えると
コンデンサ10の容積あたりの静電容量が小
くなる。また、箔の厚みが上記範囲未満で
ると、基体1のエッチングを行うと、箔が薄
なり取り扱いが難しくなる。
また、基体1として、表面が粗面化された ものや、表面および内部に細孔を有する基体 などを用いてもよい。この場合、基体1の質 当たりの表面積が大きいものとなり、高容 のコンデンサを得るために有利であるため 好ましい。
(誘電体層)
誘電体層2は、非晶質なチタン酸化物層から
なるものである。誘電体層2を構成するチタ
酸化物層をTEM(透過電子顕微鏡)で断面観察す
ると、結晶化の進んだドメインが視野内に見
られることはほとんどなく、非晶質となって
いる。また、誘電体層2を構成するチタン酸
物層の屈折率は、632.8nmの波長において1.90~2.
35であり、結晶性二酸化チタンの屈折率であ
2.56より小さい値である。このことから、誘
電体層2を構成するチタン酸化物は、結晶性
はなく、非晶質であることがわかる。また
誘電体層2を構成するこのようなチタン酸化
層の比誘電率は、通常、30~50である。
誘電体層2の厚みは、1nm~300nmの範囲とする ことが好ましい。誘電体層2の厚みは、薄く ると絶縁破壊の起こる電圧が低くなるが、 ンデンサの容量が増す。このため、誘電体 2の厚みは、コンデンサ10の耐電圧や容量密 の大きさなど、コンデンサ10に要求される性 能に応じて適宜決定される。
(対電極)
対電極3は、誘電体層2上に直接形成された
属からなるものであることが好ましい。
誘電体層2上に直接金属からなる対電極3を形
することで、高周波特性に優れたコンデン
10とすることができる。対電極3に用いられ
金属としては、銅、ニッケル、白金、パラ
ウム、アルミニウムなどが挙げられる。こ
らの金属の中でも、半田付けなどで取り扱
しやすい銅を用いることが最も好ましい。
電極3の厚みは、対電極3の材料などに応じ
決定することができ、特に限定されないが
例えば1~40μm程度とすることができる。
なお、本実施形態のコンデンサ10は、リー
電流の小さいものであるため、対電極とし
、必ずしも電解液や導電性高分子などの誘
体層2の自己修復可能なものを用いなくても
い。
(コンデンサ特性)
図1に示す本実施形態のコンデンサ10は、通
、測定周波数1kHzでの容量密度と絶縁破壊電
圧との積が200nF・V/cm 2
以上(例えば直流電圧印加時の絶縁破壊電圧
2Vであれば、容量密度100nF/cm 2
以上)である。また、本実施形態のコンデン
10は、通常、測定周波数1kHzでの誘電正接(tan
)が0.01以下であり、測定周波数1MHzでの静電
量が測定周波数100Hzでの静電容量の80%以上で
ある。
(コンデンサの製造方法)
次に、本実施形態のコンデンサの製造方法
その一例を挙げて詳しく説明する。
図1に示す本実施形態のコンデンサ10を製造
るには、まず、チタンまたはチタン合金か
なる基体1の表面層を、例えば1μm以上エッ
ング除去する前処理工程を行って、基体1の
面から自然酸化膜や汚れ、傷などを除去し
おくことが好ましい。前処理工程における
ッチング方法としては、フッ酸などによる
学エッチングや電解エッチングなどを用い
ことができる。また、高容量のコンデンサ1
0を得るために、前処理工程におけるエッチ
グ条件を適宜選択することにより、基体1の
面に凹凸を形成して、基体1の表面積を増大
させてもよい。
次に、上述した前処理工程の終了した基体1
(適当な大きさに切り出してもよい)を陽極酸
することにより、基体1上に非晶質なチタン
酸化物層からなる誘電体層2を形成する。
基体1の陽極酸化を行なう際には、基体1に
する電解液の浸漬液面レベルの変動による
響を避けるために、基体1の電解液の液面と
する位置にマスキング材を塗布してから行
うことが望ましい。マスキング材としては
例えば、一般的な耐熱性樹脂、好ましくは
剤に可溶あるいは膨潤しうる耐熱性樹脂ま
はその前駆体、無機質微粉とセルロース系
脂からなる組成物(例えば、特開平11-80596号
報参照)などが挙げられる。
次に、基体1の片面に、陽極酸化されない ようにマスキングテープを貼付する。そして 、基体1のマスキングテープの張られていな 側の面を陰極と正対させて電解液中に浸漬 、基体1を陽極として所定の電圧・電流密度 化成を行うことにより陽極酸化する。
(電解液)
基体1の陽極酸化に用いられる電解液は、過
酸化水素及び電解質を含むものである。電解
液中の過酸化水素の濃度は、0.1質量%以上50質
量%未満となるように維持することが好まし
、0.1質量%~40質量%となるように維持すること
がより好ましく、0.2質量%~20質量%となるよう
維持することが更に好ましい。電解液中の
酸化水素の濃度が上記範囲以上であっても
記範囲未満であっても、測定周波数1kHzでの
誘電正接(tanδ)が0.01以下であるコンデンサ10
得られない場合がある。
過酸化水素の作用機構の詳細は不明である
、チタンイオンとペルオキソ錯体を形成す
ことでチタン化合物が陽極上に再析出する
とを抑止する効果や、陽極上でも一部発生
るといわれている水素ガスが気泡を作って
体1の陽極酸化に悪影響を与えることを防ぐ
減極剤としての効果、基体1の陽極酸化を助
る酸化剤としての効果のうちの一つあるい
二つ以上の機能があると考えられる。
電解液中に含まれる電解質としては、例 ば、酸及び/またはその塩などが挙げられる 。具体的には、電解質として、リン酸、硫酸 、蓚酸、ホウ酸、アジピン酸及びそれらの塩 などが挙げられる。特に、電解質としてリン 酸及びその塩の少なくとも一種を含むリン酸 水溶液を電解液として用いると、陽極酸化に よって得られるチタン酸化物層の抵抗がより 高くなるため好ましい。この理由は、基体1 陽極酸化時に陽極酸化膜中に取り込まれた ンが、陽極酸化膜の結晶化を妨げるためと 測される。また、電解質として、リン酸な の酸化されにくい無機化合物を用いた場合 は、電解液中における過酸化水素の濃度低 が緩やかとなるため好ましい。
また、電解液には、凍結防止剤が含まれ いても良い。凍結防止剤は、陽極酸化時に 解液が凍結しない程度に、できるだけ少な 量を添加することが好ましい。凍結防止剤 しては、エチレングリコール、イソプロパ ール、エタノール、ジエチレングリコール どが挙げられる。
(電解液温度)
陽極酸化中における電解液の温度は3℃以下
とし、0℃以下とすることが好ましい。電解
の温度が3℃を超えると、チタン酸化物層の
晶化が生じやすくなる。より詳細には、電
液の温度が3℃を超えると、陽極酸化によっ
て得られるチタン酸化物層の屈折率が2.35を
える場合がある。電解液の温度を3℃以下と
ることで、安定して非晶質のチタン酸化物
を形成できる。また、電解液の温度が0℃を
超えると、基体1上に電解液の分解に起因す
と思われる泡が発生し、チタン酸化物層の
成に関与しない電流が観察されるようにな
。このため、電解液の温度は0℃以下とする
とがより好ましい。さらに、電解液の温度
-10℃以下とした場合、電解液の温度を変化
せても、陽極酸化によって得られるチタン
化物層の特性に大きな差は見られない。し
し、電解液の温度を-30℃以下の低い温度と
た場合、電解液の凍結を防ぐために添加さ
るエチレングリコールなどの凍結防止剤の
加量が大量となる。このため、電解液の温
を-30℃以下とした場合には、電解液の抵抗
が高くなり、陽極酸化を行なう際の電流密
が低く制限されてしまう。従って電解液の
度は-30℃以上とすることが好ましい。
本実施形態における陽極酸化は、上記の電 液を用いて上記の電解液温度で、例えば、 流密度0.1mA/cm 2 ~1000mA/cm 2 、電圧2V~400V、時間1msec~400分の条件で基体を 極として定電流で陽極酸化を行い、規定電 に達した後に定電圧で陽極酸化を行う方法 よって行なわれる。なお、陽極酸化は、電 密度が0.1mA/cm 2 ~100mA/cm 2 で、電圧が5V~90V、時間が1秒~300分である条件 行なうことがより望ましい。
なお、陽極酸化によって得られるチタン 化物層の厚さは、使用する基体1の材質や陽 極酸化時の印加電圧などの上記の陽極酸化条 件と相関関係がある。したがって、上記の陽 極酸化条件を調整することにより、チタン酸 化物層の厚さを適宜調整することができる。
陽極酸化による非晶質なチタン酸化物層 らなる誘電体層2の形成が終了した基体1は 洗浄による電解液の除去がなされた後、乾 される。その後、マスキングテープを剥離 て、誘電体層2上に対電極3を形成する。対電 極3は、真空蒸着法などにより、銅などの金 膜を成膜することによって得られる。この うにして対電極3を形成することで、図1に示 すコンデンサ10が得られる。
本実施形態のコンデンサ10の製造方法は チタンまたはチタン合金からなる基体1を、 酸化水素を含む3℃以下の温度の電解液中で 陽極酸化することにより、基体1上に誘電体 2となる非晶質なチタン酸化物層を形成する 程を備えているので、耐電圧が高く、リー 電流が小さいコンデンサ10を容易に得るこ ができる。
また、本実施形態のコンデンサ10の製造方
において、電解液中の過酸化水素の濃度を0.
1質量%以上50質量%未満となるように維持した
合、電解液が過酸化水素を含むことによる
果が効果的に得られる。
また、本実施形態のコンデンサ10の製造方
において、基体1がチタン合金からなるもの
ある場合、チタン合金がチタンを70質量%以
含む合金であると、陽極酸化により、基体1
の表面に非晶質なチタン酸化物層からなる誘
電体層2を容易に形成できる。
また、本実施形態のコンデンサ10は、上述
た本実施形態のコンデンサ10の製造方法によ
って製造されたものであり、一方の電極であ
る基体1と、基体1上に形成された誘電体層2と
、誘電体層2上に形成された対電極3とを備え
誘電体層2が非晶質なチタン酸化物層からな
るものであるので、耐電圧が高く、リーク電
流が小さいものとなる。
また、誘電体層2を構成するチタン酸化物層
を、比誘電率が30~50である比誘電率の大きな
のとすることで、高い容量密度を有するコ
デンサ10とすることができる。
また、本実施形態のコンデンサ10の製造方
によれば、測定周波数1kHzでの容量密度と絶
破壊電圧との積が200nF・V/cm 2
以上である高品質なコンデンサ10を容易に得
ことができる。
また、本実施形態のコンデンサ10の製造方
によれば、測定周波数1kHzでの誘電正接(tanδ)
が0.01以下である誘電正接の小さい高品質な
ンデンサ10を容易に得ることができる。
また、本実施形態のコンデンサ10の製造 法によれば、測定周波数1MHzでの静電容量が 測定周波数100Hzでの静電容量の80%以上であ コンデンサ10を容易に得ることができる。ま た、本実施形態のコンデンサ10は、測定周波 1MHzでの静電容量が測定周波数100Hzでの静電 量の80%以上という周波数依存性の小さいも であるので、配線板や高周波モジュールな の電子機器に好適に用いることができる。
また、本実施形態のコンデンサ10の製造 法によれば、厚みの十分に薄い誘電体層2を 成することができる。このことにより、静 容量の高いコンデンサ10とすることができ 、コンデンサ10の小型化に寄与できる、配線 板内などに容易に形成できるなどの効果が得 られる。
(他の例)
なお、本発明は、上述した実施形態に限定
れるものではない。
例えば、図1に示すコンデンサ10では、誘電
層2を非晶質なチタン酸化物層からなるもの
としたが、誘電体層は非晶質なチタン酸化物
層を含むものであればよく、例えば、誘電体
層は、非晶質なチタン酸化物層と絶縁体層と
が積層された積層体からなるものであっても
よい。
このような積層体としては、例えば、チタ
酸化物層上に、チタン酸バリウムなどのペ
ブスカイト結晶を有する複合酸化合物層な
の絶縁体からなる層をさらに積層したもの
することができる。このような複合酸化合
層をチタン酸化物層上に形成する方法とし
は、例えば、チタン酸化物層に、Ca、Sr及び
Baから選択される少なくとも一種の金属イオ
を含むpH11以上の水溶液を80℃~沸点の温度範
囲で反応させる方法などが挙げられる。コン
デンサを構成する誘電体層をこのような積層
体とすることで、より一層耐電圧が高く、リ
ーク電流が小さいコンデンサが得られる。
また、図2は、本発明のコンデンサの他の例
を示した概略断面図である。図2に示すコン
ンサ20は、図1に示すコンデンサ10を並列にな
るように積層することで容量を大きくしたも
のである。
また、図3は、本発明のコンデンサの他の例
を示した概略断面図である。図3に示すコン
ンサ30は、図1に示すコンデンサ10と同様に、
一方の電極を兼ねる基体1aと、基体1a上に形
された誘電体層2aと、誘電体層2a上に形成さ
た対電極3a(他方の電極)とを備えている。図
3に示すように、一方の電極を共通電極とし
他方の電極を分割することでコンデンサ30を
直列に形成することが出来る。
(用途)
本発明のコンデンサは、配線板、電子機器
、特にICカードや携帯電話機をはじめとす
携帯型電子機器の部品として好適に用いる
とができる。なお、コンデンサの配線板や
子機器への実装自体は常法によることがで
る。
本発明のコンデンサは、薄くすることがで
るので、特に、基板内のコンデンサなどの
子部品として好適に用いることができ、電
部品の小型化、さらにはこれらの電子部品
含む電子機器の小型化、軽量化が可能とな
。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を
体的に説明するが、本発明はこれらの実施
のみに限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示すTi含量の基体である厚み50μmの矩
のJIS1種純チタン箔(株式会社サンクメタル製
)を、厚さが40μmになるまでフッ酸でエッチン
グした(前処理工程)。
次に、前処理工程の終了した基体の片面に
マスキングテープ(エレップマスキングN380:
東電工株式会社製)を貼付した。次いで、基
体の一辺を陽極酸化のための電極端子に固定
した。
その後、基体の固定された辺と反対側の辺 先端から10cm 2 までの部分を、表1に示す電解液温度(℃)およ び電解液組成の電解液中で、表1に示す電流 度(mA/cm 2 )で表1に示す陽極酸化電圧(V)に達するまで定 流で陽極酸化を行った。さらに、表1に示す 陽極酸化電圧(V)に到達後、陽極酸化開始から 10分経過するまで、定電圧で陽極酸化処理を なうことによりチタン酸化物層を形成した
表1において、電解液組成に記載の組成比 は各化合物の質量比である。
次に、チタン酸化物層の形成された基体を
水を用いて洗浄し、乾燥した。
そして、得られたチタン酸化物層の表面をS
EM(走査電子顕微鏡)で観察した。その結果を
図4に示す。図4は、チタン酸化物層の表面の
SEM写真である。図4に示すように、実施例1の
タン酸化物層の表面は平滑であった。
(チタン酸化物層の膜厚)
また、チタン酸化物層の形成された基体を
FIB(集束イオンビーム)装置で切り出し、基
の断面構造をTEM(透過電子顕微鏡)で観察して
、チタン酸化物層の厚みを測定した。その結
果を、図5に示す。図5は、チタン酸化物層の
面のTEM写真である。
図5に示す実施例1のチタン酸化物層(陽極酸化
層)の膜厚を表2に示す。
また、図5に示すように、実施例1のチタン
化物層には、結晶化の進んだドメインが見
れず、非晶質となっていることが確認でき
。
また、TEMに付随されているEDS(エネルギー 分散型X線分光装置)を用いて、基体上に形成 れたチタン酸化物層の構成元素を調べた。 の結果を、図6に示す。図6は、チタン酸化 層のEDS分析結果を示したグラフである。図6 おいて、横軸はエネルギーを示し、縦軸は 度(カウント)を示す。図6より、実施例1のチ タン酸化物層は、チタンと酸素を主成分とし 、チタン酸化物層中に少量のリンが取り込ま れているものであることが確認できた。
(屈折率)
また、基体上に形成されたチタン酸化物層
波長632.8nmでの屈折率をDHA‐XA型エリプソメ
ター(商品名株式会社:溝尻光学工業所製)を
いて測定した。その結果表2に示すように、
チタン酸化物層の屈折率は、2.20であった。
(密度)
また、100V以下の電圧でチタンを陽極酸化し
た時に一般に得られるアナターゼ(結晶性二
化チタン)の密度である3.9g/cm 3
と屈折率である2.56とを用い、Lorentz‐Lorenzの
より、実施例1のチタン酸化物層の密度を計
算した。その結果、実施例1のチタン酸化物
の密度は3.4g/cm 3
に相当するものであった。
次に、基体からマスキングテープを剥離 て、縦30mm、横30mmの大きさの試料を切り出 た。そして、この試料のチタン酸化物層の 成されている面に、開口部を有するマスク 成した。その後、電子線蒸着法により開口 内に厚さ400nmの銅を積層して縦10mm、横10mmの 電極を形成することで、対電極を陰極、基 を陽極とするコンデンサを得た。このよう して得られた実施例1のコンデンサ全体の厚 さは41μmであった。
(容量密度)
実施例1のコンデンサの静電容量を、LFイン
ーダンスアナライザ4192A型(アジレントテク
ロジー株式会社製)を用い、測定周波数1kHz
振幅1Vの条件で測定した。その結果、実施例
1のコンデンサの静電容量は、206nFと大きな値
であった。ここで、電極面積が1cm 2
であるので、実施例1のコンデンサの容量密
は、表2に示
すように206nF/cm 2
となる。
(比誘電率)
また、静電容量とチタン酸化物層の膜厚か
実施例1のコンデンサを構成するチタン酸化
物層の比誘電率を計算した。
(誘電正接(tanδ))
また、実施例1のコンデンサの測定周波数1kH
zでの誘電正接(tanδ)を求めた。
(直流抵抗)
また、実施例1のコンデンサと1Mωの抵抗と
直列に接続し、コンデンサ及び1Mωの抵抗に1
Vの直流電圧を印加し、印加して30秒経過後に
1Mωの抵抗の両端にかかっている電圧を測定
た。ここで得られた電圧の値からコンデン
の直流抵抗を算出した。
(絶縁破壊電圧)
また、以下に示す方法により、実施例1のコ
ンデンサ絶縁破壊電圧(耐電圧)を求めた。ま
、直流抵抗測定と同じ測定回路を用いて、
流印加電圧を1Vから0.1Vずつ高めていき、各
圧で30秒電圧を印加した後に印加電圧を1Vに
戻し、30秒経過後の直流抵抗を測定した。そ
て、30秒経過後の直流抵抗が1Mωより小さく
ったとき、その印加電圧を絶縁破壊電圧と
た。
(C(1MHz)/C(100Hz))
実施例1のコンデンサを縦100mm、横100mmの2枚
フレキシブル銅張積層板に挟み込んでラミ
ートし、LFインピーダンスアナライザ4192A型
(アジレントテクノロジー株式会社製)を用い
、室温で測定周波数100Hz、1kHz、1MHzで静電容
量を測定した。その結果、実施例1のコンデ
サの静電容量は、測定周波数100Hzで208nF、1kHz
で207nF、1MHzで204nFであった。
また、実施例1のコンデンサを縦100mm、横100m
mの2枚のフレキシブル銅張積層板に挟み込ん
ラミネートしたものを用い、温度を-55~+125
まで連続的に変化させながら測定周波数1kHz
、上記と同様のLFインピーダンスアナライ
を用いて静電容量を測定した。この温度範
内における1kHzでの静電容量は、最小204nF、
大209nFであった。このことより、静電容量の
温度に対する依存性が極めて低いことが分か
った。
また、実施例1のコンデンサを縦100mm、横100m
mの2枚のフレキシブル銅張積層板に挟み込ん
ラミネートしたものを用い、コンデンサの
体が正電位になるようにフレキシブル銅張
層板を介して直流バイアス電圧を1.5V印加し
たまま、測定周波数1kHzで、上記と同様のLFイ
ンピーダンスアナライザを用いて静電容量を
測定した。
その結果、実施例1のコンデンサの静電容量
、204nFであった。このことより、静電容量の
バイアス電圧に対する依存性が極めて低いこ
とが分かった。
このようにして得られた実施例1のコンデ ンサのチタン酸化物層の比誘電率、誘電正接 (tanδ)、直流抵抗、絶縁破壊電圧、測定周波 1kHzでの容量密度と絶縁破壊電圧との積、測 周波数1MHzでの静電容量と測定周波数100Hzで 静電容量との比(C(1MHz)/C(100Hz))を表2に示す。
(実施例2~4、比較例1~4)
電解液温度を表1に示す温度にしたこと以外
は実施例1と同様にしてチタン酸化物層を形
し、実施例1と同様にしてチタン酸化物層の
厚および屈折率を求めた。その結果を表2に
示す。また、チタン酸化物層の形成された基
体を用い、実施例1と同様にしてコンデンサ
形成し、実施例1と同様にして表2に示すコン
デンサの特性を調べた。その結果を表2に示
。
(実施例5~8、19、20)
電解液組成を表1に示す組成としたこと以外
は実施例1と同様にしてチタン酸化物層を形
し、実施例1と同様にしてチタン酸化物層の
厚および屈折率を求めた。その結果を表2に
示す。また、チタン酸化物層の形成された基
体を用い、実施例1と同様にしてコンデンサ
形成し、実施例1と同様にして表2に示すコン
デンサの特性を調べた。その結果を表2に示
。
(実施例9)
基体として、厚み50μmのAMS4914材料(チタン76%
‐V15%‐Cr3%‐Sn3%‐Al3%)からなる箔を用いたこ
以外は実施例1と同様にしてチタン酸化物層
を形成し、実施例1と同様にしてチタン酸化
層の膜厚および屈折率を求めた。その結果
表2に示す。また、チタン酸化物層の形成さ
た基体を用い、実施例1と同様にしてコンデ
ンサを形成し、実施例1と同様にして表2に示
コンデンサの特性を調べた。その結果を表2
に示す。
(実施例10~13)
陽極酸化電圧を表1に示す電圧としたこと以
外は実施例1と同様にしてチタン酸化物層を
成し、実施例1と同様にしてチタン酸化物層
膜厚および屈折率を求めた。その結果を表2
に示す。また、チタン酸化物層の形成された
基体を用い、実施例1と同様にしてコンデン
を形成し、実施例1と同様にして表2に示すコ
ンデンサの特性を調べた。その結果を表2に
す。
(実施例14)
電解液に含まれるリン酸に代えて、同じ重
のアジピン酸アンモニウムを用いたこと以
は実施例1と同様にしてチタン酸化物層を形
成し、実施例1と同様にしてチタン酸化物層
膜厚および屈折率を求めた。その結果を表2
示す。また、チタン酸化物層の形成された
体を用い、実施例1と同様にしてコンデンサ
を形成し、実施例1と同様にして表2に示すコ
デンサの特性を調べた。その結果を表2に示
す。
(実施例15)
電解液に含まれるリン酸に代えて、同じ重
の硫酸を用いたこと以外は実施例1と同様に
してチタン酸化物層を形成し、実施例1と同
にしてチタン酸化物層の膜厚および屈折率
求めた。その結果を表2に示す。また、チタ
酸化物層の形成された基体を用い、実施例1
と同様にしてコンデンサを形成し、実施例1
同様にして表2に示すコンデンサの特性を調
た。その結果を表2に示す。
(実施例16~18)
電流密度を表1に示す電流密度としたこと以
外は実施例1と同様にしてチタン酸化物層を
成した。なお、実施例16の電流密度では、実
施例1と同じ時間では60Vに到達しなかったた
、実施例16では陽極酸化時間を60分とした。
の他は、実施例1と同様にしてチタン酸化物
層を形成し、チタン酸化物層の膜厚および屈
折率を求めた。その結果を表2に示す。また
チタン酸化物層の形成された基体を用い、
施例1と同様にしてコンデンサを形成し、実
例1と同様にして表2に示すコンデンサの特
を調べた。その結果を表2に示す。
(比較例5)
縦15mm、横15mm、厚さ50μmの白金箔を基板とし
て用意し、基板とスパッタリングターゲット
との距離が50mmになるように、基板とスパッ
リングターゲットとをスパッタリング装置
チャンバ内に設置した。スパッタリング装
としては、SPF-332H(日電アネルバ株式会社製)
用いた。また、スパッタリングターゲット
して、直径76mm厚さ5mmの大きさのルチル型結
晶構造を有する二酸化チタンを使用した。
そして、チャンバ内を圧力が2×10 -4
Paになるまで基板加熱を行わずに減圧し、チ
ンバ内の圧力が1×10 -2
Paになるまで酸素を導入した後、チャンバ内
圧力が2×10 -1
Paになるまでアルゴンを導入した。その後、R
F電力を200Wに設定して、スパッタリングター
ットをスパッタし、基板上に表2に示す膜厚
の二酸化チタン膜を形成した。
その後、二酸化チタン膜の形成された基板
チャンバから取り出して、実施例1と同様に
して、二酸化チタン膜の屈折率を測定した。
その結果を表2に示す。
また、チタン酸化物層の形成された基体 用い、銅の厚さを200nmとしたこと以外は実 例1と同様にしてコンデンサを形成し、実施 1と同様にして表2に示すコンデンサの特性 調べた。その結果を表2に示す。
表2より、実施例1~実施例20はいずれもチタ
酸化物層の屈折率が、632.8nmの波長において1
.90~2.35であり、チタン酸化物層を構成するチ
ン酸化物が、非晶質であることが確認でき
。また、実施例1~実施例20はいずれもチタン
酸化物層の比誘電率が30~50、測定周波数1kHzで
の容量密度と絶縁破壊電圧との積が200nF・V/cm
2
以上であった。
また、実施例1~実施例20はいずれも(C(1MHz)/C(1
00Hz)が80%以上であり、周波数依存性が小さか
た。
また、電解液中の過酸化水素の濃度が0.1~40
量%である実施例1~実施例18では、測定周波
1kHzでの誘電正接(tanδ)が0.01以下であるコン
ンサ10が得られた。
これに対し、比較例1~比較例4は、電解液 度が3℃を超えているので、チタン酸化物層 の屈折率が、632.8nmの波長において2.35を超え いた。
本発明は、コンデンサの製造方法、コン ンサ及びコンデンサを含む配線板、電子機 及びICカード、特に、耐電圧が高く、リー 電流の小さいコンデンサを製造できるコン ンサの製造方法に適用できる。
