河野 貴典 (〒11 大阪府大阪市西淀川区竹島5丁目7番12号 東洋炭素株式会社内 Osaka, 5550011, JP)
TAO, Rie (7-12, Takeshima 5-chome, Nishiyodogawa-ku, Osaka-sh, Osaka 11, 5550011, JP)
東洋炭素株式会社 (〒01 大阪府大阪市北区梅田3丁目3番10号梅田ダイビル10階 Osaka, 5300001, JP)
KAWANO, Takanori (7-12, Takeshima 5-chome, Nishiyodogawa-ku, Osaka-sh, Osaka 11, 5550011, JP)
河野 貴典 (〒11 大阪府大阪市西淀川区竹島5丁目7番12号 東洋炭素株式会社内 Osaka, 5550011, JP)
| 炭素質又は黒鉛質の基材と、 前記基材表面に形成されており、ダイヤモンド粒子の一部分が前記基材に埋設された前記ダイヤモンド粒子を含有している緩衝層と、 前記緩衝層上に形成された導電性ダイヤモンド層と、を備えていることを特徴とする炭素材料。 |
| 前記ダイヤモンド粒子は、結晶性を有していると共にX線回折において0.357nm以下の格子定数を有していることを特徴とする請求項1に記載の炭素材料。 |
| 前記ダイヤモンド粒子の粒子径が、100μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素材料。 |
| 前記ダイヤモンド粒子の粒子径が、10μm以下の粒子径であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素材料。 |
| 炭素質又は黒鉛質の基材と、 前記基材表面に形成されており、金属炭化物を含有している緩衝層と、 前記緩衝層上に形成された導電性ダイヤモンド層とを備えており、 前記金属炭化物の金属が、炭素と反応して金属炭化物を形成し且つ固溶した炭素に対して触媒黒鉛作用を生じさせない金属であることを特徴とする炭素材料。 |
| ダイヤモンド粒子の一部分を炭素質又は黒鉛質からなる基材表面に埋設して前記ダイヤモンド粒子を含有した緩衝層を前記基材表面に形成する緩衝層形成工程と、 前記緩衝層上に導電性ダイヤモンド層を形成する導電性ダイヤモンド層形成工程とを有していることを特徴とする炭素材料の製造方法。 |
| 前記導電性ダイヤモンド層形成工程において、前記導電性ダイヤモンド層が気相成長法により形成されることを特徴とする請求項6に記載の炭素材料の製造方法。 |
| 前記気相成長法は、炭素源ガス中に、窒素、ホウ素及びリンからなる群から選ばれた少なくとも1つの導電性付与元素を50000ppm以下含むガスにより行われることを特徴とする請求項7に記載の炭素材料の製造方法。 |
本発明は、切削工具、電極材料、放熱材 等多岐に渡る分野で用いられるダイヤモン を炭素質又は黒鉛質の基材へ被覆した炭素 料に関する。
ダイヤモンドはその強度、熱伝導率、耐 品性等において有意義な特性を有し、それ の物性を発揮した工業材料を主とした応用 開へのポテンシャルが非常に高い材料であ 。CVDダイヤモンドはその成膜手法の発見よ 久しく、既に工業用途として主に切削、研 加工用を始めとして、(電子回路部品の)放 基板や(過酷環境で働く)センサー、光学窓材 、(素粒子物理学実験の)検出器、スピーカー 振動板など多岐にわたる分野で活躍してお 、今後さらに用途は拡大することが期待さ ている。
工業用途におけるダイヤモンドの作製手 は大きく2種に分けられ、一つはダイヤモン ドの原料となる黒鉛に対して高温高圧を与え ることにより、黒鉛からダイヤモンドへと転 化する、自然界におけるダイヤモンドの生成 を模した手法である静的高圧合成法であり、 もう一つはダイヤモンドの構成元素である炭 素由来の原料をガス状態にし、電磁波若しく は発熱体を介した励起、分解を始めとする化 学反応を経験し、基板上にダイヤモンドとし て再構築する手法である気相法とに分けられ る。
気相法における代表的な手法を挙げると プラズマCVD(Plasma-assisted Chemical Vapor Depositi on)法、および熱フィラメントCVD(HFCVD:Hot Filame nt Chemical Vapor Deposition)法、並びに燃焼炎(Cha mber flame)法が挙げられるが、何れの手法も気 相空間での分子の分解・励起手段がプラズマ 中での電子、イオン、ラジカル種、または発 熱体、もしくは熱エネルギーによるものであ りエネルギーの与え方が異なる。
同手法で合成されるダイヤモンドは膜状 態を表現し、被覆材の表面形状を転写した でダイヤモンドが得られる。また、原料と るガス種を選定することによりホウ素やリ 、窒素などの不純物を膜中に含有(ドーピン グ)することが可能であり、これらの元素を 入した膜は、電気的に半導体的挙動を示し 含有量の増加に伴いやがて導体へと性質を える。
しかしながら、各種基材上にCVDダイヤモ ドを成膜する際に、基材とCVDダイヤモンド の間には熱膨張係数差が問題として取り上 られ、成膜対象である基材とCVDダイヤモン との間に過度の熱膨張係数差が存在した場 、成膜調製後の温度を下げる工程で膜は基 に対して圧縮、若しくは引っ張り方向に対 て応力を受け剥離に至る。
従来、この問題を解決する手段として、C VDダイヤモンド膜と基材との間の付着力を挙 る工夫として、基材表面を粗化することに り、ダイヤモンド膜に対して機械的なアン リングを行い保持する手法などが検討され きた。例えば、CVD法によって基材上にダイ モンド膜を形成する方法として、下記特許 献1に記載の、ブラスト処理により基材表面 を粗化して発生した凹凸の上にCVD法による膜 を形成する方法が行われている。この方法に より、凹凸面を転写した形で膜が形成され、 接触面積を増やすと同時に基材が膜に対して 楔を打つ形で固定(アンカリング)し、膜と基 間の付着力を高める。この方法による処理 、膜と基材の熱膨張係数差による膜の伸縮 原因とした剥離や、クラックの発生の防止 望むことが出来、非常に有用な表面処理手 として実践されている。
しかしながら、上述の従来の方法で製造 れた材料には、原料ガスによりエッチング れる基材の存在など、アンカリングのみで 解決し得ない問題が存在する。具体的には 膜との熱膨張係数があまりにもかけ離れた 材や、CVDダイヤモンドを成膜する際の炉内 囲気である、水素による還元雰囲気に対し 弱い材料を用いた場合、アンカリングの効 を上回る力の応力が生じたり、形成した凹 が優先的にエッチングされたりする等の不 合により、形成された膜が剥離したりする とがあった。
本発明は上記問題を解決する為に成され ものであり、ダイヤモンドが基材に対して 定して付着する成膜方法及びダイヤモンド 基材に安定して付着した材料を提供するこ を目的としている。
本発明の炭素材料は、炭素質又は黒鉛質 基材と、前記基材表面に形成されており、 イヤモンド粒子の一部分が前記基材に埋設 れた前記ダイヤモンド粒子を含有している 衝層と、前記緩衝層上に形成された導電性 イヤモンド層と、を備えている。また、別 観点として、本発明の炭素材料は、炭素質 は黒鉛質の基材と、前記基材表面に形成さ ており、金属炭化物を含有している緩衝層 、前記緩衝層上に形成された導電性ダイヤ ンド層とを備えており、前記金属炭化物の 属が、炭素と反応して金属炭化物を形成し つ固溶した炭素に対して触媒黒鉛作用を生 させない金属である。
本発明によると、緩衝層を介して導電性 イヤモンド層が形成されている。これによ て、基材とその上に形成された導電性ダイ モンド層とが化学結合を有した状態で付着 る為、従来よりも強固な付着力を発揮し、 電性ダイヤモンド膜が基材に安定して付着 る。
また、前記ダイヤモンド粒子は、結晶性を していると共にX線回折において0.357nm以下 格子定数を有していることが好ましい。特 、格子定数が0.3568nm以下が好ましい。また、 Raman分光測定に於けるダイヤモンド格子振動 起因するピークの半価幅が50cm -1 以下であるダイヤモンド粒子を用いることが 好ましい。これによって、より強固な付着力 が発揮され、導電性ダイヤモンド層を基材に より安定して付着させることができる。なお 、格子定数が0.357nmより大きい結晶格子やピ クの半価幅が50cm -1 より大きい半価幅を有した結晶性を有するダ イヤモンド粒子を用いた場合、緩衝層とダイ ヤモンド層との界面で欠陥が発生しやすくな り、層間の付着力の低下の原因とになりやす い。
また、前記ダイヤモンド粒子の粒子径が 100μm以下であることが好ましい。これによ 、緩衝層が基材により強固に付着する。100 mよりも大きい粒径のダイヤモンド粒子を用 た場合、緩衝層が基材から剥離しやすくな 。なお、前記ダイヤモンド粒子の粒子径は 特に、10μmであることが好ましい。
本発明の炭素材料の製造方法は、ダイヤ ンド粒子の一部分を炭素質又は黒鉛質から る基材表面に埋設して前記ダイヤモンド粒 を含有した緩衝層を前記基材表面に形成す 緩衝層形成工程と、前記緩衝層上に導電性 イヤモンド層を形成する導電性ダイヤモン 層形成工程とを有している。これによって 導電性ダイヤモンド層を基材に安定して付 させることができる。
また、前記導電性ダイヤモンド層形成工 において、前記導電性ダイヤモンドが気相 長法により形成されることが好ましい。特 、前記気相成長法は、炭素源ガス中に、窒 、ホウ素及びリンからなる群から選ばれた なくとも1つの導電性付与元素を50000ppm以下 むガスにより行われることが好ましい。こ によって、導電性ダイヤモンド層を基材に り安定して付着させることができる。
本発明によると、ダイヤモンド膜を基材 安定して付着させることができるとともに ダイヤモンド膜が基材に安定して付着した 素質材料を製造できる。
1,21 基材
2,22 緩衝層
3,23 導電性ダイヤモンド層
4 ダイヤモンド粒子
10,20 炭素材料
以下、本発明の好適な実施の形態につい 、図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
ここでは、本発明に係る炭素材料の第一実
形態に関して説明する。図1は、本発明の第
一実施形態による炭素材料の断面模式図であ
る。
炭素材料10は、基材1、基材1の表面に形成 された緩衝層2及び緩衝層2上に形成された導 性ダイヤモンド層3とを備えており、これら の3層構造からなる。基材1は、炭素質又は黒 質の基材である。緩衝層2は、結晶性を有し た複数のダイヤモンド粒子4を含有しており ダイヤモンド粒子4の各々の少なくとも一部 基材1に埋設されている。
緩衝層2のダイヤモンド粒子4は、粒径が10 0μm以下のダイヤモンド粒子4である。なお、 径が100μmよりも大きい粒径のダイヤモンド 子4を用いた場合、基材1上へダイヤモンド 子4を均一に設置する手法が限られると同時 、ダイヤモンド粒子4の大きさに起因したダ イヤモンド粒子4間の空隙が大きくなる為、 電性ダイヤモンド層3の成膜の際に、CVDダイ モンドは空隙を埋めきるところから優先的 成膜を始め、緩衝層としての役割が希薄に り、緩衝層が基材から剥離しやすくなる。 お、ダイヤモンド粒子4の粒径は、特に、10 m以下であることが好ましい。
また、緩衝層2のダイヤモンド粒子4の結晶 は、X線回折(以下、XRDと表す)及びRaman分光測 定によって認識でき、本実施形態におけるダ イヤモンド粒子4は、XRDによる格子定数が0.357 nm以下であり、Raman分光測定に於けるダイヤ ンド格子振動に起因するピークの半価幅が50 cm -1 以下である。なお、XRDによる格子定数が0.357n mより大きかったり、Raman分光測定に於けるダ イヤモンド格子振動に起因するピークの半価 幅が50cm -1 より大きかったりするダイヤモンド粒子4を いた場合、緩衝層2と導電性ダイヤモンド層3 との界面で欠陥が発生し、層間の付着力低下 の原因となる。なお、XRDによる格子定数は、 特に、0.3568nm以下であることが好ましい。
次に、炭素材料10の製造方法を説明する まず、複数のダイヤモンド粒子4を基材1に埋 設させて緩衝層2を形成する。ここで、ダイ モンド粒子4を基材1上に設置する手法は、ブ ラストによる基材1へのダイヤモンド粉末の きつけや、炭素化収率の低い溶媒中にダイ モンド粉末を分散し、基材1へ塗布後熱処理 介してダイヤモンド粒子4を添着する、等の 方法が挙げられる。このようにして、ダイヤ モンド粒子4の一部分を基材1表面に埋設し、 衝層2を基材1表面上に形成する。そして、 衝層2上に導電性ダイヤモンド層3を形成する 。導電性ダイヤモンド層3は、気相成長法(CVD) により形成される。気相成長法は、炭素源ガ ス中に、窒素、ホウ素及びリンからなる群か ら選ばれた少なくとも1つの導電性付与元素 50000ppm以下含むガスにより行っている。なお 、気相成長法は、一般的に行われている条件 でも行うことができる。
この際に重要なのは、緩衝層2のダイヤモ ンド粒子4は基材1内部に包埋しており、一部 が基材1から露出している構造であり、ダイ ヤモンド粒子4と基材1との間には物理的な付 力を介して接着していることである。上記 理を行った基材1に対してダイヤモンド層3 成膜すると、ダイヤモンド粒子4が種結晶と ての役割を果たし、緩衝層2として設置した ダイヤモンド粒子4を起点として部分的にエ タキシャル成長することにより、緩衝層2と イヤモンド層3とが一体化すると同時にCVD反 応である為、ダイヤモンド層3は基材1にまで く。そして、緩衝層2に用いたダイヤモンド 粒子4同士もまた、ダイヤモンド膜3によって 合され、強固なダイヤモンド膜を形成し、 果として基材1,緩衝層2,及び導電性ダイヤモ ンド層3の間は強固な付着力を有する。
本実施形態の炭素材料10は、緩衝層2を介 て導電性ダイヤモンド層3が形成されている ので、基材1とその上に形成された導電性ダ ヤモンド層3とが化学結合を有した状態で付 し、従来よりも強固な付着力を発揮し、導 性ダイヤモンド膜3が基材1に安定して付着 る。
また、緩衝層2に含有されているダイヤモン ド粒子4が、結晶性を有していると共にX線回 において0.357nm以下の格子定数を有しており 、Raman分光測定に於けるダイヤモンド格子振 に起因するピークの半価幅が50cm -1 以下であるので、より強固な付着力が発揮さ れ、導電性ダイヤモンド層3を基材1により安 して付着させることができる。
また、緩衝層2に含有されているダイヤモ ンド粒子4の粒子径が、100μm以下であるので 緩衝層2が基材1により強固に付着する。
さらに、ダイヤモンド粒子4の一部分を基 材1に埋設して緩衝層2を形成し、緩衝層上に 電性ダイヤモンド層を形成する製造方法に って、導電性ダイヤモンド層3を基材1に安 して付着させることができるとともに導電 ダイヤモンド層3が基材1に安定して付着した 炭素材料1を製造できる。また、導電性ダイ モンド層を形成する工程が、窒素、ホウ素 びリンからなる群から選ばれた少なくとも1 の導電性付与元素を50000ppm以下含むガスを いた気相成長法により行われているので、 電性ダイヤモンド層3を基材1により安定して 付着させることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明に係る炭素材料の第二実施形
に関して説明する。図2は、本発明の第二実
施形態による炭素材料の断面模式図である。
なお、第1実施形態における炭素材料10におけ
る符号1及び3がふられている各部と、本実施
態において符号21及び23がふられている各部
は、順に同様のものであるので、説明を省略
することがある。
本実施形態の炭素材料20は、緩衝層22が金 属炭化物を含有している点が、第1実施形態 係る炭素材料10と異なっている。
用いる金属粉末の粒径は100μm以下が望ま い。なお、100μmよりも大きい粒径の金属粉 を用いた場合、均一に基材21上への材料を 置する手法が限られると同時に、熱処理の に形成した緩衝層22が厚くなり基材から剥離 しやすくなる。また、基材21上に金属粉末を 着する方法は第1実施形態のダイヤモンド粉 末を基材上に添着する手法と同様であり、添 着後の基材21に対して金属の融点まで熱処理 行うことにより、基材21と緩衝層22との間に 化合物が形成され基材21と緩衝層22とが接着 る。
ここで、基材21と緩衝層22との接着につい て具体的に説明する。基材21上に金属粉末を 着させた後、熱処理して金属を基材21上に 融させて基材21との化合物(金属炭化物)を形 させる。この際、用いられる金属は、炭素 反応して金属炭化物を形成し且つ固溶した 素に対して触媒黒鉛作用を生じさせない金 を用いており、例えば、炭化物を形成する 料であるシリコン、タングステン、タンタ 、二酸化ケイ素等が望ましい。
上記の手法で基材21上に金属炭化物を形 することにより形成された緩衝層22上に導電 性ダイヤモンド膜23を成膜した場合、始めに 料ガスである炭素源ガスと基材21界面の緩 層22とが反応し、金属炭化物を形成する。そ の後、導電性ダイヤモンド膜23は形成された 属炭化物(緩衝層22)を介して成長し、緩衝層 22と導電性ダイヤモンド膜23との間は強固な 有結合を介した接合をする。
このようにして、基材1と緩衝層2間は金 炭化物(金属化合物)を形成し、共有結合を介 した強固な化学結合により付着し、導電性ダ イヤモンド膜23及び緩衝層22間は金属炭化物 形成し、上記同様共有結合を介した付着力 もたらされる。結果として基材21から緩衝層 22を介して導電性ダイヤモンド膜23に至るま 強固な付着力を有した、導電性ダイヤモン 被覆基材(炭素質材料20)を得ることが可能と る。
なお、本実施形態にかかる炭素質材料の 造方法は、上述の緩衝層22の製造工程が異 る他は、第1実施形態と同様の方法のため、 明を省略する。
本実施形態の炭素材料20は、上述の構成 備えているので、第1実施形態の炭素材料10 同様の効果が得られる。
次に、実施例を用いて説明する。
(実施例1)
被覆基材には黒鉛基材を20×20×2tmmのサイズ
切り分けたものを用いた。濃度を2%に調製
たポリビニルアルコール溶媒に静的高圧合
法にて作製した粒径0.5μmのダイヤモンド粉
を1体積%添加した溶液を調製し、回転数5000rp
mのスピンコート法により上記基材に均一に
布した。その後、真空加熱炉内で1000℃、1時
間の熱処理を行い溶媒となるポリビニルアル
コール溶媒を除去し、ダイヤモンド粒子を含
有した緩衝層が添着したCVDダイヤモンド被覆
用基材を得た。
導電性ダイヤモンド層の成膜には熱フィ メントCVD法を採用し、部材表面に導電性ダ ヤモンド膜の成膜を行った。フィラメント はタンタル素線を用い、炉内に於ける部材 フィラメントとの距離は5mmとなるように配 した。
なお、原料ガスは、炭素源ガスとして水 で搬送したエタノール蒸気、および水素と 、エタノール蒸気は全ガス流量に対して1体 積パーセントになるように導入し、炉内の圧 力は50Torr(6650Pa)に保った。CVDダイヤモンド合 時はフィラメント温度2000℃、基材温度750℃ の状態で18時間保持し、部材表面に導電性ダ ヤモンド膜の成膜を行った。
成膜された基材はRaman分光測定においてダ ヤモンドに起因する1332cm -1 にピークを有するスペクトルが観察され、基 材表面にダイヤモンド膜が存在することを確 認した。1332cm -1 に観察されたピークの半価幅は15cm -1 だった。SEMによる観察の結果、得られたダイ ヤモンド膜は粒径約1μmを有する多結晶体で り、断面観察より膜厚は5μmであることがわ った。基材上に作製したダイヤモンド膜の 着力の測定には、針に荷重を負荷してスク ッチし、膜が剥離する時の負荷荷重を付着 とするスクラッチテストを用いて行ない、 の結果550gの加重で膜は剥離した。
(実施例2)
被覆基材には黒鉛基材を20×20×2tmmのサイズ
切り分けたものを用いた。上記基材を、静
高圧合成法にて作製した粒径0.5(μm)のダイ
モンド粒子をブラストビーズとして用いた
ラスト処理を行い、ダイヤモンド粒子を含
した緩衝層が添着したCVDダイヤモンド(導電
ダイヤモンド層)被覆用基材を得た。
成膜には熱フィラメントCVD法を採用し、 記で得られた基材表面に導電性ダイヤモン 膜の成膜を行った。フィラメントにはタン ル素線を用い、炉内に於ける部材とフィラ ントとの距離は5mmとなるように配置した。 料ガスは、炭素源ガスとして水素で搬送し エタノール蒸気、および水素とし、エタノ ル蒸気は全ガス流量に対して1体積パーセン トになるように導入し、炉内の圧力は50Torr(66 50Pa)に保った。CVDダイヤモンド合成時はフィ メント温度2000℃、基材温度750℃の状態で18 間保持し、基材(緩衝層)表面に導電性ダイ モンド膜の成膜を行った。
得られた基材のRaman分光測定においてダイ モンドに起因する1332cm -1 にピークを有するスペクトルが観察され、基 材表面に導電性ダイヤモンド膜が存在するこ とを確認した。1332cm -1 に観察されたピークの半価幅は19cm -1 だった。SEMによる観察の結果、得られた導電 性ダイヤモンド膜は粒径約1μmを有する多結 体であり、断面観察より膜厚は4.8μmである とがわかった。
基材上に作製した導電性ダイヤモンド膜 付着力の測定には、針に荷重を負荷してス ラッチし、膜が剥離する時の負荷荷重を付 力とするスクラッチテストを用いて行ない その結果400gの加重で膜は剥離した。
(実施例3)
被覆基材には実施例1に挙げた基材と同等の
ものを用いた。上記基材を、濃度2%に調製し
ポリビニルアルコール溶媒に静的高圧合成
にて作製した粒径10.0μmのダイヤモンド粉末
を1体積%添加した溶液を調製し、この溶液に
材を浸漬し、超音波洗浄にて10分間のダイ
モンド粒子の添着処理を試みた。
得られた基材に対して100℃、60分間の乾 の後、真空加熱炉内にて600℃、1時間の熱処 を行い溶媒となるポリビニルアルコールを 去しダイヤモンド粒子を含有した緩衝層が 着したCVDダイヤモンド被覆用基材を得た。 材上への導電性ダイヤモンド膜の調製には フィラメントCVD法を用いて成膜を行った。 ィラメントとして、タングステンを用い、 材をフィラメントとの間の距離を8mmの状態 配置した。原料ガスとして、ベースガスに 水素ガス、炭素源ガスにはメタンガスを水 ガスに対して1体積%、ドーピングガスとし トリメチルボロンガスを炭素源に対してB/C が1000ppmの比率で導入し、総流量を5リットル /minとした。フィラメントを2400℃、炉内圧力5 0Torrの状態で成膜時間8時間とし、基材上への 導電性ダイヤモンド膜の成膜を行った。この 際にフィラメントの輻射熱で基材が昇温され 、基材下部に設置した熱電対の温度は750℃を 示した。
上記の操作により作製した部材表面のRaman 光分析を行った結果、1333cm -1 にダイヤモンドに起因するピークが観察され 、部材表面は導電性ダイヤモンド膜で覆われ ていることを確認した。さらにSEMによる表面 形態観察の結果、得られた膜は粒径約1μmの 形を有するダイヤモンド粒からなる多結晶 であることが分かった。
基材上に作製したダイヤモンド膜の付着 の測定には、針に荷重を負荷してスクラッ し、膜が剥離する時の負荷荷重を付着力と るスクラッチテストを用いて行ない、その 果450gの加重で膜は剥離した。
(実施例4)
被覆基材には実施例2に挙げた基材と同等の
ものを用いた。静的高圧合成法にて作製した
平均粒径50(μm)をブラストビーズとして用い
ブラスト処理を行い、ダイヤモンド粒子を
有した緩衝層が添着したCVDダイヤモンド被
用基材を得た。
基材上への導電性ダイヤモンド膜の調製 は熱フィラメントCVD法を用いて成膜を行っ 。フィラメントとして、タングステンを用 、基材をフィラメントとの間の距離を8mmの 態に配置した。原料ガスとして、ベースガ には水素ガス、炭素源ガスにはメタンガス 水素ガスに対して1体積%、ドーピングガス してトリメチルボロンガスを炭素源に対し B/C比が10000ppmの比率で導入し、総流量を5リ トル/minとした。フィラメントを2400℃、炉内 圧力50Torrの状態で成膜時間8時間とし、基材 へのダイヤモンド膜の成膜を行った。この にフィラメントの輻射熱で基材が昇温され 基材下部に設置した熱電対の温度は800℃を した。
上記の操作により作製した部材表面のRaman 光分析を行った結果、1333cm -1 にダイヤモンドに起因するピークが観察され 、部材表面は導電性ダイヤモンド膜で覆われ ていることを確認した。さらにSEMによる表面 形態観察の結果、得られた膜は粒径約1μmの 形を有するダイヤモンド粒からなる多結晶 であることが分かった。
基材上に作製した導電性ダイヤモンド膜 付着力の測定には、針に荷重を負荷してス ラッチし、膜が剥離する時の負荷荷重を付 力とするスクラッチテストを用いて行ない その結果450gの加重で膜は剥離した。
(実施例5)
実施例2と同様の基材を用い、下記の操作を
行い緩衝層の形成を試みた。粒径150μmのシリ
コン粉1gを量り取り、基材上に分散させ、1500
℃、50Torrの真空加熱炉内にて1時間の熱処理
試みた。上記処理によって得られた基材上
実施例1と同様の条件でCVDダイヤモンド膜(導
電性ダイヤモンド膜)の成膜を行った。
成膜後に得られた基材のRaman分光分析の結 、1332cm -1 に半価幅15cm -1 を伴うピークを有するスペクトルが観察され 、基材表面に導電性ダイヤモンド膜が存在す ることを確認した。SEMによる表面観察の結果 、粒径約1μmの自形を有するダイヤモンド粒 からなる多結晶膜が形成されていることが かった。
(比較例1)
被覆基材には実施例1と同じ基材を用い、静
的高圧合成法により得られた150μmの粒径を有
するダイヤモンド粒子をブラストビーズとし
てブラスト処理し、基材表面へのダイヤモン
ド粒子を含有した緩衝層の形成を試みた。上
記操作によって得られた基材に対して実施例
1と同等の手順に倣い基材上へのCVDダイヤモ
ド膜(導電性ダイヤモンド膜)の形成を試みた
。反応時間として設けた18時間経過後、フィ
メント温度を降温し炉から取り出したとこ
、基材上には導電性ダイヤモンド膜は形成
れておらず、粗化された基材のみが得られ
。
(比較例2)
被覆基材はニッケル板を20×20×2tmmのサイズ
切り分けたものを用いた。実施例2に倣い、
基材上へダイヤモンド粒子の設置(埋設)を行
た後、実施例1、2と同様の方法を用い、基
上にCVDダイヤモンド膜(導電性ダイヤモンド
)の成膜を試みた。成膜時間を18時間とし、
のまま安置、観察したところ基材表面には
鉛粉が生成し、導電性ダイヤモンド膜の成
は見られなかった。
(比較例3)
被覆基材には石英板(SiO 2
)を20×20×2tmmのサイズに切り分けたものを用
た。実施例2に倣い、ダイヤモンド粒の添着
試みた後、実施例1、2と同様の方法を用い
基材上にCVDダイヤモンド膜の成膜を試みた
しかし、成膜時間が終わり、フィラメント
度を降温している途中に膜が剥離し、飛散
た。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱 ない範囲で様々な変更ができるものであり 上記実施形態や実施例に限定されるもので ない。
