吉川 正人 (〒02 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東レ株式会社 名古屋事業場内 Aichi, 4558502, JP)
東レ株式会社 (〒66 東京都中央区日本橋室町2丁目1番1号 Tokyo, 1038666, JP)
SATO, Kenichi (Toray Industries Inc., 9-1, Oe-cho, Minato-ku, Nagoya-sh, Aichi 02, 4558502, JP)
佐藤 謙一 (〒02 愛知県名古屋市港区大江町9番地の1 東レ株式会社 名古屋事業場内 Aichi, 4558502, JP)
| カーボンナノチューブ集合体10mg、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム30mgおよび水10mLの混合物を超音波ホモジナイザー処理し、続いて20000Gにて遠心処理した後、上清9mLをサンプリングした時に、上清中のカーボンナノチューブ集合体の含有量が0.6mg/mL以上となるカーボンナノチューブ集合体。 |
| カーボンナノチューブ集合体を分散液とし、その分散液を基材に塗布して得られたフィルムの光透過率が85%以上であり、かつ、該フィルムの表面抵抗値が1×10 5 ω/□未満となる請求項1に記載のカーボンナノチューブ集合体。 |
| 透過型顕微鏡で観察した時に100本中、70本以上のカーボンナノチューブが2層カーボンナノチューブである請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ集合体。 |
| 波長532nmのラマン分光分析によるGバンドとDバンドの高さ比(G/D比)が30以上である請求項1から3のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体。 |
| 請求項1から4のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体を分散媒に分散させてなる分散体。 |
| 以下の条件を満たすカーボンナノチューブ集合体が分散媒に分散しているカーボンナノチューブ集合体の分散体; (1)透過型電子顕微鏡において観察したときに、任意の100本中のカーボンナノチューブ中、50本以上が2層カーボンナノチューブであること; (2)波長532nmのラマン分光分析で140±10cm -1 、160±10cm -1 、180±10cm -1 、270±10cm -1 、320±10cm -1 にピークが観測されること; (3)波長633nmのラマン分光分析で220±10cm -1 にピークが観測されること; (4)波長532nmのラマン分光分析で190cm -1 超から260cm -1 未満の領域にピークが観測されないこと。 |
| 界面活性剤、または高分子をさらに含有する請求項5または6に記載のカーボンナノチューブ集合体の分散体。 |
| カーボンナノチューブ集合体の濃度が0.01重量%から20重量%である請求項5から7のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体の分散体。 |
| 基材上にカーボンナノチューブ集合体が塗布され、光透過率が85%以上、表面抵抗値が1×10 5 ω/□未満である導電性フィルム。 |
| 導電性フィルムの透過率/透明基材の光透過率>0.85である請求項9記載の導電性フィルム。 |
| 表面抵抗が1×10 4 ω/□未満である請求項9または10に記載の導電性フィルム。 |
| マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒を、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全面に存在させ、該縦型反応器内にメタンを鉛直方向に流通させ、メタンと前記触媒を500~1200℃で接触させ、カーボンナノチューブ集合体を合成し、その後、酸化処理を行う請求項1から4のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。 |
| 前記酸化処理がカーボンナノチューブ集合体の燃焼ピーク温度±50℃の範囲で、焼成処理する請求項12に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。 |
| 前記酸化処理がカーボンナノチューブ集合体の燃焼ピーク温度±15℃の範囲で、大気下、焼成処理する請求項12に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。 |
| 前記酸化処理が間欠的に酸素と接触させる請求項12に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。 |
| 前記酸化処理が生成したカーボンナノチューブ集合体を過酸化水素で処理することである請求項12記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。 |
| 前記酸化処理が生成したカーボンナノチューブ集合体を混酸で処理することである請求項12記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。 |
| 混酸で処理した後、さらに塩基性化合物で処理する請求項17記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。 |
| 前記塩基性化合物が有機アミンである請求項18記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。 |
| 請求項1から4のいずれか1項記載のカーボンナノチューブ集合体を用いたフィールドエミッション材料。 |
本発明は、カーボンナノチューブ集合体 よびその製造方法に関する。さらに、カー ンナノチューブ集合体を用いた分散体、透 導電性フィルムおよびフィールドエミッシ ン材料にも関する。
カーボンナノチューブが最初に広く報告 れたのは1991年である。カーボンナノチュー ブは実質的にグラファイトの1枚面を巻いて 状にした形状を有しており、1層に巻いたも を単層カーボンナノチューブ、多層に巻い ものを多層カーボンナノチューブという。 層カーボンナノチューブの中でも特に2層に 巻いたものを2層カーボンナノチューブとい 。カーボンナノチューブは、自体が優れた 性の導電性を有し、導電性材料として使用 れることが期待されている。
カーボンナノチューブの製造方法として アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相 長法などが知られている。なかでも、グラ ァイト層に欠陥の少ない高品質なカーボン ノチューブを安価に製造する方法として、 媒化学気相成長法が知られている。触媒化 気相成長法では触媒を担体に担持して行う 法が知られている。
通常、カーボンナノチューブとしては、 数の少ない単層カーボンナノチューブや2層 カーボンナノチューブが、高グラファイト構 造を有しているために導電性や熱伝導性など の特性が高いことが知られている。しかしな がら、これらカーボンナノチューブは、強固 で非常に大きなバンドル構造を有しているた め、1本1本のカーボンナノチューブが有して るナノ効果を発揮できず、各種用途展開が 難であった。特に樹脂や溶媒への分散が非 に困難であるために、種々の用途への展開 限られているのが現状であった。特に透明 電性フィルム、成型品、膜等への用途にカ ボンナノチューブを用いて実用性能を発揮 せることは困難であった。
多層カーボンナノチューブの中でも層数の
較的少ない2~5層カーボンナノチューブは、
層カーボンナノチューブの特性と多層カー
ンナノチューブの特性両方を有しているた
に、種々の用途において有望な素材として
目を集めている。その中でも2層カーボンナ
ノチューブは最も特性が良好と考えられてお
り、いくつかの合成法が知られている。最近
では純度の高い2層カーボンナノチューブの
成法として遠藤らの方法が知られている(非
許文献2、3、4、特許文献1)。この方法は、
触媒として鉄塩を、副触媒としてモリブデ
酸塩を配置して、炭素源を反応させてカー
ンナノチューブを合成している。この方法
より得られた2層カーボンナノチューブは、
焼ピーク温度が717℃という高い熱安定性を
しており、比較的高品質な2層カーボンナノ
チューブであると解される。また用途として
は、高電流で用いられるフィールドエミッタ
としての用途が記載されている。しかしなが
ら、このような2層カーボンナノチューブは
単層カーボンナノチューブと同様に、チュ
ブ間の疎水性相互作用やπ電子間の相互作用
によって強固にバンドルを形成しており、カ
ーボンナノチューブを高度に分散化するのは
困難であり、導電性および透明性に優れた透
明導電フィルムを製造することは困難であっ
た。
本発明は、上記のような事情に鑑みなさ たものであり、非常に分散性に優れること より、高濃度のカーボンナノチューブ集合 の分散体を与え得るカーボンナノチューブ 合体を得ることを課題とする。
すなわち本発明は、下記の構成からなる。
1. カーボンナノチューブ集合体10mg、ポリス
レンスルホン酸ナトリウム30mgおよび水10mL
混合物を超音波ホモジナイザー処理し、続
て20000Gにて遠心処理した後、上清9mLをサン
リングした時に、上清中のカーボンナノチ
ーブ集合体の含有量が0.6mg/mL以上となるカー
ボンナノチューブ集合体。
2. 1.のカーボンナノチューブ集合体を分散媒
に分散させてなる分散体。
3. 以下の条件を満たすカーボンナノチュー
集合体が分散媒に分散しているカーボンナ
チューブ集合体の分散体;
(1)透過型電子顕微鏡において観察したときに
、任意の100本中のカーボンナノチューブ中、
50本以上が2層カーボンナノチューブであるこ
と;
(2)波長532nmのラマン分光分析で140±10cm -1
、160±10cm -1
、180±10cm -1
、270±10cm -1
、320±10cm -1
にピークが観測されること;
(3)波長633nmのラマン分光分析で220±10cm -1
にピークが観測されること;
(4)波長532nmのラマン分光分析で190cm -1
超から260cm -1
未満の領域にピークが観測されないこと。
4. 基材上にカーボンナノチューブ集合体が
布され、光透過率が85%以上、表面抵抗値が1
10 5
ω/□未満である導電性フィルム。
5. マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒
、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全
に存在させ、該縦型反応器内にメタンを鉛
方向に流通させ、メタンと前記触媒を500~1200
℃で接触させ、カーボンナノチューブ集合体
を合成し、その後、酸化処理を行う上記のカ
ーボンナノチューブ集合体の製造方法。
6. 上記のカーボンナノチューブ集合体を用
たフィールドエミッション材料。
本発明のカーボンナノチューブ集合体に れば、非常に分散性に優れることにより、 濃度のカーボンナノチューブ集合体の分散 を得ることができる。また、本発明のカー ンナノチューブ集合体を含む分散体を用い ことにより、透明性および導電性が極めて れた透明導電性フィルムが得られるように った。特にカーボンナノチューブ集合体と て、2層カーボンナノチューブを含むカーボ ンナノチューブ集合体を用いる場合には、さ らに高導電性で透過性にすぐれた透明導電性 フィルムおよび電子放出特性の優れたフィー ルドエミッション材料が得られる。
1 反応器
2 触媒を置く台
3 触媒
4 触媒以外の物体と触媒の混合物
5 触媒
100 反応器
101 石英焼結板
102 密閉型触媒供給機
103 触媒投入ライン
104 原料ガス供給ライン
105 廃ガスライン
106 加熱器
107 点検口
108 触媒
本発明のカーボンナノチューブ集合体は 従来のカーボンナノチューブ集合体に比較 て非常に分散性に優れるものであるが、こ ような分散性を満たすカーボンナノチュー 集合体を他の方法で適切に特定することが 難であるため、特定条件で分散させた時の 散性で特定するものである。
すなわち本発明においては、カーボンナ チューブ集合体10mg、ポリスチレンスルホン 酸ナトリウム30mgおよび水10mLの混合物を超音 ホモジナイザー処理し、続いて20000Gにて遠 処理した後、上清9mLをサンプリングした時 、上清中に含まれるカーボンナノチューブ 合体の含有量が0.6mg/mL以上となることをカ ボンナノチューブ集合体の良好な分散性の 標とするものである。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウムは、 ーボンナノチューブ集合体の分散剤として 能する。ポリスチレンスルホン酸ナトリウ の水溶液を使用する場合は、濃度を勘案し 、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムが固 重量として30mgになるように加え、水として 合計10mLになるように分散液を調製すること できる。この測定に用いるポリスチレンス ホン酸ナトリウムとしては、市販の平均分 量20万±2万のものを好ましく用いることがで きる。このようなポリスチレンスルホン酸ナ トリウムは、例えばアルドリッチ社から購入 することができる。
超音波ホモジナイザー処理とは、超音波 モジナイザーを用いて、出力25W、氷冷下で2 0分間、カーボンナノチューブ集合体10mg、ポ スチレンスルホン酸ナトリウム30mgおよび水 10mLの混合物を分散処理することを示す。超 波ホモジナイザーとしては、市販の超音波 モジナイザー(例えば、株式会社エスエムテ 社製UH-600S)を用いることができる。また、 心処理とは、遠心分離器で20000G、15分間遠心 分離操作することを示す。遠心分離器として は、市販の遠心分離器(例えば、TOMY社製MX-300) を用いることができる。
なお、上清のサンプリングは、遠心分離 作の後、30分後に行うものとする。本発明 カーボンナノチューブ集合体は、分散性が 好であるので、上記操作の後、上清9mLをサ プリングした時に、上清中のカーボンナノ ューブ集合体の含有量が0.6mg/mL以上を達成す ることができ、好ましい態様においては、0.6 mg/mL~1.0mg/mLを達成することができる。この時 上清中のカーボンナノチューブ集合体量は 以下のようにして測定する。すなわち、上 9mLをサンプリングして除き、残存したカー ンナノチューブ集合体を含む1mLの液体を、 径1μmのメッシュを有するフィルターを用い てろ過、水洗、および乾燥して、残存したカ ーボンナノチューブ集合体の重量を量る。10m gから、残存したカーボンナノチューブ集合 の重量を減算した値が、上清9mL中に含まれ カーボンナノチューブの重量に相当し、こ に基づき、1mLあたりの含有量に換算する。 の時の上清中のカーボンナノチューブ集合 量が少ないときは、分散性の不良なカーボ ナノチューブ集合体である。分散性が悪い 、その後分散液を各種用途に使用する際に 分散液中のカーボンナノチューブ集合体濃 が希薄なために、フィルムに塗布する場合 どにその表面抵抗値を調整するのが困難に ったり、また収量が低くなるためにコスト 問題となったりする。
本発明のカーボンナノチューブ集合体は 多層カーボンナノチューブを含むことが好 しい。透明導電特性の点で、2層カーボンナ ノチューブがより好ましく、透過型電子顕微 鏡で観察した時に100本中50本以上のカーボン ノチューブが2層カーボンナノチューブであ ることが好ましい。カーボンナノチューブ集 合体における2層カーボンナノチューブの本 は、100本中70本以上であることがより好まし く、75本以上であることが特に好ましい。全 が2層カーボンナノチューブであってよいが 、現実的には、得られる物性と製造効率上の 点から、2層カーボンナノチューブの本数の 限は、100本中95本以下であることが好ましい 。
上記カーボンナノチューブ集合体中の2層 カーボンナノチューブの本数は、透過型電子 顕微鏡を用いて、倍率40万倍で観察し、75nm四 方の視野の中で視野面積の10%以上がカーボン ナノチューブ集合体である視野中から任意に 抽出した100本のカーボンナノチューブについ て層数を評価し、2層カーボンナノチューブ 本数を確認することにより行うことができ 。一つの視野中で100本の測定ができない場 は、100本になるまで複数の視野から測定す 。このとき、カーボンナノチューブ1本とは 野中で一部カーボンナノチューブが見えて れば1本と計上し、必ずしも両端が見えてい る必要はない。また視野中で2本と認識され も視野外でつながって1本となっていること あり得るが、その場合は2本と計上する。
さらに本発明のカーボンナノチューブ集合 はカーボンナノチューブのグラフェンシー の欠陥が少ない方が、品質がよく、導電性 向上するため、好ましい。このグラフェン ートの欠陥は、ラマン分光分析法により評 が可能である。ラマン分光分析法で使用す レーザー波長は種々あるが、ここでは532nm よび633nmの波長を利用する。ラマンスペクト ルにおいて、1590cm -1 付近に見られるラマンシフトは、グラファイ ト由来のGバンドと呼ばれ、1350cm -1 付近に見られるラマンシフトはアモルファス カーボンやグラファイトの欠陥に由来のDバ ドと呼ばれる。カーボンナノチューブ集合 の品質を測定するために、ラマン分光分析 よるGバンドとDバンドの高さ比(G/D比)が用い れる。このG/D比が高いカーボンナノチュー 集合体ほど、グラファイト化度が高く、高 質である。ここでラマンG/D比を評価すると は、波長532nmを用いる。G/D比は高いほど良 が、30以上であれば高品質カーボンナノチュ ーブ集合体と言うことができる。G/D比は、好 ましくは40以上、200以下であり、さらに好ま くは50以上、150以下である。またカーボン ノチューブ集合体のような固体のラマン分 分析法は、サンプリングによってばらつく とがある。そこで少なくとも3カ所、別の場 をラマン分光分析し、その相加平均をとる のとする。
そして本発明で用いるカーボンナノチュー
集合体は、さらに以下の三つの条件を全て
たすことが好ましい。
・波長532nmのラマン分光分析で140±10cm -1
、160±10cm -1
、180±10cm -1
、270±10cm -1
および320±10cm -1
にピークが観測されること;
・波長633nmのラマン分光分析で220±10cm -1
にピークが観測されること、かつ;
・波長532nmのラマン分光分析で190cm -1
超から260cm -1
未満の領域にピークが観測されないこと。
ラマン分光分析の波数は測定条件によって 動することがあるため、ここで規定する波 は波数±10cm -1 の範囲で規定するものとする。上記で例えば 150cm -1 ちょうどにピークがある場合、140±10cm -1 および160±10cm -1 のいずれの範囲にも入る。このような場合は 、140±10cm -1 および160±10cm -1 の両方の範囲にピークが存在すると考える。 なお、後続の考えに従ってラマンスペクトル のピークとカーボンナノチューブの直径との 相関によりピークの帰属を考える場合は、他 のピークとの関係で、いずれか一方の範囲の みに帰属すると解釈できる場合もある。例え ば既に140±10cm -1 にピークが存在し、さらに150cm -1 にピークが存在し、160±10cm -1 に150cm -1 以外にピークが存在しない場合は150cm -1 のピークは160±10cm -1 のピークと解釈することができる。170cm -1 ちょうどにピークがある場合も同様である。
ラマンスペクトルの150~350cm -1 の領域はRBM(ラジアルブリージングモード)と ばれ、この領域に観測されるピークは、カ ボンナノチューブの直径と次のような相関 ある。したがって、この領域に観測される ークからカーボンナノチューブの直径を見 もることが可能である。カーボンナノチュ ブの直径をd(nm)、ラマンシフトをυ(cm -1 )とすると、d=248/υが成り立つ。これから勘案 すると波長532nmのラマン分光分析で140cm -1 、160cm -1 、180cm -1 、270cm -1 、および320cm -1 にピークが観測されることは、それぞれ1.77nm 、1.55nm、1.38nm、0.92nm、および0.78nmの直径を有 するカーボンナノチューブの存在を示してい る。同様に波長633nmのラマン分光分析で220cm -1 にピークが観測されることは、1.13nmの直径を 有するカーボンナノチューブの存在を示して いる。そして、一般に2層カーボンナノチュ ブのグラファイトの層間距離は、0.34nm程度 あり、2層カーボンナノチューブの内層と外 の直径差はおよそ0.68nmであると推定される とから、上記ピークを有するカーボンナノ ューブは、それぞれ1.77nm、1.55nm、および1.38 nmという外径を有する2層カーボンナノチュー ブであって、その内側の層の径(すなわち内 )がそれぞれ1.13nm、0.92nm、および0.78nmである 推定される。すなわち、本発明において好 しいカーボンナノチューブは、直径分布に る程度の幅がある2層カーボンナノチューブ である。
また波長532nmのラマン分光分析で190cm -1 超から260cm -1 未満にピークが観測されないことは、単層カ ーボンナノチューブが、ほとんど、もしくは 、全く存在しないことを意味する。ここで、 190cm -1 超から260cm -1 未満にピークが観測されないとは、この範囲 に270±10cm -1 のピーク高さの10%を超える高さのピークが存 在しないことを言う。わずかにピークのよう なものが観察されたり、ノイズなどが観察さ れてもかまわない。
本発明のカーボンナノチューブ集合体の 散性が良好である理由は、一つには直径分 にある程度の幅があるためであると考えら る。直径が均一にそろえば、カーボンナノ ューブ間に働く相互作用も強くなり、強固 バンドルを形成および保持するものと推定 れる。これに対し、本願発明ではラマン分 分析で示すように、カーボンナノチューブ ある程度の直径分布を有するために、バン ルを形成および保持する相互作用が比較的 いことが推定される。理由のもう一つはカ ボンナノチューブの平均直径が比較的太い めであると推定される。本発明のカーボン ノチューブは、単層カーボンナノチューブ りも直径が太く、さらに2層カーボンナノチ ューブの中でも比較的太いものである。その ためにバンドルが解れやすく、分散性が良好 であると考えられる。
本発明のカーボンナノチューブ集合体は、 常に分散性に優れるものであり、高い透明 と高い導電性を併せ持つフィルムを与える とができる。すなわち、カーボンナノチュ ブ集合体を特定の方法で分散液とし、これ 特定の方法で基材に塗布し、得られた透明 電性フィルムの光透過率および表面抵抗値 測定することにより、カーボンナノチュー 集合体の分散性を評価することができる。 発明のカーボンナノチューブ集合体からは フィルムの光透過率が85%以上、かつ、表面 抗値が1×10 5 ω/□未満の透明導電性フィルムを得ることが できる。導電性フィルムの透過率は、導電性 フィルムの透過率/透明基材の光透過率>0.85 であることが好ましく、0.99>導電性フィル の透過率/透明基材の光透過率>0.90である とがより好ましい。また導電性フィルムの 面抵抗は1×10 4 ω/□未満が好ましく、1×10 2 ω/□以上、5×10 3 ω/□未満であることがさらに好ましい。
上記の光透過率および表面抵抗値の測定 用いるカーボンナノチューブ集合体の分散 は、次のように調製する。カーボンナノチ ーブ集合体10mg、ポリスチレンスルホン酸ナ トリウム(重量平均分子量20万、アルドリッチ 社製)30mgおよび水10mLの混合物を超音波ホモジ ナイザーを用いて、出力25W、20分間で氷冷下 散処理し、続いて20000Gにて15分間遠心処理 た後、上清9mLをサンプリングして分散液を 製する。この分散液300μLにメタノール/水(重 量比1/1)をぬれ剤として300μL添加後、ポリエ レンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)社 製”ルミラー(登録商標) U36”、15cm×10cm)上に バーコーター(No.8、塗布厚み12μm)を用いて塗 し、風乾した後、蒸留水にてリンスし、60 乾燥機内で2分間乾燥させ、カーボンナノチ ーブ集合体をフィルム上に固定化する。
導電性フィルムの光透過率は、分光光度 を用いて550nmの光源を用いて測定する。導 性フィルムの導電性は、フィルムの表面抵 値を測定して評価する。表面抵抗値は、JIS K7149(1994年12月制定)準処の4端子4探針法を用い 、例えばロレスタEP MCP-T360((株)ダイアインス ツルメンツ社製)にて測定することが可能で る。高抵抗測定の際は、例えば、ハイレス ーUP MCP-HT450(ダイアインスツルメンツ製、10V 、10秒)を用いて測定することが可能である。
本発明のカーボンナノチューブ集合体は 分散媒、樹脂等に分散させて分散体として 用することができる。カーボンナノチュー 集合体を液体の分散媒に分散させたときに 、分散液と呼ぶこともある。
カーボンナノチューブ分散体の調整方法 は特に制限はない。例えば、分散媒が溶媒 ある場合、カーボンナノチューブ集合体、 散剤および溶媒を、公知の混合分散機(例え ばボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロ ールミル、ホモジナイザー、アトライター、 デゾルバー、ペイントシェーカー等)を用い 混合し、分散液を製造することができる。
上記分散液は、塗布前に遠心分離または ィルター濾過にすることが好ましい。分散 を遠心分離することによって、未分散のカ ボンナノチューブや、過剰量の分散剤、カ ボンナノチューブ合成時に混入する可能性 ある金属触媒などは沈殿するので、遠心分 後に上清を回収すれば、未分散のカーボン ノチューブおよび、不純物などは沈殿物と て除去することができる。それによって、 ーボンナノチューブの再凝集を防止でき、 散液の安定性を向上することができる。さ に、遠心分離の条件によっては、カーボン ノチューブの太さや長さによって分画する とができ、得られる導電性フィルムの光透 率を向上させることができる。
遠心分離する際の遠心力は、100G以上の遠 心力であればよく、好ましくは、1000G以上、 り好ましくは10,000G以上である。上限として は特に制限はないが、汎用超遠心機の性能よ り200,000G以下であることが好ましい。
また、フィルター濾過に用いるフィルタ は、0.05μmから0.2μmの間で適宜選択すること ができる。それにより、未分散のカーボンナ ノチューブや、カーボンナノチューブ合成時 に混入する可能性のある不純物等のうち比較 的サイズの大きいものを除去することができ る。
サイズ分画する場合においては、分画さ るカーボンナノチューブの量を見越して、 イズ分画後の分散液の組成が上記範囲とな ように調製する。サイズ分画前の各成分の 合割合の決定は、遠心分離後の沈殿物やフ ルター上に残った分画物を乾燥させ、400℃ 1時間焼成した後、秤量し、濃度を算出する 方法により行われる。このようなサイズ分画 の結果、カーボンナノチューブの長さや、層 数、その他性状、バンドル構造の有無などで カーボンナノチューブを分離することができ る。
分散剤としては、界面活性剤、各種高分 材料等を用いることができる。分散剤は、 ーボンナノチューブ集合体の分散能や分散 定化能等を向上させるのに役立つ。界面活 剤は、イオン性界面活性剤と非イオン性界 活性剤に分けられるが、本発明ではいずれ 界面活性剤を用いることも可能である。界 活性剤としては、例えば以下のような界面 性剤があげられる。かかる界面活性剤は単 でもしくは2種以上を混合して用いることが できる。
イオン性界面活性剤は、陽イオン性界面 性剤、両イオン性界面活性剤および陰イオ 性界面活性剤にわけられる。陽イオン性界 活性剤としては、アルキルアミン塩、第四 アンモニウム塩などがあげられる。両イオ 性界面活性剤としては、アルキルベタイン 界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性 がある。陰イオン性界面活性剤としては、 デシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベ ゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエー ルスルホン酸塩等の芳香族スルホン酸系界 活性剤、モノソープ系アニオン性界面活性 、エーテルサルフェート系界面活性剤、フ スフェート系界面活性剤およびカルボン酸 界面活性剤などがあげられる。中でも、分 能、分散安定能、高濃度化に優れることか 、芳香環を含むもの、すなわち芳香族系イ ン性界面活性剤が好ましく、特にアルキル ンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエ テルスルホン酸塩等の芳香族系イオン性界 活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤の例としては、ソ ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ ソルビタン脂肪酸エステルなどの糖エステ 系界面活性剤、ポリオキシエチレン樹脂酸 ステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ジエチ などの脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリ キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリ キシエチレン・ポリプロピレングリコール どのエーテル系界面活性剤、ポリオキシア キレンオクチルフェニルエーテル、ポリオ シアルキレンノニルフェニルエーテル、ポ オキシアルキルジブチルフェニルエーテル ポリオキシアルキルスチリルフェニルエー ル、ポリオキシアルキルベンジルフェニル ーテル、ポリオキシアルキルビスフェニル ーテル、ポリオキシアルキルクミルフェニ エーテル等の芳香族系非イオン性界面活性 があげられる。中でも、分散能、分散安定 、高濃度化に優れることから、芳香族系非 オン性界面活性剤が好ましく、中でもポリ キシエチレンフェニルエーテルが好ましい
各種高分子材料としては、例えば、ポリ ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、 リスチレンスルホン酸アンモニウム塩、ポ スチレンスルホン酸ナトリウム塩等の水溶 ポリマー、カルボキシメチルセルロースお びその塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩等 )、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ ロース、アミロース、シクロアミロース、 トサン等の糖類ポリマー等がある。またポ チオフェン、ポリエチレンジオキシチオフ ン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性 リマーおよびそれらの誘導体も使用できる なかでも、ポリスチレンスルホン酸アンモ ウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウ 塩等の水溶性ポリマーを使用することによ カーボンナノチューブ集合体の導電特性を 率的に発揮することができ好ましい。
水を分散媒とするときは、ポリスチレン ルホン酸アンモニウム塩、ポリスチレンス ホン酸ナトリウム塩等のベンゼン環および 水基を有する化合物を分散剤とすることが も好ましい。その理由はベンゼン環がカー ンナノチューブに、親水基が水にそれぞれ い親和性を有しているからである。そのこ により分散剤が有効に働き、カーボンナノ ューブを水へと分散させる。また親水基は オン性のものが良い。親水基同士が反発し カーボンナノチューブを相互に乖離させる らである。
カーボンナノチューブ集合体の分散媒は に限定されない。水系溶媒でも良いし非水 溶媒でも良い。非水系溶媒としては、炭化 素類(トルエン、キシレン等)、塩素含有炭 水素類(メチレンクロリド、クロロホルム、 ロロベンゼン等)、エーテル類(ジオキサン テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等) エーテルアルコール(エトキシエタノール、 メトキシエトキシエタノール等)、エステル (酢酸メチル、酢酸エチル等)、ケトン類(シ ロヘキサノン、メチルエチルケトン等)、ア コール類(エタノール、イソプロパノール、 フェノール等)、低級カルボン酸(酢酸等)、ア ミン類(トリエチルアミン、トリメタノール ミン等)、窒素含有極性溶媒(N、N-ジメチルホ ルムアミド、ニトロメタン、N-メチルピロリ ン等)、硫黄化合物類(ジメチルスルホキシ 等)などを用いることができる。
これらのなかでも分散媒としては、水、 ルコール、トルエン、アセトン、エーテル よびそれらを組み合わせた溶媒を含有する 散媒であることが好ましい。水系溶媒が必 である場合、および後述するようにバイン ーを用いる場合であって、そのバインダー 無機ポリマー系バインダーの場合には、水 アルコール類、アミン類などの極性溶媒が 用される。また、後述するようにバインダ として常温で液状のものを用いる場合には それ自体を分散媒として用いることもでき 。
上記分散体における各成分の好ましい配 割合は、以下のとおりである。カーボンナ チューブ集合体の濃度は、0.01重量%以上、20 重量%以下が好ましく、0.01~10重量%がより好ま しい。
分散剤の含有量は、特に限定されるもの はないが、好ましくは、0.01~50重量%、より ましくは、0.01~30重量%である。上記分散剤と カーボンナノチューブ集合体の混合比は、特 に限定はないが、分散剤/カーボンナノチュ ブ集合体の重量比で好ましくは0.1~20、より ましくは0.3~10である。また本発明のカーボ ナノチューブ集合体は、分散性に優れるた 、いったん所望のカーボンナノチューブ含 量よりも高濃度の分散液を作製し、溶媒で めて所望の濃度として使用することも可能 ある。
このようなカーボンナノチューブ集合体 分散液を調製後、基材上に塗布することで 電性フィルムを形成することができる。カ ボンナノチューブ集合体の分散液を塗布す 方法は特に限定されない。公知の塗布方法 例えば吹き付け塗装、浸漬コーティング、 ピンコーティング、ナイフコーティング、 スコーティング、グラビアコーティング、 クリーン印刷、インクジェット印刷、パッ 印刷、他の種類の印刷、またはロールコー ィングなどが利用できる。また塗布は、何 行ってもよく、異なる2種類の塗布方法を組 み合わせても良い。最も好ましい塗布方法は 、ロールコーティングである。
分散液の塗布厚み(ウエット厚)は、塗布 の濃度にも依存するため、望む光透過率お び表面抵抗値が得られれば特に規定する必 はないが、0.1μmから50μmであることが好まし い。さらに好ましくは1μmから20μmである。
カーボンナノチューブ集合体の水系分散 を基材上に塗布するとき、分散液中にぬれ を添加しても良い。非親水性の基材に塗布 る場合は、特に界面活性剤やアルコール等 ぬれ剤を分散液中に添加することで、基材 分散液がはじかれることなく塗布すること できる。ぬれ剤としてはアルコールが好ま く、アルコールの中でもメタノールまたは タノールが好ましい。メタノール、エタノ ルなどの低級アルコールは揮発性が高いた に、塗布後の基材乾燥時に容易に除去可能 ある。場合によってはアルコールと水の混 液を用いても良い。
このようにしてカーボンナノチューブ集 体の分散液を塗布した導電性フィルムは、 散液を基材に塗布した後、風乾、加熱、減 などの方法により不要な分散媒を除去する とができる。それによりカーボンナノチュ ブ集合体は、3次元編目構造を形成し、基材 に固定化される。その後、液中の成分である 分散剤を適当な溶媒を用いて除去する。この 操作により、電荷の分散が容易になり、透明 導電性フィルムの導電性が向上する。
上記分散剤を除去するための溶媒として 、分散剤を溶解するものであれば特に制限 なく、水性溶媒でも非水性溶媒でもよい。 体的には水性溶媒であれば、水やアルコー 類、アセトニトリルが挙げられ、非水性溶 であれば、クロロホルム、トルエンなどが げられる。
上記のようにカーボンナノチューブ集合 を含む分散液を基材に塗布して透明導電性 ィルムを形成後、このフィルムを有機また 無機透明被膜を形成しうるバインダー材料 オーバーコーティングすることも好ましい オーバーコーティングすることにより、さ なる電荷の分散や、移動に効果的である。
また、透明導電性フィルムは、カーボン ノチューブ集合体を含む分散液中に有機ま は無機透明被膜を形成しうるバインダー材 を含有させ、基材に塗布後、必要により加 して塗膜の乾燥ないし焼付(硬化)を行って 得ることができる。その際の加熱条件は、 インダー種に応じて適当に設定する。バイ ダーが光硬化性または放射線硬化性の場合 は、加熱硬化ではなく、塗布後直ちに塗膜 光または放射線を照射することにより塗膜 硬化させる。放射線としては電子線、紫外 、X線、ガンマー線等のイオン化性放射線が 用でき、照射線量はバインダー種に応じて 定する。
上記バインダー材料としては、導電性塗 に使用されるものであれば特に制限はなく 各種の有機および無機バインダー、すなわ 透明な有機ポリマーまたはその前駆体(以下 「有機ポリマー系バインダー」と称する場合 もある)または無機ポリマーまたはその前駆 (以下「無機ポリマー系バインダー」と称す 場合もある)が使用できる。有機ポリマー系 バインダーは熱可塑性、熱硬化性、あるいは 紫外線、電子線などの放射線硬化性のいずれ であってもよい。適当な有機バインダーの例 としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、 リプロピレン等)、ポリアミド(ナイロン6、 イロン11、ナイロン66、ナイロン6,10等)、ポ エステル(ポリエチレンテレフタレート、ポ ブチレンテレフタレート等)、シリコーン樹 脂、ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化 ニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリア リレート、ポリスチレン誘導体、ポリ酢酸 ニル、ポリビニルアルコール等)、ポリケト 、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリス ホン、ポリアセタール、フッ素樹脂、フェ ール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポ シ樹脂、ポリウレタン、セルロース系ポリ ー、蛋白質類(ゼラチン、カゼイン等)、キ ン、ポリペプチド、多糖類、ポリヌクレオ ドなどの有機ポリマー、ならびにこれらの リマーの前駆体(モノマーまたはオリゴマー) がある。これらは単に溶剤の蒸発により、あ るいは熱硬化または光もしくは放射線照射に よる硬化により、透明被膜もしくはマトリッ クスを形成することができる。
有機ポリマー系バインダーとして好まし のは、放射線もしくは光によりラジカル重 硬化可能な不飽和結合を有する化合物であ 、これはビニル基ないしビニリデン基を有 るモノマー、オリゴマー、あるいはポリマ である。この種のモノマーとしては、スチ ン誘導体(スチレン、メチルスチレン等)、 クリル酸もしくはメタクリル酸またはそれ の誘導体(アルキルアクリートもしくはメタ リレート、アリルアクリレートもしくはメ クリレート等)、酢酸ビニル、アクリロニト リル、イタコン酸等がある。オリゴマーある いはポリマーは、主鎖に二重結合を有する化 合物または直鎖の両末端にアクリロイルもし くはメタクリロイル基を有する化合物が好ま しい。この種のラジカル重合硬化性バインダ ーは、高硬度で耐擦過性に優れ、透明度の高 い被膜もしくはマトリックスを形成すること ができる。
無機ポリマー系バインダーの例としては シリカ、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化 ルコニウム等の金属酸化物のゾル、あるい 無機ポリマーの前駆体となる加水分解また 熱分解性の有機金属化合物(有機リン化合物 、有機ボロン化合物、有機シラン化合物、有 機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、 有機鉛化合物、有機アルカリ土類金属化合物 など)がある。加水分解性または熱分解性の 機金属化合物の具体的例は、アルコキシド たはその部分加水分解物、酢酸塩などの低 カルボン酸塩、アセチルアセトンなどの金 錯体である。
これらの無機ポリマー系バインダーを焼 すると、酸化物または複合酸化物からなる ラス質の無機ポリマー系透明被膜もしくは トリックスを形成することができる。無機 リマー系マトリックスは、一般にガラス質 あり、高硬度で耐擦過性に優れ、透明性も い。
バインダーの使用量は、オーバーコート するのに十分な量、もしくは、液中に配合 る場合には塗布に適した粘性を得るのに十 な量であればよい。少なすぎると塗布がう くいかず、多すぎても導電性を阻害し良く い。
本発明で用いる分散媒としては、一般に 述したような溶媒を使用するが、光硬化性 たは放射線硬化性の有機ポリマー系バイン ーの場合には、常温で液状のバインダーを 択することにより、無溶剤の分散体とする とができる。それにより、被膜の硬化乾燥 に溶媒の蒸発が起こらず、硬化時間が大幅 短縮され、かつ溶媒回収操作が不要となる
本発明のカーボンナノチューブ集合体の 散体には、必要に応じて、カップリング剤 架橋剤、安定化剤、沈降防止剤、着色剤、 荷調整剤、滑剤等の添加剤を配合すること できる。
また、本発明のカーボンナノチューブ集 体の分散体には、本発明のカーボンナノチ ーブ集合体以外の導電性有機材料、導電性 機材料、あるいはこれらの材料の組合せを らに含むことができる。
導電性有機材料としては、バッキーボー 、カーボンブラック、フラーレン、多種カ ボンナノチューブ、ならびにそれらを含む 子や、スルホン酸等の有機酸、テトラシア キノジメタン(TCNQ)、トリニトロフルオレノ (TNF)、クロラニル等のアクセプタ構造を分 内に有する有機化合物を用いることができ 。
導電性無機材料としては、アルミニウム アンチモン、ベリリウム、カドミウム、ク ム、コバルト、銅、ドープ金属酸化物、鉄 金、鉛、マンガン、マグネシウム、水銀、 属酸化物、ニッケル、白金、銀、鋼、チタ 、亜鉛、ならびにそれらを含む粒子があげ れる。好ましくは、酸化インジウムスズ、 化アンチモンスズ、およびそれらの混合物 あげられる。
これらの導電性材料を含有させ、あるい オーバーコーティングして得たフィルムは 電荷の分散、または移動に非常に有利であ 。また、これらカーボンナノチューブ集合 以外の導電性材料を含む層とカーボンナノ ューブ集合体を含む層を積層させてもよい
導電性フィルムの基材となるフィルムは に限定されない。透明性が必要な時には、 明フィルム、例えばPETフィルム、が好まし 。
本発明の導電性フィルムは、基材と接着 せたまま使用することもできるし、基材か 剥離させ自立フィルムとして用いることも きる。自立フィルムを作製するには、例え 、透明導性フィルム上にさらに有機ポリマ 系バインダーを塗布した後、基材を剥離す ばよい。また、作製時の基材を熱分解によ 焼失あるいは溶融させ、別の基材に透明導 性フィルムを転写して用いることもできる その際は、作製時の基材の熱分解温度が転 基材の熱分解温度より低いことが好ましい
本発明の導電性フィルムの厚さは、種々 範囲をとることができる。例えば、本発明 導電性フィルムは約0.5nm~約1000μmの間の厚さ としうる。導電性フィルムの厚さは好ましく は約0.005~約1000μm、より好ましくは約0.05~約500 μm、さらに好ましくは約1.0~約200μm、さらに ましくは約1.0~約50μmである。
かくして得られる本発明の導電性フィルム 、基材上にカーボンナノチューブ集合体が 層され、光透過率が85%以上、表面抵抗値が1 ×10 5 ω/□未満である導電性フィルムである。
導電性フィルムの透過率は、導電性フィル の透過率/透明基材の光透過率>0.85である とが好ましく、0.99>導電性フィルムの透 率/透明基材の光透過率>0.90であることが り好ましい。また導電性フィルムの表面抵 は、1×10 4 ω/□未満であることがより好ましく、1×10 2 ω/□以上、5×10 3 ω/□未満であることがさらに好ましい。
本発明においては、分散倍として樹脂を い、カーボンナノチューブ集合体を分散さ て分散体とすることもできる。この時、用 る樹脂には、特に制限が無く、熱可塑性樹 および硬化性樹脂のいずれも使用すること できる。熱可塑性樹脂とは、加熱により溶 成形可能な樹脂を言う。その具体例として 、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂 ポリスチレン樹脂、ゴム変性ポリスチレン 脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレ (ABS)樹脂、アクリロニトリル-スチレン(AS)樹 、ポリメチルメタクリレート樹脂、アクリ 樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ デン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹 、エチレンビニルアルコール樹脂、酢酸セ ロース樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアク ロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリア タール樹脂、ポリブチレンテレフタレート 脂、ポリ乳酸樹脂、ポリフェニレンエーテ 樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、 リカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、 リフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテ イミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂 ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド 脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテル ーテルケトン樹脂、ポリケトン樹脂、液晶 リエステル樹脂、フッ素樹脂、シンジオタ チックポリスチレン樹脂、環状ポリオレフ ン樹脂などが挙げられる。これらの熱可塑 樹脂は1種または2種以上を併用して用いる とができる。硬化性樹脂とは、加熱、放射 照射、触媒添加などの手段によって硬化さ 、実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特 を持った樹脂である。その具体例としては フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹 、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂、 飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹 、ジアリルテレフタレート樹脂、エポキシ 脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フラ 樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱硬化 ポリイミド樹脂などが挙げられる。これら 硬化性樹脂は1種または2種以上を併用して用 いることができる。また、樹脂の主成分が熱 可塑性樹脂の場合、熱可塑性樹脂の特性を損 なわない範囲で少量の硬化性樹脂を添加する ことや、逆に主成分が硬化性樹脂の場合に硬 化性樹脂の特性を損なわない範囲で少量の熱 可塑性樹脂を添加することも可能である。
樹脂に添加するカーボンナノチューブの に関しても量は特に制限されない。通常は0 .01~50重量%、好ましくは0.01~20重量%、より好ま しくは0.1~10重量%である。添加量が多すぎる 、ベースとなる樹脂の特性が失われること あるので、カーボンナノチューブの添加量 少ないほど良い。
カーボンナノチューブを樹脂中に分散さ る方法に特に制限は無い。具体的な方法と て、樹脂を溶媒に溶解させ、樹脂溶液とし 状態でカーボンナノチューブを添加して攪 および混合して分散させた後、溶媒を除去 る方法、熱可塑性樹脂を加熱溶融した状態 カーボンナノチューブを添加し、ミキサー ニーダー、押出機などの溶融混練機で分散 せる方法、硬化性樹脂の場合では硬化前の ノマーやプレポリマーの状態にカーボンナ チューブを添加して攪拌および混合して分 させ、次いで樹脂を硬化させる方法、モノ ー中にカーボンナノチューブを添加し攪拌 よび混合して分散させ、次いで重合させる 法など、いずれの方法でも良い。
カーボンナノチューブ集合体の製造方法 しては、本発明で規定した条件を満たすカ ボンナノチューブ集合体が得られる限り限 はないが、例えば以下の製造方法が例示さ る。
マグネシアに鉄を担持した粉末状の触媒 、縦型反応器中、反応器の水平断面方向全 に存在させ、該反応器内にメタンを鉛直方 に流通させ、メタンと前記触媒を500~1200℃ 接触させ、カーボンナノチューブ集合体を 造した後、カーボンナノチューブ集合体を 化処理する。
鉄を、マグネシアに担持させることによ 、鉄の粒径をコントロールしやすく、また 密度で鉄が存在しても高温下でシンタリン が起こりにくい。そのため、高品質なカー ンチューブを効率よく多量に合成すること できる。さらに、マグネシアは酸性水溶液 溶けるので、酸性水溶液で処理するだけで グネシアおよび鉄の両者を取り除くことも きるため、精製工程を簡便化することがで る。
マグネシアは、市販品を使用しても良いし 合成したものを使用しても良い。マグネシ の好ましい製法としては、金属マグネシウ を空気中で加熱する、水酸化マグネシウム 850℃以上に加熱する、炭酸水酸化マグネシ ム3MgCO 3 ・Mg(OH) 2 ・3H 2 Oを950℃以上に加熱する等の方法がある。
マグネシアの中でも軽質マグネシアが好 しい。軽質マグネシアとはかさ密度が小さ マグネシアである。軽質マグネシアのかさ 度は0.20g/mL以下であることが好ましく、0.05~ 0.16g/mLであることが触媒の流動性の点からよ 好ましい。粉体のかさ密度は、測定時の温 、湿度に影響されることがある。ここで言 かさ密度は、温度20±10℃、湿度60±10%で測定 したときの値である。
マグネシアに担持する鉄は、0価の状態と は限らない。反応中は0価の金属状態になっ いると推定できるが、広く鉄を含む化合物 たは鉄種でよい。例えば、ギ酸鉄、酢酸鉄 トリフルオロ酢酸鉄、クエン酸アンモニウ 鉄、硝酸鉄、硫酸鉄、ハロゲン化物鉄など 有機塩または無機塩、エチレンジアミン4酢 錯体やアセチルアセトナート錯体のような 塩などが用いられる。また鉄は微粒子であ ことが好ましい。微粒子の粒径は0.5~10nmで ることが好ましい。鉄が微粒子であると外 の細いカーボンナノチューブが生成しやす 。
マグネシアに鉄を担持させる方法は、特 限定されない。例えば、担持したい鉄の塩 溶解させた非水溶液(例えばエタノール溶液 )中または水溶液中に、マグネシアを含浸し 攪拌や超音波照射などにより充分に分散混 した後、乾燥させる(含浸法)。さらに空気、 酸素、窒素、水素、不活性ガスおよびそれら の混合ガスから選ばれたガス中または真空中 、高温(300~1000℃)で加熱することにより、マ ネシアに鉄を担持させてもよい。
鉄担持量は、多いほどカーボンナノチュ ブの収量が上がるが、多すぎると鉄の粒子 が大きくなり、生成するカーボンナノチュ ブが太くなる。鉄担持量が少ないと、担持 れる鉄の粒子径が小さくなり、外径の細い ーボンナノチューブが得られるが、収率が くなる傾向がある。最適な鉄担持量は、マ ネシアの細孔容量や外表面積、担持方法に って異なるが、マグネシアに対して0.1~20重 %の鉄を担持することが好ましく、特に0.2~10 重量%であることが好ましい。
このようにして得られた、鉄を担持した グネシアを縦型反応器に充填する。反応器 耐熱性であることが好ましく、石英製、ア ミナ製等の耐熱材質からなることが好まし 。
ここで、縦型反応器とは、鉛直方向(以下 「縦方向」称する場合もある)に設置された 応器を有し、該反応器の一方の端部から他 の端部に向けた方向にメタンが流通し、メ ンが、カーボンナノチューブ集合体製造用 媒で形成される触媒層を通過する態様で流 し得る機構を備えたものである。反応器は 例えば管形状を有する反応器を好ましく用 ることができる。なお、上記において、鉛 方向とは、鉛直方向に対して若干傾斜角度 有する方向をも含む(例えば水平面に対し90° ±15°、好ましくは90°±10°)。なお、好ましい は鉛直方向である。なお、メタンの供給部 よび排出部は、必ずしも反応器の端部であ 必要はなく、メタンが前記方向に流通し、 の流通過程で触媒層を通過すればよい。
触媒は、縦型反応器中、反応器の水平断 方向全面に存在することが好ましい。この うにすることにより、触媒とメタンを有効 接触させることができる。横型反応器の場 、このような状態にするには、重力がかか 関係上、触媒を左右から挟み込む必要があ 。しかし、カーボンナノチューブ集合体の 成反応の場合、反応するに従って触媒上に ーボンナノチューブ集合体が生成して、触 の体積が増加するので、左右から触媒を挟 こむ方法は好ましくない。反応器を縦型に 、反応器内にガスが透過できる台を設置し 、その上に触媒を置くことによって、触媒 両側から挟みこむことなく、反応器の断面 向に均一に触媒を存在させることができる 非特許文献2、3、4、特許文献1に記載の様な 横型反応器の場合、触媒の表面だけしか原料 ガスが接触しないので、触媒の内部ではカー ボンナノチューブが生成しない。1つ1つの触 粒子に関してもガスが接触する部分が限定 れるために、カーボンナノチューブの成長 る領域が狭くなる。つまり、カーボンナノ ューブが密に成長するために、すぐに太い ンドルが形成され、分散性が不良となって まうと考えられる。また触媒内部は、ほと ど原料ガスと接触しないため、カーボンナ チューブの収量が極端に減少するといった 題がある。縦型反応器の場合には均一に触 全体に原料ガスが接触するために、触媒粒 上でも均一にカーボンナノチューブ集合体 成長すると考えられ、バンドルが細く、極 て分散性に優れたカーボンナノチューブが られると推測される。ここで、触媒を縦型 応器の水平断面方向全面に存在させた状態 は、水平断面方向に全体に触媒が広がって て触媒底部の台が見えない状態を言う。こ ような状態の好ましい実施態様としては、 えば、次のような態様がある。
A.反応器内にガスが透過できる触媒を置 台(セラミックスフィルターなど)を置き、そ こに所定の厚みで触媒を充填する。この触媒 層の上下が多少凸凹してもかまわない(図1(a)) 。図1(a)は、反応器1の中に触媒を置く台2が設 置され、その上に触媒3が反応器の水平断面 向全体に存在している状態を示す概念図で る。
B.Aと同様の触媒を置く台上に、触媒以外 物体(充填材)と触媒を混ぜて充填する。こ 触媒層は均一であることが好ましいが、上 が多少凸凹してもかまわない(図1(b))。図1(b) 反応器1の中に触媒を置く台2が設置され、 の上に触媒以外の物体と触媒の混合物4が反 器の断面方向全体に存在している状態を示 概念図である。
C.反応器上部から触媒を噴霧などで落と 、触媒粉末がガスを介して反応器水平断面 向に均一に存在している状態(図1(c))。図1(c) 反応器1上部から噴霧した触媒5が反応器水 断面方向全体に広がった触媒状態を示す概 図である。
縦型反応器は流動床型であっても、固定 型であっても構わない。流動床型の一例と ては上述Cのような触媒を反応器上部から噴 霧などによって落とす態様や、一般に沸騰床 型と言われる触媒が流動する態様(上述AやBに 準ずる方法)が挙げられる。また固定床型の としては上述AまたはBのような態様が挙げら れる。
流動床型は、触媒を連続的に供給し、反 後の触媒とカーボンナノチューブ集合体を む集合体を連続的に取り出すことにより、 続的な合成が可能であり、カーボンナノチ ーブ集合体を効率よく得ることができ好ま い。また本発明では触媒の担体としてマグ シアを用いるが、マグネシアはその粒子特 (比重、かさ密度、表面電荷等)から、非常 流動性が良く、特に流動床型反応器でカー ンナノチューブ集合体を合成することに適 ている。マグネシア担体を触媒とした場合 流動床型でカーボンナノチューブ集合体を 成すると、流動化状態が良好なことから長 カーボンナノチューブが生成しやすい。こ で定義する長いカーボンナノチューブとは 均の長さが1μm以上のカーボンナノチューブ ことである。流動床型反応において流動性 良好なことから原料のメタンと触媒が均一 効率よく接触するためにカーボンナノチュ ブ合成反応が均一に行われ、アモルファス ーボンなどの不純物による触媒被覆が抑制 れ、触媒活性が長く続くために、このよう 長いカーボンナノチューブが得られると考 られる。
反応器内に設置された触媒層の下部、も くは上部からメタンを通過させて、触媒と 触させ、反応させることによりカーボンナ チューブ集合体を生成する。
触媒とメタンとを接触させる温度は、500~ 1200℃が好ましく、600~950℃がより好ましく、 らに好ましくは700℃~900℃の範囲である。温 度が500℃よりも低いと、カーボンナノチュー ブ集合体の収率が悪くなる。また温度が1200 よりも高いと、使用する反応器の材質に制 があると共に、カーボンナノチューブ同士 接合が始まり、カーボンナノチューブの形 のコントロールが困難になる。メタンを接 させながら反応器を反応温度にしてもよい 、熱による前処理終了後、反応器を反応温 にしてから、メタンの供給を開始しても良 。
カーボンナノチューブ集合体を生成させ 反応の前に、触媒に熱による前処理を行っ もよい。熱による前処理の時間は、特に限 しないが、長すぎるとマグネシア上で金属 凝集が起こり、それに伴い外径の太いカー ンナノチューブが生成することがあるので 120分以内が好ましい。前処理の温度は、触 活性が発揮されれば反応温度以下でも構わ いし、反応温度と同じでも、反応温度以上 も構わない。熱による前処理を行うことに り、触媒をより活性な状態にすることもあ 。
熱による前処理、およびカーボンナノチ ーブ集合体を生成させる反応は、減圧もし は大気圧で行うことが好ましい。
触媒とメタンの接触を減圧で行う場合は 真空ポンプなどで反応系を減圧にすること できる。また大気圧で前処理や反応を行う 合は、メタンと希釈ガスを混合した、混合 スとして触媒と接触させてもよい。
希釈ガスとしては、特に限定されないが 酸素ガス以外のものが好ましく使用される 酸素は爆発の可能性があるので通常使用し いが、爆発範囲外であれば使用しても構わ い。希釈ガスとしては、窒素、アルゴン、 素、ヘリウム等が好ましく使用される。こ らのガスは、メタンの線速や濃度のコント ールおよびキャリヤガスとして効果がある 水素は、触媒金属の活性化に効果があるの 好ましい。アルゴンの如き分子量が大きい スはアニーリング効果が大きく、アニーリ グを目的とする場合には好ましい。特に窒 およびアルゴンが好ましい。
上記のような製造工程によって製造され カーボンナノチューブ集合体は、2層カーボ ンナノチューブ以外に、単層カーボンナノチ ューブやアモルファスカーボンなどの不純物 も含んでいる。本発明のカーボンナノチュー ブ集合体の製造においては、以上のように生 成したカーボンナノチューブ集合体に対して 酸化処理を行う。カーボンナノチューブ集合 体の酸化処理は、焼成処理する方法、酸化剤 で処理する方法などにより行われる。このよ うな酸化処理を行うことで、生成物中のアモ ルファスカーボンなどの不純物および耐熱性 の低い単層CNTを選択的に除去することが可能 となり、2層カーボンナノチューブの純度を 上することができる。
酸化処理として焼成処理を行う場合、酸 温度は雰囲気ガスに影響されるため、酸素 度が高い場合には比較的低温で、酸素濃度 低い場合には比較的高温で焼成処理するこ が好ましい。大気下で焼成処理を行う場合 、カーボンナノチューブ集合体の燃焼ピー 温度±50℃の範囲内で焼成処理をすることが 好ましい。燃焼ピーク-50℃未満で焼成処理を 行っても、不純物や単層カーボンナノチュー ブは除去されず、2層カーボンナノチューブ 純度は向上しない。また燃焼ピーク温度+50 超で焼成処理を行うと、2層カーボンナノチ ーブまで消失してしまう。よってカーボン ノチューブ集合体の燃焼ピーク温度付近で 成するのが好ましい。さらに好ましくは燃 ピーク温度±15℃の範囲である。大気下で焼 成処理を行う場合は、焼成処理の温度は、300 ~1000℃の範囲で選択することが好ましく、400~ 600℃がより好ましい。酸素濃度が大気よりも 高い場合はこれよりも低目の温度範囲、酸素 濃度が大気よりも低い場合には高めの温度範 囲を選択する。
カーボンナノチューブ集合体の燃焼ピー 温度は、熱分析することで測定が可能であ 。約10mgの試料を示差熱分析装置(例えば島 製作所製 DTG-60)に設置し、空気中、10℃/分 昇温速度にて室温から900℃まで昇温する。 の時、試料の燃焼時の発熱ピーク温度を求 ることが可能である。
焼成温度が低いときは焼成処理時間を長 、焼成温度が高いときは焼成時間を短くす などして、反応条件を調整することができ 。よって焼成処理時間は本発明のカーボン ノチューブが得られる限り特に限定されな 。焼成処理時間は、5分から24時間が好まし 、より好ましくは10分から12時間、さらに好 ましくは30分から5時間である。焼成は大気下 で行うことが好ましいが、酸素濃度を調節し た酸素/不活性ガス下で行っても良い。この きの酸素濃度は特に限定されない。酸素0.1%~ 100%の範囲で適宜設定して良い。また不活性 スはヘリウム、窒素、アルゴン等が用いら る。
また、酸化処理は、酸素または酸素を含 混合気体を間欠的にカーボンナノチューブ 接触させて焼成処理を行なう方法によって 行なうことができる。酸素または酸素を含 混合気体を間欠的に接触させて焼成処理す 場合は、比較的高温で処理が可能である。 れは間欠的に酸素または酸素を含む混合気 を流すために、酸化が起きても、酸素を消 した時点ですぐに反応が停止するからであ 。大気下で焼成処理を行う場合は、温度範 は、500~1200℃程度が好ましく、600~950℃程度 より好ましい。前述のようにカーボンナノ ューブの製造時には、温度が500~1200℃程度 なる。したがって、カーボンナノチューブ 製造後、すぐに焼成処理をする場合は、こ ような間欠的焼成処理を行うことが好まし 。
カーボンナノチューブの酸化処理として 酸化剤を用いる場合、過酸化水素や混酸で 理する方法が挙げられる。
カーボンナノチューブを過酸化水素で処 する場合は、カーボンナノチューブを、例 ば34.5%過酸化水素水中に0.01重量%~10重量%に るように混合し、0~100℃の温度にて0.5~48時間 反応させる。
またカーボンナノチューブを混酸で処理 る場合は、カーボンナノチューブを例えば 硫酸/濃硝酸(3/1)混合溶液中に0.01重量%~10重 %になるように混合し、0~100℃の温度にて0.5~4 8時間反応させる。混酸の混合比としては、 成したカーボンナノチューブ中の単層カー ンナノチューブの量に応じて、濃硫酸/濃硝 の比を1/10~10/1とすることも可能である。
また上記混酸処理した後、塩基性化合物 処理しても良い。塩基性化合物で処理する とで、残存混酸を減少させることができる さらに、塩基性化合物で処理することによ 、アモルファスカーボンなどの不純物に生 したと考えられるカルボキシル基などの酸 基が塩化し、該不純物とカーボンナノチュ ブとの分離が良くなると考えられる。つま 該不純物の水溶性が増し、ろ過することで ーボンナノチューブと不純物が容易に分離 ることが可能となる。塩基性化合物として 、特に限定はしないが、水酸化ナトリウム 水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸 素ナトリウム等の無機アルカリ塩やメチル ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ジ チルアミン、ジエチルアミン、ジプロピル ミン、アンモニア、水酸化アンモニウム等 アミン類が好ましい。中でもメチルアミン エチルアミン、プロピルアミン、ジメチル ミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン の炭素数が10以下の低級アミンがより好ま く、さらに好ましくはエチルアミンまたは ロピルアミンであり、最も好ましくはプロ ルアミンである。
これら酸化処理は、カーボンナノチュー 集合体合成直後に行っても良いし、別の精 処理後に行っても良い。例えば触媒として /マグネシアを用いる場合、焼成処理後、塩 酸等の酸により、さらに触媒除去のための精 製処理を行っても良いし、先に塩酸等の酸に より触媒除去のための精製処理を行った後に 酸化処理してもよい。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具 的に説明する。ただし、本発明は以下の実 例に限定されるものではない。
実施例中、各種物性評価は以下の方法で った。
[熱分析]
約10mgの試料を示差熱分析装置(島津製作所
DTG-60)に設置し、空気中、10℃/分の昇温速
にて室温から900℃まで昇温した。そのとき
DTA曲線から発熱による燃焼ピーク温度を読
とった。
[ラマン分光分析]
共鳴ラマン分光計(ホリバ ジョバンイボン
INF-300)に粉末試料を設置し、532nm、もしく
633nmのレーザー波長を用いて測定を行った
G/D比の測定に際しては、サンプルの異なる3
所について分析を行い、その相加平均を求
た。
[高分解能透過型電子顕微鏡写真]
カーボンナノチューブ集合体1mgをエタノー
1mLに入れて、約15分間超音波バスを用いて
散処理を行った。分散した試料をグリッド
に数滴滴下し、乾燥した。このように試料
塗布されたグリッドを透過型電子顕微鏡(日
電子社製 JEM-2100)に設置し、測定を行った
測定倍率は5万倍から50万倍である。加速電
は120kVである。
[走査型電子顕微鏡写真]
カーボンナノチューブ集合体1mgをエタノー
1mLに入れて、約15分間超音波バスを用いて
散処理を行った。分散した試料をグリッド
に数滴滴下し、乾燥した。このように試料
塗布されたグリッドを走査型電子顕微鏡(日
電子社製 JSM-6301NF)に設置し、測定を行った
。測定倍率は1000倍から6万倍である。加速電
は5kVである。
[透明導電性フィルム作製]
カーボンナノチューブ集合体分散液300μLに
タノール/水(重量比1/1)をぬれ剤として300μL
加後、ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ルム(東レ(株)社製(ルミラー(登録商標) U36))
にバーコーター(No.8、塗布厚み12μm)を用い
塗布し、風乾した後、蒸留水にてリンスし
60℃乾燥機内で2分間乾燥させ、カーボンナ
チューブ集合体を固定化した。
[光透過率測定]
光透過率はカーボンナノチューブ集合体塗
フィルムを分光光度計(日立製作所 U-2100)に
装填し、波長550nmでの光透過率を測定した。
[表面抵抗測定]
表面抵抗値はJIS K7149(1994年12月制定)準処の4
端子4探針法を用い、ロレスタEP MCP-T360((株)
イアインスツルメンツ社製)を用いて行った
高抵抗測定の際は、ハイレスターUP MCP-HT450
(ダイアインスツルメンツ製、10V、10秒)を用
て測定した。
<実施例1>
(軽質マグネシアへの金属塩の担持)
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業社製
)5gをメタノール(関東化学社製)250mLに溶解し
。この溶液に、軽質マグネシア(和光純薬工
社製、かさ密度は0.16g/mLであった)を50g加え
超音波洗浄機で60分間処理し、40℃から60℃
攪拌しながら乾燥してメタノールを除去し
軽質マグネシア粉末に金属塩が担持された
体触媒を得た。
(2層カーボンナノチューブの合成)
図2に示した縦型反応器でカーボンナノチュ
ーブを合成した。
反応器100は内径32mm、長さは1200mmの円筒形 石英管である。中央部に石英焼結板101を具備 し、石英管下方部には、不活性ガスおよび原 料ガス供給ライン104、上部には廃ガスライン 105および、密閉型触媒供給機102および触媒投 入ライン103を具備する。さらに、反応器を任 意温度に保持できるように、反応器の円周を 取り囲む加熱器106を具備する。加熱器106には 装置内の流動状態が確認できるよう点検口107 が設けられている。
触媒12gを取り、触媒投入ライン103を通し 、石英焼結板101上に触媒をセットした。次 で、原料ガス供給ライン104から窒素ガスを1 000mL/分で供給開始した。反応器内を窒素ガス 雰囲気下とした後、温度を900℃に加熱した( 温時間30分)。
900℃に到達した後、温度を保持し、原料 ス供給ライン104の窒素流量を2000mL/分に上げ 、石英焼結板上の固体触媒の流動化を開始さ せた。加熱炉点検口107から流動化を確認した 後、さらにメタンを95mL/分(メタン濃度4.5vol%) 反応器に供給開始した。該混合ガスを30分 給した後、窒素ガスのみの流通に切り替え 合成を終了させた。
加熱を停止させ室温まで放置し、室温に ってから反応器から触媒とカーボンナノチ ーブ集合体を含有する組成物を取り出した 上記操作を繰り返し、得られたカーボンナ チューブ集合体を以下の工程に供した。
得られたカーボンナノチューブ集合体を 記の方法で熱分析した。燃焼ピーク温度は5 11℃であった。
(カーボンナノチューブ集合体の焼成、精製
処理)
カーボンナノチューブ集合体30gを磁性皿(150
φ)に取り、マッフル炉(ヤマト科学社製、FP41)
にて大気下、500℃まで1時間で昇温し、60分保
持した後、自然放冷した。さらに、上記のカ
ーボンナノチューブから触媒を除去するため
、次のように精製処理を行った。カーボンナ
ノチューブを6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃
ウォーターバス内で2時間攪拌した。孔径1μm
のフィルターを用いてろ過して得られた回収
物を、さらに6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃
ウォーターバス内で1時間攪拌した。これを
径1μmのフィルターを用いてろ過し、数回水
洗した後、ろ過物を120℃のオーブンで一晩乾
燥することでマグネシアおよび金属を除去で
き、カーボンナノチューブを精製することが
できた。
(カーボンナノチューブ集合体の高分解能透
過型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を高分解能透過型電子顕微鏡で観察
たところ、図3に示すように、カーボンナノ
チューブはきれいなグラファイト層で構成さ
れており、層数が2層のカーボンナノチュー
が観察された。またカーボンナノチューブ10
0本中の90%以上(91本)を2層のカーボンナノチュ
ーブが占めていた。
(カーボンナノチューブ集合体の共鳴ラマン
分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を、ラマン分光測定した。その結果
図4に示すように、波長532nmのラマン分光分
で141cm -1
、155cm -1
、172cm -1
、261cm -1
、330cm -1
にピークが観測され、さらに波長633nmのラマ
分光分析で211cm -1
にピークが観測された。なお、波長532nmのラ
ン分光分析で190cm -1
超から260cm -1
未満の領域にはピークが観測されなかった。
また、そのG/D比は75(532nm)と、グラファイト化
度の高い高品質2層カーボンナノチューブで
ることがわかった。
(カーボンナノチューブ集合体分散液調製)
50mLの容器に上記カーボンナノチューブ集合
体10mgおよびポリスチレンスルホン酸ナトリ
ム水溶液(アルドリッチ社製、30重量%、重量
均分子量20万)100mgを量りとり、蒸留水9.93mL
加えて、超音波ホモジナイザー出力25W、20分
間で氷冷下分散処理し、カーボンナノチュー
ブ集合体分散液を調製した。調製した液には
凝集体は目視では確認できず、カーボンナノ
チューブ集合体はよく分散していた。得られ
た液を高速遠心分離機にて20000G、15分遠心処
し、上清9mLをサンプリングした。この時の
存液1mLを孔径1μmのフィルターを用いてろ過
、その後よく洗浄して得られたろ過物を120℃
乾燥機にて乾燥した。ろ過物の重量を測った
ところ、3.9mgであった。よって6.1mg(0.68mg/mL)の
カーボンナノチューブ集合体が上清中に分散
していることがわかった。
上記で得たカーボンナノチューブ集合体分 液を用いて、前記の方法で透明導電性フィ ムを得た。得られた透明導電性フィルムの 面抵抗値は1.7×10 3 ω/□、光透過率は85%(透明導電性フィルム85%/P ETフィルム90.7%=0.94)であり、高い導電性およ 、透明性を示した。
<実施例2>
(軽質マグネシアへの金属塩の担持)
実施例1と同様に行ない、固体触媒を得た。
(2層カーボンナノチューブの合成)
シリカ/アルミナ製の不織布上に、上記で調
製した固体触媒8.0gをとり、870℃に加熱した
縦型反応器内の鉛直方向に設置した内径250mm
の石英管を反応器鉛直方向に設置した縦型反
応器の反応管の中央部に導入した。石英管反
応器底部から石英管反応器上部方向へ向けて
アルゴンガスを50L/分で5分間供給し、触媒層
通過するように流通させた後、メタンガス
130mL/分、アルゴンガスを3.0L/分で30分間導入
して触媒層を通過するように通気し、両者を
接触、反応させた。メタンガスの導入を止め
、1分間アルゴンガスを50L/分流した後に、カ
ボンナノチューブ集合体を含有する組成物
取り出し、室温まで冷却した。上記操作を
り返し、得られたカーボンナノチューブ集
体を以下の工程に供した。
得られたカーボンナノチューブ集合体を 記の方法で熱分析した。燃焼ピーク温度は5 10℃であった。
(カーボンナノチューブ集合体の焼成、精製
処理)
カーボンナノチューブ集合体30gを磁性皿(150
φ)に取り、マッフル炉(ヤマト科学社製、FP41)
にて大気下、500℃まで1時間で昇温し、60分保
持し焼成処理を行った後、自然放冷した。さ
らに、上記のカーボンナノチューブから触媒
を除去するため、次のように精製処理を行っ
た。カーボンナノチューブを6Nの塩酸水溶液
添加し、室温で1時間攪拌した。孔径1μmの
ィルターを用いてろ過して得られた回収物
、さらに6Nの塩酸水溶液に添加し、室温で1
間攪拌した。これを孔径1μmのフィルターを
いてろ過し、数回水洗した後、ろ過物を120
のオーブンで一晩乾燥することでマグネシ
および金属を除去でき、カーボンナノチュ
ブを精製することができた。
(カーボンナノチューブ集合体の高分解能透
過型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を高分解能透過型電子顕微鏡で観察
たところ、図5に示すように、カーボンナノ
チューブはきれいなグラファイト層で構成さ
れており、層数が2層のカーボンナノチュー
が観察された。またカーボンナノチューブ10
0本中の90%以上(90本)を2層のカーボンナノチュ
ーブが占めていた。
(カーボンナノチューブ集合体の共鳴ラマン
分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を、ラマン分光測定した。その結果
図6に示すように、波長532nmのラマン分光分
で146cm -1
、165cm -1
、181cm -1
、263cm -1
、312cm -1
にピークが観測され、さらに波長633nmのラマ
分光分析で216cm -1
にピークが観測された。なお、波長532nmのラ
ン分光分析で190cm -1
超から260cm -1
未満の領域にはピークが観測されなかった。
また、そのG/D比は46(532nm)と、グラファイト化
度の高い高品質2層カーボンナノチューブで
ることがわかった。
(カーボンナノチューブ集合体分散液調製)
50mLの容器に上記カーボンナノチューブ集合
体10mgおよびポリスチレンスルホン酸ナトリ
ム水溶液(アルドリッチ社製、30重量%、重量
均分子量20万)100mgを量りとり、蒸留水9.93mL
加えて、超音波ホモジナイザー出力25W、20分
間で氷冷下分散処理し、カーボンナノチュー
ブ集合体分散液を調製した。調製した液には
凝集体は目視では確認できず、カーボンナノ
チューブ集合体はよく分散していた。得られ
た液を高速遠心分離機にて20000G、15分遠心処
し、上清9mLをサンプリングした。この時の
存液1mLを孔径1μmのフィルターを用いてろ過
、その後よく洗浄して得られたろ過物を120℃
乾燥機にて乾燥した。ろ過物の重量を測った
ところ、1.0mgであった。よって9.0mg(1.00mg/mL)の
カーボンナノチューブ集合体が上清中に分散
していることがわかった。
上記で得たカーボンナノチューブ集合体分 液を用いて、前記の方法で透明導電性フィ ムを得た。得られた透明導電性フィルムの 面抵抗値は1.1×10 3 ω/□、光透過率は85%(透明導電性フィルム85%/P ETフィルム90.7%=0.94)であり、高い導電性およ 、透明性を示した。
<実施例3>
(電界電子放出源の作成)
100mLビーカーに実施例1で得られた触媒を除
したカーボンナノチューブを50mgおよびアセ
トン100mLを入れ、超音波を30分間照射して分
液を得た。本分散液を、銅板を入れたビー
ーに入れ、静置してアセトンを自然蒸発さ
ることにより、表面にカーボンナノチュー
を堆積させた銅板を得た。
(電界電子放出能の評価)
得られた銅板は、フィールドエミッション
子のカソードとして用いることができる。
面にカーボンナノチューブを堆積させた銅
をカソード電極として用い、他の銅板をア
ード電極として、前記カソード電極に対向
せて配置する。この2極管構造物を評価用チ
ャンバーに導入し、電界電子放出能を評価す
ることができる。本実施例で得られたカーボ
ンナノチューブは良好な電界電子放出能を示
すことが期待できる。
<実施例4>
(軽質マグネシアへの金属塩の担持)
実施例1と同様に行い、固体触媒を得た。
(2層カーボンナノチューブの合成)
図2に示した縦型反応器でカーボンナノチュ
ーブを合成した。密閉型触媒供給機102から触
媒投入ライン103を通して、石英焼結板101上に
触媒12gをセットした。次いで、原料ガス供給
ライン104からアルゴンガスを1000mL/分で供給
始した。反応器内をアルゴンガス雰囲気下
した後、温度を850℃に加熱した(昇温時間30
)。
850℃に到達した後、温度を保持し、原料 ス供給ライン104のアルゴン流量を2000mL/分に 上げ、石英焼結板上の固体触媒の流動化を開 始させた。加熱炉点検口107から流動化を確認 した後、さらにメタンを95mL/分(メタン濃度4.5 vol%で反応器に供給開始した。該混合ガスを30 分供給した後、アルゴンガスのみの流通に切 り替え、合成を終了させた。
加熱を停止させ室温まで放置し、室温に ってから反応器から触媒とカーボンナノチ ーブ集合体を含有する組成物を取り出した 上記操作を繰り返し、得られたカーボンナ チューブ集合体を以下の工程に供した。
得られたカーボンナノチューブ集合体を 記の方法で熱分析した。燃焼ピーク温度は5 10℃であった。
(カーボンナノチューブ集合体の焼成、精製
処理)
カーボンナノチューブ集合体30gを磁性皿(150
φ)に取り、マッフル炉(ヤマト科学社製、FP41)
にて大気下、500℃まで1時間で昇温し、60分保
持した後、自然放冷した。さらに、上記のカ
ーボンナノチューブから触媒を除去するため
、次のように精製処理を行った。カーボンナ
ノチューブを400℃で1時間空気下焼成をした
、6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃のウォータ
バス内で2時間攪拌した。濾過して得られた
回収物を、さらに6Nの塩酸水溶液に添加し、8
0℃のウォーターバス内で1時間攪拌した。こ
を濾過し、数回水洗した後、濾過物を120℃
オーブンで一晩乾燥することでマグネシア
よび金属を除去でき、カーボンナノチュー
を精製することができた。
(カーボンナノチューブ集合体の高分解能透
過型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を高分解能透過型電子顕微鏡で観察
たところ、図7に示すように、カーボンナノ
チューブはきれいなグラファイト層で構成さ
れており、層数が2層のカーボンナノチュー
が観察された。またカーボンナノチューブ
本数の80%以上を2層のカーボンナノチューブ
占めていた。
(カーボンナノチューブ集合体の共鳴ラマン
分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を、ラマン分光測定した。その結果
図8に示すように波長532nmのラマン分光分析
147cm -1
、170cm -1
、181cm -1
、271cm -1
、312cm -1
にピークが観測され、さらに波長633nmのラマ
分光分析で211cm -1
にピークが観測された。なお、波長532nmのラ
ン分光分析で190cm -1
超から260cm -1
未満の領域にはピークが観測されなかった。
また、そのG/D比は49(532nm)、49(633nm)と、グラフ
ァイト化度の高い高品質2層カーボンナノチ
ーブであることがわかった。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器に上記カーボンナノチューブ10mg
よびコール酸ナトリウム(アルドリッチ社製)
30mgを量りとり、蒸留水10mLを加えて、超音波
モジナイザー出力25W、20分間で氷冷下分散
理し、カーボンナノチューブ分散液を調製
た。調製した液には凝集体は目視では確認
きず、カーボンナノチューブはよく分散し
いた。得た液を高速遠心機を使用し20000G、15
分遠心処理し、上清を50mlのサンプル管に入
保管した。底にたまったカーボンナノチュ
ブを乾燥後、400℃で1時間焼成して有機成分
焼きとばし、重さを測定した結果、沈降し
カーボンナノチューブ量は最初に添加した
ーボンナノチューブ量の13重量%であった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。得られた透明導電性フィルムの表面抵 値は5.5×10 3 ω/□、光透過率は85%(透明導電性フィルム85%/P ETフィルム90.7%=0.94)であり、高い導電性およ 、透明性を示した。
<実施例5>
(分散剤の合成)
2-アミノアニソール-4-スルホン酸(2.0g)の蒸
水(20mL)の懸濁液にトリエチルアミン(1.39mL)を
加え、溶液とした。その後、ペルオキソ二硫
酸アンモニウム(2.3g)の蒸留水(5mL)溶液を、先
溶液に約10分間かけて滴下した。一晩、室
にて攪拌を続けた後、アセトン(200mL)を加え
沈殿を生成した。沈殿をフィルターでろ過
、アセトン(300mL)で洗浄した後、120℃のオー
ブンで一晩乾燥した結果、ポリ(2-スルホ-5-メ
トキシ-1,4-イミノフェニレン)を2.1g得た。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器に上記実施例4で触媒の除去まで
ったカーボンナノチューブ10mgおよびポリ(2-
ルホ-5-メトキシ-1,4-イミノフェニレン)30mgを
量りとり、蒸留水10mLを加えて、超音波ホモ
ナイザー出力25W、20分間で氷冷下分散処理し
、カーボンナノチューブ分散液を調製した。
調製した液には凝集体は目視では確認できず
、カーボンナノチューブはよく分散していた
。得た液を高速遠心機を使用し20000G、15分遠
処理し、上清を50mLのサンプル管に入れ保管
した。底にたまったカーボンナノチューブを
乾燥後、400℃で1時間焼成して有機成分を焼
とばし、重さを測定した結果、沈降したカ
ボンナノチューブ量は最初に添加した量の10
重量%であった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。得られた透明導電性フィルムの表面抵 値は1.0×10 4 ω/□、光透過率は88%(透明導電性フィルム88%/P ETフィルム90.7%=0.97)であり、高い導電性およ 、透明性を示した。さらにこのフィルムに 記カーボンナノチューブ分散液を再度塗布 風乾、リンス、乾燥工程を行った。その結 、得られた透明導電性フィルムの表面抵抗 は4.0×10 3 ω/□、光透過率は86%(透明導電性フィルム86%/P ETフィルム90.7%=0.95)であり、高い導電性およ 、透明性を示した。再度同工程を行ったと ろ、得られた透明導電性フィルムの表面抵 値は2.4×10 3 ω/□、光透過率は84%(透明導電性フィルム84%/P ETフィルム90.7%=0.93)であり、高い導電性およ 、透明性を示した。
<実施例6>
(カーボンナノチューブの過酸化水素処理)
実施例4にて合成した触媒付きのカーボンナ
ノチューブ集合体30gを磁性皿(150φ)に取り、
ッフル炉(ヤマト科学社製、FP41)にて大気下
400℃まで1時間で昇温し、60分保持した後、
然放冷した。さらに、上記のカーボンナノ
ューブから触媒を除去するため、次のよう
精製処理を行った。カーボンナノチューブ
6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃のウォーター
ス内で2時間攪拌した。濾過して得られた回
収物を、さらに6Nの塩酸水溶液に添加し、80
のウォーターバス内で1時間攪拌した。濾過
、数回水洗した後、濾過物を120℃のオーブ
で一晩乾燥することでマグネシアおよび鉄
除去でき、カーボンナノチューブを精製す
ことができた。この後、カーボンナノチュ
ブ50mgに対して34.5%過酸化水素水(関東化学株
式会社製)50mLと混合し、80℃にて4時間反応し
。反応後、濾過し、数回水洗した後、濾過
を120℃のオーブンで一晩乾燥した。
(カーボンナノチューブ集合体の共鳴ラマン
分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を、ラマン分光測定した。その結果
波長532nmのラマン分光分析で149cm -1
、168cm -1
、181cm -1
、268cm -1
、312cm -1
にピークが観測され、さらに波長633nmのラマ
分光分析で216cm -1
にピークが観測された。なお、波長532nmのラ
ン分光分析で190cm -1
超から260cm -1
未満の領域にはピークが観測されなかった。
また、そのG/D比は57(532nm)、57(633nm)と、グラフ
ァイト化度の高い高品質2層カーボンナノチ
ーブであることがわかった。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器に上記カーボンナノチューブ10mg
よびポリ(2-スルホ-5-メトキシ-1,4-イミノフェ
ニレン)20mgを量りとり、蒸留水10mLを加えて、
超音波ホモジナイザー出力240W、30分間で氷冷
下分散処理し、カーボンナノチューブ分散液
を調製した。調製した液には凝集体は目視で
は確認できず、カーボンナノチューブはよく
分散していた。得た液を高速遠心機を使用し
10000G、15分遠心処理し、上清を50mlのサンプル
管に入れ保管した。底にたまったカーボンナ
ノチューブを乾燥後、400℃で1時間焼成して
機成分を焼きとばし、重さを測定した結果
沈降したカーボンナノチューブ量は、最初
添加した量の5重量%であった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。得られた透明導電性フィルムの表面抵 値は3.0×10 3 ω/□、光透過率は88%(透明導電性フィルム88%/P ETフィルム92.5%=0.95)であり、高い導電性およ 、透明性を示した。
<実施例7>
(カーボンナノチューブの混酸処理)
実施例4にて合成した触媒付きのカーボンナ
ノチューブ集合体30gを磁性皿(150φ)に取り、
ッフル炉(ヤマト科学社製、FP41)にて大気下
400℃まで1時間で昇温し、60分保持した後、
然放冷した。さらに、上記のカーボンナノ
ューブから触媒を除去するため、次のよう
精製処理を行った。カーボンナノチューブ
6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃のウォーター
ス内で2時間攪拌した。濾過して得られた回
収物を、さらに6Nの塩酸水溶液に添加し、80
のウォーターバス内で1時間攪拌した。濾過
、数回水洗した後、濾過物を120℃のオーブ
で一晩乾燥することでマグネシアおよび鉄
除去でき、カーボンナノチューブを精製す
ことができた。この後、カーボンナノチュ
ブ200mgに濃硫酸(関東化学株式会社製)30mlと
硝酸(関東化学株式会社製)10ml混合し、80℃に
て4時間反応した。反応後、濾過し、数回水
した後、濾過物を120℃のオーブンで一晩乾
したところ140mgの回収物が得られた。その後
回収物にイソプロピルアミン14mLと蒸留水126mL
を加え、超音波バスにて約10分混合した。そ
後濾過し、数回水洗した後、濾過物を120℃
オーブンで一晩乾燥した。
(カーボンナノチューブ集合体の共鳴ラマン
分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を、ラマン分光測定した。その結果
波長532nmのラマン分光分析で149cm -1
、163cm -1
、181cm -1
、260cm -1
、310cm -1
にピークが観測され、さらに波長633nmのラマ
分光分析で217cm -1
にピークが観測された。なお、波長532nmのラ
ン分光分析で190cm -1
超から260cm -1
未満の領域にはピークが観測されなかった。
また、そのG/D比は62(532nm)、57(633nm)と、グラフ
ァイト化度の高い高品質2層カーボンナノチ
ーブであることがわかった。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器に上記カーボンナノチューブ10mg
よびポリ(2-スルホ-5-メトキシ-1,4-イミノフェ
ニレン)20mgを量りとり、蒸留水10mLを加えて、
超音波ホモジナイザー出力240W、30分間で氷冷
下分散処理しカーボンナノチューブ分散液を
調製した。調製した液には凝集体は目視では
確認できず、カーボンナノチューブはよく分
散していた。得た液を高速遠心機を使用し100
00G、15分遠心処理し、上清を50mlのサンプル管
に入れ保管した。底にたまったカーボンナノ
チューブを乾燥後、400℃で1時間焼成して有
成分を焼きとばし、重さを測定した結果、
降したカーボンナノチューブ量は、最初に
加した量の検出限界(1重量%以下)であった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を
いて、前記の方法で透明導電性フィルムを
た。得られた透明導電性フィルムの表面抵
値は2.5×10 3
ω/□、光透過率は87%(透明導電性フィルム87%/P
ETフィルム92.5%=0.94)であり、高い導電性およ
、透明性を示した。
<実施例8>
(軽質マグネシアへの金属塩の担持)
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業社製
)2.46gをメタノール(関東化学社製)500mLに溶解
た。この溶液に、軽質マグネシア(岩谷社製)
を100g加え、室温で60分間攪拌し、40℃から60
で攪拌しながら減圧乾燥してメタノールを
去し、軽質マグネシア粉末に金属塩が担持
れた触媒体を得た。
(2層カーボンナノチューブの合成)
上記触媒を用いて、実施例1と同様な方法で
カーボンナノチューブを合成した。
得られたカーボンナノチューブ集合体を 記の方法で熱分析した。燃焼ピーク温度は4 56℃であった。
(カーボンナノチューブ集合体の焼成、精製
処理)
カーボンナノチューブ集合体30gを磁性皿(150
φ)に取り、マッフル炉(ヤマト科学社製、FP41)
にて大気下、446℃まで1時間で昇温し、60分保
持した後、自然放冷した。さらに、上記のカ
ーボンナノチューブから触媒を除去するため
、次のように精製処理を行った。カーボンナ
ノチューブを6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃
ウォーターバス内で2時間攪拌した。孔径1μm
のフィルターを用いてろ過して得られた回収
物を、さらに6Nの塩酸水溶液に添加し、80℃
ウォーターバス内で1時間攪拌した。これを
径1μmのフィルターを用いてろ過し、数回水
洗した後、ろ過物を120℃のオーブンで一晩乾
燥することでマグネシアおよび金属を除去で
き、カーボンナノチューブを精製することが
できた。
(カーボンナノチューブ集合体の高分解能透
型電子顕微鏡分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を高分解能透過型電子顕微鏡で観察
たところ、カーボンナノチューブはきれい
グラファイト層で構成されており、層数が2
層のカーボンナノチューブが観察された。ま
たカーボンナノチューブ100本中の88%(88本)を2
のカーボンナノチューブが占めていた。
(カーボンナノチューブ集合体の共鳴ラマン
光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を、ラマン分光測定した。その結果
波長532nmのラマン分光分析で138cm -1
、154cm -1
、183cm -1
、277cm -1
、316cm -1
にピークが観測され、さらに波長633nmのラマ
分光分析で220cm -1
にピークが観測された。なお、波長532nmのラ
ン分光分析で190cm -1
超から260cm -1
未満の領域にはピークが観測されなかった。
また、そのG/D比は84(532nm)、75(633nm)と、グラフ
ァイト化度の高い高品質2層カーボンナノチ
ーブであることがわかった。
(カーボンナノチューブ集合体分散液調製)
50mLの容器に上記カーボンナノチューブ集合
体10mgおよびポリスチレンスルホン酸ナトリ
ム水溶液(アルドリッチ社製、30重量%、重量
均分子量20万)100mgを量りとり、蒸留水9.93mL
加えて、超音波ホモジナイザー出力25W、20分
間で氷冷下分散処理し、カーボンナノチュー
ブ集合体分散液を調製した。調製した液には
凝集体は目視では確認できず、カーボンナノ
チューブ集合体はよく分散していた。得られ
た液を高速遠心分離機にて20000G、15分遠心処
し、上清9mLをサンプリングした。この時の
存液1mLを孔径1μmのフィルターを用いてろ過
、その後よく洗浄して得られたろ過物を120℃
乾燥機にて乾燥した。ろ過物の重量を測った
ところ、3.9mgであった。よって6.1mg(0.68mg/mL)の
カーボンナノチューブ集合体が上清中に分散
していることがわかった。
上記で得たカーボンナノチューブ集合体分 液を用いて、前記の方法で透明導電性フィ ムを得た。得られた透明導電性フィルムの 面抵抗値は1.7×10 3 ω/□、光透過率は85%(透明導電性フィルム85%/P ETフィルム90.7%=0.94)であり、高い導電性およ 、透明性を示した。
<比較例1>
(カーボンナノチューブの分析)
ナノテクポート社製2層カーボンナノチュー
ブ(直径<5nm、長さ5-15μm、純度≧90%、灰分<
;2wt%、比表面積>400m 2
/g、アモルファスカーボン<5%)のラマンG/D比
(532nm)は14であった。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器にナノテクポート社製2層カーボ
ナノチューブ10mgおよびポリスチレンスルホ
酸ナトリウム水溶液(アルドリッチ社製、30
量%、重量平均分子量20万)100mgを量りとり、
留水9.93mLを加えて、超音波ホモジナイザー
力25W、20分間で氷冷下分散処理し、カーボ
ナノチューブ集合体分散液を調製した。得
れた液を高速遠心分離機で20000G、15分遠心処
理し、上清9mLをサンプリングした。この時の
残存液中の沈降物を孔径1μmのフィルターを
いてろ過、水洗し、乾燥して重量を測定し
ところ、8.1mgであった。つまり上清には1.9mg(
0.21mg/mL)のカーボンナノチューブが分散して
ることがわかった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。得られた透明導電性フィルムの表面抵 値は2.8×10 9 ω/□、光透過率は90.4%(透明導電性フィルム90. 4%/PETフィルム90.7%=0.99)であった。
また上記と同様の方法でカーボンナノチュ ブを固定化したフィルムに対し、さらに以 の塗布操作を計2回繰り返した。得られた透 明導電性フィルムの表面抵抗値は1.0×10 7 ω/□、光透過率は85%(透明導電性フィルム85%/P ETフィルム90.7%=0.94)であった。
<比較例2>
(カーボンナノチューブの分析)
ナノシル社製2層カーボンナノチューブ(バ
チNo.LDW-P90/050517)のラマンG/D比(532nm)は9であっ
た。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器にナノシル社製2層カーボンナノ
ューブ10mgおよびポリスチレンスルホン酸ナ
リウム水溶液(アルドリッチ社製、30重量%、
重量平均分子量20万)100mgを量りとり、蒸留水9
.93mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力25W
20分間で氷冷下分散処理し、カーボンナノ
ューブ集合体分散液を調製した。得られた
を高速遠心機で20000G、15分遠心処理し、上清
9mLをサンプリングした。この時の残存液中の
沈降物を孔径1μmのフィルターを用いてろ過
水洗し、乾燥して重量を測定したところ、8.
3mgであった。つまり上清には1.7mg(0.19mg/mL)の
ーボンナノチューブが分散していることが
かった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。得られた透明導電性フィルムフィルム 表面抵抗値は7.8×10 6 ω/□、光透過率は90.1%(透明導電性フィルム90. 1%/PETフィルム90.7%=0.99)であった。
また上記と同様の方法でカーボンナノチュ ブを固定化したフィルムに対し、さらに以 の塗布操作を計3回繰り返した。得られた透 明導電性フィルムフィルムの表面抵抗値は1.0 ×10 6 ω/□、光透過率は85%(透明導電性フィルム85%/P ETフィルム90.7%=0.94)であった。
<比較例3>
(カーボンナノチューブの分析)
ナノテクポート社製単層カーボンナノチュ
ブ(直径<2nm、長さ0.5-100μm、純度≧90%、灰
<2%、比表面積>600m 2
/g、アモルファスカーボン<5%)のラマンG/D比
(532nm)は4であった。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器にナノテクポート社製単層カーボ
ンナノチューブ10mgおよびポリスチレンスル
ン酸ナトリウム水溶液(アルドリッチ社製、3
0重量%、重量平均分子量20万)100mgを量りとり
蒸留水9.93mLを加えて、超音波ホモジナイザ
出力25W、20分間で氷冷下分散処理し、カーボ
ンナノチューブ集合体分散液を調製した。得
られた液を高速遠心機で20000G、15分遠心処理
、上清9mLをサンプリングした。この時の残
液中の沈降物を孔径1μmのフィルターを用い
てろ過、水洗し、乾燥して重量を測定したと
ころ、8.0mgであった。つまり上清には2.0mg(0.22
mg/mL)のカーボンナノチューブが分散している
ことがわかった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。さらに同様の操作を繰り返して行い、 ーボンナノチューブ分散液の塗布を合計3回 行った。得られた透明導電性フィルムフィル ムの表面抵抗値は1.0×10 5 ω/□、光透過率は85%(透明導電性フィルム85%/P ETフィルム90.7%=0.94)であった。
<比較例4>
(カーボンナノチューブの分析)
ナノシル社製単層カーボンナノチューブ(バ
ッチNo.LSW-P90/040406)のラマンG/D比(532nm)は8であ
た。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器にナノシル社製単層カーボンナノ
チューブ10mgおよびポリスチレンスルホン酸
トリウム水溶液(アルドリッチ社製、30重量%
重量平均分子量20万)100mgを量りとり、蒸留
9.93mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力25
W、20分間で氷冷下分散処理し、カーボンナノ
チューブ集合体分散液を調製した。得られた
液を高速遠心分離機で20000G、15分遠心処理し
上清9mLをサンプリングした。この時の残存
中の沈降物を孔径1μmのフィルターを用いて
ろ過、水洗し、乾燥して重量を測定したとこ
ろ、8.1mgであった。つまり上清には1.9mg(0.21mg/
mL)のカーボンナノチューブが分散しているこ
とがわかった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。さらに同様の操作を繰り返して行い、 ーボンナノチューブ分散液の塗布を合計3回 行った。得られた透明導電性フィルムフィル ムの表面抵抗値は4.7×10 7 ω/□、光透過率は85%(透明導電性フィルム85%/P ETフィルム90.7%=0.94)であった。
<比較例5>
(カーボンナノチューブの分析)
バイエル社製多層カーボンナノチューブ(Bay
tube、MIV-05-182))のラマンG/D比(532nm)は0.7であっ
。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器にバイエル社製多層カーボンナノ
チューブ(Baytube)10mgおよびポリスチレンスル
ン酸ナトリウム水溶液(アルドリッチ社製、3
0重量%、重量平均分子量20万)100mgを量りとり
蒸留水9.93mLを加えて、超音波ホモジナイザ
出力25W、20分間で氷冷下分散処理し、カーボ
ンナノチューブ集合体分散液を調製した。得
られた液を高速遠心分離機で20000G、15分遠心
理し、上清9mLをサンプリングした。この時
残存液中の沈降物を孔径1μmのフィルターを
用いてろ過、水洗し、乾燥して重量を測定し
たところ、6.3mgであった。つまり上清には3.7m
g(0.41mg/mL)のカーボンナノチューブが分散して
いることがわかった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を
いて、前記の方法で透明導電性フィルムを
た。得られた透明導電性フィルムフィルム
表面抵抗値は>1.0×10 12
ω/□、光透過率は85%(透明導電性フィルム85%/P
ETフィルム90.7%=0.94)であった。
<比較例6>
カーボンナノチューブの合成までは実施例4
と同等の操作を行った。
(カーボンナノチューブ集合体の共鳴ラマン
分光分析)
上記のようにして得たカーボンナノチュー
集合体を、ラマン分光測定した。その結果
図11に示すように波長532nmのラマン分光分析
で147cm -1
、170cm -1
、181cm -1
、217cm -1
、271cm -1
、312cm -1
にピークが観測され、さらに波長633nmのラマ
分光分析で186cm -1
、210cm -1
にピークが観測された。実施例4~7の波長532nm
マン分光分析で観察されない217cm -1
のピークが観察された。これは単層カーボン
ナノチューブの直径由来のピークであり、単
層カーボンナノチューブを相当量含む、単層
カーボンナノチューブと2層カーボンナノチ
ーブの混合物であることがわかった。
(カーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器に触媒を除去した上記カーボンナ
ノチューブ10mgおよびポリ(2-スルホ-5-メトキ
-1,4-イミノフェニレン)30mgを量りとり、蒸留
10mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力25W
、20分間で氷冷下分散処理し、カーボンナノ
ューブ分散液を調製した。調製した液には
集体は目視では確認できず、カーボンナノ
ューブはよく分散していた。得た液を高速
心機を使用し20000G、15分遠心処理し、上清
50mlのサンプル管に入れ保管した。底にたま
たカーボンナノチューブを乾燥後、400℃で1
時間焼成し重さを測定した結果、沈降したカ
ーボンナノチューブ量は液全体に含有される
カーボンナノチューブの22重量%であった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。得られた透明導電性フィルムフィルム 表面抵抗値は1.0×10 6 ω/□、光透過率は86%(透明導電性フィルム86%/P ETフィルム90.7%=0.95)であった。実施例と比較 るとその透明導電特性は劣るものであった
<比較例7>
(単層カーボンナノチューブのラマン分光分
析)
単層カーボンナノチューブ(ナノテクポート
製、直径<5nm、長さ5-15μm、純度≧50%、灰分&
lt;2wt%、比表面積>400m 2
/g、アモルファスカーボン<5%)をラマン分光
測定した。その結果、波長532nmのラマン分光
析で172cm -1
、199cm -1
、207cm -1
、268cm -1
、284cm -1
にピークが観測され、さらに波長633nmのラマ
分光分析で159cm -1
、177cm -1
、202cm -1
、227cm -1
にピークが観測された。また、そのG/D比は15(
532nm)、6(633nm)と、グラファイト化度の低い単
カーボンナノチューブであることがわかっ
。
(単層カーボンナノチューブを含む液調製)
50mLの容器に単層カーボンナノチューブ(ナ
テクポート製)60mgおよびポリオキシエチレン
フェニルエーテル(アイ・シー・エヌ社製)60mg
を量りとり、蒸留水30mLを加えて、超音波ホ
ジナイザー出力240W、30分間で処理した。調
した液は底部に凝集体が確認でき分散性が
かった。得た液を高速遠心機を使用し20000G
15分遠心処理し、上清を50mlのサンプル管に
れ保管した。底にたまったカーボンナノチ
ーブを乾燥後、400℃で1時間焼成して有機成
を焼きとばし、重さを測定した結果、沈降
たカーボンナノチューブ量は液に添加した
ーボンナノチューブの10重量%であった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。得られた塗布フィルムをアセトニトリ 溶液に浸漬させ、10秒後に引き上げ乾燥さ ることでさらに界面活性剤を除去した。得 れた透明導電性フィルムフィルムの表面抵 値は1.3×10 5 ω/□、光透過率74%(透明導電性フィルム74%/PET ィルム91.3%=0.81)であった。
<比較例8>
(2層カーボンナノチューブのラマン分光分析)
2層カーボンナノチューブ(ナノシル社製、
ッチNo.060803)をラマン分光測定した。その結
、波長532nmのラマン分光分析で133cm -1
、152cm -1
、172cm -1
、184cm -1
、199cm -1
、239cm -1
、303cm -1
にピークが観測され、さらに波長633nmのラマ
分光分析で200cm -1
、334cm -1
にピークが観測された。また、そのG/D比は5(5
32nm)、11(633nm)と、グラファイト化度の低い2層
カーボンナノチューブであることがわかった
。
(2層カーボンナノチューブを含む液調製)
50mLの容器に2層カーボンナノチューブ(ナノ
ル社製)60mgおよびポリ(2-スルホ-5-メトキシ-1
,4-イミノフェニレン)120mgを量りとり、蒸留水
30mLを加えて、超音波ホモジナイザー出力240W
30分間で処理した。調製した液は底部に凝
体が確認でき分散性が悪かった。得た液を
速遠心機を使用し10000G、15分遠心処理し、上
清を50mlのサンプル管に入れ保管した。底に
まったカーボンナノチューブを乾燥後、400
で1時間焼成し重さを測定した結果、沈降し
カーボンナノチューブ量は液全体に含有さ
るカーボンナノチューブの50重量%であった
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。得られた塗布フィルムをアセトニトリ 溶液に浸漬させ、10秒後に引き上げ乾燥さ ることでさらに界面活性剤を除去した。得 れた透明導電性フィルムフィルムの表面抵 値は1.4×10 7 ω/□、光透過率92%(透明導電性フィルム92%/PET ィルム92.5%=0.99)であった。
<比較例9>
(多層カーボンナノチューブのラマン分光分
析)
多層カーボンナノチューブ(カーボンナノチ
ューブコーポレート社製、直径10-40nm、長さ5-
20μm、純度≧93%)をラマン分光測定した。その
結果、波長532nm、波長633nmのいずれにもRBM領
にピークは観測されなかった。また、そのG/
D比は1(532nm)、0.7(633nm)と、グラファイト化度
低い多層カーボンナノチューブであること
わかった。
(多層カーボンナノチューブを含む液調製)
50mLの容器に多層カーボンナノチューブ(カ
ボンナノチューブコーポレート社製)60mgおよ
びポリオキシエチレンフェニルエーテル(ア
・シー・エヌ社製)60mgを量りとり、蒸留水30m
Lを加えて、超音波ホモジナイザー出力240W、3
0分間で処理した。得られた液を高速遠心機
使用し20000G、15分遠心処理した。得られた上
清を50mlのサンプル管に入れ保管した。その
ち、5mLをサンプリングし秤量した後、液を
燥させ、400℃で1時間焼成させた。焼成後の
さを量った後、焼成前の重さで除し算出し
液のカーボンナノチューブ濃度は、0.15重量
%であった。また、液を一日室温で放置し、
カンテーションで上澄みを除き、底にたま
たカーボンナノチューブを乾燥後、400℃で1
間焼成して有機成分を焼きとばし、重さを
定した結果、沈降したカーボンナノチュー
量は液に添加したカーボンナノチューブの3
重量%であった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を
いて、前記の方法で透明導電性フィルムを
た。得られた塗布フィルムをアセトニトリ
溶液に浸漬させ、10秒後に引き上げ乾燥さ
ることでさらに界面活性剤を除去した。得
れた透明導電性フィルムフィルムの表面抵
値は2×10 5
ω/□、光透過率77%(透明導電性フィルム77%/PET
ィルム91.3%=0.84)であった。
<比較例10>
(軽質マグネシアへの金属塩の担持)
クエン酸アンモニウム鉄(和光純薬工業社製
)0.5gをメタノール(関東化学社製)25mLに溶解し
。この溶液に、軽質マグネシア(和光純薬工
業社製)を5g加え、超音波洗浄機で60分間処理
、40℃から60℃で攪拌しながら乾燥してメタ
ノールを除去し、軽質マグネシア粉末に金属
塩が担持された固体触媒を得た。得られた触
媒のかさ密度は0.61g/mLであった。
(カーボンナノチューブの合成) 内径64mmの縦
石英管の中央部の石英ウール上に、上記で
製した固体触媒1.0gを設置して、120分かけて
中心温度を900℃にまで昇温した。900℃に到達
した後、メタンガスを18mL/分、窒素ガスを376m
L/分(メタン濃度4.7vol%)、反応圧力1x10 5
Pa(1気圧)の条件で60分供給した後、メタンガ
の供給をやめ、窒素流通下で温度を室温ま
冷却し、触媒とカーボンナノチューブ集合
を含有する組成物を取り出した。この反応
件におけるメタンの線速は、9.4×10 -3
cm/秒である。このようにして得たカーボンナ
ノチューブ集合体を共鳴ラマン分光計(633nm)
測定した。その結果、G/D比が20のカーボンナ
ノチューブであることがわかった。
(カーボンナノチューブの精製)
さらに、上記のカーボンナノチューブから
媒を除去するため、次のように精製処理を
った。カーボンナノチューブを400℃で1時間
空気下焼成をした後、6Nの塩酸水溶液に添加
、80℃のウォーターバス内で2時間攪拌した
濾過して得られた回収物を、さらに6Nの塩
水溶液に添加し、80℃のウォーターバス内で
1時間攪拌した。濾過し、数回水洗した後、
過物を120℃のオーブンで一晩乾燥すること
マグネシアおよび金属を除去でき、カーボ
ナノチューブを精製することができた。 (
ーボンナノチューブ分散液調製)
50mLの容器に上記カーボンナノチューブ10mg
よびポリスチレンスルホン酸ナトリウム水
液(アルドリッチ社製、30重量%、重量平均分
量20万)100mgを量りとり、蒸留水9.93mLを加え
、超音波ホモジナイザー出力25W、20分間で氷
冷下分散処理し、カーボンナノチューブ集合
体分散液を調製した。得られた液を高速遠心
機で20000G、15分遠心処理し、上清9mLをサンプ
ングした。この時の残存液中の沈降物を孔
1μmのフィルターを用いてろ過、水洗し、乾
燥して重量を測定したところ、7.3mgであった
つまり上清には2.7mg(0.30mg/mL)のカーボンナノ
チューブが分散していることがわかった。
上記で得たカーボンナノチューブ分散液を いて、前記の方法で透明導電性フィルムを た。得られた透明導電性フィルムフィルム 表面抵抗値は6.0×10 4 ω/□、光透過率は85.0%(透明導電性フィルム85. 0%/PETフィルム90.7%=0.94)であった。
本発明のカーボンナノチューブ集合体は フィールドエミッション材料として有用で る。例えば、本発明のカーボンナノチュー 集合体をフィールドエミッションの電子源 用いた場合、直径が細く、電荷の集中が起 りやすいので、印加電圧を低く抑えること できる。また高品質な多層、特に2層カーボ ンナノチューブであるため、耐久性も良好で あると推定できる。このようなカーボンナノ チューブ集合体であるため、良好なエミッシ ョン材料となると考えられる。
Next Patent: POLYMER-TREATING AGENT AND DOPE
