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Patent Searching and Data


Title:
CARD READER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/107353
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a card reader comprising a carrying roller that is easy to assemble, and is capable of ensuring high recording and playback quality. Specifically, a carrying roller (4) for a card reader comprises: a rubber outer peripheral member (21), which is roughly cylindrical, and forms the outer peripheral side of the carrying roller (4); and a retention member (22), which has an outer peripheral surface (22a) that abuts the inner peripheral surface (21a) of the outer peripheral member (21) and retains the outer peripheral member (21) on the inner peripheral side of the outer peripheral member (21). On the inner peripheral surface (21a) of the outer peripheral member (21) are a plurality of protuberances (21b) that protrude inward in the radial direction; and on the outer peripheral surface (22a) of the retaining member (22) are a plurality of grooves (22d), which are recessed in the radial direction and with which the projections (21b) engage. The height of the projections (21b) in the radial direction is no more than 1/3.5 of the radial thickness of the outer peripheral member (21) in sections without projections (21b).

Inventors:
HIRABAYASHI MASAHIKO (JP)
OGUCHI KATSUAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/000774
Publication Date:
September 03, 2009
Filing Date:
February 24, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIDEC SANKYO CORP (JP)
HIRABAYASHI MASAHIKO (JP)
OGUCHI KATSUAKI (JP)
International Classes:
B65H5/06; F16C13/00; F16C35/00; G06K13/04
Foreign References:
JPH08315080A1996-11-29
JPH0544312U1993-06-15
JPS62208463A1987-09-12
JPH0566767U1993-09-03
JPH08315080A1996-11-29
Other References:
See also references of EP 2251287A4
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Claims:
 駆動源からの駆動力で回転してカードを搬送する搬送ローラを備えるカードリーダにおいて、
 前記搬送ローラは、前記搬送ローラの外周側を構成する略円筒状でゴム製の外周部材と、前記外周部材の内周面に当接する外周面を有し前記外周部材の内周側で前記外周部材を保持する保持部材とを備え、
 前記外周部材の内周面には、径方向内側に向かって突出する複数の突起が形成され、前記保持部材の外周面には、径方向内側に向かって窪むとともに前記突起が係合する複数の溝部が形成され、
 前記突起の径方向の高さは、前記外周部材の、前記突起が形成されていない部分の径方向の厚さの1/3.5以下であることを特徴とするカードリーダ。
 前記突起の径方向の高さは、前記外周部材の、前記突起が形成されていない部分の径方向の厚さの1/6以下であり、かつ、
 径方向内側に向かって突出する突起が形成されていない平滑な内周面を有する円筒状でゴム製の基準外周部材と、前記基準外周部材の内周面に当接するとともに径方向内側に向かって窪む溝部が形成されていない平滑な外周面を有し前記基準外周部材の内周側で前記基準外周部材を保持する基準保持部材とを備える基準搬送ローラの、JISK6253で規定されるデュロメータのタイプAで測定したときの径方向の硬度を基準硬度とした場合、
 前記搬送ローラの、デュロメータのタイプAで測定したときの径方向の硬度は、前記基準硬度と略同等であることを特徴とする請求項1記載のカードリーダ。
 前記カードに記録された磁気情報の再生および/または前記カードへの磁気情報の記録を行う磁気ヘッドを備えることを特徴とする請求項1または2記載のカードリーダ。
 前記外周部材の円周方向における前記突起間の間隔は、前記外周部材の、前記突起が形成されていない部分の径方向の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のカードリーダ。
 前記保持部材の軸方向における前記溝部の端部には、前記外周部材の軸方向の端部に当接する鍔部が形成されていることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載のカードリーダ。
 前記保持部材の円周方向で隣接する前記溝部の一方では、前記保持部材の軸方向の一端側に前記鍔部が形成され、隣接する前記溝部の他方では、前記保持部材の軸方向の他端側に前記鍔部が形成されていることを特徴とする請求項5記載のカードリーダ。
Description:
カードリーダ

 本発明は、カードを搬送する搬送ローラ 備えるカードリーダに関する。

 従来、カードに記録された磁気情報の再 やカードへの磁気情報の記録を行う磁気ヘ ドを備えたカードリーダが知られている(た とえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記 載のカードリーダは、カードリーダ内でカー ドを搬送するため、たとえば、図7に示すよ な搬送ローラ101を備えている。すなわち、 許文献1に記載のカードリーダは、たとえば 平滑な内周面102aを有する円筒状のゴム輪102 と、ゴム輪102の内周面102aが当接する平滑な 周面103aを有しゴム輪102が固定される芯部材1 03とから構成される搬送ローラ101を備えてい 。この搬送ローラ101では、ゴム輪102と芯部 103との間に滑りが生じないように、一般的 、芯部材103にゴム輪102が接着されている。

特開平8-315080号公報

 しかしながら、図7に示す構成を有する搬 送ローラ101では、ゴム輪102が接着で芯部材103 に固定されているため、搬送ローラ101を組み 立てる際に接着工程が必要となる。したがっ て、搬送ローラ101の組立が煩雑となり、製造 コストが嵩む。また、ゴム輪102と芯部材103と の間の接着力にばらつきが生じやすい。その ため、カードの搬送中にゴム輪102と芯部材103 との間で滑りが生じて、カードリーダの記録 品質、再生品質が低下するおそれが内在して いる。

 そこで、本発明の課題は、組立が容易で かつ、記録品質、再生品質を確保すること 可能となる搬送ローラを備えるカードリー を提供することにある。

 上記の課題を解決するため、本願発明者 種々の検討を行った。その結果、搬送ロー の外周側を構成するゴム製の外周部材と、 の外周部材の内周側で外周部材を保持する 持部材とが所定の形状に形成されると、搬 ローラの組立が容易になるとともに、カー リーダの記録品質、再生品質を確保するこ が可能であることを知見するに至った。

 本発明は、かかる新たな知見に基づくも であり、駆動源からの駆動力で回転してカ ドを搬送する搬送ローラを備えるカードリ ダにおいて、搬送ローラは、搬送ローラの 周側を構成する略円筒状でゴム製の外周部 と、外周部材の内周面に当接する外周面を し外周部材の内周側で外周部材を保持する 持部材とを備え、外周部材の内周面には、 方向内側に向かって突出する複数の突起が 成され、保持部材の外周面には、径方向内 に向かって窪むとともに突起が係合する複 の溝部が形成され、突起の径方向の高さは 外周部材の、突起が形成されていない部分 径方向の厚さの1/3.5以下であることを特徴 する。

 また、本発明のカードリーダは、たとえ 、カードに記録された磁気情報の再生およ /またはカードへの磁気情報の記録を行う磁 気ヘッドを備えている。

 本発明のカードリーダでは、搬送ローラ 外周側を構成する外周部材の内周面に複数 突起が形成され、搬送ローラの内周側を構 する保持部材の外周面に突起が係合する複 の溝部が形成されている。そのため、突起 溝部とによって、外周部材と保持部材との の滑りを防止することが可能になる。した って、従来のような接着工程が不要となり 搬送ローラの組立が容易になる。

 一方、外周部材の内周面に複数の突起が形 されると、この突起の影響で、搬送される ードの搬送速度が変動しやすくなり、カー リーダの記録品質、再生品質が低下するお れがある。本発明の搬送ローラでは、外周 材の内周面に形成される突起の径方向の高 が、外周部材の、突起が形成されていない 分の径方向の厚さの1/3.5以下となっている そのため、本発明のカードリーダでは、外 部材の内周面に複数の突起が形成される場 であっても、外周部材の内周面に突起が形 されていない搬送ローラを用いた場合のカ ドの速度変動量に近い程度まで、カードの 度変動量を抑制することができる。
その結果、本発明のカードリーダでは、記録 品質、再生品質を確保することが可能になる 。

 本発明において、突起の径方向の高さは 外周部材の、突起が形成されていない部分 径方向の厚さの1/6以下であり、かつ、径方 内側に向かって突出する突起が形成されて ない平滑な内周面を有する円筒状でゴム製 基準外周部材と、基準外周部材の内周面に 接するとともに径方向内側に向かって窪む 部が形成されていない平滑な外周面を有し 準外周部材の内周側で基準外周部材を保持 る基準保持部材とを備える基準搬送ローラ 、JISK6253で規定されるデュロメータのタイ Aで測定したときの径方向の硬度を基準硬度 した場合、搬送ローラの、デュロメータの イプAで測定したときの径方向の硬度は、基 準硬度と略同等であることが好ましい。この ように構成すると、外周部材の内周面に複数 の突起が形成される場合であっても、外周部 材の内周面に突起が形成されていない基準搬 送ローラを用いた場合のカードの速度変動量 と同程度まで、カードの速度変動量を抑制す ることができる。

 本発明において、外周部材の円周方向に ける突起間の間隔は、外周部材の、突起が 成されていない部分の径方向の厚さよりも さいことが好ましい。このように構成する 、突起と溝部とによって、外周部材と保持 材との間の滑りをより確実に防止すること 可能になる。

 本発明において、保持部材の軸方向にお る溝部の端部には、外周部材の軸方向の端 に当接する鍔部が形成されていることが好 しい。このように構成すると、軸方向にお る保持部材と外周部材とのずれを防止する とができる。

 本発明において、保持部材の円周方向で 接する溝部の一方では、保持部材の軸方向 一端側に鍔部が形成され、隣接する溝部の 方では、保持部材の軸方向の他端側に鍔部 形成されていることが好ましい。このよう 形成すると、金型を用いて保持部材を製作 る場合に、金型の構成を簡素化することが き、製造コストを低減することができる。

 以上のように、本発明のカードリーダで 、搬送ローラの組立が容易になるとともに 記録品質、再生品質を確保することが可能 なる。

本発明の実施の形態にかかるカードリ ダの概略構成を側面から説明するための図 ある。 (A)は、図1に示す搬送ローラの斜視図で あり、(B)は、(A)に示す搬送ローラの分解斜視 図である。 図2に示すゴム輪の側面図である。 図3のE部の拡大図である。 図1に示すカードリーダでカードの速度 変動を測定したときの条件および結果を示す 一覧表である。 図1に示すカードリーダでの、表面の摩 擦係数が低下したカードの搬送実験の結果を 示す一覧表である。 (A)は、従来技術にかかる搬送ローラの 視図であり、(B)は、(A)に示す搬送ローラの 解斜視図である。

符号の説明

 1 カードリーダ
 2 カード
 3 磁気ヘッド
 4 搬送ローラ
 12 駆動モータ(駆動源)
 21 ゴム輪(外周部材)
 21a 内周面
 21b 突起
 22 芯部材(保持部材)
 22a 外周面
 22d 溝部
 22e 鍔部
 H 高さ
 L 間隔
 T 厚さ

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づ て説明する。

 (カードリーダの概略構成)
 図1は、本発明の実施の形態にかかるカード リーダ1の概略構成を側面から説明するため 図である。

 本形態のカードリーダ1は、カード2に記 された情報の再生および/またはカード2への 情報の記録を行うための装置である。このカ ードリーダ1は、図1に示すように、磁気情報 再生や記録を行うための磁気ヘッド3と、カ ードリーダ1内でカード2を搬送するためのカ ド搬送用の複数の搬送ローラ4と、搬送ロー ラ4に対向するとともに搬送ローラ4に向かっ 付勢された複数のパッドローラ5と、搬送ロ ーラ4を駆動するためのローラ駆動機構6と、 ード2が挿入、排出されるカード挿入排出部 7とを備えている。また、カードリーダ1の内 には、カード2が搬送される搬送路8が形成 れている。

 本形態のカード2は、たとえば、厚さが0.7 ~0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカード である。このカード2の表面には、磁気情報 記録される磁気ストライプ(図示省略)が形成 されている。なお、カード2の表面には、ICチ ップが固定されても良い。また、カード2に 、通信用のアンテナが内蔵されても良いし カード2の表面に、感熱方式によって印字が われる印字部が形成されても良い。さらに カード2は、厚さが0.18~0.36mm程度のPET(ポリエ チレンテレフタレート)カードや、所定の厚 の紙カード等であっても良い。

 図1に示すように、搬送ローラ4は、搬送 8の上側に配置されている。また、パッドロ ラ5は、搬送路8の下側に配置されている。 のパッドローラ5は、搬送ローラ4に圧接され るように、図示を省略する付勢手段によって 、上方向へ付勢されている。

 ローラ駆動機構6は、3個の搬送ローラ4の 転軸にそれぞれ固定される従動プーリ10と 中央に配置される搬送ローラ4の回転軸に従 プーリ10と平行に固定される従動大プーリ11 と、搬送ローラ4を回転駆動するための駆動 としての駆動モータ12と、駆動モータ12の出 軸に固定された駆動プーリ13とを備えてい 。また、ローラ駆動機構6は、駆動プーリ13 従動大プーリ11との間に掛け渡されたタイミ ングベルト14と、従動プーリ10に掛け渡され タイミングベルト15と、タイミングベルト15 張力を調整するための複数のテンションプ リ16とを備えている。

 (搬送ローラの構成)
 図2(A)は、図1に示す搬送ローラ4の斜視図で り、図2(B)は、図2(A)に示す搬送ローラ4の分 斜視図である。図3は、図2に示すゴム輪21の 側面図である。
図4は、図3のE部の拡大図である。

 搬送ローラ4は、図2に示すように、搬送 ーラ4の外周側を構成する略円筒状でゴム製 ゴム輪21と、ゴム輪21の内周側でゴム輪21を 持する芯部材22とを備えている。本形態で 、ゴム輪21は、搬送ローラ4の外周側を構成 る外周部材であり、芯部材22は、外周部材と してのゴム輪21を保持する保持部材である。

 ゴム輪21の内周面21aには、図3等に示すよ に、径方向内側に向かって突出する略直方 状の複数の突起21bが形成されている。本形 では、内周面21aに等角度ピッチで12個の突 21bが形成されている。また、本形態では、 れぞれの突起21bは、ゴム輪21の軸方向の全域 にわたって形成されている。この突起21bの径 方向の高さH(図4参照)は、ゴム輪21の、突起21b が形成されていない部分の径方向の厚さT(図4 参照)の1/3.5以下となっている。

 たとえば、ゴム輪21の外径が20mm、幅(図3 紙面垂直方向の幅)が5mmである場合、高さHは 0.5mm、厚さTは1.75mmまたは3.3mmとなっている。 お、この場合には、たとえば、突起21bの円 方向の幅W(図4参照)は1mm、間隔L(図4参照)は 2.5mmとなっている。

 芯部材22は、図2(B)に示すように、ゴム輪2 1の内周面21aに当接する外周面22aを有する大 部22bと、大径部22bよりも径の小さな小径部22 cとを備える段付の略円筒状に形成されてい 。本形態の芯部材22はたとえば、樹脂で形成 されている。なお、芯部材22はアルミ等の金 で形成されても良い。

 外周面22aには、径方向内側に向かって窪む ともに軸方向に延びる複数の溝部22dが形成 れている。この溝部22dのそれぞれには、突 21bのそれぞれが係合する。そのため、外周 22aには、等角度ピッチで12個の溝部22dが形 されている。
この溝部22dは、大径部22bの軸方向のほぼ全域 にわたって形成されている。また、溝部22dの 深さは、突起21bの高さHと同等あるいは突起21 bの高さHよりもわずかに大きく形成され、溝 22dの幅は、突起21bの幅Wと同等あるいは突起 21bの幅Wよりもわずかに大きく形成されてい 。

 芯部材22の軸方向における溝部22dの端部 は、ゴム輪21の端部(軸方向の端部)に当接す 鍔部22eが径方向外側に広がるように形成さ ている。具体的には、図2(B)に示すように、 円周方向で互いに隣接する溝部22dの一方では 、軸方向の一端側(たとえば紙面奥側)に鍔部2 2eが形成され、互いに隣接する溝部22dの他方 は、軸方向の他端側(たとえば紙面手前側) 鍔部22eが形成されている。すなわち、軸方 から見たときに円周方向で隣接する鍔部22e 、軸方向の一端側と他端側とに交互に形成 れている。

 ゴム輪21は、芯部材22の大径部22bに軽圧入 されている。具体的には、内周面21aと外周面 22aとが当接し、かつ、突起21bが溝部22dに係合 するように、ゴム輪21が大径部22bに軽圧入さ ている。また、芯部材22は、搬送ローラ4の 転軸に固定されている。

 本形態では、JISK6253で規定されるデュロ ータのタイプAで測定したときのゴム輪21単 の硬度は、約65度または約75度となっている また、デュロメータのタイプAで測定したと きの搬送ローラ4のゴム輪21部分の径方向の硬 度は、約67度から76度となっている。

 (本形態の主な効果)
 以上説明したように、本形態では、ゴム輪2 1の内周面21aに複数の突起21bが形成され、芯 材22の外周面22aに突起21bに係合する複数の溝 部22dが形成されている。そのため、突起21bと 溝部22dとによって、ゴム輪21と芯部材22との の滑りを防止することができる。したがっ 、本形態では、ゴム輪21と芯部材22とを接着 るための接着工程が不要となり、搬送ロー 4の組立が容易になる。

 一方、ゴム輪21の内周面21aに突起21bが形 されると、この突起21bの影響で、搬送路8を 送されるカード2の搬送速度が変動しやすく なり、カードリーダ1の記録品質、再生品質 低下するおそれがある。しかし、本形態で 、突起21bの径方向の高さHが、ゴム輪21の厚 Tの1/3.5以下となっている。そのため、図7に すような、平滑な内周面102aを有するゴム製 の基準外周部材としてのゴム輪102と、平滑な 外周面103aを有し内周側でゴム輪102を保持す 基準保持部材としての芯部材103とを備える 準搬送ローラとしての搬送ローラ101を用い ときのカード2の速度変動量に近い程度、あ いは、搬送ローラ101を用いたときのカード2 の速度変動量と同程度まで、カード2の速度 動量を抑制することができる。

 この効果を実験結果に基づいて詳細に説 する。図5は、図1に示すカードリーダ1でカ ド2の速度変動を測定したときの条件および 結果を示す一覧表である。

 ゴム輪の内周面の形状、ゴム輪の厚さ、 ム輪の内周面に突起が形成されている場合 は突起の高さ、および、デュロメータのタ プAで測定したときの搬送ローラの径方向の 硬度を変数として、図5に示すように、搬送 ーラの条件として5パターンの条件を設定し 。ここで、条件1から3で設定される搬送ロ ラは本形態の搬送ローラ4であり、条件5で設 定される搬送ローラは基準搬送ローラとして の搬送ローラ101と同様の搬送ローラである。 また、条件4で設定される搬送ローラは、比 例の搬送ローラである。

 なお、いずれの条件においても搬送ロー の外径は20mmである。また、ゴム輪の内周面 に突起が形成されている場合には、ゴム輪の 内周面に等角度ピッチで12個の突起が略直方 状に形成されている。さらに、ゴム輪の内 面に突起が形成される条件1から4のうち、 件1から3では、突起の円周方向の幅は1mmであ り、条件4では、突起の円周方向の幅は2mmで る。また、デュロメータのタイプAで測定し ときのゴム輪単体の硬度は、条件1では約75 であり、条件2から条件5では約65度である。

 実験の結果、条件5で設定される搬送ロー ラ101を用いたカードリーダ1でのカード2の速 変動量(基準搬送速度に対するカード2の速 変動の割合)は4~6%であった。また、条件1で 定される搬送ローラ4を用いたカードリーダ1 でのカード2の速度変動量も4~6%であった。さ に、条件2で設定される搬送ローラ4を用い カードリーダ1でのカード2の速度変動量は5~8 %、条件3で設定される搬送ローラ4を用いたカ ードリーダ1でのカード2の速度変動量は5~7%で あった。

 これに対して、ゴム輪の厚さ(突起が形成 されていない部分の径方向の厚さ)が1.75mmで かつ、突起の高さが1mmとなっており、突起 径方向の高さがゴム輪の厚さの1/3.5よりも大 きい条件4で設定される搬送ローラを用いた ードリーダ1でのカード2の速度変動量は7~14% あった。

 このように、突起21bの径方向の高さHが、 ゴム輪21の厚さTの1/3.5以下となるように、搬 ローラ4の形状を設定することで、搬送ロー ラ101を用いたときのカード2の速度変動量に い程度、あるいは、搬送ローラ101を用いた きのカード2の速度変動量と同程度まで、カ ド2の速度変動量を抑制することができる。 すなわち、本形態では、ゴム輪21の内周面21a 複数の突起21bが形成される場合であっても 内周面102aが平滑なゴム輪102によって外周側 が構成される搬送ローラ101を用いた場合のカ ード2の速度変動量に近い程度、あるいは、 の場合のカード2の速度変動量と同程度まで カード2の速度変動量を抑制することができ る。その結果、本形態では、カードリーダ1 記録品質、再生品質を確保することができ 。

 ここで、実験結果からわかるように、突 21bの高さHがゴム輪21の厚さTの1/6以下に設定 され、かつ、図7に示すような搬送ローラ101 、デュロメータのタイプAで測定したときの 方向の硬度を基準硬度とした場合、この基 硬度と略同等となるように、デュロメータ タイプAで測定したときの搬送ローラ4の径 向の硬度が設定された条件1の搬送ローラ4を 用いると、カード2の速度変動量をより効果 に抑制できる。

 すなわち、ゴム輪21の厚さTが1.75mmとなっ おり、突起21bの高さHがゴム輪21の厚さTの1/6 よりも大きく、かつ、デュロメータのタイプ Aで測定したときの搬送ローラ4の径方向の硬 が条件5よりも若干低い条件2で設定される 送ローラ4を用いたカードリーダ1でのカード 2の速度変動量は、条件5で設定される搬送ロ ラ101を用いたカードリーダ1でのカード2の 度変動量よりも若干大きくなっている。ま 、ゴム輪21の厚さTが3.3mmであり、突起21bの高 さHはゴム輪21の厚さの1/6以下となっているが 、デュロメータのタイプAで測定したときの 送ローラ4の径方向の硬度が条件5よりも低い 条件3で設定される搬送ローラ4を用いたカー リーダ1でのカード2の速度変動量は、条件5 設定される搬送ローラ101を用いたカードリ ダ1でのカード2の速度変動量よりも若干大 くなっている。

 これに対して、ゴム輪21の厚さTが3.3mmで り、突起21bの高さHがゴム輪21の厚さの1/6以 となっており、かつ、デュロメータのタイ Aで測定したときの搬送ローラ4の径方向の硬 度が条件5と略同等である条件1で設定される 送ローラ4を用いたカードリーダ1でのカー 2の速度変動量は、条件5で設定される搬送ロ ーラ101を用いたカードリーダ1でのカード2の 度変動量と同程度の4~6%であった。

 このように、突起21bの径方向の高さHが、 ゴム輪21の厚さTの1/6以下となるように搬送ロ ーラ4を形成し、かつ、基準搬送ローラとし の搬送ローラ101の、デュロメータのタイプA 測定したときの径方向の硬度である基準硬 と略同等となるように、デュロメータのタ プAで測定したときの搬送ローラ4の径方向 硬度を設定することで、搬送ローラ101を用 たときのカード2の速度変動量と同程度まで カード2の速度変動量を抑制することができ る。その結果、従来と同程度の記録品質、再 生品質をカードリーダ1は確保することがで る。

 本形態では、たとえば、ゴム輪21の厚さT 1.75mmまたは3.3mmとなっており、また、突起21 bの円周方向の間隔Lは約2.5mmとなっているが 間隔Lは、厚さTよりも小さくなっていること が好ましい。間隔Lが、厚さTよりも小さくな ていると、突起21bと溝部22dとによって、ゴ 輪21と芯部材22との間の滑りをより確実に防 止することが可能になる。すなわち、本願発 明者の検討によれば、ゴム輪21の外径が20mm、 幅が5mm、突起21bの高さHが0.5mm、ゴム輪21の厚 Tが3.3mm、突起21bの幅Wが1mmとなっているとき に、突起21b間の間隔Lを6mmにすると(すなわち 内周面21aに等角度ピッチで6個の突起21bを形 成すると)、ゴム輪21と芯部材22との間で滑り 生じた。

 これに対して、ゴム輪21の外径が20mm、幅 5mm、突起21bの高さHが0.5mm、ゴム輪21の厚さT 3.3mm、突起21bの幅Wが1mmとなっているときに 突起21b間の間隔Lを2.5mmにすると(すなわち、 内周面21aに等角度ピッチで12個の突起21bを形 すると)、ゴム輪21と芯部材22との間で滑り 生じなかった。以上から、突起21b間の間隔L ゴム輪21の厚さTよりも小さくすることで、 起21bと溝部22dとによって、ゴム輪21と芯部 22との間の滑りをより確実に防止することが 可能になる。

 本形態では、軸方向における溝部22dの端 に、ゴム輪21の軸方向の端部に当接する鍔 22eが形成されている。そのため、軸方向に けるゴム輪21と芯部材22とのずれを防止する とができる。したがって、ゴム輪21と芯部 22とが接着されていなくても、磁気情報の再 生品質、記録品質を確保することが可能にな る。

 特に本形態では、軸方向から見たときに 周方向で隣接する鍔部22eは、軸方向の一端 と他端側とに交互に形成されている。その め、金型を用いて芯部材22を製作する場合 は、金型の構成を簡素化することができ、 部材22の製造コストを低減することができる 。

 なお、カード2の表面の摩擦係数が低下し た場合には、上述の条件5で設定される搬送 ーラ101を用いたカードリーダ1に比べ、上述 条件1で設定される搬送ローラ4を用いたカ ドリーダ1の方がカードリーダ1内で適切にカ ード2を搬送できる。以下、この効果を実験 果に基づいて説明する。図6は、図1に示すカ ードリーダ1での、表面の摩擦係数が低下し カード2の搬送実験の結果を示す一覧表であ 。

 実験では、表面の摩擦係数が低下したカ ド2を実験者がカード挿入排出部7からカー リーダ1内に挿入するとともに、挿入された ード2がカードリーダ1内で搬送されてカー 挿入排出部7から排出されるか否かの確認を1 00回、行った。また、この実験では、挿入さ たカード2が10回連続で排出されなかった場 (すなわち、10回連続で、カードリーダ1内で カード2が詰まるカードジャムが発生した場 )に、実験結果をNGとして、実験を終了した

 また、実験では、5回に1回、カードリー 1内にカード2を挿入する前に、実験者がカー ド2を掴む指を水で濡らす、または、20回に1 、カードリーダ1内にカード2を挿入する前に 、実験者がカード2を掴む指にハンドクリー を付ける、あるいは、10回に1回、カードリ ダ1内にカード2を挿入する前に、実験者がカ ード2を掴む指にハンドクリームを付けるこ によって、カード2の表面の摩擦係数を低下 せた。

 さらに、この実験では、カードリーダ1と して、機種Xと機種Yとの2種類の機種を用いた 。機種Xと機種Yとでは、カード2の短手幅方向 (図1の紙面垂直方向)における磁気ヘッド3の のみが相違し、その他は、ほぼ同様に構成 れている。具体的には、機種Xの磁気ヘッド3 の幅は、機種Yの磁気ヘッド3の幅の約1/2とな ている。なお、機種Xおよび機種Yでは、搬 ローラ4は、カード2の短手幅方向の略中心に 配置されている。また、機種Xおよび機種Yで 、磁気ヘッド3に対向するように、パッドロ ーラが配置されている。

 実験の結果、図6に示すように、上述の条 件1で設定される搬送ローラ4を用いたカード ーダ1では、機種Xおよび機種Yのいずれにお ても、また、水およびハンドクリームのい れを用いてカード2の表面の摩擦係数を低下 させても、挿入されたカード2が10回連続で排 出されないといった現象は発生しなかった。

 これに対して、上述の条件5で設定される 搬送ローラ101を用いたカードリーダ1では、 6(A)に示すように、機種Xにおいて、ハンドク リームを用いてカード2の表面の摩擦係数を 下させた場合に、挿入されたカード2が10回 続で排出されないといった現象が発生した また、上述の条件5で設定される搬送ローラ1 01を用いたカードリーダ1では、図6(B)に示す うに、機種Yにおいて、10回に1回、カードリ ダ1内にカード2を挿入する前に、実験者が ード2を掴む指にハンドクリームを付けた場 に、挿入されたカード2が10回連続で排出さ ないといった現象が発生した。

 以上のように、カード2の表面の摩擦係数 が低下した場合には、条件5で設定される搬 ローラ101を用いたカードリーダ1に比べ、条 1で設定される搬送ローラ4を用いたカード ーダ1の方がカードリーダ1内で適切にカード 2を搬送できる。なお、条件5で設定される搬 ローラ101のゴム輪102の厚さよりも、条件1で 設定される搬送ローラ4のゴム輪21の厚さの方 が厚く、カード2に接触しているときのゴム 102の変形量よりもゴム輪21の変形量が大きく なるため、上述の条件1で設定される搬送ロ ラ4を用いたカードリーダ1の方がカードリー ダ1内で適切にカード2を搬送できるものと推 される。

 (他の実施の形態)
 上述した形態は、本発明の好適な形態の一 ではあるが、これに限定されるものではな 本発明の要旨を変更しない範囲において種 変形実施が可能である。

 上述した形態では、ゴム輪21の内周面21a 、等角度ピッチで12個の突起21bが形成されて いるが、内周面21aに形成される突起21bの数は 、12個以外の複数であっても良い。また、突 21bは、等角度ピッチで形成されなくても良 。また、上述した形態で示したゴム輪21の 径および幅、突起21bの高さH、ゴム輪21の厚 T、突起21bの円周方向の幅W、突起21b間の間隔 Lの各寸法は一例であり、上述した形態での 法には限定されない。

 上述した形態では、軸方向から見たとき 円周方向で隣接する鍔部22eは、軸方向の一 側と他端側とに交互に形成されている。こ 他にもたとえば、軸方向における溝部22dの 端側に鍔部22eが形成されても良い。