Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
CASSETTE FOR PROTEIN OR ANTIBODY CHIP AND TEST DEVICE USING CASSETTE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175563
Kind Code:
A1
Abstract:
This cassette for a protein or an antibody chip is provided with a housing chamber for housing a chip and one or more syringes communicating with the housing chamber. This cassette is small. This cassette enables testing time to be reduced and production costs to be controlled.

Inventors:
ITO YOSHIHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007789
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 26, 2020
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
R NANOBIO CO LTD (JP)
International Classes:
G01N37/00; G01N33/53
Domestic Patent References:
WO2018002693A12018-01-04
Foreign References:
JP2004301767A2004-10-28
JP2013024605A2013-02-04
JP2015064214A2015-04-09
US20150060303A12015-03-05
Attorney, Agent or Firm:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK (JP)
Download PDF:
Claims:
\¥0 2020/175563 33 卩(:17 2020 /007789

請求の範囲

[請求項 1 ] タンパク質又は抗体チップ用のカセッ トであって、

上記チップを格納するための格納室と、

上記格納室に連通する 1つ以上のシリンジと、 を備えている、 カセ ッ ト。

[請求項 2] 上記シリンジが、 チップ用の洗浄液用のシリンジ、 チップの検出試 薬用のシリンジ、 および検査試料用のシリンジからなる群より選ばれ る少なくとも 1つのシリンジを含む、 請求項 1 に記載のカセッ ト。

[請求項 3] 上記格納室に上記チップが格納されている、 請求項 1又は 2に記載 のカセッ ト。

[請求項 4] 上記シリンジには、 上記チップ用の洗浄液、 又は、 上記チップ用の 検出試薬が格納されている、 請求項 1〜 3の何れか一項に記載のカセ ッ ト。

[請求項 5] 上記シリンジとして、 上記チップ用の洗浄液が格納されている第一 のシリンジと、 上記チップ用の検出試薬が格納されている第二のシリ ンジと、 を少なくとも備える、 請求項 4に記載のカセッ ト。

[請求項 6] 上記格納室に導入された液体を、 排液として保持する排液格納室を 備える、 請求項 1〜 5の何れか一項に記載のカセッ ト。

[請求項 7] 上記シリンジは着脱可能に構成されている、 請求項 1〜 6の何れか

—項に記載のカセッ ト。

[請求項 8] 上記シリンジの注射筒は、 上記格納室が形成されている基体に設け られた孔として構成されている、 請求項 1〜 6の何れか一項に記載の カセッ ト。

[請求項 9] 上記格納室に連通する 1つ以上のスポイ トをさらに備えている、 請 求項 1〜 8の何れか一項に記載のカセッ ト。

[請求項 10] タンパク質又は抗体チップ用のカセッ トであって、

上記チップを格納するための格納室と、

上記格納室に連通する 1つ以上の送液器具と、 を備えている、 カセ 〇 2020/175563 34 卩(:171? 2020 /007789

ツ ト。

[請求項 1 1 ] 請求項 1 〜 9の何れか一項に記載のカセッ トを用いる検査装置であ って、

上記カセッ トを取りつけるためのカセッ ト受けと、

上記カセッ トが備える上記シリンジのプランジャを駆動させるブラ ンジャ駆動部と、 を備える検査装置。

[請求項 12] 上記カセツ トを、 水平方向から傾ける機構を備える、 請求項 1 1 に 記載の検査装置。

Description:
\¥0 2020/175563 1 ?<:17 2020 /007789 明 細 書

発明の名称 :

タンパク質又は抗体チップ用のカセット、 及び該カセットを用いる検査装 置

技術分野

[0001 ] 本発明は、 タンパク質又は抗体チップ用のカセッ ト、 及び該カセッ トを用 いる検査装置に関する。

背景技術

[0002] 近年、 検体中のタンパク質又は抗体を測定する測定 装置として、 マイクロ アレイチップ等のチップ (基体) を用いた測定装置の開発が進められている 。 当該測定装置において、 チップに単数または複数のタンパク質 (抗原) あ るいは抗体を固定し、 検体中の単数または複数の特定物質を検出し 、 測定す る。 当該測定装置によって、 例えば、 検体中の複数のバイオマーカーの存在 を同時に測定することができる。 また、 検体中の (複数の) 抗体価測定も可 能である。

[0003] 例えば、 非特許文献 1 には、 チップ (基体) を備えた検査システムが記載 されている。 具体的には、 当該検査システムは、 検査基体を移動させる機構 と、 検査試薬や洗浄液を吸引 滴下する機構と、 排液を吸引する機構と、 検 査基体上の検体のスポッ トを観測する観測部材と、 が備えられている。

また、 特許文献 1 には、 チップ (基体) を備えた検査システムが記載され ている。 具体的には、 当該検査システムは、 回転台と、 回転台に支持される 検査基体と、 回転台を回転駆動する回転駆動機構と、 検査基体に洗浄液を供 給する洗浄液の供給部と、 回転台を回転させて、 液体を排液部に移動させる 洗浄液の排液の制御手段と、 検査基体上の検体のスポッ トを観測する観測部 材と、 が備えられている。

また、 特許文献 2には生化学反応用基体に用いられる反応用 ップが記載 されている。 また、 特許文献 3には生化学分析や免疫分析による分析装置 用いられる試薬力一トリッジが記載されてい る。 これは、 「ドロップスクリ —ン (登録商標) 」 として日本ケミファ株式会社から製造販売さ れている。 先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 :特開 2 0 1 6 _ 6 4 1 4号公報

特許文献 2 :意匠登録第 1 6 1 7 0 1 6号

特許文献 3 :意匠登録第 1 6 5 1 9 3 5号

非特許文献

[0005] 非特許文献 1 : Journa l of B i otechno logy, 161 , 414-421 (2012)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] しかしながら、 先行技術文献に記載の検査システムは、 いまだ大型の測定 装置であり、 当該装置の導入には所定のスペースを確保す る必要がある上、 試薬部と、 チップ反応部とが分離している。 よって、 試薬の運搬に時間がか かる上、 送液または排液のための装置製造コストが高 くなる可能性がある。 チップを用いた小型の測定装置はまだ開発さ れておらず、 開発の余地がある

[0007] 本発明の一態様は、 小型であり、 測定時間が短縮され、 製造コストが抑制 された、 タンパク質又は抗体チップ用のカセッ ト、 及び該カセッ トを用いる 検査装置等を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008] 上記の課題を解決するために、 本発明は、 以下に示す態様を含む。

< 1 >タンパク質又は抗体チップ用のカセッ トであって、 上記チップを格納 するための格納室と、 上記格納室に連通する 1つ以上のシリンジと、 を備え ている、 カセツ ト。

発明の効果

[0009] 本発明の一態様によれば、 小型であり、 測定時間を短縮し、 製造コストが 〇 2020/175563 3 卩(:171? 2020 /007789

抑制された、 タンパク質又は抗体チップ用のカセッ ト、 及び該カセッ トを用 いる検査装置等を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0010] [図 1]本発明の実施形態 1 に係るタンパク質又は抗体チップ用のカセッ トの上 面模式図である。 (巳) 本発明の実施形態 1 に係るタンパク質又は抗体チッ プ用のカセッ トの格納室に格納されるチップの上面模式図 である。

[図 2]本発明の実施形態 2に係るタンパク質又は抗体チップ用のカセ トの上 面模式図である。

[図 3]本発明の実施形態 3に係るタンパク質又は抗体チップ用のカセ トの立 体模式図である。

[図 4]本発明の実施形態 2の変形例に係るタンパク質又は抗体チップ のカセ ッ トの上面模式図である。

[図 5]タンパク質又は抗体チップ用のカセッ トの正面模式図である。

[図 6]本発明の実施形態 4に係る検査装置の正面模式図である。

[図 7]本発明の実施形態 5に係る検査システムの要部構成を示すブロ ク図で ある。

[図 8]評価例 1 において、 ピオチン化巳3八をマイクロアレイ (スポッ ト) し た基材 (チップ) の模式図である。

[図 9]図 8のマイクロアレイした基材 (チップ) にピオチンーアビジンを加え 、 発光処理後の基材を示す図である。

[図 10]評価例 2において、 アレルゲン (エビ、 ネコ、 ミルク、 ダニ) をマイ クロアレイ (スポッ ト) した基材 (チップ) の模式図である。

[図 1 1]図 1 0のマイクロアレイした基材 (チップ) に血清を加え、 さらに抗 体反応させた、 発光処理後の基材を示す図である。

発明を実施するための形態

[001 1] 〔実施形態 1〕

図 1〜 3に基づいて、 本発明の実施形態 1 に係るタンパク質又は抗体チッ プ用のカセッ ト 1 (以下、 単に 「カセッ ト」 と略記する場合がある) につい 〇 2020/175563 4 卩(:171? 2020 /007789

て説明する。 図 1はカセッ ト 1の上面模式図である。 なお、 カセッ ト 1は略 矩形状の全形をしており、 その高さ方向を å方向、 長さ方向を V方向、 幅方 向を X方向と称する。

[0012] (カセッ ト 1)

図 1 を参照して、 カセッ ト 1 について説明する。 図 1 に示すように、 カセ ッ ト 1は、 チップを格納するための格納室 6と、 格納室 6に連通する送液器 具 (シリンジ 3、 4、 5、 7、 8) と、 を備える。 カセッ ト 1のカセッ ト本 体 2の材質は、 例えば、 プラスチックである。 カセッ ト 1は、 使い捨てとし て使用しても、 複数回使用してもよい。

実施形態 1のカセッ ト 1は、 小型であり、 製造コストを抑制することが可 能である。 また、 実施形態 1のカセッ ト 1は、 必要な検査試料の量を減らす ことができる。 また、 操作が簡便である。 また、 迅速かつ正確に目的成分の 測定を行うことができ、 早期診断が可能である。 また、 実施形態 1のカセッ 卜 1は、 試薬と検査試料との反応、 洗浄、 及び試薬処理後の検査試料の測定 まで 1つのカセッ ト内で行うことができる。

さらに、 実施形態 1のカセッ ト 1 を後述する検査装置に設置して検査を行 う場合、 検査装置の小型化を実現することができる。

[0013] <格納室 6 >

格納室 6は、 チップを格納するための内部空間 6 1 と、 を備える。 格納室 6は、 カセッ ト 1の上面に形成された窪みであり、 正方形状の蓋体 (例えば 、 透光性のプラスチック製である) によって閉じることが可能に構成されて いる。 チップは、 蓋体を開けた状態で、 内部空間 6 1内 (格納室 6の底面) に配置 (格納) され、 使用時には蓋体は閉じられている。 格納室 6の底面の 形状は特に限定されないが、 液切れの良さ等の観点では、 好ましくは円形で ある。

また、 蓋体を貫通するように形成されており、 格納室 6 (の内部空間 6 1 ) に連通している開口を設けてもよい。 開口を設けることによって、 検査試 料をシリンジから送液する代わりに、 例えば、 検査試料を格納したシリンジ 〇 2020/175563 5 卩(:171? 2020 /007789

の注射筒の先端部を開口に挿入して、 検査試料を格納室 6内のチップ上に導 入することができる。 開口は、 1つであっても複数存在していてもよい。

[0014] <チップ>

格納室 6に格納するチップは、 複数のアレルゲン (抗原タンパク質) を固 定しているアレルゲンチップであるとして説 明する。 例えば、 図 1 0に示す ように、 チップ上に、 検査対象となる複数種のアレルゲンが、 アレルゲンの 種類毎に異なるスポッ トとして配置される。 複数種のアレルゲンが、 アレル ゲンの種類毎に異なるスポッ トとしてチップ上に配置されることによって 、 多項目の同時検査が可能になる。 例えば、 評価例 2に示すように、 4種類の アレルゲンをチップ上に配置し、 1種類のアレルゲン当たり複数のスポッ ト を配置させた (マイクロアレイした) アレルゲンチップを作成してもよい。 検査基体 (チップ) として、 例えば、 意匠登録第 1 6 1 7 0 1 6号の反応用 チップを用いてもよい。

チップは、 格納室 6の内部空間 6 1 に格納可能な大きさであれば、 四角形 状であっても、 円形状であってもよいが、 円形状であることが好ましい。 チップの表面は、 物質 (ここではアレルゲン) をチップ上に固定化するた めに、 通常の物質固定化のための化学処理をしても よく、 物質固定化剤を予 め塗布しておいてもよい。 物質固定化剤の例として、 例えば、 特許第 4 6 3 0 8 1 7号公報、 特開 2 0 0 7 - 3 0 2 7 4 5号公報、 特開 2 0 1 5 - 0 2 5 7 8 8号公報に開示されている物質固定化剤が挙 られる。

検査試料の例として、 血液及び尿等の液状の検査試料が挙げられる 。 チッ プがアレルゲンチップの場合には、 検査試料は血液である。

なお、 チップとしてアレルゲンチップを例示したが 、 チップは、 抗体が固 定化されてなる抗体チップ (例えば、 巳 !_ 丨 3八チップ) であってもよく、 アレルゲン以外のタンパク質が固定化されて なるタンパク質チップ (プロテ インチップ) であってもよい。 抗体チップまたはタンパク質チップは、 多項 目の同時検査が可能になる点で、 複数種の抗体またはタンパク質が、 抗体ま たはタンパク質の種類毎に異なるスポッ トとして配置されている (マイクロ 〇 2020/175563 6 卩(:171? 2020 /007789

アレイされている) ことが好ましい。

[0015] <シリンジ (送液路) 3、 4、 5、 7、 8 >

図 1のシリンジ 3は洗浄液用のシリンジ、 シリンジ 4と 5は検出試薬用の シリンジ、 シリンジ 7は検査試料用のシリンジ、 シリンジ 8は排液用のシリ ンジである。 シリンジ 3には、 チップを洗浄する、 チップ用の洗浄液が格納 されている。 シリンジ 4と 5には、 検査試料中の検出対象の成分を検出する 、 チップ用の検出試薬が格納されている。 シリンジ 7には、 検査試料を格納 する。

図 1 において、 シリンジ 3、 4、 5、 7、 8の注射筒は、 カセッ ト本体 2 と一体となっている。 すなわち、 シリンジ 3、 4、 5、 7、 8の注射筒は、 格納室 6が形成されている基体 (カセッ ト本体 2) に設けられた孔として構 成されている。 何れの注射筒もカセッ ト 1のソ方向に沿う方向に形成されて いる。 シリンジ 3 8の注射筒は、 各々が、 カセッ ト 1 における対向する長 い端面の近傍に設けられ、 何れも図 1の紙面上の右側から左側に向かって伸 びている。 その結果、 シリンジ 3 8の注射筒の先端部は、 格納室 6を挟む ように配置されている。 通路 3 1は、 シリンジ 3の注射筒の先端部と、 格納 室 6の内部空間 6 1 とを接続するように、 ソ方向に伸びた後、 X方向 (カセ ッ ト 1の内側方向) に曲がっている。 同様に、 通路 8 1は、 シリンジ 8の注 射筒の先端部と、 格納室 6の内部空間 6 1 とを接続するように、 ソ方向に伸 びた後、 X方向 (カセッ ト 1の内側方向) に曲がっている。 通路 8 1の端部 8 1 匕 (格納室 6に連通する端部) は、 スムーズな排液を実現するために、 格納室 6の底面と同じ高さに開口していることが好 しい。 シリンジ 3の容 積は例えば、 〇. 1 !_以上で 1 0 !_以下の範囲内である。 シリンジ 8の 容積は例えば、 〇.

シリンジ 4、 5の注射筒は、 各々が、 カセッ ト 1 における同じ短い端面の 中央部付近から、 カセッ ト 1の内側方向に向けて、 何れも図 1の紙面上の左 側から右側に向かって伸びている。 その結果、 シリンジ 4、 5の注射筒の先 端部は、 格納室 6に対向して配置されている。 通路 4 1、 5 1それぞれは、 〇 2020/175563 7 卩(:171? 2020 /007789

シリンジ 4、 5それぞれの注射筒の先端部と、 格納室 6の内部空間 6 1 とを 接続するように、 V方向に伸びている。 シリンジ 4、 5の容積はそれぞれ、 例えば、 0 .

シリンジ 7の注射筒は、 各々が、 カセッ ト 1 における同じ短い端面の中央 部付近から、 カセッ ト 1の内側方向に向けて、 何れも図 1の紙面上の右側か ら左側に向かって伸びている。 その結果、 シリンジ 7の注射筒の先端部は、 格納室 6に対向して配置されている。 通路 7 1は、 シリンジ 7の注射筒の先 端部と、 格納室 6の内部空間 6 1 とを接続するように、 ソ方向に伸びている 。 シリンジ 7の容積はそれぞれ、 例えば、 0 . 0 1 !_以上で 1 0 !_以下 の範囲内である。

図 1では、 シリンジ 3、 7と 8は、 シリンジ 4と 5に対向するように備え られているが、 シリンジ 3、 4、 5、 7および 8がカセッ ト 1 における同じ 端面上に備えられていても、 またはカセッ トを円形にして放射状に備えられ ていてもよい。

シリンジの形状は、 溶液の出し入れが可能であれば、 特に限定されず、 市 販品を使用してもよい。 シリンジ (注射筒) の形状の例として、 筒状等が挙 げられる。

また、 送液器具としてシリンジの代わりにスポイ トを用いてもよい。 大量 の液を容易に導入することができる点で、 洗浄液の格納室 6内への導入はシ リンジを用いることが好ましい。 検出試薬または検査試料の希釈液を格納室 6内に導入するときはスポイ トを用いることが好ましい。 スポイ トについて は、 後述する。

通路の端部に連通させたシリンジまたはスポ イ トの配置については後述す る。

[0016] 図 1では、 チップ用の検出試薬が格納されているシリン ジが 2本であるが 、 検出試薬が 1種類でよい場合は、 シリンジが 1本でもよい。 また、 検出試 薬を 3種類以上用いる場合は、 シリンジを 3本以上備えてもよい。 例えば、 蛍光法を用いる場合は、 カセッ ト 1 には検出試薬用蛍光標識抗体のシリンジ 〇 2020/175563 8 卩(:171? 2020 /007789

を 1本備えればよい。 また、 検出試薬として、 一次抗体、 標識二次抗体及び 化学発光試薬を用いる場合は、 カセツ トには検出試薬用のシリンジを 3本備 えればよい。

[0017] 操作の簡便さ及び測定時間の短縮の点等から 、 検出試薬を、 シリンジ 4、

5に予め格納しておくことが好ましい。 検出試薬のシリンジ 4、 5への導入 の方法は特に限定されないが、 例えば、 検出試薬用の開口 9、 1 0から、 検 出試薬をシリンジ 4、 5に導入し、 検出試薬をシリンジ 4、 5に格納しても よい。 開口 9、 1 0はそれぞれ、 シリンジ 4、 5に連通していてもよい。 あ るいは、 プランジャ 4 3及び 5 3を揷入する際に検出試薬をシリンジ 4及び 5内に予め格納する等してもよい。 シリンジ 4、 5はそれぞれ、 通路の端部 4 1 3、 5 1 3と連通している。 プランジャ 4 3及び/又は 5 3を駆動させ ることによって、 検出試薬をシリンジ 4及び/又は 5内から押し出し、 通路 4 1及び/又は 5 1、 通路の端部 4 1 及び/又は 5 1 を通って、 格納室 6内に導入される。

操作の簡便さ及び測定時間の短縮の点等から 、 洗浄液を、 シリンジ 3に予 め格納しておくことが好ましい。 洗浄液のシリンジ 3への導入の方法は特に 限定されないが、 例えば、 洗浄液用の開口 1 1から、 洗浄液をシリンジ 3に 導入し、 洗浄液をシリンジ 3に格納してもよい。 開口 1 1は、 シリンジ 3に 連通していてもよい。 あるいは、 プランジャ 3 3を揷入する際に洗浄液をシ リンジ 3内に予め格納する等してもよい。 また、 シリンジ 3は通路の端部 3 1 3と連通している。 プランジャ 3 3を駆動させることによって、 洗浄液を シリンジ 3内から押し出し、 通路 3 1、 通路の端部 3 1 匕を通って、 格納室 6内に導入される。 洗浄液の例として、 生理食塩水およびリン酸緩衝液 ( 6 3) 等の緩衝液等が挙げられる。

操作の簡便さ及び測定時間の短縮の点等から 、 検査試料を、 シリンジ 7に 予め格納しておくことが好ましい。 検査試料のシリンジ 7への導入の方法は 特に限定されないが、 例えば、 検査試料用の開口 1 7から、 検査試料をシリ ンジ 7に導入し、 検査試料をシリンジ 7に格納してもよい。 開口 1 7は、 シ 〇 2020/175563 9 卩(:171? 2020 /007789

リンジ 7に連通していてもよい。 あるいは、 プランジャ 7 3を挿入する際に 検査試料をシリンジ 7内に予め格納する等してもよい。 また、 シリンジ 7は 通路の端部 7 1 3と連通している。 プランジャ 7 3を駆動させることによっ て、 検査試薬をシリンジ 7内から押し出し、 通路 7 1、 通路の端部 7 1 匕を 通って、 格納室 6内に導入される。 検査試料は原液を使用してもよいし、 シ リンジ 7内で希釈してもよい。 または、 予め希釈した検査試料をシリンジ 7 に格納してもよい。

また、 シリンジ 8は、 通路の端部 8 1 3と連通している。 洗浄液を格納室 6内に導入し、 チップを洗浄後に発生した排液を、 プランジャ 8 3 を駆動さ せることによって、 通路の端部 8 1 匕、 通路 8 1、 通路の端部 8 1 3を通っ て、 シリンジ 8内に導入する。 シリンジ 8内に導入された排液が格納室 6に 逆流しないように、 例えば、 通路 8 1 に弁等を備えてもよい。

なお、 本明細書において、 「プランジャを駆動させる」 には、 プランジャ を押し出す動作も含まれ、 プランジャを引き出す動作も含まれる。

[0018] また、 カセッ ト 1 と、 チップと、 を含む、 検査キッ トも本発明の一態様と して含まれる。 検査キッ トは、 その他、 1) キッ トの取扱説明書、 2) 検査 に用いる検出試薬及び洗浄液、 3) ピペッ ト等の液体注入手段、 等を必要に 応じて備えていてもよい。 検出試薬及び洗浄液は予めカセッ ト 1のシリンジ に充填されていてもよいし、 検査キッ トを使用する直前にシリンジに充填 ( 格納) してもよい。 また、 チップは予めカセッ ト 1の格納室 6に格納されて いてもよく、 検査キッ トを使用する直前に格納室 6に格納していてもよい。

[0019] 〔実施形態 2〕

次に、 図 2に基づいて、 本発明の実施形態 2に係るカセッ ト 1 について説 明する。 図 2は、 実施形態 2のカセッ ト 1の上面模式図である。 なお、 説明 の便宜上、 上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を 有する部材について は、 同じ符号を付記し、 その説明を繰り返さない。

[0020] 実施形態 2のカセッ ト 1 において、 シリンジ 8及び通路 8 1 を備えず、 格 納室 6に導入された液体を、 使用後に排液として保持する排液格納室 (排液 〇 2020/175563 10 卩(:171? 2020 /007789

を格納する場所) 7 0が備えられている点が、 実施形態 1 と相違する。 排液 格納室 7 0は、 格納室 6内に備えられていてもよく、 格納室 6外に備えられ ていてもよい。 また、 排液格納室 7 0は、 チップと連結させてもよい。 一例 では、 排液格納室 7 0は、 格納室 6の底面から立ち上がる、 格納室 6の側壁 上の窪みとして形成されている。 他の例では、 排液格納室 7 0は、 格納室 6 内に配置されるチップの底面から立ち上がる 側壁 (チップの底面を取り囲む チップの鍔) 上の窪みとして形成されている。 排液格納室 7 0には、 例えば 吸水材が配されており、 一度吸収した排液を、 チップの底面側に戻さない ( 逆流しない) ようになっていることが好ましい。

実施形態 2のカセッ ト 1は、 操作が簡便であり、 迅速かつ正確に目的成分 の測定を行うことができる。 さらに、 実施形態 1のカセッ ト 1 を後述する検 査装置に設置して検査を行う場合、 検査装置の小型化を実現することができ る。

[0021 ] <排液格納室 7 0 >

チップを洗浄後に発生した排液は、 排液格納室 7 0内に配した吸水材に吸 収させることによって、 チップから除去する。 吸水材自体が排液格納室 7 0 を担ってもよい。 吸水材によって排液を吸収させることによっ て、 排水をチ ップから取り除くための部材 (機構) を別途設ける必要がないので、 傾斜を つけるだけで排液できることより、 カセッ ト 1 を小型化し、 時間を短縮させ ることができる。 また、 吸水材によって、 チップへの排液の逆流を防ぐこと ができる。

吸水材の例として、 吸収性ポリマーが挙げられる。 吸収性ポリマーの例と して、 デンプン系ポリマー、 セルロース系ポリマー及び合成ポリマー等が 挙 げられる。

排液格納室 7 0を設けることによって、 例えば、 カセッ ト 1 を水平方向か ら傾けることによって、 排液を排液格納室 7 0に移動させて、 排液格納室 7 0内に配した吸水材に吸収させることができ 。 したがって、 吸引操作又は 遠心操作によって排液をチップから除去する 必要がなく、 簡単な制御機構に 〇 2020/175563 1 1 卩(:171? 2020 /007789

よって排液を除去することができる。 これによって、 チップの洗浄に必要な 洗浄液の量を大幅に減らすことが可能である 。

[0022] [変形例]

図 4は実施形態 2のカセッ ト 1の変形例を示す上面模式図である。 図 4に 示すカセッ ト 1は、 排液格納室 7 0が格納室 6の外部に配置されている点が 図 2と相違する。 排液格納室 7 0は格納室 6に隣接して備えられている。 排 液格納室 7 0には、 吸水材 7 3が備えられている。

また、 図 2のシリンジ 4および 5がそれぞれ、 スポイ ト 4 2および 5 2で あることも相違する。 また、 図 4のカセッ トは、 検査試料希釈用のスポイ ト 7 2を備える点も相違する。 さらに、 検査試薬用のスポイ ト 9 2を備える点 も相違する。 スポイ ト 9 2を備えることによって、 3種類の検出試薬を用い て検体中のタンパク質又は抗体を測定するこ とができる。

また、 図 2のシリンジ 3は開口を備えていない点も図 2のカセッ トと相違 する。 シリンジ 3に洗浄液予め格納してから、 シリンジ 3を通路の端部 3 1 3と連通させる。

図 4に示すカセッ トでは、 スポイ ト 4 2、 5 2と 9 2は、 シリンジ 3と 7 2 (8 2) に対向するように備えられているが、 スポイ トおよびシリンジの 配置はこれに限定されない。 カセッ トは円形でもよく、 シリンジおよびスポ イ トの配置は、 例えば、 カセッ トの上から見たときに、 シリンジおよびスポ イ トが放射状に配置されていてもよい。

[0023] <スポイ ト>

スポイ トは、 溶液の出し入れが可能であれば、 特に限定されず、 市販品を 用いてもよい。 スポイ ト本体部の形状の例として、 筒状等が挙げられる。 以下、 検出試薬用のスポイ ト 4 2を一例として、 スポイ トの詳細および格 納室 6内への溶液 (検出試薬) の導入方法を説明する。

スポイ ト 4 2は、 ポンプ部 4 2 3と、 スポイ ト本体部 4 2匕と、 導入部 4 2〇とを備える。

検出試薬用のスポイ ト 4 2のポンプ部 4 2 3 によって、 溶液 (検出試薬) 〇 2020/175563 12 卩(:171? 2020 /007789

を採取し、 スポイ ト本体部 4 2匕または導入部 4 2〇に格納する。 次に、 ス ボイ ト 4 2の先端部を通路の端部 4 1 3と連通させる。 そして、 ポンプ部 4 2 3を圧縮することにより、 スポイ ト 4 2内に格納された溶液 (検出試薬) が格納室 6内に導入される。 検査装置にカセッ トを装着させる際に、 ポンプ 部 4 2 3及びスポイ ト本体部 4 2匕を、 導入部 4 2〇から切り離してもよい

[0024] 次に、 検査試料用のスポイ ト 8 2を用いた、 格納室 6内への溶液 (検査試 料) の導入方法を説明する。 検査試料希釈用のスポイ ト 7 2には、 検査試料 用のスポイ ト 8 2が連結部 8 2 を介して連結している。

まず、 スポイ ト 7 2のスポイ ト本体部 7 2匕または導入部 7 2〇に溶液を 格納する。 スポイ ト 7 2に格納する溶液は、 検査試料の希釈に適する溶液で あればよい。 次に、 スポイ ト 8 2に溶液 (検査試料) を採取し、 スポイ ト本 体部 8 2匕または導入部 8 2〇に格納する。 次に、 スポイ ト 7 2の先端部を 通路の端部 7 1 3と連通させる。 次に、 スポイ ト本体部 7 2匕からポンプ部 7 2 3を外して、 連結部 8 2 を連結させる。 そして、 連結部 8 2 に溶液 を格納したスポイ ト 8 2を連結させる。 そして、 ポンプ部 8 2 3を圧縮する ことにより、 スポイ ト 8 2に格納された溶液はスポイ ト 7 2内に導入される 。 そして、 溶液 (検査試料) はスポイ ト 7 2内の溶液によって希釈される。 さらに、 ポンプ部 8 2 3 を圧縮することにより、 検査試料の希釈液が格納室 6内に導入される。 検査装置にカセッ トを装着させる際に、 スポイ ト 8 2、 連結部 8 2 およびスポイ ト本体部 7 2匕を、 導入部 7 2〇から切り離して もよい。

図 4は、 検査試料希釈用のスポイ ト 7 2を用いて検査試料の希釈を行って いるが、 予め一定の濃度に希釈された検査試料の希釈 液をスポイ ト 7 2内に 導入してもよい。 スポイ ト 7 2のポンプ部 7 2 3 (図示せず) を圧縮させる ことによって、 検査試料の希釈液を格納室 6内に導入することができる。

[0025] 図 5の 1 1 0 1〜 1 1 0 5は、 図 4のタンパク質又は抗体チップ用のカセ ッ トの正面模式図である。 カセッ ト 1 1 0 1〜 1 1 0 5の外の部分がプラン 〇 2020/175563 13 卩(:171? 2020 /007789

ジャ駆動部と接触するプランジャまたはス ポイ トポンプ部に相当する。 スポ イ ト 7 2および 9 2は、 ソ方向 (カセッ ト 1の長さ方向) に沿って配置され ている。 スポイ トまたはシリンジは、 1 1 0 2に示すように 2方向 (カセッ 卜 1の高さ方向) に沿って配置されていてもよい。 1 1 0 3に示すように、 スポイ トまたはシリンジは、 å方向に対して斜めに配置されていてもよい また、 1 1 0 4および 1 1 0 5に示すように、 検査試料または検出試薬の導 入のため、 スポイ トまたはシリンジの先端部は適宜変形してチ ップ上の最適 箇所に配置してもよい。

[0026] 〔実施形態 3〕

次に、 図 3に基づいて、 本発明の実施形態 3に係るカセッ ト 1 について説 明する。 図 3は、 実施形態 3のカセッ ト 1の上面模式図である。 これにより 、 チップと試薬の組み合わせを代えることがで きる。 なお、 説明の便宜上、 上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を 有する部材については、 同じ符 号を付記し、 その説明を繰り返さない。

[0027] 実施形態 3のカセッ ト 1 において、 カセッ ト本体 2、 検出試薬用の開口 9 と 1 〇、 洗浄液用の開口 1 1、 検査試料用の開口 1 7を備えない点が、 実施 形態 2と相違する。 また、 実施形態 1及び 2のカセッ ト 1は、 シリンジが力 セッ ト本体 2と一体になっているのに対し、 実施形態 3のカセッ ト 1は、 各 シリンジが着脱可能に構成されている点も相 違する。 実施形態 3のカセッ ト 1は構成部材が少なく、 カセッ ト 1の小型化が可能である。 また、 操作が簡 便である。

シリンジ 3、 4、 5、 7の注射筒の先端部をそれぞれ、 通路の端部 3 1 3 、 4 1 8、 5 1 8、 7 1 8に揷入することによって、 各シリンジ内に格納し た液体は通路 3 1、 4 1、 5 1 , 7 1 を経由して、 格納室 6内に導入される 図 3において、 排液格納室 7 0は、 格納室 6内に備えられている。 実施形 態 2のカセッ ト 1 と同様に、 排液格納室 7 0は、 格納室 6内に備えられてい てもよく、 格納室 6外に備えられていてもよい。 また、 排液格納室 7 0は、 〇 2020/175563 14 卩(:171? 2020 /007789

チップと連結させてもよい。 一例では、 排液格納室 7 0は、 格納室 6の底面 から立ち上がる、 格納室 6の側壁上の窪みとして形成されている。 他の例で は、 排液格納室 7 0は、 格納室 6内に配置されるチップの底面から立ち上が る側壁 (チップの底面を取り囲むチップの鍔) 上の窪みとして形成されてい る。 排液格納室 7 0には、 例えば吸水材が配されており、 一度吸収した排液 を、 チップの底面側に戻さない (逆流しない) ようになっていることが好ま しい。

実施形態 3のカセッ ト 1は、 例えば、 カセッ ト 1 を水平方向から傾けるこ とによって、 排液を排液格納室 7 0に移動させて、 排液格納室 7 0内に配し た吸水材に吸収させることができる。 したがって、 吸引操作又は遠心操作に よって排液をチップから除去する必要がなく 、 簡単な制御機構によって排液 を除去することができる。 これによって、 チップの洗浄に必要な洗浄液の量 を大幅に減らすことが可能である。

[0028] 〔実施形態 4〕

次に、 図 6に基づいて、 本発明の実施形態 4に係る検査装置 2 0 0につい て説明する。 図 6は、 実施形態 4に係る検査装置の正面模式図である。 なお 、 説明の便宜上、 上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を 有する部材に ついては、 同じ符号を付記し、 その説明を繰り返さない。

[0029] (検査装置 2 0 0)

図 6に示すように、 検査装置 2 0 0は、 格納室 6にチップが格納されてい るカセッ ト 1 を取り付けるためのカセッ ト受け 1 3と、 カセッ ト 1が備える シリンジ 3、 5のプランジャ 3 3、 5 3をソ軸方向に駆動させるプランジャ 駆動部 1 2、 1 5と、 カセッ ト 1 を水平方向から傾けるカセッ ト傾斜機構 1 4 ( 「機構 1 4」 と略記する場合がある) と、 カセッ ト 1 を収容する検査室 1 6と、 を備える。 上記カセッ ト 1 を用いることにより、 検査装置 2 0 0の 小型化が可能となり、 製造コストを抑制することができる。

[0030] <プランジャ駆動部 1 2、 1 5 >

プランジャ駆動部 1 2と 1 5は、 検査室 1 6の側面に設けられている。 プ 〇 2020/175563 15 卩(:171? 2020 /007789

ランジャ駆動部 1 2と 1 5は、 2方向 (カセッ ト 1の高さ方向) に沿って配 置されているときは、 検査室 1 6の上面に設けられていてもよい。 プランジ ャ駆動部 1 2はシリンジ 3のプランジャ 3 3を駆動させ、 プランジャ駆動部 1 5はシリンジ 5のプランジャ 5 3を駆動させる。 カセッ ト 1 に備えるシリ ンジの数によって、 検査装置 2 0 0のプランジャ駆動部の数を変更すること ができる。 また、 1つのプランジャ駆動部によって、 複数のシリンジのブラ ンジャをそれぞれ駆動させてもよい。 プランジャ駆動部 1 2、 1 5は、 例え ば、 検査装置 2 0 0と通信するパソコンの制御によって、 プランジャ駆動部 を操作してもよい。 また、 シリンジのプランジャの先端部と連結するた めの 部材を、 プランジャ駆動部の先端部に備えてもよい。

[0031 ] <カセッ ト傾斜機構 1 4 >

図 6に示す機構 1 4は、 検査室 1 6の底面に設置される。 機構 1 4の上面 には、 カセッ ト受け 1 3が備えられる。 機構 1 4の両端の高さを変化させる ことにより、 カセッ ト 1 を水平方向から傾ける。 例えば、 機構 1 4は、 カセ ッ ト受け 1 3の一端又は両端の高さ位置を移動させるこ によって、 カセッ 卜 1 を水平方向から傾けるように構成された機構 であってもよい。

カセッ ト傾斜機構 1 4に加えて、 カセッ ト回転機構 (図示せず) を備えて もよい。 カセッ ト回転機構を回転させることによって、 プランジャ (または スポイ トポンプ) 駆動部 1 2または 1 5を単一にして駆動対象のシリンジ ( 送液器具) のプランジャ (またはスポイ トポンプ) の付近に移動させること ができる。 または、 検査室 1 6の側面を構成する検査装置 2 0 0の側壁を回 転させることによって、 プランジャ (またはスポイ トポンプ) 駆動部 1 2ま たは 1 5を単一にして駆動対象のシリンジ (送液器具) のプランジャ (また はスポイ トポンプ) の付近に移動させることができる。 したがって、 カセッ 卜回転機構を備えるまたは検査装置 2 0 0の側壁を回転させる場合、 プラン ジャ (またはスポイ トポンプ) 駆動部を複数備える必要がなくなる。

[0032] <その他の部材>

検査装置 2 0 0は、 例えば、 発光試薬処理後のチップの発光画像を取得す 〇 2020/175563 16 卩(:171? 2020 /007789

る撮像部を有していてもよい。 撮像部は、 検査室 1 6の上面に設けられるこ とが好ましいが、 下面でもよい。 また、 検査装置 2 0 0は、 検査室 1 6内の 温度を所定温度で維持する温度調節部を有し ていてもよい。 検査室内の温度 は、 3 0 °〇~ 4 5 °〇程度に維持することが好ましく、 3 5 °〇~ 4 0 °〇程度に 維持することがより好ましい。 また、 反応や洗浄を効率的に行うために振盪 機構があることが望ましい。

[0033] [変形例]

図 6の検査装置 2 1 0は、 検査装置 2 0 0の変形例である。 検査装置 2 1 0に備えるカセッ ト 1は、 図 5のカセッ ト 1 1 0 4のように、 シリンジ (送 液器具) 3および 5が å方向 (カセッ ト 1の高さ方向) に沿って配置され、 シリンジ (送液器具) の先端が変形している点が検査装置 2 0 0と相違する また、 プランジャ (またはスポイ トポンプ) 駆動部 1 2を回転させるブラ ンジャ (またはスポイ トポンプ) 回転部 2 2を備えることもできる。 プラン ジャ (またはスポイ トポンプ) 回転部 2 2を回転させることによって、 ブラ ンジャ (またはスポイ トポンプ) 駆動部 1 2または 1 5を単一にして駆動対 象のシリンジ (送液器具) の直上に移動させることができる。 したがって、 この場合、 プランジャ (またはスポイ トポンプ) 駆動部を複数備える必要が なくなる。

また、 カセッ ト傾斜機構 1 4に加えて、 カセッ ト回転機構 (図示せず) を 備えてもよい。 カセッ ト回転機構を回転させることによって、 プランジャ ( またはスポイ トポンプ) 駆動部 1 2または 1 5を単一にして駆動対象のシリ ンジの直上に移動させることができ、 プランジャ (またはスポイ トポンプ) 駆動部を複数備える必要がなくなる。

[0034] (検査方法)

次に、 本実施形態のカセッ トを用いた検査方法について説明する。 以下、

2種類の検出試薬を使用する場合の検査方 について説明するが、 検出試薬 の種類は 1種類であっても、 3種類以上であってもよい。 また、 チップは、 〇 2020/175563 17 卩(:171? 2020 /007789

複数のアレルゲン (抗原タンパク質) または抗体を固定しているアレルゲン チップまたは抗体チップであるとして説明す る。

[0035] < 1 . 実施形態 1のカセッ ト 1 を用いた検査方法 >

以下、 図 1及び 4を参照して、 実施形態 1のカセッ ト 1 を用いた検査方法 について説明する。 本検査方法においては、 抗体試薬をシリンジ 4に格納し 、 発光試薬をシリンジ 5に格納する。

[0036] ステップ (3 1) : アレルゲンチップの格納室 6への格納

複数のアレルゲン (抗原タンパク質) を固定しているアレルゲンチップを 、 カセッ ト 1の格納室 6に格納する。 チップ上には、 検査対象となる複数種 のアレルゲンが、 アレルゲンの種類毎に異なるスポッ トとして配置されてい る。

[0037] ステップ (3 2) :各シリンジへの、 検査試料、 検出試薬及び洗浄液の格 納

血液等の検査試料を、 検査試料用のシリンジ 7に格納する。 検査試料を適 当な溶媒で希釈してから格納室 6内に導入してもよい。 希釈液を装填したシ リンジをあらかじめ装填し、 当該シリンジに検査試料を入れることにより 希 釈できるようにしてもよい。 抗体試薬と発光試薬をそれぞれ、 検出試薬用の シリンジ 4、 5に格納する。 また、 洗浄液を、 洗浄液用のシリンジ 3に格納 する。 検査試料、 検出試薬及び洗浄液を格納する順番は特に限 定されない。 なお、 ステップ (3 2) は、 ステップ (3 1) の前後に行ってもよい。

[0038] ステップ (3 3) :カセッ ト 1の検査装置 2 0 0への設置

ステップ ( 3 1) 〜 (3 2) の後、 カセッ ト 1 を検査装置 2 0 0のカセッ 卜受け 1 3に設置する。

[0039] ステップ (3 4) :検査試料の格納室 6への導入

ステップ (3 3) の後、 プランジャ駆動部 2 1 (図示せず) によってシリ ンジ 7のブランジャ 7 3 をソ軸方向に駆動させ、 シリンジ 7内の検査試料を 格納室 6内に導入する。 必要に応じて、 機構 1 4によってカセッ ト 1 を水平 方向から傾けてもよい。 カセッ ト 1 を水平方向から傾けることによって、 検 〇 2020/175563 18 卩(:171? 2020 /007789

査試料をチップ全体に行き渡らせることが できる。

[0040] ステップ (3 5) : アレルゲンと血清抗体との反応

ステップ (3 4) の後、 カセッ ト 1 をインキュベーシヨンし、 チップ上の アレルゲンと検査試料中の血清抗体とを抗原 抗体反応させる。 例えば、 検査 装置 2 0 0の検査室 1 6を所定温度に保つように、 検査装置 2 0 0に温度調 節部または振盪機構を備えてもよい。 温度調節部によって検査室 1 6の温度 を所定温度に保ち、 振盪機構によって振盪することによって、 アレルゲンと 血清抗体との反応を促進させることができる 。

[0041 ] ステップ ( 3 6) :洗浄液の格納室 6への導入

ステップ (3 5) の後、 プランジャ駆動部 1 2によってシリンジ 3のブラ ンジャ 3 3をソ軸方向に駆動させ、 シリンジ 3内の洗浄液の一部を格納室 6 内に導入する。 そして、 チップを洗浄する。 必要に応じて、 機構 1 4によっ てカセッ ト 1 を水平方向から傾けてもよい。 カセッ ト 1 を水平方向から傾け ることによって、 洗浄液をチップ全体に行き渡らせることがで きる。 また、 振盪機構によって振盪することによって、 洗浄効率を促進させることができ る。

[0042] ステップ (3 7) :格納室 6からの排液の除去

ステップ (3 6) の後、 プランジャ駆動部 1 8 (図示せず) によってシリ ンジ 8のプランジャ 8 3をソ軸方向に駆動させることによって、 格納室 6か らシリンジ 8内に排液を移動させる。

ステップ (3 6) と (3 7) は、 必要に応じて、 複数回繰り返してもよい

[0043] ステップ (3 8) :検出抗体試薬の格納室 6への導入

ステップ { 1、 の後、 プランジャ駆動部 1 9 (図示せず) によってシリ ンジ 4のプランジャ 4 3をソ軸方向に駆動させ、 シリンジ 4内の検出抗体試 薬 (例えば、 酵素標識二次抗体) を格納室 6内に導入する。

[0044] ステップ (3 9) :チップ吸着血清抗体と標識検出抗体との反

ステップ (3 8) の後、 検査試料中のチップ吸着血清抗体と標識検出 抗体 〇 2020/175563 19 卩(:171? 2020 /007789

とを反応させる。 例えば、 検査装置 2 0 0の検査室 1 6を所定温度に保つよ うに、 検査装置 2 0 0に温度調節部または振盪機構を備えてもよ 。 温度調 節部によって検査室 1 6の温度を所定温度に保ち、 振盪機構によって振盪す ることによって、 チップ吸着血清抗体と標識検出抗体との反応 を促進させる ことができる。

[0045] ステップ (3 1 0) :洗浄液の格納室 6への導入

ステップ (3 9) の後、 プランジャ駆動部 1 2によってシリンジ 3のブラ ンジャ 3 3をソ軸方向に駆動させ、 シリンジ 3内の洗浄液の一部を格納室 6 内に導入する。 そして、 チップを洗浄する。 必要に応じて、 機構 1 4によっ てカセッ ト 1 を水平方向から傾けてもよい。 カセッ ト 1 を水平方向から傾け ることによって、 洗浄液をチップ全体に行き渡らせることがで きる。 また、 振盪機構によって振盪することによって、 洗浄効率を促進させることができ る。

[0046] ステップ (3 1 1) :格納室 6からの排液の除去

ステップ (3 1 0) の後、 プランジャ駆動部 1 8 (図示せず) によってシ リンジ 8のプランジャ 8 3をソ軸方向に駆動させることによって、 格納室 6 からシリンジ 8内に排液を移動させる。

ステップ (3 1 0) と (3 1 1) は、 必要に応じて、 複数回繰り返しても よい。

[0047] ステップ (3 1 2) :発光試薬の格納室 6への導入

ステップ (3 1 1) の後、 プランジャ駆動部 1 5によってシリンジ 5のプ ランジャ 5 3をソ軸方向に駆動させ、 シリンジ 5内の発光試薬を格納室 6内 に導入する。

[0048] ステップ (3 1 3) :発光試薬との生化学反応

ステップ (3 1 2) の後、 検出抗体を標識する酵素と発光試薬とを反応 さ せる。 例えば、 検査装置 2 0 0の検査室 1 6を所定温度に保つように、 検査 装置 2 0 0に温度調節部を備えてもよい。 温度調節部によって検査室 1 6の 温度を所定温度に保ち、 生化学反応を促進させることができる。 〇 2020/175563 20 卩(:171? 2020 /007789

[0049] ステップ (3 1 4) :発光強度の測定

ステップ (3 1 3) の後、 チップの発光強度を測定する。 発光強度は、 例 えば、 チップの画像を撮像し、 得られた画像を解析ソフト等により数値化す ることによって、 測定することができる。 なお、 蛍光法を用いる場合は、 発 光試薬を加えることなく、 直接蛍光強度をチップの画像として撮影し、 得ら れた画像を解析ソフト等により数値化するこ とによって、 測定することがで きる。

[0050] < 2 . 実施形態 1のカセッ ト 1 を用いた検査方法 (サンドイッチ法) > 以下、 図 1及び 4を参照して、 チップに、 複数の抗体を固定している抗体 チップであるとしたサンドイッチ法による、 実施形態 1のカセッ ト 1 を用い た検査方法について説明する。 本検査方法においては、 一次抗体試薬をシリ ンジ 4に格納し、 二次抗体試薬をシリンジ 2 4 (図示せず) に格納し、 発光 試薬をシリンジ 5に格納する。

[0051 ] ステップ ( 3 2 1) :抗体チップの格納室 6への格納

複数のキャプチャー抗体を固定している抗体 チップを、 カセッ ト 1の格納 室 6に格納する。 チップ上には、 検査対象となる複数種のキャプチャー抗体 が、 キャプチャー抗体の種類毎に異なるスポッ トとして配置されている。

[0052] ステップ (3 2) :各シリンジへの、 検査試料、 検出試薬及び洗浄液の格 納

血液等の検査試料を検査試料用のシリンジ 7を格納する。 検査試料を適当 な溶媒で希釈してから格納室 6内に導入してもよい。 抗体試薬と発光試薬を それぞれ、 検出試薬用のシリンジ 4、 5に格納する。 また、 洗浄液を、 洗浄 液用のシリンジ 3に格納する。 検査試料、 検出試薬及び洗浄液を格納する順 番は特に限定されない。

なお、 ステップ (3 2) は、 ステップ (3 2 1) の前後に行ってもよい。 ステップ (3 2 1) および (3 2) の後に、 上記ステップ (3 3) および (3 4) を行う。

[0053] ステップ (3 2 2) :抗体と検査試料中の (抗原) タンパク質との反応 〇 2020/175563 21 卩(:171? 2020 /007789

ステップ (3 3) および (3 4) の後、 カセッ ト 1 をインキュベーシヨン し、 チップ上のキャプチャー抗体と検査試料中の (抗原) タンパク質とを抗 原抗体反応させる。 例えば、 検査装置 2 0 0の検査室 1 6を所定温度に保つ ように、 検査装置 2 0 0に温度調節部または振盪機構を備えてもよ 。 温度 調節部によって検査室 1 6の温度を所定温度に保ち、 振盪機構によって振盪 することによって、 抗原抗体反応を促進させることができる。

ステップ (3 2 2) の後に、 上記ステップ (3 6) および { 1、 を行う

[0054] ステップ (3 2 3) : _次抗体試薬の格納室 6への導入

ステップ (3 6) および (3 7) の後、 プランジャ駆動部 1 9 (図示せず ) によってシリンジ 4のプランジャ 4 3をソ軸方向に駆動させ、 シリンジ 4 内の一次抗体試薬を格納室 6内に導入する。

[0055] ステップ ( 3 2 4) :—次抗体との反応

ステップ (3 2 3) の後、 試薬中の一次抗体を反応させる。 例えば、 検査 装置 2 0 0の検査室 1 6を所定温度に保つように、 検査装置 2 0 0に温度調 節部または振盪機構を備えてもよい。 温度調節部によって検査室 1 6の温度 を所定温度に保ち、 振盪機構によって振盪することによって、 一次抗体との 反応を促進させることができる。

ステップ (3 2 4) の後に、 上記ステップ (3 6) および { 1、 を行う 。 なお、 一次抗体を酵素標識している場合には、 次のステップ (3 2 5) を 経ずに発光試薬を加えて発光強度を測定する ことができる。 また一次抗体が 蛍光標識されている場合は、 直ちに蛍光強度を測定することができる。

[0056] ステップ (3 2 5) :二次抗体試薬の格納室 6への導入

ステップ (3 6) および (3 7) の後、 プランジャ駆動部 2 9 (図示せず ) によってシリンジ 2 4のプランジャ 2 4 3をソ軸方向に駆動させ、 シリン ジ 5内の (酵素標識) 二次抗体を格納室 6内に導入する。

[0057] ステップ ( 3 2 6) :二次抗体との反応

ステップ (3 2 5) の後、 二次抗体を反応させる。 例えば、 検査装置 2 0 〇 2020/175563 22 卩(:171? 2020 /007789

0の検査室 1 6を所定温度に保つように、 検査装置 2 0 0に温度調節部また は振盪機構を備えてもよい。 温度調節部によって検査室 1 6の温度を所定温 度に保ち、 振盪機構によって振盪することによって、 二次抗体との反応を促 進させることができる。

ステップ (3 2 6) の後に、 上記ステップ (3 1 0) 〜 (3 1 4) を行い 、 チップの発光強度を測定する。 なお、 二次抗体が蛍光標識されている場合 は、 直ちに蛍光強度を測定することができる。

< 3 . 実施形態 2のカセッ ト 1 を用いた検査方法 >

以下、 図 2及び 4を参照して、 実施形態 2のカセッ ト 1 を用いた検査方法 について説明する。 なお、 説明の便宜上、 上記検査方法にて説明したステッ プと同じステップについては、 同じ符号を付記し、 その説明を繰り返さない

[0058] ステップ (3 3 1) :洗浄液の格納室 6への導入

上記ステップ (3 1) 〜 (3 5) の後、 プランジャ駆動部 1 2によってシ リンジ 3のプランジャ 3 3を駆動させ、 シリンジ 3内の洗浄液を格納室 6内 に導入し、 チップを洗浄する。

[0059] ステップ (3 3 2) :格納室 6からの排液の除去

ステップ ( 3 3 1) の後、 機構 1 4によってカセッ ト 1 を水平方向から傾 けることによって、 排液を排液格納室 7 0に移動させ、 排液格納室 7 0に配 した吸水材に吸収させる。

ステップ (3 3 1) と (3 3 2) は、 必要に応じて、 複数回繰り返しても よい。

[0060] ステップ (3 3 2) の後、 ステップ (3 1 2) 〜 (3 1 4) を行い、 チッ プの発光強度を測定する。

< 4 . 実施形態 3のカセッ ト 1 を用いた検査方法 >

以下、 図 6を参照して、 実施形態 3のカセッ ト 1 を用いた検査方法につい て説明する。 以下、 実施形態 3のカセッ ト 1 を手動で操作する場合の検査方 法を説明するが、 検査装置 2 0 0を使用してもよい。 〇 2020/175563 23 卩(:171? 2020 /007789

[0061 ] ステップ (3 4 1) :検査試料の格納室 6への導入

ステップ (3 1) の後、 検査試料を格納したシリンジ 7の注射筒の先端部 を通路の端部 7 1 3に連結させる。 そして、 シリンジ 7内の検査試料を格納 室 6内に導入する。

[0062] ステップ (3 4 2) : アレルゲンと血清抗体との反応

ステップ (3 4 1) の後、 カセッ ト 1 をインキユベーシヨンし、 チップ上 のアレルゲンと検査試料中の血清抗体とを抗 原抗体反応させる。 例えば、 力 セッ ト 1 を所定温度に保った恒温槽内で振盪すること によって、 アレルゲン と一次抗体との反応を促進させることができ る。

[0063] ステップ ( 3 4 3) :洗浄液の格納室 6への導入

ステップ (3 4 2) の後、 洗浄液を格納したシリンジ 3の注射筒の先端部 を通路の端部 3 1 3に連結させる。 そして、 シリンジ 3内の洗浄液の一部を 格納室 6内に導入し、 チップを洗浄する。 必要に応じて、 カセッ ト 1 を水平 方向から傾けてもよい。 カセッ ト 1 を水平方向から傾けることによって、 洗 浄液をチップ全体に行き渡らせることができ る。

[0064] ステップ (3 4 4) :格納室 6からの排液の除去

ステップ (3 4 3) の後、 カセッ ト 1 を水平方向から傾けることによって 、 排液を排液格納室 7 0に移動させ、 排液格納室 7 0に配した吸水材に吸収 させる。

ステップ (3 4 3) と (3 4 4) は、 必要に応じて、 複数回繰り返しても よい。

[0065] ステップ (3 4 5) :検出抗体試薬の格納室 6への導入

ステップ (3 4 4) の後、 検出抗体試薬が格納されているシリンジ 4の注 射筒の先端部を、 通路の端部 4 1 3に連結させる。 そして、 シリンジ 4のプ ランジャ 4 3 を駆動させることによって、 シリンジ 4内の検出抗体試薬 (例 えば、 酵素標識抗体) を格納室 6内に導入する。

[0066] ステップ (3 4 6) :チップ吸着血清抗体と標識検出抗体との反

ステップ (3 4 5) の後、 検査試料中のチップ吸着血清抗体と標識検出 抗 〇 2020/175563 24 卩(:171? 2020 /007789

体とを反応させる。 例えば、 カセッ ト 1 を所定温度に保った恒温槽内で振盪 することによって、 チップ吸着血清抗体と標識検出抗体との反応 を促進させ ることができる。

[0067] ステップ (3 4 7) :洗浄液の格納室 6への導入

ステップ (3 4 6) の後、 シリンジ 3内の洗浄液の一部を格納室 6内に導 入し、 チップを洗浄する。 必要に応じて、 カセッ ト 1 を水平方向から傾けて もよい。 カセッ ト 1 を水平方向から傾けることによって、 洗浄液をチップ全 体に行き渡らせることができる。

[0068] ステップ (3 4 8) :格納室 6からの排液の除去

ステップ (3 4 7) の後、 カセッ ト 1 を水平方向から傾けることによって 、 排液を排液格納室 7 0に移動させ、 排液格納室 7 0に配した吸水材に吸収 させる。

ステップ (3 4 7) と (3 4 8) は、 必要に応じて、 複数回繰り返しても よい。 なお、 蛍光標識されている場合は、 直ちに蛍光強度を測定することが できる。 蛍光強度は、 例えば、 チップの画像を撮像し、 得られた画像を解析 ソフト等により数値化することによって、 測定することができる。

[0069] ステップ (3 4 9) :発光試薬の格納室 6への導入

ステップ (3 4 8) の後、 発光試薬を格納されているシリンジ 5の注射筒 の先端部を、 通路の端部 5 1 3に連結させる。 そして、 シリンジ 5内の発光 試薬を格納室 6内に導入する。 必要に応じて、 カセッ ト 1 を水平方向から傾 けてもよい。 カセッ ト 1 を水平方向から傾けることによって、 発光試薬をチ ップ全体に行き渡らせることができる。

[0070] ステップ (3 5 0) :発光試薬との生化学反応

ステップ (3 4 9) の後、 二次抗体を標識する酵素と発光試薬とを反応 さ せる。 例えば、 カセッ ト 1 を所定温度に保った恒温槽内に静置すること によ って、 生化学反応を促進させることができる。

[0071 ] ステップ (3 5 1) :発光強度の測定

ステップ (3 5 0) の後、 チップの発光強度を測定する。 発光強度は、 例 えば、 チップの画像を撮像し、 得られた画像を解析ソフト等により数値化す ることによって、 測定することができる。

[0072] (検査システム 500)

次に、 図 7を参照して、 実施形態 5の検査システム 500について説明す る。 図 7は、 検査システム 500の要部構成を示すブロック図である。 検査 システム 500は、 上記検査装置 200と、 パソコン (PC) 300と、 を 備える。 検査システム 500によって、 検査試料の投入、 検査試薬等のカセ ッ ト 1への注入、 チップの洗浄、 発光強度の測定等を自動で行うことができ る。 また、 操作が簡便であり、 専門のスタッフを要さず、 誰でも操作するこ とができる。

[0073] <PC 300 >

図 7を参照して、 PC 300について説明する。 PC 300は、 通信部 3 01 と、 制御部 302と、 を備える。 制御部 302は、 例えば制御部 302 内に記録されているプログラムを実行するこ とで、 傾斜指示部 303又は駆 動指示部 304としても機能する。 以下、 通信部 301、 傾斜指示部 303 、 及び駆動指示部 304、 について説明する。

P C 300は、 各機能を実現するソフトウェアであるプログ ラムの命令を 実行する。 PC 300は、 例えば 1つ以上のプロセッサを備えていると共に 、 上記プログラムを記憶したコンピュータ読み 取り可能な記録媒体を備えて いる。 そして、 PC 300において、 上記プロセッサが上記プログラムを上 記記録媒体から読み取って実行することによ り、 本発明の目的が達成される 。 上記プロセッサとしては、 例えば C P U (Central Processing Unit) を用 いることができる。 上記記録媒体としては、 「一時的でない有形の媒体」 、 例えば、 ROM (Read Only Memory) 等の他、 テープ、 ディスク、 力ード、 半導体メモリ、 プログラマブルな論理回路などを用いること ができる。 また 、 上記プログラムを展開する R A M (Random Access Memory) などをさらに 備えていてもよい。 また、 上記プログラムは、 該プログラムを伝送可能な任 意の伝送媒体 (通信ネッ トワークや放送波等) を介して PC300に供給さ \¥0 2020/175563 26 卩(:17 2020 /007789

れてもよい。 なお、 本発明の一態様は、 上記プログラムが電子的な伝送によ つて具現化された、 搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも 実現され得 る。

[0074] <通信部 3 0 1 >

通信部 3 0 1は、 検査装置 2 0 0と通信を行う。 例えば、 傾斜指示部 3 0 3又は駆動指示部 3 0 4の指示内容を、 検査装置 2 0 0に送信する。

[0075] <傾斜指示部 3 0 3 >

傾斜指示部 3 0 3は、 カセツ ト傾斜機構 1 4の一端又は両端の高さを変更 して、 検査装置 2 0 0のカセツ ト受け 1 3を水平方向から傾ける。

[0076] <駆動指示部 3 0 4 >

駆動指示部 3 0 4は、 検査装置 2 0 0のプランジャ駆動部 1 2、 1 5を駆 動させて、 各シリンジのプランジャを駆動させる。

[0077] <制御部 3 0 2 >

制御部 3 0 2は、 振盪指示部、 恒温指示部、 又は撮影指示部として機能し てもよい。 振盪指示部は、 検査装置 2 0 0の振盪部を振盪させる。 恒温指示 部は、 検査装置の温度調節部で調節する温度を所定 温度にし、 該所定温度を 維持するようにする。 撮影指示部は、 検査装置 2 0 0の撮影部を駆動させて 、 発光処理後のチツプを撮影する。

[0078] 図 7に示すとおり、 検査装置 2 0 0は、 通信部 2 0 1 と、 制御部 2 0 2と 、 を備える。 制御部 2 0 2は、 例えば制御部 2 0 2内に記録されているプロ グラムを実行することで、 傾斜操作部 2 0 3又は駆動操作部 2 0 4として機 能する。 以下、 通信部 2 0 1、 傾斜操作部 2 0 3、 及び駆動操作部 2 0 4に ついて説明する。

[0079] <通信部 2 0 1 >

通信部 2 0 1は、 〇 3 0 0と通信を行う。 例えば、 〇 3 0 0の傾斜指 示部 3 0 3又は駆動指示部 3 0 4の指示内容を、 〇 3 0 0から受信する。

[0080] <傾斜操作部 2 0 3 >

傾斜操作部 2 0 3は、 の傾斜指示部 3 0 3の指示内容に基づい 〇 2020/175563 27 卩(:171? 2020 /007789

て、 カセッ ト傾斜機構 1 4の一端又は両端の高さを変更して、 検査装置 2 0 0のカセッ ト受け 1 3を水平方向から傾ける。

[0081 ] <駆動操作部 2 0 4>

駆動操作部 2 0 4は、 9 0 3 0 0の駆動指示部 3 0 4からの指示内容に基 づいて、 検査装置 2 0 0のプランジャ駆動部 1 2、 1 5を駆動させて、 各シ リンジのプランジャを駆動させる。

[0082] <制御部 2 0 2>

制御部 2 0 2は、 振盪指示部、 恒温指示部、 又は撮影指示部として機能し てもよい。 振盪指示部は、 〇 3 0 0の振盪指示部の指示に基づいて、 検査 装置 2 0 0の振盪部 (図示せず) を振盪させる。 恒温指示部は、 0 0 の恒温指示部の指示に基づいて、 検査装置の温度調節部で調節する温度を所 定温度にし、 該所定温度を維持するようにする。 撮影指示部は、 9 0 3 0 0 の振盪指示部の指示に基づいて、 検査装置 2 0 0の撮影部 (図示せず) を駆 動させて、 発光処理後のチップを撮影する。

[0083] (まとめ)

以上をまとめると、 本発明は上記の課題を解決するために、 以下の特徴を 包含している。

<1>タンパク質又は抗体チップ用のカセッ トであって、 上記チップを格納 するための格納室と、 上記格納室に連通する 1つ以上のシリンジと、 を備え ている、 カセッ ト。

<2>上記シリンジが、 チップ用の洗浄液用のシリンジ、 チップの検出試薬 用のシリンジ、 および検査試料用のシリンジからなる群より 選ばれる少なく とも 1つのシリンジを含む、 <1>に記載のカセッ ト。

<3>上記格納室に上記チップが格納されて る、 < 1>又は<2>に記載 のカセッ ト。 < 4>上記シリンジには、 上記チップ用の洗浄液、 検査試料、 又は、 上記チップ用の検出試薬が格納されている、 <1>〜<3>の何れか に記載のカセッ ト。

<5>上記シリンジとして、 上記チップ用の洗浄液が格納されている第一 の 〇 2020/175563 28 卩(:171? 2020 /007789

シリンジと、 上記チップ用の検出試薬が格納されている第 二のシリンジと、 を少なくとも備える、 <4>に記載のカセッ ト。 なお、 検査試料を投入する 箇所として、 検査試料投入用のシリンジを備えていてもよ い。 一例において 、 検査試料投入用のシリンジ内に対し、 使用される直前に検査試料が格納さ れる。

< 6>上記格納室に導入された液体を、 排液として保持する排液格納室を備 える、 < 1>〜<5>の何れかに記載のカセッ ト。

< 7>上記シリンジは着脱可能に構成されてい 、 < 1>〜<6>の何れか に記載のカセッ ト。

<8>上記シリンジの注射筒は、 上記格納室が形成されている基体に設けら れた孔として構成されている、 < 1>〜< 6>の何れかに記載のカセッ ト。 < 9>上記格納室に連通する 1つ以上のスポイ トをさらに備えている、 <1 >~< 8>の何れか一項に記載のカセッ ト。

<1 0>タンパク質又は抗体チップ用のカセッ トであって、 上記チップを格 納するための格納室と、 上記格納室に連通する 1つ以上の送液器具と、 を備 えている、 カセッ ト。

<1 1><1>〜< 9>の何れかに記載のカセッ トを用いる検査装置であっ て、 上記カセッ トを取りつけるためのカセッ ト受けと、 上記カセッ トが備え る上記シリンジのプランジャを駆動させるプ ランジャ駆動部と、 を備える検 査装置。

<1 2>上記カセッ トを、 水平方向から傾ける機構を備える、 <1 1>に記 載の検査装置。

[0084] 本発明は上述した各実施形態に限定されるも のではなく、 請求項に示した 範囲で種々の変更が可能であり、 異なる実施形態にそれぞれ開示された技術 的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態 についても本発明の技術的範囲 に含まれる。 さらに、 各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段 を組み合 わせることにより、 新しい技術的特徴を形成することができる。

実施例 [0085] 〔評価例 1〕 カセッ トを用いた測定の評価

( 1) 基板の調製

ピオチン化 BS A (1. 5 m g/m L) を P BSに溶解し、 5 ^ g/m L 、 7. 5 yu_g/mL、 1 5 g /m Lの濃度でコーテイングした基材 (チッ プ) にマイクロアレイ (スポッ ト) した (図 8) 。 乾燥後、 光照射し、 固定 化することによって基材 (チップ) を調製し、 図 1のカセッ トに装填した。

[0086] (2) カセッ トを用いた測定

シリンジからピオチンーアビジン溶液 (1 O O M L) を加え、 8分間浸漬 した。 P B Sをシリンジから加え、 6回洗浄し、 その後ストレプトアビジン 結合アルカリフォスファターゼ (Promega社) を加え、 3分間浸潰した。 浸漬 後洗浄し、 ダイナライ ト (化学発光基質、 Molecular Probes社) を加え、 6 〇秒後に撮影した。 得られた画像を解析ソフトにより数値化する ことによっ て、 発光量を測定した。 測定結果を図 9に示す。

[0087] 試薬容器の移動や試薬の分注操作を行うこと なく、 シリンジを介して送液 が可能となった。 また、 手動で行う操作と同じことが大型装置を用い ること なく短時間で行うことができた。 そして、 測定データは、 図 9に示すように 従来と同じ画像が得られた。 また、 発光量は固定化ピオチン化 BS A量に定 量的に比例し、 高い相関性が得られた。

[0088] 〔評価例 2〕 カセッ トを用いた測定の評価

( 1) 基板の調製

エビ、 ネコ、 ミルク、 ダニを基材 (チップ) にマイクロアレイ (スポッ ト ) した (図 1 〇) 。 乾燥後、 光照射し、 固定化することによって基材 (チッ プ) を調製し、 図 1のカセッ トに装填した。

[0089] (2) カセッ トを用いた測定

アレルギー陽性血清 (1 O O M L) を加え、 8分間浸潰した。 P BSをシ リンジから加え、 6回洗浄し、 その後アルカリフォスファターゼ (Promega社 ) 標識抗丨 g E抗体を加え、 3分間浸潰した。 浸漬後洗浄し、 ダイナライ ト (化学発光基質、 Molecular Probes社) を加え、 60秒後に撮影した。 得ら 〇 2020/175563 30 卩(:171? 2020 /007789

れた画像を解析ソフトにより数値化するこ とによって、 発光量を測定した。 測定結果を図 1 1 に示す。

[0090] 試薬容器の移動や試薬の分注操作を行うこと なく、 シリンジを介して送液 が可能となった。 また、 手動で行う操作と同じことが大型装置を用い ること なく短時間で行うことができた。 そして、 測定データは図 1 1の 9 0 1 に示 すように、 従来と同じ画像が得られた。 また、 図 1 1の 9 0 2に示すように 、 発光量は血清に含まれる 丨 9巳量を示す 0 値に定量的に比例し、 高い 相関性が得られた。 なお、 ダニの発光量が他の試料に比べて相対的に低 いの は、 閾値を超えているためである。

[0091 ] 〔評価例 3〕 カセッ トを用いた測定の評価

( 1) 基板の調製

固相化用抗ヒト ·カリクレイン 5抗体 (濃度: 4 8 0 9 / !_) を基材 (チップ) にマイクロアレイ (スポッ ト) した。 乾燥後、 光照射し、 固定化 することによって基材 (チップ) を調製し、 図 4のカセッ トに装填した。

(2) カセッ トを用いた測定

ヒト カリクレイン 5水溶液 ( 1 5〇 し) を加え、 3 0分間浸潰した。 巳 3をシリンジから加え、 3回洗浄し、 その後、 抗ヒト ·カリクレイン 5 —次抗体 (3 0〇 1^ 9 /〇1 !_ ; 1 5 0 !_) を加え、 3 0分間浸潰した。 そ して、 巳 3をシリンジから加え、 3回洗浄し、 最後に 標識抗丨 抗体を加え、 5分間浸潰した。 浸漬後洗浄し、 !_ _ 1 卩〇「4 (化学発光基 質、 ミリポア社) を加え、 1 8 0秒後に撮影した。 得られた画像を解析ソフ 卜により数値化することによって、 発光量を測定した。 測定結果を表 1 に示 す。

[0092] 〇 2020/175563 31 卩(:171? 2020 /007789

[表 1]

[0093] 試薬容器の移動や試薬の分注操作を行うこと なく、 シリンジを介して送液 が可能となった。 また、 手動で行う操作と同じことが大型装置を用い ること なく短時間で行うことができた。 また、 表 1 に示すように、 発光量は溶液に 含まれるバイオマーカー濃度に定量的に比例 し、 高い相関性が得られた。 産業上の利用可能性

[0094] 本発明は、 例えば、 臨床検体の分析及び測定することができ、 ライフサイ エンス研究及び医療用途等に利用することが できる。

符号の説明

[0095] 1、 1 1 01、 1 1 02、 1 1 03、 1 1 04、 1 1 05 カセッ ト

2 カセッ ト本体

3 洗浄液用のシリンジ

3 、 48、 58、 78、 8 ^ プランジャ

4、 5 検出試薬用のシリンジ

6 格納室

7 検査試料用のシリンジ

8 排液用のシリンジ

9、 1 0 検出試薬用の開口

1 1 洗浄液用の開口

1 2、 1 5 プランジャ駆動部

1 3 カセッ ト受け

1 4 カセッ ト傾斜機構

1 6 検査室 〇 2020/175563 32 卩(:171? 2020 /007789

1 7 検査試料用の開口

20 チップ

22 プランジヤ回転部

3 1、 4 1、 5 1、 7 1、 81、 9 1 通路

3 1 3, 4 1 3、 5 1 3、 7 1 3, 81 3、 9 1 3 通路の端部

3 1 4 1 5 1 7 1 81 9 1 匕 通路の端部

42 検出試薬用のスポイ ト

423、 523、 723、 823、 923 ポンプ部

42 52 72 82 92匕 スポイ ト本体部

42〇, 52〇, 72〇, 82〇, 92〇 導入部

52 検出試薬用のスポイ ト

6 1 内部空間

70 排液格納室

72 検査試料希釈用のスポイ ト

73 吸水材

82 検査試料用のスポイ ト

92 検出試薬用のスポイ ト

200、 2 1 0 検査装置

300 90

201、 301 通信部

202、 302 制御部

203、 303 傾斜指示部

204、 304 駆動指示部

500 検査システム