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Patent Searching and Data


Title:
CATALYST MATERIAL FOR PRODUCING OXYGEN GAS FROM WATER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123256
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a catalyst material which comprises an aggregate of nanoneedles mainly composed of R-type manganese dioxide and has a mesoporous porous structure. The catalyst material enables to oxidatively decompose water at room temperature under irradiation with visible light to produce an oxygen gas, a proton and en electron. Also disclosed is a catalyst material which comprises an aggregate of nanomicroparticles mainly composed of hydrogenated manganese dioxide. The catalyst material enables to synthesize acetic acid or an organic material from a carbon dioxide gas.

Inventors:
KOYANAKA, Hideki (MEZON TAKANO 601, 35 Tanakakamifurukawacho, Sakyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto 31, 6068231, JP)
Application Number:
JP2008/055598
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOYANAKA, Hideki (MEZON TAKANO 601, 35 Tanakakamifurukawacho, Sakyo-ku, Kyoto-sh, Kyoto 31, 6068231, JP)
International Classes:
B01J23/34; B01J35/02; B01J35/06; B01J35/10; B01J37/08; C01B13/02; C01B32/60; C01G45/02; C07H1/00; C07H3/02; C07H3/04; C07H3/06; G01N27/416; C07B61/00; H01M4/90; H01M14/00
Foreign References:
JP2005263615A2005-09-29
JP2007238424A2007-09-20
JP2007090342A2007-04-12
Other References:
KOYANAKA H. ET AL.: "R-gata Nisanka Manganese. Nano Powder no Gosei Hoho", 2006 NEN (HEISEI 18 NEN) SHUKI DAI 67 KAI EXTENDED ABSTRACTS; THE JAPAN SOCIETY OF APPLIED PHYSICS, vol. 1, 29 August 2006 (2006-08-29), pages 213, XP008116975
KOYANAKA H. ET AL.: "Suisoka shita R-gata Nisanka Manganese no Kozo Kaiseki to Oyosei", THE ELECTROCHEMICAL SOCIETY OF JAPAN 74TH TAIKAI KOEN YOSHISHU, 29 March 2007 (2007-03-29), pages 363
See also references of EP 2140934A4
B. LOLL ET AL., NATURE, vol. 438, 2005, pages 1040
FONG, C.; KENNEDY, B. J.; ELCOMBE, M. M., ZEITSCHRIFT FUER KRISTALLOGRAPHIE, vol. 209, 1994, pages 941
Attorney, Agent or Firm:
NISHIZAWA, Toshio (Kudan-Horie Bldg. 6F, 3-14 Kudan-kita 4-chom, Chiyoda-ku Tokyo 73, 1020073, JP)
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Claims:
 水を酸化分解して酸素ガス、プロトンおよび電子を製造するための触媒材料であって、R型二酸化マンガンを主成分とするナノニードルの凝集体であり、メソポーラス多孔体構造を有することを特徴とする触媒材料。
 メソポーラス多孔体構造の平均細孔直径が3nm~30nmの範囲であって、BET比表面積が40~200m 2 /g、全細孔容積が0.1~0.5cm 3 /gの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の触媒材料。
 二酸化マンガンのナノニードルは、直径1nm~50nmの範囲、長さ3nm~500nmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒材料。
 二酸化マンガンの凝集体は、その直径が1~100μmの範囲であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の触媒材料。
 二酸化炭素ガスから酢酸または有機物を合成するための触媒材料であって、水素化二酸化マンガンを主成分とするナノ微粒子の凝集体からなることを特徴とする触媒材料。
 水素化二酸化マンガンのナノ微粒子の凝集体は、水素化二酸化マンガンのナノニードルの凝集体であり、メソポーラス多孔体構造を有することを特徴とする請求項5に記載の触媒材料。
 メソポーラス多孔体構造の平均細孔直径が3nm~30nmの範囲であって、BET比表面積が40~200m 2 /g、全細孔容積が0.1~0.5cm 3 /gの範囲であることを特徴とする請求項6に記載の触媒材料。
 水素化二酸化マンガンのナノニードルは、直径1nm~50nmの範囲、長さ3nm~500nmの範囲であることを特徴とする請求項6または7に記載の触媒材料。
 水素化二酸化マンガンのナノニードルの凝集体は、その直径が1~100μmの範囲であることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の触媒材料。
 水を酸化分解して酸素ガス、プロトンおよび電子を製造するための触媒材料の製造方法であって、2価のマンガン化合物を焼成して酸処理した後、次いで乾燥処理することを特徴とする触媒材料の製造方法。
 2価のマンガン化合物が、炭酸マンガンであることを特徴とする請求項10に記載の触媒材料の製造方法。
 請求項10の触媒材料の製造方法において、乾燥処理した後、さらに水洗または湯洗することを特徴とする触媒材料の製造方法。
 二酸化炭素ガスから酢酸または有機物を合成するための触媒材料の製造方法であって、2価のマンガン化合物を焼成して酸処理することを特徴とする触媒材料の製造方法。
 請求項13の触媒材料の製造方法において、2価のマンガン化合物を焼成して酸処理した後、さらに水洗することを特徴とする触媒材料の製造方法。
 請求項13の触媒材料の製造方法において、2価のマンガン化合物を焼成して酸処理した後、さらに乾燥処理し、次いで酸処理することを特徴とする触媒材料の製造方法。
 請求項15の触媒材料の製造方法において、乾燥処理後、酸処理前に、水洗または湯洗することを特徴とする触媒材料の製造方法。
 2価のマンガン化合物が、炭酸マンガンであることを特徴とする請求項13から16のいずれかに記載の触媒材料の製造方法。
 請求項10から17に記載の触媒材料の製造方法において焼成した2価のマンガン化合物を酸処理した後の酸処理液(廃液)の再利用方法であって、酸処理後の酸処理液に酸化剤およびアルカリ化合物を添加して酸化マンガンを沈殿させた後、前記酸化マンガンの沈殿物を酸処理し、これを乾燥処理してR型二酸化マンガンを得ることを特徴とする廃液の再利用方法。
 請求項10から17に記載の触媒材料の製造方法において焼成した2価のマンガン化合物を酸処理した後の酸処理液(廃液)の再利用方法であって、酸処理後の酸処理液に過マンガン酸カリウムを添加して二酸化マンガンを得ることを特徴とする廃液の再利用方法。
 請求項10から17に記載の触媒材料の製造方法において焼成した2価のマンガン化合物を酸処理した後の酸処理液(廃液)の再利用方法であって、酸処理後の酸処理液にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩を添加して炭酸マンガンを得ることを特徴とする廃液の再利用方法。
 請求項1から4のいずれかの触媒材料を用いて水から酸素ガスを製造する方法であって、可視光下、酸性水溶液に前記触媒材料を接触させて酸素ガスを製造することを製造することを特徴とする酸素ガスの製造方法。
 請求項5から9のいずれかの触媒材料を用いて二酸化炭素ガスを分解し、酢酸または有機物を合成する方法であって、酸性水溶液の存在下、前記触媒材料に二酸化炭素ガスを接触させることを特徴とする酢酸または有機物の合成方法。
 請求項1から4のいずれかの触媒材料を用いて電気エネルギーを発生させる方法であって、可視光下、酸性水溶液に前記触媒材料を接触させることを特徴とする電気エネルギー発生方法。
 請求項1から4のいずれかの触媒材料と、この触媒材料を介して接続されてなる一対の電極と、電極間の電位差を検出する電圧検出手段と、を備えた水素ガスセンサーであって、前記触媒材料を水の存在下、この触媒材料に接続されている一方の電極側に導入された水素ガスが前記電極と接触し、これにより発生した水素イオンが水に溶解して酸性水溶液となり、この酸性溶液が前記触媒と接触して分解されて電気エネルギーが発生し、これに伴う両電極間の電位差を前記電圧検出手段で検出することによって、水素ガスを検知することを特徴とする水素ガスセンサー。
 2価のマンガン化合物を焼成して酸処理する工程を含むことを特徴とする酢酸の合成方法。
 2価のマンガン化合物が、炭酸マンガンであることを特徴とする請求項25に記載の酢酸の合成方法。
 2価のマンガン化合物を焼成し、これを酸処理して水素化二酸化マンガンを主成分とするナノ微粒子の凝集体とする工程と、この凝集体を大気中で乾燥処理する工程と、を含むことを特徴とする糖の合成方法。
 2価のマンガン化合物が、炭酸マンガンであることを特徴とする請求項27に記載の糖の合成方法。
 2価のマンガンイオンを含む水溶液に酸化剤およびアルカリ化合物を添加し、これにより得られた酸化マンガンの沈殿物を酸処理して乾燥処理することを特徴とするR型二酸化マンガンの製造方法。
Description:
[規則37.2に基づく発明の名称]  から酸素ガスを製造するための触媒材料

 この出願の発明は、水から酸素ガスを製 するための、可視光で機能する触媒材料と の触媒材料を用いた酸素ガスの製造方法、 酸化炭素ガスから酢酸または有機物を合成 るための触媒材料とその触媒材料を用いて 酸化炭素ガスを分解し酢酸または有機物を 成する方法、電気エネルギー発生方法、水 ガスセンサー、酢酸や糖の合成方法、廃液 再利用方法(2価のマンガン水溶液から触媒 料およびR型二酸化マンガンを製造する方法) 、R型二酸化マンガンの製造方法等に関する のである。

 植物は太陽光に含まれる波長400~500nmの可視 のエネルギーを利用して、水と二酸化炭素 ら酸素ガスや有機物などを生産している。 物の光合成反応は多段階の反応からなり、 の酸化分解反応はその出発点に位置する反 である。一方、二酸化炭素の分解と有機物 の変換反応は光合成反応の最終段階の反応 ある。
 最新の報告によれば、植物が行う水の酸化 解反応は、葉緑体の膜中に存在するマンガ 4つとカルシウム1つによって構成されるク スターが、太陽光エネルギーを利用して水 酸化分解する触媒として作用していること 明らかにされている(B. Loll他、Nature, 438, 10 40 (2005))。

 しかしながら、植物の葉緑体に含まれる前 のクラスターを含む細胞(Photo System II)には 、水を酸化分解する触媒効果をもたらすマン ガン原子は4つしか含まれていないため、植 が水を酸化分解する反応を利用して、工業 に水から酸化分解によって酸素ガスを大量 人工合成することは将来的にも極めて困難 ある。これまでに、人工の触媒物質が水を 化分解した例としては、チタニア触媒や色 増感触媒の例が挙げられる。しかしながら チタニア触媒が水を酸化分解するためには 3.0~3.2eVのエネルギーをもった紫外光を予め 射してやる必要がある。また、色素増感触 が水を酸化分解するために必要なエネルギ は約3.0eVとチタニア触媒に比べて低エネルギ ーであるが、色素増感触媒は化学的に不安定 な材料であるため実用化には至っていない。 したがって、実際の植物の光合成のようにエ ネルギーが2.0~2.5eVである可視光を使って水を 効率的に酸化分解できる触媒材料は見つかっ ていない。また、植物が大気中の二酸化炭素 を分解して有機物を合成する反応を利用して 工業的に大量の二酸化炭素を分解して有機物 に変換することも極めて困難である。
 以上のように、これまで既存の人工触媒技 で植物が行っているような太陽光エネルギ だけで水を酸化分解し、酸素ガスを効率的 発生させ得た例はないし、二酸化炭素を分 して有機物に変換することができる優れた 媒性能を示す材料と方法はみつかっていな のが実情である。

 そこで、本発明は、以上の通りの背景か 、可視光および室温下において水を酸化分 して酸素ガスを発生させることができる触 材料、その触媒材料の製造方法、その触媒 料を用いた酸素ガスの製造方法と電気エネ ギー発生方法並びに水素ガスセンサーと、 温下において二酸化炭素ガスから酢酸また 有機物に還元することができる触媒材料、 の触媒材料の製造方法、その触媒材料を用 て二酸化炭素ガスを分解し酢酸や有機物を 成する方法と、酢酸や糖の合成方法を提供 ることを課題としている。

 さらに、本発明は、前記触媒材料の製造過 で生じる廃液の再利用方法および2価のマン ガン水溶液からR型二酸化マンガンを合成す 新しい製造方法を提供することを課題とし いる。
 本発明は、前記の課題を解決するものとし 、以下の発明を提供する。

<1>水を酸化分解して酸素ガス、プロト ンおよび電子を製造するための触媒材料であ って、R型二酸化マンガンを主成分とするナ ニードルの凝集体であり、メソポーラス多 体構造を有することを特徴とする触媒材料

<2>メソポーラス多孔体構造の平均細孔直 径が3nm~30nmの範囲であって、BET比表面積が40~2 00m 2 /g、全細孔容積が0.1~0.5cm 3 /gの範囲であることを特徴とする上記<1> 記載の触媒材料。

<3>二酸化マンガンのナノニードルは、 直径1nm~50nmの範囲、長さ3nm~500nmの範囲である とを特徴とする上記<1>または<2>に 載の触媒材料。

<4>二酸化マンガンの凝集体は、その直 径が1~100μmの範囲であることを特徴とする上 <1>から<3>のいずれかに記載の触媒 料。

<5>二酸化炭素ガスから酢酸または有機 物を合成するための触媒材料であって、水素 化二酸化マンガンを主成分とするナノ微粒子 の凝集体からなることを特徴とする触媒材料 。

<6>水素化二酸化マンガンのナノ微粒子 の凝集体は、水素化二酸化マンガンのナノニ ードルの凝集体であり、メソポーラス多孔体 構造を有することを特徴とする上記<5>に 記載の触媒材料。

<7>メソポーラス多孔体構造の平均細孔直 径が3nm~30nmの範囲であって、BET比表面積が40~2 00m 2 /g、全細孔容積が0.1~0.5cm 3 /gの範囲であることを特徴とする上記<6> 記載の触媒材料。

<8>水素化二酸化マンガンのナノニード ルは、直径1nm~50nmの範囲、長さ3nm~500nmの範囲 あることを特徴とする上記<6>または< 7>に記載の触媒材料。

<9>水素化二酸化マンガンのナノニード ルの凝集体は、その直径が1~100μmの範囲であ ことを特徴とする上記<6>から<8>の ずれかに記載の触媒材料。

<10>水を酸化分解して酸素ガス、プロ ンおよび電子を製造するための触媒材料の 造方法であって、2価のマンガン化合物を焼 して酸処理した後、次いで乾燥処理するこ を特徴とする触媒材料の製造方法。

<11>2価のマンガン化合物が、炭酸マン ンであることを特徴とする上記<10>に記 載の触媒材料の製造方法。

<12>上記<10>の触媒材料の製造方法 おいて、乾燥処理した後、さらに水洗また 湯洗することを特徴とする触媒材料の製造 法。

<13>二酸化炭素ガスから酢酸または有 物を合成するための触媒材料の製造方法で って、2価のマンガン化合物を焼成して酸処 することを特徴とする触媒材料の製造方法

<14>上記<13>の触媒材料の製造方法 おいて、2価のマンガン化合物を焼成して酸 処理した後、さらに水洗することを特徴とす る触媒材料の製造方法。

<15>上記<13>の触媒材料の製造方法 おいて、2価のマンガン化合物を焼成して酸 処理した後、さらに乾燥処理し、次いで酸処 理することを特徴とする触媒材料の製造方法 。

<16>上記<15>の触媒材料の製造方法 おいて、乾燥処理後、酸処理前に、水洗ま は湯洗することを特徴とする触媒材料の製 方法。

<17>2価のマンガン化合物が、炭酸マン ンであることを特徴とする上記<13>から <16>のいずれかに記載の触媒材料の製造 法。

<18>上記<10>から<17>に記載の触 媒材料の製造方法において焼成した2価のマ ガン化合物を酸処理した後の酸処理液(廃液) の再利用方法であって、酸処理後の酸処理液 に酸化剤およびアルカリ化合物を添加して酸 化マンガンを沈殿させた後、前記酸化マンガ ンの沈殿物を酸処理し、これを乾燥処理して R型二酸化マンガンを得ることを特徴とする 液の再利用方法。

<19>上記<10>から<17>に記載の触 媒材料の製造方法において焼成した2価のマ ガン化合物を酸処理した後の酸処理液(廃液) の再利用方法であって、酸処理後の酸処理液 に過マンガン酸カリウムを添加して二酸化マ ンガンを得ることを特徴とする廃液の再利用 方法。

<20>上記<10>から<17>に記載の触 媒材料の製造方法において焼成した2価のマ ガン化合物を酸処理した後の酸処理液(廃液) の再利用方法であって、酸処理後の酸処理液 にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭 酸塩を添加して炭酸マンガンを得ることを特 徴とする廃液の再利用方法。

<21>上記<1>から<4>のいずれか 触媒材料を用いて水から酸素ガスを製造す 方法であって、可視光下、酸性水溶液に前 触媒材料を接触させて酸素ガスを製造する とを製造することを特徴とする酸素ガスの 造方法。

<22>上記<5>から<9>のいずれか 触媒材料を用いて二酸化炭素ガスを分解し 酢酸または有機物を合成する方法であって 酸性水溶液の存在下、前記触媒材料に二酸 炭素ガスを接触させることを特徴とする酢 または有機物の合成方法。

<23>上記<1>から<4>のいずれか 触媒材料を用いて電気エネルギーを発生さ る方法であって、可視光下、酸性水溶液に 記触媒材料を接触させることを特徴とする 気エネルギー発生方法。

<24>上記<1>から<4>のいずれか 触媒材料と、この触媒材料を介して接続さ てなる一対の電極と、電極間の電位差を検 する電圧検出手段と、を備えた水素ガスセ サーであって、前記触媒材料を水の存在下 この触媒材料に接続されている一方の電極 に導入された水素ガスが前記電極と接触し これにより発生した水素イオンが水に溶解 て酸性水溶液となり、この酸性溶液が前記 媒と接触して分解されて電気エネルギーが 生し、これに伴う両電極間の電位差を前記 圧検出手段で検出することによって、水素 スを検知することを特徴とする水素ガスセ サー。

<25>2価のマンガン化合物を焼成して酸 理する工程を含むことを特徴とする酢酸の 成方法。

<26>2価のマンガン化合物が、炭酸マン ンであることを特徴とする上記<25>に記 載の酢酸の合成方法。

<27>2価のマンガン化合物を焼成し、こ を酸処理して水素化二酸化マンガンを主成 とするナノ微粒子の凝集体とする工程と、 の凝集体を大気中で乾燥処理する工程と、 含むことを特徴とする糖の合成方法。

<28>2価のマンガン化合物が、炭酸マン ンであることを特徴とする上記<27>に記 載の糖の合成方法。

<29>2価のマンガンイオンを含む水溶液 過酸化水素または酸素ガスなどの酸化剤お びアルカリ化合物を添加し、これにより得 れた酸化マンガンの沈殿物を酸処理して乾 処理することを特徴とするR型二酸化マンガ ンの製造方法。

図1は、水素化した酸化マンガンの合成 とその際に生じる廃液を説明するための概略 図ある。 図2は、実施例1の触媒材料の透過型電 顕微鏡写真である。 図3は、実施例1における凝集体粉末の 素ガスの吸脱着等温線である。 図4は、実施例1における凝集体粉末の 素ガス吸着法による細孔分布である。 図5は、実施例1における凝集体粉末のX 回折パターンである。 図6は、実施例1の触媒材料の透過型電 顕微鏡写真である。 図7は、実施例1における凝集体粉末の 素ガスの吸脱着等温線である。 図8は、実施例1における凝集体粉末の 素ガス吸着法による細孔分布である。 図9は、実施例1の触媒材料の透過型電 顕微鏡写真である。 図10は、実施例1における凝集体粉末の 窒素ガスの吸脱着等温線である。 図11は、実施例1における凝集体粉末の 窒素ガス吸着法による細孔分布である。 図12は、実施例2における凝集体粉末の X線回折パターンである。 図13は、実施例2における凝集体粉末の X線吸収端パターンである。 図14は、実施例3における酸素発生実験 を示す写真である。 図15は、実施例5において、ハロゲンラ ンプを照射した場合と遮光した場合における 水の酸化分解によって発生した酸素ガス濃度 の変化を示すグラフである。 図16は、実施例6における二酸化炭素分 解実験を示す写真である。 図17は、実施例8で使用したR型二酸化 ンガンの凝集体からなるペレットを示す写 である。 図18は、実施例8において、水の酸化分 解によって発生する電圧を測定するシステム を示す図である。 図19は、実施例9において、水の酸化分 解によって発生する電圧を測定するシステム を示す図である。 図20は、実施例10における起電力の測 結果である。 図21は、実施例11において、グルコー 検出のために、グルコースの標準液をガス クロマトグラフ質量分析法で分析した結果 ある。 図22は、グルコース-トリメチルシリル 体のマス・スペクトルである。 図23は、実施例11における白色粉末を リジンに溶かしてトリメチルシリル化して 析した結果である。 図24は、実施例11における白色粉末を 留水に溶かした後、硫酸を滴下し、その溶 を脱水後トリメチルシリル化して分析した 果である。 図25は、実施例12で得た凝集体粉末の 過型電子顕微鏡写真である。 図26は、実施例12における凝集体粉末 X線回折パターンである。 図27は、実施例12における凝集体粉末 X線回折パターンである。 図28は、実施例15において、実験後の 塩酸水溶液に含まれる酢酸のマス・スペク ルである。 図29は、実施例15において、実験後の 素化二酸化マンガンの凝集体からなるペー トから発生したガスのマス・スペクトルで る。 図30は、実施例16における反応容器を す写真である。 図31は、実施例16において、実験後の 塩酸水溶液に含まれる酢酸およびアセトア デヒドのマス・スペクトルである。

 本発明は、水から酸素ガス、プロトンお び電子を製造するための触媒材料(以下、酸 素ガス製造触媒材料ともいう)と、二酸化炭 ガスを分解し、酢酸やホルムアルデヒド、 たは糖を合成するための触媒材料(以下、二 化炭素分解触媒材料ともいう)を提供するも のである。これら触媒材料は、水の分解反応 あるいは二酸化炭素ガスの分解反応に用いら れ、反応助剤といってもよい。

 まず、水から酸素ガス、プロトンおよび電 を製造するための触媒材料について説明す 。
 上記の触媒材料は、R型二酸化マンガンを主 成分とするナノニードルが凝集体であり、メ ソポーラス多孔体構造を有する二酸化マンガ ンの凝集体であることを特徴としている。こ こで、R型二酸化マンガンを主成分とするナ ニードルとは、一般的に重量比で50%以上好 しくは80%以上、さらには95%以上のR型二酸化 ンガンが成分として構成されており、大き 、すなわち、太さ(平均直径)および長さ(両 距離)がナノメートルスケールであり、太さ が略均一で針状(ロッドともいう)の形状を有 るものをいう。具体的には、太さ(平均直径 )および長さ(両端距離)は、太さ1~50nm、長さ3~5 00nmの範囲である。

 この触媒材料における二酸化マンガンの凝 体はメソポーラス多孔体構造を形成してい が、その細孔直径は3nm~30nmの範囲であって BET比表面積40~120m 2 /gの範囲であるものが考慮される。特には、 均細孔直径が3nm~15nmでBET比表面積が50~200m 2 /gの範囲のもの、なかでも平均細孔直径が7nm~ 14nmでBET比表面積が50~130m 2 /gの範囲のもの、あるいは平均細孔直径が15nm ~30nmでBET比表面積が40~50m 2 /gの範囲のものなどを挙げることができる。 お、上記メソポーラス多孔体構造の全細孔 積は、0.1~0.5cm 3 /g程度である。凝集体の大きさとしては、例 ば、メソポーラス多孔体構造を考慮すると その直径が1~100μmの範囲である。

 上記の触媒材料は、多孔体構造の表面およ 細孔の内面で水と接触するため、従来の触 材料では実現できなかった高効率な触媒反 を生じさせることができる。このため、例 ば、密閉容器中で水に浸した10グラムの触 材料から1時間で330ppmの酸素ガスの発生が可 になるなど、高い反応効率で水から酸素ガ を製造することができる。
 次に上記の水から酸素ガスと電気エネルギ であるプロトンおよび電子を製造するため 触媒材料の製造方法について説明する。こ 触媒材料は、2価のマンガン化合物を焼成し てマンガン酸化物の粉末とし、これを酸処理 した後、乾燥処理することで得ることができ る。

 2価のマンガン化合物としては、炭酸マンガ ン、水酸化マンガン、塩化マンガン、硫酸マ ンガン、硝酸マンガン、シュウ酸マンガン等 が挙げられるが、入手のし易さ、触媒材料の 製造効率等を考慮すると炭酸マンガンMnCO 3 であることが好ましい。また、マンガン化合 物の大きさとしては、平均粒径0.02~100μmの範 の粉末であることが考慮される。
 焼成温度としては、180~300℃の範囲、より好 ましくは190~250℃であり、特には200℃が好適 ある。焼成時間については、焼成温度と焼 量を考慮して適宜に設定されるが、例えば1~ 20時間程度であり、25グラムの炭酸マンガン 焼成する際には200℃で6時間焼成する。

 酸処理は1回または2回以上繰り返し行うこ ができる。酸処理を繰り返し行うことによ て、2価のマンガン化合物を効果的に除去し 、R型の結晶構造とイプシロン型の結晶構造 の二酸化マンガンが混ざった水素化二酸化マ ンガンを効率的に合成することができる。こ の水素化酸化マンガンは、酸処理によってペ ースト状になっており、二酸化マンガンMnO 2 の結晶構造にプロトンH + および電子e - が含侵したマンガン価数+4価のナノ微粒子で る。よって、水素化酸化マンガンは(H + ,e - ) x MnO 2 とも記載できる。ここでXは二酸化マンガンMn O 2 中に含まれているプロトンと電子(H + ,e - )の数を表し、0から1の範囲である。なお、後 述するが、この水素化酸化マンガンを乾燥す るとプロトンが抜けてR型二酸化マンガンを る。
 酸処理の回数はマンガン化合物(焼成炭酸マ ンガン)の量、使用する酸の種類、濃度によ て適宜に設定される。酸処理に用いる酸と ては、無機酸であれば特に制限されず、好 しくは塩酸、硫酸、または硝酸である。酸 濃度が高いとマンガン化合物の溶解が多く る場合があるので、濃度範囲が0.01~1.0mol/lの 囲、より好適には0.1~0.5mol/lの範囲であるこ が好ましい。酸処理の時間については10分 ら3時間、好ましくは1時間程度が良好である 。

 本発明は、上記の触媒材料の製造方法にお て、乾燥条件を変えることによって、得ら る二酸化マンガンナノニードルの大きさを 御するとともに、二酸化マンガンナノニー ル凝集体のメソポーラス多孔体構造の平均 孔直径およびBET比表面積の大きさを調節す ことができる。例えば、上記酸処理後に得 れるペースト状態の水素化した酸化マンガ の乾燥条件として、大気中、乾燥機などで9 0~120℃、2時間~12時間乾燥する際に、ペースト を半密閉容器に入れて水分がペーストから蒸 散しにくい状態で、すなわちペースト中の水 分の脱水速度を減じることで、乾燥後に得ら れるR型二酸化マンガンのナノニードルの大 さをより大きく成長させることができる。 体的には、そのような半密閉容器を使用し いで脱水速度が速い場合に得られるR型二酸 マンガンのナノニードルは、太さ2~10nm、長 5~30nm程度であることに対して、ペーストの 燥に半密閉容器を使用した場合には、太さ1 0~30nm、長さ30~300nmのR型二酸化マンガンのナノ ニードルとすることが可能となる。
 このように酸処理後の乾燥条件と酸処理に 用する酸濃度を調整することで、R型二酸化 マンガンのナノニードルの大きさを制御する ことができるのである。このため、上記の例 に限定されることなく、例えば、後述する実 施例1の乾燥処理2のように、太さ3~10nm、長さ1 0~200nmのナノニードルを得ることも可能であ 。

 このようにして得られたR型二酸化マンガン ナノニードルが凝集して形成する凝集体の平 均細孔直径と比表面積は、凝集体を構成する R型二酸化マンガンのナノニードルの太さと さに依存する。本発明は、平均細孔直径が3n m~30nmの範囲であって、BET比表面積が40~200m 2 /g、全細孔容積が0.1~0.5cm 3 /gの範囲のナノニードル凝集体を得ることが きるが、例えば、太さ2~10nm、長さ5~30nmのR型 二酸化マンガンのナノニードルで構成される 凝集体では、平均細孔直径が7nm~14nmの範囲、B ET比表面積が50~130m 2 /g、全細孔容積が0.2~0.5cm 3 /gの範囲となる。太さ10~30nm、長さ30~300nmのR型 二酸化マンガンのナノニードルで構成される 凝集体では、平均細孔直径が15nm~70nmの範囲、 BET比表面積が40~50m 2 /g、全細孔容積が0.1~0.3cm 3 /gの範囲となる。そして、太さ3~10nm、長さ10~2 00nmのR型二酸化マンガンのナノニードルで構 される凝集体では、平均細孔直径が10nm~20nm 範囲、BET比表面積が45~70m 2 /g、全細孔容積が0.15~0.40cm 3 /gの範囲となる。なお、上記の例は一例であ て、ナノニードルの大きさとその凝集体の 均細孔直径と比表面積との関係は上記の例 限定されるものではない。また、以上の方 によって得られたR型二酸化マンガンを主成 分とするナノニードルの凝集体をメノウ乳鉢 等で粉砕した後、水または水溶液中において 室温から30℃程度の温度で水洗したり、また 30℃から90℃程度の温度で湯洗したりするこ とでR型二酸化マンガンのナノニードル表面 付着している塩化マンガンなどの不純物を 去できる。水洗または湯洗した後は、R型二 化マンガンのナノニードル凝集体をろ過回 し、例えば大気圧下、110℃で1~12時間乾燥し てもよい。

 以上の処理によって、R型二酸化マンガン を主成分とするナノニードルの凝集体であっ て、メソポーラス多孔体構造を有する触媒材 料を得ることができる。

 本発明は、上記の触媒材料を用いて水か 酸素ガス、プロトンおよび電子を製造する 法を提供する。具体的には、可視光下で酸 水溶液に酸素ガス製造触媒材料を接触させ ことで酸素ガスを製造することができる。 らに具体的に説明すると、例えば、太陽光 蛍光灯下に置かれた密閉したガラス製の反 容器内に上記の酸素ガス製造触媒材料をpH 酸性の水、例えば希塩酸や希硫酸などに懸 させてマグネチック・スターラーで攪拌す 。この際、水が酸素ガス製造触媒材料と接 することでガスが発生する。ここで、例え 、密閉したガラス製の反応容器につながっ ガス採取用のガラス管のコックを開いてサ プルガス採取用のシリンダーに密閉したガ ス製の反応容器内のガスをサンプリングす 。ガス・クロマトグラフ法によって実験室 気中の酸素濃度とサンプリングされたガス 酸素濃度を比較することで、反応容器内に 生したガスが酸素ガスであることを確認で る。なお、酸素ガスの発生は以下の反応式 表される。

 2H 2 O → O 2  + 4H +  + 4e -  
ここで、H 2 Oは水、O 2 は酸素ガス、H + は水素イオン(プロトン)、e - は電子を表す。
上記の反応は水の酸化分解反応であり、本発 明はこの水の酸化分解反応からさらに電気エ ネルギーであるプロトンH + と電子e - を得ることができる。すなわち、可視光下で 酸性水溶液に前記酸素ガス製造触媒材料を接 触させることで電気エネルギーを発生させる ことができる。

 さらに本発明は、上記の触媒材料を用いた 素ガスセンサーを提供する。この水素ガス ンサーは、上記の触媒材料と、この触媒材 を介して接続されてなる一対の電極と、電 間の電位差を検出する電圧検出手段とを備 ており、以下のようにして水素ガスが検知 れる。まず、水の存在下、前記触媒材料に 続されている一方の電極側に水素ガスが導 されると、水素ガスと前記電極との接触に り水素イオンが発生し、これが水に溶解し 酸性水溶液となる。次いで、この酸性溶液 前記触媒と接触して分解されて電気エネル ーが発生する。これに伴う両電極間の電位 を電圧計等の前記電圧検出手段で検出する とによって、水素ガスを検知する。電極の 料としては、水素ガスを水素イオンとする 媒効果を有するものであればよく、好適に 白金が挙げられる。
 上記水素ガスセンサーは、安価に製造でき とともに、簡便にかつ感度よく水素ガスの 在を検知することができるため、産業上好 に使用することができる。

 また、R型二酸化マンガンのナノニードルを 主成分とする凝集体を、水または水溶液中に おいて室温から30℃程度の温度で水洗したり または30℃から90℃程度の温度で湯洗したり することでR型二酸化マンガンのナノニード 表面から塩化マンガンなどの不純物を除去 てやると、R型二酸化マンガンのナノニード 表面でプロトンH + 導伝性が顕著に発現する。これは室温から300 ℃程度の温度範囲で働く新規な固体酸化物型 燃料電池用の電解質を提供する。ちなみに既 存の固体酸化物型燃料電池では電解質として バリウム、イットリウム、セリウム、酸素の 化合物であるBYCOが500℃で働くことが知られ いるが、室温から300℃の様な低い温度でプ トンH + 導伝性が発現した例は極めて少ない。なお、 水洗または湯洗した後は、R型二酸化マンガ のナノニードル凝集体をろ過回収し、例え 大気圧下、110℃で1~12時間乾燥してもよい。

 次に、二酸化炭素ガスから酢酸やホルムア デヒドなどの有機物を合成するための触媒 料について説明する。
 この触媒材料は、水素化二酸化マンガンを 成分とするナノ微粒子の凝集体からなるも である。ここで、水素化二酸化マンガンを 成分とするナノ微粒子とは、一般的に重量 で50%以上好ましくは80%以上、さらには95%以 の水素化二酸化マンガンが成分として構成 れており、大きさ、すなわち、太さ(平均直 径)および長さ(両端距離)がナノメートルスケ ールであり、不定形のものや太さが略均一で 針状(ニードルあるいはロッドともいう)の形 を有するものをいう。より好ましくは、水 化二酸化マンガンのナノニードルであり、 の場合のナノニードルは、上記の水から酸 ガスを製造するための触媒材料と同様、太 (平均直径)および長さ(両端距離)が、太さ1~5 0nm、長さ3~500nmの範囲であることが考慮され 。そして、本発明はナノニードルが凝集さ てメソポーラス多孔体構造が形成される。 のメソポーラス多孔体構造の細孔直径は3nm~3 0nmの範囲であって、BET比表面積40~115m 2 /gの範囲であるものが考慮される。特には、 均細孔直径が3nm~15nmでBET比表面積が50~200m 2 /gの範囲のもの、なかでも平均細孔直径が7nm~ 14nmでBET比表面積が50~130m 2 /gの範囲のもの、あるいは平均細孔直径が15nm ~30nmでBET比表面積が40~50m 2 /gの範囲のものなどを挙げることができる。 お、上記メソポーラス多孔体構造の全細孔 積は、0.1~0.5cm 3 /g程度である。凝集体の大きさとしては、例 ば、メソポーラス多孔体構造を考慮すると その直径が1~100μmの範囲である。

 上記の触媒材料は、多孔体構造の表面お び細孔の内面で水や二酸化炭素ガスと接触 るため、従来の触媒材料では実現できなか た高効率な触媒反応を生じさせることがで る。このため、例えば、密閉容器のなかで に浸した10グラムの触媒材料を例えばマグ チック・スターラー等で撹拌しながら濃度99 .9%の二酸化炭素ガスを接触させるだけで、24 間経過後の密閉容器の中には二酸化炭素の 解により生じたホルムアルデヒト等が検出 れるなど、高い反応効率で二酸化炭素ガス 分解することができる。太陽光以下の投入 ネルギーでこのような結果を得た触媒材料 これまで存在しない。

 次に上記の二酸化炭素ガスから酢酸やホル アルデヒドなどの有機物を合成するための 媒材料の製造方法について説明する。
 この触媒材料は、2価のマンガン化合物を焼 成して酸処理することで、R型の結晶構造と プシロン型の結晶構造の二酸化マンガンが ざった水素化二酸化マンガンを主成分とす ナノ微粒子の凝集体からなる触媒材料を得 ことができる。
 2価のマンガン化合物としては、炭酸マンガ ン、水酸化マンガン、塩化マンガン、硫酸マ ンガン、硝酸マンガン、シュウ酸マンガン等 が挙げられるが、入手のし易さ、触媒材料の 製造効率等を考慮すると炭酸マンガンMnCO 3 であることが好ましい。また、マンガン化合 物の大きさとしては、平均粒径0.02~100μmの範 の粉末であることが考慮される。
 焼成温度としては、180~300℃の範囲、より好 ましくは190~250℃であり、特には200℃が好適 ある。焼成時間については、焼成温度と焼 量を考慮して適宜に設定されるが、例えば1~ 20時間程度であり、25グラムの炭酸マンガン 焼成する際には200℃で6時間焼成する。

 酸処理は1回または2回以上繰り返し行うこ ができる。酸処理を繰り返し行うことによ て、2価のマンガン化合物を効果的に除去し 、R型の結晶構造とイプシロン型の結晶構造 の二酸化マンガンが混ざった水素化二酸化マ ンガンを効率的に合成することができる。こ の水素化酸化マンガンは、酸処理によってペ ースト状になっており、二酸化マンガンMnO 2 の結晶構造にプロトンH + および電子e - が含侵したマンガン価数+4価のナノ微粒子で る。よって、水素化酸化マンガンは(H + ,e - ) MnO 2 と記載できる。ここでXは二酸化マンガンMnO 2 中に含まれているプロトンと電子(H + ,e - )の数を表し、0から1の範囲である。この水素 化酸化マンガンを乾燥するとプロトンが抜け てR型二酸化マンガンを得る。
 酸処理の回数はマンガン化合物(焼成炭酸マ ンガン)の量、使用する酸の種類、濃度によ て適宜に設定される。酸処理に用いる酸と ては、無機酸であれば特に制限されず、好 しくは塩酸、硫酸、または硝酸である。酸 濃度が高いとマンガン化合物の溶解が多く る場合があるので、濃度範囲が0.01~1.0mol/lの 囲、より好適には0.1~0.5mol/lの範囲であるこ が好ましい。酸処理の時間については10分 ら3時間、好ましくは1時間程度が良好である 。

 本発明は、2価のマンガン化合物を焼成し て酸処理した後に、水または水溶液中におい て室温から30℃程度の温度で水洗してもよい これによって、水素化酸化マンガン表面に 着している塩化マンガンなどの不純物を除 できる。

 本発明は、2価のマンガン化合物を焼成して 酸処理した後に、場合によっては、水洗処理 した後に、さらに乾燥処理して酸処理しても よい。この乾燥処理後の酸処理は、焼成処理 後の酸処理と同様である。この乾燥処理後の 酸処理に用いる酸は前記の様な無機酸、好ま しくは前記の濃度0.1~0.5mol/Lの範囲である希塩 酸が好ましい。酸処理の時間は10分から3時間 程度が好ましいが、酸処理にpHが天然の酸性 と同じレベルの酸性水、例えばpH5.6のイオ 交換純水を用いた場合には2日間と酸処理時 を長くすることで、濃度0.1~0.5mol/Lの範囲で る希塩酸を用いて1時間酸処理した場合に相 当する効果が得られる。また、乾燥処理後の 酸処理に用いる酸は、無機酸に限らずトリフ ルオロ酢酸CF 3 COOHの様な有機酸であっても構わない。乾燥 理については、その乾燥条件を変えること よって、得られる二酸化マンガンナノニー ルの大きさを制御するとともに、二酸化マ ガンナノニードル凝集体のメソポーラス多 体構造の平均細孔直径およびBET比表面積の きさを調節することができる。例えば、上 酸処理後に得られる水素化酸化マンガンナ 微粒子のペースト状体の乾燥条件として、 気中、乾燥機などで90~120℃、2時間~12時間乾 する際にペーストを入れる容器をガラスシ ーレなどの開放容器に入れて乾燥処理する と、すなわちペースト中の水分の脱水速度 速めることで、得られるR型二酸化マンガン のナノニードルの大きさをより小さくするこ とができる。具体的には、太さ2~10nm、長さ5~3 0nmのR型二酸化マンガンのナノニードルとす ことが可能となる。

 一方で、より大きく成長したR型二酸化マン ガンのナノニードルを得るためには、ペース トを入れる容器を半密閉容器とすることでペ ースト中の水分の脱水速度を上記条件より遅 くしたり、上記ペーストに希塩酸などの希酸 を添加したりしてペーストが含む水分中の水 素イオンの量を増加させた後、乾燥処理する ことで、より大きく成長したR型二酸化マン ンのナノニードルを得ることができる。具 的には、太さ10~30nm、長さ30~300nmのR型二酸化 ンガンのナノニードルとすることが可能と る。
 このように乾燥条件およびペースト中の水 イオンの量を調整することで、乾燥処理後 得られるR型二酸化マンガンのナノニードル の大きさを制御することができるのである。 このため、上記の例に限定されることなく、 例えば、適宜に乾燥条件およびペースト中の 水素イオンの量を調整することで太さ3~10nm、 長さ10~200nmのナノニードルを得ることも可能 ある。

 このR型二酸化マンガンナノニードルの凝集 体の平均細孔直径と比表面積は、R型二酸化 ンガンのナノニードルの太さと長さに依存 る。本発明は、平均細孔直径が3nm~30nmの範囲 であって、BET比表面積が40~200m 2 /g、全細孔容積が0.1~0.5cm 3 /gの範囲のナノニードル凝集体を得ることが きるが、例えば、太さ2~10nm、長さ5~30nmのR型 二酸化マンガンのナノニードルで構成される 凝集体では、平均細孔直径が7nm~14nmの範囲、B ET比表面積が50~130m 2 /g、全細孔容積が0.2~0.5cm 3 /gの範囲となる。太さ10~30nm、長さ30~300nmのR型 二酸化マンガンのナノニードルで構成される 凝集体では、平均細孔直径が15nm~30nmの範囲、 BET比表面積が40~50m 2 /g、全細孔容積が0.1~0.3cm 3 /gの範囲となる。そして、太さ3~10nm、長さ10~2 00nmのR型二酸化マンガンのナノニードルで構 される凝集体では、平均細孔直径が10nm~20nm 範囲、BET比表面積が45~70m 2 /g、全細孔容積が0.15~0.40cm 3 /gの範囲となる。なお、上記の例は一例であ て、ナノニードルの大きさとその凝集体の 均細孔直径と比表面積との関係は上記の例 限定されるものではない。また、以上の方 によって得られたR型二酸化マンガンを主成 分とするナノニードルの凝集体をメノウ乳鉢 等で粉砕した後、水または水溶液中において 室温から30℃程度の温度で水洗したり、また 30℃から90℃程度の温度で湯洗したりするこ とで、R型二酸化マンガンのナノニードル表 に付着している塩化マンガンなどの不純物 除去できる。水洗または湯洗した後は、R型 酸化マンガンのナノニードル凝集体をろ過 収後、例えば大気圧下、110℃で1~12時間乾燥 してもよい。

 以上のようにして得られたR型二酸化マンガ ンナノニードルの凝集体を酸処理することで 、プロトンH + および電子e - が含侵した水素化酸化マンガン(H + ,e - ) MnO 2 のナノニードルの凝集体をペースト状体とし て得る。したがって、水素化二酸化マンガン を主成分とするナノニードルの凝集体であっ て、メソポーラス多孔体構造を有する触媒材 料を得ることができる。この触媒材料は多孔 質性が高く比表面積が広いため、二酸化炭素 ガスの分解のための触媒材料として好適であ る。

 次に、酢酸の合成方法について説明する。 酸の合成方法には2つの方法がある。第一の 方法は、上記の2価のマンガン化合物を焼成 、これを酸処理して水素化二酸化マンガン 主成分とするナノ微粒子の凝集体ペースト 製造する過程で酢酸が合成される。具体的 は、希塩酸を用いた酸処理の際に希塩酸中 生成する水素化二酸化マンガンを主成分と るナノ微粒子と、上記の2価のマンガン化合 から噴出する二酸化炭素ガスが接触するこ で不安定なアルデヒト類などの低級な有機 が生成されて、その低級有機物が希塩酸中 含まれるマンガンイオンMn 2+ や次亜塩素酸HClOの効果を受けて酸化が進み 結果として安定な酢酸を形成するものと考 られる。酸処理が進むにつれて酢酸臭が発 し、かつ酸処理後に固液分離された希塩酸 に酢酸CH 3 COOHが存在することを、ガス・クロマトグラ が直結された質量分析法(GCMS法)装置によっ 確認できる。その際、主な生成物である酢 の他にも、微量の副生成物であるブチロラ トン、アセトン、エチルエーテル、酢酸エ ル、テトラハイドロフランの存在を確認し 。これらは、希塩酸中で最終的に酢酸が形 される過程における中間生成物が僅かに残 したものと考えられる。

 第二の方法は、酸性水溶液の存在下、上記 水素化二酸化マンガンを主成分とするナノ 子の凝集体に二酸化炭素ガスを接触させる とで酢酸を合成する。具体的には、上記の 素化二酸化マンガンを主成分とするナノ粒 の凝集体を希塩酸水溶液に懸濁・マグネチ ク・スターラー等で撹拌しながら、その希 酸水溶液中に二酸化炭素ガスの細泡を噴出 せることで、効率よく水素化二酸化マンガ を主成分とするナノ粒子凝集体と二酸化炭 ガスとを接触・反応させる。これを2日間程 度続けた後、水素化二酸化マンガンを主成分 とするナノ粒子凝集体と希塩酸水溶液とを固 液分離する。分離された希塩酸水溶液を、ガ ス・クロマトグラフが直結された質量分析法 (GCMS法)装置によって分析すると、酢酸CH 3 COOHの存在が確認できる。その際、主な生成 である酢酸の他にも、微量の副生成物であ ブチロラクトン、アセトン、エチルエーテ 、酢酸エチル、テトラハイドロフランの存 を確認した。これらは、希塩酸中で最終的 酢酸が形成される過程における中間生成物 僅かに残留したものと考えられる。

 上記酢酸の合成方法につき、いずれの方 においても、可視光下で、水素化二酸化マ ガンを主成分とするナノ微粒子に二酸化炭 ガスを接触させることが好ましい。可視光 では、水素化二酸化マンガンの表面にチャ ジされていたプロトンと水素が放出された 、再度、その表面で水の酸化分解が生じて ロトンと水素が表面にチャージされるため 連続的に二酸化炭素の還元反応を続けるこ ができるからである。

 次に、二酸化炭素ガスからホルムアルデ ドを合成する方法について説明する。この 法は、上記二酸化炭素分解触媒材料を水溶 中に懸濁させ、この懸濁液に二酸化炭素ガ を接触させることで二酸化炭素ガスを分解 、ホルムアルデヒドを合成する。さらに具 的に説明すると、例えば、ガラス製の反応 器内に本発明の二酸化炭素分解触媒材料を に懸濁させてマグネチック・スターラーで 拌する。同時に、同反応容器には濃度99.9% 二酸化炭素ガスを満たしおく。同反応容器 上部に反応容器内で発生するガスを導出す ためのテフロン(登録商標)製のチューブを設 置して、そのテフロン(登録商標)製のチュー を、同じ二酸化炭素ガスを満たし、容器の に数mlの水を配置した別の密閉容器につな ておく。この状態を24時間保つことで、密閉 容器の中で二酸化炭素ガスが二酸化炭素分解 触媒材料と反応した結果生じるホルムアルデ ヒトガスを密閉容器の数mLの水に溶解させて ラップする。24時間経過後に、各密閉容器 開封することで、まず、(1)ホルムアルデヒ に特有の臭気を感じることができる。(2)衛 試験法・注解(日本薬学会編集)によるアセチ ルアセトン法によって、密閉容器の数mlの水 ホルムアルデヒトが溶解していることを示 発色反応を明確に確認できる。(3)分光光度 にて測定波長413nmで(2)で発色した水を分析 ることで、ホルムアルデヒトの溶存を確認 きる。

 以上の手法によってホルムアルデヒトが く存在しない反応系にホルムアルデヒトを 出できる。このことは、本発明の二酸化炭 分解触媒材料が二酸化炭素ガスを分解して ることを証明するものである。なお、この 法においても、可視光下で、二酸化炭素分 触媒材料に二酸化炭素ガスを接触させるこ が好ましい。可視光下では、水素化二酸化 ンガンの表面にチャージされていたプロト と水素が放出された後、再度、その表面で の酸化分解が生じてプロトンと水素が表面 チャージされるため、連続的に二酸化炭素 還元反応を続けることができるからである

 以上の例では、マグネチック・スターラ を用いて水に懸濁させた各触媒材料を攪拌 、水および二酸化炭素ガスとの接触効率を めているが、実際の工業的なプラントにお ては、例えば、工場から排出される排気ガ を本発明の二酸化炭素分解触媒材料を水に 加した容器に導入し、排気ガス自体のバブ ングする力によって二酸化炭素分解触媒材 との充分な接触効率が得られるものと考え れるため、マグネチック・スターラーなど 利用した攪拌エネルギーをあえて使う必要 無いと言える。

 また、本発明では、糖の合成方法を提供 る。この方法は、まず、上記の2価のマンガ ン化合物を焼成し、これを酸処理して水素化 二酸化マンガンを主成分とするナノ微粒子の 凝集体ペーストを製造する。次いで、この凝 集体ペーストを大気中で乾燥処理することで 、糖を合成することができる。あるいは別の 方法として、2価のマンガンイオンを含む水 液を調製し、この水溶液に酸化剤およびア カリ化合物を添加して酸化マンガンを沈殿 せる。そして、この酸化マンガンの沈殿物 減圧ろ過器などで濾紙上に濾過回収した後 酸化マンガンの沈殿物が濾液でウェットに っている状態のまま、直ちに希酸に懸濁さ て1時間程度酸処理を行う。この酸処理が終 った後、酸化マンガンの沈殿を再び減圧濾 器を使って濾紙上に回収し、さらに回収し 水素化二酸化マンガンの沈殿をガラスシャ レに移して大気中で乾燥処理することで、 を合成することができる。いずれの方法も 乾燥処理の際に、凝集体ペーストまたは水 化二酸化マンガンの沈殿から透明な液体が み出て、乾燥処理終了時には白色の粉末と て凝固する。得られた白色粉末の主成分は 化マンガンであるが、目的とするグルコー もこれに含まれており、糖の合成を確認す ことができる。

 次に、本発明の廃液の再利用方法について 明する。
 廃液とは、上述した水から酸素ガスを製造 るための触媒材料の製造方法、あるいは二 化炭素ガスから酢酸やホルムアルデヒド、 を合成するための触媒材料の製造方法にお て、焼成した2価のマンガン化合物を酸処理 液で酸処理した際に生じた、酸処理後の酸処 理液であり、2価のマンガンイオンを含む水 液である。以下に、より詳細に説明する。

 上述した触媒材料の製造方法において炭酸 ンガンMnCO 3 (2価のマンガン化合物)を低温で焼成する(た えば180~300℃の温度で焼成する)と、図1(a)に すように、炭酸マンガンの表面が酸化され 酸化マンガンMn 2 O 3 を外殻とする焼成炭酸マンガンを得る。次に 、たとえば希塩酸などの酸処理液に焼成炭酸 マンガンを入れて懸濁させて、酸処理する。 この酸処理によって、外殻の酸化マンガンMn 2 O 3 が希塩酸と接触して塩素ガスが発生する。塩 素ガスの影響を受けて外殻の酸化マンガンMn 2 O 3 が二酸化マンガンMnO 2 に変化し、外殻内部の炭酸マンガンMnCO 3 は塩化マンガンMnCl 2 と二酸化炭素CO 2 と水H 2 Oに変化する(図1(b))。塩化マンガンMnCl 2 は、2価のマンガンイオンMn 2+ となり、炭酸成分は二酸化炭素CO 2 のガスとなり外殻内部での内圧を高め、結果 としてマンガンイオンMn 2+ を含んだ二酸化炭素の気泡が水H 2 Oと共に、二酸化マンガン化した外殻の表面 通じて噴出する。この噴出の際に、マンガ イオンMn 2+ が外殻の二酸化マンガンMnO 2 と効率良く接触するため、マンガンイオンMn 2+ の酸化反応が生じて、水素化した酸化マンガ ンを得る(図1(c))。また、発生した二酸化炭素 ガスの一部は水素化した酸化マンガンと水中 で接触することで、アルデヒト類の様な低級 な有機物と変換され、これが水中のマンガン イオンMn 2+ や希塩酸と二酸化マンガンが発する次亜塩素 酸などの酸化剤成分によって酸化され、酢酸 が形成されるものと考えられる。一方で、一 部のマンガンイオンMn 2+ は酸化反応せずに残存している。残存してい るマンガンイオンMn 2+ は酸処理液に溶解しており、このマンガンイ オンMn 2+ を含んだ酸処理液が廃液となる。

 上記のマンガンイオンMn 2+ を含んだ酸処理液(2価のマンガンイオンを含 水溶液)は、酸処理液に塩酸を用いた場合に は塩化マンガン、硫酸を用いた場合には硫化 マンガン、硝酸を用いた場合には硝酸マンガ ンが水に溶解することによって生成される。 これは、試薬の塩化マンガン、硫酸マンガン 、硝酸マンガンを水に溶解させた水溶液に、 酸化剤およびアルカリ化合物を添加して酸化 マンガンを沈殿させた後に濾過回収し、回収 された酸化マンガンの沈殿物を酸処理し、こ れを乾燥処理してR型二酸化マンガンが得ら ることに基づいている。

 酸処理するための酸処理液の濃度は、上述 たように、酸の濃度が高いとマンガン化合 の溶解が多くなる場合があるので、濃度範 0.01~1.0mol/lの範囲、より好適には0.1~0.5mol/lの 範囲であることが好ましい。そして、廃液を 再利用することを考慮すると、酸処理に供す る焼成炭酸マンガンの量としては、濃度0.5mol /lの希酸2リットルに対して、焼成炭酸マンガ ン50g~70gが好ましく、より好ましくは55g~65g、 くには60g程度である。この理由は、濃度0.5m ol/lの希酸2リットルに対して懸濁させる焼成 酸マンガンの量が50g未満であると、得られ 水溶液中での+2価のマンガンイオンMn 2+ 濃度が低くなり、後述するが、本発明の廃液 の再利用方法において酸化剤である過酸化水 素とアルカリ化合物である水酸化ナトリウム を添加した際に反応するマンガンイオンが不 足して、最終的に水溶液1リットル当たりか 得られるR型二酸化マンガンの量が減少する め、好ましくない。また、懸濁させる焼成 酸マンガンの量が50g未満の場合には、炭酸 ンガンの溶解反応に伴う水の発生が少なく って希酸のpHがあまり上昇しない。これは 次工程で、高価な水酸化ナトリウムの添加 を増加させてしまうことになり、コストの 地から好ましくない。なお、炭酸マンガン 溶解反応は以下の式で表すことができ、焼 炭酸マンガンを希塩酸で酸処理したときの のである。

MnCO 3 +2HCl→MnCl 2 +H 2 O+CO 2
 濃度0.5mol/lの希酸2リットルに対して懸濁さ る焼成炭酸マンガンの量が70gを超える場合 は、希酸のpHが炭酸マンガンの溶解反応に う水の発生で中性に達し、この結果、未溶 の炭酸マンガンが生じる。このため酸処理 回数を増やす必要が生じてしまい、結果と て酸処理工程のコストが高くなる。したが て、酸処理に濃度0.5mol/lの希酸2リットルを いた場合には、焼成炭酸マンガン60g程度を 濁させることで、水溶液のpHを弱酸性にとど め、かつ酸処理の回数を1度に止めることが きる。

 本発明の廃液の再利用方法は、上記廃液 酸化剤とアルカリ化合物を添加して、酸化 ンガンを沈殿させる。そして、この酸化マ ガンの沈殿物を減圧ろ過器などで濾紙上に 過回収した後、酸化マンガンの沈殿物が濾 でウェットな状態のまま、直ちに希酸に懸 させて1時間程度酸処理を行う。この酸処理 が終わった後、酸化マンガンの沈殿を再び減 圧濾過器を使って濾紙上に回収し、さらに回 収された酸化マンガンの沈殿をガラスシャー レに移して乾燥器内で120℃の下、12時間程度 燥する。これら一連の操作によってR型二酸 化マンガンのナノ粒子が凝集した状態で得ら れる。この得られたR型二酸化マンガンの凝 体は、触媒材料として利用できる。

 本発明で用いる酸化剤は、廃液中の2価のマ ンガンイオンから電子を奪うものであり、た とえば過酸化水素、オゾン、酸素、硝酸など を挙げることができるが、コスト、安全性、 および酸化剤として有する酸化力の見地から 過酸化水素を用いることが好ましい。例えば 、オゾンを酸化剤として用いた場合には、過 酸化水素よりも酸化力が強いために最終的に 得られるR型二酸化マンガン中にR型以外の結 構造が混入する場合がある。このため、過 化水素を用いた場合よりも純度の低いR型二 酸化マンガンが得られる場合がある。また、 酸素を用いた場合には、過酸化水素よりも酸 化力が弱いためにR型二酸化マンガンを得る めに長時間の反応時間を要したり酸素の注 方法に工夫をしたりすることが必要となる また、アルカリ化合物は、酸化マンガンを 殿させるために、水酸化ナトリウムを好適 ものとして挙げることができるが、水酸化 リウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウ などのアルカリ化合物であってもよい。2価 マンガンイオン水溶液に対する上記の酸化 とアルカリ化合物の添加の順番は酸化剤が であってもアルカリ化合物が先であっても わない。
 酸化マンガンの沈殿物の酸処理およびその の乾燥処理は、上述した触媒材料の製造時 酸処理と乾燥処理と同様であるため、説明 省略する。

 さらに、本発明の廃液の再利用方法は、廃 に過マンガン酸カリウムを添加し、これを 拌保持することで沈殿物を得る。この沈殿 を濾過回収し、これを乾燥することで二酸 マンガンを得ることができる。また、本発 では、廃液に炭酸ナトリウム、炭酸カリウ 、炭酸リチウムなどのアルカリ金属炭酸塩 または、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、 酸ストロンチウムなどのアルカリ土類金属 酸塩を添加して、これを攪拌保持すること 炭酸反応が生じ、炭酸マンガンMnCO 3 が得られる。この炭酸マンガンは、本発明の 触媒材料の製造のための出発原料として使用 することができる。
 以上のように本発明は、廃液を有効に再利 することができる。また、以上の方法によ ば、高コストな浄化処理をほどこすことな 、安価でかつ容易に廃液中のマンガンイオ を除去することができるので、廃液の処理 法としても有用である。

 さらに、本発明は、R型二酸化マンガンの 新規な製造方法を提供する。この製造方法に よれば、まず、2価のマンガンイオンを含む 溶液を調製し、この水溶液に酸化剤および ルカリ化合物を添加して酸化マンガンを沈 させる。次いで、この酸化マンガンの沈殿 を減圧ろ過器などで濾紙上に濾過回収した 、酸化マンガンの沈殿物が濾液でウェット 状態のまま、直ちに希酸に懸濁させて1時間 度酸処理を行う。この酸処理が終わった後 酸化マンガンの沈殿を再び減圧濾過器を使 て濾紙上に回収し、さらに回収された酸化 ンガンの沈殿をガラスシャーレに移して乾 器内で120℃、12時間程度乾燥する。これら 連の操作によってR型二酸化マンガンのナノ 子が凝集した状態で得られる。この製造方 は、上記廃液の再利用方法においてR型二酸 化マンガンの製造した方法と同様の方法であ り、酸化剤およびアルカリ化合物も同様のも のを用いることができる。たとえば、本発明 で用いる酸化剤は、廃液中の2価のマンガン オンから電子を奪うものであり、たとえば 酸化水素、酸素、オゾン、硝酸などを挙げ ことができるが、コスト、安全性、および 化剤として有する酸化力などの見地から過 化水素を用いることが好ましい。アルカリ 合物は、酸化マンガンを沈殿させるために 水酸化ナトリウムを好適なものとして挙げ ことができるが、水酸化カリウム、水酸化 チウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ 合物であってもよい。

 2価のマンガンイオンを含む水溶液について は、塩化マンガン、硫酸マンガン、シュウ酸 マンガン、硝酸マンガンなどの+2価のマンガ 塩を希酸などの水溶液に溶解したものを用 ることができる。もちろん、上記廃液につ ても2価のマンガンイオンを含んでいるため 、本発明の水溶液として用いることができる 。
 酸化マンガンの沈殿物の酸処理およびその の乾燥処理については、上述した触媒材料 製造時の酸処理と乾燥処理、あるいは廃液 再利用方法における酸処理と乾燥処理と同 であり、説明を省略する。
 以下に実施例を示し、さらに詳しく説明す 。もちろん以下の例によって本発明の実施 様が限定されることはない。

<実施例1>
<水から酸素ガスを製造するための触媒材 (酸素ガス製造触媒材料)の製造方法>
(焼成)
 磁性ルツボに入れた純度99.9%の炭酸マンガ の粉末(和光純薬社製、特級試薬)25gを電気炉 中で、200℃で6時間焼成して焼成炭酸マンガ の粉末を得た。

(酸処理)
 50gの焼成炭酸マンガン粉末を0.5mol/lの希塩 2Lに懸濁させ、1時間撹拝し、0.2マイクロメ シュのガラス繊維ろ紙(アドバンテック製GS25 )を用いて吸引ろ過を行い固液分離した。ガ ス繊維ろ紙上に分離された固形物を再び0.5mo l/lの希塩酸1Lに懸濁させ、1時間攪拌し、再度 吸引ろ過を行い固液分離した。この操作によ って、焼成炭酸マンガンはR型の結晶構造を った二酸化マンガンとイプシロン型の結晶 造をもった二酸化マンガンが混合した組成 水素化した状態の物質となる。結晶構造の 定には、SPring-8の放射光X線回折法を利用し 。また、酸処理にあたって使用する酸を希 酸の代わりに希硫酸、希硝酸を用いても同 な結果が得られた。

(乾燥処理1:直径:2~10nm、長さ:5~30nmのR型二酸化 マンガンのニードルを合成する場合)
 酸処理後に得られた水素化した状態の物質 ペーストをガラスシャーレに移し、電気炉 で、大気圧下100℃で12時間乾燥してR型の結 構造を主成分とする二酸化マンガンを得た 乾燥後に得られる形状は、酸処理後にガラ ろ紙上に吸引ろ過された直後の円形平板状 乾燥によって収縮したセンチメートル・オ ダーの大きさのフレーク状や塊状であるた 、必要に応じてメノウ乳鉢で粉砕してマイ ロメートル・オーダーの粉末とすることも きる。

 得られた物質について、粉末X線回折法によ りR型の二酸化マンガンの回折ピークが得ら ること、およびX線吸収分析法によってマン ンの価数が4価であることが確認された。こ のことから、得られた物質がR型二酸化マン ンであることを同定した。また、本物質を 過型電子顕微鏡で観察することで直径が3nm 長さが5nm程度のナノニードルが多数の凝集 粉末を形成していることを確認した。さら 、窒素ガス吸着法による表面分析よって、 られた凝集体粉末の平均細孔直径が10nm程度 メソポーラス多孔体であることも確認され 。図2は得られた同触媒材料の透過型電子顕 微鏡写真である。また、図3は凝集体粉末が ソポーラス多孔体であることを示す窒素ガ の吸脱着等温線を示し、図4は凝集体粉末が 孔直径10nmに細孔分布のピークを有すること を示す窒素ガス吸着法による細孔分布の分析 結果である。BET比表面積は109.3m 2 /g、また、細孔容積は0.32cm 3 /gであった。

図5は得られた凝集体粉末がR型の二酸化マ ガンであることを示す実験室粉末X線回折パ ターンである。図中、R型の二酸化マンガン 理論的な回折ピークが発生する回折角の位 を文献(Fong, C.; Kennedy, B. J. ; Elcombe, M. M.  Zeitschrift Fuer Kristallographie, 1994, 209, 941.) データから示した。

(乾燥処理2:直径:3~10nm、長さ:10~200nmのR型二酸 マンガンのニードルを合成する場合)
 酸処理後に得られた水素化した状態の物質 ペーストをガラスシャーレに移し、ガラス ャーレに0.5Mの濃度の希塩酸を染み込ませた ガラスろ紙(アドバンテックGS-25)2枚を重ねて をした状態にして、電気炉内で、大気圧下1 00℃で12時間乾燥してR型の結晶構造を主成分 する二酸化マンガンを得た。乾燥後に得ら る形状は、酸処理後にガラスろ紙上に吸引 過された直後の円形平板状が乾燥によって 縮したセンチメートル・オーダーの大きさ フレーク状や塊状であるため、必要に応じ メノウ乳鉢で粉砕してマイクロメートル・ ーダーの粉末とすることもできる。

また、本物質を透過型電子顕微鏡で観察する ことで直径が3~10nm、長さが10~200nm程度のナノ ードルが多数の凝集体粉末を形成している とを確認した。さらに、窒素ガス吸着法に る表面分析よって、得られた凝集体粉末の 均細孔直径が10nm程度のメソポーラス多孔体 であることも確認された。図6は得られた同 媒材料の透過型電子顕微鏡写真である。ま 、図7は凝集体粉末がメソポーラス多孔体で ることを示す窒素ガスの吸脱着等温線を示 、図8は凝集体粉末が細孔直径25nm程度に細 分布のピークを有することを示す窒素ガス 着法による細孔分布の分析分析結果である BET比表面積は53.7m 2 /g、平均細孔直径は14.9nm、細孔容積は0.20cm 3 /gであった。

(乾燥処理3:直径:10~30nm、長さ:30~300nmのR型二酸 化マンガンのニードルを合成する場合)
 酸処理後に得られた水素化した状態の物質 ペーストに0.5Mの濃度の希塩酸を1ml滴下した 状態でガラスシャーレに移し、その上に0.5M 濃度の希塩酸を染み込ませたガラスろ紙(ア バンテックGS-25)2枚を重ねて蓋をした状態に した。さらに、ペーストと希塩酸を染み込ま せたガラスろ紙を入れたガラスシャーレに対 してより外径が大きいガラスシャーレをかぶ せて蓋とした。これを電気炉内に移して、大 気圧下100℃で12時間乾燥してR型の結晶構造を 主成分とする二酸化マンガンを得た。乾燥後 に得られる形状は、酸処理後にガラスろ紙上 に吸引ろ過された直後の円形平板状が乾燥に よって収縮したセンチメートル・オーダーの 大きさのフレーク状や塊状であるため、必要 に応じてメノウ乳鉢で粉砕してマイクロメー トル・オーダーの粉末とすることもできる。
また、本物質を透過型電子顕微鏡で観察する ことで直径が10~30nm、長さ:30~300nm程度のナノ ードルが多数凝集体粉末を形成しているこ を確認した。さらに、窒素ガス吸着法によ 表面分析よって、得られた凝集体粉末の平 細孔直径が18.7nm程度のメソポーラス多孔体 あることも確認された。図9は得られた同触 材料の透過型電子顕微鏡写真である。また 図10は凝集体粉末がメソポーラス多孔体で ることを示す窒素ガスの吸脱着等温線を示 、図11は凝集体粉末が細孔直径20nm付近に細 分布のピークを有することを示す窒素ガス 着法による細孔分布の分析分析結果である BET比表面積は46.5m 2 /g、平均細孔直径は18.7nm、細孔容積は0.23cm 3 /gであった。
 以上の製造方法によって、メソポーラス多 質性を制御した本発明の酸素ガス製造触媒 料が得られた。

<実施例2>
<二酸化炭素ガスを分解し、酢酸やホルム ルデヒド、または糖を合成するための触媒 料(二酸化炭素分解触媒材料)の製造方法>
<水素化二酸化マンガンのナノ微粒子の凝 体からなる触媒材料Aの製造>
(焼成)
 磁性ルツボに入れた純度99.9%の炭酸マンガ の粉末(和光純薬社製、特級試薬)25gを電気炉 中で、200℃で6時間焼成して焼成炭酸マンガ の粉末を得た。

(酸処理)
 50gの焼成炭酸マンガン粉末を0.5mol/lの希塩 2リットルに懸濁させ、1時間撹拝し、0.2マイ クロメッシュのガラス繊維ろ紙(アドバンテ ク製GS25)を用いて吸引ろ過を行い固液分離し た。つづいて、ガラス繊維ろ紙上に分離され た固形物を再び0.5mol/lの希塩酸1Lに懸濁させ 1時間攪拌し、再度吸引ろ過を行い固液分離 た。この操作によって、焼成炭酸マンガン R型の結晶構造をもった二酸化マンガンとイ プシロン型の結晶構造をもった二酸化マンガ ンが混合された状態で、水素化した二酸化マ ンガンとなる。この時点で得られた水素化し た二酸化マンガンが、二酸化炭素ガスを分解 する触媒として機能する二酸化炭素ガス分解 触媒材料Aである。この酸処理にあったって 用する酸として希塩酸の代わりに希硫酸、 硝酸を用いても同様な結果が得られた。

<水素化R型二酸化マンガンのナノニードル 凝集体である触媒材料Bの製造>
(乾燥処理)
 上記の触媒材料Aを上述の実施例1における 燥処理1に従って、大気圧下100℃で12時間乾 してR型の結晶構造を主成分とする二酸化マ ガンを得た。乾燥後に得られる形状は、酸 理後にガラス繊維ろ紙上に吸引ろ過された 後の円形平板状が乾燥によって収縮したセ チメートル・オーダーの大きさのフレーク や塊状であるため、必要に応じてメノウ乳 で粉砕してマイクロメートル・オーダーの 末とすることもできる。
 得られた物質について、粉末X線回折法によ りR型の二酸化マンガンの回折ピークが得ら ること、およびX線吸収分析法によってマン ンの価数が4価であることが確認された。こ のことから、得られた物質がR型二酸化マン ンであることを同定した。また、本物質を 過型電子顕微鏡で観察することで直径が2~10n m、長さが5~30nm程度のナノニードルが多数の 集体粉末を形成していることを確認した。 らに、窒素ガス吸着法による表面分析よっ 、得られた凝集体粉末の平均細孔直径が11.7n m程度、BET比表面積が109.3m 2 /gのメソポーラス多孔体であることも確認さ た。また、細孔容積は0.32cm 3 /gであった

(再度の酸処理)
 さらに、上述の乾燥処理によって得られた レーク状、塊状、または、それらをメノウ 鉢で粉砕した凝集体粉末を、0.5mol/lの希塩 1リットルに懸濁させ、1時間撹拝し、0.2マイ クロメッシュのガラス繊維ろ紙(アドバンテ ク製GS25)を用いて吸引ろ過を行い固液分離し た。ガラス繊維ろ紙上に吸引ろ過された固形 物が、二酸化炭素ガスを分解する触媒として 機能する二酸化炭素ガス分解触媒材料Bであ 。この酸処理にあったっては使用する酸を 塩酸の代わりに希硫酸、希硝酸や、有機酸 ある0.5mol/Lまたは1mol/Lのトリフルオロ酢酸を 用いても同様な結果が得られた。

 得られた触媒材料Bについて、粉末X線回折 によりR型の二酸化マンガンの回折ピークが られること、およびX線吸収分析法によって マンガンの価数が4価であることが確認され 。このことから、触媒材料Bの主成分がR型結 晶構造をもつ二酸化マンガンであることを同 定した。さらに、この再度酸処理を施された R型結晶構造をもつ二酸化マンガンは、再度 酸処理を施す前のR型結晶構造をもつ二酸化 ンガン(つまり、炭酸マンガンを酸処理後100 ℃で12時間、乾燥処理した二酸化マンガン)と は異なり、水中でパラジウムイオンや金イオ ンらを金属のパラジウムや金としてその二酸 化マンガンの表面に析出させるといった水素 化した二酸化マンガンに特有の性質を示すこ とから、上述のメソポーラス多孔体構造をも ったR型二酸化マンガンが水素化して組成が(H + ,e - ) MnO 2 で表される、プロトンH + と電子e - を表面に保持した二酸化マンガンであること が確認された。また、図12は、上述の酸処理 よって得られた水素化二酸化マンガンのナ 微粒子の凝集体からなる触媒材料Aの実験室 X線回折パターン、および、上述の再度の酸 理によって得られた水素化R型二酸化マンガ のナノニードルの凝集体である触媒材料Bの 実験室X線回折パターンを表し、最下段には 5で示したR型二酸化マンガンの理論値を示す 。この内、水素化二酸化マンガンのナノ微粒 子の凝集体からなる触媒材料Aの実験室X線回 パターンは極めてブロードであるため、SPri ng-8の放射光X線回折法を利用して詳細に分析 た。その結果、同触媒材料AのペーストはR と共にイプシロン型の二酸化マンガンを含 でいることが図12の最上段に示した二酸化炭 素分解触媒Aに関する回折パターンからわか た。これに対して同触媒材料BではR型の二酸 化マンガンの結晶構造を有し、かつ上述のよ うにプロトンと電子を含んでいることを示す 。また、図13は、X線吸収端分析結果を示すも のであり、標準物質A(マンガンの価数がプラ 3価である酸化マンガン)、および標準物質B( マンガンの価数がプラス4価である酸化マン ン)と比べることで、同触媒材料Aのペースト に含まれるマンガンの価数がプラス4価であ ことがわかる。

<実施例3>
<水から酸素ガスを製造する方法1>
 実施例1で得られた酸素ガスを製造するため の触媒材料をメノウ乳鉢で粉砕した後、10gを 容量線が200mLのガラス製の三角フラスコ内に フロン(登録商標)製の攪拌子1個と共に移し 0.5mol/Lの希塩酸150mLを加えた後、シリコン栓 で三角フラスコを密閉した。図14にこの様子 示す。この三角フラスコをマグネチック・ ターラーに置いて24時間、内部の希塩酸と 媒材料を攪拌した。実験で使用したシリコ 栓には、予め三角フラスコ内部の空気を採 するためのコック付きガラスチューブが設 されており、24時間経過時にフラスコ内部の 空気を、そのガラスチューブを通じてガス採 取用シリンジに採取し、さらにガス保管用の テドラーバックに移して発生した酸素濃度分 析用サンプルとした。酸素濃度の分析にあた っては、実験装置近傍の空気、および、三角 フラスコ内の空気の酸素濃度をガス・クロマ トグラフィ法(島津GC-14AT)で、それぞれ6回、4 測定し、それらの平均値を計算した。その 果、24時間経過後の三角フラスコ内部から 取したサンプルの方が、330ppm酸素濃度が高 結果が得られた。本実験の反応系では酸素 スを発生し得る物質は水しか含まれていな ため、本発明の触媒材料が水を分解して酸 を発生させたことが証明された。

<実施例4>
<水から酸素ガスを製造する方法2>
 前記の実施例3において、実施例1で得られ 酸素ガスを製造するための触媒材料が、水 分解して酸素ガスを発生する触媒として機 することを示した。この反応系においては 水以外にも二酸化マンガンに酸素が含まれ いる。一般に、二酸化マンガンなどの酸化 は、金属に比べても非常に安定であるため 実施例3において検出された酸素ガスが、水 分解することによって得られたことを証明 る必要がある。まず、酸素の同位体 18 Oから構成される水H 2 18 O(純度95wt%)1gに特級試薬の塩酸、または硫酸 またはトリフルオロ酢酸を適量添加するこ で、濃度0.5mol/Lの希酸を作成した。これに実 施例1で得られた酸素ガス製造触媒材料を0.1g 加して、容量10mLの密閉バイアル容器内でテ フロン(登録商標)製のマグネチック・スター ーで撹拌保持した。添加から1時間、3時間 15時間経過後の同密閉バイアル中のヘッド・ スペースのガスをマイクロ・シリンジで採取 し、ガス・クロマトグラフを直結した質量分 析法(GCMS法)装置(島津ガス・クロマトグラフ 量分析計GCMS-QP5050A)によって、ヘッド・スペ スのガス成分を分析した結果、希塩酸水溶 を使用した場合には1時間後に12.1ppmV濃度の 位体酸素 34 O 2 、および3.65ppmV濃度の同位体酸素 36 O 2 の発生を確認し、15時間後には87.45ppmV濃度の 位体酸素 34 O 2 、および94.2ppmV濃度の同位体酸素 36 O 2 の発生を確認した。つぎに、希硫酸水溶液を 使用した場合には、3時間後に12.4ppmV濃度の同 位体酸素 34 O 2 、および3.85ppmV濃度の同位体酸素 36 O 2 の発生を確認し、15時間後には41.1ppmV濃度の 位体酸素 34 O 2 、および47.75ppmV濃度の同位体酸素 36 O 2 の発生を確認した。トリフルオロ酢酸を使用 した場合にも、時間の経過とともに同位体酸 素の濃度が同様に上昇した。本発明の触媒材 料を構成する二酸化マンガンに含まれる酸素 は、天然の酸素同位体存在比に従って殆どが 酸素 16 Oで構成されているため、 18 Oを含まない。このため、前記ヘッド・スペ スに確認された酸素ガスO 2 の質量が34や36であることから、実験に用い 同位体水が分解されて 16 Oと 18 Oが結合した 34 O 2 が検出され、 18 Oと 18 Oが結合した 36 O 2 が検出されたことがわかった。したがって、 酸素ガスを製造するための触媒材料が水を酸 化分解して酸素ガスが発生していることを証 明できた。

<実施例5>
 前記の実施例3および4において実施された の酸化分解実験は、いずれも可視光下に置 れた反応容器内で酸素ガスの発生が確認さ た。本実施例では、可視光の照射の有無で 応容器内の酸素ガス発生の有無を確かめる とによって、実施例3および4において使用さ れた触媒材料が可視光によって機能する光触 媒であることを確認した。
 実験では、実施例1に記載の方法によって得 られた触媒材料20gをメノウ乳鉢で粉砕し、容 量500mLのビーカーに満たした温度35℃の蒸留 に懸濁させて、マグネチック・スターラー 2時間攪拌後、ろ過回収し、大気中110℃で12 間乾燥処理したR型二酸化マンガンのナノニ ドルの凝集体を触媒材料として用いた。本 験では、大気中で乾燥された触媒材料表面 酸素ガスを可能な限り取り除くために大気 での乾燥処理が終わった後、-600cmHgの減圧 シケーター内で12時間置いた後、同デシケー ター内にアルゴンガスを導入して大気圧まで 戻した状態で、ガラス容器に触媒材料をアル ゴンガス雰囲気中で密封した。これをアルゴ ンガス雰囲気のグローブボックス内で、容量 100mLのガラス容器内にとった予めアルゴンガ のバブリングによって溶存酸素濃度を0.1mg/L 以下に調整した蒸留水50mL中に懸濁させて、 プタムによって直ちに密封した。同蒸留水 は予め濃度0.1Mの希硫酸を0.1mL滴下してpHを酸 性に調整した。以上の操作によって、密閉ガ ラス容器内で発生した酸素ガスが、大気中で 乾燥された触媒材料表面の酸素ガスや予め蒸 留水中に溶けていた溶存酸素起源である可能 性を消すための実験条件を整えた。同実験条 件下で、マグネチック・スターラーで密閉ガ ラス容器中の触媒材料を懸濁させた酸性蒸留 水を蛍光灯下に置き、48時間攪拌した。その 、触媒材料と酸性蒸留水とを密封した密閉 ラス容器内の酸素ガス濃度は時間の経過と もに上昇した。一方、密閉ガラス容器の全 面に黒色の布テープを巻き付けて蛍光灯の を遮断し、さらにステンレス製の筒を同密 ガラス容器にかぶせて可能な限り遮光した 合には、密閉ガラス容器内の酸素ガス濃度 はほとんど濃度上昇がみられなかった。照 する光を蛍光灯ではなく、ハロゲンランプ 太陽光にした場合も同じ傾向の結果が得ら た。したがって、実施例1の触媒材料が植物 の様に可視光を使って効率的に水を酸化分解 して酸素ガスを発生させていることがわかっ た。図15にハロゲンランプを照射した場合と 光した場合の密閉ガラス容器内の酸素ガス 度の変化を示した。図15に示した様に、ハ ゲンランプを照射した場合の2つの密閉ガラ 容器内の酸素ガス濃度は時間と共に上昇し のに対して、遮光した場合の2つの密閉ガラ ス容器内の酸素ガス濃度は、時間が経過して も実施例1に記述した酸素ガス製造触媒材料 含まない水溶液をいれた密閉ガラス容器内 酸素ガス濃度(図15中、「CNT」(コントロール) で表示されるデータ)と同様な傾向を示し、 光した状態では酸素ガスが発生していない を示す結果が得られた。

同図に関する実験条件は以下のとおりである 。
密閉ガラス容器とハロゲンランプ(500W)の距離 :50cm、密閉ガラス容器の容量:120mL、各密閉ガ ス容器に封入した触媒材料の量:0.5g、各密 ガラス容器に封入した水の量:20mL、各密閉ガ ラス容器に封入した水のpH:3.2(蒸留水に対し 硫酸添加して調合)、各密閉ガラス容器に封 した水の温度:20.9℃、ただし、実験中はハ ゲンランプの効果によって約30~35℃であるこ とを各密閉ガラス容器の表面に設置した熱電 対温度センサーで確認した。各密閉ガラス容 器に封入した水の溶存酸素濃度:0.1・0.26(アル ゴンガスのバブリングによって溶存酸素を脱 気して調合)、遮光の方法:酸素ガス製造触媒 料を含む水溶液をいれた密閉ガラス容器の 面に黒色の布テープを巻き付け、さらにそ 上からアルミ箔でさらに同容器の全面を覆 ことによってハロゲンランプを遮光した。

<実施例6>
<二酸化炭素ガスを分解し、ホルムアルデ ドを合成する方法>
 実施例2で得られた二酸化炭素ガス分解触媒 材料Bを10g、容量線が300mlのガラス製の三角フ ラスコA内にテフロン(登録商標)製の攪拌子1 と共に移し、pH5.6の蒸留水150mlを加えた後、 度99.9%の二酸化炭素ガスをフラスコA内部に 分導入して満たし、シリコン栓で三角フラ コAを密閉した。実験で使用したシリコン栓 には、予め三角フラスコA内部の空気を採取 るためのコック付きガラスチューブを設置 、さらに、そのガラスチューブにつながれ テフロン(登録商標)製のチューブを通じて、 別の密閉された三角フラスコB内部にコック 開いた際に三角フラスコA内部で発生したガ を導入することができるようにした。図16 この様子を示す。予め、三角フラスコBの内 には同様の二酸化炭素ガスとともに0.4mlの 留水を滴下してあるため、三角フラスコA内 で二酸化炭素ガスが分解されたことを示す ルムアルデヒトのガスが生じた場合には三 フラスコB内部の0.4mlの蒸留水に水溶性が高 ホルムアルデヒトのガスが溶け込むことが 想された。マグネチック・スターラーでフ スコA内部の触媒材料を懸濁させた蒸留水を 攪拌して二酸化炭素ガスとの接触を促進しな がら24時間経過させた。時間の経過とともに ラスコAの内面には水滴が多数観察された。 24時間経過時に、フラスコB内部の蒸留水にホ ルムアルデヒトだけに反応して発色する試薬 を添加して所定温度に加温した。本分析手法 は、ホルムアルデヒトの分析方法として最も 信頼性の高い分析手法であるアセチルアセト ン法(衛生試験法・注解、日本薬学会編集)で る。その結果、ホルムアルデヒトが溶解し 液に特有の発色反応が見られた。シリコン を抜いた各フラスコ内部には、ホルムアル ヒトに特有の刺激臭が充満していることも せて確認した。さらに、アセチルアセトン で発色したサンプル液に対して分光光度計( 島津UV-3100PC)を用いて、同発色が、ホルムア デヒトが水に溶解した際に特徴的な吸収波 である413nmを分析した結果、フラスコB内部 0.4mLの蒸留水がホルムアルデヒトを含むこと を確認した。以上の様に、全く今回の実験系 の初期状態には存在しないホルムアルデヒト が反応系の中で生じていることが明らかにな った。ホルムアルデヒトはCH 2 Oの化学式をもつ物質であるが、本発明の実 例2の触媒材料が、以下に示す化学式によっ ホルムアルデヒトと水を発生したものと考 られる。

4(H + ,e - )MnO 2  + CO 2  → 4MnO + CH 2 O + H 2 O
この内、(H + ,e - )MnO 2 は、水素化されたR型二酸化マンガンの組成 表す。また、CO 2 は二酸化炭素ガス、CH 2 O はホルムアルデヒト、H 2 Oは水を表す。
 また、実施例2で得られた二酸化炭素ガスの 分解触媒材料Aを20g使用した同様な実験にお ても、同様な実験条件と手法によって最終 にホルムアルデヒトの発生が確認された。

<実施例7>
<水の酸化分解によって電気を取り出す方 1>
 実施例1によって得られたR型二酸化マンガ を主成分とする触媒材料のフレーク(厚み3mm 幅10mm、長さ12mm)の上面および下面に、それ れ7mm角の白金メッシュ(300メッシュ)を密着 せて配置した。フレーク上面の白金メッシ をマイナス極、フレーク下面の白金メッシ をプラス極とし、フレーク上面をパラフィ ム(PECHINEY PLASTIC PACKAGING, MENASHA, WI 54952製) 使って大気と隔離したスペースを作り、そ スペースに、バブラーを使って蒸留水を通 して水分を含んだ水素ガス(純度99.9%ジーエ サイエンス社製0.8MPa)を噴入した。一方、フ レーク下面の白金メッシュは大気に解放して あり、水素ガスとは接触しない系を作成した 。フレーク上面のスペースへの水分を含んだ 水素ガスの噴入を数回繰り返すと、上述のマ イナス極とプラス極の間にプラスの電位の発 生が確認された。両極間の電位は、フレーク 上面のマイナス極に水分を含んだ水素ガスを 噴入した瞬間に、噴入前の初期値マイナス0.0 1mV~プラス0.01mVから、プラス1~12mVに一気に上 し、その後すぐにプラス0.1mV程度まで下がっ た。電位の発生は、明らかに水分を含んだ水 素ガスの噴入のタイミングに同期しており、 フレーク上面のマイナス極で水が分解されて 電気エネルギーが発生していることが証明さ れた。ちなみに、数回、水分を含んだ水素ガ スを噴入すると、その後は大気中の空気を同 様のバブラーを通して噴入することで、両極 に電位が生じるようになることから、本反応 系における水素ガスの役割は、白金メッシュ との接触で水素ガスが白金の触媒効果で水素 イオンとなってマイナス極側の本発明の二酸 化マンガンの表面の水分に溶け込むことで水 分を酸性にし、実施例3に記載した様な酸性 水の中におかれて酸素ガスを発生しながら を酸化分解する状態が生じているものと考 られる。つまり、水素ガスや水から供給さ た水素イオン(プロトン)はマイナス極側の水 分に溶け込み、電子は白金メッシュに捕捉さ れて電圧計につながった外部回路に取り出さ れていることになる。したがって、本実施例 によって、本発明の実施例1の酸素ガス製造 媒を用いた水の酸化分解反応からは、酸素 スだけでなく電気エネルギーも得られるこ が証明された。
 なお、本実施例で使用したR型二酸化マンガ ンのフレークの代わりに、結晶構造の異なる ベータ型の二酸化マンガンのフレークを使っ た実験では、同様の実験を行っても全く電圧 は発生しなかった。したがって、水の酸化分 解にはR型の結晶構造を有する二酸化マンガ が有効であることが分かった。

<実施例8>
<水の酸化分解によって電気を取り出す方 2>
 実施例7の実験精度を高めた実験を試みた。 実験にあたっては、実施例1で得られたR型二 化マンガンをメノウ乳鉢でよく粉砕したの 、ペレット製造機で10トンの力を印加して 径20mm、厚み1mmのコイン型ペレット(図17)を作 成した。このペレットに0.5Mの希塩酸を2滴、 下した後150℃で12時間加熱してペレットの 度を高めた。このペレットを図18に示したシ ステムに設置し、空気とバブラーで加湿した 水素ガスとを図18の様に供給し、ペレット上 面にそれぞれ配置した白金メッシュ(100メッ シュ)間に生じる電位差を調べた。その結果 ガスの供給開始直後から+10mVの電位差が安定 して計測され、ガスの供給を止めると電位差 は直ちに0mVとなった。前述の実施例7では使 したR型二酸化マンガンのフレークが本実施 8の場合よりも小さいためにガスとの接触面 積が少ないために得られた電位差が本実施例 の場合よりも不安定で小さくなったことが考 えられる。したがって、本実施例の結果から 、水を含んだガスとの接触面積が大きくなれ ば安定して高い電位差を水の酸化分解によっ て作り出せることがわかった。

<実施例9>
<水の酸化分解によって電気を取り出す方 3>
 実施例8の実験精度をさらに高めた実験を試 みた。実施例8では、R型二酸化マンガン・ペ ットの片面に空気を供給し、もう一方の片 には蒸留水を満たしたバブラーを通すこと 加湿した水素ガスを供給した。その際、R型 二酸化マンガンを水素化するための水素イオ ンは、供給した水素ガスが白金メッシュと接 触することで分解して発生する水素イオンで あった。しかしながら、その水素ガスの分解 反応では白金メッシュとの接触によって水素 イオンと共に電子もまた発生している。この ため、水素ガス起源の電子と、水の酸化分解 による水分子起源の電子とが混じってしまい 、この結果、ペレットの表裏間に発生してい る電位差には、水の酸化分解による電子がも たらす電位差だけではなく、水素ガスの分解 による電子がもたらす電位差が足し算されて 計測されている。このため、本実施例の実験 では、水素ガスの代わりにバブラーに満たし た0.5M濃度の希塩酸で加湿した空気をペレッ の片面に供給し、別の片面には実施例8と同 に乾き空気を供給して電気を取り出す実験 試みた。ちなみに、希塩酸中の塩酸分子HCl 、分解してもH + とCl - とに別れるだけで電子は発生しないため、水 の酸化分解によって得られる電位差だけを検 出できる。

 実験にあたっては、実施例1で得られたR 二酸化マンガンをメノウ乳鉢でよく粉砕し のち、ペレット製造機で15トンの力を10分間 加して直径20mm、厚み1mmのコイン型ペレット を作成した。このペレットを、0.5Mの希塩酸 適度に濡らしたスライドガラス2枚で上下か 挟み込み、空気中、150℃で12時間加熱して レットの形を歪ませることなくペレットの 度を高めた。このペレットを図19に示したシ ステムに設置し、空気と、0.5M濃度の希塩酸 満たしたバブラーを通すことで加湿した乾 空気とを図19の様に供給し、ペレット上下面 にそれぞれ配置した白金メッシュ(100メッシ )間に生じる電位差を調べた。その結果、希 酸で加湿された空気の供給開始から徐々に 位差が上昇し、80分後には+0.632mVの電位差が 安定して計測された。また、希塩酸で加湿さ れた空気の供給を止めた後、希塩酸で加湿し ない乾き空気を送り込み希塩酸で湿ったペレ ットの表面を乾燥すると、電位差は+0.632mVか 徐々に低下して20分後に0mVになった。本実 例で得られた電位差の最大値が前述の実施 8の場合に比べて少ない理由は、先に述べた うに、実施例8で得られた電位差が水素ガス 起源の電子による電位差を含んでいたことに よるものと考えられる。したがって、本実施 例9の結果から、R型二酸化マンガンが希塩酸 の水素イオンによって水素化されることで を酸化分解していることが、いっそう正確 確かめられた。

 また、前述の実施例7や8の場合の様にR型 酸化マンガン・ペレットに水素ガスを供給 た場合と、本実施例9の場合の様にR型二酸 マンガン・ペレットに水素ガスを含まない 気や水を供給した場合において、供給後の 位差発生の応答性を比較すると、実施例7や8 ではR型二酸化マンガン・ペレットに水素ガ を供給した際、直ちに電位差が観測され、 給を止めると直ちに電位差が0mVに低下した とに比べて、水素ガスを供給していない実 例9の場合には、供給後、徐々に電位差が上 し、供給を止めた際にも電位差は直ちに0mV は低下せず徐々に低下して、応答性や得ら る電位差の値は水素ガスを導入した実施例7 や8の場合に比べて明らかに低い。これは、 18に示した実施例8のシステムが、水素ガス ンサーとして機能していることを示すもの ある。したがって、図18および図19の様にR型 二酸化マンガンのペレットを白金メッシュの 電極で挟み込み、ペレットの片面から水素ガ スを含む空気を導入し、別の片面には空気を 導入して、白金メッシュ間に発生する電位差 を測定することで、空気中の水素ガスの存在 を確認できることが証明された。

<実施例10>
<固体酸化物型燃料電池の電解質としての 用>
 実験では、実施例1に記載の方法によって得 られた触媒材料20gをメノウ乳鉢で粉砕し、容 量500mLのビーカーに満たした温度40℃の蒸留 に懸濁させて、マグネチック・スターラー 2時間攪拌後、ろ過回収し、大気中110℃で12 間乾燥処理して、R型二酸化マンガンナノニ ドル凝集体の表面から不純物である塩化マ ガンを除去した。同処理を施した触媒材料 粉末0.6gに対してペレット製造機で10分間640k gf/cm 2 の圧力を印加して直径20mm、厚み0.7mmのコイン 型ペレットを作成した。このペレットを図18 同様のシステムに設置し、ペレットの各面 35℃の乾き空気と、35℃濃度0.5Mの希塩酸を たしたバブラーを通して希塩酸で加湿した 素ガスとを図18同様の条件で供給した。そし て、室温下のペレット上下面にそれぞれ配置 した白金メッシュ(100メッシュ)間に生じる起 力を調べた。その結果、図20の上図および 図に示したように、水素ガスの供給・停止 繰り返すうちに起電力が上昇し、最終的に+0 .6Vを超える起電力が計測された。水素ガスを 燃料とした場合の理論起電力が約+1.1Vである とを考慮すると、本実験で得られた最大起 力+0.6Vは理論値の50%程度に達していること わかる。この様な高い起電力が得られるこ は同ペレットがプロトン導伝性を有する電 質として機能していることを示しており、R 二酸化マンガンを主成分とする電解質を用 ることで、室温下で働く燃料電池を実現で ることが証明された。

<実施例11>
<水素化二酸化マンガンのナノ微粒子の凝 体からなる触媒材料を用いて糖を合成する 法>
 実施例2に示した水素化二酸化マンガンのナ ノ微粒子の凝集体からなる触媒材料Aを希塩 で湿った状態のままガラスシャーレに移し そのガラスシャーレに細孔を多数空けたア ミホイルのカバーをかけて、強制対流式の 燥機(東京理科器械/送風低温乾燥器 WFO-451SD) 内で、120℃で12時間乾燥した。乾燥処理中、 媒材料Aの乾燥処理が進行するに従って、触 媒材料Aから塩化マンガンを主成分とする透 な液体が触媒材料Aの周りにしみ出てくるの 観察された。この透明な液体は、乾燥処理 終了時には白色の粉末として凝固した。こ 白色粉末の主成分は、塩化マンガンである 、グルコースなどの糖類を含むかどうかを ガス・クロマトグラフを直結した質量分析 (GCMS法)で調べた。分析結果を以下に述べる 図21は、グルコース標準品の10%水溶液5μlを く脱水した後、グルコースの5つの水酸基を トリメチルシリル化して揮発性をあげてGCMS (島津ガス・クロマトグラフ質量分析計GCMS-QP 5050A)で分析した結果である。ピーク番号の1,2 ,3は、図22のマス・スペクトルに示した構造 持つグルコースである。構造式にTと表記し ものは、元の-OH基のHがトリメチルシリル(CH 3 ) 3 Siと置換されたものである。図23は、白色粉 試料4mgをピリジン0.4mlに溶かしてトリメチル シリル化して分析した結果であり、グルコー スが痕跡程度ではあるが白色粉末の試料中に 含まれていることが検出された。さらに、図 24は、白色粉末試料5mgを蒸留水0.5mlに溶かし 後、10%硫酸を滴下し、その溶液50μlを脱水後 トリメチルシリル化したもので、ピーク2、3 大きく検出されたが、ピーク1は検出されな かった。これは、水中ではピーク1のフラノ ス体グルコースの存在が1%にも満たないとい う従来のグルコースに関する一般的な知見と 合致する。ちなみに、ピーク2はα-ピラノー 体グルコース、ピーク3はβ-ピラノース体グ コースである。一般に水中で平衡状態に達 た際の、α-ピラノース体グルコースの存在 38%、β-ピラノース体グルコースは62%とされ いる。ところが、本実験の白色粉末試料か 得られた水溶液に含まれていたα-ピラノー 体グルコースとβ-ピラノース体グルコース 存在比は、図24から明らかなようにα-ピラ ース体グルコースの存在量を示すピーク2の が、β-ピラノース体グルコースの存在量を すピーク3よりも強度が高く検出されており 、先に記述した一般的な水溶液中での両グル コースの存在比に比べてα-ピラノース体グル コースの存在がリッチになっている。これは 、水素化二酸化マンガンのナノ微粒子の凝集 体からなる触媒材料から人工的に合成された グルコースに特有の存在比であるものと予想 される。また、今回の実験では、硫酸で試料 を加水分解しており、その結果、グルコース が強く検出されたということは、グルコース がより分子量の大きな物質と結合した状態で 、白色粉末中に含まれていた可能性が強いと 考えられる。そのより大きな物質がショ糖な どの二糖類であれば、それらはそのまま同じ 手法で検出されるので、今回の試料中ではグ ルコースが二糖類よりも高分子の物質と結合 しているものと考えられる。そこで、硫酸で 試料を加水分解する前に試料に対してヨウ素 液を添加した。ヨウ素液は、ヨウ化カリウム 0.1gを水20mlに溶かした液に、ヨウ素0.1gを溶か し、水を加えて全体を300mlにして作成した。 のヨウ素液を添加した試料の溶液はヨウ素 の色から極薄い紫色に変色した。これはヨ 素でんぷん反応に特徴的な色の変化である したがって、同試料にはでんぷんが含まれ いたものと予想された。ちなみに、でんぷ を硫酸で加水分解するとグルコースが発生 ることは一般的によく知られた反応である つまり、水素化二酸化マンガンのナノ微粒 の凝集体からなる触媒材料を乾燥処理した に、空気中の二酸化炭素などの大気成分と 触することで、ホルムアルデヒトCH 2 Oだけではなく、より高分子なでんぷんが生 ていることを確認できた。ちなみに、ホル アルデヒトCH 2 Oは全ての多糖類を構成する鎖の端に存在す 有機物であり、これに鎖状に炭素や酸素な で形成される化合物が連なることで、グル ースC 6 H 12 O 6 やでんぷんを形成することが一般的に知られ ている。でんぷんは、分子式(C 6 H 10 O 5 ) n の炭水化物(多糖類)で、多数のα-グルコース 子がグリコシド結合によって重合した天然 分子である。また、グルコースは代表的な 糖のひとつでありブドウ糖とも呼ばれる。 間をはじめ動物や植物の活動のエネルギー なる物質の一つであり、脳の唯一のエネル ー源としても知られている。

<実施例12>
<廃液の再利用方法1、R型二酸化マンガンの 合成方法>
 実施例1の酸処理の際に、固液分離した液相 部分を廃液として用いた。この廃液はマンガ ンイオンを高濃度で含むpHが弱酸性の水溶液 ある。また、実施例1で酸処理に使用した酸 が希塩酸の場合には、この廃液が含むマンガ ンイオンは塩化マンガンMnCl 2 が水に溶解した結果、マンガンイオンを形成 するし、酸処理に希硫酸を使用した場合には 硫酸マンガンMnSO 4 が水に溶解した結果、マンガンイオンを形成 することは自明である。この水溶液中のマン ガンイオン濃度をICP発光分析法で測定した結 果、水溶液中のマンガンイオン濃度がほぼ100 00ppmであることを確認した。

 上記廃液500mlに対して、濃度30%の過酸化水 H 2 O 2 水溶液(和光純薬工業製)10mlを添加し、5分間 グネチック・スターラーで攪拌後、濃度1mol/ lの水酸化ナトリウムNaOH水溶液3.5mlを加えて10 分間攪拌保持した。水酸化ナトリウム水溶液 を加えた際、直ちに黒色の酸化マンガンの沈 殿が生じる様子が観察された。その際、過酸 化水素と水酸化ナトリウム水溶液を廃液に添 加する順番は逆でも構わない。この沈殿を生 じた水溶液を20分攪拌保持後、ガラスろ紙(ア ドバンテック製GS-25)を使って減圧濾過するこ とで、ろ紙上に黒色の酸化マンガンの沈殿物 を回収し、これを回収後のウェットな状態の まま濃度0.5mol/lの500mlの希塩酸(または希硫酸) に懸濁させて1時間マグネチック・スターラ で攪拌保持した。この攪拌保持後、ガラス 紙(アドバンテック製GS-25)を使って再び減圧 過する操作で、ろ紙上に酸処理された黒色 酸化マンガンの沈殿物を回収した。この酸 理された黒色の酸化マンガンの沈殿物をガ スシャーレに移し、以下に記載の乾燥処理 供した。

 乾燥処理:直径:2~10nm、長さ:5~30nmのR型二酸化 マンガンのニードルを合成
 酸処理後に得られたウェットなペースト状 の酸化マンガンをガラスシャーレに移し、 制対流式の乾燥器内で、大気圧下120℃で12 間乾燥した。乾燥後に得られる酸化マンガ 形状は、酸処理後にガラスろ紙上に吸引ろ された直後の円形平板状が乾燥によって収 したセンチメートル・オーダーの大きさの レーク状や塊状であるため、必要に応じて ノウ乳鉢で粉砕してマイクロメートル・オ ダーの粉末とすることもできる。

 得られた酸化マンガンについて、粉末X線回 折法によってR型の二酸化マンガンの回折ピ クが得られること、およびX線吸収分析法に ってマンガンの価数が4価であることが確認 された。このことから、得られた物質がR型 酸化マンガンであることを同定した。また 本物質を透過型電子顕微鏡で観察すること 直径が3nm、長さが5nm程度のナノニードルが 数の凝集体粉末を形成していることを確認 た(図25参照)。また、図26(a)の上段のグラフ 、得られた凝集体粉末がR型の二酸化マンガ であることを示す実験室粉末X線回折パター ンを示している。図26(a)の下段のグラフは、R 型の二酸化マンガンの理論的な回折ピークが 発生する回折角の位置を文献(Fong, C.; Kennedy,  B. J. ; Elcombe, M. M. Zeitschrift Fuer Kristallog raphie, 1994, 209,  941.)のデータからtheoryとし 示した。図26(b-1)~図26(b-3)には、+3価の酸化 ンガンであるalpha-Mn 2 O 3 ,beta-Mn 2 O 3 ,alpha-MnOOHらのX線回折パターンを載せた。図26 (a)の得られた凝集体粉末のX線回折パターン 、図26(b-1)~図26(b-3)の+3価の酸化マンガンとは 異なるX線回折パターンであることから、本 施例で合成した酸化マンガンにはこれらの+3 価の酸化マンガンが含まれていないことを確 認した。
以上の製造方法によって、+2価のマンガンイ ンを含む水溶液を出発原料として、ナノス ールのR型二酸化マンガンが得られた。

 なお、この例では、直径:2~10nm、長さ:5~30nm R型二酸化マンガンのニードルを合成したが 乾燥処理を実施例1に示すように制御するこ とで、所定の大きさのR型二酸化マンガンの ードルを得ることができる。さらに、R型二 化マンガンを水から酸素ガスを製造するた の触媒材料として用いることもできる。
 この実施例において、酸処理された酸化マ ガンの沈殿物をろ過回収後、大気中で乾燥 理した際に、ホルムアルデヒド特有の刺激 が発生したことを確認した。酸化マンガン 酸処理することで、水素化酸化マンガン(H + ,e - ) MnO 2 が得られるが、大気中には二酸化炭素が含ま れているため、この二酸化炭素が水素化酸化 マンガンと接触してホルムアルデヒドが発生 したものと推察できる。よって、二酸化炭素 からホルムアルデヒドを合成するための触媒 材料、すなわち実施例2記載の二酸化炭素分 触媒材料Aとしても利用できることが確認で た。

 また、実施例2の酸処理で生じた廃液を用い ても、R型二酸化マンガンを得ることができ ことを確認した。
 この実施例では、実施例1の酸処理した際の 廃液を用いたが、これに限らず、塩化マンガ ン、シュウ酸マンガン、硝酸マンガンなどの +2価のマンガン塩を希酸などの水溶液に溶解 た、2価のマンガンイオンを含む水溶液を用 いても、過酸化水素とアルカリ試薬の添加に よってR型二酸化マンガンを得ることができ ことを確認した。この場合には最終的な廃 に残留するマンガンイオン濃度を10~100ppm以 にすることが可能であった。

<実施例13>
<廃液の再利用方法2>
 実施例1の酸処理で生じた廃液500mlに+7価の ンガン塩である過マンガン酸カリウム粉末( 光純薬工業製)を同水溶液中の+2価のマンガ イオン量に対してほぼ等モルの+7価のマン ン量となるように添加した。この過マンガ 酸カリウムを添加した水溶液を1時間攪拌・ 持した後、同水溶液中に沈殿発生した酸化 ンガンを、減圧濾過器を使ってガラスろ紙( アドバンテック製GS-25)上に回収した。回収し た酸化マンガンを強制対流式の乾燥器内で120 ℃の下12時間乾燥した。この乾燥処理後に得 れた酸化マンガンの凝集体粉末に関するX線 回折パターンを図27に示した。図27のX線回折 ターンは、R型の二酸化マンガンのX線回折 ターンとは明らかに異なっており、またア ファ型やベータ型などの他の二酸化マンガ のパターンとも完全には一致しない。この め幾つかの結晶構造の酸化マンガンが混相 ているものと考えられる。このことから、 実施例によって、+2価のマンガンイオンを含 む水溶液からR型二酸化マンガンとは結晶構 の異なる酸化マンガンが得られることがわ った。

<実施例14>
<廃液の再利用方法3>
 実施例1の酸処理で生じた廃液1リットルに 炭酸ソーダNa 2 CO 3 (和光純薬工業製)を水溶液中に存在する+2価 マンガンイオン個数の約2倍の個数に相当す 炭酸量CO 3 を含む炭酸ソーダNa 2 CO 3 を添加し、マグネチック・スターラーで1時 攪拌保持することで、炭酸マンガンMnCO 3 の沈殿が得られた。この反応は炭酸反応と呼 ばれ、炭酸マンガンや炭酸ニッケルなどをは じめとする一般的な炭酸塩を製造する際によ く使われている反応である。本実施例では、 焼成炭酸マンガンを濃度0.5mol/Lの希塩酸や希 酸などの希酸で酸処理した際に発生する水 液においても、炭酸マンガンを合成するた に一般的な炭酸塩を得るための方法が有効 あることを確認した。

<実施例15>
<水素化二酸化マンガンのナノ微粒子の凝 体からなる触媒材料を用いて酢酸を合成す 方法> 
 炭酸マンガン試薬特級(和光純薬工業製)25g セラミックのルツボにとり、これを6時間200 で電気炉を使って焼成した。この様にして 成された炭酸マンガン(焼成炭酸マンガン)60 gを濃度0.5mol/Lの希塩酸2Lに懸濁させて1時間酸 処理した。この酸処理の際に希塩酸水溶液中 で生じる水素化二酸化マンガンを主成分とす るナノ微粒子と焼成炭酸マンガンから噴出す る二酸化炭素ガスが効率的に接触することで 酢酸CH 3 COOHが合成された。その際、酸処理が進むに れて酢酸臭が発生し、かつ酸処理後に固液 離された希塩酸中に酢酸が存在することを ガス・クロマトグラフを直結した質量分析 (GCMS法)装置によって確認した。同分析にあ っては、酸処理後の希塩酸25mLをサンプリン し、密閉バイアル容器に入れて室温で放置 た後、マイクロ捕集管(StableFlexCarboxen/ポリ メチルシロキサン;CAR/PDMS)をサンプルに浸し 有機成分をトラップした。トラップした捕 管を250℃に加熱されたガス・クロマトグラ に直結した質量分析装置(島津ガス・クロマ トグラフ質量分析計GCMS-QP5050A)の注入口に挿 して3分間放置してトラップされたガス成分 追い出してトラップされたガス成分を分析 た。図28に、固液分離された希塩酸中に酢 CH 3 COOHおよびブチロラクトンCH 6 O 2 が検出された結果を示す。また、酸処理後に 希塩酸と分離された水素化二酸化マンガンの 凝集体からなるペーストからは、図29に示し ように、主生成物である酢酸の他にも微量 副生成物としてアセトンCH 3 COCH 3 、ジエチルエーテルC 2 H 5 OC 2 H、酢酸エチルCH 3 COOC 2 H 5 、ジメチルブタンn-C 6 H 14 、テトラハイドロフランC 4 H 8 O、硫化炭素CS 2 などの成分が発生していることを検出した。 これら副生成物の起源は、酸処理の際に希塩 酸中で最終的に酢酸が形成される過程におけ る中間生成物として発生したものと考えられ る。ただし、硫化炭素CS 2 に関しては硫黄Sの起源が不明である。

<実施例16>
<水素化R型二酸化マンガンのナノニードル 凝集体(実施例2における触媒材料B)を用いて 酢酸およびアセトアルデヒドを合成する方法 >
 図30(a)に示したマグネチック・スターラー に設置したガラス製フラスコの中に、木下 ガラスボール・フィルター503GNo.4を挿入し、 二酸化炭素ガス(濃度97%)をボンベから同ガラ ボール・フィルターを通じてフラスコ内に 入する反応容器を準備した。この反応容器 、実施例2で得た触媒材料Bを0.5moL/Lの希塩酸 水溶液100mLに懸濁させた状態で密閉し、その 濁液を反応容器内に入れたテフロン(登録商 標)製のマグネチック撹拌子で撹拌した。こ 状態で、同反応容器内の希塩酸中にガラス ール・フィルターを通じて二酸化炭素ガス 細泡化しながら、ボンベに付属した調圧器 目盛りの読みで6.4MPaの圧力で噴出させた(図3 0(b)参照)。同反応容器からオーバーフローす 二酸化炭素ガスは、図30(a)および(b)の写真 の左端に示したイオン交換純水を50mL入れた ブラーを通じて排気した。二酸化炭素ガス 導入開始から20時間経過後に、二酸化炭素 スの導入を止めた後、静置して触媒材料Bの 殿を待ってフラスコ内の上澄みから希塩酸 サンプリングした。サンプリングされた希 酸25mLを密閉バイアル容器に入れて室温で放 置した後、マイクロ捕集管(StableFlexCarboxen/ポ ジメチルシロキサン;CAR/PDMS)をサンプルに浸 して有機成分をトラップした。トラップした 捕集管を250℃に加熱されたガス・クロマトグ ラフに直結した質量分析装置(島津ガス・ク マトグラフ質量分析計GCMS・QP5050A)の注入口 挿入して3分間放置してトラップされたガス 分を追い出してトラップされたガス成分を 析した。
 分析の結果を図31に示す。図31では、酢酸CH 3 COOH特有のピークおよびアセトアルデヒドCH 3 CHOのピークが見られることから、サンプル中 に酢酸および少量のアセトアルデヒドの存在 を確認できた。

 上記発明によれば、マンガンの触媒反応に って太陽光に含まれる波長400~500nmの可視光 エネルギーで、希塩酸などの酸性の水溶液 酸化分解し、酸素ガス、プロトンおよび電 を製造することができるため、安価で高効 に酸素ガスおよび電気を製造することがで る。これは本発明の触媒材料によって、植 の光合成による酸素製造反応を人工的に高 率に生じさせたことに起因する。本発明材 が示す高い酸素製造効率は、植物の葉緑体 8500nm 3 に達する結晶格子の巨大タンパク質分子から 構成されて、その1つのタンパク質分子の中 4つしか触媒効果をもつマンガンが含まれて ないことに対して、本発明のマンガン酸化 ナノ粒子(例えば直径2nm、長さ5nm)の1つには1 000個以上の触媒活性をもつマンガンが含まれ ており、このナノ粒子がさらに集まってメソ ポーラス多孔体を形成しているために広い接 触面積をもってして、水を酸化分解すること で酸素製造の触媒効率が植物の場合に比べて 飛躍的に高まったためであると考えられる。 さらに、本発明では、二酸化炭素ガスを、酸 処理したマンガン酸化物から構成される多孔 体粉末を懸濁させた水溶液にバブリングする などして接触させることで、直接的に二酸化 炭素ガスを主な生成物として酢酸に変換し、 微量の副生成物としてブチロラクトン、アセ トン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、テト ラハイドロフラン、または、ホルムアルデヒ ト、ホルマリン等の有機物と、水とに二酸化 炭素ガスを分解・変換することを可能とした 。
 さらに本発明は、水素化二酸化マンガンの ノ微粒子の凝集体を二酸化炭素ガスと接触 せた後、乾燥処理することで、人間をはじ 動物や植物の活動のエネルギーになる物質 一つであり、脳の唯一のエネルギー源とし も知られている糖を合成することを可能と た。

 また、本発明は前記触媒材料の製造の際に 生する廃液を再利用することができる。こ 廃液はマンガンイオンが高濃度で含まれる め、公共用水域にそのまま放流することが きない。このため廃液からマンガンイオン 除去するなど浄化処理して放流する必要が ったが、本発明では、この廃液からR型二酸 化マンガン、二酸化マンガン、炭酸マンガン を製造できるなど有効に廃液を利用できると ともに、廃液処理方法としても安価に実現で きる。
 さらに本発明によれば、触媒材料として有 なR型二酸化マンガンを2価のマンガンイオ を含む水溶液に酸化剤とアルカリを添加す 合成方法によって安価に製造できることを 能とした。