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Title:
CATALYST FOR PURIFYING DISCHARGE GAS FROM HEAT-TREATMENT FURNACE, METHOD OF PURIFYING DISCHARGE GAS FROM HEAT-TREATMENT FURNACE WITH THE CATALYST, AND METHOD OF PREVENTING CONTAMINATION OF HEAT-TREATMENT FURNACE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/088056
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a catalyst for purifying a discharge gas emitted from a heat-treatment apparatus for burning therein a work coated with a resist material. The catalyst, which is for purifying a discharge gas emitted from a heat-treatment apparatus for burning therein a work coated with a resist material, comprises zeolite particles (ingredient 1) and inorganic-oxide particles having a noble metal deposited thereon (ingredient 2) in an ingredient (1)/ingredient (2) proportion of from 90/10 to 10/90 by weight.

Inventors:
SAKURAI TAKANOBU (JP)
UENO SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050171
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
January 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIKKI UNIVERSAL CO LTD (JP)
SAKURAI TAKANOBU (JP)
UENO SHINICHI (JP)
International Classes:
B01J29/12; B01D53/86; F27D17/00
Domestic Patent References:
WO2005094991A12005-10-13
Foreign References:
JP2006314867A2006-11-24
JP2005071632A2005-03-17
JP2006017357A2006-01-19
Attorney, Agent or Firm:
ONO, Shinjiro (Section 206 New Ohtemachi Bldg.,2-1, Ohtemachi 2-chome, Chiyoda-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 レジスト剤を塗布した被加熱部品を熱処理炉で熱処理する際に、レジスト剤から発生する揮発性有機化合物を分解する触媒であって、該触媒はゼオライト粒子(成分1)と、貴金属を担持した無機酸化物粒子(成分2)とを、成分1:成分2の重量比で90:10~10:90の割合で含有してなる、熱処理炉排ガスの浄化用触媒。
 無機酸化物粒子が、Al 2 O 3 、TiO 2 、ZrO 2 、CeO 2 、CeO 2 ・ZrO 2 およびSiO 2 から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の熱処理炉排ガスの浄化用触媒。
前記揮発性有機化合物が、被加熱部品の焼成工程で、レジスト剤から揮発または昇華する有機化合物である、請求項1又は2に記載の熱処理炉排ガスの浄化用触媒。
 レジスト剤を塗布した被加熱部品を熱処理炉内で熱処理する工程で発生する有機化合物を含む排ガスを、前記炉内または炉外に設置した請求項1~3のいずれかに記載の触媒に接触させて、有機化合物を分解する工程を含む、熱処理炉排ガスの浄化方法。
 レジスト剤を塗布した被加熱部品を熱処理炉内で熱処理する工程と、熱処理によってレジスト剤から揮発または昇華した有機化合物を含む排ガスを、前記炉内または炉外に設置した請求項1~3のいずれかに記載の触媒に接触させて、前記有機化合物を分解する工程を含む、熱処理炉排ガスの浄化方法。
排ガスを触媒に200~350℃で接触させる、請求項5に記載の、熱処理炉排ガスの浄化方法。
 熱処理炉内または炉外に設置した請求項1~3のいずれかに記載の触媒に、熱処理炉内で熱処理する工程で発生する有機化合物を含む排ガスを接触させて、有機化合物を分解する工程を含む、熱処理炉の汚染防止方法。
排ガスを触媒に200~350℃で接触させる、請求項7に記載の、熱処理炉の汚染防止方法。
 レジスト剤を塗布した被加熱部品を熱処理炉内で熱処理する工程と、熱処理によってレジスト剤から揮発または昇華した有機化合物を含む排ガスを、前記炉内または炉外に設置した請求項1~3のいずれかに記載の触媒に200~350℃で接触させて、前記有機化合物を分解する工程を含む、熱処理炉の汚染防止方法。
Description:
熱処理炉排ガスの浄化用触媒、 触媒による熱処理炉排ガスの浄化方法およ 熱処理炉の汚染防止方法

 本発明は、液晶デイスプレイ等に使用さ る基板に膜形成素材であるレジスト剤を塗 した部品(以下これを被焼成物という。)を 処理装置で熱処理する際に、レジスト剤か 発生する揮発性の有機化合物を含んだ排ガ を浄化するための触媒、同触媒を用いた排 スの処理方法、および同触媒を用いた熱処 炉の汚染防止方法に関する。

 液晶ディスプレイ(LCD)の製造において、 ラス基板の表面にブラックマトリックスを 成するために、感光性樹脂バインダー、熱 化樹脂、溶剤等を含む膜形成素材(以下レジ ト剤という。)が使用され、これがガラス基 板に塗布された被焼成物を、熱処理装置(以 熱処理炉という。)に搬送して、炉内で所定 温度に加熱して、レジスト剤を乾燥し、つ で焼成処理(以下、これらを熱処理という。 )が行われる。

 プラズマディスプレイ(PDP)パネルの製造 おいても、同様に、電極や誘電体となる部 を形成するために、レジスト剤をガラス基 の表面に塗布(印刷)した被焼成物を、熱処理 炉中で、所定の温度の熱風に晒して、熱処理 される。このほかシリコン基板に半導体回路 を形成する際にも、レジスト剤が使用され、 焼成処理する工程が行われる。

 これら熱処理工程では、レジスト剤に含 れる溶剤、感光性あるいは熱硬化性樹脂バ ンダーなどの有機化合物が、蒸発あるいは 華して、揮発性の有機化合物を含んだ気体( 以下排ガスという。)が熱処理炉内に大量に 生する。この排ガスは、炉の開口部、隙間 近傍あるいは排ガス循環通路で冷却される 、排ガス中の有機化合物が凝固して、粒子 、タール状あるいはパーテイクルになって 熱処理炉内や排気系統を汚染あるいは閉塞 せ、また炉外に漏出し、クリーンルームを 染する等の問題があった。

 レジスト剤に含まれる有機化合物を例示 ると以下のものがある;すなわち、バインダ ー成分としては、アクリル系樹脂、エポキシ 系樹脂、シリコーン樹脂、ヒドロキシプロピ ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース 、メチルセルロース、カルボキシメチルセル ロースなどのセルロース誘導体或いはその変 性物、アミド系樹脂、フェノール系樹脂、ポ リスチレン系樹脂等が、またシリコン系バイ ンダーとしては、ポリシラン、シロキサン系 化合物、シリル系化合物、シラザン系化合物 等が使用される。

 またレジスト剤に含まれる分散媒あるい 溶剤成分としては、イソプロピルアルコー 、エチレングリコール、グリセリン、エチ セロソルブ、トルエン、キシレン、メチル チルケトン、シクロヘキサノン、エチレン リコールモノメチルエーテルアセテート、 チレングリコールモノエチルエーテルアセ ート、プロピレングリコールモノメチルエ テルアセテート、プロピレングリコールモ エチルエーテルアセテート、プロピレング コールプロピルエーテルアセテート、エチ ングリコールモノメチルエーテル、エチレ グリコールモノエチルエーテル、ジエチレ グリコールモノメチルエーテル、ジエチレ グリコールモノエチルエーテル、2-ヒドロ シプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチ ルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル 、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メ ルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3- トキシプロピオン酸エチル、3-メトキシ-2- チルプロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢 ブチル、乳酸エチル等が使用される。

 レジスト剤に含まれるこれらの1種または 複数の有機化合物や、乾燥あるいは焼成温度 に加熱することによって新たに生成した重合 体が、熱処理炉内で揮発もしくは昇華し、結 果として有機化合物が、炉内の空気中に含ま れ、排ガスとなる。

 (従来の技術)
 このため、上記熱処理炉の排ガスを浄化す ために、酸化触媒で処理する技術が開発さ ている。すなわち酸化触媒として、コージ イト等のセラミック製のハニカム構造体等 、Pt,Pd,Ag 2 O、Co 3 O 4 ,CuOなどの触媒金属を担持した触媒(特許文献1 、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文 献7)、Pt,Rh,Pd,Al 2 O 3 ,CeO 2 ,NiO等を活性成分とする触媒(特許文献6)、伝 管の表面にPt,Pd,Ag 2 O等を担持した触媒(特許文献2)が報告されて る。

 (従来技術の問題点)
 しかしながら従来の酸化触媒は、レジスト 中の溶剤が蒸発して発生した有機化合物をC O 2 とH 2 Oに転化するが、より高温で行う熱処理、す わち200~300℃のような焼成温度において発生 る有機化合物、すなわちバインダー樹脂が 華した有機化合物に対しては、酸化分解作 は効果的に発揮されず、一酸化炭素(CO)やホ ルムアルデヒド、アセトアルデヒドなど部分 酸化物の生成をもたらすため、触媒処理後の 排ガスが刺激臭や悪臭を発生する場合があり 、また触媒処理後の排ガス中には未分解の昇 華成分が残存して、これが炉内の壁面や排気 管内に付着し、炉を汚染させる問題が残る。 また有機ケイ素系のバインダーを含むレジス ト剤を使用すると、ケイ素含有有機化合物が 排ガス中に揮発し、これが触媒毒となって、 触媒の活性が短時間に低下するという問題が ある。本出願人は先に、耐シリコン性に優れ た有機化合物を含む排気ガス浄化触媒に関す る発明を完成し、特許出願をした(特許文献8 特許文献9)。

特開2001-241862号公報

特開2002-257314号公報

特開2003-214772号公報

特開2004-316987号公報

特開2005-37024号公報

特開2005-71632号公報

特開2006-17357号公報

国際公開第05/94991号パンフレット

特開2006-314867号公報

 (1) したがって本発明の目的は、レジス 剤を塗布した被焼成物を焼成する熱処理炉 に発生する排ガスに含まれる有機化合物を 化して、排ガスを浄化するための、新しい 媒を提供することにある。

 (2) 他の目的は、同触媒を用いた熱処理 内の排ガスを浄化する方法を提供すること ある。

 (3) 更に他の目的は、熱処理炉の汚れを 止する方法を提供することにある。

 本発明者は、前記の問題を解決するため 、新しい触媒を見出し、本発明を完成した すなわち、本発明は、以下の発明1~3の通り ある。

 発明1は、レジスト剤を塗布した被加熱部 品を熱処理炉で熱処理する際に、レジスト剤 から発生する揮発性有機化合物を分解する触 媒であって、該触媒はゼオライト粒子(成分1) と、貴金属を担持した無機酸化物粒子(成分2) とを、成分1:成分2の重量比で90:10~10:90の割合 含有してなる、熱処理炉排ガスの浄化用触 である。

 発明2は、レジスト剤を塗布した被加熱部 品を熱処理炉内で熱処理する工程と、熱処理 によってレジスト剤から揮発または昇華した 有機化合物を含む排ガスを、前記炉内または 炉外に設置した上記触媒に記載の触媒に接触 させて、前記有機化合物を分解する工程を含 む、熱処理炉排ガスの浄化方法である。

 発明3は、レジスト剤を塗布した被加熱部 品を熱処理炉内で熱処理する工程と、熱処理 によってレジスト剤から揮発または昇華した 有機化合物を含む排ガスを、前記炉内または 炉外に設置した上記触媒に記載の触媒に接触 させて、前記有機化合物を分解する工程を含 む、熱処理炉の汚染防止方法である。

 本発明の触媒を用いることにより;
(1) レジストを含む被処理物の熱処理炉から 生する排ガス中の有機化合物が、効果的に 化され、未分解成分の残存をゼロまたは極 にでき、アルデヒドなど部分酸化物の生成 防止できるため、処理後の排ガスの臭気問 が解消されるとともに、
(2) とりわけ200℃以上の温度での熱処理、い ゆるポストキュアのための熱処理段階で発 する昇華性の有機化合物を効果的に酸化分 するため、タール状あるいはパーテイクル 付着による熱処理装置内の汚染や排気系統 閉塞などの問題が解消される。
(3) このため、処理した排ガスを再循環する とができ、エネルギーの節約になる。
(4) また従来知られている貴金属触媒に比べ 、単位容積あたりのハニカム触媒への貴金 の使用量を削減でき、経済的な効果も大き 。
(5) またハニカムのような支持体のサイズを さくできるため、限られた熱処理炉のスペ スに設置が容易になるとともに、高速処理 可能になる、
等の効果が得られる。

図1は、触媒の評価をするための反応装 置である。 図2は、成分1と成分2の混合割合を変えた触媒 における汚れ低減率を示す図表である。触媒 A,B,1、2および3の成分1(H-Y)と成分2(Pt/Al 2 O 3 )の合計重量に対する成分1の割合を横軸に、 れらを用いて行った分解実験結果のうち、 1の汚れ低減率を縦軸に示したものである。 図中、測定値点左から、それぞれ、触媒B、2 1、3およびAである。

符号の説明

1 反応管
2 容器
3 触媒
4 捕集フィルター
5 ガス導入管
6 ガス排出管

 以下本発明を詳細に説明する。本発明の 媒が適用される対象は、レジスト剤を塗布 た被処理物を処理するための乾燥炉、脱バ ンダー炉、焼成炉などの熱処理炉、および れら炉へ加熱空気を供給する熱風発生装置 ど周辺装置を含み、これらを本発明では熱 理炉という。

 本発明の触媒は、レジスト剤を塗布した 加熱部品を熱処理炉で熱処理する際に、レ スト剤から発生する揮発性有機化合物を分 する触媒であって、該触媒はゼオライト粒 (成分1)と、貴金属を担持した無機酸化物粒 (成分2)とを、成分1:成分2の重量比で90:10~10:9 0の割合で含有してなることを特徴とする。

  ゼオライト(成分1)
 本発明で使用されるゼオライト(成分1)は、 然品であっても合成品であってもよい。例 ば、天然品のゼオライトとして、モルデナ ト、エリオナイト、フェリエライト、シャ サイトが挙げられる。合成品としては、Y型 ゼオライト;ZSM-5等のMFI型ゼオライト;β型ゼオ ライト;が挙げられる。

 その構成成分であるシリカとアルミナのモ 比(SiO 2 /Al 2 O 3 モル比)は、5~900のゼオライトが使用される。 炉の汚染を一層効果的に防止する触媒とする には、SiO 2 /Al 2 O 3 モル比が5以上、100以下、より好ましくは5~50 ゼオライトを使用するのが好ましい。また オライトは、プロトン型(H型)であっても、 属置換型(アンモニウム置換を含む)であっ もよい。なお以下例えばY型ゼオライトのH型 をH-Yと表示する場合がある。

 本発明でいうゼオライトには、石油精製 程で使用されFCC(流動接触分解)触媒も含ま る。該FCC触媒は、アルミナを10~40重量%およ シリカを90~60重量%含み、重油からガソリン 分を製造するために使用されるが、本発明 触媒の成分1として好適である。

 該ゼオライトの粒子サイズには特別な制 はないが、成分2の貴金属を担持した無機酸 化物粒子と混合し、これをハニカムなどの支 持体に触媒層を形成する際、両粒子の分散と 接触性を高めることが好ましく、このため粒 径は0.1μm~100μm、より好ましくは0.1~50μmの範 のものが好ましい。

  貴金属を担持した無機酸化物粒子 (成分2)
 本発明の触媒の他の成分は、無機酸化物粒 に、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、これらの合金、から 選択される1種または2種以上の貴金属成分を 持してなる、無機酸化物粒子(成分2)である 以下この成分2を貴金属担持無機粒子と表現 する場合がある。無機酸化物は、アルミナ(Al 2 O 3 )、ジルコニア(ZrO 2 )、チタニア(TiO 2 )、シリカ(SiO 2 )、セリア(CeO 2 )、チタニア・アルミナ複合酸化物(TiO 2 ・Al 2 O 3 )、シリカ・ジルコニア複合酸化物(SiO 2 ・ZrO 2 )およびセリア・ジルコニア複合酸化物(CeO 2 ・ZrO 2 )から選択される1種または2種以上である。こ れらの無機酸化物の中でも、ZrO 2 およびCeO 2 ・ZrO 2 を用いた触媒は、炉の汚れを防止する効果に 特に優れる。なおCeO 2 ・ZrO 2 複合酸化物には、ランタン(La),プラセオジム( Pr),イットリウム(Y),ネオジム(Nd)のいずれか1 または2種以上を含むものでも良い。

 該成分2の粒子サイズには特別な制限はな いが、成分1の粒子と混合し、これをハニカ などの支持体に触媒層を形成する際、両粒 の分散と接触性を高めることが好ましく、 のため粒径は0.1μm~100μm、より好ましくは0.1~ 50μmの範囲のものが好ましい。

 該成分2の無機酸化物粒子に担持する貴金 属の量は、成分1との混合後の触媒中の貴金 含有量が50重量ppm~5重量%を満足できるように 、通常は無機酸化物粒子に対して、金属分と して100重量ppm~10重量%の範囲で適宜設定され のが良い。

 本明細書では、例えばPtをAl 2 O 3 に担持した粒子をPt/Al 2 O 3 と表示することとし、他の貴金属および無機 酸化物を組み合わせた粒子についても、同様 に例えばPd/Al 2 O 3 ,Pt/ZrO 2 、Pt/CeO 2 、Pd/TiO 2 などと表示する。なお例えばPtが1.0重量%担持 されたAl 2 O 3 粒子をPt(1.0)/Al 2 O 3 と表記することがある。

 貴金属を担持した無機酸化物粒子(成分2)は 貴金属化合物の水溶液に無機酸化物粒子を 浸し、その後乾燥し、次いで焼成すること よって調製できるが、これに限るものでは い。例えばPt/ZrO 2 粒子は、例えば白金ジニトロジアンミン錯体 の水溶液にZrO 2 粒子を含浸した後、100~150℃で乾燥し、次い 400~600℃にて焼成し、必要に応じて水素還元 ることにより、得られる。

 本発明の触媒は、上記ゼオライト粒子(成 分1)と貴金属担持無機酸化物粒子(成分2)との 合物を含有して成り、該触媒中における、 オライトと無機酸化物の合計重量に対する 金属含有量は、50重量ppm~5重量%、好ましく 100重量ppm以上、5重量%以下が好ましい。触媒 中の貴金属含有量は、触媒が排ガスと接触す る温度および空間速度に照らして設定される が、50重量ppm未満では、酸化反応が不十分な 合があり、一方、5重量%を超えても構わな が、酸化反応の一層の向上はみられなく、 経済になる。

  本発明の浄化用触媒
 本発明の触媒は、前記成分1の1種または2種 上と、成分2の1種または2種以上を、重量比 90:10~10:90、好ましくは85:15~30:70、より好まし くは80:20~30:70の割合で混合して、調製される 成分2の割合が10%未満では、酸化触媒の作用 が不十分になり、触媒処理後の排ガス中にア ルデヒドと未分解分の含有量が高くなる。一 方成分2の割合が90%を越えると、相対的に成 1の割合が小さくなるため、排ガス中の有機 合物の分解率が低下し、結果として酸化反 が十分に進まなくなり、アルデヒド等の生 量が増加する。

 したがって成分1と成分2の合計に対して 成分1を10重量部以上、より好ましくは15重量 部、さらに好ましくは20重量部以上、90重量 以下、好ましくはより好ましくは70重量部以 下、混合することによって、成分1と成分2が 乗作用によって、レジスト剤から発生する 華性の有機化合物に対する酸化分解作用が 上し、これによって熱処理炉の汚染が防止 きる。

 なお本発明の触媒には、成分1と成分2を必 成分とするが、本発明の触媒の機能を阻害 ないものであれば、その他の成分を含むこ を排除するものではなく、例えば後述のハ カム等に触媒を担持するか、あるいは造粒 の形態で用いられるバインダー成分、例え 粘土質、SiO 2 あるいはAl 2 O 3 等を含んでも良いことは言うまでもない。

 成分2である例えばPt/Al 2 O 3 は、それ自身は酸化触媒として公知であり、 熱処理炉の排ガス処理用触媒として知られて いる(特許文献1など)。しかしながら、レジス ト剤から発生する揮発もしくは昇華して発生 する有機化合物は、該成分2だけでは酸化分 されにくく、不完全酸化によるアルデヒド 生成しやすい。しかしながら成分1と成分2を 前記割合で混合することにより、成分2の作 が著しくに向上するとともに、成分2単独で られるアルデヒドの生成量が高いという問 も解決する。その作用機構は明らかではな が、成分1と成分2を共存させることによっ 、レジスト剤中のバインダー樹脂のような 華性を有する高分子量の有機化合物を、成 1が接触分解反応によって、炭素数の小さい 化水素、すなわち炭素数1~4の軽質炭化水素 分解し、生成した軽質炭化水素を共存する 分2が酸化分解するという、一連の反応によ る効果ではないかと推定される。あわせて本 発明の触媒は、コーク状物質の堆積が少なく 、触媒寿命が長い。この効果も、成分1と成 2の共存による相互作用によりものと推定さ る。

 本発明の触媒は、成分1と成分2を、重量 90:10~10:90の割合で含有してなるものである。 実用においては、該組成の触媒を、ハニカム などの触媒支持体に担持するか、あるいは粒 状に造粒した形態で使用されるのが通常であ るが、その形態は、これらに限定されるもの ではない。

 本発明の触媒の別の実施態様は、以下の りである。

 実施態様1:
 処理する排気ガスの流れの上流側にゼオラ トを有効成分とする触媒を支持体に設けた 媒(触媒U-1)を、また下流側に本発明の触媒 支持体に設けた触媒(触媒D-1)を組み合わせて 配置した触媒システム、およびこれによる熱 処理炉内ガスの処理方法である。なお触媒U-1 とD-1は、重ね合わせるか、隔離して配置する か、いずれでも良い。

 具体例;
 触媒U-1の例;H-Y、ZSM5、モルデナイト、FCC触 のいずれか1種または2種以上のゼオライト粒 子を含む触媒。

 触媒D-1の例;Pt/Al 2 O 3 、Pt/TiO 2 、Pt/ZrO 2 、Pd/Al 2 O 3 のいずれか1種または2種以上の無機酸化物粒 と、ゼオライト粒子を、重量比10:90~90:10で み、しかも触媒中の貴金属含有量が500重量pp m~5重量%である本発明の触媒。

 実施態様2:
 処理する排気ガスの流れの上流側には、ゼ ライトを相対的に多い割合で含み、かつ貴 属含有量が相対的に少ない触媒(触媒U-2)を 下流側にはゼオライトの割合が上流側触媒 それより相対的に少なく、かつ貴金属含有 が下流側触媒のそれより相対的に多い触媒( 媒D-2)を配置した触媒システム、およびこれ による熱処理炉排ガスの処理方法である。な お触媒U-2とD-2は、重ね合わせるか、隔離して 配置するか、いずれでも良い。

 具体例;
 触媒U-2の例;ゼオライト粒子(成分1)と、Pt/Al 2 O 3 、Pt/ZrO 2 、Pd/Al 2 O 3 のいずれか1種または2種以上の無機酸化物粒 (成分2)とを、重量比50:50~90:10、より好まし は60:40~90:10、更に好ましくは70:30~85:15の割合 含み、しかも触媒中の貴金属含有量が50重 ppm~1000ppmである本発明の触媒。

 触媒D-2の例;ゼオライト粒子(成分1)と、Pt/Al 2 O 3 ,Pt/ZrO 2 、Pd/Al 2 O 3 のいずれか1種または2種以上の無機酸化物粒 (成分2)とを、重量比10:90~60:40、好ましくは15 :85~50:50、さらに好ましくは20:80~50:50の割合で み、しかも貴金属含有量が500重量ppm~5重量% ある本発明の触媒。

 上記の実施態様1および2では、上流側に設 る触媒U-1あるいはU-2により、排ガス中の有 化合物を分解して軽質炭化水素に転化し、 いで下流側に配置した触媒D-1あるいはD-2に り、軽質炭化水素をCO 2 およびH 2 Oに確実に転化する。とくに実施態様2による 媒の使用は、上流側に設けた触媒U2への炭 質の沈積(コーキング)が特に少ないため、使 用条件や排ガスの条件が過酷な熱処理炉用や 耐久性を要する用途向きに特に好都合である 。

  触媒の製造
 本発明の触媒は、ガス処理に適する支持体 担持して使用される。好ましい支持体は、 ニカム、シート、メッシュ、パイプ、フィ ター、パンチングメタル、発泡金属体等の 状のものが例示される。支持体の材質に特 制限はないが、使用温度に耐えられる耐熱 や耐腐食性を有するものが好ましく、コー ェライト、アルミナ、シリカ、シリカ・ア ミナ、炭素繊維、金属繊維、ガラス繊維、 ラミック繊維、ステンレス、チタン等の金 箔が例示される。該支持体のガス通過面に 本発明の触媒を触媒層として担持すればよ 。

 別の形態としては、触媒を粒径0.5mm~10mmの 球やペレット状の成形粒子に加工して、これ を通気性の容器や袋に充填して、使用しても よい。

 前記支持体、例えばハニカム支持体へ、 発明の触媒を触媒層として担持した触媒を 成するには、コロイダルシリカゾル、アル ナゾル、ケイ酸ゾル、ベーマイト、ジルコ アゾルなど公知のバインダー成分を用いる 触媒層の平均厚さには、特別の制限はない 、触媒の効果を有効に発揮させ、かつ経済 を考慮すると、その厚さは10μm以上、500μm 下が適当である。

  排ガス処理方法
 本発明の熱処理炉排ガスの浄化方法は、熱 理炉内あるいは炉外の排ガス系統に、本発 の触媒を配置して、レジスト剤を塗布した 加熱部品の熱処理によりに発生する揮発性 機化合物を含む排ガスを、該触媒に接触さ て、有機化合物を分解させる方法である。 触温度としては、有機化合物の酸化分解に 要な温度が好ましく、具体的には熱処理温 もしくはそれ以上の温度、すなわち200~350℃ 、好ましくは210~350℃、特に好ましくは220~350 である。本発明の触媒の分解活性は従来の 媒に比べて高いものの、レジスト剤から揮 する有機化合物のような、分解しにくい成 に対しては、200℃を下回る温度では、一酸 炭素やアルデヒドのような部分酸化物を生 しやすくなり、被加熱部品の熱処理温度と 媒反応温度に照らし、210℃以上が好ましく 一方省エネルギーの観点から、350℃以下が ましい。空間速度には制限はないが、排ガ の発生量と触媒の大きさにもよるが、1000~10 0000hr -1 の範囲が好ましい。なお触媒処理されたガス は、炉外に排出するか、または熱処理炉に還 流してもよい。この処理により、レジスト剤 から蒸発した溶剤成分や昇華したバインダー 樹脂成分を酸化分解させることができる。

  熱処理炉の汚染防止方法
 本発明の熱処理炉の汚染防止方法は、レジ ト剤を塗布した被加熱部品を熱処理炉内で 処理する工程(工程1)と、熱処理によってレ スト剤から揮発または昇華した有機化合物 含む排ガスを、前記炉内または炉外に設置 た本発明の触媒に接触させて、前記有機化 物をCO 2 とH 2 Oに変換する工程(工程2)を含む、熱処理炉の 染防止方法である。工程1で被加熱部品を熱 理し、この工程で昇華したバインダー樹脂 含む排ガスを、工程2に触媒に接触させると 、樹脂が酸化分解されるため、熱処理炉の開 口部や排ガス循環通路など、冷却により樹脂 が凝固しやすい箇所の汚染を防止できる。接 触温度としては、有機化合物の酸化分解に必 要な温度が好ましく、具体的には熱処理温度 もしくはそれ以上の温度、すなわち200~350℃ 好ましくは210~350℃、特に好ましくは220~350℃ である。

 以下実施例にもとづき、より詳細に説明 る。

 <貴金属担持無機酸化物粒子の調製>
 以下の各貴金属担持無機酸化物粒子(成分2) 、次の方法で調製した。すなわち、秤量し Al 2 O 3 などの無機酸化物粒子の重量に対して、目標 とする担持量のPtを含むジニトロアミノ白金 性水溶液を用意し、無機酸化物粒子が十分 るよう、イオン交換水を加え、蒸発皿中で 機酸化物粒子に白金水溶液を十分含浸し、 の後蒸発乾固し、次いで500℃で2時間焼成し て、規定量の白金を担持した以下に示す無機 酸化物粒子1~8を調製した。

 ・粒子1;<Pt(4.0)/Al 2 O 3 >
 γ-アルミナ粉(日揮ユニバーサル社製、平均 粒径5μm)を使用して上記方法で、Ptを4.0重量% 持した粒子1を調製した。

 ・粒子2;<Pt(0.8)/Al 2 O 3 >
 γ-アルミナ粉(日揮ユニバーサル社製、平均 粒径5μm)を使用して上記方法で、Ptを0.8重量% 持した粒子2を調製した。

 ・粒子3;<Pt(1.5)/ZrO 2 >;
 ZrO 2 (ミレニアム社製、平均粒径1μm、BET比表面積2 50m 2 /g)を使用して上記方法で、Ptを1.5重量%担持し た粒子3を調製した。

 ・粒子4;<Pt(0.8)/ZrO 2 >;
 ZrO 2 (ミレニアム社製、平均粒径1μm、BET比表面積2 50m 2 /g)を使用して上記方法で、Ptを0.8重量%担持し た粒子4を調製した。

 ・粒子5;<Pt(1.5)/TiO 2 >;
 TiO 2 (ミレニアム社製、平均粒径1μm、BET比表面積3 30m 2 /g)を使用して、上記方法で、Ptを1.5重量%担持 した粒子5を調製した。

 ・粒子6;<Pt(4.5)/CeO 2 >;
 CeO 2 (第一稀元素社製、平均粒径1μm、BET比表面積2 0m 2 /g)を使用して、上記方法で、Ptを4.5重量%担持 した粒子6を調整した。

 ・粒子7;<Pt(4.5)/CeO 2 ・ZrO 2 >;
 CeO 2 ・ZrO 2 複合酸化物粒子(第一稀元素社製、CeO 2 :ZrO 2 モル比が50:50、平均粒径1μm、BET比表面積77m 2 /g)を用いて、同様の方法で、Ptを4.5重量%担持 した粒子7を調製した。

 ・粒子8;<Pt(4.5)/CeO 2 ・ZrO 2 ・La 2 O 3 >;
 CeO 2 ・ZrO 2 ・La 2 O 3 複合酸化物粒子(第一稀元素社製、CeO 2 :ZrO 2 :La 2 O 3 モル比が30:60:10、平均粒径1μm、BET比表面積77m 2 /g)を用いて、同様の方法で、Ptを4.5重量%担持 した粒子8を調製した。

 <触媒の調製>
 各触媒を以下のようにして調製した。

 比較例1;(無触媒)コージライトハニカム( 本碍子社製、200セル/平方インチ)を、そのま ま反応に用いた。

 比較例2;触媒A <H-Y(100)>:
 H-Y型ゼオライト粉末(UOP社製の商品名LZY85、 均粒径2μm、SiO 2 /Al 2 O 3 モル比5.9)200g、バインダーとして、シリカゾ (日産化学製、スノーテックス )40gおよびイ オン交換水700gを用い、スラリーを作成した このスラリーを、コージライトハニカム(日 碍子社製、200セル/平方インチ)にウォッシ コート法により塗布し、過剰のスラリーを 縮空気で吹き払い、乾燥器中で150℃におい 3時間乾燥した。その後、空気中で500℃にお て2時間焼成し、次いで水素雰囲気中で500℃ において1時間加熱し、ハニカム担持体にH-Y オライトを触媒層として担持した、ハニカ 型の触媒Aを得た。

 比較例3;触媒B <Pt/Al 2 O 3 (100)>:
 前記の粒子2<Pt(0.8)/Al 2 O 3 粒子>の200gと、バインダーとしてベーマイ 50gを混合し、この混合物の25gを、60%硝酸お び725gのイオン交換水の混合液に加え、スラ リーを作成した。このスラリーを、触媒Aと じ方法でハニカム担持体にPt/Al 2 O 3 の触媒層を設けたハニカム型の触媒Bを得た ハニカム1リットルあたりの触媒層の重量は5 0g(バインダーを含む)であった。該触媒Bの触 層中のPt含有量は0.8重量%(Al 2 O 3 に対する割合)である。

 比較例4;触媒C <Pt/ZrO 2 (100)>:
 前記の粒子4<Pt(0.8)/ZrO 2 粒子>を用いて、触媒Bと同じ方法にて、Pt/Z rO 2 の触媒層を設けたハニカム型の触媒Cを得た 該触媒Cの触媒層中のPt含有量は0.8重量%(ZrO 2 に対する割合)である。

 実施例1;触媒1 <H-Y(50) + Pt/Al 2 O 3 (50)>:
 触媒Aで用いたH-Y型ゼオライト粉末100gと、 記の粒子1<Pt(4.0)/Al 2 O 3 粒子>25gと前記の粒子2<Pt(0.8)/Al 2 O 3 粒子>75gを混合し、これにシリカゾル(日産 学製、スノーテックス)40gおよびイオン交換 水700gを添加して、スラリーを作成した。該 ラリーを用いて、触媒Aと同じ方法にて、ハ カム担持体にH-YとPt/Al 2 O 3 の重量割合が50:50である触媒層を設けたハニ ム型の触媒1を得た。該触媒1の触媒層中のPt 含有量は0.8重量%(ゼオライトとAl 2 O 3 の合計に対する割合)である。

 実施例2;触媒2 <H-Y(10)+Pt/Al 2 O 3 (90)>:
 前掲のH-Y型ゼオライト粉末の20gと、前記の 子2<Pt(0.8)/Al 2 O 3 粒子>の180gを用いた以外は触媒1と同じ方法 にて、H-Y:Pt/Al 2 O 3 重量比が10:90の組成の触媒層を設けたハニカ 型の触媒2を得た。該触媒2の触媒層中のPt含 有量は0.7重量%(ゼオライトとAl 2 O 3 の合計に対する割合)である。

 実施例3;触媒3 <H-Y(80)+Pt/Al 2 O 3 (20)>:
 前掲のH-Y型ゼオライト粉末の160gと、前記の 粒子1<Pt(4.0)/Al 2 O 3 粒子>の40gを用いた以外は触媒1と同じ方法 て、H-Y:Pt/Al 2 O 3 重量比が80:20の組成の触媒層を設けたハニカ 型の触媒3を得た。該触媒3の触媒層中のPt含 有量は0.8重量%(ゼオライトとAl 2 O 3 の合計に対する割合)である。

 実施例4;触媒4 <H-Y(50)+Pt/TiO 2 (50)>:
 前掲のH-Y型ゼオライト粉末100gと、前記の粒 子5<Pt(1.5)/TiO 2 粒子>100gを用いた以外は、触媒1と同じ方法 で、H-Y:Pt/TiO 2 重量比が50:50の組成の触媒層を設けたハニカ 型の触媒4を得た。該触媒4の触媒層中のPt含 有量は0.75重量%(ゼオライトとTiO 2 の合計に対する割合)である。

 実施例5;触媒5 <H-Y(50)+Pt/ZrO 2 (50)>:
 前掲のH-Y型ゼオライト粉末と前記の粒子3< ;Pt(1.5)/ZrO 2 粒子>を用いた以外は触媒1と同じ方法で、H -Y:Pt/ZrO 2 重量比が50:50の組成の触媒層を設けたハニカ 型の触媒5を得た。該触媒5の触媒層中のPt含 有量は0.75重量%(ゼオライトとZrO 2 の合計に対する割合)である。

 実施例6;触媒6 <H-Y(50)+Pt/CeO 2 (50)>:
 前掲のH-Y型ゼオライト粉末と前記の粒子6< ;Pt(4.5)/CeO 2 粒子>を用いた以外は触媒1と同じ方法で、H -Y:Pt/CeO 2 重量比が50:50の組成の触媒層を設けたハニカ 型の触媒6を得た。該触媒6の触媒層中のPt含 有量は2.25重量%(ゼオライトとCeO 2 の合計に対する割合)である。

 実施例7;触媒7 <H-Y(50)+Pt/CeO 2 ・ZrO 2 (50)>:
 前掲のH-Y型ゼオライト粉末と前記の粒子7< ;Pt(4.5)/CeO 2 ・ZrO 2 粒子>を用いた以外は触媒1と同じ方法で、H -Y:Pt/CeO 2 ・ZrO 2 の重量比が50:50の組成の触媒層を設けたハニ ム型の触媒7を得た。該触媒7の触媒層中のPt 含有量は2.25重量%(ゼオライトとCeO 2 ・ZrO 2 の合計に対する割合)である。

 実施例8;触媒8 <H-Y(50)+Pt/CeO 2 ・ZrO 2 ・La 2 O 3 (50)>:
 前掲のH-Y型ゼオライト粉末と前記の粒子8< ;Pt(4.5)/CeO 2 ・ZrO 2 ・La 2 O 3 粒子>を用いた以外は触媒1と同じ方法で、H -Y:Pt/CeO 2 ・ZrO 2 ・La 2 O 3 の重量比が50:50の組成の触媒層を設けたハニ ム型の触媒8を得た。該触媒8の触媒層中のPt 含有量は2.25重量%(ゼオライトとCeO 2 ・ZrO 2 ・La 2 O 3 の合計に対する割合)である。

 <評価>
  反応装置
 得られた触媒を、図1に示す反応装置に装着 し、これにレジスト蒸発ガスを接触させて、 生成する分解ガスの組成と未分解成分の量を 測定した。

 図1の装置において、反応管1内には、レ スト剤を入れるアルミニウム製容器2が設置 れ、該容器の下流側には、円筒状(直径21mm 長さ10mm)のハニカム触媒3が装着されており その下流(捕集領域)には、触媒処理後のガス 中に含まれる未分解成分を捕集するために、 ガラス繊維製の捕集フィルター4が設けられ いる。なお該捕集領域のガス温度は80~90℃に 設定した。

 容器2に市販の液晶マトリックス形成レジス ト剤(R)1.5gを入れ、容器と触媒の領域を室温 ら230℃まで、毎分5℃の速度で昇温した後、 ス導入管5から、空気を、2.0リットル/分の さで、50分間、総量100Lを導入し、蒸発した ジスト剤成分を、空気とともに触媒に接触 せて、温度230℃、空間速度35000hr -1 にて接触反応を行った。ガス排出管6から処 後のガスを排出し、ガス分析に供した。

 前記レジスト剤(R)の主要成分は以下のと りである;プロピレングルコールモノメチル エーテルアセテート、プロピレングルコール モノエチルエーテルアセテート、アクリル樹 脂、多官能アクリルモノマー、顔料、溶剤。

  評価方法
 触媒で処理された後のガスの成分を以下の 法で測定した。
分解ガス中の全炭化水素(THC)の測定:
  装置;ガスクロマトグラフィー(島津製作所 製GCL4-A型、検出器;FID)
  カラム;20%PEG-20M on Chromosorb/WAW
  カラム温度;100℃、インジェクション温度; 150℃、検出器温度;150℃
  キャリヤーガス;窒素ガス35ml/分
 THCは、炭素数1~5個の炭化水素合計をメタン 算した値であって、重量ppmで表す。

 COの測定:
  電解式CO分析計
 CO 2 の測定:
  メタン化FID式分析計
 アルデヒドの測定:
  GASTEC検知管、No.92L(ホルムアルデヒド)、No. 91(アセトアルデヒド)
 未分解分の測定:
  捕集フィルターに捕集された未分解レジ ト分を燃焼して炭素分を測定した。

 <計算式>
 汚れ減少率を下記の式で算出した。

   汚れ減少率(%)=(C1-C2)/C1×100
 式中、C1は、触媒を担持していないハニカ 材を取り付けた状態で処理した場合の、捕 フィルターに捕集された未分解分の重量(表1 の比較例1)であり、C2は、各触媒での未分解 の重量である。

 <評価結果>
 各触媒で処理した結果を表1に示す。

 表1から分かるように、触媒B(比較例3;Pt/Al 2 O 3 )では、捕集フィルターへ付着した未分解成 が炭素量として13mgであり、汚れ低減率は無 媒(比較例1)に比べて71%であり、汚れの低減 はある程度良好な効果を示したが、触媒Bで 処理した後のガス中には、COおよびアルデヒ がそれぞれ2ppm、4ppm含まれていた。触媒C(比 較例4;Pt/ZrO 2 )も、触媒Bと、ほぼ同様な結果であった。こ に対し、本発明の触媒1~8では、アルデヒド 生成が極めて少ないかゼロであり、また処 後の排ガスには未分解分が、触媒Bに比べて 大幅に低減し、汚れ低減率は80~94%であった。 ゼオライト(成分1)と貴金属担持の無機酸化物 (成分2)の混合物を含む本発明の触媒は、熱処 理炉の汚れ防止効果が極めて大きいことが明 らかである。

 図2から分かるように、ゼオライト(成分1) と貴金属担持無機酸化物(成分2)の合計量に対 して、成分1を10~90%、とりわけ10~80%、成分2を9 0~10%、とりわけ90~20%の割合で含んでなる本発 の触媒は、成分1のみ(触媒A)あるいは成分2 み(触媒B)に比べて、汚れの低減率が大きく 上していた。