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Patent Searching and Data


Title:
CELL FOR FUEL BATTERY, METHOD FOR PRODUCING THE SAME, AND GAS CHANNEL STRUCTURE FOR FUEL BATTERY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/060816
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a cell (10) for fuel cells, which comprises a membrane-electrode assembly (18), expansion molded bodies (20) arranged on both sides of the membrane-electrode assembly (18) and respectively forming a gas channel, and separators (22) arranged on the expansion molded bodies (20) for separating gases of adjacent two cells from each other. Each of the expansion molded bodies (20) comprises a gas channel base (24) made of a metal material such as a titanium material or a stainless steel material, a conductive layer (26) made of a conductor such as gold (Au) and formed on a contact portion (25) of the gas channel base (24), which portion (25) is in contact with the membrane-electrode assembly (18) or a separator (22), and a hydrophilic layer (28) made of a hydrophilic material such as titanium oxide and formed on the gas channel surface of the gas channel base (24).

Inventors:
MAEDA KUROUDO (JP)
OOMORI HIDEYO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070017
Publication Date:
May 14, 2009
Filing Date:
November 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
MAEDA KUROUDO (JP)
OOMORI HIDEYO (JP)
International Classes:
H01M8/10; H01M8/02
Foreign References:
JP2005209470A2005-08-04
JP2005340179A2005-12-08
JP2007134145A2007-05-31
JP2000243408A2000-09-08
JP2000173631A2000-06-23
JP2003157868A2003-05-30
JP2004178893A2004-06-24
Other References:
See also references of EP 2219254A4
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIDA, Kenji et al. (Kichijoji-honcho 1-chomeMusashino-sh, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 膜電極接合体と、
 膜電極接合体の両面に積層され、ガス流路を形成するガス流路構造体と、
 ガス流路構造体に積層され、隣設するセル間のガスを分離するセパレータと、
 を備える燃料電池用セルであって、
 ガス流路構造体は、
 金属材料で形成されるガス流路基体と、
 膜電極接合体またはセパレータと接触するガス流路基体の接触部に導電体で形成される導電層と、
 ガス流路基体のガス流路面に親水性材料で形成される親水層と、
 を有する燃料電池用セル。
 膜電極接合体と、
 膜電極接合体の両面に積層され、ガス流路を形成するガス流路構造体と、
 ガス流路構造体に積層され、隣設するセル間のガスを分離するセパレータと、
 を備える燃料電池用セルの製造方法であって、
 ガス流路構造体の成形は、
 金属材料でガス流路基体を形成するガス流路基体形成工程と、
 膜電極接合体またはセパレータと接触するガス流路基体の接触部に導電体で導電層を形成する導電層形成工程と、
 ガス流路基体のガス流路面に親水性材料で親水層を形成する親水層形成工程と、
 を有する燃料電池用セルの製造方法。
 膜電極接合体と、
 膜電極接合体の両面に積層され、ガス流路を形成するガス流路構造体と、
 ガス流路構造体に積層され、隣設するセル間のガスを分離するセパレータと、
 を備える燃料電池用セルの製造方法であって、
 ガス流路構造体の成形は、
 金属材料でガス流路基体を形成するガス流路基体形成工程と、
 膜電極接合体またはセパレータと接触するガス流路基体の接触部に導電体で導電層を形成する導電層形成工程と、
 ガス流路基体のガス流路面に親水処理にて親水層を形成する親水層形成工程と、
 を有する燃料電池用セルの製造方法。
 膜電極接合体の両面に積層され、ガス流路を形成する燃料電池用ガス流路構造体であって、
 ガス流路構造体は、
 金属材料で形成されるガス流路基体と、
 膜電極接合体またはセパレータと接触するガス流路基体の接触部に導電体で形成される導電層と、
 ガス流路基体のガス流路面に親水性材料で形成される親水層と、
 を有する燃料電池用ガス流路構造体。
Description:
燃料電池用セル、その製造方法 よび燃料電池用ガス流路構造体

 本発明は、燃料電池用セル及びその製造 法に係り、特に、膜電極接合体と、膜電極 合体の両面に積層され、ガス流路を形成す ガス流路構造体と、ガス流路構造体に積層 れ、隣設するセル間のガスを分離するセパ ータと、を備える燃料電池用セル及びその 造方法に関する。

 燃料電池は、高効率と優れた環境特性を する電池として近年脚光を浴びている。燃 電池は、一般的に、燃料ガスである水素に 酸化剤ガスである空気中の酸素を電気化学 応させて、電気エネルギを作りだしている そして、水素と酸素とが電気化学反応した 果、水が生成される。

 燃料電池の種類には、リン酸型、溶融炭 塩型、固体電解質型、アルカリ型、固体高 子型等がある。この中でも、常温で起動し つ起動時間が速い等の利点を有する固体高 子型の燃料電池が注目されている。このよ な固体高分子型の燃料電池は、移動体、例 ば、車両等の動力源として用いられている

 固体高分子型の燃料電池は、複数の単セ 、集電板、エンドプレート等を積層して組 立てられる。そして、燃料電池用セルは、 解質膜と、触媒層と、ガス拡散層と、セパ ータとを含んで構成される。

 特許文献1には、電極と金属セパレータとの 間に繊維質材料からなるガス拡散層を挟持し た構成の燃料電池において、金属セパレータ 側には金(Au)等の耐食導電材料からなるメッ 層を形成せずに、ガス拡散層側に金(Au)等の 食導電材料からなる層を蒸着、スパッタリ グ、めっき処理等により形成することが示 れている。

特開2004-178893号公報

 ところで、燃料電池用セルを製造する場 には、上述したように、金(Au)等の電気伝導 性の高い導電体をガス拡散層等の表面に被覆 して、ガス拡散層とセパレータとの間の接触 抵抗を低減させている。しかし、金(Au)等の 電体をガス拡散層に被覆する場合には、ガ 拡散層は、一般的に、多孔質な繊維材料で 形されるため、金(Au)等がガス拡散層の内部 入り込み、セパレータと接触しない部位ま 金(Au)等で被覆される可能性がある。金(Au) の導電体は、一般的に高価であるので、金(A u)等の使用量が多くなると、燃料電池用セル 製造コストが高くなる場合がある。また、 (Au)等の導電体は、疎水性である場合が多く 、燃料電池の発電時に生成した生成水の排水 性を阻害し、燃料電池の発電効率を低下させ る場合がある。

 そこで、本発明の目的は、製造コストを え、更に発電効率を向上させた燃料電池用 ル及びその製造方法を提供することである

 本発明に係る燃料電池用セルは、膜電極 合体と、膜電極接合体の両面に積層され、 ス流路を形成するガス流路構造体と、ガス 路構造体に積層され、隣設するセル間のガ を分離するセパレータと、を備える燃料電 用セルであって、ガス流路構造体は、金属 料で形成されるガス流路基体と、膜電極接 体またはセパレータと接触するガス流路基 の接触部に導電体で形成される導電層と、 ス流路基体のガス流路面に親水性材料で形 される親水層と、を有することを特徴とす 。

 本発明に係る燃料電池用セルの製造方法 、膜電極接合体と、膜電極接合体の両面に 層され、ガス流路を形成するガス流路構造 と、ガス流路構造体に積層され、隣設する ル間のガスを分離するセパレータと、を備 る燃料電池用セルの製造方法であって、ガ 流路構造体の成形は、金属材料でガス流路 体を形成するガス流路基体形成工程と、膜 極接合体またはセパレータと接触するガス 路基体の接触部に導電体で導電層を形成す 導電層形成工程と、ガス流路基体のガス流 面に親水性材料で親水層を形成する親水層 成工程と、を有することを特徴とする。

 本発明に係る燃料電池用セルの製造方法 、膜電極接合体と、膜電極接合体の両面に 層され、ガス流路を形成するガス流路構造 と、ガス流路構造体に積層され、隣設する ル間のガスを分離するセパレータと、を備 る燃料電池用セルの製造方法であって、ガ 流路構造体の成形は、金属材料でガス流路 体を形成するガス流路基体形成工程と、膜 極接合体またはセパレータと接触するガス 路基体の接触部に導電体で導電層を形成す 導電層形成工程と、ガス流路基体のガス流 面に親水処理にて親水層を形成する親水層 成工程と、を有することを特徴とする。

 本発明に係る燃料電池用ガス流路構造体 、膜電極接合体の両面に積層され、ガス流 を形成する燃料電池用ガス流路構造体であ て、ガス流路構造体は、金属材料で形成さ るガス流路基体と、膜電極接合体またはセ レータと接触するガス流路基体の接触部に 電体で形成される導電層と、ガス流路基体 ガス流路面に親水性材料で形成される親水 と、を有することを特徴とする。

 上記のように本発明に係る燃料電池用セ 及びその製造方法によれば、金(Au)等の導電 体の使用量をより低減することにより、製造 コストを抑え、更に発電効率を向上させるこ とができる。

本発明の実施の形態において、燃料電 用セルの断面を示す図である。 本発明の実施の形態において、エキス パンドメタルを用いたガス流路基体の構成を 示す図である。 図2AのA-A方向から見た断面図である。 本発明の実施の形態において、金属多 体を用いたガス流路基体の構成を示す図で る。 本発明の実施の形態において、めっき 置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、導電層 形成されたガス流路基体を示す図である。 本発明の実施の形態において、エキス ンド成形体の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、発電性 評価試験結果を示す図である。 本発明の実施の形態において、実施例1 及び比較例2の燃料電池用セルに使用したエ スパンド成形体の成形コストの比較を示す である。

符号の説明

 10 燃料電池用セル、12 電解質膜、14 触 層、16 ガス拡散層、18 膜電極接合体、20  キスパンド成形体、22 セパレータ、24 ガ 流路基体、25 接触部、26 導電層、28 親水 、30 ストランド部、32 ボンド部、34 金属 孔体、50 めっき装置、52 めっき液槽、54  1ローラ、56 第2ローラ。

 以下に図面を用いて本発明に係る実施の 態につき、詳細に説明する。図1は、燃料電 池用セル10の断面を示す図である。燃料電池 セル10は、電解質膜12と、触媒層14と、ガス 散層16とを一体化し、電極等を形成する膜 極接合体18(Membrane Electrode Assembly:MEA)と、ガ 流路を形成するガス流路構造体であるエキ パンド成形体20と、隣設するセル(図示せず) 間の燃料ガスまたは酸化剤ガスを分離するセ パレータ22と、を含んで構成される。

 電解質膜12は、アノード極側で発生した 素イオンをカソード極側まで移動させる機 等を有している。電解質膜12の材料には、化 学的に安定であるフッ素系樹脂、例えば、パ ーフルオロカーボンスルホン酸のイオン交換 膜が使用される。

 触媒層14は、アノード極側での水素の酸 反応や、カソード極側での酸素の還元反応 促進する機能を有している。そして、触媒 14は、触媒と、触媒の担体とを含んで構成さ れる。触媒は、反応させる電極面積をより大 きくするため、一般的に粒子状にして、触媒 の担体に付着させて使用される。触媒には、 水素の酸化反応や酸素の還元反応について、 より小さい活性化過電圧を有する白金族元素 である白金等が使用される。触媒の担体とし ては、カーボン材料、例えば、カーボンブラ ック等が使用される。

 ガス拡散層16は、燃料ガスである、例え 、水素ガス等と、酸化剤ガスである、例え 、空気等とを触媒層14に拡散させる機能や、 電子を移動させる機能等を有している。そし て、ガス拡散層16には、導電性を有する材料 あるカーボン繊維織布、カーボン紙等を使 することができる。

 エキスパンド成形体20は、膜電極接合体18 の両面に積層され、ガス流路を形成するガス 流路構造体としての機能を有している。エキ スパンド成形体20は、膜電極接合体18のガス 散層16と、セパレータ22とに接触して積層さ 、膜電極接合体18とセパレータ22とに電気的 に接続される。エキスパンド成形体20は、ガ 流路を形成するガス流路基体24と、膜電極 合体18またはセパレータ22と接触するガス流 基体24の接触部25に形成される導電層26と、 ス流路基体24のガス流路面に設けられ、親 性材料で形成される親水層28と、を含んで構 成される。

 ガス流路基体24は、多数の開口からなる ッシュ構造を備えている。ガス流路基体24に 形成されたメッシュは、燃料ガスや酸化剤ガ スのガス流路としての機能を有している。こ のように、エキスパンド成形体20は、多数の 口を有するので、より多くの燃料ガス等が 電極接合体18と接触して化学反応し、燃料 池用セル10の発電効率を高めることができる 。

 ガス流路基体24は、膜電極接合体18または セパレータ22に沿って、膜電極接合体18また セパレータ22と接触して電気的に接続する接 触部25を有している。接触部25は、例えば、 定の間隔で複数設けられる。接触部25の間隔 は、例えば、600μm~800μmとすることができる

 ガス流路基体24には、例えば、JIS G 3351 示されるエキスパンドメタルや、JIS A 5505 示されるメタルラスまたは金属多孔体等を いることが好ましい。エキスパンドメタル 金属多孔体等は、多数の開口を備えている らである。勿論、他の条件次第では、ガス 路基体24は、エキスパンドメタル等に限定さ れることはなく、パンチングメタル等の他の 成形体を用いてもよい。

 ガス流路基体24は、チタン及びチタン合金 チタン材料や、SUS316L及びSUS304等のステンレ 鋼等により形成される。これらの金属材料 、機械的強度が高く、その表面に安定な酸 物(TiO,Ti 2 O 3 ,TiO 2 ,CrO 2 ,CrO,Cr 2 O 3 等)からなる不働態膜等の不活性皮膜が形成 れるため、優れた耐食性を有するからであ 。ステンレス鋼には、オーステナイト系ス ンレス鋼やフェライト系ステンレス鋼等を いることができる。

 導電層26は、膜電極接合体18またはセパレ ータ22と接触するガス流路基体24の接触部25に 導電体で形成され、エキスパンド成形体20と 電極接合体18、エキスパンド成形体20とセパ レータ22との間の接触抵抗を低減する機能を している。導電層26は、金属材料で形成さ ることが好ましい。金属材料は導電体であ 、ガス流路基体24も金属材料で形成されるた め、導電層26をカーボン材料等の異種材料で 成する場合よりも、ガス流路基体24と導電 26との密着性がより向上するからである。勿 論、他の条件次第では、導電層26には、有機 導電体等を用いることができる。

 導電層26は、導電体である金(Au)、銀(Ag)、 銅(Cu)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir )、パラジウム(Pd)等の金属材料により形成さ ることがより好ましい。これらの金属材料 、電気伝導率が高いので、接触抵抗をより さくすることができるからである。これら 金属材料の中でも、金(Au)は、耐食性に優れ ており、電気伝導率が大きいので、導電層26 形成する金属材料として更に好ましい。ま 、導電層26は、金(Au)、白金(Pt)等の合金で形 成されてもよい。

 導電層26は、膜電極接合体18またはセパレ ータ22と接触するガス流路基体24の接触部25に 形成される。このように、ガス流路基体24の 触部25に導電層26を形成することにより、金 (Au)等の導電体の使用量を抑えることができ 。また、導電層26は、ガス流路基体24の接触 25にのみ形成されることが好ましい。ガス 路基体24の接触部25のみに導電層26を形成す ことにより、金(Au)等の導電体の使用量を更 抑制できる。導電層26は、2nm以上500nm以下の 厚みで形成され、好ましくは10nm以上100nm以下 の厚みで形成される。

 親水層28は、ガス流路基体24のガス流路面に 、親水性材料で形成される。セパレータ22と しないガス流路面に親水層28を設けること より、生成水の排水性が更に向上し、燃料 池用セル10の発電効率をより高めることがで きる。親水性材料には、例えば、二酸化チタ ン(TiO 2 )等のチタン酸化物が用いられる。チタン酸 物は、光触媒作用による親水性効果を有し いるからである。勿論、他の条件次第では 親水性材料は、チタン酸化物に限定される とはない。親水層28は、0.1nmから1000nmの膜厚 形成され、好ましくは2nmから10nmの膜厚で形 成される。

 セパレータ22は、エキスパンド成形体20に 積層され、隣設するセル(図示せず)における 料ガスと酸化剤ガスとを分離する機能を有 ている。また、セパレータ22は、隣設する ル(図示せず)を電気的に接続する機能を有し ている。セパレータ22は、チタン及びチタン 金のチタン材料や、SUS316L及びSUS304等のステ ンレス鋼等で成形されることが好ましい。こ れらの金属材料は、上述したように、機械的 強度が高く、その表面に安定な酸化物からな る不働態膜等の不活性皮膜が形成されるため 、優れた耐食性を有するからである。ステン レス鋼には、オーステナイト系ステンレス鋼 やフェライト系ステンレス鋼等を用いること ができる。勿論、他の条件次第では、セパレ ータ22を成形する金属材料は、チタンやステ レス鋼等に限定されることなく、他の金属 料を用いることができる。セパレータ22に 、例えば、チタンシートまたはステンレス ート等が用いられる。

 次に、燃料電池用セル10の製造方法につ て説明する。

 膜電極接合体18は、電解質膜12の両面に触 媒層14を積層し、各々触媒層14にガス拡散層16 を積層した後、例えば、ヒートプレス等で熱 圧着することにより成形される。勿論、膜電 極接合体18の成形方法は、上記成形方法に限 されることはない。

 次に、エキスパンド成形体20の成形方法 ついて説明する。エキスパンド成形体20の成 形方法は、ガス流路基体形成工程と、前処理 工程と、導電層形成工程と、親水層形成工程 と、を有している。

 ガス流路基体形成工程は、金属材料でガ 流路基体24を形成する工程である。ガス流 基体24、例えば、エキスパンドメタルは、チ タンシートやステンレスシート等を、切延加 工等することにより成形される。エキスパン ドメタルは、例えば、チタンシートまたはス テンレスシート等に千鳥状に切れ目を入れる と同時に、これを押し延ばして広げることに より網目(メッシュ)状に切延加工して、一体 して成形される。

 図2A,図2Bは、エキスパンドメタルを用い ガス流路基体24の構成を示す図であり、図2A 、ガス流路基体24の模式図であり、図2Bは、 A-A方向の断面図である。ガス流路基体24は、 2Aに示すように、複数のストランド部30と、 複数のボンド部32とを有しており、多数の開 からなるメッシュ構造を備えている。ガス 路基体24におけるストランド部30の板厚(t)、 メッシュの短目方向中心間距離(SW)、メッシ の長目方向中心間距離(LW)、刻み幅(SW)、ガス 流路基体24の厚み(X)は、各々所定の大きさで 形される。また、図3は、金属多孔体34を用 たガス流路基体24の構成を示す図である。 3に示すように、金属多孔体34には多数の開 が設けられており、ガス流路が形成されて る。

 前処理工程は、ガス流路基体24を前処理 る工程である。ガス流路基体24の前処理は、 洗浄処理と、中和処理と、酸洗処理とを含ん でいる。まず、ガス流路基体24はアルカリ浸 脱脂等で洗浄処理され、ガス流路基体24の 面に付着した油分等が除去される。そして 洗浄処理後のガス流路基体24を中和液に浸漬 してアルカリ液を中和する。中和液には、硫 酸溶液、塩酸溶液、硝酸溶液等が使用される 。次に、中和処理されたガス流路基体24を酸 処理し、ガス流路基体24の表面に生成され 不働態膜が除去される。酸洗処理は、ガス 路基体24を硝弗酸溶液または弗酸溶液等の弗 化物を含有した溶液に浸漬して行われる。

 導電層形成工程は、前処理されたガス流 基体24の接触部25に、金(Au)等の導電体で導 層26を形成する工程である。金(Au)等のコー ィングには、例えば、電解めっき法を用い ことができる。電解めっき法には、一般的 、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)等の電解めっき法が いられる。例えば、導電層26として金(Au)め き層をガス流路基体24の接触部25に被覆する 合には、シアン化金カリウムや亜硫酸金ナ リウム等を含む金めっき浴が使用される。 めっき浴には、アルカリ性、中性または酸 のめっき浴が使用される。また、導電層26 形成する金(Au)粒子等の粒径は、電流密度、 っき処理時間、添加剤等で制御される。

 図4は、めっき装置50の構成を示す図であ 。めっき装置50は、めっき液を溜めるめっ 液槽52と、めっき液を汲み上げる第1ローラ54 と、ガス流路基体24を第1ローラ54と挟持する 2ローラ56とを有している。そして、第1ロー ラ54と第2ローラ56とは電源に接続される。第1 ローラ54で汲み上げられためっき液がガス流 基体24と接触することにより、ガス流路基 24の接触部25に導電体がめっきされる。ガス 路基体24の一方の面を第1ローラ54と接触さ て導電体をめっきした後、ガス流路基体24の 他方の面を第1ローラ54と接触させて導電体を めっきする。これにより、膜電極接合体18ま はセパレータ22と接触するガス流路基体24の 接触部25に導電体で導電層26が形成される。 のめっき装置によれば、接触部25以外をマス キング等することなく接触部25に導電層26を 成することができるので、製造コストを抑 ることができる。図5は、導電層26が形成さ たガス流路基体24を示す図である。膜電極接 合体18またはセパレータ22と接触する接触部25 に金(Au)等の導電層26が形成される。

 勿論、導電層形成手段には、上述した電 めっき法に限定されることなく、物理蒸着 (PVD法)、化学蒸着法(CVD法)、塗布法、インク ジェット法等の他のコーティング手段を用い てもよい。物理蒸着法(PVD法)では、スパッタ ング法、イオンプレーティング法等で金(Au) 等をコーティングすることができる。塗布法 では、金(Au)等の粒子を有機溶剤等のバイン ー中に分散させてスラリーを作製し、金(Au) の粒子が分散したスラリーを塗布してコー ィングすることができる。また、インクジ ット法では、例えば、金(Au)等の粒子を分散 させた超微粒子のメタルインクを用いてコー ティングされる。

 親水層形成工程は、ガス流路基体24のガス 路面に、親水性材料または親水処理で親水 28を形成する工程である。親水層28は、例え 、親水性材料を塗布、スパッタリング等す ことによりガス流路基体24のガス流路面に 成することができる。ガス流路基体24がチタ ン材料で形成される場合には、導電層26が形 されたガス流路基体24を酸化雰囲気中250℃ ら800℃で加熱することにより親水処理して チタン酸化物(TiO 2 )で親水層28を形成することが好ましい。導電 層26が形成されていない部位はチタン材料が 出しているため、酸化雰囲気中で加熱処理 よりチタン材料が酸化されてチタン酸化物 形成される。これにより容易に親水層28を 成できるので燃料電池用セル10の製造コスト を抑えることができる。図6は、エキスパン 成形体20の構成を示す図である。接触部25以 のガス流路面に親水層28が形成される。

 次に、セパレータ22の成形方法について 明する。セパレータ22の成形方法は、一般的 な、金属材料の切削加工等の機械加工または プレス加工等の塑性加工により行うことがで きる。勿論、セパレータ22の成形方法は、上 加工方法に限定されることはない。

 組立工程は、膜電極接合体18と、エキス ンド成形体20と、セパレータ22とを積層して 料電池用セル予備成形体を組み立てる工程 ある。膜電極接合体18の両面にエキスパン 成形体20を積層した後、エキスパンド成形体 20にセパレータ22を積層して燃料電池用セル 備成形体を組み立てる。そして、燃料電池 セル予備成形体の外周を接着剤で接着等す ことにより、燃料電池用セル10が製造される 。

 以上、上記構成によれば、膜電極接合体 たはセパレータの接触部に金(Au)等の導電層 が形成されるため、金(Au)等の導電体の使用 を低減でき、燃料電池用セルの製造コスト 抑制することができる。

 上記構成によれば、ガス流路構造体のガス 路面にはチタン酸化物(TiO 2 )層等の親水層が形成されるため、生成水の 水性が向上し、燃料電池用セルの発電効率 より高めることができる。

 5種類の燃料電池用セルを製造し、発電性 能等の評価を行った。

 まず、実施例1及び実施例2における燃料 池用セルの製造方法について説明する。膜 極接合体には、電解質膜にフッ素樹脂、触 層に白金を担持したカーボンブラック、ガ 拡散層にカーボン繊維を使用し、これらを 層した後、ホットプレスで熱圧着したもの 用いた。また、セパレータには、チタンシ トを使用した。

 エキスパンド成形体のガス流路基体24には チタンで形成したエキスパンドメタルを使 した。エキスパンドメタルは、アルカリ浸 脱脂で洗浄され、硫酸溶液で中和され、硝 酸溶液で酸洗されて前処理された。次に、 処理したエキスパンドメタルの接触部に、 (Au)を電解めっき法でめっきし、導電層であ 金(Au)めっき層を形成した。金(Au)めっき層 形成には、図4に示すめっき装置を使用した ここで、実施例1の燃料電池用セルでは金(Au )めっき層の膜厚を10nmとし、実施例2の燃料電 池用セルでは金(Au)めっき層の膜厚を100nmとし た。そして、金(Au)めっき層が形成されたエ スパンドメタルを大気中300℃で10分間保持し て加熱処理し、接触部以外のガス流路面に親 水層である二酸化チタン(TiO 2 )層の形成を行った。最後に、上述した膜電 接合体と、エキスパンド成形体と、セパレ タとを積層し、組み立てて実施例1及び実施 2の燃料電池用セルを製造した。

 次に、比較例1における燃料電池用セルの製 造方法について説明する。膜電極接合体とセ パレータとは、実施例1及び実施例2の燃料電 用セルと同様のものを使用した。エキスパ ド成形体のガス流路基体には、チタンで形 したエキスパンドメタルを使用した。エキ パンドメタルは、アルカリ浸漬脱脂で洗浄 れ、硫酸溶液で中和され、硝弗酸溶液で酸 されて前処理された。比較例1の燃料電池用 セルでは、エキスパンドメタルに金(Au)めっ 層と、二酸化チタン(TiO 2 )層とを形成しないものを使用した。その他 ついては実施例1及び実施例2の燃料電池用セ ルと同様の製造方法により製造した。

 次に、比較例2及び比較例3における燃料電 用セルの製造方法について説明する。膜電 接合体とセパレータとは、実施例1及び実施 2の燃料電池用セルと同様のものを使用した 。エキスパンド成形体のガス流路基体には、 チタンで成形したエキスパンドメタルを使用 した。エキスパンドメタルは、アルカリ浸漬 脱脂で洗浄され、硫酸溶液で中和され、硝弗 酸溶液で酸洗されて前処理された。次に、前 処理したエキスパンドメタルの接触部に、金 (Au)を電解めっき法でめっきし導電層である (Au)めっき層を形成した。電解めっき法は、 めっき浴の中に前処理したエキスパンドメ ルを浸漬させる方法で行った。比較例2の燃 料電池用セルでは金(Au)めっき層の膜厚を10nm し、比較例3の燃料電池用セルでは金(Au)め き層の膜厚を100nmとした。なお、比較例2及 比較例3における燃料電池用セルでは、親水 である二酸化チタン(TiO 2 )層を形成しないものを使用した。最後に、 述した膜電極接合体と、エキスパンド成形 と、セパレータとを積層し、組み立てて比 例2及び比較例3の燃料電池用セルを製造した 。

 上記5種類の燃料電池用セルについて発電 性能評価試験を行った。図7は、発電性能評 試験結果を示す図である。図7に示すように 横軸に発電時間を取り、縦軸にセル電圧を り、実施例1の燃料電池用セルのデータを白 丸、実施例2の燃料電池用セルのデータを黒 、比較例1の燃料電池用セルのデータを黒菱 、比較例2の燃料電池用セルのデータを白四 角形、比較例3の燃料電池用セルのデータを 四角形で示した。

 比較例1の燃料電池用セルでは、試験開始か らセル電圧が低く、5種類の燃料電池用セル 中では最も発電性能が低い結果が得られた 比較例2及び比較例3の燃料電池用セルでは、 所定時間経過後にセル電圧が低下し、比較例 1の燃料電池用セルの次に発電性能が低い結 が得られた。これに対して、実施例1及び実 例2の燃料電池用セルでは、所定時間の経過 後もセル電圧がほとんど低下せず、優れた発 電性能が得られた。これは、実施例1及び実 例2の燃料電池用セルでは、ガス流路面に二 化チタン(TiO 2 )層が形成されているため、生成水の排水性 向上したことによるからである。

 次に、実施例1及び比較例2の燃料電池用 ルに使用したエキスパンド成形体の成形コ トについて比較を行った。図8は、実施例1及 び比較例2の燃料電池用セルに使用したエキ パンド成形体の成形コストの比較を示す図 ある。図8では、縦軸に成形コストを取り、 較例2及び実施例1の燃料電池用セルに使用 たエキスパンド成形体の成形コストを棒グ フで示した。なお、エキスパンド成形体の 形コストは、比較例2の燃料電池用セルに使 したエキスパンド成形体成形コストを100と て、実施例1の燃料電池用セルに使用したエ キスパンド成形体成形コストを相対値で求め た。その結果、実施例1の燃料電池用セルに 用したエキスパンド成形体の成形コストは30 であり、比較例1の燃料電池用セルに使用し エキスパンド成形体の成形コストより低減 た。

 比較例2の燃料電池用セルに使用したエキ スパンド成形体では、エキスパンドメタルを 金めっき液に浸漬して金めっきを行った。そ のため、膜電極接合体またはセパレータとの 接触部だけでなく、ガス流路面にも金めっき 層が形成された。これに対して、実施例1の 料電池用セルに用いたエキスパンド成形体 は、接触面のみに金めっき層が形成され、 ス流路面には金めっき層が形成されなかっ 。そのため、実施例1の燃料電池用セルに使 したエキスパンド成形体では、金(Au)化合物 等を含むメッキ液等の使用量が抑えられ、製 造コストを更に抑えることができた。

 なお、本発明について詳細に説明したが 本発明の範囲は、上述に記載のものに限定 れるものではない。

 また、2007年11月5日に出願された特願2007-2 87352に開示された明細書の発明の詳細な説明 特許請求の範囲、図面および要約の記載す てが、本願に組み込まれる。

 本発明の燃料電池は、燃料電池を用いる 途であれば、いかなる用途にも有効である 、例えば車両搭載用の燃料電池の用途に好 である。