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Patent Searching and Data


Title:
CELL PATTERN RECOVERY TOOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2010/047171
Kind Code:
A1
Abstract:
A cell pattern recovery tool comprising: a surface-treated highly adhesive base material layer; a surface silane-treated temperature-responsive polymer layer which is formed on the base material layer; and a cell adhesion inhibiting material layer which is formed on the temperature-responsive polymer layer.  According to this constitution, a cell pattern can be quickly recovered under such conditions as being low invasive to the cells while stably and surely maintaining the cell pattern.

Inventors:
OKANO, Teruo (8-1 Kawada-cho, Shinjuku-k, Tokyo 66, 〒1628666, JP)
岡野光夫 (〒66 東京都新宿区河田町8ー1 学校法人 東京女子医科大学内 Tokyo, 〒1628666, JP)
YAMATO, Masayuki (8-1 Kawada-cho, Shinjuku-k, Tokyo 66, 〒1628666, JP)
大和雅之 (〒66 東京都新宿区河田町8ー1 学校法人 東京女子医科大学内 Tokyo, 〒1628666, JP)
Application Number:
JP2009/064374
Publication Date:
April 29, 2010
Filing Date:
August 11, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOKYO WOMEN'S MEDICAL UNIVERSITY (8-1 Kawada-cho, Shinjuku-ku Tokyo, 66, 〒1628666, JP)
学校法人 東京女子医科大学 (〒66 東京都新宿区河田町8ー1 Tokyo, 〒1628666, JP)
DAI NIPPON PRINTING CO., LTD. (1-1 Ichigaya-kaga-cho 1-chome, Shinjuku-ku Tokyo, 01, 〒1628001, JP)
大日本印刷株式会社 (〒01 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 Tokyo, 〒1628001, JP)
OKANO, Teruo (8-1 Kawada-cho, Shinjuku-k, Tokyo 66, 〒1628666, JP)
岡野光夫 (〒66 東京都新宿区河田町8ー1 学校法人 東京女子医科大学内 Tokyo, 〒1628666, JP)
International Classes:
C12M1/00; C12M3/00; C12N11/02
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Kenji (Kyowa Patent & Law Office, Room 323 Fuji Bldg., 2-3, Marunouchi 3-chome, Chiyoda-k, Tokyo 05, 〒1000005, JP)
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Claims:
 表面が易接着処理された基材層と、
 前記基材層上に形成された、表面がシラン処理された温度応答性ポリマー層と、
 前記温度応答性ポリマー層上に形成された、細胞接着阻害材料層とから構成されてなる、細胞パターン回収ツール。
 細胞接着阻害材料層において、温度応答性ポリマー層が露出されてなる領域と、温度応答性ポリマー層が細胞接着阻害材料に覆われてなる領域とが交互に配置されることによって、目的とする細胞パターンが形成されてなる、請求項1に記載の細胞パターン回収ツール。
 温度応答性ポリマー層が露出されてなる領域を挟んで存在する、細胞接着阻害材料に覆われてなる領域同士の間の幅が、1μm~500μmである、請求項2に記載の細胞パターン回収ツール。
 細胞接着阻害材料がエチレングリコール系材料である、請求項1~3のいずれか一項に記載の細胞パターン回収ツール。
 温度応答性ポリマー層におけるシラン処理が、温度応答性ポリマー層をメタクロイルオキシシランでコーティングすることにより行われる、請求項1~4のいずれか一項に記載の細胞パターン回収ツール。
 温度応答性ポリマーが、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)である、請求項1~5のいずれか一項に記載の細胞パターン回収ツール。
 粘着層を介して、基材層を底面部に形成してなるポリスチレンディシュをさらに含んでなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の細胞パターン回収ツール。
 請求項1~7のいずれか一項に記載の細胞パターン回収ツールの製造方法であって、
 表面が易接着処理された基材層上に、温度応答性ポリマー層を形成した後、温度応答性ポリマーの層の表面をシラン処理し、その上に光重合反応を利用して、細胞接着阻害材料層を、目的とする細胞パターンを形成しうる形状として、形成させることを含んでなる、方法。
 請求項1~7のいずれか一項に記載の細胞パターン回収ツール上に、細胞を播種して、培養に適した温度条件下にて細胞を培養した後、該ツールの温度を、温度応答性ポリマーが疎水性から親水性に変化する臨界溶解温度またはそれより低い温度に変化させて、細胞を該ツールから剥離させることによって、目的とする細胞パターンを迅速に回収することを含んでなる、細胞パターンの作製方法。
 前記臨界溶解温度が室温である、請求項9に記載の方法。
 請求項9または10に記載の方法により作製された、細胞パターン。
Description:
細胞パターン回収ツール

関連出願の参照
 本願は、先行する日本国特許出願である特 2008−271850号(出願日:2008年10月22日)に基づく のであって、それらの優先権の利益を主張 るものであり、それらの開示内容全体は参 することによりここに組み込まれる。

発明の分野
 本発明は、新規の細胞パターン回収ツール( または細胞パターン回収用細胞培養支持体) 関する。より詳しくは本発明は、所望の形 に細胞を培養して細胞パターン(シート)を形 成し迅速に回収し得る、細胞パターン回収ツ ールに関する。さらに、本発明は、このよう な細胞パターン回収ツールの製造方法、およ び、このような細胞パターン回収ツールを用 いた、細胞パターンの作製方法にも関する。

背景技術
 細胞シートとは、細胞間結合で細胞同士が なくとも単層で連結されたシート状の細胞 合体である。細胞パターンとは、所望する 定の形状として形成された細胞シートであ 。細胞シートや細胞パターンは、再生医療 どでしばしば用いられる。
 細胞シートはシャーレなどの支持体上で細 培養を行うことにより得られるが、支持体 で形成された細胞シートは接着分子などを して支持体表面と強固に結合しているため 細胞—細胞間の結合を壊さずに培養支持体 ら細胞シートを迅速に剥離することは容易 はない。これが細胞パターンの場合、さら 特定の形状を有しているため、培養支持体 らの迅速かつ安定し確実な剥離には、さら 困難が伴う。

 細胞培養支持体から細胞シートを効率的 剥離する方法はこれまで種々検討されてお 、従来の方法において、剥離方法は主に2つ に大別できる。このうち、第一の方法は、酵 素反応を用いて支持体と細胞間の結合を弱め る方法であり、第二の方法は、細胞接着力の 弱い支持体や細胞接着力の変化する支持体を 用いる方法である。

 第一の方法は、より具体的には、プロテ ーゼ(タンパク質分解酵素)やコラーゲナー (コラーゲン分解酵素)などの酵素を用いて、 細胞間接着分子(密着結合、接着結合、デス ゾーム結合、ギャップ結合、ヘミデスモゾ ム結合)を構成するタンパク質や、培養物の 囲を取り巻くコラーゲン結合織、細胞と支 体間に形成される細胞外マトリクス(Extracell ular Matrix:ECM)を分解する方法である。しかし がら、この方法では細胞−支持体表面の結 だけでなく、細胞−細胞間の結合も弱めて まう。このため、この方法では、細胞シー に少なからず損傷を与えてしまう。この方 で分解される結合物質は、培養される細胞 組織、器官において作られる物質であるか 、剥離後においても一定の条件と期間で分 された結合物質を再生することができるが 結合物質の再生には時間がかかる。

 第二の方法のうち、細胞接着力の変化す 支持体を用いる方法としては、例えば、特 平6−104061号公報(EP0382214A)(文献1)に、細胞増 殖表面を温度応答性ポリマーで被覆した支持 体が開示されている。ここには、温度応答性 ポリマー層の製造方法として、電子線照射に より、モノマーの重合反応と、温度応答性ポ リマーの少なくとも一端を基材を構成する分 子に共有結合させて基材表面に温度応答性ポ リマーを固定化する(グラフト化する)反応と 行うグラフト重合法が記載されている。ま 例えば、特開平5−192130号公報(文献2)中にも 、細胞培養において温度応答性ポリマーを用 いることについて言及がある。しかしながら 、これら文献に記載の温度応答性ポリマーを 使用する培養支持体において、細胞パターン を迅速かつ安定的に回収することについては 、何ら検討されていない。

 特開2003−082119号公報(文献3)には、細胞回 収膜およびその製造方法が開示されている。 また、特開2005−342112号公報(US2007259328A)(文献4 )には、インビトロ形成され、細胞パターン 維持したまま回収された組織体と、その製 方法が開示されている。特開2006−8975号公報 (文献5)には、所望の細胞を所望のパターンに 沿って培養することが開示されている。しか しながら、これら文献には、温度応答性ポリ マー層を設け、さらにその上に、所望の細胞 パターンの形状に、細胞接着阻害材料層を形 成することに関しては何ら記載されておらず 、そのため、細胞パターンを形成させ、それ を迅速に回収することについては何ら記載も 示唆もされていない。また特許文献5の方法 は、細胞パターンの剥離のために紫外線照 も行われている。

 したがって、細胞パターンを安定的かつ 実に維持したまま、細胞にとって低侵襲な 件で、細胞パターンを迅速に回収できる、 養支持体、すなわち、細胞パターン回収ツ ルが依然として求められている。

 本発明者らは今般、表面が易接着処理さ た基材であるポリエチレンテレフタレート( PET)フィルム上に、温度応答性ポリマーをナ スケールの厚みでグラフトし、さらにその 度応答性ポリマー層上に、細胞接着阻害材 をマイクロスケールで固定化することによ て、これら基材上に形成された層構造上に 播種した細胞が通常の培養条件下でパター 上に培養でき、さらに温度応答性ポリマー 疎水性から親水性に変化する臨界溶解温度 り低い、室温下に構造体の温度を下げるこ で、接着させた有機薄膜上に細胞パターン 20分以内で迅速に回収することに成功した。 また温度応答性ポリマー層上に、細胞接着阻 害材料を固定化する際に、温度応答性ポリマ ー層をシラン処理することで、温度応答性ポ リマーの温度応答性を消失させることなく、 細胞接着阻害材料をマイルドな条件で効率的 かつ確実に固定化することが出来た。本発明 はこれら知見に基づくものである。

 よって、本発明は、細胞パターンを安定 かつ確実に維持したまま、細胞にとって低 襲な条件で、細胞パターンを迅速に回収で る、細胞パターン回収ツールの提供をその 的とする。

 本発明による細胞パターン回収ツールは、
 表面が易接着処理された基材層と、
 前記基材層上に形成された、表面がシラン 理された温度応答性ポリマー層と、
 前記温度応答性ポリマー層上に形成された 細胞接着阻害材料層と
から構成されてなる。

 本発明の一つの好ましい態様によれば、 発明の細胞パターン回収ツールにおいては 細胞接着阻害材料層において、温度応答性 リマー層が露出されてなる領域(細胞接着領 域)と、温度応答性ポリマー層が細胞接着阻 材料に覆われてなる領域(細胞接着阻害領域) とが交互に配置されることによって、目的と する細胞パターンが形成されてなる。

 本発明の一つのさらに好ましい態様によ ば、本発明の細胞パターン回収ツールにお て、温度応答性ポリマー層が露出されてな 領域を挟んで存在する、細胞接着阻害材料 覆われてなる領域同士の間の幅は、1μm~500μ mである。

 本発明の好ましい態様によれば、本発明 細胞パターン回収ツールにおいて、細胞接 阻害材料は、エチレングリコール系材料で る。

 本発明の別の好ましい態様によれば、本 明の細胞パターン回収ツールにおいて、温 応答性ポリマー層におけるシラン処理は、 度応答性ポリマー層をメタクロイルオキシ ランでコーティングすることにより行われ 。

 本発明のさらに好ましい態様によれば、 発明の細胞パターン回収ツールにおいて、 度応答性ポリマーは、ポリ−N−イソプロピ ルアクリルアミド(PIPAAm)である。

 本発明のより好ましい態様によれば、本 明の細胞パターン回収ツールは、粘着層を して、基材層を底面部に形成してなるポリ チレンディシュをさらに含んでなる。

 本発明の別の態様によれば、本発明の細胞 ターン回収ツールの製造方法であって、
 表面が易接着処理された基材層上に、温度 答性ポリマー層を形成した後、温度応答性 リマーの層の表面をシラン処理し、その上 光重合反応を利用して、細胞接着阻害材料 を、目的とする細胞パターンを形成しうる 状として、形成させることを含んでなる方 が提供される。

 また本発明による細胞パターンの作製方法 、
 本発明による細胞パターン回収ツール上に 細胞を播種して、培養に適した温度条件下 て細胞を培養した後、該ツールの温度を、 度応答性ポリマーが疎水性から親水性に変 する臨界溶解温度またはそれより低い温度 変化させて、細胞を該ツールから剥離させ ことによって、目的とする細胞パターンを 速に回収することを含んでなる。このとき ましくは、前記臨界溶解温度は室温である

 本発明による細胞パターンは、前記した 発明による細胞パターンの作製方法により 製されたものである。

 本発明による細胞パターン回収ツールに れば、所望の細胞パターンを該ツール上で 胞培養により形成させ、それを、安定的か 確実に維持したまま、細胞にとって低侵襲 条件にて迅速に回収することができる。本 明によれば、慣用の動物細胞培養温度条件 ら、室温へと、細胞培養を行っている該ツ ルの温度を変えることだけで、ツール表面 接着させる有機薄膜上に、所望の細胞パタ ンを移し取り、従来に無い迅速さで(例えば 、20分以内)、細胞パターンを回収することが 出来る。このような迅速な回収が可能である ことは、細胞パターンの量産に適したプロセ スに用いることができる。さらに本発明よる 細胞パターン回収ツールにより得られた細胞 パターンは、所望の形状を有すると同時に表 面の接着因子も損なわれていないため、再生 医療などの現場や、そのための研究に、有利 に利用することが出来る。

本発明による細胞パターン回収ツール 概念図である。図中、層の厚みは例示であ 。 本発明による細胞パターン回収ツール 製造過程を表す概念図である。図中、上か 下に向かって順に、本発明による細胞パタ ン回収ツールの製造プロセスの一例を示す 実施例3の結果を示す図である。

細胞パターン回収ツール
 本発明による細胞パターン回収ツールは、 記したように、基本的に、
 表面が易接着処理された基材層と、
 前記基材層上に形成された、表面がシラン 理された温度応答性ポリマー層と、
 前記温度応答性ポリマー層上に形成された 細胞接着阻害材料層と
から構成されてなる。すなわち、本発明によ る細胞パターン回収ツールは、前記した基材 層と、温度応答性ポリマー層と、細胞接着阻 害材料層とを少なくとも含んでなるものあり 、必要に応じて、例えば、粘着層を介して、 基材層を底面部に形成してなるポリスチレン ディシュなどの任意構造をさらに含んでいて もよいことを意味する。
 図1は、本発明による細胞パターン回収ツー ルの概念図である。
 ここで細胞パターン回収ツールとは、その ール上にて細胞を培養でき、かつ、再生医 などの現場で使用可能な細胞パターン(細胞 シート)を所望の形状に培養して、迅速に回 可能な細胞培養用の支持体(または、細胞培 用の基材もしくはデバイス)を意味する。

基材層
 ここで、「表面が易接着処理された基材層 における「基材層」の基材としては、その 面を後述する易接着処理できるものであれ 、いずれの材料によるものであってもよく えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、 リスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、TAC( リアセチルセルロース)、ポリイミド(PI)、ナ イロン(Ny)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密 ポリエチレン(MDPE)、塩化ビニル、塩化ビニ デン、ポリフェニレンサルファイド、ポリ ーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレ ト、ポリプロピレン、アクリル等が挙げら る。ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカ ロラクタン、もしくはその共重合体のよう 生分解性ポリマーであってもよい。好まし は、ポリエチレンテレフタレート、ポリス レン、ポリカーボネートであり、より好ま くは、ポリエチレンテレフタレートである この内特に、ポリエチレンテレフタレート 、透明性、寸法安定性、機械的性質、電気 性質、耐薬品性等の性質に優れているため 細胞パターン回収ツールの材料として好適 ある。

 「表面が易接着処理された基材層」にお て、基材の「表面が易接着処理された」と 、例えば、ポリエステル、アクリル酸エス ル、ポリウレタン、ポリエチレンイミン、 ランカップリング剤、ペルフルオロオクタ スルホン酸(PFOS)等の易接着剤により、基材 表面に易接着層が設けられたものを挙げる とが出来る。この内、好ましい易接着剤と ては、ポリエステル、アクリル酸エステル ポリウレタン等が挙げられる。基材表面を 接着処理することによって、それを覆う温 応答性ポリマー層の接着を容易にできる。

 基材の「表面が易接着処理」について、 材がポリエチレンテレフタレートの場合を 体例として挙げ、説明すると、ポリエチレ テレフタレートフィルムに易接着性を付与 るには、易接着性付与塗料をインラインコ ト方式またはオフラインコート方式にて塗 することができる。易接着性付与塗料とし は、前記易接着剤と架橋剤成分のメラミン 樹脂等を組み合わせたものが例示できる。 ンラインコート方式とは、フィルムの成膜 程のなかで塗布する方式であり、オフライ コート方式とは、成膜にて得られた二軸延 ポリエチレンテレフタレートフィルムをコ ターにかけ、塗料を塗布・乾燥する方式で る。塗料の塗布方式としては、ロールコー 法、グラビアコート法、マイクログラビア ート法、リバースコート法、リバースグラ アコート法、バーコート法、ロールブラッ ュ法、エアーナイフコート法、カーテンコ ト法、ダイコート法などの任意の塗布方式 適宜、単独または組み合わせて適用するこ ができる。

 ここで、表面が易接着処理された基材層 厚さは、特に制限は無いが、例えば、10~500 m、好ましくは、50~200μmである。

 なお、表面が易接着処理された基材層は 必要であれば市販品を使用してもよい。

温度応答性ポリマー層
 本発明において、「表面がシラン処理され 温度応答性ポリマー層」は、前記したよう 、前記基材層上、特に易接着処理された基 層表面に形成されてなる。

 「温度応答性ポリマー層」において使用可 な温度応答性ポリマーは、細胞培養温度下( 通常、37℃程度)において疎水性を示し、培養 した細胞シートの回収時の温度下において親 水性を示し得るものである。
 ここで、温度応答性ポリマーが、疎水性か 親水性に変化する温度(水に対する臨界溶解 温度(T))は、特に限定されないが、培養後の 胞シートの回収の容易さの観点からは、細 培養温度よりも低い温度であることが好ま い。このような温度応答性ポリマー成分を むことで、細胞培養時においては、細胞の 場(細胞接着面)が充分に確保されるため、細 胞培養を効率よく行うことができる一方、培 養後の細胞シートの回収時においては、疎水 性部分を親水性に変化させ、培養された細胞 シートを細胞培養基材から分離させることで 、細胞シートの回収をより一層容易にするこ とができる。特に所定の臨界溶解温度未満の 温度で親水性を示し、同温度以上の温度で疎 水性を示す温度応答性ポリマーが好ましい。 このような温度応答性ポリマーにおける臨界 溶解温度を特に下限臨界溶解温度と呼ぶ。

 本発明において好適に使用できる温度応 性ポリマーは、具体的には下限臨界溶解温 Tが0~80℃、好ましくは0~50℃、より好ましく 室温程度であるポリマーが好ましい。Tが80 を越えると細胞が死滅する可能性があるの 好ましくない。またTが0℃より低いと、一 に細胞増殖速度が極度に低下するか、また 細胞が死滅してしまうため好ましくない。 お、例えば、Tが室温程度であると、細胞培 温度(通常、37℃程度)からTまで温度を下げ には、培養用のインキュベーターから培養 ているツールをインキュベーター外に出す けで、温度Tを達成できるため、操作性をよ 向上させることができる。

 このような好適なポリマーとしてはアク ル系ポリマー又はメタクリル系ポリマーが げられる。好適なポリマーは例えば特許文 1にも記載されている。具体的に適当なポリ マーとしては、例えば、ポリ−N−イソプロ ルアクリルアミド(T=32℃)、ポリ−N−n−プロ ピルアクリルアミド(T=21℃)、ポリ−N−n−プ ピルメタクリルアミド(T=32℃)、ポリ−N−エ トキシエチルアクリルアミド(T=約35℃)、ポリ −N−テトラヒドロフルフリルアクリルアミ (T=約28℃)、ポリ−N−テトラヒドロフルフリ メタクリルアミド(T=約35℃)、及び、ポリ−N ,N−ジエチルアクリルアミド(T=32℃)等が挙げ れる。その他のポリマーとしては、例えば ポリ−N−エチルアクリルアミド、ポリ−N イソプロピルメタクリルアミド、ポリ−N− クロプロピルアクリルアミド、ポリ−N−シ クロプロピルメタクリルアミド、ポリ−N− クリロイルピロリジン、ポリ−N−アクリロ ルピペリジン、ポリメチルビニルエーテル メチルセルロース、エチルセルロース、ヒ ロキシプロピルセルロース等のアルキル置 セルロース誘導体や、ポリポリプロピレン キサイドとポリエチレンオキサイドとのブ ック共重合体等に代表されるポリアルキレ オキサイドブロック共重合体や、ポリアル レシオキサイドブロック共重合体が挙げら る。

 本発明の好ましい態様においては、該ポ マーとしては、ポリ−N−イソプロピルアク リルアミド(PIPAAm)、ポリ—N−n—プロピルメ クリルアミド、ポリ—N,N−ジエチルアクリ アミド、より好ましくは、ポリ−N−イソプ ピルアクリルアミドが挙げられる。

 これらのポリマーを形成するためのモノ ーとしては、例えばモノマーの単独重合体 T=0~80℃を有するようなモノマーであって、 射線照射(好ましくは電子線照射)によって 合し得るモノマーが挙げられる。モノマー しては例えば、(メタ)アクリルアミド化合物 、N−(若しくはN,N−ジ)アルキル置換(メタ)ア リルアミド誘導体、環状基を有する(メタ) クリルアミド誘導体、及びビニルエーテル 導体等が挙げられ、これらの1種以上を使用 てよい。モノマーが一種類単独で使用され 場合、基材上に形成されるポリマーはホモ リマーとなり、モノマーが複数種一緒に使 された場合、基材上に形成されるポリマー コポリマーとなるが、どちらの形態も本発 に包含される。また、増殖細胞の種類によ て「T」を調節する必要がある場合や、被覆 物質と細胞培養支持体との相互作用を高める 必要が生じた場合や、細胞支持体の親水/疎 性のバランスを調整する必要がある場合な には、上記以外の他のモノマー類を更に加 て共重合してよい。更に本発明に使用する 記ポリマーとその他のポリマーとのグラフ またはブロック共重合体、あるいは本発明 ポリマーと他のポリマーとの混合物を用い もよい。また、ポリマー本来の性質が損な れない範囲で架橋してもよい。

 本発明の好ましい態様においては、該モ マーとしては、N−イソプロピルアクリルア ミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N,N ジエチルアクリルアミド、より好ましくは N−イソプロピルアクリルアミドが挙げられ る。

 本発明において、温度応答性ポリマー層の 成は下記のようにして行うことが出来る。
 すなわち、前記モノマーと、該モノマーを 解しうる有機溶媒と含む塗布用組成物を調 し、これを慣用の塗布方法に従って塗布す ことにより形成することができる。ここで 慣用の塗布方法としては、小面積の基材層 の塗布方法としては、例えば、スピンコー ー、バーコーター等による塗布法、噴霧塗 法等が挙げられ、また大面積の基材層への 布方法としては、例えば、ブレードコーテ ング法、グラビアコーティング法、ロッド ーティング法、ナイフコーディング法、リ ースロールコーティング法、オフセットグ ビアコーティング法等が使用できる。

 前記したモノマーを溶解しうる有機溶媒 しては、モノマーを溶解しうるものであれ 特に制限はないが、常庄下に於いて沸点120 以下、特に60~110℃のものが好ましい。好ま い溶媒としては、具体的にはメタノール、 タノール、n−プロパノール、2−プロパノ ル、n−ブタノール、2−ブタノール、及び水 等が挙げられ、これらは組み合わせて使用し ても良い。その他の溶媒、例えば1−ペンタ ール、2−エチル−1−ブタノール、2−ブト シエタノール、及びエチレン(若しくはジエ レン)グリコール又はそのモノエチルエーテ ル、等も使用可能である。必要であれば、上 記溶液にはその他添加剤として、硫酸等で代 表される酸類、モール塩等を配合してよい。

 本発明のより好ましい態様によれば、モ マーを溶解しうる有機溶媒としては、2−プ ロパノールである。また、塗布用組成物中の モノマーの含有量は5~70重量%であることが好 しい。

 塗布用組成物の塗布による塗膜形成後、 こに電子線を照射することによって、重合 応によるポリマー形性と、基材表面とポリ ーとの間のグラフト化反応を起こさせ、必 により塗膜を乾燥させて、前記有機溶媒を 去する。

 このようにして形成された温度応答性ポ マー層を、必要時応じてさらに洗浄しても い。基材表面上に共有結合により固定化さ たポリマー分子だけでなく、固定化されて ない遊離のポリマー分子や、未反応のモノ ー等が存在していると考えられ、洗浄によ 、これら遊離ポリマーや未反応物を除去す ことができるので好ましい。また後述する ラン処理の実効性を高める上でも有利であ 。ここで、洗浄方法は特に限定されないが 典型的には浸漬洗浄、遥動洗浄、シャワー 洗浄、スプレー洗浄、超音波洗浄等が挙げ れる。また洗浄液としては典型的には各種 系、アルコール系、炭化水素系、塩素系、 ・アルカリ洗浄液が挙げられる。

 本発明において、温度応答性ポリマー層の 覆量は、グラフトされたポリマーが温度応 性を発揮する必要な塗布量であればよく、 えば、5~80μg/cm 2 であり、10~50μg/cm 2 であることが好ましい。ポリマー被覆量が50 g/cm 2 を超過すると細胞接着性が低下してしまうと いう問題があり、逆に被覆量が5μg/cm 2 未満だと細胞剥離性が低下する。

 本発明においては、このようにして形成 れた温度応答性ポリマー層は、慣用のシラ カップリング剤、例えば、メタクリロキシ ラン、ビニルシラン、アミノシラン、エポ シシラン等を用いて、表面をシラン処理す 。好ましくは、ここで使用するシランカッ リング剤としては、メタクリロキシシラン ある。表面にシラン処理を施さないと、温 応答性ポリマー層と、細胞接着阻害材料層 の結合が十分でなく、温度応答性ポリマー 上に細胞接着阻害材料層を細胞パターン上 形成させることが十分にできなくなる場合 ある。これに対し、表面をシラン処理する とで、温度応答性ポリマー層と、細胞接着 害材料層との間の結合を確実にし、細胞接 阻害材料層による所望の細胞パターンの形 を確実にすることができる。

 ここで、シラン処理は、シランカップリ グ剤を溶解しうる有機溶媒を使用して溶解 せ、これを慣用の塗布方法、例えば、スピ ナー法、ダイコート法、浸漬法、グラビア 刷法、CVD(化学蒸着法)等により形成された 度応答性ポリマー層を塗布することにより うことができる。例えば、スピンナー法で う場合、条件は、700~2000rpmで、3~20秒程度と ることができる。

 またここで、シランカップリング剤を溶 しうる有機溶媒としては、例えば、イソプ ピルアルコール(IPA)、エタノール、1,3−ブ ンジオール、n−ブタノール、ペンタン、ク ロベンゼン、メチルアルコール、n−プロピ ルアルコール、イソペンチルアルコール、ベ ンジルアルコール、フェノール、ジエチルエ ーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコー ルジメチルエーテル、ジエチレングリコール ジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピ オニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル、塩化 メチレン、1,2−ジクロロエタン、ニトロエタ ン、ニトロメタン、ニトロベンゼン、アニリ ン、ピリジン、モルホリン、キノリン、ジメ チルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミ ド、N,N−ジメチルアセタミドおよび水等が挙 げられ、これらは組み合わせて使用しても良 い。好ましくは、該有機溶媒は、イソプロピ ルアルコールである。

 なお、表面をシラン処理した温度応答性 リマー層において、シラン処理層は温度応 性ポリマーと一体もしくは、区別不能な状 となっており、別個独立したそれぞれの層 形成しているのではないと考えられる。こ ため、本明細書においては、温度応答性ポ マー層という場合には、シラン処理を施し ものを含めて言う場合がある。なお、これ は理論もしくは仮定であって、本発明を限 するものではない。

 このようなポリマー被覆量またはシラン 理被覆量は、例えばフーリエ変換赤外分光 全反射法(FT−IR−ATR法)、被覆部若しくは非 覆部の染色や蛍光物質の染色による分析、 に接触角測定等による表面分析、X線光電子 分光法測定(XPS)を単独または併用して求める とが出来る。

 本発明の細胞パターン回収ツールにおい 、シラン処理された温度応答性ポリマー層 乾燥時の厚さは、0.001~10μmであることが好 しく、より好ましくは0.01~0.03μmである。

細胞接着阻害材料層
 本発明において、「細胞接着阻害材料層」 、前記したように、シラン処理された温度 答性ポリマー層上に形成されてなる。

 ここで、細胞接着阻害材料としては、細 と接着することを阻害する細胞接着阻害性 有するものであって、そのモノマーを、光 合開始剤と共に使用して、光重合反応に付 ことよって、光(例えば、紫外光)照射部分 ついて光重合反応を起こし、細胞接着阻害 料層を形成できるものであれば、特に制限 ない。このような細胞接着阻害材料として 、例えば、エチレングリコール系樹脂、具 的には、ポリエチレングルコールジアクリ ート、ポリエチレングルコールメタクリレ ト、リン脂質ポリマー、長鎖アルキル系材 、フッ素系材料などの撥水性材料、ポリビ ルアルコール(PVA)などの親水性材料等が挙げ られる。

 ここで使用可能な光重合開始剤としては 例えば、2−ヒドロキシ−4’−(2−ヒドロオ キシエトキシ)−2−メチルプロピオフェノン カンフォキノン、1−ヒドロキシシクロヘキ シルフェニルケトン、2,2−ジエトキシアセト フェノン、2−クロロベンゾフェノン、2−エ ルアントラキノン、4,4’−ビス(ジエチルア ミノ)ベンゾフェノン、9−フルオレノン、ベ ジル、ベンゾリン、ジフェニルヨードニウ ヘキサフルオロフォスフェート、N−メチル −9−アクリドン、トリブロモメチルフェニ スルホン等が挙げられる。

 本発明において、細胞接着阻害材料層の 成は下記のようにして行うことが出来る。 なわち、前記細胞接着阻害材料と、光重合 始剤と、これらを溶解しうる溶媒と含む溶 を調製し、これを慣用の塗布方法に従って 布した後、必要に応じて所望の細胞パター 形状をなすようにマスキングし、これを光( 紫外線)をマスク照射して、光重合反応を起 させる。次いで、表面を水等を用いて洗浄 て、重合反応に関与しなかった領域を洗い し、これによって、所望の細胞パターン状 細胞接着阻害材料層を形成させることがで る。あるいは、前記細胞接着阻害材料と、 重合開始剤と、これらを溶解しうる溶媒と 含む溶液をインクジェット方式、オフセッ 印刷方式、グラビア印刷方式、フレキソ印 方式、グラビアオフセット印刷方式、スク ーン印刷方式などで所定のパターンを形成 、全面光(紫外線または光重合開始剤の吸収 長)を照射する方法が考えられる。

 本発明においては、照射する光としては、 外光、例えば、波長150~600nm、照度1~100mW/cm 2 が使用することができるが、紫外光が好まし い。

 すなわち、本発明の好ましい態様によれ 、細胞接着阻害材料層において、温度応答 ポリマー層が露出されてなる領域と、温度 答性ポリマー層が細胞接着阻害材料に覆わ てなる領域とが交互に配置されることによ て、目的とする細胞パターンが形成されて る。すなわち、細胞接着阻害材料層におい 、かかる領域の交互の配置によって、目的 する細胞パターン(細胞シート)を形成可能 所望の形状が形成されてなる。より好まし は、このとき、温度応答性ポリマー層が露 されてなる領域を挟んで存在する、細胞接 阻害材料に覆われてなる領域同士の間の幅 、1μm~500μm、さらに好ましくは、2~200μmであ 。

 本発明の細胞パターン回収ツールにおい 、細胞接着阻害材料層の乾燥時の厚さは、0 .01~15μmであることが好ましく、より好ましく は、0.05~1.5μmである。

他の層または構造
 本発明において、基材層の形状としては、 ィッシュ形状や、フィルム形状などが挙げ れる。フィルム形状基材を用いる場合、フ ルム形状基材表面にグラフトされる温度応 性ポリマー層を形成した後、細胞培養に適 た形状(例えばディッシュ形状)に加工する とができる。加工の際は、必要に応じて他 材料からなる部材を前記基材と組み合わせ 使用することもできる。例えば、基材層の 面と粘着層を介して、ポリスチレンディシ 、シャーレの底面に形成し、それらを含め 、本発明による細胞パターン回収ツールと て使用することもできる。

細胞パターン回収ツールの製造方 法
 本発明の別の態様によれば、前記したよう 、本発明の細胞パターン回収ツールの製造 法であって、
 表面が易接着処理された基材層上に、温度 答性ポリマー層を形成した後、温度応答性 リマーの層の表面をシラン処理し、その上 光重合反応を利用して、細胞接着阻害材料 を、目的とする細胞パターンを形成しうる 状として、形成させることを含んでなる方 が提供される。
 なお図2は、本発明による細胞パターン回収 ツールの製造方法を、具体例を挙げて示した 概念図である。

細胞パターンの作製方法
 また本発明による細胞パターンの作製方法 、前記したいように、
 本発明による細胞パターン回収ツール上に 細胞を播種して、培養に適した温度条件下 て細胞を培養した後、該ツールの温度を、 度応答性ポリマーが疎水性から親水性に変 する臨界溶解温度またはそれより低い温度 変化させて、細胞を該ツールから剥離させ ことによって、目的とする細胞パターン(す なわち、所望の形状の細胞シート)を迅速に 収することを含んでなる。

 本発明の細胞パターン回収ツールを用い 、種々の細胞、例えば生体内の各組織、臓 を構成する上皮細胞や内皮細胞、収縮性を す骨格筋細胞、平滑筋細胞、心筋細胞、神 系を構成するニューロン、グリア細胞、繊 芽細胞、生体の代謝に関係する肝実質細胞 非肝実質細胞や脂肪細胞、分化能を有する 胞として、種々組織に存在する幹細胞、さ には骨髄細胞、ES細胞等から細胞パターン 作製することができる。こうして作製され 細胞パターンは、所望する特定の形状を有 、かつ、表面の接着因子が損なわれていな ことに加えて、細胞培養面に接した部分が 一な品質を有することから、再生医療など の利用に適したものである。また、細胞パ ーンを利用することでバイオセンサー等の 出デバイスへの応用へも展開できる。

 なお本明細書において、「約」および「 度」を用いた値の表現は、その値を設定す ことによる目的を達成する上で、当業者で れば許容することができる値の変動を含む 味である。

 本発明を以下の例によって詳細に説明す が、本発明はこれらに限定されるものでは い。

実施例1
(1−1) 温度応答性フィルムの作製
 N−イソプロピルアクリルアミドを、最終濃 度20重量%になるようにイソプロピルアルコー ル(IPA)に溶解させた。市販の易接着性ポリエ レンテレフタレートフィルム(三光産業社よ り入手、透明50−Fセパ1090)(以下において「易 接着PET」と略することがある)を調達し、こ を10cm角に切断した。ここに前記溶液を、易 着PETの易接着面に展開し、ミヤバーでコー ィングした。電子線照射装置(岩崎電気社製 )を用いて該サンプル上に電子線照射を行い 該溶液をグラフト重合した。このときの電 線照射線量は300kGyであった。

(1−2) 細胞接着阻害材料の形成
 メタクリロキシシラン(モメンティブパフォ ーマンスマテリアルズ社より入手、TSL8370)を 意し、これをイソプロピルアルコール(IPA) 0.1重量%になるように希釈した。
 前記で得られたフィルムを、0.7mm厚ガラス テープで固定し、スピンナー(ミカサ製)を用 いて、メタクリロキシシランをコーティング し、シラン処理を行った。このときのスピン ナー法の条件は700rpm×3秒であった。
 次いで、ポリエチレングリコールジアクリ ート(分子量300、アルドリッチ社より入手) 最終濃度50重量%になるように、純水で希釈 、ここに、重合開始剤として、2−ヒドロキ −4’−(2−ヒドロオキシエトキシ)−2−メ ルプロピオフェノン(アルドリッチ社より入 )を最終濃度1重量%になるように加えた。こ 溶液をスターラーで15分間攪拌した。

 これをシラン処理したフィルム上に1mL展開 、150μm厚PETフィルム(東レ株式会社製)を用 て所望のパターン形状が形成されるように マスキングした。次いで、フォトマスクを スキングフィルム上からギャップ200μm離し セットし、500mWマルチライト(ウシオ電機社 )を用いて、10秒間光照射した。光照射条件 、波長、365nmで、照度は75mW/cm 2 であった。
 その後、マスキングフィルムを剥離し、シ ン処理基材上にポリエリレングリコールジ クリレートが固定化されていることを目視 確認した。

(1−3) 細胞培養
 このようにして得られた培養支持体ツール 、20mmφに切り出し、粘着層を露出させ、35mm φポリスチレンディッシュ(ベクトンディッキ ンソン社製)底面に貼り付け、これを70%エタ ールにて滅菌した。滅菌時間は1時間とした
 マウス線維芽細胞(DSファーマバイオメディ ル社より入手)を、5×10 5 cells/cm 2 になるように調整し、ツール内に播種した。
 このとき、使用培地は5%FBS含有DMEM(ギブコ製 )であった。培養はCO 2 インキュベーターで37℃、5%CO 2 の条件にて行い、培養48時間後、細胞がパタ ン上に接着していることを位相差顕微鏡に り確認した。

 次いで、得られた細胞バターン上にビト ゲル(旭テクノグラス社製)を接触させ、室 下で20分間放置した後、ピンセットで慎重に ビトリゲルを剥離した。ビトリゲル上に、細 胞パターンが回収されていることを位相差顕 微鏡で確認した。

実施例2
(2−1) 温度応答性フィルムの作製
 実施例1の(1−1)の項と同様にして、温度応 性フィルムを作製した。

(2−2) 細胞接着阻害材料の形成
 メタクリロキシシラン(モメンティブパフォ ーマンスマテリアルズ社より入手、TSL8370)を 意し、これをイソプロピルアルコール(IPA) 0.1重量%になるように希釈した。
 前記で得られたフィルムを、0.7mm厚ガラス テープで固定し、スピンナー(ミカサ製)を用 いて、メタクリロキシシランをコーティング し、シラン処理を行った。このときのスピン ナー法の条件は700rpm×3秒であった。

 次いで、ポリエチレングリコールメタク レート(分子量525、アルドリッチ社より入手 )が最終濃度50重量%になるように、純水で希 し、ここに、重合開始剤として、2−ヒドロ シ−4’−(2−ヒドロオキシエトキシ)−2− チルプロピオフェノン(アルドリッチ社より 手)を最終濃度1重量%になるように加えた。 の溶液をスターラーで15分間攪拌した。

 これをシラン処理したフィルム上に1mL展開 、150μm厚PETフィルム(東レ株式会社製)を用 て所望のパターン形状が形成されるように マスキングした。次いで、フォトマスクを スキングフィルム上からギャップ200μm離し セットし、250mWマルチライト(ウシオ電機社 )を用いて、20秒間光照射した。光照射条件 、波長、365nmで、照度は38mW/cm 2 であった。
 その後、マスキングフィルムを剥離し、シ ン処理基材上にポリエリレングリコールメ クリレートが固定化されていることを目視 確認した。

(2−3) 細胞培養
 このようにして得られた培養支持体ツール 、7.5cmに切り出し、粘着層を露出させ、100mm φポリスチレンディッシュ(ベクトンディッキ ンソン社製)底面に貼り付け、これをエチレ オキサイドガスにて滅菌した。滅菌時間は2 間とした。
 ヒト正常血管内皮細胞(クラボウ社より入手 )を、5×10 4 cells/cm 2 になるように調整し、ツール内に播種した。
 このとき、使用培地は10%FBS含有HuMediaであっ た。培養はCO 2 インキュベーターで37℃、5%CO 2 の条件にて行い、培養48時間後、細胞がパタ ン上に接着していることを位相差顕微鏡に り確認した。

 次いで、得られた細胞バターン上にCellShi fter(セルシード社製)を接触させ、室温下で20 間放置した後、ピンセットで慎重にCellShifte rを剥離した。CellShifter上に、細胞パターンが 回収されていることを位相差顕微鏡で確認し た。

実施例3
(3−1) 温度応答性フィルムの作製
 実施例1の(1−1)の項と同様にして、温度応 性フィルムを作製した。

(3−2) 細胞接着阻害材料の形成
 メタクリロキシシラン(モメンティブパフォ ーマンスマテリアルズ社より入手、TSL8370)を 意し、これをイソプロピルアルコール(IPA) 1重量%になるように希釈した。
 前記で得られたフィルムを、0.7mm厚ガラス テープで固定し、スピンナー(ミカサ製)を用 いて、メタクリロキシシランをコーティング し、シラン処理を行った。このときのスピン ナー法の条件は1000rpm×3秒であった。

 次いで、ポリエチレングリコールジアク レート(分子量525、アルドリッチ社より入手 )が最終濃度50重量%になるように、IPAで希釈 、ここに、重合開始剤として、2−ヒドロキ −4’−(2−ヒドロオキシエトキシ)−2−メ ルプロピオフェノン(アルドリッチ社より入 )を最終濃度1重量%になるように加えた。こ 溶液をスターラーで15分間攪拌した。

 これをシラン処理したフィルム上に2mL展開 、スピンナーを用いて1000rpmで3秒間処理し 。次にフォトマスクをフィルム上からギャ プ200μm離してセットし、1kW自動露光装置(大 本科研株式会社製)を用いて、20秒間光照射 た。
 その後、シラン処理基材上にポリエリレン リコールジアクリレートが固定化されてい ことを目視で確認した。

 これにより、開口部幅60μmで遮光部幅300μm 、調整してマスク照射を行い、温度応答性 リマー層が露出されてなる領域(細胞接着領 )の幅が300μmとなり、また、温度応答性ポリ マー層が細胞接着阻害材料に覆われてなる領 域(細胞接着阻害領域)の幅が60μmとなるライ パターンの「サンプル1」を作製した。
 同様にして、細胞接着領域の幅が60μmとな 、また、細胞接着阻害領域の幅が300μmとな ラインパターンの「サンプル2」を作製した

(3−3) 細胞培養
 このようにして得られた培養支持体ツール 、7.5cmに切り出し、粘着層を露出させ、100mm φポリスチレンディッシュ(ベクトンディッキ ンソン社製)底面に貼り付け、これをエチレ オキサイドガスにて滅菌した。滅菌時間は2 間とした。
 ウシ血管内皮細胞(HS研究資源バンク社より 手)を、67000cells/cm 2 になるように調整し、ツール内に播種した。
 培養24時間後、細胞がパターン上に接着し いることを位相差顕微鏡により確認した。

 結果は図3に示されるとおりであった。
 なお図は、倍率40倍にて、細胞培養を行っ サンプル1およびサンプル2の表面を顕微鏡撮 影したものである。

実施例4 :ポリエチレングルコー ジアクリレートの密着性試験
 まず、実施例1の(1−1)の項と同様にして、 度応答性フィルムを作製した。
 次いで、実施例1の(1−2)と同様にシラン処 をした後、開口部幅300μmで遮光部幅60μmに、 調整してマスク照射を行い、温度応答性ポリ マー層が露出されてなる領域(細胞接着領域) 幅が60μmとなり、また、温度応答性ポリマ 層が細胞接着阻害材料に覆われてなる領域( 胞接着阻害領域)の幅が300μmとなるラインパ ターンの「サンプルA」を作製した。
 シラン処理を実施しない以外は同様にして サンプルB」を作製した。
 作製した各サンプルを用いて、実施例1と同 様にして細胞培養を行い、細胞パターンが適 切に回収できるか確認をした。

 結果は下記表に示される通りであった。
 表中、○は細胞パターンが適切に回収でき ことを意味し、△は細胞パターンと共にポ エチレングリコールジアクリレートの一部 ビトリゲルに転写されてしまったことを意 する。