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Title:
CEMENTED CARBIDE TOOL FOR FINE MACHINING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041412
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention aims at improving the durability of a die part having a shape of the order of micrometer by utilizing a tungsten oxide material and realizing the production of micro parts by using the die part. A cemented carbide tool for fine machining, whose machining tool part is made of a cemented carbide comprising tungsten carbide as the main component and has on the surface a thin film structure (2) which has a thickness of 20 to 200nm and comprises tungsten oxide (5) as the main component, wherein the thin film structure (2) comprising tungsten oxide (5) as the main component is in the state of any one of single crystal, polycrystal structure and amorphous structure (6) or a mixture of them and contains gold nanoparticles (7) having oxidation catalyst effect. The tool is useful as blanking die or tool, deep-drawing die or tool, or bending die or tool.

Inventors:
NAKANO SHIZUKA (JP)
OGISO HISATO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067148
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NAT INST OF ADVANCED IND SCIEN (JP)
NAKANO SHIZUKA (JP)
OGISO HISATO (JP)
International Classes:
B21D37/01; B01J23/68; C23C14/08; C23C16/34
Foreign References:
JP2005212002A2005-08-11
JPH0419016A1992-01-23
JP2002201033A2002-07-16
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Claims:
 加工工具部の材料が炭化タングステンを主材料とした超硬材料からなり、その表面に20nm以上200nm以下の厚さを持つ酸化タングステンを主材料とした薄膜構造を持たせたことを特徴とする微細加工用超硬材料工具。
 打ち抜き用金型工具、絞り用金型工具、曲げ用金型工具のいずれかとして使用され、その最小加工形状寸法が0.2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の微細加工用超硬材料工具。
 前記酸化タングステンを主材料とした薄膜構造は、単結晶、多結晶構造及びアモルファス構造のいずれか1つ、又は単結晶、多結晶構造及びアモルファス構造の混合状態からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の微細加工用超硬材料工具。
 前記酸化タングステンを主材料とした薄膜構造は、酸化触媒効果を持つ金属微粒子を含有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の微細加工用超硬材料工具。
Description:
微細加工用超硬材料工具

 この発明は、炭化タングステンを主材料 する超硬工具に関し、特に、表面構造の改 により工具寿命の改善されたに超硬工具に する。

 従来、炭化タングステンを主材料とした 硬材料は各種の工具に用いられている。ま 、表面をコーティング、浸炭、窒化等の技 により改質し寿命改善を図る技術も多く開 されているが、材料の硬質化を主体として る。

 一方、近年の携帯電話等に代表される小 装置や、プリンター等に用いられるマイク メートルオーダー寸法を持つ精密部品につ ても、機械加工や金型加工により加工する 求が増し、金型加工を基本にしたオンデマ ド型製造装置が提案されている。

 なお、各種のプレス作動を行う同一形態 プレス機を多数用意し、製品に合わせて任 に組み合わせて作動させる技術は、すでに 特願2007-039401号として本件出願人等により 案している。また、各種の加工装置を任意 組み合わせマイクロデバイス構造を加工す 技術について、特願2007-214759号として本件出 願人等により提案している。

 ところで、超硬材料の表面処理としては イオンプレーティングを用いた窒化処理技 についてすでに提案されている(特許文献1 照)ほか、TiC、TiN、TiCN、Al2O3ダイヤモンドラ クカーボン等により耐摩耗性、耐欠損性、 改善した加工工具についての技術が提案さ ている(特許文献2、3参照)。

 また、酸化タングステンは、光クロミッ 材料や水素センサー材料として情報機器や ンサー類への応用が提案されている(特許文 献4参照)が、工具材料としては利用されてい い。

特開昭51-089841号公報

特開2000-144300号公報

特開2006-117997号公報

特開2005-075654号公報

 微細金型工具について、その耐久性を向 し、マイクロメートル領域の構造を持つ部 の製造を金型プレス加工により実施できる うにすることが望まれている。

 しかしながら、微細加工プロセスでは、 具の寸法も非常に小さくなり、加工性の高 材料を加工する場合、また板厚と加工寸法 比が1以下と薄板加工の場合には工具の耐久 性もある程度得られるが、バネ材料など加工 性の悪い材料をワークとした場合や板厚が厚 い場合に工具耐久性が無くなる問題がある。

 これを解決するため、表面硬化技術や対 耗性向上のためのコーティングを行った場 でも、十分な効果が得られていない問題が る。

 また、工具寿命が非常に短く、生産に耐 られないため最終的にマイクロスケールの 造を持つような部品製造に金型加工を用い ことができない問題がある。

 本発明では、上記従来の問題を解決する とを目的とするものであり、過去に用いら ることの無かった酸化タングステン材料を 用することによりマイクロメートル領域の 状を持つ金型部品の耐久性を向上し、それ 用いた微小部品生産を実現することを課題 する。

 本発明は上記課題を解決するために、加 工具部の材料が炭化タングステンを主材料 した超硬材料からなり、その表面に20nm以上 200nm以下の厚さを持つ酸化タングステンを主 料とした薄膜構造を持たせたことを特徴と る微細加工用超硬材料工具を提供する。

 この微細加工用超硬材料工具は、打ち抜 用金型工具、絞り用金型工具、曲げ用金型 具のいずれかとして使用され、その最小加 形状寸法が0.2mm以下であることを特徴とす 。

 前記酸化タングステンを主材料とした薄 構造は、単結晶、多結晶構造及びアモルフ ス構造のいずれか1つ、又は単結晶、多結晶 構造及びアモルファス構造の混合状態からな ることを特徴とする。

 前記酸化タングステンを主材料とした薄 構造は、酸化触媒効果を持つ金属微粒子を 有することを特徴とする。

 本発明は以上のとおり、酸化タングステ 材料を利用することによりマイクロメート 領域の形状を持つ金型部品の耐久性を向上 、それを用いることで、微小部品生産を精 よく製造可能とする実現することが可能と る。

本発明に係る微細加工用超硬材料工具 実施例1を説明する図である。 本発明に係る微細加工用超硬材料工具 実施例1を説明する図である。

符号の説明

 1 超硬合金工具
 2 酸化タングステン構造
 3 炭化タングステンの粒子
 4 バインダーとしてのコバルト
 5 酸化タングステンナノ結晶の領域
 6 アモルファス状の領域
 7 金ナノ粒子

 本発明に係る微細加工用超硬材料工具の 施の形態を実施例に基づいて図面を参照し 、以下に説明する。

 本発明に係る微細加工用超硬材料工具は 微細な形状を持つ金型用の工具(金型工具) あり、加工寸法が0.2mm以下の大きさを持つ金 型工具である。この微細加工用超硬材料工具 の特徴は、その加工表面に、厚さ20nm以上200nm 以下の酸化タングステン構造を表面に一様に 形成してなる構成にある。

 このような構成とすることで、本発明に る微細加工用超硬材料工具は、超硬合金の 化タングステン粒子の欠落を防止し、また インダーコバルト材料による被加工材料と 結合を防ぎ、工具表面状態を安定化するこ ができる。

 本発明の実施例を図1及び図2を、参照し 以下に説明する。図1は、本発明の微細加工 超硬材料工具の表面近傍の概略図である。 発明の微細加工用超硬材料工具は、その加 工具部の本体として超硬合金工具1を備えて いる。この超硬合金工具1の表面に、酸化タ グステン構造2が一様に形成されている。

 超硬合金工具1は、炭化タングステンの粒 子3と、炭化タングステンの粒子3を結合する インダーとしてのコバルト4等から構成され ている。

 酸化タングステン構造2の詳細構造を図2 示す。この図2に示すように、酸化タングス ン構造2は、酸化タングステンナノ結晶の領 域5とアモルファス状の領域6からなる。或い 、酸化タングステンナノ結晶の領域5及びア モルファス状の領域6いずれかのみから成る 造でもよい。

 ここで、酸化タングステン構造2は、微細 加工用超硬材料工具のうち打ち抜き工具に対 してはその側面に、曲げ・絞り工具に対して は、その側面および被加工材料と接触する面 に形成するとよい。

 さらに、酸化タングステン構造2には、炭 化タングステンの粒子3の酸化を促進する触 効果のあるナノ粒子7(例えば、実施例で後記 する「金ナノ粒子」等)を含有させる。なお 酸化触媒を利用しない場合は、ナノ粒子7を 有しなくても良い。

 上記構成の本発明の微細加工用超硬材料 具の製造は、具体的に次のように行う。酸 タングステン構造2は、超硬合金工具1の表 酸化、スパッタ法、CVD法、PVD法、イオンプ ーティング法、イオン注入法又はエアロゾ デポジション法により、金型工具形状加工 に形成することを特徴とする。

 ここで、酸化タングステン構造を表面酸 により形成する場合には、炭化タングステ 構造への影響を最小にするため酸化触媒を 用し低温による酸化を行うことを特徴とす 。

 また、酸化タングステン構造の作成に、 パッタ法、CVD法、イオンプレーティング法 イオン注入法又はエアロゾルデポジション を用いる場合にも、これらの処理の後熱処 による酸化の促進を付与することが可能で る。

 工具形状を作成してから、酸化触媒とし 金ナノ粒子7を、塗布、スパッタ法、蒸着法 、又はイオン注入法等により、微細加工用超 硬材料工具の超硬合金工具1の表面に形成し その後427℃(700K)にて30分間大気中アニールを 施す。これにより、厚さ100nmの酸化タングス ン構造を作成している。

 酸化タングステン構造2は、結晶状態三酸 化タングステンが基本であり、部分的にアモ ルファス構造も存在している。酸化触媒の金 ナノ粒子7も10nm程度の大きさである。またコ ルトや炭素が残ったC4Co3W9構造も見られた。

(実験例)
 上記酸化タングステン構造2を超硬合金工具 1の表面に形成し、直径0.15mmの丸穴打ち抜き パンチに形成してなる本発明の微細加工用 硬材料工具を用意した。また、比較例とし 、超硬合金工具1の表面に酸化タングステン 造2を表面に形成されていないが、直径0.15mm の丸穴打ち抜き用パンチに形成してなる微細 加工用超硬材料工具を用意した。

 これらの2つの工具のそれぞれについて、 厚さ0.2mmのステンレスばね材(SUS304-CSP-1/2H)の ち抜き試験を行った。結果、未処理パンチ は1000回未満の打ち抜き回数で折損していた ンチが、最大15000回を超える打ち抜き可能 なった。

 以上、本発明に係る微細加工用超硬材料 具の最良の形態を実施例に基づいて説明し が、本発明はこのような実施例に限定され ことなく、特許請求の範囲記載の技術的事 の範囲内で、いろいろな実施例があること 言うまでもない。

 本発明に係る微細加工用超硬材料工具は 以上のような構成であるから、マイクロメ トル領域の構造を持つ部品の製造のための 型プレス加工用工具、絞り用金型工具、曲 用金型工具等に適用可能である。