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Title:
CHAIN TENSIONER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087733
Kind Code:
A1
Abstract:
A chain tensioner has a plunger (14) slidably fitted in a blind cylinder (12) formed in a housing (11), and the plunger (14) is elastically urged by a return spring (13) in the direction where the plunger projects from the cylinder (12). An engagement clip (19) is attached to the opening of the cylinder (12), and an engagement section engageable with the engagement clip (19) is provided at the end on the projection side of the plunger (14). The engagement clip (19) and the engagement section are engaged with and disengaged from each other depending on the rotational position of the plunger (14).

Inventors:
YOSHIMURA TOSHIMITSU (JP)
HAMANO HITOSHI (JP)
KUROKAWA YOSHIO (JP)
SEKI HIDEAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/050754
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 19, 2007
Export Citation:
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Assignee:
DAIDO KOGYO KK (JP)
YOSHIMURA TOSHIMITSU (JP)
HAMANO HITOSHI (JP)
KUROKAWA YOSHIO (JP)
SEKI HIDEAKI (JP)
International Classes:
F16H7/08; F02B67/06
Foreign References:
JP2002005250A2002-01-09
JPH08145130A1996-06-04
JPH08184353A1996-07-16
JP2005344872A2005-12-15
Other References:
See also references of EP 2123938A4
Attorney, Agent or Firm:
KOKUBUN, Takayoshi (NBF Ikebukuro City Building 17-8, Higashi-Ikebukuro 1-chome, Toshima-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 ハウジング内に形成された有底シリンダ部に摺動自在に嵌合するプランジャを有し、このプランジャをスプリングによって前記シリンダ部から突出方向に弾性付勢するようにしたチェーンテンショナであって、
 前記シリンダ部の開口部に係止クリップを装着すると共に、前記プランジャの突出側端部に前記係止クリップと係合可能な係合部を設け、前記プランジャの回動位置に応じて前記係止クリップ及び前記係合部が相互に係脱するようにしたことを特徴とするチェーンテンショナ。
 前記係合部は前記プランジャの外周面の一部を欠切成形してなり、その欠切面にて前記係止クリップと係合すると共に前記プランジャを回動操作可能にすることを特徴とする請求項1に記載のチェーンテンショナ。
 前記シリンダ部の開口部に前記係止クリップの装着用溝を有し、この装着用溝内に前記係止クリップが拡縮可能に収容されることを特徴とする請求項1又は2に記載のチェーンテンショナ。
 前記プランジャの外周面に長手方向に沿ってラチェットが形成され、前記プランジャの回動によりその係合部から離脱した前記係止クリップが、前記ラチェットに係合するようにしたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のチェーンテンショナ。
 前記係合部は、前記プランジャの直径方向対向位置に一対の前記欠切面を有することを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のチェーンテンショナ。
 前記係止クリップ及び前記ラチェットの係合時、前記係止クリップが前記ラチェットのラチェット山により拡開して前記プランジャの突出動作が許容され、そのラチェット溝と係合して前記プランジャの後退動作が規制されることを特徴とする請求項4又は5に記載のチェーンテンショナ。
 前記ラチェットは前記プランジャの外周方向の一部に形成され、前記プランジャの前記係合部及び前記ラチェットが相互に、前記プランジャの外周方向で離間し、又は部分的に重なるように配置されることを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載のチェーンテンショナ。
 前記プランジャの突出側端部付近にその回動動作を規制する規制手段を有し、前記規制手段を介して前記プランジャの回動を規制すると共に、前記ハウジングを回動可能にすることを特徴とする請求項1に記載のチェーンテンショナ。
 ハウジング内に形成された有底シリンダ部に摺動自在に嵌合するプランジャを有し、このプランジャをスプリングによって前記シリンダ部から突出方向に弾性付勢するようにしたチェーンテンショナであって、
 前記シリンダ部の開口部に係止クリップを装着すると共に、前記プランジャの外周面に長手方向に沿ってラチェットが形成され、前記係止クリップが、前記ラチェットに係合するようにしたことを特徴とするチェーンテンショナ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Description:
チェーンテンショナ

 本発明は、内燃機関等に使用される伝動 チェーンの弛みを防止するために用いるチ ーンテンショナに関する。

 内燃機関、例えば特に4サイクルエンジン 等において、クランクシャフトの回転をカム 軸に伝達する伝動機構においては、チェーン の弛み側にチェーンテンショナを設け、当該 チェーンテンショナの調整力をチェーンに付 与することでチェーンの張力を一定に保つよ うにしている。

 一般的なチェーンテンショナは、ハウジ グに形成されたシリンダ部に、スプリング プランジャとが組み込まれて構成されてい 。チェーンが弛んだ場合には、スプリング よって付勢されたプランジャによりチェー を押圧して適度な張力を保つように作用し チェーンに張力が生じてプランジャに対す 押し込み力が発生した場合には、プランジ の背部に充填された作動油の油圧により、 ランジャの後退を緩衝するように作用する

 この種のチェーンテンショナにおいては プランジャがスプリングによって付勢され いるため、納入時等の未使用時にプランジ の突出を防止する機構が必要となる。従来 一般的に用いられているプランジャの抑え 構としては、プランジャ及びハウジングに 合穴を設け、それぞれの係合穴にピンを連 させてセットして、プランジャの突出を防 する機構や、プランジャに係止溝を設け、 プリングピンを介して取り付けられた突出 止板を係止溝に係止することで、プランジ の突出を防止する機構等がある(例えば、特 許文献1参照)。

特開2005-344872号公報

 しかしながら、従来のプランジャの突出 防止する機構は、部品数が多く、また、プ ンジャに穴や溝等の加工を施すスペースが 要であり、チェーンテンショナのコンパク 化を阻害する問題があった。また、上記ピ を用いたものに関しては、例えばメンテナ ス時に、エンジン内からチェーンテンショ を取り外す場合、プランジャの突出防止の めに再びピンをセットする必要があり、取 性に優れているとは言い難い。

 本発明は係る実情に鑑みてなされたもの あり、コンパクト且つ簡易な構造で取扱性 に優れたチェーンテンショナを提供するこ を目的とする。

 本発明のチェーンテンショナは、ハウジン 内に形成された有底シリンダ部に摺動自在 嵌合するプランジャを有し、このプランジ をスプリングによって前記シリンダ部から 出方向に弾性付勢するようにしたチェーン ンショナであって、前記シリンダ部の開口 に係止クリップを装着すると共に、前記プ ンジャの突出側端部に前記係止クリップと 合可能な係合部を設け、前記プランジャの 動位置に応じて前記係止クリップ及び前記 合部が相互に係脱するようにしたことを特 とする。
 また、本発明のチェーンテンショナにおい 、前記係合部は前記プランジャの外周面の 部を欠切成形してなり、その欠切面にて前 係止クリップと係合すると共に前記プラン ャを回動操作可能にすることを特徴とする
 また、本発明のチェーンテンショナにおい 、前記シリンダ部の開口部に前記係止クリ プの装着用溝を有し、この装着用溝内に前 係止クリップが拡縮可能に収容されること 特徴とする。
 また、本発明のチェーンテンショナにおい 、前記プランジャの外周面に長手方向に沿 てラチェットが形成され、前記プランジャ 回動によりその係合部から離脱した前記係 クリップが、前記ラチェットに係合するよ にしたことを特徴とする。
 また、本発明のチェーンテンショナにおい 、前記係合部は、前記プランジャの直径方 対向位置に一対の前記欠切面を有すること 特徴とする。
 また、本発明のチェーンテンショナにおい 、前記係止クリップ及び前記ラチェットの 合時、前記係止クリップが前記ラチェット ラチェット山により拡開して前記プランジ の突出動作が許容され、そのラチェット溝 係合して前記プランジャの後退動作が規制 れることを特徴とする。
 また、本発明のチェーンテンショナにおい 、前記ラチェットは前記プランジャの外周 向の一部に形成され、前記プランジャの前 係合部及び前記ラチェットが相互に、前記 ランジャの外周方向で離間し、又は部分的 重なるように配置されることを特徴とする
 また、本発明のチェーンテンショナにおい 、前記プランジャの突出側端部付近にその 動動作を規制する規制手段を有し、前記規 手段を介して前記プランジャの回動を規制 ると共に、前記ハウジングを回動可能にす ことを特徴する。

 更に、本発明のチェーンテンショナは、 ウジング内に形成された有底シリンダ部に 動自在に嵌合するプランジャを有し、この ランジャをスプリングによって前記シリン 部から突出方向に弾性付勢するようにした ェーンテンショナであって、前記シリンダ の開口部に係止クリップを装着すると共に 前記プランジャの外周面に長手方向に沿っ ラチェットが形成され、前記係止クリップ 、前記ラチェットに係合するようにしたこ を特徴とする。

 以上のような本発明のチェーンテンショナ よれば、プランジャの回動位置に応じて係 クリップ及び係合部が相互に係脱する。例 ば納入時等においては係止クリップ及び係 部が係合し、このときプランジャはスプリ グの弾力によって突出方向に付勢されてい が、係止クリップとの係合により押込み状 にロックされ、不用意にシリンダ部から突 することはない。
 また、チェーンテンショナを作動可能とす ために、プランジャを回動させることで係 クリップによるプランジャの押込みロック 態が解除される。このようにプランジャの 単な回動操作で適宜これをロックし、又は のロック状態を解除することができる。

図1は、本発明の実施形態に係るチェー ンテンショナの適用例を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係るチェー ンテンショナの上面図及び正面図である。 図3Aは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナの断面図である。 図3Bは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナのプランジャの突出端部まわ の底面図である。 図3Cは、図3AのA-A線に沿う断面図であ 。 図4Aは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナにおけるプランジャのロック 解除する工程を示す図である。 図4Bは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナにおけるプランジャのロック 解除する工程を示す図である。 図4Cは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナにおけるプランジャのロック 解除する工程を示す図である。 図5Aは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナにおけるプランジャの押込み ック状態が解除された状態を示す図である 図5Bは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナにおけるプランジャ突出量が 大となった状態を示す図である。 図6は、本発明の実施形態に係るチェー ンテンショナにおけるプランジャの突出動作 工程を内部構造の動作状態I~IVと共に順に示 図である。 図7は、本発明の実施形態に係るチェー ンテンショナの実装例を示す斜視図である。 図8Aは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナを分解する工程を示す図であ 。 図8Bは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナを分解する工程を示す図であ 。 図8Cは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナを分解する工程を示す図であ 。 図8Dは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナを分解する工程を示す図であ 。 図9Aは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナを組み立てる工程を示す図で る。 図9Bは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナを組み立てる工程を示す図で る。 図9Cは、本発明の実施形態に係るチェ ンテンショナを組み立てる工程を示す図で る。 図10Aは、本発明の第2の実施形態に係 チェーンテンショナを示す斜視図である。 図10Bは、本発明の第2の実施形態に係 チェーンテンショナを示す側面図である。 図11Aは、本発明の第2の実施形態に係 チェーンテンショナを示す斜視図である。 図11Bは、本発明の第2の実施形態に係 チェーンテンショナを示す側面図である。 図12Aは、本発明の第3の実施形態に係 チェーンテンショナを示す斜視図である。 図12Bは、本発明の第3の実施形態に係 チェーンテンショナを示す断面図である。 図13Aは、本発明の第4の実施形態に係 チェーンテンショナを取り付ける工程を示 図である。 図13Bは、本発明の第4の実施形態に係 チェーンテンショナを取り付ける工程を示 図である。 図13Cは、本発明の第4の実施形態に係 チェーンテンショナを取り付ける工程を示 図である。

 以下、図面に基づいて本発明によるチェー テンショナの好適な実施形態を説明する。
 ここで先ず、図1は、本発明の実施形態に係 るチェーンテンショナ10の適用例を示してい 。その1例として、例えば4サイクルエンジ 100におけるカム駆動システムでチェーンテ ショナ10が使用される。図において、吸気側 カムシャフト101のスプロケット102及び排気側 カムシャフト103のスプロケット104とクランク シャフト105のスプロケット107との間にチェー ン106が巻回装架される。チェーン106はチェー ンガイド108によって走行ガイドされると共に 、チェーンテンショナ10によってテンショナ バー109を介して張力が付与されるようにな ている。

 テンショナレバー109は基端側で枢軸110に り回動可能に支持され、先端側でチェーン ンショナ10と結合する。チェーン106が弛ん 場合には、後述するようにリターンスプリ グによって付勢されたプランジャによりチ ーン106を押圧して、これに適度な張力を保 ように作用する。

 次に、図2及び図3A~3Cは、本実施形態に係 チェーンテンショナ10の構成例を示してい 。ここで概略説明すると、ハウジング11のシ リンダ部12にリターンスプリング13とプラン ャ14とが組み込まれ、リターンスプリング13 よってプランジャ14を突出方向に付勢する とにより、前述のチェーン106に対して調整 を付与する。

 図において、ハウジング11はアルミダイ ャスト等で成形され、その内部に有底のシ ンダ部12が穿設されている。このシリンダ部 12にはリターンスプリング13とともに、プラ ジャ14が摺動可能に組み込まれる。また、ハ ウジング11内にはシリンダ部12に連通する油 室15が形成されており(図3A参照)、この油圧 15に後述するチェックバルブ16から流入する 動油が保持される。

 更に、この実施形態ではハウジング11の 側にブラケット17を突出させると共に、各ブ ラケット17に固定用ボルト(図示せず)の挿通 18が形成される。チェーンテンショナ10を取 付ける際、エンジン100のシリンダブロック1 11の所定部位に該固定用ボルトによって締着 定される。

 チェックバルブ16は、油圧室15から外部に 連通した油口を有するバルブシート16aと、バ ルブシート16a上に配置されるボール16bと、ボ ール16bの突出を規制するストッパ16cとを含む 。このチェックバルブ16は、油圧室15に流入 る作動油を制御するものであり、チェーン10 6が伸びてプランジャ14が突出する場合には、 ボール16bがチェックシート16aから離間して作 動油が流れ込むようにする。そしてプランジ ャ14が押し込まれる方向に力を受けた場合、 ール16bがバルブシート16aの油口を閉じて油 室15内の作動油の逆流を阻止して作動油を 持する。

 さて、本発明においてシリンダ部12の開 部に係止クリップ19を装着すると共に、プラ ンジャ14の突出側端部に係止クリップ19と係 可能な係合部を設ける。そして、プランジ 14の回動位置に応じて係止クリップ19及び該 合部が相互に係脱するようになっている。

 上述の係合部としては例えばプランジャ1 4の外周面の一部を欠切成形してなり、その 切面にて係止クリップ19と係合すると共にプ ランジャ14を回動操作可能にするように構成 れる。より具体的にはプランジャ14の直径 向対向位置に形成された一対の欠切面とし 所謂、二面幅(もしくは二面幅カット面)20を する。

 この二面幅20はプランジャ14の先端部を相 互に平行に切除したもので、このように切除 することによりその後端部には、図3Cに示さ るようにプランジャ14の外周面に対して段 20aが形成される。段部20aの大きさ(高さもし は深さ)は、二面幅20のカット面の大きさに って決まるが、少なくとも段部20aを設ける とにより、後述するように係止クリップ19 係合し、両者の係合によりプランジャ14の突 出動作が規制されるものとする。

 また、シリンダ部12の開口部には係止ク ップ19の装着用溝21を有し、この装着用溝21 に係止クリップ19が拡縮可能に収容される。 装着用溝21内で係止クリップ19が拡縮変形し るように、少なくともそのような変形代を 保すべく係止クリップ19との間に適度な間隙 を持つ。装着用溝21は図3Bのようにハウジン 11の下面にて開口し、チェーンテンショナ10 シリンダブロック111に取り付けた際には、 ンジン100のシリンダブロック111の取付面に って密閉されるようになっている。

 ここで、係止クリップ19は典型的には円 断面形状を持つ鋼製線材により例えば概略U 状に形成され、所定の剛性及び弾性を備え いる。また、そのU字の直線状部位によりプ ランジャ14の二面幅20に弾接するように装着 れる。また、図示例ではU字の底部がシリン ブロック111の取付面側に位置するように装 される。

 なお、係止クリップ19の形状につき、U字 の他に例えばコ字状あるいはV字状、更には それらの中間的な多角形状等であってもよい 。U字状等とすることにより係止クリップ19の 開放端部側が広狭変形可能とし、二面幅20に 応する内幅が、前述のように拡縮変形し得 構成となっている。

 次に、プランジャ14の外周面の一部に長 方向に沿ってラチェット22が連設され、プラ ンジャ14の回動位置に応じて係止クリップ19 びラチェット22が相互に係脱するようになっ ている。

 この場合、プランジャ14の係合部(二面幅2 0)及びラチェット22は、該プランジャ14の外周 方向で重ならない位置に配置される。本実施 形態ではプランジャ14の二面幅20に対して、 えば円周方向90°程度ずれた部位に2条(もし は2列)のラチェット22が設けられる。なお、 のずれ量(角度)については、90°以下の適宜 角度であってよい。

 ここで、図6を参照してラチェット22はシ ンダ部12の内径と略同一の外径のラチェッ 山22aと、隣接するラチェット山22a間に形成 れるラチェット溝22bとを有する。ラチェッ 溝22bは谷状あるいは変形V字状に成形される 、そのV字の後側(図6において左方向)のテー パ面は、前側(図6において右方向、即ち突出 向側)の係合面よりも傾斜角度が緩く設定さ れている。一方、シリンダ部12の内周面にお て装着用溝21に連設するかたちでラチェッ 溝22bの係合面と向き合う角度のストッパ面23 (図3C参照)が形成されている。

 プランジャ14が突出方向への移動が許容 れた状態においては、後述するように係止 リップ19がラチェット22のラチェット山22aに って拡開しながらラチェット山22aを順次乗 越え、プランジャ14が段階的に移動する。 方、プランジャ14が後退する方向については 、ストッパ面23とラチェット溝22bの前述した 合面とにより係止クリップ19が挟持され、 ランジャ14の後退動作が規制される。即ち、 係止クリップ19及びラチェット22の係合時、 ランジャ14は突出方向には可動であり、後退 方向には移動できない。

 ラチェット22の最後部にはストッパ溝24が 形成されている。このストッパ溝24の後側に 成された側面(もしくは端面)24aは、プラン ャ13の軸方向に対して略垂直な壁となってい る。このため係止クリップ19がこの側面24aに 達した場合(図6、状態IV)、この側面24aと装 用溝21とにより係止クリップ19を挟持し、こ によりプランジャ14が抜け止めされるよう している。

 上記構成において、本発明によるチェーン ンショナ10の主要な作用を説明する。
 先ず、納入時等においては図1~図3A等に示さ れるようにプランジャ14がシリンダ部12内に し込まれた状態に保持される。この場合、 ランジャ14はその二面幅20が係止クリップ19 直線状部位に対応する回動位置にあり、図3C のように係止クリップ19と二面幅20、特に段 20aとが係合する。このときプランジャ14はリ ターンスプリング13の弾力によって突出方向 付勢されているが、係止クリップ19との係 により押込み状態にロックされ、不用意に リンダ部12から突出することはない。このよ うに納入時等において、コンパクトな形態を とり、且つその状態に的確に保持される。

 次に、チェーンテンショナ10を作動可能 して、実際に使用可能とするために係止ク ップ19によるプランジャ14の押込みロック状 が解除される。この作業は、チェーンテン ョナ10をエンジン100のシリンダブロック111 取り付けた状態で行うことができるが、そ 際工具(スパナ等)を用いてプランジャ14の二 幅20を把持し、回動操作する。

 図4A~4Cは、プランジャ14のロックを解除す る工程を順に示している。先ず、図4Aにおい 、上述のようにプランジャ14の二面幅20はシ リンダ部12から突出している。この状態でプ ンジャ14を回動させると、係止クリップ19が 二面幅20から次第に離脱し、二面幅20よりも 径のプランジャ14の外周面へ乗り上がる。こ れにより図4Bのように係止クリップ19が拡開 る。

 プランジャ14の回動に伴い、係止クリッ 19は二面幅20から離脱すると共に、一方、ラ ェット22が係止クリップ19の直線状部位に係 合する。この例ではプランジャ14を略90°程度 回動すると、図4Cのように係止クリップ19は 面幅20から完全に離脱し、同時にラチェット 22のラチェット溝22bに係合する。これにより 開していた係止クリップ19が再び元の幅状 に復帰し、プランジャ14に対するロック状態 が完全に解除される。

 更に、図5A,5B及び図6を参照してプランジ 14のロックが解除され、その後テンショナ して作動する動作について説明する。なお ここでチェーンテンショナ10は、例えば図7 ように実装される。テンショナレバー109の ランジャ14対応部位にはピン112を介して、パ ッド113が取り付けられ、プランジャ14がパッ 113に弾接するようになっている。

 図5Aはプランジャ14のロック解除時の状態 を示し、図5Bはその後プランジャ14がシリン 部12から突出して、その突出量が最大となっ た状態を示している。また、図6はその際の 部構造の動作状態I~IVを示す。なお、図6にお ける上段(円形領域に示したもの)は、図3AのA- A線断面に対応している。図6の状態Iでは前述 したように、係止クリップ19が二面幅20から 脱し、ラチェット22のラチェット溝22bに係合 する。プランジャ14はリターンスプリング13 弾力によって押し出され、シリンダ部12から 突出する。

 プランジャ14の突出動作に伴い、係止ク ップ19とラチェット22とが相対的にスライド ながら、プランジャ14が押し出されていく この間、係止クリップ19はラチェット山22a及 びラチェット溝22bを順次乗り越えあるいは係 合し、その際装着用溝21内で幅狭となり(状態 II)、あるいは拡開する(状態III)。

 次に、チェーンテンショナ10を分解し、あ いは組み立てる場合について説明する。
 図8A~8Dは、チェーンテンショナ10を分解する 場合の例を示している。図8Aにおいて、プラ ジャ14のシリンダ部12からの突出量が最大と なっている(図6状態IV参照)。このとき係止ク ップ19はラチェット22最後部のストッパ溝24 係合し、前述のようにプランジャ14の抜け 規制されるため、このままではチェーンテ ショナ10を分解することができない。

 プランジャ14を回動させると、係止クリ プ19がストッパ溝24から次第に離脱し、スト パ溝24よりも大径のプランジャ14の外周面へ 乗り上がる。これにより図8Bに示されるよう 係止リング19が拡開する。この例ではプラ ジャ14を略90°程度回動して、図8Cのようにプ ランジャ14をシリンダ部12から引き出し、更 図8Dのようにハウジング11から完全に引き抜 、分解することができる。

 なお、プランジャ14を回動させるのでは く、係止クリップ19を装着用溝21から引き抜 ことでも、プランジャ14をシリンダ部12から 引き抜き、分解することができる。

 図9A~9Cは、チェーンテンショナ10を組み立 てる場合の例を示している。図9Aにおいて、 ずリターンスプリング13の弾力に抗して、 ランジャ14をシリンダ部12内に押し込んでお 。このとき二面幅20が装着用溝21の両側に位 置するように、プランジャ14を回動させる。

 この状態で係止クリップ19を装着用溝21に 挿入し、図9Bのように係止クリップ19の直線 部位を二面幅20と係合させることで、組み立 てることができる。この場合、組立て後は前 述したように係止クリップ19と二面幅20(段部2 0a)とが係合し、これによりプランジャ14の突 動作が規制される。

 次に、本発明のチェーンテンショナの第2 の実施形態を説明する。図10A,10B及び図11A,11B 、第2の実施形態に係るチェーンテンショナ 10の例を示している。この実施形態において 前述した実施形態と同様にプランジャ14の 端部に直径方向対向位置に形成された一対 二面幅20を有する。また、プランジャ14の外 面の一部に長手方向に沿ってラチェット22 連設される。

 この実施形態では特に、プランジャ14の 面幅20及びラチェット22は、該プランジャ14 円周方向で相互に部分的に重なる位置に配 される。即ち、図10A,10B等に示されるように 面幅20及びラチェット22のそれぞれ円周方向 の端部同士が、その円周方向で見て適度にオ ーバラップするように配置される。なお、図 10Bのようにそのオーバラップ量Sとする。

 なお、シリンダ部12の開口部に係止クリ プ19の装着用溝21を有し、この装着用溝21内 係止クリップ19が拡縮可能に収容される。係 止クリップ19は前述した実施形態の場合と実 的に同様に、装着用溝21内で二面幅20あるい はラチェット22と係合する。その他の構成に いても前述の実施形態と実質的に同様であ 。

 本発明の第2の実施形態において、先ず、 納入時等にはプランジャ14がシリンダ部12内 押し込まれた状態に保持される。前述のよ にプランジャ14はその二面幅20が係止クリッ 19の直線状部位に対応する回動位置にあり 段部20aと係合することで押込み状態にロッ される。

 チェーンテンショナ10を作動可能とする めにプランジャ14の二面幅20にて回動操作す 。プランジャ14を回動させると、係止クリ プ19が二面幅20から次第に離脱し、二面幅20 円周方向の端部(縁部)にてプランジャ14の外 面へ乗り上がる。このときラチェット22の 部は円周方向で見て、既に係止クリップ19( 直線状部位)に対応する位置に到達しており 係止クリップ19は二面幅20から完全に離脱す ると略同時に、ラチェット22のラチェット溝2 2bに係合する。

 プランジャ14のロック解除後、ラチェッ 溝22bに係合し、前述の実施形態の場合と同 にその後プランジャ14がシリンダ部12から突 する。この実施形態ではプランジャ14の二 幅20とラチェット22とが、プランジャ14の円 方向で相互に部分的にオーバラップするよ に配置されることで、二面幅20からラチェッ ト溝22bに円滑且つ適正に移行することができ る。

 次に、本発明のチェーンテンショナの第3 の実施形態を説明する。図12A,12Bは、第3の実 形態に係るチェーンテンショナ10の例を示 ている。この実施形態において、前述した 施形態と同様にプランジャ14の先端部に直径 方向対向位置に形成された一対の二面幅20を する。

 この実施形態では特に、プランジャ14の 周面全周域にラチェット22が形成される。ラ チェット22の長手方向の長さについては、上 の実施形態の場合と同様な領域に設けられ が、各ラチェット溝22bは言わば円周溝とし 全周に形成される。

 また、ラチェット22の最後部にはストッ 溝24が形成される。このストッパ溝24の後側 形成された側面24aは、プランジャ14の軸方 に対して略垂直な壁となっている。この実 形態では側面24aは、プランジャ14の全周のう ち少なくとも一部には設けられていない。あ るいはその一部において、プランジャ14の軸 向に対して略垂直な壁とせずに、緩やかに 斜する傾斜面として形成される。なお、側 24aを設けない、あるいは傾斜面とする部位 しては、例えばプランジャ14の円周方向に いて二面幅20に対応する部位に設定すること ができる。

 なお、この第3の実施形態においても、シ リンダ部12の開口部に係止クリップ19の装着 溝21を有し、この装着用溝21内に係止クリッ 19が拡縮可能に収容される。係止クリップ19 は前述した実施形態の場合と実質的に同様に 、装着用溝21内で二面幅20あるいはラチェッ 22と係合する。その他の構成についても前述 の実施形態と実質的に同様である。

 本発明の第3の実施形態において、前述の 実施形態の場合と同様に納入時等にはプラン ジャ14がシリンダ部12内に押し込まれた状態 保持される。プランジャ14はその二面幅20が 止クリップ19の直線状部位に対応する回動 置にあり、段部20aと係合することで押込み 態にロックされる。

 また、チェーンテンショナ10を作動可能 するためにプランジャ14の二面幅20にて回動 作する。プランジャ14を回動させると、係 クリップ19が二面幅20から離脱し、これと同 にラチェット22のラチェット溝22bに係合す 。この場合、ラチェット22がプランジャ14の 周面全周に形成されているため、二面幅20 らラチェット溝22bに円滑且つ確実に移行す ことができる。

 なお、チェーンテンショナ10を分解する 合、係止クリップ19が前述したストッパ溝24 側面24aが設けられていない部位に対応する うに、プランジャ14を回動することでプラ ジャ14をシリンダ部12から引き抜き、分解す ことができる。

 次に、本発明のチェーンテンショナの第4 の実施形態を説明する。図13A~13Cは、第4の実 形態に係るチェーンテンショナ10の例を示 ている。この実施形態において、チェーン ンショナ10の基本構成は前述した実施形態と 略同様であり、即ちシリンダ部12の開口部に 止クリップ19を装着すると共に、プランジ 14の突出側端部に二面幅20を設ける。プラン ャ14の回動位置に応じて係止クリップ19及び 二面幅20が相互に係脱するようになっている

 第4の実施形態では図13Aに示すようにシリ ンダブロック111の所定部位にチェーンテンシ ョナ10を搭載するための収容穴114が形成され この収容穴114にシリンダブロック111の外側 らチェーンテンショナ10を挿入・取付する うになっている。

 この例では収容穴114は断面円形とし、ハ ジング11を収容し得る深さ(長さ)を有する。 なお、ハウジング11は断面円形とし、収容穴1 14内で回動可能である。収容穴114の底部114aか ら先(シリンダブロック111内側)には更に、プ ンジャ14と略同径で該プランジャ14を挿通可 能な通孔115が形成され、シリンダブロック111 内部で開口している。

 また、ハウジング11の後端にはフランジ 25が付設され、このフランジ部25にてチェー テンショナ10を取付・固定するようになっ いる。フランジ部25には固定用ボルト26の挿 孔27が形成され、一方、シリンダブロック11 1には固定用ボルト26が螺合する螺子穴116が形 成されている。チェーンテンショナ10を取り ける際、固定用ボルト26によってシリンダ ロック111の所定部位に締着固定される。な 、挿通孔27は図13Aの点線で示すようにフラン ジ部25の円周方向に沿った長穴としてもよい

 この実施形態では更に、プランジャ14の 端部外周において小ピン28が植設されている 。小ピン28はプランジャ14の略半径方向に突 し、一方、シリンダブロック111側には通孔11 5に連通するかたちで、小ピン28を通過可能に する溝117が形成される。この溝117はプランジ ャ14の長手方向に沿って、小ピン28の直径よ も適度に広い幅を有する。

 第4の実施形態において、シリンダブロッ ク111の所定部位にチェーンテンショナ10を搭 する際、プランジャ14がシリンダ部12内に押 し込まれた状態に保持される。先ず、図13Aに 示すようにシリンダブロック111の取付穴14に ウジング11が挿入される。同時にプランジ 14が通孔115に挿入される。

 ハウジング11の挿入後、小ピン28が溝117の 途中位置に停止される。フランジ部25を利用 て、図13Bのようにハウジング11を矢印のよ に回動させる。このとき小ピン28は溝117内に 配置されているため、溝117によって回転が規 制されるのでプランジャ11自体の回動も規制 れる。ハウジング11内に装着されている係 クリップ19は、ハウジング11の回動に伴ない ランジャ14の二面幅20に対して相対的に回動 する。これにより前述の実施形態の場合と同 様に、係止クリップ19は二面幅20から離脱す と共にラチェット22に係合し、この結果プラ ンジャ14に対するロック状態が解除される。

 そして、図13Cのようにプランジャ14がハ ジング11から突出し、チェーンテンショナ10 作動可能状態になる。なお、このとき小ピ 28は溝117から離脱し、両者が干渉し合うこ はない。最終的にフランジ部25の挿通孔27を リンダブロック111の螺子穴116に位置合せし チェーンテンショナ10を固定用ボルト26によ って、シリンダブロック111の所定部位に締着 固定される。

 第4の実施形態によれば、シリンダブロッ ク111等の外側からでもハウジング11を回動す だけの簡単な作業によりチェーンテンショ 10を作動可能状態にすることができる。チ ーンテンショナ10の実装を容易化し、使用性 及び取扱性等に優れた利点を有する。

 ここで、例えばこの例のようにシリンダ ロック111の外側からチェーンテンショナ10 挿入・取付する場合、図7に示したようにテ ショナレバー109に取り付けられたパッド113 利用することができる。即ち、この場合パ ド113は、プランジャ14の二面幅20よりも適度 に広幅の一対のガイドプレート113aを有する

 シリンダブロック111の所定部位にチェー テンショナ10を搭載する際、図7のようにガ ドプレート113aによって二面幅20を両側から 持することで、プランジャ14の回動を規制 る。そして、ハウジング11側を前述の場合と 実質的に同様に回動させることで、プランジ ャ14に対するロック状態を解除することがで る。

 以上、各実施形態と共に説明したように 発明のチェーンテンショナ10において、例 ば納入時等にはプランジャ14を押し込んだ状 態とし、プランジャ14又はハウジング11を回 操作するだけの簡易な操作で二面幅20及び係 止クリップ19を相互に係脱可能にする。そし 、プランジャ14をロック状態にして突出を 止し、又はその突出を許容することができ 取扱性に極めて優れている。

 また、プランジャ14には簡単な加工を施 だけで済み、部品点数としても極めて少な て済み、構成の簡素化を図ることができる コンパクトな装置を実現することができる 、コスト的にも極めて有利である。

 なお、本発明は上述した実施形態に限定 れるものではなく、本発明の範囲内で変更 が可能である。例えば、プランジャ14にお て二面幅20を設ける例を説明したが、剛性等 の条件を満足すれば、いずれか片側にのみカ ット面を形成したものであっても可能である 。更に、第一の実施形態等において二面幅20 ラチェット22が90°程度ずれた例を説明した 、これらの数値は変更可能である。

 また、本発明は係止クリップ19をラチェ ト22に対してのみ組み合わせて使用する形態 も可能である。即ち、ハウジング内に形成さ れた有底シリンダ部に摺動自在に嵌合するプ ランジャを有し、このプランジャをスプリン グによってシリンダ部から突出方向に弾性付 勢する、かかる基本構成は上述の実施形態の 場合と同様である。シリンダ部12の開口部に 止クリップ19を装着すると共に、プランジ 14の外周面に長手方向に沿ってラチェット22 形成される。そして、係止クリップ19が、 チェット22に係合するようにする。

 係止クリップ19はプランジャ14に対して側 方から挿入することができるため、係合部( 面幅20)を持たないタイプのチェーンテンシ ナに対して、係合クリップ19及びラチェット 22間の係合動作を適用することができる。

 以上のように本発明によれば、プランジャ 回動位置に応じて係止クリップ及び係合部 相互に係脱し、プランジャの簡単な回動操 で適宜プランジャをロックし、又はそのロ ク状態を解除することができる。取扱性に めて優れていると共に、プランジャ等に簡 な加工を施すだけで済み、部品点数として 極めて少なくて済み、構成の簡素化を図る とができる。コンパクトでコスト的にも極 て有利なチェーンテンショナ装置を提供す ことができる。