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Patent Searching and Data


Title:
CHALCOGENIDE FILM AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/044769
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a chalcogenide film which is formed within a contact hole, which is formed in an insulating layer on a substrate, by sputtering. A base film is formed on at least the bottom surface of the contact hole, and a crystal layer composed of a chalcogen compound is so formed on the base film as to fill the contact hole.

Inventors:
KIKUCHI SHIN (JP)
NISHIOKA YUTAKA (JP)
KIMURA ISAO (JP)
JIMBO TAKEHITO (JP)
SUU KOUKOU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067823
Publication Date:
April 09, 2009
Filing Date:
October 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ULVAC INC (JP)
KIKUCHI SHIN (JP)
NISHIOKA YUTAKA (JP)
KIMURA ISAO (JP)
JIMBO TAKEHITO (JP)
SUU KOUKOU (JP)
International Classes:
H01L45/00; H01L27/105
Foreign References:
JP2007019475A2007-01-25
JP2007165710A2007-06-28
JPH11510317A1999-09-07
JP2006202823A2006-08-03
JP2008182234A2008-08-07
JP2007258563A2007-10-04
JP2004348906A2004-12-09
Other References:
See also references of EP 2207216A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (MarunouchiChiyoda-ku, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 基板上の絶縁層に形成されたコンタクトホール内にスパッタリングにより成膜されたカルコゲナイド膜であって、
 前記コンタクトホールの少なくとも底部に下地膜が形成され、この下地膜上かつ前記コンタクトホール内にカルコゲン化合物からなる結晶層を埋め込んでなることを特徴とするカルコゲナイド膜。
 請求項1に記載のカルコゲナイト膜であって、
 前記下地膜は、前記結晶層よりも微細なカルコゲン化合物からなる微細結晶層である。
 請求項2に記載のカルコゲナイト膜であって、
 前記微細結晶層は面心立方晶であり、前記結晶層は六方晶である。
 請求項2に記載のカルコゲナイト膜であって、
 前記下地膜の厚みは、前記コンタクトホールの深さに対して10%以上かつ20%以下である。
 請求項1に記載のカルコゲナイト膜であって、
 前記下地膜は、金属酸化物からなる。
 請求項5に記載のカルコゲナイト膜であって、
 前記金属酸化物は、Ta 2 O 5 と、TiO 2 と、Al 2 O 3 と、V 2 O 5 との群から選択される1種または2種以上である。
 請求項5に記載のカルコゲナイト膜であって、
 前記下地膜の厚みは、0.1nm以上かつ2nm以下である。
 請求項1に記載のカルコゲナイト膜であって、
 前記カルコゲン化合物は、Sと、Seと、Teとの群から選択される1種または2種以上を含有してなる。
 請求項8に記載のカルコゲナイト膜であって、
 前記カルコゲン化合物は、Teを30重量%以上かつ60重量%以下、Geを10重量%以上かつ70重量%以下、Sbを10重量%以上かつ40重量%以下、Seを10重量%以上かつ70重量%以下含有し、かつ、これらTe、Ge、Sb及びSeの含有率の合計が100重量%以下である。
 基板上の絶縁層に形成されたコンタクトホール内にスパッタリングによりカルコゲナイド膜を成膜する方法であって、
 前記基板の温度を200℃以下、好ましくは100℃以上かつ200℃以下に保ちつつ前記コンタクトホールの少なくとも底部に下地膜を形成する工程と、
 前記基板の温度をカルコゲン化合物の構成元素が揮発しない温度に保ちつつ、前記下地膜上かつ前記コンタクトホール内にスパッタリングおよびリフローによりカルコゲン化合物からなる結晶層を埋め込む工程とを備えてなることを特徴とするカルコゲナイド膜の製造方法。
 請求項10に記載のカルコゲナイト膜の製造方法であって、
 前記結晶層を埋め込む工程における前記基板の温度は、250℃以上、好ましくは300℃以上、より好ましくは300℃以上かつ400℃以下である。
 基板上の絶縁層に形成されたコンタクトホール内にスパッタリングによりカルコゲナイド膜を成膜する方法であって、
 前記コンタクトホールの少なくとも底部に金属酸化物からなる下地膜を形成する工程と、
 前記下地膜上かつ前記コンタクトホール内にスパッタリングおよびリフローによりカルコゲン化合物からなる結晶層を埋め込む工程と、
を備えることを特徴とするカルコゲナイド膜の製造方法。
Description:
カルコゲナイド膜およびその製 方法

 本発明は、カルコゲナイド膜およびその製 方法に関し、更に詳しくは、相変化メモリ の、不揮発にて動作が可能な高集積度メモ の記録層に好適に用いられ、内部に空隙や ラック等の欠陥が生じ難いカルコゲナイド およびその製造方法に関する。
 本願は、2007年10月02日に、日本国に出願さ た特願2007-258563号に基づき優先権を主張し、 その内容をここに援用する。

 近年、携帯用電話機や携帯用情報端末等の 帯用機器においては、画像データ等の多量 情報を取り扱うニーズが高まっている。そ ため、これらの携帯用機器に搭載される記 素子についても、高速、低消費電力、大容 かつ小型の不揮発性メモリへの要求が高ま ている。
 中でも、カルコゲン化合物を利用した、結 状態により抵抗値が変化する抵抗変化型不 発性メモリ(抵抗変化型記憶素子)は、高集 化かつ不揮発にて動作が可能なメモリとし 注目を集めている(例えば、特許文献1等参照 )。
 この抵抗変化型不揮発性メモリは、記録層 なるカルコゲナイド膜を2つの電極で挟持し た単純な構造を有し、室温においても、記録 状態を安定に維持できる。そのため、10年を える記憶保持も十分可能な優れたメモリで る。

 ところで、従来の抵抗変化型不揮発性メモ では、高集積化するために、単純に素子サ ズを微細化していくと、隣接する素子との 隔が極めて狭くなってしまう。例えば、1つ の素子の記録層を相変化させるために、その 上下の電極に所定の電圧を印加すると、この 下部の電極からの発熱が、隣接する素子へ悪 影響を及ぼす虞があった。
 そこで、基板上に熱伝導率の低い絶縁層を 膜し、この絶縁層に小径の孔(コンタクトホ ールと称する)を形成し、このコンタクトホ ルにカルコゲン化合物を埋め込むことによ 、素子を分離する構造が考えられる。この 造は、従来、コンタクトホールにカルコゲ 化合物をスパッタリングによって埋め込む 法により実現されていた。

特開2004-348906号公報

 しかしながら、上述したように、カルコ ン化合物をスパッタリングによってコンタ トホールに埋め込む方法では、スパッタリ グによる成膜の特性上、コンタクトホール 直径に対して孔の深さが2倍程度以上になる と、カルコゲン化合物によってコンタクトホ ールを完全に埋められず、中心部分にボイド (空隙)が残ってしまうという課題があった。 ンタクトホールを埋めるカルコゲン化合物 ボイドが生じると、電気抵抗が増加し、導 不良を引き起こす。

 また、カルコゲン化合物は、例えば200℃程 までは比較的粒径の小さい結晶状態(面心立 方晶)であるが、それよりも高温になると、 径の粗い結晶状態(六方晶)をとる。このため 、スパッタリングによってカルコゲン化合物 は高温に晒され、粗粒化してしまう。粗粒化 したカルコゲン化合物は、コンタクトホール を形成している絶縁膜(例えば、SiN,SiO 2 )に対して、密着性が大きく低下する。この め、カルコゲン化合物がコンタクトホール ら剥離し、コンタクトホールにボイドが発 し、導通不良が引き起こされるという課題 あった。

 本発明は、上記の課題を解決するために されたものであって、内部に空隙やクラッ 等の欠陥が生じ難いカルコゲナイド膜およ その製造方法の提供を目的とする。

 本発明は上記課題を解決して係る目的を達 するために以下の手段を採用した。
(1)本発明に係るカルコゲナイド膜は、基板上 の絶縁層に形成されたコンタクトホール内に スパッタリングにより成膜されたカルコゲナ イド膜であって、前記コンタクトホールの少 なくとも底部に下地膜が形成され、この下地 膜上かつ前記コンタクトホール内にカルコゲ ン化合物からなる結晶層が埋め込まれてなる 。

(2)前記下地膜は、前記結晶層よりも微細なカ ルコゲン化合物からなる微細結晶層であるの が好ましい。
(3)前記微細結晶層は面心立方晶であり、前記 結晶層は六方晶であるのが好ましい。
(4)前記下地膜の厚みは、前記コンタクトホー ルの深さに対して10%以上かつ20%以下であるの が好ましい。

(5)前記下地膜は、金属酸化物により形成され ているのが好ましい。
(6)前記金属酸化物は、Ta 2 O 5 と、TiO 2 と、Al 2 O 3 と、V 2 O 5 との群から選択される1種または2種以上であ のが好ましい。
(7)前記下地膜の厚みは、0.1nm以上かつ2nm以下 あるのが好ましい。

(8)前記カルコゲン化合物は、S、Se、Teの群か 選択される1種または2種以上を含有してな のが好ましい。
(9)前記カルコゲン化合物は、Teを30重量%以上 つ60重量%以下、Geを10重量%以上かつ70重量% 下、Sbを10重量%以上かつ40重量%以下、Seを10 量%以上かつ70重量%以下含有し、かつ、これ Te、Ge、Sb及びSeの含有率の合計が100重量%以 であるのがさらに好ましい。

(10)本発明のカルコゲナイド膜の製造方法 、基板上の絶縁層に形成されたコンタクト ール内にスパッタリングによりカルコゲナ ド膜を成膜する方法であって、前記基板の 度を200℃以下、好ましくは100℃以上かつ200 以下に保ちつつ前記コンタクトホールの少 くとも底部に下地膜を形成する工程と、前 基板の温度をカルコゲン化合物の構成元素 揮発しない温度に保ちつつ、前記下地膜上 つ前記コンタクトホール内にスパッタリン およびリフローによりカルコゲン化合物か なる結晶層を埋め込む工程とを備える。

(11)前記結晶層を埋め込む工程における前 基板の温度は、250℃以上、好ましくは300℃ 上、より好ましくは300℃以上かつ400℃以下 あるのが好ましい。

(12)本発明のカルコゲナイド膜の製造方法 、基板上の絶縁層に形成されたコンタクト ール内にスパッタリングによりカルコゲナ ド膜を成膜する方法であって、前記コンタ トホールの少なくとも底部に金属酸化物か なる下地膜を形成する工程と、前記下地膜 かつ前記コンタクトホール内にスパッタリ グおよびリフローによりカルコゲン化合物 らなる結晶層を埋め込む工程と、を備える

 上記(1)に記載のカルコゲナイド膜によれ 、カルコゲン化合物からなる結晶層の下地 して下地膜を形成したので、カルコゲナイ 膜のコンタクトホールに対する結晶層の密 性を高められる。

 上記(2)または(5)に記載の場合、微細な結晶 子をもつカルコゲン化合物や、金属酸化膜 下地膜を形成することによって、コンタク ホールの内壁面に接触するカルコゲナイド の面積が大きくなり、コンタクトホールと ルコゲナイド膜との密着性を大幅に高めら る。従って、カルコゲナイド膜がコンタク ホールから剥離(離脱)して、コンタクトホ ルにボイドが発生し、下部電極と上部電極 の間で導通不良が引き起こされるといった 具合を確実に防止できる。
 また、コンタクトホールとカルコゲナイト との密着性が高まることで、カルコゲナイ 膜を介した下部電極と上部電極との間の電 抵抗が低減され、導電性が高められる。そ ため、優れた電気的特性を備えた半導体装 、例えば、抵抗変化型不揮発性メモリを実 できる。

 また、上記(10)または(12)に記載のカルコ ナイド膜の製造方法によれば、結晶層より 微細な結晶粒径のカルコゲン化合物や、金 酸化膜で下地膜を形成することによって、 ンタクトホールの内壁面に対するカルコゲ イド膜の接触面積を大きくできる。そのた 、コンタクトホールとカルコゲナイド膜と 密着性を大幅に高められる。従って、コン クトホールから剥離(離脱)してコンタクトホ ールにボイドが発生し、下部電極と上部電極 との間で導通不良が引き起こされるといった 不具合を確実に防止したカルコゲナイド膜を 製造できる。

図1は、本発明の第一の実施形態に係る カルコゲナイド膜を示す断面図である。 図2は、本発明の第二の実施形態に係る カルコゲナイド膜を示す断面図である。 図3Aは、第一の実施形態におけるカル ゲナイド膜の製造方法を示す断面図である 図3Bは、第一の実施形態におけるカル ゲナイド膜の製造方法を示す断面図である 図3Cは、第一の実施形態におけるカル ゲナイド膜の製造方法を示す断面図である 図3Dは、第一の実施形態におけるカル ゲナイド膜の製造方法を示す断面図である 図4Aは、第二の実施形態におけるカル ゲナイド膜の製造方法を示す断面図である 図4Bは、第二の実施形態におけるカル ゲナイド膜の製造方法を示す断面図である 図4Cは、第二の実施形態におけるカル ゲナイド膜の製造方法を示す断面図である 図4Dは、第二の実施形態におけるカル ゲナイド膜の製造方法を示す断面図である

符号の説明

 11      基板
 12      絶縁膜
 13      コンタクトホール
 14,24   カルコゲナイド膜
 14a,24a 下地膜
 14b,24b 結晶層
 15      下部電極
 16      上部電極

 以下、本発明に係るカルコゲナイド膜の最 の形態について、図面に基づき説明する。
 本実施形態は、本発明の趣旨をより良く理 させるために具体的に説明するものであり 特に指定のない限り、本発明を限定するも ではない。

 [第一の実施形態]
 図1は、本発明の第一の実施形態であるカル コゲナイド膜を備えた半導体装置を示す断面 図である。この半導体装置10は、抵抗変化型 揮発性メモリとして好適に用いられるもの 、基板11上の絶縁膜12に形成されたコンタク トホール13と、このコンタクトホール13内に 膜されたカルコゲナイド膜14とを備えている 。また、この半導体装置10には、一端がコン クトホール13の底部13aで露呈しカルコゲナ ド膜14と接する下部電極15と、カルコゲナイ 膜14の上面に形成される上部電極16とが形成 されている。

 基板11としては、例えば、シリコンウェ ハ等が挙げられる。絶縁膜12としては、例え ば、シリコンウェーハの表面を酸化させたシ リコン酸化膜や、シリコン窒化物等が挙げら れる。

 カルコゲナイド膜14は、少なくともコン クトホール13の底部13aを含むコンタクトホー ル13の内面に沿って、所定の厚みで形成され 下地膜14aと、この下地膜14a上にあって、コ タクトホール13を埋める結晶層14bとからな 。

 下地膜14aおよび結晶層14bは、ともにカル ゲン化合物により構成されている。下地膜1 4aを成すカルコゲン化合物は、結晶層14bより 微細なカルコゲン化合物からなる微細結晶 によって構成されている。例えば、結晶層1 4bは、六方晶のカルコゲン化合物から構成さ 、下地膜14aは六方晶よりも結晶粒径が小さ 面心立方晶のカルコゲン化合物から構成さ ている。

 具体的には、結晶層14bを成す六方晶のカ コゲン化合物は、平均粒径が30~100nm程度で り、下地膜14aを成す面心立方晶のカルコゲ 化合物は、平均粒径が3~10nm程度である。互 に結晶構造が異なる2層構造のカルコゲナイ 膜14の製造方法は、後ほど詳述する。

 下地膜14aは、少なくともコンタクトホー 13の底部、即ち下部電極15に臨む面に形成さ れていれば良く、コンタクトホール13の深さ 向の両側面にも形成されているのがより好 しい。下地膜14aは、コンタクトホール13の さDに対して、10%以上かつ20%以下の厚みとな ように形成されていれば良い。例えば、コ タクトホール13の深さDを100nmとしたとき、 地膜14aの厚みt1は10~20nmとなる。

 下地膜14aおよび結晶層14bを成すカルコゲ 化合物は、Sと、Seと、Teとの群から選択さ る1種または2種以上を含有していればよい。 例えば、カルコゲン化合物として、Teを30重 %以上かつ60重量%以下、Geを10重量%以上かつ70 重量%以下、Sbを10重量%以上かつ40重量%以下、 Seを10重量%以上かつ70重量%以下含有し、かつ これらTe、Ge、Sb及びSeの含有率の合計が100 量%以下であるものが好ましい。

 本実施の形態のカルコゲナイド膜14によ ば、結晶粒径の粗いカルコゲン化合物から る結晶層14bの下地として、結晶層14bよりも 細な結晶構造をもつカルコゲン化合物から る下地膜14aを形成することにより、カルコ ナイド膜14のコンタクトホール13に対する密 性が高められる。

 従来のような、粗い結晶粒径のカルコゲ 化合物、例えば、六方晶のカルコゲン化合 だけでコンタクトホールを埋めていた場合 コンタクトホールの内壁面に対するカルコ ナイド膜の粒子の接触面積が少ないため、 ルコゲナイド膜がコンタクトホールから剥 (離脱)することがあった。これに対し、本 施の形態のカルコゲナイド膜14は、微細な結 晶粒子をもつ面心立方晶のカルコゲン化合物 で下地膜14aを形成することによって、コンタ クトホール13の内壁面に対するカルコゲナイ 膜14の接触面積が大きくなる。そのため、 ンタクトホール13とカルコゲナイド膜14との 着性を大幅に高められる。

 特に、絶縁膜12としてシリコン酸化膜や リコン窒化物を用いた場合、カルコゲナイ 膜との密着性に難があった。しかしながら 微細な結晶粒子をもつ、面心立方晶のカル ゲン化合物からなる下地膜14aを形成するこ によって、シリコン酸化膜やシリコン窒化 と、カルコゲナイド膜14との密着性を良好に できる。これにより、カルコゲナイド膜14が ンタクトホール13から剥離(離脱)してコンタ クトホール13にボイドが発生し、下部電極15 上部電極16との間で導通不良が引き起こされ るといった不具合を確実に防止できる。

 また、結晶層14bよりも微細な結晶構造の 地膜14aを形成して密着性を高めることで、 ルコゲナイド膜14を介した下部電極15と上部 電極16との間の電気抵抗が低減され、導電性 高められる。そのため、優れた電気的特性 備えた半導体装置、例えば、抵抗変化型不 発性メモリを実現できる。

 更に、カルコゲナイド膜14を構成する結 層14bと下地膜14aとは、結晶構造は異なるが どちらもカルコゲン化合物から形成されて る。そのため、互いの親和性、密着性を高 られ、2層構造でありながら、強固に一体化 れたカルコゲナイド膜14を実現できる。

 次に、図1に示した第一の実施形態のカル コゲナイド膜について、その製造方法を以下 に述べる。図1に示した構成のカルコゲナイ 膜の製造にあたっては、まず図3Aに示すよう に、基板11の絶縁膜12に、コンタクトホール13 と下部電極15とを形成する。コンタクトホー 13は、例えば開口径Wに対して深さDが2倍以 であってもよい。

 次に、図3Bに示すように、このコンタク ホール13に下地膜14aを形成する。下地膜14aの 形成にあたっては、コンタクトホール13の周 に所定のパターンでレジスト膜30を形成す 。そして、基板11の温度を200℃以下、好まし くは100℃以上かつ200℃以下に保ち、カルコゲ ン化合物を100℃以上かつ200℃以下の範囲に昇 温させて、コンタクトホール13の内面にスパ タリングによって成膜する。カルコゲン化 物は200℃以下の環境においては、後工程で 成する結晶層を成す六方晶のカルコゲン化 物よりも結晶粒径が小さい、面心立方晶と る。これにより、コンタクトホール13の内 に面心立方晶のカルコゲン化合物からなる 地膜14aが形成される。

 下地膜14aは、コンタクトホール13の深さD 対して、10%以上かつ20%以下の厚みt1となる うに形成する。例えば、コンタクトホール13 の深さDを100nmとしたときに、下地膜14aの厚み t1は、10~20nmとなるように形成する。

 続いて、図3Cに示すように、このコンタ トホール13に形成した下地膜14a上、かつコン タクトホール13内に、結晶層14bを埋め込む。 晶層14bの形成にあたっては、基板11の温度 250℃以上、好ましくは300℃以上、より好ま くは300℃以上かつ400℃以下に保ち、カルコ ン化合物を300℃以上かつ400℃以下の範囲に 温させて、コンタクトホール13の内面にスパ ッタリングによって成膜する。

 カルコゲン化合物は、250℃以上の環境下 おいては六方晶となり、300℃以上の環境下 おいては、より完全な六方晶となる。また カルコゲン化合物を300℃以上にすることに って、スパッタリングによって成膜される ルコゲン化合物はリフローされ、下地膜14a 覆うようにコンタクトホール13内を隙間無 埋める。このように、カルコゲン化合物を フローすることによって、例えば、コンタ トホール13の深さDが開口径Wの2倍以上となる ような深い孔であっても、結晶層14bにボイド などの微小空間が生じ難い。このため、ボイ ドによってカルコゲナイド膜14の電気抵抗が くなることを防止でき、優れた導電性を有 たカルコゲナイド膜14を形成できる。

 また、カルコゲン化合物を400℃以下にす ことによって、カルコゲン化合物に例えばT e等の揮発成分が含まれる場合であっても、 ルコゲナイド膜14の化学量論的組成を維持で きる。

 以上のように、結晶層14bよりも微細な結 粒径のカルコゲン化合物で下地膜14aを形成 ることによって、コンタクトホール13の内 面に対するカルコゲナイド膜14の接触面積が 大きくなり、コンタクトホール13とカルコゲ イド膜14との密着性が大幅に高められる。 れにより、カルコゲナイド膜14がコンタクト ホール13から剥離(離脱)して、コンタクトホ ル13にボイドが発生し、下部電極15と上部電 16との間で導通不良が引き起こされるとい た不具合を確実に防止できる。

 この後、図3Dに示すように、カルコゲナ ド膜14に重ねて上部電極16を形成し、レジス 膜30を除去すれば、電気的特性に優れたカ コゲナイド膜14を備えた半導体装置10、例え 、抵抗変化型不揮発性メモリを製造できる

 [第二の実施形態]
 図2は、本発明の第二の実施形態であるカル コゲナイド膜を備えた半導体装置を示す断面 図である。この第二の実施形態では、前述し た第一の実施形態と同様の構成には同一の符 号を付し、詳細な説明は略す。

 第二の実施形態において、半導体装置20 コンタクトホール13に成膜されたカルコゲナ イド膜24は、少なくともコンタクトホール13 底部13aを含むコンタクトホール13の内面に沿 って、所定の厚みで形成された下地膜24aと、 この下地膜24a上にあって、コンタクトホール 13を埋める結晶層24bとからなる。

 下地膜24aは、金属酸化物からなり、特に、T a 2 O 5 と、TiO 2 と、Al 2 O 3 と、V 2 O 5 との群から選択される1種または2種以上のも から形成されるのが好ましい。下地膜24aを す金属酸化物は、結晶層24bを成すカルコゲ 化合物よりも結晶粒径が細かいものを用い のがより好ましい。
 結晶層24bは、例えば、六方晶のカルコゲン 合物等のカルコゲン化合物から形成されて る。

 下地膜24aは、少なくともコンタクトホー 13の底部、即ち下部電極15に臨む面に形成さ れていれば良く、コンタクトホール13の深さ 向の両側面にも形成されているのがより好 しい。下地膜24aは、少なくともコンタクト ール13の底部における厚みt2が0.1nm以上かつ2 nm以下に形成されるのが好ましい。これによ 、下地膜24aを成す金属酸化物が絶縁体であ ても、トンネル電流(量子トンネル効果)に ってカルコゲナイド膜24と下部電極15との間 導電性が保たれる。

 このカルコゲナイド膜24では、結晶粒径 粗いカルコゲン化合物からなる結晶層24bの 地として、金属酸化物からなる下地膜24aを 成することにより、コンタクトホール13に対 するカルコゲナイド膜24の密着性が高められ 。

 従来のような、粗い結晶粒径のカルコゲ 化合物、例えば、六方晶のカルコゲン化合 だけでコンタクトホールを埋めていた場合 コンタクトホールの内壁面に対するカルコ ナイド膜の粒子の接触面積は少ない。その め、カルコゲナイド膜がコンタクトホール ら剥離(離脱)してしまうことがあった。

 これに対し、本実施の形態のカルコゲナ ド膜24は、金属酸化物で下地膜24aを形成す ことによって、コンタクトホール13の内壁面 に接触するカルコゲナイド膜24の面積が大き なる。そのため、コンタクトホール13とカ コゲナイド膜24との密着性を、大幅に高めら れる。これにより、カルコゲナイド膜24がコ タクトホール13から剥離(離脱)してコンタク トホール13にボイドが発生し、下部電極15と 部電極16との間で導通不良が引き起こされる といった不具合を確実に防止できる。

 また、金属酸化物からなる下地膜24aを形 して密着性を高めることで、カルコゲナイ 膜24を介した下部電極15と上部電極16との間 電気抵抗が低減され、導電性を高められる そのため、優れた電気的特性を備えた半導 装置、例えば、抵抗変化型不揮発性メモリ 実現できる。

 次に、図2に示した構成のカルコゲナイド 膜の製造方法を説明する。まず図4Aに示すよ に、基板11の絶縁膜12に、コンタクトホール 13と下部電極15とを形成する。コンタクトホ ル13は、例えば開口径Wに対して深さDが2倍以 上であってもよい。

 次に、図4Bに示すように、このコンタクト ール13に下地膜24aを形成する。下地膜24aの形 成にあたっては、コンタクトホール13の周囲 所定のパターンでレジスト膜30を形成する そして、金属酸化物、例えば、Ta 2 O 5 と、TiO 2 と、Al 2 O 3 と、V 2 O 5 との群から選択される1種または2種以上のも を、コンタクトホール13の内面にスパッタ ングによって成膜する。これにより、コン クトホール13の内面に金属酸化物からなる下 地膜24aが形成される。下地膜24aは、少なくと もコンタクトホール13の底部13aにおける厚みt 2が、0.1nm以上かつ2nm以下に形成されれば良い 。

 続いて、図4Cに示すように、このコンタ トホール13に形成した下地膜24a上、かつコン タクトホール13内に結晶層24bを埋め込む。結 層24bの形成にあたっては、基板11の温度を25 0℃以上、好ましくは300℃以上、より好まし は300℃以上かつ400℃以下に保ち、カルコゲ 化合物を300℃以上かつ400℃以下の範囲に昇 させて、コンタクトホール13の内面にスパッ タリングによって成膜する。

 カルコゲン化合物を300℃以上の温度にす ことによって、スパッタリングによって成 されるカルコゲン化合物はリフローされ、 地膜24aを覆うようにコンタクトホール13内 隙間無く埋める。リフローによって、コン クトホール13の深さDが開口径Wの2倍以上とな るような深い孔であっても、結晶層24bにボイ ドなどの微小空間が生じ難い。このため、ボ イドによってカルコゲナイド膜24の電気抵抗 高くなることが防止され、優れた導電性を したカルコゲナイド膜24を形成できる。

 また、カルコゲン化合物を400℃以下にす ことによって、カルコゲン化合物に、例え Te等の揮発成分が含まれる場合であっても カルコゲナイド膜24の化学量論的組成を維持 できる。

 以上のように、金属酸化物で下地膜24aを 成することによって、コンタクトホール13 カルコゲナイド膜24との密着性が大幅に高め られる。これにより、カルコゲナイド膜24が ンタクトホール13から剥離(離脱)して、コン タクトホール13にボイドが発生し、下部電極1 5と上部電極16との間で導通不良が引き起こさ れるといった不具合を確実に防止できる。

 この後、図4Dに示すように、カルコゲナ ド膜24に重ねて上部電極16を形成し、レジス 膜30を除去することにより、電気的特性に れたカルコゲナイド膜24を備えた半導体装置 20、例えば、抵抗変化型不揮発性メモリを製 できる。

 以下、本発明の効果を検証するために、 ルコゲナイド膜のコンタクトホールに対す 密着性を示すテープ剥離テストの結果を、 施例として示す。検証には、大きさが1mm×10 mm×1mmのスコッチテープ(商品名。住友スリー ム製)を用いた。このテープを、カルコゲナ イド膜を形成したコンタクトホールを含む基 板に貼り付けて、それぞれのサンプルにつき 、100回の剥離試験を行った。カルコゲナイド 膜がコンタクトホールから離脱しないで残存 したものを残存率(%)として示した。

 検証に用いたサンプルは、図1に示すような 、結晶粒径が互いに異なるカルコゲン化合物 からなる下地膜と結晶層との2層構造のカル ゲナイド膜を本発明例1とした。図2に示すよ うな、金属酸化物からなる下地膜とカルコゲ ン化合物からなる結晶層との2層構造のカル ゲナイド膜を本発明例2~5(金属酸化物として それぞれTa 2 O 5 ,TiO 2 ,Al 2 O 3 ,V 2 O 5 を使用)とした。高温(400℃)で成膜し、六方晶 のカルコゲン化合物からなる単層のカルコゲ ナイド膜を比較例(従来例)とした。なお、本 明例1~5における下地膜の膜厚は1nmとした。 上のような条件で行った検証結果を表1に示 す。

 表1に示す検証結果によれば、下地層を形 成した本発明例1~5のカルコゲナイド膜は、テ ープテストの残存率がいずれも95%以上を示し 、剥離に対する耐久性が極めて高いことが確 認された。一方、下地膜を形成しない従来例 の単層構造のカルコゲナイド膜では、テープ テストの残存率が78%程度にとどまり、剥離に 対する耐久性は、本発明例1~5よりも劣ってい た。

 本発明によれば、結晶粒径の粗いカルコ ン化合物からなる結晶層の下地として下地 を形成したので、カルコゲナイド膜のコン クトホールに対する密着性を高められる。