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Title:
CHIP DETECTION DEVICE, MACHINE TOOL, CHIP DETECTION METHOD, AND LEARNING IMAGE SYNTHESIS DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175308
Kind Code:
A1
Abstract:
In order to easily and highly accurately detect chips produced when a workpiece is machined by a machine tool, the present invention provides a chip detection device for detecting chips produced when a workpiece is machined by a machine tool, wherein the chip detection device has: a mesh division unit for performing a process of dividing at least a part of an area image, which is obtained by imaging a target area in which chips are to be detected, into a plurality of mesh images at a prescribed mesh size; and a chip information determination unit for using a determination parameter, which is set in advance in order to determine chip information pertaining to chips, to determine chip information for each of the mesh images.

Inventors:
OKUNO JUNICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006748
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 20, 2020
Export Citation:
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Assignee:
DMG MORI CO LTD (JP)
International Classes:
B23Q17/24; B23Q11/00
Domestic Patent References:
WO2011036892A12011-03-31
WO2017078072A12017-05-11
Foreign References:
JP2017094420A2017-06-01
JP2019016249A2019-01-31
JP2016191979A2016-11-10
JPH03184747A1991-08-12
JP2018024094A2018-02-15
JP2018156317A2018-10-04
JP2018097506A2018-06-21
JP2015026369A2015-02-05
Attorney, Agent or Firm:
KATO Takashi (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175308 27 卩(:17 2020 /006748

請求の範囲

[請求項 1 ] 工作機械によってワークを加工した際に生じる切屑を検出する切屑 検出装置であって、

前記切屑を検出する対象エリァを撮影したエリァ画像の少なくとも 一部を所定のメッシュサイズで複数のメッシュ画像に分割処理するメ ッシュ分割部と、

前記切屑に関する切屑情報を判定するためにあらかじめ設定された 判定用パラメータを用いて、 前記メッシュ画像のそれぞれについて前 記切屑情報を判定する切屑情報判定部と、 を有する、 切屑検出装置

[請求項 2] 前記判定用パラメータは、 前記メッシュ画像と前記切屑情報とのセ ッ トからなる教師データを用いた事前学習によって得られる学習パラ メータであり、

前記切屑情報判定部は、 前記学習パラメータが適用された切屑判定 モデルに、 前記メッシュ画像を入力することにより、 前記メッシュ画 像のそれぞれについて前記切屑情報を出力する、 請求項 1 に記載の切 屑検出装置。

[請求項 3] 前記判定用パラメータは、 前記メッシュ画像が有する特徴量に基づ いて、 前記切屑情報を分類するための閾値であり、 前記切屑情報判定部は、 前記特徴量と前記閾値との大小関係に基づ いて、 前記メッシュ画像のそれぞれについて前記切屑情報を出力する 、 請求項 1 に記載の切屑検出装置。

[請求項 4] 前記メッシュ画像のそれぞれについて、 前記切屑情報判定部による 判定結果を表示手段に表示させ、 任意の前記メッシュ画像が選択され た場合、 当該メッシュ画像の正しい判定結果を取得して前記判定結果 を訂正するティーチング処理部と、

前記ティーチング処理部によって訂正された判定結果と前記メッシ ュ画像とのセッ トからなる教師データを前記切屑判定モデルに追加学 \¥0 2020/175308 28 卩(:171? 2020 /006748

習させ、 得られた学習パラメータを新たな判定用パラメータとして取 得する追加学習部と、

を有する、 請求項 2に記載の切屑検出装置。

[請求項 5] 前記メッシュサイズを選択するメッシュサイズ選択部を有しており 前記メッシュサイズ選択部は、 前記切屑、 ワークおよび治具の各サ イズに基づいて、 前記切屑の形状を認識しうる程度のメッシュサイズ であって、 かつ、 前記メッシュ画像において前記切屑の背景となるワ —クや治具のエッジ形状が単純化される程度のメッシュサイズを選択 する、 請求項 1から請求項 4のいずれかに記載の切屑検出装置。

[請求項 6] 前記エリア画像を取得する画像データ取得部を有しており、

前記画像データ取得部が複数の部分画像を合成して前記エリア画像 を取得する場合、 前記メッシュ分割部は分割処理に際して、 以下のい ずれかの処理を実行する、 請求項 1から請求項 5のいずれかに記載の 切屑検出装置;

( 0 前記部分画像と他の部分画像との境界部分に重複がない場合 、 前記メッシュ画像の境界線を各部分画像の境界線と一致させる ; ( |〇 前記部分画像と他の部分画像との境界部分に重複がある場合 、 いずれか一方の部分画像のみから前記境界部分を含むメッシュ画像 を切り出す。

[請求項 7] 前記切屑情報を用いた洗浄条件に基づいて、 前記メッシュ画像のそ れぞれについて、 前記切屑の洗浄が必要か否かを判定する洗浄要否判 定部と、

洗浄が必要と判定されたメッシュ画像に対応するメッシュエリアの 位置を算出し、 当該メッシュエリアに向けて、 洗浄手段から洗浄液を 噴射させる洗浄処理部と、

を有する、 請求項 1から請求項 6のいずれかに記載の切屑検出装置 \¥0 2020/175308 29 卩(:171? 2020 /006748

[請求項 8] 前記洗浄条件として、 前記切屑情報と前記メッシユエリアの位置と を組み合わせた条件が設定されている、 請求項 7に記載の切屑検出装 置。

[請求項 9] 前記洗浄処理部は、 前記対象エリア内を連続して洗浄した連続洗浄 回数、 および同一の前記メッシュエリアを連続して洗浄した局所連続 洗浄回数が、 所定の閾値未満の場合に洗浄を実施し、 前記連続洗浄回 数および前記局所連続洗浄回数のうち少なくとも一方が、 所定の閾値 に到達した場合、 所定の異常時処理を実行する、 請求項 7または請求 項 8に記載の切屑検出装置。

[請求項 10] 請求項 1から請求項 9のいずれかに記載の切屑検出装置を備えるエ 作機械。

[請求項 1 1 ] 工作機械によってワークを加工した際に生じる切屑を検出する切屑 検出方法であって、

前記切屑を検出する対象エリアを撮影したエリア全体画像の少なく とも一部を所定のメッシュサイズで複数のメッシュ画像に分割処理す るメッシュ分割ステップと、

前記切屑に関する切屑情報を判定するためにあらかじめ設定された 判定用パラメータを用いて、 前記メッシュ画像のそれぞれについて前 記切屑情報を判定する切屑情報判定ステップと、

を有する、 切屑検出方法。

[請求項 12] 工作機械の機内を撮影した画像の少なくとも一部を複数のメッシュ 画像に分割するメッシュ分割部と、 前記メッシュ画像のそれぞれにつ いて、 判定用パラメータを用いて、 前記工作機械によってワークを加 エした際に生じた切屑の有無を判定する判定部と、 を有する切屑検出 装置に提供する前記判定パラメータを導くための学習用画像を生成す る学習用画像合成装置であって、

切屑を表わす切屑画像を、 機内を撮像した背景画像に対して、 ラン ダムに合成して学習用画像を生成する学習用画像合成装置。

Description:
\¥02020/175308 1 2020/006748 明 細 書

発明の名称 :

切屑検出装置、 工作機械、 切屑検出方法、 学習用画像合成装置

技術分野

[0001 ] 本発明は、 工作機械によってワークを加工した際に生じ る切屑を検出する 切屑検出装置、 工作機械、 切屑検出方法、 学習用画像合成装置などに関する ものである。

背景技術

[0002] 従来、 工作機械によってワークを加工した際に生じ る切屑は、 加工時にワ —クを傷つける要因となったり、 加工不良、 機械の動作不良および意図しな い動作停止による稼働率の低下を引き起こす 要因となったりしている。 この ため、 加工中に発生する切屑を自動的に検出し除去 する技術として、 例えば 、 特開平 7 - 1 0 8 4 3 5号公報には、 テーブルおよびワークの画像を取り 込んで、 切屑の位置を検出する切屑除去装置が開示さ れている (特許文献 1 先行技術文献

特許文献

[0003] 特許文献 1 :特開平 7 - 1 0 8 4 3 5号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004] しかしながら、 加工中に発生する切屑は、 加工条件、 使用する工具、 ワー クの素材等の違いによって、 形状、 色、 サイズ、 集合状況等が異なり無数の バリエーションが存在する。 また、 画像の背景となる機内環境についても、 構造と位置、 ワークや治具の種類、 クーラント (洗浄液) の有無、 照度等の 条件があり、 その組み合わせには様々なパターンが存在す る。

[0005] このため、 特許文献 1のように、 一枚の画像全体から切屑を検出しようと すると、 当該画像には多数の切屑と機内環境とが多種 多様な組み合わせで複 \¥0 2020/175308 2 卩(:171? 2020 /006748

雑に写り込んでいる。 このため、 画像処理によって各切屑を精緻かつ高精度 に検出することは困難であり、 全ての切屑を検出するための画像処理に膨大 な計算量や時間を要する。

課題を解決するための手段

[0006] そこで、 本発明では、 切屑検出装置、 工作機械、 切屑検出方法、 学習用画 像合成装置などを提供するものである。

本発明の一態様である切屑検出装置は、 工作機械によってワークを加工し た際に生じる切屑を簡単かつ高精度に検出す るという課題を解決するために 、 工作機械によってワークを加工した際に生じ る切屑を検出する切屑検出装 置であって、 前記切屑を検出する対象エリアを撮影したエ リア画像の少なく とも一部を所定のメッシユサイズで複数のメ ッシユ画像に分割処理するメッ シユ分割部と、 前記切屑に関する切屑情報を判定するために あらかじめ設定 された判定用パラメータを用いて、 前記メッシユ画像のそれぞれについて前 記切屑情報を判定する切屑情報判定部と、 を有する。

発明の効果

[0007] 本発明によれば、 工作機械によってワークを加工した際に生じ る切屑を簡 単に検出することができる。

図面の簡単な説明

[0008] [図 1]切屑検出装置およびこれを備えた工作機 の一実施形態を示すブロック 図である。

[図 2]本実施形態において、 エリア画像を複数のメッシユ画像に分割した 状態 を示す図である。

[図 3]本実施形態において、 複数の部分画像を合成してエリア画像を構成 する 様子を示す図である。

[図 4]本実施形態のメッシユ分割部による分割 理を示す図である。

[図 5]本実施形態の切屑情報である 「クラス」 を説明する図である。

[図 6]本実施形態の切屑判定モデルによる判定 理を示す図である。

[図 7]非機械学習アルゴリズムを採用した切屑 報判定部によって算出される \¥0 2020/175308 3 卩(:171? 2020 /006748

、 メッシュ画像の特徴量の一例を示す図である 。

[図 8]本実施形態のティーチングモードにおい 、 (3) 訂正前の判定結果、 および (匕) 訂正後の判定結果を示す表示画面の一例であ る。

[図 9]本実施形態の切屑検出装置によって実行 れる切屑検出方法を示すフロ _チヤ _ 卜である。

[図 10]本実施形態における、 切屑検出処理を示すフローチヤートである。

[図 1 1]本実施形態における、 ティーチング処理を示すフローチヤートであ る

[図 12]本実施形態における、 学習用画像の合成装置の構成を示すブロック 図 である。

発明を実施するための形態

[0009] 以下、 切屑検出装置およびこれを備えた工作機械、 ならびに切屑検出方法 の一実施形態について図面を用いて説明する 。

[0010] 本実施形態の切屑検出装置 1は、 工作機械 1 0によってワークを加工した 際に生じる切屑を検出するものである。 具体的には、 図 1 に示すように、 切 屑検出装置 1は、 工作機械 1 〇に設けられた撮影手段 1 1 を制御し、 切屑を 検出する対象エリアの画像を取得する。 そして、 図 2に示すように、 当該画 像を複数のメッシュ画像に分割し、 当該メッシュ画像のそれぞれについて切 屑に関する切屑情報を判定するようになって いる。 以下、 各構成について詳 細に説明する。

[001 1] なお、 本発明において、 切屑情報とは、 切屑の有無、 切屑の量、 切屑の形 状、 切屑の種類またはこれらの組み合わせ等のよ うに、 切屑に関して検出可 能な情報を含む概念であり、 本実施形態では、 後述するとおり、 切屑の洗浄 のし易さを示す 「クラス」 を切屑情報として判定するようになっている 。 [0012] 工作機械 1 0は、 金属、 木材、 石材、 樹脂等のワークに対して、 切削や研 削等の加工を行うための機械である。 本実施形態において、 工作機械 1 〇は 、 切屑検出装置 1 としての数値制御装置から出力される駆動信 号に従って数 値制御されるようになっている。 本実施形態では、 切屑検出装置 1 と工作機 \¥0 2020/175308 4 卩(:171? 2020 /006748

械の数値制御装置とが同一の装置で構成さ れているが、 これに限定されるも のではない。 工作機械とは別のコンビュータを切屑検出装 置 1 として用いて もよい。 また、 図 1 に示すように、 工作機械 1 0は、 機内を撮影する撮影手 段 1 1 と、 ワークを載置するテーブル 1 2と、 切屑を洗浄する洗浄手段 1 3 と、 機内を照明する照明手段 1 4とを有している。

[0013] 撮影手段 1 1は、 切屑を検出する対象エリアを撮影するもので ある。 本実 施形態において、 撮影手段 1 1は、 自動工具交換装置 (八1^〇11131|〇 1〇〇1 Chan により工具と同様に工作機械 1 0の主軸に着脱可能なカメラ ( 以下、 八丁〇カメラと呼称) によって構成されている。 そして、 後述する画 像データ取得部 4 3からの撮影制御信号に従って、 あらかじめ設定した撮影 タイミングで、 あらかじめ設定した対象エリアをカバーする エリア画像を撮 影するようになっている。

[0014] なお、 本実施形態では、 撮影手段 1 1 として、 機内への設置が不要であり 、 クーラントミスト等に晒される時間が比較的 短いというメリッ トを考慮し 、 工作機械の主軸に着脱可能な 丁〇カメラを使用している。 丁〇カメラ は、 工作機械の主軸に取り付けることができるた め、 工作機械の主軸を動か せば、 それに追随してカメラも移動させることがで きる。 そのため、 カメラ の撮影範囲や撮影方向を容易に変更すること ができる。 カメラの撮影範囲や 撮影方向を容易に変更できるため八丁〇カメ ラを例に説明しているが、 この 構成に限定されるものではない。 一または複数の固定カメラを機内に設置し てもよい。 この構成によれば、 撮影時間が比較的短く、 加工中も撮影できる というメリッ トを有する。

[0015] また、 撮影手段 1 1の画角が対象エリアより小さい場合、 図 3に示すよう に、 丁〇カメラであれば、 主軸を移動させながら複数の部分画像を撮影 し 、 固定カメラであれば、 複数の固定カメラによって複数の部分画像を 撮影す る。 そして、 各部分画像を合成することにより、 対象エリアの全体をカバー するエリア全体画像を構成してもよい。

[0016] 洗浄手段 1 3は、 ワークの加工により発生した切屑を洗浄し除 去するもの \¥0 2020/175308 5 卩(:171? 2020 /006748

である。 本実施形態において、 洗浄手段 1 3は、 洗浄液の噴射方向を制御可 能なプログラマブルノズルによって構成され ている。 そして、 後述する洗浄 処理部 4 8からの洗浄制御信号に従って、 ワーク上やテーブル 1 2上におけ る所望のエリアに対してクーラント液等の洗 浄液を噴射するようになってい る。

[0017] なお、 本実施形態では、 洗浄手段 1 3としてプログラマブルノズルを使用 しているが、 この構成に限定されるものではない。 例えば、 対象エリアの全 体をカバーするように、 噴射方向が固定された洗浄ノズルを複数個設 置し、 洗浄が必要なエリアに近い洗浄ノズルから洗 浄液を噴射させるようにしても よい。

[0018] 照明手段 1 4は、 切屑を検出しやすくするように機内を照明す るものであ る。 本実施形態において、 照明手段 1 4は、 図 1 に示すように、 機内に固定 され、 オン ·オフの切り替え、 明るさおよび照射方向等を制御可能なプログ ラマブルライ トによって構成されている。 しかしながら、 この構成に限定さ れるものではなく、 八丁〇カメラに付属されているライ トを使用してもよい 。 また、 照明による反射を抑制するため、 照明手段 1 4を回転させたり、 撮 影手段 1 1のカメラレンズに偏光フィルタを取り付け りしてもよい。

[0019] つぎに、 切屑検出装置 1は、 工作機械 1 〇を制御する数値制御装置等のコ ンピュータによって構成されており、 図 1 に示すように、 主として、 ユーザ による指示入力や判定結果の表示を行う表示 入力手段 2と、 各種のデータを 記憶するとともに、 演算処理手段 4が演算処理を行う際のワーキングエリア として機能する記憶手段 3と、 記憶手段 3にインストールされた切屑検出プ ログラム 1 3を実行することにより、 各種の演算処理を実行し後述する各構 成部として機能する演算処理手段 4とを有している。 以下、 各構成手段につ いて詳細に説明する。

[0020] なお、 繰り返しになるが、 切屑検出装置は、 工作機械 1 0を制御する数値 制御装置とは別の装置でもよい。 切屑検出装置は、 少なくとも、 切屑を検出 する対象エリアを撮影したエリア画像の少な くとも一部を所定のメッシュサ \¥0 2020/175308 6 卩(:171? 2020 /006748

イズで複数のメッシュ画像に分割処理する メッシュ分割部と、 切屑に関する 切屑情報を判定するためにあらかじめ設定さ れた判定用パラメータを用いて 、 前記メッシュ画像のそれぞれについて前記切 屑情報を判定する切屑情報判 定部と、 を有していればよい。

[0021 ] 表示入力手段 2は、 タッチパネルで構成されており、 ユーザからの指示入 力を受け付ける入力機能と、 切屑の判定結果等を表示する表示機能とを兼 ね 備えるものである。 なお、 本実施形態では、 表示入力手段 2としてタッチパ ネルを採用しているが、 この構成に限定されるものではなく、 表示機能のみ を備えた表示手段、 および入力機能のみを備えた入力手段をそれ ぞれ別個に 有していてもよい。

[0022] 記憶手段 3は、 ハードディスク、

8门〇1〇111八00633 1^1110「 ) 、 フラッシュメモリ等で構成されており、 図 1 に示す ように、 プログラム記憶部 3 1 と、 判定用パラメータ記憶部 3 2と、 判定結 果記憶部 3 3と、 洗浄条件記憶部 3 4と、 洗浄回数記憶部 3 5とを有してい る。

[0023] プログラム記憶部 3 1 には、 本実施形態の切屑検出装置 1 を制御するため の切屑検出プログラム 1 3がインストールされている。 そして、 演算処理手 段 4が、 当該切屑検出プログラム 1 3を実行することにより、 コンビュータ としての切屑検出装置 1 を後述する各構成部として機能させるように なって いる。

[0024] なお、 切屑検出プログラム 1 3の利用形態は、 上記構成に限られるもので はない。 例えば、 コンビュータで 読み取り可能な非一時的な記録媒体に切屑検 出プログラム 1 3を記憶させて おき、 当該記録媒体から直接読み出して実行しても よい。 また、 外部サーバ 等からクラウドコンピューティング方式や八 3 (八卩卩レ1081;丨〇门 $61^ _106 卩「0 _1〇16「) 方式等で利用してもよい。

[0025] 判定用パラメータ記憶部 3 2は、 切屑に関する切屑情報を判定するために あらかじめ設定された判定用パラメータを記 憶するものである。 本実施形態 \¥0 2020/175308 7 卩(:171? 2020 /006748

では、 後述するとおり、 切屑情報を判定するためのアルゴリズムとし て、 機 械学習アルゴリズムである学習 ·推論モデルに学習パラメータを適用してな る切屑判定モデルを採用している。 このため、 判定用パラメータとしては、 メッシュ画像と切屑情報とのセッ トからなる教師データを用いて、 事前学習 させて得られる学習パラメータが記憶されて いる。

[0026] また、 本実施形態では、 後述するとおり、 メッシュ画像のメッシュサイズ を選択するメッシュサイズ選択部 4 4を有している。 このため、 判定用パラ メータ記憶部 3 2には、 複数の異なるメッシュサイズごとに判定用パ ラメー 夕としての学習パラメータが記憶されている 。 なお、 本実施形態において、 判定用パラメータ記憶部 3 2には、 切屑判定モデルの学習効率等の特性を左 右するハイパーパラメータが別途、 設定されている。

[0027] 判定結果記憶部 3 3は、 メッシュ画像のそれぞれについて判定された 切屑 情報を判定結果として記憶するものである。 本実施形態では、 後述する切屑 情報判定部 4 6によって、 メッシュ画像のそれぞれについて、 切屑の洗浄の し易さを示すクラスごとに、 当該クラスである確率が切屑情報として判定 さ れる。

[0028] 例えば、 切屑がない 「クラス 0」 と、 切屑が少ない 「クラス 1」 と、 切屑 が多い 「クラス 2」 の 3クラスが設定されている場合、 「クラス 0」 である 確率 〇と、 「クラス 1」 である確率 1 と、 「クラス 2」 である確率 2 とが判定される。 このため、 判定結果記憶部 3 3には、 上述したクラスごと の確率 0 , 1 , 2が判定結果として、 各メッシュ画像に対応付けて記 憶される。

[0029] なお、 判定結果としては、 クラスごとの確率に限定されるものではなく 、 最も確率の高いクラスを単純に判定結果とし て記憶するようにしてもよい。 また、 クラスの数は増やすほど判定が難しく、 性能が向上しにくくなるため 、 数個程度に設定することが好ましい。 最も単純なクラスの例としては、 切 屑がない 「クラス 0」 と、 切屑がある 「クラス 1」 との 2クラスになる。

[0030] 洗浄条件記憶部 3 4は、 切屑の洗浄が必要か否かを判定するための洗 浄条 \¥0 2020/175308 8 卩(:171? 2020 /006748

件を記憶するものである。 本実施形態では、 洗浄条件として、 クラスごとの 確率と、 各メッシュ画像に対応するメッシュエリアの 位置とを組み合わせた 条件が設定されている。 例えば、 上述した 3クラスが設定されている場合に は、 以下のような洗浄条件 (1) 〜 (4) を降順に評価することにより、 効 率的で高性能な判定アルゴリズムが実現され る。

[0031 ] (1) 〇, 1 , 2のうち、 最大値が 2である :洗浄する (2) 1 十 2 ³ 9 9 %である :洗浄する (3) メッシュエリアがテーブル 1 2上で あり、 かつ、 1 + 2 ³ 0である :洗浄する (4) 上記条件 ( 1) ~ ( 3) に該当しない:洗浄しない

[0032] なお、 本実施形態では、 切屑情報とメッシュエリアの位置とを組み合 わせ た洗浄条件が設定されているが、 これに限定されるものではなく、 切屑情報 を用いて設定されるものであればよい。 例えば、 上述した最も単純化された 2クラスが設定されている場合は、 メッシュエリアの位置に関わらず、 クラ ス〇 (切屑なし) であれば洗浄せず、 クラス 1 (切屑あり) であれば洗浄す る、 という洗浄条件を設定してもよい。

[0033] 洗浄回数記憶部 3 5は、 切屑を連続して洗浄した洗浄回数を記憶する もの である。 本実施形態において、 洗浄回数記憶部 3 5には、 対象エリア内を連 続して洗浄した回数である連続洗浄回数と、 同一のメッシュエリアを連続し て洗浄した回数である局所連続洗浄回数とが 記憶されている。 そして、 これ らの洗浄回数を用いて、 後述するとおり、 自動洗浄動作がいつまでも終了し ない事態を回避するようになっている。

[0034] つぎに、 演算処理手段 4は、 等によっ て構成されており、 記憶手段 3にインストールされた切屑検出プログラム 1 3を実行することにより、 図 1 に示すように、 対象エリア設定部 4 1 と、 駆 動制御部 4 2と、 画像データ取得部 4 3と、 メッシュサイズ選択部 4 4と、 メッシュ分割部 4 5と、 切屑情報判定部 4 6と、 洗浄要否判定部 4 7と、 洗 浄処理部 4 8と、 ティーチング処理部 4 9と、 追加学習部 5 0として機能す るようになっている。 以下、 各構成部についてより詳細に説明する。 \¥0 2020/175308 9 卩(:171? 2020 /006748

[0035] 対象エリア設定部 4 1は、 切屑を検出しようとする対象エリアを設定す る ものである。 本実施形態において、 対象エリア設定部 4 1は、 ユーザによる 表示入力手段 2を用いた指示入力に応じて、 機内全体、 テーブル 1 2上、 プ ロテクタ上、 ワーク周辺、 これらの一部、 もしくはこれらの組み合わせ等の ように、 任意の対象エリアを設定するようになってい る。

[0036] なお、 本実施形態において、 対象エリア設定部 4 1は、 ユーザの手動によ って対象エリアを設定しているが、 この構成に限定されるものではなく、 自 動設定してもよい。 具体的には、 対象エリア設定部 4 1は、 加エプログラム を参照して各加工工程におけるワークの形状 を取得し、 ワーク全体が含まれ るように対象エリアを自動設定してもよく、 加工経路上のみを対象エリアと して自動設定してもよい。

[0037] 駆動制御部 4 2は、 工作機械 1 0に備えられた各軸のモータを駆動制御す るものである。 本実施形態において、 駆動制御部 4 2は、 加エプログラムに 基づいて、 工作機械 1 0に切削加工等を実行させる駆動制御信号を 成し、 各軸のモータへ出力するようになっている。 また、 撮影手段 1 1 として八丁 〇カメラを使用する場合、 駆動制御部 4 2は、 図示しない自動工具交換装置 (八111;011131;丨(; 1 " 〇〇1 ^18叩6「: 八丁〇) を制御し、 工具を八丁〇カメラに交換 させるようになっている。

[0038] 画像データ取得部 4 3は、 対象エリアのエリア全体の画像を取得するも の である。 本実施形態において、 画像データ取得部 4 3は、 あらかじめ設定し た撮影タイミングで撮影手段 1 1 に撮影制御信号を出力し、 エリア全体の画 像を取得するようになっている。 また、 撮影手段 1 1が対象エリアより小さ い部分画像を取得する場合には、 対象エリアをカバーするように複数の部分 画像を撮影させ、 それらを合成してエリア全体の画像を取得す る。

[0039] なお、 撮影タイミングは、 ユーザが任意に手動設定してもよく、 所定の設 定条件に従って自動設定するようにしてもよ い。 設定条件としては、 工程と 工程との間、 工具交換時、 一定時間間隔、 所定の加工量に達したタイミング 等である。 なお、 当該加工量は、 加エプログラム等から推定することができ \¥0 2020/175308 10 卩(:17 2020 /006748

る。

[0040] メッシュサイズ選択部 4 4は、 エリア全体の画像を複数のメッシュ画像に 分割する際のメッシュサイズを選択するもの である。 本実施形態において、 メッシュサイズ選択部 4 4は、 所定の基準に基づいて、 あらかじめ設定され たメッシュサイズの中から、 一つまたは複数のメッシュサイズを候補とし て 選択するようになっている。

[0041 ] なお、 本発明は、 エリア全体の画像をメッシュ画像に分割する ことにより 、 切屑の検出を簡単化かつ高精度化するもので ある。 このため、 メッシュサ イズは、 切屑の検出精度に影響を与える重要なファク ターであり、 その選択 に際しては以下のような切屑の特徴を考慮す ることが好ましい。

[0042] 具体的には、 上述したとおり、 切屑には様々なバリエーシヨンやパターン があるため、 二次元画像上では完全に同一の切屑は存在し ない。 しかしなが ら、 切屑の外形を構成するエッジ (稜線) は、 比較的複雑で不規則であると いう共通の特徴を有している。 そして、 当該特徴は、 多数の切屑が堆積して 折り重なり、 個々の形状が認識できないような状態におい ても失われること がない。

[0043] 一方、 切屑の背景となるワークや治具については、 一般的に、 切屑のよう な不規則性はほとんどなく、 切屑と同等のスケールで比較すると、 エッジ形 状が単純である。 したがって、 本実施形態において、 メッシュサイズ選択部 4 4は、 切屑、 ワークおよび治具の各サイズに基づいて、 切屑の形状を認識 しうる程度のメッシュサイズであって、 かつ、 メッシュ画像において切屑の 背景となるワークや治具のエッジ形状が単純 化される程度のメッシュサイズ を選択することが好ましい。 このようなメッシュサイズを選択することに よ り、 ワークや治具のエッジ形状と切屑とが識別し やすくなり、 誤検出が低減 される。

[0044] なお、 メッシュサイズ選択部 4 4は、 上記構成に限定されるものではなく 、 あらかじめ設定された複数のメッシュサイズ の中からユーザが手動で選択 してもよい。 ただし、 切屑情報を判定する切屑判定モデルでは、 メッシュサ \¥0 2020/175308 1 1 卩(:171? 2020 /006748

イズを固定する必要があるため、 複数のメッシュサイズを用意する場合には 、 各メッシュサイズのメッシュ画像によって学 習させた切屑判定モデルが必 要となる。 一方、 使用するメッシュサイズが常に固定であれば 、 メッシュサ イズ選択部 4 4を設ける必要はない。

[0045] メッシュ分割部 4 5は、 エリア画像を複数のメッシュ画像に分割処理 する ものである。 本実施形態において、 メッシュ分割部 4 5は、 メッシュサイズ 選択部 4 4によって選択されたメッシュサイズで、 画像データ取得部 4 3に よって取得されたエリア画像を分割すること により複数のメッシュ画像を生 成するようになっている。 なお、 本実施形態では、 図 2に示すように、 碁盤 目状や格子状のメッシュを採用しているが、 この形状に限定されるものでは なく、 菱形、 三角形、 ハニカム形状等であってもよい。 また、 本実施形態で は、 エリア画像の全てをメッシュ画像に分割して いるが、 これに限定される ものではなく、 切屑の検出が不要なエリアについては分割せ ず、 エリア画像 の少なくとも一部のみを分割するようにして もよい。 また、 エリアを撮影し た撮影画像と格子状のメッシュ情報とを別々 に関連付けて保存されている状 態でもよい。 つまり、 メッシュ分割部 4 5は、 個々のメッシュ画像を生成す ることに限定されず、 撮影画像と格子情報とを重ねて、 格子で区分けされて いる撮影画像の領域をメッシュ領域として処 理してもよい。 この場合のメッ シュ領域が上述のメッシュ画像に相当する。

[0046] また、 本実施形態において、 画像データ取得部 4 3が複数の部分画像を合 成してエリア画像を取得する場合、 メッシュ分割部 4 5は、 図 4に示すよう に、 分割処理に際して、 以下のいずれかの処理を実行するようになっ ている

( _ | ) 部分画像と他の部分画像との境界部分に重複 がない場合、 メッシュ画 像の境界線を各部分画像の境界線と一致させ る。

( | '| ) 部分画像と他の部分画像との境界部分に重複 がある場合、 いずれか 一方の部分画像のみから境界部分を含むメッ シュ画像を切り出す。

[0047] メッシュ分割部 4 5が上記 (丨) または (丨丨) の処理を実行することにより 、 同一のメッシュ画像内に、 複数の異なる部分画像が混在することがない 。 このため、 部分画像間における明度の相違や、 位置ズレ等に起因する誤検出 が低減される。

[0048] 切屑情報判定部 4 6は、 メッシュ画像のそれぞれについて切屑情報を 判定 するものである。 本実施形態において、 切屑情報判定部 4 6は、 メッシュ分 割部 4 5によって分割処理されたメッシュ画像のそ ぞれについて、 判定用 パラメータ記憶部 3 2から読み出した判定用パラメータを用いて 屑情報を 判定し、 判定結果記憶部 3 3に保存するようになっている。

[0049] また、 本実施形態において、 切屑情報判定部 4 6は、 切屑情報として、 切 屑の洗浄のし易さを示す 「クラス」 を判定するようになっている。 このクラ スは、 切屑の量、 密集度合、 大きさ、 長さ、 形状等を総合的に勘案して決定 される。 具体的には、 図 5に示すように、 切屑が少ない、 散在している、 小 さい、 短い、 引っ掛かり難い等のように、 洗浄し易い状態であるほど低いク ラスとし、 切屑が多い、 密集している、 大きい、 長い、 引っ掛かり易い等の ように、 洗浄し難い状態であるほど高いクラスとして 分類される。

[0050] 本実施形態において、 切屑情報判定部 4 6は、 機械学習アルゴリズムであ る学習 ·推論モデルに学習パラメータを適用してな 切屑判定モデルによっ て構成されている。 具体的には、 環境変化に比較的強いディープラーニング 手法のうち、 とりわけ画像のクラス分類に特化したモデル である畳み込み二 ューラルネツ トワーク (Convo lut i ona l Neura l Network : CNN) を用いている

[0051 ] 上記のような切屑判定モデルを用いて切屑情 報を判定する場合、 まず、 切 屑情報判定部 4 6は、 各メッシュ画像に対して、 ノイズの除去処理や、 画像 サイズの変換処理等のような、 判定精度を向上させるための前処理を実行す る。 つぎに、 切屑情報判定部 4 6は、 図 6に示すように、 判定用パラメータ 記憶部 3 2にあらかじめ用意された学習パラメータを 用した学習済の切屑 判定モデルに、 メッシュ画像を入力することにより、 メッシュ画像のそれぞ れについて、 切屑情報として各クラスの確率を出力するよ うになっている。 [0052] なお、 本実施形態では、 機械学習アルゴリズムとして畳み込みニュー ラル ネッ トワークを採用しているが、 これに限定されるものではなく、 他の機械 学習アルゴリズムを用いてもよい。 例えば、 サボートべクターマシン ( S V M : support vector mach i ne) 等のように、 画像ではない入カデータを用い る機械学習アルゴリズムを使用する場合、 メッシュ画像に対してフィルタ処 理等を実行し、 各メッシュ画像が有する形状特徴量を算出す る。 そして、 当 該形状特徴量を学習済の切屑判定モデルに入 力することにより、 メッシュ画 像のそれぞれについてクラスを判定してもよ い。

[0053] また、 本実施形態では、 切屑情報判定部 4 6として、 機械学習アルゴズム を採用しているが、 これに限定されるものではなく、 決定的アルゴリズムの ような非機械学習アルゴリズムを使用しても よい。 例えば、 メッシュ画像は 、 切屑が多いほど複雑になり、 高い画像周波数成分が多くなる傾向がある。 そこで、 切屑情報判定部 4 6は、 図 7に示すように、 高速フーリエ変換 (Fas t Four i er Transform : FFT) 等の周波数解析を実行し、 各メッシュ画像のス ベクトル統計量を特徴量として算出する。 そして、 当該特徴量とあらかじめ 判定用パラメータとして設定した閾値との大 小関係に基づいて、 メッシュ画 像のそれぞれについて切屑情報としてのクラ スを判定してもよい。

[0054] ただし、 高速フーリエ変換は環境依存度が高く、 メッシュ画像内に切屑以 外の小さなネジ穴や、 クーラントの飛沫等が撮像されていると、 高周波成分 が多くなり、 誤判定しやすくなる。 このため、 切屑がない状態でのエリア画 像をあらかじめ用意しておき、 これと判定対象であるエリア画像との差分画 像をメッシュ分割し、 高速フーリエ変換することにより、 環境依存成分を排 除するようにしてもよい。

[0055] さらに、 本実施形態において、 切屑情報判定部 4 6は、 単一のアルゴリズ ムを用いて切屑情報を判定しているが、 この構成に限定されるものではなく 、 複数のアルゴリズムによる判定結果に基づい て総合的に判定してもよい。

[0056] なお、 メッシュサイズ選択部 4 4によって複数のメッシュサイズが選択さ れた場合、 切屑情報判定部 4 6は、 全てのメッシュサイズについて判定を実 \¥0 2020/175308 14 卩(:171? 2020 /006748

行する。 そして、 各メッシュサイズでの切屑情報を判定結果と して判定結果 記憶部 3 3に記憶させるようになっている。

[0057] 洗浄要否判定部 4 7は、 メッシュ画像のそれぞれについて、 切屑の洗浄が 必要か否かを判定するものである。 本実施形態において、 洗浄要否判定部 4 7は、 洗浄条件記憶部 3 4に記憶されている洗浄条件と、 判定結果記憶部 3 3に記憶されている各メッシュ画像の切屑情 とを比較する。 そして、 洗浄 条件を満たすメッシュ画像については洗浄が 必要と判定するようになってい る。

[0058] 洗浄処理部 4 8は、 洗浄手段 1 3を制御して切屑の洗浄を行わせるもので ある。 本実施形態において、 洗浄処理部 4 8は、 洗浄が必要と判定されたメ ッシュ画像に対応するメッシュエリアの位置 (工作機械 1 0内における実際 の位置) を算出し、 当該メッシュエリアに向けて、 洗浄手段 1 3から洗浄液 を噴射させるようになっている。

[0059] なお、 メッシュエリアの位置は、 例えば、 エリア画像を格納する画像メモ リ (図示せず) を工作機械 1 0内の座標系に対応させておくことにより、 特 定することができる。 また、 本実施形態において、 洗浄手段 1 3はプログラ マブルノズルによって構成されるため、 噴射方向を変えながら、 洗浄が必要 と判定された全てのメッシュエリアに対して クーラント液を噴射する。

[0060] また、 本実施形態において、 洗浄処理部 4 8は、 洗浄動作を実行するたび に、 洗浄回数記憶部 3 5に記憶されている、 対象エリア内を連続して洗浄し た連続洗浄回数、 および同一のメッシュエリアを連続して洗浄 し局所連続洗 浄回数を更新する。 そして、 洗浄処理部 4 8は、 連続洗浄回数および局所連 続洗浄回数が、 所定の閾値未満の場合には洗浄を実施する。 一方、 連続洗浄 回数および局所連続洗浄回数のうち少なくと も一方が、 所定の閾値に到達し た場合には、 自動洗浄動作がいつまでも終了しない事態を 回避するため、 所 定の異常時処理を実行する。

[0061 ] 異常時処理は、 自動洗浄動作がいつまでも終了しない事態を 回避するため の処理であれば特に限定されるものではなく 、 例えば、 工作機械 1 0の運転 \¥0 2020/175308 15 卩(:171? 2020 /006748

を停止するとともにアラームを報知しても よい。 あるいは、 閾値に到達した 旨を記録、 通知するとともに、 そのメッシュエリアの洗浄はあらかじめユー ザが設定した 「洗浄中断期間」 だけ中断し、 他のメッシュエリアの洗浄やエ 作機械 1 〇の運転は継続してもよい。

[0062] なお、 連続洗浄回数の閾値および局所連続洗浄回数 の閾値は、 ユーザによ って個別に設定可能に構成されている。 また、 上記アラームを報知する方法 としては、 例えば、 スピーカー (図示せず) から警告音を出力する方法が挙 げられるが、 ユーザに通知しうる方法であれば、 これに限定されるものでは ない。 具体的には、 表示入力手段 2にメッセージを表示させてもよく、 ライ 卜 (図示せず) を点滅 ·点灯させてもよい。 また、 工作機械 1 0の周囲にユ —ザがいない場合、 ユーザの携帯端末等にエラーメッセージを通 知してもよ い。

[0063] ティーチング処理部 4 9は、 切屑情報判定部 4 6による判定結果を確認 · 訂正するものである。 本実施形態において、 ティーチング処理部 4 9は、 ま ず、 各メッシュ画像の判定結果を判定結果記憶部 3 3から読み出し、 図 8 ( a) に示すように、 表示入力手段 2に表示させる。 具体的には、 異なる判定 結果ごとに異なる着色等を施し、 各メッシュ画像を識別可能な態様で表示す る。

[0064] なお、 判定結果の表示に際しては、 切屑情報判定部 4 6によってメッシュ 画像ごとの判定確率を算出させ、 どのクラスの判定確率もそれほど高くない メッシュ画像については、 判定結果が誤っている可能性が高い (判定結果に 自信がない) ものとして強調表示し、 ユーザの訂正作業を補助するようにし てもよい。 例えば、 図 8 (a) に示す例では、 クラス 0 (切屑なし) の判定 確率 〇、 およびクラス 1 (切屑あり) の判定確率 1の値によって、 以下 に示す 4グループに分類されている。

[0065] 1が〇〜 3 0 % ( 0が 7 0〜 1 0 0 %) : クラス 0 (切屑なし) の 「 自信ぁり」

1が 3 0〜 5 0 % ( 0が 5 0〜 7 0 %) : 「自信なし」 \¥0 2020/175308 16 卩(:171? 2020 /006748

1が 5 0〜 7 0 % ( 0が 3 0〜 5 0 %) : 「自信なし」 1が 7 0〜 1 0 0 % ( 0が〇〜 3 0 %) : クラス 1 (切屑あり) の 「 自信ぁり」

[0066] つぎに、 上記判定結果を確認したユーザによって、 誤って判定されている 任意のメッシュ画像がタッチ選択され、 正しい判定結果としての切屑情報が 入力されると、 ティーチング処理部 4 9は当該判定結果を取得し、 判定結果 記憶部 3 3に記憶されている判定結果を訂正する。 そして、 図 8 (13) に示 すように、 訂正後の判定結果を表示入力手段 2に表示させる。

[0067] 追加学習部 5 0は、 新たな教師データを用いて追加学習を行うも のである 。 本実施形態において、 追加学習部 5 0は、 ティーチング処理部 4 9によっ て訂正された判定結果 (正しい切屑情報) とメッシュ画像とのセッ トからな る教師データを切屑判定モデルに追加学習を 実行させることにより、 正しい 判定結果が反映された学習パラメータを取得 する。 そして、 当該学習パラメ —夕を新たな判定用パラメータとして判定用 パラメータ記憶部 3 2内の判定 用パラメータを更新するようになっている。

[0068] なお、 本実施形態では、 追加学習部 5 0を口ーカルな切屑検出装置 1 に設 け、 バックグラウンドで追加学習を実行している が、 この構成に限定される ものではない。 すなわち、 ネッ トワーク上の学習サーバに教師データをアッ プロードして追加学習させ、 得られた学習パラメータをダウンロードする こ とにより新たな判定用パラメータとして利用 するようにしてもよい。

[0069] また、 本実施形態では、 切屑検出装置 1 による洗浄処理の運転モードとし て、 自動洗浄モードとティーチングモードとが用 意されており、 いずれかの 運転モードに設定可能に構成されている。 自動洗浄モードは、 切屑情報判定 部 4 6による判定結果をそのまま用いて自動的に 浄処理を実行するモード である。 また、 テイーチングモードは、 テイーチング処理部 4 9によって訂 正された判定結果を用いて洗浄処理を実行す るモードである。

[0070] つぎに、 本実施形態の切屑検出装置 1およびこれを備えた工作機械 1 0の 作用ならびに切屑検出方法について、 図 9を参照しつつ説明する。 なお、 以 下の説明では、 切屑を検出した後、 当該切屑を洗浄する場合について説明す る。

[0071 ] 本実施形態の切屑検出装置 1およびこれを備えた工作機械 1 0を用いて切 屑を検出する場合、 あらかじめ、 判定用パラメータ記憶部 3 2に判定用パラ メータを記憶させておく。 このとき、 まず切屑を撮影したサンプル画像を 1 または複数用意し、 当該サンプル画像を所定のメッシュサイズで 分割する。 これにより、 多数のメッシュ画像が切屑判定モデルに学習 させるための教師 データとして取得される。 そして、 当該教師データを切屑判定モデルに学習 させ、 最適化された判定用パラメータを判定用パラ メータ記憶部 3 2に記憶 する。

[0072] なお、 本実施形態の切屑検出装置 1のように、 機械学習を用いたシステム では、 運用前に学習モデルに対して事前に多くの教 師データを用意し学習さ せておく必要がある。 しかしながら、 当該教師データを用意する作業には、 手間や時間が非常にかかるため、 導入の障壁となっているという問題がある

[0073] この点、 本実施形態で用いられる教師データは、 メッシュ画像とそのクラ スであり、 ある程度の性能と汎用性を得るには大量の教 師データが必要とな るが、 以下のような理由により、 教師データの準備が容易である。 (1) 学 習単位であるメッシュ画像は、 1枚のエリア画像から多数得ることができる 。 (2) 同一のエリア画像であっても、 メッシュ画像の分割境界をずらした り、 回転させたりするなど、 単純な処理を施すだけで、 異なる教師データを 簡単に増やすことができる。 (3) Obj ect Detect i onや Semant i c Segmentat i on等の物体検出アルゴリズムでは、 エリア画像に映り込んでいる全切屑の位 置情報が必要となる。 これに対し、 本実施形態では洗浄に必要十分なメッシ ュサイズで分割することにより、 エリア画像内における切屑の正確な位置を 特定する必要がなく、 単純なクラス分類に帰着させることができる 。 (4) 切屑情報としてクラス分類を用いた場合、 各メッシュ画像に対して 1つの数 値 (クラス) を割り当てるだけ教師データが作成される。 \¥0 2020/175308 18 卩(:171? 2020 /006748

[0074] これにより、 エリア画像を数枚撮影するだけで、 少なくとも特定環境下に おいて切屑を検知するための教師データを入 力することができる。 つまり、 比較的少ない回数のティーチング作業によっ て個別の機械、 環境、 加工に最 適化することができる。

[0075] つづいて、 切屑を検出するにあたり、 まず、 対象エリア設定部 4 1が、 切 屑を検出しようとする対象エリアを設定した 後 (ステップ 3 1) 、 駆動制御 部 4 2が、 工作機械 1 0を制御しワークを加工する (ステップ 3 2) 。 これ により、 図 1 に示すように、 テーブル 1 2上やワーク上に切屑が散乱するた め、 画像データ取得部 4 3が、 撮影手段 1 1から対象エリアのエリア画像を 取得する (ステップ 3 3) 。

[0076] エリア画像が取得されると、 本発明に係る切屑検出処理が実行される (ス テップ3 4) 。 以下、 ステップ 3 4に係る切屑検出処理について、 図 1 0を 参照しつつ説明する。

[0077] 切屑検出処理では、 まず、 メッシュサイズ選択部 4 4が、 メッシュサイズ を選択する (ステップ 3 2 1) 。 本実施形態では、 メッシュサイズ選択部 4 4が、 切屑の形状を認識しうる程度のメッシュサイ ズであって、 かつ、 切屑 の背景となるワークや治具のエッジ形状が単 純化される程度のメッシュサイ ズに該当しそうな候補を一つまたは複数選択 する。 これにより、 切屑が背景 と区別され易くなり、 誤検出が抑制されるため、 検出精度が向上する。

[0078] つぎに、 メッシュ分割部 4 5が、 メッシュサイズ選択部 4 4によって選択 されたいずれかのメッシュサイズでエリア画 像を複数のメッシュ画像に分割 する (ステップ 3 2 2) 。 これにより、 切屑情報を利用する際には、 各メッ シュ画像に対応するメッシュエリアを特定す るだけでよく、 全ての切屑につ いて正確な位置を特定する必要がない。 このため、 切屑の検出にかかる計算 量が大幅に低減される。

[0079] また、 本実施形態では、 複数の部分画像を合成してエリア画像を取得 する 場合、 メッシュ分割部 4 5が、 各部分画像の境界部分に重複が有るか無いか に応じて、 上記 し I) または ( I) の処理を実行する。 これにより、 同一のメ \¥0 2020/175308 19 卩(:171? 2020 /006748

ッシュ画像内に、 複数の異なる部分画像が混在することがなく なる。 このた め、 部分画像間における明度の相違や、 位置ズレ等に起因する誤検出が低減 される。

[0080] つづいて、 切屑情報判定部 4 6が、 1つのメッシュ画像について切屑情報 を判定し (ステップ 3 2 3) 、 対象エリア内の全てのメッシュ画像の判定が 完了するまで繰り返す (ステップ 3 2 4 : N 0) 。 これにより、 所定のメッ シュサイズに分割したメッシュ画像について 切屑情報を判定するだけでよい ため、 切屑の検出処理が簡単化および高精度化する 。

[0081 ] 対象エリア内の全てのメッシュ画像について 判定が完了すると (ステップ

3 2 4 : 丫巳3) 、 切屑情報判定部 4 6が、 対象エリア内の全てのメッシュ サイズでの判定が完了したか否かを判定する (ステップ 3 2 5) 。 そして、 まだ判定していないメッシュサイズがあれば (ステップ 3 2 5 : 1\1〇) 、 ス テップ3 2 1 に戻り、 当該メッシュサイズでの分割処理 (ステップ 3 2 2) および判定処理 (ステップ 3 2 3) を繰り返す。

[0082] 一方、 全てのメッシュサイズでの判定が完了すると (ステップ 3 2 5 : 丫 巳3) 、 切屑情報判定部 4 6が、 各メッシュサイズでの判定結果を判定結果 記憶部 3 3に記憶し (ステップ 3 2 6) 、 本処理を終了する。

[0083] つづいて、 図 9に戻り、 運転モードがティーチングモードに設定され てい るか否かを判定し (ステップ 3 5) 、 自動洗浄モードに設定されていれば ( ステップ 3 5 : N 0) 、 後述するステップ 7の処理に進む。 一方、 ティーチ ングモードに設定されていれば (ステップ 3 5 : 丫巳3) 、 ティーチング処 理部 4 9がティーチング処理を実行する (ステップ 3 6) 。 以下、 ステップ 3 6に係るティーチング処理について、 図 1 1 を参照しつつ説明する。

[0084] ティーチング処理では、 まず、 ティーチング処理部 4 9が表示入力手段 2 に判定結果を表示し (ステップ 3 3 1) 、 ユーザによるメッシュ画像の選択 を受け付ける。 このとき、 複数のメッシュサイズについての判定結果が あれ ば、 ユーザの目視によって最適なメッシュサイズ を選択させ、 当該メッシュ サイズを用いることにより、 切屑情報の判定精度が向上する。 つづいて、 い \¥0 2020/175308 20 卩(:171? 2020 /006748

ずれかのメッシュ画像が選択されたか否か を判定し (ステップ 3 3 2) 、 メ ッシュ画像が選択されなければ (ステップ 3 3 2 : N 0) 、 ティーチングモ —ドを終了しない限り (ステップ 3 3 5 : N 0) 、 メッシュ画像の選択を受 け付ける。

[0085] —方、 ユーザによっていずれかのメッシュ画像が選 択されると (ステップ

3 3 2 : 丫巳3) 、 ティーチング処理部 4 9は、 選択されたメッシュ画像に ついての正しい切屑情報をユーザに入力させ 、 当該切屑情報を判定結果とし て取得する (ステップ 3 3 3) 。 これにより、 ユーザの目視によって確認 · 訂正された正しい判定結果が判定結果記憶部 3 3に記憶されるとともに (ス テップ3 3 4) 、 当該判定結果が表示入力手段 2に表示される (ステップ 3 3 5) 0

[0086] その後、 ティーチングモードの終了が指示されると (ステップ 3 3 6 : 丫 巳3) 、 所定のタイミングで追加学習部 5 0がバックグラウンドで追加学習 を開始し、 訂正された判定結果を反映させた判定用パラ メータを取得すると ともに、 当該判定用パラメータによって判定用パラメ ータ記憶部 3 2内の判 定用パラメータを更新する (ステップ 3 3 7) 。 以上のようなティーチング 処理を実行することにより、 判定結果の精度が向上するとともに、 個別の機 械、 環境、 加工向けに判定用パラメータを更新すること で、 切屑の判定性能 が最適化される。

[0087] つぎに、 図 9に戻り、 ティーチング処理 (ステップ 3 6) の実行後、 また は自動洗浄モードの場合 (ステップ 3 5 : N 0) 、 洗浄要否判定部 4 7が、 切屑の洗浄が必要か否かを判定する (ステップ 3 7) 。 本実施形態では、 洗 浄条件が、 切屑情報とメッシュエリアの位置とを組み合 わせて設定されるた め、 検出された切屑の量や位置に応じて効率的に 洗浄処理が実行される。

[0088] 例えば、 上述した 3クラスのうち、 クラス 2 (切屑が多い) と判定された メッシュ画像に対応するメッシュエリアのみ を洗浄する、 という洗浄条件に してもよく、 テーブル 1 2外のエリアであれば洗浄しない、 という洗浄条件 にしてもよい。 このような洗浄条件を設定することにより、 洗浄にかかる時 間や洗浄液の消費量が抑制される。

[0089] ステップ S 7における判定の結果、 洗浄の必要がなければ (ステップ S 7

: N0) 、 洗浄処理部 48が、 連続洗浄回数および局所連続洗浄回数を初期 化する (ステップ S 1 3) 。 そして、 加工終了が指示されない限り (ステッ プ S 1 5 : N0) 、 ステップ S 1へと戻り、 それ以降の処理が繰り返される 。 これにより、 切屑が除去された状態でワークを加工するこ とが可能になる 〇

[0090] —方、 ステップ S 7における判定の結果、 洗浄が必要であれば (ステップ

S 7 : YES) 、 洗浄処理部 48は、 連続洗浄回数が所定の閾値に到達した か否かを判定する (ステップ S 8) 。 当該判定の結果、 連続洗浄回数が閾値 に到達した場合 (ステップ S 8 : YES) 、 洗浄処理部 48は洗浄動作を行 うことなく異常時処理を実行する (ステップ S 1 4) 。 これにより、 洗浄し たはずの切屑が別のメッシュエリアに移動し ただけで、 実際には除去されて いないケースが繰り返され、 いつまでも自動洗浄動作が終了しないケース が 回避される。

[0091] また、 ステップ S 8における判定の結果、 連続洗浄回数が閾値未満でも ( ステップ S 8 : YES) 、 洗浄処理部 48は、 別途、 局所連続洗浄回数が所 定の閾値に到達したか否かを判定する (ステップ S 9) 。 当該判定の結果、 局所連続洗浄回数が閾値に到達した場合にも (ステップ S 9 : YES) 、 洗 浄処理部 48は洗浄動作を行うことなく異常時処理を実 する (ステップ S 1 4) 。 これにより、 ワーク等にこびりついたり、 引っ掛かったりしている 等の理由で、 洗浄による除去が難しい切屑を何回も洗浄し ようとするケース や、 治具のビスや機内の汚れ等を切屑と誤検知し 、 いつまでも洗浄しようと するケースが回避される。

[0092] _方、 連続洗浄回数および局所連続洗浄回数の双方 が閾値未満であれば ( ステップ S 8 : N0, ステップ S 9 : N0) 、 洗浄処理部 48は、 洗浄が必 要と判定されたメッシュ画像のそれぞれに対 応するメッシュエリアを算出し (ステップ S 1 0) 、 各メッシュエリアを洗浄手段 1 3によって洗浄する ( \¥0 2020/175308 22 卩(:171? 2020 /006748

ステップ 3 1 1) 。 これにより、 切屑情報に応じて切屑が自動的かつ効率的 に洗浄される。 また、 洗浄が必要なメッシュエリアだけが洗浄され るため、 機内全体を洗浄する場合と比較して、 洗浄液の噴射量が抑制され経済的であ り、 環境にもやさしい。

[0093] 最後に、 洗浄処理部 4 8が、 洗浄回数記憶部 3 5に記憶されている連続洗 浄回数および局所連続洗浄回数のそれぞれを 更新した後 (ステップ 3 1 2)

、 ステップ 3 3へと戻り、 それ以降の処理を繰り返す。 これにより、 連続洗 浄回数および局所連続洗浄回数が閾値に到達 しない限り、 切屑情報が判定さ れて、 洗浄条件に応じた洗浄が実行される。

[0094] なお、 本実施形態では、 加工終了が指示された場合 (ステップ 3 1 5 : 丫 巳3) 、 本処理が終了する。

[0095] 以上のような本実施形態の切屑検出装置 1、 切屑検出プログラム 1 3およ び切屑検出方法によれば、 以下のような効果を奏する。 1 . 工作機械 1 0に よつてワークを加工した際に生じる切屑を簡 単かつ高精度に検出することが できる。 2 . 機械学習を用いて切屑を高精度に検出するこ とができる。 3 . 画像の特徴量を用いて切屑を簡単に検出する ことができる。 4 . 使用環境や 個別の加工に合わせて判定用パラメータを最 適化し、 切屑の検出性能を向上 することができる。 5 . 切屑の背景による影響を低減し、 誤検出を抑制する ことができる。 6 . エリア画像として複数の部分画像を合成して 使用する場 合の誤検出を抑制することができる。 7 . 切屑情報に応じて切屑を自動的か つ効率的に洗浄することができる。 8 . 検出された切屑の量や位置に応じて 効率的に洗浄することができる。 9 . 切屑の誤検出等により洗浄動作がいつ までも繰り返されてしまうことを防止するこ とができる。

[0096] なお、 本発明に係る切屑検出装置 1およびこれを備えた工作機械 1 0、 な らびに切屑検出方法は、 上述した実施形態に限定されるものではなく 、 適宜 変更することができる。

[0097] 例えば、 上述した本実施形態では、 切屑情報を用いて切屑を洗浄している が、 この構成に限定されるものではなく、 切屑検出装置 1が洗浄機能を有し \¥0 2020/175308 23 卩(:171? 2020 /006748

ている必要はない。 切屑の洗浄機能を設けない場合、 洗浄条件記憶部 3 4、 洗浄回数記憶部 3 5、 洗浄要否判定部 4 7および洗浄処理部 4 8が不要とな り、 図 9に示すフローチヤートでは、 ステップ 3 7からステップ 3 1 4まで の処理が不要となる。

[0098] なお、 切屑情報は、 切屑を洗浄するための情報として利用される 以外にも 、 様々な場面で利用することが考えられる。 例えば、 切屑情報によって、 切 屑が大量または頻繁にたまりやすいメッシュ エリアが特定できれば、 当該メ ッシュエリアを早めにまたは常に洗浄する等 の洗浄条件を設定する際の参考 情報として利用される。 同様に、 切屑がたまりやすいメッシュエリアの情報 に基づいて、 工作機械のベンダが切屑のたまりにくい機械 設計を行う際に利 用することも考えられる。

[0099] また、 上述した本実施形態では、 切屑検出装置 1がティーチングモードを 有しているが、 必須の構成ではない。 ティーチングモードが不要であれば、 ティーチング処理部 4 9を設ける必要がなく、 図 9に示すフローチヤートで は、 ステップ 3 5およびステップ 3 6の処理が不要となる。 また、 図 1 1 に 示すティーチング処理も不要となる。

[0100] さらに、 上述した本実施形態では、 連続洗浄回数および局所連続洗浄回数 の双方を用いて洗浄動作を制御しているが、 この構成に限定されるものでは なく、 どちらか一方のみを用いて制御してもよい。 この場合、 図 9に示すフ 口ーチヤートでは、 ステップ 3 8またはステップ 3 9のうち、 いずれか一方 の処理が不要となる。

[0101 ] また、 上述した本実施形態では、 判定用パラメータとして、 学習パラメー 夕を用いているが、 この構成に限定されるものではなく、 メッシュ画像が有 する各種の特徴量に基づいて、 切屑情報を分類するための閾値であってもよ い。 上記特徴量は、 切屑の特徴を表しうる特徴量であれば特に限 定されるも のではなく、 メッシュ画像内のエッジ成分の複雑度合、 メッシュ画像内のエ ッジ成分に占める直線成分の割合、 メッシュ画像の明度、 輝度統計量など、 画像処理に利用される各種の特徴量が利用可 能である。 \¥0 2020/175308 24 卩(:171? 2020 /006748

[0102] なお、 判定用パラメータとしての閾値は、 サンプル画像を分割して得られ たメッシユ画像のそれぞれについて特徴量の スコアを算出し、 切屑情報の分 類ごとにスコアの集計を行うなどして最適化 することによって設定してもよ く、 複数の特徴量を組み合わせて設定するように してもよい。

[0103] また、 上述した本実施形態では、 切屑情報として、 切屑の洗浄のし易さを 示す 「クラス」 を判定しているが、 これに限定されるものではなく、 切屑の 有無、 切屑の量、 切屑の形状、 切屑の種類またはこれらの組み合わせ等でも よい。 例えば、 切屑の量および形状を切屑情報とした場合に は、 切屑の量が 少ないメッシユエリアであっても、 洗浄しにくい形状の切屑であれば洗浄す る、 という洗浄条件を設定することもできる。

[0104] さらに、 上述した実施形態では、 切屑検出装置 1が新たな教師データを口 —カルで追加学習可能に構成されているが、 この構成に限定されるものでは なく、 切屑検出装置 1 とネッ トワーク接続された学習装置に教師データを 送 信し、 追加学習させるようにしてもよい。 また、 複数の切屑検出装置 1から 追加学習用の教師データを学習装置に集約し 、 追加学習させて得られた学習 パラメータ (判定用パラメータ) を共有化し、 汎用性を向上するようにして もよい。

[0105] さらに、 上述した切屑検出装置 1で用いる判定用パラメータを導き出すた めの学習用画像を図 1 2に示すような学習用画像合成装置 1 2 0 0で生成し てもよい。 学習用画像合成装置 1 2 0 0は、 様々な切屑を表わす切屑画像を 記憶する切屑画像記憶部 1 2 0 1 と、 様々な機内を撮像した背景画像を記憶 する背景画像記憶部 1 2 0 2と、 を有する。 さらに、 学習用画像合成装置 1 2 0 0は、 切屑画像と背景画像をランダムに合成して学 習用画像を生成する 画像生成部 1 2 0 3を有する。

[0106] 切屑画像は、 実際の切屑を無背景で撮像した撮像画像でも よい。 また、 背 景画像は、 実際の機内を撮像した撮像画像でもよい。 画像生成部 1 2 0 3は 、 切屑画像を、 ランダムではあるが、 できるだけ本当にばらまかれているよ うに、 機内の写真に合成して、 複数の環境パターンを作り出し、 数多くの学 \¥0 2020/175308 25 卩(:171? 2020 /006748

習用の教師データを自動的に作る。 これにより学習データを容易に用意する ことが可能になる。

[0107] さらに、 画像生成部 1 2 0 3は、 背景画像に対して、 傷などを作り出す。

できるだけたくさんのバターンを用意してお く。

[0108] 学習用画像合成装置 1 2 0 0で生成された学習用画像は、 学習装置 1 2 5 〇に提供され、 学習用画像記憶部 1 2 5 1 に記憶される。 そして、 判定用パ ラメータ導出部 1 2 5 2によって、 判定用パラメータの導出に用いられる。 判定用パラメータは、 切屑判定モデル導出部 1 2 5 3に提供され、 切屑判定 モデルを生成するために用いられる。

学習用画像合成装置 1 2 0 0は、 ネッ トワーク 1 2 6 0を介して、 切屑判 定モデルを切屑検出装置 1 に提供してもよい。

[0109] なお、 学習用画像合成装置 1 2 0 0および学習装置 1 2 5 0は、 切屑検出 装置 1内に設けられてもよいが、 その場合、 切屑検出装置 1 に高速な◦ II などのリソースが備わっていることが必要に なる。

[01 10] さらに、 工作機械の機内の実際の画像を、 ネッ トワーク 1 2 6 0を介して 学習用画像合成装置 1 2 0 0に送り、 背景画像記憶部 1 2 0 2に記憶しても よい。 その場合、 より精度の高い教師データ (学習用画像) を生成すること が可能になる。

[01 1 1 ] 切屑画像記憶部 1 2 0 1は、 色、 形、 大きさが異なる様々な切屑の画像を 記憶していることが好ましい。 さらに、 クーラントがかかっている切屑の画 像、 クーラントがかかっていない切屑の画像、 を記憶していることが好まし い。

[01 12] 背景画像記憶部 1 2 0 2に記憶された背景画像は、 切屑が多い領域、 少な い領域、 切屑がない領域に分類されており、 切屑画像との合成時に、 各領域 で重み付けを変えて、 合成してもよい。

[01 13] 画像生成部 1 2 0 3は、 背景画像に、 塗装はげ、 傷、 シミなどの加工を加 えた上で、 切屑画像と合成してもよい。 合成する際に、 切屑画像のサイズを 変えたり回転させたりしてもよい。 画像生成部 1 2 0 3は、 合成後の画像の \¥0 2020/175308 26 卩(:171? 2020 /006748

全体の色、 明るさ、 照明の当たり具合などを変えて複数種類の学 習用画像を 生成することが好ましい。

[01 14] 画像生成部 1 2 0 3は、 合成時に、 メッシュ画像の領域ごとに、 切屑の有 無を表わす正解データを用意して貼り付ける 。

[01 15] 学習用画像合成装置 1 2 0 0は、 様々な機種の背景画像と、 様々な切屑画 像と、 様々に重み付けや密度を変えて組み合わせて 、 さらに様々な効果 (明 るさ、 クーラントミストのかかりかた) をかけて、 非常に多くの教師データ を作る。 学習用画像合成装置 1 2 0 0は、 機種ごとに分類して学習用画像を 生成してもよい。

[01 16] 以上の構成によれば、 非常に効率的に教師データを生成することが できる

[01 17] また、 上述した本実施形態では、 数値制御装置の一機能として切屑検出装 置 1 を実現させているが、 この構成に限定されるものではない。 すなわち、 数値制御装置とは別個独立のコンピュータに よって切屑検出装置 1 を構成し てもよい。

[01 18] なお、 上述した実施形態の説明は、 全ての点で例示であって制限的なもの ではなく、 当業者にとって変形および変更が適宜可能で ある。 本発明の範囲 は、 上述した実施形態ではなく、 特許請求の範囲によって示される。 さらに 、 本発明の範囲には、 特許請求の範囲と均等の範囲内での実施形態 からの変 更が含まれる。

[01 19] この出願は、 2 0 1 9年2月 2 5日に出願された日本出願特願 2 0 1 9 - 0 3 1 1 2 7を基礎とする優先権を主張し、 その開示の全てをここに取り込 む。