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Patent Searching and Data


Title:
CHIP ELEMENT AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093626
Kind Code:
A1
Abstract:
A glass paste composed mainly of a siliceous glass as an insulating material and containing a photosensitive material added thereto is coated on a parent substrate. The glass paste is then exposed to light through a photomask to cure the glass paste. The glass paste in its parts remaining uncured is then removed to form openings. The cured glass paste is then fired to form a glass layer. Subsequent to the above series of steps, the formation of the glass layer is followed by the formation of a plurality of plating layers on a silver electrode on the bottom of the openings of the glass layer to form an electrode for bonding. The constitution comprising the above steps can realize the manufacture of a chip element without the need to use a resist for electrode formation while reducing the amount of the metallic material in the electrode for wire bonding and can realize a reduction in production cost and enhanced properties.

Inventors:
TSUJIGUCHI TATSUYA (JP)
HONDA NOBUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051166
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
TSUJIGUCHI TATSUYA (JP)
HONDA NOBUYOSHI (JP)
International Classes:
H01P1/203; H01L21/60; H01P1/205; H01P3/08; H01P11/00
Foreign References:
JPS60195961A1985-10-04
JP2004519961A2004-07-02
JP2003060428A2003-02-28
Attorney, Agent or Firm:
KOMORI, Hisao (Noninbashi Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 11, JP)
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Claims:
 表主面に電極パターンを設けた基体と、表層に金メッキ層を含む複数のメッキ層からなり、金ワイヤが接続されるボンディング用電極と、を備えるチップ素子において、
 前記電極パターン上に開口を形成して前記基体の表主面に形成した、前記複数のメッキ層に対して非メッキ性を有する絶縁膜を備え、
 前記絶縁膜に設けた開口内に露出する前記電極パターンを下地電極として、前記下地電極上に前記複数のメッキ層をメッキして、前記ボンディング用電極を形成したことを特徴とするチップ素子。
 表主面に電極パターンを設けた基体と、表層に金メッキ層を含む複数のメッキ層からなり、金ワイヤが接続されるボンディング用電極と、を備えるチップ素子において、
 前記電極パターン上に開口を形成して前記基体の表主面に積層した、前記複数のメッキ層に対して非メッキ性を有する絶縁膜と、
 前記絶縁膜の開口に設けた導体を介して前記電極パターンに導通する、前記絶縁膜の表主面に配した下地電極と、
 を備え
 前記下地電極上に、前記複数のメッキ層をメッキして、前記ボンディング用電極を形成したことを特徴とするチップ素子。
 前記基体は、複数の絶縁層を積層して、前記絶縁層間にも電極パターンを設けた構成である請求項1又は2に記載のチップ素子。
 表主面に電極パターンを設けた基体と、表層に金メッキ層を含む複数のメッキ層からなり、金ワイヤが接続されるボンディング用電極と、を備えるチップ素子において、
 前記電極パターン上に開口を形成して前記基体の表主面に積層した第1の絶縁膜と、
 前記第1の絶縁膜の開口に設けた導体を介して前記電極パターンに導通する、前記第1の絶縁膜の表主面に配した絶縁膜上電極パターンと、
 前記絶縁膜上電極パターン上に開口を形成して前記第1の絶縁膜の表主面に積層した第2の絶縁膜と、
 前記第2の絶縁膜の開口に設けた導体を介して前記絶縁膜上電極パターンに導通する、前記第2の絶縁膜の表主面に配した下地電極と、
 を備え、
 前記第2の絶縁膜は、前記複数のメッキ層に対して非メッキ性を有し、
 前記下地電極上に、前記複数のメッキ層をメッキして、前記ボンディング用電極を形成したことを特徴とするチップ素子。
 前記ボンディング用電極は、前記金メッキ層下に、前記金メッキ層よりも前記下地電極に対しての接着性が高い下地メッキ層を備える請求項1~4のいずれかに記載のチップ素子。
 前記下地電極は銀を主成分とし、前記絶縁膜はケイ酸系ガラスを主成分とし、前記下地メッキ層はニッケルを主成分とする請求項5に記載のチップ素子。
 前記絶縁膜はフォトリソグラフィプロセスにより前記開口を形成したものである請求項1~6のいずれかに記載のチップ素子。
 前記電極パターンを伝送線路としてマイクロストリップ線路フィルタを構成した請求項1~7のいずれかに記載のチップ素子。
 表主面に電極パターンを設けた基体と、表層に金メッキ層を含む複数のメッキ層からなり、金ワイヤが接続されるボンディング用電極と、を備えるチップ素子の製造方法であって、
 感光性材を分散させた絶縁性ペーストを前記基体に塗布し、フォトマスクを用いて前記絶縁性ペーストを感光させて固化し、固化していない前記絶縁性ペーストを除去して開口を設けて、前記複数のメッキ層に対して非メッキ性を有する絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
 前記絶縁膜形成工程の後、前記開口の底面に複数回のメッキを施して前記複数のメッキ層を形成して前記ボンディング用電極を形成するボンディング用電極形成工程と、
 を含むチップ素子の製造方法。
 表主面に電極パターンを設けた基体と、表層に金メッキ層を含む複数のメッキ層からなり、金ワイヤが接続されるボンディング用電極と、を備えるチップ素子の製造方法であって、
 感光性材を分散させた絶縁性ペーストを前記基体に塗布し、フォトマスクを用いて前記絶縁性ペーストを感光させて固化し、固化していない前記絶縁性ペーストを除去して開口を設けて、前記複数のメッキ層に対して非メッキ性を有する絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
 前記絶縁膜形成工程の後、感光性材を分散させた導電性ペーストを前記絶縁膜の表主面に塗布し、フォトマスクを用いて前記導電性ペーストを感光させて固化し、固化していない前記導電性ペーストを除去して、前記基体に設けた電極パターンに導通する下地電極を形成する下地電極形成工程と、
 前記下地電極形成工程の後、前記下地電極上に、複数回のメッキを施して前記複数のメッキ層を形成して前記ボンディング用電極を形成するボンディング用電極形成工程と、
 を含むチップ素子の製造方法。
Description:
チップ素子およびその製造方法

 この発明は、ワイヤボンディングによっ 実装基板やパッケージ基板などに実装され チップ素子に関する。

 従来のチップ素子の構成例を図1に示す。

 図1(A)は特許文献1に開示されたチップ素 の平面図である。このチップ素子は、矩形 板状の誘電体基板110に、2つのマイクロスト ップ線路112A,112Bを設けてフィルタを構成し いる。マイクロストリップ線路112A,112Bの短 端は共通のスルーホール111により、裏主面 接地電極(不図示)に導通させている。また 各マイクロストリップ線路112A,112Bには、ワ ヤボンディングによりワイヤ150A,150Bが接続 れ、実装基板(不図示)の入出力電極に導通さ せている。

 図1(B)は特許文献2に開示されたチップ素 の斜視図である。このチップ素子は、ロー スフィルタが設けられた回路チップ210をパ ケージ基板250に載置する構成である。なお このパッケージ基板250上には回路チップ210 覆うように、図示していないカバーが設け れる。回路チップ210の表主面にはローパス ィルタを構成する線路212が形成されている また、パッケージ基板250には入出力パッド25 1A,251Bが形成されている。回路チップ210の線 212とパッケージ基板250の入出力パッド251A,251 Bはワイヤ280A,280Bにより接続されている。

 また、特許文献3には、チップ素子に対す る金ワイヤのボンディングを行う場合に、ボ ンディング性の観点から、金ワイヤを接続す る電極として金電極を形成することが開示さ れている。

 金電極を形成する場合、第1の方法として は、金を含有するペースト状の電極材をスク リーン印刷等によりパターン形成したのち焼 成する方法がある。

 また、第2の方法としては、蒸着、スパッ タリング、またはメッキ等により、金の電極 膜を全面に形成したのち、フォトリソグラフ ィプロセスでレジストを形成し、不要な金の 電極膜をエッチングにより除去する方法があ る。

 また、第3の方法としては、フォトリソグラ フィプロセスによりレジストのパターンを形 成したのち、蒸着、スパッタリング、または メッキ等により、金の電極膜をレジストの非 形成部分に形成し、最後にレジスト膜を剥離 する方法がある。

特開2002-151908号公報

特開2003-133881号公報

特開平07-045468号公報

 近年の金属材の原価の高騰により、上記 た各種方法により金電極を形成したチップ 子は、その原料コストが増大する傾向にあ 。また、近年の環境対策の厳格化により、 ジスト等の化学物質の使用量は減少させる 要がある。その一方、チップ素子自体の高 能化への要望は大きい。

 そこで本発明の目的は、ワイヤボンディ グに用いる電極における金属材使用量を低 するとともに、その電極形成に係るレジス を不要にでき、製造コストの抑制と高性能 とを図ることができるチップ素子および、 の製造方法の提供にある。

 チップ素子において、基体の表主面に絶 膜を形成する。絶縁膜にはボンディング用 極を構成する複数のメッキ層に対しての非 ッキ性を持たせておく。さらに、電極パタ ン上の絶縁膜に開口を形成しておく。そし 、絶縁膜に設けた開口内に露出する電極パ ーンを下地電極として、下地電極上に表層 金メッキ層を含む複数のメッキ層をメッキ 、ボンディング用電極を形成する。

 これにより、ボンディング用電極の製造 程において、基体の表主面全面にメッキ浴 施すようにしても、絶縁膜上にはメッキ層 形成されず、開口内に露出する電極パター 上にメッキ層が形成される。したがってメ キ層の形成面積及び含有金属の使用量を低 でき、メッキ層形成のための原料コストを 減できる。また、絶縁膜に設ける開口がマ クパターンの代わりとなり、メッキ層形成 レジスト処理を用いる必要が無くなる。し がって、レジスト処理に係るレジスト材自 、および、レジスト材の剥離、回収、再生 廃棄等の処理コストを不要にできる。この うにして形成するメッキ層のパターン精度 、絶縁膜の開口のパターン精度に従って定 るので、絶縁膜の開口のパターン精度を高 ることで、チップ素子の高性能化が望める

 また、チップ素子において、基体の表主 に絶縁膜を形成する。絶縁膜にはボンディ グ用電極を構成する複数のメッキ層に対し の非メッキ性を持たせておく。さらに、電 パターン上の絶縁膜に開口を形成しておく そして、絶縁膜の開口に設けた導体を介し 基体の電極パターンに導通する下地電極を 縁膜上に形成する。そして、下地電極上に メッキ層を含む複数のメッキ層をメッキし ボンディング用電極を形成する。

 これにより、ボンディング用電極の製造 程において、基体の表主面全面にメッキ浴 施すようにしても、絶縁膜上にはメッキ層 形成されず、絶縁膜上に設けた下地電極上 メッキ層が形成される。したがってメッキ の形成面積及び含有金属の使用量を低減で 、メッキ層形成のための原料コストを低減 きる。また、絶縁膜上に設ける下地電極が スクパターンの代わりとなり、メッキ層形 にレジスト処理を用いる必要が無くなる。 たがって、レジスト処理に係るレジスト材 体、および、レジスト材の剥離、回収、再 、廃棄等の処理コストを不要にできる。こ ようにして形成するメッキ層のパターン精 は、下地電極のパターン精度に従って定ま ので、下地電極のパターン精度を高めるこ で、チップ素子の高性能化が望める。

 基体は、複数の絶縁層を積層して、絶縁 間にも電極パターンを設けた構成であって よい。

 また、チップ素子において、基体の表主 に第1の絶縁膜を形成し、第1の絶縁膜の表 面に第2の絶縁膜を形成する。電極パターン の第1の絶縁膜に開口を形成しておく。第1 絶縁膜上に絶縁膜上電極パターンを形成す 。絶縁膜上電極パターンは、第1の絶縁膜の 口に設けた導体を介して基体の電極パター に導通させる。絶縁膜上電極パターン上の 2の絶縁膜に開口を形成しておく。第2の絶 膜上に下地電極を形成する。下地電極は、 2の絶縁膜の開口に設けた導体を介して絶縁 上電極パターンに導通させる。ここで、第2 の絶縁膜には、ボンディング用電極を構成す る複数のメッキ層に対しての非メッキ性を持 たせておく。そして、下地電極上に金メッキ 層を含む複数のメッキ層をメッキし、ボンデ ィング用電極を形成する。これにより、ボン ディング用電極を、基体上の電極パターンの 形成位置の上からずらして形成することがで きる。

 また、ボンディング用電極の金メッキ層 に、金メッキ層よりも下地電極に対しての 着性が高い下地メッキ層を設けてもよい。 れにより下地電極との接着性を高めながら ワイヤとの接続性を高めることができる。

 また、下地電極は銀を主成分とすれば高 導電性が望める。また、絶縁膜がケイ酸系 ラスを主成分とすれば、各種メッキ液との 液性や、形成後の耐候性、絶縁膜下の回路 ターンの機械的保護能力が望める。下地メ キ層はニッケルを主成分とすれば、銀を主 分とする下地電極との高い接着性が望める

 また、絶縁膜の形成に、フォトリソグラ ィプロセスを採用することにより、極めて 精度なパターン形成が可能となる。

 また、電極パターンを伝送線路としてマ クロストリップ線路フィルタを構成しても い。従来構成では、電極パターンを伝送線 としてマイクロストリップ線路フィルタを 成した場合、ワイヤのボンディング誤差に って伝送線路におけるインダクタンス成分 影響を受けていた。しかしながら、本発明 ように絶縁膜に設けた開口を介して、ボン ィング用電極を伝送線路に導通させる構成 は、開口の形成位置が安定することによっ 伝送線路のインダクタンス成分が安定し、 イヤのボンディング誤差による影響を低減 せることができる。したがってマイクロス リップ線路フィルタのフィルタ特性を安定 できる。

 この発明によれば、メッキ層の形成工程 レジスト処理を伴わず簡易化する。さらに メッキ層の形成面積や金属使用量、特に金 ッキ層の形成面積や金使用量が低減する。 たがってチップ素子の製造コストが抑制で る。また、チップ素子を高性能化、安定化 きる。

チップ素子の従来構成を説明する図で る。 本発明に係るチップ素子の構成例を示 展開図である。 上記構成例の製造工程を説明するフロ である。 本発明に係るチップ素子の他の構成例 示す展開図である。 上記構成例の等価回路図である。 本発明に係るチップ素子の他の構成例 示す展開図である。

符号の説明

1,51,81…チップ素子
10,60,80…誘電体基板
11,61…スルーホール
12,62,82…主面電極
13,63,83…接地電極
20,70,90,95…ガラス層
21,71,96…ボンディング用電極
50…金ワイヤ
22,72,97…開口
73…下地電極
92…銀電極

 以下、図2に示すチップ素子の構成例に基 づいて本発明を説明する。同図(A)はチップ素 子の正面図であり、同図(B)は同図(A)に示すB-B 断面図である。以下で示すチップ素子は、さ らに図示していないパッケージ基板や実装基 板に実装され、金ワイヤのボンディングによ りボンディング用電極がパッケージ基板や実 装基板の入出力パッドに接続される。なお、 パッケージ基板に実装される場合にはチップ 素子を覆うように金属カバーが設けられ、さ らに大規模な実装基板に表面実装されること になる。

 チップ素子1は、本発明の基体である小型 直方体状の誘電体基板10を備える。誘電体基 10は、酸化チタン等のセラミックの誘電体 らなり、比誘電率が約110で、基板厚みは300μ m、図示する横方向の寸法が約1.4mm、主面の短 手方向寸法が約1.3mmの基板である。

 誘電体基板10の裏主面には、全面に接地 極13を形成している。この裏主面は、実装基 板やパッケージ基板に配置される実装面であ る。接地電極13は電極厚みが約12μmの銀電極 複数のメッキ層とからなる。複数のメッキ は、銀電極上にニッケルを主成分とするニ ケルメッキ層を形成し、そのニッケルメッ 層上にさらにパラジウムを主成分とするパ ジウムメッキ層を形成し、さらにその上に を主成分とする金メッキ層を形成したもの ある。なお、この接地電極13の詳細な製造工 程および構成については、本発明の本質とは 関わらないため詳細な説明は省くが、一般的 な工程および構成を採用することができる。

 誘電体基板10の表主面には、全体としてS 状にパターン化した主面電極12を形成して る。この主面電極12は、本発明の電極パター ンであり、電極厚み約5μmの銀電極である。 の主面電極12は、電極精度を改善するために 、感光性材に金属銀粉末を分散させた感光性 銀電極ペーストを塗布し、乾燥、感光により 感光性材を固化して、現像するフォトリソグ ラフィプロセスにより高精度にパターンを形 成し、その後、焼成してなる。

 なお、誘電体基板10の中央付近には、レ ザ加工やブラスト加工により主面間を貫通 る貫通孔を設け、貫通孔内に銀電極ペース を充填形成したスルーホール11を設けている 。このスルーホール11を介して、主面電極12 接地電極13に導通する。主面電極12は、スル ホール11を中心に互いに逆方向に巻いたス イラル状の2つのマイクロストリップ線路12A, 12Bを構成している。このマイクロストリップ 線路12A,12Bは、スルーホール11を共通の短絡端 としていて、それぞれ一端短絡、一端開放の 1/4波長共振器の共振線路を構成している。こ の2つの1/4波長共振器はスルーホール11のイン ダクタンス成分を介して結合し、フィルタを 構成している。

 誘電体基板10と主面電極12との表層側には 、本発明の絶縁膜であるガラス層20を厚み15μ m以上として形成している。このガラス層20は 、結晶性SiO2や硼珪酸ガラスなどのケイ酸系 ラスを主成分としている。このガラス層20の 成分は、後述するボンディング用電極21A,21B 複数のメッキ層の成分に対して非メッキ性 有する。ガラス層20の、誘電体基板10のスル ホール11両脇の主面電極12上には、2つの開 22A,22Bを設け、開口22A,22B内にボンディング用 電極21A,21Bを設けている。開口22A,22B下に位置 る(露出する)主面電極が、本発明の下地電 を構成する。これらの開口22A,22Bの形成精度 改善するため、ガラス層20は感光性材を含 感光性ガラスペーストを誘電体基板10に塗布 し、乾燥、感光により感光性材を固化して、 現像するフォトリソグラフィプロセスにより パターンを高精度に形成し、その後、焼成す ることで形成している。このガラス層20によ て、表主面電極パターンを機械的に保護す とともにフィルタの耐候性を向上させるこ ができる。なお、ガラス層20の各種寸法は 誘電体基板10とガラス層20との密着度や耐環 性、周波数特性などを考慮して適宜設定す ばよい。

 ガラス層20の2つの開口22A,22B内には、開口 22A,22B下の主面電極12と導通するボンディング 用電極21A,21Bを設けている。これらのボンデ ング用電極21A,21Bは複数のメッキ層を形成し ものである。具体的には、主面電極12と導 する最下層に、ニッケルを主成分とする約3 m厚のニッケルメッキ層を無電解メッキによ 形成し、ニッケルメッキの上層に、パラジ ムを主成分とする約0.1μm厚のパラジウムメ キ層を無電解メッキにより形成し、パラジ ムメッキの上層に、金ワイヤ50A,50Bとの接続 性を高めるために金を主成分とする約0.1μm厚 の金メッキ層を無電解メッキにより形成して いる。ここではニッケルメッキ層が本発明の 下地メッキ層である。なお、ここでは下地メ ッキ層としてニッケルメッキ層を設けるとと もに、主面電極12に対して触媒等を用いて適 な表面処理を施すことで、主面電極12とニ ケルメッキ層との間にメッキ性を与える。 お、下地メッキ層および主面電極は、良好 メッキ性が得られるような成分であれば好 であり、上記パラジウムメッキ層は除いて よく、パラジウムメッキ層に替えて他のメ キ層を設けてもよい。ここで用いた各メッ 層の主成分は、いずれもガラス層20に対して メッキ性がないものであるが、ガラス層20に してメッキ性がないものであれば他のどの うな主成分を用いてもよい。

 ボンディング用電極21A,21Bにはそれぞれ、 金ワイヤ50A,50Bがボンディングされる。これ 金ワイヤ50A,50Bは高周波信号の入出力端子で る実装基板の入出力パッド(不図示)に接続 る。金ワイヤ50A,50Bは、ボンディング用電極2 1A,21Bにボンディングすることで、主面電極12 よるマイクロストリップ線路12A,12Bに対して タップ結合することになる。

 なお図示していないが、誘電体基板10の 面には何の電極も設けていない。

 以上のように、ガラス層20に複数のメッ 層に対しての非メッキ性を付与しているの 、ボンディング用電極をメッキ処理により 成しても、ガラス層20上にメッキ層が形成さ れることがない。また、複数のメッキ層によ りボンディング用電極を構成することで、各 メッキ層間の密着性を向上させるとともに、 主面電極との接続性と金ワイヤとの接続性を ともに良好なものにしている。

 ここでは、主面電極として銀を主成分と る例を説明したが、銀ではなく、安価で導 率の高い他の成分、例えば銅やアルミニウ 、銀-パラジウム合金などを主成分とする電 極を用いてもよい。この場合、ボンディング 用電極の複数のメッキ層の成分を適切に設定 し、表面処理を適切に実施することで、主面 電極の成分がどのようなものであっても本発 明を実施することが可能になる。

 以上の構成のフィルタ素子は、図3に示す工 程を経て製造される。
(S1)まず、いずれの面にも電極を形成してい い誘電体親基板を用意する。
(S2)次に、上記親基板に対して、裏主面側に 電体ペーストをスクリーン印刷し、焼成を て接地電極および端子電極を形成する。
(S3)次に、親基板に対して、表主面側に感光 銀電極ペーストを印刷し、露光、現像する ォトリソグラフィプロセスによりパターン 形成し、その後、焼成して各主面電極を形 する。
(S4)次に、親基板の表主面側に絶縁性材を主 分とし感光性材を添加した感光性ガラスペ ストを印刷し、フォトマスクを用いて前記 ーストを露光し、固化していない前記ペー トを除去して開口を設ける現像を行うフォ リソグラフィプロセスによりパターンを形 し、その後、焼成を経てガラス層を形成す 。なお、この工程に用いる露光装置などは 上記主面電極の形成工程で用いたものとす 。これにより、露光装置などを複数用意す 必要が無くなり製造コストの削減が可能に る。
(S5)次に、親基板の表主面側全体を複数回、 ッキ液を異ならせながらメッキ浴する。最 にメッキ浴に用いるメッキ液は、銀電極に してメッキ性があり、ガラス層に対してメ キ性のないニッケルを主成分とするものと る。また、最後にメッキ浴に用いるメッキ は、金ワイヤとのボンディング性に優れ、 ラス層に対してメッキ性のない金を主成分 するものとする。

(S6)次に、上記のようにして構成した親基 からダイシングなどにより多数の素体を切 出し、チップ素子を製造する。

 以上のように、このチップ素子を製造す ことで、チップ素子の親基板にメッキ浴に いて付着するメッキ液が、略ガラス層の開 内だけでメッキ層となり、メッキ層の形成 積及び含有金属の使用量を低減でき、この ッキ層のための原料コストを低減できる。

 また、その際に特にレジスト処理が不要 なり、その処理コストやレジスト原料コス を低減できる。このようにレジスト処理を 要とせずに、フォトリソグラフィプロセス よりボンディング用電極のパターン精度を めることができ、チップ素子の高性能化が める。

 次に、チップ素子の他の構成例について 4に基づいて説明する。同図(A)はチップ素子 の正面図であり、同図(B)は同図(A)に示すB-B断 面図である。以下の説明では、上述の構成例 と同一の構成では、場合によっては説明を省 く。

 チップ素子51は、本発明の基板である小 直方体状の誘電体基板60を備える。誘電体基 板60の裏主面には、全面に接地電極63を形成 ている。誘電体基板60の表主面には、全体と してS字状にパターン化した主面電極62を形成 している。又、誘電体基板60には、その中央 近にスルーホール61を設けている。主面電 62は、互いに逆方向に巻いたスパイラル状の 2つのマイクロストリップ線路62A,62Bを構成し いる。

 誘電体基板60と主面電極62との表層側には 、本発明の絶縁膜であるガラス層70を形成し いる。このガラス層70は、結晶性SiO2や硼珪 ガラスなどのケイ酸系ガラスを主成分とし いる。このガラス層70の成分は、後述する ンディング用電極71A,71Bの複数のメッキ層の 分に対して非メッキ性を有する。ガラス層7 0の、スルーホール61両脇の主面電極62上には 2つの開口72A,72Bを設けている。

 ガラス層70の2つの開口72A,72B内には、非感 光性の銀電極ペーストを充填し、乾燥、焼成 する工程により銀電極を形成している。また 、ガラス層70上の、開口72A,72B周囲には、矩形 で開口72A,72Bよりも大きなサイズの銀電極を 感光性の銀ペーストのフォトリソグラフィ ロセスによりパターン形成している。この ラス層70上の、開口72A,72B周囲に設けた銀電 が、本発明の下地電極73A,73Bである。なお、 口72A,72B内の銀電極は、上述のように下地電 極73A,73Bとは別の工程で形成してもよいが、 地電極73A,73Bと同時に、感光性の銀電極ペー トを開口内に充填して形成してもよい。

 下地電極73A,73B上には、複数のメッキ層を 形成してボンディング用電極71A,71Bを構成し いる。したがって、ボンディング用電極71A,7 1Bは開口72A,72B下の主面電極62と導通する。ボ ディング用電極71A,71Bの、下地電極73A,73Bと する最下層には、本発明の下地メッキ層で るニッケルメッキ層を約3μm形成し、ニッケ メッキの上層にはパラジウムメッキ層を約0 .1μm形成し、パラジウムメッキの上層には金 ッキ層を約0.1μm形成している。このように て複数層のメッキ層を設けることで、各メ キ層間の密着性を向上させている。

 なお、ここでは下地メッキ層としてニッ ルメッキ層を設けるとともに、下地電極73A, 73Bに対して触媒等を用いて適切な表面処理を 施すことで、下地電極73A,73Bとニッケルメッ 層との間にメッキ性を与える。なお、下地 ッキ層および下地電極73A,73Bは、良好なメッ 性が得られるような成分であれば好適であ 、上記パラジウムメッキ層は除いてもよく パラジウムメッキ層に替えて他のメッキ層 設けてもよい。ここで用いた各メッキ層の 成分は、いずれもガラス層70に対してメッ 性がないものであるが、ガラス層70に対して メッキ性がないものであれば他のどのような 主成分を用いてもよい。

 ボンディング用電極71A,71Bにはそれぞれ、 高周波信号の入出力端子である実装基板の入 出力パッド(不図示)に接続された金ワイヤが ンディングされることになる。これにより 主面電極62によるマイクロストリップ線路62 A,62Bに対して金ワイヤがタップ結合すること なる。

 以上のように、ガラス層70に複数のメッ 層に対しての非メッキ性を付与しているの 、ボンディング用電極71A,71Bをメッキ処理に り形成することができる。また、ボンディ グ用電極71A,71Bを複数のメッキ層とすること で、各メッキ層間の密着性を向上させるとと もに、主面電極62との接続性と金ワイヤとの 続性をともに良好なものにしている。

 このような構成のチップ素子を製造する 合には、チップ素子の親基板にメッキ浴に り付着するメッキ液が、略ガラス層の表主 に設けた下地電極上でだけメッキ層をなし メッキ層の形成面積及び含有金属の使用量 低減でき、このメッキ層のための原料コス を低減できる。

 また、その際に特にレジスト処理が不要 なり、その処理コストやレジスト原料コス を低減できる。このようにレジスト処理を 要とせずに、フォトリソグラフィプロセス よりボンディング用電極のパターン精度を めることができ、チップ素子の高性能化が める。

 ここで、このチップ素子に設けられるマ クロストリップ線路62A,62Bによるフィルタの 等価回路図を図5に示す。

 マイクロストリップ線路62A,62Bは、共通の 短絡端であるスルーホールを介してチップ素 子の裏主面に設けた接地電極に接続される。 したがって、マイクロストリップ線路62A,62B 接続点P1は、スルーホールの誘導性成分Lw3と 抵抗成分R1とを介して接地される。マイクロ トリップ線路62Aは、等価的に伝送線路LsA1と 伝送線路LsA2とからなり、マイクロストリッ 線路62Bは、伝送線路LsB1と伝送線路LsB2とから なる。伝送線路LsA1およびLsA2、伝送線路LsB1お よびLsB2は、ガラス層の開口が形成された位 である接続点P2およびP3により分けられ、接 点P2,P3は実装基板側の入出力端子I/Oに、ボ ディング用電極および金ワイヤの誘導性成 Lw1,Lw2を介して接続される。

 このように、このチップ素子のフィルタ 価回路は構成される。この構成では、ガラ 層の開口に導電体を設けて、その導電体に ンディング用電極と金ワイヤとを接続する で、接続点P2およびP3は、ガラス層の開口が 形成された位置となる。

 一方、ガラス層の開口に導電体を設けず 主面電極上に直接、金ワイヤをボンディン する従来構成では、ボンディング位置がそ まま接続点P2およびP3となってしまう。ボン ディング工程の性質上、金ワイヤのボンディ ング位置には精度誤差が存在するので、主面 電極上の金ワイヤのボンディング位置に誤差 が有れば、接続点P2およびP3がずれて伝送線 LsA1およびLsA2、伝送線路LsB1およびLsB2が不定 なる。このように従来構成では、ボンディ グ位置の誤差による影響がフィルタ特性に よんでしまうことになる。その場合、この ィルタの入出力インピーダンスにばらつき 生じることになる。

 このように従来構成では問題が生じるが 一方、本実施形態のチップ素子の構成のよ に、開口に導電体を設け、導電体に接続し ボンディング用電極に対して、金ワイヤを ンディングするようにする場合には、接続 P2およびP3のボンディング位置によるずれが 低減され、フィルタ特性に影響がおよぶこと が殆ど無い。これにより、タップ接続の接続 位置にずれが生じることが殆ど無くなり、こ のフィルタの入出力インピーダンスに生じる ばらつきが低減する。

 次に、図6に示すチップ素子の他の構成例 に基づいて本発明を説明する。同図はチップ 素子の断面図である。以下の説明では、上述 の構成例と同一の構成では、場合によっては 説明を省く。

 このチップ素子は、ガラス層を複数層に 成し、ボンディング用電極の位置を、主面 極のパターンによらずに設定したものであ 。

 チップ素子81は、小型直方体状の誘電体 板80を備える。誘電体基板80の裏主面には、 面に接地電極83を形成している。誘電体基 80の表主面には、主面電極82を形成している

 誘電体基板80と主面電極82との表層側には 、ガラス層90を形成している。このガラス層9 0は、結晶性SiO2および硼珪酸ガラスを主成分 している。主面電極82上のガラス層90には、 開口を設けている。ガラス層90の開口内と、 口の周囲には、非感光性の銀電極ペースト 印刷し、乾燥、焼成する工程により銀電極 形成している。

 ガラス層90の表層側には、さらに本発明 絶縁膜であるガラス層95を形成している。こ のガラス層95は、結晶性SiO2および硼珪酸ガラ スを主成分としている。ガラス層90の銀電極9 2上のガラス層95には開口97を設けている。開 97下に位置する(露出する)銀電極92が、本発 の下地電極を構成する。ガラス層95の開口97 内には、複数のメッキ層が形成されていて、 複数のメッキ層がボンディング用電極96を構 している。このボンディング用電極96は主 電極82と導通する。ガラス層95の開口97下の 電極と接する最下層にはニッケルメッキ層 約3μm形成し、ニッケルメッキの上層にはパ ジウムメッキ層を約0.1μm形成し、パラジウ メッキの上層には金メッキを約0.1μm形成し いる。このようにして複数層のメッキ層を けることで、各メッキ層間の密着性を向上 せている。

 以上のように、このチップ素子を製造す ことで、チップ素子の親基板にメッキ浴に いて付着するメッキ液が、略ガラス層の表 面に設けた銀電極上だけでメッキ層を形成 、メッキ層の形成面積及び含有金属の使用 を低減でき、このメッキ層のための原料コ トを低減できる。

 なお、上記した各実施形態での電極パタ ンの構成は製品仕様に応じた、どのような 状であっても良い。本発明は上記構成以外 あっても適用でき、多様なチップ素子に採 できる。