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Title:
CIRCUIT CONNECTING ADHESIVE FILM, CONNECTING STRUCTURE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE CONNECTING STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133186
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To improve transfer characteristics of a circuit connecting adhesive film to a circuit member while maintaining adhesion strength and long-term connection reliability after circuit connection at sufficiently high levels. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] Provided is a circuit connecting adhesive film to be used for bonding a first circuit member with a second circuit member. The circuit connecting adhesive film is provided with an adhesive layer and an adhesive layer laminated on the adhesive layer. When the circuit connecting adhesive film is adhered on a surface on a first connecting terminal side of the first circuit member, by permitting the adhesive layer to make contact with the first circuit member, the peeling strength is larger than that when the adhesive layer is adhered on a surface on the first connecting terminal side of the first circuit member, and the thickness of the adhesive layer is 0.1-5.0μm.

Inventors:
ARIFUKU MOTOHIRO (JP)
MOCHIZUKI NICHIOMI (JP)
KOBAYASHI KOUJI (JP)
KOJIMA KAZUYOSHI (JP)
NAKAZAWA TAKASHI (JP)
HIROSAWA YUKIHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057534
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI CHEMICAL CO LTD (JP)
ARIFUKU MOTOHIRO (JP)
MOCHIZUKI NICHIOMI (JP)
KOBAYASHI KOUJI (JP)
KOJIMA KAZUYOSHI (JP)
NAKAZAWA TAKASHI (JP)
HIROSAWA YUKIHISA (JP)
International Classes:
H05K1/14; C09J7/00; C09J9/02; C09J201/00; H01B5/16; H01L21/60; H01R11/01; H05K3/32; H05K3/36
Foreign References:
JP2003049152A2003-02-21
JP2007027712A2007-02-01
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg. 10-6,Ginza 1-chome, Chuo-ku, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 第一の基板及びその主面上に形成された第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の基板及びその主面上に形成された第二の接続端子を有する第二の回路部材との間に介在して、対向する前記第一の接続端子と前記第二の接続端子とが電気的に接続されるように前記第一の回路部材と前記第二の回路部材とを接着するために用いられる回路接続用接着フィルムにおいて、
 接着剤層Aと該接着剤層A上に積層された接着剤層Bとを備え、
 当該回路接続用接着用フィルムを前記接着剤層Bが前記第一の回路部材に接する向きで前記第一の回路部材の前記第一の接続端子側の面に対して貼り付けたときの剥離強度が、前記接着剤層Aを前記第一の回路部材の前記第一の接続端子側の面に貼り付けたときの剥離強度よりも大きく、
 前記接着剤層Bの厚みが0.1~5.0μmである、回路接続用接着フィルム。
 前記接着剤層A及び前記接着剤層Bのうち少なくとも一方が熱硬化性樹脂を含有する、請求項1記載の回路接続用接着フィルム。
 前記接着剤層A及び前記接着剤層Bのうち少なくとも一方が導電粒子を含有する、請求項1又は2記載の回路接続用接着フィルム。
 第一の基板及びその主面上に形成された第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の基板及びその主面上に形成された第二の接続端子を有し該第二の接続端子が前記第一の接続端子と対向するように配置された第二の回路部材と、前記第一の回路部材と前記第二の回路部材との間に介在する接着層と、を具備し、前記第一の回路部材と前記第二の回路部材とが、対向する前記第一の接続端子と前記第二の接続端子とが電気的に接続されるように前記接着層によって接着されている接続構造体において、
 前記接着層が、接着剤層Aと該接着剤層A上に積層された接着剤層Bとを備える回路接続用接着フィルムを前記接着剤層Bが前記第一の回路部材に接する向きで前記第一の回路部材と前記第二の回路部材との間に介在させ、その状態で加熱及び加圧することにより前記回路接続用接着フィルムから形成される層であり、
 前記回路接続用接着用フィルムを前記接着剤層Bが前記第一の回路部材に接する向きで前記第一の回路部材の前記第一の接続端子側の面に対して貼り付けたときの剥離強度が、前記接着剤層Aを前記第一の回路部材の前記第一の接続端子側の面に貼り付けたときの剥離強度よりも大きく、
 前記接着剤層Bの厚みが0.1~5.0μmである、接続構造体。
 第一の基板及びその主面上に形成された第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の基板及びその主面上に形成された第二の接続端子を有し該第二の接続端子が前記第一の接続端子と対向するように配置された第二の回路部材と、前記第一の回路部材と前記第二の回路部材との間に介在する接着層と、を具備し、前記第一の回路部材と前記第二の回路部材とが、前記第一の接続端子と前記第二の接続端子とが電気的に接続されるように前記接着層によって接着されている接続構造体の製造方法において、
 接着剤層Aと該接着剤層A上に積層された接着剤層Bとを備える回路接続用接着フィルムを、前記接着剤層Bが前記第一の回路部材に接する向きで前記第一の回路部材の前記第一の接続端子側の面に対して貼り付ける工程と、
 前記第二の回路部材を、前記第一の接続端子と前記第二の接続端子とが前記回路接続用接着フィルムを挟んで対向するように配置する工程と、
 加熱及び加圧により、対向する前記第一の接続端子と前記第二の接続端子とが電気的に接続されるように、前記第一の回路部材と前記第二の回路部材とを前記回路接続用接着フィルムから形成される前記接着層によって接着させる工程と、を備え、
 前記回路接続用接着用フィルムを前記接着剤層Bが前記第一の回路部材に接する向きで前記第一の回路部材の前記第一の接続端子側の面に対して貼り付けたときの剥離強度が、前記接着剤層Aを前記第一の回路部材の前記第一の接続端子側の面に貼り付けたときの剥離強度よりも大きく、
 前記接着剤層Bの厚みが0.1~5.0μmである、接続構造体の製造方法。
 前記第一の接続端子及び前記第二の接続端子のうち少なくとも一方の表面が、金、銀、錫及び白金族の金属から選ばれる少なくとも一種から構成される、請求項5記載の接続構造体の製造方法。
 前記第一の接続端子及び前記第二の接続端子のうち少なくとも一方の表面が、インジュウム-錫酸化物からなる透明電極から構成される、請求項5記載の接続構造体の製造方法。
 前記第一の基板及び前記第二の基板のうち少なくとも一方の表面が、ポリエステルテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、及びガラスから選ばれる少なくとも一種から構成される、請求項5に記載の接続構造体の製造方法。
 前記第一の基板及び前記第二の基板のうち少なくとも一方が、その表面に付着しているシリコーン化合物、ポリイミド樹脂及びアクリル樹脂から選ばれる少なくとも一種を有する、請求項5~8のいずれか一項に記載の接続構造体の製造方法。
Description:
回路接続用接着フィルム、接続 造体及びその製造方法

 本発明は、回路接続用接着フィルム、接 構造体及びその製造方法に関する。

 回路基板同士、またはICチップ等の電子 品と回路基板とを、接続端子同士が電気的 接続されるように接着するために、接着剤 導電粒子を分散させた異方性導電接着剤が いられている。例えば、異方性導電接着剤 回路基板同士の間に配置し、その状態で加 及び加圧することによって、それぞれの回 基板が有する接続端子同士を接続して、加 方向に導電性を持たせると共に、同一回路 板上で隣接する接続端子同士には絶縁性を 与して、対向する接続端子間のみの電気的 続を行うことができる。異方性導電接着剤 しては、例えば、エポキシ樹脂を主成分と る回路接続用接着剤がある(例えば、特許文 1参照)。

 フィルム状の回路接続用接着剤、すなわち 路接続用接着フィルムは、一般に、有機溶 で溶解した回路接続用接着剤をフィルム基 に塗布し、乾燥する方法により製造される このため、回路接続用接着フィルムを用い 回路部材同士を接続する際には、フィルム 材上の回路接続用接着フィルムを何れかの 路部材に転写する必要がある。回路接続用 着フィルムの転写は、一般に、回路接続用 着フィルムを回路部材上に載せ、加熱及び/ 又は加圧する方法により行われる。

特開平3-16147号公報

 しかしながら、回路部材の材料構成や回 構成、回路部材製造時の表面汚染等の原因 より、回路部材に対する回路接続用接着フ ルムの転写性が十分でなく、転写の工程の 率や歩留が低下する場合がある。特に近年 接続構造体の生産効率の更なる向上のため 回路接続用接着フィルムの回路部材への転 のための加熱や加圧の時間が短縮されてお 、十分な転写性を得ることがますます困難 なる傾向にある。

 転写性を向上する方法としては、回路接 用接着フィルムの材料構成を変更して、回 接続用接着フィルムを回路部材に貼り付け ときの接着力を強くする方法が有効である ところが、材料構成の変更によって転写性 向上させた場合、回路部材を接続した後の 着強度や長期接続信頼性等の点で十分なレ ルを維持することが極めて困難であること 明らかとなった。

 本発明は上記事情に鑑みてなされたもの あり、回路接続用接着フィルムにおいて、 路接続後の接着強度及び長期接続信頼性を 分なレベルに維持しつつ、回路部材への転 性の改善を図ることを目的とする。

 一つの側面において、本発明は、第一の 板及びその主面上に形成された第一の接続 子を有する第一の回路部材と、第二の基板 びその主面上に形成された第二の接続端子 有する第二の回路部材との間に介在して、 向する第一の接続端子と第二の接続端子と 電気的に接続されるように第一の回路部材 第二の回路部材とを接着するために用いら る回路接続用接着フィルムに関する。本発 に係る回路接続用接着フィルムは、接着剤 Aと該接着剤層A上に積層された接着剤層Bと 備える。本発明に係る回路接続用接着用フ ルムを接着剤層Bが第一の回路部材に接する 向きで第一の回路部材の第一の接続端子側の 面に対して貼り付けたときの剥離強度は、接 着剤層Aを第一の回路部材の第一の接続端子 の面に貼り付けたときの剥離強度よりも大 い。そして、接着剤層Bの厚みは0.1~5.0μmであ る。

 上記本発明に係る回路接続用接着フィル は、回路部材に貼り付けられたときの剥離 度が大きい接着剤層Bを接着剤層A上に備え この接着剤層Bが上記特定範囲の厚みを有し いる。これにより、回路接続後の接着強度 び長期接続信頼性を十分なレベルに維持し つ、回路部材への転写性を改善することが 能となった。

 別の側面において、本発明は、第一の基 及びその主面上に形成された第一の接続端 を有する第一の回路部材と、第二の基板及 その主面上に形成された第二の接続端子を し該第二の接続端子が第一の接続端子と対 するように配置された第二の回路部材と、 一の回路部材と第二の回路部材との間に介 する接着層と、を具備し、第一の回路部材 第二の回路部材とが、対向する第一の接続 子と第二の接続端子とが電気的に接続され ように接着層によって接着されている接続 造体に関する。本発明に係る接続構造体の 着層は、上記本発明に係る回路接続用接着 ィルムを接着剤層Bが第一の回路部材に接す る向きで第一の回路部材と第二の回路部材と の間に介在させ、その状態で加熱及び加圧す ることにより回路接続用接着フィルムから形 成される層である。

 上記本発明に係る接続構造体は、上記本 明に係る回路接続用接着フィルムから形成 れる接着層を備えていることにより、十分 レベルの回路接続後の接着強度及び長期接 信頼性を有している。また、高い生産効率 製造されることが可能である。

 更に別の側面において、本発明は上記接 構造体の製造方法に関する。本発明に係る 続構造体の製造方法は、上記本発明に係る 路接続用接着フィルムを、接着剤層Bが第一 の回路部材に接する向きで第一の回路部材の 第一の接続端子側の面に対して貼り付ける工 程と、第二の回路部材を、第一の接続端子と 第二の接続端子とが回路接続用接着フィルム を挟んで対向するように配置する工程と、加 熱及び加圧により、対向する第一の接続端子 と第二の接続端子とが電気的に接続されるよ うに、第一の回路部材と第二の回路部材とを 回路接続用接着フィルムから形成される接着 層によって接着させる工程と、を備える。

 上記本発明に係る接続構造体の製造方法 よれば、十分なレベルの回路接続後の接着 度及び長期接続信頼性を有する接続構造体 十分に高い生産効率で得ることが可能であ 。

 本発明によれば、回路接続用接着フィル において、回路接続後の接着強度及び長期 続信頼性を十分なレベルに維持しつつ、回 部材への転写性が改善される。また、本発 の回路接続用接着フィルムによれば、隣接 路間の良好な絶縁抵抗も達成される。

図1は、回路接続用接着フィルムの一実 施形態を示す断面図である。 図2は、回路端子の接続構造の一実施形 態を示す断面図である。

符号の説明

 1…回路接続用接着フィルム、1a…接着層 5…導電粒子、11…接着剤層A、12…接着剤層B 、20…第一の回路部材、21…第一の基板、23… 第一の接続端子、30…第二の回路部材、31… 二の基板、33…第二の接続端子、41,42…基材 ィルム、100…接続構造体。

 以下、本発明の好適な実施形態について 細に説明する。ただし、本発明は以下の実 形態に限定されるものではない。

 図1は、一実施形態に係る回路接続用接着 フィルムを備える積層シートを示す断面図で ある。図1に示す回路接続用接着フィルム1は 接着剤層A11と、接着剤層A11の一方面上に積 された接着剤層B12とから構成される。回路 続用接着フィルム1は、接着剤層A11側に貼り 付けられた基材フィルム41及び接着剤層B12側 貼り付けられた基材フィルム42とともに積 シート50を構成している。基材フィルム41及 基材フィルム42は、典型的にはポリエチレ テレフタレート(PET)フィルムである。

 図2は、一実施形態に係る接続構造体を示 す断面図である。図2に示す接続構造体100は 第一の基板21及びその主面上に形成された第 一の接続端子23を有する第一の回路部材20と 第二の基板31及びその主面上に形成された第 二の接続端子32を有する第二の回路部材30と 接着層1aとから構成される。第一の回路部材 20及び第二の回路部材30は、第一の接続端子23 と第二の接続端子33とが対向するように、接 層1aを挟んで配置されている。第一の回路 材20及び第二の回路部材30は、導電粒子5を含 む接着層1aによって接着されている。対向す 第一の接続端子23と第二の接続端子33とは、 導電粒子5を介して電気的に接続されている 一方、第一の基板21上で隣り合う第一の接続 端子23同士、及び第二の基板31上で隣り合う 二の接続端子33同士は実質的に絶縁されてい る。

 回路接続用接着フィルム1は、接続構造体 100を製造するために用いられる異方性導電接 着フィルム(ACF)である。接続構造体100の接着 1aは回路接続用接着フィルム1から形成され 層である。

 回路接続用接着フィルム1を接着剤層B12が 第一の回路部材20に接する向きで第一の回路 材20の第一の接続端子23側の面に対して貼り 付けたときの剥離強度(以下「剥離強度B」と う。)は、接着剤層A11を第一の回路部材20の 一の接続端子23側の面に貼り付けたときの 離強度(以下「剥離強度A」)よりも大きい。 離強度Bは、同じ条件で回路部材へ貼り付け 上で、同じ条件で測定された剥離強度Aより も大きければよい。回路部材への回路接続用 接着フィルム又は接着剤層Aの貼り付けは、 熱及び加圧をともなって行うことが好まし 。加熱及び加圧は、各接着剤層を構成する 硬化性樹脂の硬化が実質的に進行しない程 の条件で行われることが好ましい。例えば 70℃、0.5MPaで5秒間の加熱及び加圧により回 接続用接着フィルム又は接着剤層Aが貼り付 られる。貼り付け後の剥離強度は、例えば 回路接続用接着フィルム又は接着剤層Aを、 回路部材の主面に対して90℃の方向に50mm/min 剥離速度で剥離する条件で測定される。

 上記条件で回路部材への貼り付け及び剥 強度が測定される場合、剥離強度Bは200N/cm 上であることが好ましい。剥離強度Bが200N/cm 未満であると転写性向上の効果が小さくなる 傾向がある。同様の観点から剥離強度Bは150N/ cm未満であることがより好ましい。また、剥 強度Bは2000N/cm以下であることが好ましい。 路接続用接着フィルムを回路部材へ貼り付 る際に、貼り付け位置からずれた場合に、 路接続用接着フィルムを剥がして、再度、 路接続用接着フィルムを貼り付けるが、剥 強度Bが2000N/cmを超えると回路接続用接着フ ルムが回路部材に強固に貼り付けされてし い、剥がすのが困難となる傾向がある。本 明は、剥離強度Aが剥離強度Bより小さい場 に効果を発現するため、剥離強度Aが剥離強 Bより小さければよく、これら強度の絶対値 は特に限定されない。

 接着剤層B12の厚みは0.1~5.0μmである。接着 剤層B12の厚みが0.1μm未満であると、転写性向 上の効果が小さくなる傾向にあり、5μmを超 ると回路接続後の接続特性に対する接着剤 B12の影響が大きくなって、接着力、接続抵 、絶縁抵抗のいずれかの特性が低下し易く る傾向がある。同様の観点から、接着剤層B1 2の厚みはより好ましくは1.0~3.0μmである。

 接着剤層A11の厚みは、第一の接続端子23 び第二の接続端子33の高さ等に応じて適宜選 定される。対向する第一の接続端子23及び第 の接続端子33の高さの和の1/3~2倍の厚みを接 着剤層A11が有することが好ましい。接着剤層 A11の厚みが1/3未満になると、回路部材間に接 着剤が十分に充填され難くなって、回路間の 絶縁性が低下する傾向があり、2倍を超える 回路の導通が十分確保され難くなる傾向が る。一般的な接続端子の高さを考慮すると 接着剤層Aの厚みは5~45μmであることが好まし い。

 接着剤層A11及び接着剤層B12は、例えば、 硬化性樹脂及びその硬化剤と、高分子化合 とを含有する。

 熱硬化性樹脂としては例えば、接着ハン ブック(第2版、日刊工業新聞社刊、日本接 協会編)II.接着剤編で記述されているものが 適に用いられる。特に、信頼性の観点から エポキシ樹脂及びラジカル重合性化合物が ましい。

 エポキシ樹脂としては、2個以上のグリシジ ル基を有する各種のエポキシ化合物が好適に 用いられる。エポキシ化合物の例としては、 エピクロルヒドリンとビスフェノールAやF、A D等から誘導されるビスフェノール型エポキ 樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノ ラックやクレゾールノボラックから誘導さ るエポキシノボラック樹脂、ナフタレン環 含んだ骨格を有するナフタレン系エポキシ 脂、グリシジルアミン、グリシジルエーテ 、ビフェニル、及び脂環式がある。エポキ 樹脂は、フッ素原子を含有するエポキシ化 物を含むことが好ましい。これらのエポキ 化合物は単独で又は2種以上を組合わせて用 られる。また、エポキシ樹脂は、不純物イ ン(Na + 、Cl - 等)や加水分解性塩素等の濃度を300ppm以下に 減した高純度品であることがエレクトロン イグレーション防止のために好ましい。

 エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化 ウ素-アミン錯体、スルホニウム塩、アミン イミド、ポリアミンの塩、及びジシアンジア ミドが挙げられる。これらの硬化剤をポリウ レタン系、ポリエステル系の高分子物質等で 被覆してマイクロカプセル化したマイクロカ プセル型の硬化剤は、可使時間が延長される ために好ましい。これらの硬化剤は、単独で 又は組み合わせて使用することができる。硬 化剤とともに分解促進剤、抑制剤等を併用し てもよい。

 ラジカル重合性化合物は、活性ラジカル よって重合する官能基(アクリル基、メタク リル基等)を有する化合物である。ラジカル 合性化合物はモノマー、オリゴマーいずれ 状態でも用いることが可能であり、モノマ とオリゴマーを併用することも可能である ラジカル重合性化合物としては、アクリル エステル化合物、メタクリル酸エステル化 物、及びマレイミド化合物が挙げられる。 ジカル重合性化合物はフッ素原子を含有す ことが好ましい。フッ素原子を含有するラ カル重合性化合物とフッ素原子を含有しな ラジカル重合性化合物を併用することも可 である。

 アクリル酸エステル化合物又はメタクリ 酸エステル化合物としては、エポキシアク レートオリゴマー、ウレタンアクリレート リゴマー、ポリエーテルアクリレートオリ マー及びポリエステルアクリレートオリゴ ーのようなラジカル重合性オリゴマー、ト メチロールプロパントリアクリレート、ポ エチレングリコールジアクリレート、ポリ ルキレングリコールジアクリレート、ペン エリスリトールアクリレート、2-シアノエ ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ ト、ジシクロペンテニルアクリレート、ジ クロペンテニロキシエチルアクリレート、2- (2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2- エトキシエチルアクリレート、2-エチルヘキ ルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート 2-ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ シプロピルアクリレート、イソボルニルアク リレート、イソデシルアクリレート、イソオ クチルアクリレート、n-ラウリルアクリレー 、2-メトキシエチルアクリレート、2-フェノ キシエチルアクリレート、テトラヒドロフル フリールアクリレート、ネオペンチルグリコ ールジアクリレート及びジペンタエリスリト ールヘキサアクリレートのようなラジカル重 合性単官能又は多官能アクリレートモノマー 、並びに、t-ブチルアミノエチルメタクリレ ト、シクロヘキシルメタクリレート、ジシ ロペンテニロキシエチルメタクリレート、2 -ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボ ニルメタクリレート、イソデシルメタクリ ート、n-ラウリルアクリレート、ステアリル メタクリレート、トリデシルメタクリレート 及びグリシジルメタクリレートのようなラジ カル重合性単官能又は多官能メタクリレート モノマーが挙げられる。これらは単独で又は 2種以上を組み合わせて用いられる。これら 中でも、硬化収縮を抑制し、硬化後の柔軟 を与えるために、ウレタンアクリレートオ ゴマーが好ましい。また、ラジカル重合性 リゴマーは高粘度であることから、粘度調 のために低粘度のラジカル重合性多官能ア リレートモノマー等の1種又は2種以上のモノ マーをラジカル重合性オリゴマーと併用する ことが好ましい。

 マレイミド化合物としては、2以上のマレ イミド基を有する化合物が好適に用いられる 。マレイミド化合物の具体例としては、1-メ ル-2、4-ビスマレイミドベンゼン、N,N’-m-フ ェニレンビスマレイミド、N,N’-Pーフェニレ ビスマレイミド、N,N’-m-トルイレンビスマ イミド、N,N’-4,4-ビフェニレンビスマレイ ド、N,N’-4,4-(3,3’-ジメチル-ビフェニレン) スマレイミド、N,N’-4,4-(3,3’-ジメチルジフ ニルメタン)ビスマレイミド、N,N’-4,4-(3,3’ -ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド N,N’-4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド N,N’-4,4-ジフェニルプロパンビスマレイミド 、N,N’-4,4-ジフェニルエーテルビスマレイミ 、N,N’-3,3’-ジフェニルスルホンビスマレ ミド、2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ)フ ェニル)プロパン、2,2-ビス(3-s-ブチル-4-8(4-マ イミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1- ス(4-(4ーマレイミドフェノキシ)フェニル)デ カン、4,4’-シクロヘキシリデン-ビス(1-(4マ イミドフェノキシ)-2-シクロヘキシルベンゼ 、及び2,2-ビス(4-(4-マレイミドフェノキシ) ェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙られる これらは単独で又は2種以上を組み合わせて 用いられる。

 ラジカル重合性化合物は、下記式(1)で示 れるリン酸エステル型メタクリレートを含 ことが好ましい。これにより金属等の無機 表面に対する接着強度が更に向上する。リ 酸エステル型メタクリレートの配合量は回 接続用接着フィルムを構成する成分のうち 電粒子以外の部分100重量部に対し0.001から50 重量部であることが好ましく、0.5~10重量部で あることがより好ましい。

 上記リン酸エステル型メタクリレートは 無水リン酸と2-ヒドロキシエチル(メタ)アク リレートの反応物として得られる。具体的に は、モノ(2-メタクリロイルオキシエチル)ア ッドフォスフェート、ジ(2-メタクリロイル キシエチル)アシッドフォスフェートがある これらは単独で又は2種以上を組み合わせて 用いられる。

 ラジカル重合性化合物の硬化剤としては 光照射及び/又は加熱によって活性ラジカル を発生するラジカル重合開始剤が用いられる 。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベ ンゾインエチルエーテル及びイソプロピルベ ンゾインエーテルのようなベンゾインエーテ ル、ベンジル及びヒドロキシシクロヘキシル フェニルケトンのようなベンジルケタール、 ベンゾフェノン及びアセトフェノンのような ケトン類およびその誘導体、チオキサントン 類、並びにビスイミダゾール類を含む光重合 開始剤がある。これらの光重合開始剤に必要 に応じてアミン類、イオウ化合物、リン化合 物等の増感剤を任意の比で組み合わせてもよ い。光照射によって各接着剤層を硬化する場 合、用いる光源の波長や所望の硬化特性等に 応じて最適な光重合開始剤を選択する必要が ある。

 増感剤としては、脂肪族アミン、芳香族 を含むアミン、ピペリジンのように窒素が 系の一部をなしているもの、o-トリルチオ 素、ナトリウムジエチルジチオホスフェー 、芳香族スルフィン酸の可溶性塩、N,N’-ジ チル-p-アミノベンゾニトリル、N,N’-ジエチ ル-p-アミノベンゾニトリル、N,N’-ジ(β-シア エチル)-p-アミノベンゾニトリル、N,N’-ジ( -クロロエチル)-p-アミノベンゾニトリル、ト リ-n-ブチルホスフィン等がある。

 プロピオフェノン、アセトフェノン、キ ントン、4-メチルアセトフェノン、ベンゾ ェノン、フルオレン、トリフェニレン、ビ ェニル、チオキサントン、アントラキノン 4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン 4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン フェナントレン、ナフタレン、4-フェニルア セトフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、1 -ヨードナフタレン、2-ヨードナフタレン、ア セナフテン、2-ナフトニトリル、1-ナフトニ リル、クリセン、ベンジル、フルオランテ 、ピレン、1,2-ベンゾアントラセン、アクリ ン、アントラセン、ペリレン、テトラセン 2-メトキシナフタレン等の非色素系増感剤 チオニン、メチレンブルー、ルミフラビン リボフラビン、ルミクロム、クマリン、ソ レン、8-メトキシソラレン、6-メチルクマリ 、5-メトキシソラレン、5-ヒドロキシソラレ ン、クマリルピロン、アクリジンオレンジ、 アクリフラビン、プロフラビン、フルオレセ イン、エオシンY、エオシンB,エリトロシン、 ローズベンガル等の色素系増感剤を用いるこ とができる。

 ラジカル重合開始剤として有機過酸化物 び/又はアゾ系化合物を用いてもよい。有機 過酸化物としては、例えば、ジアシルパーオ キサイド、ジアルキルパーオキサイド、パー オキシジカーボネート、パーオキシエステル 、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサ イド及びシリルパーオキサイドが用いられる 。アゾ系化合物及び/又は有機化酸化物から1 または2種以上を、目的とする接続温度、接 続時間、ポットライフ等により適宜選定する ことができる。高反応性とポットライフの点 から、半減期10時間の温度が40℃以上且つ、 減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が ましく、半減期10時間の温度が60℃以上且つ 、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化 が好ましい。

 回路部材の接続端子の腐食を抑制するた に、有機過酸化物中に含有される塩素イオ や有機酸は5000ppm以下であることが好ましく 、さらに加熱分解後に発生する有機酸が少な いものがより好ましい。

 ジアシルパーオキサイドとしては、イソ チルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイ ルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノ イルパーオキサイド、オクタノイルパーオキ サイド、ラウロイルパーオキサイド、ステア ロイルパーオキサイド、スクシニックパーオ キサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、 及びベンゾイルパーオキサイドがある。ジア ルキルパーオキサイドとしては、α,α’ビス( t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン 、ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、及びt-ブチ ルクミルパーオキサイドがある。

 パーオキシジカーボネートとしては、ジ- n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジイ プロピルパーオキシジカーボネート、ビス( 4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカー ネト、ジ-2-エトキシメトキシパーオキシジ ーボネート、ジ(2-エチルヘキシルパーオキ )ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオ キシジカーボネート、及びジ(3-メチル-3-メト キシブチルパーオキシ)ジカーボネートがあ 。

 パーオキシエステルとしては、クミルパ オキシネオデカノエート、1,1,3,3-テトラメ ルブチルパーオキシネオデカノエート、1-シ クロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシノエ デカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデ ノエート、t-ブチルパーオキシピバレート 1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチ ルヘキサノネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(2-エチ ルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1-シク ロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシ-2-エチ ルヘキサノネート、t-ヘキシルパーオキシ-2- チルヘキサノネート、t-ブチルパーオキシ-2 -エチルヘキサノネート、t-ブチルパーオキシ イソブチレート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキ )シクロヘキサン、t-ヘキシルパーオキシイ プロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオ キシ-3,5,5-トリメチルヘキサノネート、t-ブチ ルパーオキシラウレート、2,5-ジメチル-2,5-ジ (m-トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチル パーオキシイソプロピルモノカーボネート、 t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカ ボネート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエ ト、t-ブチルパーオキシアセテート及びジ(t- ブチルパーオキシ)ヘキサヒドロテレフタレ トがある。

 パーオキシケタールとしては、1,1-ビス(t- ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロ キサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シ ロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)-3, 3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-(t-ブチル ーオキシ)シクロドデカン、及び2,2-ビス(t- チルパーオキシ)デカンがある。

 ハイドロパーオキサイドとしては、ジイ プロピルベンゼンハイドロパーオキサイド 及びクメンハイドロパーオキサイドがある シリルパーオキサイドとしては、t-ブチル リメチルシリルパーオキサイド、ビス(t-ブ ル)ジメチルシリルパーオキサイド、t-ブチ トリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t- チル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリ (t-ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t- チルトリアリルシリルパーオキサイド、ビ (t-ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、 及びトリス(t-ブチル)アリルシリルパーオキ イドがある。

 これらの有機過酸化物は単独で又は2種以 上を組合わせて用いられる。分解促進剤、抑 制剤等を有機過酸化物と併用してもよい。ま た、これらの有機化酸化物をポリウレタン系 、ポリエステル系の高分子物質等で被覆して マイクロカプセル化したものは、可使時間が 延長されるために好ましい。

 有機過酸化物と、前述の光重合開始剤を 用してもよい。さらに、必要に応じてアミ 類、イオウ化合物、リン化合物等の増感剤 任意の比で添加してもよい。

 接着剤層A及び接着剤層Bに含まれる高分 化合物は、好ましくは、ポリビニルブチラ ル、ポリビニルホルマール、ポリアミド、 リイミド、ポリアミドイミド、ポリエステ 、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノ シ樹脂、ポリウレタン、ポリエステルウレ ン、ポリアリレート、スチレン樹脂、ポリ メチルシロキサンやアクリルゴム、ニトリ ゴム、NBR及びSBSからなる群より選ばれる少 くとも1種のポリマーである。これらはフッ 原子を含有することが好ましい。これらを いることにより、硬化時の応力緩和性に優 、接着性が更に向上する。これらのポリマ をラジカル重合性の官能基で変性したもの 耐熱性が向上するためより好ましい。その 合は高分子化合物がラジカル重合性化合物 もある。

 高分子化合物の重量平均分子量は5000~10000 00であることが好ましい。重量平均分子量が1 000000を超えると他の成分との混合性が低下す る傾向にある。

 接着剤層A11及び接着剤層B12は、導電粒子5 を含有する。導電粒子5を介して対向する接 端子同士が電気的に接続されることにより 安定した回路接続が達成される。ただし、 電粒子5が無い場合でも、対向する接続端子 士の直接接触により接続を得ることが可能 ある。本実施形態のように接着剤層A11及び 着剤層B12の双方が導電粒子5を含有している 必要は必ずしもなく、いずれか一方が導電粒 子5を含有していてもよい。

 導電粒子5としては、Au、Ag、Ni、Cu、及び んだ等の金属粒子、並びにカーボン粒子が る。十分なポットライフを得るためには、 電粒子5の表層はNi、Cu等の遷移金属類では くAu、Ag、白金属の貴金属類から構成される とが好ましい。これらの中でもAuが特に好 しい。Ni等の遷移金属からなる核体とその表 面を被覆するAu等の貴金属層とを有する被覆 子を導電粒子5として用いてもよい。また、 非導電性のガラス、セラミック、プラスチッ ク等の核体とその表面を被覆する金属層を有 し、金属層の最外層が貴金属層である複合粒 子を導電粒子5として用いてもよい。この複 粒子は回路接続用接着フィルムが加熱及び 圧されたときに変形することにより、接続 子との接触面積が増加し信頼性が向上する で好ましい。貴金属層の厚みは、良好な抵 を得るためには、100オングストローム以上 あることが好ましい。貴金属層の欠損等に り生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発 して保存性低下が引き起されることをより 実に防ぐために、貴金属層の厚みは300オン ストローム以上であることが好ましい。

 導電粒子5の配合量は、通常、各接着剤層 のうち導電粒子5以外の成分100体積部に対し 0.1~30体積部の範囲で用途に調節される。過 な導電粒子5による隣接回路の短絡等を防止 るためには、導電粒子5の配合量は0.1~10体積 部であることがより好ましい。

 接着剤層A11及び接着剤層B12は、以上のよ な成分の他、充填剤、軟化剤、促進剤、老 防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピ ク剤、カップリング剤及びフェノール樹脂 メラミン樹脂、イソシアネート類等を含有 ていてもよい。接着剤層が充填剤を含有す 場合、接続信頼性が向上する。充填剤の最 径は導電粒子5の粒径未満であることが好ま しい。充填剤の配合量は、各接着剤層のうち 導電粒子5以外の成分100体積部に対して5~60体 部であることが好ましい。60体積部を超え と信頼性向上の効果が飽和することがあり 5体積部未満では添加の効果が少ない。カッ リング剤としては、ビニル基、アクリル基 アミノ基、エポキシ基、又はイソシアネー 基を有する化合物が、接着性の向上の点か 好ましい。

 以上説明したような成分を用いて、上述 剥離強度Bを剥離強度Aよりも大きくなるよ に、接着剤層A11及び接着剤層B12の組成が調 される。剥離強度Bを高める具体的な方法と ては、例えば、接着剤層B12の高分子化合物 配合量を接着剤層A11よりも小さくする、接 剤層B12の化合物の分子量を接着剤層A11より 小さくする等の方法がある。

 回路接続用接着フィルム1は、接続時に溶 融流動して対向する接続端子間の電気的接続 を得た後、硬化して接続を保持するものであ ることから、回路接続用接着フィルム1の流 性は重要な因子である。流動性は、例えば 厚み35μm、5mm×5mmの回路用接続用接着フィル を厚み0.7mm、15mm×15mmの2枚のガラス間に挟み 、150℃、2MPa、10秒間の加熱及び加圧を行い、 初期の面積(A)に対する加熱及び加圧後の面積 (B)の比(=(B)/(A))の値を指標として評価するこ ができる。係る比の値は1.3~3.0であることが ましく、1.5~2.5であることがより好ましい。 1.3未満では流動性が十分でないために良好な 接続が得られない場合があり、3.0を超える場 合は、気泡が発生しやすく信頼性向上効果が 低下する場合がある。

 回路接続用接着フィルム1の硬化後の40℃ の弾性率は、100~3000MPaであることが好まし 、500~2000MPaであることがより好ましい。

 図2の接続構造体100において、第一の基板 21はガラス基板であり、第一の接続端子23は ロムから構成されるクロム回路である。ま 、第二の基板31はポリイミドフィルムであり 、第二の接続端子32はCuから構成される銅回 である。すなわち、第二の回路部材30はポリ イミドフィルム及びその主面上に形成された 銅回路を有するフレキシブル回路板である。 接着層1aは、接着剤層A11に由来する層11a及び 着剤層Bに由来する層11bを有している。ただ し、これらの層の境界は必ずしも明りょうで はなく、両層が実質的に完全に混和している 場合も有り得る。

 接続構造体100は、例えば、回路接続用接 フィルム1を、接着剤層B12が第一の回路部材 20に接する向きで第一の回路部材20の第一の 続端子23側の面に対して貼り付ける工程と、 第二の回路部材30を、第一の接続端子23と第 の接続端子33とが回路接続用接着フィルム1 挟んで対向するように配置する工程と、加 及び加圧により、対向する第一の接続端子23 と第二の接続端子33とが電気的に接続される うに、第一の回路部材20と第二の回路部材30 とを回路接続用接着フィルム1から形成され 接着層1aによって接着させる工程とを備える 製造方法により得ることができる。

 回路接続用接着フィルム1を第一の回路部 材20に貼り付ける工程は、より詳細には、例 ば回路接続用接着フィルム1から接着剤層B12 側の基材フィルム42を剥がし、接着剤層B12側 第一の回路部材20側に向けて回路接続用接 フィルム1を第一の回路部材10の第一の接続 子23側の面に載せ、その状態で加熱及び加圧 する方法により行われる。これにより回路接 続用接着フィルム1が基材フィルム41から第一 の回路部材20に転写される。この際の加熱及 加圧は、例えば50~110℃、0.1~2MPaで0.5~5秒間の 条件により行われる。回路接続用接着フィル ム1が優れた転写性を有しているため、この うな短時間でも確実に回路接続用接着フィ ム1を第一の回路部材20に貼り付けることが 能である。

 本発明は以上説明したような実施形態に 定されるものではなく、本発明の趣旨を逸 しない限り適宜変形が可能である。例えば 第一の回路部材がチップ搭載用基板等の回 基板であり、第二の回路部材がICチップ、 抗体チップ、及びコンデンサチップから選 れるチップ部品であってもよい。また、第 の接続端子及び第二の接続端子のうち少な とも一方の表面が、金、銀、錫及び白金族 金属から選ばれる少なくとも一種から構成 れていてもよい。あるいは、第一の接続端 及び第二の接続端子のうち少なくとも一方 表面が、インジュウム-錫酸化物からなる透 電極から構成されていてもよい。更に、第 の基板及び第二の基板のうち少なくとも一 の表面は、ポリエステルテレフタレート、 リエーテルサルフォン、エポキシ樹脂、ア リル樹脂、ポリイミド樹脂、及びガラスか 選ばれる少なくとも一種から構成されてい もよい。また、第一の基板及び第二の基板 うち少なくとも一方が、その表面に付着し いるシリコーン化合物、ポリイミド樹脂及 アクリル樹脂から選ばれる少なくとも一種 有していてもよい。

 以下、実施例及び比較例に基づいて本発 についてより具体的に説明する。ただし、 発明は以下の実施例に限定されるものでは い。

実施例1
 フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製、 商品名PKHC)55質量部、ビスフェノールA型エポ シ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名YL9 80)5質量部、イミダゾール系硬化剤(旭化成工 社製、商品名ノバキュアHX-3941)40質量部、及 びシランカップリング剤(日本ユニカー社製  A187)3質量部をトルエンに溶解し、固形分50質 %の塗布液Aを得た。

 次いで、塗布液Aを、片面(塗布液を塗布 る面)に離型処理が施された厚み50μmのPETフ ルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃で10分 熱風乾燥することにより、PETフィルム上に み15μmの接着剤層(a)を形成した。

 フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製 、商品名PKHC)30質量部、ビスフェノールA型エ キシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名 YL980)10質量部、イミダゾール系硬化剤(旭化成 工業社製、商品名ノバキュアHX-3941)60質量部 シランカップリング剤(日本ユニカー社製 A1 87)3質量部をトルエンに溶解し、固形分50質量 %の塗布液Bを得た。

 次いで、塗布液Bを、片面(塗布液を塗布 る面)に離型処理が施された厚み25μmのPETフ ルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃で10分 熱風乾燥することにより、PETフィルム上に み0.1μmの接着剤層(b)を形成した。上記で得 れた接着剤層(a)と接着剤層(b)とを、40℃で 熱しながらロールラミネータでラミネート て、「接着剤層A」として接着剤層(a)を有し 「接着剤層B」として接着剤層(b)を有する回 路接続用接着フィルムを得た。

実施例2
 塗布液A100質量部に対して、ポリスチレン系 核体(直径:3μm)とその表面に内側から順に形 されたNi層及びAu層とを有する導電粒子(平均 粒径:3.2μm)5質量部を分散して、塗布液Cを得 。塗布液Cを、片面(塗布液を塗布する面)に 型処理が施された厚み50μmのPETフィルムに塗 工装置を用いて塗布し、70℃で10分間熱風乾 することにより、PETフィルム上に厚み15μmの 接着剤層(c)を形成した。接着剤層(c)と接着剤 層(b)を実施例1と同様にラミネートし、「接 剤層A」として接着剤層(c)を有し、「接着剤 B」として接着剤層(b)を有する回路接続用接 着フィルムを得た。

実施例3
 塗布液B100質量部に対して、上記塗布液Cに いたのと同様の導電粒子5質量部を分散して 塗布液Dを得た。塗布液Dを、片面(塗布液を 布する面)に離型処理が施された厚み25μmのP ETフィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃ 10分間熱風乾燥することにより、PETフィルム 上に厚み0.1μmの接着剤層(d)を形成した。接着 剤層(a)と接着剤層(d)を実施例1と同様にラミ ートし、「接着剤層A」として接着剤層(a)を し、「接着剤層B」として接着剤層(d)を有す る回路接続用接着フィルムを得た。

実施例4
 上記接着剤層(c)と接着剤層(d)を実施例1と同 様にラミネートして、「接着剤層A」として 着剤層(c)を有し、「接着剤層B」として接着 層(d)を有する回路接続用接着フィルムを得 。

実施例5
 実施例4の接着剤層(d)の厚みを5μmにしたこ 以外は実施例4と同様にして、回路接続用接 フィルムを得た。

実施例6
フッ素原子を含有するポリイミド樹脂の合成
 ディーンスターク還流冷却器、温度計、及 撹拌器を取り付けた1000mLのセパラブルフラ コにジアミン化合物としてポリオキシプロ レンジアミン15.0mmol及び2,2-ビス[4-(4-アミノ ェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ 105.0mmol、N-メチル-2-ピロリドン287gを加え、 室温にて30分間撹拌した。

 撹拌終了後、水と共沸可能な芳香族炭化 素であるトルエン180g、テトラカルボン酸二 無水物として4,4’-ヘキサフルオロプロピリ ンビスフタル酸二無水物114.0mmolを加え、温 を50℃に昇温させて1時間攪拌した後、温度 160℃に昇温させて3時間還流させた。水分定 受器に理論量の水がたまり、水の流出が見 れなくなっていることを確認してから、水 定量受器中の水とトルエンを除去し、温度 180℃まで上昇させて反応溶液中のトルエン 除去し、ポリイミド樹脂のNMP溶液を得た。 リイミド樹脂のNMP溶液をメタノールにて再 し、粉砕、乾燥させて、シリコン原子を含 せず、フッ素原子を含有するポリイミド樹 を得た。得られたポリイミド樹脂をメチル チルケトンに40%質量%の濃度で溶解した。

ポリエステルウレタン樹脂の合成
 ジガルボン酸としてテレフタル酸、ジオー としてプロピレングリコール、イソシアネ トとして4,4″-ジフェニルメタンジイソシア ネートを用いて、テレフタル酸/プロピレン リコール/4,4″-ジフェニルメタンジイソシア ネートのモル比が1.0/1.3/0.25であるポリエステ ルウレタン樹脂を合成した。得られたポリエ ステルウレタン樹脂をメチルエチルケトンに 20質量%の濃度で溶解した。

ウレタンアクリレートの合成
 平均重量平均分子量800のポリカプロラクト ジオール400質量部と、2-ヒドロキシプロピ アクリレート131質量部、触媒としてジブチ 錫ジラウレート0.5質量部、重合禁止剤とし ハイドロキノンモノメチルエーテル1.0質量 を攪拌しながら50℃に加熱して混合した。次 いで、イソホロンジイソシアネート222質量部 を滴下し更に攪拌しながら80℃に昇温してウ タン化反応を行った。イソシアネート基の 応率が99%以上になったことを確認後、反応 度を下げてウレタンアクリレートを得た。 離ラジカル発生剤としてt-ヘキシルパーオ シ2-エチルヘキサノネートの50重量%DOP溶液( 本油脂株式会社製、商品名パーキュアHO)を いた。

 ポリイミド樹脂10質量部、ポリエステル レタン樹脂50質量部、ウレタンアクリレート 樹脂39質量部、リン酸エステル型アクリレー 1質量部、及びt-ヘキシルパーオキシ2-エチ ヘキサノネート5質量部をトルエンに溶解し そこに、上記塗布液Cに用いたのと同様の導 電粒子5質量部を分散して塗布液Eを得た。

 ポリイミド樹脂10質量部、ポリエステル レタン樹脂20質量部、ウレタンアクリレート 樹脂69質量部、リン酸エステル型アクリレー 1質量部、及びt-ヘキシルパーオキシ2-エチ ヘキサノネート5質量部をトルエンに溶解し そこに、上記塗布液Cに用いたのと同様の導 電粒子5質量部を分散して塗布液Fを得た。

 実施例1と同様にして、厚み15μmの接着剤 (e)と厚み0.1μmの接着剤層(f)をPETフィルム上 それぞれ形成し、それらをラミネートして 「接着剤層A」として接着剤層(e)を有し、「 接着剤層B」として接着剤層(f)を有する回路 続用接着フィルムを得た。

比較例1
 接着剤層(d)の厚みを0.08μmとしたこと以外は 実施例4と同様にして、「接着剤層A」として 着剤層(c)を有し、「接着剤層B」として接着 剤層(d)を有する回路接続用接着フィルムを得 た。

比較例2
 接着剤層(d)の厚みを6μmとしたこと以外は実 施例4と同様にして、「接着剤層A」として接 剤層(c)を有し、「接着剤層B」として接着剤 層(d)を有する回路接続用接着フィルムを得た 。

比較例3
 厚み15μmの接着剤層(c)を比較例3の回路接続 接着フィルムとした。

比較例4
 厚み15μmの接着剤層(d)を比較例4の回路接続 接着フィルムとした。

比較例5
 厚み15μmの接着剤層(e)を比較例5の回路接続 接着フィルムとした。

比較例6
 厚み15μmの接着剤層(f)を比較例6の回路接続 接着フィルムとした。

回路接続用接着フィルムを回路基板に貼り付 けたときの剥離強度(転写時剥離強度)の測定
 ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み0.4μmのク ム回路500本をガラス(コーニング社製、商品 :#1737)上に形成して、ガラス基板と接続端子 としてのクロム回路とを有する回路基板を準 備した。次いで、上記各実施例及び比較例1 2の回路接続用接着フィルムの接着剤層B側の PETフィルムを剥がし、上記回路基板のクロム 回路側の面に対して、接着剤層Bが回路基板 接する向きで載せ、その状態で70℃、0.5MPaで 5秒間加熱及び加圧して、回路接続用接着フ ルムを回路基板に貼り付けた。その後、接 剤層A側のPETフィルムを剥離した。そして、 路接続用接着フィルムの回路基板からの剥 強度を90℃剥離、剥離速度50mm/minの条件で測 定した。比較例3~6の回路接続用接着フィルム についても同様の操作により貼り付け及び剥 離強度の測定を行った。

回路接続
 上記各実施例及び比較例1、2の回路接続用 着フィルムの接着剤層A側の面を上記回路基 のクロム回路側の面に対して載せ、その状 で70℃、0.5MPaで5秒間の加熱及び加圧して、 路接続用接着フィルムを回路基板に貼り付 た。そして、接着剤層A側のPETフィルムを剥 がし、接着剤層A上にフレキシブル回路板(FPC) を載せ、180℃、3MPaで10秒間の加熱及び加圧に より各接着剤層を硬化させて、回路基板とFPC とが幅2mmにわたって接続された接続構造体を 得た。上記FPCは、ポリイミドフィルム(宇部 産株式会社製、商品名:ユーピレックス、厚 25μm)上にライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み8 mの銅回路500本を直接形成した2層構成のもの を用いた。比較例3~6の回路接続用接着フィル ムについても同様の操作により回路接続を行 った。

回路接続後の接着強度の測定
 回路接続後、90℃剥離、剥離速度50mm/minの条 件で接着強度を測定した。接着強度の測定は 、初期と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に500時 保持した後に行った。

回路接続後の接続抵抗の測定
 回路接続後、FPCの隣接回路間の抵抗値を、 期と、85℃、85%RHの高温高湿槽中に500時間保 持した後にマルチメータを用いて測定した。 抵抗値は隣接回路間の抵抗150点の平均(x+3σ) 示した。

 表1に示されるように、実施例1~6の転写時 剥離強度は、それぞれの回路接続用接着フィ ルムが有する接着剤層Aを回路基板に貼り付 たときの剥離強度に相当する比較例3、5の転 写時剥離強度よりも大きかった。実施例1~6は 評価した全ての特性で良好な特性を示した。 比較例1は接着剤層(d)の厚みが0.08μmと薄いた 、転写時剥離強度が低かった。接着剤層(d) 厚みが6μmの比較例2は転写時剥離強度は高 ものの、回路接続後の接着力が低く、接続 抗が高かった。特に高温高湿試験処理後の 抗の上昇が顕著である。「接着剤層B」に相 する層を有しない比較例3、5は、転写時剥 強度が低かった。比較例4、6はそれぞれ接着 剤層(d)、接着剤層(f)のみから構成されるため 、回路接続後の接着力が低く、接続抵抗が高 かった。