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Title:
CIRCUIT MEMBER CONNECTING ADHESIVE AND SEMICONDUCTOR DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069783
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a circuit member connecting adhesive for connecting circuit boards facing each other. The circuit member connecting adhesive is composed of a resin composition containing a thermoplastic resin, a thermosetting resin and a curing agent, and metal hydroxide particles dispersed in the composition. The circuit member connecting adhesive has excellent reliability in connection between a semiconductor chip and a substrate, and improves recognition performance of an alignment mark to be used for alignment of a semiconductor chip with a substrate to a level sufficient for practical use.

Inventors:
NAGAI AKIRA (JP)
KAWABATA YASUNORI (JP)
KATOGI SHIGEKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071727
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI CHEMICAL CO LTD (JP)
NAGAI AKIRA (JP)
KAWABATA YASUNORI (JP)
KATOGI SHIGEKI (JP)
International Classes:
C09J201/00; C09J11/04; H01L21/60; H05K1/14
Domestic Patent References:
WO1997029490A11997-08-14
Foreign References:
JP2006199778A2006-08-03
JP2002371263A2002-12-26
JP2007016088A2007-01-25
JP2003206452A2003-07-22
JP2003073641A2003-03-12
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg.10-6, Ginza 1-chome,Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 相対向する回路基板を接続するための回路部材接続用接着剤であって、
 熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含む樹脂組成物と、該組成物中に分散された金属水酸化物粒子とからなる、回路部材接続用接着剤。
 未硬化時の可視光並行透過率が15~100%である、請求項1記載の回路部材接続用接着剤。
 前記金属水酸化物粒子は、屈折率が1.5~1.7である、請求項1又は2に記載の回路部材接続用接着剤。
 前記金属水酸化物粒子は、平均粒径が0.1μm~10μmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の回路部材接続用接着剤。
 180℃で20秒間加熱した後の示差走査熱量測定に基づく反応率が、75%以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路部材接続用接着剤。
 40℃~100℃の線膨張係数が、70×10 -6 /℃以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の回路部材接続用接着剤。
 請求項1~6のいずれか一項に記載の回路部材接続用接着剤で接合された回路基板を有する半導体装置。
Description:
回路部材接続用接着剤及び半導 装置

 本発明は、回路部材接続用接着剤及びこ を用いた半導体装置に関する。

 半導体チップをフェイスダウンボンディ グ方式により直接回路基板に実装する方式 して、半導体チップの電極部分にはんだバ プを形成し回路基板にはんだ接続する方式 、半導体チップに設けた突起電極に導電性 着剤を塗布し回路基板電極に電気的接続を う方法が知られている。これらの方式では 各種環境下に曝した場合、接続するチップ 基板の熱膨張係数差に基づくストレスが接 界面で発生するため接続信頼性が低下する いう問題がある。

 このため、接続界面のストレスを緩和す 目的でチップと基板の間隙をエポキシ樹脂 のアンダーフィル材で充填する方式が検討 れている。アンダーフィル材の充填方式と てはチップと基板を接続した後に低粘度の 状樹脂を注入する方式と、基板上にアンダ フィル材を置いた後にチップを搭載する方 とがある。あらかじめアンダーフィル材を 板に設置した後にチップを搭載する方法と ては液状樹脂を塗布する方法とフィルム状 脂を貼付ける方法とがある。

 しかしながら、液状樹脂の塗布において ディスペンサーによる精密な塗布量コント ールが困難であり、近年のチップ薄型化に いて、多すぎる塗布によってボンディング にしみ出した樹脂がチップの側面を這い上 り、ボンディングツールを汚染するため、 ールの洗浄が必要となり、量産時の工程が 雑になる原因となっている。

 一方、フィルム状樹脂の場合、フィルムの みをコントロールすることによって樹脂量 最適化が容易となる反面、フィルムを基板 貼付ける際、仮圧着工程と呼ばれるフィル の貼付工程が必要となる。この場合、実装 のチップと基板の位置ずれを補正するため 基板に貼付けられるフィルムはチップサイ より大きくすることが一般的であり、高密 化実装の妨げとなることが課題であった。 の課題を解決するため、チップサイズと同 イズの接着剤を供給する方法として、チッ に個片化する前のウェハ状態で接着剤を供 した後、ダイシング等によってチップ加工 同時に接着剤の加工を行い、接着剤付きの ップを得る方法が提案されている(特許文献 1、2参照)。

特許第2833111号公報

特開2006-49482号公報

 しかしながら、従来提案されてきたウェ 先置き型のアンダーフィル方法(チップに個 片化する前にウェハにアンダーフィル剤を供 給する加工方法をいう。)は下記のような問 があり、市場において一般化されていない

 特許文献1の方法は、ウェハにフィルム状 接着剤を貼付けた後にダイシングで個片化し て接着フィルム付のチップを得る方法である 。本方法では、ウェハ/接着剤/セパレータの 層体を作製し、これを切断後、セパレータ はく離して接着剤付きのチップを得るが、 層体を切断する際に接着剤とセパレータと 剥離する場合があり、個片化された半導体 ップが飛散、流出することが懸念される。

 特許文献2は粘着材層と接着剤層を有する ウェハ加工用テープに関する方法に関し、ウ ェハをウェハ加工用テープに貼付けた後にダ イシング、ピックアップを行い、個片化され たチップを基板にフリップチップ接続する方 法が開示されている。一般にフリップチップ 実装ではチップ回路面のバンプと呼ばれる端 子と、相対する基板側の端子とを接続するた め、チップ側のアライメントマーク(位置合 せマーク)と基板側のアライメントマークと フリップチップボンダーで位置合わせし、 付ける。しかしながら、チップの回路面に 着剤を貼付けた場合には接着剤が回路面の ライメントマークを覆ってしまうため、接 剤を透過してアライメントマークを認識す 必要がある。これに対して特許文献2ではこ の問題に対する解決策は提供していない。

 本発明の目的は、半導体チップと基板と 接続信頼性に優れると共に、半導体チップ 基板の位置合わせに用いられるアライメン マークの認識性を実用上十分なレベルまで 上させた回路部材接続用接着剤を提供する とにある。本発明の目的はまた、この回路 材接続用接着剤を用いた半導体装置を提供 ることにある。

 本発明は、相対向する回路基板を接続す ための回路部材接続用接着剤であって、熱 塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含む 脂組成物と、該組成物中に分散された金属 酸化物粒子とからなる、回路部材接続用接 剤を提供する。なお、「相対向する回路基 の接続」には、電気的な接続及び/又は回路 基板の固定が含まれる。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、半導 チップと基板との間の優れた接続信頼性と アライメントマークの認識を可能にする高 光透過性という、従来両立が不可能と言わ てきた特性を実現するものである。

 接続信頼性としては、チップと基板の熱 張係数差に基づいて発生する応力に対応す 高接着化、リフロー温度に対応するための 耐熱性、高温環境化に対応するための低熱 張性、高温高湿環境下に対応するための低 湿性等が要求されている。これらの特性向 させるため、高耐熱性と高接着性を達成す ことが可能なエポキシ樹脂に、線膨張係数 小さいシリカフィラーを添加することが考 られるが、このような系では。シリカフィ ーとエポキシ樹脂の界面での散乱等に基づ て透明性を得ることはできない。

 一方、透明ガラス粒子を添加することで 明性を確保することが考えられるが(例えば 、特許第3408301号公報)、ガラス粒子が透明な 合でも、ガラス粒子を分散させる樹脂との 折率差や界面の密着性不良等に基づいて透 性が損なわれる場合があり、ガラス粒子の 弱性や熱膨張係数差に基づいて、接続信頼 が得られないことも多い。

 このような状況に対し、本発明の回路部 接続用接着剤では、基材を熱可塑性樹脂、 硬化性樹脂及び硬化剤で構成させたこと、 たこの基材に金属水酸化物粒子を添加させ 分散させたことで、優れた接続信頼性と高 光透過性の両立を可能としている。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、未硬 時の可視光並行透過率が、15~100%であること が好ましい。可視光並行透過率をこの範囲内 とすることで、フリップチップボンダーでの アライメントマークの認識が更に容易となる 。

 樹脂との屈折率差を小さくでき、未硬化 態時の回路部材接続用接着剤の光散乱を最 限に抑えることができることから、金属水 化物粒子の屈折率は、1.5~1.7が好ましい。

 金属水酸化物粒子の粒径については、平均 径が0.1μm~10μmの範囲内となる
ようにすることが好適である。金属水酸化物 粒子の平均粒径をこの範囲にすることで、そ の分散性や樹脂の流動性を向上させることが でき、樹脂の補強効果も期待できる。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、180℃ 20秒間加熱した後の示差走査熱量測定での 応率が、75%以上であることが好ましい。示 走査熱量測定での反応率を上記の値とする とで、安定した低接続抵抗が得られ、熱圧 樹脂として優れるようになる。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、40℃~100 の線膨張係数が70×10 -6 /℃以下であることが好ましい。このような 性の回路部材接続用接着剤を用いて半導体 ップと回路基板を接続すると、接続後の温 変化や加熱吸湿による膨張などが抑制され 高接続信頼性が得られる。

 本発明はまた、上記回路部材接続用接着 で接合された回路基板を有する半導体装置 提供する。

 本発明により、半導体チップと基板との 続信頼性に優れると共に、半導体チップと 板の位置合わせに用いられるアライメント ークの認識性を実用上十分なレベルまで向 させた回路部材接続用接着剤が提供される また、この回路部材接続用接着剤を用いた 導体装置が提供される。

 本発明の回路部材接続用接着剤を用いる とで、狭ピッチ化及び狭ギャップ化に対応 能なウェハ先置き型のアンダーフィル工法 して、ダイシング時の汚染が無く、さらに イシング後に簡便に接着剤付半導体付チッ を得ることができ、さらにウェハへの高密 化によるダイシング時の剥がれ抑制、フィ ムの高弾性化によるダイシング後のひげ、 リ、クラックの抑制、チップ実装時に低温 つ短時間で硬化することができようになる また、本発明の回路部材接続用接着剤を用 たウェハ先置き型のアンダーフィル方法に り、ウェハへの密着性とダイシングテープ の密着性の最適化によるダイシング時の剥 れ抑制とダイシング後の簡便なはく離性の 立が可能となり、ひげバリ、クラック等の 生を抑制させてダイシングするための未硬 時のフィルムの高弾性化を実現し、チップ 装時に低温かつ短時間で硬化できるように る。

 本発明における回路部材接続用接着剤に いて説明する。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、相対 する回路基板を接続するための回路部材接 用接着剤である。相対向する回路基板とし は特に限定する組み合わせはないが、例え (I)突出した接続端子を有する半導体チップ (II)配線パターンが形成された回路基板が挙 げられる。

 (I)突出した接続端子を有する半導体チッ において、半導体チップの突出した接続端 は、金ワイヤを用いて形成される金スタッ バンプ、金属ボールを半導体チップの電極 熱圧着や超音波併用熱圧着機によって固定 たもの、及びめっきや蒸着によって形成さ たものでもよい。突出した接続端子は単一 金属で構成されている必要はなく、金、銀 銅、ニッケル、インジウム、パラジウム、 ズ、ビスマス等複数の金属成分を含んでい もよく、これらの金属層が積層された形を ていてもよい。また、突出した接続端子を する半導体チップは、突出した接続端子を する半導体ウェハの状態でもよい。半導体 ップの突出した接続端子と配線パターンの 成された基板とを相対向して配置するため 、通常、半導体チップは、突出した接続端 と同一面にアライメントマークを有する。 の場合、半導体チップの突出した接続端子 有する面に回路部材接続用接着剤を貼付け 状態で、フリップチップボンダーが回路部 接続用接着剤を透過してチップの回路面に 成されたアライメントマークを認識するこ が可能であることが好ましい。

 (II)配線パターンの形成された回路基板は 通常の回路基板でもよく、また半導体チップ でもよい。回路基板の場合、配線パターンは 、エポキシ樹脂やベンゾトリアジン骨格を有 する樹脂をガラスクロスや不織布に含浸して 形成した基板、ビルドアップ層を有する基板 、又はポリイミド、ガラス、セラミックスな どの絶縁基板表面に形成された銅などの金属 層の不要な部分をエッチング除去して形成す ることができるほか、絶縁基板表面にめっき によって形成することもでき、又は蒸着など によって形成することもできる。また、配線 パターンは単一の金属で形成されている必要 はなく、金、銀、銅、ニッケル、インジウム 、パラジウム、スズ、ビスマス等複数の金属 成分を含んでいてもよく、これらの金属層が 積層された形をしていてもよい。また、基板 が半導体チップの場合、配線パターンは通常 アルミニウムで構成されているが、その表面 に、金、銀、銅、ニッケル、インジウム、パ ラジウム、スズ、ビスマスなどの金属層を形 成してもよい。

 例えば、回路部材接続用接着剤が付いた 導体チップは、(1)チップ化する前の突出し 接続端子を有する半導体ウェハの突出した 続端子面に、半導体ウェハと同等の面積の 路部材接続用接着剤をラミネート等によっ 貼り付け、(2)前記半導体ウェハの裏面ある は前記回路部材接続用接着剤上にダイシン テープを積層する工程によって得られた積 体をダイシングによって個片に切断し、(3) イシングテープから個片化した回路部材接 用接着剤が付いた半導体チップをはく離す ことによって得ることができる。ここで用 るダイシングテープは、基材テープ上に粘 材が塗布された市販のダイシングテープを 用することができる。ダイシングテープと ては、感圧型と放射線反応型に大別される 、UV照射による硬化によって粘着力が減少 、粘着面に積層された被着体のはく離を容 とするような放射線反応型のダイシングテ プがより好ましい。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、半導 チップの突出した接続端子を有する面に貼 けた状態で回路部材接続用接着剤を透過し チップの回路面に形成されたアライメント ークを認識できることが好ましい。アライ ントマークは通常のフリップチップボンダ に搭載されたチップ認識用の装置で認識す ことができる。この認識装置は通常、ハロ ンランプを有するハロゲン光源、ライトガ ド、照射装置、及びCCDカメラから構成され 。CCDカメラで取り込んだ画像は画像処理装 によってあらかじめ登録された位置合わせ の画像パターンとの整合性が判断され、位 合わせ作業が行われる。本発明で言うとこ のアライメントマークを認識することが可 であることとは、フリップチップボンダー チップ認識用装置を用いて取り込まれたア イメントマークの画像と、登録されている ライメントマークの画像との整合性が良好 あり、位置合わせ作業が問題なく行われる とを指す。例えば、アスリートFA株式会社 フリップチップボンダーCB-1050を使用した場 、回路部材接続用接着剤が突出した接続端 を有する面に貼付いた積層体の接続端子面 は反対の面でフリップチップボンダーの吸 ノズルに積層体を吸引する。その後、装置 のチップ認識用装置で接着剤層を透過して 導体チップ表面に形成されたアライメント ークを撮影し、あらかじめ画像処理装置に り込んだ半導体チップのアライメントマー との整合性がとれて位置合わせ作業ができ 接着剤を認識できる回路部材接続用接着剤 して、位置合わせできなかった場合を認識 きない回路部材接続用接着剤として判別す ことができる。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、未硬 時の可視光並行透過率が15~100%であることが 好ましく、可視光並行透過率が18~100%である とがより好ましく、可視光並行透過率が25~10 0%であることが更に好ましい。可視光並行透 率が15%より小さい場合は、フリップチップ ンダーでのアライメントマークの認識が行 なくなって位置合わせ作業が困難になる場 がある。

 可視光並行透過率は日本電色株式会社製 度計NDH2000を用い、積分球式光電光度法で測 定することができる。例えば、膜厚50μmの帝 デュポン製PETフィルム(ピューレックス、全 光線透過率90.45、ヘイズ4.47)を基準物質とし 校正した後、PET基材に25μm厚で回路接続用接 着剤を塗工し、これを測定する。測定結果か らは濁度、全光線透過率、拡散透過率及び並 行透過率を求めることができる。

 さらに、可視光並行透過率または可視光 過率は、日立製U-3310形分光光度計で測定す ことができる。例えば、膜厚50μmの帝人デ ポン製PETフィルム(ピューレックス、555nm透 率86.03%)を基準物質としてベースライン補正 定を行った後、PET基材に25μm厚で回路部材 続用接着剤を塗工し、400nm~800nmの可視光領域 の透過率を測定することができる。フリップ チップボンダーで使用されるハロゲン光源と ライトガイドの波長相対強度において550nm~600 nmが最も強度が高いことから、本発明におい は555nmの透過率をもって透過率の比較を行 ことができる。

 本発明の回路部材接続用接着剤をダイシ グテープと組合せる場合、回路部材接続用 着剤のUV照射後のダイシングテープに対す 接着力が10N/m以下で、かつ半導体ウェハへの 接着力が70N/m以上であることが好ましい。UV 射後のダイシングテープへの接着力が10N/m以 上である場合、ダイシング後の個片化した回 路部材接続用接着剤付き半導体チップをダイ シングテープからはく離する作業において、 チップ破壊の発生や接着剤層の変形が発生す る場合がある。一方、半導体ウェハへの接着 力が70N/m以下である場合、ダイシング時のブ ードの回転切削による衝撃と水圧の影響で ップと接着剤界面ではく離が発生する傾向 ある。

 回路部材接続用接着剤とUV照射後のダイ ングテープの接着力は以下のようにして測 することができる。すなわち、回路部材接 用接着剤を加熱温度80℃に設定したラミネー タによってウェハにラミネートした後、ダイ シングテープの粘着面を回路部材接続用接着 剤として40℃でラミネートを行った後、ダイ ングテープ側に15mWで300mJ程度のUV照射を行 。UV照射後のダイシングテープに10mm幅の切 みを入れて引張り測定用の短冊を準備する ウェハをステージに押さえつけ、短冊にし ダイシングテープの一端を引張り測定機の 張り治具に固定して90°ピール試験を行い、 路部材接続用接着剤とUV照射後のダイシン テープを引き剥がす。この測定によって回 部材接続用接着剤とUV照射後のダイシングテ ープの接着力が測定できる。

 回路部材接続用接着剤と半導体ウェハの 着力は回路部材接続用接着剤を加熱温度80 に設定したラミネータによってウェハにラ ネートした後、回路部材接続用接着剤に粘 面を向けてカプトンテープ(日東電工製、10mm 幅、25μm厚)を貼付けて十分に密着させた後、 カプトンテープ外形の回路部材接続用接着剤 に10mm幅に切込みを入れる。出来上がった回 部材接続用接着剤とカプトンテープの積層 の一端をウェハから引き剥がし、引張り測 機の引張り治具に固定する。ウェハをステ ジに押さえつけ、短冊を引き上げて90°ピー 試験を行い、回路部材接続用接着剤をウェ から引き剥がす。この測定によって回路部 接続用接着剤と半導体ウェハの接着力が測 できる。

 回路部材接続用接着剤は、半導体チップと 路基板を接続した後の温度変化や、加熱吸 による膨張等を抑制して高接続信頼性を達 するため、硬化後の40℃~100℃の線膨張係数 70×10 -6 /℃以下であることが好ましく、60×10 -6 /℃以下であるとより好ましく、50×10 -6 /℃以下であると更に好ましい。硬化後の線 張係数が70×10 -6 /℃より大きい場合、実装後の温度変化や加 吸湿による膨張によって半導体チップの接 端子と回路基板の配線間での電気的接続が 持できなくなる場合がある。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、熱可 性樹脂、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含む樹 組成物(以下、単に「樹脂組成物」という場 合がある。)と金属水酸化物粒子を含むもの あり、樹脂組成物は、可視光並行透過率が15 %以上のものが好ましく、50%以上のものであ とより好ましく、80%以上のものであると更 好ましい。可視光並行透過率が80%以上ある 合は金属水酸化物粒子を高充填した場合で っても所定の透過率を満足することができ ため好ましい。樹脂組成物の並行透過率が15 %より低い場合、金属水酸化物粒子を添加し い状態であってもフリップチップボンダー のアライメントマークの認識が困難であり 位置合わせ作業に支障が生じる場合がある

 以下に詳述するように、樹脂組成物中に まれる熱硬化性樹脂としては、耐熱性樹脂 して使用されるエポキシ樹脂が採用される 合が多く、その場合、硬化触媒としてイミ ゾール化合物やアミン系の硬化剤が好適な のとして採用される。このような硬化剤は 子内に窒素原子を含む化合物であり、高屈 率化することが知られているため、回路部 接続用接着剤は、未硬化状態で屈折率が1.5 上となることが一般的である。

 また、本発明において樹脂組成物中には 可塑性樹脂が含まれるが、熱可塑性樹脂の 有により、回路部材接続用接着剤のフィル 状への形成が容易になるという効果が奏さ る。この場合、高分子量の熱可塑性樹脂を 用すると好ましく、このような高分子量の 可塑性樹脂としてはフェノキシ樹脂やアク ル樹脂(アクリル共重合体等)などが好適に いられる。このような熱可塑性樹脂を採用 た場合、回路部材接続用接着剤は、未硬化 態で屈折率が1.7以下となることが一般的で る。よって、回路部材接続用接着剤は、未 化状態で屈折率が1.5~1.7とすることが好まし 、この場合、1.6が中心値となる。

 本発明に用いられる金属水酸化物粒子は 折率が1.5~1.7のものを好適に使用することが できる。屈折率が1.5を下回る場合は樹脂との 屈折率差が大きくなるため、粒子分散後の未 硬化状態のフィルムに光散乱が発生し、十分 な透過性を得ることが出来ない。一方、屈折 率が1.7よりも大きい場合も、同様に樹脂組成 物との屈折率差が発生するため、十分な透過 性を得ることが困難である。なお、樹脂の屈 折率はアッベ屈折計を用い、ナトリウムD線(5 89nm)を光源として測定することができる。ま 、フィラーの屈折率はベッケ法によって顕 鏡下で測定することができる。

 本発明に用いられる金属水酸化物粒子は 均粒径が0.1μm~10μmであることが好ましい。 均粒径が0.1μmを下回る場合、粒子の比表面 が大きく、表面エネルギーも大きくなるた 、粒子同士の相互作用が大きくなり、凝集 が発生し、分散性を損なう場合がある。凝 体の分散が良好であったとしても、比表面 が大きいことによって、樹脂に分散した際 増粘挙動が大きくなり、成形性を損なうこ がある。一方、平均粒径が10μmより大きい 合、粒径が小さい場合とは逆に比表面積が さくなるため、樹脂の流動性が大きくなり 成型時のボイド発生が起きやすくなる。ま 、粒子分散の目的の一つである、樹脂の補 効果については、粒径が大きくなるため、 一添加量で粒子を分散させたとしても粒子 自体が少なくなり、補強効果が少なくなる 従って、分散性が良好であって、補強効果 期待できる粒子として平均粒径は0.1~10μmが ましい。また、粒子径が大きい場合の不具 として、チップのバンプと回路基板の電極 への金属水酸化物粒子のかみこみによる電 的特性の阻害発生も大粒径粒子混入が好ま くない理由である。特に低圧で実装する場 やバンプの材質がニッケル等の硬質である 合には金属水酸化物粒子が端子に埋め込ま ず、直接接触におけるバンプと基板電極の 触の妨げや、導電粒子を添加した系におい も導電粒子扁平の妨げとなり、電気的接続 阻害する場合がある。また、最大粒径が40μm 以上の場合はチップと基板のギャップよりも 大きくなる可能性が発生し、実装時の加圧で チップの回路又は基板の回路を傷つける原因 となる。

 また、本発明に用いる金属水酸化物粒子 比重が5以下のものが好ましく、比重2~5のも のがより好ましく、比重2~3.2のものが更に好 しい。比重が5より大きい場合は接着樹脂組 成物のワニスに添加した場合、比重差が大き いことによってワニス中での沈降が発生する 原因となり、金属水酸化物粒子が均一に分散 した回路部材接続用接着剤を得ることが困難 になる場合がある。

 また、本発明に用いる金属水酸化物粒子 、屈折率が1.5~1.7であるとともに、樹脂組成 物(接着樹脂組成物)との屈折率差が±0.1以内 あることが好ましく、屈折率差が±0.05以内 あることがより好ましい。屈折率差が±0.1を 超えると樹脂組成物(接着樹脂組成物)に添加 ることによって透過率が減少し、特に厚膜 場合に、半導体チップの突出した接続端子 有する面に貼付けた状態で回路部材接続用 着剤を透過してチップの回路面に形成され アライメントマークを認識することが困難 なる場合がある。

 このような金属水酸化物としては屈折率が1 .5~1.7であり、平均粒子径が0.1μm~10μmものであ れば特に制限なく公知の金属水酸化物を用い ることができるが、安定性及び入手の簡便さ から、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ ム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウムが より好ましい。金属水酸化物粒子の線膨張係 数は0℃から700℃以下の温度範囲で7×10 -6 /℃以下であることが好ましく、3×10 -6 /℃以下であるとより好ましい。熱膨張係数 大きい場合は回路部材接続用接着剤の熱膨 係数を下げるために金属水酸化物粒子を多 に添加する必要が発生する。

 回路部材接続用接着剤において、樹脂組 物100重量部に対し、金属水酸化物粒子は20~1 50重量部であることが好ましく、25重量部~100 量部であるとより好ましく、50~100重量部で ると更に好ましい。金属水酸化物粒子が20 量部より少ない場合は回路部材接続用接着 の線膨張係数の増大と、弾性率の低下とを くため、圧着後の半導体チップと基板の接 信頼性が低下する場合がある。一方、配合 が150重量部より多い場合は、回路部材接続 接着剤の溶融粘度が増加するため、半導体 突出電極と基板の回路とが十分に接するこ が出来なくなる場合がある。

 本発明の回路部材接続用接着剤の樹脂組 物(接着樹脂組成物)は、(a)熱可塑性樹脂、(b )熱硬化性樹脂、及び(c)硬化剤を成分とする のである。

 (a)熱可塑性樹脂としては、ポリエステル ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポ アリレート、ポリメチルメタクリレート、 クリルゴム、ポリスチレン、フェノキシ樹 、NBR、SBR、ポリイミドやシリコーン変性樹 (アクリルシリコーン、エポキシシリコーン 、ポリイミドシリコーン)等が挙げられる。 た、(b)熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹 、ビスマレイミド樹脂、トリアジン樹脂、 リイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シアノア リレート樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポ エステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、 リウレタン樹脂、ポリイソシアネート樹脂 フラン樹脂、レゾルシノール樹脂、キシレ 樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジアリルフ レート樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニル チラール樹脂、シロキサン変性エポキシ樹 、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂、 クリレート樹脂があり、これらを単独もし は2種以上の混合物として使用することがで る。

 前記熱硬化性樹脂の中でも、耐熱性、接 性の観点からエポキシ樹脂が好ましく、特 、透過性向上と高Tg化(Tg:ガラス転移温度)、 低線膨張係数化が望めることから、ナフトー ルノボラック型固形エポキシ樹脂、フルオレ ン骨格含有の液状エポキシ樹脂、または固形 エポキシ樹脂が好ましい。また、本発明にお ける(c)硬化剤(熱硬化性樹脂の硬化剤をいう )としては、前記熱硬化性樹脂と反応する成 としてフェノール系、イミダゾール系、ヒ ラジド系、チオール系、ベンゾオキサジン 三フッ化ホウ素-アミン錯体、スルホニウム 塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、ジシア ンジアミド、有機過酸化物系の硬化剤が挙げ られる。また、これらの硬化剤の可視時間を 長くするために、ポリウレタン系、ポリエス テル系の高分子物質等で被覆してマイクロカ プセル化してもよい。

 また接着強度を増大するためにカップリ グ剤を含んでも良く、フィルム形成性を補 するためにポリエステル、ポリウレタン、 リビニルブチラール、ポリアリレート、ポ メチルメタクリレート、アクリルゴム、ポ スチレン、フェノキシ樹脂、NBR、SBR、ポリ ミドやシリコーン変性樹脂(アクリルシリコ ーン、エポキシシリコーン、ポリイミドシリ コーン)等の熱可塑性樹脂を含んでも良く、 た金属水酸化物粒子の表面改質の目的でシ コーンオイル、ポリシロキサン、シリコー オリゴマー、カップリング剤を含んでも良 。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、有機 分子化合物で被覆された粒径3~5μmの導電粒 及び/または金属の導電粒子を添加して異方 導電接着剤とすることもできる。有機高分子 化合物で被覆する前の導電粒子としては、Au Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン であり、十分なポットライフを得るために 、表層は遷移金属の中でもNi、Cu等よりはAu Ag又は白金族の貴金属類が好ましく、Auがよ り好ましい。また、Ni、Cu等の金属の表面をAu 等の貴金属類で被覆したものでもよい。また 、導電粒子として非導電性のガラス、セラミ ック、プラスチック等に前記導通層(導通材 から形成される層)を被覆等により形成し最 層を貴金属類としたものを使用した場合又 熱溶融金属粒子を使用した場合、導電粒子 加熱加圧による変形性を有するため電極の さばらつきを吸収し、接続時に電極との接 面積が増加して接続信頼性が向上するので ましい。良好な接続抵抗を得るためには、 金属類の被覆層の厚みは100オングストロー 以上であることが好ましい。しかし、被覆 に生じる貴金属類層の欠損や導電粒子の混 分散時に生じる貴金属類層の欠損等が原因 なって起こる酸化還元作用によって遊離ラ カルが発生すると、保存性低下を引き起こ ため、Ni、Cu等の金属の上に貴金属類の層を もうける場合では、被覆層の厚みは300オング ストローム以上にすることが好ましい。そし て、厚くなりすぎるとそれらの効果が飽和し てくるので最大1μmにするのが望ましいが、 のことは被覆層の厚みを制限するものでは い。

 通常、これらの導電粒子の表面を有機高 子化合物で被覆する。有機高分子化合物は 溶性であると被覆作業性が良好で好ましい 水溶性高分子として、アルギン酸、ペクチ 酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、 ードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアス パラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン 、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメ タクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル 酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイ ン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ (p-スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、 リアクリルアミド、ポリアクリル酸メチル ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ア モニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩 ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム 、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリ キシル酸等のポリカルボン酸、ポリカルボ 酸エステル及びその塩、ポリビニルアルコ ル、ポリビニルピロリドン及びポリアクロ イン等のビニル系モノマー等が挙げられる これらは単一の化合物を用いてもよく、2種 上の化合物を併用してもよい。被覆層の厚 は、1μm以下が好ましく、この被覆層を排除 して導電粒子が接続端子と接続端子を電気的 に接続するので、加熱、加圧時には接続端子 と接触する部分の被覆層が排除されることが 必要である。通常、導電性粒子は、樹脂組成 物(接着剤樹脂)成分100体積部に対して0.1~30体 部の範囲で用途により使い分ける。過剰な 電性粒子による隣接回路の短絡等を防止す ためには0.1~10体積部とするのがより好まし 。

 本発明は、以上説明した回路部材接続用 着剤で接合された回路基板を有する半導体 置を提供する。なお、回路基板は、回路部 接続用接着剤の硬化により接合されたもの あることが好ましい。本発明の回路部材接 用接着剤で接合された回路基板を有する半 体装置の例としては、半導体メモリ、半導 メモリ用の封止樹脂パッケージ、ロジック ントローラ用の封止樹脂パッケージ等が挙 られる。

 以下、実施例及び比較例に基づき本発明 さらに具体的に説明するが、本発明は以下 実施例に何ら限定されるものではない。

(実施例1)
 三次元架橋性樹脂としてエポキシ樹脂EP-1032 -H60(ジャパンエポキシレジン株式会社製、製 名)20重量部、エポキシ樹脂YL980(ジャパンエ キシレジン株式会社製、製品名)15重量部、 ェノキシ樹脂YP50S(東都化成株式会社、製品 )25重量部、マイクロカプセル型硬化剤とし HX-3941HP(旭化成株式会社製、製品名)40重量部 、及びシランカップリング剤SH6040(東レダウ ーニングシリコーン製、製品名)1重量部を、 トルエンと酢酸エチルの混合溶媒中に溶解し 、接着樹脂組成物(樹脂組成物)のワニスを得 。このワニスの一部をセパレータフィルム( PETフィルム)上にロールコータを用いて塗布 た後、70℃のオーブンで10分間乾燥させるこ によって、セパレータ上に厚み25μmの接着 樹脂組成物の膜を得た。

 この膜をアッベ屈折計(ナトリウムD線)の 料台に設置し、セパレータを剥がしてこれ マッチングオイルを1滴垂らし、屈折率1.74 テストピースを載せて屈折率を測定した。 の結果、接着剤樹脂組成物の屈折率は1.60(25 )であった。一方、ワニスを計量した後、こ れに平均粒径0.49μmの水酸化マグネシウムMH-30 (岩谷化学工業株式会社製、製品名)を59重量 加え、撹拌してワニス中に分散させた。こ ワニスをセパレータフィルム(PETフィルム)上 にロールコータを用いて塗布した後、70℃の ーブンで10分間乾燥させることによって、 パレータ上に厚み25μmの透過性確認用フィル ムを得た。得られた透過性確認用フィルムの UV-VIS分光光度計で測定した555nmの透過率は65% あった。次に、はじめのワニスを別途計量 た後、これに平均粒径0.49μmの水酸化マグネ シウムを59重量部加え、撹拌してワニス中に 散させた。このワニスをセパレータフィル (PETフィルム)上にロールコータを用いて塗 した後、70℃のオーブンで10分間乾燥させる とによって、セパレータ上に厚み50μmの回 部材接続用接着剤を得た。

(実施例2)
 実施例1の水酸化マグネシウム粒子に代えて 平均粒径1.3μmの水酸化アルミBF013(日本軽金属 株式会社製、製品名)60.5重量部を加えたこと 外は実施例1と同様にして回路部材接続用接 着剤を得た。

(比較例1)
 実施例1の水酸化マグネシウム粒子に代えて 平均粒径0.5μmのシリカ粒子SE2050(アドマテッ ス社製、製品名)55.25重量部を加えたこと以 は実施例1と同様にして回路接続用接着剤を た。

 (比較例2)
 実施例1の水酸化マグネシウム粒子に代えて 平均粒径0.3μmのシリカ粒子F-21(株式会社龍森 、製品名)55.25重量部を加えたこと以外は実 例1と同様にして回路接続用接着剤を得た。

(半導体装置の作製、特性確認)
 実施例1~2及び比較例1~2で得た回路接続用接 剤で接続した半導体装置をそれぞれ作製し 特性確認を実施した。

(半導体ウェハ/回路部材接続用接着剤/ダイシ ングテープ積層体)
 ジェイシーエム製のダイアタッチフィルム ウンターの吸着ステージを80℃に加熱後、 着ステージ上に金めっきバンプが形成され 厚さ150μm、直径6インチの半導体ウェハをバ プ側を上に向けて搭載した。実施例1~2及び 較例1~2記載の回路部材接続用接着剤をセパ ータごと200mm×200mmに切断し、絶縁性接着剤 側を半導体ウェハのバンプ側に向け、エア 巻き込まないように半導体ウェハの端から イアタッチマウンターの貼付ローラで押し けてラミネートした。ラミネート後、ウェ の外形に沿って接着剤のはみ出し部分を切 した。切断後、セパレータをはく離した。 いでセパレータ剥離後のウェハと回路部材 続用接着剤の積層体を、接着剤の貼付いた を下に向けてステージ温度を25℃に設定し ダイアタッチフィルムマウンターの吸着ス ージに搭載し、さらに12インチウェハ用のダ イシングフレームをウェハ外周に設置した。 UV硬化型ダイシングテープUC-334EP-110(古川電工 製、製品名)の粘着面を半導体ウェハ側に向 、エアを巻き込まないようにダイシングフ ームの端からダイアタッチマウンターの貼 ローラで押しつけてラミネートした。ラミ ート後、ダイシングフレームの外周と内周 中間付近でダイシングテープを切断し、ダ シングフレームに固定された回路部材接続 接着剤/半導体ウェハ/ダイシングテープ積層 体を得た。

(ダイシング)
 ダイシングフレームに固定された回路部材 続用接着剤/半導体ウェハ/ダイシングテー 積層体を株式会社ディスコ製フルオートマ ックダイシングソーDFD6361に搭載した。接着 を透過してスクライブラインの位置合わせ 行った。シングルカットでダイシングテー 内まで10mm×10mmの間隔で切断する。切断後、 洗浄し、エアー吹きつけで水分を飛ばした後 、ダイシングテープ側からUV照射を行った。 の後、ダイシングテープ側から半導体ウェ 側に突き上げ、回路部材接続用接着剤がバ プ側に形成された10mm×10mmの半導体チップを 得た。

(圧着)
 回路部材接続用接着剤付き半導体チップの 着剤面をチップトレー底面に向けた状態で ップトレーに収納し、これをパナソニック フリップチップボンダーFCB3のチップトレー 収納場所に設置した。次いでAu/NiめっきCu回 プリント基板を基板搭載ステージに設置し 。半導体チップ回路面に形成されたアルミ のアライメントマークを回路部材接続用接 剤側から認識し、基板と位置あわせを行っ のち、200℃10秒1.86MPaの条件で加熱加圧を行 、半導体装置を得た。得られた半導体装置 176バンプ連結デージーチェーンでの接続抵 は8.6ωであり、良好な接続状態であることを 確認した。さらに、半導体装置を30℃、相対 度60%の槽内に192時間放置した後、IRリフロ 処理(265℃最大)3回行った結果、チップのは 離や導通不良の発生はなかった。さらに、IR リフロー後の半導体装置を高温高湿試験機(85 ℃/85%RH)に200h放置し、放置後の接続抵抗に導 不良が発生しないことを確認した。また、I Rリフロー後の半導体装置を温度サイクル試 機(-55℃30分、室温5分、125℃30分)内に放置し 槽内での接続抵抗測定を行い、200サイクル 過後の導通不良が発生しない事を確認した

 実施例1~2及び比較例1~2で得た回路部材接 用接着剤について、下記の測定で特性確認 行った。

(線膨張係数測定)
 実施例及び比較例で得た回路部材接続用接 剤をセパレータごと180℃に設定したオーブ に3時間放置し、加熱硬化処理を行った。加 熱硬化後のフィルムをセパレータからはく離 し、30mm×2mmの大きさに切断した。セイコーイ ンスツルメンツ社製TMA/SS6100(製品名)を用い、 チャック間20mmに設定後、測定温度範囲20℃~30 0℃、昇温速度5℃/min、断面積に対し0.5MPa圧力 となる荷重条件で引張り試験モードにて熱機 械分析を行い、線膨張係数を求めた。

 (反応率測定)
 実施例及び比較例で得た回路部材接続用接 剤をアルミ製測定容器に2~10mg計量した後、 ーキンエルマー社製の示差走査熱量測定装 DSC(Differential Scaning Calorimeter)Pylis1(製品名) 30~300℃まで20℃/minの昇温速度で発熱量測定 行い、これを初期発熱量とした。次いで、 圧着装置の加熱ヘッドをセパレータに挟ん 熱電対で温度確認を行って20秒後に180℃に達 する温度に設定した。この加熱ヘッド設定で 、セパレータに挟んだ回路部材接続用接着剤 を20秒間加熱し、熱圧着時と同等の加熱処理 施された状態のフィルムを得た。加熱処理 のフィルムを2~10mg計量してアルミ製測定容 にいれ、DSCで30~300℃まで20℃/minの昇温速度 発熱量測定を行い、これを加熱後発熱量と た。得られた発熱量から次の式で反応率(%) 算出した。
   式;(初期発熱量-加熱後発熱量)/(初期発熱 量)×100

 回路部材接続用接着剤の特性として、並行 過率、硬化後の線膨張係数、フリップチッ
プボンダーでのアライメントマーク認識の可 否、反応率、さらに圧着後の接続抵抗値及び
信頼性試験後の接続抵抗値を実施例及び比較 例ごとに表3に示した。

 実施例に示すとおり、屈折率が1.57~1.60の金 水酸化物粒子を添加した回路部材接続用接 剤は、1)並行透過率が30%以上であるためフ ップチップボンダーの認識システムを用い 接着剤を透過してチップ回路面のアライメ トマークを認識することが可能であること 2)硬化後の線膨張係数が70×10 -6 /℃以下に低減されており、接続信頼性試験 おいて導通不良が発生しないこと、3)熱圧着 時の加熱条件で75%以上の反応率に達している ため、安定した低接続抵抗を示し、ガラス基 板を対象とした異方導電性接着剤としても、 またガラエポ基板を対象とした接触型の熱圧 着樹脂としても優れていること、が確認でき た。一方、比較例1、2では、屈折率が1.46のシ リカを添加したことによって樹脂組成物との 屈折率差が大きくなり、光散乱が発生し、並 行透過率が小さかった。この場合、フリップ チップボンダーでのアライメントマークの認 識作業が行えず、位置合わせが出来ないため 、半導体装置の初期導通を確保することが出 来なかった。

 本発明の回路部材接続用接着剤は、狭ピ チ化及び狭ギャップ化に対応可能な先置き アンダーフィルム工法として使用できる。 着剤付半導体チップは、ダイシング時の汚 が無く、ダイシング後に簡便にダイシング ープからはく離させることにより得ること できる。さらに、本発明の回路部材接続用 着剤は、接着剤付チップと回路基板との高 度な位置合わせを実現する透明性と、低熱 張係数化による高接続信頼性とを両立する とが可能な、速硬化性のウェハ貼付対応の 着剤として利用できる。