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Patent Searching and Data


Title:
CLEANING AGENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149884
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a cleaning agent containing a 0.0001-0.01% by weight aqueous solution or aqueous dispersion (A) of a linear poly(meth)acrylamide having an average molecular weight determined from limiting viscosity of not less than 5 Π106, a polyhexamethylene biguanide hydrochloride (B) represented by the formula (1) below, and at least one compound (C) selected from the group consisting of propylene glycol, dipropylene glycol, tripropylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, ethylene glycol, an ether of propylene glycol and an alcohol having 1-3 carbon atoms, an ester of one of them and a fatty acid having 1-3 carbon atoms, glycine and taurine. Formula (1): [-(CH2)m-NH-C(NH)-NH-C(NH)-NH-(CH2)n-]pHCl (In the formula, m and n respectively represent an integer of 2-5, and p represents an integer of 5-16.)

Inventors:
KOBAYASHI SHUNSUKE (JP)
HAYASHI YOSHIYUKI (JP)
NAKAIDA YASUSHI (JP)
NAKAE SHIN (JP)
KAGEYAMA MAKOTO (JP)
MIYAGISHI SEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060266
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
June 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ESPO CHEMICALS CORP (JP)
KOBAYASHI SHUNSUKE (JP)
HAYASHI YOSHIYUKI (JP)
NAKAIDA YASUSHI (JP)
NAKAE SHIN (JP)
KAGEYAMA MAKOTO (JP)
MIYAGISHI SEIJI (JP)
International Classes:
C11D3/37; A61L9/01; B08B3/02; B08B7/04; C11D3/43; C11D7/26; C11D7/50; A61L2/18; A61L2/22; B01J19/08; D06L1/12
Foreign References:
JP2004313893A2004-11-11
JPH05322218A1993-12-07
JPH05131020A1993-05-28
JP2004250331A2004-09-09
JP2002256030A2002-09-11
JPH02132366A1990-05-21
JPH02134708A1990-05-23
JP2775162B21998-07-16
JPH07216389A1995-08-15
JP2001149739A2001-06-05
JP2004313893A2004-11-11
Other References:
See also references of EP 2166074A4
Attorney, Agent or Firm:
KUMAKURA, Yoshio et al. (Shin-Tokyo Bldg.3-1, Marunouchi 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 55, JP)
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Claims:
 極限粘度法で求めた平均分子量が5×10 6  以上で、直鎖状のポリ(メタ)アクリルアミドの0.0001~0.01重量%水溶液あるいは水分散液(A)と式(1)で示されるポリ(ポリメチレンビグアナイド)塩酸塩(B)と、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコール及びプロピレングリコールと炭素数が1~3のアルコールとのエーテル及びこれらの炭素数が1~3の脂肪酸とのエステル、グリシン及びタウリンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の化合物(C)とを含んでなる清浄化剤。
[-(CH 2 ) m -NH-C(NH)-NH-C(NH)-NH-(CH 2 ) n -] p HCl   (1)
(式中、m、nが2~5の整数であり、pは5~16の整数である。)
 前記ポリ(メタ)アクリルアミド水溶液あるいは水分散液(A)が、乾燥することにより固形分濃度が上昇し、保水性ゲルを形成するものである請求項1記載の清浄化剤。
 前記化合物(C)が、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール及びグリシンからなる群から選ばれる1種以上である請求項1又は2記載の清浄化剤。
 前記化合物(C)がグリシンである、請求項1又は2記載の清浄化剤。
 前記ポリ(メタ)アクリルアミドが、両性荷電重合体である請求項1~3のいずれか1項に記載の清浄化剤。
 水溶性アクリル系共重合体を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の清浄化剤。
 前記水溶性アクリル系共重合体が、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体のアンモニウム塩である請求項5記載の清浄化剤。
 水溶性無機塩を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の清浄化剤。
 ゲル化剤を含む請求項1~6のいずれか1項に記載の清浄化剤。
 前記ゲル化剤が、水溶性のアルカリ金属の塩、水溶性の2価のアルカリ土類金属塩、アルミニウム化合物、炭素数が2~18の2塩基性カルボン酸及びこれらのアンモニウム塩及びこれらのアミン塩及びこれらのアミノアルコール塩、水溶性高分子化合物のジヒドラジド、グルタールアルデヒド、グリオキザールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項8記載の清浄化剤。
 前記ゲル化剤が、前記ポリ(メタ)アクリルアミドが陰性荷電重合体又は陽性荷電重合体である場合、いずれも逆荷電のポリ(メタ)アクリルアミド及び/又は他の高分子化合物の塩類の水溶液である請求項8記載の清浄化剤。
 脂肪酸塩又はその誘導体を含む請求項1~10のいずれか1項に記載の清浄化剤。
 相間移動触媒として、第四級アンモニウム塩、グリコールエーテルまたはクラウンエーテルのいずれかを含む請求項1~11のいずれか1項に記載の清浄化剤。
 炭素数が4~12のアルコールアミンを含む請求項1~12のいずれか1項に記載の清浄化剤。
 磁性物質を含む請求項1~13のいずれか1項記載の清浄化剤。
 前記磁性物質が、微粉末状の鉄、コバルト、ニッケル、マグネタイト又はこれらの金属を界面活性剤で分散させた磁性流体のいずれか1種以上である請求項14記載の清浄化剤。
Description:
清浄化剤

 本発明は、清浄化剤に関するものであり 特に生活・作業空間の空気、その他気体及 物体表面に付着・吸着した分子状、エアロ ル状、油性の粘着状の硬化皮膜等で吸入や 触により人畜に致死性、急性、亜急性、慢 、一過性の健康障害、不快感を与え、放出 漏洩、蓄積等により環境汚染等を起こす可 性のある汚染物を系外に分離し除去するた の清浄化剤に関するものである。

 汚染気体や汚染物が付着する物体表面の清 化には、汚染物の種類、粒径、気体の濃度 運動性・流速、親水性・疎水性、沸点、反 性等に応じて種々の方法が採用されてきた
 しかし、それぞれ方法には課題や限界があ た。
 これらの方法の主なものを下記(1)~(15)に列 する。
(1)燃焼法;大工場のVOCを含む排気を燃焼して 気する方法で、直接燃焼法、触媒燃焼法、 積燃焼法等が採用されてきたが、大容量の 気中の低濃度の有機溶剤のような汚染物を 去するためには大量のLPG等の燃料を消費す ため、地球温暖化の原因となる高濃度の炭 ガスを排出したり、油性塗料やグラビアイ キのミスト等は完全燃焼できず、排気が強 悪臭を有するため本来不必要な排気の消臭 理が必要な場合が多かった。
(2)多孔性物質吸着法;活性炭やゼオライト等 多孔性吸着剤層に汚染物を吸着させる方法 、分子状汚染物は確実に除去することがで 、破過したこれら吸着剤は、加熱蒸気など 汚染物を追い出し再生して10回程度繰り返し 使用されているが、追い出した汚染物を外部 に排出せず回収する技術は未確立であった。 また汚染気体が粒径の大きいタール類や塗料 ミスト等の場合は、吸着剤が目詰まりして再 生不可能である欠点があった。ゼオライトを 用いた場合も同じ欠点があるため、急速に破 過・失効する欠点があった。

(3)光触媒法;酸化チタンが塗装された面に光 照射する方法で、種々の具体的方法が提案 れているが、汚染気体の分解作用が極めて 慢で、触媒面が汚れると効果が低下する欠 があり、実用化できる用途は限られている
(4)オゾン酸化法;水道水の殺菌や消臭には非 に適した方法であり、悪臭の充満する空間 清浄化などに用いると清浄化効果は即効的 あるが、オゾンには強い毒性があり、工場 広範な排気などには不適であり、使用場所 時間が限られ、室内器物の損傷が起こる欠 があった。
(5)既存の集塵法;重く緻密なキャンバスを用 、重力、遠心力、慣性力等を利用するバッ フィルター法、静電吸引力を用いる電気集 法、多孔性粉体を利用する濾過集塵法等が く採用されている。これらの方法は、粒径0. 01μm以上の粘着性のない粉塵などには有効で るが、粒径がこれ以下のウイルス、粘着性 煙草の煙等のエアロゾル、気体状の汚染物 の除去には役に立たなかった。
(6)香料・芳香剤による方法;不快な悪臭、化 品の刺激臭を芳香剤で感覚的に緩和するマ キング法がエアロゾル型スプレー缶やプラ チック製ポンプにより広く実施されている これら製品の空気汚染物の除塵効果や消臭 力は、科学的に証明または説明できていな ものが多く、ホテル客室内で全表面に吸着 て、微量づつ室内に拡散する香水臭は、多 の客が忌避する。香水臭の他に、葉巻臭、 香臭、低級脂肪酸類が主成分のワキガ臭、 臭、ホルムアルデヒド、殺虫剤、塗料等のVO C等の完全消臭が不可能とされる臭気には、 効であった。

(7)植物抽出物類による方法;カテキン系ある はフラボノイド系と称する植物抽出物を含 市販液状品による方法がある。緑茶等カテ ン系のものは、生鮮食品の消臭に有効なも があるが、用途が限られ、複雑な組成の食 廃棄物の分解臭等には効果がなく、これら 使用による複合臭が二次悪臭公害を引き起 す例も多い。
(8)木酢・竹酢による方法;木や竹を乾留して 炭や竹炭を得る時の副産物の木酢及び竹酢 用いて消臭する方法である。この木酢及び 酢は環境にやさしい万能消臭剤や健康飲料 して販売される場合もあるが、これらはメ ノール、ギ酸その他低級脂肪酸類、低級ア デヒド類、複雑な組成のタール類等の有害 分、変異原性成分、発癌性が疑われる成分 含まれ、かつこれらは煙草臭等の室内消臭 用いても効果がない。かえって建材に塗布 た場合には、これらから発生する刺激臭を 臭する必要がある場合もある。
(9)既存の水性洗浄液によるスクラバー洗浄法 ;硫酸、苛性ソーダ、塩素酸化物類、アスコ ビン酸と第一鉄塩との複合物、亜硫酸塩等 広く用いられている。これらは、単純な組 で化学反応性のある気体汚染物には有効で るが、酸性、塩基性あるいは酸化性、還元 などの混合悪臭気体や、上記したエアロゾ 状の汚染物には、1種類の化合物では清浄化 きない。またアンモニア水溶液を希硫酸と 温で混合した場合の反応率は100%であるが、 従来型のスクラバーで、洗浄剤の希硫酸中と アンモニアガスと接触させても、清浄化率が 50%以下になる場合も多く、この洗浄装置とそ の運転技術も未確立である。

(10)排気ダクト内へ低分子の水性薬液を噴霧 る方法;上記(9)と同様の水溶液を排気ダクト に噴霧しても、気液接触率が不十分で、反 生成の結晶がダクト内に堆積して、気流の 過が困難となる場合が多かった。この場合 エアロゾルは、気体のような運動性がない め、噴霧ミストとの衝突確率が低く、好結 が得られる場合は少なかった。
(11)汚染された物体表面を洗浄するための洗 型清浄化剤とこれを用いた清浄化方法;表面 種々の汚染物が付着又は密着しているため 随時又は定期的に下記のような薬剤と方法 清拭、洗浄などにより清浄化されている。
 A)エアーコンディショナー(以下空調機とい ):アルミニウム製熱交換機とその周辺部に 煙、油膜、煙草のヤニ、かび菌、細菌、ダ とその死骸、砂塵、体臭等の複合臭と有害 アロゾル類とで汚染された結果、これら汚 物を室内に放出し、熱交換率が低下し電力 消費している場合が多い。近年、このよう 空調機の定期洗浄業務が普及しつつあるが 現在好評を得ている洗浄法の1例は、洗浄液 通電部分に触れず、機内に漏れないプラス ック袋で覆って養生し、その開口部から3種 類の洗浄液を機内に順次加圧噴射して洗浄す る。この第1回の洗浄液は、苛性ソーダの希 水溶液を用い、第2回は希薄リン酸水溶液を い、第3回は水で洗浄するものである。
 しかしこの空調機を用いる方法は、中華料 店、洋食店等の熱交換器全体に上記汚染物 酸化した強固な油膜が形成(以下油汚れとい う)しているため、これらの洗浄は不可能で った。

 B)業務用大型空調機のフィルター:ポリエス ル繊維の織物や不織布製のフィルターは、 期的に新品と交換され、従来は汚染された ィルターは廃棄される場合が多かった。
 しかし、近年の廃棄物規制の強化により洗 して繰り返し使用する必要が生じてきた。 の洗浄剤は、ナトリウム、カリウム等の水 化物や炭酸塩等に界面活性剤を加えた高pH 劇物・毒物相当の水溶液で洗浄し水洗する 法が広く実施されているが、油煙、油脂硬 物、かび菌の菌糸、煙草臭の除去等が不完 で洗浄後も悪臭がフィルターに残り、水洗 の油煙や砂塵等の再汚染による黒ずんだ外 、強アルカリ性洗浄液によるポリエステル 維の溶解、廃液放流時の中和と河川での発 防止の処置が課題であった。
 C)各種繊維製品:これの洗濯には、酵素、過 酸ソーダなどの酸化剤、ビルダー、界面活 剤、その他の助剤等を配合した粉末状や液 の洗剤が使用されてきた。これらの通常の 剤により解決していない課題は、商業洗濯 一般の衣類や家庭や介護施設でのオムツや 類の洗濯・水濯ぎ・遠心脱水後のアイロン け時や仕上げ品保管中に発生する強い悪臭 シャツ、ズボン、下着類のワキガ臭とその ミ、淡色のズボンや下着類の尿による黄色 シミ等の完全除去であった。
 D)室内の汚染気体:住宅、事務室、商店、飲 店、宿泊施設等で使用される壁紙類、木質 壁紙類、木質の壁面、化粧合板、木質隔壁 、たたみ、ガラス戸や窓などの表面、床板 天井板、厨房、調理台、浴室内等では、上 した種々の汚染物が付着・吸着しており、 内にこれらの汚染気体を徐放し、さらにた み用の殺虫剤、床下に散布したシロアリ駆 剤、乾燥中の塗料等からVOCやSPMが室内に拡 して、居住者にいわゆるシックハウス症候 を発症させる。さらに、上記空調機と同様 油脂複合汚染物が固着した換気扇や内装材 清拭によって完全に美観が回復できる洗浄 が未開発であったため、空調機や内装材そ ものを新しいものに交換する必要があった 、交換しても室内全体に染み込んだ悪臭の 去はできなかった。

 E)液体製品製造ラインの洗浄:飲料や液状調 料製品は、自動充填機により、金属缶、ガ ス瓶、耐水性紙容器等の自動ラインで充填 れているが、製品が多種類で、季節による 種変更、充填能力に対して各製品の生産ロ トが小さいことが多く、同一ラインを使用 るため、頻繁な該ラインの洗浄が行われる この場合、前回の製品が微量でもライン内 残存して次回の製品に混入すると、その製 の味覚と芳香が損なわれて商品価値がなく る。その微量残存物を除去するために過酷 洗浄が行われる。代表的な例では、6工程の 洗浄に要するライン内製品要領の6倍容量の 道水、これを85~90℃に加熱する熱量と1洗浄 程に3時間の作業時間が必要であるとしてい 。
 しかし、リンゴや桃のジュース、スラリー の柑橘類を含む調味料等は固有臭を有し、 の脱臭は困難であり、完全に脱臭するには 同じ工程を3回以上繰り返すことが多いため 、1回の洗浄で確実に脱臭できる洗浄剤や洗 方法が求められている。
 F)電子基盤製造、自動車修理、機械修理、 ライクリーニングなどの工場では、油脂や 油系の親油性と親水性の汚染物を製品、部 、衣類等から除去するため、現在でも引火 やすいガソリンを含む炭化水素系溶剤、苛 ソーダ、界面活性剤の水性洗剤等が使用さ ているが、低BOD・CODで安全で効果の優れた 性洗浄剤の開発が待望されている。

(12)ウイルス感染防止用マスク;ウイルス感 症の大流行(pandemic)期には、通勤者、乗客、 外出者はウイルス吸入防止マスクの着用が有 効とされているが、軍事用や産業用防毒マス クのように高性能で、通常の綿ガーゼ製のマ スクのような軽量で、着用が容易なものはま だ開発されていない。

(13)公知文献;
 両性及びアルカノールアミン及び中和した ニオン性ポリアクリルアミドの希薄水溶液 空気中に噴霧することにより、気体状及び アロゾル状の汚染物を除去する技術が提案 れている(例えば特許文献1~3参照)。
 また有機及び/又は無機洗浄剤とアクリルア ミドやその他単量体との共重合体や誘導体で 、水溶液は、凝集性を示し、イオン性がアニ オン、カチオン、両性のいずれかで、分子量 が1,000,000以上の高分子化合物を必須成分とす る洗浄剤に関する技術が提案されている(例 ば特許文献4参照)。この技術によれば、希薄 水溶液で、繊維など被洗物の水性洗浄後のす すぎ時に発生する油煙や土壌などの土埃など の無機性の微粒子状汚れの被洗物への再汚染 を防止することができ、繊維に結合し重合し た油汚れも除去することができるとしている 。
 また気体汚染物との化学反応性が100%の洗浄 剤を使用し、紙質充填材を内臓したスクラバ ーによる気体の清浄化技術が提案されている (例えば特許文献5、6参照)。このスクラバー 気液接触率が100%になるように運転条件を調 すれば、清浄化率が100%になるとしている。

特許第2132366号明細書

特許第2134708号明細書

特許第2775162号明細書

特開平7-2163939号公報

特開2001-149739号公報

特開2004-313893号公報

 しかし、上記(1)~(13)に記載した技術では、 記の課題が未解決である。また前記公知文 に記載された技術によれば、気体汚染物の 去がある程度達成されるが、その清浄化の 度は低いというのが実情であった。
 そこで、本発明は、従来の清浄化剤では効 がないか不十分であった次のような課題を 決することを目的とするものである。

すなわち
(A)空間のVOC、殺虫剤、防ダニ剤、線香、ホル ムアルデヒド等の汚染物:粉類、ハウスダス 、砂塵、菌の胞子等の浮遊微粉塵:生ごみ、 料、線香、香辛料、ワキガ、ニンニク、か 等の固有臭:浮遊細菌、泡沫状細菌、真菌、 これらの胞子、ウイルス:火災臭、油煙、木 、ゴム、アスファルト、プラスチック等の 分解時の固有臭:サリン、タブン、ソマン、 スゲン、VX等の猛毒性の神経毒ガス等の空 の汚染物に噴霧し、化学包接作用で捕接し 径を増大させ沈降させると共に粒子内で化 反応により解毒することにより清浄化する
(B)空気汚染物が付着・吸着した物体表面に、 汚染物が室内全面に微粉塵状に付着している 室内全面へ清浄化液を噴霧したり、ドライク リーニングの代わりに衣類を清拭し衣類に残 留している悪臭を除去したり、悪臭を除去し カビ菌の増殖を防ぐため、清浄化液を噴霧し 、場合によりブラシ摩擦、超音波振動により 、物体表面を清浄化する。

(C)喫煙室内、手入れの悪い中古住宅内、中華 料理店や揚げ物店内、水産加工場内等の建造 物内面や切削、押し出し成型、鍛造等工程油 を使用する機械類製作:修理工場での汚染し 金属やプラスチックの表面や汚染した繊維 品等の目視できる汚れが付着した物体表面 噴霧し汚れを洗浄により除去し清浄化する
(D)高濃度のVOCを含む汚染空気に清浄化剤を噴 霧し、VOCを捕捉・凝結・除去する。
(E)廃棄食品の堆肥化工場、養鶏場、生ゴム工 場等の臭気:牛糞、木質廃材等のバイオガス: 粉塵とタール状汚染物が混合した排気のよ なエアロゾル状汚染物及び分子状汚染物の 合した多成分を含む排気に直接噴霧するか はダクト内で噴霧し、汚染物を清浄化する
(F)食品工場等で発生する、リンゴや桃のジュ ース、スラリー状の柑橘類を含む調味料等の 有する固有臭を確実に脱臭する。
(G)菌類及びウイルスの感染防止用の簡易マス クを装着することにより着用者の呼気を清浄 化する。

 本発明者は、上記課題について、鋭意検 した結果、特定の平均分子量を有するポリ( メタ)アクリルアミド水溶液あるいは水分散 と特定の除菌・殺菌剤と、溶剤としてモノ ロピレングリコール、ジプロピレングリコ ル、トリプロピレングリコール等を含む組 物を清浄化剤として用いると、上記課題を 決することができることを発見するに及ん 、本発明を完成させるに至った。

 すなわち、本発明は、極限粘度法で求めた 均分子量が5×10 6  以上で、直鎖状のポリ(メタ)アクリルアミ の0.0001~0.01重量%水溶液あるいは水分散液(A) 式(1)で示されるポリヘキサメチレンビグア イド塩酸塩(B)と、プロピレングリコール、 プロピレングリコール、トリプロピレング コール、ジエチレングリコール、トリエチ ングリコール、テトラエチレングリコール エチレングリコール及びプロピレングリコ ルと炭素数が1~3のアルコールとのエーテル びこれらの炭素数が1~3の脂肪酸とのエステ 、グリシン及びタウリンからなる群から選 れる少なくとも1種以上の化合物(C)とを含ん なる清浄化剤を提供するものである。
式(1)
[-(CH 2 ) m -NH-C(NH)-NH-C(NH)-NH-(CH 2 ) n -] p HCl
(式中、m、nが2~5の整数であり、pは5~16の整数 ある。)

 本発明の清浄化剤を用いれば、以下の(1)~(5) の効果を発揮するものである。
(1)気体中に浮遊する汚染物を捕捉し急速沈降 させ、気体を清浄化することができる。
(2)ダクト内で汚染物を含む気流に噴霧するこ とにより汚染物を沈降させ、気流を清浄化す ることができる。
(3)悪臭、有毒ガス発生物、汚れ等の汚染物が 付着した物体表面に噴霧し清拭材で摩擦した り、物体表面に加圧噴射し水洗することによ り物体表面を清浄化することができる。
(4)有害物、不快物を含む液体中に添加するこ とにより解毒・消臭することができる。

 本発明の清浄化剤は、極限粘度法で求めた 均分子量が5×10 6  以上で、直鎖状のポリ(メタ)アクリルアミ (以下PAMという)水溶液あるいは水分散液(A)を 含むものである。
 本発明の清浄化剤中のPAMは、清浄化剤を均 に噴霧することが可能になるように、極限 度法を用いて測定した値で5×10 6  以上の平均分子量を有するものである。
 本発明に使用するPAMの平均分子量が極限粘 法を用いて測定した値で5×10 6  以上であれば、他の必須成分と強く抱合し 保水性ゲルの形成能が大きく、本発明の除 ・消臭等の清浄化効果を長期間持続するこ ができる。平均分子量が5×10 6  未満では、凝集力が不足し、清浄化剤の機 及び持続性が低下する。平均分子量は、1.5 10 7 以上であることが好ましい。平均分子量が5× 10 6 未満のものであっても、平均分子量1.0×10 7  以上のものに低率で混合することにより使 することができる。
 本発明に使用するPAMは、水溶液あるいは水 散液の状態で存在しており、水溶液中で一 分散していても、水に分散しその一部が溶 した状態になっていてもよい。

 本発明の清浄化剤中のPAMは、0.0001~0.01重量% 水溶液あるいは水分散液として使用するも である。0.0001重量%未満では、ポリ(メタ)ア リルアミドの効果が得られない。また0.01重 量%を越えると、粘度が高すぎ、微細な噴霧 ストが得られない。
 またPAM水溶液あるいは水分散液は、前記汚 気体の清浄化、浮遊微粉塵の沈降、汚染物 の清浄化、マスク等のゲル形成を伴う用途 用いる場合は、乾燥することにより固形分 度が上昇し保水性ゲルを形成させることが ましい。
 また本発明のPAMは、分子中に陰性基および 性基を有する両性荷電重合体であることが ましい。清浄化剤を噴霧した場合、ミスト ら水と溶剤が蒸発することにより、陰性基 陽性基とが接近し分子内で造塩架橋し、水 溶性で水膨潤性ゲルとなり、清浄化剤中の 菌・殺菌剤を包摂しマイクロカプセル化す ので、除菌・殺菌性及び消臭性を得ること できるとともに、長い持続性を確保するこ ができる。

 陰性基としては、例えばカルボキシル基 スルホン酸基、スルホアルキル基、リン酸 、ホスホン酸基、およびこれらのアルカリ 等が挙げられる。また陽性基としては、例 ば第4級アンモニウム塩、ジアルキルアミノ アルキル、アミノメチルアクリルアミド、ビ ニルイミダゾリン等が挙げられる。これらの 陰性基と陽性基の合計が例えば30モル%~70%モ で、陰性基と陽性基との比率が等モルのも に汎用性があるため好ましい。本発明に使 するPAMは、分子中にその他非イオン性のア ド基、イミド等の官能基を有する。

 かかるPAMは、前記官能基及びエチレン性不 和結合を有する単量体を水中でラジカル重 することにより、得ることができる。
<陰性基を有する単量体の例>
1)カルボキシル基を有する単量体:アクリル酸 、メタクリル酸、クロトン酸、2-(メタ)アク ロイルオキシエチルコハク酸、2-(メタ)アク ロイルオキシヒドロフタル酸、マレイン酸 フマル酸あるいはこれらのモノアルキルエ テル
2)スルホン酸基、スルホアルキル基、リン酸 あるいはホスホン酸基を有する単量体:ビニ ルスルホン酸、モノ[2-(メタ)アクリロイルオ シエチル]アシドホスフェート、スルホエチ ル(メタ)アクリレート、スルホプロピルメタ リレート、2-(メタ)アクリルアミドー2-メチ スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニル ルホン酸

<陽性基を有する単量体の例>
3)ジアルキルアミノアルキル、アミノメチル クリルアミド、ビニルイミダゾリンを有す 単量体:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ ート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ レート、ジアリルジメチルアミン、ジアリル ジエチルアミン、ビニルベンジルメチルアミ ン
4)第4級アンモニウム塩構造を有する単量体: 記3)の陽性基を有する単量体に無機酸や有機 酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、コハク酸、 マロン酸、DLリンゴ酸、アスコルビン酸、ほ 化グルコン酸、ガラクトグルコン酸、グル ン酸、クエン酸、イソきっそう酸、乳酸、 ン酸化乳酸、レブリン酸、プロピオン酸、 の他の酸を一種以上を作用させて第四級ア モニウム塩構造を有する単量体としたもの 、例えば2-(メタ)アクリロイルオキシエチル トリメチルアンモニウムクロライド、2-ヒド キシー3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリ メチルアンモニウムクロライド、ジアリルジ メチルアンモニウムクロライド、ビニルベン ジルトリメチルアンモニウムクロライド、あ るいはこれらのサルファイド類

 また油性の汚染物質を吸着させるため、PAM 子中に特定の疎水性基を重量で2~10%導入す ことが好ましい。かかる疎水性基としては 炭素数が4~18のアルキル基、アラルキル基、 ロロアルキル基、及びジアルキルシリル基 及び炭素数4~16のシロキサン基等が挙げられ る。これらの官能基を1種以上用いるもので る。これらの疎水性基は2~10重量%含まれるこ とが好ましい。疎水性基の量がこの範囲にあ れば前記の効果を発揮することができる。
 かかる疎水性基を導入する方法としては、 えば1)エステル基中に炭素数が4~18の疎水性 アルキル基等を有する(メタ)アクリル酸エ テルを単量体として共重合する方法、2)ポリ (メタ)アクリルアミドのアミド基とアルデヒ とを反応させ、ヒドロキシメチル誘導体を 成させた後、アミン及び/又はアルコールと の反応(マンニッヒ反応)によるアルキル基の 入、あるいはポリ(メタ)アクリルアミドの ミドアミノ基にジアセトン基を導入した共 合体のケトン基とを反応させる方法、3)分子 中のカルボキシル基を前記1)の共重合等の方 あるいはアミド基を加水分解することによ 導入した後、このカルボキシル基をエステ 化したり、アミド化する方法等が挙げられ 。これらの方法に用いられる疎水性基を有 る単量体は分子中にアルコール、アミン、 重結合等の官能基を1~3個有するものが選ば る。

 本発明に使用するPAM水溶液あるいは水分散 は、水溶性アクリル系共重合体を含むこと 好ましい。かかる水溶性アクリル系共重合 は、カルボキシル基、スルホン酸基等の陰 基を有する共重合性単量体とその他の共重 性単量体をアンモニア、アミン、アルカノ ルアミン、水酸化ナトリウム等で中和し水 化したものである。カルボキシル基を有す 共重合性単量体、スルホン酸基を有する単 体としては、前記の陰性基を有する単量体 挙げられる。またその他の共重合性単量体 しては、1,2-ブタジエン、1,3-ブタジエン、 ソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジ ン類、スチレン、α-メチルスチレン、ビニ トルエン、クロルスチレン等のエチレン性 飽和芳香族単量体、アクリロニトリル、メ クリロニトリル等のエチレン性不飽和ニト ル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等 ビニルエステル類、塩化ビニリデン、臭化 ニリデン等のハロゲン化ビニリデン類、(メ )アクリル酸エステル等が挙げられる。
 本発明に使用する水溶性アクリル系共重合 は、これらのうち、(メタ)アクリル酸-(メタ )アクリル酸エステル共重合体のアンモニウ 塩であることが好ましい。(メタ)アクリル酸 エステル類としては、例えば、(メタ)アクリ 酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ) アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチ 、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル 酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ 等が挙げられる。
 またこの水溶性アクリル系共重合体の重量 均分子量は、1万以上であることが好ましい 。
 この水溶性アクリル系共重合体を含むこと より、汚染物を包含するゲル化粒子を効率 く被覆することができる。すなわち、いっ ん捕捉した汚染物を閉じ込め、再放出する とを防ぐことができる。特に本発明のポリ( メタ)アクリルアミド水溶液あるいは水分散 (A)とポリ(ポリメチレンビグアナイド)塩酸塩 (B)と化合物(C)とをダクト内で噴霧した後に、 かかる水溶性アクリル系共重合体の水溶液を 噴霧すると、効果を最大限に発揮することが でき、好ましい方法である。

 また本発明に使用するPAM水溶液あるいは水 散液は水溶性無機塩を含むことが好ましい かかる水溶性無機塩としては、例えば食塩 硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸の ルカリ金属塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリ ム、硝酸カルシウム、硝酸亜鉛等の硝酸の ルカリ金属塩、イオウ酸化物の塩、塩化カ シウム等が挙げられる。
 イオン性高分子であるPAMは、隣接するイオ 間の相互作用を最小限にするように配座を 制するが、イオンの解離は周囲のイオン濃 に依存し、イオン濃度が高いほど高分子化 物中のイオン基の解離度は抑えられ、イオ 対として存在する。したがって、隣接する オン間の相互作用が減少し、分子内でのゲ 様集合体を形成しやすくなるため、水溶液 のイオン濃度を効率的に高めることができ 。

 前記のとおり、本発明に使用するPAMは、両 荷電のPAMであることが好ましいが、さらに ル形成能を高めるため、このPAMに前記ゲル 剤が併用することが好ましい。
 かかるゲル化剤としては、例えば水溶性の ルカリ金属の塩、硝酸マグネシウム等の水 性の2価のアルカリ土類金属塩、アルミニウ ム化合物、炭素数が2~18の2塩基性カルボン酸 びこれらのアンモニウム塩及びこれらのア ン塩及びこれらのアミノアルコール塩、こ く酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ 、ドデカンジヒドラジド等の水溶性高分子 合物のジヒドラジド、グルタールアルデヒ 、グリオキザール等が挙げられる。また前 ポリ(メタ)アクリルアミド水溶液と逆荷電 有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる 。これらのゲル化剤の1種以上をPAMの固形分 対して1~100重量%を水溶液状で添加するのが ましいが、20~80重量%の範囲で添加するのが 最も好ましい。
 またゲル化剤は、PAM水溶液又は水分散液中 含ませてもよいが、例えばPAM水溶液又は水 散液を噴霧した後にゲル化剤を噴霧するよ に、PAM水溶液又は水分散液と分離して用い こともできる。

次にPAM水溶液あるいは水分散液の具体例(イ)~ (ト)を示す。
(イ)(メタ)アクリルアミドと分子中にカルボ シル基及び/又はスルホン基、ならびにエチ ン性不飽和結合を有する化合物との共重合 及びゲル化剤を含む陰性荷電水溶液あるい 水分散液。
(ロ)(メタ)アクリルアミドを必須成分とする リ(メタ)アクリルアミド重合体又は共重合体 中のアミド基を水中で加水分解し、これにゲ ル化剤を加えた陰性荷電水溶液あるいは水分 散液。
(ハ)前記(イ)及び/又は(ロ)のポリ(メタ)アクリ ルアミド重合体又は共重合体中のアミド基の 10~90モル%をメチロ-ル化し、更にメチロ-ル化 と当量以上の炭素数1~4のアルキル基、炭素 1~4のアルコ-ル基、シクロペンチル基、シク ロヘキシル基の1~3置換アミン類;N-ビニ-ル-2- ロリドン、2-ピペコリン、3-ピペコリン、4- ペコリン、ホモピペラジン、N-メチルピペラ ジン、2-メチルピペラジン、ピペリジン、ピ ジン、モルホリン及びその1~3アルキル基置 体の1種以上を反応させて陽性基を導入した ポリ(メタ)アクリルアミドの両性荷電水溶液 るいは水分散液、又はこれにゲル化剤を1種 以上加えた両性荷電水溶液あるいは水分散液 。

(ニ)(メタ)アクリルアミドと分子中にカルボ シル基及び/若しくはスルホン基、ならびに チレン性不飽和結合を有する単量体と分子 にカチオン基及びエチレン性不飽和結合を する単量体とに、不活性気体を吹き込み酸 を含まない気流中で、過酸化物の存在下に 重合して得た両性荷電の三元共重合体の水 液あるいは水分散液、又はこれにゲル化剤 1種以上加えた両性荷電水溶液あるいは水分 散液。
(ホ)(メタ)アクリルアミドと分子中にカチオ 基とエチレン性不飽和基とを有する単量体 を反応させて陽性基を導入したポリ(メタ)ア クリルアミドの陽性荷電水溶液あるいは水分 散液にゲル化剤を1種以上加えた水溶液ある は水分散液。
(ヘ)(メタ)アクリルアミドを必須成分とする 荷電の重合体又は共重合体に陽性基を導入 た陽性荷電の重合体及び/又は共重合体の水 液あるいは水分散液にゲル化剤を1種以上加 えた水溶液あるいは水分散液。

(ト)カルボキシル基を有する単量体50モル% 下とその他の重合性単量体とに、不活性ガ を吹き込み、過酸化物を含む水、アンモニ 水、エチルアルコ-ル中で溶液重合した後、 減圧下に未反応単量体とエチルアルコ-ルと 水蒸気蒸留で除き、更にアンモニア水を加 た水溶性の重合物を固形分換算で、(イ)~(ホ) それぞれの固形分濃算で50重量%以下混合した 水溶液あるいは水分散液、又はこれにゲル化 剤を1種以上加えた水溶液あるいは水分散液

 本発明の清浄化剤は、除菌・殺菌成分とし 、式(1)で示されるポリ(ポリメチレンビグア ナイド)塩酸塩(以下PHMBという)(B)を含むもの ある。
[-(CH 2 ) m -NH-C(NH)-NH-C(NH)-NH-(CH 2 ) n -] p HCl   (1)
(式中、m、nが2~5の整数であり、pは5~16の整数 ある。)
 本発明のPHMB(B)は、かぎ括弧で表される繰り 返し単位を5~16個有するものであるが、8個~13 有することが好ましく、12個有することが り好ましい。
 また式(1)中のm及びnが3であるポリヘキサメ レングアナミド塩酸塩であることが好まし 。
 前記繰返し単位の数が前記範囲であれば、 範囲の微生物に対し強い効力があり、不揮 性であり、低毒性であり、熱安定性に優れ 。
 式(1)で表されるPHMB(B)の具体例としては、ア ーチケミカルジャパン(株)の「Proxel lB」等が 挙げられる。
 本発明に使用する前記PHMB(B)は、清浄化剤中 0.0001~1重量%含まれるものであり、0.0001~0.1重 %であることが好ましい。
 またその他の除菌剤、殺菌剤、防カビ剤あ いは静菌剤として、本発明のPHMB(B)以外の化 合物を用いることもできる。

 本発明の清浄化剤は、溶剤としてプロピレ グリコール、ジプロピレングリコール、ト プロピレングリコール、ジエチレングリコ ル、トリエチレングリコール、テトラエチ ングリコール、エチレングリコール及びプ ピレングリコールと炭素数が1~3のアルコー とのエーテル及びこれらの炭素数が1~3の脂 酸とのエステル、グリシン及びタウリンか なる群から選ばれる少なくとも1種以上の化 合物(C)を含むものである。
これらのうち、前記PHMB(B)の溶解性に優れ、 菌、消臭性を効果的に発揮することができ 点で、プロピレングリコール、ジプロピレ グリコール、トリプロピレングリコール又 グリシンであることが好ましく、ジプロピ ングリコール、トリプロピレングリコール グリシンが最も好ましい。

 以上をまとめると、本発明の清浄化剤は、 限粘度法で求めた平均分子量が1.5×10 7  以上、さらに好ましくは、2.0×10 7  前後であって両性荷電性のPAMの水溶液であ て、使用時は完全な水溶性を保つが、悪臭 放つ物質等に浸透して濃度を上昇させるこ ができるPAM水溶液からなるものであり、濃 を上昇させることにより速やかに強固な保 性ゲルを形成させて悪臭を封じ込める点に 徴を有する。

 本発明の清浄化剤は、物体表面に吸着した 染物を除去するために使用することもでき 。この場合、脂肪酸塩及び/又はその誘導体 を含むことが好ましい。
 かかる脂肪酸塩及び/又はその誘導体は水溶 性、水分散性、乳化性、すなわち水性に調製 することが好ましく、その使用量はPAM水溶液 あるいは水分散液に対し0.1~5重量%程度である ことが好ましい。
 かかる脂肪酸塩は、炭素数が12~24で、二重 合数を有さないか1個有する不乾性で、低臭 の脂肪酸の塩類が好ましく、特に炭素数が1 6~18の脂肪酸塩であることが好ましい。炭素 が16~18の脂肪酸としては、例えばパルミチン 酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレ イン酸等が挙げられる。これらの脂肪酸の塩 としては、アミン塩、ナトリウム塩及びカリ ウム塩等が挙げられる。これらの塩のうち、 アミン塩が好ましい。特に具体的には、モノ イソプロパノ-ルアミン塩、ジイソプロパノ- アミン塩、トリイソプロパノ-ルアミン塩が 好ましい。アミン塩は汚染物質への浸透性に 優れている。また潤剤としては、金属塩が優 れているので、これらアミン塩とアルカリ金 属塩との併用が最も好ましい。アミン塩、金 属塩の具体例としては、アミン石鹸、金属石 鹸等が挙げられる。
 また、高分子の配座が規制されることが知 れていることから、さらに界面活性剤を含 ことが好ましい。

 本発明の清浄化剤は、さらに相間移動触媒 含むことが好ましい。この相間移動触媒は 二相間を移動して反応を促進することがで る任意の触媒をいい、例えば第四級アンモ ウム塩、第四級ホスホニウム塩、グリコー エーテル、クラウンエーテル等が挙げられ 。これらのうち、第四級アンモニウム塩、 リコールエーテル、クラウンエーテルが好 しい。これらの相間移動触媒を用いること より不均一電子の配位レベルを向上させ、 臭、汚染物を取り込み、汚染空気や汚染物 を清浄化することができる。
 また本発明の清浄化剤は、アルコールアミ を含むことが好ましい。かかるアルコール ミンとしては、例えばエタノールアミン、 ソプロパノールアミン、ブタノールアミン (ジエチルアミノ)エタノール、N,N-ジメチル タノールアミン、N-(2-アミノエチル)エタノ ルアミン、N-メチルジエタノールアミン、N, N-ジブチルエタノールアミン、N-メチルエタ ールアミン、3-アミノクロトン酸メチル、3- ミノー1-プロパノール等が挙げられる。こ らの化合物は、濡れ性が高く、PAMが付着し い面にも付着し、かつイオン対を有しかつ 透力が高いため、汚染界面に浸透してゆき イオン対で汚染物、悪臭を挟み込み清浄化 るものである。

 本発明の清浄化剤は、さらに気体中の汚染 を吸着するためには、磁性物質を含むもの あることが好ましい。
 かかる磁性物質としては、微粉末状の鉄、 バルト、ニッケル、マグネタイト又はこれ の金属を界面活性剤で分散させた磁性流体 が挙げられ、これらが好ましい。

 次に、前記清浄化剤を用いて、汚染気体、 染物体、汚染液等を洗浄する方法について 明する。
<汚染気体を清浄化する方法>
 この方法は、前記清浄化剤を、汚染物を含 気体に噴霧し、汚染物を捕捉し、前記汚染 を沈降させることにより、汚染気体を洗浄 るものである。
前記汚染物を含む気体中の汚染物としては、 例えば悪臭、有害ガス、芳香、微粉塵状ダス ト、フューム、ミスト、タール、有害微生物 、胞子、ウイルス等が挙げられる。
 次に上記の清浄化剤を用いた汚染気体の清 化方法について詳しく説明する。
汚染気体には、悪臭、有害ガス、芳香、微粉 塵状ダスト、フューム、ミスト、タール、有 害微生物、胞子、ウイルス等及び/又はこれ が混合した分子状又はエアロゾル状汚染物 浮遊する
 以下具体的な方法について説明する。
1)閉鎖又は半閉鎖空間に汚染気体を取り込み その上部から、清浄化剤を噴霧器で微粒子 に噴霧し、浮遊汚染物をその包摂作用によ まとめて捕捉・粗大化し、底面に沈降させ 、風による再浮遊性が著しく低下した非粘 性の沈降物を電気掃除機による吸引、箒、 巾等で除去する。

2)浮遊汚染物が存在する気体を、送風機を連 した排気ダクトに連結して流速を低下でき 容量の槽又は噴霧型スクラバー内で本発明 清浄化剤を噴霧し、汚染物を捕捉し・粗大 し、底部に沈降し凝結した廃液を装置外に 出するか、これと同時に又は別にスクラバ 内で洗浄液として本発明の清浄剤を使用し 汚染物を補足し底部に沈降し凝結した廃液 装置外に排出する。この場合、清浄化効率 ら本発明の清浄化剤を噴霧してから清浄化 を洗浄液としてスクラバー洗浄することが ましい。
 清浄化剤を噴霧するには、超音波振動式噴 機により連続的又は間欠的に噴霧する。ダ ト内で清浄化する場合、外部に排気するま に、ダクト内の気流の流れと並行又は逆行 る方向に、本発明の清浄化剤を噴霧する。 た浮遊汚染物が存在する気体を、垂直方向 は水平方向より下方向に傾斜するように設 した延長した場合、排気ダクトか煙突内に 本発明の清浄化剤を噴霧する。
 また本発明の清浄化剤を噴霧した後、前記 ル化剤を噴霧し凝固又は液滴化した液を除 することが好ましい。またその後さらに汚 気体を磁場発生装置に接触させて汚染物を 固又は液滴化し除去することがより好まし 。

3)浮遊汚染物が存在する高さ2.5m以上の建造物 内に、本発明の清浄化剤を、超音波振動式噴 霧機により微細なミスト状に噴霧し、ミスト の発生面の上部に設置した水平回転式プロペ ラを回転させて上昇気流を発生させ、噴霧器 のミストの上昇可能限界以上の高さにミスト を上昇させて空間内に拡散させた後、プロペ ラを停止して噴霧ミストを室内に拡散・落下 させ、浮遊していた汚染物を捕捉し、落下中 にミストを粗大化させ、プロペラの回転をミ ストの落下に要する時間後に再開する間欠回 転を行うことが好ましい。この操作により、 汚染物をミスト内に閉じ込めることができる 。
 また汚染気体を清浄化する1)2)3)の場合、汚 気体の相対湿度を75%以下にして実施するこ が好ましい。この状態を保持することによ 、汚染物の捕捉率を高くすることができる
 浮遊汚染物が存在する気体を、本発明の清 化剤を含浸した吸湿性の紙粒及び/又は吸液 性のセラミックを充填した層と本発明の清浄 化剤を入れた層とを有する洗浄装置に導入し 汚染物を除去することもできる。

<汚染物体を清浄化する方法>
 この方法は、汚染物が付着した物体を清浄 するものである。
 疎水性の気体とエアロゾルの混合汚染物、 に油脂・油煙、グリース類が付着・粘着、 着、酸化し硬化や焦げ付いた疎水性汚染物 、すす、砂塵、金属粉、微生物、昆虫やダ 及びこれらの死骸等が付着混合し、悪臭、 ましくない香り、有害エアロゾルを発散し 美観が低下した汚染物体の表面を清浄化剤 用いて、清浄化する。
 汚染物体を清浄化する具体的な方法として 、1)清浄化剤を含ませた清拭材で汚染物体 摩擦して汚染物を除く方法、2)物体表面に清 浄化剤を微細なミスト状に噴霧し乾燥する方 法、3)物体表面を清浄化剤を加圧噴射するか この後さらに水洗する方法、4)前記3)の水洗 後さらに乾燥する方法、5)繊維製品を洗剤と 浄化剤に浸漬し、機械的作用を加え、水洗 脱水し、アイロンがけ又は乾燥する方法、 維製品を清浄化剤を含む清拭剤で清拭する 法等がある。

<汚染液を清浄化する方法>
 この方法は、汚染液に本発明の清浄化剤を 加することにより、汚染液中の汚染物質を 捉し、除去することにより、汚染液を清浄 するものである。
<簡易マスクを用いた呼気の清浄化方法等&g t;
 この方法は、菌類及びウイルスの感染防止 の簡易マスクに用いることができる。具体 には、綿、レーヨン、ビニロン等からなる 布又は不織布に本発明の清浄化剤を含浸・ 燥させたものを除塵布として用いて着用者 呼気中の水蒸気により湿潤して表面に水不 性・非粘着性のゲル層を形成することによ 、着用者が呼気中の分子状・エアロゾル状 染物を吸入することを遮断するものである
<その他の清浄化方法>
 また食品工場において、液状の飲食物の充 ラインの稼動が終了した後、本発明の清浄 剤を含む熱湯水又は冷水により前記パイプ びタンク内を定置洗浄し、前記充填ライン の配管パイプ及び充填タンク内の飲食物の 留成分を除去した後、さらに1回以上熱湯水 又は冷水による洗浄・殺菌を行うことを特徴 とする配管パイプ及び充填タンクパイの清浄 化法も挙げられる。定置洗浄とは、生産設備 を分解せずに、簡単な操作で安全に自動洗浄 するシステムである。前記の方法により、最 小の設備投資・エネルギーで臭気や味覚の強 い多品種の清涼飲料を継続して生産すること が可能となる。

 以下本発明をさらに実施例をもって具体的 説明する。実施例中の%は特に断りのない限 り、重量%を表すものとする。
<煙突から排出するアスファルト黒煙の清 化>
 本発明の清浄化剤及び清浄化法は、種々の 業所や施設が汚染空気を排出するダクト内 煙突内、臭突内、これらの間に設置した噴 室内の気流に本発明の清浄化剤を噴霧して 子状からエアロゾル状の空気汚染物を排気 でに下部に沈降させて分離して廃液処理を い、清浄化し気流は大気中に排出するもの 、各種生産工場、加工工場あるいは、病院 介護施設、公共施設、高層建造物等の排気 も応用できる。

(参考例1)
 あるアスファルトのリサイクル工場では、1 0年以上前に道路舗装に使用し経年劣化した スファルトを剥離して加熱し、新しいアス ァルトをほぼ等量を加熱しながら混合する 置を有し、軟化した状態で、道路舗装現場 出荷する。この工場は操業時に、該装置か 発生する強い悪臭のある黒煙の消臭と消煙 目的とする高さ2.5mの地表に設置された横型 水噴霧型スクラバ-を用いて、洗浄後高さ約 25mの煙突から大気中に排出していたが、全く 効果がなく、工場周辺の平地や山林周辺数十 mを黒いタ-ル状物か沈降汚染し、地域住民の 情が絶えなかった。

(実施例1)
 参考例1の工場の高さ25mの煙突の下から約3m の直径が約30cmのマンホ-ルから、アクリル 20モル%とアクリルアミド80モル%の平均分子 が1.9×10 7 の共重合物1kg中にジメチルアミノメチルアク リルアミド基を20モル%導入した組成の両性高 分子化合物を0.0006%、式(1)においてm=3、n=3、p= 12であるポリ(ヘキサメチレンビグアナイド) 酸塩を0.001%、グリシンを0.001%、ジイソプロ ノ-ルアミンを0.001%と含む水溶液からなる清 化剤を作成した。この清浄化剤を噴霧液と て、ノズルの先端から30cmの距離での平均粒 径が15μmである噴霧角が15度の2流体噴霧機で 2分間、120ml/分の割合で気流と並流に煙突の ほぼ中心にノズルを挿入して噴霧した。黒煙 は噴霧中は直ちに消え、黒煙は下部に落下す るか、煙突の内壁に付着したものと推定され た。この結果により横型の水噴霧型スクラバ -を縦型とし、底部に沈降するタ-ル分をスク バ-から容易に取り出し加熱軟化処理装置に 投入できるように改造し、上記の噴霧液を使 用すると、底部に沈降するタ-ル分をスクラ -から容易に取り出すことに成功した。

<自動車や家電製品の塗装工場の有機揮発 物質と塗料ミストを含む排気の清浄化>
 小規模の自動車の補修工場から自動車製造 場や家電製品の塗装工場の小規模塗装ブ-ス からの排気は、被塗装面に付着しなかった塗 料ミストから分離しつつ濃度を増す有機揮発 性物質(VOC)によって汚染している。これを本 明の水性で低濃度の清浄化剤の噴霧によっ 高度に清浄化する。
(参考例2)
 油性塗料の噴霧塗装の場合、被塗装面に付 する塗料分が通常30~80%であるため、塗装ブ- スからの排気は、通常凝集剤類を含む水性洗 浄液を使用してスクラバ-で洗浄して高分子 合物の接着剤や体質顔料と水溶性有機溶剤 分離除去し、水不溶性の有機溶剤を活性炭 吸着する方法が広く行われてきた。
しかし、この方法はスクラバ-の気液接触率 完全でないため、未分離のミストによる活 炭の微細孔の閉塞による早期破過、水溶性 機溶剤の除去不十分による着火の危険性、 臭が非常に強いこと、破過した活性炭の蒸 処理による再生の困難か不可能となる等の 点が指摘されてきた。
(参考例3)
 油性塗料の噴霧塗装の場合、参考例2と同じ の目的に、種々の燃焼法が採用されてきた。 しかし、塗装ブ-スからの排気にスクラバ-洗 を行っても、塗料ミストの除去が不十分な 合が多く、VOCを含む排気を燃焼しても完全 焼が困難で、燃焼後の気流が通常強い悪臭 有するため、この消臭に活性炭で吸着する 要があり、その破過した活性炭を蒸気副込 で再生するのに新らしい活性炭を使用しな ればならない点が矛盾があり、燃焼法によ 地球環境の変動要因となる炭酸ガスの発生 が非常に大きい等の欠点が指摘されてきた

(参考例4)
 油性塗料の噴霧塗装の場合、水性薬液で噴 法で塗料ミストもVOCも高率除去できなかっ 。いわゆる植物抽出物の水溶液や香料の水 散液の噴霧も種々試みられたが効果が証明 きなかった。
 また特許文献1及び2の範囲の一部のポリ(メ )アクリルアミドを主剤とする組成物の場合 、常温で、相対湿度が60%以下では、トルエン 、スチレン等一部の水不溶性の溶剤に対して 最高清浄化率が30~40%となることがあるが、酢 酸エチル、酢酸ブチル、イソプロピルアルコ -ル等水溶性溶剤、高速や高湿度の気流中に 霧した場合には、ほとんど清浄化できなか た。
(参考例5)
 現在自動車補修用の噴霧塗料は、(メタ)ア リル酸エステル類とスチレン等との共重合 をベヒクルとするストレ-トアクリルラ-ッカ -と、これにニトロセルロ-ズ(NC)やセルロ-ズ セチルブチレ-ト(CAB)を併用したNC変性、また はCAB変性アクリルアクリルラ-ッカ-が広く国 的にも広く使用されている。これら製品自 と希釈用シンナ-には多種類、高濃度の低沸 点の希釈溶剤を含むため、被塗装面に付着し なかった塗料ミストと悪臭と共にこれらの工 場外への拡散防止が緊急の課題となってきた 。この場合、参考例2~3の方法は技術的に採用 が不可能である。
 このため、排気ダクト内への水性薬剤によ 清浄化の要望が高まっている。

(比較例1)
 世界で最も普及していると信じられる塗料 造会社のストレ-トアクリルラ-ッカ-とその 用のシンナ-は、同社の公表している含有溶 剤は、表-1下記のごとくである。

 上記(a)と(b)とをそれぞれ標準混合比の62.5:37 .5%に均一に混合し、外気から遮蔽されている 噴霧塗装ブ-ス{1.8m(幅)×2.7m(長さ)×1.8m(高さ)、 8.7m 3  (容積)}内で、吐出量が一定になるよう20℃ 塗料を保温し、噴霧機のトリガ-を固定し、1 73ml/分の割合で2流体噴霧機により実際と同様 に塗装を行ない、該ダクトは、断面が円形で 直径800mm、長さ10mのステンレス製で、噴霧ブ- スに連結しており、溶剤を含む塗料のミスト を爆発限界以下に保ち、ブ-ス内の作業者の 剤中毒を防ぐため、労働安全衛生法の規定 従い、送風ファンでブ-ス外の新鮮な空気を 速0.75m/秒(0.377m 3  /秒、22.6m 3  /分)で吸気してブ-ス内の汚染空気を希釈し 排気した。この時の該ダクト出口の排気の スクロマトグラフィ-(GC)分析で、ピ-ク面積 34,887、環境省が採用している三点比較式臭 法の臭気濃度は5,500であった。この試験中 温度は16~23℃、相対湿度は50~55%であった。

(比較例2)
 比較例1と同じ条件で塗料を噴霧し排気して いるダクトの入口で、1L中に実施例1で用いた 両性高分子化合物を固形分換算で0・0005%、N- ミノ-1-プロパノ-ルを0.01%、曇点55℃、HLBが12 .0のポリオキシエチレンラウリルエ-テル及び 防腐剤の0.005%のZn-N-オキサイド1-4チオ-ルの水 分散液を含む水性液を清浄化液として、図1 記したダクトの位置と方向に設置された、 径15~20μmのミストが得られる3個の噴霧ノズ から、約62ml/分を噴霧しながら、運転中に該 ダクトの出口で排気のサンプルを採取して、 GC分析を比較例1と同様に測定した結果、ピ- 面積が24,444(減少率は29.9%)、臭気濃度は3600( 少率:約34.5%)であった。この試験中の温度が1 9~24℃、相対湿度は48~52%であった。
(比較例3)
 比較例2と同じ試験を、試験中の温度が27~32 、相対湿度が88~93%の雨天下で行い同じ測定 結果、ピ-ク面積が32,044(減少率:8.1%)、臭気 度が3,100(減少率:13.91%)であり、高湿下での清 浄化率の低下が認められた。

(実施例2)
 実施例1で用いた両性高分子化合物のゾルを 無水物換算で0.0005%、式(1)においてm=3、n=3、p= 12であるポリ(ヘキサメチレンビグアナイド) 酸塩を純分換算で0.005%、ジプロピレングリ -ルを0.02%、2-エチルヘキサノ-ルのエチルグ コ-ル付加物を0.05%、メチルプロピレンジグ コ-ルを0.02%、ブチルジプロピレンジグリコ- を0.05%、グリセリンと2-エチルヘキシルアル コ-ルとの1.5モルエ-テル結合物を0.005%及び1モ ルの五酸化りんに、それぞれ1.5モルのエチル アルコールとオレイルアルコ-ルを付加して 3.3モルのジイソプロパノ-ルアミンで中和し 塩基性に調製したものを0.003%、防かび剤のN -オキサイド1-4チオ-ルの水分散液を純分換算 0.005%を含む水溶液からなる清浄化液を作成 た。この清浄化液を比較例2と同様に噴霧し ながら採取した排気のサンプルの同じ測定結 果は、比較例1との対比で、ピ-ク面積が6,977( 少率は94%)、臭気濃度は1030(減少率:81%)であ た。この試験中の温度が18~24℃、相対湿度は 42~38%であった。
(実施例3)
 実施例2と同様に、実施例2と同様の清浄化 に食塩を0.5%、固形分で0.001%のアクリル酸と タクリル酸との合計が28モル%とメタクリル メチル72モル%のエタノ-ル中で、分子量2.1×1 0 5  となるように溶液共重合した後、アンモニ 水で中和した水溶性物を固形分として0.001% えて清浄化液を作成した。この清浄化液を 霧した。この時の温度範囲は18~21%、相対湿 範囲は86%~89%であった。排気サンプルの同じ 測定結果は、比較例1との対比で、ピ-ク面積 6,977(減少率は80%)、臭気濃度は1,450(減少率: 73.6%)であった。

(実施例4)
 実施例2と同様に、試験中の温度が20~22℃、 対湿度は88~92%であったが、噴霧ノズルを有 るダクト内の2番目と3番目の清浄化液の噴 ノズルの後2mの位置と、排気口の後部のデミ スタ-の前部約50cmの位置にそれぞれ1個の別の 噴霧ノズルを設置し、清浄化液の噴霧直後に 硫酸ナトリウムの10%水溶液を噴霧し、ゾル状 の清浄化液をゲル化させて液滴化し、ダクト 外に速やかに排出するようにした。排気サン プルの測定結果は、比較例1との対比で、ピ- 面積が2,160(減少率:約93.8%)、臭気濃度は275( 少率:約95%)であった。
(実施例5)
 試験中の温度が、18~23℃、相対湿度が88~94% 条件下に、実施例2の水溶液を清浄化液とし 噴霧し、ダクト内の2番目と3番目の清浄化 の噴霧ノズルの後2mの位置にダクトの側面に 取り付け、噴霧ミストに垂直に粒径15μmで20ml /分の割合で、実施例3で使用した水溶性アク ル系共重合物アンモニア塩の0.001重量%水溶 をゲル化液として噴霧し、ダクト内で液滴 し沈降した液をダクト内のピット経由でダ ト外に排出した。排気サンプルの測定結果 、比較例1との対比で、ピ-ク面積が3,488(減 率:約90.0%)、臭気濃度は440(減少率:約92%)であ た。

(実施例6)
 両端を閉じ空気を吹き込んで満たすと、長 3mで直径30cmの円筒形となるポリエチレン袋 内面の長さ方向に、幅20cm長さ2mの濾紙を、 面粘着フィルムで貼付し、その上にU字形の 磁石10個をほぼ等間隔に同じ粘着フィルムで 付した。該袋の左端に、汚染空気入気用に 径15mmのゴム管と清浄化液の噴霧用に平均粒 径16μmのミストが発生する2流体噴霧機のノズ ルとを挿入し、ひもで縛って固定した。右端 の中央部には、排気用の同じゴム管を挿入固 定した。試験中の袋内の条件は温度が18~23℃ 相対湿度は88~90%であった。この袋内に実施 3の汚染空気を入気口から排気口に25L/分の 合で通過させ、実施例1の処方に、平均粒径3 00nmのマグネタイトを30g、アルキルベンゼン ルホン酸ナトリウムを5gと水65gとを混練した 磁性流体を実施例3の清浄化液に0.0003重量%を 加分散させ、清浄化液とした。この清浄化 を10ml/分の割合で3分間噴霧した。出口のゴ 管に取り付けたY字バルブから採取した排気 サンプルの臭気濃度は、900(減少率:81%)であり 、袋中のU字磁石の両極へのかなりの付着が められ、磁力線に沿って落下した噴霧ミス の配列が認められた。

<タンパク質腐敗臭の消臭と有害微生物の 塵沈降除去>
(参考例6)
 賞味期限切れの弁当(以下原料と記す。)を め、微生物により嫌気性発酵し堆肥化して るある工場の排気は、GC法による化学分析で は、成分組成を正確に把握できない程多数の 低臭気閾値の悪臭物質からなっていると推定 されたが、GC法では、低級及び中鎖脂肪酸、 級及び中鎖脂肪族アルデヒド、メルカプタ 類を含み、その組成も原料の種類の変更と 入後の経過時間によってかなり変化してい 。またその作業場内では、原料や製品の切 返し工程で、微生物やその胞子、製品の浮 粉塵が悪臭と共に著しく飛散するため、作 者がこの菌類の吸入による感染症の発生の 能性が大きく、さらにその消臭・粉塵対策 して、毒性が懸念される木酢水溶液を噴霧 ていたが、その吸入が明らかに有害で、作 者の労働安全対策と、近隣住民への汚染空 の拡散防止の観点から本格的な対策が求め れていた。
(比較例4)
 実施例1に記載の両性高分子化合物のゾルを 無水物換算で0.0006%、0.005%のZn-N-オキサイド1-4 チオ-ル(防カビ剤)の水分散液を、無水物換算 で0.005%、重炭酸カリウムと炭酸ナトリウムを それぞれ0.1%含む水溶液を、比較例5の木酢液 代わりに、切り返し機の支柱の高さ3mの位 に下向きに取り付けたミスト径が20μm 2 流体噴霧機により噴霧すると、噴霧後の空間 の透明感が増すことから粉塵沈降効果が認め られたが、木酢液を使用しないため臭気はか なり低減するが、嗅覚的に消臭は不完全で、 噴霧直後の原料より1.5m上の空間のガス検知 分析でも低級脂肪酸の酢酸換算濃度で0.0015 量%(15ppm)、低級アルデヒドのアセトアルデヒ ド換算値で0.0015容量%(15ppm)が検出された。

(実施例7)
 実施例1の両性高分子化合物のゾルを無水物 換算で0.0005%、ジプロピレングリコ-ルを0.06%, (1)においてm=3、n=3、p=12であるポリ(ヘキサ チレンビグアナイド)塩酸塩を純分換算で、0 .006%、ジイソプロパノ-ルアミンを0.5%を含む 溶液を比較例6と同様に噴霧したところ、粉 沈降効果がより優れ、酢酸換算の低級脂肪 濃度は、0.0005%、アセトアルデヒド換算の低 級アルデヒドの濃度は、0.0003%であった。し し、この排気及び工場内の悪臭は依然とし 強いため、この密閉状態の工場の床から5m高 さの壁に直径30cmのアルミニウム製のフレキ ブルパイプを取り付け、送風ファンで吸引 た汚染気流の排気を、特許文献5及び6に記さ れている方式のスクラバ-に連結して、上記 清浄化液を入れ循環中の該スクラバ-を通過 せたところ、排気の低級脂肪酸濃度及び低 アルデヒド濃度は、いずれもガス検知管に る分析でいずれも0であり、簡易三点比較式 臭袋法による臭気濃度は30であった。このス ラバ-は、内容量200L、耐水処理を施した紙 充填材の積層高さは30cm、通風量は、約400L/ の試験用で可搬式の試験用であったが、依 者にこれら噴霧法とスクラバ-洗浄法の併用 よる小規模試験の好結果に基づき、これら 法の規模を大型化した方式の実行を提案し 。

(参考例7)
 電線、タイヤ、その他の用途の主原料の天 ゴムは、ラテックス凝固剤として加えられ 酢酸、3%前後の蛋白質を含むため腐敗し易 、参考例6に類似した多成分の非常に強い悪 が発生した。またこの素練工程では、この 臭の他に腐敗菌類と胞子類及び添加さる助 類、特にカ-ボンブラックの他、ペンタエリ スルト-ルエステル、ワックス、炭酸カルシ ム等の混合製剤を120℃以上の密閉式混練機 よる工程、あるいは微粉末状の2-ベンズアミ ドチオフェノ-ル等の添加剤を加え、65℃以上 でオ-プンロ-ルで行う素練工程で添加される 、これら微粉末状の流動性向上剤と加熱・ 合工程に起因する粉塵、タ-ル状のエアロゾ ル型の高濃度の汚染物が発生するため、これ らが混合した工場の排気は非常に汚染度が高 い。あるタイヤ工場の清浄化のため、いわゆ るフィトンチッドやポリフェノ-ル型植物抽 物の製剤の水溶液をダクト内に噴霧しても 賦香効果以外の清浄化効果は認められなか た。
(比較例5)
 あるゴム素練工場の直径約80cm、排気量約800 m 3  /分、それぞれ平均粒径16μmのミストが発生 、噴霧角度30度、噴霧方向が気流と並流の2 体噴霧機が約5m間隔で3基設置されおり、そ ぞれ噴霧液量が40ml/分である排気と気流の 浄化処理兼用の排気ダクト内に、実施例1で いた両性高分子化合物を純分換算で0.0006%、 ジイソプロパノ-ルアミンを0.0001%、メチルプ ピレンジグリコ-ルを0.002%、0.005%のZn-ピリチ オン(防カビ剤)を無水物換算で0.005%含む水分 液を噴霧し、該ダクトの出口と入口での臭 の変化を調べたが、三点比較式臭袋法によ 臭気濃度の減少率は38%であり、出口の排気 、多少の臭気の低下は感知されたが、なお い悪臭が感じられた。またダクト内の液的 した廃液のドレインの液溜め部分にねばく 悪臭が強く、濃褐色のタ-ル状の液体の相当 量の滞留が認められた。

(実施例8)
 比較例5と同じ工場の同じ装置で、同一運転 条件により、比較例7の噴霧用の水分散液に 更に、ジプロピレングリコ-ルを0.01g,及び、 (1)においてm=3、n=3、p=12であるポリ(ヘキサ チレンビグアナイド)塩酸塩を0.04%加えた水 散液を噴霧したところ、排気ダクト出口で 悪臭が嗅覚的に著しく低下し、ダクト出口 の臭気濃度減少率は95%であった。
(比較例6)
 新築住宅、ホテル客室、事務所、病室、介 室、空調機内部、航空機内、艦船内、列車 等の閉鎖状あるいは半閉鎖状室内の表面か 発生する空気汚染物は、油性塗料、香水、 ルムアルデヒド、殺虫剤等の有害ガスやVOC 、煙草臭や体臭、有害菌、だに、ウイルス 介護臭等が挙げられるが、これらを一括し 完全に消臭、解毒、殺菌、消毒できる技術 なかったが、特許文献a:特許第2,134,708号の 法である、例えば、分子量1.0×10 7  で分子中にカルボキシル基とジメチルアミ メチル(メタ)アクリルアミド基を、それぞ 20モル%が結合した構造の両性高分子化合物 0.0005%、2-アミノメチル1-プロパノ-ルを0.001% びZn-ピリチオンの水分散液を純分換算で0.03% 含む水溶液を上記の汚染物が吸着した表面に 微粒子状で噴霧すると、塩化ビニ-ルクロス 壁紙やポリエステル繊維の内装剤やカ-ペッ など疎水製表面には付着せず乾燥後脱落す ため全く効果がなく、綿やウ-ルの毛布など 親水製寝具などに浸透した悪臭や一部の体臭 は完全に消臭できたが、葉巻臭、香水、VOC類 、かび臭、殺虫剤等に対する消臭効果も得ら れなかった。

(実施例9)
 実施例1の清浄化液に、更にジプロピレング リコ-ルを0.06%、0.006%、Zn-ピリチオンの水分散 液を純分換算で0.03%、重量平均分子量2.0×10 5  で(メタ)アクリル酸を27モル%とアクリル酸 チル、アクリル酸エチルを合計で73モル%を チルアルコ-ル中で溶液共重合した後、エチ アルコ-ルを減圧除去してアンモニアで中和 した水溶液を固形分換算で0.001%とを加えた水 溶液を、それぞれ汚染物が表面に吸着した、 全表積が約33m 2 のホテル客室を、粒径12μmのミストが12.5ml(噴 霧液)/分の割合で発生する可動式噴霧器で2分 間/室の割合で噴霧後約5時間常温で換気して 全に乾燥させた。乾燥した噴霧ミストのゲ は脱落せず、比較例8等従来法で消臭できな かったワキガ臭も含む体臭、香水臭、葉巻臭 、線香臭、かび臭などをほぼ完全に消臭し、 しかも、客室の使用条件にもよるが、消臭効 果及び防かび効果が6ヶ月から1年以上持続す ことが、家屋の洗浄業者と空調機の洗浄業 5社の施工で確認された。

(実施例10)
 ある国の新築の高層集合住宅の入居できな ほど刺激臭の強い個室内で、室内の塗装や 材から発生している化学品臭が強い室内の 気を処理前の空気サンプルとして臭袋に採 した。次に実施例7の水溶液を、ノズル先端 から30cmで粒径15μmのミストが発生する2流体 霧器で、被処理面から40~100cm離れた位置から 約2mL/m 2 の割合で室内全面に噴霧し、約24時間自然乾 後、2時間換気扇で換気してから48時間放置 、この処理前後の空気をガスロマトグラフ -法で測定して、表-2のような結果を得た。

(参考例8)
 使用開始後20年以上経過した事務所、中古 宅、旅館やホテル等の内装表面、特に敷物 厨房設備、空調設備等の、目視できる汚れ 付着吸着した物体表面、例えば、(a)自動車 排煙や微細な砂塵やドロの沈着、(b)敷物類 付着したコ-ヒや飲食物のシミ汚れ、(c)室内 通風の悪い部分や敷物類に生息・増殖して るかび菌やダニ、(d)厨房の排気フィルタ-と その周辺及び調理室全面に付着した、排煙と 硬化した油膜や調理ミスト、(e)空調機内のア ルミニウム製の熱交換機や送風ファン内に沈 着した(a)と(c)、(f)昆虫や鳥の糞等の清拭は、 ほとんどの場合、pH12以上の強アルカリに種 の界面活性剤を加えた水溶液を被洗浄物の 面に噴霧塗布した後、10kg/cm 2 以上強い水圧で洗浄するため被洗浄物を損傷 したり、スクレパ-を用いて掻き落として表 を疵つけたり、変色させる場合が多く、洗 後も強い悪臭が残留する場合が多かった。 に中華料理店、天麩羅店、焼き肉店などの 調機内に形成した悪臭の強い酸化油膜は、 在までの種々の強アルカリと界面活性剤を 合した洗剤等の洗浄でも清浄化が実質的に 果なく洗浄が不可能とされ、可使期間が1~2 と短く、電力を空費し、火災発生の危険が った。

(比較例7)
 特許文献3に記載されている、分子量1.5×10 7  のアクリルアミド90%とアクリル酸10%との共 合物を50g、メタケイ酸ナトリウムを579g、無 水硫酸ナトリウムを250g、過炭酸ナトリウム 1水塩を100g、ゼオライト日粉末を10g、パ-フ オロアルキル含有型エチレンオキサイドと ロピレンオキサイドとのコ-ポリマ-型活性剤 との等量混合物を1g、しゅう酸ナトリウムを1 0gとの洗浄物組成物を実施例7に記した施工業 者により汚染物の清拭と洗浄に使用すると、 各物体に付着しているスス、ドロ汚れ等微粉 塵型の汚れの除去効果は優れていたが、空調 機や厨房設備内に形成した酸化油膜、敷物上 のシミ、かび菌に対する持続的静菌効果は不 十分という結果を得た。
(実施例11)
 1モルのオレイン酸を、0.2モルのトリイソプ ロパノ-ルアミンと、1モルのジイソプロパノ- ルアミンとを反応して水溶性としたアミン石 鹸73g、ジプロピレングルコ-ル50g、式(1)にお てm=3、n=3、p=12であるポリ(ヘキサメチレンビ グアナイド)塩酸塩10g、分子量が2.0×10 7  で、(メタ)アクリル酸を25モル%、ジメチル ミノメチルアクリルアミド基が25モル%を有 る両性のアクリルアミドのゾルを乾燥物換 で0.04g、Zn-ピリチオンを8g、水を加えて1kgと た水溶液30倍容量の約45℃の温湯で希釈した 液を、ある巡行客船の食堂の食卓下の敷物に 付着し、悪臭を発しており、他の洗剤や洗浄 法でできなかった飲食物の汚れシミの部分に まずプラスチック製ハンドスプレ-ホンプで れの強い部分に噴霧して30分~1時間湿潤後、 を液で漏らさず洗浄できる三協アクアシス ム製の負圧式ノズルを使用した洗浄機に入 て洗浄して、ほぼ完全にシミとススなどの 粉塵の汚れを除去し、更にいずれも予備試 で確認済みの持続的消臭効果と静菌効果を 与し、食堂の空気の清涼感が改善した。

(実施例12)
 完工・入居後30年経過したある木造住宅の 所と食堂兼用の部屋のPVC製の壁紙や化粧合 製のドアの全表面が、ススを吸着し従来の 剤ではほとんど除去効果がなかった硬化し く 着色した油膜の汚れが、実施例11と同じ 溶液を雑巾に浸して清拭すると油膜と共に す、ドロ、かびの増殖部分が完工直後に近 美観が回復し、部屋全体に染み付いた悪臭 消え、洗浄剤の臭気も全く感じなかった。
(実施例13)
 ある中華料理店の設置後約2年経過し新品と の交換期がきた厨房の壁掛け式の空調機の外 面は調理ミストで汚染し、内部のアルミニウ ム製の熱交換機とプラスチック製のファンは 、表面に黒色の油膜を形成し、冷暖房機能が 著しく減少し、悪臭が厨房内と店内に強い悪 臭を排出していた。この洗浄のため空調機の 通電部分を防水性のプラスチィックフイルム で養生・遮断し、該熱交換機の吸気面と排気 面及びファン全体をプラスチィックフイルム で覆い下に洗浄液を落下させ貯溜容器を置き 、実施例11の清浄化剤の30倍希釈水溶液をミ ト径20μmの2流体噴霧器で約2分間噴霧し、該 交換機とファンの全体を湿潤させ、約30分 放置した後、同じ部分を噴射型洗浄機で同 希釈水溶液で10kg/cm 2  の水圧で5分間洗浄した。貯溜容器に落下し た廃液は濃黒色で、これに反し濃黒色の熱交 換機の表面は速やかに洗浄され新品同様に銀 白色に戻った。更に水洗203分間行った後、送 風乾燥してから、ミスト径径15μmの噴霧機で 施例1の清浄化剤を3分間噴霧して乾燥し、 臭の冷風が排出することを確認した。

(比較例8)
 購入後約10年間使用し、この間外気と頻繁 接触した2枚のポリステル繊維製のカ-テンレ -スが、砂塵、自動車の排煙、昆虫の分泌液 煙草のヤニなどが付着し、いずれも家庭用 洗濯機で水量40Lと30gの粉末洗剤による10分間 の洗濯と5分間のすすぎ後絞らずに竿に広げ 乾燥したが、白度が十分回復しなかったが そのまま乾燥した。
(実施例14)
 比較例9で洗濯したカ-テンレ-スと、洗濯前 同じ使用条件にあった2枚のカ-テンレ-ス計4 枚を実施例8の清浄化剤の30倍希釈10Lの水溶液 に10分間浸漬後、同じ洗濯機で水量40Lで10分 水洗し、同様に乾燥したところ著しい白度 向上が認められた。
(実施例15)
 あるクリ-ニング業者に依頼して、ワイシャ ツの洗濯の受託時に、襟と袖の部分及びシミ の部分に実施例11の清浄化剤の30倍希釈の水 液を、プラスチックスプレイポンプで噴霧 、1時間後から翌日に通常の洗濯を行うと、 れら部分の体脂の汚染が消え、繊維の損耗 大きい竹製のササラによる強い摩擦が不要 なり、しかも、柔軟剤を使用せずに優れた 合が得られ、ワキガ臭のにおい移りがなく 次回の洗濯が容易になり、アイロンがけや レス仕上げ工程での悪臭の発生がなくなり 同業界の共通の課題の解決ができるという 果が得られた。

(参考例9)
 汚れた衣類、特に毛織物の洋服や絹の着物 ネクタイ等の衣類は、収縮や繊維の劣化が じるためアルカリ性の水性洗浄ができなか たため、有機溶剤を使用するドライクリ-ニ ングが一般的に行われている。しかし、油性 汚れの除去効果の優れる塩素化エチレンは、 毒性が強く、地下水への浸透や大気汚染防止 関連の規制強化から、使用は限られ現在は、 芳香族系炭化水素、ナフテン系炭化水素に比 較してさらに油脂溶解力の弱いパラフィン系 炭化水素、我国では、JISの工業用ガソリン5 (米国のStoddard solvent、英国のWhite spirtに相 する)が使用され、これに油溶性界面活性剤 水溶液と水とのコソルベントしてアルコ-ル やセロソルブ等を溶解度の範囲で加えドライ クリ-ニング用ソ-プとして加えた溶液で洗浄 ているが、汚染物の除去率は極めて低く、 部の高級仕上業者を除き、現在のドライク -ニングされた衣類にスチ-ムアイロンをか ると悪臭が発生することが多く、そのまま 性の洗濯を行うと洗濯水が黒く汚れ、通風 悪い部屋に収納すると短期間で真菌が増殖 る場合が多い。

(実施例16~18)
 冬季に着用頻度が多かった下記の衣類を、 あきパタ-ンで、60%のビニロンと40%のポリエ ステル繊維との混合サ-マルボンドレ-ス、JP45 32B-056 OB-SK-P(クラレ製)を二つ折にし、その中 間にレ-ヨンとポリエステルの等量混合スパ ボンドの不織布を挟み、縫い合わせた清拭 を、実施例11の洗浄化剤の30%の30及び60倍希 水溶液中に浸漬し、絞り、下記の衣類の表 と裏面の全表面の汚れをよく拭き取りスチ- アイロで仕上げるか(A法)か、該水溶液中に 漬してかるく揉み洗い後絞り竿に吊して風 した。(B法)

 これらの処理の環境保全に寄与する利点は 蒸留による回収に困難を伴うドライクリ-ニ ング溶剤を使用しないこと、これら実施例の 処理液が極めて低濃度で、必要により酸の添 加で油脂分を回収できることである。これら 実施例による仕上衣類のシミやスス汚れが完 全に除去され、アイロンがけ時にドライクリ -ニングした時に発生する悪臭が全く感知で なかったこと、仕上衣類は、柔軟で肉厚感 ある風合いが得られ、薬品臭を発せず、真 が増殖せず、汚れと悪臭が付着吸収し難く 繰り返し同一処理が可能で、専用機械の開 で生産能率を向上することが可能視される とである。

(参考例10)
 悪臭や有害ガスが発生し、有害微生物が増 中の腐敗液やスラリ-の処理は極めて重要な 課題である。例えば、(a)多人数の健康診断の 検尿の廃液は、まず検査場に内臓や生殖器に 疾患がある者の尿が混合して不快な悪臭を発 散し、有害な病原菌やウイルスの飛沫を室内 に拡散したり、便所や下水にバケツに廃棄す る際の飛沫同伴で担当職員に感染させる危険 性がある。(b)糖分を高濃度含む清涼飲料の腐 敗液は、短期間で腐敗が進行し、アセトアル デヒドや低級脂肪酸、低級脂肪属アルデヒド 等臭気閾値の低い極めて臭気濃度の高い混合 悪臭を発生し、人畜を刺咬する蜂や蠅等を悪 臭発生源に吸引し、周辺に不快と危険を及ぼ してきた。

(実施例19及び20)
 参考例10に記した(a)~(c)の各課題は本発明の 浄化剤のように使用することによって殺菌 消毒と消毒が解決された。

(参考例11)
 空調機のエアフィルタ-は、粗大なダストは 除去できるが、粉塵、煙草の煙、細菌、ウイ ルス等有害なエアロゾル型汚染物は除去でき ず、通常のガ-ゼマスクも粉塵除去効果が不 分であった。また無塵室用の高性能粉塵除 用フィルタ-(略称HEPA)は、微粉塵は除去でき が、通風抵抗が大きく用途が限られていた

(比較例9、10及び実施例21)
 縦9cm×横13cm×6層で綿ガーゼを縫製して、ゴ ひもを両耳側にそれぞれ挿入した5.1gの大人 用ガ-ゼマスクと、縦7cm×横9.5cmの大きさに折 たたんだ3層のあてガ-ゼ2枚で2.6gの綿ガ-ゼ の防塵マスクとその内面に入れて使用する -ゼを、それぞれ5セットずつ下記の処方の清 浄化液に浸漬し、遠心分離機でそれぞれガ- 重量に対して液付着率(Pickup)を250±10%になる う脱液し、恒温送風乾燥機中で重量が一定 なるまで乾燥後常温・常湿で翌日まで放置 た。次いで無処理のマスク(A)、比較例10の 理を行ったマスク(B)及び実施例19の処理を行 ったマスク(C)を空調機の清掃業者の作業者2 に渡して、マスク(A)~(C)を毎日1種類を着用し て作業し、マスクの汚染状態から判断する粉 塵の捕捉性能、悪臭を感じる程度を記録し報 告を求め他結果下記の結果を得た。

<各試験番号の処方>
 比較例9:無処理
 比較例10:実施例1の処方で各成分中、ポリ( チレンビグアナイド)塩酸塩を含まず、それ 外の成分を5倍濃度含む水溶液
 実施例21 実施例1の各成分を5倍濃度含む水 液
<悪臭の感知結果とマスクとあてガ-ゼの汚 状態>
 比較例9:着用しない場合と同程度の強い悪 を感じた。粉塵が少し付着して汚れた。ま 作業後にマスク着用した部分でも手で触る 粉塵が付着した感触があった。
 比較例10:悪臭がかなり弱くなったと感じた 着用中マスクの鼻孔付近の粉塵の付着状況 顕著であった。
 実施例21:着用中開始し、マスクの鼻孔付近 呼吸で膨脹して吸水ゲルを形成すると、ほ んど悪臭を感じなくなった。着用中マスク 鼻孔付近の粉塵の付着状況は更に顕著で、 害気体や粉塵をほとんど吸わないと知り、 心感も生じた。
 このように鼻孔から出る高湿度の吐気中の 分により速やかに膨潤したゲル層を速やか 形成し、着用者が有害微粉塵の吸入と作業 所に存在する悪臭や有害ガスによる健康障 や不快感を防止することが確認できた。

(比較例11)
 清涼飲料、日本茶、乳酸発酵飲料、液状調 料等の生産・充填工場では、1種類の製品を 継続して長時間製造することは稀で、1種類 製品を生産・充填した後充填パイプ等を定 洗浄(CIP洗浄)した後、引き続き別の品種の生 産・充填を行うことが一般的である。この場 合前の製品が充填タンク、配管パイプ等に残 存すると、微量でもその芳香や味覚が次の製 品に移行しその商品価値が喪失する。ある工 場では下記のような工程で洗浄が行われてい た。
 工程の順番は、(1)熱水洗浄(85℃、30分)→(2) 水洗浄(85℃、30分)→(3)カセイソーダの2%水 液→(4)硝酸の2%水溶液→(5)熱水洗浄(85℃、30 )→(6)界面活性剤の1%水溶液→(7)熱水洗浄(85 、30分)であった。
 リンゴジュース(主な香気成分:2-メチルブタ ン酸メチル、3-メチルブチル、3-メチルヘキ ルなどのエステル類)、モモジュース(主な香 気成分:4-ブチルブタノリド、γ-カプロラクト ン等ラクトン類)、グレープフルーツジュー (主な香気成分:オクタナールやデカナールの アルデヒド類)等の臭気閾値の低い香気成分 含むジュースの上記工程による洗浄をおこ ったが、5人の嗅覚と味覚が敏感な専属のパ ルが一致して無臭・無味と判定するまで、 浄工程を5~10サイクル連続して行わなければ ならなかった。
(実施例22)
 比較例11の工場で、リンゴジュースを生産 た後、前記洗浄工程(6)の界面活性剤液の代 りに、実施例1で使用した両性ポリアクリル ミドのゾルを無水物換算で0.001%、ポリ(メチ レンビグアナイド)塩酸塩を無水物換算で0.003 3%、ジイソプロピレングリコールを0.009%、オ イン酸のトリイソプロパノールアミン塩を0 .009%、メチルプロピレングリコールを0.02%、2- エチルヘキシルアルコールを0.0013%、硫酸ソ ダを無水物換算で0.027%溶解した水溶液を用 て、85℃、30分間洗浄を行い、1サイクル終了 した時点で、5人のパネルに判定してもらっ ところ、完全に無臭・無味であった。この め直ちに別の品種の清涼飲料の生産が可能 なった。