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Patent Searching and Data


Title:
CLIP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/118936
Kind Code:
A1
Abstract:
A clip which can flexibly cope with a variation in the thickness of plates in which mounting holes are formed and can be stably fixed in the mounting holes without play. The clip (10) has a grommet (20) and a pin (40). The pin (40) has a head (41), a shaft (43) projecting from one side of the head (41), first latches (50) provided in a bendable manner to the outer periphery of the shaft (43) and engaging the peripheral edge of a mounting hole (3), and first locking portions (51) engaging the grommet (20) to lock the pin. The grommet (20) has a flange (21) having an insertion hole (25), a tube (29) projecting from the peripheral edge of the insertion hole (25), an opening (34) from which the first latches (50) are allowed to project, and cutout grooves (27) engaging the first locking portions (51) to retain the pin (40) in a state in which the pin (40) can be further pushed in. Between the grommet (20) and the pin (40) is provided a coiled spring (70) for urging the pin (40) in the direction opposite the direction in which the pin (40) is pushed in.

Inventors:
SHINOZAKI NOBUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068530
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
October 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PIOLAX INC (JP)
SHINOZAKI NOBUYA (JP)
International Classes:
F16B5/06; F16B19/00
Foreign References:
JPH0716014U1995-03-17
JPH10131929A1998-05-22
JPH07190029A1995-07-28
CH421619A1966-09-30
JPS5561677U1980-04-26
JPS58151708U1983-10-11
Attorney, Agent or Firm:
MATSUI, SHIGERU (JP)
Shigeru Matsui (JP)
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Claims:
 グロメットと該グロメットに挿入されるピンとを備え、取付孔に挿入固定されるクリップであって、
 前記ピンは、頭部と、該頭部の片面から突設された軸部と、該軸部外周に撓み可能に設けられ、前記取付孔周縁に係合する係止片と、前記グロメットに係合して抜け止めする係合部とを有し、
 前記グロメットは、前記ピンの軸部が挿入される挿入孔を有するフランジ部と、該フランジ部の挿入孔周縁から突設された筒部と、該筒部の周壁に形成され、前記ピンの係止片を突出させる開口部と、前記ピンの係合部に係合して、前記ピンを更に押し込み可能な状態で抜け止め保持させる保持部とを有し、
 前記ピンを、前記グロメットに対して押し込み方向とは反対方向に付勢する付勢手段が設けられていることを特徴とするクリップ。
 前記付勢手段は、前記ピンと前記グロメットとの間に介装されたコイルスプリングからなる請求項1記載のクリップ。
 前記付勢手段は、前記ピンに一体形成されている請求項1又は2記載のクリップ。
 前記付勢手段は、前記グロメットに一体形成されている請求項1又は2記載のクリップ。
 前記フランジ部の前記挿入孔内周には、前記ピンの係止片を内側に撓めつつ挿通させる切欠き溝が形成され、前記係止片を前記挿入孔に挿通させると、前記係止片の先端部が前記切欠き溝の裏面側に係合するように構成されており、前記係止片の先端部が前記係合部をなすと共に、前記切欠き溝が前記保持部をなしている請求項1~4のいずれか1つに記載のクリップ。
 前記筒部の底部には、挿通孔が形成され、前記ピンの軸部先端には、前記挿通孔に挿入されて、その突出側の周縁に係合する係合爪が形成されており、前記挿通孔が前記保持部をなすと共に、前記係合爪が前記係合部をなしている請求項1~4のいずれか1つに記載のクリップ。
Description:
クリップ

 本発明は、グロメットとピンとを備え、 付孔に挿入固定されるクリップに関する。

 例えば、車両の車体パネル等の被取付部 には、トリムボードカバー等の取付部材が 着脱可能に取付けられることがあるが、こ ように一方の部材に他方の部材を着脱可能 取付ける際には、グロメットとピンとから るクリップが用いられることがある。

 従来のこの種のクリップとして、下記特 文献1には、グロメット(雌部材)とピン(雄部 材)とからなり、前記グロメットは、鍔と、 鍔から切割部を介して分割されて延設され 撓み可能とされた弾性脚片と、弾性脚片の 端から半径方向内向きに突設された突起と 有し、前記ピンは、頭部と、この頭部から びる軸部と、該軸部の軸方向途中に形成さ 、前記弾性脚片を半径方向外向きに開脚さ る拡張部と、該拡張部の上下に弾性脚片下 の突起を収容・補足する凹部とを有する、 リップ(板重合用膨張型リベット)が開示され ている。

 そして、グロメットにピンを差し込み、弾 脚片下端の突起を、軸部の基端部側の凹部 係合させることにより、グロメットにピン 抜け止め保持される。その状態で両部材の 付孔に挿入し、グロメットに対してピンを に押し込むと、突起が拡張部により内側か 押し広げられて各弾性脚片が開き、各弾性 片が一方の部材の取付孔の裏側周縁に係合 、それと共に他方の部材に鍔が当接し、ク ップを介して両部材が連結される。

実開平4-34507号公報

 上記特許文献1に示すクリップは、グロメ ットにピンを押し込んだときの、各弾性脚片 の開き角度は、車体パネル等の部材の板厚に 応じて設定されている。

 そのため、例えば、部材が所定寸法より 薄い場合や、トリムボード等の比較的柔軟 部材がへたれ等により薄くなった場合には 弾性脚片の上端部外周(取付孔に係合する部 分)と、取付孔との間に隙間が生じて、取付 の裏側周縁に弾性脚片がしっかりと係合せ に、クリップがガタ付いてしまうことがあ た。

 一方、部材が所定寸法よりも厚い場合に 、取付孔に弾性脚片が強く当たり、弾性脚 に過度の負荷が作用することになるので、 第に弾性脚片の弾性力が低下して、取付孔 対する固定力が低下する可能性があり好ま くない。

 このように、上記特許文献1記載のクリッ プでは、取付孔が形成された部材の板厚変化 に柔軟に対応することができず、クリップを ガタ付きなく取付孔に固定することが難しい という問題があった。

 したがって、本発明の目的は、取付孔が 成された部材の板厚変化に柔軟に対応して 取付孔にガタ付くことなく安定して固定す ことができる、クリップを提供することに る。

 上記目的を達成するため、本発明の第1は、 グロメットと該グロメットに挿入されるピ
ンとを備え、取付孔に挿入固定されるクリッ プであって、前記ピンは、頭部と、該頭部の 片面から突設された軸部と、該軸部外周に撓 み可能に設けられ、前記取付孔周縁に係合す る係止片と、前記グロメットに係合して抜け 止めする係合部とを有し、前記グロメットは 、前記ピンの軸部が挿入される挿入孔を有す るフランジ部と、該フランジ部の挿入孔周縁 から突設された筒部と、該筒部の周壁に形成 され、前記ピンの係止片を突出させる開口部 と、前記ピンの係合部に係合して、前記ピン を更に押し込み可能な状態で抜け止め保持さ せる保持部とを有し、前記ピンを、前記グロ メットに対して押し込み方向とは反対方向に 付勢する付勢手段が設けられていることを特 徴とするクリップを提供するものである。

 上記発明によれば、グロメットにピンを し込んで、保持部に係合部を係合させるこ により、開口部から係止片を突出させると に、ピンが押し込み方向と反対側に付勢さ た状態で、グロメットにピンを抜け止め保 させることができる。その状態で、グロメ トの筒部及びピンの軸部を取付孔に挿入す ことにより、取付孔の裏側周縁に係止片が 合して、取付孔にクリップを固定すること できる。

 このとき、ピンは、付勢手段により押し み方向とは反対方向に付勢されているので 取付孔の裏側に向けて係止片が押し付けら るようになっている。その結果、取付孔が 成された部材が厚い場合や、へたり等によ 薄くなっても、それらの板厚変化に適宜対 し、取付孔の裏側周縁に付勢手段により押 付けられた係止片によって、クリップを取 孔にガタ付くことなく固定させることがで る。

 本発明の第2は、前記第1の発明において 前記付勢手段は、前記ピンと前記グロメッ との間に介装されたコイルスプリングから るクリップを提供するものである。

 上記発明によれば、付勢手段がコイルス リングであるので、ピンに対して強い付勢 を安定して付与させることができる。

 本発明の第3は、前記第1又は第2の発明に いて、前記付勢手段は、前記ピンに一体形 されているクリップを提供するものである

 上記発明によれば、付勢手段がピンに一 形成されているので、部品点数を減らして コンパクト化を図ることができる。また、 ロメットにピンを押し込むだけの簡単な操 で、クリップを組み付けることができ、組 付け作業性を向上させることができる。

 本発明の第4は、前記第1又は第2の発明に いて、前記付勢手段は、前記グロメットに 体形成されているクリップを提供するもの ある。

 上記発明によれば、付勢手段がグロメッ に一体形成されているので、部品点数を減 して、コンパクト化を図ることができ、ク ップの組み付け作業性を向上させることが きる。

 本発明の第5は、前記第1~4のいずれか1つ 発明において、前記フランジ部の前記挿入 内周には、前記ピンの係止片を内側に撓め つ挿通させる切欠き溝が形成され、前記係 片を前記挿入孔に挿通させると、前記係止 の先端部が前記切欠き溝の裏面側に係合す ように構成されており、前記係止片の先端 が前記係合部をなすと共に、前記切欠き溝 前記保持部をなしているクリップを提供す ものである。

 上記発明によれば、グロメットにピンを押 込むと、係止片の先端部が切欠き溝周縁に 合して、グロメットにピンが抜け止め保持 れる。また、係止片の先端部を係合部とし 保持部をグロメットのフランジ部に形成さ た切欠き溝としたので、グロメットに対し
てピンを浅く押し込むだけで、抜け止め保持 させることができる。その結果、取付孔にク リップが固定した取付状態でのクリップ全長 を短くすることができると共に、グロメット に対するピンの押し込み量を長く確保するこ とができ、取付孔が形成された部材の板厚変 化により広い範囲で対応することができる。

 本発明の第6は、前記第1~4のいずれか1つ 発明において、前記筒部の底部には、挿通 が形成され、前記ピンの軸部先端には、前 挿通孔に挿入されて、その突出側の周縁に 合する係合爪が形成されており、前記挿通 が前記保持部をなすと共に、前記係合爪が 記係合部をなしているクリップを提供する のである。

 上記発明によれば、グロメットにピンを し込むと、ピンの軸部先端の係合爪が、挿 孔の突出側の周縁に係合して、グロメット ピンが抜け止め保持される。また、筒部の 部の挿通孔に、ピンの軸部が移動可能に挿 されているので、グロメットに対するピン 押し込み量を確保することができる。また 付勢手段として、コイルスプリングを用い 場合には、コイルスプリング内にピンの軸 を挿通させることができるので、コイルス リングの傾きや位置ずれを抑制することが きる。

 本発明のクリップによれば、グロメット ピンを押し込み、保持部に係合部を係合さ ることにより、開口部から係止片を突出し 、ピンが押し込み方向と反対側に付勢され 状態で、ピンが抜け止め保持され、その状 で取付孔に挿入することにより、取付孔の 側周縁に係止片が係合して、取付孔にクリ プを固定することができる。

 このとき、ピンは、付勢手段により押し み方向とは反対方向に付勢されているので 取付孔の裏側に向けて係止片が押し付けら るようになっている。その結果、取付孔が 成された部材が厚い場合や、へたり等によ 薄くなっても、それらの板厚変化に適宜対 し、取付孔の裏側周縁に付勢手段により押 付けられた係止片によって、クリップを取 孔にガタ付くことなく固定させることがで る。

 以下、図1~8を参照して本発明のクリップ 一実施形態について説明する。

 図1に示すように、このクリップ10は、車 パネル等の被取付部材1に形成された取付孔 3に、ガタ付きなく固定されるものであって グロメット20と、このグロメット20に挿入さ るピン40と、このピン40と前記グロメット20 の間に介装され、前記ピン40を、グロメッ 20に対して押し込み方向とは反対方向に付勢 するコイルスプリング70とを備えている。こ 実施形態では、前記コイルスプリング70が 本発明における付勢手段をなしている。

 この実施形態のクリップ10は、車体パネ 等の被取付部材1に対して、ガーニッシュや リムボード、カバー等の取付部材5を脱着可 能に取付けるために用いられる。ただし、こ の態様に限定されず、パネル部材どうしを連 結させたり、一つの部材の取付孔に固定させ たりしてもよい。

 前記被取付部材1に形成された取付孔3は 形状をなし、この取付孔3に整合して、前記 付部材5には円形状の挿通孔7が形成されて る。なお、取付孔3及び挿通孔7は、実際には 被取付部材1及び取付部材5に複数設けられて るが、ここでは便宜上一箇所のみ示してい 。

 図1,3及び図5~8を参照して、前記グロメット2 0について説明すると、このグロ
メット20は、前記挿通孔7の表側周縁に係合す る略円板状のフランジ部21を有している。該 ランジ部21の表面からは、ピン40の頭部41が り込む、収容凹部23が所定深さで形成され 同収容凹部23の底部中央からは、ピン40の軸 43(後述)が挿入される、円形状の挿入孔25が 成されている。該挿入孔25の対向する周縁 には、一対の切欠き溝27,27がフランジ部21を 通して形成されている。

 この切欠き溝27の裏側周縁には、グロメ ト20に対するピン40の押し込み深さに応じて 後述する第1係止片50の第1係合部51、及び、 2係止片55の第2係合部56が係合する。図5に示 すように、第1係合部51が、切欠き溝27の裏側 縁に係合したときは、ピン40は押し込み可 な状態で、グロメット20に抜け止め保持され る。すなわち、この切欠き溝27が、本発明に ける保持部をなしている。

 前記フランジ部21の裏面側には、前記取 孔3に挿入される筒部29が突設されている。 1,3,5に示すように、この筒部29は、フランジ 21の、挿入孔25の裏側周縁から延出した筒状 の周壁31と、該周壁31の先端開口部に連結さ た底部32とを有し、略有底円筒状をなしてい る。図5に示すように、前記底部32の内側端面 に、コイルスプリング70の一端が支持される うになっている。また、底部32の外周には 先端に向かって次第に縮径したテーパ面32a 形成され、取付孔3挿入時のガイド性が高め れている。

 また、前記周壁31の対向した位置には、 記切欠き溝27,27に整合して、一対の長孔状の 開口部34,34が形成されており、ピン40の第1係 片50を出没可能となっている。長孔状の開 部34の先端側周縁は、図6,7に示すように取付 孔3にクリップ10が固定されたときに、第1係 片50の基端部近傍に位置するように形成され ている。そのため、図6,7に示す取付孔3にク ップ10が固定した状態から、ピン40が更に押 込まれると、開口部34の先端側周縁に第1係 片50が押圧されて、図8に示すように、開口 34から引き込まれるようになっている。

 次に、上記構造のグロメット20に挿入さ るピン40について、図1,2,4及び図5~8を参照し 説明する。このピン40は、略円板状をなし 前記グロメット20の収容凹部23に収容配置さ る頭部41と、該頭部41の片面から突設された 、略円柱状をなす軸部43とを有している。

 図4(A)~(C)に示すように、軸部43は、頭部41 裏面側から突設し、両側部44a,44aが平坦面を なす基部44と、この基部44先端から垂設され 、対向する両側部45a,45aが平坦面とされた中 部45と、該中間部45に連設された円板状の先 端部46とから構成されている。また、図4(A),(C )に示すように、基部44及び中間部45の、各両 部44a,45aに直交した両側面には、所定深さの 凹溝47,47がそれぞれ形成されている。

 上記の円板状の先端部46の先端面に、コ ルスプリング70の他端が支持されるようにな っている。また、同先端部46は、前記グロメ ト20の筒部29内周に適合する大きさで形成さ れ、ピン40の軸部43が、グロメット20の筒部29 でスライドするときに、軸部43の傾きが抑 されるようになっている。

 また、前記中間部45の対向する両側部45a であって、前記先端部46の基端面からは、前 記頭部41側に向かって斜め外方に錨足状をな と共に、撓み可能とされた一対の第1係止片 50,50が延設されている。各第1係止片50の先端 には、本発明における係合部をなす、段状 第1係合部51,51がそれぞれ設けられており、 の第1係合部51,51の内周側からは軸部43に対 てほぼ平行に伸びる挿入部52,52が突設されて いる。この第1係止片50の第1係合部51は、前述 したように切欠き溝27の裏側周縁に係合する 共に、取付孔3の裏側周縁に係合する部分と なっている。なお、前記挿入部52は、上記の うに、第1係合部51が切欠き溝27又は取付孔3 係合したときに、切欠き溝27又は取付孔3の 内周に挿入される部分となっている。

 更に、基部44の対向する両側部44aの先端 からは、第1係止片50,50に整合して、頭部41に 向けて斜め外方に錨足状をなした、一対の第 2係止片55,55が撓み可能に延設されている。各 第2係止片55の先端部には、段状の第2係合部56 ,56がそれぞれ設けられており、図8に示すよ に、切欠き溝27の裏側周縁に係合して、第1 止片50の引き込み状態が保持されるようにな っている。

 上記構造のグロメット20及びピン40の間に は、付勢手段であるコイルスプリング70が介 されている。これについてグロメット20に するピン40の組付け手順と併せて説明すると 、まず、グロメット20の筒部29内に、コイル プリング70を挿入し、底部32の内側端面に一 を支持させる。その状態で、第1係止片50,50 切欠き溝27,27に整合させて、挿入孔25を通し て筒部29内に軸部43を挿入し、軸部43の先端部 46の先端面にコイルスプリング70の他端を支 させる。そして、コイルスプリング70の付勢 力に抗して、グロメット20に対してピン40を し込んでいく。

 すると、切欠き溝27,27内周に、第1係止片5 0,50が押圧されて内側に撓んでいき、第1係合 51,51が切欠き溝27の裏側に抜け出ると、第1 止片50,50が弾性復帰して、第1係合部51,51が切 欠き溝27,27の裏側周縁に係合し、第1係止片50 開口部34から突出した状態で、グロメット20 にピン40が抜け止め保持される。

 このとき、コイルスプリング70は、その 端が筒部29の底部32の内側端面に支持され、 端が軸部43の先端部46の先端面に支持され、 グロメット20とピン40との間に圧縮された状 で介装されて、ピン40を、グロメット20に対 て押し込み方向とは反対方向(図5の矢印参 )に付勢した状態で、グロメット20にピン40が 組付けられている。なお、この実施形態では 、特に付勢手段としてコイルスプリング70を 用したので、ピン40に対して強い付勢力を 定して付与させることが可能となっている

 次に、上記構成からなるクリップ10の使 方法について説明する。

 すなわち、取付孔3に挿通孔7を整合させ 、被取付部材1上に取付部材5を配置し、上記 のようにコイルスプリング70を介装した状態 、グロメット20にピン40が組付けられたクリ ップ10を、取付部材5側から挿入していく(図1 照)。すると、挿通孔7を通って、各開口部34 から突出した一対の第1係止片50,50が、取付孔 3内周に押圧されて内方に撓み、切欠き溝27を 第1係合部51が通過して、第1係合部51,51が取付 孔3の裏側に至ると、第1係止片50,50が弾性復 して、第1係合部51,51が取付孔3の裏側周縁に 合する。それと共に、グロメット20のフラ ジ部21が挿通孔7の表側周縁に係合して、両 によって被取付部材1に取付部材5が挟み込ま れて、図6に示すように、被取付部材1に取付 材5を取付けることができる。

 このとき、ピン40は、付勢手段であるコ ルスプリング70によって、グロメット20に対 る押し込み方向とは、反対方向に付勢され いるので、図6の矢印に示すように、取付孔 3の裏側に向けて第1係止片50が押し付けられ ようになっている。その結果、被取付部材1 板厚が、寸法誤差等によって変化しても、 れに柔軟に対応して、クリップ10を取付孔3 ガタ付くことなく安定して固定させること できる。

 また、被取付部材1が柔軟なトリムボード 等である場合には、へたり等により所定の板 厚よりも薄くなってしまうことがある。この ような場合でも、コイルスプリング70の付勢 によって、第1係止片50の第1係合部51が、取 孔3の裏側周縁に強く係合して、クリップ10 取付孔3にガタ付くことなく固定させること ができる。

 また、図7に示すように、被取付部材1の 厚が厚い場合でも、コイルスプリング70の付 勢力により押し上げられた、ピン40の第1係止 片50の第1係合部51が、取付孔3の裏側周縁に強 く係合し、この場合も、クリップ10を取付孔3 にガタ付きなく固定できる。また、この場合 、板厚の変化により、コイルスプリング70が し縮められ、ピン40全体が更に押し込まれ 、第1係合部51の位置が移動するようになっ いるので、従来のように、第1係止片50自体 過度の負荷が作用することがなく、安定し 固定させることができる。

 また、メンテナンス等の理由により、被 付部材1から取付部材5を取外したい場合に 、図6に示す取付孔3にクリップ10が固定され 状態から、コイルスプリング70の付勢力に して、グロメット20に対してピン40を更に押 込めばよい。すると、図8に示すように、グ ロメット20の切欠き溝27,27内周縁によって、 2係止片55,55が内側に撓むと共に、開口部34の 先端側周縁に第1係止片50,50が押圧されて内側 に撓み、開口部34,34から引き込まれて、取付 3の裏側周縁から第1係合部51が外れる。更に 、ピン40が押し込まれて、第2係止片55の第2係 合部56が切欠き溝27の裏側周縁に抜け出ると 第2係止片55,55が弾性復帰して、切欠き溝27,27 の裏側周縁に、第2係合部56,56がそれぞれ係合 して、第1係止片50,50が開口部34に引き込まれ 状態で保持される。その状態で、取付部材5 ごと持ち上げることにより、取付孔3からク ップ10が引き抜かれて、被取付部材1から取 部材5を取り外すことができる。

 また、この実施形態では、グロメット20 フランジ部21に設けた切欠き溝27,27を、ピン4 0を押し込み可能に状態で抜け止め保持させ 保持部としたので、グロメット20に対してピ ン40を浅く押し込むだけで、抜け止め保持さ ることができ、グロメット20に対するピン40 の押し込み量を長く確保することが可能とな り、取付孔3が形成された部材の板厚変化に り広い範囲で対応することができる。

 図9,10には、本発明によるクリップの他の 実施形態が示されている。なお、前記実施形 態と実質的に同一部分には同符号を付してそ の説明を省略する。

 この実施形態のクリップ10aは、前記実施 態のクリップ10と比べて、グロメット20とピ ン40との抜け止め構造が異なっている。

 すなわち、図9,10に示すように、グロメッ ト20の底部32に挿通孔32b(本発明の保持部に相 )が形成されている。一方、ピン40の軸部43 、先端部46の先端面から突設された、円柱状 のガイド軸57と、このガイド軸57の先端から 前記ガイド軸57よりも縮径して突出した突出 軸59とを有している。前記突出軸59の先端外 には、スリット61を介して、半割状の撓み可 能な係合爪63,63(本発明の係合部に相当)が突 されている。また、各係合爪63,63の外周は、 先細テーパ状をなしている。また、前記突出 軸59の軸方向途中であって、前記係合爪63よ も基部側の外周には、一対の係合突起65,65が 突設されている。

 そして、前記ガイド軸57の外周に、コイル プリング70を外装させた状態で、グロメット 20にピン40を押し込むと、半割状の係合爪63,63 の外周が挿通孔32b内周に押圧されて内側に撓 み、係合爪63が挿通孔32bの突出側(外面側)に け出ると
、係合爪63,63が、挿通孔32bの突出側周縁に係 して、開口部34から第1係止片50が突出した 態で、グロメット20にピン40が抜け止め保持 れる。

 組付けたクリップ10aは、前記実施形態と 様に、取付孔3に挿入することにより、同取 付孔3の裏側周縁に第1係合部51が係合して、 リップ10が取付孔3に固定されるようになっ いる(図9参照)。

 そして、この実施形態では、挿通孔32bに ピン40の軸部43の突出軸59が移動可能に挿通 れているので、グロメット20に対するグロ ット20の押し込み量を確保することができる 。また、コイルスプリング70内に、ピン40の 部43のガイド軸57が挿通されているので、コ ルスプリング70の傾きや位置ずれを抑制す ことができる。

 また、取付孔3からクリップ10を取外す場 には、図9に示すクリップ10が取付孔3に固定 された状態から、図10に示すように、ピン40 更に押し込むことにより、前記一対の係合 起65,65が、挿通孔32bの裏側周縁に係合するの で、第1係止片50を開口部34から引き込んだ状 に保持して、取付孔3からクリップ10を引き くことができる。

 図11~13には、本発明によるクリップの更 他の実施形態が示されている。なお、前記 施形態と実質的に同一部分には同符号を付 てその説明を省略する。

 この実施形態のクリップ10bは、前記実施 態のクリップ10,10aと比べて、付勢手段によ 付勢力付与構造が異なっている。

 すなわち、この実施形態のクリップ10bは 付勢手段としてコイルスプリング70を用い 、ピン40に一体形成された樹脂バネ70aを用い た構成となっている。図11(A)~(C)に示すように 、この樹脂バネ70aは、ピン40の軸部43の先端 46から、斜め外方に向かって次第に離れるよ うに突出した一対の支持片71,71と、この支持 71,71の先端から、斜め内方に向かって次第 近接するように延出して、その端部どうし 連結した形状をなすバネ片73,73とから構成さ れている。

 一方、グロメット20は、図12に示すように 、その底部32に長孔状の挿通孔32cが形成され おり、この挿通孔32cの周縁は、斜め上方に かって傾斜したバネ当接部36をなしている

 なお、グロメット20にピン40を抜け止め保 持させる構造は、図1~7に示すクリップ10と同 である。すなわち、グロメット20にピン40を 挿入すると、前記挿通孔32cに、樹脂バネ70aの バネ片73,73が挿入されると共に、打切欠き溝2 7の裏側周縁に、第1係止片50の第1係合部51が 合して、抜け止め保持される。このとき、 ロメット20に設けたバネ当接部36に、バネ片7 3,73が当接して撓むので、その弾性復元力に って、ピン40がグロメット20に対する押し込 方向とは反対方向に付勢されるようになっ いる。

 そして、図12に示すように、グロメット20に ピン40を組付けたクリップ10bを、取付孔3に挿 入することにより、取付孔3の裏側周縁に第1 合部51が係合して、クリップ10が取付孔3に 定される。このとき、取付孔3に第1係止片50 係合することにより、ピン40が更に押し込 れた状態となり、グロメット20のバネ当接部 36に、バネ片73,73が強く当接して撓み、その 性復元力が前記取付状態よりも大きくなり 第1係止片50が取付孔3の裏側に強く押し付け れ、取付孔3にクリップ10aを
ガタ付きなく固定させることができる。

 また、取付孔3からクリップ10を取外した 場合には、上記状態から更にピン40を、樹 バネ70aの付勢力に抗して押し込むことによ 、図13に示すように、第2係合部56が切欠き溝 27の裏側周縁に係合して、第1係止片50が開口 34から引き込んだ状態に保持されるので、 付孔3からクリップ10を引き抜くことができ 。

本発明のクリップの一実施形態を示す 解斜視図である。 同クリップを構成するピンの斜視図で る。 同クリップを構成するグロメットの斜 図である。 同クリップを構成するピンを示してお 、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図で る。 グロメットにピンを組付けた状態を示 説明図である。 本発明のクリップを取付孔に固定した 態を示す説明図である。 同クリップを、板厚が厚い被取付部材 取付孔に固定した状態を示す説明図である 同クリップを取付孔から取外す状態を す説明図である。 本発明のクリップの他の実施形態を示 ており、同クリップを取付孔に固定した状 を示す説明図である。 同クリップを取付孔から取外す状態を 示す説明図である。 本発明のクリップの更に他の実施形態 を示しており、(A)は同クリップを構成するピ ンの正面図、(B)は同ピンの側面図、(C)は同ピ ンの底面図である。 同クリップを取付孔に固定した状態を 示す説明図である。 同クリップを取付孔から取外す状態を 示す説明図である。

符号の説明

3 取付孔
10,10a,10b クリップ
20 グロメット
21 フランジ部
25 挿入孔
27 切欠き溝(保持部)
29 筒部
31 周壁
32 底部
32b 挿通孔(保持部)
34 開口部
40 ピン
41 頭部
43 軸部
50 第1係止片(係止片)
51 第1係合部(係合部)
63 係合爪(係合部)
70 コイルスプリング(付勢手段)
70a 樹脂バネ(付勢手段)