OSUMI TORU (JP)
UEMOTO MASANORI (JP)
NISHIMURA NAOTAKA (JP)
KOUKETSU TAKAYUKI (JP)
TORAY COATEX CO LTD (JP)
KAWAKAMI KIYOSHI (JP)
OSUMI TORU (JP)
UEMOTO MASANORI (JP)
NISHIMURA NAOTAKA (JP)
KOUKETSU TAKAYUKI (JP)
JPH11131373A | 1999-05-18 | |||
JP2005306892A | 2005-11-04 | |||
JP2002020530A | 2002-01-23 |
植物由来成分を10~65重量%含有するポリウレタン樹脂膜からなる防水層が、布帛の片面にコーティング法または接合法により形成されてなる防水加工布帛。 |
前記植物由来成分を10~65重量%含有するポリウレタン樹脂膜が、微多孔質膜または透湿性を有する無孔膜であることを特徴とする、請求項1に記載の防水加工布帛。 |
前記植物由来成分を10~65重量%含有するポリウレタン樹脂からなる微多孔質膜に、植物由来成分を10~65重量%含有するポリウレタン樹脂からなる透湿性を有する無孔膜を積層して前記防水層となしたことを特徴とする、請求項1に記載の防水加工布帛。 |
前記ポリウレタン樹脂を構成するポリオール成分としてヒマシ油ジオールを用いたことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の防水加工布帛。 |
前記ヒマシ油ジオールがヒマシ油系ポリエーテルポリエステルジオールであって、平均水酸基数が1.8~2.1個であり、水酸基価が41~85mgKOH/gであることを特徴とする、請求項4に記載の防水加工布帛。 |
耐水圧が10kPa以上であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の防水加工布帛。 |
JIS L 1099のA-1法による透湿度が104g/m 2 ・hr以上であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の防水加工布帛。 |
温度70℃、湿度95%の条件下における加水分解性評価試験において3週間経過後の耐水圧の保持率が80%以上であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の防水加工布帛。 |
本発明は防水加工布帛に関し、より具体 には、スポーツ用、特にアウトドアスポー 用衣類や、雨衣等に好適に使用される快適 を持つ防水加工布帛に関し、また昨今の地 温暖化対策における環境負荷の低減のため 、カーボンニュートラルに寄与する植物由 成分を含有する防水加工布帛に関する。
植物由来成分よりなる防水加工布帛に関 ては、例えば特許文献1に、植物由来成分と してポリ乳酸樹脂を用いた生分解性の良好な 多孔質防水加工布帛が開示されている。
しかしながら、従来の生分解性が良好な防
加工布は、スポーツ用衣類、雨衣等に適用
た場合に、実使用において耐久性の面で問
が発生することが懸念される。すなわち、
在の一般的なポリ乳酸繊維においては、加
分解性評価試験(70℃×95%RH)で1週間でも強度
保持が難しく、耐久性の要求される用途に
いて使用されていない現状があり、植物由
成分としてポリ乳酸樹脂を使用した生分解
の良い多孔質防水加工布帛を実用化するの
困難であった。
本発明は、上記のようなポリ乳酸樹脂の うな植物由来成分だけでは解決できない加 分解に対する耐久性の問題を解決し、快適 を持つ防水加工布帛を提供しようとするも である。
本発明者らは、鋭意検討の結果、布帛の 面にコーティング法または接合法による植 由来成分を10~65重量%含有するポリウレタン 脂膜を使用することにより、上記課題が解 できることを見出し、本発明の完成に至っ 。
すなわち本発明の防水加工布帛は、布帛 片面に、植物由来成分を10~65%含有するポリ レタン樹脂膜からなる防水層が、コーティ グ法または接合法により形成されてなるも とする。
上記植物由来成分を10~65重量%含有するポ ウレタン樹脂膜は、微多孔質膜または透湿 を有する無孔膜とすることができる。
また、上記植物由来成分を10~65重量%含有 るポリウレタン樹脂からなる微多孔質膜に 植物由来成分を10~65重量%含有するポリウレ ン樹脂からなる透湿性を有する無孔膜を積 して、上記防水層となすこともできる。
上記ポリウレタン樹脂を構成するポリオ ル成分としては、ヒマシ油ジオールが好適 用いられる。
前記ヒマシ油ジオールはヒマシ油系ポリ ーテルポリエステルジオールであって、平 水酸基数が1.8~2.1個であり、水酸基価が41~85m gKOH/gであることが特に好ましい。
本発明の防水加工布帛は、耐水圧が10kPa 上であることが好ましい。
また、JIS L 1099のA-1法による透湿度が104g/m 2 ・hr以上であることが好ましい。
さらに、温度70℃、湿度95%の条件下にお る加水分解性評価試験において3週間経過後 耐水圧の保持率が80%以上である耐久性をも ことが好ましい。
本発明の防水加工布帛は、アウトドアス ーツ用衣類、雨衣等に好適に使用できる快 性を有するものとなる。また、植物由来成 使用によるカーボンニュートラルにより、 球温暖化防止対策の一環として環境負荷の 減に寄与するものとなる。
また、ポリウレタン樹脂のポリオール成 としてヒマシ油ジオールを主に使用するこ により、ポリ乳酸樹脂などの生分解性を有 る植物由来成分樹脂の問題である耐久性を 上させることができ、加水分解性評価試験( 70℃×95%RH)において、石油系成分よりなるポ エステル系ポリウレタンと同等の、又はそ 以上の耐久性を実現することが可能となる
本発明の防水加工布帛は、上記の通り、 面にコーティング法または接合法による植 由来成分を含有するポリウレタン樹脂によ 防水層が形成されたものである。以下、本 明について、より詳細に説明する。
1.布帛について
本発明の防水加工布帛に用いる布帛として
、使用目的等に適したものを適宜用いるこ
ができ、その種類は特に限定されないが、
としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊
、ポリアミド繊維等の合成繊維;アセテート
繊維等の半合成繊維;綿、麻、羊毛等の天然
維が挙げられる、これら各種の繊維は単独
用いてもよく、2種類以上混合して用いるこ
もできる。またその組織も特に限定されず
織物、編物、不織布等を適宜用いることが
きる。
2.防水層について
防水層を形成する植物由来成分を10~65重量%
有するポリウレタン樹脂としては、ポリオ
ル成分として2価の植物由来ポリオール等の
植物由来成分を主に用いて合成したものを好
適に用いることができる。
2価の植物由来ポリオールとしては、加水 分解性に優れたポリウレタン樹脂を得ること ができることから、ヒマシ油ジオールを好適 に用いることができる。
ヒマシ油は、主に次式で表されるリシノレ
ン酸のトリグリセライドであり、
リシノレイン酸は次式で表される構造を有す
る化合物である。
本発明でいうヒマシ油ジオールとはヒマ 油に由来するジオールであり、中でもヒマ 油系ポリエーテルポリエステルジオールで って、平均水酸基数が1.8~2.1個であり、水酸 基価が41~85mgKOH/gであるものが好ましく、特に 平均水酸基数が1.95~2.05個のものを好適に用い ることができる。水酸基数が2.1個を越えると 3価のポリオールの分枝あるいは架橋構造の 成のために、樹脂膜を形成するためのコー ィングに適したポリウレタン樹脂を得るこ が困難となる。すなわち、本発明で用いる レタン樹脂は、構造が線状であり、分枝あ いは架橋構造をあまり持たず、布帛にコー ィング可能な溶液の粘性を持つことが好ま い。分枝構造が増加すると粘性が大きくな 、コーティングに適さなくなる。また、架 構造になると極微量でも粘性変化が起こり 少量でも粘性変化が大きく、さらに架橋量 増加するとウレタン樹脂溶液を得ることが きなくなる。
ポリウレタン樹脂中の植物由来成分の割 は、環境負荷の軽減の点からはより多いほ が好ましいが、ポリウレタン樹脂膜の性能 向上させて本発明の目的とする防水加工布 を得るために、下限を10重量%、上限を65重 %とする。環境負荷の軽減の観点からは、25~6 5重量%であることがより好ましい。
3.防水加工布帛の特性及び製法について
本発明の防水加工布帛は、実用上の防水の
から耐水圧が10kPa以上であることが好まし
。
そして、実用上の耐久性の点から、加水 解性評価試験(ジャングルテスト、70℃×95%RH )で3週間経過後の耐久性保持率が80%以上であ ことが好ましい。
本発明においては、上記のようにポリウ タンの原料である2価のポリオールとして、 ヒマシ油に由来する上記ポリエーテルポリエ ステルポリオールを用いることにより、防水 加工布帛の耐水圧の加水分解性評価試験3週 経過後における保持率を80%以上とすること 可能となる。さらに、15週間経過後において も耐水圧の保持率が50%以上という、通常のポ リエステルポリオールを用いた場合の5倍以 の、非常に耐久性のある防水加工布帛が得 れる。
また、本発明の防水加工布帛は、透湿度と てA-1法で104g/m 2 ・hr以上、もしくは、B-1法で104g/m 2 ・hr以上を有することが望ましい。
植物由来成分を含有するポリウレタン樹 膜への透湿性の付与は、そのポリウレタン 脂を湿式法により微多孔質膜とすることに り可能である。また、無孔膜で透湿性を付 するには、例えば、植物由来成分を含有す ポリウレタン樹脂の重合においてポリエチ ングリコールよりなるポリオールを共重合 、乾式法により樹脂膜を形成すればよい。
また、微多孔質膜の上に透湿性を有する 孔膜を積層することにより、より高い耐水 と透湿度を得ることができる。
上記植物由来成分を含有するポリウレタ 樹脂を得るための方法としては、例えば、 メチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホ シド(DMSO)等に代表される極性溶剤や、メチ エチルケトン(MEK)、トルエン、キシレン等の 溶剤に、ヒマシ油ジオール等の2価の植物由 ポリオールを溶解し、ここに2価のイソシア ート(ヘキサメチレンジイソシアネート、イ ソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタ ンジイソシアネート:MDI、水添MDIなど)を添加 、充分に反応させ、末端にイソシアネート たは、水酸基を有するプレポリマーを調製 たのち、ジオール(石油由来のエチレングリ コール、プロピレングリコール、ブチレング リコール等、植物性由来の1,3-プロパンジオ ル、1,2-ヘキサンジオールなど)、又は2価の ソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネ ト、イソホロンジイソシアネート、ジフェ ルメタンジイソシアネート(MDI)、水添MDIな )を添加し、鎖長延長反応で重合度を上げる 法を用いることができる。但し、本発明で いるポリウレタン樹脂の合成方法は上記方 に限定されるものではない。
上記において、2価の植物由来ポリオール と2価のイソシアネートとを反応させてプレ リマーを形成する際には、必要に応じて、2 の植物由来ポリオールに加えて、それ以外 ポリオール、例えばポリエステルポリオー 、ポリエーテルポリオールを共重合するこ も可能である。より具体的には、2価の石油 由来のポリオールである、ポリエチレンアジ ペート、ポリブチレンアジペート、ポリカプ ロラクトンジオール、ポリエチレングリコー ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ メチレングリコール等が共重合可能である。 あるいはポリカーボネートポリオール、シリ コーン系ポリオール、フッ素系ポリオール、 ポリアミド系ポリオール等を共重合して用い ることもできる。これら植物由来ポリオール 以外のポリオールはポリオール全量中50重量% (固形分比)以下の割合で混合可能であるが、 物由来比率を低減しないためにも、混合量 25重量%(固形分比)以下であることが望まし 。
本発明の防水加工布帛の製造方法につい は、布帛への植物由来成分を含有するポリ レタン膜の防水層の積層方法としては、布 にダイレクトにコーティングをする方法(コ ーティング法)や、防水層を単独で形成した に、これを接着剤で布帛に積層する方法(接 法)がある。
上記コーティング方法では、ナイフコー ィング、ナイフオーバーロールコーティン 、リバースルールコーティングなどの各種 コーティング方法が使用可能である。
また、接合法としては、例えば離型紙に ーティング等で形成した防水層を接着剤で ットもしくは全面接着で布帛に積層したの 離型紙を剥離する方法が用いられるが、こ に限定されない。
透湿性を有する防水層を積層する方法の好
しい態様の例としては、以下の方法が挙げ
れる。
(1)植物由来成分を含有するポリウレタン樹
を水に可溶な極性溶剤(ジメチルホルムアミ
ド:DMF、ジメチルスルホキシド:DMSOなどに代表
される)に溶解してなるポリウレタン樹脂溶
を布帛にコーティングし、これを水中ある
は極性溶媒を含有する水溶液中で湿式ゲル
させて、透湿性と防水性を併せ持つ微多孔
膜を形成する方法。
(2)植物由来成分を含有するポリウレタン樹
をポリエチレングリコールよりなるポリオ
ルを共重合することにより透湿性のポリウ
タン樹脂とし、これを溶解する溶剤で溶解
てなるポリウレタン樹脂溶液を布帛にコー
ィングし、この溶剤を乾燥させて透湿性と
水性を併せ持つ無孔質膜を形成する方法。
以下、実施例により本発明をさらに具体 に説明するが、本発明は以下の実施例によ て限定されるものではない。なお、以下の 施例を含む本願明細書等における諸性能の 定方法としては以下のものを用いた。
(測定方法)
(1)耐水圧:JIS規格L 1092に従って測定した。
(2)透湿度:JIS規格L 1099のA-1法およびB-1法に従
て測定した。
(3)加水分解性評価試験(ジャングルテスト):70
、相対湿度95%の高湿恒温槽において加水分
を促進させ、耐水圧の保持率(テスト前の耐
水圧に対するテスト後の耐水圧の割合、単位
%)を調べた。
(4)5%NaOH水溶液による煮沸試験:ステンレス製
バットを電磁誘導式電熱器で煮沸(おおよそ1
00℃)状態の中に浸漬して膜の溶解の発生を観
察し、時間経過を分で評価した。
〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶液1〉
ヒマシ油ジオール1(伊藤製油(株)製、PH-5002
平均水酸基数:2.03個、水酸基価:43mgKOH/g)25g、
マシ油ジオール2(伊藤製油(株)製、H-56、平
水酸基数:2.03個、水酸基価:83mgKOH/g)25g、ポリ
チレンアジペート(日本ポリウレタン(株)製
ニッポラン(登録商標)N-4060)50g、及びジメチ
ホルムアミド(以下、DMFと略記する)250gを1リ
ットルのセパラブルコルベンに入れて溶解さ
せ、45℃に調温しながらジフェニルメタンジ
ソシアネート(以下、MDIと略記する)56.1gを添
加し、45℃で約1時間反応させ、プレポリマー
とした。この後、温度を60℃に昇温し、エチ
ングリコール10.7gを添加し、60℃で鎖長延長
反応をさせ、粘度上昇に合せてDMF250gを分割
加しながら重合を行った。おおよそ6~8時間
重合が終わり、植物由来率30.0重量%(固形分
比率)のポリウレタン樹脂25%溶液が得られた
〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶液2〉
ヒマシ油ジオール1(伊藤製油(株)製、PH-5002
平均水酸基数:2.03個、水酸基価43mgKOH/g)40g、
マシ油ジオール2(伊藤製油(株)製、H-56、平均
水酸基数:2.03個、水酸基価:83mgKOH/g)40g、ポリ
チレンアジペート(日本ポリウレタン(株)製
ニッポラン(登録商標)N-4060)20g、及びDMF250gを1
リットルのセパラブルコルベンに入れて溶解
させ、45℃に調温しながらMDI57.6gを添加し、45
℃で約1時間反応させ、プレポリマーとした
この後、温度を60℃に昇温し、エチレングリ
コール10.9gを添加し、60℃で鎖長延長反応を
せ、粘度上昇に合せてDMF256gを分割添加しな
ら重合を行った。おおよそ6~8時間で重合が
わり、植物由来率47.5重量%(固形分中比率)の
ポリウレタン樹脂25%溶液が得られた。
〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶液3〉
ヒマシ油ジオール1(伊藤製油(株)製、PH-5002
平均水酸基数:2.03個、水酸基価43mgKOH/g)50g、
マシ油ジオール2(伊藤製油(株)製、H-56、平均
水酸基数:2.03個、水酸基価:83mgKOH/g)50g、及びDM
F250gを1リットルのセパラブルコルベンに入れ
て溶解させ、45℃に調温しながらMDI58.6gを添
し、45℃で約1時間反応させ、プレポリマー
した。この後、温度を60℃に昇温し、エチレ
ングリコール10.9gを添加し、60℃で鎖長延長
応をさせ、粘度上昇に合せてDMF259gを分割添
しながら重合を行った。おおよそ6~8時間で
合が終わり、植物由来率58.9重量%(固形分中
率)のポリウレタン樹脂25%溶液が得られた。
〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶液4〉
ヒマシ油ジオール1(伊藤製油(株)製、PH-5002
平均水酸基数:2.03個、水酸基価43mgKOH/g)70g、
マシ油ジオール2(伊藤製油(株)製、H-56、平均
水酸基数:2.03個、水酸基価:83mgKOH/g)70g、及びDM
F300gを1リットルのセパラブルコルベンに入れ
て溶解させ、45℃に調温しながらMDI58.6gを添
し、45℃で約1時間反応させ、プレポリマー
した。この後、温度を60℃に昇温し、エチレ
ングリコール9.0gを添加し、60℃で鎖長延長反
応をさせ、粘度上昇に合せてDMF323gを分割添
しながら重合を行った。おおよそ6~8時間で
合が終わり、植物由来率67.4重量%(固形分中
率)のポリウレタン樹脂25%溶液が得られた。
〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶液5〉
ヒマシ油ジオール1(伊藤製油(株)製、PH-5002
平均水酸基数:2.03個、水酸基価43mgKOH/g)110g、
びDMF340gを1リットルのセパラブルコルベン
入れて溶解させ、45℃に調温しながらMDI58.6g
添加し、45℃で約1時間反応させ、プレポリ
ーとした。この後温度を60℃に昇温し、エ
レングリコール5.0gを添加し、60℃で鎖長延
反応をさせ、粘度上昇に合せてDMF340gを分割
加しながら重合を行った。おおよそ6~8時間
重合が終わり、植物由来率77.6重量%(固形分
比率)のポリウレタン樹脂25%溶液が得られた
。
〈石油由来ポリウレタン樹脂25%溶液〉
ポリブチレンアジペート(日本ポリウレタン
(株)製、ニッポラン(登録商標)N-4060)100gとDMF250
gを1リットルのセパラブルコルベンに入れて
解させ、45℃に調温しながらMDI53.6gを添加し
、45℃で約1時間反応させ、プレポリマーとし
た。この後温度を60℃に昇温し、エチレング
コール10.2gを添加し、60℃で鎖長延長反応を
させ、粘度上昇に合せてDMF241gを分割添加し
がら重合を行った。おおよそ6~8時間で重合
終わり、石油由来ポリウレタン樹脂25%溶液
得られた。
[実施例1]
50デニールのナイロンフィラメントヤーン
構成されたナイロンリップタフタを、フッ
系撥水剤(ダイキン工業(株)製、ユニダイン(
録商標)TG-571)の30g/lの希釈液に浸漬し、絞り
率40%でマングルで絞った後、120℃で乾燥し、
130℃で30秒間熱処理し、撥水処理を行った。
つぎに〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶 1〉150重量部にシリカ微粉末(富士シリシア 学工業(株)製、サイリシア350)3.5重量部を添 し、DMF25重量部で充分に浸漬し、ホモミキサ ーで約15分間分散攪拌した後、フッ素系撥水 (大日精化工業(株)製、ダイアロマーFF-121D)1 量部、顔料(大日本インキ化学工業(株)製、D ILAC(登録商標)WHITE L 7551)2重量部、及び架橋 (日本ポリウレタン(株)製、コロネート(登録 標)HL)1重量部を添加攪拌し、植物由来率26.1 量%(固形分中比率)のポリウレタン樹脂配合 液を得た。
これを先の撥水加工ナイロンリップタフタ ナイフオーバーロールコーターで150g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率26.1重量% (積層樹脂層の固形分中比率)の防水加工布帛 得た。得られた布帛について、耐水圧、透 度を測定した。
また、ジャングルテストを行った後、耐 圧を測定し、その保持率を求めた。
5%NaOH水溶液による煮沸試験評価は、ポリウ タン樹脂配合溶液をポリエステルフィルム ナイフオーバーロールコーターで360g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率24.5%(固 分中比率)の湿式多孔膜を得て行った。その 果を表1に示す。
[実施例2]
50デニールのナイロンフィラメントヤーン
構成されたナイロンリップタフタを、フッ
系撥水剤(ダイキン工業(株)製、ユニダイン(
録商標)TG-571)の30g/lの希釈液に浸漬し、絞り
率40%でマングルで絞った後、120℃で乾燥し、
130℃で30秒間熱処理し、撥水処理を行った。
つぎに〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶 2〉150重量部にシリカ微粉末(富士シリシア 学工業(株)製、サイリシア350)3.5重量部を添 し、DMF25重量部で充分に浸漬し、ホモミキサ ーで約15分間分散攪拌した後、フッ素系撥水 (大日精化工業(株)製、ダイアロマーFF-121D)1 量部、顔料(大日本インキ化学工業(株)製、D ILAC(登録商標)WHITE L 7551)2重量部、架橋剤(日 ポリウレタン(株)製、コロネート(登録商標) HL)1重量部を添加攪拌し、植物由来率41.3重量% (固形分中比率)のポリウレタン樹脂配合溶液 得た。
これを先の撥水加工ナイロンリップタフタ ナイフオーバーロールコーターで150g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率41.3重量% (積層樹脂層の固形分中比率)の防水加工布帛 得た。得られた布帛について、耐水圧、透 度を測定した。
また、ジャングルテストを行った後、耐 圧を測定し、その保持率を求めた。
5%NaOH水溶液による煮沸試験評価は、ポリウ タン樹脂配合溶液をポリエステルフィルム ナイフオーバーロールコーターで360g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率41.3重量% (固形分中比率)の湿式多孔膜を得て行った。 の結果を表1に示す。
[実施例3]
50デニールのナイロンフィラメントヤーン
構成されたナイロンリップタフタを、フッ
系撥水剤(ダイキン工業(株)製、ユニダイン(
録商標)TG-571)の30g/lの希釈液に浸漬し、絞り
率40%でマングルで絞った後、120℃で乾燥し、
130℃で30秒間熱処理し、撥水処理を行った。
つぎに〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶 3〉150重量部にシリカ微粉末(富士シリシア 学工業(株)製、サイリシア350)3.5重量部を添 し、DMF25重量部で充分に浸漬し、ホモミキサ ーで約15分間分散攪拌した後、フッ素系撥水 (大日精化工業(株)製、ダイアロマーFF-121D)1 量部、顔料(大日本インキ化学工業(株)製、D ILAC(登録商標)WHITE L 7551)2重量部、及び架橋 (日本ポリウレタン(株)製、コロネート(登録 標)HL)1重量部を添加攪拌し、植物由来率51.2 量%(積層樹脂層の固形分中比率)のポリウレ ン樹脂配合溶液を得た。
これを先の撥水加工ナイロンリップタフタ ナイフオーバーロールコーターで150g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率51.2%(固 分中比率)の防水加工布帛を得た。得られた 帛について、耐水圧、透湿度を測定した。
また、ジャングルテストを行った後、耐 圧を測定し、その保持率を求めた。
5%NaOH水溶液による煮沸試験評価は、ポリウ タン樹脂配合溶液をポリエステルフィルム ナイフオーバーロールコーターで360g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率51.2重量% (固形分中比率)の湿式多孔膜を得て行った。 の結果を表1に示す。
[実施例4]
上記実施例3で得られた植物由来率51.2重量%(
積層樹脂層の固形分中比率)の防水加工布帛
樹脂面に、透湿性ポリウレタン樹脂(大日精
工業(株)製、ハイムレンY-237)100重量部にMEK10
0重量部を混合した透湿性ポリウレタン樹脂
液をフローティングナイフコーティングで24
g/m 2
の塗布量でコーティングし、トップコートを
有する植物由来率45.4重量%(積層樹脂層の固形
分中比率)の防水加工布帛を得た。得られた
帛について、耐水圧、透湿度を測定した。
また、ジャングルテストを行った後、耐 圧を測定し保持率を測定した。
5%NaOH水溶液による煮沸試験評価は、ポリウ タン樹脂配合溶液をポリエステルフィルム ナイフオーバーロールコーターで360g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率48.1重量% (固形分中比率)の湿式多孔膜を得て行った。 の結果を表1に示す。
[実施例5]
50デニールのナイロンフィラメントヤーン
構成されたナイロンリップタフタを、フッ
系撥水剤(ダイキン工業(株)製、ユニダイン(
録商標)TG-571)の30g/lの希釈液に浸漬し、絞り
率40%でマングルで絞った後、120℃で乾燥し、
130℃で30秒間熱処理し、撥水処理を行った。
つぎに〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶 4〉150重量部にシリカ微粉末(富士シリシア 学工業(株)製、サイリシア350)3.5重量部を添 し、DMF25重量部で充分に浸漬し、ホモミキサ ーで約15分間分散攪拌した後、フッ素系撥水 (大日精化工業(株)製、ダイアロマーFF-121D)1 量部、顔料(大日本インキ化学工業(株)製、D ILAC(登録商標)WHITE L 7551)2重量部、架橋剤(日 ポリウレタン(株)製、コロネート(登録商標) HL)1重量部を添加攪拌し、植物由来率58.7重量% (固形分中比率)のポリウレタン樹脂配合溶液 得た。
これを先の撥水加工ナイロンリップタフタ ナイフオーバーロールコーターで150g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率58.7重量% (積層樹脂層の固形分中比率)の防水加工布帛 得た。得られた布帛について、耐水圧、透 度を測定した。
また、ジャングルテストを行った後、耐 圧を測定し、その保持率を求めた。
5%NaOH水溶液による煮沸試験評価は、ポリウ タン樹脂配合溶液をポリエステルフィルム ナイフオーバーロールコーターで360g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率58.7重量% (固形分中比率)の湿式多孔膜を得て行った。 の結果を表1に示す。
[比較例1]
50デニールのナイロンフィラメントヤーン
構成されたナイロンリップタフタを、フッ
系撥水剤(ダイキン工業(株)製、ユニダインTG
-571)の30g/lの希釈液に浸漬し、絞り率40%でマ
グルで絞った後、120℃で乾燥し、130℃で30秒
間熱処理し、撥水処理を行った。
つぎに〈石油由来ポリウレタン樹脂25%溶 〉150重量部にシリカ微粉末(富士シリシア化 学工業(株)製、サイリシア350)3.5重量部を添加 し、DMF25重量部で充分に浸漬し、ホモミキサ で約15分間分散攪拌した後、フッ素系撥水 (大日精化工業(株)製、ダイアロマーFF-121D)1 量部、顔料(大日本インキ化学工業(株)製、DI LAC(登録商標)WHITE L 7551)2重量部、及び架橋剤 (日本ポリウレタン(株)製、コロネート(登録 標)HL)1重量部を添加攪拌し、植物由来率0重 %(固形分中比率)のポリウレタン樹脂配合溶 を得た。
これを先の撥水加工ナイロンリップタフタ ナイフオーバーロールコーターで150g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率0重量%( 層樹脂層の固形分中比率)の防水加工布帛を た。得られた布帛について、耐水圧、透湿 を測定した。
また、ジャングルテストを行った後、耐 圧を測定し、その保持率を求めた。
5%NaOH水溶液による煮沸試験評価は、ポリウ タン樹脂配合溶液をポリエステルフィルム ナイフオーバーロールコーターで360g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬してポリウレタン樹脂配合塗布液を湿 式凝固させ、ついで80℃の温湯で10分間水洗 、140℃にて熱風乾燥し、植物由来率0重量%( 形分中比率)の湿式多孔膜を得て行った。そ 結果を表1に示す。
[比較例2]
50デニールのナイロンフィラメントヤーン
構成されたナイロンリップタフタを、フッ
系撥水剤(ダイキン工業(株)製、ユニダインTG
-571)の30g/lの希釈液に浸漬し、絞り率40%でマ
グルで絞った後、120℃で乾燥し、130℃で30秒
間熱処理し、撥水処理を行った。
つぎに〈植物由来ポリウレタン樹脂25%溶 5〉150重量部にシリカ微粉末(富士シリシア 学工業(株)製、サイリシア350)3.5重量部を添 し、DMF25重量部で充分に浸漬し、ホモミキサ ーで約15分間分散攪拌した後、フッ素撥水剤( 大日精化工業(株)製、ダイアロマーFF-121D)1重 部、顔料(大日本インキ化学工業(株)製、DILA C(登録商標)WHITE L 7551)2重量部、架橋剤(日本 リウレタン(株)製、コロネート(登録商標)HL) 1重量部を添加攪拌し、植物由来率67.5重量%( 層樹脂層の固形分中比率)のポリウレタン樹 配合溶液を得た。
これを先の撥水加工ナイロンリップタフタ ナイフオーバーロールコーターで150g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬して植物由来ポリウレタン樹脂配合塗 布液を湿式凝固させ、ついで80℃の温湯で10 間水洗し、140℃にて熱風乾燥し、植物由来 67.5重量%(固形分中比率)の防水加工布帛を得 。得られた布帛について、耐水圧、透湿度 測定した。
また、ジャングルテストを行った後、耐 圧を測定し、保持率を測定した。
5%NaOH水溶液による煮沸試験評価は、植物由 ポリウレタン樹脂配合溶液をポリエステル ィルムにナイフオーバーロールコーターで3 60g/m 2 の塗布量でコーティングし、DMFを15重量%含有 する水溶液をゲル化浴とする浴槽に30℃で2分 間浸漬して植物由来ポリウレタン樹脂配合塗 布液を湿式凝固させ、ついで80℃の温湯で10 間水洗し、140℃にて熱風乾燥し、植物由来 67.5重量%(固形分中比率)の湿式多孔膜を得て った。その結果を表1に示す。
表1に示された結果から、本発明実施例の 防水加工布帛はいずれも優れた透湿性及び防 水性を有するのみならず、温度70℃、湿度95% 条件下における加水分解性評価試験におい 3週間経過後の耐水圧の保持率が80%以上であ り、18週間経過後でも60%以上という極めて優 た耐久性を有することが分かる。これに対 、石油由来ポリウレタン樹脂を用い、植物 来成分比率が0重量%である比較例1のものは 実施例のものと比較すると耐久性や耐アル リ性に劣り、植物由来成分比率が65重量%を える比較例2のものは、透湿性が低く、耐久 性も実施例と比較するとやや劣っていた。
本発明の防水加工布帛は、従来のポリ乳 樹脂などの生分解性を有する植物由来成分 脂の耐久性の問題を解決し、快適性にも優 るため、スポーツ用、特にアウトドアスポ ツ用衣類や、雨衣等に好適に使用すること できる。