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Patent Searching and Data


Title:
CLUTCH UNIT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110380
Kind Code:
A1
Abstract:
A clutch unit provided with a lever-side clutch section on the input side for controlling, by lever operation, transmission and interruption of rotational torque to be transmitted to the output side, and also with a brake-side clutch section on the output side for transmitting input torque inputted from the lever-side clutch section to the output side and interrupting reverse input torque inputted from the output side. The lever-side clutch section is provided with a retainer and an inner centering spring. The retainer retains cylindrical rollers at predetermined intervals in the circumferential direction, where the cylindrical rollers engage between and disengage from between a lever-side outer ring into which torque is inputted and an inner ring which transmits the torque, which is inputted from the lever-side outer ring, to the brake-side clutch section, and thus the cylindrical rollers control transmission and interruption of the input torque inputted from the lever-side outer ring. The inner centering spring has engaging sections which are engaged with an end surface of the retainer, stores elastic force when input torque is inputted from the lever-side outer ring, and releases the input torque to return the retainer to a neutral state by effect of the stored elastic force. On the end surface of the retainer are provided catching sections for catching and holding, on the end surface of the retainer, the engaging sections of the inner centering spring.

More Like This:
JPH07167170REVERSIBLE CLUTCH
Inventors:
KAWAI MASAHIRO (JP)
HIBI YASUMASA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053674
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
February 27, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
KAWAI MASAHIRO (JP)
HIBI YASUMASA (JP)
International Classes:
F16D15/00; F16D41/06; F16D41/08
Foreign References:
JP2003166555A2003-06-13
JPH0562749U1993-08-20
JPS6251757A1987-03-06
JPH1019060A1998-01-20
JPH11210764A1999-08-03
JP2006083983A2006-03-30
JP2003166555A2003-06-13
Other References:
See also references of EP 2264328A4
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Hideyoshi et al. (JP)
Hideyoshi Tanaka (JP)
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Claims:
 入力側に設けられ、レバー操作により出力側への回転トルクの伝達・遮断を制御するレバー側クラッチ部と、出力側に設けられ、前記レバー側クラッチ部からの入力トルクを出力側へ伝達すると共に出力側からの逆入力トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部とからなり、
 前記レバー側クラッチ部は、レバー操作によりトルクが入力される入力側部材とその入力側部材からのトルクをブレーキ側クラッチ部に伝達する連結部材との間での係合・離脱により入力側部材からの入力トルクの伝達・遮断を制御する複数の係合子を円周方向に所定間隔で保持する保持器と、その保持器の端面に係止される係止部を有し、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で保持器を中立状態に復帰させる弾性部材とを備え、
 前記弾性部材の係止部が係止される保持器の端面に、弾性部材の係止部を抱え込む引掛かり部を突設したことを特徴とするクラッチユニット。
 前記弾性部材は断面円形状を有するばね部材であり、その弾性部材の係止部と接触する保持器の端面を断面R形状とした請求項1に記載のクラッチユニット。
 前記保持器の端面に突設された引掛かり部の突出寸法を弾性部材の線材直径の1/6~1/3とした請求項1又は2に記載のクラッチユニット。
 前記保持器の端面に突設された引掛かり部の突端に面取り部を形成した請求項1~3のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
 前記ブレーキ側クラッチ部は、レバー側クラッチ部からのトルクが入力される連結部材と、その連結部材の内側に回転可能に配置された出力側部材とを備え、前記連結部材は出力側部材の軸部が挿入配置された有底筒状部を有し、その有底筒状部の底部にプレスの打ち抜き加工により前記出力側部材の軸部が回転自在に挿通される孔を形成した請求項1に記載のクラッチユニット。
 前記連結部材は、有底筒状部の底部に形成された孔の内側周縁部に面取りを形成した請求項5に記載のクラッチユニット。
 前記連結部材は、有底筒状部の内径寸法が出力側部材の軸部の外径寸法よりも大きく設定されている請求項5又は6に記載のクラッチユニット。
 前記レバー側クラッチ部は、レバー操作によりトルクが入力される入力側部材と、入力側部材からのトルクをブレーキ側クラッチ部に伝達する連結部材と、前記入力側部材と連結部材間での係合・離脱により入力側部材からの入力トルクの伝達・遮断を制御する複数の係合子と、各係合子を円周方向に所定間隔で保持する保持器と、回転が拘束された静止側部材と、前記保持器と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で保持器を中立状態に復帰させる第一の弾性部材と、前記入力側部材と静止側部材の間に設けられ、入力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開放により、蓄積された弾性力で入力側部材を中立状態に復帰させる第二の弾性部材とを備えている請求項1~7のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
 前記ブレーキ側クラッチ部は、レバー側クラッチ部からのトルクが入力される連結部材と、トルクが出力される出力側部材と、回転が拘束された静止側部材と、その静止側部材と出力側部材間の楔すきまに配設され、両部材間での係合・離脱により前記連結部材からの入力トルクの伝達と出力側部材からの逆入力トルクの遮断を制御する複数対の係合子とを備えている請求項1~7のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
 前記レバー側クラッチ部の係合子あるいはブレーキ側クラッチ部の係合子の少なくとも一方を円筒ころとした請求項1~9のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
 前記レバー側クラッチ部とブレーキ側クラッチ部が自動車用シートリフタ部に組み込まれている請求項1~10のいずれか一項に記載のクラッチユニット。
 前記レバー側クラッチ部の入力側部材が操作レバーに結合され、前記ブレーキ側クラッチ部の出力側部材が自動車用シートリフタ部のリンク機構に連結されている請求項11に記載のクラッチユニット。
Description:
クラッチユニット

 本発明は、入力側からの回転トルクを出 側へ伝達するレバー側クラッチ部と、入力 からの回転トルクを出力側へ伝達すると共 出力側からの逆入力トルクを遮断するブレ キ側クラッチ部とを有するクラッチユニッ に関する。

 一般に、円筒ころやボール等の係合子を いるクラッチユニットにおいては、入力側 材と出力側部材との間にクラッチ部が配設 れる。このクラッチ部は、前述の入力側部 と出力側部材間に形成される楔すきまに円 ころやボール等の係合子を係合・離脱させ ことによって、入力トルクの伝達・遮断を 御する構成になっている。

 この種のクラッチユニットは、例えば、 バー操作により座席シートを上下調整する 動車用シートリフタ部に組み込まれ、入力 からの回転トルクを出力側へ伝達するレバ 側クラッチ部と、入力側からの回転トルク 出力側へ伝達すると共に出力側からの逆入 トルクを遮断するブレーキ側クラッチ部と 具備する(例えば、特許文献1参照)。

 図30は前述の特許文献1に開示された従来 クラッチユニットの全体構成を示す縦断面 、図31は図30のD-D線に沿う断面図、図32は図3 0のE-E線に沿う断面図である。

 図30および図31に示すように、レバー側ク ラッチ部111は、レバー操作によりトルクが入 力される入力側部材としてのレバー側外輪114 と、そのレバー側外輪114からのトルクをブレ ーキ側クラッチ部112に伝達する連結部材とし ての内輪115と、レバー側外輪114と内輪115間で の係合・離脱によりレバー側外輪114からの入 力トルクの伝達・遮断を制御する複数の係合 子としての円筒ころ116と、各円筒ころ116を円 周方向に所定間隔で保持する保持器117と、回 転が拘束された静止側部材としてのブレーキ 側外輪123と、保持器117とブレーキ側外輪123の 間に設けられ、レバー側外輪114からの入力ト ルクで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開 放により、蓄積された弾性力で保持器117を中 立状態に復帰させる第一の弾性部材としての 内側センタリングばね118と、レバー側外輪114 とブレーキ側外輪123の間に設けられ、レバー 側外輪114からの入力トルクで弾性力を蓄積し 、その入力トルクの開放により、蓄積された 弾性力でレバー側外輪114を中立状態に復帰さ せる第二の弾性部材としての外側センタリン グばね119とで主要部が構成されている。

 なお、図中、113はレバー側外輪114に加締 固定されてレバー側外輪114と共に入力側部 を構成するレバー側側板、130はウェーブワ シャ131を介して出力軸122に取り付けられた ッシャである。

 一方、図30および図32に示すように、ブレ ーキ側クラッチ部112は、回転が拘束された静 止側部材としてのブレーキ側外輪123と、レバ ー側クラッチ部111からのトルクが入力される 連結部材としての内輪115と、ブレーキ側外輪 123と出力軸122間のすきまに配設され、ブレー キ側外輪123と出力軸122間での係合・離脱によ り内輪115からの入力トルクの伝達と出力軸122 からの逆入力トルクの遮断を制御する複数対 の係合子としての円筒ころ127とで主要部が構 成されている。

 なお、内輪115の軸方向端部を拡径させた大 部115cは、円筒ころ127を円周方向に所定間隔 で保持する保持器として機能する。図中、125 はブレーキ側外輪123に加締め固定されてブレ ーキ側外輪123と共に静止側部材を構成するブ レーキ側側板、128は各対の円筒ころ127間に配 置された例えば断面N字形の板ばね、129はブ ーキ側側板125に取り付けられた制動部材と ての摩擦リングである。

特開2003-166555号公報

 ところで、特許文献1に開示された従来の クラッチユニットにおけるレバー側クラッチ 部111は、レバー操作によりトルクが入力され るレバー側外輪114とそのレバー側外輪114から のトルクをブレーキ側クラッチ部112に伝達す る内輪115との間での係合・離脱によりレバー 側外輪114からの入力トルクの伝達・遮断を制 御する複数の円筒ころ116を円周方向に所定間 隔で保持する保持器117と、その保持器117とブ レーキ側外輪123の間に設けられ、レバー側外 輪114からの入力トルクで弾性力を蓄積し、そ の入力トルクの開放により、蓄積された弾性 力で保持器117を中立状態に復帰させる内側セ ンタリングばね118(図30参照)とを備えている( 許文献1の図2および図3参照)。

 この特許文献1に開示された内側センタリ ングばね118は、帯板形状を有するC字状ばね 材であるが、クラッチユニットの軸方向寸 を小さくしてコンパクト化を図る上では、 の内側センタリングばね118の断面形状を円 とすることが好ましい。内側センタリング ね118の断面形状を円形とした場合の保持器11 7を図33および図34a~図34dに例示する。

 この保持器117は、円筒ころ116を収容する 数のポケット117aが円周方向等間隔に形成さ れた円筒状部材であり、内側センタリングば ね118は、径方向内側に屈曲させた一対の係止 部118aを有する断面円形のC字状ばね部材であ (図34b参照)。この保持器117の一方の端部に 、二つの切欠き凹部117bが形成され、それぞ の切欠き凹部117bの隣接する二つの端面117c 内側センタリングばね118の係止部118aが係止 れる。

 この内側センタリングばね118は、レバー 外輪114からの入力トルクの作用時、一方の 止部118aが保持器117の一方の端面117cに、他 の係止部118aがブレーキ側外輪123の爪部(図示 せず)にそれぞれ係合するので、レバー側外 114の回転に伴って内側センタリングばね118 押し拡げられて弾性力が蓄積され、レバー 外輪114からの入力トルクの開放時、その弾 復元力により保持器117を中立状態に復帰さ る。

 ここで、前述の特許文献1に開示された保 持器117では、内側センタリングばね118の係止 部118aが係止される端面117cを軸方向に沿うス レート形状としているが、内側センタリン ばね118の組み込み性を考慮した場合、図33 図34aおよび図34bに示すように端面117cの先端 面取り部117dを形成することが好ましい。こ のように保持器117の端面117cの先端に面取り 117dを形成すれば、保持器117の切欠き凹部117b に内側センタリングばね118の係止部118aを軸 向から挿入して端面117cに当接させる組み付 作業が容易となる。

 しかしながら、この内側センタリングば 118は、前述したように保持器117とブレーキ 輪123との間に組み付けられるが、その組み け公差上、保持器117がブレーキ外輪123から 間するように軸方向移動することがあり、 の場合、内側センタリングばね118が保持器1 17とブレーキ外輪123との間の隙間に潜り込も とする。その結果、保持器117の端面117cの先 端エッジ部が摩耗し、保持器117の端面117cか 内側センタリングばね118の係止部118aが抜脱 易くなる。

 この現象は、図34dの矢印で示すように、 持器117の端面117cの先端に面取り部117dを形 した構造のものについて顕著に生じる。内 センタリングばね118の係止部118aが保持器117 端面117cから抜脱すると、内側センタリング ばね118が保持器117とブレーキ外輪123との間の 隙間に潜り込んでしまい、内側センタリング ばね118の機能を発揮させることが困難になる 可能性がある。

 そこで、本発明の目的は、内側センタリ グばねが保持器から外れることを未然に防 し、その内側センタリングばねの機能を確 に発揮させ得るクラッチユニットを提供す ことにある。

 本発明に係るクラッチユニットは、入力 に設けられ、レバー操作により出力側への 転トルクの伝達・遮断を制御するレバー側 ラッチ部と、出力側に設けられ、レバー側 ラッチ部からの入力トルクを出力側へ伝達 ると共に出力側からの逆入力トルクを遮断 るブレーキ側クラッチ部とからなり、レバ 側クラッチ部は、レバー操作によりトルク 入力される入力側部材とその入力側部材か のトルクをブレーキ側クラッチ部に伝達す 連結部材との間での係合・離脱により入力 部材からの入力トルクの伝達・遮断を制御 る複数の係合子を円周方向に所定間隔で保 する保持器と、その保持器の端面に係止さ る係止部を有し、入力側部材からの入力ト クで弾性力を蓄積し、その入力トルクの開 により、蓄積された弾性力で保持器を中立 態に復帰させる弾性部材とを備えた構成を 備する。

 前述の目的を達成するための技術的手段 して、本発明のクラッチユニットは、弾性 材の係止部が係止される保持器の端面に、 性部材の係止部を抱え込む引掛かり部を突 したことを特徴とする。

 本発明では、弾性部材の係止部が係止さ る保持器の端面に、弾性部材の係止部を抱 込む引掛かり部を突設したことにより、弾 部材の係止部が保持器の端面から抜脱しよ としても、その係止部の抜脱を引掛かり部 阻止することができる。その結果、弾性部 の係止部を保持器の端面に係止させた状態 維持することが容易となり、その弾性部材 機能を確実に発揮させることができる。

 この弾性部材が断面円形状を有するばね 材の場合には、その弾性部材の係止部と接 する保持器の端面を断面R形状とすることが 望ましい。このように、保持器の端面を弾性 部材の係止部の外形形状に合致した断面R形 とすることで、弾性部材の係止部が保持器 端面に接触する当接状態を安定化させるこ ができ、その状態を維持することがより一 容易となる。

 また、保持器の端面に突設された引掛か 部の突出寸法は弾性部材の線材直径(弾性部 材が断面円形の場合には外径)の1/6~1/3とする とが望ましい。このようにすれば、弾性部 の係止部が保持器の端面から抜脱すること 確実に阻止することができると共に、弾性 材を保持器に組み付けるに際して引掛かり を乗り越えさせて弾性部材の係止部を保持 の端面に軸方向から挿入することが容易と る。

 なお、引掛かり部の突出寸法が弾性部材 線材直径の1/6よりも小さいと、弾性部材の 止部が保持器の端面から抜脱し易くなり、 に、1/3よりも大きいと、弾性部材を保持器 組み付けるに際して引掛かり部を乗り越え せて弾性部材の係止部を保持器の端面に軸 向から挿入することが困難となる。

 さらに、保持器の端面に突設された引掛 り部の突端に面取り部を形成することが望 しい。このようにすれば、弾性部材を保持 に組み付けるに際して引掛かり部を容易に り越えさせることができるので、弾性部材 係止部を保持器の端面に軸方向から挿入す ことがより一層容易となる。

 本発明におけるブレーキ側クラッチ部は レバー側クラッチ部からのトルクが入力さ る連結部材と、その連結部材の内側に回転 能に配置された出力側部材とを備え、連結 材は、出力側部材の軸部が挿入配置された 底筒状部を有し、その有底筒状部の底部に レスの打ち抜き加工により出力側部材の軸 が回転自在に挿通される孔を形成すること 望ましい。

 本発明における連結部材は、出力側部材 軸部が挿入配置された有底筒状部を有し、 の有底筒状部の底部にプレスの打ち抜き加 により出力側部材の軸部が回転自在に挿通 れる孔を形成したことにより、連結部材を 作する上で従来のような切削工程を必要と ないため、その連結部材を製作する上での スト低減を図ることができる。

 また、本発明における連結部材は、有底 状部の底部に形成された孔の内側周縁部に 取りを形成することが望ましい。このよう すれば、孔の内側周縁部に形成された面取 が、その孔に出力側部材の軸部を挿通させ 際の案内面となり、その出力側部材の軸部 孔への挿入が容易となり、連結部材と出力 部材との組み付け性を向上させることがで る。

 さらに、本発明における連結部材は、有 筒状部の内径寸法が出力側部材の軸部の外 寸法よりも大きく設定されていることが望 しい。このようにすれば、有底筒状部の内 と出力側部材の軸部の外径との間に隙間を 成することができ、その軸部の外径面に打 傷などの突起があったとしても、有底筒状 への軸部の挿入が可能であり、連結部材と 力側部材との組み立て性の向上が図れる。

 このクラッチユニットにおけるレバー側 ラッチ部は、レバー操作によりトルクが入 される入力側部材と、入力側部材からのト クをブレーキ側クラッチ部に伝達する連結 材と、入力側部材と連結部材間での係合・ 脱により入力側部材からの入力トルクの伝 ・遮断を制御する複数の係合子と、各係合 を円周方向に所定間隔で保持する保持器と 回転が拘束された静止側部材と、保持器と 止側部材の間に設けられ、入力側部材から 入力トルクで弾性力を蓄積し、その入力ト クの開放により、蓄積された弾性力で保持 を中立状態に復帰させる第一の弾性部材と 入力側部材と静止側部材の間に設けられ、 力側部材からの入力トルクで弾性力を蓄積 、その入力トルクの開放により、蓄積され 弾性力で入力側部材を中立状態に復帰させ 第二の弾性部材とを備えた構成が可能であ 。なお、このレバー側クラッチ部の係合子 円筒ころが望ましい。

 このクラッチユニットにおけるブレーキ クラッチ部は、レバー側クラッチ部からの ルクが入力される連結部材と、トルクが出 される出力側部材と、回転が拘束された静 側部材と、その静止側部材と出力側部材間 楔すきまに配設され、両部材間での係合・ 脱により前記連結部材からの入力トルクの 達と出力側部材からの逆入力トルクの遮断 制御する複数対の係合子とを備えた構成が 能である。なお、このブレーキ側クラッチ の係合子は円筒ころが望ましい。

 本発明に係るクラッチユニットは、レバ 側クラッチ部およびブレーキ側クラッチ部 自動車用シートリフタ部に組み込むことで 動車用途として適している。その場合、入 側部材が操作レバーに結合され、出力側部 が自動車用シートリフタ部のリンク機構に 結された構造となる。

 本発明によれば、弾性部材の係止部が係 される保持器の端面に、弾性部材の係止部 抱え込む引掛かり部を突設したことにより 弾性部材の係止部が保持器の端面から抜脱 ようとしても、その係止部の抜脱を引掛か 部で阻止することができる。その結果、弾 部材の係止部を保持器の端面に係止させた 態を維持することが容易となり、その弾性 材の機能を確実に発揮させることができる で、信頼性の高いクラッチユニットを提供 ることができる。

本発明の実施形態におけるクラッチユ ットの全体構成を示す縦断面図である。 図1の右側面図である。 図1の左側面図である。 図1のA-A線に沿う断面図である。 図1のB-B線に沿う断面図である。 レバー側側板を示す断面図である。 図6aの左側面図である。 レバー側外輪を示す断面図である。 図7aの左部分側面図である。 図7aの右側面図である。 内輪を示す断面図である。 図8aの左側面図である。 保持器を示す斜視図である。 保持器を示す断面図である。 図10aの左側面図である。 図10aの断面図である。 図10bにおける白抜き矢印からの拡大 視図である。 図10dの変形例を示す拡大図である。 内側センタリングばねを示す正面図 ある。 図11aの右側面図である。 外側センタリングばねを示す側面図 ある。 図12aの部分拡大下面図である。 出力軸を一方の側から見た斜視図で る。 出力軸を他方の側から見た斜視図で る。 出力軸を示す断面図である。 図14aの左側面図である。 図14aの右側面図である。 ブレーキ側クラッチ部の板ばねを示 斜視図である。 図15aの正面図である。 図15aの左側面図である。 図15bの板ばねを重ね合わせた状態を す正面図である。 ブレーキ側外輪を示す断面図である 図16aの左側面図である。 図16bの切欠き凹部を示す部分拡大図 ある。 カバーを示す断面図である。 図17aの左側面図である。 図17bの切欠き凹部を示す部分拡大図 ある。 ブレーキ側側板を示す断面図である 図18aの右側面図である。 摩擦リングを示す正面図である。 図19aの左側面図である。 図19aの右側面図である。 出力軸に内輪を組み付ける前の状態 示す断面図である。 出力軸に内輪を組み付けた後の状態 示す断面図である。 ブレーキ側側板、ブレーキ側外輪、 バーおよび内側センタリングばねに対して 持器を組み付ける前の状態を示す斜視図で る。 ブレーキ側側板、ブレーキ側外輪、 バーおよび内側センタリングばねに対して 持器を組み付けた後の状態を示す斜視図で る。 出力軸の大径部を成形する金型を示 断面図である。 出力軸のカム面および突起を成形す 金型を示す断面図である。 図1のC-C線に沿う断面図である。 ブレーキ側外輪およびカバーとブレ キ側側板との加締め構造で、加締め前の状 を示す要部拡大平面図である。 ブレーキ側外輪およびカバーとブレ キ側側板との加締め構造で、加締め後の状 を示す要部拡大平面図である。 ブレーキ側板にブレーキ側外輪を組 付ける前の状態を示す斜視図である。 ブレーキ側側板にブレーキ側外輪を み付けた後の状態を示す斜視図である。 自動車の座席シートを示す概念図であ る。 シートリフタ部の一構造例を示す概 図である。 図27aの要部拡大図である。 クラッチユニット(図1参照)をシートリ フタ部のシートフレームに組み付けた状態を 示す縦断面図である。 シートリフタ部のシートフレームの変 形例を示す縦断面図である。 従来のクラッチユニットの全体構成を 示す縦断面図である。 図30のD-D線に沿う横断面図である。 図30のE-E線に沿う横断面図である。 従来のクラッチユニットにおける保持 器を示す斜視図である。 図33の保持器を示す断面図である。 図34aの左側面図である。 図34aの断面図である。 図34bにおける白抜き矢印からの拡大 視図である。

発明を実施するための形態

 図1は本発明の実施形態におけるクラッチ ユニットXの全体構成を示す縦断面図、図2は 1に示すクラッチユニットXの右側面図、図3 図1に示すクラッチユニットXの左側面図、 4は図1のA-Aに沿う横断面図、図5は図1のB-B線 沿う横断面図である。また、図6~図19はクラ ッチユニットXの主要な各構成部品を示す図 ある。図20~図25はクラッチユニットXの主要 構成部品の組み付け状態を示す図である。

 クラッチユニットXは、例えばレバー操作 により座席シートの高さ調整を行う自動車用 シートリフタ部(図26、図27aおよび図27b参照) 組み込まれる。このクラッチユニットXは、 1~図5に示すように、入力側に設けられたレ ー側クラッチ部11と、出力側に設けられた 入力遮断機能のブレーキ側クラッチ部12とを ユニット化した構成となっている。

 レバー側クラッチ部11は、図1、図2および 図4に示すように、例えば操作レバー(図示せ )が連結された入力側部材としてのレバー側 側板13およびレバー側外輪14と、そのレバー 外輪14からのトルクをブレーキ側クラッチ部 12に伝達する連結部材としての内輪15と、そ 内輪15の外周面15aとレバー側外輪14の内周面1 4aとの間に形成された楔すきま20に配設され 係合子としての例えば複数の円筒ころ16と、 円筒ころ16を円周方向等間隔に保持する保持 17と、その保持器17を中立状態に復帰させる ための第一の弾性部材である内側センタリン グばね18と、レバー側外輪14を中立状態に復 させるための第二の弾性部材である外側セ タリングばね19とを有する。なお、後述の出 力軸22の端部にウェーブワッシャ30を介して ッシャ31を圧入することにより、構成部品の 抜け止めとしている(図1参照)。

 ロック型と称されるタイプで逆入力遮断 能を有するブレーキ側クラッチ部12は、図1 図3および図5に示すようにレバー側クラッ 部11からのトルクが入力される連結部材とし ての内輪15と、出力側部材としての出力軸22 、回転が拘束された静止側部材としてのブ ーキ側外輪23、カバー24およびブレーキ側側 25と、そのブレーキ側外輪23と出力軸22間の すきま26に配設され、両部材間での係合・ 脱により内輪15からの入力トルクの伝達と出 力軸22からの逆入力トルクの遮断を制御する 数対の係合子としての円筒ころ27と、各対 円筒ころ27間に介挿され、それら円筒ころ27 士に離反力を付勢する弾性部材としての例 ば断面N字形の板ばね28とで主要部が構成さ ている。なお、出力軸22には突起22fが設け れ、この突起22fがクリアランスをもって挿 された孔15dが内輪15に設けられている(図1参 )。

 次に、このクラッチユニットXにおけるレ バー側クラッチ部11およびブレーキ側クラッ 部12の主要な構成部品について詳述する。

 図6aおよび図6bはレバー側クラッチ部11の バー側側板13を示す。このレバー側側板13は 、その中央部位に出力軸22および内輪15が挿 される孔13aが形成され、外周縁部に複数(例 ば5つ)の爪部13bが突設されている。これら 爪部13bは、軸方向に屈曲成形されてその先 を二股状とし、後述するレバー側外輪14の切 欠き凹部14e(図7c参照)に挿入して二股状の先 を外側へ拡開させることにより、レバー側 板13をレバー側外輪14に加締め固定している なお、図中の符号13cは、座席シートの高さ 整を操作するための操作レバー(図示せず) レバー側側板13に取り付けるための複数(例 ば4つ)の孔である。

 図7a~図7cはレバー側外輪14を示す。このレ バー側外輪14は、一枚の板状素材をプレス加 によりカップ状に成形したもので、中央部1 4cに出力軸22および内輪15が挿通される孔14bが 形成され、その中央部14cから軸方向に延びる 筒状部14dの内周には、複数のカム面14aが円周 方向等間隔に形成されている(図4参照)。

 このレバー側外輪14の外周縁部には複数( えば3つ)の爪部14f,14gが突設されて軸方向に 曲成形されている。これら爪部14f,14gのうち 、一つの爪部14fは、後述する外側センタリン グばね19の二つの係止部19a(図12a参照)間に挿 配置されて係止され、残り二つの爪部14gは 後述するブレーキ側外輪23(図16b参照)の端面 接触した状態でレバー側外輪14の回転によ そのブレーキ側外輪23の端面上を摺動し、カ バー24の外周に設けられた回転ストッパとし の二つの係止部24e,24f(図17b参照)と回転方向 当接可能とすることで、操作レバーの操作 度を規制するようにしている。

 また、レバー側外輪14の外周には、レバ 側側板13の爪部13b(図6aおよび図6b参照)が挿入 される複数(図では5つ)の切欠き凹部14eが形成 されている。この切欠き凹部14eに挿入された レバー側側板13の爪部13bを加締めることによ レバー側側板13とレバー側外輪14が連結され ている。レバー側外輪14とそのレバー側外輪1 4に加締め固定されたレバー側側板13とでレバ ー側クラッチ部11の入力側部材を構成してい 。

 図8aおよび図8bは内輪15を示す。この内輪1 5は、出力軸22が挿通される有底の筒状部15bの 外径にレバー側外輪14のカム面14aとの間に楔 きま20(図4参照)を形成する外周面15aを備え いる。また、筒状部15bの端部に拡径部15cが 体的に形成され、その拡径部15cに、ブレー 側クラッチ部12の保持器として機能させるた め、円筒ころ27および板ばね28を収容するポ ット15eが円周方向等間隔に形成されている なお、図中の符号15dは、出力軸22の突起22f( 1参照)がクリアランスをもって挿入される孔 である。

 ところで、特許文献1に開示された従来の クラッチユニットにおける内輪115は、内径に 出力軸122が挿通された筒状部115bを有する(図3 0参照)。また、この内輪115の外径とレバー側 輪114の内径との間に配設された円筒ころ116 係合・離脱によりレバー側外輪114からの入 トルクの伝達・遮断を制御するようにして る。

 このように内輪115の筒状部115bの内径に出 力軸122が挿通され、その外径に円筒ころ116が 配設されることから、筒状部115bの内外径の 度を確保するため、内輪115を製作するに際 ては、軸方向に長い筒状部を所定の軸方向 法で切削するようにしていた。そのため、 輪115の製作に際して切削工程を必要として たことから、内輪115を製作する上でコスト 減を図ることが困難であった。

 また、筒状部115bの内径に出力軸122を挿通 した構造としていることから、筒状部115bの 径の軸方向全周で出力軸122を案内する。そ 結果、内輪115と出力軸122を組み付けるに際 て、出力軸122の外径に打ち傷などの突起が 在すると、内輪115の筒状部115bの内径に出力 122を挿入することが困難になる場合もあっ 。

 そこで、この実施形態では、図8aおよび図8b に示すように、筒状部15bの底部をプレスによ り打ち抜き加工することでその底部に出力軸 22(後述のレバー側軸部22c 1 )が回転可能に挿通される孔15fを形成してい 。この孔15fの内径面は、回転可能な出力軸22 の案内面となっている。筒状部15bの内径寸法 は出力軸22の外径寸法よりも大きく設定され これにより、筒状部15bの内径と出力軸22の 径との間に隙間mが形成されている。なお、 の内輪15は、前述したように筒状部15bの底 をプレスにより打ち抜き加工することでそ 底部に出力軸22が回転可能に挿通される孔15f を形成していることから、内輪15を製作する で従来のような切削工程を必要としないた 、その内輪15を製作する上でのコスト低減 図ることができ、安価なクラッチユニット 提供できる。

 この内輪15は、図20aおよび図20bに示すよ に、その拡径部15c側から筒状部15bの底部の 15fに出力軸22を挿入することにより組み付け られる。この時、出力軸22が筒状部15bの孔15f 挿入し易いように、孔15fの内側周縁部に面 り15gが施されている。この面取り15gが出力 22の挿入時の案内面となっている。また、 状部15bの内径寸法を出力軸22の外径寸法より も大きくすることにより筒状部15bの内径と出 力軸22の外径との間に隙間mを形成することで 、出力軸22の外径面に打ち傷などの突起があ たとしても、筒状部15bへの出力軸22の挿入 可能であり、組み立て性の向上を図ってい 。

 図9および図10a~図10eは樹脂製の保持器17を 示す。この保持器17は、円筒ころ16を収容す 複数のポケット17aが円周方向等間隔に形成 れた円筒状部材である。この保持器17の一方 の端部には、二つの切欠き凹部17bが形成され 、それぞれの切欠き凹部17bの隣接する二つの 端面17cに前述の内側センタリングばね18の係 部18aが係止される(図10b参照)。

 図11aおよび図11bは内側センタリングばね1 8を示す。この内側センタリングばね18は、径 方向内側に屈曲させた一対の係止部18aを有す る断面円形のC字状ばね部材からなり、外側 ンタリングばね19の内径側に位置する(図1参 )。この内側センタリングばね18は、保持器1 7とブレーキ側クラッチ部12の静止側部材であ るカバー24との間に配設され(図21aおよび図21b 参照)、両係止部18aが保持器17の二つの端面17c (図9および図10b参照)に係止されると共にカバ ー24に設けられた爪部24b(図17aおよび図17b参照 )に係止されている。

 この内側センタリングばね18では、レバ 側外輪14からの入力トルクの作用時、一方の 係止部18aが保持器17の一方の端面17cに、他方 係止部18aがカバー24の爪部24bにそれぞれ係 するので、レバー側外輪14の回転に伴って内 側センタリングばね18が押し拡げられて弾性 が蓄積され、レバー側外輪14からの入力ト クの開放時、その弾性復元力により保持器17 を中立状態に復帰させる。

 図9、図10bおよび図10dに示すように内側セ ンタリングばね18の係止部18aが係止される保 器17の端面17cに、内側センタリングばね18の 係止部18aを抱え込む引掛かり部17dを周方向に 突設している。この内側センタリングばね18 、前述したように保持器17とカバー24との間 に組み付けられるが、その組み付け公差上、 保持器17がカバー24から離間するように軸方 移動することがある。その場合、内側セン リングばね18が保持器17とカバー24との間の 間に潜り込もうとするが、引掛かり部17dが 設されていることから、内側センタリング ね18の係止部18aが保持器17の端面17cから軸方 に抜脱しようとしても、その係止部18aの抜 を引掛かり部17dで阻止することができる。 の結果、内側センタリングばね18の係止部18 aを保持器17の端面17cに係止させた状態を維持 することが容易となり、その内側センタリン グばね18の機能を確実に発揮させることがで る。

 この内側センタリングばね18が断面円形 を有することから、その内側センタリング ね18の係止部18aと接触する保持器17の端面17c 断面R形状としている。このように、保持器 17の端面17cを内側センタリングばね18の係止 18aの外径形状に合致した断面R形状とするこ で、内側センタリングばね18の係止部18aが 持器17の端面17cに接触する当接状態を安定化 させることができる。

 また、保持器17の端面17cに突設された引 かり部17dの突出寸法tは内側センタリングば 18の線径の1/6~1/3とする。このように寸法を 定することにより、内側センタリングばね1 8の係止部18aが保持器17の端面17cから軸方向に 抜脱することを確実に阻止できると共に、内 側センタリングばね18を保持器17に組み付け に際して引掛かり部17dを乗り越えさせて内 センタリングばね18の係止部18aを保持器17の 面17cに軸方向から挿入することが容易とな 。

 なお、引掛かり部17dの突出寸法tが内側セ ンタリングばね18の線径の1/6よりも小さいと 内側センタリングばね18の係止部18aが保持 17の端面17cから軸方向に抜脱し易くなり、逆 に、1/3よりも大きいと、内側センタリングば ね18を保持器17に組み付けるに際して引掛か 部17dを乗り越えさせて内側センタリングば 18の係止部18aを保持器17の端面17cに軸方向か 挿入することが困難となる。

 なお、保持器17の端面17cに突設された引 かり部17dの先端面17eは保持器17の軸方向と平 行に形成されているが、例えば45°程度の角 で端面17cから前方へ延びるテーパ状の傾斜 とすることも可能である。また、図10eに示 ように、引掛かり部17dの先端面17eの突端に 取り部17fを形成すれば、内側センタリング ね18を保持器17に組み付けるに際して引掛か 部17dを容易に乗り越えさせることができる で、内側センタリングばね18の係止部18aを 持器17の端面17cに軸方向から挿入することが より一層容易となる。

 図12aおよび図12bは外側センタリングばね1 9を示す。この外側センタリングばね19はC字 をなし、その両端を径方向外側に屈曲させ 一対の係止部19aを有する帯板状ばね部材で り、内側センタリングばね18の外径側に位置 する(図1参照)。また、外側センタリングばね 19は、後述するようにカバー24の入力側端面 設けられた立ち上がり部24g(図1参照)により 方向位置が規制された状態で、カバー24とレ バー側外輪14との間に形成された空間に配置 れている。

 外側センタリングばね19は、レバー側ク ッチ部11のレバー側外輪14とブレーキ側クラ チ部12のカバー24との間に配設され、図23に すように両係止部19aがレバー側外輪14に設 られた爪部14fに係止されると共にカバー24に 設けられた爪部24dに係止されている(図7a~図7c 、図17aおよび図17b参照)。この係止部19aは、 側センタリングばね18の係止部18aに対して円 周方向の位相(180°)をずらせて配置されてい 。

 この外側センタリングばね19では、レバ 側外輪14から入力トルクが作用してレバー側 外輪14が回転した場合、一方の係止部19aがレ ー側外輪14の爪部14fに、他方の係止部19aが バー24の爪部24dにそれぞれ係合するので、レ バー側外輪14の回転に伴って外側センタリン ばね19が押し拡げられて弾性力が蓄積され レバー側外輪14からの入力トルクを開放する と、その弾性復元力によりレバー側外輪14を 立状態に復帰させる。

 なお、外側センタリングばね19が円周方 に押し拡げられる際に、その係止部19aに径 向外側への力が作用し、外側センタリング ね19が径方向に位置ずれしようとする。しか しながら、この外側センタリングばね19はカ ー24の立ち上がり部24gにより径方向に位置 制されているため(図17a、図17bおよび図23参 )、その径方向への位置ずれを未然に防止で 、外側センタリングばね19を確実に安定し 作動させることが可能となる。

 図13および図14a~図14cは出力軸22を示す。こ 出力軸22は、レバー側クラッチ部11の側に位 するレバー側軸部22c 1 と、ブレーキ側クラッチ部12の側に位置する レーキ側軸部22c 2 と、それらレバー側軸部22c 1 とブレーキ側軸部22c 2 との間に配置され、径方向外側に延びて拡径 した大径部22dとを一体的に形成した鍛造部品 である。このブレーキ側軸部22c 2 の先端には、シートリフタ部41と連結するた のピニオンギヤ41gが一体的に形成されてい 。

 大径部22dの外周面には複数(例えば6つ)の 坦なカム面22aが円周方向等間隔に形成され ブレーキ側外輪23の内周面23bとの間で設け れた楔すきま26(図5参照)に二つの円筒ころ27 よび板ばね28がそれぞれ配されている。こ 大径部22dの一方の端面には、摩擦リング29が 収容配置される環状凹部22bが形成されている 。また、図中の符号22fは、大径部22dの他方の 端面に形成された突起で、内輪15の孔15dにク アランスをもって挿入される(図1、図8aおよ び図8b参照)。

 レバー側軸部22c 1 、大径部22dおよびブレーキ側軸部22c 2 からなる出力軸22を鍛造により製作するに際 ては、まず、図22aに示すようにレバー側軸 22c 1 を固定側の金型50aで成形すると共にブレーキ 側軸部22c 2 を可動側の金型50bで成形することになる。こ の時、大径部22dとなる部分がフランジ状に形 成され、その後、図22bに示すようにレバー側 軸部22c 1 を支持する固定側の金型50cに対して、ブレー キ側軸部22c 2 を支持する可動側の金型50dで大径部22dを成形 する。その場合、レバー側軸部22c 1 とブレーキ側軸部22c 2 とで同軸ずれが生じる可能性があるため、そ の鍛造後にブレーキ側軸部22c 2 を後加工として旋盤加工する。

 この鍛造後の後加工としての旋盤加工をブ ーキ側軸部22c 2 に施すことにより、レバー側軸部22c 1 とブレーキ側軸部22c 2 との同軸度を確保する。このようにしてレバ ー側軸部22c 1 とブレーキ側軸部22c 2 との同軸度を確保できれば、そのブレーキ側 軸部22c 2 が挿通されるブレーキ側側板25の孔25b(図18aお よび図18b参照)に対する位置決め精度が向上 る。つまり、レバー側軸部22c 1 とブレーキ側軸部22c 2 との同軸度の確保により、レバー側軸部22c 1 の回転に対してブレーキ側軸部22c 2 が偏心回転することを回避することができる 。その結果、ブレーキ側側板25の孔25bに挿通 れたブレーキ側軸部22c 2 がブレーキ側側板25に接触することによる抵 を小さくすることができ、レバー側クラッ 部11でのレバー操作トルクが増大すること 抑制できる。

 また、この出力軸22は、前述したように、 周面に複数(例えば6つ)の平坦なカム面22aと レバー側軸部22c 1 側の端面に複数(例えば6つ)の突起22fとを有す る。出力軸22を鍛造により製作するに際して 、図22bに示すようにこれら複数のカム面22a 突起22fとをレバー側軸部22c 1 を成形する固定側の金型50cでもって同時に成 形する。つまり、この固定側の金型50cは、大 径部22dのカム面22aを成形する周壁部50c 1 と、突起22fを成形するための凹部50c 2 とを有する。

 このように複数のカム面22aと突起22fを一つ 金型50cの周壁部50c 1 および凹部50c 2 で同時成形することにより、カム面22aと突起 22fとの相対的な位置関係にずれが生じにくい 。つまり、レバー側クラッチ部11からブレー 側クラッチ部12へのトルク伝達時、カム面22 a上で係合する円筒ころ27が楔すきま26から離 することより出力軸22のロック状態が解除 れた上で、内輪15の孔15dと出力軸22の突起22f のクリアランスが詰まって内輪15が出力軸22 の突起22fと回転方向で当接するように、カム 面22aと突起22fとの相対的な位置関係が設定さ れている。従って、カム面22aと突起22fとの相 対的な位置関係にずれが生じにくくなれば、 出力軸22のロック状態が解除した後に内輪15 孔15dと出力軸22の突起22fとを確実に当接させ ることができ、スムーズなトルク伝達が可能 となる。

 図15a~図15dは断面N字形の板ばね28を示す。 この板ばね28は、図15a~図15cに示すように、一 方の曲成部28aと他方の曲成部28bとで異なる大 きさのR形状としている。図15a~図15cでは、例 ば、一方の曲成部28aを小さなR形状、他方の 曲成部28bを大きなR形状とした場合を例示し いる。

 このように、一方の曲成部28aと他方の曲 部28bとで異なる大きさのR形状とすることに より、板ばね28の運搬時などの取り扱いで、 15dに示すように複数の板ばね28を上下に重 合わせる場合、一方の曲成部28aと他方の曲 部28bとが上下方向で交互に位置するように 数の板ばね28を重ね合わせれば、その上下方 向で接する一方の曲成部28aと他方の曲成部28b とのR形状の大きさが異なることから、それ 曲成部28a,28b同士が嵌まり込むことなく、こ 板ばね28のブレーキ側クラッチ部12への組み 付け時に分離させる作業が容易となる。

 また、板ばね28は、一方の曲成部28aが位 する側の端部の板幅方向両端に面取り28cを 成している。板ばね28の運搬時、一方の曲成 部28aが位置する側の端部を下にした状態(図15 a~図15cの状態)で板ばね28を搬送路上に載置し 図15a中の矢印の方向に移動させる場合、一 の曲成部28aが位置する側の端部が搬送路上 摺接した状態となるが、その一方の曲成部2 8aが位置する側の端部に面取り28cを形成して ることにより、搬送路上で引っ掛かること く、その搬送路上での板ばね28の移送をス ーズに行える。

 なお、前述の場合、一方の曲成部28aが位 する側の端部の板幅方向両端に面取り28cを 成しているが、他方の曲成部28bが位置する の端部の板幅方向両端にも面取りを形成す ようにしてもよい。その場合、板ばね28の 下向きにかかわりなく、板ばね28をスムーズ に移動させることができる。

 図16a~図16cおよび図17a~図17cはブレーキ側 輪23およびそのカバー24を示す。ブレーキ側 輪23は、一枚の素材をプレスで打ち抜き加 した厚肉の板状部材であり、カバー24は、一 枚の別素材をプレス加工により成形したもの である。図18aおよび図18bはブレーキ側側板25 示す。前述のブレーキ外輪23とカバー24は、 このブレーキ側側板25により一体的に加締め 定される。なお、図中の符号25bは出力軸22 挿通された孔、符号25cは後述の摩擦リング29 の突起29aが嵌合する孔である。

 ブレーキ側外輪23の外周には複数(3個)の 欠き凹部23aが形成されると共に、これら切 き凹部23aに対応させて、カバー24の外周にも 複数(3個)の切欠き凹部24aが形成されている。 これら切欠き凹部23a,24aにブレーキ側側板25の 爪部25aが挿入される(図21a、図21bおよび図24a 照)。これら切欠き凹部23a,24aに挿入されたブ レーキ側側板25の爪部25aを加締めることによ ブレーキ外輪23とカバー24を連結してブレー キ側側板25と共に一体化する(図24b参照)。こ ブレーキ側側板25の爪部25aの加締めは、図24a および図24bに示すようにその爪部25aの二股状 先端部を外側へ拡開させることにより行われ る。

 ブレーキ側外輪23の切欠き凹部23aおよびカ ー24の切欠き凹部24aは、図16a~図16cおよび図17 a~図17cに示すようにその対向する両側端面23a 1 ,24a 1 が径方向に対して所定の角度θをなすように ーパ状となっている。つまり、切欠き凹部2 3aの両側端面23a 1 と切欠き凹部24aの両側端面24a 1 とは、径方向外側に向けて近接する方向に傾 斜するテーパ状をなし、両側端面23a 1 ,24a 1 の幅寸法は、径方向外側に向けて漸減するよ うになっている。

 このように、ブレーキ側外輪23の切欠き凹 23aの両側端面23a 1 およびカバー24の切欠き凹部24aの両側端面24a 1 をテーパ状としたことにより、それら切欠き 凹部23a,24aに挿入されたブレーキ側側板25の爪 部25aが径方向外側に移動する量を軽減させる ことができ、そのブレーキ側側板25の爪部25a 切欠き凹部23a,24aから抜け出ることを未然に 防止している。

 また、ブレーキ側外輪23の切欠き凹部23aお びカバー24の切欠き凹部24aには、その底面に 台形状の受け部23a 2 ,24a 2 を設けている。このような台形状の受け部23a 2 ,24a 2 を設けることにより、切欠き凹部23a,24aに挿 されたブレーキ側側板25の爪部25aが径方向内 側に移動することを規制することができる。 なお、ブレーキ側外輪23の切欠き凹部23aの底 でブレーキ側側板25側の端縁に面取り23a 3 を形成することが好ましい(図16a参照)。この 取り23a 3 は、ブレーキ側側板25の爪部25aの曲げ根元部 の逃げとなることから、ブレーキ側側板25 爪部25aを受け部23a 2 ,24a 2 に確実に当接させることができて径方向内側 への移動を確実に規制できる。

 前述したように、カバー24と共に一体化 れるブレーキ側外輪23およびブレーキ側側板 25は、隙間なく密着した状態で組み立てる必 がある。一方、ブレーキ側外輪23は一枚の 材をプレスで打ち抜き加工した厚肉の板状 材であることから、その内外径エッジ部に リが存在することがある。

 そこで、図18aおよび図18bに示すようにブ ーキ側側板25のブレーキ側外輪23との対向面 に、ブレーキ側外輪23に存在するバリを逃げ ための環状凹溝25m,25nを形成している。径方 向内側に位置する内側凹溝25mは、ブレーキ側 外輪23の内径エッジ部に対応する位置に設け れ、径方向外側に位置する外側凹溝25nは、 レーキ側外輪23の外径エッジ部に対応する 置に設けられている。

 このように、ブレーキ側側板25のブレー 側外輪23と対向する面に内側凹溝25mおよび外 側凹溝25nを形成したことにより、ブレーキ側 外輪23の内外径エッジ部にバリが存在しても そのバリを内側凹溝25mおよび外側凹溝25nに 容することができて、バリの挟み込み等が くなり、ブレーキ側外輪23とブレーキ側側 25とを隙間なく密着した状態で組み立てるこ とができる(図25aおよび図25b参照)。その結果 従来行っていたブレーキ側外輪23のバリ取 工程が不要となり、ブレーキ側外輪23を製作 する上でのコスト低減化が図れると共にブレ ーキ側側板25とブレーキ側外輪23との組み付 性も向上する。

 ブレーキ側外輪23の内周面23bと出力軸22の カム面22aとの間に楔すきま26が形成されてい (図5参照)。カバー24には軸方向に突出する 部24bが形成され、その爪部24bをレバー側ク ッチ部11の内側センタリングばね18の二つの 止部18a間に配置している(図11bおよび図23参 )。

 このカバー24の爪部24bは、その爪部形成 置の外径側を面起こしすることにより形成 れている。カバー24の外周には軸方向に突出 する爪部24dが形成されている。この爪部24dは 、レバー側クラッチ部11の外側センタリング ね19の二つの係止部19a間に配置される(図12a よび図23参照)。このカバー24の外周内側に 、打ち抜き孔24cと同心状に立ち上がり部24g 形成されており、この立ち上がり部24gによ 外側センタリングばね19の径方向位置を規制 している。

 カバー24の外周には二組の係止部24e,24fが 付き加工により形成されている(図21aおよび 図21b参照)。これら係止部24e,24fは、カバー24 ブレーキ側外輪23の端面に接触した状態でレ バー外輪14の回転によりそのブレーキ側外輪2 3の端面上を摺動する爪部14gと回転方向で当 可能とすることで、操作レバーの操作角度 規制する回転ストッパとして機能する。つ り、操作レバーの操作によりレバー外輪14が 回転すれば、その爪部14gがカバー24の係止部2 4eと24fとの間でカバー24の外周に沿って移動 ることになる。

 ブレーキ側側板25の外周には、シートリ タ部へのクラッチ取付部として、一つのフ ンジ部25eと二つのフランジ部25fが設けられ いる(図2~図4参照)。これら三つのフランジ部 25e,25fの先端部には、シートリフタ部への取 用孔25g,25hが穿設されてその取付孔25g,25hを囲 撓するように円筒部25i,25jが軸方向に突設さ ている。

 図19a~図19cは樹脂製の摩擦リング29を示す 摩擦リング29の端面には、その円周方向に って等間隔に円形の突起29aが複数個設けら 、この突起29aをブレーキ側側板25の孔25cに圧 入して嵌合させることによりブレーキ側側板 25に固着される(図1および図3参照)。

 この突起29aの圧入時、樹脂材による突起2 9aの弾性変形でもって孔25cとの嵌合状態が得 れる。このように突起29aと孔25cの圧入嵌合 造を採用することにより、搬送時などの取 扱いで摩擦リング29がブレーキ側側板25から 脱落することを未然に防止でき、組立時のハ ンドリング性を向上させることができる。

 この摩擦リング29は出力軸22の大径部22dに 形成された環状凹部22bの内周面22eに締め代を もって圧入される(図14aおよび図14b参照)。摩 リング29の外周面29cと出力軸22の環状凹部22b の内周面22eとの間に生じる摩擦力によって、 出力軸22に回転抵抗が付与される。この回転 抗の付与により、静止側部材であるブレー 側側板25と出力軸22との間で生じる急激な滑 りによるスティックスリップ音を未然に防止 するようにしている。この回転抵抗の大きさ は、出力軸22に入力される逆入力トルクの大 さを勘案して適宜設定すればよい。

 この摩擦リング29の外周面29cには、複数 凹溝状のスリット29bが円周方向等間隔に形 されている(図5参照)。このようにスリット29 bを設けることにより、摩擦リング29に弾性を 持たせることができることから、出力軸22の 径公差および摩擦リング29の外径公差に対 る摺動トルクの変化率が大きくなることは い。

 つまり、摩擦リング29の外周面29cと出力 22の環状凹部22bの内周面22eとの間に生じる摩 擦力によって付与される回転抵抗の設定範囲 を小さくすることができて回転抵抗の大きさ を適正に設定することが容易となる。また、 そのスリット29bがグリース溜まりとなるので 摩擦リング29の外周面29cが出力軸22の環状凹 22bの内周面22eとの摺動で摩耗することを抑 できる。

 以上の構成からなるクラッチユニットXに おけるレバー側クラッチ部11およびブレーキ クラッチ12の動作を説明する。

 レバー側クラッチ部11では、レバー側外 14に入力トルクが作用すると、円筒ころ16が のレバー外輪14と内輪15間の楔すきま20に係 し、その円筒ころ16を介して内輪15にトルク が伝達されて内輪15が回転する。この時、レ ー側外輪14および保持器17の回転に伴って両 センタリングばね18,19に弾性力が蓄積される その入力トルクがなくなると、両センタリ グばね18,19の弾性力によりレバー側外輪14お よび保持器17が中立状態に復帰する一方で、 輪15は、与えられた回転位置をそのまま維 する。従って、このレバー側外輪14の回転繰 り返し、つまり、操作レバーのポンピング操 作により、内輪15は寸動回転する。

 ブレーキ側クラッチ部12では、出力軸22に 逆入力トルクが入力されると、円筒ころ27が の出力軸22とブレーキ側外輪23間の楔すきま 26と係合して出力軸22がブレーキ側外輪23に対 してロックされる。従って、出力軸22からの 入力トルクは、ブレーキ側クラッチ部12に ってロックされてレバー側クラッチ部11への 逆入力トルクの還流が遮断される。

 一方、レバー側外輪14からの入力トルク レバー側クラッチ部11を介して内輪15に入力 れ、内輪15が円筒ころ27と当接して板ばね28 弾性力に抗して押圧することにより、その 筒ころ27が楔すきま26から離脱して出力軸22 ロック状態が解除され、出力軸22は回転可 となる。内輪15がさらに回転すると、内輪15 孔15dと出力軸22の突起22fとのクリアランス 詰まって内輪15が出力軸22の突起22fと回転方 で当接することにより、内輪15からの入力 ルクが突起22fを介して出力軸22に伝達され、 出力軸22が回転する。

 以上で詳述した構造を具備するクラッチ ニットXは、例えば自動車用シートリフタ部 に組み込まれて使用される。図26は自動車の 員室に装備される座席シート40を示す。座 シート40は着座シート40aと背もたれシート40b とで構成され、着座シート40aの高さHを調整 るシートリフタ部41などを備えている。着座 シート40aの高さHの調整はシートリフタ部41の 操作レバー41aによって行う。

 図27aはシートリフタ部41の一構造例を概念 に示す。シートスライドアジャスタ41bのス イド可動部材41b 1 にリンク部材41c,41dの一端がそれぞれ回動自 に枢着される。リンク部材41c,41dの他端はそ ぞれ着座シート40aに回動自在に枢着される リンク部材41cの他端はリンク部材41eを介し セクターギヤ41fに回動自在に枢着される。 クターギヤ41fは着座シート40aに回動自在に 着され、支点41f 1 回りに揺動可能である。リンク部材41dの他端 は着座シート40aに回動自在に枢着される。

 前述した実施形態のクラッチユニットXは 、着座シート40aの適宜の部位に固定される。 このクラッチユニットXの着座シート40aへの 定は、ブレーキ側側板25の三つのフランジ部 25e,25fを、その円筒部25i,25jの先端部分を外側 拡径させるように塑性変形させることで着 シート40aのシートフレーム40c(図28参照)に加 締め固定する。

 一方、レバー側クラッチ部11のレバー側側 13に例えば樹脂製の操作レバー41aが結合され 、ブレーキ側クラッチ部12の出力軸22に回転 材であるセクターギヤ41fと噛合するピニオ ギヤ41gが設けられている。このピニオンギ 41gは、図1、図14aおよび図14bに示すように出 軸22のブレーキ側軸部22c 2 の先端に一体的に形成されている。

 前述したシートフレーム40cには、図28に示 ように、出力軸22の先端軸部22c 3 が挿通される孔40c 1 が形成され、その孔40c 1 の周縁部に弾性部40c 2 が形成されている。この弾性部40c 2 は、シートフレーム40cの孔40c 1 の周縁部を軸方向外側へ向けて屈曲させ、さ らに、軸方向内側へ向けて折り返すように成 形することによりU字状をなす。つまり、弾 部40c 2 は、外側筒状部40c 21 とそれに連設された内側筒状部40c 22 とで構成される。

 このような弾性部40c 2 を設けたことにより、出力軸22がレバー側軸 22c 1 を中心に回転した場合、ブレーキ側軸部22c 2 が偏心回転したとしても、弾性部40c 2 の弾性変形によりブレーキ側軸部22c 2 の偏心量を吸収し、シートフレーム40cの弾性 部40c 2 と出力軸22の先端軸部22c 3 との接触による抵抗を小さくすることができ 、レバー側クラッチ部11でのレバー操作トル が増大することを抑制できる。

 なお、前述した弾性部40c 2 は、シートフレーム40cの他の部分よりも薄肉 にすることが有効である。この弾性部40c 2 を薄肉とすれば、その弾性変形が容易となり 、シートフレーム40cの弾性部40c 2 と出力軸22の先端軸部22c 3 との接触による抵抗をより一層小さくするこ とができる。また、弾性部40c 2 における外側筒状部40c 21 と内側筒状部40c 22 との間のすきま量sは、出力軸22の先端軸部22c 3 の偏心予想量と同等に設定すればよい。

 前述のシートフレーム40cでは、弾性部40c 2 を一体的に形成した場合について説明したが 、図29に示すように、弾性部40c 3 をシートフレーム40cとは別体で設けることも 可能である。この弾性部40c 3 は、外側筒状部40c 31 とその一端を内側に折り返すように連設され た内側筒状部40c 32 と、外側筒状部40c 31 の他端を外側に屈曲させるように連設された フランジ部40c 33 とからなり、可撓性を有する鉄系部材で構成 される。

 弾性部40c 3 は、外側筒状部40c 31 をシートフレーム40cの孔40c 4 に圧入することにより装着するか、あるいは 、フランジ部40c 33 をシートフレーム40cの孔40c 4 の周縁部に溶接することにより装着すること が可能である。なお、この弾性部40c 3 の作用効果については、図28の弾性部40c 2 と同等であるため、重複説明は省略する。

 図27bにおいて、操作レバー41aを反時計方 (上側)に揺動操作すると、その方向の入力 ルクがクラッチユニットXを介してピニオン ヤ41gに伝達され、ピニオンギヤ41gが反時計 向に回動する。そして、ピニオンギヤ41gと 合するセクターギヤ41fが時計方向に揺動し 、リンク部材41cの他端をリンク部材41eを介 て引っ張る。その結果、リンク部材41cとリ ク部材41dが共に起立して、着座シート40aの 面が高くなる。

 このようにして、着座シート40aの高さHを 調整した後、操作レバー41aを開放すると、操 作レバー41aが二つのセンタリングばね18,19の 性力によって時計方向に回動して元の位置( 中立状態)に戻る。なお、操作レバー41aを時 方向(下側)に揺動操作した場合は、上記とは 逆の動作によって、着座シート40aの座面が低 くなる。また、高さ調整後に操作レバー41aを 開放すると、操作レバー41aが反時計方向に回 動して元の位置(中立状態)に戻る。

 本発明は前述した実施形態に何ら限定さ るものではなく、本発明の要旨を逸脱しな 範囲内において、さらに種々なる形態で実 し得ることは勿論のことであり、本発明の 囲は、特許請求の範囲によって示され、さ に特許請求の範囲に記載の均等の意味、お び範囲内のすべての変更を含む。




 
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