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Patent Searching and Data


Title:
COATING COMPOSITION AND COATED ARTICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028385
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a coating composition having good storage stability and excellent film-forming properties. Specifically disclosed is a coating composition characterized by containing a melt-processable fluororesin (a), a nonionic surfactant (b) and a water-soluble polyhydric alcohol (c) having a boiling point not lower than 100˚C and containing two or more hydroxy groups. This coating composition is also characterized in that a fluorine-containing surfactant (d) is contained in an amount of less than 500 ppm relative to the mass of the solid content of the fluororesin (a).

Inventors:
YAMAGUCHI SEITARO (JP)
TORII HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064883
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
YAMAGUCHI SEITARO (JP)
TORII HIROSHI (JP)
International Classes:
C09D127/12; C09D7/12; C09D127/18
Domestic Patent References:
WO2003011991A12003-02-13
WO2003006565A12003-01-23
WO1994005729A11994-03-17
WO2006109854A12006-10-19
WO2005056614A12005-06-23
Foreign References:
JP2003041126A2003-02-13
JPH11241045A1999-09-07
JPH11513052A1999-11-09
JP2006522836A2006-10-05
JP2006188703A2006-07-20
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara 3-chome, Yodogawa-ku, Osaka-sh, Osaka 03, JP)
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Claims:
溶融加工可能なフッ素樹脂(a)、ノニオン界面活性剤(b)、及び、沸点が100℃以上でかつ水酸基を2個以上有する水溶性の多価アルコール(c)を含み、含フッ素界面活性剤(d)の含有量が、前記フッ素樹脂(a)の固形分質量に対して500ppm未満であることを特徴とする被覆用組成物。
溶融加工可能なフッ素樹脂(a)は、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体よりなる群から選択される少なくとも一種の共重合体からなるものである請求項1記載の被覆用組成物。
ノニオン界面活性剤(b)は、下記一般式(I):
R-O-A-H     (I)
(式中、Rは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8~19の飽和又は不飽和の非環式脂肪族炭化水素基、又は、炭素数8~19の飽和環式脂肪族炭化水素基を表す。Aはオキシエチレンユニットを3~25個及びオキシプロピレンユニットを0~5個有するポリオキシアルキレン鎖を表す。)で表されるノニオン界面活性剤である請求項1又は2記載の被覆用組成物。
多価アルコール(c)は、エチレングリコールである請求項1、2又は3記載の被覆用組成物。
含フッ素界面活性剤(d)は、パーフルオロオクタン酸又はその塩である請求項1、2、3又は4記載の被覆用組成物。
請求項1、2、3、4又は5記載の被覆用組成物を塗装することにより得られることを特徴とする被覆物品。
Description:
被覆用組成物及び被覆物品

本発明は、被覆用組成物及び被覆物品に関 する。

フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬品性、撥水撥 油性、離型性、摺動性等に優れている。この ことから、フッ素樹脂は、成形金型離型材、 オフィスオートメーション〔OA〕機器用ロー 、アイロン等の家庭用品、フライパンやホ トプレート等の厨房器具、食品工業、電気 業、機械工業等の分野で被覆材として用い れている。

従来のフッ素樹脂の被覆用組成物は、物品 表面に塗布して乾燥させるとき、溶剤や水の 蒸散に伴って塗膜が収縮することによりマッ ドクラックが発生する問題があった。

マッドクラックを防止した組成物として、フ ッ素樹脂の水性分散体組成物に対して、非溶 融粘度が0.3×10 4 ~5×10 4 ポイズ、平均粒径が0.3~1μmのコロイド状共重 体粒子を主成分として含む共重合体樹脂水 分散液組成物(例えば、特許文献1参照。)、5 0%分解温度が250℃以上である脂肪族系ポリオ シアルキレンエーテル分散剤を配合した含 ッ素樹脂水性分散体組成物が提案されてい (例えば、特許文献2参照。)。

しかしながら、これらの組成物であっても 造膜性は不充分であり、貯蔵安定性も充分で ない問題があった。また、含フッ素アニオン 性界面活性剤を削減することについては記載 されていない。

造膜性と貯蔵安定性を改善した組成物とし て、フッ素樹脂粒子、高沸点多価アルコール 、解重合性アクリル樹脂粒子、非イオン系界 面活性剤、及び、水性媒体を含むフッ素樹脂 コーティング用水性分散組成物が提案されて いる(例えば、特許文献3参照。)。しかしなが ら、含フッ素アニオン性界面活性剤を削減す ることや、溶融加工可能なフッ素樹脂を使用 することについては記載されていない。

含フッ素アニオン性界面活性剤の削減に関 して、アニオン交換樹脂と接触させることに よってフッ素化界面活性剤を低減した水性フ ルオロポリマー分散体が提案されている(例 ば、特許文献4参照。)。しかしながら、得ら れた水性フルオロポリマー分散体を塗料とし て使用することについては記載されていない 。

特開平61-204253号公報

国際公開第03/106556号パンフレット

国際公開第03/011991号パンフレット

特表2006-522836号公報

本発明の目的は、上記現状に鑑み、貯蔵安 定性がよく、造膜性が優れた被覆用組成物を 提供することにある。

本発明は、溶融加工可能なフッ素樹脂(a)、 ノニオン界面活性剤(b)、及び、沸点が100℃以 上でかつ水酸基を2個以上有する水溶性の多 アルコール(c)を含み、含フッ素界面活性剤(d )の含有量が、フッ素樹脂(a)の固形分質量に して500ppm未満であることを特徴とする被覆 組成物である。

本発明は、上記被覆用組成物を塗装すること により得られることを特徴とする被覆物品で ある。
以下に本発明について詳細に説明する。

本発明の被覆用組成物は、ノニオン界面活 性剤(b)を含有し、かつ、含フッ素界面活性剤 (d)の含有量を一定の値以下(全く含有しない 合を含む)まで低減したものであるので、貯 安定性が極めて優れている。本発明の被覆 組成物は、更に多価アルコール(c)を含むも であるので、造膜性に優れている。すなわ 、本発明は、含フッ素界面活性剤(d)の含有 を低減させ、かつ、ノニオン界面活性剤(b) び多価アルコール(c)を組み合わせたことに って、貯蔵安定性と造膜性の両立を実現し 被覆用組成物である。

フッ素樹脂の分散液においては、一般的に 、含フッ素界面活性剤の含有量を低減すると 貯蔵安定性が低下する。本発明の被覆用組成 物はこのような技術常識に反し、含フッ素界 面活性剤(d)の含有量が特定値以下であること によって優れた貯蔵安定性を示す。この理由 は明確でないが、含フッ素界面活性剤(d)の含 有量を特定値以下とすると、ノニオン界面活 性剤(b)のフッ素樹脂への吸着が妨げられず、 優れた貯蔵安定性を得ることができるものと 考えられる。

上記多価アルコール(c)は、被塗装物を塗布 して乾燥させる場合に、水が蒸発した後にも 塗膜中に残存して、溶剤や水の蒸散に伴う塗 膜の収縮に起因するクラック(いわゆるマッ クラック)を防止する作用を示す。従って、 発明の被覆用組成物は、塗装の際にマッド ラックが生じにくい。また、上記多価アル ール(c)は、焼成時に徐々に分解されるため 塗膜の着色の原因とならない。

上記フッ素樹脂(a)は、溶融加工可能なフッ 素樹脂であれば特に限定されないが、テトラ フルオロエチレン〔TFE〕/ヘキサフルオロプ ピレン〔HFP〕共重合体〔FEP〕、テトラフル ロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ テル〔PAVE〕共重合体〔PFA〕よりなる群から 選択される少なくとも一種の共重合体からな るものであることが好ましい。

上記FEPは、HFP単位が2質量%を超え、20質量% 下であることが好ましく、10~15質量%である とがより好ましい。 

上記PFAにおけるPAVEとしては、炭素数1~6の ルキル基を有するものが好ましく、パーフ オロメチルビニルエーテル、パーフルオロ チルビニルエーテル又はパーフルオロプロ ルビニルエーテルがより好ましい。

上記PFAは、PAVE単位が2.0質量%を超え、5.0質 %以下であることが好ましく、2.5~4.0質量%で ることがより好ましい。

上記FEP、PFAは、それぞれ上述の組成を有す るものであれば、更に、その他の単量体を重 合させたものであってよい。上記その他の単 量体としては、例えば、上記FEPである場合PAV Eが挙げられ、上記PFAである場合HFPが挙げら る。上記その他の単量体は、1種又は2種以上 を用いることができる。

上記その他の単量体は、その種類によって 異なるが、通常、フッ素樹脂の質量の1質量% 下であることが好ましい。より好ましい上 は0.5質量%であり、更に好ましい上限は0.3質 量%である。

上記フッ素樹脂(a)は、平均粒子径が0.01~5μm の粒子であることが好ましい。平均粒子径が 0.01μm未満であると、フッ素樹脂(a)からなる 子の機械的安定性が悪く、被覆用組成物の 械的安定性及び貯蔵安定性が劣るおそれが る。平均粒子径が5μmを超えると、フッ素樹 (a)からなる粒子の均一分散性に欠け、被覆 組成物を用いて塗装する際、表面が平滑な 膜が得られず、塗膜物性が劣るおそれがあ 。より好ましい上限は1.0μmであり、より好 しい下限は0.05μmである。

上記平均粒子径は、透過型電子顕微鏡観察 により測定したものである。

上記機械的安定性は、送液や再分散の際、 ホモジナイザー等による強い攪拌や剪断力を 与えても、再分散不可能な凝集体を生成しに くい性質のことである。

上記フッ素樹脂(a)の製造方法としては特に 限定されないが、生産効率が高く、安定した 生産が可能である点で、含フッ素界面活性剤 (d)の存在下に乳化重合して得られたものであ ることが好ましい。

上記ノニオン界面活性剤(b)としては、ポリ オキシエチレンアルキルフェノール系界面活 性剤(例えばユニオンカーバイド社製のトラ トンX(商品名)等)、ポリオキシエチレンアル ルエーテル系の天然アルコールを原料とし ノニオン界面活性剤が挙げられる。なかで 、構造中にベンゼン環を含んでいない非ア キルフェノール型のノニオン界面活性剤が ましい。

ノニオン界面活性剤(b)は、下記一般式(I):
R-O-A-H     (I)
(式中、Rは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数8~19の 飽和又は不飽和の非環式脂肪族炭化水素基、 又は、炭素数8~19の飽和環式脂肪族炭化水素 を表す。Aはオキシエチレンユニットを3~25個 及びオキシプロピレンユニットを0~5個有する ポリオキシアルキレン鎖を表す。)で表され ノニオン界面活性剤であることが好ましい

上記一般式(I)で表されるノニオン界面活性剤 としては、下記一般式(II):
C x H 2x+1 CH(C y H 2y+1 )C z H 2z O(C 2 H 4 O) n H  (II)
(式中、xは1以上の整数、yは1以上の整数、zは 0又は1、但しx+y+zは8~18の整数、nは4~20の整数 表す。)で表されるポリオキシエチレンアル ルエーテル系界面活性剤、又は、

下記一般式(III):
C x H 2x+1 -O-A-H    (III)
(式中、xは8~18の整数、Aはオキシエチレンユ ットを5~20個及びオキシプロピレンユニット 1又は2個有するポリオキシアルキレン鎖を す。)で表されるポリオキシエチレンアルキ エーテル系界面活性剤が好ましい。

上記ノニオン界面活性剤(b)の添加量は、本 発明の被覆用組成物の分散状態を安定にさせ る量であればよく、例えば、上記フッ素樹脂 (a)に対して好ましくは3~15質量%、より好まし は5~12質量%の量を存在させればよい。

上記ノニオン界面活性剤(b)の含有量(N)は、 試料約1g(Xg)を直径5cmのアルミカップにとり、 100℃にて1時間で加熱した加熱残分(Yg)、更に 得られた加熱残分(Yg)を300℃にて1時間加熱 た加熱残分(Zg)より、式:N=[(Y-Z)/Z]×100(%)から 出するものである。

上記多価アルコール(c)は、沸点が100℃以上 である。沸点が100℃未満であると、乾燥時に 水よりも早く蒸散してしまい、乾燥後に塗膜 中に残存させることができず、造膜性を改善 できない。上記沸点は、乾燥温度以上である ことが好ましく、150℃以上であることがより 好ましく、180℃以上であることが更に好まし い。

上記多価アルコール(c)は、水酸基を2個以 有する水溶性のものである。水酸基の数が1 又はゼロの化合物であって、沸点が100℃以 のものは、親水性に劣るため、均一な混合 困難である。上記多価アルコール(c)は、室 で液体でありマッドクラックの防止効果が い点で、水酸基を2~3個有するものであるこ が好ましい。

上記多価アルコール(c)は、焼成時の加熱に より最終的に蒸散し尽くすか分解揮散し尽く すことが好ましい。従って、沸点又は熱分解 温度がフッ素樹脂の溶融温度以下、好ましく は340℃以下のものが好ましい。

上記多価アルコール(c)としては、例えば、 エチレングルコール(沸点:198℃)、1,2-プロパ ジオール(188℃)、1,3-プロパンジオール(214℃) 、1,2-ブタンジオール(190℃)、1,3-ブタンジオ ル(208℃)、1,4-ブタンジオール(229℃)、1,5-ペ タンジオール(242℃)、2-ブテン-1,4-ジオール(2 35℃)、グリセリン(290℃)、2-エチル-2-ヒドロ シメチル-1,3-プロパンジオール(295℃)、1,2,6- キサントリオール(178℃/5mmHg)、トリエチレ グリコール(288℃)等が挙げられる。なかでも 、造膜性が優れる点でエチレングリコールで あることが好ましい。

多価アルコール(c)の配合量は、上記フッ素 樹脂(a)100質量部に対して5~18質量部であるこ が好ましく、より好ましくは7~15質量部、特 好ましくは7~12質量部である。5質量部未満 あると、マッドクラックの発生防止効果が くなるおそれがあり、18質量部を超えると、 塗膜が白濁するおそれがある。

本発明の被覆用組成物は、含フッ素界面活 性剤(d)の含有量が、フッ素樹脂(a)の固形分質 量に対して500ppm未満である。上記含フッ素界 面活性剤(d)は、上記フッ素樹脂(a)の固形分質 量に対し、200ppm以下であることが好ましく、 100ppm以下であることがより好ましい。上記含 フッ素界面活性剤(d)の含有量が多すぎると、 被覆用組成物の貯蔵安定性が劣る傾向がある 。

本明細書において、上記含フッ素界面活性 剤(d)の含有量は、被覆用組成物に等量のメタ ノールを添加してソックスレー抽出を行った のち、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を以 下の条件にて行うことにより求めることがで きる。なお、含フッ素界面活性剤の含有量算 出にあたり、含有量既知の含フッ素界面活性 剤水溶液について上記溶出液及び条件にてHPL C測定して得られた検量線を用いる。

(測定条件)
カラム;ODS-120T(4.6φ×250mm、東ソー社製)
展開液;アセトニトリル/0.6質量%過塩素酸水溶 液=1/1(vol/vol%)
サンプル量;20μL
流速;1.0ml/分
検出波長;UV210nm
カラム温度;40℃

上記含フッ素界面活性剤(d)は、フッ素原子 を有し、界面活性を示す化合物である。上記 含フッ素界面活性剤(d)としては、パーフルオ ロカルボン酸又はその塩、パーフルオロスル ホン酸又はその塩、フルオロエーテル化合物 等が挙げられる。上記フルオロカルボン酸と しては、例えばパーフルオロオクタン酸等の パーフルオロアルキルカルボン酸が挙げられ る。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、例え ば、米国特許第2713593号明細書、米国特許第54 76974号明細書、特開平10-212261号公報、米国特 出願公開第2007/0015864号明細書、米国特許出 公開第2007/0015865号明細書、米国特許出願公 第2007/0015866号明細書、米国特許出願公開第2 007/0117914号明細書、特開2006-321797号公報、国 公開第2007/046345号パンフレット、国際公開第 2007/046482号パンフレット、特開2002-317003号公 、特開2003-119204号公報、特開2005-036002号公報 国際公開第2005/003075号パンフレットに記載 れたものが挙げられる。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(i)
Rf 1 OCHFCF 2 ORf 2 COOM 1    (i)
(式中、Rf 1 及びRf 2 は部分または全部フッ素置換された、アルキ ル基又はアルコキシ基、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はHを表す。)で表されるフルオロエーテル ルボン酸が挙げられる。

上記一般式(i)で表されるフルオロエーテルカ ルボン酸としては、例えば、CF 3 OCHFCF 2 OCH 2 CF 2 COONH 4 、CF 3 CF 2 OCHFCF 2 OCH 2 CF 2 COONH 4 、CF 3 CF 2 CF 2 OCHFCF 2 OCH 2 CF 2 COONH 4 等が挙げられる。

上記一般式(i)で表されるフルオロエーテルカ ルボン酸は、例えば、下記一般式(1)
HOCH 2 CF 2 COOR 1    (1)
(式中、R 1 はアルキル基又はHを表す。)で表されるヒド キシアルカン酸誘導体を、アルカリ化合物 存在下に、下記一般式(2)
CF 2 =CFORf 1    (2)
(式中、Rf 1 は上記と同じ。)で表されるフルオロビニル ーテルに付加させる工程を含む製造方法に り製造することができる。

上記アルカリ化合物は、アルコラートであ ることが好ましい。上記アルコラートとして は、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリ ウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド等 挙げられる。上記製造方法における反応温 は原料の反応速度に応じて変えることがで るが、反応速度や反応の選択性を考慮する 、通常、0~200℃程度、好ましくは20~100℃程 とすればよい。上記製造方法における圧力 、特に限定されるものではないが、反応速 やフルオロビニルエーテルの重合を防ぐこ を考慮すると0.1~3MPa程度が好ましい。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(ii)
Rf 3 OCF 2 CF 2 ORf 4 COOM 1    (ii)
(式中、Rf 3 及びRf 4 は部分または全部フッ素置換された、アルキ ル基又はアルコキシ基、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はHを表す。)で表されるフルオロエーテル ルボン酸が挙げられる。

上記一般式(ii)で表されるフルオロエーテ カルボン酸は、例えば、上記一般式(i)で表 れるフルオロエーテルカルボン酸をフッ素 接触させることにより製造することができ 。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(iii)
CF 3 (CF 2 ) n OCH 2 CF 2 CF 2 ORf 5 COOM 1    (iii)
(式中、Rf 5 は部分又は全部フッ素置換された炭素数2の ルキル基、nは0又は1、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はHを表す。)で表されるフルオロエーテル ルボン酸が挙げられる。

上記一般式(iii)で表されるフルオロエーテル ルボン酸としては、例えば、CF 3 OCH 2 CF 2 CF 2 OCH 2 CF 2 COONH 4 、CF 3 OCH 2 CF 2 CF 2 OCHFCF 2 COONH 4 、CF 3 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 COONH 4 、CF 3 CF 2 OCH 2 CF 2 CF 2 OCH 2 CF 2 COONH 4 、CF 3 CF 2 OCH 2 CF 2 CF 2 OCHFCF 2 COONH 4 、CF 3 CF 2 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 COONH 4 等が挙げられる。

上記一般式(iii)で表されるフルオロエーテル ルボン酸は、(CF 3 ) n COF 2-n に、テトラフルオロオキセタンを開環付加反 応させ、下記一般式(3-1)
CF 3 (CF 2 ) n OCH 2 CF 2 COF (3-1)
(式中、nは上記と同じ。)で表されるフルオロ カルボン酸フルオライド(3-1)を合成する工程 上記フルオロカルボン酸フルオライド(3-1) 、更にテトラフルオロオキセタンを開環付 反応させ、必要に応じてフッ素化すること より、下記一般式(3-2)
CF 3 (CF 2 ) n OCH 2 CF 2 CF 2 ORf 6 COF (3-2)
(式中、Rf 6 はCH 2 CF 2 、CHFCF 2 又はCF 2 CF 2 を表し、nは上記と同じ。)で表されるフルオ カルボン酸フルオライド(3-2)を合成する工 、及び、上記フルオロカルボン酸フルオラ ド(3-2)の末端-COFを、-COOM 1 に変換する工程を含む方法等により製造する ことができる。

上記一般式(iii)で表されるフルオロエーテル ルボン酸は、また、(CF 3 ) n COF 2-n に、テトラフルオロオキセタンを開環付加反 応させ、下記一般式(3-1)
CF 3 (CF 2 ) n OCH 2 CF 2 COF (3-1)
(式中、nは上記と同じ。)で表されるフルオロ カルボン酸フルオライド(3-1)を合成する工程 上記フルオロカルボン酸フルオライド(3-1) 、ヘキサフルオロエポキシプロパンを開環 加反応させ、下記一般式(3-3)
CF 3 (CF 2 ) n OCH 2 CF 2 CF 2 OCF(CF 3 )COF (3-3)
(式中、nは上記と同じ。)で表されるフルオロ カルボン酸フルオライド(3-3)を合成する工程 及び、上記フルオロカルボン酸フルオライ (3-3)の末端-COFを、-COOM 1 に変換する工程を含む方法等により製造する ことができる。

上記(CF 3 ) n COF 2-n とテトラフルオロオキセタンとの反応は、通 常、温度が-50~50℃、圧力が0~1MPaの条件のもと で1~24時間撹拌しながら行うことができる。
上記(CF 3 ) n COF 2-n とテトラフルオロオキセタンとの反応の進行 具合は、ガスクロマトグラフ等により観測す る。

上記(CF 3 ) n COF 2-n とテトラフルオロオキセタンとの合計モル量 に占める(CF 3 ) n COF 2-n の割合は、9~95モル%の範囲が好ましい。上記( CF 3 ) n COF 2-n の割合は、収率の点で、より好ましい下限を 、15モル%、より好ましい上限を、50モル%とす ることができる。更に好ましい下限は、30モ %、更に好ましい上限は、40モル%である。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(iv)
CF 3 (CF 2 ) n OCFX 1 CF 2 CF 2 ORf 7 COOM 1    (iv)
(式中、Rf 7 は部分又は全部フッ素置換された炭素数2の ルキル基、nは0又は1、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はH、X 1 はH又はFを表す。)で表されるフルオロエーテ ルカルボン酸が挙げられる。

上記一般式(iv)で表されるフルオロエーテ カルボン酸は、例えば、上記一般式(iii)で表 されるフルオロエーテルカルボン酸をフッ素 と接触させることにより製造することができ る。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(v)
Rf 8 OCH 2 CF 2 CF 2 ORf 9 COOM 1    (v)
(式中、Rf 8 は部分又は全部フッ素置換された、アルキル 又はアルコキシ基、Rf 9 は全部フッ素置換された、アルキル又はアル コキシ基、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はHを表す。)で表されるフルオロエーテル ルボン酸が挙げられる。

上記一般式(v)で表されるフルオロエーテルカ ルボン酸としては、例えば、CF 3 CF 2 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 COONH 4 、CF 3 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 COONH 4 、CF 3 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 COONH 4 、CF 3 CF 2 CF 2 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 COONH 4 、CF 3 CF 2 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 COONH 4 、CF 3 CF 2 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 COONH 4 等が挙げられる。

上記一般式(v)で表されるフルオロエーテルカ ルボン酸は、例えば、(α)Rf 10 COF(Rf 10 は、上記Rf 8 基の炭素数が1少ない基)で表されるフッ素含 酸フルオライドに、テトラフルオロオキセ ンを開環付加させることにより、下記一般 (4)
Rf 8 OCH 2 CF 2 COF (4)
(式中、Rf 8 は上記と同じ。)で表されるフルオロカルボ 酸フルオライド(4)を得る工程、(β)アルカリ 属フッ化物の存在下、上記フルオロカルボ 酸フルオライド(4)にテトラフルオロエチレ 〔TFE〕及びヨウ素を付加させて下記一般式( 5)
Rf 8 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 I   (5)
(式中、Rf 8 は上記と同じ。)で表される化合物を得る工 、及び、(γ)上記一般式(5)で表される化合物 、加水分解還元することにより上記一般式( v)で表されるフルオロエーテルカルボン酸を る工程を含む製造方法により製造すること できる。

上記工程(α)のフッ素含有酸フルオライドに トラフルオロオキセタンを開環付加させる 応は、通常、温度が-50~200℃、圧力が0~1MPaの 件のもとで1~24時間撹拌しながら行うことが できる。
上記フッ素含有酸フルオライドとテトラフル オロオキセタンとの反応の進行具合は、ガス クロマトグラフ等により観測する。

上記フッ素含有酸フルオライドとテトラフ ルオロオキセタンとの合計モル量に占めるフ ッ素含有酸フルオライドの割合は、9~95モル% 範囲が好ましい。上記フッ素含有酸フルオ イドの割合は、収率の点で、より好ましい 限を、15モル%、より好ましい上限を、50モ %とすることができる。更に好ましい下限は 30モル%、更に好ましい上限は、40モル%であ 。

上記工程(β)は、-50~100℃、0.05~3MPaに保ちな ら、アルカリ金属フッ化物が存在する極性 媒中で、上記一般式(5)で表される化合物に トラフルオロエチレン及びヨウ素を付加さ るものであることが好ましい。

上記工程(γ)は、一般式(5)で表される化合物 、加水分解還元により-COOM 1 に変換してフルオロエーテルカルボン酸を得 る工程である。
上記加水分解還元は、極性溶媒中で、水、ロ ンガリット(HO-CH 2 SO 2 -Na)及び重炭酸ソーダ(NaHCO 3 )の存在下に20~100℃の範囲で加熱して行うこ が好ましい。上記極性溶媒としては、DFM、DM SO、モノグライム、ジグライム、トリグライ 、テトラグライム等が例示される。

上記一般式(v)で表されるフルオロエーテルカ ルボン酸は、また、上記工程(α)及び(β)を行 た後、工程(γ)に代えて、(δ)上記一般式(5) 表される化合物に、更に、エチレンを付加 せて下記一般式(6)
Rf 8 OCH 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 CH 2 CH 2 I  (6)
(式中、Rf 8 は上記と同じ。)で表される化合物を得る工 、及び、
(ε)上記一般式(6)で表される化合物を、酸化 の存在下で酸化することより、末端基をCOOH 変換して上記フルオロエーテルカルボン酸 得る工程を含む製造方法によっても製造す ことができる。

上記工程(δ)におけるエチレンの付加は、 属触媒の存在下に、上記一般式(5)で表され 化合物とエチレンとを50~150℃に加熱して反 させることにより行うことができる。付加 応の圧力は、通常、0.01~2MPaGである。

また、上記工程(δ)における上記一般式(5) 表される化合物へのエチレンの付加は、有 化酸化物、アゾ化合物などの特定の温度範 で分解し、ラジカルを発生しうる化合物の 在下に、上記一般式(5)で表される化合物と チレンとを50~150℃の温度範囲で反応させる とにより行うことができる。付加反応の圧 は、通常、0.01~2MPaGである。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(vi)
Rf 11 (OCF 2 CF 2 ) n-1 OCF 2 COOM 1    (vi)
(式中、Rf 11 は炭素数1~3のパーフルオロアルキル基、nは2 は3、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はHを表す。)で表されるフルオロエーテル ルボン酸が挙げられる。
上記一般式(vi)で表されるフルオロエーテル ルボン酸としては、例えば、CF 3 CF 2 OCF 2 CF 2 OCF 2 COONH 4 等が挙げられる。

上記一般式(vi)で表されるフルオロエーテル ルボン酸は、例えば、アルカリ金属フッ化 の存在下に、下記一般式(7)
Rf 11 (OCF 2 CF 2 ) n-2 OCF 2 COF (7)
(式中、Rf 11 、nは上記と同じ。)で表されるフルオロカル ン酸フルオライドに、テトラフルオロエチ ン及びヨウ素を付加することにより、下記 般式(8)
Rf 11 (OCF 2 CF 2 ) n I   (8)
(式中、Rf 11 、nは上記と同じ。)で表されるフルオロエー ルアイオダイドを製造する工程、上記一般 (8)で表されるフルオロエーテルアイオダイ を酸化することにより、下記一般式(9)
Rf 11 (OCF 2 CF 2 ) n-1 OCF 2 COF   (9)
(式中、Rf 11 、nは上記と同じ。)で表されるフルオロカル ン酸フルオライドを製造する工程、及び、 記一般式(9)で表されるフルオロカルボン酸 ルオライドを、酸又は塩基の存在下に酸化 る工程を含む製造方法により製造すること できる。

上記テトラフルオロエチレン及びヨウ素を 付加する工程は、温度-50~50℃、圧力0.05~2MPaに 保ちながら、アルカリ金属フッ化物が存在す る極性溶媒中で、上記一般式(7)で表されるフ ルオロカルボン酸フルオライドにテトラフル オロエチレン及びヨウ素を付加させるもので あることが好ましい。

上記アルカリ金属フッ化物としては、フッ化 セシウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウ ム等が挙げられる。
上記極性溶媒としては、DFM、DMSO、モノグラ ム、ジグライム、トリグライム、テトラグ イムなどが例示される。
上記ヨウ素としては、I 2 の他、塩化ヨウ素、臭化ヨウ素等であっても よい。

上記一般式(9)で表されるフルオロカルボン 酸フルオライドを製造するための酸化は、酸 化剤の存在下に、水中で上記一般式(8)で表さ れるフルオロエーテルアイオダイドを50~150℃ に一定時間保持することによって行うことが できる。上記酸化剤としては、発煙硫酸で直 接、酸フロライドを得る方法、クロロスルホ ン酸によってカルボン酸を得た後、塩化チオ ニルによって酸クロライドとし、さらにKFな のフッ素イオン源と接触させて酸フロライ を得る方法、クロロスルホン酸によってカ ボン酸を得た後、1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ エチルアミノプロパンなどのフッ素化試薬 よって酸フルオライドを得る方法等が挙げ れる。

上記一般式(vi)で表されるフルオロエーテ カルボン酸を製造するための酸化は、酸ま は塩基の存在下に、水中で一般式(9)で表さ るフルオロカルボン酸フルオライドを0~90℃ 一定時間保持することによって行うことが きる。上記酸としては、希硫酸、希硝酸等 挙げられ、塩基としては水酸化カリウム、 酸化ナトリウムなどが例示される。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(vii)
Rf 11 (OCF 2 CF 2 ) n COOM 1    (vii)
(式中、Rf 11 は炭素数1~3のパーフルオロアルキル基、nは2 は3、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はHを表す。)で表されるフルオロエーテル ルボン酸が挙げられる。
上記一般式(vii)で表されるフルオロエーテル ルボン酸としては、例えば、CF 3 CF 2 OCF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 COONH 4 、CF 3 OCF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 COONH 4 等が挙げられる。

上記一般式(vii)で表されるフルオロエーテル ルボン酸は、例えば、上記一般式(8)で表さ るフルオロエーテルアイオダイドにエチレ を付加して、下記一般式(10)
Rf 11 (OCF 2 CF 2 ) n CH 2 CH 2 I   (10)
(式中、Rf 11 及びnは上記と同じ。)で表されるフルオロエ テルアイオダイドを得る工程(1)、及び、上 一般式(10)で表されるフルオロエーテルアイ オダイドを酸化剤の存在下で酸化する工程(2) を含む製造方法により製造することができる 。

上記工程(1)におけるフルオロエーテルアイオ ダイドへのエチレンの付加は、金属触媒の存 在下に、フルオロエーテルアイオダイドとエ チレンとを50~150℃に加熱して反応させること により行うことができる。付加反応の圧力は 、通常、0.01~2MPaGである。
上記金属触媒としては、銅等が挙げられる。

また、上記工程(1)におけるフルオロエーテ ルアイオダイドへのエチレンの付加は、有機 化酸化物、アゾ化合物などの特定の温度範囲 で分解し、ラジカルを発生しうる化合物の存 在下に、フルオロエーテルアイオダイドとエ チレンとを50~150℃の温度範囲で反応させるこ とにより行うことができる。付加反応の圧力 は、通常、0.01~2MPaGである。

上記工程(2)における酸化は、酸化剤の存在 下に、水中で上記一般式(10)で表される化合 を5~150℃に一定時間保持することによって行 うことができる。上記酸化剤としては、過マ ンガン酸カリウム等が挙げられる。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(viii)
HCF 2 CF 2 Rf 12 -ORf 13 COOM 1    (viii)
(式中、Rf 12 は炭素数1~8のパーフルオロアルキル基又はパ ーフルオロアルコキシ基を表し、Rf 13 は、Rf 12 と同一又は異なって、炭素数1~3のパーフルオ ロアルキル基又はパーフルオロアルコキシ基 を表し、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はHを表す。)で表されるω-ハイドロ-フルオ ロエーテルカルボン酸が挙げられる。

上記一般式(viii)で表されるω-ハイドロ-フル ロエーテルカルボン酸としては、例えば、HC F 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 OCF 2 COOM 1 、HCF 2 CF 2 CF 2 CF 2 CF 2 OCF 2 COOM 1 、HCF 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 COOM 1 、HCF 2 CF 2 CF 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 COOM 1 、HCF 2 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 OCF(CF 3 )COOM 1 、HCF 2 CF 2 CF 2 CF 2 CF 2 OCF(CF 3 )COOM 1 等が挙げられる。

上記一般式(viii)で表されるω-ハイドロ-フル ロエーテルカルボン酸は、例えば、アルカ 金属フッ化物の存在下に、下記一般式(11)
HCF 2 CF 2 Rf 14 COF       (11)
(式中、Rf 14 はRf 12 の炭素数が1少ない基を表し、Rf 12 は炭素数1~8のパーフルオロアルキル基又はパ ーフルオロアルコキシ基を表す。)で表され ω-ハイドロ-フルオロカルボン酸フルオライ に、テトラフルオロエチレン及びヨウ素を 加することにより下記一般式(12)
HCF 2 CF 2 Rf 12 OCF 2 CF 2 I (12)
(式中、Rf 12 は炭素数1~8のパーフルオロアルキル基又はパ ーフルオロアルコキシ基を表す。)で表され ω-ハイドロ-フルオロエーテルアイオダイド 製造する工程、上記一般式(12)で表されるω- ハイドロ-フルオロエーテルアイオダイドを 化することによって下記一般式(13)
HCF 2 CF 2 Rf 12 OCF 2 COF       (13)
(式中、Rf 12 は炭素数1~8のパーフルオロアルキル基又はパ ーフルオロアルコキシ基を表す。)で表され ω-ハイドロ-フルオロカルボン酸フルオライ を製造する工程、及び、上記一般式(13)で表 されるω-ハイドロ-フルオロカルボン酸フル ライドを酸化することによって、下記一般 (14)
HCF 2 CF 2 Rf 12 OCF 2 COOM 1        (14)
(式中、Rf 12 は炭素数1~8のパーフルオロアルキル基又はパ ーフルオロアルコキシ基、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はHを表す。)で表されるω-ハイドロ-フルオ ロエーテルカルボン酸を製造する工程を含む 製造方法により製造することができる。

上記テトラフルオロエチレン及びヨウ素を 付加する工程は、温度-50~50℃、圧力0.05~2MPaに 保ちながら、アルカリ金属フッ化物が存在す る極性溶媒中で、上記一般式(11)で表されるω -ハイドロ-フルオロカルボン酸フルオライド テトラフルオロエチレン及びヨウ素を付加 せるものであることが好ましい。

上記アルカリ金属フッ化物としては、フッ化 セシウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウ ム等が挙げられる。
上記極性溶媒としては、DFM、DMSO、モノグラ ム、ジグライム、トリグライム、テトラグ イム等が例示される。
上記ヨウ素としては、I 2 の他、塩化ヨウ素、臭化ヨウ素等であっても よい。

上記一般式(13)で表されるω-ハイドロ-フル ロカルボン酸フルオライドを得るための酸 は、酸化剤の存在下に、水中で上記一般式( 12)で表されるω-ハイドロ-フルオロエーテル イオダイドを50~150℃に一定時間保持するこ によって行うことができる。上記酸化剤と ては、発煙硫酸で直接、酸フロライドを得 方法、クロロスルホン酸によってカルボン を得た後、塩化チオニルによって酸クロラ ドとし、さらにKFなどのフッ素イオン源と接 触させて酸フロライドを得る方法、クロロス ルホン酸によってカルボン酸を得た後、1,1,2, 3,3,3-ヘキサフルオロジエチルアミノプロパン などのフッ素化試薬によって酸フルオライド を得る方法等が挙げられる。

上記フルオロエーテルカルボン酸を得るた めの酸化は、酸または塩基の存在下に、水中 で一般式(13)で表されるフルオロカルボン酸 ルオライドを0~90℃に一定時間保持すること よって行うことができる。上記酸としては 希硫酸、希硝酸等が挙げられ、塩基として 水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが 示される。

上記一般式(viii)で表されるω-ハイドロ-フル ロエーテルカルボン酸は、また、例えば、(1 )上記一般式(12)で表されるω-ハイドロ-フルオ ロエーテルアイオダイドにエチレンを付加し て、下記一般式(15)
HCF 2 CF 2 Rf 12 OCF 2 CF 2 CH 2 CH 2 I   (15)
(式中、Rf 12 は炭素数1~8のパーフルオロアルキル基又はパ ーフルオロアルコキシ基を表す。)で表され ω-ハイドロ-フルオロエーテルアイオダイド 得る工程、及び、(2)前記一般式(15)で表され るω-ハイドロ-フルオロエーテルアイオダイ を酸化剤の存在下で酸化することにより、 記一般式(16)
HCF 2 CF 2 Rf 12 OCF 2 CF 2 COOM 1        (16)
(式中、Rf 12 は炭素数1~8のパーフルオロアルキル基又はパ ーフルオロアルコキシ基を表し、M 1 は1価のアルカリ金属、NH 4 又はHを表す。)で表されるω-ハイドロ-フルオ ロエーテルカルボン酸を得る工程を含む製造 方法により製造することができる。

上記工程(1)におけるω-ハイドロ-フルオロエ テルアイオダイドへのエチレンの付加は、 属触媒の存在下に、ω-ハイドロ-フルオロエ テルアイオダイドとエチレンとを50~150℃に 熱して反応させることにより行うことがで る。付加反応の圧力は、通常、0.01~2MPaGであ る。
上記金属触媒としては、銅等が挙げられる。

また、上記工程(1)におけるω-ハイドロ-フ オロエーテルアイオダイドへのエチレンの 加は、有機化酸化物、アゾ化合物などの特 の温度範囲で分解し、ラジカルを発生しう 化合物の存在下に、ω-ハイドロ-フルオロエ テルアイオダイドとエチレンとを50~150℃の 度範囲で反応させることにより行うことが きる。付加反応の圧力は、通常、0.01~2MPaGで ある。

上記工程(2)における酸化は、酸化剤の存在 下に、水中で上記一般式(15)で表されるω-ハ ドロ-フルオロエーテルアイオダイドを5~150 に一定時間保持することによって行うこと できる。上記酸化剤としては、過マンガン カリウム等が挙げられる。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(ix)
Rf 15 -CH 2 O-CF 2 -CHF-Rf 16 -X 2    (ix)
(式中、Rf 15 は、炭素数1~5のフルオロアルキル基を表す。 Rf 16 は、炭素数1~3のフルオロアルキレン基を表す 。X 2 は、-COOM 2 又は-SO 3 M 2 を表す。M 2 は、K、Na又はNH 4 の何れかを表す。)で表される化合物が挙げ れる。上記一般式(ix)で表される化合物とし は、例えば、CF 3 CF 2 CH 2 OCF 2 CFHCF 2 COOH、CF 3 CF 2 CH 2 OCF 2 CFHCF 2 COONH 4 等が挙げられる。

上記一般式(ix)で表される化合物は、例えば CF 2 =CF-Rf 16 -X 2 (式中、Rf 16 は、炭素数1~3のフルオロアルキレン基を表す 。X 2 は、-COOM 2 又は-SO 3 M 2 を表す。M 2 は、K、Na又はNH 4 の何れかを表す。)で表される化合物(a1)に、R f 15 -CH 2 OH(式中、Rf 15 は、炭素数1~5のフルオロアルキル基を表す。 )で表される化合物(a2)を水性媒体中でアルカ 条件下で付加させてRf 15 -CH 2 -O-CF 2 -CHF-Rf 16 -X 2 (式中、Rf 15 、Rf 16 及びX 2 は、前記と同じ。)で表される化合物(a)を得 工程を含む製造方法により製造することが きる。

上記工程において、上記化合物(a1)と上記 合物(a2)との反応は、例えば、上記化合物(a1) と上記化合物(a2)とを化学量論比付近で混合 、0~200℃の温度下で行うことができる。

上記フッ素ガスを接触させる方法において、 フッ素ガスは、窒素、ヘリウム等の不活性ガ スと混合して10~50容量%の濃度で使用すること が好ましい。
上記フッ素ガスは、50~200℃の温度下で行うこ とが好ましい。上記フッ素ガスとの接触は、 1kPa~0.1MPaの圧力下で行うことが好ましい。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(x)
Rf 17 -O-CF 2 -Rf 18 -X 2    (x)
(式中、Rf 17 は、炭素数1~6のフルオロアルキル基を表す。 Rf 18 は、炭素数1~4のフルオロアルキレン基を表す 。X 2 は、前記と同じ。)
で表される化合物が挙げられる。上記一般式 (x)で表される化合物としては、例えば、CF 3 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 CF 2 COOH、CF 3 CF 2 CF 2 OCF 2 CF 2 CF 2 COONH 4 、CF 3 CF 2 CHFOCF 2 CHFCF 2 COOH、CF 3 CF 2 CHFOCF 2 CHFCF 2 COONH 4 等が挙げられる。

上記一般式(x)で表される化合物は、例えば、 上記化合物(a)をフッ素化して、Rf 17 -O-CF 2 -Rf 18 -X 2 (式中、Rf 17 は、炭素数1~6のフルオロアルキル基を表す。 Rf 18 は、炭素数1~4のフルオロアルキレン基を表す 。X 2 は、前記と同じ。)で表される含フッ素化合 を得る工程を含む製造方法により製造する とができる。

上記フッ素化は、フッ素ガスを接触させる 方法、高剪断力を与えながら押出する方法等 、従来公知の方法により行うことができる。 上記フッ素化の反応は、上記化合物の炭素数 や反応スケール等に応じて適宜選択すること ができ、例えば以下の条件で好ましく行うこ とができる。

上記フッ素ガスを接触させる方法において、 フッ素ガスは、窒素、ヘリウム等の不活性ガ スと混合して10~50容量%の濃度で使用すること が好ましい。
上記フッ素ガスは、50~200℃の温度下で行うこ とが好ましい。上記フッ素ガスとの接触は、 1kPa~0.1MPaの圧力下で行うことが好ましい。

上記含フッ素界面活性剤(d)としては、また、 下記一般式(xi)
Rf 19 O-(Rf 20 O) n -Rf 21 -COOM 3    (xi)
(式中、Rf 19 は、炭素数1~3のフルオロアルキル基を表す。 Rf 20 及びRf 21 は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1~3の フルオロアルキレン基を表す。M 3 は、H、K、Na又はNH 4 の何れかを表す。nは0以上の整数を表す。)で 表される化合物(b1)が挙げられ、なかでも、 いにnの値が異なる2種以上の上記化合物(b1) 含む混合物であって、混合物中の化合物(b1) nの値を平均すると2.0~4.0であるものが好ま い。

上記化合物(b1)としては、なかでもRf 19 がCF 3 -であり、Rf 20 及びRf 21 がそれぞれ-CF 2 -である化合物であることが、分散力に優れ 得られるポリマーから除去しやすいことか 好ましい。

上記化合物(b1)は、ポリマー収率を向上さ る点で、nが3である化合物(b1)とnが4である化 合物(b1)との合計が上記化合物(b1)の合計の90 量%以上であることが好ましい。

本発明において、上記化合物(b1)の混合物 、例えば、(i)化合物(b1)を1種ずつ調製する工 程、及び、(ii)得られた各化合物(b1)を混合す 工程を経て得ることができる。また、従来 知の方法で得られる化合物(b1)の混合物を精 留する際に精留条件を選択することにより、 化合物(b1)を2種以上含有させる方法により得 こともできる。

上記工程(i)における各化合物(b1)の調製は、 国特許出願2007-0015864号公報に記載された方 等、従来公知の方法により行うことができ 。
このような調製方法として、例えば、CF 3 -CF=CF 2 とO 2 を出発材料として、

で表されるエポキシ化合物を製造する際にお ける副生成物である、CF 3 O(CF 2 O) n CF 2 -COFとCF 3 O(CF 2 O) n -COF(各式において、nは上記定義と同じ。)と 混合物をアルカリ存在下において加水分解 行うことにより、上記CF 3 O(CF 2 O) n CF 2 -COFをCF 3 O(CF 2 O) n CF 2 -COOM 3 (M 3 は、上記定義と同じ。)に変換することによ 得ることができる。
上記加水分解において使用するアルカリ化合 物としては、例えば、KOHが挙げられる。上記 加水分解は、アルカリ存在下にある上記混合 物にHCl等の酸を加えることにより容易に行う ことができる。

上記工程(ii)は、構成成分とする各化合物(b 1)を予め所望の含有量となるように計量した で行えばよい。

含フッ素界面活性剤(d)の存在下に乳化重合 によってフッ素樹脂(a)を含む水性分散体を製 造する場合、上記含フッ素界面活性剤(d)は、 乳化重合上がりの水性分散体に対して500~20000 ppm含まれる。該水性分散体について含フッ素 界面活性剤(d)を除去する操作を行うことによ り、最終的に得られる被覆用組成物中の含フ ッ素界面活性剤(d)の含有量を低減することが できる。

上記含フッ素界面活性剤(d)を除去する操作 としては、特に限定されず、陰イオン交換樹 脂を接触させる操作、ノニオン界面活性剤を 添加することよる相分離濃縮等の従来公知の 操作が挙げられる。これらの各操作は、繰り 返し行ってもよいし、相分離濃縮を行った後 に陰イオン交換樹脂を接触させる操作を行う 等、組み合わせて行ってもよい。これらの操 作において、得られるフッ素樹脂含有水性分 散液を安定させる目的で、ノニオン界面活性 剤(b)を必要に応じ混合してもよい。

本発明の被覆用組成物は、水性媒体を含む ものである。上記水性媒体としては、水を単 独で使用してもよいし、水と水溶性化合物と 併用した水性混合溶媒としてもよい。

本発明の被覆用組成物は、必要に応じ、本発 明の特徴を損なわない範囲でその他の樹脂を 含有するものであってもよい。
上記その他の樹脂としては特に限定されず、 例えば、ポリエチレンオキサイド(分散安定 )、フェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹 、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ ーテル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、シ コーン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂 が挙げられる。
本発明の被覆用組成物は、塗装性、得られる 塗膜の性質向上等を目的として、更に一般的 な被覆用組成物に用いられる添加剤を含むも のであってもよい。

上記添加剤としては特に限定されず、得ら れる被覆物品の用途に応じて選択することが でき、例えば、レベリング剤、固体潤滑剤、 木粉、石英砂、カーボンブラック、ダイヤモ ンド、トルマリン、ゲルマニウム、アルミナ 、窒化珪素、蛍石、クレー、タルク、体質顔 料、各種増量材、導電性フィラー、光輝材、 顔料、充填材、顔料分散剤、沈降防止剤、水 分吸収剤、表面調整剤、チキソトロピー性付 与剤、粘度調節剤、ゲル化防止剤、紫外線吸 収剤、光安定剤、可塑剤、色分かれ防止剤、 皮張り防止剤、スリ傷防止剤、防カビ剤、抗 菌剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカッ プリング剤、消泡剤、乾燥剤、ハジキ防止剤 が挙げられる。

上記光輝材としては、例えば、マイカ、金 属粉末、ガラスビーズ、ガラスバブル、ガラ スフレーク、ガラス繊維等が挙げられる。本 発明の被覆用組成物は、このような光輝材を 含有する場合、優れた外観を有する塗膜を形 成することができる。上記光輝材の含有量は 、上記被覆用組成物の固形分に対して0.1~10.0 量%であることが好ましい。

上記金属粉末としては特に限定されず、例 えば、アルミニウム、鉄、すず、亜鉛、金、 銀、銅等の金属単体の粉末;アルミニウム合 、ステンレス等の合金の粉末等が挙げられ 。上記金属粉末の形状としては特に限定さ ず、粒子状、フレーク状等が挙げられる。 発明の被覆用組成物は、これらの着色成分 含まないクリヤー塗料であってもよい。

上記粘度調節剤としては、例えば、メチル セルロース、アルミナゾル、ポリビニルアル コール、カルボキシル化ビニルポリマー等が 挙げられる。

上記消泡剤としては、例えば、トルエン、 キシレン、炭素数9~11の炭化水素系等の非極 溶剤、シリコーンオイル等が挙げられる。

上記乾燥剤として、例えば、酸化コバルト 等が挙げられる。

本発明の被覆用組成物には、フッ素樹脂(a) 、無機材料等の固形分が含まれるが、それら の固形分含量は20~80質量%、特に30~70質量%であ ることが好ましい。固形分濃度が20質量%未満 では一回の塗装により厚膜を得ることが困難 となるおそれがあり、80質量%を超えると粘度 が高くなりスプレー塗装が困難になるおそれ がある。

本発明の被覆用組成物の調製は、通常の方 法で行うことができる。例えば、フッ素樹脂 (a)が水性媒体に分散しているフッ素樹脂水性 分散液に、非イオン性界面活性剤(b)、多価ア ルコール(c)、他の添加剤等を攪拌下に投入混 合し、5~30℃にて10~40分間攪拌混合することに よって調製できる。更に、水性媒体を追加し て固形分濃度を調整してもよい。

本発明の被覆用組成物は、塗料として好適 に使用でき、上塗り塗料として使用できるし 、中塗り塗料としても使用できる。また、ラ イニング用の塗料としても使用できる。

塗装方法としては従来と同様な各種の塗装 方法が採用でき、例えば、ディッピング法、 スプレー法、ロールコート法、ドクターブレ ード法、スピンフローコート、カーテンフロ ーコート法等が挙げられる。

本発明の被覆用組成物は基材に直接塗装し てもよいが、密着性を向上させるために、プ ライマー層を設けてその上に塗装することが 望ましい。基材としては特に限定されないが 、たとえば各種金属、ホーロー、ガラス、各 種セラミックスが採用でき、また密着性を高 めるために表面をサンドブラスト法などで粗 面化することが好ましい。

基材に塗布された被覆用組成物は次いで乾 燥される。本発明の被覆用組成物はこの乾燥 の段階でマッドクラックを生じない点に特徴 がある。乾燥は通常の条件でよく、用いる多 価アルコール(c)の沸点によって異なるが、好 ましくは室温~150℃、より好ましくは80~150℃ て5~20分間実施すれば、指触乾燥に達する。

乾燥した塗膜は焼成(加工)される。焼成(加 工)温度及び時間はフッ素樹脂の種類や溶融 度などによって異なるが、例えば、フッ素 脂の溶融温度以上、通常360~415℃にて5~30分間 行う。

プライマー層を設ける場合は、プライマー を塗布、乾燥、焼成した後に本発明の被覆用 組成物を塗布、乾燥、焼成する方法(2コート2 ベーク法)でもよいし、プライマーを塗布、 燥した後に本発明の被覆用組成物を塗布、 燥し、両者を同時に焼成する方法(2コート1 ーク法)でもよいし、プライマーを塗布、乾 した後に本発明の被覆用組成物である光輝 を含む中塗り塗料を塗布、乾燥して、更に の上に本発明の被覆用組成物以外のクリヤ 塗料である上塗り塗料を塗布、乾燥して、 れらを同時に焼成する方法(3コート1ベーク )であってもよい。また、プライマー塗布後 にいずれも本発明の被覆用組成物である、光 輝剤を含む中塗り塗料、クリヤー塗料である 上塗り塗料による塗装を順次行うものであっ てもよい。

本発明の被覆用組成物によれば、1回の塗 で溶融塗膜の膜厚が30μm以上の厚膜の塗膜を 得ることもできる。

本発明の被覆用組成物を塗装することによ り得られることを特徴とする被覆物品も本発 明の一つである。本発明の被覆物品としては 、例えば、フライパン、グリル鍋、圧力鍋、 その他の各種鍋、炊飯器、餅つき器、オーブ ン、ホットプレート、パン焼き型、包丁、ガ ステーブル等の調理器具;電気ポット、製氷 レー等の飲食用容器;練りロール、圧延ロー 、コンベア、ホッパー等の食品工業用部品; オフィスオートメーション機器〔OA〕用ロー 、OA用ベルト、OA用分離爪、製紙ロール、フ ィルム製造用カレンダーロール等の工業用品 ;発泡スチロール成形用等の金型、鋳型、合 ・化粧板製造用離型板等の成形金型離型;レ ジフード等の厨房用品;コンベアーベルト等 の冷凍食品製造装置;のこぎり、やすり、ダ ス、きり等の工具;アイロン、鋏、包丁等の 庭用品;金属箔、電線;食品加工機、包装機 紡繊機械等のすべり軸受;カメラ・時計の摺 部品;パイプ、バルブ、ベアリング等の自動 車部品、雪かきシャベル、すき、シュート、 船底、ボイラー、工業用コンテナ(特に半導 工業用)が挙げられる。

本発明の塗料組成物は、上述の構成よりな るものであるので、貯蔵安定性と造膜性に優 れる。

以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく 説明するが、本発明はこれら実施例のみに限 定されるものではない。以下、「%」「部」 それぞれ質量%、質量部を表す。

(フッ素樹脂濃度)
フッ素樹脂濃度(P)は、試料約1g(Xg)を80~100℃に て1時間で加熱して加熱残分(Yg)を得た後、更 、得られた加熱残分(Yg)を380~400℃にて45分焼 成した後の残分(Zg)より、式:P=Z/X×100(%)にて決 定した。

(フッ素樹脂(a)の平均粒子径)
透過型電子顕微鏡観察により測定した。

(ノニオン界面活性剤(b)の含有量)
ノニオン界面活性剤(b)の含有量(N)は、試料約 1g(Xg)を直径5cmのアルミカップにとり、100℃に て1時間で加熱した加熱残分(Yg)、更に、得ら た加熱残分(Yg)を300℃にて1時間加熱した加 残分(Zg)より、式:N=[(Y-Z)/Z]×100(%)から算出し 。

(含フッ素界面活性剤(d)の含有量)
被覆用組成物に等量のメタノールを添加して ソックスレー抽出を行ったのち、高速液体ク ロマトグラフィー(HPLC)を以下の条件にて行う ことにより求めた。なお、含フッ素界面活性 剤の含有量算出にあたり、含有量既知の含フ ッ素界面活性剤水溶液について上記溶出液及 び条件にてHPLC測定して得られた検量線を用 た。
カラム;ODS-120T(4.6φ×250mm、東ソー社製)
展開液;アセトニトリル/0.6質量%過塩素酸水溶 液=1/1(vol/vol%)
サンプル量;20μL
流速;1.0ml/分
検出波長;UV210nm
カラム温度;40℃

(貯蔵安定性)
各実施例、比較例で得られた被覆用組成物を 25℃で6ヶ月静置後、沈殿物の質量を測定し、 沈殿物の質量が塗料の質量に対して15%未満の 場合は良好、15%以上の場合は不良とした。

(造膜性)
各実施例、比較例で得られた被覆用組成物を ノンブラストアルミニウム板にスプレー法に より塗布し、80℃にて15分間乾燥した。得ら た乾燥塗膜表面を、焼成後の膜厚が20μm以上 でクラックの発生が無い場合は良好、クラッ クの発生がある場合は不良とした。

実施例1
(1)イオン交換樹脂に接触させる処理
OH型陰イオン交換樹脂としてアンバージェッ IRA4002OH(商品名、ローム・アンド・ハース社 製)を150L充填したカラム(直径30cm、高さ200cm) 使用した。フッ素樹脂濃度が20%、ポリオキ エチレンアルキルエーテル(HLB値=13)がフッ素 樹脂に対して10%、PFOAがフッ素樹脂の3750ppmに 当する量となるように調整したPFA水性分散 (平均粒子径0.3μm)600Lを、4時間(空間速度(SV)= 0.5)かけて上記カラムに通液し、PFAディスパ ジョン(フッ素樹脂濃度:20%、ノニオン界面活 性剤濃度:フッ素樹脂に対して10%)を得た。得 れたPFAディスパージョン中のPFOA濃度はPFAの 固形分に対して20ppmであった。

(2)相分離濃縮
上記のイオン交換樹脂に接触させる処理によ り得られたPFAディスパージョンを63℃で5時間 静置したところ、フッ素樹脂を実質的に含ま ない相(上澄相)と濃縮相の2相に分離した。上 澄相を除去し、濃縮相を回収したところ、フ ッ素樹脂の濃度が65%、ノニオン界面活性剤が フッ素樹脂の3.0%に相当する量、フッ素樹脂 平均粒子径が0.3μmであるPFAディスパージョ が得られた。

(3)塗料化
上記で得られたPFAディスパージョン72gにポリ オキシエチレンアルキルエーテル(HLB値=12)の2 0%水溶液6.9g、ポリオキシエチレンアルキルエ ーテル(HLB値=10.5)の20%水溶液6.9g、エチレング コール4.68g、マイカ2.34gを水5.46gに分散させ 混合した。得られた被覆用組成物は固形分5 0.0%、ノニオン界面活性剤がPFAの固形分に対 て8.8%、PFOAがPFAの固形分に対して20ppmに相当 る量であった。

実施例2
(1)イオン交換樹脂に接触させる処理
OH型陰イオン交換樹脂としてアンバージェッ IRA4002OH(商品名、ローム・アンド・ハース社 製)を150L充填したカラム(直径30cm、高さ200cm) 使用した。

フッ素樹脂濃度が35%、ポリオキシエチレン アルキルエーテル(HLB値=13)がフッ素樹脂に対 て10%、PFOAがフッ素樹脂の14285ppmに相当する となるように調整したFEPディスパージョン( 平均粒子径0.1μm)600Lを、4時間(空間速度(SV)=0.5 )かけて上記カラムに通液し、FEPディスパー ョン(フッ素樹脂濃度:35%、ノニオン界面活性 剤濃度:フッ素樹脂に対して10%)を得た。得ら たFEPディスパージョン中のPFOA濃度はFEPの固 形分に対して346ppmであった。

(2)相分離濃縮
上記のイオン交換樹脂に接触させる処理によ り得られたFEPディスパージョンにポリオキシ エチレンアルキルエーテル(HLB値=13)をフッ素 脂に対して10%に相当する量追加し、水を加 てフッ素樹脂の濃度が30%となるように調整 、更に、アンモニア水でpHを9.5に調整した このディスパージョンを70℃で5時間静置し ところ、フッ素樹脂を実質的に含まない相( 澄相)と濃縮相の2相に分離した。上澄相を 去し、濃縮相を回収したところ、フッ素樹 の濃度が65%、ノニオン界面活性剤がフッ素 脂の5.7%に相当する量、フッ素樹脂の平均粒 径が0.1μmであるFEPディスパージョンが得ら た。

(3)塗料化
上記で得られたFEPディスパージョン76.9gにエ レングリコール5.00g、水18.1gを混合した。得 られた被覆用組成物は固形分50.0%、ノニオン 面活性剤がFEPの固形分に対して5.7%、PFOAがFE Pの固形分に対して346ppmに相当する量であっ 。

比較例1
(1)イオン交換樹脂に接触させる処理を行わな いこと以外は実施例1と同様に被覆用組成物 作製した。得られた被覆用組成物は固形分50 .0%、ノニオン界面活性剤がPFAの固形分に対し て8.8%、PFOAがPFAの固形分に対して520ppmに相当 る量であった。

比較例2
(3)の塗料化でエチレングリコール4.68gに代え 水4.68gを添加した以外は実施例1と同様に被 用組成物を作製した。得られた被覆用組成 は固形分50.0%、ノニオン界面活性剤がPFAの 形分に対して8.8%、PFOAがPFAの固形分に対して 20ppmに相当する量であった。

本発明の被覆用組成物は、上述の構成を有 するので、含フッ素界面活性剤量が少ないに もかかわらず、貯蔵安定性と造膜性を両立す ることが可能であり、調理器具等の表面被覆 用塗料として好適である。