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Patent Searching and Data


Title:
COIL PART
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057421
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a coil part, which can adjust a characteristic impedance easily and arbitrarily while keeping a desired inductance.The coil part (1) is constituted by mounting external electrodes (5-1 to 5-4) on a chip element composed of first and second coil blocks (2 and 3) and magnetic substrates(4-1 and 4-2). The coil blocks (2 and 3) are formed of a coil member (2-1 (3-1)) and an insulator (2-2 (3-2)), and the coil member (2-1 (3-1)) is formed of an outer coil portion (6 (6')) and an inner coil portion (7 (7')). The outer coil portion (6 (6')) is constituted of a first pattern group (6-1) and a second pattern group (6-2) connected helically, and the inner coil portion (7 (7')) is constituted of first and second helical patterns (7-1 and 7-2) connected serially.Moreover, parallel pattern portions (81 to 83 (81' to 83')) for lowering the characteristic impedance are disposed in the outermost portion and the innermost portion of the outer coil portion (6 (6')).

Inventors:
ITO KENICHI (JP)
KUDO KAZUHIDE (JP)
MATSUTA KATSUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068145
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 06, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
ITO KENICHI (JP)
KUDO KAZUHIDE (JP)
MATSUTA KATSUJI (JP)
International Classes:
H01F17/00
Domestic Patent References:
WO2006057115A12006-06-01
Foreign References:
JP2003060466A2003-02-28
JPH11273954A1999-10-08
JP2005085997A2005-03-31
Attorney, Agent or Firm:
TSUKAHARA, Takakazu (22-3 Minami-cho Kawasaki-ku, Kawasaki-shi Kanagawa 15, JP)
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Claims:
 内側コイル部を外側コイル部内に収納した状態で電気的に接続することにより一のコイル体を形成し、この一のコイル体を絶縁体内に内包させることにより形成したコイルブロックを備えるコイル部品であって、
 上記外側コイル部は、両端部を有し且つ径が異なる複数の輪状パターンを複数重に配すると共に上記複数の輪状パターンの外側に一方端部が上記コイルブロックから露出した第1引き出し部を配して成る第1パターン群と両端部を有し且つ径が異なる複数の輪状パターンを複数重に配して成る第2パターン群とが対面配置され、これら第1パターン群及び第2パターン群における外側からn番目の輪状パターン同士が上記端部を介して螺旋状に接続されると共に、第1パターン群におけるこのn番目の輪状パターンの他方端部と第2パターン群におけるn+1番目の輪状パターンの端部とが接続されてこれらn番目及びn+1番目の輪状パターン同士が螺旋状に接続され、且つ、上記第1引き出し部の他方端部が上記第2パターン群の最外の輪状パターンの開放端部に接続された構造をなし、
 上記内側コイル部は、上記第1パターン群における最内の輪状パターンの内側に配され且つ外側端部が上記第1パターン群と第2パターン群とで構成される上記外側コイル部の最内の輪状パターンに接続された複数巻きの第1渦巻き状パターンと、上記第2パターン群における最内の輪状パターンの内側に配され且つ内側端部が上記第1渦巻き状パターンの内側端部に接続すると共に外側端部が上記コイルブロックから露出して第2引き出し部を形成する複数巻きの第2渦巻き状パターンとを有し、
 上記外側コイル部には、所定長さの補助パターンを上記第1パターン群又は第2パターン群の第1引き出し部又は輪状パターンに並列に接続して成る並列パターン部が、一以上設けられている、
 ことを特徴とするコイル部品。
 請求項1に記載のコイル部品において、
 上記内側コイル部に、所定長さの補助パターンを内側コイル部の第1渦巻き状パターン又は第2渦巻き状パターンと並列に接続して成る並列パターン部を一以上設けた、
 ことを特徴とするコイル部品。
 請求項1又は請求項2に記載のコイル部品において、
 上記コイルブロックは、上記第1パターン群と第1渦巻き状パターンとを第1絶縁層上に形成し、第2絶縁層をこれら第1パターン群及び第1渦巻き状パターン上に積層して、上記第2パターン群と第2渦巻き状パターンとをこの第2絶縁層上に積層形成し、上記第1パターン群の輪状パターンの端部と第2パターン群の輪状パターンの端部との接続,及び上記第2渦巻き状パターンの内側端部と上記第1渦巻き状パターンの内側端部との接続を、上記第2絶縁層に形成された複数のビアホールを通じてそれぞれ行った積層構造をなし、
 上記並列パターン部は、上記補助パターンを上記第1絶縁層又は第2絶縁層のいずれかの上に形成して、この補助パターンを上記外側コイル部の第1引き出し部,輪状パターン又は内側コイル部の渦巻き状パターンと積層方向で対向させ、且つこの補助パターンを第1絶縁層又は第2絶縁層のいずれかに形成されたビアホールを通じて上記第1引き出し部,輪状パターン又は渦巻き状パターンに並列に接続することにより、形成されている、
 ことを特徴とするコイル部品。
 請求項3に記載のコイル部品において、
 上記外側コイル部の第1パターン群の第1引き出し部に対応した補助パターンを上記第2絶縁層上に形成し、この補助パターンと当該第1引き出し部とをビアホールを通じて並列に接続して、外側コイル部の最外に形成した第1の並列パターン部と、
 上記第1パターン群における最内の輪状パターンに対応した補助パターンを上記第2絶縁層上に形成し、この補助パターンと上記最内の輪状パターンとをビアホールを通じて並列に接続して形成した第2の並列パターン部と、
 上記第2パターン群における最内の輪状パターンに対応した補助パターンを上記第1絶縁層上に形成し、この補助パターンと上記最内の輪状パターンとをビアホールを通じて並列に接続して形成した第3の並列パターン部と
 を備えることを特徴とするコイル部品。
 請求項1ないし請求項4に記載のコイル部品において、
 第1の上記コイルブロックを基板上に形成して、第2の上記コイルブロックをそのコイル体が第1のコイルブロックのコイル体と同軸且つ同じ向きになるように第1のコイルブロック上に積層すると共に、別体の基板をこの第2の上記コイルブロック上に設け、
 且つ、第1外部電極を上記第1のコイルブロックに内包されたコイル体の第1引き出し部に接続すると共に、第2外部電極を当該コイル体の第2引き出し部に接続し、第3外部電極を上記第2のコイルブロックに内包されたコイル体の第1引き出し部に接続すると共に、第4外部電極を当該コイル体の第2引き出し部に接続した、
 ことを特徴とするコイル部品。
Description:
コイル部品

 この発明は、携帯電話等の小型電子機器 使用される積層型のコイル部品に関するも である。

 従来、この種のコイル部品では、消費電力 低減化や高インダクタンス化を図るために コイルの構造に工夫を凝らしている。
 その第1従来例として、コイルを並列にして 、抵抗値を低くし、消費電力の低減化を図っ たコイル部品がある(例えば、特許文献1参照) 。
 図12は、第1従来例のコイル部品を示す分解 視図である。
 このコイル部品100は、磁性体基板101上に、 縁層やコイルで構成される積層体を形成し その上に、接着層を介して磁性体基板102を り合わせた後、外部電極131~134を外側に取り 付けた構成となっている。
 具体的には、コイルパターン111,112で成る並 列スパイラルコイル110を絶縁層間に形成し、 並列スパイラルコイル110の引き出し部を外部 電極131,132に接続すると共に、コイルパター 121,122で成る並列スパイラルコイル120を絶縁 間に形成し、その引き出し部を外部電極133, 134に接続した。
 かかる構成により、コイル110,120の断面積を 大きくして、抵抗値の低減化を図っている。

 また、第2従来例として、浮遊容量の低減を 図ると共に高インダクタンス化を図ったコイ ル部品もある(例えば、特許文献2参照)。
 図13は、第2従来例のコイル部品を示す分解 視図である。
 このコイル部品200は、上記第1従来例と同様 に、磁性体基板201上に、絶縁層やコイルで構 成される積層体を形成し、その上に、接着層 を介して磁性体基板202を貼り合わせた後、外 部電極231~234を外側に取り付けた構成となっ いる。
 具体的には、外側のコイルパターン211,212を 上下で交互に接続すると共に内側のコイルパ ターン213,214の内端部同士を接続することで 直列スパイラルコイル210を絶縁層間に形成 、この直列スパイラルコイル210の引き出し を外部電極231,232に接続した。
 一方、上層においても、同様に、外側のコ ルパターン221,222が上下で交互に接続される と共に内側のコイルパターン223,224の内端部 士が接続されて、直列スパイラルコイル220 形成されている。そして、この直列スパイ ルコイル220の引き出し部が外部電極233,234に 続されている。
 かかる構成により、外側のコイルパターン2 11,212及びコイルパターン221,222によって、コ ル210,220の浮遊容量を低減させ、内側のコイ パターン213,214及びコイルパターン223,224に って、コイル210,220のインダクタンスを高く ている。

特開2005-158975号公報

国際公開第2006/057115号パンフレット

 しかしながら、上記した従来のコイル部品 は、次のような問題がある。
 まず、第1従来例のコイル部品100では、コイ ル110(120)が、コイルパターン111,112(121,122)を並 列にした構成であるので、コイル110(120)全体 インダクタンスが小さく、差動信号に対す インダクタンスも小さくなる。したがって インピーダンス整合がとれるようにするた には、コイル110,120間の距離を大きくして、 容量を小さくする必要がある。
 しかし、コイル110,120間の距離を大きくする と、容量は小さくすることができるものの、 コイル部品100の磁性体基板間の距離が拡大す るため、インダクタンス値が小さくなり、結 局所望のインピーダンスを得ることができな い。しかも、コイル110,120間の磁気的結合力 弱まり、電力損失が大きくなってしまう。

 一方、第2従来技術のコイル部品200では、 外側のコイルパターン211,212(221,222)と内側の イルパターン213,214(223,224)とを直列に接続し 、コイル210(220)を構成するので、インダク ンスが、コイル210(220)の巻き始めから巻き終 わりに向かうに従って高くなり、コイル210(22 0)の内部に、特性インピーダンスが許容範囲( 例えば、100±15ω)外になる部分が生じる。こ 特性インピーダンスは、ネットワークアナ イザ等を用いたSパラメータの測定によって 判別することができないが、TDR(Time Domain R eflectometry)法で測定すると顕著に現れる。こ ような特性インピーダンスの増加は、外部 路とのインピーダンスの不整合を生じさせ 高速で信号が伝送される回路では、信号の 射・減衰により誤動作の原因にもなる。

 この発明は、上述した課題を解決するた になされたもので、所望のインダクタンス 確保しつつ、特性インピーダンスの調整を 易且つ任意に行うことができるコイル部品 提供することを目的とする。

 上記課題を解決するために、請求項1の発明 は、内側コイル部を外側コイル部内に収納し た状態で電気的に接続することにより一のコ イル体を形成し、この一のコイル体を絶縁体 内に内包させることにより形成したコイルブ ロックを備えるコイル部品であって、外側コ イル部は、両端部を有し且つ径が異なる複数 の輪状パターンを複数重に配すると共に複数 の輪状パターンの外側に一方端部がコイルブ ロックから露出した第1引き出し部を配して る第1パターン群と両端部を有し且つ径が異 る複数の輪状パターンを複数重に配して成 第2パターン群とが対面配置され、これら第 1パターン群及び第2パターン群における外側 らn番目の輪状パターン同士が端部を介して 螺旋状に接続されると共に、第1パターン群 おけるこのn番目の輪状パターンの他方端部 第2パターン群におけるn+1番目の輪状パター ンの端部とが接続されてこれらn番目及びn+1 目の輪状パターン同士が螺旋状に接続され 且つ、第1引き出し部の他方端部が第2パター ン群の最外の輪状パターンの開放端部に接続 された構造をなし、内側コイル部は、第1パ ーン群における最内の輪状パターンの内側 配され且つ外側端部が第1パターン群と第2パ ターン群とで構成される外側コイル部の最内 の輪状パターンに接続された複数巻きの第1 巻き状パターンと、第2パターン群における 内の輪状パターンの内側に配され且つ内側 部が第1渦巻き状パターンの内側端部に接続 すると共に外側端部がコイルブロックから露 出して第2引き出し部を形成する複数巻きの 2渦巻き状パターンとを有し、外側コイル部 は、所定長さの補助パターンを第1パターン 群又は第2パターン群の第1引き出し部又は輪 パターンに並列に接続して成る並列パター 部が、一以上設けられている構成とした。
 かかる構成により、電流が外側コイル部の 1引き出し部から入力すると、電流は、第2 ターン群の最外の輪状パターン(n=1)に流れ込 む。すると、電流は、第2パターン群におけ この輪状パターンから第1パターン群におけ 最外の輪状パターン(n=1)に螺旋状に流れた 、この輪状パターンから第2パターン群にお る内側の輪状パターン(n=2)に螺旋状に流れ 。以後同様に、電流は、第1パターン群の輪 パターンと第2パターン群の輪状パターンと を交互に螺旋状に流れて、外側コイル部の最 内の輪状パターンに至る。すると、電流は、 この最内の輪状パターンに接続された内側コ イル部の第1渦巻き状パターンに入力する。 して、電流は第1渦巻き状パターンの内側に かって回転するように流れ、内側端部が第1 渦巻き状パターンの内側端部に接続した第2 巻き状パターンに入力する。しかる後、電 は、第2渦巻き状パターンの外側に向かって 転するように流れ、第2引き出し部から出力 することとなる。すなわち、電流が外側コイ ル部によって螺旋状に流れる共に内側コイル 部によって回転するように流れるので、回転 電流による磁界が発生し、コイル体がインダ クタとして機能する。
 ところで、外側コイル部の複数の輪状パタ ンは、螺旋状に直列接続され、内側コイル の第1及び第2渦巻き状パターンは直列に接 されている。このため、第1引き出し部を入 部とし、第2引き出し部を出力部とした場合 、又は第2引き出し部を入力部とし、第1引き し部を出力部とした場合において、コイル のインダクタンスは入力部から出力部に向 って漸次増加し、コイル体内部の特性イン ーダンスが許容範囲外になるおそれがある
 しかしながら、この発明では、所定長さの 助パターンを第1パターン群又は第2パター 群の第1引き出し部又は輪状パターンに並列 接続して成る並列パターン部を、外側コイ 部に一以上設けているので、これらの並列 ターン部が特性インピーダンスを低減させ ように機能する。したがって、一以上の並 パターン部の配設位置や長さ等を調整する けで、コイル体内部の特性インピーダンス 許容範囲内に納めることができる。
 また、外側コイル部における第1パターン群 の輪状パターンとこれに対面する第2パター 群の輪状パターンとのうち、並列パターン が設けられていない輪状パターン間では、 遊容量が低減する。

 請求項2の発明は、請求項1に記載のコイル 品において、内側コイル部に、所定長さの 助パターンを内側コイル部の第1渦巻き状パ ーン又は第2渦巻き状パターンと並列に接続 して成る並列パターン部を一以上設けた構成 とする。
 かかる構成により、並列パターン部によっ 、内側コイル部の特性インピーダンスを低 することができる。

 請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記 のコイル部品において、コイルブロックは 第1パターン群と第1渦巻き状パターンとを 1絶縁層上に形成し、第2絶縁層をこれら第1 ターン群及び第1渦巻き状パターン上に積層 て、第2パターン群と第2渦巻き状パターン をこの第2絶縁層上に積層形成し、第1パター ン群の輪状パターンの端部と第2パターン群 輪状パターンの端部との接続,及び第2渦巻き 状パターンの内側端部と第1渦巻き状パター の内側端部との接続を、第2絶縁層に形成さ た複数のビアホールを通じてそれぞれ行っ 積層構造をなし、並列パターン部は、補助 ターンを第1絶縁層又は第2絶縁層のいずれ の上に形成して、この補助パターンを外側 イル部の第1引き出し部,輪状パターン又は内 側コイル部の渦巻き状パターンと積層方向で 対向させ、且つこの補助パターンを第1絶縁 又は第2絶縁層のいずれかに形成されたビア ールを通じて第1引き出し部,輪状パターン は渦巻き状パターンに並列に接続すること より、形成されている構成とした。
 かかる構成により、コイルブロックが積層 造をなし、並列パターン部が、この積層構 内に形成されているので、コイル部品自体 小型化することができる。

 請求項4の発明は、請求項3に記載のコイル 品において、外側コイル部の第1パターン群 第1引き出し部に対応した補助パターンを第 2絶縁層上に形成し、この補助パターンと当 第1引き出し部とをビアホールを通じて並列 接続して、外側コイル部の最外に形成した 1の並列パターン部と、第1パターン群にお る最内の輪状パターンに対応した補助パタ ンを第2絶縁層上に形成し、この補助パター と最内の輪状パターンとをビアホールを通 て並列に接続して形成した第2の並列パター ン部と、第2パターン群における最内の輪状 ターンに対応した補助パターンを第1絶縁層 に形成し、この補助パターンと最内の輪状 ターンとをビアホールを通じて並列に接続 て形成した第3の並列パターン部とを備える 構成とした。
 かかる構成により、少なくとも、外側コイ 部の最外と最内部分の特性インピーダンス 低減する。 

 請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4に 載のコイル部品において、第1のコイルブロ ックを基板上に形成して、第2のコイルブロ クをそのコイル体が第1のコイルブロックの イル体と同軸且つ同じ向きになるように第1 のコイルブロック上に積層すると共に、別体 の基板をこの第2のコイルブロック上に設け 且つ、第1外部電極を第1のコイルブロックに 内包されたコイル体の第1引き出し部に接続 ると共に、第2外部電極をコイル体の第2引き 出し部に接続し、第3外部電極を第2のコイル ロックに内包されたコイル体の第1引き出し 部に接続すると共に、第4外部電極をコイル の第2引き出し部に接続した構成とする。
 かかる構成により、このコイル部品を、差 伝送路に適用して、コモンモードチョーク イルとして機能させることができる。すな ち、ノーマルモードでは、差動信号が第1の コイルブロックのコイル体を通じて流れ、こ の差動信号とは逆方向の差動信号が第2のコ ルブロックのコイル体に流れる。そして、 モンモードでは、高周波のノイズが、第1及 第2のコイルブロックに同方向に流れるが、 第1及び第2のコイルブロックにおける高イン クタンスのコイル体によって減衰される。

 以上詳しく説明したように、この発明の イル部品によれば、一以上の並列パターン の配設位置や長さ等を調整するだけで、コ ル体内部の特性インピーダンスを許容範囲 に納めることができるので、所望のインダ タンスを確保しつつ、特性インピーダンス 調整を容易且つ任意に行うことができると う優れた効果がある。また、並列パターン だけでなく、並列パターン部が設けられて ない外側コイル部の輪状パターン間におい も、浮遊容量が低減するので、自己共振周 数の低下を防止することができるという効 もある。

 特に、請求項2の発明に係るコイル部品に よれば、外側コイル部だけでなく、内側コイ ル部の特性インピーダンスをも低減させるこ とができる。

 また、請求項3の発明に係るコイル部品に よれば、小型化を図りつつ、所望のインダク タンスを確保することができると共に、特性 インピーダンスの容易且つ任意な調整が可能 となる。

 また、請求項5の発明に係るコイル部品に よれば、コイル部品を、差動伝送路に最適な コモンモードチョークコイルとして機能させ ることができる。

この発明の一実施例に係るコイル部品 分解斜視図である。 コイル部品の外観図である。 第1のコイルブロックの構成を説明する ための平面図である。 第1のコイルブロックの構成を示す平面 図である。 第2のコイルブロックの構成を説明する ための平面図である。 第2のコイルブロックの構成を示す平面 図である。 高速差動伝送路にコイル部品を実装し 状態を示す概略図である。 コイルが全て並列パターンで構成され いるコイル部品の特性インピーダンスを示 線図である。 コイルが全て直列パターンで構成され いるコイル部品の特性インピーダンスを示 線図である。 コイルが並列パターンと直列パターン とで構成されているコイル部品の特性インピ ーダンスを示す線図である。 75psのパルス信号を用いたTDR測定時の 性インピーダンスを示す線図である。 第1従来例のコイル部品を示す分解斜 図である。 第2従来例のコイル部品を示す分解斜 図である。

符号の説明

 1…コイル品、 2…第1のコイルブロック  2-1,3-1…コイル体、 2-2,3-2…絶縁体、 3… 2のコイルブロック、 4-1,4-2…磁性体基板、 5-1~5-4…外部電極、 6,6″…外側コイル部、  6-1,6-1″…第1パターン群、 6-2,6-2″…第2パタ ーン群、 7,7″…内側コイル部、 7-1,7-1″… 1渦巻き状パターン、 7-2,7-2″…第2渦巻き パターン、 7-2b,7-2″b…第2引き出し部、 21~ 25…絶縁層、 22a~22i,24a~24i…ビアホール、 40 接着剤、 60,60″…第1引き出し部、 61~64… 状パターン、 81~83,81″~83″…並列パターン 部、 81A~83A,81″A~83″A…補助パターン。

 以下、この発明の最良の形態について図 を参照して説明する。

 図1は、この発明の一実施例に係るコイル部 品の分解斜視図であり、図2は、コイル部品 外観図である。
 この実施例のコイル部品は、高速差動伝送 に適用可能なコモンモードチョークコイル あり、図2に示すように、第1のコイルブロ ク2と第2のコイルブロック3とを基板として 磁性体基板4-1,4-2に挟み込んで、チップ体を 成し、4つの外部電極5-1~5-4を、このチップ の外側に取り付けた構造になっている。

 第1のコイルブロック2は、磁性体基板4-1 に形成されており、図1に示すように、外側 イル部6及び内側コイル部7で成る一のコイ 体2-1と、このコイル体2-1を内包した絶縁体2- 2とを備えている。

 コイル体2-1は、内側コイル部7を外側コイ ル部6内に収納した状態で電気的に接続する とにより形成されており、外側コイル部6及 内側コイル部7は、複数のパターンを連結す ることにより形成されている。

 図3は、第1のコイルブロック2の構成を説明 るための平面図である。なお、理解を容易 するため、内側コイル部7を形成する各パタ ーンについては黒塗りで示し、並列パターン 部を構成する補助パターンの部分は、破線で 示した。
 図1に示すように、第1のコイルブロック2の 縁体2-2は、絶縁層21~23を積層して形成した のであり、外側コイル部6及び内側コイル部7 は、これら絶縁層21~23上にパターン形成され いる。

 具体的には、外側コイル部6は、図3に示 ように、絶縁層21上の第1パターン群6-1と絶 層22上の第2パターン群6-2とで構成されてい 。

 第1パターン群6-1は、図3(a)に示すように 絶縁層21上に二重に配された異径で矩形の輪 状パターン61,62と、その外側に配された第1引 き出し部60とで成る。各輪状パターン61(62)は 両端部61a,61b(62a,62b)を有し、第1引き出し部60 が、輪状パターン61の外側に折り曲げ形成さ ている。そして、第1引き出し部60の一方の 部60aが、絶縁層21の図の下側左縁部に配置 れている。これにより、第1引き出し部60の 部60aが第1のコイルブロック2から露出した状 態になっている。

 第2パターン群6-2は、図3(b)に示すように 絶縁層22上に二重に配された異径で矩形の輪 状パターン63,64で成る。また、各輪状パター 63(64)の両端部63a,63b(64a,64b)は、所定の距離を 保って向かい合うように設定されている。端 部63a,64aと端部63b,64bとは、完全に対向してお ず、互いに図面上下にずれて、端部63a,64aが 第1パターン群6-1の第1引き出し部60及び輪状 ターン61の端部60b,61bに一致すると共に、端 63b,64bが、端部61a,62aに一致している。

 このような構成の第1及び第2パターン群6-1,6 -2は、絶縁層22を介して対面し、絶縁層22のビ アホール22a~22d(図4(b)参照)を通じて電気的に 続されている。具体的には、第1引き出し部6 0の端部60bがビアホール22aを通じて最外の輪 パターン63の開放端部63aに接続されている。 そして、輪状パターン63の端部63bがビアホー 22bを通じて輪状パターン61の端部61aに、輪 パターン61の端部61bがビアホール22cを通じて 輪状パターン64の端部64aに、輪状パターン64 端部64bがビアホール22dを通じて輪状パター 62の端部62aに、輪状パターン62の端部62bが後 する第1渦巻き状パターン7-1の外側端部7-1a それぞれ接続されている。
 すなわち、かかる接続構造により、第1パタ ーン群6-1及び第2パターン群6-2が、第1引き出 部60,輪状パターン63,輪状パターン61,輪状パ ーン64,輪状パターン62の順で、螺旋状に接 され、外側コイル部6全体が上下方向(図面表 裏方向)に交互に螺旋を描く。

 一方、内側コイル部7は、黒塗りで示すよう に、絶縁層21上の第1渦巻き状パターン7-1と絶 縁層22上の第2渦巻き状パターン7-2とで構成さ れている。
 具体的には、第1渦巻き状パターン7-1は、2 き強の巻き数に設定され、第1パターン群6-1 おける最内の輪状パターン62の内側に配さ ている。そして、上記したように、第1渦巻 状パターン7-1の外側端部7-1aが輪状パターン 62の端部62bに接続されている。
 また、第2渦巻き状パターン7-2は、略2巻き 巻き数に設定され、第2パターン群6-2におけ 最内の輪状パターン64の内側に配されてい 。そして、第2渦巻き状パターン7-2の内側端 7-2aが、絶縁層22のビアホール22i(図4(b)参照) 通じて第1渦巻き状パターン7-1の内側端部7-1 bに接続されている。また、この第2渦巻き状 ターン7-2は、第2パターン群6-2の間隙を通っ て左側に引き出された第2引き出し部7-2bを有 、その端部7-2cが、絶縁層22の図の上側左縁 に位置している。これにより、端部7-2cは、 第1引き出し部60の端部60aとは反対側の位置で 第1のコイルブロック2から露出している。

 そして、図1に示すように、絶縁層23が、 記のような第2パターン群6-2及び第2渦巻き パターン7-2上に積層されている。これによ 、螺旋状の外側コイル部6と渦巻き状の内側 イル部7とで成る一のコイル体2-1が形成され 、このコイル体2-1が絶縁層21~23で形成された 縁体2-2に内包されて、第1のコイルブロック 2を構成している。

 この実施例では、所定長さの補助パターン 第1,第2パターン群6-1,6-2に並列に接続して形 成した低インダクタンスの並列パターン部を 、上記コイル体2-1の外側コイル部6に複数設 ている。
 具体的には、図3に示すように、第1の並列 ターン部81と第2の並列パターン部82と第3の 列パターン部83とを、第1引き出し部60と輪状 パターン62と輪状パターン64とのハッチで示 部分に形成した。

 より詳細には、図3(b)の最外の破線で示すよ うに、第1引き出し部60のハッチ部分に対応し た形状の補助パターン81Aを絶縁層22上に形成 た。そして、この補助パターン81Aと第1引き 出し部60とをビアホール22e,22fを(図4(b)参照)通 じて並列に接続することで、並列パターン部 81を形成した。
 また、図3(b)の内側の破線で示すように、第 1パターン群6-1における最内の輪状パターン62 のハッチ部分に対応した形状の補助パターン 82Aを、絶縁層22上に形成した。そして、この 助パターン82Aと輪状パターン62とをビアホ ル22g,22h(図4(b)参照)を通じて並列に接続する とで、並列パターン部82を形成した。
 さらに、図3(a)の破線で示すように、輪状パ ターン61の端部61bから延出して輪状パターン6 2の端部62aに至り、第2パターン群6-2における 内の輪状パターン64に対応した形状の補助 ターン83Aを、絶縁層21上に形成した。上記し たように、輪状パターン64は、ビアホール22c, 22d(図4(b)参照)を通じて輪状パターン61,62の端 61b,62aに接続されているので、補助パターン 83Aは輪状パターン64に並列に接続された状態 なり、この部分に、並列パターン部83が形 される。

 図4は、第1のコイルブロック2の構成を示す 面図であり、並列パターン部を構成する補 パターンも明示している。
 上記のように並列パターン部81~83を形成す ことで、図4(a)に示すように、補助パターン8 3Aが第1パターン群6-1の輪状パターン61,62の間 位置し、図4(c)に示すように、補助パターン 81Aが第2パターン群6-2の輪状パターン63の外側 に位置すると共に、補助パターン82Aが輪状パ ターン64と第2渦巻き状パターン7-2との間に位 置する。すなわち、補助パターン81A~83Aを絶 層21,22上に形成し、しかも、輪状パターン61~ 64の間に配置することで、第1のコイルブロッ ク2の厚み方向への増加を回避して、第1のコ ルブロック2の小型化を図っている。
 また、並列パターン部81を外側コイル部6の 外部に設け、並列パターン部82,83を外側コ ル部6の最内部に設けて、コイル体2-1の入力 と出力側とを差動信号に対して低インダク ンスな構造にしている。

 図1に示すように、第2のコイルブロック3 、第1のコイルブロック2とほぼ同構造であ 、外側コイル部6″及び内側コイル部7″で成 る一のコイル体3-1と、このコイル体3-1を内包 した絶縁体3-2とを備える。第2のコイルブロ ク3は、第1のコイルブロック2の上方に形成 れ、第2のコイルブロック3のコイル体3-1が第 1のコイルブロック2のコイル体2-1と同軸で同 向を向いている。

 コイル体3-1も、コイル体2-1とほぼ同構造で るが、第1引き出し部と第2引き出し部の引 出し位置が異なる。
 図5は、第2のコイルブロック3の構成を説明 るための平面図であり、理解を容易にする め、内側コイル部7″を形成する各パターン については黒塗りで示し、並列パターン部を 構成する補助パターンの部分は、破線で示し た。
 図1に示すように、第2のコイルブロック3の イル体3-1は、外側コイル部6″の第1及び第2 ターン群6-1″,6-2″と内側コイル部7″の第1 び第2渦巻き状パターン7-1″,7-2″とを、絶 体3-2を構成する絶縁層23~25上にパターン形成 して成る。
 すなわち、図5(a)に示すように、外側コイル 部6″(図1参照)の第1パターン群6-1″と内側コ ル部7″(図1参照)の第1渦巻き状パターン7-1 とが、絶縁層23上にパターン形成され、図5(b )に示すように、外側コイル部6″の第2パター ン群6-2″と内側コイル部7″の第2渦巻き状パ ーン7-2″とが、絶縁層24上にパターン形成 れている。
 そして、第1パターン群6-1″の第1引き出し 60″及び輪状パターン61,62と、第2パターン群 6-2″の輪状パターン63,64とが、絶縁層24のビ ホール24a~24d(図6(b)参照)を通じて螺旋状に接 されて、外側コイル部6″が構成されている 。また、第1渦巻き状パターン7-1″と第2渦巻 状パターン7-2″とがビアホール24i(図6(b)参 )を通じて直列接続されて、内側コイル部7″ が構成されている。
 さらに、第1引き出し部60″は、絶縁層23の 側の位置に引き出され、その端部60″aが第2 コイルブロック3から露出している。そして 、第2パターン群6-2″の間隙から引き出され 第2引き出し部7-2″bも、絶縁層24の右側に折 曲がり、その端部7-2″cを第2のコイルブロ ク3から露出させている。
 そして、図1に示すように、絶縁層25が、第2 パターン群6-2″及び第2渦巻き状パターン7-2 上に積層されて、第2のコイルブロック3が形 成されている。

 上記コイル体3-1の外側コイル部6″にも、 第1,第2パターン群6-1″,6-2″に並列に接続し 形成した低インダクタンスの第1の並列パタ ン部81″と第2の並列パターン部82″と第3の 列パターン部83″とが設けられている。

 具体的には、図5(b)の最外の破線で示すよ うに、絶縁層24上の補助パターン81″Aと第1引 き出し部60″とをビアホール24e,24f(図6(b)参照) で並列に接続することで、並列パターン部81 を形成し、図5(b)の内側の破線で示すように 、補助パターン82″Aと輪状パターン62とをビ ホール24g,24h(図6(b)参照)で並列に接続するこ とで、並列パターン部82″を形成した。そし 、図5(a)の破線で示すように、補助パターン 83″Aを絶縁層23上に設けて、並列パターン部8 3″を形成した。

 図6は、第2のコイルブロック3の構成を示す 面図であり、並列パターン部を構成する補 パターンも明示している。
 この第2のコイルブロック3においても、上 のように並列パターン部81″~83″を形成する ことで、図6に示すように、厚み方向への増 を回避して、第2のコイルブロック3の小型化 を図っている。また、コイル体3-1においても 、その入力側と出力側とが低インダクタンス な構造になっている。

 図1に示すように、磁性体基板4-2が、以上の ような第2のコイルブロック3の絶縁層25の上 接着剤40を介して接着されて、チップ体が構 成されている。
 そして、外部電極5-1~5-4が、このチップ体の 外側に取り付けられている。
 具体的には、第1外部電極としての外部電極 5-1を、コイル体2-1の第1引き出し部60の端部60a に接続すると共に、第2外部電極としての外 電極5-2を第2引き出し部7-2bの端部7-2cに接続 た。そして、第3外部電極としての外部電極5 -3をコイル体3-1の第1引き出し部60″の端部60 aに接続すると共に、第4外部電極としての外 部電極5-4を第2引き出し部7-2″bの端部7-2″cに 接続した。

 ここで、コイル部品1の製法について、図1 参照しながら簡単に説明する。
 この実施例のコイル部品1は、第1パターン 6-1及び第1渦巻き状パターン7-1,第2パターン 6-2及び第2渦巻き状パターン7-2,補助パターン 81A~83A,第1パターン群6-1″及び第1渦巻き状パ ーン7-1″,第2パターン群6-2″及び第2渦巻き パターン7-2″,補助パターン81″A~83″Aと絶縁 層21~25とを、磁性体基板4-1上に交互に積層し 磁性体基板4-2を最上位に接着して形成され ものある。そして、各層の材料としては、 に様なものが使用される。
 基板としては、磁性体基板4-1,4-2を使用した 。以後のフォトリソグラフィ工法に支障がな いように、磁性体基板4-1の表面粗さRaを0.5μm 下に研磨しておくことが望ましい。なお、 の実施例では、磁性体基板を使用している 、コイル部品の用途に応じて、誘電体基板 絶縁体基板を用いることもできる。
 また、絶縁層21~25を形成するための絶縁材 としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂 ベンゾシクロブテン樹脂等の種々の樹脂材 、あるいはSiO2等のガラス、ガラスセラミク 、誘電体等を用いたり、複数材料を組み合 せたものを用いることができる。この実施 では、フォトリソグラフィ工法を採用する とから、絶縁層21~25の材料として感光性ポ イミド樹脂を使用した。
 また、第1及び第2パターン群6-1,6-2,6-1″,6-2 と第1及び第2渦巻き状パターン7-1,7-2,7-1″,7-2 ″と補助パターン81A~83A,81″A~83″Aとを形成す るための導電性材料としては、導電性に優れ たAg、Pd、Cu、Al等の金属、あるいはこれらの 金を用いることができる。この実施例では Agを用いた。なお、この絶縁材料と導電性 料との組み合わせは、加工性・密着性等を 慮して選択することが望ましい。
 また、接着剤40として熱硬化性のポリイミ 樹脂を用いた。

 コイル部品1の製法においては、まず、絶縁 材料を磁性体基板4-1上に塗布し、光硬化させ ることで、第1絶縁層としての絶縁層21を形成 する。そして、スパッタリングや蒸着等の薄 膜形成法やスクリーン印刷等の厚膜形成法を 用いて、導電材料の膜をこの絶縁層21上に形 する。しかる後、レジスト塗布-露光-現像- ッチング-レジスト剥離等の一連のフォトリ ソグラフィ工法により、第1パターン群6-1,第1 渦巻き状パターン7-1及び補助パターン83Aを絶 縁層21上にパターン形成する。次に、絶縁材 を第1パターン群6-1及び第1渦巻き状パター 7-1上に塗布して、フォトリソグラフィ工法 より、ビアホール22a~22i(図4(b)参照)を有した 2絶縁層としての絶縁層22を形成する。そし 、この絶縁層22上に導電材料の膜を形成し 後、フォトリソグラフィ工法により、第2パ ーン群6-2,第2渦巻き状パターン7-2及び補助 ターン81A,82Aをパターン形成する。これによ 、上層の第2パターン群6-2,第2渦巻き状パタ ン7-2及び補助パターン81A,82Aと下層の第1パ ーン群6-1,第1渦巻き状パターン7-1及び補助パ ターン83Aとがビアホール22a~22iを通じて電気 に接続され、並列パターン部81~83を有したコ イル体2-1を絶縁体2-2に内包する第1のコイル ロック2が形成される。
 以後同様に、絶縁層23~25と第1及び第2パター ン群6-1″,6-2″と第1及び第2渦巻き状パターン 7-1″,7-2″と補助パターン81″A~83″Aとを交互 層して、並列パターン部81″~83″を有した イル体3-1を絶縁体3-2に内包する第2のコイル ロック3を形成する。しかる後、接着剤40を 布した磁性体基板4-2を第2のコイルブロック 3の絶縁層25上に接着させた。この状態で、真 空中又は不活性ガス中で加熱・加圧し、冷却 後、圧力を解除することで、磁性体基板4-2を 第2のコイルブロック3上に強固に接合する。
 そして、かかる工程で得たウエハをダイシ グ等の切断加工により、所定サイズのチッ 体に分割した後、各チップ体に外部電極5-1~ 5-4を形成する。この際、Ag,Ab-Pd,Cu,NiCr又はNiCu の材料を含む導電性ペーストを塗布したり その材料をスパッタリングや蒸着等で金属 膜し、この金属膜の上に、湿式電解メッキ 、Ni、Sn、Sn-Pb等の金属膜をさらに形成する とで、外部電極5-1~5-4を形成する。
 以上のように、コイル部品1の製法に、フォ トリソグラフィ工法を採用することで、小型 で高精度なコイル部品1を製造することがで る。

 次に、この実施例のコイル部品1が示す作用 及び効果について説明する。
 図7は、高速差動伝送路にコイル部品1を実 した状態を示す概略図である。
 図7に示すように、パーソナルコンピュータ のトランスミッタ400をモニタ側のレシーバ401 にケーブル402を介して接続し、デジタルの差 動信号D+,D-をトランスミッタ400からレシーバ4 01へ伝送するDVIやHDMI規格の高速差動伝送路に コイル部品1を実装する場合について説明す 。なお、DVIやHDMI規格の伝送方式では、1対の クロック差動信号と3対のデータ差動信号D+,D- を送信するが、ここでは、理解を容易にする ため、1対の差動信号D+,D-を通す線路に着目し 、この線路にコイル部品1を実装した場合を にして説明する。

 図7において、コイル部品1は、コモンモー チョークコイルとして作用する。すなわち ノーマルモード時には、差動信号D+が外部電 極5-1からコイル体2-1に入力した後、外部電極 5-2から出力され、逆位相の差動信号D-が外部 極5-4からコイル体3-1に入力した後、外部電 5-3から出力される。このとき、コイル体2-1 外部電極5-1から入力した差動信号D+は、外 コイル部6を螺旋状に流れた後、内側コイル 7において回転しながら流れて、外部電極5-2 に至る。一方、差動信号D-は、差動信号D+と 位相なので、コイル体3-1の外部電極5-4から 力し、内側コイル部7″を回転しながら流れ 後、外側コイル部6″において螺旋状に流れ て、外部電極5-3に至る。このように、差動信 号D+,D-が互いに逆方向に流れるので、コイル 品1内の磁界が打ち消し合って、コイル部品 1のインピーダンスが低くなり、差動信号D+,D- が減衰されることなく、コイル部品1を通過 る。
 これに対して、コモンモード時には、ノイ がコイル体2-1,3-1に同方向から入力するので 、磁界が強め合って、コイル部品1が高イン ーダンス状態になり、ノイズがコイル部品1 よって減衰される。

 ところで、図1~図4に示したように、コイル 2-1における外側コイル部6の第1パターン群6- 1及び第2パターン群6-2が、第1引き出し部60,輪 状パターン63,輪状パターン61,輪状パターン64, 輪状パターン62の順で、螺旋状に直列接続さ ている。そして、内側コイル部7の第1渦巻 状パターン7-1が外側コイル部6に直列に接続 れ、第2渦巻き状パターン7-2がこの第1渦巻 状パターン7-1に直列に接続された構造にな ている。
 このため、コイル体2-1内では、特性インピ ダンスが、第1引き出し部60から第2引き出し 部7-2bに向かうに従って漸次増加して、許容 囲外になり、第1引き出し部60側から入力し 差動信号D+がコイル体2-1の内部で反射される おそれがある。
 しかしながら、この実施例では、並列パタ ン部81を外側コイル部6の最外部に設け、並 パターン部82,83を外側コイル部6の最内部に けて、コイル体2-1の入力側と出力側の特性 ンピーダンスが低くなる構造にしている。
 したがって、外部電極5-1を入力端とするコ ル体2-1の特性インピーダンスは、まず、外 電極5-1によって下げられた後、さらに並列 ターン部81によって下げられる。そして、 性インピーダンスは、輪状パターン63,61の2 き部分で高くなるが、並列パターン部81によ って予め所定値まで下げておくことで、輪状 パターン63,61の部分の特性インピーダンスの 昇を許容範囲に納めることができる。また 特性インピーダンスは、並列パターン部83,8 2によって十分に下げられた後、直列に接続 れた第1及び第2渦巻き状パターン7-1,7-2によ て上げられるので、特性インピーダンスを 列パターン部83,82によって予め所定値まで下 げるように設定しておくことで、第1及び第2 巻き状パターン7-1,7-2による特性インピーダ ンスの上昇を許容範囲内に納めることができ る。
 このように、コイル体2-1では、並列パター 部81~83によって、コイル体2-1内の特性イン ーダンスを許容範囲内に納めるようにする とができるので、差動信号D+が外部電極5-1か らコイル体2-1に入力した後、内部で反射する という事態を防止することができる。
 また、外側コイル部6における浮遊容量は、 輪状パターン63,61の部分に生じることとなる 、輪状パターン63,61が上下に近接して配設 れているので、輪状パターン63,61間の電位降 下は少ない。このため、輪状パターン63,61間 生じる浮遊容量は非常に小さい。

 一方、外部電極5-4を入力端とするコイル体3 -1の特性インピーダンスは、図1,図5及び図6に 示したように、まず、外部電極5-4によって下 げられるので、第2渦巻き状パターン7-2″及 第1渦巻き状パターン7-1″によって上昇する 性インピーダンスを許容範囲内に納めるこ ができる。そして、外側コイル部6″の並列 パターン部82″,83″によって、特性インピー ンスを下げることで、輪状パターン63,61の2 き部分での上昇を許容範囲内に納めること できる。しかる後、特性インピーダンスは 並列パターン部81″によって十分に下げら る。
 このように、コイル体3-1においても、コイ 体3-1内の特性インピーダンスを、並列パタ ン部81″~83″によって許容範囲内に納める とができるので、差動信号D-が外部電極5-4か らコイル体3-1に入力した後、内部で反射する という事態を防止することができる。

 以上のように、この実施例のコイル部品1 によれば、所定長さの並列パターン部81~83を けることで、所望インダクタンスを確保し つ、コイル体2-1(3-1)内部の特性インピーダ スを許容範囲内に納めることができる。

 発明者等は、かかる作用及び効果を確認す く、次のような実験を行った。
 図8は、コイルが全て並列パターンで構成さ れているコイル部品の特性インピーダンスを 示す線図であり、図9は、コイルが全て直列 ターンで構成されているコイル部品の特性 ンピーダンスを示す線図であり、図10は、コ イルが並列パターンと直列パターンとで構成 されているコイル部品の特性インピーダンス を示す線図である。
 発明者等は、試料のコイル部品のチップサ ズを0.8mm×0.8mm、コイル体のターン数及びパ ーン幅を6.5ターン及び約15μmに設定し、入 するパルス信号の立ち上がり時間を200psに設 定して、TDR測定を行った。
 まず、図12に示した第1従来技術のコイル部 100のように、コイルが全て並列パターンで 成されているコイル部品をTDR測定したとこ 、図8の特性インピーダンス曲線V1で示すよ に、特性インピーダンスが許容範囲100±15(ω )を下回る部分が生じることが確認された。
 また、図13に示した第2従来技術のコイル部 200のように、コイルが全て直列パターンで 成されているコイル部品をTDR測定したとこ 、図9の特性インピーダンス曲線V2で示すよ に、特性インピーダンスが許容範囲100±15(ω )を上回る部分が生じることが確認された。
 これに対して、並列パターン部81~83(81″~83 )を外側コイル部6の最外部と最内部とに混在 させたこの実施例のコイル部品1を試料とし 、TDR測定をしたところ、図10の特性インピー ダンス曲線V3で示すように、出力側での特性 ンピーダンスが115ω以下に入ることを確認 きた。
 以上から、この実施例のコイル部品1が、立 ち上がり時間が200psのパルス信号を用いたTDR 験にパスする適格性を有していることを確 することができた。

 発明者等は、コイル体2-1(3-1)の内部の特性 ンピーダンスが、並列パターン部81~83(81″~83 ″)によって下げられ、また、外側コイル部6 内側コイル部7を構成する直列のパターンに よって上げられることをさらに詳しく知るた めに、立ち上がり時間が75psのパルス信号を い、分解能を高めて、TDR測定を行った。
 図11は、75psのパルス信号を用いたTDR測定時 特性インピーダンスを示す線図である。
 かかる測定の結果、図11に示すように、コ ル部品1の特性インピーダンスは、入力側(図 11の左側)において減少し、出力側で増加する が、特性インピーダンスが入力側で90ω程度 で大きく下げられ、このインピーダンスの 降によって、出力側での特性インピーダン が115ω以内に納められることを確認できた。 そして、入力側と出力側との間で、特性イン ピーダンスが、急激に上昇又は下降して、許 容範囲から大きく外れてしまうような部分が ないことも確認した。

 なお、この発明は、上記実施例に限定され ものではなく、発明の要旨の範囲内におい 種々の変形や変更が可能である。
 例えば、上記実施例では、コイル部品1をコ モンモードチョークコイルとして機能させる ため、第1及び第2のコイルブロック2,3を構成 素としたが、この発明には、フェライトビ ズのようにコイルブロックが1つのコイル部 品も含むことは勿論である。
 また、上記実施例では、磁性体基板4-1,4-2を 構成要素としたが、これらの基板がないコイ ル部品や一の基板のみを有するコイル部品を 発明の範囲から除外する意ではない。
 また、上記実施例では、並列パターン部を 側コイル部6(6″)にのみ設けたが、内側コイ ル部7(7″)に、並列パターン部を設けて、内 の特性インピーダンスを低い範囲内に納め ようにすることもできる。具体的には、所 長さの補助パターンを第1渦巻き状パターン7 -1(7-1″)や第2渦巻き状パターン7-2(7-2″)と並 に接続して、一以上の並列パターン部を形 することができる。