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Title:
COLD-FINISHED SEAMLESS STEEL PIPE FOR INTEGRALLY MOLDED DRIVE SHAFT, DRIVE SHAFT USING THE PIPE, AND METHOD FOR MANUFACTURING THE COLD-FINISHED SEAMLESS STEEL PIPE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123363
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a cold-finished seamless steel pipe for an integrally molded drive shaft, which is obtained by cold-extracting a material pipe hot-rolled by the Mannesmann piercing method. In order to retain the maximum inner face wrinkle depth of 0.1 mm or less of the seamless steel pipe for the drive shaft and the maximum wrinkle depth of 0.20 mm or less of the inner face at the internal diameter reduction ratio of 30 % or more in the radially reduced portion, the material used is the steel of the kind having specific chemical compositions. This steel material is subjected to a piercing-rolling treatment by the Mannesmann method, and is adjusted in the hole molding shape in the routine rolling after drawing-rolled, and then adjusted in the thickness treatment in the later cold-extraction. As a result, the seamless steel pipe can retain excellent torsional fatigue characteristics as the integrally molded automotive drive shaft having radially reduced portions at its two end portions, so that it can be used as a hollow member optimum for weight reduction and quietness. As a result, the automotive drive shaft can be efficiently manufactured.

Inventors:
YAMAMOTO, Tadayuki (5-33, Kitahama 4-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 41, 5410041, JP)
Application Number:
JP2008/055903
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO METAL INDUSTRIES, LTD. (5-33, Kitahama 4-chome Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 41, 5410041, JP)
住友金属工業株式会社 (〒41 大阪府大阪市中央区北浜四丁目5番33号 Osaka, 5410041, JP)
International Classes:
B21B23/00; B21B17/14; B21C37/15; C21D9/08; C22C38/00; C22C38/32; C22C38/58; B21B23/00; B21B17/00; B21C37/15; C21D9/08; C22C38/00; C22C38/32; C22C38/58
Attorney, Agent or Firm:
MORI, Michio (M. MORI PATENT OFFICE, Amagasaki Building17-23, Higashinaniwa-cho 5-chome,Amagasaki-sh, Hyogo 92, 6600892, JP)
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Claims:
 質量%で、C:0.30~0.38%、Si:0.50%以下、Mn:0.30~2.00%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Cr:0.15~1.0%、Al:0.001~0.05%、Ti:0.005~0.05%、N:0.02%以下、B:0.0005~0.01%およびO(酸素):0.0050%以下を含み、残部がFeおよび不純物であり、
 下記(1a)または(1b)式で定義されるBeffが0.0001%以上を満足する化学組成からなり、
 長手方向に垂直な断面における内表面に残存する内面しわの最大深さが0.10mm以下であることを特徴とする一体成形型ドライブシャフト用冷間仕上継目無鋼管。
 ただし、Ti、NおよびBを含有量%とし、N-14×Ti/47.9≧0の場合に
 Beff=B-10.8×(N-14×Ti/47.9)/14 ・・・(1a)
 同様に、N-14×Ti/47.9<0の場合に
 Beff=B                        ・・・(1b)
 Feの一部に代えて、さらに下記の(a)~(c)の群のうちから選ばれた1群または2群以上の元素を含有する請求項1に記載の一体成形型ドライブシャフト用冷間仕上継目無鋼管。
(a)Cu:1%以下、Ni:1%以下およびMo:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
(b)V:0.1%以下、Nb:0.1%以下およびZr:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
(c)Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下および希土類元素(REM):0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
 継目無鋼管に縮径部を設ける縮径加工を施して一体成形されたドライブシャフトであって、
 質量%で、C:0.30~0.38%、Si:0.50%以下、Mn:0.30~2.00%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Cr:0.15~1.0%、Al:0.001~0.05%、Ti:0.005~0.05%、N:0.02%以下、B:0.0005~0.01%およびO(酸素):0.0050%以下を含み、残部がFeおよび不純物であり、
 下記(1a)または(1b)式で定義されるBeffが0.0001%以上を満足する化学組成からなり、
 前記縮径加工の際に、縮径部の少なくとも一部の加工度が内径縮径率で30%以上であり、前記縮径部の長手方向に垂直な断面における内表面に残存する内面の最大しわ深さが0.20mm以下であることを特徴とするドライブシャフト。
 ただし、Ti、NおよびBを含有量%とし、N-14×Ti/47.9≧0の場合に
 Beff=B-10.8×(N-14×Ti/47.9)/14 ・・・(1a)
 同様に、N-14×Ti/47.9<0の場合に
 Beff=B                        ・・・(1b)
 Feの一部に代えて、さらに下記の(a)~(c)の群のうちから選ばれた1群または2群以上の元素を含有する請求項3に記載のドライブシャフト。
(a)Cu:1%以下、Ni:1%以下およびMo:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
(b)V:0.1%以下、Nb:0.1%以下およびZr:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
(c)Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下および希土類元素(REM):0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
 質量%で、C:0.30~0.38%、Si:0.50%以下、Mn:0.30~2.00%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Cr:0.15~1.0%、Al:0.001~0.05%、Ti:0.005~0.05%、N:0.02%以下、B:0.0005~0.01%およびO(酸素):0.0050%以下を含み、残部がFeおよび不純物であり、かつ下記(1a)または(1b)式で定義されるBeffが0.0001%以上を満足する化学組成からなるビレットを用いた冷間仕上継目無鋼管の製造方法であって、
 前記ビレットを用いてマンネスマン製管法による穿孔圧延に次いで延伸圧延したのち、
 少なくとも2個の孔型圧延ロールを備えた複数のスタンドからなる定径圧延装置を用いて定径圧延する際に、前記各スタンドにおいて互いに隣接する孔型圧延ロールの対向するエッジ部に接線を引き、それぞれの接線の成す角度β(度)のうち全スタンドで最小の角度をβmin(度)とした場合に、下記(2)式の関係を満足する孔型圧延ロールを用いて素管を圧延し、
 さらに前記素管を冷間抽伸する際に、当該素管の最小肉厚部におけるに肉厚加工度を10%以上とすることを特徴とする一体成形型ドライブシャフト用冷間仕上継目無鋼管の製造方法。
 ただし、(1a)および(1b)式において、Ti、NおよびBを含有量%とし、
 N-14×Ti/47.9≧0の場合に
 Beff=B-10.8×(N-14×Ti/47.9)/14  ・・・(1a)
 同様に、N-14×Ti/47.9<0の場合に
 Beff=B                         ・・・(1b)
 ただし、(2)式において、D:定径圧延後の管外径(mm)、t:定径圧延後の管肉
 厚(mm)およびln(x):xの自然対数とし、
 βmin≧1.13×10×ln(t/D×l00)+1.37×10 2 ・・・(2)
 前記ビレットの化学組成が、Feの一部に代えて、さらに下記の(a)~(c)の群のうちから選ばれた1群または2群以上の元素を含有する請求項5に記載の一体成形型ドライブシャフト用冷間仕上継目無鋼管の製造方法。
(a)Cu:1%以下、Ni:1%以下およびMo:1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
(b)V:0.1%以下、Nb:0.1%以下およびZr:0.1%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
(c)Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下および希土類元素(REM):0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種以上
 前記冷間抽伸の後に焼鈍また焼準を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の一体成形型ドライブシャフト用冷間仕上継目無鋼管の製造方法。
Description:
一体成形型ドライブシャフト用 間仕上継目無鋼管およびそれを用いたドラ ブシャフト、並びにその冷間仕上継目無鋼 の製造方法

 本発明は、ドライブシャフト用冷間仕上 目無鋼管およびそれを用いたドライブシャ ト、並びにドライブシャフト用冷間仕上継 無鋼管の製造方法に関し、さらに詳しくは 一体成形型自動車用ドライブシャフトの軽 化や静粛性に最適な、捩り疲労特性に優れ 、中空部材として用いられる冷間仕上継目 鋼管、さらにこの継目無鋼管を効率的に製 する方法、およびこれらの冷間仕上継目無 管を用いて製造されるドライブシャフトに するものである。

 近年、地球環境保護の必要性はますます まり、自動車工業の分野においても、自動 車体の軽量化を図り、省エネルギー効果を に高めることが要請されている。このため 車体軽量化の観点から、自動車用部品を中 部材から中空部材に切り替える試みがなさ 、自動車のドライブシャフトにも、素材自 が中空である鋼管を素材とする中空部材が 用されている。

 中空ドライブシャフトには接合型のドラ ブシャフトと一体成形型のドライブシャフ がある。接合型のドライブシャフトは、中 部に高周波焼入れ等の熱処理を施さない鋼 を使用し、等速ジョイントやデフギアに連 される両端には中実材、鍛造材を使用し、 記中間部に摩擦圧接や溶接により接合した 造のものである。一体成形型のドライブシ フトは、例えば、鋼管部材を用い、等速ジ イントとの締結部となる両管端部を縮径厚 化し、連結要素としてのスプライン加工を し、全体に高周波焼入れを施したものが知 れている。

 自動車用ドライブシャフトは、エンジン 回転軸のトルクをタイヤに伝達する重要保 部品であるため、十分な捩じり剛性や捩り 労強度を確保する必要がある。

 ところで、ドライブシャフト用の中空素 として継目無鋼管を用いる場合、製造条件 よっては鋼管の内面にしわ状きず、すなわ 長手方向に垂直な断面の内表面に形成され 凹凸きず(以下、「内面しわ」という)が残 する場合がある。内面しわが残存すると、 れが疲労き裂の起点など破損の要因となり く、ドライブシャフトの耐疲労強度を著し 低下させることになる。

 図1は、継目無鋼管を熱間で製造するマン ネスマン製管法の製造工程の一例を説明する 図である。この製管方法は、所定温度に加熱 された中実の丸ビレット1を被圧延材とし、 孔圧延機3で軸心部に穿孔を明けて中空素管2 を製造し、後続するマンドレルミル4の延伸 延装置に送給して延伸圧延する。マンドレ ミル4を通過した中空素管2は、次いで再熱炉 5に装入され、再加熱された後、ストレッチ デューサ6の定径圧延装置に通して冷間加工 の素管等に用いられる継目無鋼管が製造さ る。

 このような製管法において、図示するス レッチレデューサ6の構成では、中空素管2 圧下する一対の圧延ロール6rは、パスライン を中心として対向配置された3個の孔型圧延 ール6rからなり、これらの孔型圧延ロール6r 複数のスタンドに配置され、隣接するロー スタンド間ではそれぞれの孔型圧延ロール6 rがパスラインに対して垂直な面内で圧下方 を60°毎ずらして交差配置される。

 その他のストレッチレデューサ6の構成と しては、パスラインに対して垂直な面内で圧 下方向を90°毎ずらして交差配置される4つの 型圧延ロールを備えた4ロール式の定径圧延 装置、さらに、各スタンドに対向する2つの 型圧延ロールを備えた2ロール式の定径圧延 置が採用されている。

 ところが、定径圧延装置として用いられ ストレッチレデューサでは、マンドレルな の内面規制工具を用いることなく、中空素 を外径絞り圧延によって仕上げるので、熱 圧延された鋼管の内面に縦筋状のしわが発 し易い。

 さらに、前記図1に示すストレッチレデュ ーサ6の例では、3個の圧延ロールからなる外 絞り圧延であるため、中空素管はパスライ に対し3方向から圧下を受ける。このため、 熱間仕上げされた鋼管の内面形状は、真円に ならず、角張りや多角形化した円となり、そ の内表面には凹凸形状が形成され易い。

 このような継目無鋼管の内面のしわの問 を解決するため、特許第2822849号公報では、 ストレッチレデューサにおける圧下量を各ス タンド間で均一状態にするとともに、製造さ れた鋼管の内面をショットブラスト研削等に よって内面切削して、ドライブシャフト等の 自動車用継目無鋼管を製造する方法が提案さ れている。この製造方法によれば、熱間圧延 された継目無鋼管の内面を20μm~500μm切削加工 することによって、鋼管内面に発生したしわ を除去して、耐疲労強度の向上を図ることと している。

 しかし、このようなショットブラストに る内面研削には膨大な処理時間が必要にな 。具体的には、ドライブシャフト用として 用される鋼管は、内径(以下では特段の断わ りがない限り、内径、外径とも直径を示す。 )が15~25mm程度の小径部材が対象となるが、こ らの管内面に対して、上記研削量を確保す ためにショット加工を施すには、数十分か 数時間の膨大な処理時間が必要となる。こ ため、前記特許第2822849号公報で提案された 製造方法では、製造コストが増加するととも に、工業上必要とされる量産性が確保できな いという大きな問題がある。

 上述の通り、継目無鋼管の場合、特に広 工業的に採用されている、ストレッチレデ ーサのような内部規制工具なしの圧延工程 経たものは、その圧延機構から鋼管に内面 わが生じ易いという問題を抱えている。し がって、ドライブシャフト用継目無鋼管に いては、内面しわの発生抑制が重要な課題 ある。

 特に、継目無鋼管を一体成形型ドライブ ャフトの素材として利用する場合、内面し または捩り疲労強度に対する縮径加工の影 が懸念される。電縫鋼管を素材として利用 ることは、寸法精度や仕上げ精度が良好な 板をパイプ状に成形して電気抵抗溶接で突 合わせ溶接した構造を有することから、内 しわの懸念がほとんどなく、一体成形型ド イブシャフトに採用され始めているが(例え ば、特開2002-356742号公報参照)、継目無鋼管に 関して上述の問題があることから、本格採用 には至っていない。

 しかしながら、電縫鋼管は、その軸線方 に沿って延在する溶接部分(電縫部)で破損 生じ易く、動力伝達シャフトとして強度低 を招来するという問題がある。継目無鋼管 素材として利用する場合には、このような 念がないことから、本格採用に向けた改善 強く要請されている。

 前述の通り、ドライブシャフト用継目無 管においては、疲労強度を確保する観点か 、内面しわを如何に抑制するかが大きな課 であるが、一体成形型ドライブシャフトと て継目無鋼管を用いる場合には、内面しわ 発生を制限する要求が更に厳しくなる。

 すなわち、摩擦圧接型等、接合型ドライ シャフトの場合においては、使用される継 無鋼管が冷間仕上加工された場合、その冷 仕上加工後の内面しわがそのままドライブ ャフトの内面になる。このとき、一体成形 ドライブシャフトを製造する場合は、冷間 上加工された両端部に縮径加工が施され、 当部は厚肉化の加工を受けることになるが この縮径加工に伴い管内面のしわ深さが著 く増加することが懸念される。

 さらに継目無鋼管を中空素材として用い 一体成形型の中空ドライブシャフトを製造 る場合に、管端の絞り加工や転造加工に起 する割れを発生させないことが要求される また、ドライブシャフトの性能を高めるた 、冷間加工後の熱処理により鋼管内面まで 化させると同時に高靱性を確保し、焼入れ と靱性を兼備させることも要請される。

 換言すれば、一体成形型ドライブシャフ 用として最適な冷間仕上継目無鋼管には、 雑な成形が問題なく得られる冷間加工性、 正な熱処理による焼入れ性と靱性の兼備、 らにはドライブシャフトとしての疲労強度( 捩り疲労強度)を全て満足することが必要に る。

 本発明は、このような技術的背景に鑑み なされたものであり、捩り疲労特性におい 充分な強度を確保し、同時に冷間加工性を え、焼入れ性と靱性の兼備することができ 一体成形型ドライブシャフト用継目無鋼管 、その一体成形型ドライブシャフト用継目 鋼管の低廉な製造方法を提供するとともに 優れた捩り疲労特性や靭性を発揮すること できる一体成形型ドライブシャフトを提供 ることを目的としている。

 ドライブシャフトは、自動車エンジンの 転軸トルクをタイヤに伝達する部品である め、疲労破壊の起点となり得る欠陥を発生 せないことが望ましい。前述の通り、継目 鋼管を中空ドライブシャフトの素材として 用する場合、ストレッチレデューサ等の定 圧延装置では、内面規制工具を用いること く中空素管を外径絞り圧延によって仕上げ ことから、熱間圧延された鋼管に縦筋状の 面しわが発生し易い。

 通常、回転軸トルクを伝達する際に、ドラ ブシャフトの外表面には、内表面に比べて きなせん断応力が作用する。このため、ド イブシャフトの内表面にしわ等の欠陥が無 状態で、内外表面とも疲労限度せん断応力 十分に大きい場合には、疲労亀裂は、内表 より大きなせん断応力の作用する外面側か 発生、成長することになる。
 また、外面側については、仮に疲労強度に 題を生じる程度の疵があった場合において 、外面検査が容易なため、対応が容易であ 。

 したがって、内表面に内面しわが存在す 場合でも、内表面側の疲労限度せん断応力 外面側で規定されるせん断応力を超えない うに、内表面側に発生する内面しわを管理 きれば、中空部材として製造された鋼管に 存する内面しわであっても、結果としてド イブシャフトの疲労寿命に影響を与えるこ がなく、実用上、問題とならない。

 このような観点から、本発明者が、ドラ ブシャフトの疲労寿命に及ぼす冷間仕上加 された鋼管に残存する内面しわの深さと捩 り疲労強度の関係を詳細に調査した結果、 擦圧接型ドライブシャフトに関し、内面し の深さを0.20mm以下とする必要のあることを 見し、先に内表面に残存する内面しわ深さ 規定するドライブシャフト用継目無鋼管を 案した(必要なれば、WO2007/111258号公報を参 )。

 ところで、一体成形型ドライブシャフト おいては、両端部に縮径部が設けられ、こ 縮径部で厚肉化の加工を受けることから、 の縮径加工の過程で、管内面のしわ深さが しく増加するという問題が派生する。

 図2は、継目無鋼管の縮径加工における内 面しわの初期深さと内径縮径率との関係を示 す図である。同図で用いた供試管は、外径36m m、肉厚8.0mmに冷間抽伸された継目無鋼管であ り、縮径加工過程における供試管の内表面に 残存する内面しわの深さ最大値の変化を調査 したものである。

 以下の説明において、内面しわの深さの数 を示すときは、特段の断わりが無い限り、 わ深さの最大値を表記するものとする。ま 、内径縮径率(%)は、縮径加工前の内径をID し、縮径加工後の内径をIDfとした場合に、 記(3)式で定義される値とする
 内径縮径率={(ID-IDf)/ID}×100(%)  ・・・ (3)

 前記図2において、初期しわ深さ0.2mmの供 管は、管内面に0.2mm深さの人工疵を与えた 間仕上げ継目無鋼管(内径縮径加工前の鋼管 面の最大しわ深さは0.2mm)であり、内径縮径 (%)を変化させて内径縮径加工を行った場合 、縮径加工前の0.2mmのしわ深さが、内径縮 率40%で0.32mmに、内径縮径率61.9%では、0.44mmま で増加することが分かる。

 同様に、初期しわ深さ0.1mmの供試管は、 内面に0.1mm深さの人工疵を与えた冷間仕上げ 継目無鋼管であるが、内径縮径率(%)を変化さ せて縮径加工を行った場合に、縮径加工前の 管内面最大しわ深さが0.1mmであったのが、内 縮径率61.9%で0.30mm強まで増加している。

 言い換えると、接合型ドライブシャフト 継目無鋼管を製造する場合には、上述した 発明者の知見の通り、鋼管に残存する内面 わとして0.2mmの深さが許容されるとしても 一体成形型ドライブシャフト用継目無鋼管 おいては、部材加工段階における内径縮径 伴う加工でのしわ深さの増加を見込んで、 り厳しい内面しわの深さ管理が必要になる

 図3は、一体成形型ドライブシャフトの構 成を例示する図であり、左半分の構成は外観 構成を示し、右半分は断面構成を示している 。一体成形型ドライブシャフトの両端部には 、連結要素としてのスプライン7が設けられ さらにブーツ部8が加工される。図3で示す縮 径部9は、スェージ加工等により縮径加工が される領域であり、ドライブシャフト用鋼 の両端部に設けられる。

 図4は、前記図3に示すように、一体成形 ドライブシャフトの両端に設けられた縮径 の疲労特性を評価するためにスプライン加 部を模擬した試験片の概略形態を示す図で る。スプライン7加工部は、両端の治具10に 擦圧接部11を介して保持される。本発明者は 、図4に示すスプライン7加工部を模擬した試 片を用い、捩じり疲労試験特性をシミュレ ト調査した。

 シミュレート調査の結果では、所定の化 組成からなる継目無鋼管を用いる限りにお ては、縮径部の厚肉化した鋼管部材の外面 スプライン加工を施した捩じり疲労試験に り、縮径加工後の管内面の最大しわ深さが0 .2mm以下であれば、管内面からの疲労破壊は じず、すべて外面からの疲労破壊であるこ が判明した。

 ところが、所定の化学組成を満足しない 目無鋼管を用いる場合には、例え縮径加工 の管内面の最大しわ深さが0.2mm以下であっ も、満足な疲労強度は確保できないことが かった。

 さらに、シミュレート調査の結果によれ 、管内面の最大しわ深さは、前記図2に示す ように、内径縮径率の増加により急増する傾 向にあるため、内面しわの深さ抑制は内径縮 径率を極力抑えることが有効である。しかし 、ドライブシャフト両端部の捩り剛性を確保 するには、縮径部の形成と厚肉化は必須であ り、その両管端部では少なくとも30%の内径縮 径率が必要になる。

 現実における両管端の縮径加工での内径 径率が通常50%程度であることが想定される このような現実的な想定から、一体成形型 ライブシャフトの用途に適用しうる継目無 管の最大内面しわ深さは、0.1mm以下である とが必要と判断された。

 さらに、種々の継目無鋼管の製管条件の 討を重ねることにより、管内面に残存する 面しわとして0.1mm以下の深さは、マンネス ン製管法による穿孔圧延、延伸圧延の後の 形圧延における孔型形態の調整と、その後 冷間抽伸での肉厚加工度の調整により達成 きることを知見した。

 本発明は、上述した知見に基づいてなさ たものであり、下記(1)、(4)の一体成形型ド イブシャフト用冷間仕上継目無鋼管、(2)、( 4)のドライブシャフト、および(3)、(4)の一体 形型ドライブシャフト用冷間仕上継目無鋼 の製造方法である。

(1)質量%で、C:0.30~0.38%、Si:0.50%以下、Mn:0.30~2.00 %、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Cr:0.15~1.0%、Al:0.00 1~0.05%、Ti:0.005~0.05%、N:0.02%以下、B:0.0005~0.01%お よびO(酸素):0.0050%以下を含み、残部がFeおよ 不純物であり、下記(1a)または(1b)式で定義さ れるBeffが0.0001%以上を満足する化学組成から り、長手方向に垂直な断面における内表面 残存する内面しわの最大深さが0.10mm以下で ることを特徴とする一体成形型ドライブシ フト用冷間仕上継目無鋼管である。
 ただし、Ti、NおよびBを含有量%とし、N-14×Ti /47.9≧0の場合に
 Beff=B-10.8×(N-14×Ti/47.9)/14 ・・・(1a)
 同様に、N-14×Ti/47.9<0の場合に
 Beff=B                        ・ ・(1b)

(2)継目無鋼管に縮径部を設ける縮径加工を 施して一体成形されたドライブシャフトであ って、質量%で、C:0.30~0.38%、Si:0.50%以下、Mn:0.3 0~2.00%、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Cr:0.15~1.0%、A l:0.001~0.05%、Ti:0.005~0.05%、N:0.02%以下、B:0.0005~0. 01%およびO(酸素):0.0050%以下を含み、残部がFe よび不純物であり、上記(1a)または(1b)式で定 義されるBeffが0.0001%以上を満足する化学組成 らなり、前記縮径加工の際に、縮径部の少 くとも一部の加工度が内径縮径率で30%以上 あり、前記縮径部の長手方向に垂直な断面 おける内表面に残存する内面の最大しわ深 が0.20mm以下であることを特徴とするドライ シャフトである。

(3)質量%で、C:0.30~0.38%、Si:0.50%以下、Mn:0.30~2.00 %、P:0.025%以下、S:0.005%以下、Cr:0.15~1.0%、Al:0.00 1~0.05%、Ti:0.005~0.05%、N:0.02%以下、B:0.0005~0.01%お よびO(酸素):0.0050%以下を含み、残部がFeおよ 不純物であり、かつ上記(1a)または(1b)式で定 義されるBeffが0.0001%以上を満足する化学組成 らなるビレットを用いた冷間仕上継目無鋼 の製造方法であって、前記ビレットを用い マンネスマン製管法による穿孔圧延に次い 延伸圧延したのち、少なくとも2個の孔型圧 延ロールを備えた複数のスタンドからなる定 径圧延装置を用いて定径圧延する際に、前記 各スタンドにおいて互いに隣接する孔型圧延 ロールの対向するエッジ部に接線を引き、そ れぞれの接線の成す角度β(度)のうち全スタ ドで最小の角度をβmin(度)とした場合に、下 (2)式の関係を満足する孔型圧延ロールを用 て素管を圧延し、さらに前記素管を冷間抽 する際に、当該素管の最小肉厚部における 肉厚加工度を10%以上とすることを特徴とす 一体成形型ドライブシャフト用冷間仕上継 無鋼管の製造方法である。
 ただし、(2)式において、D:定径圧延後の管 径(mm)、t:定径圧延後の管肉
 厚(mm)およびln(x):xの自然対数とし、
 βmin≧1.13×10×ln(t/D×l00)+1.37×10 2 ・・・(2)

 本発明の一体成形型ドライブシャフト用 間仕上継目無鋼管の製造方法では、冷間抽 の後に焼鈍また焼準を行うのが望ましい。

(4)上記(1)、(2)の化学組成として、また上記(3) の製造方法で用いるビレット組成として、Fe 一部に代えて、さらに下記の(a)~(c)の群のう ちから選ばれた1群または2群以上の元素を含 させるのが望ましい。
(a)Cu:1%以下、Ni:1%以下およびMo:1%以下のうちか ら選ばれた1種または2種以上
(b)V:0.1%以下、Nb:0.1%以下およびZr:0.1%以下のう から選ばれた1種または2種以上
(c)Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下および希土類元素(R EM):0.01%以下のうちから選ばれた1種または2種 上

 本発明の一体成形型ドライブシャフト用 間仕上継目無鋼管によれば、マンネスマン 管法によって熱間圧延された素管を用いて 間抽伸を施すことによって、特段の管内面 研削等の切削加工を施すことなく、優れた り疲労特性、冷間加工性を備え、同時に焼 れ性と靱性の兼備することができ、信頼性 おける一体成形型ドライブシャフトが製造 能となり、その製造工程の合理化とともに 自動車用ドライブシャフトの軽量化や静粛 の向上に寄与できる。

 したがって、本発明の製造方法を適用す ことによって、自動車用ドライブシャフト 低廉な製造コストで、かつ効率的に製造で るので、工業的に効果が大きく、広く適用 ることができる。

 図1は、継目無鋼管を熱間で製造するマンネ スマン製管法の製造工程の一例を説明する図 である。
 図2は、継目無鋼管の縮径加工における内面 しわの初期深さと内径縮径率との関係を示す 図である。
 図3は、一体成形型ドライブシャフトの構成 を例示する図であり、左半分の構成は外観構 成を示し、右半分は断面構成を示している。
 図4は、一体成形型ドライブシャフトの両端 に設けられた縮径部の疲労特性を評価するた めにスプライン加工部を模擬した試験片の概 略形態を示す図である。

 図5は、3ロール式のストレッチレデューサ 用いられる圧延ロールにおける孔型形状を す図である。
 図6は、本発明に用いる孔型圧延ロールを規 定するためにエッジ部に引いた接線の成す角 度の算出要領を説明する図である。
 図7は、ストレッチレデューサに用いられる 他の圧延ロールにおける部分的な孔型プロフ ィールを示す図である。
 図8は、実施例2で用いた捩り疲労試験に供 た試験片のスプライン加工形状を示す断面 である。

 本発明の一体成形型ドライブシャフト用 間仕上継目無鋼管が上記の特徴を発揮する めに必要な、鋼組成および製造条件につい 項を分けて説明する。以下の説明において 鋼の化学組成は「質量%」で示す。

1.鋼組成
 C:0.30~0.38%
 Cは、鋼の強度を増加し耐疲労強度を向上さ せる元素であるが、靭性を低下させ、焼き割 れ感受性を高める作用がある。その含有量が 0.30%未満であると、十分な強度が得られない 一方、含有量が0.38%を超えると、冷間加工 および靭性を低下させるとともに、需要家 工程である高周波焼入れ段階で焼き割れが じるおそれがある。

 Si:0.50%以下
 Siは、脱酸剤として必要な元素である。し し、その含有量が0.5%を超えると冷間加工性 確保できないので、0.5%以下とした。Si含有 は少なくなればなるほど、冷間加工性が向 する。したがって、より過酷な冷間加工に 対応できるように、Si含有量は0.22%以下にす るのが望ましく、さらに大きな加工を受ける 場合には、0.14%以下にするのがより望ましい

 Mn:0.30~2.00%
 Mnは、熱処理時の焼入れ性を確保し、強度 靱性を改善するのに有効な元素である。そ 効果を発揮し全肉厚に亘り内面まで十分に 化させるには、Mn含有量を0.3%以上にする必 である。一方、Mnを2.0%超えて含有させると 冷間加工性が低下する。このため、Mn含有量 は0.3~2.0%とした。また、良好なバランスで焼 れ性および冷間加工性を確保するには、Mn 有量は1.1~1.7%とするのが望ましく、さらに1.2 ~1.4%にするのがより望ましい。

 P:0.025%以下
 Pは、鋼中に不純物として含まれ、凝固時に 最終凝固位置近傍に濃化し、かつ粒界に偏析 して熱間加工性、靱性および疲労強度を低下 させる。P含有量が0.025%を超えると、粒界偏 による靭性低下が顕著となり、粒界破壊を 起して捩り疲労強度を不安定にする。駆動 の靭性および疲労強度を高水準で維持する は、望ましいP含有量は0.009%以下である。

 S:0.005%以下
 Sは、鋼中に不純物として含まれ、凝固時に 粒界に偏析し、熱間加工性および靱性を低下 させるとともに、シームレス鋼管を中空軸素 材として採用するとき、特に冷間加工性およ び捩り疲労強度を低下させる。このため、ド ライブシャフトの中空軸素材に用いられるシ ームレス鋼管として必要な冷間加工性および 熱処理後の捩り疲労強度を確保するには、S 有量は0.005%以下にする必要がある。

 Cr:0.15~1.0%
 Crは、冷間加工性をあまり低下させずに疲 強度を高める元素であり、Bと同様に焼入れ の向上にも有効な元素である。したがって Cr含有量は、所定の疲労強度を確保するた 、0.15%以上とする。一方、Crは1.0%を超えて含 有すると、冷間加工性の低下が顕著となる。 このため、Cr含有量は0.15~1.0%とした。
 さらに、良好なバランスで疲労強度、冷間 工性および焼入れ性を確保するには、Cr含 量は0.2~0.8%にするのが望ましく、0.3~0.6%とす のがより望ましい。

 Al:0.001~0.05%
 Alは、脱酸剤として作用する元素である。 酸剤としての効果を得るためには、0.001%以 の含有が必要であるが、その含有量が0.05%を 超えると、アルミナ系介在物が増加し疲労強 度が低下するとともに、切削面の表面性状を 低下させる。このため、Al含有量は0.001~0.05% した。さらに、安定した表面品質を確保す には、Al含有量は0.001~0.03%とするのが望まし 。

 下記するTi、NおよびBは、鋼の焼入れ性を 確保するため、それぞれの元素含有量を規定 すると同時に、さらにお互いの含有量バラン スを規定する条件式を満足する必要がある。

 Ti:0.005~0.05%
 Tiは、鋼中のNをTiNとして固定する作用を有 ている。しかし、Ti含有量が0.005%未満では Nを固定する能力が十分に発揮されず、一方 0.05%を超えると、鋼の冷間加工性および靱 が低下する。このため、Ti含有量は0.005~0.05% する。

 N:0.02%以下
 Nは、靱性を低下させる元素であり、鋼中で Bと結合し易い。N含有量が0.02%を超えると、 間加工性および靱性が著しく低下するので その含有量は0.02%以下とした。冷間加工性お よび靱性を向上させる観点からは、0.01%以下 好ましく、0.007%以下がより好ましい。

 B:0.0005~0.01%
 Bは、焼入れ性を向上させる元素である。そ の含有量が0.0005%未満では、焼入れ性が不足 、一方、0.01%を超えて含有すると、冷間加工 性および靱性が低下する。そのため、B含有 は0.0005~0.01%とした。
 さらに、Bが焼入れ性を向上させる前提とし て、下記(1a)または(1b)式で規定するBeffが0.0001 以上を満足する必要がある。

 すなわち、N-14×Ti/47.9≧0の場合に、
 Beff=B-10.8×(N-14×Ti/47.9)/14 ・・・(1a)
 同様に、N-14×Ti/47.9<0の場合に
 Beff=B                        ・ ・(1b) 

 Bが焼入れ性を向上させる能力を発揮する には、鋼中のNの影響をなくす必要がある。B Nと結合し易く、鋼中にフリーなNが存在す と、Nと結合してBNが生成し、Bが具備する焼 れ性を向上させる作用が発揮されない。こ ため、N含有量に応じてTiを添加し、TiNとし 固定することにより、Bを鋼中に存在させ焼 入れ性に有効に作用させるため、上記(1a)ま は(1b)式で規定するBeffが0.0001以上を満足する 必要がある。

 また、Beffの値は大きくなればなるほど、 焼入れ性が向上するので、Beffが0.0005以上を 足するのが望ましく、さらにBeffが0.001以上 満足するがより望ましい。

 O(酸素):0.0050%以下
 Oは、靭性および疲労強度を低下させる不純 物である。O含有量が0.0050%を超えると、靭性 よび疲労強度が著しく低下するので、0.0050% 以下と規定した。

 さらに、本発明の一体成形型ドライブシ フト用冷間仕上継目無鋼管は、耐疲労強度 加え諸特性を改善するため、上記の鋼組成 加え、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、V:0.1% 下、Nb:0.1%以下、Zr:0.1%以下、Ca:0.01%以下、Mg: 0.01%以下および希土類元素(REM):0.01%以下の1種 は2種以上を含有させることができる。

 Cu:1%以下、Ni:1%以下およびMo:1%以下
 Cu、NiおよびMoは、いずれも焼入れ性を向上 せて鋼の強度を高め、疲労強度の向上に有 な元素である。これらの効果を得たい場合 は、いずれかを1種または2種以上を含有さ ることができる。前記の効果を得るために 、Cu、NiおよびMoのいずれの元素の場合も、0. 05%以上含有させることが望ましい。しかし、 その含有量が1%を超えると、冷間加工性が著 く低下する。このため、含有させる場合に 、Ni、MoおよびCu、いずれの場合も1%を上限 する。

 V:0.1%以下、Nb:0.1%以下およびZr:0.1%以下
 V、NbおよびZrは、いずれも炭化物を形成し 結晶粒粗大化の防止により靱性を向上させ のに有効な元素である。したがって、鋼の 性を向上させる場合に、いずれか1種または2 種以上を含有させることができる。前記の効 果を得るためには、V、NbおよびZrのいずれの 素の場合も、0.005%以上含有させることが望 しい。しかし、いずれも0.1%を超える含有に なると、粗大な析出物が生成し、かえって靱 性を低下させる。このため、含有させる場合 には、V、NbおよびZrの含有量は、0.1%を上限と した。

 Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下およびREM(希土類元 ):0.01%以下
 Ca、MgおよびREMは、冷間加工性および捩り疲 労強度の向上に寄与する元素である。これら の効果を得たい場合に、いずれか1種または2 を含有させることができる。Ca、MgおよびREM のいずれの元素も、0.0005%以上の含有で顕著 効果が得られる。しかし、いずれも0.01%を超 える含有になると、粗大な介在物が生成し、 かえって疲労強度を低下させる。このため、 含有させる場合には、Ca、MgおよびREMの含有 は、いずれも0.0005~0.01%とするのが望ましい

2.製造条件
2-1.熱間工程での製造条件
 本発明の一体成形型ドライブシャフト用冷 仕上鋼管の製造方法の一例として、前記図1 に示すように、マンドレルミルおよびストレ ッチレデューサを用いたマンネスマン製管法 を挙げることができる。このとき、ストレッ チレデューサでの定径圧延において、圧延さ れる管内面の真円度を適切に向上させ、圧延 過程での内面形状の多角化を抑え、内面しわ の発生および進展を有効に抑制することがで きる。

 具体的には、穿孔圧延に次いで延伸圧延 た後、複数のスタンドからなるストレッチ デューサ等の定径圧延装置を用いて定径圧 する際に、前記各スタンドにおいて互いに 接する孔型圧延ロールの対向するエッジ部 接線を引き、それぞれの接線の成す角度β( )のうち全スタンドで最小の角度をβmin(度) した場合に、下記(2)式を満足する孔型圧延 ールを用いることが必要になる。

 このとき、D:定径圧延後の管外径(mm)、t:定 圧延後の管肉厚(mm)およびln(x):xの自然対数と する。
 βmin≧1.13×10×ln(t/D×l00)+1.37×10 2 ・・・(2)

 図5は、3ロール式のストレッチレデュー に用いられる圧延ロールにおける孔型形状 示す図である。ストレッチレデューサに配 される孔型圧延ロール6rの孔型形状は、パス ラインに位置する孔型中心Oより外方にオフ ット(オフセット量S)された孔型中心0’から 径Rの円弧を有しており、この円弧が圧延ロ ール6rのフランジ側壁面Fと直接交差するよう に孔型プロフィールPRを構成している。そし 、圧延ロール6rのエッジ部Eは、孔型プロフ ールPRの端部となり、前記半径Rの円弧の端 に相当する。

 前述の通り、ストレッチレデューサによ 定径圧延の際には、被圧延管の圧延ロール エッジ部相当位置で内面しわが発生してい ことから、孔型プロフィールを適正にする ともに、エッジ部相当位置における管の内 の曲率半径、平均内半径(短径と長径との平 均値)および内面しわの深さとの間には一定 関係があることから、上記(2)式で示される うに、t/Dに対して角度βを所定の値に設定す ればよい。

 図6は、本発明に用いる孔型圧延ロールを 規定するためにエッジ部に引いた接線の成す 角度の算出要領を説明する図である。まず、 ストレッチレデューサの各スタンドに配置さ れた圧延ロール6raのエッジ部Eaに接線(エッジ 部Ea近傍の孔型プロフィールの接線)Laを引き 圧延ロール6raに隣接する圧延ロール6rbのエ ジ部のうち、エッジ部Eaに対向するエッジ Ebに接線(エッジ部Eb近傍の孔型プロフィール の接線)Lbを引いて、両接線La、Lbの成す角度β を算出する。

 次に、それぞれに算出された角度βのう 全スタンドで最小となる角度をβminとして、 上記(2)式を満足するように、孔型圧延ロール 6rの孔型プロフィールを設定すればよい。上 のように設定がなされた圧延ロール6rを用 てストレッチレデューサによる定径圧延す ば、被圧延管の内面しわの発生を抑制し、 面しわが発生した場合でも、その進展を効 的に抑制することができる。

 図7は、ストレッチレデューサに用いられ る他の圧延ロールにおける部分的な孔型プロ フィールを示す図である。本発明で対象とさ れる圧延ロール6rの孔型プロフィールは、前 図5および図6に限定されるものではなく、 7(a)に示すように、孔型圧延ロール6rの孔型 ロフィールPRとして、半径の異なる複数の円 弧からなり、フランジ側壁面Fと直接交差す 形状を採用することも可能である。この場 における孔型圧延ロール6rのエッジ部Eは、 もフランジ側に位置する円弧(半径Rn)の端部 相当する。

 さらに、図7(b)、(c)に示すように、孔型プ ロフィールPRと孔型圧延ロール6rのフランジ 壁面Fとの間に、円弧からなる「逃がし」や 直線からなる「逃がし」を設けた形状であ 場合にも採用することができる。この場合 おける孔型圧延ロール6rのエッジ部Eは、孔 プロフィールPRを構成する円弧の端部(最も ランジ側に位置する円弧の端部)に相当する 。

2-2.冷間工程での製造条件
 前述の通り、ストレッチレデューサによる 径圧延された素管は、外径絞り圧延にとも って2~4方向から圧延ロールによる圧下を受 ることから、圧延ロールのエッジ部相当位 で内面しわを発生したり、角張りを生ずる とがある。特に、上記(2)式を満足する孔型 延ロールを用いない場合には、内面しわや 張りの発生が顕著になる。

 本発明のドライブシャフト用冷間仕上鋼 では、熱間圧延で素管を製管した後、抽伸 工を施すことによって、内面しわの助長を 制するだけでなく、発生した角張りを改善 ることができる。さらに、製品である鋼管 内外面全体の平滑化も図ることができる。

 本発明で適用する抽伸加工は、芯金(プラ グ)引きを行う限りにおいては、円筒プラグ よびSFプラグ(セミフロ-ティングプラグ)のい ずれを用いてもよい。

 本発明で適用する抽伸加工では、断面減 率や平均肉厚加工度を特に限定するもので ないが、熱間製管後の鋼管の円周方向最小 厚部における冷間抽伸段階での肉厚加工度 10%以上確保する必要がある。

 前述の通り、熱間圧延後の鋼管の内面形 は、真円にならず、角張り、多角形化して るため、偏肉等も相まって当該鋼管の最小 厚部(角張り底部)において、所定の肉厚加 度が確保できずに内面しわが助長される傾 がある。しかし、前記最小肉厚部における 間抽伸段階での肉厚加工度を10%以上に確保 ることにより、内面しわの助長を抑制する とができ、上記(2)式の関係を満足する定径 延との組み合わることにより、鋼管内面の 大しわ深さを0.1mm以下に抑制することができ る。

 さらに、冷間抽伸された鋼管には焼鈍、 たは焼準の熱処理を施すことが望ましい。 体成形型ドライブシャフトに加工するに当 り、両端部での縮径加工を容易にするため ある。焼準処理を行う場合には850℃~950℃、 焼鈍処理を行う場合には680℃~720℃の温度範 で熱処理することが望ましい。

2-3.一体成形型ドライブシャフトへの加工
 一体成形型ドライブシャフトの概略形状は 前記図3に示すとおりである。一体成形型ド ライブシャフトの製作は、本発明の製管方法 に基づき冷間仕上継目無鋼管を作製し、その うち鋼管内面の最大しわ深さを抑制した鋼管 の両端部にスウェージ加工等により、縮径部 を設けて厚肉化の加工を行う。縮径加工にお ける内径縮径率は、少なくとも30%以上とする 。内径縮径率が30%未満では、管端部において 十分な捩り剛性を確保することができない。
 また、図2に示すように、内径縮径率が30%未 満では、縮径加工に伴なう管内面のしわ深さ の増加が顕著とはならないので、冷間仕上の 状態で内面しわ深さが0.1mm以下であることが ずしも要求されない。このため、本願発明 一体成形型ドライブシャフトは、縮径加工 の少なくとも一部が内径縮径率30%以上であ ものとする。

 内径縮径率の上限は特に定めないが、60% 超えると、冷間抽伸後の管内面のしわ深さ 相当小さいものでない限り、縮径部の管内 に残存する最大しわ深さを、0.2mm以下に抑 するのが困難となる。このため、内径縮径 の上限は60%とするのが望ましく、52%以下と るのがさらに望ましい。

 前記図3に示すように、ドライブシャフト の両端部には、連結要素としてのスプライン 加工等の必要な加工を加える。必要な機械特 性を確保するために高周波焼入れ、焼戻しを 行うことが望ましい。この焼入れ焼戻しによ り、硬度としてHv:550~595を確保することがで る。しかし、硬度がHv600を超えると疲労特性 が低下するおそれがある。

(実施例1)
 実施例では、表1に示す化学組成を有するビ レットを用いた。そして、表2の熱間製管の に示すように、通常のマンネスマン-マンド ルミル仕上げによる穿孔圧延により、3ロー ル式ストレッチレデューサの孔型形状(孔型 延ロールの最小フランジ接触角βmin)を変化 せ、外径45.0mm、肉厚7.0~7.4mmの冷間抽伸用の 管を製造した。

 このときの管円周方向での最小肉厚、お び発生した内面しわの深さを測定した。こ ときの熱間製管工程での加工条件(ストレッ チレデューサの圧延ロール条件他)、並びに 小肉厚および内面しわ深さの測定結果も表2 熱間製管の欄に示す。

 上記冷間抽伸用の素管は、冷間抽伸によ 、外径36.0mm、肉厚6.2mmの成品に仕上げ、そ 後、最終熱処理として焼準(870℃で5min均熱) 施し、冷間仕上継目無鋼管を製造した。

 冷間抽伸後の成品の寸法、断面減少率、平 肉厚加工度、最小肉厚部の肉厚加工度、内 しわ深さおよび冷間抽伸後のビッカース硬 を表2の冷間抽伸の欄に示す。ここで、断面 減少率は、抽伸加工前の断面積をAとし、抽 加工後の断面積をAfとした場合に、次の(4)式 で定義される値である。
 断面減少率={(A-Af)/A}×100(%)  ・・・  (4)

 また、肉厚加工度は、抽伸加工前の肉厚Tと し、抽伸加工後の肉厚Tfとした場合に、次の( 5)式で定義される値である。
 肉厚加工度={(T-Tf)/T}×100(%)  ・・・  (5)

 上記冷間仕上継目無鋼管の一体成形型ド イブシャフトとしての疲労特性を評価する め、管端の縮径加工用に前記鋼管を切断し 内径縮径率32.6%、50%および61.9%の軸絞り加工 を施した。縮径加工の条件および縮径加工後 のしわ深さの測定結果を表2に示す。なお、 面しわの深さ測定は、鋼管の長手方向に垂 な断面において、管端からミクロ観察用の 料を採取し、内面全周のミクロ観察により った。

 表2における供試材A~Cの結果は、ストレッ チレデューサの定径圧延段階で本願に規定す る孔型形状のロールを用い、冷間抽伸時の素 管の最小肉厚部の肉厚加工度を10%以上とする ことで、冷間仕上がり状態での内面しわ深さ を0.1mm以下に抑制することが可能であること 示す。

 そして、供試材AおよびBは、縮径加工時 内径縮径率を32.9%および50%としたもので、縮 径後の最大しわ深さは0.12mmおよび0.16mmに抑制 できた。しかし、縮径加工時の内径圧縮率が 61.9%となる供試材Cは、縮径後の内面しわ深さ が0.30mmにまで増加した。

 表2において、供試材D、Eは、ストレッチ デューサの定径圧延段階での孔型形状が、 発明で規定する範囲を外れるものを用い、 間抽伸時の素管の最小肉厚部の肉厚加工度 10%以上とした場合であるが、熱間製管後の わ深さが、既に0.14mmと大きく、冷間抽伸後 、0.17mmにまで増加し、縮径加工時の内径圧 率が50%の場合も61.9%の場合も、いずれも、 径加工後の内面しわ深さが0.20mmを大きく上 る結果となった。

 表2において、供試材F、Gは、ストレッチ デューサの定径圧延段階で本発明で規定す 孔型形状のロールを用い、冷間冷間抽伸時 素管の最小肉厚部の肉厚加工度を6.1%とした ものである。この場合、熱間製管後の内面し わ深さが0.05mmであるにもかかわらず、冷間抽 伸後は0.13mmまで増加し、縮径加工後において は、内径圧縮率が50%の場合も61.9%の場合も、 ずれも縮径後の内面しわ深さが0.20mmを大き 上回る結果となった。

 表2において、供試材H、Iは、ストレッチ デューサの定径圧延段階で本発明する孔型 状のロールを用い、冷間冷間抽伸時の素管 最小肉厚部の肉厚加工度を12.7%としたもの ある。この場合、熱間製管後の内面しわ深 が0.02mm、冷間抽伸後も0.03mmに抑制すること でき、縮径加工後においては、内径圧縮率 61.9%の場合でさえも、内面しわ深さを0.07mmに 抑制することができた。

(実施例2)
 実施例1で縮径加工された供試材A~Iを用い、 ねじり疲労試験を実施した。縮径加工が施さ れた供試材は、前記図4に示すように、試験 の長手中央部を冷間抽伸後の外径から3.5mm切 削し(肉厚を1.75mm減肉し)、150mmの長さの平行 を形成し、この部分に切削加工でスプライ を形成、一体成形型ドライブシャフトのス ライン加工部を模擬するための試験片とし 。

 図8は、実施例2で用いた捩り疲労試験に した試験片のスプライン加工形状を示す断 図である。スプライン加工部の歯数は、上 外径切削後の外径により若干異なるが、25~31 の範囲であり、凹部の深さは0.98mm、凹部底の 局率半径を0.4mm、凹部の壁面の傾斜角度を25 (°)とした。

 こうして得られた一体成形型ドライブシャ トの両端部の絞り加工後の状態を模擬する 験片にて、高周波焼入れ(920℃のずぶ焼き) よび(150℃×3Hr)の熱処理を施した後、最大せ 断応力τ=427N/mm 2 (片振り)の条件下でねじり疲労試験を実施し 破断までの繰り返し数(回)と電子顕微鏡に る破壊起点部の破面観察を行なった。

 捩り疲労試験の結果を表3に示す。このと きの合格の判定基準は、繰り返し数が30万回 上であって、かつ破壊が外面を起点とする のとし、この判定基準を満足する場合には 価を○とし、満足しない場合には×とした

 表3に示す結果から、内径縮径加工後の内 面しわの深さが0.20mm超である場合(供試材C~G) は、疲労破壊が内面しわを起点と発生して り、内面しわの存在が縮径加工後の捩り疲 特性の障害となることが分かる。

 これに対し、縮径加工後の内面しわの深 が0.20mm以下に制御された場合(供試材A、B、H およびI)は、外面のスプライン加工部を起点 する破壊となり、破断までの繰り返し数も3 0万回を超える結果であった。これらの結果 ら、一体成形型ドライブシャフトの内径縮 部の捩り疲労に対しては、縮径部における 面のしわの許容深さは0.20mmであることが確 できた。

産業上の利用の可能性

 本発明の一体成形型ドライブシャフト用 間仕上継目無鋼管は、マンネスマン製管法 よって熱間圧延された素管を用いて冷間抽 を施すことによって、管内面に残存するし 深さを抑制することができ、両端部の縮径 を設ける一体成形型の自動車用ドライブシ フトとしても優れた捩り疲労特性を確保す ことができ、軽量化や静粛性に最適な中空 材として使用できる。これにより、本発明 製造方法を適用することによって、自動車 ドライブシャフトを低廉な製造コストで、 つ効率的に製造できることから、工業的に 果が大きく、広く適用することができる。